JP2020139418A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の排気浄化システムに関し、加熱器による加熱に要するエネルギーのロスを抑制しつつ、筒内からのNOx排出量の変動に起因する高床温要求に速やかに対処できるようにする。【解決手段】内燃機関1の排気浄化システムは、内燃機関1の排気通路2に配置された選択還元型NOx触媒12と、選択還元型NOx触媒12を加熱するための加熱器24と、加熱器24を制御する制御装置26と、を備える。制御装置26は、選択還元型NOx触媒12の目標床温が実床温よりも高い場合に、選択還元型NOx触媒12に供給される熱量が増加するように加熱器24を制御する触媒床温制御を実行する。制御装置26は、触媒床温制御の実行中に、内燃機関1からのNOx排出増加量の予測値が大きい場合には、予測値が小さい場合と比べて高くなるように目標床温を変更する。【選択図】図4

Description

この発明は、内燃機関の排気浄化システムに関し、より詳細には、選択還元型NOx触媒と、当該選択還元型NOx触媒を加熱するための加熱器とを備える排気浄化システムに関する。
例えば、特許文献1には、選択還元型NOx触媒と、この選択還元型NOx触媒の床温を加熱するための加熱器(ヒータ)とを備える排ガス処理装置が開示されている。この排ガス処理装置によれば、加熱器を利用して選択還元型NOx触媒を加熱することにより、当該NOx触媒の床温を制御することができる。
国際公開第2011/120838号 特開2014−084759号公報 特開2009−138522号公報
選択還元型NOx触媒は、その床温を活性開始温度(例えば、180〜200℃程度)よりも高温の所定温度(例えば、250℃程度)以上とすることで、高いNOx還元能力を発揮する。ここで、内燃機関(の筒内)からのNOx排出量は、例えばエンジン負荷が高いほど多くなる。そこで、エンジン負荷変動に伴うNOx排出量の変動に耐え得るようにするために、床温を上記の所定温度で高く保持することが考えられる。
その一方で、低負荷時のような低NOx排出条件では、上記の所定温度よりも低い床温の下であっても、NOxを適切に還元処理することが可能である。したがって、NOx排出量の変動に耐え得るようにするために、低NOx排出条件(低負荷時)の下で床温を高く維持することとすると、加熱器による加熱に要するエネルギーのロスが大きくなることが懸念される。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、加熱器による加熱に要するエネルギーのロスを抑制しつつ、筒内からのNOx排出量の変動に起因する高床温要求に速やかに対処できるようにした内燃機関の排気浄化システムを提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の排気浄化システムは、
内燃機関の排気通路に配置された選択還元型NOx触媒と、
前記選択還元型NOx触媒を加熱するための加熱器と、
前記加熱器を制御する制御装置と、
を備える。
前記制御装置は、前記選択還元型NOx触媒の目標床温が実床温よりも高い場合に、前記選択還元型NOx触媒に供給される熱量が増加するように前記加熱器を制御する触媒床温制御を実行する。
前記制御装置は、前記触媒床温制御の実行中に、前記内燃機関からのNOx排出増加量の予測値が大きい場合には、前記予測値が小さい場合と比べて高くなるように前記目標床温を変更する。
本発明によれば、上記の予測値が大きい場合、つまり、筒内からのNOx排出量の増加が予測される場合には、当該予測がなされない場合と比べて、目標床温が高められる。このような手法によれば、エンジン負荷変動に伴うNOx排出量の変動に耐え得るようにするために床温を常時高く保持する例と比べて加熱器による加熱に要するエネルギー(熱量)のロスを抑制しつつ、筒内からのNOx排出量の変動に起因する高床温要求に速やかに対処できるようになる。そして、その結果として、エネルギーロスを抑制しつつ、高いNOx浄化性能を確保できるようになる。
本発明の実施の形態に係る内燃機関1の排気浄化システムの構成例を模式的に表した図である。 図1に示すSCR触媒に関する処理NOx量とSCR温度(床温)とNOx浄化率との関係の一例を表したグラフである。 エンジン負荷の変更指令に対するNO排出量の変化の遅れを説明するためのグラフである。 本発明の実施の形態に係る加熱器の制御に関する処理のルーチンを示すフローチャートである。 図4に示すルーチンの処理に従う加熱器の制御の動作例を説明するためのタイムチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
1.排気浄化システムの構成例
図1は、本発明の実施の形態に係る内燃機関1の排気浄化システム10の構成例を模式的に表した図である。図1に示す排気浄化システム10は、内燃機関1に適用されている。内燃機関1は、一例として、直列4気筒型のディーゼルエンジンである。しかしながら、本発明の対象となる内燃機関は、リーンバーン運転を行うものであれば、ディーゼルエンジンに代え、火花点火式エンジンであってもよい。また、本発明の対象となる内燃機関の気筒数及び気筒配置は、上記の例に限定されない。
排気浄化システム10は、リーン雰囲気の下でNOxを浄化するための選択還元型NOx触媒(SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒)12を備えている。SCR触媒12は、内燃機関1の排気通路2に配置されている。また、排気浄化システム10は、SCR触媒12に対して還元剤であるアンモニア(NH)の前駆体である尿素水を供給するための還元剤供給装置14を備えている。なお、還元剤供給装置14は、アンモニア(NH)自体をSCR触媒12に対して供給してもよい。
還元剤供給装置14は、主に、尿素水添加弁16、尿素水タンク18、尿素水流路20、及び尿素水ポンプ22を備えている。尿素水添加弁16は、SCR触媒12の上流において尿素水を排気通路2内に添加(噴射)する。尿素水添加弁16から排気通路2に噴射された尿素水は、加水分解されてNHとなり、SCR触媒12に供給される。SCR触媒12は、供給された尿素水由来のNHを還元剤として、排気中の窒素酸化物(NOx)を還元する。尿素水タンク18は、尿素水を貯留している。尿素水流路20は、尿素水添加弁16と尿素水タンク18とを接続している。尿素水ポンプ22は、尿素水タンク18内の尿素水を尿素水添加弁16に向けて圧送する。
排気浄化システム10は、さらに、SCR触媒12を加熱するための加熱器24を備えている。加熱器24は、SCR触媒12の上流側において排気通路2内に配置されている。加熱器24は、一例として電気ヒータである。したがって、SCR触媒12と加熱器24との組み合わせは、電気加熱式触媒(EHC:Electrically Heated Catalyst)の一例に相当する。
排気浄化システム10は、さらに、制御装置26を備えている。制御装置26は、還元剤供給装置14(尿素水添加弁16及び尿素水ポンプ22)とともに、加熱器24を制御する電子制御ユニット(ECU)である。制御装置26には、還元剤供給装置14及び加熱器24の制御に必要な各種情報を検出する各種センサが電気的に接続されている。ここでいう各種センサは、SCR温度センサ28と、加熱器流入ガス温度センサ30と、アクセルポジションセンサ32とを含む。SCR温度センサ28は、SCR温度(SCR触媒12の床温)に応じた信号を出力する。加熱器流入ガス温度センサ30は、加熱器24に流入する排気ガスの温度に応じた信号を出力する。アクセルポジションセンサ32は、内燃機関1を搭載する車両のアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)に応じた信号を出力する。
制御装置26はプロセッサとメモリとを有する。メモリには、還元剤供給装置14及び加熱器24の制御に必要なプログラム及びマップが記憶されている。また、制御装置26には、上記の各種センサから様々な情報が入力される。プロセッサは、これらの情報を利用しつつ、プログラムをメモリから読み出して実行することにより、各アクチュエータ(尿素水添加弁16、尿素水ポンプ22及び加熱器24)の操作量を決定する。
2.加熱器の制御
2−1.前提とする触媒床温制御
制御装置26は、SCR触媒12の床温を適切に管理するために、次のような触媒床温制御を実行する。すなわち、この触媒床温制御によれば、SCR触媒12の目標床温が実床温よりも高い場合に、加熱器24に供給される電力(つまり、SCR触媒12に供給される熱量)が増加するように加熱器24が制御される。
2−2.触媒床温制御に関する課題
図2は、図1に示すSCR触媒12に関する処理NOx量とSCR温度(床温)とNOx浄化率との関係の一例を表したグラフである。図2に示す例では、SCR触媒12の活性は、180〜200℃程度の床温の下で開始される。ここでいう処理NOx量とは、SCR触媒12による還元処理を必要とするNOx量、すなわち、内燃機関1(の筒内)からのNOx排出量のことである。このNOx排出量は、例えばエンジン負荷が高いほど多くなる。図2中の処理NOx量の範囲Rは、所定の低負荷域に対応する低NOx排出条件の下で必要とされる処理NOx量の範囲を示している。
図2に示す例では、床温が230℃以上であれば、上記の範囲R内の処理NOx量に対処可能である。また、図2より、床温が250℃以上であると、範囲Rよりも処理NOx量が多くなる高NOx排出条件(すなわち、範囲Rに対応する低負荷域よりも高負荷域の使用時)のほとんどにおいて必要とされる処理NOx量のNOxを処理可能となることが分かる。
エンジン負荷は、内燃機関1の運転中に加減速等によって変動し、その結果として、筒内からのNOx排出量も変動する。そこで、このようなNOx排出量の変動に耐え得るようにするために、活性開始温度よりも高い所定温度(例えば、250℃)を保持するように加熱器24を用いてSCR温度(床温)を制御することが考えられる。その一方、範囲Rを参照して説明した低NOx排出条件では、上記の所定温度よりも低い床温(230℃)の下であっても、NOxを適切に還元処理することが可能である。したがって、NOx排出量の変動に耐え得るようにするために(将来の加速等による高NOx排出条件(高負荷時)に備えるために)、低NOx排出条件(低負荷時)の下で床温を高く維持することとすると、加熱器24による加熱に要するエネルギーのロスが大きくなることが懸念される。
より詳細には、加熱器24として電気ヒータを利用する本実施形態では、加熱器24の作動のための電力のロスが大きくなる。そして、本実施形態では、加熱器24の作動のための電力は、内燃機関1の動力を利用して発電される。その結果、電力のロスは、燃費の悪化に繋がる。付け加えると、低負荷域では、排気温度が低いため、床温を上記の所定温度で維持することに伴うエネルギーロスが大きくなり易い。
2−3.本実施形態の加熱器の制御の特徴部の概要
図3は、エンジン負荷の変更指令に対するNO排出量の変化の遅れを説明するためのグラフである。図3中の時点t1は、車両のドライバによるアクセルペダルの踏み込み(加速のためのエンジン負荷の変更指令)が出された時点に相当する。時点t2は、このエンジン負荷の変更指令に起因するNOx排出量(筒内からのNOx排出量)の変化が生じた時点に相当する。ここで、内燃機関1では、ドライバによるエンジン負荷の変更指令が出されると、エンジン燃焼状態が変化し、その結果として、排気の状態(NOx排出量)が変化する。このため、エンジン負荷の変更指令に対するNOx排出量の変化には、図3に示すように遅れが生じる。この遅れは、各種のエンジン運転条件によるが、数秒程度となる。
一方、加熱器24によるSCR温度(床温)の上昇(より詳細には、低NOx排出条件でのNOx還元処理が可能な温度(図2に示す例では230℃)から上記所定温度(250℃)への上昇)は、数秒程度で行うことができる。より詳細には、この床温の上昇に要する時間は、厳密にはエンジン出力、SCR触媒12の熱容量及び排気ガス流量等の各種条件によるが、上述のNOx排出量の変化の遅れ時間と同等である。
本実施形態では、上記2−2.において説明した課題に鑑み、制御装置26は、触媒床温制御の実行中に、内燃機関1からのNOx排出増加量の予測値が大きい場合には、この予測値が小さい場合と比べて高くなるように目標床温を変更するように構成されている。より詳細には、以下に説明する一例では、制御装置26は、上記の予測値が所定の閾値以上となる場合には、この予測値が閾値未満である場合と比べて高くなるように目標床温を変更する。
2−4.制御装置の処理
図4は、本発明の実施の形態に係る加熱器24の制御に関する処理のルーチンを示すフローチャートである。制御装置26は、本ルーチンの処理をエンジン運転中に繰り返し実行する。
図4に示すルーチンでは、制御装置26は、まず、ステップS100において、内燃機関1からのNOx排出増加量の予測値が所定の閾値以上であるか否かを判定する。このNOx排出増加量の予測値は、NOx排出量の増加を予測可能な信号に基づいて設定できる。ここでは、そのような信号の一例として、アクセルポジションセンサ32に基づくアクセル開度が利用される。そして、上記の予測値は、一例として、加速のためのアクセルペダルの踏み込み時のアクセル開度の変化量が大きいほど大きくなるように設定される。なお、予測値の設定のために、アクセル開度に代え、例えば、燃料噴射量の指令値(アクセル開度に応じた値)が使用されてもよい。また、予測値の設定のために、アクセル開度又は燃料噴射量の指令値とともに、例えば、EGR弁開度及び燃料噴射時期の少なくとも一方が用いられてもよい。
ステップS100の判定結果が否定的である場合(予測値<閾値)、つまり、ある量以上でのNOx排出量の増加が予測されない状況にあると判断できる場合には、処理はステップS102に進む。ステップS102では、制御装置26は、SCR温度(実床温)が第1目標床温以上であるか否かを判定する。実床温は、例えばSCR温度センサ28を用いて取得できる。第1目標床温は、通常時の目標温度に相当する。
ステップS102の判定結果が否定的である場合(SCR温度<第1目標温度)には、処理はステップS104に進む。ステップS104では、SCR温度が第1目標温度になるように、加熱器24を作動させる。この加熱器24の作動の結果としてステップS102の判定結果が肯定的となった場合(SCR温度≧第1目標温度)には、処理はステップS110に進む。
一方、ステップS100の判定結果が肯定的である場合(予測値≧閾値)、つまり、ある量以上でのNOx排出量の増加が予測される状況にあると判断できる場合には、処理はステップS106に進む。ステップS106では、制御装置26は、SCR温度(実床温)が第2目標床温以上であるか否かを判定する。第2目標床温は、排気(NOx)浄化要求が高いために床温をより高める高床温要求時(加速時等)に用いられる目標床温である。したがって、第2目標温度は、第1目標床温よりも高い。
ステップS106の判定結果が否定的である場合(SCR温度<第2目標温度)には、処理はステップS108に進む。ステップS108では、SCR温度が第2目標温度になるように、加熱器24を作動させる。この加熱器24の作動の結果としてステップS106の判定結果が肯定的となった場合(SCR温度≧第2目標温度)には、処理はステップS110に進む。このようなステップS106及びS108の処理によれば、予測値が閾値以上である場合に、予測値が閾値未満である場合と比べて高くなるように目標床温が変更される。そして、変更後の目標床温(第2目標床温)が得られるように、加熱器24の出力(加熱器24に供給される電力)が高められることになる。
ステップS110では、例えば加熱器流入ガス温度センサ30を用いて取得可能な加熱器流入ガス温度が、所定の目標温度よりも低いか否かを判定する。この目標温度は、加熱器流入ガス温度が、加熱器24の作動を停止すると現在の目標床温を維持できない温度域内にあるか否かを判断するための値である。
ステップS110の判定結果が肯定的である場合(加熱器流入ガス温度<目標温度)、つまり、加熱器24の作動を停止すると現在の目標床温を維持できないと判断できる場合には、処理はステップS112に進む。ステップS112では、制御装置26は、床温の維持のために加熱器24の作動を実行(継続)する。
一方、ステップS110の判定結果が否定的である場合(加熱器流入ガス温度≧目標温度)、つまり、加熱器24の作動を停止しても現在の目標床温を維持可能と判断できる場合には、処理はステップS114に進む。ステップS114では、制御装置26は、加熱器24の作動を停止する。
3.作用効果
図5は、図4に示すルーチンの処理に従う加熱器24の制御の動作例を説明するためのタイムチャートである。図5中のSCR温度に関し、細線は目標床温に対応し、太線は実床温に対応している。図5中の時点t3は、通常時の目標床温(第1目標床温)となるように加熱器24を用いて触媒床温制御を行っている場合にアクセルペダルの踏み込み(エンジン負荷の変更指令)が出された時点に相当する。
時点t3の後の時点t4は、NOx排出増加量の予測値が上述の閾値以上となった時点(ドライバ指令変化トリガーON)に相当する。上述した図4に示すルーチンの処理によれば、この時点t4において、ある量以上でのNOx排出量の増加が予測される状況にある(エンジン負荷が上がる予兆がある)と判断され、目標床温が第1目標床温からこれよりも高い第2目標床温に変更される。その結果、実床温が第2目標床温となるように加熱器24の出力が高められる。なお、時点t5は、その後に予測値が閾値以上となる状態が解消された時点に相当する。
図5中のNOx排出量の波形は、SCR触媒12の下流におけるNOx排出量に関する。そして、破線の波形は第2目標床温への目標床温の変更(増大)が行われない場合(比較例)に対応しており、実線の波形は第2目標床温への目標床温の変更(増大)が行われた場合(本実施形態)に対応している。本実施形態の加熱器24の制御によれば、NOx排出量の増加が予測された場合には、筒内からのNOx排出量が実際に増加するのに先立ち、第2目標床温に向けての床温の上昇が開始される。これにより、図5中のNOx排出量の波形を比較すると分かるように、その後に筒内からのNOx排出量(すなわち、必要とされる処理NOx量)が実際に増加しても、NOx還元能力が良好に高められたSCR触媒12によってNOxの還元処理を適切に行えるようになる。そして、このような制御によれば、NOx排出量の増加が予測されない場合には加熱器24の出力を必要最小限に抑えられる。
以上のように、本実施形態の排気浄化システム10によれば、加熱器24による加熱に要するエネルギー(熱量)のロスを抑制しつつ、筒内からのNOx排出量の変動に起因する高床温要求に速やかに対処できるようになる。その結果、エネルギーロスを抑制しつつ、高いNOx浄化性能を確保できるようになる。そして、内燃機関1の動力を利用して発電された電力で作動する電気ヒータを加熱器24として用いる本実施形態では、高いNOx浄化性能と燃費悪化抑制との両立(排気エミッション低減と燃費低減とのトレードオフの改善)を図ることができる。付け加えると、リーン燃焼においてエンジン負荷により大きく変動するNOx排出量に適した触媒床温制御を実施できる。
4.目標床温の変更の仕方の他の例
上述した実施の形態においては、内燃機関1からのNOx排出増加量の予測値が所定の閾値以上となる場合には、この予測値が閾値未満である場合に用いられる第1目標床温と比べて高い第2目標床温に変更される。すなわち、目標床温が2段階で変更される。しかしながら、このような例に代え、3つ以上の目標温度を利用し、上記の予測値が大きいほど、目標床温が高められてもよい。
5.加熱器の他の例
上述した実施の形態においては、電気ヒータを利用する加熱器24を例示した。しかしながら、本発明に係る「加熱器」は、電気ヒータに代え、例えば、バーナー又はマイクロ波を利用するものであってもよい。また、電気ヒータを利用する場合、加熱器は、必ずしも、加熱器24のように選択還元型NOx触媒の上流に配置されなくてもよく、例えば、選択還元型NOx触媒の内部に配置されてもよい。換言すると、SCR触媒がコートされた電気ヒータがEHCとして用いられてもよい。そして、このように選択還元型NOx触媒と一体的に構成された加熱器の例によれば、選択還元型NOx触媒の上流に加熱器を備える例と比べて高い応答性で、床温を上昇させられるようになる。
1 内燃機関
2 排気通路
10 排気浄化システム
12 選択還元型NOx触媒(SCR触媒)
14 還元剤供給装置
16 尿素水添加弁
18 尿素水タンク
20 尿素水流路
22 尿素水ポンプ
24 加熱器
26 制御装置
28 SCR温度センサ
30 加熱器流入ガス温度センサ
32 アクセルポジションセンサ

Claims (1)

  1. 内燃機関の排気通路に配置された選択還元型NOx触媒と、
    前記選択還元型NOx触媒を加熱するための加熱器と、
    前記加熱器を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記選択還元型NOx触媒の目標床温が実床温よりも高い場合に、前記選択還元型NOx触媒に供給される熱量が増加するように前記加熱器を制御する触媒床温制御を実行し、
    前記制御装置は、前記触媒床温制御の実行中に、前記内燃機関からのNOx排出増加量の予測値が大きい場合には、前記予測値が小さい場合と比べて高くなるように前記目標床温を変更する
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
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