JP2020141617A - がん細胞の培養方法 - Google Patents

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【課題】血液中のがん細胞のスフェロイドを従来よりも高確率で形成させることができるがん細胞の培養方法を提供する。【解決手段】血液中のがん細胞を親水性ポリマー層に捕捉する工程と、前記親水性ポリマー層に捕捉された前記がん細胞を細胞解離用酵素によって剥離させる工程と、剥離させた前記がん細胞を含む溶液を遠心力100〜1000Gで遠心分離する工程と、人工基底膜上で、ES細胞培地によって前記がん細胞を培養する工程とを含むがん細胞の培養方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、血液中のがん細胞の培養方法に関する。
がん細胞が発生するとやがて、血液・体液中に出て来ることが知られており、血液中に出て来たがん細胞は、血中循環腫瘍細胞(CTC)と呼ばれている。そして、この血中循環腫瘍細胞を調べることによるがんの治療効果の確認、予後寿命、投与前の抗がん剤の効果予測、がん細胞の遺伝子解析を用いた治療方法の検討、等が期待されている。
CTCの捕捉方法として、例えば、特許文献1では、親水性ポリマー層にCTCを捕捉する方法が開示されている。
特開2018−50548号公報
細胞を3次元培養することで形成されるスフェロイド(細胞凝集塊)は、生体内での活性に近いことが知られている。そのため、がん細胞のスフェロイドを利用したがん治療の研究が行われている。
特許文献1の方法で親水性ポリマー層にがん細胞を捕捉した後、がん細胞を培養(3次元培養)してスフェロイドを形成させる場合、まず、がん細胞を親水性ポリマー層から剥離させ、適当な培地に移す必要がある。しかしながら、血液中のがん細胞はそれほど多くないため、通常の培養方法でスフェロイドを形成させることは困難であった。特に、大腸がん患者の場合、血液中のがん細胞が非常に少なく、Cancer Res;75(5)March 1, 2015に掲載されたLaure Cayrefourcqらの実験では、スフェロイドが形成された確率は4%程度であった。
本発明は、前記課題を解決し、血液中のがん細胞のスフェロイドを従来よりも高確率で形成させることができるがん細胞の培養方法を提供することを目的とする。
本発明は、血液中のがん細胞を親水性ポリマー層に捕捉する工程と、前記親水性ポリマー層に捕捉された前記がん細胞を細胞解離用酵素によって剥離させる工程と、剥離させた前記がん細胞を含む溶液を遠心力100〜1000Gで遠心分離する工程と、人工基底膜上で、ES細胞培地によって前記がん細胞を培養する工程とを含むがん細胞の培養方法に関する。
前記人工基底膜は、膜厚が1.0〜3.0mmであることが好ましい。
前記血液は、濃縮処理を施したものであることが好ましい。
前記血液は、治療前の患者から採取したものであることが好ましい。
前記親水性ポリマー層は、下記式(I)で表されるポリマー及びポリ(メタ)アクリロイルモルホリンからなる群より選択される少なくとも1種の親水性ポリマーで形成されていることが好ましい。
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rはアルキル基を表す。mは1〜5、nは繰り返し数を表す。)
前記親水性ポリマー層は、下記式(I−1)で表される化合物及び(メタ)アクリロイルモルホリンからなる群より選択される少なくとも1種の親水性モノマーと、他のモノマーとの共重合体で形成されていることが好ましい。
(式中、R、R、mは前記と同様。)
本発明によれば、血液中のがん細胞を親水性ポリマー層に捕捉する工程と、前記親水性ポリマー層に捕捉された前記がん細胞を細胞解離用酵素によって剥離させる工程と、剥離させた前記がん細胞を含む溶液を遠心力100〜1000Gで遠心分離する工程と、人工基底膜上で、ES細胞培地によって前記がん細胞を培養する工程とを含むがん細胞の培養方法であるので、血液中のがん細胞のスフェロイドを従来よりも高確率で形成させることができる。
検体Aで形成されたがん細胞のスフェロイドの顕微鏡画像。 検体Bで形成されたがん細胞のスフェロイドの顕微鏡画像。 検体Cで形成されたがん細胞のスフェロイドの顕微鏡画像。
本発明は、血液中のがん細胞を親水性ポリマー層に捕捉する工程(捕捉工程)と、前記親水性ポリマー層に捕捉された前記がん細胞を細胞解離用酵素によって剥離させる工程(剥離工程)と、剥離させた前記がん細胞を含む溶液を遠心力100〜1000Gで遠心分離する工程(遠心分離工程)と、人工基底膜上で、ES細胞培地によって前記がん細胞を培養する工程(培養工程)とを含むがん細胞の培養方法である。
上記方法では、がん細胞の剥離を細胞解離用酵素で行うこと、また、遠心分離を遠心力100〜1000Gの条件で行うことで、剥離や遠心分離におけるがん細胞へのダメージを低減することができる。そして、これらを経て回収したがん細胞を、人工基底膜上で、ES細胞培地によって培養することで、がん細胞のスフェロイドを従来よりも高確率で形成させることが可能となる。
以下、上記方法を工程毎に説明する。
(捕捉工程)
この工程では、血液中のがん細胞を親水性ポリマー層に捕捉する。これは、例えば、血液と親水性ポリマー層とを接触させることで実施できる。
親水性ポリマー層には、がん細胞は捕捉されるが、赤血球、白血球、血小板等の血球細胞は捕捉(吸着)されにくい。そのため、血液と親水性ポリマー層とを接触させた後に所定時間放置し、次いで、必要に応じてリン酸緩衝生理食塩水(PBS)等で洗浄することで、がん細胞を選択的に親水性ポリマー層に捕捉することができる。
血液と親水性ポリマー層との接触方法は特に限定されないが、例えば、親水性ポリマー層への血液の注入、滴下、噴霧等が挙げられる。
血液は、親水性ポリマー層に接触させる前に、濃縮処理を施すことが好ましい。濃縮処理により、血球細胞を減少させ、血液中のがん細胞の割合を高めることで、より多くのがん細胞を親水性ポリマー層に捕捉させることができる。濃縮処理の方法は特に限定されないが、遠心分離が好ましく、濃度勾配遠心分離がより好ましい。濃度勾配遠心分離は、例えば、Greiner Bio−One社のOncoQuick(登録商標)によって行うことができる。
なお、手術や化学療法等の治療を行った場合、通常、血液中のがん細胞は減少する。そのため、より多くのがん細胞を捕捉し、スフェロイドが形成される確率を高めるという観点から、治療前の患者から採取した血液を使用することが好ましい。
親水性ポリマー層(親水性ポリマーにより形成される層)は、所定の基材に形成できる。基材としては、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等のアクリル樹脂(ポリアクリル樹脂)、シクロオレフィン樹脂(ポリシクロオレフィン)、カーボネート樹脂(ポリカーボネート)、スチレン樹脂(ポリスチレン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、ポリジメチルシロキサン、ソーダ石灰ガラス、ほうケイ酸ガラス等のガラス、等が挙げられる。
親水性ポリマー層(親水性ポリマーにより形成される層)の膜厚は、好ましくは10〜500nm、より好ましくは30〜400nm、更に好ましくは50〜350nmである。上記範囲内に調整することで、がん細胞に対する選択的捕捉性が良好となる。
親水性ポリマーは、親水性を有するものを適宜選択できる。例えば、1種又は2種以上の親水性モノマーの単独重合体及び共重合体、1種又は2種以上の親水性モノマーと他のモノマーとの共重合体等が挙げられる。前記単独重合体、共重合体としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロイルモルホリン、ポリメタクリロイルモルホリン、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド等が挙げられる。
親水性モノマーは、親水性基を有する各種モノマーを使用できる。親水性基は、例えば、アミド基、硫酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、水酸基、アミノ基、アミド基、オキシエチレン基等、公知の親水性基が挙げられる。
親水性モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリルアミド、環状基を有する(メタ)アクリルアミド誘導体((メタ)アクリロイルモルホリン等)、などが挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリンが好ましく、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートがより好ましく、2−メトキシエチルアクリレートが特に好ましい。
他のモノマーは、親水性ポリマーの作用効果を阻害しない範囲内で適宜選択すれば良い。例えば、スチレン等の芳香族モノマー、酢酸ビニル、温度応答性を付与できるN−イソプロピルアクリルアミドなどが挙げられる。
なかでも、親水性ポリマーとしては、下記式(I)で表されるポリマー及びポリ(メタ)アクリロイルモルホリンからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rはアルキル基を表す。mは1〜5、nは繰り返し数を表す。)
のアルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。なかでも、Rは、メチル基又はエチル基が特に好ましい。mは、1〜3が好ましい。n(繰り返し単位数)は、15〜1500が好ましく、40〜1200がより好ましい。
また、親水性ポリマーとして、下記式(I−1)で表される化合物及び(メタ)アクリロイルモルホリンからなる群より選択される少なくとも1種の親水性モノマーと、他のモノマーとの共重合体も好適に使用できる。
(式中、R、R、mは前記と同様。)
親水性ポリマー層が形成された基材は、特開2018−50548号公報に記載の方法等、公知の手法により、基材表面の全部又は一部に親水性ポリマー溶液・分散液をコーティングすることで、製造することができる。このような基材として、例えば、マルチウェルプレート、スライドチャンバー(チャンバー付スライドガラス)等が挙げられる。
親水性ポリマー層には、予め、フィブロネクチンを吸着させていてもよい。フィブロネクチンが吸着した親水性ポリマー層に血液を接触させることで、親水性ポリマー層により多くのがん細胞を捕捉することが可能となる。
捕捉工程後は、必要に応じて洗浄等を行った後、剥離工程に移行する。
(剥離工程)
この工程では、親水性ポリマー層に捕捉されたがん細胞を細胞解離用酵素によって剥離させる。これは、例えば、親水性ポリマー層に細胞解離用酵素を添加し、所定の時間(5〜30分程度)反応させることで実施できる。反応は、室温(1〜30℃程度)で行うことが好ましい。
細胞解離用酵素としては、トリプシン様酵素を用いることが好ましい。トリプシン様酵素は、従来使用されていたトリプシンと比較して、細胞の解離を温和に行うことができるもので、トリプシン様プロテアーゼ等が挙げられる。市販品としては、動物由来成分を含まない組換えプロテアーゼであるTrypLE(登録商標) Express等を使用できる。
剥離工程後は、必要に応じて親水性ポリマー層に培地等を添加した後、添加した培地等とともにがん細胞を回収し、遠心分離工程に移行する。
(遠心分離工程)
この工程では、剥離させたがん細胞を含む溶液を遠心力100〜1000Gで遠心分離する。
遠心力を上記範囲に調整することで、がん細胞へのダメージを抑制しながら、がん細胞と他の成分とを分離することができる。遠心力は、好ましくは200〜800G、より好ましくは250〜600Gである。
遠心分離の時間は、がん細胞に与えるダメージやがん細胞の分離性等の観点から、適宜設定すればよいが、好ましくは1〜30分、より好ましくは3〜10分である。同様の観点から、温度は、室温(1〜30℃程度)が好ましい。なお、遠心分離は、公知の遠心分離装置で実施できる。
遠心分離工程後は、がん細胞を含む分画を回収し、培養工程に移行する。
(培養工程)
この工程では、人工基底膜上で、ES細胞培地によってがん細胞を培養する。これは、例えば、がん細胞を含む分画を、人工基底膜が形成された基材に播き、ES細胞培地を添加して培養することで実施できる。
人工基底膜は、ラミニン、コラーゲンIV型、エンタクチン、ヘパリン硫酸プロテオグリカン等を主成分(マトリクス成分)として、必要に応じて、EGF(上皮成長因子)等の増殖因子等を含むものである。市販品としては、コーニング社製のマトリゲル(登録商標)等を使用できる。
人工基底膜の膜厚は、好ましくは1.0〜3.0mm、より好ましくは1.2〜1.5mmである。
人工基底膜が形成された基材は、Thin Gel法、Thick Gel法、薄層コーティング法等の公知の手法により、人工基底膜を基材にコーティングすることで、製造することができる。使用できる基材は、親水性ポリマー層を形成する基材と同様である。
ES細胞(胚性幹細胞)培地としては、例えば、DMEM/F12培地(ダルベッコ改変イーグル培地/ハムF−12混合培地)等を基本培地として、ペニシリン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン等の抗生物質;ウシ血清アルブミン、Noggin、R−Spondin、EGF、HGF(肝細胞増殖因子)、Wnt3a等のタンパク質;HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)等の緩衝液;N−アセチルシステイン、Y−27632等の阻害剤;B−27(登録商標)、GlutaMAX(登録商標)等のサプリメント;等の添加物を加えたものを使用できる。添加物の量は特に限定されず、適宜調整すればよい。
培養条件は適宜設定することができるが、例えば、培養温度は、好ましくは20〜45℃、より好ましくは30〜40℃である。培養時間は、好ましくは1〜20日、より好ましくは3〜15日である。CO濃度は、好ましくは1〜10%、より好ましくは3〜8%である。
以上の工程により、血液中のがん細胞のスフェロイドを高確率で形成することができる。得られたスフェロイドは、サンガー法やRNAシークエンスによる解析、PDXモデルの作成等に利用可能である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(検査器具の作製)
AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を用いて、2−メトキシエチルアクリレートを80℃で6時間熱重合し、ポリ2−メトキシエチルアクリレートを作製した(分子量Mn:約15000、Mw:約50000)。そして、得られたポリ2−メトキシエチルアクリレートの0.25W/V%メタノール溶液を作製した。
チャンバー付スライドガラスに、作製したポリ2−メトキシエチルアクリレート溶液(0.25W/V%)を注入し、乾燥させることで、親水性ポリマー層を作製した。TEM観察で測定した親水性ポリマー層の膜厚は135nmであった。
次いで、ポリ2−メトキシエチルアクリレートがコーティングされた部分(親水性ポリマー層)にフィブロネクチンを吸着させ、40℃で1時間放置した後、PBSで洗浄することで、検査器具を作製した。
(ES細胞培地の作製)
まず、下記成分を混合し、混合物Aを得た。
DMEM/F12培地 500ml
ペニシリン−ストレプトマイシン混合溶液 5ml
ゲンタマイシン 250μl
1M HEPES 5ml
N−アセチルシステイン 81.6mg
次いで、下記成分を混合し、混合物Bを得た。
混合物A 50ml
B−27(50X) 1ml
GlutaMAX(100X) 500μl
ウシ血清アルブミン 0.5g
そして、下記成分を混合することで、ES細胞培地を得た。
混合物B 1ml
mNoggin溶液(25μg/ml) 2μl
hR−Spondin溶液(500ng/ml) 10μl
mEGF溶液(25μg/ml) 2μl
mHGF溶液(25μg/ml) 2μl
mWnt3a溶液(10μg/ml) 10μl
5mM Y−27632 2μl
50μM ヒドロコルチゾン 10μl
(実施例)
がん患者から採取した血液を、OncoQuickを用いて遠心分離し、がん細胞を分離(濃縮)した。次いで、がん細胞を含む分画を検査器具に注入し、室温で一晩放置した後、PBSで洗浄することで、がん細胞を選択的に親水性ポリマー層に捕捉した。
TrypLE Express 200μlを検査器具に添加し、室温で30分間放置することで、親水性ポリマー層からがん細胞を剥離させた。その後、培地 2mlを添加し、当該培地とともにがん細胞を回収した。
15mLの遠心分離管に、剥離させたがん細胞を含む溶液を入れて、室温、遠心力300Gの条件で5分間遠心分離した。
遠心分離によって得られたがん細胞を含む分画を、マトリゲル(膜厚:1.2mm)がコーティングされたチャンバースライドに播き、ES細胞培地を添加し、温度37℃、CO濃度5%の条件下で、所定の時間培養した。
以上の実験を、下記検体A〜Cに対して行った。
検体A 大腸がんステージIV、肝転移の患者から採取した血液 (培養時間:7日)
検体B 大腸がんステージIV、肺転移の患者から採取した血液 (培養時間:13日)
検体C 大腸がんステージIV、肝転移の患者から採取した血液 (培養時間:5日)
培養後の状態を顕微鏡で確認し、図1〜3に示す顕微鏡画像を得た。図1〜3中の矢印で示した部分ががん細胞のスフェロイドであり、検体A〜Cの全てにおいて、スフェロイドが形成されていることが分かる。
他の検体についても同様の実験を行った結果、がん細胞のスフェロイドが形成される確率は、約50%であった。

Claims (6)

  1. 血液中のがん細胞を親水性ポリマー層に捕捉する工程と、
    前記親水性ポリマー層に捕捉された前記がん細胞を細胞解離用酵素によって剥離させる工程と、
    剥離させた前記がん細胞を含む溶液を遠心力100〜1000Gで遠心分離する工程と、
    人工基底膜上で、ES細胞培地によって前記がん細胞を培養する工程とを含むがん細胞の培養方法。
  2. 前記人工基底膜は、膜厚が1.0〜3.0mmである請求項1記載のがん細胞の培養方法。
  3. 前記血液は、濃縮処理を施したものである請求項1又は2記載のがん細胞の培養方法。
  4. 前記血液は、治療前の患者から採取したものである請求項1〜3のいずれかに記載のがん細胞の培養方法。
  5. 前記親水性ポリマー層は、下記式(I)で表されるポリマー及びポリ(メタ)アクリロイルモルホリンからなる群より選択される少なくとも1種の親水性ポリマーで形成されている請求項1〜4のいずれかに記載のがん細胞の培養方法。
    (式中、Rは水素原子又はメチル基、Rはアルキル基を表す。mは1〜5、nは繰り返し数を表す。)
  6. 前記親水性ポリマー層は、下記式(I−1)で表される化合物及び(メタ)アクリロイルモルホリンからなる群より選択される少なくとも1種の親水性モノマーと、他のモノマーとの共重合体で形成されている請求項1〜4のいずれかに記載のがん細胞の培養方法。
    (式中、R、R、mは前記と同様。)
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