JP2020136150A - 端子用保護カバー - Google Patents

Abstract

【課題】簡単な構造で確実に固定することができる端子用保護カバーを提供する。【解決手段】上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂと短絡片１２０とを備えたトリップロック端子１１０に使用するための端子用保護カバー１０は、平板状の蓋部１１と、蓋部１１で表面が蓋された筒状の胴部１２と、胴部１２の裏面の上部、下部、左中央部および右中央部にそれぞれ取り付けられた４個の低磁力の磁石１３とを具備する。磁石１３の磁力は、好ましくは、端子用保護カバー１０を片手で取り外せる程度の磁力である。また、磁石１３の個数は少なくとも１個であればよく、磁石１３の取付個所は胴部１２の裏面の任意の個所でよい。【選択図】図１

Description

本発明は、トリップロック端子の露出している導電体部分を保護するのに好適な端子用保護カバーに関する。

電力会社では、発変電所等の電力保護制御回路として保護継電器および遮断器を含む回路を採用している。

保護継電器は、入力された電流データまたは電圧データに異常がある場合に遮断器を動作させて負荷側電路の負荷側機器に対する接続を遮断するように構成されている。

保護継電器と遮断器とは配電盤１の基板に固定されたトリップロック端子１１０を介して接続されており、図３に示すように複数の保護継電器を収容する配電盤１の前面パネル２には複数個のトリップロック端子１１０が格子状に取り付けられている。

トリップロック端子１１０は、たとえば、図４（ａ）に示すように上下に並設された上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂと、上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂを電気的に接続するための短絡片１２０とを備え、常時は、短絡片１２０を取り付けて上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂを電気的に接続して閉路（ロック外し）するとともに、異常時や定期点検時には、遮断器が不用意に動作しないように、短絡片１２０を取り外して上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂを電気的に切り離して開路（ロック）するようにしている。

そのため、短絡片１２０は、図４（ｂ）に示すように、上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂの軸部とそれぞれ結合するための上側および下側結合部１２１ａ，１２１ｂが上下端部にそれぞれ形成された導電性の本体部１２１と、本体部１２１の中間部に設けられるとともに本体部１２１が上から下に貫通された絶縁性の把持部１２２（矩形板状）とを備える。
この例では、上側結合部１２１ａは、同図図示右向きに開放されたＣ字形状とされ、下側結合部１２１ｂは同図図示下向きに開放されたＣ字形状とされている。

また、上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂには、短絡片１２０が取り付けられていることを容易に確認できるようにするために、また、感電防止や保護継電器動作試験中における試験用リード線の接触による保護継電器の誤動作防止のために、絶縁性の透明な材料で構成された端子用保護カバー１３０を被せるようにしている。

端子用保護カバー１３０は、配電盤１の前面パネル２に固定すると以下に示すような問題が生じるため、必要な場合に直ぐ取り外せるように前面パネル２に固定しないようにしている。
（１）たとえばネジで固定しようとすると、多数のネジ穴を設けるなど既設の配電盤１を改造する必要がある。
（２）配電盤定期点検作業にたとえば７時間程度を要する場合に、端子用保護カバー１３０の取付けおよび取外しに時間がかかってロック操作時間およびロック外し操作時間に０．５時間程度それぞれ要すると、８時間（＝０．５時間＋７時間＋０．５時間）程度の停電要求時間が必要となり、お客さまへの供給信頼度の低下を招く。

しかし、端子用保護カバー１３０を前面パネル２に固定していないため、配電盤定期点検作業や保護継電器動作試験作業を行う際に、作業対象のトリップロック端子１１０から短絡片１２０を取り外したのちに端子用保護カバー１３０を被せておいても、作業者の不注意などで端子用保護カバー１３０が容易に外れてしまって、安全に作業ができなくなるおそれがあった。

そこで、このような問題を解決するために、テープで端子用保護カバー１３０を固定したり、配電盤全体をビニールなどで覆ったりしている。

また、端子用保護カバー１３０の左右側面中央部の内面の間隔を短絡片１２０の把持部１２２の横幅と略同じにして、上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂに短絡片１２０を取り付けたときに端子用保護カバー１３０の内面と短絡片１２０の把持部１２２とを当接させて、ロック外し状態では固定するようにしたものもある。

なお、本出願人は、下記の特許文献１において、保護制御盤の前面パネルに固定され、前面パネルからの高さが短絡片（短絡プラグ）の取付けや取外しを可能にする締付螺子の位置よりも低く形成された固定部材と、固定部材内へ押し込まれた状態または引き出された状態で収容される可動部材と、固定部材内にバネとを有し、可動部材をバネの付勢力に抗して固定部材内へ押し込んだときに締付螺子が操作可能となり、短絡片の取付けや取外しが終了すると可動部材がバネの付勢力により端子の保護部付近まで覆うように構成した端子用保護カバーを提案している。

特開２００９−３３８１６号公報

しかしながら、テープで端子用保護カバー１３０を固定する方法では、ロックするトリップロック端子１１０が多数になる（たとえば、配電盤定期点検作業時にはすべてのトリップロック端子１１０をロックする。）とテープで固定するのに時間がかかってしまうという問題があり、また、配電盤１全体をビニールなどで覆う方法では、ビニールなどで覆った配電盤１内に作業対象のトリップロック端子１１０が含まれると作業ができなくなるという問題があった。

左右側面中央部の内面の間隔を短絡片１２０の把持部１２２の横幅と略同じにした端子用保護カバー１３０では、上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂに短絡片１２０を取り付けたロック外し状態では固定できるが、上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂから短絡片１２０を取り外したロック状態では固定できないという問題がある。

上記の特許文献１で提案した端子用保護カバーは、トリップロック端子１１０を単独に保護できたり、短絡片１２０の取付けや取外しが容易であったりするが、構造が少し複雑になるという問題がある。

本発明の目的は、簡単な構造で確実に固定することができる端子用保護カバーを提供することにある。

本発明の端子用保護カバーは、２つの端子（１１０ａ，１１０ｂ）および該２つの端子を電気的に接続するための短絡片（１２０）を備えたトリップロック端子に使用するための端子用保護カバー（１０）であって、平板状の蓋部（１１）と、前記蓋部で表面が蓋された筒状の胴部（１２）と、前記胴部の裏面に取り付けられた少なくとも１個の低磁力の磁石（１３）とを具備することを特徴とする。
ここで、前記磁石が、片手で取り外せる程度の磁力のものであってもよい。
前記磁石が、前記胴部の裏面の上部、下部、左中央部および右中央部の少なくとも１つに取り付けられていてもよい。

本発明の端子用保護カバーは、以下に示す効果を奏する。
（１）低磁力（好ましくは、片手で取り外せる程度の磁力）の磁石を裏面に少なくとも１個取り付けることにより、簡単な構造で確実に固定することができるとともに、片手で簡単に取り付けたり取り外したりすることができる。
（２）短絡片が取り外されたロック後でも確実に固定できるため、作業時間の短縮化および作業者の安全確保を図ることができる。
（３）配電盤定期点検作業時にすべての短絡片を取り外す際にも、簡単に取り外したり取り付けたりできるとともに確実に固定できるため、作業時間の短縮化および作業者の安全確保を図ることができる。
（４）既設の配電盤を改造する必要がない。

本発明の一実施例による端子用保護カバー１０の構成を示す図であり、（ａ），（ｂ）は正面図および右側面図である。 図１に示した端子用保護カバー１０の使用方法について説明するための図であり、（ａ），（ｂ）はロック外し後に端子用保護カバー１０を被せた状態を示す正面図および右側面図であり、（ｃ），（ｄ）はロック後に端子用保護カバー１０を被せた状態を示す正面図および右側面図である。 前面パネル２に複数個のトリップロック端子１１０が取り付けられている配電盤１を示す図である。 従来の端子用保護カバー１３０について説明するための図であり、（ａ）はその使用状態を示す斜視図であり、（ｂ）は短絡片１２０の正面図である。

上記の目的を、低磁力の磁石を裏面に少なくとも１個取り付けることにより実現した。

以下、本発明の端子用保護カバーの実施例について図面を参照して説明する。
本発明の端子用保護カバーは、低磁力の磁石を裏面に少なくとも１個取り付けることにより、ロック後も確実に固定できるとともに、工具を用いることなくスムーズに取り付けたり取り外したりできるようにしたことを特徴とする。

そのため、本発明の一実施例による端子用保護カバー１０は、図１（ａ），（ｂ）に示すように、蓋部１１および胴部１２を具備する点では従来の端子用保護カバー１３０（図４（ａ）参照）と同様であるが、４個の低磁力の磁石１３を具備する点で従来の端子用保護カバー１３０と相違する。

ここで、蓋部１１および胴部１２は、従来の端子用保護カバー１３０と同様に、絶縁性の透明な材料から構成されている。
蓋部１１は上下端部に丸みを持たせた矩形平板状とされており、胴部１２は筒状とされている。
胴部１２の表面は蓋部１１で蓋されており、胴部１２の裏面は開口面とされている。
これにより、端子用保護カバー１０は、胴部１２の裏面からトリップロック端子１１０に被せられるようにされている。

４個の磁石１３は、薄板状のものであり、胴部１２の裏面の上部、下部、左中央部および右中央部にそれぞれ取り付けられている。
また、４個の磁石１３は、好ましくは、端子用保護カバー１０を片手で取り外せる程度の磁力（すなわち、作業者がドライバなどの工具を用いることなく片手でスムーズに取り外しできる磁力）のものである。

次に、端子用保護カバー１０の使用方法について、図２（ａ）〜（ｄ）を参照して説明する。

常時は、作業者は、短絡片１２０を取り付けて上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂを電気的に接続して閉路したのち、端子用保護カバー１０を上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂに被せる（図２（ａ），（ｂ）参照）。
このとき、４個の磁石１３が配電盤１の前面パネル２に吸着するため、端子用保護カバー１０を前面パネル２に固定することができる。

一方、異常時や定期点検時には、作業者は、端子用保護カバー１０を上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂから取り外したのち、短絡片１２０を上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂから取り外して開路する。
このとき、４個の磁石１３は低磁力（片手で取り外せる程度の磁力）のものであるため、作業者は片手で端子用保護カバー１０を掴んで手前に引くだけで上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂから取り外すことができる。

その後、作業者は、端子用保護カバー１０を上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂに被せる（図２（ｃ），（ｄ）参照）。
このとき、４個の磁石１３が配電盤１の前面パネル２に吸着するため、端子用保護カバー１０を前面パネル２に固定することができる。

以上の説明では、４個の磁石１３は、胴部１２の裏面に取り付けたが、胴部１２の裏面に（好ましくは、磁石１３の吸着面が胴部１２の裏面と同一平面となるように）埋め込んでもよい。

また、４個の磁石１３を胴部１２の裏面の上部、下部、左中央部および右中央部にそれぞれ取り付けたが、個数および取付個所は任意でよい。
たとえば、１個の磁石１３を胴部１２の裏面の上部、下部、左中央部または右中央部に取り付けてもよいし、２個の磁石１３を胴部１２の裏面の上部および下部にそれぞれ取り付けるか胴部１２の裏面の左中央部および右中央部にそれぞれ取り付けてもよいし、４個の磁石１３を胴部１２の裏面の任意の４ヶ所にそれぞれ取り付けてもよい。

さらに、端子用保護カバー１０は、２つの端子（上側および下側端子１１０ａ，１１０ｂ）が上下に並設されたトリップロック端子１１０について使用したが、２つの端子が左右に並設されたトリップロック端子についても同様に使用することができる。

１ 配電盤
２ 前面パネル
１０ 端子用保護カバー
１１ 蓋部
１２ 胴部
１３ 磁石
１１０ トリップロック端子
１１０ａ，１１０ｂ 上側および下側端子
１２０ 短絡片
１２１ 本体部
１２１ａ，１２１ｂ 上側および下側結合部
１２２ 把持部
１３０ 端子用保護カバー

Claims (3)

1. ２つの端子（１１０ａ，１１０ｂ）および該２つの端子を電気的に接続するための短絡片（１２０）を備えたトリップロック端子に使用するための端子用保護カバー（１０）であって、
   平板状の蓋部（１１）と、
   前記蓋部で表面が蓋された筒状の胴部（１２）と、
   前記胴部の裏面に取り付けられた少なくとも１個の低磁力の磁石（１３）と、
   を具備することを特徴とする、端子用保護カバー。
2. 前記磁石が、片手で取り外せる程度の磁力のものであることを特徴とする、請求項１記載の端子用保護カバー。
3. 前記磁石が、前記胴部の裏面の上部、下部、左中央部および右中央部の少なくとも１つに取り付けられていることを特徴とする、請求項１または２記載の端子用保護カバー。

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