JP2020139050A - 放射線硬化型インクジェットインク組成物、インクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents

放射線硬化型インクジェットインク組成物、インクジェット記録方法及び記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】得られる画像の白色度に優れた放射線硬化型インクジェットインク組成物を提供する。【解決手段】白色顔料と、窒素含有ビニルモノマーと、を含み、前記窒素含有ビニルモノマーの含有量が、インク組成物の全量に対して40.0質量%以上である、放射線硬化型インクジェットインク組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、放射線硬化型インクジェットインク組成物、インクジェット記録方法及び記録物に関する。
インクジェット記録方法は、微細なノズルからインクの小滴を吐出して、記録媒体に付着させて記録を行う方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度かつ高品位な画像を、高速で記録できるという特徴を有する。
インクジェット記録方法は、記録装置の構成、記録装置の制御方法、記録に用いるインクなど、より品質の高い記録を行うために幅広く検討が為されている。また、インクについても用途に応じた開発が盛んで、例えば、包装用途、サイン用途などに向けた放射線硬化型のインクの開発も行われている。例えば、特許文献1には、特定組成の活性エネルギー線硬化型インキ組成物が開示され、1Pass硬化型のインクジェット記録において、高周波数、高射出速度で印字した場合の射出特性が優れ、連続吐出性にも優れる等の記載がある。
特開2014−214230号公報
インクジェット記録においては、硬化型のインクによって白色の画像を記録することも求められている。放射線硬化型インクジェットインク組成物は通常酸化チタン等の白色顔料を含有させることにより調製される。しかし、例えば特許文献1に記載のインキ組成物のモノマー組成に対して白色の顔料を用いて硬化型の白色インクとしても、得られる画像の白色度が不十分となる場合があった。
本発明に係る放射線硬化型インクジェットインク組成物の一態様は、
白色顔料と、
窒素含有ビニルモノマーと、
を含み、
前記窒素含有ビニルモノマーの含有量が、インク組成物の全量に対して40.0質量%以上である。
上記放射線硬化型インクジェットインク組成物の態様において、
下記一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマーをさらに含んでもよい。
CH=CR−COOR−O−CH=CH−R ・・・(I)
(式(I)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数2以上20以下の2価の有機残基であり、Rは水素原子又は炭素数1以上11以下の1価の有機残基である。)
上記放射線硬化型インクジェットインク組成物のいずれかの態様において、
蛍光増白剤をさらに含んでもよい。
上記放射線硬化型インクジェットインク組成物のいずれかの態様において、
窒素含有(メタ)アクリレートモノマーをさらに含んでもよい。
上記放射線硬化型インクジェットインク組成物のいずれかの態様において、
前記窒素含有ビニルモノマーの含有量が、インク組成物の全量に対して50.0質量%以下であってもよい。
上記放射線硬化型インクジェットインク組成物のいずれかの態様において、
前記窒素含有ビニルモノマーが、単官能モノマーであってもよい。
本発明に係るインクジェット記録方法の一態様は、
インクジェット法により、上記いずれかに記載の放射線硬化型インクジェットインク組成物の液滴を記録媒体に付着させる付着工程と、
前記放射線硬化型インクジェットインク組成物に対して放射線を照射する照射工程と、
を含み、
前記液滴の質量が、16.0ng以下である。
上記インクジェット記録方法の態様において、
前記記録媒体に対する前記液滴の付着量が、7.8mg/inch以上であってもよい。
上記インクジェット記録方法のいずれかの態様において、
前記照射工程における前記放射線の照射強度が、2.0W/cm以上3.0W/cm以下であり、照射エネルギーが、80mJ/cm以上120mJ/cm以下であってもよい。
上記インクジェット記録方法のいずれかの態様において、
前記付着工程は、
複数回の主走査で1つのラスタライン上に前記放射線硬化型インクジェットインク組成物を付着させ、
前記付着工程及び前記照射工程は、1回の前記主走査において行われてもよい。
本発明に係る記録物の一態様は、
記録媒体と、
前記記録媒体上に形成された硬化物層と、
を有し、
前記硬化物層は、白色顔料と、窒素含有ビニルモノマーに由来する化学構造と、を含み、
前記硬化物層の表面の算術平均高さ(Sa)が、2.0μm以上である。
上記記録物の態様において、
明度(L)が、80.0以上であってもよい。
実施形態に係る記録方法に使用可能なインクジェット記録装置の斜視図。 図1に示した紫外線照射装置の正面図。 図2のA−A矢視図。
以下に本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.放射線硬化型インクジェットインク組成物
本実施形態に係る放射線硬化型インクジェットインク組成物は、白色顔料と、窒素含有ビニルモノマーと、を含む。
1.1.白色顔料
放射線硬化型インクジェットインク組成物に含有される白色顔料は、例えば、金属酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の金属化合物が挙げられる。金属酸化物としては、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等が挙げられる。また、白色顔料には、中空構造を有する粒子を用いてもよく、中空構造を有する粒子としては、公知のものを用いることができる。
白色顔料としては、上記例示した中でも、白色度及び耐擦性が良好であるという観点から、二酸化チタンを用いることが好ましい。白色顔料は、1種単独でも、2種以上を併用してもよい。
白色顔料の体積基準の平均粒子径(D50)(「体積平均粒子径」ともいう。)は、後述する無機微粒子の体積平均粒子径よりも大きくなるように設定される。白色顔料の体積平均粒子径は、好ましくは30.0nm以上600.0nm以下であり、より好ましくは100.0nm以上500.0nm以下、さらに好ましくは150.0nm以上400.0nm以下である。白色顔料の体積平均粒子径が上記範囲であれば、粒子が沈降しにくく、分散安定性を良好にすることができ、また、インクジェット記録装置に適用した際にノズルの目詰まり等を生じにくくすることができる。
白色顔料の体積平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)が挙げられる。
なお、本明細書において、「白色」という語句は、完全な白のみを指すものではなく、白と視認できる範囲であれば、有彩色や無彩色に着色した色や光沢を帯びた色も含む。より定量的には「白色」は、例えばCIELABにおいて、Lが100.0である色のみならず、Lが70.0以上100.0以下であるものでもよく、Lが70.0以上100.0以下であり|a|及び|b|がそれぞれ10.0以下の色も含まれる。
放射線硬化型インクジェットインク組成物における白色顔料の含有量(固形分)は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の全質量に対して、1.0質量%以上35.0質量%以下、好ましくは5.0質量%以上30.0質量%以下であり、より好ましくは10.0質量%以上25.0質量%以下、さらに好ましくは15.0質量%以上20.0質量%以下である。白色顔料の含有量が上記範囲内であれば、インクジェット記録装置のノズル詰まり等が発生しにくく、白色度等の色濃度を十分に満足できる。
1.2.窒素含有ビニルモノマー
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、窒素含有ビニルモノマーをインク組成物の全量に対して40.0質量%以上含有する。窒素含有ビニルモノマーは、重合速度が大きく、放射線硬化型インクジェットインク組成物に放射線が照射された場合に、硬化物をそのときの放射線硬化型インクジェットインク組成物が有した形状で硬化して形状を固定させやすい。例えば、放射線硬化型インクジェットインク組成物が記録媒体に付着した場合には、濡れ拡がりを生じるが、窒素含有ビニルモノマーを40.0質量%以上含んでいることで、濡れ拡がりの途中で放射線が照射されることにより、濡れ拡がりの途中の形状を固定しやすい。
窒素含有ビニルモノマーは、酸素によるラジカル消失の影響を受けにくいので、他種のモノマーよりも、液滴(塗膜)を表面硬化性に優れたものとすることができる。窒素含有ビニルモノマーの含有量が40質量%未満であると表面硬化性が不十分となり、例えば、先に付着したインクに放射線を照射した後、その上にインクが付着する場合(以下これを「インク−オン−インク」ということがある。)、下地の塗膜とその上のインクとが干渉してインクが濡れ拡がりやすくなる。しかし、窒素含有ビニルモノマーの含有量が40質量%以上であれば、例えばインク−オン−インクの場合に下地とインクとの干渉が抑制されるので、最終的な硬化物の表面の凹凸を大きくすることができる。これにより硬化物(画像)がマット調となり、光の散乱を生じやすくなり、例えばL値を高めて白色度を向上させることができる。
窒素含有ビニルモノマーとしては、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン(NVP)及びN−ビニルカプロラクタム(n−VC)等のN−ビニル化合物が挙げられる。窒素含有ビニルモノマー、特にn−VCは、硬化性が非常に良好なため、耐擦性も良好としやすい。また、表面の粗い記録物は一般に耐擦性が劣りやすいが、窒素含有ビニルモノマーを用いることで、白色度(表面粗さ)/耐擦性を両立させやすい。
また、窒素含有ビニルモノマーを選択する際には、ビニル基を1つ有する単官能モノマーを使用すると、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化物の耐擦性、記録媒体との密着性が向上する場合がある。
窒素含有ビニルモノマーの含有量は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の全量に対して、42.0質量%以上とすることがより好ましく、45.0質量%以上とすることがさらに好ましく、47.0質量%以上とすることがことさら好ましい。窒素含有ビニルモノマーの含有量をこの程度とすることにより、インク滴の形状を迅速に固定できる。
また、窒素含有ビニルモノマーの含有量の上限は、特に限定されないが、70.0質量%以下、好ましくは60.0質量%以下、より好ましくは50.0質量%以下である。窒素含有ビニルモノマーの含有量をこの程度とすることにより、硬化物の耐擦性をより良好にすることができる。また、硬化物の黄変などの着色を抑制することができる。
1.3.その他のモノマー
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、上記の白色顔料、窒素含有ビニルモノマーの他に、以下のようなモノマーを含有することができる。
1.3.1.ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマー
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、下記一般式(I)で表されるモノマー(ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート)を含有してもよい。
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、下記一般式1で表される化合物を例示できる。
CH=CR−COOR−O−CH=CH−R ・・・(I)
(式(I)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数2以上20以下の2価の有機残基であり、Rは水素原子又は炭素数1以上11以下の1価の有機残基である。)
以下、一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリレートを、単に「式(I)の化合物」と記載することがある。
本実施形態に係る放射線硬化型インクジェットインク組成物が式(I)の化合物を含有することにより、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性をより優れたものとすることができる。また、式(I)の化合物を含有することにより、組成物の粘度を低く抑えやすい。さらに、ビニルエーテル基を有する化合物及び(メタ)アクリル基を有する化合物を別々に使用するよりも、ビニルエーテル基及び(メタ)アクリル基を一分子中に共に有する式(I)の化合物(単官能モノマー)を使用する方が、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性を良好にする上でより好ましい。さらに、式(I)の化合物を含有することにより、硬化物の耐擦性及び延伸性を向上できる。すなわち、表面が粗いことによる耐擦性の低下分を、延伸性(柔軟性)が付与されることにより補うことができ。
上記一般式(I)において、Rで表される炭素数2以上20以下の2価の有機残基としては、炭素数2以上20以下の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキレン基、構造中にエーテル結合及び/又はエステル結合による酸素原子を有する置換されていてもよい炭素数2以上20以下のアルキレン基、炭素数6以上11以下の置換されていてもよい2価の芳香族基が好適である。これらの中でも、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、及びブチレン基などの炭素数2以上6以下のアルキレン基、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシイソプロピレン基、及びオキシブチレン基などの構造中にエーテル結合による酸素原子を有する炭素数2以上9以下のアルキレン基が好適に用いられる。さらに、放射線硬化型インクジェットインク組成物を、より低粘度化でき、かつ、硬化性をさらに良好にする観点から、Rが、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシイソプロピレン基、及びオキシブチレン基などの構造中にエーテル結合による酸素原子を有する炭素数2以上9以下のアルキレン基となっている、グリコールエーテル鎖を有する化合物がより好ましい。
上記一般式(I)において、Rで表される炭素数1以上11以下の1価の有機残基としては、炭素数1以上10以下の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキル基、炭素数6以上11以下の置換されていてもよい芳香族基が好適である。これらの中でも、メチル基又はエチル基である炭素数1以上2以下のアルキル基、フェニル基及びベンジル基などの炭素数6以上8以下の芳香族基が好適に用いられる。
式(I)の化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸m−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸o−ビニロキシメチルフェニルメチル、メタアクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA)、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、及び(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテルが挙げられる。これらの具体例のうち、組成物の硬化性、粘度のバランスがとりやすい点で、VEEA:アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルが特に好ましい。
式(I)の化合物を用いる場合の含有量は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の総質量(100質量%)に対して、好ましくは1.0質量%以上20.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以上15.0質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以上10.0質量%以下、特に好ましくは3.0質量%以上10.0質量%以下である。式(I)の化合物の含有量が1.0質量%以上であると、組成物を低粘度化でき、かつ、組成物の硬化性を一層優れたものとすることができる。一方で、含有量が20.0質量%以下であると、組成物の保存安定性を優れた状態に維持することができ、また耐擦性と延伸性とを良好なものとすることができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートのいずれか又は両方を意味し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルのいずれか又は両方を意味する。また、「オリゴマー」とは、モノマーの重合により得られる2量体以上であって重量平均分子量1万以下の低重合体をいう。なお、本明細書における重量平均分子量は、質量分析法により測定して得られる値を採用する。
1.3.2.窒素含有(メタ)アクリレートモノマー
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、窒素含有(メタ)アクリレートモノマーを含有してもよい。
窒素含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、(メタ)アクリロイルオキシ基又は(メタ)アクリロイル基を一個有し、窒素原子の個数、並びに、前記(メタ)アクリロイルオキシ基及び前記(メタ)アクリロイル基に含まれる酸素原子以外の酸素原子の個数の合計が2以上である化合物が好ましく、環状、直鎖状又は分岐鎖状の構造を有してもよい。また、窒素含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、(メタ)アクリロイルオキシ基又は(メタ)アクリロイル基を一個有する単官能の化合物であることが好ましい。
そのようなモノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが好ましく、(メタ)アクリロイル基が窒素原子に直接結合した化合物であることがより好ましい。また、窒素原子及び酸素原子のうち少なくともいずれか1つは環を構成する原子として含有することが好ましい。また、環状骨格を有する化合物であることが好ましい。係る環状骨格は、複素環構造を有することがさらに好ましい。このような化合物であると、放射線硬化型インクジェットインク組成物の臭気をより好適に低減することができる。また、そのようなモノマーを含有することによって、放射線硬化型インクジェットインク組成物の他のモノマーの気化が抑制される場合があり、放射線硬化型インクジェットインク組成物の臭気を低減することができる場合がある。また、硬化物の耐擦性を良好とする観点でも好ましい。
(メタ)アクリロイルオキシ基又は(メタ)アクリロイル基を一個有し、窒素原子の個数、並びに、前記(メタ)アクリロイルオキシ基及び前記(メタ)アクリロイル基に含まれる酸素原子以外の酸素原子の個数の合計が2以上である、環状、直鎖状又は分岐鎖状の構造を有するモノマーの具体例としては、N−アクリロイルモルフォリン(ACMO)、N−メタクリロイルモルフォリン、1−アクリロイルピロリジン−2−オン、1−メタクリロイルピロリジン−2−オン、1−アクリロイルピペリジン−2−オン、1−メタクリロイルピペリジン−2−オン、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)、ヒドロキシエチルメタアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA)、ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミド及びそれらの誘導体が挙げられる。
なお、「窒素原子及び酸素原子の合計数が2以上である」とは窒素原子を2つ以上有する場合、酸素原子を2つ以上有する場合、及び窒素原子と酸素原子を合計で2つ以上有する場合を包含するものである。
また、上記例示したうち、アクリルアミド類がより好ましく、環状骨格を有する化合物であることがより好ましい。このような化合物とすることにより、より好適に臭気を低減することができる傾向がある。また、環状骨格を有する場合に粘度上昇をより好適に抑制できる傾向がある。係る観点からは、N−アクリロイルモルフォリン(ACMO)、ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA)が好ましく、N−アクリロイルモルフォリン(ACMO)が特に好ましい。
窒素含有(メタ)アクリレートモノマーを用いる場合の含有量は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の総質量(100質量%)に対して、好ましくは1.0質量%以上30.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以上25.0質量%以下、さらに好ましくは5.0質量%以上20.0質量%以下、特に好ましくは5.0質量%以上15.0質量%以下である。窒素含有(メタ)アクリレートモノマーの含有量が1.0質量%以上であると、硬化物の耐擦性を一層優れたものとすることができる。
1.3.3.その他のモノマー
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、重合開始剤により重合する性質を有するモノマーをさらに含んでもよい。そのようなモノマーとしては、単官能、2官能以上の種々のモノマー及びオリゴマーが使用可能である。モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタン等が挙げられる。
また、オリゴマーとしては、例えば、直鎖(メタ)アクリルオリゴマー等の上記のモノマーから形成されるオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ラクトン変性可とう性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
2官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO(エチレンオキサイド)変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートとアミン化合物とを反応させて得られるアクリル化アミン化合物、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及び1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートとアミン化合物とを反応させて得られるアクリル化アミン化合物等が挙げられる。
3官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
4官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
5官能の(メタ)アクリレート化合物としては、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、並びにこれらのエチレンオキサイド(EO)付加物及びプロピレンオキサイド(PO)付加物等が挙げられる。
6官能の(メタ)アクリレート化合物としては、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、並びにこれらのEO付加物及びPO付加物等が挙げられる。
7官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカ(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールドデカ(メタ)アクリレート、並びにこれらのEO付加物及びPO付加物等が挙げられる。
グリコール系ジ(メタ)アクリレートに属する化合物の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジペンチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリペンチレングリコールジ(メタ)アクリレート、シクロペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
また、上記のモノマーのうち(メタ)アクリレート類は、飽和脂環骨格及び不飽和脂環骨格から選択される1種以上の骨格を有してもよい。そのような骨格を有することにより、硬化物のガラス転移温度を調節することができる。飽和脂環骨格を有する(メタ)アクリレートとして、例えば、イソボルニルアクリレート(IBXA)、イソボルニルメタアクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、不飽和脂環骨格を有する(メタ)アクリレートとして、例えば、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
さらに、上記のモノマーのうち(メタ)アクリレート類は、芳香環骨格を有してもよい。芳香環骨格を有する(メタ)アクリレート化合物として、例えば、フェノキシエチルアクリレート(PEA)、フェノキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及び、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、アルコキシ化フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記その他のモノマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記その他のモノマーの合計の含有量の下限は、インクの総質量(100質量%)に対し、限られるものではないが、30.0質量%以上、好ましくは50.0質量%以上である。また、上記その他のモノマーの合計の含有量の上限は、インクの総質量(100質量%)に対し、限られるものではないが、95.0質量%以下、好ましくは90.0質量%以下、より好ましくは85.0質量%以下、さらに好ましくは80.0質量%以下である。
1.4.重合開始剤
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物に含まれる重合開始剤は、紫外線、可視光線等の放射線の照射による重合によって、インクを硬化させて印字を形成するために用いられる。放射線として紫外線(UV)を用いることにより、安全性に優れ、且つ光源ランプのコストを抑えることができる。紫外線等の放射線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、上記モノマーの重合を開始させるものであれば、制限はないが、ラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤を使用することができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
上記のラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
これらの中でも、特に放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性を良好にすることができるため、アシルフォスフィンオキサイド系化合物及びチオキサントン化合物のうち少なくともいずれかが好ましく、アシルフォスフィンオキサイド系化合物及びチオキサントン化合物がより好ましい。
ラジカル重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、及びビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドが挙げられる。
これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、及び2,4−ジエチルチオキサントンが好適に用いられ、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを併用することが好ましい。
ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE 651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、IRGACURE 184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、DAROCUR 1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)、IRGACURE 2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)、IRGACURE 127(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン}、IRGACURE 907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、IRGACURE 369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)、IRGACURE 379(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、DAROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 784(ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)、IRGACURE OXE 01(1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、IRGACURE 754(オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物)(以上、BASF社製商品名)、KAYACURE DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co.,Ltd.)製商品名)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製商品名)、及びユベクリルP36(UCB社製商品名)などが挙げられる。
上記重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の硬化性を良好にし、かつ、重合開始剤の溶け残りや重合開始剤に由来する着色を避けるため、その含有量は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の総質量(100質量%)に対し、好ましくは1.0質量%以上20.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以上10.0質量%以下、さらに好ましくは3.0質量%以上7.0質量%以下であることが好ましい。
1.5.蛍光増白剤
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、蛍光増白剤を含んでもよい。蛍光増白剤は、紫外〜短波可視である300〜450nm付近の波長を有する光を吸収可能であり、且つ400〜500nm付近の波長を有する蛍光を発光可能な無色ないし弱く着色した化合物である。蛍光増白剤は、蛍光性白化剤(Fluorescent Whitening Agent)としても知られている。蛍光増白剤の物理的原理及び化学性の記述は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Sixth Edition,Electronic Release,Wiley-VCH 1998に示されている。
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物が蛍光増白剤を含むことにより、上述した窒素含有ビニルモノマーに起因する硬化物の黄変を抑制することができる。また、蛍光増白剤を含むことにより硬化性を一層優れたものとできる他、硬化物の白色度を向上できる場合がある。なお、硬化物の黄変は、例えば、汎用の測色器等により確認することができる。
蛍光増白剤としては、以下に限定されないが、例えば、1,4−ビス−(2−ベンゾオキサゾイル)ナフタレン等のナフタレンベンゾオキサゾイル誘導体、2,5−チオフェンジイルビス(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)等のチオフェンベンゾオキサゾイル誘導体、スチルベンベンゾオキサゾイル誘導体、クマリン誘導体、スチレンビフェニル誘導体、ピラゾロン誘導体、スチルベン誘導体、ベンゼン及びビフェニルのスチリル誘導体、ビス(ベンザゾールー2−イル)誘導体、カルボスチリル、ナフタルイミド、ジベンゾチオフェン−5,5’−ジオキシドの誘導体、ピレン誘導体、及びピリドトリアゾールが挙げられる。
蛍光増白剤の市販品として、例えば、ホスタルックスKCB(クラリアント(Clariant)社製商品名、1,4−ビス−(2−ベンゾオキサゾイル)ナフタレン)、TINOPAL OB(BASF社製商品名、2,5−チオフェンジイルビス(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール))等が挙げられる。
蛍光増白剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、蛍光増白剤は、インクの総質量(100質量%)に対し、0.1質量%以上1.0質量%以下が好ましい。当該含有量が上記範囲内であると、蛍光増白剤自身が及ぼし得る、硬化膜の色相への影響を軽減できる。
1.6.その他の物質
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は白色顔料を含むので、その分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。高分子分散剤の市販品として、第一工業製薬社(Dai−ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.)製のディスコールシリーズ、ルーブリゾール社(Lubrizol Corporation)製のソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYKChemie社製のディスパービックシリーズが挙げられる。
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、硬化物の耐擦性をより優れたものとするため、スリップ剤(界面活性剤)をさらに含んでもよい。スリップ剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤として、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを用いることができ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることが特に好ましい。具体例としては、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(ビックケミー・ジャパン社(BYK Japan KK)製)を挙げることができる。また、ポリアクリレート系界面活性剤としては、BYK350、BYK352、BYK354、BYK355、等が挙げられる。
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、重合禁止剤をさらに含んでもよい。放射線硬化型インクジェットインク組成物が重合禁止剤を含むことにより、放射線硬化型インクジェットインク組成物の保存安定性が向上する。重合禁止剤としては、特に限定されないが、例えば、フェノール化合物、ハイドロキノン化合物、及びキノン化合物からなる群より選択される一種以上が挙げられる。重合禁止剤の具体例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール(MEHQ)、クレゾール、t−ブチルカテコール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)が挙げられる。重合禁止剤の市販品としては、IRGASTAB UV10及びUV22(以上、BASF社製商品名)などを用いることができる。
本実施形態の放射線硬化型インクジェットインク組成物は、さらに他の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、例えば従来公知の、重合促進剤(増感色素等)、浸透促進剤、並びに、その他の添加剤があり得る。その他の添加剤として、例えば、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
2.インクジェット記録方法
本実施形態のインクジェット記録方法は、インクジェット法により、上述の放射線硬化型インクジェットインク組成物の液滴を記録媒体に付着させる付着工程と、前記放射線硬化型インクジェットインク組成物に対して放射線を照射する照射工程と、を含む。以下、まずシリアル型のインクジェット記録装置、記録媒体について説明し、その後各工程の内容について説明する。
2.1.インクジェット記録装置
本実施形態のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置としては、図1に示すものを挙げることができる。図1は、インクジェット記録装置の斜視図である。図2は、図1に示した紫外線照射装置90A(図2の190Aに相当)、90B(図2の190Bに相当)の正面図である。図3は、図2のA−A矢視図である。
図1に示したインクジェット記録装置20は、記録媒体Pを副走査方向SSに送るモーター30と、プラテン40と、放射線硬化型インクジェットインク組成物を微小粒径の液滴にしてヘッドノズルから噴射して記録媒体P上に吐出する記録ヘッド52と、該記録ヘッド52を搭載したキャリッジ50と、キャリッジ50を主走査方向MSに移動させるキャリッジモーター60と、記録ヘッド52から各インクの液滴を吐出して記録媒体P上に付着させた液滴に放射線を照射する一対の紫外線照射装置90A、90Bと、を備えている。
キャリッジ50は、キャリッジモーター60に駆動される牽引ベルト62によって牽引され、ガイドレール64に沿って移動する。
記録ヘッド52は、キャリッジ50に搭載されており、キャリッジ50の移動方向(以下、「主走査方向」ともいう。)MSへの動作に伴って、主走査方向MSに移動する。
また、記録ヘッド52は、放射線硬化型インクジェットインク組成物の各インクを吐出可能である。図1の例では、記録ヘッド52は、シリアル型ヘッドであり、各色に対応した多数のヘッドノズルが備えられている。かかる記録ヘッド52が搭載されるキャリッジ50には、記録ヘッド52の他に、記録ヘッド52に供給されるホワイトインクを収容したホワイトインク容器としてのホワイトカートリッジ54と、記録ヘッド52に供給されるカラーインクを収容したカラーインクとしてのカラーインクカートリッジ56とが搭載されている。各カートリッジ54、56に収容されているインクが、放射線硬化型インクジェットインク組成物である。
本実施形態の付着工程において、記録ヘッド52から吐出される液滴量は、1pl以上20pl以下であることが好ましい。液滴量が上記範囲内であることによって、吐出安定性が良好であり、高画質の画像を得ることができる。
キャリッジ50のホームポジション(図1の右側の位置)には、停止時に記録ヘッド52のノズル面52aを密閉するためのキャッピング装置80が設けられている。印刷ジョブが終了してキャリッジ50がこのキャッピング装置80の上まで到達すると、図示しない機構によってキャッピング装置80が自動的に上昇して、記録ヘッド52のノズル面52aを密閉する。このキャッピングにより、ノズル内のインクの乾燥や変質が防止される。キャリッジ50の位置決め制御は、例えば、このキャッピング装置80の位置にキャリッジ50を正確に位置決めするために行われる。
また、図示はしないが、キャリッジ50のホームポジション(図1の右側の位置)には、停止時に記録ヘッド52のノズル面52aを払拭するためのワイプユニットが設けられてもよい。ワイプユニットは、キャッピング装置80とは干渉しない位置に設けられ、記録ヘッド52のノズルが形成されたノズル面52aを、スキージ状のワイパーブレードにより擦ることにより、ノズル面52aに付着した液滴、ミスト、及び/又は、それらの硬化物を除去することができる。
このようなインクジェット記録装置20を使用することにより、記録媒体上に放射線硬化型インクの液滴を吐出して記録媒体に付着させ塗膜を形成することができる。また、インクジェット記録装置20によれば、付着工程と照射工程とを別個の装置で行うことなく、付着工程と照射工程とを一の装置で連続的に行うことが可能となる。
放射線としては、紫外線、可視光線等を用いることができるが、放射線硬化型インクを紫外線により硬化する放射線硬化型インクとし、紫外線を用いて硬化させるようにすると、環境光等によるインクの硬化を抑制でき、取り扱いが容易となるためより好ましい。放射線を照射可能な照射手段としては、例えば図1及び図2に示す紫外線照射装置が挙げられる。
図1ないし図3に示すように、紫外線照射装置190A、190Bは、キャリッジ50の移動方向に沿った両側端にそれぞれ取り付けられている。
図2に示すように、記録ヘッド52に向かって左側に取り付けられた紫外線照射装置190Aは、キャリッジ50が右方向(図2の矢印B方向)に移動する右走査時に、記録媒体P上に吐出された液滴に対して紫外線照射を行う。一方、記録ヘッド52に向かって右側に取り付けられた紫外線照射装置190Bは、キャリッジ50が左方向(図2の矢印C方向)に移動する左走査時に、記録媒体P上に吐出された液滴に対して紫外線照射を行う。
各紫外線照射装置190A、190Bは、キャリッジ50に取り付けられて、紫外線光源192をそれぞれ1個ずつ整列支持した筐体194と、紫外線光源192の発光及び消灯を制御する(図示しない)光源制御回路とを備えている。図2及び図3に示すように、紫外線照射装置190A、190Bには、紫外線光源192がそれぞれ1個ずつ設けられているが2個以上設けてもよい。紫外線光源192としては、LED(Light Emitting Diode)又はLD(Laser Diode)のいずれかを使用することが好ましい。これにより、放射線光源として水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、その他のランプ類を使用した場合と比較して、フィルター等の装備のために紫外線光源が大型化することを回避することができる。また、フィルターによる吸収で出射された放射線強度が低下することがなく、放射線硬化型インクを効率良く硬化させることができる。
また、各紫外線光源192は、出射される波長が同じものでもよいし、異なっていてもよい。紫外線光源192としてLED又はLDを使用する場合、出射される放射線の波長は350.0nm以上430.0nm以下程度の範囲とすればよい。
紫外線照射装置190A、190Bによれば、図2に示すように、記録ヘッド52からの吐出により記録媒体P上に付着させた液滴に対して、記録ヘッド52近傍の記録媒体P上を照射する紫外線光源192により放射線192aが照射され、少なくとも液滴の表面を硬化させて、記録媒体上に画像を形成することができる。
以下、本実施形態における付着工程及び照射工程を複数回繰り返すことによって、所望の領域に画像を形成する方法について、詳細に説明する。
まず、キャリッジ50を右方向(図2の矢印B方向)に移動させながら、記録媒体P上に1色又は複数色の放射線硬化型インク液滴を吐出して、紫外線照射装置190Aによって放射線を塗膜に照射する。次いで、記録媒体Pを副走査方向SSに移動させる副走査を行う。なお、本明細書中において、キャリッジ50を主走査方向MSの一方向に移動させながら液滴を吐出し、液滴に放射線を照射する1回の主走査のことを1パスという。
その後、キャリッジ50を左方向(図2の矢印C方向)に移動させながら上記付着工程に示す方法によって記録媒体P上に1色又は複数色の液滴を吐出して、紫外線照射装置190Bによって放射線を塗膜に照射する1回の主走査(1パス)をさらに行う。このとき、記録媒体上の塗膜は、紫外線照射装置190A及び紫外線照射装置190Bによって放射線が照射される。次に、記録媒体Pを副走査方向SSに移動させる副走査をさらに行う。
以上までの動作で、1回目のパスで形成された塗膜には、2回のパスによって放射線が照射され、1パス目に1回、2パス目に2回の合計3回の放射線の照射が行なわれる。また、2回目のパスで形成された塗膜には、1回のパスによって放射線が照射され、1回の放射線の照射が行なわれる。
このような動作をさらに繰り返し行うことによって、所定領域に塗膜(硬化物)の集合からなる画像を形成することができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置20は、さらに、記録媒体Pの移動方向である副走査方向SSの下流側に、別途、放射線照射手段(図示せず)を備えていてもよい。これにより、全てのパスを終え、記録媒体への画像の形成が完了した後に、記録媒体P上の塗膜を内部まで十分に硬化させることができる。
例えば、紫外線照射装置190A又は190Bによって照射される積算照射エネルギーが不十分であって、記録媒体P上の液滴の内部まで硬化されていない場合には、副走査方向SSの放射線照射手段により、液滴の内部まで確実に硬化させることができる。
副走査方向SSの放射線照射手段は、副走査方向SSに送られた記録媒体P上の液滴に放射線を照射できる位置に設けられていればよく、例えば、キャリッジ50上であって、かつ、記録ヘッド52の下流側(記録媒体Pの移動方向である副走査方向SS)に設置することができる。また、副走査方向SSの放射線照射手段としては、紫外線照射装置190A(190B)と同様の装置を用いることができる。
インクジェット記録装置20により吐出された放射線硬化型インクジェットインク組成物は、記録媒体Pに付着してすぐに、1回目の紫外線の照射を受けることができる。そして、上述した窒素含有ビニルモノマーの効果により、液滴の表面の硬化が生じる。これにより得られる塗膜の表面の凹凸を大きくすることができる。
2.2.記録媒体
本実施形態のインクジェット記録方法で用いる記録媒体は、フィルム状、ボード状の形状を有する。
液体非吸収性の記録媒体としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアセタール、及びそれらの2種以上のブレンド組成物等の高分子のフィルムやプレート、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース等のフィルムやプレート、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属の箔やプレート、又はそれら金属を蒸着したプレートやフィルム、ステンレスや真鋳等の合金の箔やプレート、ガラス板等が挙げられる。
液体低吸収性の記録媒体としては、表面に液体を受容するための塗工層(受容層)が設けられた記録媒体が挙げられ、例えば、上記のフィルムやプレートの表面に、親水性ポリマー等が塗工されたもの、シリカ、チタン等の粒子がバインダー(例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の親水性高分子)とともに塗工されたものが挙げられる。また、液体低吸収性の記録媒体としては、基材が紙であるものとして、アート紙、コート紙、マット紙等の印刷本紙が挙げられる。
液体非吸収性又は液体低吸収性の記録媒体とは、液体を全く吸収しない又はほとんど吸収しない性質を有する記録媒体を指す。定量的には、液体非吸収性又は液体低吸収性の記録媒体とは、「ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である記録媒体」を指す。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。これに対して、液体吸収性の記録媒体とは、液体非吸収性及び液体低吸収性に該当しない記録媒体のことを示す。なお、本明細書では、液体非吸収性、液体低吸収性及び液体吸収性を、単に非吸収性、低吸収性及び吸収性と称することがある。
記録媒体は、無色透明、半透明、着色透明、有彩色不透明、無彩色不透明等であってもよい。また記録媒体は、それ自体が着色されていたり、半透明や透明であってもよい。
本実施形態の記録媒体は、液体非吸収性又は液体低吸収性であることが好ましい。また、記録媒体は、可塑剤を含むことがより好ましい。そのような記録媒体としては、ポリ塩化ビニルのシート及びフィルムが挙げられる。可塑剤の種類や配合量は、シート又はフィルムがインクジェット法により画像を形成できる程度の硬度やコシを有する限り特に制限はなく、各種の公知の種類の可塑剤を適宜の量で配合することができる。
2.3.付着工程
また、本実施形態のインクジェット記録方法は、記録媒体に放射線硬化型インクジェットインク組成物の液滴を付着させる付着工程を含む。
付着工程は、上述のインクジェット記録装置により行うことができる。また、付着工程は、紫外線を照射した放射線硬化型インクジェットインク組成物に、放射線硬化型インクジェットインク組成物を付着させる工程としてもよい。上述のインクジェット記録装置を用い、副走査の送り量を小さくすれば、1回のパスで付着、硬化した塗膜に対して放射線硬化型インクジェットインク組成物を付着させることができる。この場合の副走査の送り量は、例えば、副走査方向に並ぶノズルの列の長さよりも短い長さである。これにより記録媒体の同一の領域に対して2回以上のパスでインクを付着させることができ、紫外線を照射した放射線硬化型インクジェットインク組成物に、放射線硬化型インクジェットインク組成物を付着させることができる。
付着工程における放射線硬化型インクジェットインク組成物の液滴の質量は、20.0ng以下、好ましくは18.0ng以下、より好ましくは16.0ng以下とすることが、硬化物の表面の粗さを増す観点と、画像の精細度の観点からより好ましい。すなわち、1液滴あたりの重量を小さくすることで、濡れ広がらないドットが多くなり平滑性が低くなり、白色度を向上できる。液滴の質量の下限は、例えば、10.0ng以上、好ましくは12.0ng以上、より好ましくは14.0ng以上である。
また、記録媒体に対する放射線硬化型インクジェットインク組成物の液滴の付着量は、6.8mg/inch以上、好ましくは7.8mg/inch以上、より好ましくは8.8mg/inch以上であることが硬化物の表面の粗さを増す観点と、画像の精細度の観点からより好ましい。液滴の付着量の上限は、例えば、12.8mg/inch以下、好ましくは11.8mg/inch以下、より好ましくは10.8mg/inch以下である。
2.4.照射工程
本実施形態のインクジェット記録方法は、記録媒体に付着した放射線硬化型インクジェットインク組成物に紫外線を照射する照射工程を有する。照射工程は、上述のインクジェット記録装置により行うことができる。
本実施形態のインクジェット記録方法の照射工程では、上述の放射線硬化型インクジェットインク組成物及び/又は淡インクに対して紫外線を照射する。かかる紫外線は、紫外線発光ダイオード(UV−LED)により発生される。
照射工程では、記録装置の1回の主走査あたり、放射線の照射強度が、1.5W/cm以上3.5W/cm以下、好ましくは2.0W/cm以上3.0W/cm以下、より好ましくは2.2W/cm以上2.8W/cm以下であり、照射エネルギーが、70mJ/cm以上140mJ/cm以下、好ましくは80mJ/cm以上120mJ/cm以下、より好ましくは90mJ/cm以上120mJ/cm以下である。このようにすれば、記録媒体上での放射線硬化型インクジェットインク組成物の表面形状の固定と、全体の硬化をより効率よく行うことができる。また、照射強度及び照射エネルギーが上限値以下であることによって、記録媒体や放射線硬化型インクジェットインク組成物の温度上昇が抑制され、粘度が過度に低下しにくくなり、濡れ拡がりが抑制される結果、白色度を向上することができる。また、照射強度及び照射エネルギーが下限値以上であることによって、モノマーの硬化性が良好となり、濡れ拡がりが抑制される結果、白色度が向上する。
また、上述の付着工程を、複数回の主走査で1つのラスタライン上に放射線硬化型インクジェットインク組成物を付着させるものとし、付着工程及び照射工程を、1回の主走査において行う、すなわち主走査毎に付着工程と照射工程とを行うようにしてもよい。このようにすれば、記録媒体上での放射線硬化型インクジェットインク組成物の表面形状の固定と、全体の硬化をより効率よく行うことができる。また、1つのラスタラインを形成するために、付着工程、照射工程を複数回繰り返すことになるので、表面の粗い構造が形成されやすくなる。なお、ここで、ラスタラインとは、主走査方向に画素が1列に並んでなる列(ドット列)を意味する。
3.記録物
本実施形態の記録物は、記録媒体と、記録媒体上に形成された硬化物層と、を有する。記録媒体は上述の通りであるので説明を省略する。
硬化物層は、上述の放射線硬化型インクジェットインク組成物に放射線を照射することにより形成される層であり、塗膜となり画像を形成する層である。したがって、硬化物層は、白色顔料と、上述の窒素含有ビニルモノマーに由来する化学構造と、を含む。
本実施形態の記録物は、硬化物層の表面の算術平均高さ(Sa)が、2.0μm以上である。既に述べたように、記録物の硬化物層の表面は、放射線硬化型インクジェットインク組成物に40.0質量%以上含まれる窒素含有ビニルモノマーの作用により凹凸形状が形成されている。表面の算術平均高さ(Sa)は、凹凸形状、面の粗さを表す指標の一つである。表面の算術平均高さ(Sa)は、表面の平均面に対して、各点の高さの差の絶対値の平均を表す。
硬化物層の表面の算術平均高さ(Sa)は、日立ハイテクサイエンス社製、操舵型白色干渉顕微鏡VS1000を用いて、総合倍率100倍にてデータを取得し、同装置付属の画像処理装置により求めることができる。なお、本実施形態の記録物の場合、Saの単位は通常(μm)が好適である。
硬化物層は、放射線硬化型インクジェットインク組成物により形成され、表面の凹凸を有するため、優れた白色を呈することができる。白さの指標の1つとして、CIE/L表色系における、L値(明度)を採用した場合、記録物の硬化物層の明度(L)は、例えば、80.0以上、好ましくは83.0以上、より好ましくは85.0以上である。
この場合の硬化物層の明度(L)は、黒色(L=13)の 不透明塩ビフィルムの上に、記録物の記録面を上にして重ねて、市販の測色機(X−Rite社製製品名「Gretag Macbeth Spectrolino」)を用いて測定することができる。
4.実施例及び比較例
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。以下「%」は、特に記載のない限り、質量基準である。
4.1.インクの調製
各例のインクは、表1に示す組成(単位:質量%)となるように混合し、これを高速水冷式撹拌機により撹拌することにより調製した。なお、顔料(PW6:C.I.ピグメントホワイト6)はあらかじめ分散剤としてSolsperse 36000(LUBRIZOL社製商品名)を顔料に対して50質量%添加した分散液を用いて配合した。
Figure 2020139050
表1中、各成分は以下の通りである。
PEA:フェノキシエチルアクリレート
VEEA:アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル
ACMO:商品名、KJケミカルズ株式会社製、アクリロイルモルフォリン
IBXA:イソボルニルアクリレート
n−VC:N−ビニルカプロラクタム
819:商品名「IRGACURE 819」BASF社製、重合開始剤
TPO:商品名「IRGACURE TPO」BASF社製、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド
MEHQ:ヒドロキノンモノメチルエーテル、重合禁止剤
KCB:ホスタルックスKCB(クラリアント(Clariant)社製商品名、1,4−ビス−(2−ベンゾオキサゾイル)ナフタレン)
二酸化チタン:C.I.ピグメントホワイト6
分散剤:Solsperse36000(商品名、Lubrizol社製、高分子分散剤)
4.2.インクジェットインク組成物及び硬化物の評価
表1に示す各例のインクジェットインク組成物について、キャリッジに紫外線照射装置を設けたインクジェットプリンタPX−G920(セイコーエプソン株式会社製)の改造機を用い、1パスごとに365nmの波長の紫外線を照射しながら、常温・常圧下で表1に記載した重量の液滴を着弾させて透明PETフィルム(ルミラー(登録商標)S10)上に、表1に記載した付着量となるように、1つのラスタラインを8パスで形成し、テストパターンを記録した。なお、紫外線照射装置としては、UV−LED光源を用い、照射強度2.5W/cm、1パスあたりの照射エネルギーは100.0mJ/cmとした。
4.2.1.硬化物の表面の算術平均高さ(Sa)の評価
表1に示した各インクにて上記のようにして得られた硬化物の表面の算術平均高さ(Sa)は、日立ハイテクサイエンス社製、操舵型白色干渉顕微鏡VS1000を用いて、総合倍率100倍にてデータを取得し、同装置付属の画像処理装置により求めた。得られた値を表1に示した。なお、Saの単位は(μm)である。
4.2.2.硬化物の色の評価
表1に示した各インクにて上記のようにして得られた硬化物を、黒色(L=13)の 不透明塩ビフィルムの上に、上記各記録物の記録面を上にして重ねて、市販の測色機(X−Rite社製製品名「Gretag Macbeth Spectrolino」)を用いて、CIE/L表色系における、L値を測定した。L値については、表1に記載した。L値が80.0以上である場合、本願発明の効果が得られているということができる。
4.2.3.硬化物の色相(黄変)の評価
また、硬化物の色相の変化を以下のように評価した。評価指標として、CIE/L表色系における、b値を用い、印刷後蛍光灯下に24時間放置した印刷物を、上記硬化物の色の評価で用いた測色機を用いて測定した値を以下の基準で判定した。
(評価基準)
A:2.9以下
B:2.9超5未満
C:5以上
4.2.4.硬化物の延伸性の評価
バーコーターで、各放射線硬化型インクジェット組成物を塩ビフィルム(JT5829R、MACtac社製)上に、厚さ10μmになるよう塗布した。次いで、メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製)を用いて、400mJ/cmのエネルギーで硬化させて塗膜を形成した。上記塗膜を形成した塩ビフィルムの剥離紙を剥がし、幅1cm、長さ8cmの短冊状に切り出して試験片を作製した。各試験片について、引張試験機(TENSILON、ORIENTEC社製)を用いて延伸性としての伸び率を測定した。伸び率は、5mm/minで引っ張った時、クラックが発生した時点での数値とした。その数値は{(クラック時の長さ−延伸前の長さ)/延伸前の長さ×100}より算出した。
評価基準を以下に示す。
(評価基準)
A:300%以上
B:250%以上300%未満
C:200%以上250%未満
D:200%未満
4.2.5.耐擦性の評価
上記延伸性の評価において作製した、硬化後の塗膜に対して、JIS R3255に準じてマイクロスクラッチ試験の評価を行った。測定には超薄膜スクラッチ試験機(CSR−5000、ナノテック社製)を用いて耐擦性としての耐荷重を測定した。耐荷重は荷重をかけながらマイクロスクラッチを行い、触針がメディア面に達した時の荷重とした。耐荷重が大きい程、耐擦性に優れる。測定は触針スタイラス径:15μm、振幅:100μm、スクラッチ速度:10μm/secで行った。評価基準は下記のとおりである。
(評価基準)
A:30mN/cm以上
B:25mN/cm以上30mN/cm未満
C:20mN/cm以上25mN/cm未満
D:20mN/cm未満
表1をみると、白色顔料と、40.0質量%以上の窒素含有ビニルモノマーと、を含む、各実施例では、L値が80.0以上となり非常に良好な白色が得られることが分かった。これに対してそうでない比較例では、白色度が不十分であった。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成、を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
20…インクジェット記録装置、30…モーター、40…プラテン、50…キャリッジ、52…記録ヘッド、54…ホワイトカートリッジ、56…カラーインクカートリッジ、60…キャリッジモーター、62…牽引ベルト、64…ガイドレール、80…キャッピング装置、90A(190A)、90B(190B)…紫外線照射装置、192…紫外線光源、194…筐体、P…記録媒体

Claims (12)

  1. 白色顔料と、
    窒素含有ビニルモノマーと、
    を含み、
    前記窒素含有ビニルモノマーの含有量が、インク組成物の全量に対して40.0質量%以上である、放射線硬化型インクジェットインク組成物。
  2. 請求項1において、
    下記一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマーをさらに含む、放射線硬化型インクジェットインク組成物。
    CH=CR−COOR−O−CH=CH−R ・・・(I)
    (式(I)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数2以上20以下の2価の有機残基であり、Rは水素原子又は炭素数1以上11以下の1価の有機残基である。)
  3. 請求項1又は請求項2において、
    蛍光増白剤をさらに含む、放射線硬化型インクジェットインク組成物。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
    窒素含有(メタ)アクリレートモノマーをさらに含む、放射線硬化型インクジェットインク組成物。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    前記窒素含有ビニルモノマーの含有量が、インク組成物の全量に対して50.0質量%以下である、放射線硬化型インクジェットインク組成物。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
    前記窒素含有ビニルモノマーが、単官能モノマーである、放射線硬化型インクジェットインク組成物。
  7. インクジェット法により、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の放射線硬化型インクジェットインク組成物の液滴を記録媒体に付着させる付着工程と、
    前記放射線硬化型インクジェットインク組成物に対して放射線を照射する照射工程と、
    を含み、
    前記液滴の質量が、16.0ng以下である、インクジェット記録方法。
  8. 請求項7において、
    前記記録媒体に対する前記液滴の付着量が、7.8mg/inch以上である、インクジェット記録方法。
  9. 請求項7又は請求項8において、
    前記照射工程における前記放射線の照射強度が、2.0W/cm以上3.0W/cm以下であり、照射エネルギーが、80mJ/cm以上120mJ/cm以下である、インクジェット記録方法。
  10. 請求項7ないし請求項9のいずれか一項において、
    前記付着工程は、
    複数回の主走査で1つのラスタライン上に前記放射線硬化型インクジェットインク組成物を付着させ、
    前記付着工程及び前記照射工程は、1回の前記主走査において行われる、インクジェット記録方法。
  11. 記録媒体と、
    前記記録媒体上に形成された硬化物層と、
    を有し、
    前記硬化物層は、白色顔料と、窒素含有ビニルモノマーに由来する化学構造と、を含み、
    前記硬化物層の表面の算術平均高さ(Sa)が、2.0μm以上である、記録物。
  12. 請求項11において、
    明度(L)が、80.0以上である、記録物。
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