JP2020150900A - プライマー及びマンゴーの検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アレルギーを引き起こす恐れのあるマンゴーが食品原料や製品等に含まれていた場合に、その量が微量であっても高感度で検出することが可能なPCRプライマーを提供する。【解決手段】検出対象とするマンゴー及びその他の生物の遺伝子配列における共通性と特異性に着目し、マンゴーに特徴的な塩基配列を見いだした。そして、これらの塩基配列を利用して、PCRプライマーを設計した。得られたプライマーを利用することでPCR法などの核酸分析を行うことで、マンゴーを簡便に検出し得ること確認した。【選択図】図1

Description

本発明は、食物アレルギーを引き起こす恐れのあるマンゴーが食品原料や製品等に含まれていた場合に、その量が微量であっても高感度で検出することを可能とするマンゴーの検出方法、並びにその方法に使用するPCRプライマーセットに関するものである。
マンゴー(Mangifera indica)はウルシ科マンゴー属の植物であり、摂取により喘鳴、蕁麻疹、血管浮腫、アナフィラキシー等を発症する場合があることが報告されている。食物アレルギーを引き起こす恐れのある食品のうち、各国、または地域ごとに定めた特定の食品は、食物アレルギー疾患を持つ人の健康危害の発生を防止する観点から、含有食品への表示が義務付けられており、マンゴーは台湾において、表示義務対象となっている。
日本において、マンゴーは、食物アレルギーを引き起こす物質として表示が義務付けられている「特定原材料」や、表示が推奨されている「特定原材料に準ずるもの」には指定されていない(食品表示基準について、平成30年9月21日、消食表第492号)。しかし、特定原材料等の妥当性や改正の必要性を検討すること等を目的として実施された調査によると、即時型食物アレルギーの原因食物においてマンゴーが占める割合は、全体の0.2%であり、「特定原材料に準ずるもの」に指定されている品目のうち、鶏肉、ゼラチン、豚肉、オレンジ、牛肉、あわび、松茸を上回っていた(平成27年度 食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書)。また、近年、マンゴーを含むドライフルーツの需要が増加しており、マンゴーの国内生産量も増加傾向である。これらのことから、今後マンゴーに対する食物アレルギー患者数の増加や、それに伴う「特定原材料に準ずるもの」への追加も大いにあると考えられる。
アレルギーを引き起こす恐れのある食品は、生産、流通、加工段階での意図しない微量の混入も起こり得るため、食品原料ないし製品の提供者としては、それらが混入しているか否かの品質管理を行うことが重要となる。
特定の食品の混入の有無を検査する方法として、ELISA法やウェスタンブロット法、イムノクロマト法により、特徴的な蛋白質を検出する方法や、PCR法により特徴的なDNA塩基配列を検出する方法等が挙げられる。一般に、蛋白質はDNAと比べて、食品製造工程における様々な加工処理に対する安定性が低いため、蛋白質を検出する方法は、高度に加工された被験食品に対しては適用できない可能性が高い。そのため、蛋白質よりも加工処理に比較的強いとされるDNAの塩基配列を標的としたPCR法は、様々な加工処理工程を経た食品原料や製品中からの検出法に適していると考えられる。
現在までに、マンゴー検査法としては、その品種解析を目的として、RAPD法を用いた方法(非特許文献1)、SSRマーカーを用いた方法(非特許文献2)、CAPSマーカーを用いた方法(非特許文献3)が報告されているが、これらは被験試料が単一種の植物である場合に使用することを前提としており、複数の植物を含む食品中のマンゴーDNAを特異的に検出するために使用することはできない。
上述したように、食物アレルギーを引き起こす恐れのあるマンゴーを特異的に検出する方法は報告されておらず、マンゴーが食品原料や製品に混入しているか否かを科学的に検証可能な手法が、食品の品質管理手法として待望されている。
Schnell RJ., Ronning CM., and Knight RJ Jr., Identification of cultivars and validation of genetic relationships in Mangifera indica L. using RAPD markers.; Theor Appl Genet., 90(2): 269-274, 1995 Schnell RJ., Olano CT., Quintanilla WE., and Merrow AW., Isolation and characterization of 15 microsatellite loci from mango (Mangifera indica L.) and cross‐species amplification in closely related taxa; Molecular Ecology Notes, 5: 625-627, 2005 Shudo A., Tarora K., Makishi Y., Ichi R., Takahashi K., Matsumura M., Shimabuku S., Matsuda N., Nakasone S., Urasaki N., Development of CAPS markers and their application in breeding for mango, Mangifera indica L.; Euphytica, 190(3): 345-355, 2013
本発明は、アレルギーを引き起こす恐れのあるマンゴーを、食品原料や製品中から特異的、かつ高感度に検出できる方法、及びこの方法に用いるPCRプライマーセットを提供することを課題とした。
上記課題を達成するために、本発明者らは、分子生物学的観点から、検出対象とするマンゴー及びその他の生物の遺伝子配列における共通性と特異性に着目し、食物アレルギー原因食物であるマンゴーを高感度に検出することができる方法を鋭意研究した。その結果、マンゴーに特徴的な塩基配列を見いだし、これらの塩基配列を利用してPCR法などの核酸分析を行うことで、マンゴーを簡便に検出し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下のマンゴー検出用PCRプライマーセットに関する。すなわち、本願発明はまず以下の項に関するものである。

項1. 配列表の配列番号1における塩基番号6〜20の塩基配列を3´末端側に含む最大30塩基のDNAからなるPCRプライマーと、配列表の配列番号2における塩基番号5〜19の塩基配列を3´末端側に含む最大30塩基のDNAからなるPCRプライマーとからなるマンゴー検出用PCRプライマーセット。
項2.試料からDNAを抽出する工程と、このDNAを鋳型として、請求項1記載のプライマーセットを用いてPCRを行う工程と、増幅されたDNAを検出することにより試料中にマンゴーが存在しているか否かを検出する工程とを含むマンゴーの検出方法。
本発明によれば、PCR等を用いた核酸分析によって、マンゴー由来DNAの検出を可能とし、被験食品原料や被験食品中に、上記マンゴーが混入しているか否か、又は、使用されているか否かといった品質管理検査の実施を可能にするという効果を奏する。また、アレルギーの未然防止、アレルギー症状が生じた際の原因物質の調査等にも寄与することができる。
本発明におけるプライマーセット(配列番号1及び配列番号2)を用いたPCRにおけるマンゴーDNAの検出感度を示した電気泳動後の写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。
マンゴー検出用PCRプライマーセット
本発明者等は、上記の目的に従い、以下のマンゴー検出用PCRプライマーセットを開発した。本発明のマンゴー検出用PCRプライマーセットは、マンゴーに特徴的な塩基配列を有するものである。
本発明のプライマーセットは以下のようにして設計した。標的とする塩基配列は、感度向上の観点から、1細胞あたりのコピー数が多いものが望ましく、クロロプラストのrbcL(large subunit gene for ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxygenase)遺伝子配列、matk(maturase-encoding gene)遺伝子配列、rRNA遺伝子の内部転写スペーサー領域1(ITS1)塩基配列、及び内部転写スペーサー領域2(ITS2)塩基配列を候補として選定した。各種植物のそれらの配列を既知のDNAデータベース(GenBank nucleotide sequence database)から取得、あるいは、一部の植物については独自に解析することによって取得し、それらの膨大な塩基配列の多重並列配列図を作成した。その中でも、ITS領域は進化速度が速く、より近縁の種の識別が可能となるため、マンゴー特異的プライマーの標的配列として好適であった。
本発明のプライマーセットの開発に際しては、検出目的とする生物種をマンゴー(ムクロジ目ウルシ科マンゴー属マンゴー(Mangifera indica))に設定し、マンゴーと、その近縁種である同科カシューナットノキ属のカシューナッツ(Anacardium occidentale)、カイノキ属のピスタチオ(Pistacia vera)、サンショウモドキ属のピンクペッパー(Schinus molle)のITS領域の塩基配列を比較した。マンゴーに特異的な塩基配列領域を選定し、当該塩基配列領域からPCRプライマーセットを新規に設計した。その際、検出目的とした生物種の当該塩基配列領域とは、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするが、検出目的としない生物種とはハイブリダイズしないように創意工夫して、設計した。
なお、センスプライマーとアンチセンスプライマーのハイブリダイズや、個々のプライマー自身によるハイブリダイズを生じないように、すなわち、いわゆるプライマーダイマーの形成を極力回避するように設計した。
本発明が提供するプライマーの塩基配列について網羅的に述べてきたが、理論上は首尾よく設計されたプライマーであっても、意図する性能(検出特異性等)を保有しえないプライマーが設計される場合がある。それ故、設計の際には、論理的設計だけでなく、性能評価試験が重要となる。本発明が提供するプライマーは、論理的設計に加え、性能評価試験をクリアーしたものである。
従って、本発明のマンゴー検出用PCRプライマーセットを用いたPCR法などの核酸分析の手法を用いて、各種食品中に含まれるマンゴー由来DNAを高感度かつ特異的に検出することができる。
ここで、核酸分析とは、生物分類における、個々の種、属、あるいは、グループによって特徴的な塩基配列が存在することを利用して、その特徴的な塩基配列の有無を分析することによって、その生物の種、属、あるいは、グループを把握するために有効な手段であって、特定の微生物の検出や生物種の同定などに有用に用いられる方法である。
本発明が提供するプライマーの塩基配列は以下のとおりである。
塩基番号 12345678901234567890
配列番号1(S) CTAACGATTCTTTCGGCGTG
配列番号2(AS) GTCGAAGAGCTCGTGGTCG
また、本発明が提供する30塩基のDNAからなるプライマーとしては、例えば以下の塩基配列のものを上げることができる。
配列番号3(S) cgacccgacaCTAACGATTCTTTCGGCGTG
配列番号4(AS) gacgaacgcacGTCGAAGAGCTCGTGGTCG
( Sはセンスプライマーを表し、ASはアンチセンスプライマーを表す。)
本発明は、配列表の配列番号1における塩基番号6〜20の塩基配列を3´末端側に含む最短15最大30塩基のDNAからなるPCRプライマーをセンスプライマーとし、配列表の配列番号2における塩基番号5〜19の塩基配列を3´末端側に含む最短15最大30塩基のDNAからなるPCRプライマーをアンチセンスプライマーとするプライマーセットを提案する。本プライマーセットは、マンゴー検出用に好適に使用できる。
前記各プライマーにおいて、塩基配列の長さを15から30とするのは、PCR用プライマーとしての塩基配列の適切な長さが15〜30程度であること、また、3´末端側15個の塩基配列を特定するのは、3´末端側15個程度がPCRの特異的な増幅反応において重要であって、5´末端側の塩基配列が若干異なっていたり、配列の長さが多少違っていたりしても、PCRの反応自体への悪影響が、たいていの場合、小さいためである。
本発明においては、さらに、本プライマーセットの好ましい態様としては、配列表の配列番号1の塩基配列を3´末端側に含む最大30塩基のDNAからなるPCRプライマー(1´)(最も好ましくは配列番号1の塩基配列のDNAからなるプライマー)をセンスプライマーとし、配列表の配列番号2の塩基配列を3´末端側に含む最大30塩基のDNAからなるPCRプライマー(2´)(最も好ましくは配列番号2の塩基配列のDNAからなるプライマー)をアンチセンスプライマーとするプライマーセットを提案する。本プライマーセットはマンゴー検出用に好適に使用でき、配列番号1のプライマーと配列番号2のプライマーとをセットで用いることが最も好ましい。なお、(1´)の具体例としては配列番号3のプライマー、(2´)の具体例としては配列番号4のプライマーを例示できる。
マンゴー検出法
本発明のマンゴー検出方法は、試料からDNAを抽出する工程と、このDNAを鋳型として、本発明のプライマーセットを用いてPCRを行う工程と、増幅されたDNAを検出することにより試料中にマンゴーが存在しているか否かを検出する工程とを含む方法である。
即ち、上記本発明のマンゴー検出用PCRプライマーセットを用いて、試料中のDNAをPCR等で核酸分析することにより、試料中のマンゴーを特異的に検出することが可能となる。
検出法(核酸分析)の種類は、特に限定されず、適宜公知の方法を用いることができる。例えば、PCRプライマーを用いてPCR増幅する方法やPCR増幅産物をプローブで検出する方法等を例示することができる。
PCRプライマーを用いてPCR増幅する方法としては、本発明のマンゴー検出用プライマーセットを用いて、試料中のDNAにおける標的塩基配列を選択的に増幅させ、PCR増幅産物の有無を測定する方法が挙げられる。PCR増幅産物の有無の確認は、通常、PCR増幅産物をアガロースゲル電気泳動により分離し、エチジウムブロマイドやサイバーグリーンIなどの核酸染色によって行うことができる。リアルタイムPCR装置を用いてPCRを行う場合は、その装置の検出システムにより自動的にPCR増幅産物の有無を確認することができる。例えば、PCR反応液中にサイバーグリーンIを添加した場合、サイバーグリーンIが二本鎖DNAに結合したときに発する蛍光量に依存したPCR増幅産物量をサイクル毎にモニターすることができる。蛍光量によりPCR増幅が見られた場合には、先述のアガロースゲル電気泳動によって増幅産物の有無とそのサイズを確認すればよい。
具体的には、配列番号1記載のプライマーと配列番号2記載のプライマーを用いたPCR増幅産物のサイズは約174 bpである。アガロース電気泳動において当該サイズの増幅産物を検出した場合、被験試料中にマンゴーが存在していたことを示唆する。
PCR増幅産物をプローブで検出する方法としては、Taq Man法に代表されるように、PCR増幅産物の内部塩基配列とハイブリダイズするような蛍光物質標識プローブを反応液に添加し、該プローブがPCR増幅産物にハイブリダイズ後、該プローブが分解されるときに生じる蛍光量をリアルタイムPCR装置で自動的に検出することによって、PCR増幅産物の有無を確認する方法が挙げられる。なお、PCR増幅産物をプローブで検出するその他の方法としては、Molecular Beacon法、CycleavePCR法、ハイブリプローブを利用する方法等が挙げられる。これらの方法で使用するPCRプライマーは、本発明のマンゴー検出用PCRプライマーセットを使用すればよく、本PCRプライマーセットで増幅されるPCR増幅産物の内部塩基配列からマンゴーに共通な塩基配列領域を別途選択し、その領域に基づいたプローブを使用すればよい。
本発明のマンゴーの検出法において、対象となる被験試料の種類は、特に限定されない。例えば、被験試料としては、食品原料や加工食品等が挙げられる。食品原料としては、マンゴーを取り扱う食品原料生産工場において、別途生産されるマンゴーを意図的に含まない食品原料が挙げられる。加工食品としては、菓子類、麺類、粉末スープ、液体スープ、熱風乾燥又は凍結乾燥した具材、あるいは、これらの加工食品を含有する各種調理食品等が挙げられる。また、マンゴーを取り扱う食品製造工場において、別途生産されるマンゴーを意図的に含まない加工食品が挙げられる。また、マンゴーを含む加工食品を製造後、マンゴーを含まない加工食品を製造する際には、マンゴー残渣の除去を念頭においた食品製造設備の入念な清掃作業が必須となる。この清掃作業方法の有効性、並びに、食品製造設備のマンゴー残渣の有無を確認する観点から、当該製造設備の拭き取り試料も被験試料として挙げられる。
また、試料の形態も特に限定されず、一般的な既知のDNA抽出法(消費者庁次長通知、アレルゲンを含む食品の検査方法、平成30年9月21日、消食表第492号)や市販の各種DNA抽出キットによって、DNAの回収が可能な試料であれば、上記の検出法に適用することができる。上記のDNA抽出法によって、ゲノムDNA及び細胞小器官由来DNA(ミトコンドリアDNAやクロロプラストDNA)を、通常、試料から抽出することができる。
マンゴー検出用キット
本発明は、また、マンゴー検出キットとして利用することも可能である。当該キットは、上記本発明のマンゴー検出用PCRプライマーセットを含んで成るものであれば、その構成は特に限定されない。
具体的には、配列番号1における塩基番号6〜20の塩基配列を3´末端側に含む最大30塩基のDNAからなるPCRプライマーと、配列番号2における塩基番号5〜19の塩基配列を3´末端側に含む最大30塩基のDNAからなるPCRプライマーとのセットを含むマンゴー検出キットが挙げられる。
そして、好ましいものとして、配列番号1の塩基配列を3´末端側に含む最大30塩基のDNAからなるPCRプライマーと、配列番号2の塩基配列を3´末端側に含む最大30塩基のDNAからなるPCRプライマーとのセットを含むマンゴー検出キットが挙げられる。
その中でも、特に好ましいものとして、配列番号1の塩基配列からなるPCRプライマーと、配列番号2の塩基配列からなるPCRプライマーとのセットを含むマンゴー検出キットが挙げられる。
また、上記のプライマーセット、及びそのプライマーセットで増幅されるPCR増幅産物を検出するためのプローブ等を含むマンゴー検出キットなども挙げられる。
当該キットには、使用目的等に応じて、適当な試薬や各種容器等を含めることができる。具体的には、PCRプライマー伸長生成物を合成するための重合用試薬、例えば、耐熱性DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオチド、マグネシウム及び、PCR反応用緩衝液、並びに、それらの品質を適切に保持可能な保存容器等を含めることができる。
実施例
以下に、本発明について実施例を用いて、さらに、詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定して解釈されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能である。
実施例1
各種動物、植物、真菌、及び細菌由来DNAに対するマンゴー検出用PCRプライマーセットの検出特異性の確認
本発明のマンゴー検出用PCRプライマーセットを使用したPCR分析法の有効性を確認するために、各種生物由来DNAに対するPCRの検出特異性を調べる実験を、下記のように実施した。
ウシ、ブタ、ニワトリ、バナメイエビ、タラバガニ、スルメイカ、タイセイヨウサケ、
及びマサバの精製DNAは、商店から購入した各々の試料の(筋)肉質部分をマルチビーズショッカー(安井器械、大阪)で破砕した試料からDNeasy Blood&Tissue kit(Qiagen GmbH, Germany)、またはGenomic-tip 20/G(Qiagen GmbH, Germany)を用いて調製したものを使用した。
マンゴー、ピンクペッパー、カシューナッツ、ピスタチオ、コショウ、ナガイモ、ネギ、イネ、トウモロコシ、バナナ、ラッカセイ、ダイズ、モモ、リンゴ、カボチャ、クルミ、オレンジ、キャベツ、キウイフルーツ、ゴマ、ジャガイモ、及びニンジンの精製DNAは、商店から購入した各々の試料の一部(種子、果皮部、葉部、塊茎部)をエタノールで洗浄し、さらに、精製水で洗浄後、マルチビーズショッカー(安井器械、大阪)で破砕した試料からDNeasy plant Mini kits(Qiagen GmbH, Germany)、またはGenomic-tip 20/G(Qiagen GmbH, Germany)を用いて調製したものを使用した。
ソバ及びコムギの精製DNAは、商店から購入したそば粉及び小麦粉からGenomic-tip 20/G(Qiagen GmbH, Germany)を用いて調製したものを使用した。
ヒトの精製DNAは、ヒト培養細胞株MCF-7(大日本製薬、大阪)より調製したものを使用した。
ピキア・アノマラ(Pichia anomala IFO 0144)、及びバチルス・セレウス菌(Bacillus cereus ATCC11950)の精製DNAは、各々の菌株を適切な培地で培養後、その培養液からPuregene Yeast and Gram-Positive DNA Isolation kit(Gentra Systems Inc., USA)を用いて調製したものを使用した。なお、いずれの精製DNAもRNA分解酵素によるRNAの除去操作を実施してある。
配列番号1、及び2に記載のPCRプライマーは、ファスマック社で合成されたものを、以下のPCRで使用した。
上述したように準備した各種動物、植物、真菌、及び細菌DNA量を測定後、滅菌水を用いて、DNA濃度を10 ng/μLに調製した。調製した5 μLのDNA試料液を含む20 μL容量の反応液は、タカラバイオ社のTB Green Premix Ex Taq (Tli RNaseH Plus)(Takara Bio Inc., Japan)を用いて調製した。この試薬は、TaKaRa Ex Taq HS(ホットスタートタイプ)、dNTP Mixture、Mg2+およびSYBR Green Iを溶液中に含んでいる。反応液は、SYBR Premix Ex Taqをベースとし、250 nMセンスプライマー、250 nMアンチセンスプライマーを含む組成として、調製した。PCR反応は、7500リアルタイムPCRシステム(Thermo Fisher Scientific K.K., USA)で行い、増幅反応条件は以下の通りである。
95℃で30秒間のサイクルを一回実施後、95℃まで昇温後、5秒間同温度で保温、次に66℃まで降温後、30秒間同温度で保温する2つのステップからなる増幅サイクルを35回実施した。PCR増幅産物は、SYBR Green I依存性の蛍光量として、各々のサイクルの最終ステップに記録した。蛍光量から増幅が確認された場合は、2%(wt/vol)アガロースゲル電気泳動によってPCR増幅産物(反応液の5 μL)を分離し、ChemiDoc Touch(Bio Rad)を用いて増幅産物を視覚化することによって、増幅産物の有無を確認した。分子量マーカーとしてOneMARK 100(GeneDireX)を使用した。電気泳動により標的サイズの増幅産物が検出された場合を、PCR反応陽性と判定した。これらのPCRの結果を表1に記載した。表中の+(プラス)はPCR反応陽性を示し、−(マイナス)はPCR反応陰性を示す。
マンゴー検出用PCRプライマー(配列番号1及び2からなるPCRプライマーセット)を使用した試験において、マンゴーDNAを使用した場合のみ174bp前後の増幅産物が確認され、陽性と判定された(表1)。近縁種であるカシューナッツDNA、ピスタチオDNA、ピンクペッパーDNA、や、他の植物を含むその他の生物種DNAを使用した場合には、陰性であった(表1)。
Figure 2020150900
実施例2
マンゴー検出用PCRプライマーセットを用いたPCRの検出感度の確認実施例1で使用したマンゴー検出用PCRプライマーセットを用いたPCRの検出感度を調べるために、下記のような実験を実施した。
実施例1で調製したマンゴーのDNAを滅菌水で希釈し、10 fg/μl、100 fg/μl、1 pg/μl、10 pg/μl、100 pg/μl 、1 ng/μlのDNA溶液の希釈系列を作製し、これらの希釈した被験DNA液の1 μLを、実施例1に記載したPCR反応条件で、PCRに供した。PCR反応後、増幅産物の有無をアガロースゲル電気泳動によって確認した。
図1に示すように、マンゴー検出用PCRプライマーセットを使用した試験の検出感度は、100 fg DNA/分析であった。
実施例3
マンゴー検出用PCRプライマーセットを用いたPCRによるマンゴー含有食品中のマンゴー由来DNAの検出
各種マンゴーを原料として含有する市販食品等に対する本発明のマンゴー検出用PCRプライマーセットを用いたPCR分析を下記のように行い、本発明の実用性を検討した。
各種マンゴーを原料として含有することが明記されている市販食品を準備し、10〜100 gをマルチビーズショッカーで粉砕した。その混合破砕物の2 gから各々のDNAをGenomic-tip 20/G kitを用いて抽出した。抽出時には、RNA分解酵素によるRNAの除去操作も実施した。抽出した食品試料DNA量を測定後、滅菌水を用いて、食品試料DNAの濃度を10 ng/μLに調製した。これらの調製DNA液の5 μLを、実施例1で使用したマンゴー検出用PCRプライマーセットを用い、実施例1に記載したPCR反応条件で、PCRに供した。蛍光量から増幅が確認された場合は、2%(wt/vol)アガロースゲル電気泳動によってPCR増幅産物(反応液の5 μL)を分離し、ChemiDoc Touch(Bio Rad)を用いて増幅産物を視覚化することによって、増幅産物の有無を確認した。分子量マーカーとしてOneMARK 100(GeneDireX)を使用した。電気泳動により標的サイズの増幅産物が検出された場合を、PCR反応陽性と判定した。
その結果、マンゴー検出用PCRプライマーを使用した試験において、マンゴー含有食品である、ドライマンゴー(株式会社富澤商店A)、Doleマンゴーチャンク(伊藤忠商事株式会社)、中華点心堂白四川 芒果布丁(株式会社伊豆フェルメンテ)、トロピカーナ100%マンゴーブレンド(キリン株式会社)、及びLubs オーガニックフルーツバーオレンジ(株式会社ミトク)由来DNAにおいて、174bp前後の増幅産物が確認され、陽性と判定された。すなわち、当該PCRプライマーを用いたPCRは、マンゴーを含有する市販食品から、マンゴー由来DNAを検出できることを確認した。

Claims (2)

  1. 配列表の配列番号1における塩基番号6〜20の塩基配列を3´末端側に含む最大30塩基のDNAからなるPCRプライマーと、配列表の配列番号2における塩基番号5〜19の塩基配列を3´末端側に含む最大30塩基のDNAからなるPCRプライマーとからなるマンゴー検出用PCRプライマーセット。
  2. 試料からDNAを抽出する工程と、このDNAを鋳型として、請求項1記載のプライマーセットを用いてPCRを行う工程と、増幅されたDNAを検出することにより試料中にマンゴーが存在しているか否かを検出する工程とを含むマンゴーの検出方法。
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