JP2020145103A - イオン注入装置、イオン源 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン源槽と底板とを絶縁させる絶縁リングが破壊しないようにする。【解決手段】イオン源槽11の端部33から底板21に向けて筒形形状の第一庇部20を突き出させ、第一の庇部20の外側で筒形形状の第二の庇部25を底板21の表面30からイオン源槽11の端部33に向けて突き出させる。第一の庇部20の先端部分と第二の庇部25の先端部分は離間した状態で重なって配置されており、イオン源槽11内のイオン化槽31が位置する領域から放出された熱線はイオン源槽11の端部33と底板21の表面30との間に位置する絶縁リング14には直射されず、絶縁リング14が加熱されないようになっている。【選択図】図2

Description

本発明は、絶縁リングの熱破壊を防止したイオン源とそのイオン源を用いたイオン注入装置に関する。
イオン注入装置はイオン源のイオン源槽内でイオンビームを生成し、半導体基板等の照射対象物に照射して、所望の原子のイオンを照射対象物に注入する装置である。物質の表面の性質を変化させたり、半導体にp型又はn型のドーパントを注入し、pn接合を形成する等の用途がある。
図3の符号105は従来技術のイオン源を示しており、筒形形状のイオン源槽111の内部には、イオン化槽131が配置されている。
イオン源槽111の両端のうち、一端には、絶縁リング114を介して底板121が図示しないOリングを介在させることで気密に設けられており、イオン源槽111を動作させるときは、真空排気装置150を動作させてイオン源槽111の内部を真空排気して真空雰囲気を形成し、イオン化槽131の内部に配置されたフィラメント136にイオン化用電源138から通電して発熱させて熱電子を放出させ、熱電子をガス源135から配管132を通ってイオン化槽131の内部に供給される原料ガスに照射させて原料ガスのイオンを生成し、生成されたイオンをイオンビームとして出口側開口144を介して放出口112から放出させる。
放出されたイオンビームが照射対象物に照射されるとイオンが照射対象物に注入される。
このような熱電子を用いるイオン源では、フィラメント136から放出された電子線や熱線によってイオン化槽131が加熱され、昇温する。
昇温したイオン化槽131から放出された熱線が絶縁リング114に照射されると絶縁リング114が加熱される。
絶縁リング114は樹脂で構成されており、生産性を向上させるためにイオンビームを強くしてイオン化槽131の温度が800℃程度になった場合は、絶縁リング114の表面が250℃以上に昇温し、絶縁リング114が樹脂製である場合は昇温部位が炭化するなどで特異点となりイオン源槽111および底板121との温度差を起因とする熱応力がこの昇温部位へ応力集中する事から、き裂進展が発生し、破壊が発生することがある。
特開2011−137596号公報
本発明は、上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、イオン化槽が高温に昇温しても絶縁リングが破壊しないようにする技術を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、筒形形状のイオン源槽の内部で生成されたイオンを放出口から第一のイオンビームとして放出するイオン源と、前記第一のイオンビームの中のイオンの加速と質量分析とを行って所望の質量・電荷比のイオンから成る第二のイオンビームを生成する走行部と、内部に照射対象物が配置され、前記第二のイオンビームが入射して前記照射対象物に照射される試料室と、を有し、前記イオン源は、前記イオン源槽の一端の開口を絶縁リングを介して気密に閉塞させる底板と、前記イオン源槽の内部に配置されたイオン化槽と、前記イオン化槽の内部に配置されたフィラメントと、を有し、前記イオン源槽と前記底板との間には高電圧が印加され、前記フィラメントが前記イオン化槽の内部に供給された原料ガスに熱電子を照射して前記原料ガスのイオンを生成し、前記イオン源槽に設けられた放出口から前記第一のイオンビームとして放出するイオン注入装置であって、前記イオン源槽の前記底板側の端部には筒形形状の第一庇部が設けられ、前記底板の表面上には前記第一庇部よりも大きな筒形形状の第二庇部が設けられ、前記第一庇部の先端部分である第一先端と前記底板の表面との間で第一隙間が形成され、前記第二庇部の先端部分である第二先端と前記イオン源槽の端部との間で第二隙間が形成され、前記イオン化槽が配置された領域から直線的に放出され、前記第一隙間を通過した電子線と熱線とは、前記第二隙間を通過できないようにされたイオン注入装置である。
本発明は、前記第一庇部の先端は、前記第二庇部で囲まれた領域中に挿入され、前記第一隙間と前記第二隙間との間に、前記第一庇部と前記第二庇部とが二重に配置された部分が設けられたイオン注入装置である。
本発明は、前記底板と前記イオン源槽とのいずれか一方又は両方に冷却配管が設けられたイオン注入装置である。
本発明は、筒形形状のイオン源槽と、前記イオン源槽の一端の開口を絶縁リングを介して気密に閉塞させる底板と、前記イオン源槽の内部に配置されたイオン化槽と、前記イオン化槽の内部に配置されたフィラメントと、を有し、前記イオン源槽と前記底板との間には高電圧が印加され、前記フィラメントが前記イオン化槽の内部に供給された原料ガスに熱電子を照射して前記原料ガスのイオンを生成し、前記イオン源槽に設けられた放出口から前記イオンを第一のイオンビームとして放出するイオン源であって、前記イオン源槽の前記底板側の端部には筒形形状の第一庇部が設けられ、前記底板の表面上には前記第一庇部よりも大きな筒形形状の第二庇部が設けられ、前記第一庇部の先端部分である第一先端と前記底板の表面との間で第一隙間が形成され、前記第二庇部の先端部分である第二先端と前記イオン源槽の端部との間で第二隙間が形成され、前記イオン化槽が配置された領域から直線的に放出され、前記第一隙間を通過した電子線と熱線とは、前記第二隙間を通過できないようにされたイオン源である。
本発明は、前記第一庇部の先端は、前記第二庇部で囲まれた領域中に挿入され、前記第一隙間と前記第二隙間との間に、前記第一庇部と前記第二庇部とが二重に配置された部分が設けられたイオン源である。
本発明は、前記底板と前記イオン源槽とのいずれか一方又は両方に冷却配管が設けられたイオン源である。
イオン化槽から放出される熱線が絶縁リングに到達しないので、絶縁リングが熱破壊しない。
冷却配管によって絶縁リングへの熱伝導が減少され、絶縁リングが昇温しにくくされている。
本発明のイオン注入装置の一例を説明するための図 本発明のイオン源を説明するための図 従来技術のイオン源を説明するための図
<イオン注入工程>
図1の符号2は、本発明のイオン注入装置を示している。
このイオン注入装置2は、試料室3と、走行部4と、イオン源5とを有している。
走行部4は走行槽51を有しており、試料室3は試料槽52を有している。図2にはイオン源5が示されており、イオン源5はイオン源槽11を有している。
イオン源槽11の内部と走行槽51の内部と試料槽52の内部とは連通されており、それらの内部は後述するイオン源5に接続された真空排気装置や試料槽52に接続された真空排気装置によって真空排気され、真空雰囲気にされている。
走行槽51には、引出部6と、分析部7と、加速部8と、スキャン部9とが配置されている。
引出部6は、走行槽51のうち、イオン源5に隣接した部分に配置されており、走行槽51のうち引出部6に位置する部分の内部には複数の引出電極53が設けられている。
後述するように、イオン源5にはガス源35からイオン化させる原料ガスが導入され、イオン源5の内部で原料ガスのイオンが生成されている。
引出電極53には正電荷のイオンを吸引する負の引出電圧が印加されており、イオン源5の内部で生成されたイオンは引出電極53が形成する電界によってイオン源5から吸引され、放出口12からイオンビームとなって走行槽51の内部に放出され、イオンビームは走行槽51の内部の走行を開始する。
走行を開始したイオンビームの進行方向には分析部7が配置されており、走行槽51のうち分析部7に位置する部分の外側には一対の分析用電磁石54a、54bが設けられている。
分析用電磁石54a、54bは、流れる電流の大きさに対応した強度の磁界を走行槽51の内部に形成する。分析部7に入射したイオンビーム中のイオンは分析用電磁石54a、54bが形成した磁界によって走行方向が湾曲され、磁界の強度に対応した質量電荷比を有するイオンが分析部7を通過する。
分析部7を通過したイオンから成るイオンビームの進行方向には加速部8が配置されており、走行槽51のうち加速部8に位置する部分の内部には複数枚の加速用電極55が設けられている。
各加速用電極55には、接地電位に対して正電圧の加速電圧が印加されており、加速部8に入射したイオンビームは加速用電極55に印加された加速電圧によって加速されながら加速部8を通過する。
加速部8を通過したイオンビームの進行方向にはスキャン部9が配置されており、走行槽51のうちスキャン部9に位置する部分の内部には複数個の電極と電磁石とから成るスキャン装置57が設けられている。
走行槽51のうちスキャン部9に位置する部分の内部には、スキャン装置57によって電界と磁界とが形成されており、スキャン部9に入射したイオンビームは電界と磁界によって進行方向が曲げられてスキャン部9を通過する。
スキャン部9を通過したイオンビームの進行方向には試料槽52が配置されており、走行槽51と試料槽52とを接続する入射口39から試料槽52の内部にイオンビームが入射する。
入射したイオンビームの進行方向には照射対象59が配置されており、照射対象59には、試料槽52の内部に入射したイオンビームが照射される。
照射対象59に照射されるイオンビームの断面積は照射対象59の一表面よりも小さくされており、スキャン部9の電界と磁界の大きさが変化されると、イオンビームの照射対象59上の照射位置が移動され、照射対象59の全面又は設定された領域にイオンビームが照射される。イオンビームの照射により、照射対象59の内部にイオンビームに含まれるイオンが表面から注入される。
なお、加速部8が位置する部分の走行槽51は電気絶縁性を有しており、走行槽51のうち上流側の部分と下流側の部分とは加速部8が位置する部分の走行槽51によって絶縁されている。
走行槽51のうち加速部8よりもイオンビームの進行方向の下流側のスキャン部9に位置する部分と試料槽52とは接地電位に接続されており、走行槽51のうち加速部8よりもイオンビームの進行方向の上流側の分析部7が位置する部分と引出部6が位置する部分とイオン源槽11とには接地電位に対して正の高電圧が印加されて、底板21にはイオン源槽11や走行槽51よりも高い高電圧が印加されている。
その結果、底板21とイオン源槽11との間には高電圧が印加されることになり、この高電圧は、例えば10kV以上40kV以下程度の範囲であり、装置によっては100kVの例もある。
<イオン源>
図2を参照し、イオン源槽11は筒形形状であり、筒形形状の二個の端部のうち、一方の端部の壁面には放出口12が設けられ、他方の底面側には絶縁リング14を介して底板21が設けられている。
イオン源槽11と底板21との間は、絶縁リング14によって電気的に絶縁されており従って、絶縁リング14は、イオン源槽11の端部と底板21との間に挟まれており、絶縁リング14とイオン源槽11とは図示しないOリングを介在させることで気密に接触され、また、絶縁リング14と底板21とも図示しないOリングを介在させることで気密に接触されており、イオン源槽11の内部空間26は大気とは分離されている。なお絶縁リング14は沿面距離を確保すると共にイオン源槽11と底板21との距離を短くし装置の小型化を両立する為に、絶縁リング14の断面視に於いて凹凸が設けられても良い。実施例である図2に於いては、絶縁リング14は大気側に凸部を一つ、真空雰囲気側には中央に凸部を一つ、両端部にそれぞれ凹部を設ける構成とし、沿面距離を確保する構成としている。これら凹凸部は小型化のみならず着膜などによる絶縁性能低下をも考慮した結果であるが、必要に応じてさらに複数設けてもよい。
イオン源槽11にはターボ分子ポンプやクライオポンプ等と粗引ポンプとが組み合わされた真空排気装置50が接続されており、イオン源槽11の内部空間26は真空排気装置50によって真空排気され、イオン源槽11の内部空間26の残留気体は真空排気され、真空雰囲気が形成されるようになっている。
走行槽51の内部とイオン源槽11の内部とは、放出口12によって接続されており、走行槽51もイオン源槽11に接続された真空排気装置50又は他の真空排気装置によって真空排気され、走行槽51の内部も真空雰囲気が形成されている。
イオン源槽11の内部にはイオン化槽31が配置されている。イオン化槽31は、イオン源槽11の二個の端部から離間した場所に配置されており、図示しない部材によって底板21に固定されている。
イオン化槽31には供給配管32の先端部分が接続されており、供給配管32の根本側はイオン源槽11の外部に導出され、ガス源35(図1)に接続されている。底板21と供給配管32とイオン化槽31とは同電位にされている。ガス源35には原料ガスが配置されており、原料ガスは流量制御された状態で先端部分の開口43からイオン化槽31の内部に放出され、イオン化槽31の内部を走行する。
イオン化槽31の内部には、フィラメント36が配置されている。
イオン源槽11の外部にはイオン化用電源38が配置されており、フィラメント36はイオン化用電源38に電気的に接続され、イオン化用電源38からフィラメント36に電力が供給される。この電力によってフィラメント36に電流が流れ、フィラメント36は高温に発熱する。
イオン化槽31とフィラメント36との間には電源が接続されており、フィラメント36にはイオン化槽31に対して負電圧が印加されている。
通電により、フィラメント36が昇温すると熱電子が放出される。フィラメント36から放出された熱電子はイオン化槽31の内部を走行する原料ガスに照射され、原料ガスがイオン化され、原料ガスのイオンが生成される。
イオン化槽31には放出口12と対面する位置に出口側開口44が形成されている。
引出電極53によって形成され、放出口12と出口側開口44とからイオン化槽31の内部に侵入した電界によって、イオン化槽31の内部のイオンは引出電極53側に吸引され、加速されてイオンビームとなって出口側開口44を通過して、走行槽51の内部に放出口12から放出される。放出されたイオンビームは、上述したように走行槽51の内部を走行し、照射対象59に照射される。
<絶縁リング>
ところで、フィラメント36から放出される熱線や電子線は、一部は出口側開口44からイオン源槽11の内部に放出され、他の一部はイオン化槽31に照射され、イオン化槽31が加熱される。
この例のイオン化槽31は700℃〜800℃の温度に昇温され、イオン化槽31から熱線が放出される。イオン化槽31が位置する領域の内部にはフィラメント36が位置しており、フィラメント36の熱線の一部はイオン化槽31の外部に放出されるから、イオン化槽31が位置する領域から放出される熱線には、イオン化槽31の表面から放出される熱線とフィラメント36から放出される熱線の両方が含まれる。
イオン化槽31が位置する領域から放出される熱線の一部は放出口12が位置する方向に向かい、他の一部はその反対方向に位置する絶縁リング14に向かう。
このイオン源5では、イオン源槽11の両端のうち、底板21側の端部33はフランジ状にされており、底板21側の端部33の底板21と対面する部分には、底板21に向けて突き出された筒形形状の第一庇部20が設けられている。
また、底板21の内部空間26に露出する表面30のうち、イオン源槽11の端部33と対面する部分には、イオン源槽11の端部33に向けて突き出された筒形形状の第二庇部25が設けられている。
第二庇部25は第一庇部20よりも大きくされており、また、第一庇部20の突き出された部分の長さと第二庇部25の突き出された部分の長さとを合計した合計長さは、イオン源槽11の端部33と底板21の表面30との間の距離よりも長くなっており、従って、第一庇部20の先端は、第二庇部25が取り囲む領域の内部に挿入されて、第一庇部20の縁側の部分と、第二庇部25の縁側の部分とは長さの差である幅Bの長さだけ重なり合うように配置されている。符号29は重なり合った部分を示している。
第一庇部20の縁である第一先端34と底板21の表面30との間には幅Aの長さの第一隙間27が形成され、第二庇部25の縁である第二先端37とイオン源槽11の端部33との間には幅Cの長さの第二隙間28が形成されている。第一、第二隙間27、28はリング形形状である。
イオン源槽11と底板21との間は、内部空間26が真空雰囲気にされた状態で放電が発生しない距離だけ離間されており、第一、第二庇部20、25が金属で構成され、第一庇部20がイオン源槽11と同電位の高電圧にされ、第二庇部25が底板21と同電位にされており、第一庇部20と第二庇部25との間は真空雰囲気中で放電が生じない距離だけ離間されている。また、第一隙間27の幅Aと、第二隙間28の幅Cも、真空雰囲気中で放電が発生しない大きさに離間されている。
イオン化槽31が位置する領域は、第一隙間27よりも放出口12に近い場所に位置しており、従って、イオン化槽31が位置する領域から底板21が位置する方向に放出された熱線の一部が、第一隙間27を通過できる。
第二隙間28は第一隙間27よりも放出口12に近い場所に位置しており第一隙間27を通過して直進する電子線や熱線は、第二庇部25や底板21の表面に衝突し、第二隙間28を通過できない。従って、イオン化槽31が位置する領域から放出された熱線が絶縁リング14に直射されることはなく、絶縁リング14が加熱されにくいようになっている。
また、底板21の外周と、イオン源槽11の外周とには、それぞれ冷却配管22、23が巻き回されており、冷却装置52で冷却された冷熱媒体が、冷却配管22、23をそれぞれ巡回して底板21とイオン源槽11とを冷却し、底板21およびイオン源槽11と絶縁リング14の間に介在するOリングを許容温度範囲とする事で、気密機能の保持を担っている。これはイオン注入装置として必要な機能ではあるが、絶縁リング14から見た場合、底板21とイオン源槽11との接触面へ熱流束が向かう事を意味する。つまり、絶縁リング14の真空雰囲気側の表面より入熱した際に温度差に基づく熱応力を発生させる要因となっている。しかしこの構成であっても、第一庇部20および第二庇部25を設けたことにより、表面温度が低下され、破壊に結びつく熱応力は発生しない。
なお、第一庇部20とイオン源槽11とは一体成形によって形成してもよいし、別に作成した第一庇部20をイオン源槽11に取り付けることで形成するようにしてもよい。第二庇部25と底板21とも、同様に一体に形成しても、取り付けによって形成でもよい。
また本構成は凹凸を設ける事で沿面距離を増大させた絶縁リング14を利用する際にも効果的である。図2に於ける真空雰囲気側表面に均等に熱線が照射された場合、熱抵抗により凸部の頂部が最も昇温し、開裂方向の応力を発生させる。図3に於ける状況下では凸部の頂部からき裂進展し破壊に至っていたが、本構成(図2)ではき裂の進展、および樹脂製の場合に発生する当該部分の炭化は見受けられず、効果が確認された。
2……イオン注入装置
3……試料室
5……イオン源
11……イオン源槽
12……放出口
14……絶縁リング
21……底板
27……第一隙間
28……第二隙間
31……イオン化槽
上記課題を解決するために本発明は、筒形形状のイオン源槽の内部で生成されたイオンを放出口から第一のイオンビームとして放出するイオン源と、前記第一のイオンビームの中のイオンの加速と質量分析とを行って所望の質量・電荷比のイオンから成る第二のイオンビームを生成する走行部と、内部に照射対象物が配置され、前記第二のイオンビームが入射して前記照射対象物に照射される試料室と、を有し、前記イオン源は、前記イオン源槽の一端の開口を絶縁リングを介して気密に閉塞させる底板と、前記イオン源槽の内部に配置されたイオン化槽と、前記イオン化槽の内部に配置されたフィラメントと、を有し、前記イオン源槽には正の高電圧が印加され、前記フィラメントには前記底板に対する負の電圧が印加され、前記底板には前記イオン源槽に対して正の高電圧が印加され、前記フィラメントが前記イオン化槽の内部に供給された原料ガスに熱電子を照射して前記原料ガスのイオンを生成し、前記イオン源槽に設けられた放出口から前記第一のイオンビームとして放出するイオン注入装置であって、前記イオン源槽の外周に設けられたフランジと前記底板とは前記絶縁リングに気密に接触され、前記フランジよりも前記底板に近い部分が前記底板に向けて突き出された筒形形状の第一庇部にされ、前記底板の表面上には前記第一庇部よりも大きな筒形形状の第二庇部が設けられ、前記第一庇部は前記イオン源槽と同電位にされ、前記第二庇部は前記底板と同電位にされ、前記第一庇部の先端部分である第一先端と前記底板の表面との間で第一隙間が形成され、前記第二庇部の先端部分である第二先端と前記フランジとの間で第二隙間が形成され、前記第二隙間は前記第一隙間よりも前記放出口に近い場所に位置し、前記イオン化槽が位置する領域は、前記第一隙間よりも前記放出口に近い場所に位置しており、前記イオン化槽が位置する領域から直線的に放出され、前記第一隙間を通過した電子線と熱線とは、前記第二隙間を通過できないようにされたイオン注入装置である。
本発明は、前記第一庇部の先端は、前記第二庇部で囲まれた領域中に挿入され、前記第一隙間と前記第二隙間との間に、前記第一庇部と前記第二庇部とが二重に配置された部分が設けられたイオン注入装置である。
本発明は、前記底板と前記イオン源槽とのいずれか一方又は両方に冷却配管が設けられたイオン注入装置である。
本発明は、筒形形状のイオン源槽と、前記イオン源槽の一端の開口を絶縁リングを介して気密に閉塞させる底板と、前記イオン源槽の内部に配置されたイオン化槽と、前記イオン化槽の内部に配置されたフィラメントと、を有し、前記イオン源槽には正の高電圧が印加され、前記フィラメントには前記底板に対する負の電圧が印加され、前記底板には前記イオン源槽に対して正の高電圧が印加され、前記フィラメントが前記イオン化槽の内部に供給された原料ガスに熱電子を照射して前記原料ガスのイオンを生成し、前記イオン源槽に設けられた放出口から前記イオンを第一のイオンビームとして放出するイオン源であって、前記イオン源槽の外周に設けられたフランジと前記底板とは前記絶縁リングに気密に接触され、前記フランジよりも前記底板に近い部分が前記底板に向けて突き出された筒形形状の第一庇部にされ、前記底板の表面上には前記第一庇部よりも大きな筒形形状の第二庇部が設けられ、前記第一庇部は前記イオン源槽と同電位にされ、前記第二庇部は前記底板と同電位にされ、 前記第一庇部の先端部分である第一先端と前記底板の表面との間で第一隙間が形成され、前記第二庇部の先端部分である第二先端と前記フランジとの間で第二隙間が形成され、前記第二隙間は前記第一隙間よりも前記放出口に近い場所に位置し、前記イオン化槽が位置する領域は、前記第一隙間よりも前記放出口に近い場所に位置しており、前記イオン化槽が位置する領域から直線的に放出され、前記第一隙間を通過した電子線と熱線とは、前記第二隙間を通過できないようにされたイオン源である。
本発明は、前記第一庇部の先端は、前記第二庇部で囲まれた領域中に挿入され、前記第一隙間と前記第二隙間との間に、前記第一庇部と前記第二庇部とが二重に配置された部分が設けられたイオン源である。
本発明は、前記底板と前記イオン源槽とのいずれか一方又は両方に冷却配管が設けられたイオン源である。

Claims (6)

  1. 筒形形状のイオン源槽の内部で生成されたイオンを放出口から第一のイオンビームとして放出するイオン源と、
    前記第一のイオンビームの中のイオンの加速と質量分析とを行って所望の質量・電荷比のイオンから成る第二のイオンビームを生成する走行部と、
    内部に照射対象物が配置され、前記第二のイオンビームが入射して前記照射対象物に照射される試料室と、
    を有し、
    前記イオン源は、
    前記イオン源槽の一端の開口を絶縁リングを介して気密に閉塞させる底板と、
    前記イオン源槽の内部に配置されたイオン化槽と、
    前記イオン化槽の内部に配置されたフィラメントと、
    を有し、
    前記イオン源槽と前記底板との間には高電圧が印加され、
    前記フィラメントが前記イオン化槽の内部に供給された原料ガスに熱電子を照射して前記原料ガスのイオンを生成し、前記イオン源槽に設けられた放出口から前記第一のイオンビームとして放出するイオン注入装置であって、
    前記イオン源槽の前記底板側の端部には筒形形状の第一庇部が設けられ、
    前記底板の表面上には前記第一庇部よりも大きな筒形形状の第二庇部が設けられ、
    前記第一庇部の先端部分である第一先端と前記底板の表面との間で第一隙間が形成され、前記第二庇部の先端部分である第二先端と前記イオン源槽の端部との間で第二隙間が形成され、
    前記イオン化槽が配置された領域から直線的に放出され、前記第一隙間を通過した電子線と熱線とは、前記第二隙間を通過できないようにされたイオン注入装置。
  2. 前記第一庇部の先端は、前記第二庇部で囲まれた領域中に挿入され、
    前記第一隙間と前記第二隙間との間に、前記第一庇部と前記第二庇部とが二重に配置された部分が設けられた請求項1記載のイオン注入装置。
  3. 前記底板と前記イオン源槽とのいずれか一方又は両方に冷却配管が設けられた請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のイオン注入装置。
  4. 筒形形状のイオン源槽と、
    前記イオン源槽の一端の開口を絶縁リングを介して気密に閉塞させる底板と、
    前記イオン源槽の内部に配置されたイオン化槽と、
    前記イオン化槽の内部に配置されたフィラメントと、
    を有し、
    前記イオン源槽と前記底板との間には高電圧が印加され、
    前記フィラメントが前記イオン化槽の内部に供給された原料ガスに熱電子を照射して前記原料ガスのイオンを生成し、前記イオン源槽に設けられた放出口から前記イオンを第一のイオンビームとして放出するイオン源であって、
    前記イオン源槽の前記底板側の端部には筒形形状の第一庇部が設けられ、
    前記底板の表面上には前記第一庇部よりも大きな筒形形状の第二庇部が設けられ、
    前記第一庇部の先端部分である第一先端と前記底板の表面との間で第一隙間が形成され、前記第二庇部の先端部分である第二先端と前記イオン源槽の端部との間で第二隙間が形成され、
    前記イオン化槽が配置された領域から直線的に放出され、前記第一隙間を通過した電子線と熱線とは、前記第二隙間を通過できないようにされたイオン源。
  5. 前記第一庇部の先端は、前記第二庇部で囲まれた領域中に挿入され、
    前記第一隙間と前記第二隙間との間に、前記第一庇部と前記第二庇部とが二重に配置された部分が設けられた請求項4記載のイオン源。
  6. 前記底板と前記イオン源槽とのいずれか一方又は両方に冷却配管が設けられた請求項4又は請求項5のいずれか1項記載のイオン源。
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