JP2020134340A - センサ診断システム、センサ診断方法及びプログラム - Google Patents

センサ診断システム、センサ診断方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】複数のセンサのうち少なくとも1つのセンサについて診断を行いつつ、複数のセンサの組み合わせの自由度を向上させることができるセンサ診断システム、センサ診断方法及びプログラムを提供する。【解決手段】センサ診断システム10は、取得部51と、診断部52と、を備える。取得部51は、複数のセンサ20の検出値を取得する。複数のセンサ20は、所定の物理量についての検出可能な値の範囲である感度範囲が互いに異なり、かつ感度範囲の一部の範囲が共通する。診断部52は、一部の範囲における複数のセンサ20の検出値を比較することにより、複数のセンサ20のうち少なくとも1つのセンサ20について診断を行う。【選択図】図1

Description

本開示はセンサ診断システム、センサ診断方法及びプログラムに関し、より詳細には、センサの診断を行うセンサ診断システム、センサ診断方法及びプログラムに関する。
従来、センサ部によるセンサ機能と、センサ部に関する故障診断機能とを有する装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1記載の容量式物理量検出装置は、複数の電極を有するセンサ部と、CV変換回路と、判定回路とを備えている。CV変換回路は、センサ部の電極間の容量の変化を電圧に変換する。判定回路によってCV変換回路の出力電圧が所定の閾値を超えているか否かを判定することにより、故障診断を行うことができる。
国際公開第2015/128922号
本開示は、複数のセンサのうち少なくとも1つのセンサについて診断を行いつつ、複数のセンサの組み合わせの自由度を向上させることができるセンサ診断システム、センサ診断方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係るセンサ診断システムは、取得部と、診断部と、を備える。前記取得部は、複数のセンサの検出値を取得する。前記複数のセンサは、所定の物理量についての検出可能な値の範囲である感度範囲が互いに異なり、かつ前記感度範囲の一部の範囲が共通する。前記診断部は、前記一部の範囲における前記複数のセンサの検出値を比較することにより、前記複数のセンサのうち少なくとも1つのセンサについて診断を行う。
本開示の一態様に係るセンサ診断方法は、取得処理と、診断処理と、を備える。前記取得処理では、複数のセンサの検出値を取得する。前記複数のセンサは、所定の物理量についての検出可能な値の範囲である感度範囲が互いに異なり、かつ前記感度範囲の一部の範囲が共通する。前記診断処理では、前記一部の範囲における前記複数のセンサの検出値を比較することにより、前記複数のセンサのうち少なくとも1つのセンサについて診断を行う。
本開示の一態様に係るプログラムは、前記センサ診断方法を1以上のプロセッサに実行させる。
本開示は、複数のセンサのうち少なくとも1つのセンサについて診断を行いつつ、複数のセンサの組み合わせの自由度を向上させることができるという利点がある。
図1は、一実施形態に係るセンサ診断システムのブロック図である。 図2は、同上のセンサ診断システムを用いた制御システムのブロック図である。 図3Aは、比較例に係るセンサ診断システムを用いた制御システムの概念図である。図3Bは、一実施形態に係るセンサ診断システムを用いた制御システムの概念図である。 図4は、変形例1に係るセンサ診断システムのブロック図である。
以下、実施形態に係るセンサ診断システム、センサ診断方法及びプログラムについて、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(1)センサ診断システムの概要
本実施形態のセンサ診断システム10は、図1に示すように、取得部51と、診断部52と、複数(図1では6つ)のセンサ21x、21y、21z、22x、22y、22zとを備えている。以下では、複数のセンサ21x、21y、21z、22x、22y、22zを区別しない場合は、各センサをセンサ20と称す。
各センサ20は、所定の物理量を検出する。所定の物理量とは、例えば、加速度、速度、角加速度、角速度、振動、荷重、気圧、電磁気量、温度等である。本実施形態では、所定の物理量が加速度である場合を例として説明する。
センサ21x、22xが検出する加速度の方向を直交座標系におけるX軸方向とすると、センサ21y、22yが検出する加速度の方向はY軸方向であり、センサ21z、22zが検出する加速度の方向はZ軸方向である。
複数のセンサ20は、加速度(所定の物理量)の感度範囲が互いに異なり、かつ感度範囲の一部の範囲が共通する2つ以上のセンサの組み合わせを含む。ここで、感度範囲とは、加速度(所定の物理量)についての検出可能な値の範囲である。センサ21x、21y、21zの感度範囲は同一であり、センサ22x、22y、22zの感度範囲は同一であり、センサ21x、21y、21zの感度範囲は、センサ22x、22y、22zの感度範囲と異なる。ここで、「同一」とは、完全に一致する場合に限定されず、許容される誤差の範囲内で異なっている場合を含む。センサ21x、21y、21zの感度範囲の一例は、0〜500[G]である(Gは重力加速度であり、約9.8m/s)。つまり、センサ21x、21y、21zは500[G]以下の加速度を検出可能に構成されている。センサ22x、22y、22zの感度範囲の一例は、0〜130[G]である。つまり、センサ22x、22y、22zは130[G]以下の加速度を検出可能に構成されている。
センサ21x、21y、21zの感度範囲とセンサ22x、22y、22zの感度範囲とは、0〜130[G]において重なっている。以下では、複数のセンサ20の感度範囲のうち複数のセンサ20間で共通する範囲を、共通範囲と称す。
取得部51は、複数のセンサ20の検出値を取得する。診断部52は、共通範囲(0〜130[G])における複数のセンサ20の検出値を比較することにより、複数のセンサ20のうち少なくとも1つのセンサ20について診断を行う。言い換えると、診断部52は、複数のセンサ20に共通範囲内の加速度が加えられているときの複数のセンサ20の各々の検出値を比較することにより、複数のセンサ20のうち少なくとも1つのセンサ20について診断を行う。より詳細には、診断部52は、センサ21xの検出値とセンサ22xの検出値とを比較する。センサ21xとセンサ22xとには、同じ加速度が加わる。センサ21xとセンサ22xとのうち一方には異常が無く他方に異常があるときは、センサ21xの検出値とセンサ22xの検出値との差分は正常時よりも大きい場合がある。また、センサ21xとセンサ22xとの両方に異常があるときも、センサ21xの検出値とセンサ22xの検出値との差分は正常時よりも大きい場合がある。そこで、診断部52は、センサ21xの検出値とセンサ22xの検出値との差分が第1閾値よりも大きい場合は、センサ21xとセンサ22xとのうち少なくとも一方に異常があると診断する。
同様に、診断部52は、センサ21yの検出値とセンサ22yの検出値との差分が第2閾値よりも大きい場合は、センサ21yとセンサ22yとのうち少なくとも一方に異常があると診断する。また、診断部52は、センサ21zの検出値とセンサ22zの検出値との差分が第3閾値よりも大きい場合は、センサ21zとセンサ22zとのうち少なくとも一方に異常があると診断する。
なお、センサ21x、21y、21zとセンサ22x、22y、22zとは、感度範囲が異なることに加えて、分解能も異なる。センサ21x、21y、21zと比較して、センサ22x、22y、22zは高分解能(高感度)である。つまり、センサ21x、21y、21zと比較して、センサ22x、22y、22zは、加速度のより微小な変位を検出できる。
センサ21x、21y、21zは、シリコン基板等の第1の基板上に、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の技術を用いて形成されている。以下では、センサ21x、21y、21zが形成された第1の基板を、低感度MEMS210と称す。センサ22x、22y、22zは、シリコン基板等の第2の基板上に、MEMSの技術を用いて形成されている。以下では、センサ22x、22y、22zが形成された第2の基板を、高感度MEMS220と称す。
(2)制御システム
センサ診断システム10は、例えば、自動車等の車両に備えられる。より詳細には、図2に示すように、センサ診断システム10は、車両の制御システム100に用いられる。制御システム100は、センサ診断システム10と、センサ診断システム10とは別に設けられた複数(図2では2つ)のセンサ装置11、12とを備えている。制御システム100は更に、ゲートウェイ13と、エアバッグ14と、自動運転装置15と、ADAS(Advanced driver assistance systems;先進運転支援システム)16と、ESC(Electronic Stability Control;横滑り防止装置)17と、ロールオーバコントロール18と、ECU(Electronic Control Unit)19とを備えている。
センサ装置11、12の一例は、車両の周囲を撮像する撮像素子、車両の周囲の物体を検知する超音波センサ、車速センサ、舵角センサ、ジャイロセンサ、GPSセンサ等である。なお、センサ装置11、12として、複数のセンサ20とは別の加速度センサが用いられてもよい。
ゲートウェイ13は、センサ診断システム10及びセンサ装置11、12と、自動運転装置15、ADAS16、ESC17、ロールオーバコントロール18及びECU19との間の通信を管理する。
自動運転装置15、ADAS16、ESC17、ロールオーバコントロール18及びECU19は、センサ診断システム10及びセンサ装置11、12の出力に基づいて、車両の原動機(エンジン又は電動モータ等)、ブレーキ、操舵輪等を制御する。センサ診断システム10の出力には、複数のセンサ20の検出値と、複数のセンサ20についての診断結果とが含まれる。
自動運転装置15は、車両を自動運転する。ADAS16は、車両が他の車両、人又は物体にぶつかることを防止する。ESC17は、車両の姿勢(傾き)を安定させることで横滑りを防止する。ロールオーバコントロール18は、車両の横転を防止する。ECU19は、車両に大きな加速度が加わったとき(衝突事故の発生時)にエアバッグ14を開く。なお、これらの機能は一例であって、自動運転装置15、ADAS16、ESC17、ロールオーバコントロール18及びECU19の機能はこれらに限定されない。
このように、制御システム100は、センサ診断システム10の複数のセンサ20の検出値と、複数のセンサ20についての診断結果と、センサ装置11、12の検出値とに基づいて車両を制御する。
複数のセンサ20のうち、センサ21x、21y、21zの検出値は、例えば、ECU19で用いられる。複数のセンサ20のうち、センサ22x、22y、22zの検出値は、例えば、ADAS16及びESC17で用いられる。このように、制御システム100は、複数のセンサ20のそれぞれの検出値を、センサ20ごとに異なる用途に用いる。なお、自動運転装置15では、例えば、センサ22x、22y、22z(高感度MEMS220)の検出値又はより高感度な加速度センサの検出値が用いられる。ロールオーバコントロール18では、例えば、センサ21x、21y、21z(低感度MEMS210)とセンサ22x、22y、22z(高感度MEMS220)との中間の分解能(感度)及び感度範囲を有する加速度センサの検出値が用いられる。
(3)利点
ここで、図3Aに、比較例に係る制御システム100Pの概念図を示し、図3Bに、実施形態に係る制御システム100の概念図を示す。
比較例に係る制御システム100Pは、低感度MEMS210と高感度MEMS220とをそれぞれ、複数(図3Aでは2つ)備えている。また、制御システム100Pは、2つの低感度MEMS210に対応する診断部52と、2つの高感度MEMS220に対応する診断部52とを備えている。一方の診断部52は、2つの低感度MEMS210の出力を比較することにより、少なくとも一方の低感度MEMS210について診断を行う。他方の診断部52は、2つの高感度MEMS220の出力を比較することにより、少なくとも一方の高感度MEMS220について診断を行う。
2つの低感度MEMS210の検出値は、第1のアプリケーション110に用いられる。第1のアプリケーション110は、分解能の高さは求められないが感度範囲の広さが求められるアプリケーションである。第1のアプリケーション110の一例は、エアバッグ14(図2参照)の動作を制御するECU19(図2参照)である。第1のアプリケーション110は、2つの低感度MEMS210のうち少なくとも一方のセンサ20の検出値を得られれば機能するが、制御システム100Pは、低感度MEMS210のセンサ20について診断部52で診断を行うために、低感度MEMS210を2つ備えている。
2つの高感度MEMS220の検出値は、第2のアプリケーション120に用いられる。第2のアプリケーション120は、感度範囲の広さは求められないが分解能の高さが求められるアプリケーションである。第2のアプリケーション120の一例は、ADAS16(図2参照)及びESC17(図2参照)である。第2のアプリケーション120は、2つの高感度MEMS220のうち少なくとも一方のセンサ20の検出値を得られれば機能するが、制御システム100Pは、高感度MEMS220のセンサ20について診断部52で診断を行うために、高感度MEMS220を2つ備えている。
一方で、実施形態に係る制御システム100では、低感度MEMS210の個数と高感度MEMS220の個数とはそれぞれ1つである。すなわち、実施形態に係る制御システム100では、比較例に係る制御システム100Pと比較して低感度MEMS210及び高感度MEMS220の個数が少ない。これにより、コストの低減と、低感度MEMS210及び高感度MEMS220の制御に要する処理量の低減とを図ることができる。そして、制御システム100では、診断部52は、低感度MEMS210のセンサ20の検出値と高感度MEMS220のセンサ20の検出値とを比較することにより、複数のセンサ20のうち少なくとも1つのセンサ20について診断を行うことができる。つまり、制御システム100では、センサ20について診断を行う機能を欠くことなく、低感度MEMS210及び高感度MEMS220の個数を削減できる。
また、複数のセンサ20は1つのパッケージ6に収容されているので、複数のセンサ20が個別のパッケージに収容されている場合と比較して、複数のセンサ20の配線に要する工数を削減できる。さらに、複数のセンサ20が個別のパッケージに収容されている場合と比較して、加速度(所定の物理量)に対する複数のセンサ20の各々の応答性が複数のセンサ20間で揃いやすい。
(4)センサ診断システムの詳細
図1に示すように、センサ診断システム10は、第1ユニットU1と、第2ユニットU2と、処理回路5と、パッケージ6とを備えている。第1ユニットU1は、低感度MEMS210を含む。第2ユニットU2は、高感度MEMS220を含む。第1ユニットU1及び第2ユニットU2の各々は、ドライブ回路31と、クロック回路32と、複数(図1では3つ)のNOT回路33とを更に含む。
パッケージ6は、第1ユニットU1と、第2ユニットU2と、処理回路5とを収容している。すなわち、複数のセンサ20(全てのセンサ20)は、1つのパッケージ6に収容されている。
低感度MEMS210の各センサ20及び高感度MEMS220の各センサ20は、第1コンデンサC1と、第2コンデンサC2とを有している。第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2の各々は、固定部25(固定電極)と可動部26(可動電極)とを有している。固定部25と可動部26とは互いに対向している。可動部26は、加速度(所定の物理量)が与えられた場合に、加速度の大きさに応じて動く。つまり、センサ診断システム10に加速度が加わると、可動部26が変位し可動部26と固定部25との相対位置が変わる。これにより、固定部25と可動部26との間の静電容量が変化するので、各センサ20を用いて加速度を検出することができる。すなわち、複数のセンサ20の各々は、加速度の変化を静電容量の変化に変換する、静電容量型の加速度センサである。複数のセンサ20の検出方式はいずれも静電容量方式なので、複数のセンサ20の検出方式は同じである。
各センサ20において、可動部26は、ビームと称される梁を2つ用いて支持された、両持ち梁構造を有している。両持ち梁構造においてセンサ20のうち可動部26を含む部位は、ダイアフラムとも称される。この場合、可動部26の動作原理は、加速度を受けて2つのビームを軸に回転するという原理である。複数のセンサ20の可動部26の動作原理は同じである。
なお、可動部26は、1つのビームにより支持された片持ち梁構造を有していてもよい。片持ち梁構造においてセンサ20のうち可動部26を含む部位は、カンチレバーとも称される。この場合、可動部26の動作原理は、加速度を受けて1つのビームによる支持点を中心に回転するという原理である。
複数のセンサ20では、検出方式及び可動部26の動作原理が同じなので、外乱による検出値への影響が複数のセンサ20間で同程度になりやすい。これにより、複数のセンサ20の検出値の比較による診断の精度の向上を図ることができる。さらに、複数のセンサ20は、特性が互いに近い(又は同じである)ことが好ましい。複数のセンサ20は、例えば、温度特性及びノイズ特性が互いに近い(又は同じである)ことが好ましい。具体例として、複数のセンサ20間の温度係数の誤差及びノイズ特性の誤差が例えば20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
なお、検出値が比較される対象である2つ以上のセンサ20(例えば、センサ21x及びセンサ22x)間で検出方式、動作原理及び特性等が同じ(又は近い)であれば、診断の精度の向上を図ることができる。一方で、例えばセンサ21xと21yとの間及び、センサ21yと21zとの間では、互いに検出値が比較される対象ではないため、検出方式、動作原理及び特性等が異なっていてもよい。
第1ユニットU1と第2ユニットU2とは、センサ20の感度範囲及び分解能が異なる点を除いて、互いに共通する構成を有している。以下では、特に断りの無い限り、第1ユニットU1と第2ユニットU2とのうち一方に着目して説明する。
ドライブ回路31は、クロック回路32で生成される基準クロックに基づいて、第1搬送波信号P1を生成する。第1搬送波信号P1は、一定周期でハイレベル(High)とローレベル(Low)とが入れ替わる一定振幅の矩形波信号である。各センサ20の第1コンデンサC1には、第1搬送波信号P1が入力される。各センサ20の第2コンデンサC2には、第1搬送波信号P1がNOT回路33で反転されることで生成された第2搬送波信号P2が入力される。
第1コンデンサC1には、第1コンデンサC1の静電容量に応じた電荷が貯まる。第2コンデンサC2には、第2コンデンサC2の静電容量に応じた電荷が貯まる。第1搬送波信号P1がハイレベルで、第2搬送波信号P2がローレベルの期間には、第1コンデンサC1の可動部26には正の値の電荷が貯まり、第2コンデンサC2の可動部26には負の値の電荷が貯まる。第1搬送波信号P1がローレベルで、第2搬送波信号P2がハイレベルの期間には、第1コンデンサC1の可動部26には負の値の電荷が貯まり、第2コンデンサC2の可動部26には正の値の電荷が貯まる。結果として、第1搬送波信号P1により、第1コンデンサC1の静電容量に応じた信号(電圧信号)が変調され、第2搬送波信号P2により、第2コンデンサC2の静電容量に応じた信号(電圧信号)が変調される。
第1ユニットU1及び第2ユニットU2の各々は、複数(図1では3つ)のCV変換回路41と、複数(図1では3つ)の復調回路42と、複数(図1では3つ)のADコンバータ43とを更に含む。
1つのCV変換回路41、1つの復調回路42及び1つのADコンバータ43の組(以下、「後段回路」と称す)は、直列に接続されている。後段回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路により構成される。第1ユニットU1及び第2ユニットU2の各々は、後段回路を3つ有している。3つの後段回路は、3つのセンサ20と一対一で対応している。各後段回路は、対応するセンサ20の出力側に接続されている。以下では、3つの後段回路のうち、1つの後段回路に着目して説明する。
CV変換回路41は、第1コンデンサC1の静電容量と第2コンデンサC2の静電容量との和に応じた電圧を出力する。すなわち、CV変換回路41は、第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2の静電容量を電圧に変換する回路である。センサ20に加えられた加速度に応じて、第1コンデンサC1の静電容量と第2コンデンサC2の静電容量とが変化すると、これに応じてCV変換回路41の出力が変化する。また、CV変換回路41は、増幅器を含む。CV変換回路41は、増幅器により所定の大きさまで増幅した電圧を出力する。
復調回路42は、CV変換回路41から出力された電圧(電圧信号)を復調する。これにより、電圧信号から第1搬送波信号P1及び第2搬送波信号P2の成分が除去され、復調回路42からは、センサ20の第1コンデンサC1の静電容量と第2コンデンサC2の静電容量との和に応じた大きさの電圧が出力される。
ADコンバータ43は、復調回路42から出力された電圧をアナログ信号からデジタル信号に変換し、処理回路5に出力する。
処理回路5は、ロジック回路により構成されている。処理回路5は、センサ診断システム10のデジタル回路の少なくとも一部を構成している。処理回路5は、診断部52を含む。すなわち、処理回路5のうち一部の回路(例えば、比較器を含む回路)が診断部52として機能する。また、処理回路5は、取得部51を含む。取得部51は、第1ユニットU1及び第2ユニットU2の各センサ20から後段回路(CV変換回路41、復調回路42及びADコンバータ43)を経由して入力される検出値(電圧)を取得する。診断部52は、取得部51が取得した検出値を用いて、各センサ20について診断を行う。
処理回路5には、例えば、直流電圧が印加されている。診断部52は、この直流電圧を分圧して生成した電圧の値を閾値として用いて診断を行う。すなわち、上述の通り、診断部52は、共通範囲におけるセンサ21xの検出値とセンサ22xの検出値との差分が第1閾値よりも大きい場合は、センサ21xとセンサ22xとのうち少なくとも一方に異常があると診断する。上述の通り、共通範囲は、センサ21x(又はセンサ21y、21z)の感度範囲とセンサ22x(又はセンサ22y、22z)の感度範囲とで共通する範囲である。また、診断部52は、共通範囲においてセンサ21yの検出値とセンサ22yの検出値との差分が第2閾値よりも大きい場合は、センサ21yとセンサ22yとのうち少なくとも一方に異常があると診断する。さらに、診断部52は、共通範囲においてセンサ21zの検出値とセンサ22zの検出値との差分が第3閾値よりも大きい場合は、センサ21zとセンサ22zとのうち少なくとも一方に異常があると診断する。
ところで、複数のセンサ20は、センサ20ごとにスケールが異なっている場合がある。つまり、複数のセンサ20に異常が無く正常な場合であって、複数のセンサ20が同じ大きさの物理量(加速度)を検出した場合に、各センサ20の構造等の仕様の違いにより、センサ20ごとに検出値の大きさが異なる場合がある。このような場合にセンサ20ごとの検出値の比較を可能とするために、CV変換回路41は、複数のセンサ20のうち少なくとも1つのセンサ20の検出値の大きさを所定の倍率で変化させる調整部として機能する。所定の倍率は、センサ20ごとに予め決定されている。検出値の大きさを変化させることにより、CV変換回路41は、複数のセンサ20のスケールを揃える。例えば、各センサ20において検出値(電圧)は加速度に比例するとして、1[G]の加速度が加えられた場合に、センサ21xは正常時に500[mV]を出力する一方で、センサ22xは正常時に600[mV]を出力するとする。CV変換回路41は、センサ21xの出力を6倍に増幅し、センサ22xの出力を5倍に増幅する。つまり、各センサ21x、22xの出力を、互いの最小公倍数により増幅する。これにより、1[G]の加速度が加えられた場合に、センサ21x、22xの正常時の検出値はいずれも3000[mV]となる。つまり、複数のセンサ20のスケールが揃う。したがって、共通範囲内の任意の加速度に対して、診断部52は、センサ21xの検出値とセンサ22xの検出値とを比較することが可能となる。なお、CV変換回路41は、各センサ20の出力を増幅することに限定されず、減衰させてもよい。要するに、CV変換回路41は、複数のセンサのスケールを揃えるために、少なくとも1つのセンサ20の検出値を所定の倍率で変化させればよい。また、センサ診断システム10は、検出値を増幅又は減衰させることにより少なくとも1つのセンサ20のオフセット電圧を補正する回路を備えていてもよい。
処理回路5は、センサ診断システム10の第1端子61及び第2端子62に電気的に接続されている。処理回路5は、第1端子61を介して、各センサ20の検出値に関する信号を出力する。処理回路5は、第2端子62を介して、各センサ20についての診断結果を示す信号を出力する。本実施形態では、第1端子61及び第2端子62から出力される信号は、ゲートウェイ13(図2参照)を介して、自動運転装置15、ADAS16、ESC17、ロールオーバコントロール18及びECU19等に入力される。
ここで、処理回路5から第1端子61を介して1度に出力される信号には、複数のセンサ20が検出した複数の検出値が含まれている。処理回路5は、第1端子61を介して、各センサ20の検出値に関する信号を、複数のセンサ20間で同期させて出力する。つまり、各センサ20の検出値は時々刻々と変化するが、ある時点において複数のセンサ20が検出した複数の検出値は、第1端子61を介して同時に出力される。したがって、各センサ20の検出値の出力先の回路では、検出値に基づいて各センサ20の診断を行うことが可能である。つまり、センサ診断システム10でも各センサ20の診断は行われるが、これに加えて、センサ診断システム10の外部の回路でも各センサ20の診断が行われてもよい。この場合、各センサ20の診断の精度の向上を図ることができる。
(変形例1)
実施形態のセンサ診断システム10は、第1ユニットU1及び第2ユニットU2を備えており、診断部52は、第1ユニットU1の1つのセンサ20の検出値と第2ユニットU2の1つのセンサ20の検出値とを比較することで、これら2つのセンサ20について診断を行う。ここで、センサ診断システム10は、更に多くのセンサ20を備えていてもよい。また、診断部52は、3つ以上のセンサ20の検出値を比較することで、各センサ20について診断を行ってもよい。以下では、第1ユニットU1及び第2ユニットU2に加えて第3ユニットU3を備えたセンサ診断システム10Aについて、図4を用いて説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第1ユニットU1と第2ユニットU2と第3ユニットU3とは、センサ20の感度範囲及び分解能(感度)が異なる点を除いて、互いに共通する構成を有している。すなわち、第3ユニットU3は、第1ユニットU1の低感度MEMS210(又は第2ユニットU2の高感度MEMS220)に代えて、中感度MEMS230を備えている。中感度MEMS230は、センサ23x、23y、23zを有している。以下では、複数のセンサ21x、21y、21z、22x、22y、22z、23x、23y、23zを区別しない場合は、各センサをセンサ20と称す。
中感度MEMS230のセンサ23x、23y、23zの分解能は、低感度MEMS210のセンサ21x、21y、21zの分解能と高感度MEMS220のセンサ22x、22y、22zの分解能との中間の分解能である。また、中感度MEMS230のセンサ23x、23y、23zの感度範囲の広さは、低感度MEMS210のセンサ21x、21y、21zの感度範囲の広さと高感度MEMS220のセンサ22x、22y、22zの感度範囲の広さとの中間の広さである。中感度MEMS230のセンサ23x、23y、23zの感度範囲の一例は、0〜200[G]である。一方、低感度MEMS210のセンサ21x、21y、21zの感度範囲の一例は、0〜500[G]である。また、高感度MEMS220のセンサ22x、22y、22zの感度範囲の一例は、0〜130[G]である。すなわち、低感度MEMS210、高感度MEMS220及び中感度MEMS230の各センサ20の感度範囲は、共通範囲(0〜130[G])において重なっている。
中感度MEMS230の各センサ20の検出値は、例えば、ロールオーバコントロール18(図2参照)で用いられる。
診断部52は、低感度MEMS210、高感度MEMS220及び中感度MEMS230の各センサ20の共通範囲(0〜130[G])における検出値を比較することにより、各センサ20について診断を行う。診断部52は、例えば、各センサ21x、22x、23xの検出値の分散を求め、分散が第1の比較値(閾値)よりも大きい場合は、センサ21x、22x、23xのうち少なくとも1つに異常があると診断する。また、診断部52は、例えば、各センサ21y、22y、23yの検出値の分散を求め、分散が第2の比較値よりも大きい場合は、センサ21y、22y、23yのうち少なくとも1つに異常があると診断する。また、診断部52は、例えば、各センサ21z、22z、23zの検出値の分散を求め、分散が第3の比較値よりも大きい場合は、センサ21z、22z、23zのうち少なくとも1つに異常があると診断する。
(その他の変形例)
センサ診断システム10と同様の機能は、センサ診断方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。例えば、処理回路5としての機能が、プログラムを実行するプロセッサにより実現されてもよい。
一態様に係るセンサ診断方法は、取得処理と、診断処理と、を備える。取得処理では、複数のセンサ20の検出値を取得する。複数のセンサ20は、所定の物理量についての検出可能な値の範囲である感度範囲が互いに異なり、かつ感度範囲の一部の範囲が共通する。診断処理では、上記一部の範囲における複数のセンサ20の検出値を比較することにより、複数のセンサ20のうち少なくとも1つのセンサ20について診断を行う。
一態様に係るプログラムは、上記のセンサ診断方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
本開示におけるセンサ診断システム10は、コンピュータシステムを含んで構成されてもよい。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示におけるセンサ診断システム10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、センサ診断システム10における複数の機能が、1つの筐体内又は1つのパッケージ6内に集約されていることはセンサ診断システム10に必須の構成ではない。センサ診断システム10の構成要素は、複数の筐体又は複数のパッケージ6に分散して設けられていてもよい。さらに、センサ診断システム10の少なくとも一部の機能、例えば、処理回路5の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。あるいは、処理回路5の一部の機能が車両に備えられたECUによって実現されてもよい。
以下、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
実施形態では、センサ21x、21y、21zの感度範囲はセンサ22x、22y、22zの感度範囲の全てを含むが、これに限定されず、センサ21x、21y、21zの感度範囲がセンサ22x、22y、22zの感度範囲の一部のみを含んでいてもよい。
また、センサ21x、21y、21zの感度範囲が同一であることは必須ではなく、センサ22x、22y、22zの感度範囲が同一であることも必須ではない。少なくとも、検出値を診断部52で比較される対象である2つ以上のセンサ20が、次の条件を満たしていればよい。条件とは、感度範囲が互いに異なり、かつ感度範囲が共通範囲において重なっていることである。つまり、センサ21xとセンサ22xとの組が上記条件を満たしており、センサ21yとセンサ22yとの組が上記条件を満たしており、センサ21zとセンサ22zとの組が上記条件を満たしていればよい。
また、各センサ20は、静電容量型の加速度センサに限定されない。各センサ20は、例えば、加速度の変化をピエゾ抵抗の抵抗値の変化に変換するピエゾ抵抗型の加速度センサであってもよい。
また、処理回路5は、アナログ回路により構成されてもよい。
また、制御システム100は、例えばドライブ回路31を制御することにより、低感度MEMS210及び高感度MEMS220のうちいずれかの出力を停止する制御回路を備えていてもよい。制御回路は例えば、低感度MEMS210の比較的広い感度範囲が必要な場合に低感度MEMS210を機能させ、高感度MEMS220の比較的高い分解能が必要な場合に高感度MEMS220を機能させてもよい。
また、診断部52は、比較対象である各センサ20の検出値(電圧値)をパターンマッチング等の手法により比較し、所定の時間長において各センサ20の検出値がマッチング(一致又は類似)していない場合に異常であると診断してもよい。
また、センサ20の感度範囲は、センサ20が所定の物理量(加速度等)を物理的に検出可能な範囲よりも小さい範囲であってもよい。すなわち、センサ20の検出値が所定の第1の範囲内の場合は、処理回路5等は検出値を無効な値として処理し、センサ20の検出値が第1の範囲とは異なる第2の範囲内の場合は、処理回路5等は検出値を有効な値として処理してもよい。この場合、センサ20の感度範囲とは、第2の範囲である。つまり、この場合、センサ20の外部の構成(処理回路5等)によりセンサ20の感度範囲が規定される。この場合の一例として、低感度MEMS210の各センサ20の感度範囲は0〜500[G]、高感度MEMS220の各センサ20の感度範囲は0〜130[G]、中感度MEMS230の各センサ20の感度範囲は0〜200[G]であってもよい。上記の例では、例えば、低感度MEMS210の各センサ20では、加速度を物理的に検出可能な範囲のうち、500[G]を超える範囲が第1の範囲に相当する。
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
第1の態様に係るセンサ診断システム10(又は10A)は、取得部51と、診断部52と、を備える。取得部51は、複数のセンサ20の検出値を取得する。複数のセンサ20は、所定の物理量についての検出可能な値の範囲である感度範囲が互いに異なり、かつ感度範囲の一部の範囲が共通する。診断部52は、一部の範囲における複数のセンサ20の検出値を比較することにより、複数のセンサ20のうち少なくとも1つのセンサ20について診断を行う。
上記の構成によれば、複数のセンサ20のうち少なくとも1つのセンサ20について診断を行うことができる。しかも、複数のセンサ20の感度範囲が互いに異なるので、複数のセンサ20の感度範囲が互いに同一の感度範囲に限られる場合と比較して、複数のセンサ20の組み合わせの自由度が向上する。
また、第2の態様に係るセンサ診断システム10(又は10A)は、第1の態様において、制御システム100に用いられる。制御システム100は、複数のセンサ20のそれぞれの検出値をセンサ20ごとに異なる用途に用いる。
上記の構成によれば、互いに用途が異なる複数のセンサ20を用いて、少なくとも1つのセンサ20について診断を行うことができる。
また、第3の態様に係るセンサ診断システム10(又は10A)は、第1又は2の態様において、調整部(CV変換回路41)を更に備える。調整部は、複数のセンサ20のうち少なくとも1つのセンサ20の検出値の大きさを所定の倍率で変化させる。
上記の構成によれば、センサ診断システム10(又は10A)が調整部を備えているために、各センサ20間で正常時の検出値の大きさを揃えることが可能となる。つまり、異常が無い正常時の各センサ20に同じ大きさの物理量が与えられた場合に、各センサ20間のスケールの差に起因してセンサ20ごとに検出値の大きさに差がある場合であっても、調整部により各センサ20の検出値の大きさを揃えることができる。したがって、センサ20ごとにスケールが異なっていてもセンサ20について診断を行うことができる。
また、第4の態様に係るセンサ診断システム10(又は10A)は、第1〜3の態様のいずれか1つにおいて、複数のセンサ20を更に備える。
上記の構成によれば、複数のセンサ20のうち少なくとも1つのセンサ20について診断を行うことができる。しかも、複数のセンサ20の感度範囲が互いに異なるので、複数のセンサ20の感度範囲が互いに同一の感度範囲に限られる場合と比較して、複数のセンサ20の組み合わせの自由度が向上する。
また、第5の態様に係るセンサ診断システム10(又は10A)では、第1〜4の態様のいずれか1つにおいて、複数のセンサ20の検出方式が同じである。
上記の構成によれば、各センサ20の検出方式がそれぞれ異なる場合と比較して、センサ20ごとの検出値のばらつきを低減できる。よって、センサ20についての診断の精度を向上させることができる。
また、第6の態様に係るセンサ診断システム10(又は10A)では、第1〜5の態様のいずれか1つにおいて、複数のセンサ20の各々は可動部26を有する。可動部26は、所定の物理量の大きさに応じて動く。複数のセンサ20の可動部26の動作原理が同じである。
上記の構成によれば、複数のセンサ20の可動部26の動作原理がそれぞれ異なる場合と比較して、センサ20ごとの検出値のばらつきを低減できる。よって、センサ20についての診断の精度を向上させることができる。
また、第7の態様に係るセンサ診断システム10(又は10A)では、第1〜6の態様のいずれか1つにおいて、複数のセンサ20は、1つのパッケージ6に収容されている。
上記の構成によれば、複数のセンサ20が個別のパッケージ6に収容されている場合と比較して、複数のセンサ20の配線に要する工数を削減できる。
また、第8の態様に係るセンサ診断システム10(又は10A)では、第1〜7の態様のいずれか1つにおいて、所定の物理量は、加速度を含む。
上記の構成によれば、加速度の感度範囲が互いに異なる複数のセンサ20を用いて、少なくとも1つのセンサ20について診断を行うことができる。
第1の態様以外の構成については、センサ診断システム10(又は10A)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
また、第9の態様に係るセンサ診断方法は、取得処理と、診断処理と、を備える。取得処理では、複数のセンサ20の検出値を取得する。複数のセンサ20は、所定の物理量についての検出可能な値の範囲である感度範囲が互いに異なり、かつ感度範囲の一部の範囲が共通する。診断処理では、上記一部の範囲における複数のセンサ20の検出値を比較することにより、複数のセンサ20のうち少なくとも1つのセンサ20について診断を行う。
上記の構成によれば、複数のセンサ20のうち少なくとも1つのセンサ20について診断を行うことができる。しかも、複数のセンサ20の感度範囲が互いに異なるので、複数のセンサ20の感度範囲が互いに同一の感度範囲に限られる場合と比較して、複数のセンサ20の組み合わせの自由度が向上する。
また、第10の態様に係るプログラムは、第9の態様に係るセンサ診断方法を1以上のプロセッサに実行させる。
上記の構成によれば、複数のセンサ20のうち少なくとも1つのセンサ20について診断を行うことができる。しかも、複数のセンサ20の感度範囲が互いに異なるので、複数のセンサ20の感度範囲が互いに同一の感度範囲に限られる場合と比較して、複数のセンサ20の組み合わせの自由度が向上する。
上記態様に限らず、実施形態に係るセンサ診断システム10(又は10A)の種々の構成(変形例を含む)は、センサ診断方法及びプログラムにて具現化可能である。
10、10A センサ診断システム
20 センサ
26 可動部
41 CV変換回路(調整部)
51 取得部
52 診断部
6 パッケージ
100 制御システム

Claims (10)

  1. 所定の物理量についての検出可能な値の範囲である感度範囲が互いに異なり、かつ前記感度範囲の一部の範囲が共通する複数のセンサの検出値を取得する取得部と、
    前記一部の範囲における前記複数のセンサの検出値を比較することにより、前記複数のセンサのうち少なくとも1つのセンサについて診断を行う診断部と、を備える、
    センサ診断システム。
  2. 前記複数のセンサのそれぞれの検出値をセンサごとに異なる用途に用いる制御システムに用いられる、
    請求項1に記載のセンサ診断システム。
  3. 前記複数のセンサのうち少なくとも1つのセンサの前記検出値の大きさを所定の倍率で変化させる調整部を更に備える、
    請求項1又は2に記載のセンサ診断システム。
  4. 前記複数のセンサを更に備える、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサ診断システム。
  5. 前記複数のセンサの検出方式が同じである、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサ診断システム。
  6. 前記複数のセンサの各々は、前記所定の物理量の大きさに応じて動く可動部を有し、
    前記複数のセンサの前記可動部の動作原理が同じである、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサ診断システム。
  7. 前記複数のセンサは、1つのパッケージに収容されている、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサ診断システム。
  8. 前記所定の物理量は、加速度を含む、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のセンサ診断システム。
  9. 所定の物理量についての検出可能な値の範囲である感度範囲が互いに異なり、かつ前記感度範囲の一部の範囲が共通する複数のセンサの検出値を取得する取得処理と、
    前記一部の範囲における前記複数のセンサの検出値を比較することにより、前記複数のセンサのうち少なくとも1つのセンサについて診断を行う診断処理と、を備える、
    センサ診断方法。
  10. 請求項9に記載のセンサ診断方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
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