JP2020137276A - 圧電駆動装置の制御方法、圧電駆動装置およびロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】低速でも安定して駆動用圧電素子を駆動する圧電駆動装置の制御方法を提供する。【解決手段】圧電駆動装置の制御方法は第1圧電素子23を備え、駆動用圧電素子である第1圧電素子23及び第5圧電素子27に駆動信号を印加することにより振動する振動体17と、振動体17の振動により移動するローター2と、第1目標デューティー比信号87に基づいて生成される第1パルス信号91を用いて第1駆動信号48を生成する第1駆動回路72と、を有する圧電駆動装置の制御方法であって、第1目標デューティー比信号87に応じて第1駆動回路72に供給する電圧値を切り替える。【選択図】図12

Description

本発明は、圧電駆動装置の制御方法、圧電駆動装置およびロボットに関するものである。
特許文献1に記載されている超音波モーターシステムは、振動体としての超音波振動子と、超音波振動子により駆動されるローターとしての被駆動体と、超音波振動子に駆動電圧を印加する制御装置としての駆動装置と、を有する。また、駆動装置は、パルス信号を出力する第1PWM波形生成部としての信号生成回路と、信号生成回路から出力されたパルス信号から正弦波に近い波形の駆動信号を生成する第1駆動回路としてのドライブ回路と、を有し、ドライブ回路から出力された駆動信号が超音波振動子に印加される。
また、超音波モーターシステムは、信号生成回路から出力される目標デューティー比信号のデューティー比を0%〜50%の範囲内で変更することにより駆動信号の振幅を調整し、被駆動部としての被駆動体の駆動速度を制御する。具体的には、目標デューティー比信号のデューティー比を0%側に変化させることにより被駆動体が減速し、反対に、目標デューティー比信号のデューティー比を50%側に変化させることにより被駆動体が加速する。
また、超音波モーターシステムは、被駆動体を減速させる場合、目標デューティー比信号のデューティー比を0%側に変化させると共に、駆動信号の周波数を超音波振動子の共振周波数側へ変化させていた。反対に、被駆動体を加速させる場合、目標デューティー比信号のデューティー比を50%側に変化させると共に、駆動信号の周波数を超音波振動子の共振周波数から遠ざかる側へ変化させていた。
特開2010−183816号公報
しかしながら、特許文献1の超音波モーターシステムのような構成の場合、パルス信号から生成した駆動信号により超音波振動子としての駆動用圧電素子を駆動させるため、低速ではパルス信号の波形が崩れてしまい駆動用圧電素子の駆動が不安定となる場合がある。
本願の圧電駆動装置の制御方法は、駆動用圧電素子に駆動信号を印加することにより振動する振動体と、前記振動体の振動により移動する被駆動部と、目標デューティー比信号に基づいて生成されるパルス信号を用いて前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、を有する圧電駆動装置の制御方法であって、前記目標デューティー比信号に応じて前記駆動信号生成部に供給する電圧値を切り替えることを特徴とする。
第1の実施形態にかかわる圧電モーターの構成を示す模式平面図。 圧電アクチュエーターを示す模式平面図。 圧電アクチュエーターの構成を示す模式側断面図。 圧電アクチュエーターの構成を示す模式側断面図。 圧電アクチュエーターの構成を示す模式側断面図。 圧電アクチュエーターの構成を示す模式側断面図。 駆動信号を説明するための図。 圧電アクチュエーターの駆動状態を説明するための模式平面図。 圧電アクチュエーターの駆動状態を説明するための模式平面図。 圧電モーターの電気回路図。 パルス信号のデューティー比を説明するための図。 第1駆動回路を示す回路図。 デューティー比が小さ過ぎる場合のパルス信号を示す図。 第1パルス信号のデューティー比と第1駆動信号の電圧振幅との関係を示す図。 2つの供給電圧における第1パルス信号のデューティー比と第1駆動信号の電圧振幅との関係を示す図。 第1駆動信号の電圧振幅とローターの回転速度との関係を示す図。 圧電モーターの制御方法のフローチャート。 圧電モーターの制御方法を説明するための図。 圧電モーターの制御方法を説明するための図。 第2の実施形態にかかわる第1駆動回路を示す回路図。 3つの供給電圧における第1パルス信号のデューティー比と第1駆動信号の電圧振幅との関係を示す図。 圧電モーターの制御方法のフローチャート。 圧電モーターの制御方法を説明するための図。 圧電モーターの制御方法を説明するための図。 第3の実施形態にかかわる圧電モーターが設置されたロボットの構成を示す概略斜視図。 第4の実施形態にかかわる圧電モーターが設置されたプリンターの構成を示す概略斜視図。
以下、実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本実施形態では、圧電駆動装置と、この圧電駆動装置を制御する圧電駆動装置の制御方法との特徴的な例について、図に従って説明する。第1の実施形態にかかわる圧電駆動装置について図1〜図19に従って説明する。図1は、圧電モーターの構成を示す模式平面図である。
尚、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3軸をX軸、Y軸及びZ軸とし、X軸に沿う方向をX軸方向、Y軸に沿う方向をY軸方向、Z軸に沿う方向をZ軸方向とする。また、各軸の矢印側を「プラス側」とし、矢印と反対側を「マイナス側」とする。また、X軸方向プラス側を「上」または「上側」とし、X軸方向マイナス側を「下」または「下側」とする。Y軸方向を第1方向とし、Z軸方向を第2方向とする。
図1に示すように圧電駆動装置としての圧電モーター1は、被駆動部としてのローター2及び駆動部3を有する。ローター2は円盤状をなしその中心軸4まわりに回転可能になっている。駆動部3はローター2の外周面5に当接し、ローター2を中心軸4まわりに回転させる。
駆動部3は、圧電アクチュエーター6、付勢部材7及び制御装置8を有する。付勢部材7は圧電アクチュエーター6をローター2に向けて付勢する。制御装置8は圧電アクチュエーター6の駆動を制御する。このような圧電モーター1では圧電アクチュエーター6が屈曲振動する。その屈曲振動がローター2に伝わり、ローター2が中心軸4まわりに回転する。
尚、圧電モーター1の構成は、本実施形態の構成に限定されない。例えば、ローター2の周方向に沿って複数の駆動部3を配置し、複数の駆動部3の駆動によってローター2を回転させてもよい。また、駆動部3は、ローター2の外周面5ではなく、ローター2の主面11に当接していてもよい。主面11は中心軸4の軸方向を向く面である。また、被駆動部はローター2のような回転体に限定されず、例えば、直線移動するスライダーであってもよい。
ローター2にはエンコーダー12が設けられており、エンコーダー12によって、ローター2の回転角度及び角速度が検出できる。エンコーダー12の種類は特に限定されず、例えば、ローター2の回転時にその回転角度を検出するインクリメンタル型のエンコーダーであってもよいし、ローター2の回転の有無に関わらず、ローター2の原点からの絶対位置を検出するアブソリュート型のエンコーダーであってもよい。
エンコーダー12は、ローター2の上面に固定されたスケール13と、スケール13の上側に設けられた光学素子14と、を有する。スケール13は円板状をなし、上面に図示しないパターンが設けられている。一方、光学素子14は、スケール13のパターンに向けて光を照射する発光素子15と、スケール13のパターンを撮像する撮像素子16と、を有する。このような構成のエンコーダー12は撮像素子16により取得されるパターンの画像をテンプレートマッチングすることにより、ローター2の回転角度、角速度、絶対位置等を検出することができる。ただし、エンコーダー12の構成としては、上記の構成に限定されない。例えば、撮像素子16に代えて、スケール13からの反射光または透過光を受光する受光素子を備えた構成であってもよい。
図2は、圧電アクチュエーターを示す模式平面図である。図1及び図2に示すように、圧電アクチュエーター6は、振動体17、支持部18、接続部21を有する。支持部18は振動体17を支持する。接続部21は振動体17と支持部18とを接続する。振動体17はローター2と当接する凸部22を有する。凸部22は振動体17の振動をローター2に伝達する。振動体17から凸部22が突出する方向が第1方向19である。第2方向20は第1方向19と直交する方向である。
振動体17はX軸方向を厚さ方向とする。振動体17はY軸及びZ軸を含むY−Z平面に広がる板状をなす。振動体17はY軸方向に伸縮しながらZ軸方向に屈曲することによりS字状に屈曲振動する。また、X軸方向からの平面視で振動体17はY軸方向を長手とする長手形状となっている。振動体17はY軸方向に伸縮振動する。つまり、振動体17は第1方向19に伸縮する伸縮振動と、第2方向20に屈曲する屈曲振動とを行う。ただし、振動体17の形状としては、その機能を発揮することができる限り、特に限定されない。
振動体17は、振動体17を屈曲振動させるための駆動用の駆動用圧電素子としての第1圧電素子23〜第5圧電素子27と、振動体17の振動を検出するための検出用の第6圧電素子28及び第7圧電素子31を有する。
第3圧電素子25は振動体17のZ方向の中央部に配置され、振動体17の長手方向であるY軸方向に沿って配置されている。第3圧電素子25のZ軸方向プラス側には第1圧電素子23及び第2圧電素子24が振動体17の長手方向に並んで配置されている。第3圧電素子25のZ軸方向マイナス側には第4圧電素子26及び第5圧電素子27が振動体17の長手方向に並んで配置されている。また、これら第1圧電素子23〜第5圧電素子27は、それぞれ、通電によって振動体17の長手方向であるY軸方向に伸縮する。また、第1圧電素子23と第5圧電素子27が互いに電気的に接続されており、第2圧電素子24と第4圧電素子26が互いに電気的に接続されている。
第3圧電素子25、第1圧電素子23及び第5圧電素子27、第2圧電素子24及び第4圧電素子26、にそれぞれ位相の異なる同周波数の駆動信号を印加し、各圧電素子の伸縮タイミングをずらすことにより、振動体17をYZ平面においてS字状に屈曲振動させることができる。尚、駆動信号は交番電圧である。
第6圧電素子28は第3圧電素子25のY軸方向プラス側に位置している。第7圧電素子31は第3圧電素子25のY軸方向マイナス側に位置している。また、第6圧電素子28と第7圧電素子31とは互いに電気的に接続されている。第6圧電素子28及び第7圧電素子31は第1圧電素子23〜第5圧電素子27の駆動に伴う振動体17の振動に応じた外力を受け、受けた外力に応じた信号を出力する。そのため、第6圧電素子28及び第7圧電素子31から出力される信号に基づいて、振動体17の振動状態を検知することができる。
接続部21は振動体17の屈曲振動の節となる部分と支持部18とを接続している。具体的には接続部21はY軸方向の中央部と支持部18とを接続している。また、接続部21は振動体17に対してZ軸方向マイナス側に位置する第1接続部21aと、Z軸方向プラス側に位置する第2接続部21bと、を有する。このように、接続部21は振動体17と支持部18とを接続する。
図3〜図6は圧電アクチュエーターの構成を示す模式側断面図である。図3は図2中のA−A線断面図である。図4は図2中のB−B線断面図である。図5は図2中のC−C線断面図である。図6は図2中のD−D線断面図である。図3〜図6に示すように、振動体17、支持部18及び接続部21は2つの圧電素子ユニット32を互いに向かい合わせて貼り合せた構成となっている。各圧電素子ユニット32は、基板33と、基板33上に配置された駆動用の第11圧電素子34〜第15圧電素子38、検出用の第16圧電素子41及び第17圧電素子42、第11圧電素子34〜第17圧電素子42を覆う保護層43と、を有する。
第11圧電素子34〜第17圧電素子42は、それぞれ、第1電極44、圧電体45及び第2電極46を有する。第1電極44は基板33上に配置され、第11圧電素子34〜第17圧電素子42に共通して設けられている。圧電体45は第1電極44上に配置され、第11圧電素子34〜第17圧電素子42に個別に設けられている。第2電極46は圧電体45上に配置され、第11圧電素子34〜第17圧電素子42に個別に設けられている。
2つの圧電素子ユニット32は、第11圧電素子34〜第17圧電素子42が配置されている側の面を対向させた状態で接着剤47を介して接合されている。また、各圧電素子ユニット32の第1電極44同士は図示しない配線等を介して電気的に接続されている。各圧電素子ユニット32の第2電極46同士は図示しない配線等を介して電気的に接続されている。対向配置された2つの第11圧電素子34から1つの第1圧電素子23が構成されている。
他の第12圧電素子35〜第17圧電素子42についても同様である。2つの第12圧電素子35から第2圧電素子24が構成されている。2つの第13圧電素子36から第3圧電素子25が構成されている。2つの第14圧電素子37から第4圧電素子26が構成されている。2つの第15圧電素子38から第5圧電素子27が構成されている。2つの第16圧電素子41から第6圧電素子28が構成されている。2つの第17圧電素子42から第7圧電素子31が構成されている。
圧電体45の構成材料としては、特に限定されず、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、メタニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の圧電セラミックスを用いることができる。また、圧電体45としては、上述した圧電セラミックスの他にも、ポリフッ化ビニリデン、水晶等を用いてもよい。尚、チタン酸ジルコン酸鉛の略称は“PZT”である。チタン酸バリウムストロンチウムの略称は“BST”である。タンタル酸ストロンチウムビスマスの略称は“SBT”である。
圧電体45の形成方法としては、特に限定されず、バルク材料から形成してもよいし、ゾル−ゲル法やスパッタリング法を用いて形成してもよい。本実施形態では、圧電体45をゾル−ゲル法を用いて形成している。これにより、例えば、バルク材料から形成する場合と比べて薄い圧電体45が得られ、駆動部3の薄型化を図ることができる。
凸部22は振動体17の先端部に設けられ、振動体17からY軸方向プラス側へ突出している。そして、凸部22の先端部はローター2の外周面5と接触している。そのため、振動体17の振動は凸部22を介してローター2に伝達される。
図7は、駆動信号を説明するための図である。横軸は時間の推移を示し、時間は図中左側から右側へ推移する。縦軸は、電圧を示し、電圧は図中上側が下側より高い電圧になっている。駆動信号としての第1駆動信号48、駆動信号としての第2駆動信号50、駆動信号としての第3駆動信号51は制御装置8が振動体17の圧電素子に印加する駆動信号を示している。第1駆動信号48、第2駆動信号50、第3駆動信号51は周波数及び振幅が同じであり、位相が異なる波形になっている。ピックアップ信号52は第6圧電素子28、第7圧電素子31から出力される電圧信号である。
図8及び図9は、圧電アクチュエーターの駆動状態を説明するための模式平面図である。第1駆動信号48を第1圧電素子23及び第5圧電素子27に印加する。第2駆動信号50を第3圧電素子25に印加する。第3駆動信号51を第2圧電素子24及び第4圧電素子26に印加する。このとき、図8に示すように、振動体17がY軸方向に伸縮振動しつつZ軸方向にS字状に屈曲振動する。伸縮振動と屈曲振動とが合成されて、凸部22の先端が第1矢印53で示すように反時計回りに楕円軌道を描く楕円運動をする。このような凸部22の楕円運動によってローター2の外周面5が移動し、ローター2が第2矢印54で示すように時計回りに回転する。また、このような振動体17の振動に対応して、第6圧電素子28及び第7圧電素子31からピックアップ信号52が出力される。
第1駆動信号48と第3駆動信号51とを切り替える。すなわち第1駆動信号48を第2圧電素子24及び第4圧電素子26に印加する。第2駆動信号50を第3圧電素子25に印加する。第3駆動信号51を第1圧電素子23及び第5圧電素子27に印加する。このとき、図9に示すように、振動体17がY軸方向に伸縮振動しつつZ軸方向にS字状に屈曲振動する。伸縮振動と屈曲振動とが合成されて、凸部22が第3矢印55で示すように時計回りに楕円運動する。このような凸部22の楕円運動によってローター2が送り出され、ローター2が第4矢印56で示すように反時計回りに回転する。また、このような振動体17の振動に対応して、第6圧電素子28及び第7圧電素子31からピックアップ信号52が出力される。
上述のように、第1圧電素子23、第2圧電素子24、第4圧電素子26及び第5圧電素子27の伸縮によって凸部22がZ軸方向に屈曲振動し、ローター2を第2矢印54または第4矢印56の方向に送り出す。第1圧電素子23、第2圧電素子24、第4圧電素子26及び第5圧電素子27に印加する第1駆動信号48、第3駆動信号51の振幅を制御し、凸部22のZ軸方向への振幅を制御する。この制御により、ローター2の角速度を制御することができる。
具体的には、第1駆動信号48、第3駆動信号51の振幅を大きくすれば、凸部22のZ軸方向の振幅が大きくなってローター2の駆動速度が増加し、反対に、第1駆動信号48、第3駆動信号51の振幅を小さくすれば、凸部22のZ軸方向の振幅が小さくなってローター2の駆動速度が減少する。このように、振動体17の振動によりローター2が移動する。
尚、ローター2を少なくとも一方向に回転させることができれば、第1圧電素子23〜第5圧電素子27に印加する駆動信号のパターンは、特に限定されない。また、第1圧電素子23〜第5圧電素子27に印加する駆動信号は交番電圧でなく、例えば、間欠的に印加するパルス波の電圧でもよい。
制御装置8は、第1圧電素子23〜第5圧電素子27に交番電圧である第1駆動信号48、第2駆動信号50、第3駆動信号51のいずれかの信号を印加することにより、駆動部3の駆動を制御する。尚、以下では、説明の便宜上、図8に示すように、ローター2を第2矢印54の方向に回転させる場合について代表して説明する。図9に示すように、ローター2を第4矢印56の方向に回転させる場合については、ローター2を第2矢印54の方向に回転させる場合と同様であるため、その説明を省略する。
図10は圧電モーターの電気回路図である。図10に示すように、制御装置8は電圧制御部57を有する。電圧制御部57は第1駆動信号48、第2駆動信号50、第3駆動信号51を生成する。そして、生成した第1駆動信号48、第2駆動信号50、第3駆動信号51を電圧制御部57は第1圧電素子23、第2圧電素子24、第3圧電素子25、第4圧電素子26、第5圧電素子27に印加する。
電圧制御部57は第1電圧制御部58、第2電圧制御部61及び周波数制御部62を有する。第1電圧制御部58は第1圧電素子23及び第5圧電素子27に第1駆動信号48を印加する。さらに、第1電圧制御部58は第2圧電素子24及び第4圧電素子26に第3駆動信号51を印加して振動体17をZ軸方向へ屈曲振動させる。第2電圧制御部61は第3圧電素子25に第2駆動信号50を印加して振動体17をY軸方向へ伸縮振動させる。周波数制御部62は第1駆動信号48、第2駆動信号50、第3駆動信号51の周波数を制御する。
ローター2が各時刻において目標位置となるように、電圧制御部57はローター2の駆動速度を第1駆動信号48、第3駆動信号51の振幅を変化させて制御する。これにより、圧電モーター1は各時刻におけるローター2の目標位置に対する位置ずれを抑制することができる為、優れた駆動特性を有することができる。
第1電圧制御部58は位置指令制御部63、位置制御部64、速度制御部65、第1駆動信号生成部66及び第2駆動信号生成部67を有する。第1駆動信号生成部66は第1駆動信号48を生成する回路であり、第2駆動信号生成部67は第3駆動信号51を生成する回路である。位置指令制御部63、位置制御部64、速度制御部65がこの順に接続されている。そして、速度制御部65には第1駆動信号生成部66及び第2駆動信号生成部67が電気的に接続されている。
また、第1駆動信号生成部66はデューティー比信号生成部としての第1駆動電圧制御部68、パルス信号生成部としての第1PWM波形生成部71(Pulse Width Modulation)、駆動信号生成部としての第1駆動回路72、比較部としての第1電圧指令制御部73及び第1電圧供給部74を有する。第1駆動電圧制御部68は速度制御部65と電気的に接続されている。
速度制御部65の出力が第1駆動電圧制御部68に入力される。第1駆動電圧制御部68が出力する信号は第1PWM波形生成部71及び第1電圧指令制御部73に出力される。第1PWM波形生成部71が出力する信号は第1駆動回路72に出力される。第1電圧指令制御部73が出力する信号は第1電圧供給部74に出力される。第1電圧供給部74が出力する電力は第1駆動回路72に出力される。第1駆動回路72が出力する信号は第1圧電素子23、第5圧電素子27及び第1駆動電圧制御部68に出力される。第1駆動回路72から第1駆動電圧制御部68に出力される回路をフィードバック回路としての第1フィードバック回路75とする。第1フィードバック回路75は第1駆動信号48を第1駆動電圧制御部68に入力する。
第2駆動信号生成部67はデューティー比信号生成部としての第2駆動電圧制御部76、パルス信号生成部としての第2PWM波形生成部77、駆動信号生成部としての第2駆動回路78、比較部としての第2電圧指令制御部81及び第2電圧供給部82を有する。第2駆動電圧制御部76は速度制御部65と電気的に接続されている。
速度制御部65の出力が第2駆動電圧制御部76に入力される。第2駆動電圧制御部76が出力する信号は第2PWM波形生成部77及び第2電圧指令制御部81に出力される。第2PWM波形生成部77が出力する信号は第2駆動回路78に出力される。第2電圧指令制御部81が出力する信号は第2電圧供給部82に出力される。第2電圧供給部82が出力する電力は第2駆動回路78に出力される。第2駆動回路78が出力する信号は第2圧電素子24、第4圧電素子26及び第2駆動電圧制御部76に出力される。第2駆動回路78から第2駆動電圧制御部76に出力される回路をフィードバック回路としての第2フィードバック回路83とする。そして、周波数制御部62は第1PWM波形生成部71及び第2PWM波形生成部77と電気的に接続されている。周波数制御部62が出力する信号は第1PWM波形生成部71、第2PWM波形生成部77及び第3PWM波形生成部117に入力される。
第1電圧制御部58は、エンコーダー12から出力される信号を位置制御部64及び速度制御部65へ入力してフィードバックしている。そして、各時刻においてローター2の位置が目標位置となるように第1駆動信号48、第3駆動信号51を制御する。
位置指令制御部63は図示しないホストコンピューター等の指令に基づいて、ローター2の目標位置を示した位置指令84を生成して位置制御部64に出力する。位置制御部64は、この位置指令84とエンコーダー12が検出したローター2の現在位置との偏差に対して比例ゲインを調整する比例制御を行うP制御(Proportional)を実施し、位置指令84に基づく位置となるローター2の目標速度を示した速度指令85を生成する。位置制御部64は生成した速度指令85を速度制御部65に出力する。速度制御部65は、位置制御部64が生成した速度指令85とエンコーダー12が検出した現在のローター2の駆動速度との偏差に対して比例ゲインを調整する比例制御と、積分ゲインを調整する積分制御と、を行うPI制御(Proportional Integral)を実施し、速度指令85に基づく駆動速度となる目標駆動電圧を示した目標駆動信号86を生成する。速度制御部65は生成した目標駆動信号86を第1駆動電圧制御部68及び第2駆動電圧制御部76に出力する。
第1駆動電圧制御部68は、この目標駆動信号86と第1駆動回路72が生成した第1駆動信号48との偏差に対して比例ゲインを調整する比例制御と、積分ゲインを調整する積分制御と、を行うPI制御を実施し、目標駆動信号86に基づく振幅の電圧となる目標デューティー比を示した目標デューティー比信号としての第1目標デューティー比信号87を生成する。つまり、第1駆動電圧制御部68は入力される目標駆動信号86に基づいて第1目標デューティー比信号87を生成する。
第1PWM波形生成部71は、この第1目標デューティー比信号87に基づくデューティー比を有し、周波数が周波数制御部62で生成された周波数指令88に基づく周波数となるパルス信号としての第1パルス信号91を生成する。つまり、第1PWM波形生成部71は第1目標デューティー比信号87が示す目標デューティー比の第1パルス信号91を生成する。そして、第1駆動回路72は第1パルス信号91に基づいて第1駆動信号48を生成する。換言すれば、第1駆動回路72は第1目標デューティー比信号87に基づいて生成される第1パルス信号91を用いて第1駆動信号48を生成する。そして、第1駆動回路72は第1駆動信号48を第1圧電素子23及び第5圧電素子27に印加する。
図11は、パルス信号のデューティー比を説明するための図である。図11において、横軸は時間の推移を示し、時間は図中左側から右側へ推移する。縦軸は電圧を示し、図中上側は下側より高い電圧になっている。第1パルス信号91はパルス波であり、電圧が第1パルス電圧92と第2パルス電圧93との間で変化する。第1パルス信号91のデューティー比とは、パルス幅94をパルス期間95で割ったものである。デューティー比は0%〜50%の範囲で変更可能である。第1パルス信号91のデューティー比が0%に近い程、第1駆動回路72で生成される第1駆動信号48の電圧振幅が小さくなり、反対に、第1パルス信号91のデューティー比が50%に近い程、第1駆動回路72で生成される第1駆動信号48の電圧振幅が大きくなる。そのため、第1パルス信号91のデューティー比を0%に近づける程、ローター2の駆動速度が遅くなり、反対に、第1パルス信号91のデューティー比を50%に近づける程、ローター2の駆動速度が速くなる。
第1パルス信号91のデューティー比が小さくなると、第1駆動回路72で生成される第1駆動信号48の波形が正弦波から崩れる。特に、第1パルス信号91のデューティー比が0%に近い領域では、その問題が顕著なものとなる。この一因について、簡単に説明する。
図12は第1駆動回路を示す回路図である。図12に示すように、第1駆動回路72は、例えば、MOSFET等で構成された第1スイッチング素子72a、第2スイッチング素子72b及びLC共振回路72cを有する。LC共振回路72cはコイル72d及びコンデンサー72eを含む。そして、第1スイッチング素子72aには第1パルス信号91が入力される。第2スイッチング素子72bには第1パルス信号91が反転した反転パルス信号96が入力される。第1パルス信号91が第2パルス電圧93のときに第1スイッチング素子72aがONとなり、第1パルス信号91が第1パルス電圧92のときに第1スイッチング素子72aがOFFとなる。反転パルス信号96が第2パルス電圧93のときに第2スイッチング素子72bがONとなり、反転パルス信号96が第1パルス電圧92のときに第2スイッチング素子72bがOFFとなる。
図13はデューティー比が小さ過ぎる場合のパルス信号を示す図である。第1PWM波形生成部71と第1駆動回路72との間の配線には抵抗成分、容量成分、誘導成分が含まれる。このため、図13に示すように、第1パルス信号91のデューティー比が0%に近い場合、第1パルス信号91の波形が破線で示す理想的なパルス波から崩れる。そして、第2パルス電圧93のときの電圧値が第1スイッチング素子72a、第2スイッチング素子72bのON/OFFを切り替える切替電圧97を超えることができない場合が生じる。このような波形崩れが生じると、第1スイッチング素子72a、第2スイッチング素子72bを適正なタイミングでON/OFFすることができず、その結果として、第1パルス信号91の波形が正弦波から崩れた波形になる。この正弦波から崩れた波を三角波とする。
そこで、第1PWM波形生成部71にはデューティー比下限判定値が所定値として設定され、第1PWM波形生成部71は、第1目標デューティー比信号87に示された目標デューティー比に関わらず、デューティー比下限判定値未満のデューティー比を有する第1パルス信号91を生成しない。具体的には、第1PWM波形生成部71は、目標デューティー比がデューティー比下限判定値以上であれば、目標デューティー比と等しいデューティー比の第1パルス信号91を生成する。一方、第1PWM波形生成部71は、目標デューティー比がデューティー比下限判定値未満であれば、デューティー比下限判定値と等しいデューティー比の第1パルス信号91を生成する。このように、第1PWM波形生成部71がデューティー比下限判定値未満のデューティー比を有する第1パルス信号91を生成しないことにより、デューティー比が0%に近い第1パルス信号91の生成が抑制される。このため、第1駆動信号生成部66は第1パルス信号91の波形が崩れることを抑制することができる。
デューティー比下限判定値としては、特に限定されないが、例えば、10%とすることができる。これにより、上述した効果がより顕著なものとなる。また、目標デューティー比がデューティー比下限判定値未満の場合、第1PWM波形生成部71は、デューティー比下限判定値と等しいデューティー比の第1パルス信号91を生成しているが、この方法に限定されない。第1PWM波形生成部71はデューティー比下限判定値よりも大きいデューティー比の第1パルス信号91、例えば、デューティー比下限判定値が10%であれば11%〜15%程度のデューティー比の第1パルス信号91を生成してもよい。
図14は第1パルス信号のデューティー比と第1駆動信号の電圧振幅との関係を示す図である。図14において、横軸は第1パルス信号91及び第1目標デューティー比信号87のデューティー比を示す。尚、第1パルス信号91のデューティー比は第1目標デューティー比信号87のデューティー比と略同じであるとする。従って、横軸の単位はパーセントである。縦軸は第1駆動信号48の電圧振幅を示している。図中上側が下側より高い電圧になっている。そして、第1相関線103は第1パルス信号91のデューティー比と第1駆動信号48の電圧振幅との関係を示している。デューティー比が10%のところに所定値及び第1所定値としてのデューティー比下限判定値104が設定されている。デューティー比が40%のところに所定値及び第2所定値としてのデューティー比上限判定値105が設定されている。
第1相関線103が示すように、第1パルス信号91のデューティー比が大きくなると第1駆動信号48の振幅が大きくなる。つまり、第1パルス信号91のデューティー比が変化することによって第1駆動信号48の振幅が変化する。目標デューティー比がデューティー比下限判定値104未満であり、第1PWM波形生成部71が目標デューティー比よりも大きいデューティー比の第1パルス信号91を生成した場合、第1駆動信号48の振幅は、目標値に対して大きくなる。
図12に戻って、第1駆動信号48の振幅のずれを抑制するために、第1駆動信号生成部66は、第1電圧指令制御部73と、第1電圧供給部74と、を有する。第1駆動信号生成部66では、第1電圧指令制御部73及び第1電圧供給部74によって、第1駆動回路72に供給される電圧の大きさを切り替えることにより、第1駆動信号48の振幅の目標値からずれを抑制する。ここで、前記「目標値」とは、目標デューティー比と等しいデューティー比の第1パルス信号91から生成された第1駆動信号48の振幅を意味する。
第1電圧指令制御部73は、第1目標デューティー比信号87が示す目標デューティー比を所定値としてのデューティー比下限判定値と比較して比較結果を示す第1供給電圧指令98を生成する。つまり、第1電圧指令制御部73は目標デューティー比の値をデューティー比下限判定値と比較する。そして、第1電圧指令制御部73は第1供給電圧指令98を第1電圧供給部74に送信する。
第1電圧供給部74は、第1供給電圧指令98に基づいて、第1駆動回路72に供給する電圧の大きさを制御する。尚、第1電圧供給部74は、電源部74a及び電圧切替部74bを備える。電源部74aは固定電圧である第1供給電圧101及び第2供給電圧102を供給する。つまり、第1電圧供給部74の電源部74aは電圧値の異なる複数の電圧を備えて供給する。第2供給電圧102は第1供給電圧101より高い電圧とする。第1供給電圧101及び第2供給電圧102の電圧値は特に限定されないが本実施形態では、例えば、第1供給電圧101を3ボルトとし、第2供給電圧102を12ボルトとする。
電圧切替部74bは複数の電圧を入力し第1電圧指令制御部73が比較した結果に基づき第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を切り替える。電圧切替部74bは第1供給電圧101と第2供給電圧102とのうち一方の電圧を第1駆動回路72に供給する。詳しくは、第2供給電圧102を供給しているときに、第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値より小さいときに電圧切替部74bは第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第1供給電圧101に切り替える。
図14に示すように、第1相関線103はデューティー比が0%〜30%までは略直線になっている。従って、この区間ではデューティー比と電圧振幅とが正比例する。従って、デューティー比を用いて電圧振幅を制御しやすい。そして、デューティー比が30%〜50%の間では第1相関線103が曲線になっている。特に、デューティー比が40%〜50%の間ではデューティー比を変化させても電圧振幅が変化し難い区間になっている。従って、デューティー比が40%〜50%の間ではデューティー比を変化させても電圧振幅を応答性良く制御できないので、使用しないのが好ましい。
目標デューティー比がデューティー比上限判定値105を越える場合、第1PWM波形生成部71は、デューティー比上限判定値105と等しいデューティー比の第1パルス信号91を生成しているが、この方法に限定されない。第1PWM波形生成部71はデューティー比上限判定値105よりも小さいデューティー比の第1パルス信号91、例えば、デューティー比上限判定値105が40%であれば39%〜35%程度のデューティー比の第1パルス信号91を生成してもよい。
図12に戻って、第1電圧供給部74が第1供給電圧101を第1駆動回路72に供給しているときに、第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105を超える場合の制御方法について述べる。このとき、第1電圧指令制御部73は第1供給電圧101から第2供給電圧102に替える第1供給電圧指令98を第1電圧供給部74に伝達する。その結果、第1駆動回路72に第2供給電圧102が供給されるので、第1パルス信号91のデューティー比を下げることができる。
図15は2つの供給電圧における第1パルス信号のデューティー比と第1駆動信号の電圧振幅との関係を示す図である。図15において、縦軸と横軸は図14と同じある。第2相関線106は第1供給電圧101における第1パルス信号91のデューティー比と第1駆動信号48の電圧振幅との関係を示している。第3相関線107は第2供給電圧102における第1パルス信号91のデューティー比と第1駆動信号48の電圧振幅との関係を示している。第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧が高い方が低いときに比べて第1駆動信号48の電圧振幅が大きくなる。従って、第3相関線107は第2相関線106より電圧振幅が大きい線になっている。
第1電圧供給部74から第1駆動回路72に第1供給電圧101が供給されているとき、デューティー比に対する電圧振幅は第2相関線106に沿って推移する。デューティー比が30%から上昇して40%まで上昇するとき、第1電圧供給部74から第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値が第1供給電圧101から第2供給電圧102に切り替えられる。そのとき、第1駆動信号48の電圧振幅を変えないで、デューティー比を約15%に下げることができる。従って、デューティー比をデューティー比下限判定値104からデューティー比上限判定値105の間にすることができる。
第1電圧供給部74から第1駆動回路72に第2供給電圧102が供給されているとき、デューティー比に対する電圧振幅は第3相関線107に沿って推移する。デューティー比が20%から下降して10%まで下降するとき、第1電圧供給部74から第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値が第2供給電圧102から第1供給電圧101に切り替えられる。そのとき、第1駆動信号48の電圧振幅を変えないで、デューティー比を約35%に上げることができる。従って、デューティー比をデューティー比下限判定値104からデューティー比上限判定値105の間にすることができる。このように、第1電圧供給部74から第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値を切り替えることにより、第1パルス信号91のデューティー比をデューティー比下限判定値104からデューティー比上限判定値105の間にすることができる。
図16は第1駆動信号の電圧振幅とローターの回転速度との関係を示す図である。図16における横軸は第1駆動信号48の電圧振幅を示し図中右側が左側より大きな電圧になっている。縦軸はローター2の回転速度を示し、図中上側は下側より大きな速度になっている。そして、第4相関線108は第1駆動信号48の電圧振幅とローター2の回転速度との関係を示している。第4相関線108が示すように、第1駆動信号48の電圧振幅とローター2の回転速度とは正の相関がある。従って、制御装置8は第1パルス信号91のデューティー比を介して第1駆動信号48を制御することによりローター2の回転速度を制御することができる。
図10に戻って、第2駆動信号生成部67は、第1駆動信号生成部66と同様の構成である。したがって、第2駆動信号生成部67については簡単に説明する。第2駆動電圧制御部76は目標駆動信号86と第2駆動回路78が生成した第3駆動信号51とに基づくPI制御を実施する。そして、第3駆動信号51の電圧振幅が目標駆動信号86に基づく電圧となる目標デューティー比を示した目標デューティー比信号としての第2目標デューティー比信号111を生成する。第2PWM波形生成部77は、目標デューティー比を有し、周波数が周波数制御部62で生成された周波数指令88に基づく周波数となるパルス信号としての第2パルス信号112を生成する。第2PWM波形生成部77にはデューティー比下限判定値104が所定値として設定されており、第2PWM波形生成部77は、目標デューティー比に関わらず、デューティー比下限判定値104未満のデューティー比を有する第2パルス信号112を生成しない。そして、第2駆動回路78は、第2パルス信号112に基づいて第3駆動信号51を生成する。そして、第2駆動回路78は第3駆動信号51を第2圧電素子24及び第4圧電素子26に印加する。さらに、第2フィードバック回路83は第3駆動信号51を第2駆動電圧制御部76に入力する。
第2電圧指令制御部81は、第2目標デューティー比信号111が示す目標デューティー比をデューティー比下限判定値104と比較して比較結果を示す第2供給電圧指令113を生成する。つまり、第2電圧指令制御部81は目標デューティー比の値をデューティー比下限判定値104と比較する。そして、第2電圧指令制御部81は第2供給電圧指令113を第2電圧供給部82に送信する。
第2電圧供給部82は、第2供給電圧指令113に基づいて、第2駆動回路78に供給する電圧の大きさを制御する。第2電圧供給部82は第2電圧指令制御部81が比較した結果に基づき第2駆動回路78に供給する電圧の電圧値を切り替える。第2電圧供給部82は第1供給電圧101と第2供給電圧102とのうち一方の電圧を第2駆動回路78に供給する。詳しくは、第2供給電圧102を供給しているときに、第2目標デューティー比信号111がデューティー比下限判定値より小さいときに第2電圧供給部82は第2駆動回路78に供給する電圧の電圧値を第1供給電圧101に切り替える。
第2駆動回路78は第2パルス信号112に基づいて第3駆動信号51を生成する。換言すれば、第2駆動回路78は第2目標デューティー比信号111に基づいて生成された第2パルス信号112を用いて第3駆動信号51を生成する。そして、第2駆動回路78は第3駆動信号51を第2圧電素子24及び第4圧電素子26に印加する。
第2電圧制御部61は、PU電圧制御部114(Pickup)及び第3駆動信号生成部115を有する。第3駆動信号生成部115は第3圧電素子25に印加する第2駆動信号50を生成する。第3駆動信号生成部115は、第3駆動電圧制御部116と、第3PWM波形生成部117と、駆動信号生成部としての第3駆動回路118と、第3電圧指令制御部121と、第3電圧供給部122と、を有する。さらに、第3駆動信号生成部115は第2駆動信号50を第3駆動回路118から第3駆動電圧制御部116に入力するフィードバック回路としての第3フィードバック回路119を有する。
第2電圧制御部61は、第6圧電素子28及び第7圧電素子31から出力されるピックアップ信号52をPU電圧制御部114にフィードバックする。そして、第2電圧制御部61はピックアップ信号52が目標値となるように第2駆動信号50を制御する。ピックアップ信号52を目標値に維持することにより、振動体17がY軸方向に安定して振動する。このため、圧電モーター1は安定した駆動が可能になる。
PU電圧制御部114には、図示しないホストコンピューターからピックアップ信号52の目標振幅値である振幅指令とピックアップ信号52とが入力される。PU電圧制御部114は、振幅指令とピックアップ信号52との偏差に対して比例ゲインを調整する比例制御と、積分ゲインを調整する積分制御とを実施するPI制御とを行う。そして、PU電圧制御部114はピックアップ信号52が振幅指令に基づく振幅となるように電圧指令123を生成する。
第3駆動信号生成部115は、第1駆動信号生成部66及び第2駆動信号生成部67と同様の構成である。したがって、第3駆動信号生成部115については簡単に説明する。第3駆動電圧制御部116は、電圧指令123と第3駆動回路118が生成した第2駆動信号50との偏差に対して比例ゲインを調整する比例制御と、積分ゲインを調整する積分制御と、を行うPI制御を実施する。そして、第3駆動電圧制御部116は第2駆動信号50の電圧振幅が電圧指令123に基づく電圧となる目標デューティー比を示した目標デューティー比信号としての第3目標デューティー比信号124を生成する。第3駆動電圧制御部116は第3目標デューティー比信号124を第3PWM波形生成部117に伝達する。
第3PWM波形生成部117は、目標デューティー比を有し、周波数が周波数制御部62で生成された周波数指令88に基づく周波数となるパルス信号としての第3パルス信号125を生成する。第3PWM波形生成部117にはデューティー比下限判定値104が所定値として設定されており、第3PWM波形生成部117は、目標デューティー比に関わらず、デューティー比下限判定値104未満のデューティー比を有する第3パルス信号125を生成しない。そして、第3駆動回路118は、第3パルス信号125に基づいて第2駆動信号50を生成する。第3駆動回路118は第2駆動信号50を第3圧電素子25に印加する。
第3電圧指令制御部121は、第3目標デューティー比信号124が示す目標デューティー比と第3パルス信号125のデューティー比との差に基づいて、第2駆動信号50の振幅が目標値となる目標電圧を示した第3供給電圧指令126を生成する。第3電圧供給部122は、第3供給電圧指令126に基づいて、第3駆動回路118に供給する電圧の大きさを制御する。これにより、第2駆動信号50の振幅の目標値からのずれを抑制することができる。また、第2駆動信号50の振幅のダイナミックレンジが広くなる。
周波数制御部62には、第3駆動回路118で生成された第2駆動信号50とピックアップ信号52とが入力される。周波数制御部62は、第2駆動信号50とピックアップ信号52との位相差を求め、予め設定されている目標位相差と実際の位相差との偏差に対して比例ゲインを調整する比例制御と、積分ゲインを調整する積分制御とを実施するPI制御を行う。そして、周波数制御部62は実際の位相差が目標位相差に基づく位相差となるように周波数指令88を生成する。周波数制御部62で生成された周波数指令88は第1PWM波形生成部71、第2PWM波形生成部77及び第3PWM波形生成部117に送信される。第1PWM波形生成部71、第2PWM波形生成部77及び第3PWM波形生成部117はそれぞれ周波数指令88に基づく周波数の第1パルス信号91、第2パルス信号112及び第3パルス信号125を生成する。第1パルス信号91、第2パルス信号112及び第3パルス信号125はそれぞれ第1駆動回路72、第2駆動回路78及び第3駆動回路118に入力される。そして、上述のように、第3駆動回路118は振動体17に伸縮振動をさせる第2駆動信号50を生成する。第1駆動回路72及び第2駆動回路78は振動体17に屈曲振動をさせる第1駆動信号48及び第3駆動信号51を生成する。
振動体17は伸縮振動と屈曲振動とを組み合わせて、ローター2を移動させる。そして、第3駆動回路118は振動体17に伸縮振動させる第2駆動信号50を生成する。第1駆動回路72及び第2駆動回路78は振動体17に屈曲振動させる第1駆動信号48及び第3駆動信号51を生成する。従って、圧電モーター1の制御方法はローター2を確実に移動させることができる。
次に上述した圧電モーター1の制御方法について図17〜図19にて説明する。第1駆動信号生成部66、第2駆動信号生成部67及び第3駆動信号生成部115の制御方法は略同じである。従って、第1駆動信号生成部66の制御方法について説明し、第2駆動信号生成部67及び第3駆動信号生成部115の制御方法は省略する。
図17は、圧電モーターの制御方法のフローチャートであり、図18及び図19は圧電モーターの制御方法を説明するための図である。図17のフローチャートにおいて、ステップS1は電圧初期設定工程に相当する。この工程では第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧を第2供給電圧102に設定する工程である。第2供給電圧102は第1供給電圧101より大きい電圧であるため、ローター2を高速に回転させることができる。次にステップS2に移行する。
ステップS2は下限判定工程である。この工程は、第1電圧指令制御部73が第1目標デューティー比信号87をデューティー比下限判定値104と比較して判定する工程である。第1電圧供給部74から第1駆動回路72に供給される電圧が第1供給電圧101のとき、次にステップS3に移行する。第1電圧供給部74から第1駆動回路72に供給される電圧が第2供給電圧102であり、第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104以上のときにも、次にステップS3に移行する。第1電圧供給部74から第1駆動回路72に供給される電圧が第2供給電圧102であり、第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104より小さいときステップS5に移行する。
ステップS3は上限判定工程である。この工程は、第1電圧指令制御部73が第1目標デューティー比信号87をデューティー比上限判定値105と比較して判定する工程である。第1電圧供給部74から第1駆動回路72に供給される電圧が第2供給電圧102のとき、次にステップS4に移行する。第1電圧供給部74から第1駆動回路72に供給される電圧が第1供給電圧101であり、第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105以下のときにも、次にステップS4に移行する。第1電圧供給部74から第1駆動回路72に供給される電圧が第1供給電圧101であり、第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105より大きいときステップS6に移行する。
ステップS4は終了判定工程である。この工程は、圧電モーター1の回転を終了するか否かを判定する工程である。圧電モーター1の回転を終了しないとき、次にステップS2に移行する。圧電モーター1の回転を終了するとき、次にステップS7に移行する。
ステップS5は第1電圧設定工程である。この工程は、第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第2供給電圧102から第1供給電圧101に切り替える工程である。次にステップS4に移行する。
ステップS6は第2電圧設定工程である。この工程は、第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第1供給電圧101から第2供給電圧102に切り替える工程である。次にステップS4に移行する。
ステップS7は電圧供給停止工程である。この工程は、第1電圧供給部74が第1駆動回路72に電圧を供給することを停止する工程である。以上の工程により圧電モーター1の駆動を制御する工程を終了する。
次に、図18〜図19を用いて、図17に示したステップと対応させて、圧電モーター1の制御方法を詳細に説明する。図18はステップS2の下限判定工程及びステップS5の第1電圧設定工程に対応する図である。図18における縦軸及び横軸は図14と同じであり説明を省略する。
ステップS1の電圧初期設定工程において、第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧は第2供給電圧102になっている。このため、第1パルス信号91のデューティー比に対応して第1駆動信号48の電圧振幅は第3相関線107に沿って変化する。目標駆動信号86が小さくなるとき、第1駆動電圧制御部68は第1目標デューティー比信号87を小さくする。第1目標デューティー比信号87に対応して第1PWM波形生成部71は第1パルス信号91のデューティー比を小さくする。
図中第1点127において、第1パルス信号91のデューティー比が小さくなりデューティー比下限判定値104より小さくなるとき、ステップS2の下限判定工程では第1電圧指令制御部73が第1目標デューティー比信号87をデューティー比下限判定値104と比較して判定する。そして、第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104より小さいのでステップS5の第1電圧設定工程に移行する。
ステップS5では第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第1供給電圧101に切り替える。このため、第1駆動信号48の電圧振幅は第2相関線106に沿って変化する。第1パルス信号91のデューティー比は変化しないので、第1駆動信号48の電圧振幅が小さくなる。そして、図中の状態を示す点は第1点127から第2点128に移動する。
第1駆動信号48は第1フィードバック回路75により第1駆動電圧制御部68に伝達される。このとき、目標駆動信号86より第1駆動信号48の電圧振幅が小さいので、第1駆動電圧制御部68は第1目標デューティー比信号87を大きくする。第1目標デューティー比信号87を入力して第1PWM波形生成部71は第1パルス信号91のデューティー比を大きくする。第1パルス信号91のデューティー比が大きくなるので、第1駆動信号48の電圧振幅が大きくなる。従って、図中の状態を示す点は第2点128から第3点131に移動する。
第2点128から第3点131への移動は短時間に行われる。ローター2のイナーシャの影響によりローター2は急減速し難いので、ローター2が減速する前に第1駆動信号48の電圧振幅が大きくなる。従って、図中の状態を示す点が第1点127から第2点128を経て第3点131に移動するときのローター2の速度変化は小さい。そして、第1目標デューティー比信号87はデューティー比下限判定値104〜デューティー比上限判定値105の間になる。
上述のように、第1電圧供給部74は第1目標デューティー比信号87に応じて第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を切り替える。このとき、パルス信号がパルス波を維持するように第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値を切り替えることにより、ローター2の速度を安定して駆動することができる。従って、第1目標デューティー比信号87のデューティー比が小さいときにも安定してローター2を駆動することができる。
上述のように、第1電圧指令制御部73及び第1電圧供給部74は第1目標デューティー比信号87が示すデューティー比をデューティー比下限判定値104と比較して第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を切り替えている。電圧の電圧値を切り替えることにより、第1パルス信号91が三角波にならないように第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値を切り替えることができる。その結果、パルス信号がパルス波を維持するように第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値を切り替えることができる。
図19はステップS3の上限判定工程及びステップS6の第2電圧設定工程に対応する図である。図19における縦軸及び横軸は図14と同じであり説明を省略する。
第1電圧供給部74から第1駆動回路72に供給される電圧が第1供給電圧101になっているとする。このとき、第1パルス信号91のデューティー比に対応して第1駆動信号48の電圧振幅は第2相関線106に沿って変化する。目標駆動信号86が大きくなるとき、第1駆動電圧制御部68は第1目標デューティー比信号87を大きくする。第1目標デューティー比信号87に対応して第1PWM波形生成部71は第1パルス信号91のデューティー比を大きくする。
図中第4点132において、第1パルス信号91のデューティー比が大きくなりデューティー比上限判定値105より大きくなるとき、ステップS3の上限判定工程では第1電圧指令制御部73が第1目標デューティー比信号87をデューティー比上限判定値105と比較して判定する。そして、第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105より大きいのでステップS6の第2電圧設定工程に移行する。
ステップS6では第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第1供給電圧101から第2供給電圧102に切り替える。このため、第1駆動信号48の電圧振幅は第3相関線107に沿って変化する。第1パルス信号91のデューティー比は変化しないので、第1駆動信号48の電圧振幅が大きくなる。そして、図中の状態を示す点は第4点132から第5点133に移動する。
第1駆動信号48は第1フィードバック回路75により第1駆動電圧制御部68に伝達される。このとき、目標駆動信号86より第1駆動信号48が大きいので、第1駆動電圧制御部68は第1目標デューティー比信号87を小さくする。第1目標デューティー比信号87を入力して第1PWM波形生成部71は第1パルス信号91のデューティー比を小さくする。第1パルス信号91のデューティー比が小さくなるので、第1駆動信号48の電圧振幅が小さくなる。従って、図中の状態を示す点は第5点133から第6点134に移動する。
第5点133から第6点134への移動は短時間に行われる。ローター2のイナーシャの影響によりローター2は急加速し難いので、ローター2が加速する前に第1駆動信号48の電圧振幅が小さくなる。従って、図中の状態を示す点が第4点132から第5点133を経て第6点134に移動するときのローター2の速度変化は小さい。そして、第1目標デューティー比信号87はデューティー比下限判定値104〜デューティー比上限判定値105の間になる。
上述のように、第1電圧指令制御部73はデューティー比下限判定値104及びデューティー比下限判定値104より大きいデューティー比上限判定値105の2つの所定値としての判定値を用いている。第1駆動回路72はデューティー比下限判定値104より大きい第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104より小さくなるときに第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を切り替えている。そして、デューティー比上限判定値105より小さい第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105より大きくなるときに第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を切り替えている。
第1電圧指令制御部73及び第1電圧供給部74はデューティー比下限判定値104より大きい第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104より小さくなるときに第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を切り替える。このため、第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104より大きくなり、パルス信号はパルス波を維持できる。
デューティー比上限判定値105より小さい第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105より大きくなるときに第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を切り替えている。第1目標デューティー比信号87のデューティー比がデューティー比上限判定値105より大きいとき、第1目標デューティー比信号87のデューティー比が増加しても第1駆動信号48の電圧の振幅が増加し難くなる。このとき、第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧を高くすることにより、第1目標デューティー比信号87のデューティー比をデューティー比上限判定値105より小さくできる。その結果、デューティー比上限判定値105が示すデューティー比の変化に対して応答性良く第1駆動信号48の電圧の振幅を変化させることができる。
上述のように、第1電圧供給部74から第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値が切り替わるとき、第1駆動信号48が変化し、変化した第1駆動信号48の電圧振幅に対応して第1目標デューティー比信号87が変更される。詳しくは、第1電圧供給部74から第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値が切り替わって小さくなるとき、第1駆動信号48は電圧振幅が小さくなる。そして、第1駆動信号48の電圧振幅が小さくなるとき、第1目標デューティー比信号87に対応する駆動信号より第1駆動回路72が出力する第1駆動信号48が小さくなる。このとき、第1駆動回路72が出力する第1駆動信号48を大きくするために、第1目標デューティー比信号87が増加される。その結果、パルス信号としての第1パルス信号91をパルス波に維持することができる。
上述のように、圧電モーター1は、第1パルス信号91、第2パルス信号112及び第3パルス信号125がパルス波を維持するように第1駆動回路72、第2駆動回路78及び第3駆動回路118に供給される電圧の電圧値を切り替えることにより、ローター2の速度を安定して駆動することができる。その結果、第1目標デューティー比信号87、第2目標デューティー比信号111及び第3目標デューティー比信号124のデューティー比が小さいときにも安定してローター2を駆動することができる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態の制御方法によれば、電源部74aにより電圧値の異なる複数の電圧が用意される。そして、第1目標デューティー比信号87に応じて第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値が切り替えられる。第1駆動回路72は供給された電圧と第1パルス信号91とを用いて第1駆動信号48を生成する。第1駆動信号48が第1圧電素子23及び第5圧電素子27に印加されることにより、振動体17が振動する。振動体17が振動するとき、振動体17はローター2を押圧するのでローター2が移動する。
第1駆動信号48の電圧の振幅とローター2の移動速度とは正の相関がある。そして、第1駆動信号48の電圧振幅は第1駆動回路72に供給される電圧と正の相関がある。従って、第1駆動回路72に供給される電圧を大きくするとローター2の移動速度が速くなる。逆に、第1駆動回路72に供給される電圧を小さくするとローター2の移動速度が遅くなる。
また、第1パルス信号91のデューティー比と第1駆動信号48の電圧の振幅とは正の相関がある。従って、第1パルス信号91のデューティー比とローター2の移動速度には正の相関がある。第1パルス信号91のデューティー比を制御することにより、ローター2の移動速度を制御することができる。第1パルス信号91のデューティー比を大きくするとローター2の移動速度が速くなる。逆に、第1パルス信号91のデューティー比を小さくするとローター2の移動速度が遅くなる。
第1パルス信号91は配線を通って伝達される。この第1パルス信号91はパルス波である。この配線には、抵抗成分、容量成分、誘導成分が含まれる。このため、第1パルス信号91のパルス幅が狭くなるとき、パルス波の立ち上がりが上昇しきる前に下降するので配線を通過したパルス波が三角波になる。このとき、第1駆動回路72はパルス幅を狭く認識するので、第1目標デューティー比信号87に対応する移動速度より遅い速度になる。
ローター2を低速で移動したいとき第1パルス信号91が三角波になって遅くなるので、ローター2の速度は目標速度より遅くなる。ローター2の速度を速くするために目標速度を速くすると、第1目標デューティー比信号87が大きく設定されて第1パルス信号91がパルス波になる。このとき、ローター2の速度が速くなりすぎるので、ローター2の目標速度が減速される。目標速度の減速に伴って、第1目標デューティー比信号87が小さく設定される。このとき、第1パルス信号91が三角波とパルス波とに交互に切り替わるため、ローター2の速度が不安定になる。本制御方法では第1目標デューティー比信号87に応じて第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値を切り替えている。このとき、第1パルス信号91がパルス波を維持するように第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値を切り替えることにより、ローター2の速度を安定して駆動することができる。従って、第1目標デューティー比信号87のデューティー比が小さいときにも安定してローター2を駆動することができる。尚、本効果は第1駆動信号生成部66について述べたが、第2駆動信号生成部67及び第3駆動信号生成部115についても同様の効果が得られる。
(2)本実施形態の制御方法によれば、第1電圧指令制御部73は第1目標デューティー比信号87が示すデューティー比をデューティー比下限判定値104と比較する。そして、比較した結果に基づいて第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値を切り替えている。デューティー比が小さくなるとき第1パルス信号91が三角波になる。デューティー比下限判定値104を第1パルス信号91が三角波になるときのデューティー比より少し大きな値に設定することにより、第1パルス信号91がパルス波になるか三角波になるかを判定できる。そして、第1パルス信号91が三角波にならないように第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値を切り替えることができる。その結果、第1パルス信号91がパルス波を維持するように第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値を切り替えることができる。尚、本効果は第1駆動信号生成部66について述べたが、第2駆動信号生成部67及び第3駆動信号生成部115についても同様の効果が得られる。
(3)本実施形態の制御方法によれば、判定値はデューティー比下限判定値104とデューティー比下限判定値104より大きいデューティー比上限判定値105とを有している。そして、デューティー比下限判定値104より大きい第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104より小さくなるときに第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を切り替える。このため、第1パルス信号91はパルス波を維持できる。
デューティー比上限判定値105より小さい第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105より大きくなるときに第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を切り替える。第1パルス信号91のデューティー比と第1駆動信号48の電圧の振幅とは正の相関がある。しかし、第1パルス信号91のデューティー比がデューティー比上限判定値105より大きいとき、第1パルス信号91のデューティー比が増加しても第1駆動信号48の電圧の振幅が増加し難くなる。このとき、第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧を高くすることにより、第1パルス信号91のデューティー比をデューティー比上限判定値105より小さくできる。その結果、第1目標デューティー比信号87が示すデューティー比の変化に対して応答性良く第1駆動信号48の電圧の振幅を変化させることができる。尚、本効果は第1駆動信号生成部66について述べたが、第2駆動信号生成部67及び第3駆動信号生成部115についても同様の効果が得られる。
(4)本実施形態の制御方法によれば、振動体17はローター2に当接する凸部22を有している。振動体17が振動するとき、この凸部22がローター2を押圧する。振動体17から凸部22が突出する方向が第1方向19である。第1方向19と直交する方向が第2方向20である。振動体17は第1方向19に伸縮する伸縮振動を行う。さらに、振動体17は第2方向20に屈曲する屈曲振動を行う。振動体17は伸縮振動と屈曲振動とを組み合わせて、ローター2を移動させる。そして、電圧制御部57は振動体17に伸縮振動させる第2駆動信号50と、振動体17に屈曲振動させる第1駆動信号48及び第3駆動信号51と、を生成する。従って、本制御方法はローター2を確実に移動させることができる。
(5)本実施形態の制御方法によれば、第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値が切り替わるとき第1駆動信号48が変化する。そして、変化した第1駆動信号48に対応して第1目標デューティー比信号87が切り替えられる。詳しくは、第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値が切り替わって小さくなるとき、第1駆動信号48は電圧の振幅が小さくなる。そして、第1駆動信号48の電圧振幅が小さくなるとき、第1目標デューティー比信号87に対応する駆動信号より第1駆動回路72が出力する第1駆動信号48が小さくなる。このとき、第1駆動回路72が出力する第1駆動信号48を大きくするために、第1目標デューティー比信号87が増加される。その結果、第1パルス信号91をパルス波に維持することができる。
(6)本実施形態の構成によれば、圧電モーター1は振動体17、ローター2及び電圧制御部57を備えている。振動体17は第1圧電素子23〜第5圧電素子27を備え、第1圧電素子23〜第5圧電素子27に第1駆動信号48、第2駆動信号50及び第3駆動信号51を印加することにより振動する。ローター2は振動体17の振動により移動する。電圧制御部57は第1圧電素子23〜第5圧電素子27に第1駆動信号48、第2駆動信号50及び第3駆動信号51を印加する。
電圧制御部57は第1駆動電圧制御部68、第1PWM波形生成部71、第1駆動回路72、電源部74a、第1電圧指令制御部73、電圧切替部74b及び第1フィードバック回路75を備えている。第1駆動電圧制御部68は目標駆動信号86を入力し、目標駆動信号86に基づいて第1目標デューティー比信号87を生成する。第1PWM波形生成部71は第1目標デューティー比信号87を入力し、第1目標デューティー比信号87が示す目標デューティー比のパルス信号である第1パルス信号91を生成する。第1駆動回路72は第1パルス信号91を入力し、第1パルス信号91に基づいて第1駆動信号48を生成する。そして、第1駆動回路72は第1駆動信号48を第1圧電素子23及び第5圧電素子27に出力する。
電源部74aは電圧値の異なる複数の電圧を電圧切替部74bに供給する。第1電圧指令制御部73は第1目標デューティー比信号87を入力する。そして、第1電圧指令制御部73は第1目標デューティー比信号87をデューティー比下限判定値104と比較し、比較した結果を電圧切替部74bに出力する。電圧切替部74bは第1目標デューティー比信号87とデューティー比下限判定値104とを比較した結果と複数の電圧を入力する。そして、電圧切替部74bは第1目標デューティー比信号87とデューティー比下限判定値104とを比較した結果に基づき第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を切り替える。
従って、第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値が第1目標デューティー比信号87に応じて電圧切替部74bにより切り替えられる。第1駆動回路72は供給された電圧と第1パルス信号91とを用いて第1駆動信号48を生成する。第1駆動信号48が第1圧電素子23及び第5圧電素子27に印加されることにより、振動体17が振動する。振動体17が振動するとき、振動体17はローター2を押圧するのでローター2が移動する。
第1駆動信号48の電圧の振幅とローター2の移動速度とは正の相関がある。そして、第1駆動信号48の電圧は第1駆動回路72に供給される電圧と正の相関がある。従って、第1駆動回路72に供給される電圧を大きくするとローター2の移動速度が速くなる。逆に、第1駆動回路72に供給される電圧を小さくするとローター2の移動速度が遅くなる。
また、第1パルス信号91のデューティー比と第1駆動信号48の電圧の振幅とは正の相関がある。従って、第1パルス信号91のデューティー比とローター2の移動速度には正の相関がある。従って、第1パルス信号91のデューティー比を制御することにより、ローター2の移動速度を制御することができる。第1パルス信号91のデューティー比を大きくするとローター2の移動速度が速くなる。逆に、第1パルス信号91のデューティー比を小さくするとローター2の移動速度が遅くなる。
第1パルス信号91は配線を通って伝達される。この第1パルス信号91はパルス波である。この配線には、抵抗成分、容量成分、誘導成分が含まれる。このため、第1パルス信号91のパルス幅が狭くなるとき、パルス波の立ち上がりが上昇しきる前に下降するので配線を通過したパルス波が三角波になる。このとき、第1駆動回路72はパルス幅を狭く認識するので、第1駆動回路72が出力する第1駆動信号48の電圧の振幅は第1目標デューティー比信号87に対応する駆動信号より電圧の振幅が小さくなる。
このため、ローター2を低速で移動したいときパルス信号が三角波になって遅くなるので、ローター2の移動速度が目標とする移動速度より遅い速度になる。ローター2の速度を速くするために目標速度を速くすると、第1目標デューティー比信号87が大きく設定されてパルス信号がパルス波になる。このとき、ローター2の速度が速くなりすぎるので、ローター2の目標速度が減速される。目標速度の減速に伴って、第1目標デューティー比信号87が小さく設定される。このとき、第1パルス信号91が三角波とパルス波とに交互に切り替わるため、ローター2の速度が不安定になる。
圧電モーター1では第1目標デューティー比信号87に応じて第1電圧供給部74が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を切り替えている。このとき、第1駆動回路72が出力する第1駆動信号48を第1フィードバック回路75が第1駆動電圧制御部68に入力する。第1駆動電圧制御部68は第1駆動信号48の電圧振幅を大きくするために第1目標デューティー比信号87が示すデューティー比を高くする。そして、第1駆動回路72に入力される第1パルス信号91はパルス波が維持される。従って、第1パルス信号91がパルス波を維持するように第1駆動回路72に供給される電圧の電圧値を切り替えることにより、ローター2の速度を安定して駆動することができる。その結果、第1目標デューティー比信号87のデューティー比が小さいときにも安定してローター2を駆動することができる。尚、本効果は第1駆動信号生成部66について述べたが、第2駆動信号生成部67及び第3駆動信号生成部115についても同様の効果が得られる。
(第2の実施形態)
次に、圧電モーターの一実施形態について図20〜図24を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、図12に示した電源部74aが3つの電圧を供給する点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図20は第1駆動回路を示す回路図である。すなわち、本実施形態では、図20に示すように圧電駆動装置としての圧電モーター140は制御装置141を有している。そして、制御装置141は第1の実施形態の第1電圧供給部74に換えて第1電圧供給部142を有する。
第1電圧供給部142は、電源部142a及び電圧切替部142bを備える。電源部142aは固定電圧である第3供給電圧143、第4供給電圧144及び第5供給電圧145を供給する。つまり、第1電圧供給部142の電源部142aは電圧値の異なる3つの電圧を備えて供給する。第4供給電圧144は第3供給電圧143より高い電圧とする。第5供給電圧145は第4供給電圧144より高い電圧とする。
電圧切替部142bは3つの電圧を入力し第1電圧指令制御部73が比較した結果に基づき第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を切り替える。電圧切替部142bは第3供給電圧143、第4供給電圧144及び第5供給電圧145のうち1つの電圧を第1駆動回路72に供給する。このように、第1駆動回路72には電圧値の異なる3つの電圧が供給可能である。
詳しくは、第1電圧供給部142が第1駆動回路72に第5供給電圧145を供給しているとする。そして、第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104より小さくなるときに電圧切替部142bは第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第5供給電圧145から第4供給電圧144に切り替える。
第1電圧供給部142が第1駆動回路72に第4供給電圧144を供給しているとする。そして、第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104より小さくなるときに電圧切替部142bは第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第4供給電圧144から第3供給電圧143に切り替える。
第1電圧供給部142が第1駆動回路72に第3供給電圧143を供給しているとする。そして、第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105より大きくなるときに電圧切替部142bは第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第3供給電圧143から第4供給電圧144に切り替える。
第4供給電圧144を供給しているとする。そして、第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105より大きくなるときに電圧切替部142bは第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第4供給電圧144から第5供給電圧145に切り替える。
図21は3つの供給電圧における第1パルス信号のデューティー比と第1駆動信号の電圧振幅との関係を示す図である。図21において、縦軸と横軸は図14と同じある。デューティー比が10%のところにデューティー比下限判定値104が設定されている。デューティー比が40%のところにデューティー比上限判定値105が設定されている。
第5相関線146は第3供給電圧143における第1パルス信号91のデューティー比と第1駆動信号48の電圧振幅との関係を示している。第6相関線147は第4供給電圧144における第1パルス信号91のデューティー比と第1駆動信号48の電圧振幅との関係を示している。第7相関線148は第5供給電圧145における第1パルス信号91のデューティー比と第1駆動信号48の電圧振幅との関係を示している。第6相関線147は第5相関線146より第1駆動信号48の電圧振幅が大きくなっている。第7相関線148は第6相関線147より第1駆動信号48の電圧振幅が大きくなっている。
第1電圧供給部142から第1駆動回路72に第3供給電圧143が供給されているとき、デューティー比に対する電圧振幅は第5相関線146に沿って推移する。第1電圧供給部142から第1駆動回路72に第4供給電圧144が供給されているとき、デューティー比に対する電圧振幅は第6相関線147に沿って推移する。第1電圧供給部142から第1駆動回路72に第5供給電圧145が供給されているとき、デューティー比に対する電圧振幅は第7相関線148に沿って推移する。
図22は、圧電モーターの制御方法のフローチャートであり、図23及び図24は圧電モーターの制御方法を説明するための図である。図22のフローチャートにおいて、ステップS11は電圧初期設定工程に相当する。この工程では第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧を第3供給電圧143、第4供給電圧144または第5供給電圧145のどれかに設定する工程である。次にステップS12に移行する。
ステップS12は下限判定工程である。この工程は、第1電圧指令制御部73が第1目標デューティー比信号87をデューティー比下限判定値104と比較して判定する工程である。第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧が第3供給電圧143のとき、次にステップS13に移行する。第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧が第4供給電圧144または第5供給電圧145であり、第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104以上のとき次にステップS13に移行する。第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧が第4供給電圧144または第5供給電圧145であり、第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104より小さいときステップS15に移行する。
ステップS13は上限判定工程である。この工程は、第1電圧指令制御部73が第1目標デューティー比信号87をデューティー比上限判定値105と比較して判定する工程である。第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧が第5供給電圧145のとき、次にステップS14に移行する。第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧が第3供給電圧143または第4供給電圧144であり、第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105以下のとき次にステップS14に移行する。第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧が第3供給電圧143または第4供給電圧144であり、第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105より大きいときステップS16に移行する。
ステップS14は終了判定工程である。この工程は、圧電モーター140の回転を終了するか否かを判定する工程である。圧電モーター140の回転を終了しないとき、次にステップS12に移行する。圧電モーター140の回転を終了するとき、次にステップS17に移行する。
ステップS15は第1電圧判定工程である。この工程は、第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧が第4供給電圧144か第5供給電圧145かを判定する工程である。第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧が第4供給電圧144のときステップS18に移行する。第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧が第5供給電圧145のときステップS19に移行する。
ステップS16は第2電圧判定工程である。この工程は、第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧が第3供給電圧143か第4供給電圧144かを判定する工程である。第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧が第3供給電圧143のときステップS19に移行する。第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧が第4供給電圧144のときステップS20に移行する。
ステップS18は第3電圧設定工程である。この工程は、第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第3供給電圧143に切り替える工程である。次にステップS14に移行する。
ステップS19は第4電圧設定工程である。この工程は、第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第4供給電圧144に切り替える工程である。次にステップS14に移行する。
ステップS20は第5電圧設定工程である。この工程は、第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第5供給電圧145に切り替える工程である。次にステップS14に移行する。
ステップS17は電圧供給停止工程である。この工程は、第1電圧供給部142が第1駆動回路72に電圧を供給することを停止する工程である。以上の工程により圧電モーター140の駆動を制御する工程を終了する。
次に、図23〜図24を用いて、図22に示したステップと対応させて、圧電モーター140の制御方法を詳細に説明する。図23はステップS12の下限判定工程、ステップS15の第1電圧判定工程、ステップS18の第3電圧設定工程及びステップS19の第4電圧設定工程に対応する図である。図23における縦軸及び横軸は図14と同じであり説明を省略する。
ステップS11の電圧初期設定工程において、第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧を第5供給電圧145にする。このため、第1パルス信号91のデューティー比に対応して第1駆動信号48の電圧振幅は第7相関線148に沿って変化する。目標駆動信号86が小さくなるとき、第1駆動電圧制御部68は第1目標デューティー比信号87を小さくする。第1目標デューティー比信号87に対応して第1PWM波形生成部71は第1パルス信号91のデューティー比を小さくする。
図中第1点151において、第1目標デューティー比信号87のデューティー比が小さくなりデューティー比下限判定値104より小さくなるとき、ステップS12の下限判定工程では第1電圧指令制御部73が第1目標デューティー比信号87をデューティー比下限判定値104と比較して判定する。そして、第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104より小さいのでステップS15の第1電圧判定工程に移行する。
ステップS15では第1電圧指令制御部73が第1駆動回路72に供給されている電圧を判定する。そして、第1駆動回路72に供給されている電圧が第5供給電圧145なのでステップS19の第4電圧設定工程に移行する。
ステップS19では第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第4供給電圧144に切り替える。このため、第1駆動信号48の電圧振幅は第6相関線147に沿って変化する。第1パルス信号91のデューティー比は変化しないので、第1駆動信号48の電圧振幅が小さくなる。そして、図中の状態を示す点は第1点151から第2点152に移動する。
第1駆動信号48は第1フィードバック回路75により第1駆動電圧制御部68に伝達される。このとき、目標駆動信号86より第1駆動信号48が小さいので、第1駆動電圧制御部68は第1目標デューティー比信号87を大きくする。第1目標デューティー比信号87を入力して第1PWM波形生成部71は第1パルス信号91のデューティー比を大きくする。第1パルス信号91のデューティー比が大きくなるので、第1駆動信号48の電圧振幅が大きくなる。従って、図中の状態を示す点は第2点152から第3点153に移動する。
第2点152から第3点153への移動は短時間に行われる。従って、図中の状態を示す点が第1点151から第2点152を経て第3点153に移動するときのローター2の速度変化は小さい。
第1パルス信号91のデューティー比に対応して第1駆動信号48の電圧振幅は第6相関線147に沿って変化する。目標駆動信号86が小さくなるとき、第1駆動電圧制御部68は第1目標デューティー比信号87を小さくする。第1目標デューティー比信号87に対応して第1PWM波形生成部71は第1パルス信号91のデューティー比を小さくする。
図中第2点152において、第1パルス信号91のデューティー比が小さくなりデューティー比下限判定値104より小さくなるとき、ステップS12の下限判定工程では第1電圧指令制御部73が第1目標デューティー比信号87のデューティー比をデューティー比下限判定値104と比較して判定する。そして、第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104より小さいのでステップS15の第1電圧判定工程に移行する。
ステップS15では第1電圧指令制御部73が第1駆動回路72に供給されている電圧を判定する。そして、第1駆動回路72に供給されている電圧が第4供給電圧144なのでステップS18の第3電圧設定工程に移行する。
ステップS18では第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第3供給電圧143に切り替える。このため、第1駆動信号48の電圧振幅は第5相関線146に沿って変化するので、第1駆動信号48の電圧振幅が小さくなる。そして、図中の状態を示す点は第2点152から第4点154に移動する。
第1駆動信号48は第1フィードバック回路75により第1駆動電圧制御部68に伝達される。このとき、目標駆動信号86より第1駆動信号48が小さいので、第1駆動電圧制御部68は第1目標デューティー比信号87を大きくする。第1目標デューティー比信号87を入力して第1PWM波形生成部71は第1パルス信号91のデューティー比を大きくする。第1パルス信号91のデューティー比が大きくなるので、第1駆動信号48の電圧振幅が大きくなる。従って、図中の状態を示す点は第4点154から第5点155に移動する。
第4点154から第5点155への移動は短時間に行われる。従って、図中の状態を示す点が第2点152から第4点154を経て第5点155に移動するときのローター2の速度変化は小さい。そして、第1目標デューティー比信号87はデューティー比下限判定値104〜デューティー比上限判定値105の間になる。
図24はステップS13の上限判定工程、ステップS16の第2電圧判定工程、ステップS19の第4電圧設定工程及びステップS20の第5電圧設定工程に対応する図である。図24における縦軸及び横軸は図14と同じであり説明を省略する。
ステップS11の電圧初期設定工程において、第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧を第3供給電圧143にする。このため、第1パルス信号91のデューティー比に対応して第1駆動信号48の電圧振幅は第5相関線146に沿って変化する。目標駆動信号86が大きくなるとき、第1駆動電圧制御部68は第1目標デューティー比信号87を大きくする。第1目標デューティー比信号87に対応して第1PWM波形生成部71は第1パルス信号91のデューティー比を大きくする。
図中第6点156において、第1パルス信号91のデューティー比が大きくなりデューティー比上限判定値105より大きくなるとき、ステップS13の上限判定工程では第1電圧指令制御部73が第1目標デューティー比信号87のデューティー比をデューティー比上限判定値105と比較して判定する。そして、第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105より大きいのでステップS16の第2電圧判定工程に移行する。
ステップS16では第1電圧指令制御部73が第1駆動回路72に供給されている電圧を判定する。そして、第1駆動回路72に供給されている電圧が第3供給電圧143なのでステップS19の第4電圧設定工程に移行する。
ステップS19では第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第4供給電圧144に切り替える。このため、第1駆動信号48の電圧振幅は第6相関線147に沿って変化する。第1パルス信号91のデューティー比は変化しないので、第1駆動信号48の電圧振幅が大きくなる。そして、図中の状態を示す点は第6点156から第7点157に移動する。
第1駆動信号48は第1フィードバック回路75により第1駆動電圧制御部68に伝達される。このとき、目標駆動信号86より第1駆動信号48が大きいので、第1駆動電圧制御部68は第1目標デューティー比信号87を小さくする。第1目標デューティー比信号87を入力して第1PWM波形生成部71は第1パルス信号91のデューティー比を小さくする。第1パルス信号91のデューティー比が小さくなるので、第1駆動信号48の電圧振幅が小さくなる。従って、図中の状態を示す点は第7点157から第8点158に移動する。
第7点157から第8点158への移動は短時間に行われる。従って、図中の状態を示す点が第6点156から第7点157を経て第8点158に移動するときのローター2の速度変化は小さい。
第1パルス信号91のデューティー比に対応して第1駆動信号48の電圧振幅は第6相関線147に沿って変化する。目標駆動信号86が大きくなるとき、第1駆動電圧制御部68は第1目標デューティー比信号87を大きくする。第1目標デューティー比信号87に対応して第1PWM波形生成部71は第1パルス信号91のデューティー比を大きくする。これにより、図中の状態を示す点が第8点158から第7点157に移動する。
図中第7点157において、第1目標デューティー比信号87のデューティー比が大きくなりデューティー比上限判定値105より大きくなるとき、ステップS13の上限判定工程では第1電圧指令制御部73が第1目標デューティー比信号87のデューティー比をデューティー比上限判定値105と比較して判定する。そして、第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105より大きいのでステップS16の第2電圧判定工程に移行する。
ステップS16の第2電圧判定工程では第1電圧指令制御部73が第1駆動回路72に供給されている電圧を判定する。そして、第1駆動回路72に供給されている電圧が第4供給電圧144なのでステップS20の第5電圧設定工程に移行する。
ステップS20では第1電圧供給部142が第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を第5供給電圧145に切り替える。このため、第1駆動信号48の電圧振幅は第7相関線148に沿って変化する。第1パルス信号91のデューティー比は変化しないので、第1駆動信号48の電圧振幅が大きくなる。そして、図中の状態を示す点は第7点157から第9点161に移動する。
第1駆動信号48は第1フィードバック回路75により第1駆動電圧制御部68に伝達される。このとき、目標駆動信号86より第1駆動信号48が大きいので、第1駆動電圧制御部68は第1目標デューティー比信号87を小さくする。第1目標デューティー比信号87を入力して第1PWM波形生成部71は第1パルス信号91のデューティー比を小さくする。第1パルス信号91のデューティー比が小さくなるので、第1駆動信号48の電圧振幅が小さくなる。従って、図中の状態を示す点は第9点161から第10点162に移動する。
第9点161から第10点162への移動は短時間に行われる。従って、図中の状態を示す点が第7点157から第9点161を経て第10点162に移動するときのローター2の速度変化は小さい。そして、第1目標デューティー比信号87はデューティー比下限判定値104〜デューティー比上限判定値105の間になる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態の制御方法によれば、第1駆動回路72には電圧値の異なる3つの電圧が供給可能である。3つの電圧は電圧値が低い方から順に第3供給電圧143、第4供給電圧144、第5供給電圧145である。第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104より小さいとき、第1電圧指令制御部73は第1駆動回路72に供給される電圧を第3供給電圧143または第4供給電圧144にする。第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104とデューティー比上限判定値105との間にあるとき、供給される電圧を維持する。第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105より大きいとき、第1電圧指令制御部73は第1駆動回路72に供給される電圧を第4供給電圧144または第5供給電圧145にする。このように、第1目標デューティー比信号87が示すデューティー比に対応して電圧値を3つの電圧値の中で切り替えるので、電圧値を2つの電圧値の中で切り替えるときに比べて、安定してローター2を駆動できるデューティー比の範囲を広くできる。
(2)本実施形態の装置構成によれば、第1電圧供給部142は電圧値の異なる3つの電圧を供給する。3つの電圧は電圧値が低い方から順に第3供給電圧143、第4供給電圧144、第5供給電圧145である。そして、電圧切替部142bは3つの電圧の中の1つの電圧を第1駆動回路72に供給する。第1電圧指令制御部73及び電圧切替部142bは第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104より小さいとき、第1駆動回路72に供給する電圧を第3供給電圧143または第4供給電圧144にする。第1電圧指令制御部73及び電圧切替部142bは第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104とデューティー比上限判定値105の間にあるとき、供給される電圧を維持する。第1電圧指令制御部73は第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105より大きいとき、供給される電圧を第4供給電圧144または第5供給電圧145にする。このように、第1目標デューティー比信号87が示すデューティー比に対応して電圧の電圧値を3つの電圧値の中で切り替えるので、電圧値を2つの電圧値の中で切り替えるときに比べて、安定してローター2を駆動できるデューティー比の範囲を広くできる。
(第3の実施形態)
次に、圧電モーター1または圧電モーター140が設置されたロボットの実施形態について図25を用いて説明する。図25は、圧電モーターが設置されたロボットの構成を示す概略斜視図である。
図25に示すロボット171は、精密機器やこれを構成する部品の給材、除材、搬送及び組立等の作業を行うことができる。ロボット171は、6軸ロボットであり、床や天井に固定されるベース172と、ベース172に回動自在に連結された第1アーム173と、第1アーム173に回動自在に連結された第2アーム174と、第2アーム174に回動自在に連結された第3アーム175と、を有する。さらに、ロボット171は、第3アーム175に回動自在に連結された第4アーム176と、第4アーム176に回動自在に連結された第5アーム177と、第5アーム177に回動自在に連結された第6アーム178と、これら第1アーム173〜第6アーム178の駆動を制御する制御装置181と、を有する。
また、第6アーム178にはハンド接続部が設けられており、ハンド接続部にはロボット171に実行させる作業に応じたエンドエフェクター182が装着される。また、各関節部のうちの全部または一部には圧電駆動装置としての圧電モーター180が搭載されており、この圧電モーター180の駆動によって各第1アーム173〜第6アーム178が回動する。尚、圧電モーター180は、エンドエフェクター182に搭載され、エンドエフェクター182の駆動に用いられてもよい。圧電モーター180には圧電モーター1または圧電モーター140が用いられている。
制御装置181は、コンピューターで構成され、例えば、CPU(Central Processing Unit)、メモリー、インターフェイス等を有する。そして、プロセッサーが、メモリーに格納されている所定のプログラムを実行することで、ロボット171の各部の駆動を制御する。尚、前記プログラムは、インターフェイスを介して外部のサーバーからダウンロードしてもよい。また、制御装置181の構成の全部または一部は、ロボット171の外部に設けられ、ローカルエリアネットワーク等の通信網を介して接続された構成となっていてもよい。
このように、ロボット171は、前述した圧電モーター1または圧電モーター140を有する。そして、制御装置181には第1の実施形態における制御装置8または第2の実施形態における制御装置141と同様の機能を有する。ロボット171が圧電モーター1を有するとき、制御装置181は制御装置8と同様の機能を有する。ロボット171が圧電モーター140を有するとき、制御装置181は制御装置141と同様の機能を有する。
すなわち、ロボット171は駆動用圧電素子である第1圧電素子23〜第5圧電素子27を有する。さらに、ロボット171は第1圧電素子23〜第5圧電素子27に第1駆動信号48〜第3駆動信号51を印加することにより振動する振動体17を有する。さらに、ロボット171は振動体17の振動により移動する被駆動部としてのローター2を有する。そして、制御装置181には第1圧電素子23〜第5圧電素子27に第1駆動信号48〜第3駆動信号51を印加する電圧制御部57を有する。
電圧制御部57の第1駆動信号生成部66は、入力される指令である第1目標デューティー比信号87に含まれる目標デューティー比に基づいて第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を切り替える。第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104より小さいとき第1駆動回路72に供給する電圧を小さくする。第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105より大きいとき第1駆動回路72に供給する電圧を大きくする。尚、第2駆動信号生成部67及び第3駆動信号生成部115は第1駆動信号生成部66と同様の機能を有する。
そのためロボット171は、目標デューティー比信号のデューティー比が小さいときにも安定してローター2を駆動することができる。従って、ロボット171が備える圧電モーター1または圧電モーター140は回転速度が小さいときにも安定して回転することができる。その結果、ロボット171は回転速度が小さいときにも安定して回転することができる圧電モーター1または圧電モーター140を備え、優れた駆動特性を有する。
(第4の実施形態)
次に、圧電モーター1または圧電モーター140が設置されたプリンターの実施形態について図26を用いて説明する。図26は、圧電モーターが設置されたプリンターの構成を示す概略斜視図である。
図26に示すプリンター191は、装置本体192と、装置本体192の内部に設けられている印刷機構193、給紙機構194及び制御装置195と、を備えている。また、装置本体192には、記録用紙196を設置するトレイ197と、記録用紙196を排出する排紙口198と、液晶ディスプレイ等の操作パネル201とが設けられている。
印刷機構193は、ヘッドユニット202と、キャリッジモーター203と、キャリッジモーター203の駆動力によりヘッドユニット202を往復動させる往復動機構204と、を備えている。また、ヘッドユニット202は、インクジェット式記録ヘッドであるヘッド202aと、ヘッド202aにインクを供給するインクカートリッジ202bと、ヘッド202a及びインクカートリッジ202bを搭載したキャリッジ202cと、を有する。
往復動機構204は、キャリッジ202cを往復移動可能に支持しているキャリッジガイド軸204aと、キャリッジモーター203の駆動力によりキャリッジ202cをキャリッジガイド軸204a上で移動させるタイミングベルト204bと、を有する。また、給紙機構194は、互いに圧接している従動ローラー205及び駆動ローラー206と、駆動ローラー206を駆動する圧電駆動装置としての圧電モーター207と、を有する。圧電モーター207には圧電モーター1または圧電モーター140が用いられている。
このようなプリンター191では、給紙機構194が記録用紙196を一枚ずつヘッドユニット202の下部近傍へ間欠送りする。このとき、ヘッドユニット202が記録用紙196の送り方向とほぼ直交する方向に往復移動して、記録用紙196への印刷が行なわれる。
制御装置195は、コンピューターで構成され、例えば、CPU、メモリー、インターフェイス等を有する。そして、プロセッサーが、メモリーに格納されている所定のプログラムを実行することで、プリンター191の各部の駆動を制御する。このような制御は、例えば、インターフェイスを介してパーソナルコンピューター等のホストコンピューターから入力された印刷データに基づいて実行される。尚、前記プログラムは、インターフェイスを介して外部のサーバーからダウンロードしてもよい。また、制御装置195の構成の全部または一部は、プリンター191の外部に設けられ、ローカルエリアネットワーク等の通信網を介して接続された構成となっていてもよい。
このように、プリンター191は、圧電モーター207に前述した圧電モーター1または圧電モーター140を有する。そして、制御装置195は第1の実施形態における制御装置8または第2の実施形態における制御装置141と同様の機能を有する。プリンター191が圧電モーター1を有するとき、制御装置195は制御装置8と同様の機能を有する。プリンター191が圧電モーター140を有するとき、制御装置195は制御装置141と同様の機能を有する。
すなわち、プリンター191は圧電モーター207に駆動用圧電素子である第1圧電素子23〜第5圧電素子27を有する。さらに、プリンター191は第1圧電素子23〜第5圧電素子27に第1駆動信号48〜第3駆動信号51を印加することにより振動する振動体17を有する。さらに、プリンター191は振動体17の振動により移動するローター2を有する。そして、制御装置195は第1圧電素子23〜第5圧電素子27に第1駆動信号48〜第3駆動信号51を印加する電圧制御部57を有する。
電圧制御部57の第1駆動信号生成部66は、入力される指令である第1目標デューティー比信号87に含まれる目標デューティー比に基づいて第1駆動回路72に供給する電圧の電圧値を切り替える。第1目標デューティー比信号87がデューティー比下限判定値104より小さいとき第1駆動回路72に供給する電圧を小さくする。第1目標デューティー比信号87がデューティー比上限判定値105より大きいとき第1駆動回路72に供給する電圧を大きくする。尚、第2駆動信号生成部67及び第3駆動信号生成部115は第1駆動信号生成部66と同様の機能を有する。
そのためプリンター191は、目標デューティー比信号のデューティー比が小さいときにも安定してローター2を駆動することができる。従って、プリンター191が備える圧電モーター207は回転速度が小さいときにも安定して回転することができる。その結果、プリンター191は回転速度が小さいときにも安定して回転することができる圧電モーター207を備える。そのため、プリンター191は優れた駆動特性を有する。
尚、本実施形態では、圧電モーター207が給紙用の駆動ローラー206を駆動しているが、この他にも、例えば、キャリッジ202cを駆動してもよい。
以上、圧電駆動装置の制御方法、圧電駆動装置、ロボット及びプリンターを図示の実施形態に基づいて説明した。圧電駆動装置の制御方法、圧電駆動装置は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、第1電圧供給部74が第1駆動回路72に2つの電圧の電圧値を切り替えて供給した。前記第2の実施形態では、第1電圧供給部142が第1駆動回路72に3つの電圧の電圧値を切り替えて供給した。他にも、電圧供給部が第1駆動回路72に3つ以上の電圧の電圧値を切り替えて供給しても良い。さらに、広い電圧範囲で振動体17を駆動することができる。
以下に、実施形態から導きだされる内容を記載する。
圧電駆動装置の制御方法は、駆動用圧電素子に駆動信号を印加することにより振動する振動体と、前記振動体の振動により移動する被駆動部と、目標デューティー比信号に基づいて生成されるパルス信号を用いて前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、を有する圧電駆動装置の制御方法であって、前記目標デューティー比信号に応じて前記駆動信号生成部に供給する電圧値を切り替えることを特徴とする。
この方法によれば、電圧値の異なる複数の電圧が用意される。そして、目標デューティー比信号に応じて駆動信号生成部に供給される電圧の電圧値を切り替える。駆動信号生成部は供給された電圧とパルス信号とを用いて駆動信号を生成する。駆動信号が駆動用圧電素子に印加されることにより、振動体が振動する。振動体が振動するとき、振動体は被駆動部を押圧するので被駆動部が移動する。
駆動信号の電圧の振幅と被駆動部の移動速度とは正の相関がある。そして、駆動信号の電圧は駆動信号生成部に供給される電圧と正の相関がある。従って、駆動信号生成部に供給される電圧を大きくすると被駆動部の移動速度が速くなる。逆に、駆動信号生成部に供給される電圧を小さくすると被駆動部の移動速度が遅くなる。
また、パルス信号のデューティー比と駆動信号の電圧の振幅とは正の相関がある。従って、パルス信号のデューティー比と被駆動部の移動速度には正の相関がある。パルス信号のデューティー比を制御することにより、被駆動部の移動速度を制御することができる。パルス信号のデューティー比を大きくすると被駆動部の移動速度が速くなる。逆に、パルス信号のデューティー比を小さくすると被駆動部の移動速度が遅くなる。
パルス信号は配線を通って伝達される。このパルス信号はパルス波である。この配線には、抵抗成分、容量成分、誘導成分が含まれる。このため、パルス信号のパルス幅が狭くなるとき、パルス波の立ち上がりが上昇しきる前に下降するので配線を通過したパルス波が三角波になる。このとき、駆動信号生成部はパルス幅を狭く認識するので、目標デューティー比信号に対応する移動速度より遅い速度になる。
被駆動部を低速で移動したいときパルス信号が三角波になって遅くなるので、被駆動部の速度は目標速度より遅くなる。被駆動部の速度を速くするために目標速度を速くすると、目標デューティー比信号が大きく設定されてパルス信号がパルス波になる。このとき、被駆動部の速度が速くなりすぎるので、被駆動部の目標速度が減速される。目標速度の減速に伴って、目標デューティー比信号が小さく設定される。このとき、パルス信号が三角波とパルス波とに交互に切り替わるため、被駆動部の速度が不安定になる。本制御方法では目標デューティー比信号に応じて供給される電圧の電圧値を切り替えている。このとき、パルス信号がパルス波を維持するように駆動信号生成部に供給される電圧の電圧値を切り替えることにより、被駆動部の速度を安定して駆動することができる。従って、目標デューティー比信号のデューティー比が小さいときにも安定して被駆動部を駆動することができる。その結果、被駆動部を低速駆動するときにも安定して被駆動部を駆動することができる。
上記の圧電駆動装置の制御方法では、前記目標デューティー比信号が示すデューティー比を所定値と比較して前記電圧値を切り替えることが好ましい。
この方法によれば、圧電駆動装置は目標デューティー比信号が示すデューティー比を所定値と比較する。そして、比較した結果に基づいて駆動信号生成部に供給される電圧の電圧値を切り替えている。デューティー比が小さくなるときパルス信号が三角波になる。所定値をパルス信号が三角波になるときのデューティー比より大きな値に設定することにより、パルス信号がパルス波になるか三角波になるかを判定できる。そして、パルス信号が三角波にならないように駆動信号生成部に供給される電圧の電圧値を切り替えることができる。その結果、パルス信号がパルス波を維持するように駆動信号生成部に供給される電圧の電圧値を切り替えることができる。
上記の圧電駆動装置の制御方法では、前記所定値は第1所定値と前記第1所定値より大きい第2所定値とを含み、前記駆動信号生成部は前記第1所定値より大きい前記目標デューティー比信号が前記第1所定値より小さくなるときに前記電圧値を切り替えて、前記第2所定値より小さい前記目標デューティー比信号が前記第2所定値より大きくなるときに前記電圧値を切り替えることが好ましい。
この方法によれば、所定値は第1所定値と第1所定値より大きい第2所定値とを有している。そして、第1所定値より大きい目標デューティー比信号が第1所定値より小さくなるときに電圧の電圧値を切り替える。このため、パルス信号はパルス波を維持できる。
第2所定値より小さい目標デューティー比信号が第2所定値より大きくなるときに電圧の電圧値を切り替える。パルス信号のデューティー比と駆動信号の電圧の振幅とは正の相関がある。しかし、パルス信号のデューティー比が第2所定値より大きいとき、パルス信号のデューティー比が増加しても駆動信号の電圧の振幅が増加し難くなる。このとき、電圧を高くすることにより、パルス信号のデューティー比を第2所定値より小さくできる。その結果、目標デューティー比信号が示すデューティー比の変化に対して応答性良く駆動信号の電圧の振幅を変化させることができる。
上記の圧電駆動装置の制御方法では、前記振動体は前記被駆動部に当接する凸部を有し、前記振動体から前記凸部が突出する方向を第1方向としたとき、前記振動体は前記第1方向に伸縮する伸縮振動と、前記第1方向と直交する第2方向に屈曲する屈曲振動と、を行い、前記駆動信号生成部は前記振動体に前記伸縮振動をさせる前記駆動信号と、前記振動体に前記屈曲振動をさせる前記駆動信号と、を生成することが好ましい。
この方法によれば、振動体は被駆動部に当接する凸部を有している。振動体が振動するとき、この凸部が被駆動部を押圧する。振動体から凸部が突出する方向を第1方向とし、第1方向と直交する方向を第2方向とする。振動体は第1方向に伸縮する伸縮振動を行う。さらに、振動体は第2方向に屈曲する屈曲振動を行う。振動体は伸縮振動と屈曲振動とを組み合わせて、被駆動部を移動させる。そして、駆動信号生成部は振動体に伸縮振動させる前記駆動信号と、振動体に屈曲振動させる駆動信号と、を生成する。従って、本制御方法は被駆動部を確実に移動させることができる。
上記の圧電駆動装置の制御方法では、前記電圧値が切り替わるとき、前記駆動信号が変化し、変化した前記駆動信号の電圧振幅に対応して前記目標デューティー比信号が変更されることが好ましい。
この方法によれば、電圧の電圧値が切り替わるとき駆動信号が変化する。そして、変化した駆動信号の電圧振幅に対応して目標デューティー比信号が切り替えられる。詳しくは、電圧の電圧値が切り替わって小さくなるとき、駆動信号は電圧の振幅が小さくなる。そして、駆動信号の電圧が小さくなるとき、目標デューティー比信号に対応する駆動信号より駆動信号生成部が出力する駆動信号が小さくなる。このとき、駆動信号生成部が出力する駆動信号を大きくするために、目標デューティー比信号が増加される。その結果、パルス信号をパルス波に維持することができる。
圧電駆動装置では、駆動用圧電素子に駆動信号を印加することにより振動する振動体と、前記振動体の振動により移動する被駆動部と、前記駆動用圧電素子に前記駆動信号を印加する電圧制御部と、を有し、前記電圧制御部は、入力される目標駆動信号に基づいて目標デューティー比信号を生成するデューティー比信号生成部と、前記目標デューティー比信号が示す目標デューティー比のパルス信号を生成するパルス信号生成部と、前記パルス信号に基づいて前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、電圧値の異なる複数の電圧を供給する電源部と、前記目標デューティー比の値を所定値と比較する比較部と、複数の前記電圧を入力し前記比較部が比較した結果に基づき前記駆動信号生成部に供給する前記電圧値を切り替える電圧切替部と、前記駆動信号を前記デューティー比信号生成部に入力するフィードバック回路と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、圧電駆動装置は振動体、被駆動部及び電圧制御部を備えている。振動体は駆動用圧電素子を備え、駆動用圧電素子に駆動信号を印加することにより振動する。被駆動部は振動体の振動により移動する。電圧制御部は駆動用圧電素子に駆動信号を印加する。
電圧制御部はデューティー比信号生成部、パルス信号生成部、駆動信号生成部、電源部、比較部、電圧切替部及びフィードバック回路を備えている。デューティー比信号生成部は目標駆動信号を入力し、目標駆動信号に基づいて目標デューティー比信号を生成する。パルス信号生成部は目標デューティー比信号を入力し、目標デューティー比信号が示す目標デューティー比のパルス信号を生成する。駆動信号生成部はパルス信号を入力し、パルス信号に基づいて駆動信号を生成する。そして、駆動信号生成部は駆動信号を駆動用圧電素子に出力する。
電源部は電圧値の異なる複数の電圧を電圧切替部に供給する。比較部は目標デューティー比信号を入力する。そして、比較部は目標デューティー比信号を所定値と比較し、比較した結果を電圧切替部に出力する。電圧切替部は目標デューティー比信号と所定値とを比較した結果と複数の電圧を入力する。そして、電圧切替部は目標デューティー比信号と所定値とを比較した結果に基づき駆動信号生成部に供給する電圧の電圧値を切り替える。
従って、駆動信号生成部に供給される電圧の電圧値が目標デューティー比信号に応じて電圧切替部により切り替えられる。駆動信号生成部は供給された電圧とパルス信号とを用いて駆動信号を生成する。駆動信号が駆動用圧電素子に印加されることにより、振動体が振動する。振動体が振動するとき、振動体は被駆動部を押圧するので被駆動部が移動する。
駆動信号の電圧の振幅と被駆動部の移動速度とは正の相関がある。そして、駆動信号の電圧は駆動信号生成部に供給される電圧と正の相関がある。従って、駆動信号生成部に供給される電圧を大きくすると被駆動部の移動速度が速くなる。逆に、駆動信号生成部に供給される電圧を小さくすると被駆動部の移動速度が遅くなる。
また、パルス信号のデューティー比と駆動信号の電圧の振幅とは正の相関がある。従って、パルス信号のデューティー比と被駆動部の移動速度には正の相関がある。従って、パルス信号のデューティー比を制御することにより、被駆動部の移動速度を制御することができる。パルス信号のデューティー比を大きくすると被駆動部の移動速度が速くなる。逆に、パルス信号のデューティー比を小さくすると被駆動部の移動速度が遅くなる。
パルス信号は配線を通って伝達される。このパルス信号はパルス波である。この配線には、抵抗成分、容量成分、誘導成分が含まれる。このため、パルス信号のパルス幅が狭くなるとき、パルス波の立ち上がりが上昇しきる前に下降するので配線を通過したパルス波が三角波になる。このとき、駆動信号生成部はパルス幅を狭く認識するので、駆動信号生成部が出力する駆動信号の電圧の振幅は目標デューティー比信号に対応する駆動信号より電圧の振幅が小さくなる。
このため、被駆動部を低速で移動したいときパルス信号が三角波になって遅くなるので、被駆動部の移動速度が目標とする移動速度より遅い速度になる。被駆動部の速度を速くするために目標速度を速くすると、目標デューティー比信号が大きく設定されてパルス信号がパルス波になる。このとき、被駆動部の速度が速くなりすぎるので、被駆動部の目標速度が減速される。目標速度の減速に伴って、目標デューティー比信号が小さく設定される。このとき、パルス信号が三角波とパルス波とに交互に切り替わるため、被駆動部の速度が不安定になる。本圧電駆動装置では目標デューティー比信号に応じて供給される電圧の電圧値を切り替えている。このとき、駆動信号生成部が出力する駆動信号をフィードバック回路がデューティー比信号生成部に入力する。デューティー比信号生成部は駆動信号の電圧値を大きくするために目標デューティー比信号が示すデューティー比を高くする。そして、駆動信号生成部に入力されるパルス信号はパルス波が維持される。従って、パルス信号がパルス波を維持するように駆動信号生成部に供給される電圧の電圧値を切り替えることにより、被駆動部の速度を安定して駆動することができる。その結果、目標デューティー比信号のデューティー比が小さいときにも安定して被駆動部を駆動することができる。
上記の圧電駆動装置では、前記比較部は、前記目標デューティー比信号が示すデューティー比を所定値と比較して前記電圧値を切り替えることが好ましい。
この構成によれば、パルス信号がパルス波を維持するように駆動信号生成部に供給される電圧の電圧値を切り替えることができる。
上記の圧電駆動装置では、前記所定値は第1所定値と前記第1所定値より大きい第2所定値とを含み、前記駆動信号生成部は前記第1所定値より大きい前記目標デューティー比信号が前記第1所定値より小さくなるときに前記電圧値を切り替えて、前記第2所定値より小さい前記目標デューティー比信号が前記第2所定値より大きくなるときに前記電圧値を切り替えることが好ましい。
この構成によれば、目標デューティー比信号が示すデューティー比の変化に対して応答性良く駆動信号の電圧の振幅を変化させることができる。
上記の圧電駆動装置では、前記振動体は前記被駆動部に当接する凸部を有し、前記振動体から前記凸部が突出する方向を第1方向としたとき、前記振動体は前記第1方向に伸縮する伸縮振動と、前記第1方向と直交する第2方向に屈曲する屈曲振動と、を行い、前記駆動信号生成部は前記振動体に前記伸縮振動をさせる前記駆動信号と、前記振動体に前記屈曲振動をさせる前記駆動信号と、を生成することが好ましい。
この構成によれば、圧電駆動装置は被駆動部を確実に移動させることができる。
上記の圧電駆動装置では、前記電圧値が切り替わるとき、前記駆動信号が変化し、前記デューティー比信号生成部は、変化した前記駆動信号の電圧振幅に対応して前記目標デューティー比信号を変更することが好ましい。
この構成によれば、電圧の電圧値が切り替わって小さくなるときにも、パルス信号をパルス波に維持することができる。
ロボットは、上記に記載の圧電駆動装置を備えることを特徴とする。
この構成によれば、ロボットは上記に記載の圧電駆動装置を備えている。上記に記載の圧電駆動装置は、目標デューティー比信号のデューティー比が小さいときにも安定して被駆動部を駆動することができる。従って、ロボットが備える圧電駆動装置は回転速度が小さいときにも安定して回転することができる。その結果、ロボットは回転速度が小さいときにも安定して回転することができる圧電駆動装置を備えた装置とすることができる。
1,140,180,207…圧電駆動装置としての圧電モーター、2…被駆動部としてのローター、17…振動体、19…第1方向、20…第2方向、22…凸部、23…駆動用圧電素子としての第1圧電素子、24…駆動用圧電素子としての第2圧電素子、25…駆動用圧電素子としての第3圧電素子、26…駆動用圧電素子としての第4圧電素子、27…駆動用圧電素子としての第5圧電素子、28…駆動用圧電素子としての第6圧電素子、31…駆動用圧電素子としての第7圧電素子、48…駆動信号としての第1駆動信号、50…駆動信号としての第2駆動信号、51…駆動信号としての第3駆動信号、57…電圧制御部、68…デューティー比信号生成部としての第1駆動電圧制御部、71…パルス信号生成部としての第1PWM波形生成部、72…駆動信号生成部としての第1駆動回路、73…比較部としての第1電圧指令制御部、74a…電源部、74b…電圧切替部、75…フィードバック回路としての第1フィードバック回路、78…駆動信号生成部としての第2駆動回路、81…比較部としての第2電圧指令制御部、83…フィードバック回路としての第2フィードバック回路、87…目標デューティー比信号としての第1目標デューティー比信号、91…パルス信号としての第1パルス信号、104…所定値及び第1所定値としてのデューティー比下限判定値、105…所定値及び第2所定値としてのデューティー比上限判定値、111…目標デューティー比信号としての第2目標デューティー比信号、112…パルス信号としての第2パルス信号、118…駆動信号生成部としての第3駆動回路、119…フィードバック回路としての第3フィードバック回路、124…目標デューティー比信号としての第3目標デューティー比信号、125…パルス信号としての第3パルス信号。

Claims (11)

  1. 駆動用圧電素子に駆動信号を印加することにより振動する振動体と、
    前記振動体の振動により移動する被駆動部と、
    目標デューティー比信号に基づいて生成されるパルス信号を用いて前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、を有する圧電駆動装置の制御方法であって、
    前記目標デューティー比信号に応じて前記駆動信号生成部に供給する電圧値を切り替えることを特徴とする圧電駆動装置の制御方法。
  2. 前記目標デューティー比信号が示すデューティー比を所定値と比較して前記電圧値を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の圧電駆動装置の制御方法。
  3. 前記所定値は第1所定値と前記第1所定値より大きい第2所定値とを含み、
    前記駆動信号生成部は前記第1所定値より大きい前記目標デューティー比信号が前記第1所定値より小さくなるときに前記電圧値を切り替えて、
    前記第2所定値より小さい前記目標デューティー比信号が前記第2所定値より大きくなるときに前記電圧値を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の圧電駆動装置の制御方法。
  4. 前記振動体は前記被駆動部に当接する凸部を有し、
    前記振動体から前記凸部が突出する方向を第1方向としたとき、前記振動体は前記第1方向に伸縮する伸縮振動と、前記第1方向と直交する第2方向に屈曲する屈曲振動と、を行い、
    前記駆動信号生成部は前記振動体に前記伸縮振動をさせる前記駆動信号と、前記振動体に前記屈曲振動をさせる前記駆動信号と、を生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電駆動装置の制御方法。
  5. 前記電圧値が切り替わるとき、前記駆動信号が変化し、
    変化した前記駆動信号の電圧振幅に対応して前記目標デューティー比信号が変更されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧電駆動装置の制御方法。
  6. 駆動用圧電素子に駆動信号を印加することにより振動する振動体と、
    前記振動体の振動により移動する被駆動部と、
    前記駆動用圧電素子に前記駆動信号を印加する電圧制御部と、を有し、
    前記電圧制御部は、
    入力される目標駆動信号に基づいて目標デューティー比信号を生成するデューティー比信号生成部と、
    前記目標デューティー比信号が示す目標デューティー比のパルス信号を生成するパルス信号生成部と、
    前記パルス信号に基づいて前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    電圧値の異なる複数の電圧を供給する電源部と、
    前記目標デューティー比の値を所定値と比較する比較部と、
    複数の前記電圧を入力し前記比較部が比較した結果に基づき前記駆動信号生成部に供給する前記電圧値を切り替える電圧切替部と、
    前記駆動信号を前記デューティー比信号生成部に入力するフィードバック回路と、を備えることを特徴とする圧電駆動装置。
  7. 前記比較部は、前記目標デューティー比信号が示すデューティー比を所定値と比較して前記電圧値を切り替えることを特徴とする請求項6に記載の圧電駆動装置。
  8. 前記所定値は第1所定値と前記第1所定値より大きい第2所定値とを含み、
    前記駆動信号生成部は前記第1所定値より大きい前記目標デューティー比信号が前記第1所定値より小さくなるときに前記電圧値を切り替えて、
    前記第2所定値より小さい前記目標デューティー比信号が前記第2所定値より大きくなるときに前記電圧値を切り替えることを特徴とする請求項7に記載の圧電駆動装置。
  9. 前記振動体は前記被駆動部に当接する凸部を有し、
    前記振動体から前記凸部が突出する方向を第1方向としたとき、前記振動体は前記第1方向に伸縮する伸縮振動と、前記第1方向と直交する第2方向に屈曲する屈曲振動と、を行い、
    前記駆動信号生成部は前記振動体に前記伸縮振動をさせる前記駆動信号と、前記振動体に前記屈曲振動をさせる前記駆動信号と、を生成することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の圧電駆動装置。
  10. 前記電圧値が切り替わるとき、前記駆動信号が変化し、
    前記デューティー比信号生成部は、変化した前記駆動信号の電圧振幅に対応して前記目標デューティー比信号を変更することを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の圧電駆動装置。
  11. 請求項6〜10のいずれか一項に記載の圧電駆動装置を備えることを特徴とするロボット。
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