JP2020136095A - 照明装置 - Google Patents

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尚子 竹井
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Abstract

【課題】回路構成を複雑にすることなく、色度図における黒体軌跡に沿って、色温度を変更することができる照明装置を提供する。【解決手段】照明装置100は、第1発光素子11及び第1波長変換部材14を有し、第1の光を発する第1発光部10と、第2発光素子21及び第2波長変換部材24を有し、第1の光より色温度が低い第2の光を発する第2発光部20と、第1発光部10及び第2発光部20のそれぞれの出力を調整し、PWM調光方式により第1発光部10及び第2発光部20を調光する制御部30を備え、第1波長変換部材14及び第2波長変換部材24は、それぞれ、第1蛍光体12、22と、第2蛍光体13、23とを含み、第1蛍光体12、22及び第2蛍光体13、23のうち、一方は、蛍光寿命が相対的に長く、当該蛍光寿命が前記パルス幅変調の周期の1倍以上であり、他方は、蛍光寿命が相対的に短く、当該蛍光寿命が10マイクロ秒以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、照明装置、特に、色温度を変更することができる照明装置に関する。
LED(Light Emitting Diode)を光源とした照明装置は、LEDの高出力化によって益々普及している。照明装置は、照明空間に存在する物体の色を自然な色に見せる演色性が高い白色光を出射することが要求される。このような高い演色性が要求される照明用途では、LEDと、LEDからの放射光で励起されてLEDとは異なる波長の光を発する蛍光体とを組み合わせて、白色光を得る方式が主流となっている。
また、同じ照明空間でも、様々に変化する生活シーンに応じて照明光の色温度を変化させたいというユーザの要望があり、LEDを光源とする照明装置においても、色温度を変化させる機能を有するものが提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載された照明装置は、色温度の異なる2種類の発光部を備え、両発光部の光量の比率を変更することにより、放射する白色光の色温度を変化させる。この構成の光源から放射される白色光の色温度は、CIE xy色度図において、その色度座標が両発光部から放射される光それぞれに対応する色度座標を結ぶ直線上を移動する形で変化していく。
特開2009−238729号公報 特開2007−122950号公報
ところで、照明装置から放射される白色光を、照明空間に存在する物体の色を自然な色に見せる白色光とするためには、当該白色光の色温度を変化させたときに、当該白色光の色度座標が、CIE xy色度図における黒体軌跡に沿って移動することが望ましい。黒体軌跡は、CIE xy色度図において弧状の曲線である。
しかしながら、上述のように、特許文献1に記載されるような2つの発光部を有する構成の照明装置から放射される白色光の色度座標は、2つの発光部から放射される光それぞれに対応する色度座標を結ぶほぼ直線上を移動する。従って、前述の照明装置では、色温度を広範囲に変化させる場合に、白色光の色度座標が弧状の黒体軌跡に沿って移動することができず、白色光の色温度によっては黒体軌跡から外れ、緑味又は赤味掛かった光色に見える問題が発生する。
上記問題を解決するために、青色LED及び赤色ならびに緑色を発色するための蛍光体を用いて、赤色、青色及び緑色の光を発光する半導体発光装置を組み合わせて、LEDの出力を制御する照明装置が開示されている(例えば、特許文献2)。特許文献2に記載された照明装置では、赤色、青色及び緑色の光を組み合わせて、黒体軌跡をトレースし、自然光に近い白色光を出射する。しかし、当該照明装置では、少なくとも3種類以上の発光部を備えるため、その照射面に色ムラが発生したり、3種類以上の発光部を制御する機構もそれぞれ必要となるため、回路が複雑になり、照明装置全体が大型化したりする問題がある。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、回路構成を複雑にすることなく、色度図における黒体軌跡に沿って、色温度を変更することができる照明装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る照明装置は、第1発光素子、及び、前記第1発光素子が発する光の一部を波長変換する第1波長変換部材を有し、前記第1発光素子が発する光、及び、前記第1波長変換部材に波長変換された光を混合して第1の光を発する第1発光部と、第2発光素子、及び、前記第2発光素子が発する光の一部を波長変換する第2波長変換部材を有し、前記第2発光素子が発する光、及び、前記第2波長変換部材に波長変換された光を混合して、前記第1の光より色温度が低い第2の光を発する第2発光部と、前記第1発光部及び前記第2発光部のそれぞれの出力を調整し、パルス幅変調調光方式により前記第1発光部及び前記第2発光部を調光する制御部と、を備え、前記第1波長変換部材及び前記第2波長変換部材は、それぞれ、第1蛍光体と、前記第1蛍光体とは異なる第2蛍光体とを含み、前記第1蛍光体及び前記第2蛍光体のうちの一方は、蛍光寿命が相対的に長く、当該蛍光寿命が前記パルス幅変調の周期の1倍以上であり、前記第1蛍光体及び前記第2蛍光体のうちの他方は、蛍光寿命が相対的に短く、当該蛍光寿命が10マイクロ秒以下である。
本発明に係る照明装置によれば、回路構成を複雑にすることなく、色度図における黒体軌跡に沿って、色温度を変更することができる。
図1は、実施の形態に係る照明装置の概略構成を示す図である。 図2は、実施の形態に係る第1発光部及び第2発光部の断面を示す模式図である。 図3は、実施の形態に係る第1発光部の動作を示す模式図である。 図4Aは、実施の形態に係る第1発光部が発する光の時間変化及び発光スペクトルの一例を示す模式図である。 図4Bは、実施の形態に係る第1発光部が発する光の時間変化及び発光スペクトルの別の例を示す模式図である。 図5は、実施の形態に係る第1発光部が発する光について、デューティ比を変更した場合の色度の変化を示すCIE xy色度図である。 図6Aは、実施例1における第1の光及び第2の光の発光スペクトルを示す図である。 図6Bは、実施例1における照明装置が発する光の色度変化を示すCIE xy色度図である。 図7は、実施例2における照明装置が発する光の色度変化を示すCIE xy色度図である。 図8は、実施例3における照明装置が発する光の色度変化を示すCIE xy色度図である。 図9は、実施例4における照明装置が発する光の色度変化を示すCIE xy色度図である。
(実施の形態)
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、本発明を示すために適宜強調、省略、又は比率の調整を行った模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではなく、実際の形状、位置関係、及び比率とは異なる場合がある。
[構成]
まず、本実施の形態に係る照明装置について説明する。
図1は、本実施の形態に係る照明装置100の概略構成を示す図である。図1に示されるように、照明装置100は、第1発光部10、第2発光部20、及び制御部30を備える。照明装置100は、例えば、図1に示されるようなシーリングライトであり、ベースライト、ダウンライト及び電球等であってもよい。
第1発光部10及び第2発光部20は、それぞれ、異なる色度の光を発する発光部である。第1発光部10は、第1の光を発し、第2発光部20は、第1の光よりも色温度が低い第2の光を発する。
制御部30は、外部からの制御情報を受け付け、第1発光部10及び第2発光部20のそれぞれの出力を調整する。これにより、第1の光及び第2の光それぞれの光量が調整され、第1の光と第2の光とが混合されて生成する白色光の色温度が変化する。制御部30は、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)調光方式により第1発光部10及び第2発光部20を調光する。制御部30は、第1発光部10と第2発光部20とを、同じPWMの条件で調光してもよく、異なるPWMの条件で調光してもよいが、制御回路を簡素化できる観点から、同じPWMの条件で調光するとよい。また、制御部30の制御には、点灯及び消灯が含まれる。制御部30は、第1発光部10及び第2発光部20に独立して電力を供給し、個別に電流量を変化させることで、第1の光及び第2の光それぞれの光量を調整する。制御部30は、具体的には、調光スイッチ、電流制御回路、PWM制御回路等の調光回路から構成される。制御部30は、プロセッサ、又はマイクロコンピュータ等によって構成されてもよい。
次に、第1発光部10及び第2発光部20について、詳細に説明する。図2は、本実施の形態に係る第1発光部10及び第2発光部20の断面を示す模式図である。
図2に示されるように、第1発光部10は、第1発光素子11、第1波長変換部材14及び封止部材15を有する。第1発光部10は、COB(Chip On Board)型の発光モジュールであり、第1発光素子11が、基板40上に実装され、第1波長変換部材14が含まれる封止部材15によって封止されている。なお、図示はしていないが、第1発光素子11は、電力を供給するための金属配線を介して基板40と接続されている。基板40は、例えば、メタルベース基板、樹脂基板、又はセラミック基板である。
第2発光部20は、第2発光素子21、第2波長変換部材24及び封止部材25を有する。第2発光部20も、第1発光部10と同様の構造を有しているため、詳細な説明は省略する。第2発光部20は、第1発光部10とは別回路によって電力が供給される。第2発光部20は、第1発光部10と同じ基板に実装されていてもよく、別の基板に実装されていてもよい。
なお、第1発光部10及び第2発光部20は、SMD(Surface Mount Device)型の発光モジュールであってもよい。また、第1発光部10及び第2発光部20は、リモートフォスファー型の発光モジュールであってもよい。第1発光部10及び第2発光部20の数は、使用目的に応じで適宜調整すればよい。
第1発光素子11は、例えば、発光のピーク波長が430nm以上460nm以下の青色光を放射するLEDであり、発光のピーク波長が445nm以上460nm以下の青色光を放射するLEDであってもよい。発光のピーク波長を430nm以上とすることで、第1発光素子11が発する光の平均演色評価数(Ra)が高くなりやすく、発光のピーク波長を460nm以下とすることで、高い発光効率が得られやすい。
第1波長変換部材14は、第1発光素子11が発する光の一部を波長変換する。これにより、第1発光部10は、第1発光素子11が発する光、及び、第1波長変換部材14に波長変換された光を混合して、第1の光を発する。第1波長変換部材14は、第1蛍光体12及び第1蛍光体12とは異なる第2蛍光体13を含む。第1蛍光体12及び第2蛍光体13は、封止部材15中に分散して存在している。
第1蛍光体12は、第1発光素子11の光によって励起され、例えば、発光のピーク波長が490nm以上590nm以下の光を発する蛍光体である。発光効率が高く、高い演色性が得られる観点から、第1蛍光体12は、発光のピーク波長が、510nm以上570nm以下であり、発光スペクトルにおける半値幅が、100nm以上140nm以下となる蛍光体であるとよい。具体的な第1蛍光体12としては、例えば、シリケート蛍光体((Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu2+)、βサイアロン蛍光体、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)蛍光体(LnAl5−xGa12:Ce3+(Ln=Y、Lu、Gd、かつ、0≦x<5))、BAM:Eu,Mn蛍光体等が用いられる。第1蛍光体12としては、1種類の蛍光体が用いられてもよく、複数種の蛍光体を混合して用いられてもよい。
第2蛍光体13は、第1発光素子11の光によって励起され、例えば、発光のピーク波長が590nm以上700nm以下の光を発する蛍光体である。第2蛍光体13は、発光のピーク波長が600nm以上680nm以下の光を発する蛍光体であってもよい。第1の光の色度を調整する観点から、第2蛍光体13の発光のピーク波長は、第1蛍光体12のピーク発光波長よりも長いとよい。具体的な第2蛍光体13としては、例えば、窒化物(CASN)蛍光体((Ca,Sr)AlSiN:Eu2+)、KSF蛍光体(KSiF:Mn4+)等が用いられる。発光効率の高さ及び後述する蛍光寿命の長さの観点から、第2蛍光体13は、KSF蛍光体であるとよい。第2蛍光体13としては、単独の蛍光体が用いられてもよく、複数種の蛍光体を混合して用いられてもよい。
第1蛍光体12及び第2蛍光体13は、第1発光部10が所定の色度及び色温度の光を発するように、封止部材15中の配合比率及び配合量が調整される。
第1蛍光体12及び第2蛍光体13のうちの一方の蛍光体は、蛍光寿命が相対的に長く、当該蛍光寿命を第1蛍光寿命とした場合、第1蛍光寿命は、制御部30によるPWMの周期の1倍以上であり、PWMの周期の2倍以上であってもよい。第1蛍光寿命は、100マイクロ秒以上100ミリ秒以下であってもよく、1ミリ秒以上100ミリ秒以下であってもよい。第1蛍光寿命をPWMの周期の1倍以上とすることで、第1発光素子11が光を発していない間も、当該蛍光体は光を発することができる。以降、第1発光素子11等の発光素子が光を発していない間に、蛍光体が発する光を残光と称する場合がある。PWM調光をした場合に、当該蛍光体が残光を発することにより、第1発光部10が発する光の色度が変化する。また、第1蛍光寿命を100ミリ秒以下にすることで、色温度を変化させる際及び消灯させる際に、残光によって特定の色が目立ちにくくなる。
また、第1蛍光体12及び第2蛍光体13のうちの他方は、蛍光寿命が相対的に短く、当該蛍光寿命を第2蛍光寿命とした場合に、第2蛍光寿命が10マイクロ秒以下であり、1マイクロ秒以下であってもよい。第2蛍光寿命は、制御部30によるPWMの周期より、十分に短ければよく、PWMの周期の100分の1以下であってもよい。
なお、蛍光寿命とは、蛍光体がパルス光を照射されて励起状態になってから、蛍光を放出して元の状態に戻るまでの時間のことである。一般的な蛍光体の蛍光寿命はナノ秒オーダーであるが、蛍光寿命がミリ秒オーダーの蛍光体もあり、蛍光寿命は、蛍光体の種類より適宜調整できる。例えば、YAG蛍光体及びCASN蛍光体の蛍光寿命は、数ナノ秒であり、KSF蛍光体及びBAM:Eu,Mn蛍光体の蛍光寿命は、10ミリ秒以上20ミリ秒以下である。
封止部材15は、第1発光素子11を封止し、中に第1波長変換部材14が分散した透光性樹脂材料である。透光性樹脂材料としては、第1発光素子11、第1蛍光体12及び第2蛍光体13が発する光を透過する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、又はユリア樹脂等が用いられる。
第2発光素子21は、第1発光素子11と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。第2発光素子21は、第1発光素子11と同じLEDであってもよく、異なるLEDであってもよい。経時変化による特性変化を同一にし、白色光の再現性を高める観点からは、第1発光素子11と第2発光素子21との発光ピーク波長の差は、5nm以下であるとよく、具体的には、第1発光素子11と第2発光素子21とは同じ種類のLEDであるとよい。
第2波長変換部材24は、第2発光素子21が発する光の一部を波長変換する。これにより、第2発光部20は、第2発光素子21が発する光、及び、第2波長変換部材24に波長変換された光を混合して、第2の光を発する。第2波長変換部材24は、第1蛍光体22及び第2蛍光体23を含む。第1蛍光体22及び第2蛍光体23は、封止部材25中に分散して存在している。
第1蛍光体22及び第2蛍光体23は、それぞれ第1蛍光体12及び第2蛍光体13と同じであり、詳細な説明を省略する。第1蛍光体22及び第2蛍光体23は、それぞれ第1蛍光体12及び第2蛍光体13と同じ種類の蛍光体が用いられてもよく、異なる種類の蛍光体が用いられてもよい。
第1蛍光体22及び第2蛍光体23の封止部材25中の配合比率及び配合量の少なくとも一方は、封止部材15中の第1蛍光体12及び第2蛍光体13と異なる。これにより、第2発光部20が発する第2の光は、第1発光部10が発する第1の光よりも、色温度が低くなるように調整される。例えば、第2発光部20が、第1発光部10よりも、波長の長い光を発する蛍光体を多く含むことで、第2の光の色温度を第1の光の色温度よりも低くすることができる。
封止部材25は、封止部材15と同様の構成であるため詳細な説明を省略する。
[動作]
次に、本実施の形態に係る照明装置100の動作について説明する。
照明装置100は、電力が供給されると、制御部30による制御に基づいて第1発光部10及び第2発光部20が発光する。これにより、第1発光部10が発する第1の光及び第2発光部20が発する第2の光が混合され、白色光が生成される。制御部30は、第1発光部10及び第2発光部20への電流量を個別に調整し、第1の光及び第2の光の光量を変化させることで、白色光の色温度を変化させる。
次に、照明装置100における色度の調整について説明する。
図3は、本実施の形態に係る第1発光部10の動作を示す模式図である。具体的には、図3には、制御部30が、PWM調光により、第1発光部10の出力を調整する場合の状態が示されている。また、図3における第1発光部10は、第1蛍光体12が相対的に短い第2蛍光寿命を有し、第2蛍光体13が相対的に長い第1蛍光寿命を有する場合を示している。
図3に示されるように、第1発光部10に流れる電流は、PWM調光により、電流が流れているON状態と電流が流れていないOFF状態とを繰り返す。繰り返し中、1回のON状態の時間及びOFF状態の時間の合計がPWMの周期である。また、PWMの周期に対するON状態の時間の比率がデューティ比であり、ON状態の時間は、デューティ比を変更することにより調整可能である。
ON状態では、電流が流れているため、第1発光素子11、第1蛍光体12、及び第2蛍光体13は、それぞれ、光を発する。
OFF状態では、電流が流れていないため、第1発光素子11は光を発しない。第1蛍光体12の蛍光寿命は、PWMの周期に対して、十分に短いため、第1発光素子11が光を発しなくなるのとほぼ同時に、第1蛍光体12も光を発しなくなる。これに対して、第2蛍光体13の蛍光寿命はPWMの周期の1倍以上であるため、第1発光素子11が光を発していない間も、第2蛍光体13は光を発し続ける。例えば、200Hzの周波数でPWM調光した場合、PWMの周期は5ミリ秒であり、第2蛍光体13の蛍光寿命が5ミリ秒以上であれば、OFF状態の間も、第2蛍光体13は光を発し続けることができる。
PWM調光におけるPWMの周期は、特に制限されず、蛍光体の蛍光寿命との関係から設定すればよい。PWMの周期は、例えば、一般的な照明器具では5ミリ秒に設定され、干渉縞が問題になりやすいマシンビジョン向けの場合には1ミリ秒に設定される。
図4A及び図4Bは、図3の説明に用いた第1発光部10が発する光の時間変化及び発光スペクトルの一例を示す模式図である。図4Aは、PWM調光によるデューティ比が100%の場合、つまり第1発光部10に電流が流れ続けている場合の図であり、図4Bは、PWM調光により制御されている場合の図である。
図4Aに示されるように、PWM調光によるデューティ比が100%の場合は、電流が流れ続けるため、第1発光素子11、第1蛍光体12及び第2蛍光体13は光を発し続け、これらの光が混合した発光スペクトルが得られる。
図4Bに示されるように、PWM調光による制御が行われた場合は、上述したように残光を発する第2蛍光体のみが、OFF状態の間も光を発し続ける。つまり、第2蛍光体は、OFF状態の間に残光を発する。これにより、PWMの周期よりも長い時間スケールで考えると、相対的に第2蛍光体の光が強くなった光が出射されていることになる。よって、得られる発光スペクトルは、第2蛍光体が発する光に対応する波長領域の強度が相対的に高くなるように変化する。デューティ比を変えることにより、OFF状態の時間が変わるため、その結果、残光によるスペクトル変化の量も変わり、色度を変化させることができる。
なお、図3、図4A及び図4Bでは、第1発光部10の動作が示されているが、第2発光部20についても、同様の機構で動作する。また、図3、図4A及び図4Bでは、第1蛍光体12が第2蛍光寿命を有し、第2蛍光体13が第1蛍光寿命を有する場合が示されているが、第1蛍光体12が第1蛍光寿命を有し、第2蛍光体13が第2蛍光寿命を有する場合も、同様の機構で動作する。
図5は、図3と同じ第1発光部10が発する光について、デューティ比を変更した場合の色度の変化を示すCIE xy色度図である。以下では、CIE xy色度図を単に色度図と称する場合がある。図5において、色度座標A1及びA2は、PWM調光の制御におけるデューティ比を変更した場合に発せられる光の色度座標であり、色度座標A2の方が色度座標A1よりもデューティ比が低い場合が示されている。つまり、色度座標A2の光は、第2蛍光体13のみが発光している時間の割合が高い場合の光である。また、色度座標F1は、第2蛍光体13単独で発する光の色度座標である。
図5に示されるように、デューティ比が低くなり、第2蛍光体13のみが発光している時間の割合が高くなると、色度座標A1から第2蛍光体13の色度座標F1の方向へ色度座標が移動するように色度が変化し、黒体軌跡上の色度座標A2の色度の光となる。つまり、色度座標A1と色度座標F1とが黒体軌跡を挟む位置にある場合には、第1発光部10は、デューティ比が変更されることで、色度が変化し、黒体軌跡上の色度座標の光を出射することができる。
本実施の形態に係る照明装置100は、第1発光部10に加えて、第2発光部20を備えており、第2発光部20は、第1発光部と同様にデューティ比を変更することで色度を変化することが可能である。第2発光部20は、第1発光部10が発する第1の光よりも色温度が低い第2の光を発することから、照明装置100は、第1の光及び第2の光の光量をそれぞれ調整することで、第1の光と第2の光との混合光の色温度を変化させることができる。つまり、照明装置100は、デューティ比を調整することにより色度を変化させることができ、第1の光及び第2の光の光量を調整することで、上記混合光の色温度を変化させることができる。そのため、色度図において、上記混合光の色度座標と第2蛍光体13、23の色度座標とが、黒体軌跡を挟む位置にある場合には、デューティ比を下げることにより、混合光の色度座標を黒体軌跡上に移動させることができる。よって、2つの発光部により色温度を変化させる際に、色度図における色度座標を黒体軌跡から外れる場合であっても、さらに色度を調整することができるため、黒体軌跡に沿って、色温度を変更することができる。
[実施例1]
次に、実施例1における照明装置について説明する。実施例1における照明器具は、上記同様に第1発光素子及び第1波長変換部材を有する第1発光部と、第2発光素子及び第2波長変換部材を有する第2発光部と、制御部とを備える。第1発光部は第1の光を発し、第2発光部は第2の光を発する。第1波長変換部材及び第2波長変換部材はそれぞれ第1蛍光体及び第2蛍光体を含む。第1波長変換部材及び第2波長変換部材は、第1蛍光体及び第2蛍光体の配合比率及び配合量が異なる。
制御部は、第1発光部及び第2発光部をPWM調光により制御する。PWM調光におけるPWMの周期は、5ミリ秒である。また、制御部は、第1発光部及び第2発光部に供給する電流量を個別に0%から100%の間で制御し、第1の光及び第2の光の光量を調整する。第1発光部及び第2発光部は、供給する電流量が100%の場合に、後述する発光スペクトル(図6A)において、第1の光のスペクトルの積分値(面積)が、第2の光のスペクトルの積分値(面積)と同じになるように、それぞれの電流量が設定されている。
第1発光素子及び第2発光素子は、発光ピーク波長が450nmのLEDである。第1蛍光体は、発光ピーク波長が545nmのYAG蛍光体であり、第2蛍光体は、ピーク波長が635nmのKSF蛍光体である。YAG蛍光体の蛍光寿命は、1マイクロ秒以下であり、KSF蛍光体の蛍光寿命は10ミリ秒以上20ミリ秒以下である。
色度図において、デューティ比が100%である場合に第1の光の色度座標が(0.330,0.353)であり、デューティ比が100%である場合に第2の光の色度座標が(0.400、0.419)である。上記色度座標は、第1蛍光体及び第2蛍光体それぞれの配合比率及び配合量を調整することで実現される。
図6Aは、実施例1における第1の光及び第2の光の発光スペクトルを示す図である。具体的には、図6Aには、デューティ比が100%、つまり、第1発光部及び第2発光部に常に電流が流れており、それぞれの発光部に供給する電流量を100%とした場合の、第1の光及び第2の光それぞれの発光スペクトルが示されている。第2の光は、第1の光と比べて、発光スペクトルの450nm付近のピークが小さく、615nm及び635nm付近のピークが大きい。よって、第2の光は、第1の光と比べて、青色光に対応する波長の発光強度が低く、赤色光に対応する波長の発光強度が高いことから、色温度が低い光である。
図6Bは、実施例1における照明装置が発する光の色度変化を示すCIE xy色度図である。色度座標A11は、デューティ比が100%である場合の第1の光の色度座標であり、色度座標B11は、デューティ比が100%である場合の第2の光の色度座標である。色度座標F11は、第2蛍光体が単独で発する光の色度座標である。
図6Bに示されるように、第1の光の色度座標A11及び第2の光の色度座標B11は、それぞれ、色度図において、黒体軌跡上の色度y以上となる領域の色度座標である。
デューティ比が100%の場合には、第1発光部と第2発光部への電流量を調整することで、第1の光と第2の光との混合光の色度座標は、色度座標A11と色度座標B11との間の線L1上を直線状に移動する。さらに、線L1上の色度座標の混合光は、デューティ比を小さくすることで、第2蛍光体の残光の影響で、色度座標F11に向かって色度座標が移動することになる。これにより、発光装置が発する光を、黒体軌跡上の曲線R1に存在する色度座標の色温度に調整することができるため、発光装置は、黒体軌跡に沿って、色温度を変更することができる。
表1は、実施例1における照明装置が発する光を、黒体軌跡上の色度座標となるように色温度を調整した場合の、第1発光部及び第2発光部へ供給される電流量、ならびに、PMW調光のデューティ比を示す表である。
Figure 2020136095
表1に示されるように、実施例1における照明装置は、供給される電流量及びデューティ比を変更することにより、5000Kから3000Kまでの色温度範囲を、黒体軌跡上の色度座標となるように、発する光の色温度を変更することができる。
また、実施例1における照明装置の発する光は、いずれの色温度においても、Raが80以上であり被照射物を自然な色の見せることができることが確認された。
このように、実施例1における照明装置は、色度図において、色度座標A11及び色度座標B11が、黒体軌跡の色度y以上となる領域の色度座標であり、第2蛍光体の蛍光寿命がPWMの周期の1倍以上である。そのため、広範囲にわたり色温度を変化させる場合でも、黒体輻射軌跡をトレースして自然光に近い白色光を出射することができる。よって、照明空間に存在する物体の色を自然な色に見せつつ、所望の色温度を再現することができる。
また、実施例1における照明装置では、第1蛍光体がYAG蛍光体であり、第2蛍光体がKSF蛍光体である。KSF蛍光体は、赤色光波長領域において輝線状の発光特性を示すことから、このような組み合わせによって得られる第1の光と第2の光との混合光は、発光効率が高く、高い演色性の白色光となる。
[実施例2]
次に、実施例2における照明装置について説明する。実施例2における照明器具は、第1の光及び第2の光の色度座標が異なる以外は、実施例1と同じ構成である。実施例2における照明器具は、実施例1と比べ、第1蛍光体及び第2蛍光体の配合比率及び配合量が、変更されている。実施例2における照明装置は、デューティ比が100%である場合に第1の光の色度座標が(0.331,0.353)であり、デューティ比が100%である場合に第2の光の色度座標が(0.437、0.404)である。
図7は、実施例2における照明装置が発する光の色度変化を示すCIE xy色度図である。色度座標A12は、デューティ比が100%である場合の第1の光の色度座標であり、色度座標B12は、デューティ比が100%である場合の第2の光の色度座標である。色度座標F12は、第2蛍光体が単独で発する光の色度座標である。
図7に示されるように、第2の光の色度座標B12は、色度図において、黒体軌跡上の色度座標である。第1の光の色度座標A12は、色度図において、色度座標B12における黒体軌跡との接線上の色度座標であり、黒体軌跡の色度y以上となる領域の色度座標である。つまり、色度座標A12は、色度図において、色度座標B12における黒体軌跡との接線と、色度座標F12及び黒体軌跡上に存在する任意の色度座標を通る直線との交点である。
デューティ比が100%の場合には、第1発光部及び第2発光部への電流量を調整することで、第1の光と第2の光との混合光の色度座標は、色度座標A12と色度座標B12との間の線L2上を直線状に移動する。色度座標B12が黒体軌跡上に存在するため、線L2は、一部が黒体軌跡と重なることから、照明装置は、電流量の調整のみで、黒体軌跡上の色度座標の色温度に調整することができる。さらに、線L2が黒体軌跡と重ならない領域においても、デューティ比を小さくすることで、第2蛍光体の残光の影響で、色度座標F12に向かって色度座標が移動することになる。これにより、発光装置が発する光を、黒体軌跡上の曲線R2に存在する色度座標の色温度に調整することができるため、発光装置は、黒体軌跡に沿って、色温度を変更することができる。
表2は、実施例2における照明装置が発する光を、黒体軌跡上の色度座標となるように色温度を調整した場合の、第1発光部及び第2発光部へ供給される電流量、ならびに、PMW調光のデューティ比を示す表である。
Figure 2020136095
表2に示されるように、実施例2における照明装置は、供給される電流量及びデューティ比を変更することにより、5000Kから3000Kまでの色温度範囲を、黒体軌跡上の色度座標となるように、発する光の色温度を変更することができる。さらに、第2の光の色度座標B12が黒体軌跡上に存在し、色度座標A12が色度座標B12との接線上の色度座標である。よって、4000Kから3000Kまでの色温度範囲においては、デューティ比を調整することなく、100%のデューティ比で黒体軌跡上の色度座標の光が得られる。また、それぞれの色温度に調整する場合にも、デューティ比を70%以上に設定することができ、高い出力で色温度の調整が可能である。
[実施例3]
次に、実施例3における照明装置について説明する。実施例3における照明器具は、第1の光及び第2の光の色度座標が異なる以外は、実施例1と同じ構成である。つまり、実施例3における照明器具は、実施例1と比べ、第1蛍光体及び第2蛍光体の配合比率及び配合量が変更されている。実施例3における照明装置は、デューティ比が100%である場合に第1の光の色度座標が(0.345,0.351)であり、デューティ比が100%である場合に第2の光の色度座標が(0.425、0.409)である。
図8は、実施例3における照明装置が発する光の色度変化を示すCIE xy色度図である。色度座標A13は、デューティ比が100%である場合の第1の光の色度座標であり、色度座標B13は、デューティ比が100%である場合の第2の光の色度座標である。色度座標F13は、第2蛍光体が単独で発する光の色度座標である。
図8に示されるように、第1の光の色度座標A13は、色度図において、黒体軌跡上の色度座標である。第2の光の色度座標B13は、色度図において、色度座標A13における黒体軌跡との接線上の色度座標であり、黒体軌跡の色度y以上となる領域の色度座標である。つまり、色度座標B13は、色度図において、色度座標A13における黒体軌跡との接線と、色度座標F13及び黒体軌跡上に存在する任意の色度座標を通る直線との交点である。
デューティ比が100%の場合には、第1発光部及び第2発光部への電流量を調整することで、第1の光と第2の光との混合光の色度座標は、色度座標A13と色度座標B13との間の線L3上を直線状に移動する。色度座標A13が黒体軌跡上に存在するため、線L3は、一部が黒体軌跡と重なることから、照明装置は、電流量の調整のみで、黒体軌跡上の色度座標の色温度に調整することができる。さらに、線L3が黒体軌跡と重ならない領域においても、デューティ比を小さくすることで、第2蛍光体の残光の影響で、色度座標F13に向かって色度座標が移動することになる。これにより、発光装置が発する光を、黒体軌跡上の曲線R3に存在する色度座標の色温度に調整することができるため、発光装置は、黒体軌跡に沿って、色温度を変更することができる。
表3は、実施例3における照明装置が発する光を、黒体軌跡上の色度座標となるように色温度を調整した場合の、第1発光部及び第2発光部へ供給される電流量、ならびに、PMW調光のデューティ比を示す表である。
Figure 2020136095
表3に示されるように、実施例3における照明装置は、供給される電流量、及び、デューティ比を変更することにより、5000Kから3000Kまでの色温度範囲を、黒体軌跡上の色度座標となるように、発する光の色温度を変更することができる。さらに、色度座標A13が黒体軌跡上に存在し、色度座標B13が色度座標A13との接線上の色度座標である。これにより、5000Kから4000Kまでの色温度範囲においては、デューティ比を調整することなく、100%のデューティ比で黒体軌跡上の色度座標の光が得られる。また、それぞれの色温度に調整する場合にも、デューティ比を85%以上に設定することができ、高い出力で色温度の調整が可能である。
[実施例4]
次に、実施例4における照明装置について説明する。実施例4における照明器具は、基本的な構成は実施例1と同じであるが、第1蛍光体及び第2蛍光体の種類、配合比率及び配合量が異なる。
第1蛍光体は、発光ピーク波長が515nmのBAM:Eu,Mn蛍光体であり、第2蛍光体は、ピーク波長が650nmのCASN蛍光体である。CASN蛍光体の蛍光寿命は、1マイクロ秒以下であり、BAM:Eu,Mn蛍光体の蛍光寿命は10ミリ秒以上20ミリ秒以下である。
実施例4における照明装置は、デューティ比が100%である場合に第1の光の色度座標が(0.345,0.352)であり、デューティ比が100%である場合に第2の光の色度座標が(0.437、0.404)である。
図9は、実施例4における照明装置が発する光の色度変化を示すCIE xy色度図である。色度座標A14は、デューティ比が100%である場合の第1の光の色度座標であり、色度座標B14は、デューティ比が100%である場合の第2の光の色度座標である。色度座標F14は、第1蛍光体が単独で発する光の色度座標である。
図9に示されるように、第1の光の色度座標A14及び第2の光の色度座標B14は、色度図において、黒体軌跡上の色度座標である。
デューティ比が100%の場合には、第1発光部及び第2発光部への電流量を調整することで、第1の光と第2の光との混合光の色度座標は、色度座標A14と色度座標B14との間の線L4上を直線状に移動する。さらに、線L4上の色度座標の混合光は、デューティ比を小さくすることで、第1蛍光体の残光の影響で、色度座標F14に向かって色度座標が移動することになる。これにより、発光装置が発する光を、黒体軌跡上の曲線R4に存在する色度座標の色温度に調整することができるため、発光装置は、黒体軌跡に沿って、色温度を変更することができる。
表4は、実施例4に係る照明装置が発する光を、黒体軌跡上の色度座標となるように色温度を調整した場合の、第1発光部及び第2発光部へ供給される電流量、ならびに、PMW調光のデューティ比を示す表である。
Figure 2020136095
表4に示されるように、実施例4における照明装置は、供給される電流量及びデューティ比を変更することにより、5000Kから3000Kまでの色温度範囲を、黒体軌跡上の色度座標となるように、発する光の色温度を変更することができる。さらに、色度座標A14及び色度座標B14が黒体軌跡上に存在するため、3000K及び5000Kの色温度において、デューティ比を調整することなく、100%のデューティ比で黒体軌跡上の色度座標の光が得られる。また、それぞれの色温度に調整する場合にも、デューティ比を97%以上に設定することができ、非常に高い出力で色温度の調整が可能である。
なお、実施例4における照明装置は、色度座標A14及びB14が黒体軌跡上の色度座標である。これに対して、第1の光及び第2の光がそれぞれ色度図における色度座標が黒体軌跡の色度y以下となる領域の色度座標の光であっても、第1蛍光体の蛍光寿命がPWMの周期よりも長いため、照明装置は、同様の機構で色温度の調整が可能である。よって、広範囲にわたり色温度を変化させる場合でも、黒体輻射軌跡をトレースして自然光に近い白色光を出射することができる。よって、照明空間に存在する物体の色を自然な色に見せつつ、所望の色温度を再現することができる。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る照明装置100は、第1発光素子11及び第1波長変換部材14を有し、第1発光素子11が発する光、及び、第1波長変換部材14に波長変換された光を混合して第1の光を発する第1発光部10を備える。照明装置100は、さらに、第2発光素子21及び第2波長変換部材24を有し、第2発光素子21が発する光、及び、第2波長変換部材24に波長変換された光を混合して、第1の光より色温度が低い第2の光を発する第2発光部20を備える。照明装置100は、さらに第1発光部10及び第2発光部20のそれぞれの出力を調整し、PWM調光方式により第1発光部10及び第2発光部20を調光する制御部30を備える。第1波長変換部材14及び第2波長変換部材24は、それぞれ、第1蛍光体12、22と、第1蛍光体12、22とは異なる第2蛍光体13、23とを含む。第1蛍光体12、22及び第2蛍光体13、23のうちの一方は、蛍光寿命が相対的に長く、当該蛍光寿命が前記パルス幅変調の周期の1倍以上である。第1蛍光体12、22及び第2蛍光体13、23のうちの他方は、蛍光寿命が相対的に短く、当該蛍光寿命が10マイクロ秒以下である。
これにより、まず、第1の光よりも第2の光の色温度が低く、第1発光部10及び第2発光部20それぞれの出力を調整できるため、第1の光と第2の光との混合光の色温度を変化させることができる。さらに、第1発光部10及び第2発光部20が、PWMの周期の1倍以上の蛍光寿命である蛍光体及び10マイクロ秒以上の蛍光寿命である蛍光体を有する。よって、制御部30がPWM調光により、デューティ比を変化させた場合に、PWMの周期の1倍以上の蛍光寿命である蛍光体のみが、電流が流れていない状態で残光を発する。これにより、発光スペクトル形状が変化し、色度が変化する。そのため、色度図において、上記混合光の色度座標と残光を発する蛍光体の色度座標とが、黒体軌跡を挟む位置にある場合には、デューティ比を下げることにより、混合光の色度座標を黒体軌跡上に移動させることができる。よって、上記のように混合光の色温度を変化させた際に、色度図における色度座標が黒体軌跡から外れる場合であっても、さらに色度を調整できるため、黒体軌跡に沿って、色温度を変更することができる。さらに、照明装置100は、2つの発光部で、黒体軌跡に沿った色温度の変更ができることから、従来のように3つの発光部を有する発光装置のように回路構成が複雑にならない。
また、第1蛍光体12、22の発光のピーク波長が490nm以上590nm以下であり、第2蛍光体13、23の発光のピーク波長が590nm以上700nm以下であってもよい。
これにより、発光のピーク波長が異なる蛍光体が使用されるため、照明装置100が発する光の演色性が高まり、照明空間に存在する物体の色をより自然な色に見せることができる。さらに、第1の光と第2の光との色温度の差を大きくしやすく、より広い色温度範囲において、黒体軌跡に沿って、色温度を変更することができる。
(その他の実施の形態)
以上、本発明に係る照明装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、第1発光素子11及び第2発光素子21は、1種類のLEDを用いたが、これに限るものではない。第1発光素子11及び第2発光素子21に、発光のピーク波長の異なる複数のLEDを用いてもよい。
また、上記の実施の形態において、第1蛍光体12、22の発光のピーク波長が490nm以上590nm以下であり、第2蛍光体13、23の発光のピーク波長が590nm以上700nm以下の例を示したが、これに限るものではない。第1発光部10及び第2発光部20は、発光素子と蛍光体の組み合わせにより白色光が照射できる組み合わせであればよい。第1発光素子11又は第2発光素子21が、490nm以上590nm以下の発光のピーク波長を発するLEDを含み、第1蛍光体12、22及び第2蛍光体13、23が、590nm以上700nm以下の発光のピーク波長を発する蛍光体であってもよい。
また、上記の実施の形態において、第1波長変換部材14及び第2波長変換部材24は、それぞれ、第1蛍光体12、22及び第2蛍光体13、23を含んでいたが、これに限るものではない。例えば、第1波長変換部材14及び第2波長変換部材24は、いずれか一方が第1蛍光体12、22及び第2蛍光体13、23を含んでいてもよい。また、例えば、第1発光素子11又は第2発光素子21が、発光のピーク波長の異なるLEDを複数含み、当該複数のLEDのうちの一つを、第2蛍光寿命を有する蛍光体の代わりに用いてもよい。つまり、第1発光部10又は第2発光部20が、発光のピーク波長の異なる複数のLED、及び、第1蛍光寿命を有する蛍光体、を含んでいてもよい。
また、上記実施の形態において、第1発光素子11及び第2発光素子21はLEDであったが、これに限るものではない。第1発光素子11及び第2発光素子21は、それぞれ第1蛍光体12、22及び第2蛍光体13、23を励起させることができ、電流が流れない場合に消灯する発光素子であればよい。例えば、第1発光素子11及び第2発光素子21には、LEDに代えて、無機エレクトロルミネッセンス、有機エレクトロルミネッセンス、又は、半導体レーザー等の固体発光素子が使用されてもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記の実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
10 第1発光部
11 第1発光素子
12、22 第1蛍光体
13、23 第2蛍光体
14 第1波長変換部材
20 第2発光部
21 第2発光素子
24 第2波長変換部材
30 制御部
100 照明装置

Claims (8)

  1. 第1発光素子、及び、前記第1発光素子が発する光の一部を波長変換する第1波長変換部材を有し、前記第1発光素子が発する光、及び、前記第1波長変換部材に波長変換された光を混合して第1の光を発する第1発光部と、
    第2発光素子、及び、前記第2発光素子が発する光の一部を波長変換する第2波長変換部材を有し、前記第2発光素子が発する光、及び、前記第2波長変換部材に波長変換された光を混合して、前記第1の光より色温度が低い第2の光を発する第2発光部と、
    前記第1発光部及び前記第2発光部のそれぞれの出力を調整し、パルス幅変調調光方式により前記第1発光部及び前記第2発光部を調光する制御部と、
    を備え、
    前記第1波長変換部材及び前記第2波長変換部材は、それぞれ、第1蛍光体と、前記第1蛍光体とは異なる第2蛍光体とを含み、
    前記第1蛍光体及び前記第2蛍光体のうちの一方は、蛍光寿命が相対的に長く、当該蛍光寿命が前記パルス幅変調の周期の1倍以上であり、
    前記第1蛍光体及び前記第2蛍光体のうちの他方は、蛍光寿命が相対的に短く、当該蛍光寿命が10マイクロ秒以下である
    照明装置。
  2. 前記第1蛍光体の発光のピーク波長が490nm以上590nm以下であり、
    前記第2蛍光体の発光のピーク波長が590nm以上700nm以下である
    請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記第1の光及び前記第2の光は、それぞれ、CIE xy色度図において、黒体軌跡上の色度y以上となる領域の色度座標である光であり、
    前記第1蛍光体の蛍光寿命は、1マイクロ秒以下であり、
    前記第2蛍光体の蛍光寿命は、100マイクロ秒以上100ミリ秒以下である
    請求項2に記載の照明装置。
  4. 前記第1の光及び前記第2の光は、CIE xy色度図において、
    一方が、黒体軌跡上の第1の色度座標である光であり、
    他方が、前記第1の色度座標における黒体軌跡との接線上の第2の色度座標である光である
    請求項3に記載の照明装置。
  5. 前記第1蛍光体は、LnAl5−xGa12:Ce3+(Ln=Y、Lu、Gd)蛍光体であり、
    前記第2蛍光体は、KSiF:Mn4+蛍光体である
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明装置。
  6. 前記第1の光及び前記第2の光は、それぞれ、CIE xy色度図において、黒体軌跡の色度y以下となる領域の色度座標である光であり、
    前記第1蛍光体の蛍光寿命は、100マイクロ秒以上100ミリ秒以下であり、
    前記第2蛍光体の蛍光寿命は、1マイクロ秒以下である
    請求項2に記載の照明装置。
  7. 前記第1の光及び前記第2の光は、それぞれ、CIE xy色度図において、黒体軌跡上の色度座標である光である
    請求項6に記載の照明装置。
  8. 前記第1発光素子と前記第2発光素子との発光ピーク波長の差は、5nm以下である
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の照明装置。
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