JP2020135622A - 走行移動体、及びその制御方法並びにその制御プログラム - Google Patents

走行移動体、及びその制御方法並びにその制御プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2020135622A
JP2020135622A JP2019030504A JP2019030504A JP2020135622A JP 2020135622 A JP2020135622 A JP 2020135622A JP 2019030504 A JP2019030504 A JP 2019030504A JP 2019030504 A JP2019030504 A JP 2019030504A JP 2020135622 A JP2020135622 A JP 2020135622A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheels
drive unit
wheel drive
moving body
wheel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019030504A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7304553B2 (ja
Inventor
康晴 國井
Yasuharu Kunii
康晴 國井
前田 孝雄
Takao Maeda
孝雄 前田
興平 多田
Kohei Tada
興平 多田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chuo University
Piezo Sonic Corp
Original Assignee
Chuo University
Piezo Sonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chuo University, Piezo Sonic Corp filed Critical Chuo University
Priority to JP2019030504A priority Critical patent/JP7304553B2/ja
Publication of JP2020135622A publication Critical patent/JP2020135622A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7304553B2 publication Critical patent/JP7304553B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Abstract

【課題】段差及び斜面等の障害物がある不整地を走行する際に、走行移動体の車輪の駆動力を制御することによって、走行移動体の重心位置を変化させる。【解決手段】走行移動体100は、前輪21,22及び後輪31,32と、前輪及び後輪の間の車輪間隔を増減できるように、前輪及び後輪を懸架する懸架機構13,14と、車輪間隔の増減に連動して重心位置を移動する重心移動機構97と、前輪を駆動する前輪駆動部71,72と、後輪を駆動する後輪駆動部73,74と、前輪駆動部及び後輪駆動部を制御するとともに、車輪間隔を増減するように、前輪駆動部が前輪に加えるトルクと、後輪駆動部が後輪に加えるトルクとを異ならせる制御部95とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、移動ロボット、天体探査ロボット、車輪型ロボット、及び車輪型移動体等を含む走行移動体、並びにその制御方法並びにその制御プログラムに関する。
地球以外の惑星を探査する目的で不整地を走行する走行移動体として、例えば、特許文献1には、宇宙探査用走行車が記載されている。この宇宙探査用走行車は、各車輪を個別に駆動する前後の走行用モータと、各走行用モータから夫々の車輪に至る動力伝達系に介装された差動装置とを備えている。そして、差動装置の出力軸に設けた減速大歯車に、当該減速大歯車により駆動されるように、搭載物を連結した伝達部材が係合されている。これにより、搭載物は、車体前後方向に移動自在に保持されている。
特許文献1に記載の宇宙探査用走行車の走行中においては、前後の走行用モータを互いに逆方向に回転させるため、差動装置の減速大歯車が回転しない。一方、不整地を走行するために重心位置を変化させる場合、前後の走行用モータを同じ方向に回転させる。これにより、差動装置において減速大歯車が回転するため、伝達部材が回動して搭載物が移動し、重心位置が変化する。
特開平8−183499号公報
例えば、段差を走行する場合、車体を段差に乗り上げさせるために、走行しながら重心位置を変化させることが考えられる。しかし、特許文献1に記載の走行移動体では、車輪を駆動しながら重心位置を変化させることができない。すなわち、重心位置を変化させるためには、前後の走行用モータの回転方向を異ならせる必要がある。そのため、重心位置を変化させるときには、前後の車輪がロック状態になる。したがって、車輪を駆動しながら重心位置を変化させることができない。
また、車輪型の走行移動体の懸架機構は、車輪の接地性向上及び走行振動の吸収を主たる目的としている。すなわち、この走行移動体においては、全ての車輪が接地することによって、駆動力をより確実に接地面へ伝達できる。そのため、不整地を走行する際には、各車輪に作用する荷重が重要となる。特に、段差及び斜面等の障害物を乗り越える場合、前輪が段差を乗り越える際には後輪に荷重を多く分配し、続いて後輪が乗り越える際には前輪に荷重を多く分配することが望ましい。しかし、このように荷重を分配するためには、車輪を駆動する駆動部以外に、荷重を分配するための駆動部が必要になってしまう。
本発明の一態様に係る走行移動体は、前輪及び後輪と、前記前輪及び前記後輪の間の車輪間隔を増減できるように、前記前輪及び前記後輪を懸架する懸架機構と、前記車輪間隔の増減に連動して重心位置を移動する重心移動機構と、前記前輪を駆動する前輪駆動部と、前記後輪を駆動する後輪駆動部と、前記前輪駆動部及び前記後輪駆動部を制御するとともに、前記車輪間隔を増減するように、前記前輪駆動部が前記前輪に加えるトルクと、前記後輪駆動部が前記後輪に加えるトルクとを異ならせる制御部とを備える。
また、本発明の一態様に係る走行移動体の制御方法は、前輪及び後輪と、前記前輪及び前記後輪の間の車輪間隔を増減できるように、前記前輪及び前記後輪を懸架する懸架機構と、前記車輪間隔の増減に連動して重心位置を移動する重心移動機構と、前記前輪を駆動する前輪駆動部と、前記後輪を駆動する後輪駆動部と、前記前輪駆動部及び前記後輪駆動部を制御する制御部とを備える走行移動体の制御方法であって、前記制御部は、前記車輪間隔を増減するように、前記前輪駆動部が前記前輪に加えるトルクと、前記後輪駆動部が前記後輪に加えるトルクとを異ならせる。
本発明の一態様に係る走行移動体の制御プログラムは、前輪及び後輪と、前記前輪及び前記後輪の間の車輪間隔を増減できるように、前記前輪及び前記後輪を懸架する懸架機構と、前記車輪間隔の増減に連動して重心位置を移動する重心移動機構と、前記前輪を駆動する前輪駆動部と、前記後輪を駆動する後輪駆動部と、前記前輪駆動部及び前記後輪駆動部を制御する制御部とを備える走行移動体の制御プログラムであって、前記制御プログラムは、前記制御部に、前記車輪間隔を増減するように、前記前輪駆動部が前記前輪に加えるトルクと、前記後輪駆動部が前記後輪に加えるトルクとを異ならせる。
これにより、段差及び斜面等の障害物がある不整地を走行する際に、走行移動体の車輪の駆動力を制御することによって、走行移動体の重心位置を変化させることができる。その結果、不整地を走行しているときに、各車輪への荷重を任意に分配することができる。また、車輪の駆動力を制御する事によって、追加の駆動部を設けることなく前輪と後輪に荷重を分配できる。
第1実施形態に係る走行移動体の概略斜視図。 走行移動体の一部の概略平面図。 走行移動体の概略ブロック図。 重心位置の移動を説明する概略図であり、Aは後傾状態を示し、Bは通常状態を示し、Cは前傾状態を示す。 昇り処理を説明する概略図であり、Aは通常状態を示し、Bは後傾状態を示し、Cは前輪が乗り上げた状態を示し、Dは前進状態を示し、Eは前傾状態を示し、Fは後輪が乗り上げた状態を示し、Gは走行移動体が昇った状態を示す。 昇り処理のフローチャート。 降り処理を説明する概略図であり、Aは通常状態を示し、Bは後傾状態を示し、Cは前輪が降りた状態を示し、Dは前進状態を示し、Eは前傾状態を示し、Fは後輪が降りた状態を示し、Gは走行移動体が降りた状態を示す。 降り処理のフローチャート。 障害物を把持する状態の説明図。 第2実施形態に係る走行移動体の通常状態の説明図。 走行移動体の一部の概略平面図。 走行移動体の後傾状態の説明図。 走行移動体の前傾状態の説明図。
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。
なお、本明細書において、上下とは重力方向における上方向と下方向とにそれぞれ対応する。また、前後とは、走行移動体100の走行方向における前方向(前進方向)と、当該前方向の反対方向である後方向(後退方向)とにそれぞれ対応する。
[第1実施形態]
図1に示すように、走行移動体100は、略直方体状の本体10と、本体10の下方に懸架されている前輪及び後輪とを備えている。具体的に、図1の走行移動体100は、一対の前輪として第1前輪21及び第2前輪22を備え、一対の後輪として第1後輪31及び第2後輪32を備えている。なお、走行移動体100は、前輪と後輪を備えていればよく、二つ若しくは三つ、又は四つ以上の車輪を備えていてもよい。例えば、走行移動体100は、一つの前輪と、二つの後輪とを備えていてもよい。
後述するように、走行移動体100は、走行方向に並んで配置された前輪と後輪に印加される駆動力(トルク)の差により、前輪と後輪との間の車輪間隔を増減できるように構成されている。さらに、走行移動体100は、車輪間隔の増減に連動して重心位置を移動する重心移動機構97(図3)を備えている。例えば、重心移動機構97は、車輪間隔の変動と連動して重心位置を移動するように、後述するリンク機構と機械的に接続されている。代替的に、重心移動機構97は、前輪及び後輪を懸架する懸架機構としての油圧システム、又はベルト及びプーリーを備える機構を介して重心位置を移動してもよい。
本体10は、搬送する物品が搭載される荷台11を有している。荷台11に加えて又は荷台11に代えて、本体10には、農業用ロボット、探査ロボット、検査ロボット、ロボットアーム、及びコミュニケーションロボット等の装置が設けられてもよい。また、本体10は、前輪及び後輪の間の車輪間隔を増減できるように、前輪及び後輪を懸架する懸架機構として、リンク機構を備えている。このリンク機構は、前輪に連結された前リンクと、後輪に連結された後リンクを有している。具体的に、一対の前リンクは第1前リンク61及び第2前リンク62を有し、一対の後リンクは第1後リンク63及び第2後リンク64を有している。そして、第1前輪21、第2前輪22、第1後輪31及び第2後輪32は、それぞれ第1前リンク61、第2前リンク62、第1後リンク63及び第2後リンク64によって懸架されている。
また、走行移動体100は、前輪を駆動する前輪駆動部として第1前輪駆動部71及び第2前輪駆動部72と、後輪を駆動する後輪駆動部として第1後輪駆動部73及び第2後輪駆動部74とを備えている。具体的に、第1前リンク61、第2前リンク62、第1後リンク63及び第2後リンク64のそれぞれに、第1前輪駆動部71、第2前輪駆動部72(図2)、第1後輪駆動部73、及び第2後輪駆動部74(図2)が取り付けられている。一例として、前リンク及び後リンクには、前輪駆動部及び後輪駆動部として機能する正転及び逆転が可能なモータが、取り付けられている。
具体的に、前輪駆動部及び後輪駆動部は、駆動軸(モータの回転軸)がリンクの延びる方向に沿って延びるように、各リンクに取り付けられている。これにより、駆動軸が前輪同士及び後輪同士の間に突出しない。そのため、前輪同士及び後輪同士の間において、駆動軸が障害物に接触することを抑制できる。各駆動部は、リンクに対して車輪とは反対側、すなわち内側に配置されている。そのため、図1においては、第2前輪駆動部72及び第2後輪駆動部74が図示されていない。代替的に、第1前輪駆動部71を第1前リンク61の後側に取り付け、第2前輪駆動部72を第2前リンク62の後側に取り付けてもよい。同様に、第1後輪駆動部73を第1後リンク63の前側に取り付け、第2後輪駆動部74を第2後リンク64の前側に取り付けてもよい。これにより、各駆動部は、前輪同士及び後輪同士の間に突出しない。そのため、前輪同士及び後輪同士の間において、各駆動部が障害物に接触することを抑制できる。
各駆動部と車輪との間に介在する回転伝達機構の一例として、各駆動部の出力軸には、出力軸とともに回転する駆動部側ベベルギヤが連結されている。そして、駆動部側ベベルギヤは、車輪側ベベルギヤと噛み合っている。この車輪側ベベルギヤは、車輪の回転軸とともに回転するように車輪の回転軸に連結されている。そのため、各駆動部が正転又は逆転すると、駆動部の回転方向に従って車輪にトルクが加わり、車輪が回転駆動される。これらのベベルギヤに代えて、回転伝達機構として、ベルト及びプーリーを備える機構を用いてもよい。また、各駆動部を前輪同士及び後輪同士の間に突出しないように取り付ける場合には、回転伝達機構としてウォームギヤを用いてもよい。
各駆動部は、対応する車輪を任意に駆動できる。すなわち、車輪には、それぞれ任意のトルクを加えることができる。例えば、整地を直進する場合、車輪が同一の回転数で回転するように各車輪に加えられるトルクが制御される。また、右旋回する場合、左側の車輪が右側の車輪よりも多く回転するように、左側の車輪に加えられるトルクが制御される。反対に、左旋回する場合、右側の車輪が左側の車輪よりも多く回転するように、右側の車輪に加えられるトルクが制御される。
図2は、走行移動体100の一部、具体的には本体10のカバーと荷台11とを外した状態を示す平面図である。走行移動体100は、重心移動機構97の一部として、差動装置であるデファレンシャルギヤ50を備えている。なお、一対のリンク機構である第1リンク機構13及び第2リンク機構14は、いずれも同様の構成を備えている。そのため、以下では第1リンク機構13について説明し、第2リンク機構14の説明は省略する。
第1リンク機構13は、第1前輪21及び第1後輪31を懸架している。また、第1リンク機構13は、シャフト55に対して回転可能に連結された第1前リンク61と、シャフト55に対して固定された第1後リンク63とを有している。すなわち、第1前リンク61と第1後リンク63とは、シャフト55を介して相対的に回転可能に連結されている。また、第1前リンク61及び第1後リンク63は、それぞれの自重を釣り合わせるためのスプリング65によって連結されている。このスプリング65は、第1前リンク61及び第1後リンク63に接続されており、第1前輪21及び第1後輪31が互いに近づく方向に張力を加えている。なお、スプリング65は、他の部材を介して第1前リンク61及び第1後リンク63に接続されてもよい。
代替的に、第1前リンク61をシャフト55に対して固定し、第1後リンク63をシャフト55に対して回転可能に連結してもよい。また、シャフト55と同軸の軸部材をさら設けて、第1前リンク61と第1後リンク63とを当該軸部材を介して連結してもよい。第1リンク機構13は、第1前リンク61に対して第1後リンク63が相対的に移動する際に、当該移動に連動してシャフト55が回転すれば、他の構造を採用してもよい。例えば、シャフト55と、第1リンク機構13の回転軸とがギヤトレインを介して接続されていてもよい。
また、走行移動体100は、不図示の複数の支持柱を介して荷台11を支持する略矩形状の支持枠15を備えている。さらに、走行移動体100は、重心移動機構97の一部として、車輪間隔の増減に連動して回転するように第1リンク機構13の第1後リンク63に接続されたシャフト55を有している。また、重心移動機構97は、シャフト55に接続されたデファレンシャルギヤ50を有している。このシャフト55は、支持枠15に設けられた軸受に挿入されており、支持枠15に対して回転可能である。そのため、シャフト55が回転しても、支持枠15及び荷台11は回転しない。なお、図1においては、シャフト55が第1後リンク63とともに回転するように固定されている。しかし、シャフト55は、第1後リンク63とともに回転する他の回転伝達部材(例えばギヤ)によって回転されてもよい。
差動装置として機能するデファレンシャルギヤ50は、デファレンシャルケース51と、デファレンシャルケース51の外側に固定された一対のリングギヤ52とを有している。また、デファレンシャルギヤ50は、デファレンシャルケース51に軸支された一対のピニオンギヤ53と、デファレンシャルケース51に軸支された一対のサイドギヤ54とを有している。この一対のサイドギヤ54のそれぞれには、シャフト55が連結されている。なお、ピニオンギヤ53は一つのみであってもよい。
第1前輪21及び第1後輪31の間の第1車輪間隔と、第2前輪22及び第2後輪32の間の第2車輪間隔とが減少し、一対のシャフト55が同一方向に回転すると、ピニオンギヤ53、デファレンシャルケース51及びリングギヤ52は、シャフト55を中心に一体的に回転する。これにより、デファレンシャルケース51が後方に傾くため、その質量に起因して、走行移動体100の重心が後方に移動する。
第1車輪間隔と第2車輪間隔とが増加し、一対のシャフト55が同一方向に回転すると、ピニオンギヤ53、デファレンシャルケース51及びリングギヤ52は、シャフト55を中心に一体的に回転する。これにより、デファレンシャルケース51が前方に傾くため、走行移動体100の重心が前方に移動する。代替的に、重心移動機構97は、リングギヤ52と噛み合ったスパーギヤに連結された回転部材をさらに有していてもよい。当該回転部材が後方に傾くことによって、その質量に起因して、走行移動体100の重心を後方又は前方に移動させることができる。
一方、一対のシャフト55が互いに異なる方向に回転すると、サイドギヤ54と噛み合ったピニオンギヤ53は、ピニオンギヤ53の軸を中心に回転する。これにより、デファレンシャルケース51とリングギヤ52は回転しない。そのため、デファレンシャルケース51の傾きは変化せず、重心位置が維持される。
走行移動体100は、第1リンク機構13の第1後リンク63と、第2リンク機構14の第2後リンク64に連結されているシーソー機構80を備えている。具体的に、シーソー機構80の一端部81は、第1後リンク63に回動可能に支持されており、シーソー機構80の他端部82は第2後リンク64に回動可能に支持されている。さらに、シーソー機構80は、その中央に位置する回転軸を中心に回動可能である。これにより、第1後リンク63及び第2後リンク64と、シーソー機構80とがリンク構造を構成している。
シーソー機構80は、第1後リンク63及び第2後リンク64の一方が上昇するときに、他方を相対的に下降させる。すなわち、シーソー機構80は、走行移動体100が走行方向に直交する左右方向において傾くときに、重心位置が移動しないように維持する。例えば、シーソー機構80によって、第1前輪21、第2前輪22、第1後輪31、及び第2後輪32のいずれか一つが上下方向に変位した場合、シーソー機構80によって重心位置が維持される。
すなわち、第1後輪31が障害物に乗り上げて第1後リンク63が上昇すると、シーソー機構80が中央の回動軸を中心に回動する。そして、シーソー機構80の一端部81が上昇して、他端部82が下降する。そのため、シーソー機構80に連結されている第2後リンク64は、第1後リンク63に対して相対的に下降する。その結果、第2後リンク64に懸架されている第2後輪32が上昇することはない。また、第1後リンク63と第2後リンク64とが反対方向に動くので、第1前リンク61と第2前リンク62も反対方向に動く。その結果、第1前リンク61に接続されたシャフト55と第2前リンク62に接続されたシャフト55とが互いに異なる方向に回転する。
そのため、サイドギヤ54がピニオンギヤ53を回転させ、ピニオンギヤ53はピニオンギヤ53の軸を中心に回転する。これにより、デファレンシャルケース51とリングギヤ52は回転しないため、重心移動機構97による重心の移動が発生しない。すなわち、走行移動体100が傾いたときに重心位置を維持するように、シーソー機構80によるリンク機構の動きと、重心移動機構97によるリンク機構の動きとが分離されている。同様に、中心対称に配置された第1前輪21及び第2後輪32と、第2前輪22及び第1後輪31との一方が乗り上げた場合も、重心移動機構97による重心の移動が発生しない。
また、障害物に乗り上げた場合等、第1前リンク61及び第2前リンク62の一方が上昇すると、差動懸架機構として機能するシーソー機構80によって、第1前リンク61及び第2前リンク62の他方が相対的に下降する。同様に、障害物から降りる場合等、第1前リンク61及び第2前リンク62の一方が下降すると、シーソー機構80によって、第1前リンク61及び第2前リンク62の他方が上昇する。
図3に示すように、走行移動体100は、第1車輪間隔を検知する第1間隔検知部91と、第2車輪間隔を検知する第2間隔検知部92とを備えている。一例として、第1間隔検知部91及び第2間隔検知部92は、前輪と後輪との間の距離を検知するセンサである。また、走行移動体100は、車輪間隔を計測する計測部93を備えている。計測部93は、第1間隔検知部91及び第2間隔検知部92が検知した前輪と後輪との位置に基づいて、第1及び第2車輪間隔を計測する。
さらに、走行移動体100は、回転速度検知センサ、回転数検知センサ、角速度センサ、加速度センサ、重量センサ、障害物センサ、車輪速センサ、接触検知センサ、傾斜センサ、及びカメラ等を含む検出部94を有している。一例として、検出部94は、走行移動体100に近づく段差などの障害物の画像、障害物までの距離、及び走行移動体100の移動速度等を検出する。そして、検出部94は、取得した情報及び画像を制御部95に送信する。さらに、検出部94は、障害物との接触を検出し、接触検出信号を制御部95に送信してもよい。また、走行移動体100は、各電気部品に電力を供給する不図示の電源を有している。
また、走行移動体100は、コンピュータとしての制御部95と、記憶部96を備えている。一例として、制御部95はプロセッサであり、記憶部96は制御プログラムを記憶したメモリである。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)であり、メモリに記憶されたプログラムに基づいて、装置全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。また、メモリは、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を含む。
代替的に、制御部95は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CF(Compact Flash)カード、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。以下では、CPUが、ROM又はHDDに記憶された制御プログラムに従って、種々の演算、制御、及び判別等の処理動作を実行するものとして説明する。
制御部95は、各車輪の回転状態(駆動部の出力軸の回転状態)を検出部94から取得する。そして、必要な回転数で回転するように、各車輪の回転速度(各駆動部が加えるトルク)を制御する。例えば、整地を直進する場合、制御部95は、車輪の回転数が一致するように各駆動部を制御する。さらに、整地を直進する場合、制御部95は、計測部93から取得した第1及び第2車輪間隔に基づいて、両間隔が一定になるように各駆動部が加えるトルクを制御する。また、第1前リンク61及び第1後リンク63と、第2前リンク62及び第2後リンク64との間には、それぞれスプリング65による張力が働く。トルク制御に加えて、スプリング65の張力により、第1及び第2車輪間隔は一定に維持される。
さらに、制御部95は、検出部94から取得した情報に基づいて、障害物である段差を昇ることができるか否かを判断する。そして、昇ることができると判断した場合、制御部95は、後述する昇り処理を行う。例えば、制御部95は、記憶部96に記録された乗り越え可能高さを参照して、画像から算出した障害物の高さと比較する。そして、障害物が乗り越え可能高さよりも低い場合には、昇ることができると判断する。
一方、制御部95は、記憶部96に記録された乗り越え可能高さを参照して、画像から算出した障害物の高さと比較する。そして、障害物が乗り越え可能高さよりも高い場合には、昇ることができないと判断する。昇ることができないと判断した場合、制御部95は、障害物を迂回するように第1前輪駆動部71、第2前輪駆動部72、第1後輪駆動部73、及び第2後輪駆動部74を制御する。一例として、障害物を迂回するために右旋回する場合、制御部95は、第1前輪21及び第1後輪31の回転数を、第2前輪22及び第2後輪32の回転数よりも大きくする。同様に制御部95は、検出部94から取得した情報に基づいて、障害物である段差を降りることができるか否かを判断する。
なお、図3には一つの検出部94が図示されているが、検出部94は複数であってもよい。例えば、走行移動体100は、複数の検出部94として、回転速度検検出部、回転数検出部、移動速度検出部、加速度検出部、重量検出部、及び障害物検出部等を有していてもよい。これらの検出部94は、検出センサから情報を取得する制御部95(プロセッサ)における、各種機能として論理的に実現される機能部としても構成できる。この機能部は、記憶部96に記録されたプログラムに対応して制御部95が各種処理を実行することにより、各種機能として実現される。
制御部95は、計測部93から第1及び第2車輪間隔を取得し、走行移動体100の重心位置を判断する。例えば、第1及び第2車輪間隔が狭い場合、重心移動機構97が後傾しているため、制御部95は重心位置が基準位置よりも後方であると判断する。また、第1及び第2車輪間隔が広い場合、重心移動機構97が前傾しているため、制御部95は重心位置が基準位置よりも前方であると判断する。さらに、第1及び第2車輪間隔が初期値である場合、制御部95は重心位置が基準位置にあると判断する。
さらに、制御部95は、重心垂下線(重心から接地面に下した垂線)が後輪同士の回転軸を結ぶ回転中心線よりも後方に位置しないように、各駆動部を制御する。具体的には、重心垂下線が回転中心線よりも後方であると判断した場合、制御部95は、第1及び第2車輪間隔が増加するように各駆動部を制御する。また、制御部95は、重心垂下線が前輪同士の回転中心線よりも前方に位置しないように、各駆動部を制御する。具体的には、重心位置が回転中心線よりも前方であると判断した場合、制御部95は、第1及び第2車輪間隔が減少するように各駆動部を制御する。換言すると、制御部95は、重心位置が前輪同士の回転軸を結ぶ線と後輪同士の回転軸を結ぶ線との間に位置するように、各駆動部を制御する。
また、第1前リンク61及び第2前リンク62の両方が上昇する場合、制御部95は、第1及び第2車輪間隔が減少するように制御する。この場合、第1前リンク61及び第2前リンク62が同じ方向に動くため、デファレンシャルケース51とリングギヤ52が回転する。その結果、重心が前方に移動する。一方、第1前リンク61及び第2前リンク62の両方が下降する場合、制御部95は、第1及び第2車輪間隔が増加するように制御する。この場合、第1前リンク61及び第2前リンク62が同じ方向に動くため、デファレンシャルケース51とリングギヤ52が回転する。その結果、重心が後方に移動する。
[制御方法]
図4AからC、図5AからG、図6、図7AからG、及び図8を参照して、走行移動体100の制御方法について説明する。なお、図4AからCにおいては、後輪の回転中心の位置を二点鎖線によって示している。また、重心から接地面に対して下した重心垂下線を点線によって示している。なお、走行移動体100は略左右対称の構成を有している。そのため、以下においては、第1リンク機構13について説明し、第2リンク機構14についての説明は省略する。
障害物を乗り越え可能であると判断した場合、制御部95は、計測部93から取得した第1及び第2車輪間隔が所定の目標値に到達するように各駆動部を制御する。すなわち、制御部95は、車輪間隔を増減するように、前輪駆動部(第1前輪駆動部71及び第2前輪駆動部72)が前輪に加えるトルクと、後輪駆動部(第1後輪駆動部73及び第2後輪駆動部74)が前記後輪に加えるトルクとを異ならせる。これにより、第1及び第2車輪間隔が所定の長さに制御される。
具体的には、後輪駆動部が加えるトルクを、前輪駆動部が加えるトルクよりも大きくすると、第1及び第2車輪間隔が減少する。すなわち、回転数が相違するため、前輪又は後輪の一方は、他方に近づく方向に相対的に移動する。すると、第1前リンク61及び第1後リンク63が回転軸Aを中心に回転する。また、後輪駆動部が加えるトルクを前輪駆動部が加えるトルクよりも小さくすると、第1及び第2車輪間隔が増加する。すなわち、回転数が相違するため、前輪又は後輪の一方は、他方から離れる方向に相対的に移動する。すると、第1前リンク61及び第1後リンク63が回転軸Aを中心に回転する。そして、第1及び第2車輪間隔の長さの増減に連動して、第1後リンク63が回転する結果、走行移動体100の重心位置が変化する。なお、前輪駆動部及び後輪駆動部の一方の回転方向を他方とは異ならせるように、又は一方の回転を停止するように、トルクを異ならせてもよい。
図4Aに示すように車輪間隔の長さが減少すると、図4Bに示す中央の基準位置に対して重心位置が後方へ移動する。また、図4Cに示すように車輪間隔の長さが増加すると、基準位置に対して重心位置が前方へ移動する。そして、重心位置が変化することによって、車輪への荷重分配が変化する。具体的には、重心位置が後方へ移動すると、後輪に加わる荷重が増加して、前輪に加わる荷重が減少する。一方、重心位置が前方へ移動すると、後輪に加わる荷重が減少して、前輪に加わる荷重が増加する。なお、図4Bに示す通常走行時、すなわち、略平面である整地面上を走行するときの重心位置が基準位置となる。この基準位置は、走行移動体100の中央以外の位置であってもよい。そして、第1及び第2車輪間隔の長さは、重心位置が基準位置にあるときの車輪間隔を基準として増加又は減少可能である。
図5AからGを参照して説明するように、制御部95は、前輪(第1前輪21)を障害物に乗り上げる際に、重心位置が基準位置よりも後方に位置するように、前輪駆動部(第1前輪駆動部71)及び後輪駆動部(第1後輪駆動部73)が前輪及び後輪に加えるトルクをそれぞれ制御する。また、制御部95は、後輪(第1後輪31)を障害物に乗り上げる際に、重心位置が基準位置よりも前方に位置するように、前輪駆動部及び後輪駆動部が前輪及び後輪に加えるトルクをそれぞれ制御する。
さらに、制御部95は、前輪を障害物から降ろす際に、重心位置が基準位置よりも後方に位置するように、前輪駆動部及び後輪駆動部が前輪及び後輪に加えるトルクをそれぞれ制御する。また、制御部95は、後輪を障害物から降ろす際に、重心位置が基準位置よりも前方に位置するように、前輪駆動部及び後輪駆動部が前輪及び後輪に加えるトルクをそれぞれ制御する。
具体的に、図5Aに示すように障害物として、例えば、段差を検出した場合、制御部95は、段差を昇ることができるか否かを判断する(図6のS601)。そして、昇ることができると判断すると(S601でYES)、制御部95は、前輪が段差の側面に接触する接触タイミングで、図5Bに示すように第1及び第2車輪間隔を減少させる(S602)。このとき、制御部95は、走行状態で第1及び第2車輪間隔を減少させてもよい。さらに、制御部95は、接触タイミングで走行移動体100を停止させ、停止状態で第1及び第2車輪間隔を減少させてもよい。一例として、制御部95は、検出部94から走行移動体100に相対的に近づく段差の画像を取得する。そして、制御部95は、段差までの距離及び走行移動体100の走行速度などに基づいて、段差との接触タイミングを予測する。代替的に、制御部95は、接触検出信号を受信したタイミングを接触タイミングと判断してもよい。一方、昇ることができないと判断すると(S601でNO)、制御部95は、昇り処理を終了して段差を迂回する。
第1及び第2車輪間隔を減少させると、図5Bに示すように重心位置は後方へ移動する。この状態で、制御部95は、各駆動部を駆動させて走行移動体100を前進させて、図5Cに示すように前輪を段差上に乗り上げる(S603)。このとき、制御部95は、第1及び第2車輪間隔を減少させながら、走行移動体100を前進させてもよい。重心位置が後方へ移動すると、後輪に加わる荷重が大きくなりかつ前輪に加わる荷重が小さくなる。これにより、荷重が増加した後輪と接地面との間には大きな摩擦力(駆動力)が生じるため、走行移動体100の前輪を容易に乗り上げることができる。続いて、制御部95は、各駆動部を駆動させて、図5Dに示すように後輪が段差の側面に接触するまで、走行移動体100を前進させる(S604)。
そして、制御部95は、前輪が段差の側面に接触する接触タイミングで、第1及び第2車輪間隔を増加させる(S605)。このとき、制御部95は、走行状態又は停止状態のいずれの状態で第1及び第2車輪間隔を増加させてもよい。第1及び第2車輪間隔を増加させると、図5Eに示すように重心位置は前方へ移動する。この状態で、制御部95は、各駆動部を駆動させて走行移動体100を前進させて、図5Fに示すように後輪を段差上に乗り上げる(S606)。重心位置が前方へ移動すると、後輪に加わる荷重が小さくなりかつ前輪に加わる荷重が大きくなる。これにより、荷重が増加した前輪と接地面との間には大きな摩擦力(駆動力)が生じるため、走行移動体100の後輪を容易に乗り上げることができる。さらに、図5Eに示すように車輪間隔を増加させると、第1前リンク61と第1後リンク63の間のスプリング65(不図示)にエネルギーが蓄えられる。その結果、スプリング65のたわみ(伸び)に応じた張力が、第1前輪21と第1後輪31に加わる。そのため、第1後輪31を段差上に乗り上げる際に、第1後輪31が段差の側面に押し付けられ、その押付力(垂直抗力)を補償できる。これにより、第1後輪31がスリップして(空転して)、推進力(第1後輪31を乗り上げる力)が失われることを防ぐことができる。また、第1前輪21には、第1後輪31に対する押付力の反力が加わるため、第1前輪21のスリップを抑制できる。さらに、第1前輪21がスリップ又は回転停止した場合も、スプリング65にエネルギーが蓄えられている期間、すなわちスプリング65のたわみが解消されるまでは、第1後輪31の推進力は維持される。これが、第1後輪31の段差の乗り上げに有利に寄与することになる。さらに、後述する把持機能を奏するように、制御部95が第1及び第2前輪駆動部72と、第1及び第2後輪駆動部74とに、反対方向のトルクを加えることもできる。または、把持機能を奏するように、前輪と後輪との回転速度を異ならせることもできる。この把持機能により、段差の側面と上面を前輪と後輪との間に巻き込むような力が生じる。そのため、スプリング65による押付力と同様に、第1後輪31に対する押付力を補償でき、推進力を維持することができる。
後輪が段差に乗り上がった後、制御部95は、図5Gに示すように第1及び第2車輪間隔を通常の長さに戻し(S607)、昇り処理を終了して通常の走行を開始する。例えば、制御部95は、検出部94から走行移動体100の傾きを取得して、当該傾きが所定の範囲に到達した場合に、後輪が乗り上がったと判断する。なお、昇り処理における前進の際、制御部95は、前輪駆動部及び後輪駆動部の一方(例えば、荷重が大きい方)のみがトルクを加えるように制御してもよい。
図7Aに示すように走行移動体100が段差の端を検出した場合、制御部95は、当該段差の端から降りることができるか否かを判断する(図8のS801)。例えば、制御部95は、記憶部96に記録された乗り越え可能高さを参照して、画像から算出した段差の高さと比較する。そして、段差が乗り越え可能高さよりも低い場合には、降りることができると判断する。一方、降りることができないと判断すると(S801でNO)、制御部95は、降り処理を終了して段差の端を迂回する。降りることが可能であると判断すると(S801でYES)、制御部95は、前輪が段差の端に到達する到達タイミングで、第1及び第2車輪間隔を減少させる(S802)。このとき、制御部95は、走行状態又は停止状態のいずれの状態で第1及び第2車輪間隔を増加させてもよい。例えば、制御部95は、段差の端の画像、段差までの距離及び走行移動体100の走行速度などに基づいて、到達タイミングを判断できる。
第1及び第2車輪間隔を減少させると、図7Bに示すように重心位置は後方へ移動するため、前輪に加わる荷重が小さくなる。この状態で、制御部95は、各駆動部を駆動させて走行移動体100を前進させて、図7Cに示すように前輪を段差から降ろす(S803)。これにより、前輪が着地する際の衝撃を、荷重の減少によって抑制できる。続いて、制御部95は、各駆動部を駆動させて、図7Dに示すように後輪が段差の端に到達するまで、走行移動体100を前進させる(S804)。そして、制御部95は、後輪が段差の端に到達する到達タイミングで、第1及び第2車輪間隔を増加させる(S805)。このとき、制御部95は、走行状態又は停止状態のいずれの状態で第1及び第2車輪間隔を減少させてもよい。第1及び第2車輪間隔を増加させると、図7Eに示すように重心位置は前方へ移動するため、後輪に加わる荷重が小さくなる。
この状態で、制御部95は、各駆動部を駆動させて走行移動体100を前進させて、図7Fに示すように後輪を段差から降ろす(S806)。これにより、後輪が着地する際の衝撃を、荷重の減少によって抑制できる。後輪が段差から降りた後、制御部95は、図7Gに示すように第1及び第2車輪間隔を通常の長さに戻し(S807)、降り処理を終了して通常の走行を開始する。例えば、制御部95は、検出部94から走行方向における走行移動体100の傾きを取得して、当該傾きが所定の範囲に到達した場合に、後輪が段差から降りたと判断する。そして、制御部95は、第1及び第2車輪間隔を通常の長さに戻す。なお、降り処理における前進の際、制御部95は、前輪駆動部及び後輪駆動部の一方(例えば、荷重が大きい方)のみがトルクを加えるように制御してもよい。
さらに、昇り処理、及び降り処理において、制御部95は、重心から走行面に延びる重心垂下線が車輪同士の回転軸を結ぶ線から外側に出ないように各駆動部を制御できる。具体的に、制御部95は、第1及び第2前輪22の回転軸を結ぶ線と、第1及び第2後輪32の回転軸を結ぶ線との間に、重心垂下線が位置するように各駆動部を制御する。例えば、重心垂下線が第1及び第2前輪22の回転軸を結ぶ線の前に出た場合、制御部95は、車輪間隔を増加させて重心位置を当該線よりも後方に移動させる。また、重心垂下線が第1及び第2後輪32の回転軸を結ぶ線の後に出た場合、制御部95は、車輪間隔を減少させて重心位置を当該線よりも後方に移動させる。
このように、制御部95は、車輪間隔を増減するように、前輪駆動部が前輪に加えるトルクと、後輪駆動部が前記後輪に加えるトルクとを異ならせる。そのために、走行移動体100は、前輪及び後輪の間の車輪間隔を増減できるように、前輪及び後輪を懸架する懸架機構と、車輪間隔の増減に連動して重心位置を移動する重心移動機構97と、前輪を駆動する前輪駆動部と、後輪を駆動する後輪駆動部と、前輪駆動部及び後輪駆動部を制御する制御部95とを備えている。そして、この走行移動体100の制御プログラムは、制御部95に、上述の昇り処理及び降り処理を実行させる。具体的に、制御プログラムは、制御部95に、車輪間隔を増減するように、前輪駆動部が前輪に加えるトルクと、後輪駆動部が後輪に加えるトルクとを異ならせる。当該制御プログラムは、記憶部96、若しくはコンピュータ読み取り可能な内部又は外部の記録媒体に記録されている。
[把持機能]
図9を参照して、走行移動体100が有する把持機能について説明する。なお、走行移動体100は略左右対称の構成を有している。そのため、以下においては、第1リンク機構13について説明し、第2リンク機構14についての説明は省略する。図9に示すような走行困難な不整地を走行するため、走行移動体100はスプリング65を備えている。このスプリング65は、リンク機構の前リンク及び後リンクに接続されている。また、スプリング65は、前輪及び後輪の間に障害物を挟むように、前輪及び後輪に張力を加える。
これにより、スプリング65が前輪及び後輪を不整地等の走行面に押し付け、前輪及び後輪と走行面との間の摩擦力を高めることができる。すなわち、スプリング65は、第1前リンク61と第1後リンク63とが互いに近づく方向に、両者に張力を加えている。その結果、第1前輪21と第1後輪31とには、互いに近づく方向に力が加わっている。そのため、第1前輪21及び第1後輪31の間にある凸部である障害物上の走行面に対して、第1前輪21と第1後輪31とによって障害物を把持する方向に矢印F1及び矢印F2で示す力が発生する。これにより、第1前輪21及び第1後輪31が走行面に押し付けられる結果、第1前輪21及び第1後輪31と走行面との間の摩擦力を高めることができる。
さらに、走行移動体100は、制御部95が第1及び第2前輪駆動部72と、第1及び第2後輪駆動部74とに、反対方向のトルクを加えることによって把持機能を奏してもよい。具体的に、制御部95は、第1前輪駆動部71及び第1後輪駆動部73の一方に対して正転方向のトルクを加え、他方に逆転方向のトルクを加えるように制御する。その結果、第1前輪21と第1後輪31とには、互いに近づく方向に矢印F2で示す力が加わる。そのため、第1前輪21及び第1後輪31の間にある障害物上の走行面に対して、第1前輪21と第1後輪31とによって障害物を把持する方向に矢印F1及び矢印F2で示す力が発生する。換言すると、走行面には、第1前輪21及び第1後輪31との間に引き込まれるような力が働く。これにより、第1前輪21及び第1後輪31が走行面に押し付けられる結果、第1前輪21及び第1後輪31と走行面との間の摩擦力を高めることができる。
この場合、制御部95が正転方向のトルクを逆転方向のトルクよりも高めることによって、走行移動体100は前進することもできる。反対に、制御部95が逆転方向のトルクを正転方向のトルクよりも高めることによって、走行移動体100は後退することができる。これにより、走行移動体100は、第1前輪21及び第1後輪31が走行面に押し付けられた状態で走行できる。なお、走行面が構成する凸部は、図9に示すような直角を有する凸部には限定されない。走行面が構成する凸部は、鈍角又は鋭角を有する凸部、湾曲した凸部、又は複数の頂点を有する凸部であってもよい。
以上説明した、第1実施形態に係る走行移動体100によれば、車輪の駆動力を用いて車輪間隔を増減することによって走行移動体100の重心位置を制御できる。また、不整地を走行するときに、特に段差等の障害物を乗り越えるときに、走行移動体100の車輪の駆動力を制御することによって、走行移動体100の前後方向に任意に重心位置を移動できる。これにより、走行移動体100が障害物を乗り越えやすくなる。さらに、車輪の駆動力を制御することによって重心位置を変化させるので、重心位置を変化させるために他の駆動部(アクチュエータ)を必要としない。これにより、走行移動体100の大型化及び複雑化、並びに重量増加を抑制できる。
なお、重心位置は、ギヤ、ベルト、ワイヤ、及びリンクなどの連結部材によって、車輪間隔の増減に対して任意の変化率で変化させることができる。また、走行移動体100が左右方向に傾いたとき、例えば、一つの車輪が障害物を乗り越える際には、差動懸架機構が機能する。すなわち、走行移動体100が傾いたとき、重心移動機構97が動作しないように動作を分離できる。さらに、第1リンク機構13及び第2リンク機構14は、整地走行時には、通常の車輪用の懸架機構と同様に動作する。
[第2実施形態]
図10から図13を参照して第2実施形態に係る走行移動体200について説明する。図10は通常状態の走行移動体200を示し、図12は後傾状態の走行移動体200を示し、図13は前傾状態の走行移動体200を示している。図11は、重心移動機構297の一部を上方から見た平面図である。なお、図10、図11及び図12においては、説明の便宜上、本体210の一側面と底面との図示を省略している。
第2実施形態に係る走行移動体200は、第1実施形態と異なる構造を有する重心移動機構297を備えている。なお、第2実施形態の説明においては、第1実施形態との相違点について説明し、既に説明した構成要素については同じ参照番号を付し、その説明を省略する。特に説明した場合を除き、同じ参照符号を付した構成要素は略同一の動作及び機能を奏し、その作用効果も略同一である。
図10に示すように、走行移動体200は、略直方体状の本体210と、本体210の下方に懸架されている前輪及び後輪とを備えている。具体的に、走行移動体200は、前輪として第1前輪221及び第2前輪222を備え、後輪として第1後輪231及び第2後輪232を備えている。第1実施形態と同様に、走行移動体200は、走行方向に並んで配置された前輪と後輪に印加される駆動力の差により、前輪と後輪との間の車輪間隔を変動させることができる。さらに、走行移動体200は、車輪間隔の変動によって重心位置を移動する重心移動機構297を備えている。
本体210は、懸架機構としてのリンク機構を介して前輪及び後輪を懸架している。このリンク機構は、前輪に連結された前リンクと、後輪に連結された後リンクとを有している。具体的に、リンク機構は、前リンクとしての第1前リンク261及び第2前リンク262と、後リンクとしての第1後リンク263及び第2後リンク264とを有している。そして、第1前輪221、第2前輪222、第1後輪231、及び第2後輪232は、それぞれ第1前リンク261、第2前リンク262、第1後リンク263及び第2後リンク264によって懸架されている。
各車輪には、車輪の駆動部として機能する正転及び逆転が可能な不図示のモータが取り付けられている。具体的に、第1前輪221、第2前輪222、第1後輪231、及び第2後輪232のそれぞれに、第1前輪駆動部71、第2前輪駆動部72、第1後輪駆動部73、及び第2後輪駆動部74(いずれも不図示)が取り付けられている。そして、各駆動部は、対応する車輪を任意に駆動できる。具体的に、後輪駆動部が加えるトルクを、前輪駆動部が加えるトルクよりも大きくすると、第1及び第2車輪間隔が減少する。すると、第1前リンク261及び第1後リンク263がその回転軸を中心に回転する。また、後輪駆動部が加えるトルクを前輪駆動部が加えるトルクよりも小さくすると、第1及び第2車輪間隔が増加する。すると、第1前リンク261及び第1後リンク263がその回転軸を中心に回転する。
第2実施形態の走行移動体200は、第1実施形態とは異なる重心移動機構297を備えている。図11に示すように、この重心移動機構297は、前リンクに接続されたギヤとして、前リンクとともに回転するリンクギヤ256を有している。なお、リンクギヤ256は、前リンクとともに回転する他の回転伝達部材(例えばギヤ)によって前リンクに接続されてもよい。また、重心移動機構297は、リンクギヤ256と噛み合うサイドギヤ254を有している。
さらに、重心移動機構297は、サイドギヤ254に接続されかつサイドギヤ254とともに回転するシャフト255を有している。なお、シャフト255は、サイドギヤ254とともに回転する他の回転伝達部材(例えばギヤ)によってサイドギヤ254に接続されてもよい。また、重心移動機構297は、シャフト255に接続されたギヤとして、シャフト255とともに回転する円筒ギヤ252を有している。なお、円筒ギヤ252は、円盤状又はリング状などの他の形状を有するギヤであってもよい。また、円筒ギヤ252は、シャフト255とともに回転する他の回転伝達部材(例えばギヤ)によってシャフト255に接続されてもよい。
図10に戻り、重心移動機構297は、本体210の下面に固定された略直方体状の回転部材257と、回転部材257に固定されかつ円筒ギヤ252と噛み合うギヤシャフト258とを備えている。円筒ギヤ252からギヤシャフト258へ回転が伝達されると、本体210及び回転部材257は、ギヤシャフト258とともに回転する。なお、図10においては、ギヤシャフト258を点線で示している。
第1車輪間隔と第2車輪間隔とが減少すると、第1前リンク261及び第2前リンク262と、リンクギヤ256とが回転する。そのため、サイドギヤ254、シャフト255及び円筒ギヤ252が回転する。その結果、ギヤシャフト258が回転して、回転部材257及び本体210は、ギヤシャフト258を中心に一体的に回転する。これにより、回転部材257及び本体210が後方に傾くため、走行移動体200の重心が後方に移動する。反対に、第1車輪間隔と第2車輪間隔とが増加すると、第1前リンク261及び第2前リンク262と、リンクギヤ256とが回転する。そのため、サイドギヤ254、シャフト255及び円筒ギヤ252が回転する。その結果、ギヤシャフト258が回転して、回転部材257及び本体210は、ギヤシャフト258を中心に一体的に回転する。これにより、回転部材257及び本体210が前方に傾くため、走行移動体200の重心が前方に移動する。
さらに、走行移動体200は、第1後リンク263及び第2後リンク264に連結されているシーソー機構280を備えている。具体的に、シーソー機構280の一端部281は、第1後リンク263に回動可能に支持されている。そして、シーソー機構280の他端部282は、第2後リンク264に回動可能に支持されている。さらに、シーソー機構280は、中央に位置する回転軸を中心に回動可能に構成されている。これにより、第1後リンク263及び第2後リンク264と、シーソー機構280とがリンク構造を構成している。例えば、第1後輪231が障害物に乗り上げて第1後リンク263が上昇すると、シーソー機構280は回動軸を中心に回動する。そのため、シーソー機構280に連結されている第2後リンク264は、第1後リンク263に対して相対的に下降する。
続いて、図12及び図13を参照して、重心位置の移動について説明する。障害物を乗り越え可能であると判断した場合、制御部95は、第1及び第2車輪間隔が所定の目標値に到達するように、第1及び第2前輪駆動部72と、第1及び第2後輪駆動部74とを制御する。すなわち、制御部95は、第1及び第2前輪駆動部72が加えるトルクと、第1及び第2後輪駆動部74が加えるトルクとを異ならせる。これにより、第1及び第2車輪間隔が所定の長さに制御される。具体的には、第1及び第2後輪駆動部74が加えるトルクを第1及び第2前輪駆動部72が加えるトルクよりも大きくすると、第1及び第2車輪間隔が減少する。また、第1及び第2後輪駆動部74が加えるトルクを第1及び第2前輪駆動部72が加えるトルクよりも小さくすると、第1及び第2車輪間隔が増加する。そして、第1及び第2車輪間隔の長さの増減に連動して、前リンクが回転する結果、走行移動体200の重心位置が変化する。なお、駆動部の回転方向を異ならせるように、又は一方の駆動部の回転を停止するように、トルクを異ならせてもよい。
図12に示すように第1及び第2車輪間隔の長さが減少すると、図10に示す基準位置に対して重心位置が後方へ移動する。また、図13に示すように長さが増加すると、図10に示す基準位置に対して重心位置が前方へ移動する。そして、重心位置が変化することによって、車輪への荷重分配が変化する。すなわち、重心位置が後方へ移動すると、後輪に加わる荷重が増加して、前輪に加わる荷重が減少する。一方、重心位置が前方へ移動すると、後輪に加わる荷重が減少して、前輪に加わる荷重が増加する。なお、第1及び第2車輪間隔の長さは、重心位置が基準位置にあるときの車輪間隔を基準として増加又は減少させる。
以上説明した、第2実施形態に係る走行移動体200によれば、車輪の駆動力を用いて車輪間隔を増減することによって走行移動体200の重心位置を制御できる。また、不整地を走行するときに、特に段差等の障害物を乗り越えるときに、走行移動体200の車輪の駆動力を制御することによって、走行移動体200の前後方向に任意に重心位置を移動できる。これにより、走行移動体200が障害物を乗り越えやすくなる。さらに、車輪の駆動力を制御することによって重心位置を変化させるので、重心位置を変化させるために他の駆動部(アクチュエータ)を必要としない。これにより、走行移動体200の大型化及び複雑化、並びに重量増加を抑制できる。
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
例えば、駆動部として、モータに代えて内燃機関を用いてもよい。また、重視移動機構のシャフト55,255は、前リンク及び後リンクの少なくとも一方に連結されていればよい。また、重心移動機構97,297は、車輪間隔の増減に連動して、デファレンシャルケース51又は本体210を変位させる以外に、荷台11又は他の重量物を変位させることによって走行移動体100,200の重心位置を移動させてもよい。また、走行移動体100,200は、様々なサイズを有している障害物を昇り降りできる。一例として、走行移動体100,200は、車輪よりも高い障害物又は車輪よりも低い障害物を昇り降りできる。
また、本発明は、車輪を用いて移動する車両及びロボットの全てに適用可能である。例えば、本発明は、不整地を走行する惑星探査ロボット、段差の多い市街地を走行する無人移動ロボット、電動車いす、農業用ロボット、検査ロボット、及び不整地走破用のビークルに適用できる。一例として、自律走行移動体に本発明を用いた場合、走行移動体200が商品を目的地まで自動で配送することもできる。また、自律走行移動体が購入者と共に走行して、商品の搬送をサポートしてもよい。さらに、工場、倉庫、及びオフィス等の建物内において、自律走行移動体が物品を搬送してもよい。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
前輪及び後輪と、
前記前輪及び前記後輪の間の車輪間隔を増減できるように、前記前輪及び前記後輪を懸架する懸架機構と、
前記車輪間隔の増減に連動して重心位置を移動する重心移動機構と、
前記前輪を駆動する前輪駆動部と、
前記後輪を駆動する後輪駆動部とを備え、
前記懸架機構は、前記前輪を懸架する前リンクと、前記後輪を懸架する後リンクとを有し、
前記前輪駆動部は、駆動軸が前記前リンクの延びる方向に沿って延びるように配置されており、
前記後輪駆動部は、駆動軸が前記後リンクの延びる方向に沿って延びるように配置されている、走行移動体。
13 :懸架機構(第1リンク機構)
14 :懸架機構(第2リンク機構)
21 :前輪(第1前輪)
22 :前輪(第2前輪)
31 :後輪(第1後輪)
32 :後輪(第2後輪)
50 :デファレンシャルギヤ
55 :シャフト
65 :スプリング
71 :前輪駆動部(第1前輪駆動部)
72 :前輪駆動部(第2前輪駆動部)
73 :後輪駆動部(第1後輪駆動部)
74 :後輪駆動部(第2後輪駆動部)
80 :シーソー機構
93 :計測部
95 :制御部
97 :重心移動機構
100 :走行移動体
200 :走行移動体
221 :前輪(第1前輪)
222 :前輪(第2前輪)
231 :後輪(第1後輪)
232 :後輪(第2後輪)
252 :円筒ギヤ(ギヤ)
254 :サイドギヤ
255 :シャフト
256 :リンクギヤ(ギヤ)
261 :懸架機構(第1前リンク)
262 :懸架機構(第2前リンク)
263 :懸架機構(第1後リンク)
264 :懸架機構(第2後リンク)
280 :シーソー機構
297 :重心移動機構

Claims (13)

  1. 前輪及び後輪と、
    前記前輪及び前記後輪の間の車輪間隔を増減できるように、前記前輪及び前記後輪を懸架する懸架機構と、
    前記車輪間隔の増減に連動して重心位置を移動する重心移動機構と、
    前記前輪を駆動する前輪駆動部と、
    前記後輪を駆動する後輪駆動部と、
    前記前輪駆動部及び前記後輪駆動部を制御するとともに、前記車輪間隔を増減するように、前記前輪駆動部が前記前輪に加えるトルクと、前記後輪駆動部が前記後輪に加えるトルクとを異ならせる制御部とを備える、走行移動体。
  2. 前記後輪は、第1後輪及び第2後輪を含み、
    前記懸架機構は、前記第1後輪を懸架する第1リンク機構と、前記第2後輪を懸架する第2リンク機構とを有する、請求項1に記載の走行移動体。
  3. 前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構に連結され、前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構の一方が上昇するときに、他方を相対的に下降させるシーソー機構をさらに備える、請求項2に記載の走行移動体。
  4. 前記重心移動機構は、前記車輪間隔の増減に連動して回転するように前記懸架機構に接続されたシャフトと、前記シャフトに接続されたデファレンシャルギヤとを有している、請求項1から3のいずれか一項に記載の走行移動体。
  5. 前記重心移動機構は、前記車輪間隔の増減に連動して回転するように前記懸架機構に接続されたギヤと、前記ギヤに噛み合うサイドギヤと、前記サイドギヤに接続されたシャフトと、前記シャフトに接続されたギヤとを有している、請求項1から3のいずれか一項に記載の走行移動体。
  6. 前記制御部は、前記前輪を障害物に乗り上げる際に、前記重心位置が基準位置よりも後方に位置するように、前記前輪駆動部及び前記後輪駆動部が加えるトルクをそれぞれ制御する、請求項1から5のいずれか一項に記載の走行移動体。
  7. 前記制御部は、前記後輪を障害物に乗り上げる際に、前記重心位置が基準位置よりも前方に位置するように、前記前輪駆動部及び前記後輪駆動部が加えるトルクをそれぞれ制御する、請求項1から6のいずれか一項に記載の走行移動体。
  8. 前記制御部は、前記前輪を障害物から降ろす際に、前記重心位置が基準位置よりも後方に位置するように、前記前輪駆動部及び前記後輪駆動部が加えるトルクをそれぞれ制御する、請求項1から7のいずれか一項に記載の走行移動体。
  9. 前記制御部は、前記後輪を障害物から降ろす際に、前記重心位置が基準位置よりも前方に位置するように、前記前輪駆動部及び前記後輪駆動部が加えるトルクをそれぞれ制御する、請求項1から8のいずれか一項に記載の走行移動体。
  10. 前記懸架機構に接続されたスプリングをさらに備え、
    前記スプリングは、前記前輪及び前記後輪が互いに近づく方向に張力を加える、請求項1から9のいずれか一項に記載の走行移動体。
  11. 前記車輪間隔を計測する計測部をさらに備え、
    前記制御部は、前記計測部から取得した前記車輪間隔に基づいて、前記前輪駆動部及び前記後輪駆動部を制御する、請求項1から10のいずれか一項に記載の走行移動体。
  12. 前輪及び後輪と、前記前輪及び前記後輪の間の車輪間隔を増減できるように、前記前輪及び前記後輪を懸架する懸架機構と、前記車輪間隔の増減に連動して重心位置を移動する重心移動機構と、前記前輪を駆動する前輪駆動部と、前記後輪を駆動する後輪駆動部と、前記前輪駆動部及び前記後輪駆動部を制御する制御部とを備える走行移動体の制御方法であって、
    前記制御部は、前記車輪間隔を増減するように、前記前輪駆動部が前記前輪に加えるトルクと、前記後輪駆動部が前記後輪に加えるトルクとを異ならせる、制御方法。
  13. 前輪及び後輪と、前記前輪及び前記後輪の間の車輪間隔を増減できるように、前記前輪及び前記後輪を懸架する懸架機構と、前記車輪間隔の増減に連動して重心位置を移動する重心移動機構と、前記前輪を駆動する前輪駆動部と、前記後輪を駆動する後輪駆動部と、前記前輪駆動部及び前記後輪駆動部を制御する制御部とを備える走行移動体の制御プログラムであって、
    前記制御プログラムは、前記制御部に、前記車輪間隔を増減するように、前記前輪駆動部が前記前輪に加えるトルクと、前記後輪駆動部が前記後輪に加えるトルクとを異ならせる、制御プログラム。
JP2019030504A 2019-02-22 2019-02-22 走行移動体、及びその制御方法並びにその制御プログラム Active JP7304553B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019030504A JP7304553B2 (ja) 2019-02-22 2019-02-22 走行移動体、及びその制御方法並びにその制御プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019030504A JP7304553B2 (ja) 2019-02-22 2019-02-22 走行移動体、及びその制御方法並びにその制御プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020135622A true JP2020135622A (ja) 2020-08-31
JP7304553B2 JP7304553B2 (ja) 2023-07-07

Family

ID=72278785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019030504A Active JP7304553B2 (ja) 2019-02-22 2019-02-22 走行移動体、及びその制御方法並びにその制御プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7304553B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022124158A1 (ja) * 2020-12-11 2022-06-16 株式会社クボタ 作業車
CN114670585A (zh) * 2022-04-26 2022-06-28 延边大学 一种轮组装置及滑板车
JP2023000769A (ja) * 2021-06-18 2023-01-04 株式会社クボタ 作業車

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003316436A (ja) * 2002-04-25 2003-11-07 Sanyo Electric Co Ltd 台 車
JP2006190105A (ja) * 2005-01-06 2006-07-20 Toshiba Corp 移動ロボット
JP2013233895A (ja) * 2012-05-10 2013-11-21 Jtekt Corp 車両
JP2016159752A (ja) * 2015-03-02 2016-09-05 学校法人千葉工業大学 車両

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003316436A (ja) * 2002-04-25 2003-11-07 Sanyo Electric Co Ltd 台 車
JP2006190105A (ja) * 2005-01-06 2006-07-20 Toshiba Corp 移動ロボット
JP2013233895A (ja) * 2012-05-10 2013-11-21 Jtekt Corp 車両
JP2016159752A (ja) * 2015-03-02 2016-09-05 学校法人千葉工業大学 車両

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022124158A1 (ja) * 2020-12-11 2022-06-16 株式会社クボタ 作業車
JP2022093116A (ja) * 2020-12-11 2022-06-23 株式会社クボタ 作業車
JP7412322B2 (ja) 2020-12-11 2024-01-12 株式会社クボタ 作業車
JP2023000769A (ja) * 2021-06-18 2023-01-04 株式会社クボタ 作業車
JP7466499B2 (ja) 2021-06-18 2024-04-12 株式会社クボタ 作業車
CN114670585A (zh) * 2022-04-26 2022-06-28 延边大学 一种轮组装置及滑板车

Also Published As

Publication number Publication date
JP7304553B2 (ja) 2023-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI806926B (zh) 一種自動地可傾斜車輛及用於操作前者的方法
US9989970B1 (en) Systems and methods for robots having an adjustable multi-wheel
JP7304553B2 (ja) 走行移動体、及びその制御方法並びにその制御プログラム
JP4956962B2 (ja) 走行装置及びその制御方法
JP4607442B2 (ja) クローラ型走行ロボット
US8672062B2 (en) Internal means for rotating an object between gravitationally stable states
EP1529556B1 (en) Travelling apparatus and method for controlling thereof
US8322471B2 (en) Angular momentum torque enhancement for spherical vehicles
JP2006123854A (ja) 荷物運搬ロボット
US20080105481A1 (en) Reconfigurable balancing robot and method for dynamically transitioning between statically stable mode and dynamically balanced mode
GB2242173A (en) Dynamically balanced vehicle
JP6051777B2 (ja) 移動車両および階段昇降機
KR20090104915A (ko) 이동체 및 이동체의 제어 방법
JP2007161198A (ja) 走行装置及びその制御方法
NL1033676C2 (nl) Dynamisch balancerende balscooter.
JP6400174B1 (ja) 走行装置
US20170183023A1 (en) Automatic Balancing Variable Configuration Articulated Tracked Transporter
KR20180086001A (ko) 자율적으로 수평을 유지하는 이동 플랫폼
JP6587814B2 (ja) 自律走行ロボット
JP2009101899A (ja) 倒立車輪型移動体、及びその制御方法
JP5228560B2 (ja) 倒立走行ロボット及びその制御方法
JP6432060B2 (ja) 二輪ビークルならびにその制御方法および操作制御方法
TWI839245B (zh) 一種自動地可傾斜車輛
JPH03154789A (ja) 起伏地面に対処できる作業用車両
CN110606136B (zh) 一种具备全向移动和越障能力的物流机器人及其控制方法

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20190322

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230616

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7304553

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150