JP2020148540A - 制御回路および測距システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイナミックレンジを拡大することができる制御回路および測距システムを提供する。【解決手段】本開示に係る制御回路は、パルス出力部と、加算部と、パルス整形部とを備える。パルス出力部は、複数のSPAD(Single Photon Avalanche Diode)素子でそれぞれ発生する信号に応じた複数の第1パルス信号を出力する。加算部は、パルス出力部から出力される複数の第1パルス信号を加算して加算信号に変換する。パルス整形部は、加算信号を、所定の期間より短い時間間隔で発生する加算信号内のパルス信号の数に基づいたパルス幅の第2パルス信号に整形する。【選択図】図3

Description

本開示は、制御回路および測距システムに関する。
光を用いて被測定物までの距離を測定する測距方式の一つとして、直接ToF(Time of Flight)方式と呼ばれる測距手法が知られている。かかる直接ToF方式では、光源から射出された光が被測定物により反射された反射光を受光素子により受光し、光が射出されてから反射光として受光されるまでの時間に基づき対象までの距離を計測する(たとえば、特許文献1参照)。
特開2014−081254号公報
本開示では、ダイナミックレンジを拡大することができる制御回路および測距システムを提案する。
本開示によれば、制御回路が提供される。制御回路は、パルス出力部と、加算部と、パルス整形部とを備える。パルス出力部は、複数のSPAD(Single Photon Avalanche Diode)素子でそれぞれ発生する信号に応じた複数の第1パルス信号を出力する。加算部は、前記パルス出力部から出力される複数の前記第1パルス信号を加算して加算信号に変換する。パルス整形部は、前記加算信号を、所定の期間より短い時間間隔で発生する前記加算信号内のパルス信号の数に基づいたパルス幅の第2パルス信号に整形する。
本開示によれば、ダイナミックレンジを拡大することができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本開示の実施形態に適用可能である直接ToF方式による測距を模式的に示す図である。 本開示の実施形態に適用可能である受光部が受光した時刻に基づく一例のヒストグラムを示す図である。 本開示の実施形態に係る測距装置の構成例を示すブロック図である。 本開示の実施形態に係る受光部に適用可能であるデバイスの構成の例を示す模式図である。 本開示の実施形態に係るパルス出力部のパルス出力回路の構成例を示す回路図である。 本開示の実施形態に係るパルス出力回路の動作をタイミングチャートで示す説明図である。 本開示の実施形態に係る加算部の構成例を示す回路図である。 本開示の実施形態に係る加算部の動作をタイミングチャートで示す説明図である。 本開示の実施形態に係るパルス整形部の構成例を示す回路図である。 本開示の実施形態に係るパルス整形部の動作をタイミングチャートで示す説明図である。 本開示の実施形態に係るパルス整形部の動作をタイミングチャートで示す説明図である。 本開示の実施形態に係るカウンター部の構成例を示す回路図である。 本開示の実施形態に係るカウンター部の動作をタイミングチャートで示す説明図である。 本開示の実施形態、参考例1および参考例2における信号処理の違いについて説明するための図である。
以下に、本開示の各実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
光を用いて被測定物までの距離を測定する測距方式の一つとして、直接ToF方式と呼ばれる測距手法が知られている。かかる直接ToF方式では、光源から射出された光が被測定物により反射された反射光を受光素子により受光し、光が射出されてから反射光として受光されるまでの時間に基づき対象までの距離を計測する。
しかしながら、上記の従来技術では、受光素子として用いられるSPAD素子のデッドタイムより短い間隔で再度SPAD素子が受光した場合、SPAD素子から出力されるパルス信号は数が増えずに幅だけが長くなってしまう。
これにより、SPAD素子から出力されるパルス信号の数に基づいて入射した光子の数を計測する場合に、入射光子数が多くなるにしたがい、計測された光子の数とSPAD素子に実際入射した光子の数との差異が大きくなる場合がある。
したがって、計測可能な光子数の最小値と最大値との差が小さくなってしまうことから、測距システムのダイナミックレンジが減少してしまう恐れがある。
そこで、上述の問題点を克服し、ダイナミックレンジを拡大することができる制御回路および測距システムの実現が期待されている。
[測距方法]
本開示は、光を用いて測距を行う技術に関するものである。そこで、本開示の実施形態の理解を容易とするために、図1および図2を参照しながら、実施形態に適用可能な測距方法について説明する。
図1は、本開示の実施形態に適用可能である直接ToF方式による測距を模式的に示す図である。実施形態では、測距方式として直接ToF方式を適用する。
かかる直接ToF方式は、光源部2からの射出光L1が被測定物100により反射した反射光L2を受光部3により受光し、光の射出タイミングと受光タイミングとの差分の時間に基づき測距を行う方式である。
測距装置1は、光源部2と、受光部3とを備える。測距装置1は、測距システムの一例である。光源部2は、たとえばレーザダイオードである光源4(図3参照)を有し、レーザ光をパルス状に発光するように駆動される。
光源部2からの射出光L1は、被測定物100により反射され、反射光L2として受光部3に受光される。受光部3は、光電変換によって光を電気信号に変換する画素アレイ部6(図3参照)を含み、受光した光に応じた信号を出力する。
ここで、光源部2が発光した時刻(発光タイミング)を時間t0、光源部2からの射出光L1が被測定物100により反射された反射光L2を受光部3が受光した時刻(受光タイミング)を時間t1とする。
定数cを光速度(2.9979×108[m/sec])とすると、測距装置1と被測定物100との間の距離Dは、次式(1)により計算される。
D=(c/2)×(t1−t0) …(1)
なお、測距装置1は、上述の処理を、複数回繰り返して実行するとよい。また、受光部3は、複数のSPAD素子6a(図4参照)を有し、各SPAD素子6aに反射光L2が受光された各受光タイミングに基づき距離Dをそれぞれ算出してもよい。
測距装置1は、発光タイミングの時間t0から受光部3に光が受光された受光タイミングまでの時間tm(以下、「受光時間tm」とも呼称する。)を階級(ビン(bins))に基づき分類し、ヒストグラムを生成する。
図2は、本開示の実施形態に適用可能である受光部3が受光した時刻に基づく一例のヒストグラムを示す図である。図2において、横軸はビン、縦軸はビン毎の頻度を示す。ビンは、受光時間tmを所定の単位時間d毎に分類したものである。
具体的には、ビン#0が0≦tm<d、ビン#1がd≦tm<2×d、ビン#2が2×d≦tm<3×d、…、ビン#(N−2)が(N−2)×d≦tm<(N−1)×dとなる。受光部3の露光時間を時間tepとした場合、tep=N×dとなる。
測距装置1は、受光時間tmを取得した回数をビンに基づき計数してビン毎の頻度200を求め、ヒストグラムを生成する。ここで、受光部3は、光源部2からの射出光L1が反射された反射光L2以外の光も受光する。
たとえば、対象となる反射光L2以外の光の例として、測距装置1の周囲の環境光がある。かかる環境光は、受光部3にランダムに入射する光であって、ヒストグラムにおける環境光による環境光成分201は、対象となる反射光L2に対するノイズとなる。
一方、対象となる反射光L2は、特定の距離に応じて受光される光であって、ヒストグラムにおいてアクティブ光成分202として現れる。このアクティブ光成分202内のピークの頻度に対応するビンが、被測定物100の距離Dに対応するビンとなる。
測距装置1は、そのビンの代表時間(たとえばビンの中央の時間)を上述した時間t1として取得することで、上述した式(1)に従い、被測定物100までの距離Dを算出することができる。このように、複数の受光結果を用いることで、ランダムなノイズに対して適切な測距が実行可能となる。
[測距装置の構成]
つづいて、実施形態に係る測距装置1の構成について、図3および図4を参照しながら説明する。図3は、本開示の実施形態に係る測距装置1の構成例を示すブロック図である。上述のように、測距装置1は、光源部2と、受光部3とを備える。
光源部2は、光源4と、光源駆動部5とを有する。光源4は、たとえば、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting LASER)などのレーザダイオードで構成される。なお、光源4は、VCSELに限られず、レーザダイオードがライン上に配列されたレーザダイオードアレイなどを用いてもよい。
光源駆動部5は、光源4を駆動する。光源駆動部5は、たとえば、受光部3の制御部11からの発光制御信号に基づき、光源4から所定のタイミングおよびパルス幅を有する射出光L1が出射されるように光源4を駆動する。
光源駆動部5は、たとえば、ライン上に配列されるレーザダイオードを有する光源4から、レーザ光がラインに垂直の方向にスキャンされるように光源4を駆動することができる。
受光部3は、画素アレイ部6と、パルス出力部7と、加算部8と、パルス整形部9と、カウンター部10と、制御部11とを有する。
画素アレイ部6は、2次元格子状に配列される複数のSPAD素子6a(図4参照)を有する。かかるSPAD素子6aは、アバランシ増倍が発生する大きな逆バイアス電圧をカソードに印加することにより、1光子の入射に応じて発生した電子に起因して、内部でアバランシ増倍が生じる。
すなわち、SPAD素子6aは、1光子の入射に応じて大電流が流れる特性を有する。そして、SPAD素子6aでは、かかる特性を利用することで、反射光L2に含まれる1光子の入射を高感度で検知することができる。
画素アレイ部6における複数のSPAD素子6aの動作は、制御部11によって制御される。たとえば、制御部11は、各SPAD素子6aからの信号の読み出しを、行方向にn画素、列方向にm画素の、(n×m)個のSPAD素子6aを含むブロック毎に制御することができる。
また、制御部11は、当該ブロックを単位として、各SPAD素子6aを行方向にスキャンし、さらに行毎に列方向にスキャンして、各SPAD素子6aから信号を読み出すことができる。
なお、実施形態において、制御部11は、各SPAD素子6aからそれぞれ単独に信号を読み出してもよい。画素アレイ部6のSPAD素子6aで発生する信号は、パルス出力部7のパルス出力回路7a(図5参照)に供給される。
パルス出力部7は、SPAD素子6aと同じ数のパルス出力回路7aを有する。かかるパルス出力回路7aは、対応するSPAD素子6aで発生する信号に応じて、所定の第1パルス信号P1(図6参照)をデジタル信号として加算部8に出力する。
すなわち、パルス出力部7は、複数のSPAD素子6aでそれぞれ発生する信号に応じた複数の第1パルス信号P1を出力する。かかるパルス出力部7およびパルス出力回路7aの詳細については後述する。
加算部8は、パルス出力部7から出力された複数の第1パルス信号P1を加算して、加算信号Pa(図8参照)を生成する。かかる加算部8の詳細については後述する。
パルス整形部9は、加算信号Paを第2パルス信号P2(図11参照)に整形する。この第2パルス信号P2とは、所定の期間ΔT(図10参照)より短い時間間隔で発生する加算信号Pa内のパルス信号の数に基づいたパルス幅を有する信号である。かかるパルス整形部9の詳細については後述する。
カウンター部10は、第2パルス信号P2のパルス幅に応じた数を、複数のSPAD素子6aに入射した光子の数としてカウントする。かかるカウンター部10の詳細については後述する。
制御部11は、たとえば予め組み込まれるプログラムに従い、測距装置1の全体の動作を制御する。たとえば、制御部11は、光源駆動部5を制御することにより、光源4の発光タイミングを制御する。
また、制御部11は、カウンター部10から出力されるカウント数に基づいて、図2に示したヒストグラムを生成する。また、制御部11は、生成されたヒストグラムのデータに基づいて所定の演算処理を行い、被測定物100までの距離Dを算出する。
図4は、本開示の実施形態に係る受光部3に適用可能であるデバイスの構成の例を示す模式図である。図4において、受光部3は、それぞれ半導体チップからなる受光チップ3aとロジックチップ3bとが積層されて構成される。なお、図4では、理解の容易のため、受光チップ3aとロジックチップ3bとが分離された状態で示している。
受光チップ3aには、画素アレイ部6の領域に複数のSPAD素子6aが2次元格子状に配列される。ロジックチップ3bには、パルス出力部7と、加算部8と、パルス整形部9と、カウンター部10と、制御部11(図示せず)とが設けられる。なお、受光チップ3aおよびロジックチップ3bの構成は、図4の例に限定されない。
[パルス出力部の構成および動作]
つづいて、実施形態に係るパルス出力部7の構成および動作について、図5および図6を参照しながら説明する。図5は、本開示の実施形態に係るパルス出力部7のパルス出力回路7aの構成例を示す回路図である。
図5に示すように、パルス出力部7は、パルス出力回路7aを有する。パルス出力回路7aは、1つのSPAD素子6aに対して1つ設けられる。すなわち、パルス出力回路7aは、パルス出力部7内にSPAD素子6aと同じ数だけ設けられる。
そして、各パルス出力回路7aは、それぞれ対応するSPAD素子6aに接続される。なお、図5では、理解の容易のため、SPAD素子6aとパルス出力回路7aとをそれぞれ1つずつ図示する。
パルス出力回路7aは、P型トランジスタ21と、インバータ22と、否定論理積回路23と、遅延回路24と、P型トランジスタ25とを有する。また、遅延回路24は、4つのインバータ31〜34を有する。
P型トランジスタ21のソースは電源電圧Vddに接続され、P型トランジスタ21のドレインは信号線26に接続され、P型トランジスタ21のゲートはノード27に接続される。
かかる信号線26は、画素アレイ部6の接続部6bを介して、SPAD素子6aのカソードとインバータ22の入力端子との間を接続する。また、SPAD素子6aのアノードは接地され、インバータ22の出力端子はノード27を介して加算部8(図3参照)に接続される。
否定論理積回路23の2つの入力端子は、ノード27とインバータ34の出力端子とに接続される。否定論理積回路23の出力端子は、インバータ31の入力端子に接続される。
インバータ31の出力端子は、インバータ32の入力端子に接続される。インバータ32の出力端子は、インバータ33の入力端子に接続される。インバータ33の出力端子は、インバータ34の入力端子に接続される。
すなわち、パルス出力回路7aでは、否定論理積回路23および4つのインバータ31〜34がリングオシレータとなる。
P型トランジスタ25のソースは電源電圧Vddに接続され、P型トランジスタ25のドレインは信号線26に接続され、P型トランジスタ25のゲートはインバータ34の出力端子に接続される。
ここまで説明したパルス出力回路7aの初期状態では、P型トランジスタ21のゲートにローレベルの信号S2がノード27を介して入力される。したがって、パルス出力回路7aの初期状態では、P型トランジスタ21を含んだ第1の供給路R1によって、SPAD素子6aのカソードに所定の電流が供給される。
そして、かかる所定の電流によって、パルス出力回路7aは、SPAD素子6aを動作させることができる。
また、P型トランジスタ25のゲートには、初期状態でハイレベルの信号S3が入力される。これにより、初期状態において、SPAD素子6aのカソードには上述した第1の供給路R1以外からの電流は供給されない。
次に、図5に加えて図6も参照しながら、パルス出力回路7aの動作について説明する。図6は、本開示の実施形態に係るパルス出力回路7aの動作をタイミングチャートで示す説明図である。
SPAD素子6aには、ガイガーモードと呼ばれるなだれ増幅が起きる寸前の状態になるまで、逆バイアスの電圧Vaが印加されている。すなわち、初期状態において、SPAD素子6aのカソードから出力される信号S1は、この電圧Vaとなる。
そして、インバータ22にはしきい電圧Vth以上の電圧Vaが信号S1として入力されることから、インバータ22はローレベルの信号S2を出力する。また、インバータ22からローレベルの信号S2が否定論理積回路23に入力されることから、遅延回路24からはハイレベルの信号S3が出力される。
そして、電圧Vaが印加されたSPAD素子6aに時間T1で1光子が入射すると、SPAD素子6aがブレイクダウンして第1の供給路R1に電流が流れる。これにより、信号S1は、電圧Vaから急激に減少する。そして、時間T2で信号S1がしきい電圧Vthより小さくなると、インバータ22はハイレベルの信号S2を出力する。
そして、信号S1は、時間T3においてなだれ増幅が停止することから、電圧Vbで下げ止まる。一方で、パルス出力回路7aでは、時間T2でハイレベルとなった信号S2がP型トランジスタ21のゲートに入力されることから、第1の供給路R1は切断される。
これにより、SPAD素子6aのカソードは、電源電圧Vddから切断されたフローティング状態となる。したがって、信号S1は、時間T3以降でも電圧Vbで固定される。
さらに、時間T2でハイレベルとなった信号S2は、否定論理積回路23にも入力される。この時間T2の時点において、否定論理積回路23にはハイレベルの信号S3が入力されていることから、否定論理積回路23は、ローレベルの信号を出力する。
そして、遅延回路24は、かかる否定論理積回路23からのローレベルの信号に基づいて、時間T2から所定の遅延時間だけ経過した時間T4に、ローレベルの信号S3を出力する。
この時間T4でローレベルとなった信号S3は、P型トランジスタ25のゲートに入力される。これにより、P型トランジスタ25が導通状態となることから、パルス出力回路7a内にP型トランジスタ25を含んだ第2の供給路R2が開通する。
したがって、信号S1は、かかる第2の供給路R2を介してSPAD素子6aが再充電されることにより上昇する。
すなわち、実施形態のパルス出力回路7aには、SPAD素子6aに電流を供給する供給路として、第1の供給路R1および第2の供給路R2が設けられる。第1の供給路R1は、P型トランジスタ21を含み、初期状態およびSPAD素子6a内でなだれ増幅が発生している際に、SPAD素子6aに電流を供給する。
また、第2の供給路R2は、P型トランジスタ25を含み、SPAD素子6a内でなだれ増幅が停止した後に、SPAD素子6aに電流を供給する。
そして、実施形態では、P型トランジスタ25の内部抵抗をP型トランジスタ21の内部抵抗よりも小さくするとよい。すなわち、実施形態では、第2の供給路R2の抵抗値を、第1の供給路R1の抵抗値よりも小さくするとよい。
これにより、第2の供給路R2からSPAD素子6aに大きな電流を供給することができることから、すばやくSPAD素子6aを再充電することができる。
なお、第1の供給路R1の抵抗値を小さくしすぎると、供給される電流の値が大きくなりすぎることから、SPAD素子6a内でのなだれ増幅が停止しなくなる恐れがある。したがって、P型トランジスタ21の内部抵抗は、SPAD素子6aが良好に動作可能な範囲の電流値を供給可能な抵抗値に設定されるとよい。
一方で、第2の供給路R2は、SPAD素子6a内でなだれ増幅が発生する際には電流を供給しない。したがって、P型トランジスタ25の内部抵抗を小さくしたとしても、SPAD素子6a内でなだれ増幅が停止しないなどの弊害は生じない。
図6の説明に戻る。信号S1がしきい電圧Vth以上になった時間T5で、インバータ22はローレベルの信号S2を出力する。さらに、SPAD素子6aは、時間T6で初期状態の電圧Vaに復帰する。
このように、パルス出力回路7aは、1光子が入射することによりSPAD素子6aで発生する信号S1を、インバータ22で第1パルス信号P1に変換して出力する。この第1パルス信号P1は、図6の例において時間T2から時間T5までのパルス幅を有する信号である。
そして、時間T5でローレベルになった信号S2は、P型トランジスタ21のゲートに入力される。これにより、P型トランジスタ21(すなわち、第1の供給路R1)を介して、SPAD素子6aのカソードに所定の電流が供給される。
さらに、時間T5でローレベルとなった信号S2は、否定論理積回路23にも入力される。これにより、否定論理積回路23がハイレベルの信号を出力することから、遅延回路24は、時間T5から所定の遅延時間だけ経過した時間T7に、ハイレベルの信号S3を出力する。
この時間T7でハイレベルとなった信号S3は、P型トランジスタ25のゲートに入力される。これにより、P型トランジスタ25が切断状態となり、SPAD素子6aおよびパルス出力回路7aは初期状態に戻る。
ここまで説明したように、実施形態のパルス出力回路7aは、SPAD素子6aのカソードに電流を供給する供給路を複数(第1の供給路R1および第2の供給路R2)設けることにより、SPAD素子6aをすばやく回復させることができる。
[加算部の構成および動作]
つづいて、実施形態に係る加算部8の構成および動作について、図7および図8を参照しながら説明する。図7は、本開示の実施形態に係る加算部8の構成例を示す回路図である。
図7に示すように、測定装置1にSPAD素子6aおよびパルス出力回路7aがn個(nは正の整数)ずつある場合、実施形態に係る加算部8は、(n−1)個の論理和回路8a−2、8a−3・・・8a−nを有する。
論理和回路8a−2の入力端子には、パルス出力回路7a−1の出力端子と、パルス出力回路7a−2の出力端子とが接続される。また、論理和回路8a−3の入力端子には、論理和回路8a−2の出力端子と、パルス出力回路7a−3の出力端子とが接続される。
このように、論理和回路8a−2〜8a−nは直列に接続され、各論理和回路8a−2〜8a−nにはそれぞれパルス出力回路7a−2〜7a−nの出力端子が接続される。そして、論理和回路8a−nの出力端子は、パルス整形部9に接続される。
次に、図8を参照しながら、加算部8の動作について説明する。図8は、本開示の実施形態に係る加算部8の動作をタイミングチャートで示す説明図である。なお、以降の説明では、理解の容易のため、SPAD素子6aおよびパルス出力回路7aが2つずつ設けられる場合について示す。
図8に示すように、一方のSPAD素子6a(以下、「SPAD素子A」とも呼称する。)に、時間T11で1光子が入射し、時間T14でさらに1光子が入射する。この場合、SPAD素子Aに接続されるパルス出力回路7a(以下、「パルス出力回路A」とも呼称する。)は、時間T11、T14からそれぞれ所定のパルス幅がある2つのパルス信号を持つ第1パルス信号P1Aを出力する。
また、もう一方のSPAD素子6a(以下、「SPAD素子B」とも呼称する。)に、時間T12、時間T13、時間T15でそれぞれ1光子が入射する。この場合、SPAD素子Bに接続されるパルス出力回路7a(以下、「パルス出力回路B」とも呼称する。)は、時間T12、T13、T15からそれぞれ所定のパルス幅がある3つのパルス信号を持つ第1パルス信号P1Bを出力する。
この場合、加算部8は、パルス出力回路Aから出力される第1パルス信号P1Aと、パルス出力回路Bから出力される第1パルス信号P1Bとが加算された加算信号Paを生成する。かかる加算信号Paは、時間T11、T12、T13、T14およびT15からそれぞれ所定のパルス幅がある5つのパルス信号を有する。
すなわち、加算部8は、各パルス出力回路7aで生成される複数の第1パルス信号P1を加算して、加算信号Paを生成する。かかる加算信号Paは、各SPAD素子6aに入射した光子に起因して発生するパルス信号を有する。
なお、実施形態では、パルス出力回路7aから出力されるパルス信号のパルス幅を可能な限り短くするとよい。これにより、図8に示すように、短時間で複数の光子が画素アレイ部6に入射する場合でも、かかる複数の光子をそれぞれパルス信号として出力することができる。
[パルス整形部の構成および動作]
つづいて、実施形態に係るパルス整形部9の構成および動作について、図9〜図11を参照しながら説明する。図9は、本開示の実施形態に係るパルス整形部9の構成例を示す回路図である。
図9に示すように、実施形態に係るパルス整形部9は、RSフリップフロップ回路41と、論理和回路42と、ディレイ回路43とを有する。
RSフリップフロップ回路41のS端子は、加算部8の出力端子に接続される。RSフリップフロップ回路41のR端子は、ディレイ回路43の出力端子に接続される。RSフリップフロップ回路41のQ端子は、カウンター部10の入力端子に接続される。RSフリップフロップ回路41のXQ端子は、論理和回路42の入力端子に接続される。
また、論理和回路42のもう一つの入力端子は、加算部8の出力端子に接続される。論理和回路42の出力端子は、ディレイ回路43の入力端子に接続される。
ディレイ回路43は、論理和回路42からハイレベルの信号が入力されている場合、遅延無くローレベルの信号をRSフリップフロップ回路41のR端子に出力し続ける。また、ディレイ回路43は、論理和回路42からローレベルの信号が入力された場合、かかるローレベルの信号が入力されてから所定の期間ΔTが経過した後に、ハイレベルの信号をRSフリップフロップ回路41のR端子に出力する。
なお、ディレイ回路43は、ローレベルの信号が入力されてから期間ΔTが経過する前に再度ハイレベルの信号が入力された場合、かかる再度のハイレベルの信号がローレベルの信号に切り替わってから期間ΔTが経過した後に、ハイレベルの信号を出力する。
すなわち、ディレイ回路43は、最後にハイレベルからローレベルに信号が切り替わってから所定の期間ΔTが経過した場合に、ハイレベルの信号をRSフリップフロップ回路41のR端子に出力する。
図10は、本開示の実施形態に係るパルス整形部9の動作をタイミングチャートで示す説明図である。パルス整形部9の初期状態では、RSフリップフロップ回路41のS端子にローレベルの信号が入力されることから、RSフリップフロップ回路41のQ端子はローレベルの信号を出力し、RSフリップフロップ回路41のXQ端子はハイレベルの信号を出力する。
また、RSフリップフロップ回路41のXQ端子から論理和回路42にハイレベルの信号が入力されることから、論理和回路42からはハイレベルの信号が出力され、ディレイ回路43からはローレベルの信号が出力される。
そして、時間T21で加算部8からRSフリップフロップ回路41のS端子にハイレベルの信号が入力されると、時間T22でRSフリップフロップ回路41のQ端子からハイレベルの信号が出力される。また、時間T22でRSフリップフロップ回路41のXQ端子からローレベルの信号が出力される。
そして、時間T23でRSフリップフロップ回路41のS端子に入力される信号がローレベルに変わると、論理和回路42に入力される2つの信号がいずれもローレベルになる。これにより、時間T24で論理和回路42からローレベルの信号が出力され、かかるローレベルの信号がディレイ回路43に入力される。
すると、ディレイ回路43は、時間T24から所定の期間ΔTが経過した時間T25に、ハイレベルの信号をRSフリップフロップ回路41のR端子に出力する。これにより、時間T26でRSフリップフロップ回路41のQ端子からローレベルの信号が出力され、RSフリップフロップ回路41のXQ端子からハイレベルの信号が出力される。
これにより、時間T27で論理和回路42からハイレベルの信号が出力され、かかるハイレベルの信号がディレイ回路43に入力される。すると、時間T28でローレベルの信号がディレイ回路43から出力されて、パルス整形部9が初期状態に戻る。
ここまで説明したように、パルス整形部9は、時間T21から時間T23までのパルス幅を有する加算信号Paを、時間T22から時間T26までのパルス幅を有する第2パルス信号P2に整形して出力する。
このように、実施形態に係るパルス整形部9は、入力されるパルス信号を所定の期間ΔTに基づいた幅に長くするよう整形する。すなわち、実施形態では、パルス出力部7でパルス幅を可能な限り短くした第1パルス信号P1が、後段のカウンター部10で処理可能なパルス幅に整形される。
また、実施形態に係るパルス整形部9は、所定の期間ΔTが経過する前に新たなパルス信号が入力された場合、かかる新たなパルス信号を基準としてパルス幅をさらに長くするように整形する。すなわち、実施形態に係るパルス整形部9は、加算信号Paを、所定の期間ΔTより短い時間間隔で発生する加算信号Pa内のパルス信号の数に基づいたパルス幅の第2パルス信号P2に整形する。
これにより、実施形態に係るパルス整形部9は、後段のカウンター部10で処理可能であるとともに、所定の期間ΔTより短い時間間隔で発生する加算信号Pa内のパルス信号の数に基づいたパルス幅の第2パルス信号P2をカウンター部10に出力することができる。
図11は、本開示の実施形態に係るパルス整形部9の動作をタイミングチャートで示す説明図であり、図8の例に示した加算信号Paをパルス整形部9で処理した場合について示す図である。
図11の例に示す加算信号Paは、時間T11で立ち上がるパルス信号Pa−1の次に、所定の期間ΔTが経過するまで次のパルス信号が立ち上がらない。したがって、かかるパルス信号Pa−1は、時間T11で立ち上がるとともに、時間T11から所定の期間ΔT経過した時間T11aまでのパルス幅を有するパルス信号P2−1に整形される。
また、図11の例に示す加算信号Paは、時間T12で立ち上がるパルス信号Pa−2の次に、所定の期間ΔTが経過するまでに立ち上がるパルス信号Pa−3を有する。したがって、かかるパルス信号Pa−2、Pa−3は、時間T12で立ち上がるとともに、時間T13から所定の期間ΔT経過した時間T13aまでのパルス幅を有するパルス信号P2−2に整形される。
また、図11の例に示す加算信号Paは、時間T14で立ち上がるパルス信号Pa−4の次に、所定の期間ΔTが経過するまでに立ち上がるパルス信号Pa−5を有する。したがって、かかるパルス信号Pa−4、Pa−5は、時間T14で立ち上がるとともに、時間T15から所定の期間ΔT経過した時間T15aまでのパルス幅を有するパルス信号P2−3に整形される。
なお、実施形態では、最後のパルス信号から所定の期間ΔT経過するまでパルス幅を長くするようにパルス信号を整形する例について示したが、パルス信号の整形手法はかかる例に限られない。
たとえば、所定の期間が経過するまでにパルス信号が2個入力された場合には2倍のパルス幅に整形し、所定の期間が経過するまでにパルス信号が3個入力された場合には3倍のパルス幅に整形してもよい。このように、実施形態に係るパルス整形部9は、所定の期間が経過するまでに入力されるパルス信号の個数に基づいたパルス幅に、パルス信号を整形してもよい。
[カウンター部の構成および動作]
つづいて、実施形態に係るカウンター部10の構成および動作について、図12および図13を参照しながら説明する。図12は、本開示の実施形態に係るカウンター部10の構成例を示す回路図である。
図12に示すように、実施形態に係るカウンター部10は、計数パルス出力部51と、論理積回路52と、計数カウント部53とを有する。
計数パルス出力部51は、一定の時間間隔でパルス幅の狭いパルス信号(以下、計数パルス信号とも呼称する。)を論理積回路52の入力端子に出力する。たとえば、計数パルス出力部51は、上記の期間ΔTよりも短い時間間隔で計数パルス信号を出力する。
論理積回路52の入力端子は、計数パルス出力部51の出力端子と、パルス整形部9の出力端子とに接続される。論理積回路52の出力端子は、計数カウント部53の入力端子に接続される。また、計数カウント部53の出力端子は、制御部11に接続される。
図13は、本開示の実施形態に係るカウンター部10の動作をタイミングチャートで示す説明図である。図13の例では、時間T31から時間T32までのパルス幅があるパルス信号P2−4と、時間T33から時間T34までのパルス幅があるパルス信号P2−5とを持つ第2パルス信号P2が、パルス整形部9から出力される場合について説明する。
ここで、パルス信号P2−4は、1つの光子がSPAD素子6aに入力された場合に出力されるパルス信号と同じパルス幅のパルス信号である。
また、図13の例では、計数パルス出力部51が、1つの光子がSPAD素子6aに入力された場合に出力されるパルス信号に対して、2つの計数パルス信号が重なるように計数パルス信号を出力する。
そして、図13に示すように、論理積回路52は、時間T31から時間T32までの間に2カウント連続するパルス信号を計数カウント部53に出力する。また、論理積回路52は、時間T33から時間T34までの間に11カウント連続するパルス信号を計数カウント部53に出力する。
ここで、計数カウント部53は、所定の間隔で連続するパルス信号の数をカウントする。かかる所定の間隔とは、計数パルス信号の出力間隔と同じ間隔である。そして、計数カウント部53は、かかるカウントされたパルス信号の数に基づいて、複数のSPAD素子6aに入力される光子の数をカウントする。
たとえば、計数カウント部53は、2カウント連続するパルス信号(パルス信号P2−4に対応)を、1個の光子が入射することにより発生したパルス信号であると算出する。また、計数カウント部53は、11カウント連続するパルス信号(パルス信号P2−5に対応)を、11/2=5.5個の光子が入射することにより発生したパルス信号であると算出する。
すなわち、実施形態に係るカウンター部10は、第2パルス信号P2のパルス幅に応じた数、たとえば上述した連続するパルス信号の数を、複数のSPAD素子6aに入射した光子の数としてカウントする。
これにより、実施形態では、短い時間間隔で複数の光子が入射することによりパルス幅が長くなった第2パルス信号P2を、長くなったパルス幅に基づく光子の数に変換することができる。
したがって、実施形態によれば、短い時間間隔で複数の光子が入射した場合でも、かかる複数の光子が入射したことを検知することができる。
たとえば、図13の例において、第2パルス信号P2内のパルス信号の立ち上がり数(すなわち、パルス信号の数)に基づいて光子の数を求めた場合、時間T31から時間T34までの光子の数は「2個」と算出される。
すなわち、第2パルス信号P2内のパルス信号の数に基づいて光子の数を求めた場合、計測可能な光子数の最小値と最大値との差が小さくなってしまうことから、測距装置1のダイナミックレンジが減少してしまう恐れがある。
一方で、実施形態では、第2パルス信号P2を、長くなったパルス幅に基づく光子の数に変換することにより、時間T31から時間T34までの光子の数を「1+5.5=6.5個」と算出することができる。
したがって、実施形態によれば、計測可能な光子数の最小値と最大値との差を拡大することができることから、測距装置1のダイナミックレンジを拡大することができる。
また、実施形態では、第1パルス信号P1のパルス幅をカウンター部10で処理可能なパルス幅より短くするとよい。
これにより、カウンター部10の仕様に限定されることなく、SPAD素子6aのデッドタイムを最小限にすることができる。したがって、実施形態によれば、SPAD素子6aのデッドタイムの最中に光子が入射することにより、かかる光子が検出できないことを抑制することができる。
また、実施形態では、第2パルス信号P2のパルス幅をカウンター部10で処理可能なパルス幅より長くするとよい。これにより、第2パルス信号P2をカウンター部10で問題なく処理することができる。
[各種参考例との比較]
つづいて、図14を参照しながら、ここまで説明した実施形態と各種参考例との違いについて説明する。図14は、本開示の実施形態、参考例1および参考例2における信号処理の違いについて説明するための図である。
参考例1は、パルス出力回路7aにおいて、SPAD素子6aに電流を供給する供給路が1つしか無い場合の例である。ここで、SPAD素子6aに電流を供給する供給路が1つしか無い場合、かかる供給路から供給される電流の値を大きくした方がSPAD素子6aの回復時間を短くすることができる。
一方で、SPAD素子6aに供給される電流の値を大きくしすぎると、光子が入射した際にSPAD素子6a内で発生するなだれ増幅が停止しなくなる。したがって、参考例1では、パルス出力回路7aからSPAD素子6aに供給される電流の値を、決まった値以上に大きくすることができない。
すなわち、参考例1におけるSPAD素子6aの回復時間は、実施形態におけるSPAD素子6aの回復時間よりも長くなる(たとえば、数倍程度)。
このことから、図14に示すように、参考例1では、パルス出力回路Aから出力される第1パルス信号P1が長いパルス幅の2つのパルス信号で形成され、パルス出力回路Bから出力される第1パルス信号P1がさらに長いパルス幅の1つのパルス信号で形成される。
したがって、かかる2つの第1パルス信号P1を加算部8で加算した場合、加算信号Paは非常に長いパルス幅の1つのパルス信号で形成されることから、ダイナミックレンジが減少してしまう。
参考例2は、パルス出力回路7aにおいて、第1パルス信号P1のパルス幅を、カウンター部10で処理可能なパルス幅に延ばした場合の例である。この場合、パルス出力回路Aから出力される第1パルス信号P1と、パルス出力回路Bから出力される第1パルス信号P1とを加算部8で加算することにより、カウンター部10で処理可能な信号を取得することができる。
しかしながら、かかる参考例2では、SPAD素子6aのデッドタイムを実施形態よりも長くする必要があることから、SPAD素子6aのデッドタイムの際に光子が新たに入射する確率が高まる。
そして、参考例2では、SPAD素子6aのデッドタイムの際に光子が新たに入射した場合でも、第1パルス信号P1のパルス幅は光子が新たに入射していない場合と変わらない。
たとえば、SPAD素子Bに入射する1つ目の光子と2つ目の光子との間は間隔が短いが、これら2つの光子に基づいて出力されるパルス出力回路Bの第1パルス信号P1は、1つの光子に基づいて出力される第1パルス信号P1のパルス幅と変わらない。
なぜなら、参考例2では、新たな光子の入射の有無にかかわらず、SPAD素子6aのデッドタイムが遅延回路24の遅延時間によって定められるからである。
したがって、参考例2では、短い時間間隔で新たな光子がSPAD素子6aに入射した場合に、かかる新たな光子を検知することが困難である。
一方で、実施形態では、SPAD素子6aのデッドタイムを可能な限り短くすることにより、短い時間間隔で新たな光子がSPAD素子6aに入射した場合でも、かかる新たな光子をパルス出力回路Bで検知することができる。
したがって、実施形態によれば、計測可能な光子数の最小値と最大値との差を拡大することができることから、測距装置1のダイナミックレンジを拡大することができる。
[効果]
実施形態に係る制御回路は、パルス出力部7と、加算部8と、パルス整形部9とを備える。パルス出力部7は、複数のSPAD素子6aでそれぞれ発生する信号に応じた複数の第1パルス信号P1を出力する。加算部8は、パルス出力部7から出力される複数の第1パルス信号P1を加算して加算信号Paに変換する。パルス整形部は、加算信号Paを、所定の期間ΔTより短い時間間隔で発生する加算信号Pa内のパルス信号の数に基づいたパルス幅の第2パルス信号P2に整形する。
これにより、測距装置1のダイナミックレンジを拡大することができる。
また、実施形態に係る制御回路は、第2パルス信号P2のパルス幅に応じた数を複数のSPAD素子6aに入射した光子の数としてカウントするカウンター部10をさらに備える。
これにより、短い時間間隔で複数の光子が入射することによりパルス幅が長くなった第2パルス信号P2を、長くなったパルス幅に基づく光子の数に変換することができる。
また、実施形態に係る制御回路において、第1パルス信号P1のパルス幅は、カウンター部10で処理可能なパルス幅より短く、第2パルス信号P2のパルス幅は、カウンター部10で処理可能なパルス幅より長い。
これにより、SPAD素子6aのデッドタイムを最小限にすることができるとともに、第2パルス信号P2をカウンター部10で問題なく処理することができる。
また、実施形態に係る制御回路において、パルス出力部7は、第1の供給路R1と、第2の供給路R2とを有する。第1の供給路R1は、SPAD素子6a内でなだれ増幅が発生している際にSPAD素子6aに電流を供給する。第2の供給路R2は、SPAD素子6a内でなだれ増幅が停止した後にSPAD素子6aに電流を供給する。
これにより、SPAD素子6aの回復時間を短くすることができることから、SPAD素子6aのデッドタイムを短くすることができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
複数のSPAD(Single Photon Avalanche Diode)素子でそれぞれ発生する信号に応じた複数の第1パルス信号を出力するパルス出力部と、
前記パルス出力部から出力される複数の前記第1パルス信号を加算して加算信号に変換する加算部と、
前記加算信号を、所定の期間より短い時間間隔で発生する前記加算信号内のパルス信号の数に基づいたパルス幅の第2パルス信号に整形するパルス整形部と、
を備える制御回路。
(2)
前記第2パルス信号のパルス幅に応じた数を複数の前記SPAD素子に入射した光子の数としてカウントするカウンター部
をさらに備える
前記(1)に記載の制御回路。
(3)
前記第1パルス信号のパルス幅は、前記カウンター部で処理可能なパルス幅より短く、
前記第2パルス信号のパルス幅は、前記カウンター部で処理可能なパルス幅より長い
前記(2)に記載の制御回路。
(4)
前記パルス出力部は、前記SPAD素子内でなだれ増幅が発生している際に前記SPAD素子に電流を供給する第1の供給路と、前記SPAD素子内でなだれ増幅が停止した後に前記SPAD素子に電流を供給する第2の供給路とを有する
前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の制御回路。
(5)
被測定物に光を照射する光源と、
前記被測定物から反射される光を受光した際に信号を出力する複数のSPAD素子と、
複数の前記SPAD素子でそれぞれ発生する信号に応じた複数の第1パルス信号を出力するパルス出力部と、前記パルス出力部から出力される複数の前記第1パルス信号を加算して加算信号に変換する加算部と、前記加算信号を、所定の期間より短い時間間隔で発生する前記加算信号内のパルス信号の数に基づいたパルス幅の第2パルス信号に整形するパルス整形部と、を有する制御回路と、
を備える測距システム。
(6)
前記制御回路は、
前記第2パルス信号のパルス幅に応じた数を複数の前記SPAD素子に入射した光子の数としてカウントするカウンター部
をさらに備える
前記(5)に記載の測距システム。
(7)
前記第1パルス信号のパルス幅は、前記カウンター部で処理可能なパルス幅より短く、
前記第2パルス信号のパルス幅は、前記カウンター部で処理可能なパルス幅より長い
前記(6)に記載の測距システム。
(8)
前記パルス出力部は、前記SPAD素子内でなだれ増幅が発生している際に前記SPAD素子に電流を供給する第1の供給路と、前記SPAD素子内でなだれ増幅が停止した後に前記SPAD素子に電流を供給する第2の供給路とを有する
前記(5)〜(7)のいずれか一つに記載の測距システム。
1 測距装置(測距システムの一例)
2 光源部
3 受光部
6a SPAD素子
7 パルス出力部
8 加算部
9 パルス整形部
10 カウンター部
P1 第1パルス信号
P2 第2パルス信号
Pa 加算信号
R1 第1の供給路
R2 第2の供給路

Claims (5)

  1. 複数のSPAD(Single Photon Avalanche Diode)素子でそれぞれ発生する信号に応じた複数の第1パルス信号を出力するパルス出力部と、
    前記パルス出力部から出力される複数の前記第1パルス信号を加算して加算信号に変換する加算部と、
    前記加算信号を、所定の期間より短い時間間隔で発生する前記加算信号内のパルス信号の数に基づいたパルス幅の第2パルス信号に整形するパルス整形部と、
    を備える制御回路。
  2. 前記第2パルス信号のパルス幅に応じた数を複数の前記SPAD素子に入射した光子の数としてカウントするカウンター部
    をさらに備える
    請求項1に記載の制御回路。
  3. 前記第1パルス信号のパルス幅は、前記カウンター部で処理可能なパルス幅より短く、
    前記第2パルス信号のパルス幅は、前記カウンター部で処理可能なパルス幅より長い
    請求項2に記載の制御回路。
  4. 前記パルス出力部は、前記SPAD素子内でなだれ増幅が発生している際に前記SPAD素子に電流を供給する第1の供給路と、前記SPAD素子内でなだれ増幅が停止した後に前記SPAD素子に電流を供給する第2の供給路とを有する
    請求項1に記載の制御回路。
  5. 被測定物に光を照射する光源と、
    前記被測定物から反射される光を受光した際に信号を出力する複数のSPAD素子と、
    複数の前記SPAD素子でそれぞれ発生する信号に応じた複数の第1パルス信号を出力するパルス出力部と、前記パルス出力部から出力される複数の前記第1パルス信号を加算して加算信号に変換する加算部と、前記加算信号を、所定の期間より短い時間間隔で発生する前記加算信号内のパルス信号の数に基づいたパルス幅の第2パルス信号に整形するパルス整形部と、を有する制御回路と、
    を備える測距システム。
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