JP2020134330A - 熱伝導真空計 - Google Patents

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Yukiko Okano
夕紀子 岡野
修一 田尻
Shuichi Tajiri
修一 田尻
大西 孝則
Takanori Onishi
孝則 大西
綱之 佐々木
Tsunayuki Sasaki
綱之 佐々木
小川 倉一
Soichi Ogawa
倉一 小川
宏司 美馬
Koji Mima
宏司 美馬
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Abstract

【課題】周囲の温度の影響を受けずに該周囲の圧力を精度良く計測可能な熱伝導真空計を提供する。【解決手段】本発明に係る熱伝導真空計10は、感応部11と、感応部11を通電によって加熱する通電加熱部12と、加熱された感応部11の熱損失から圧力を求める演算部13とを備えている。通電加熱部12は、感応部11を予め設定された2以上の異なった目標温度に加熱し、演算部13は、上記2以上の異なった目標温度に加熱された感応部11の熱損失の差から圧力を求める。【選択図】図1

Description

本発明は、通電加熱された感応部の熱損失に基づいて該感応部の周囲の圧力を計測する熱伝導真空計に関する。
従来、真空チャンバ内の圧力を計測するために、熱伝導真空計が広く利用されている。熱伝導真空計は、周囲の気体を介した熱伝導による熱損失qgが該周囲の圧力に応じて変化することを利用したもので、多くの場合、図10に示した熱伝導真空計100のような構成を有している。
具体的には、熱伝導真空計100は、感応部101と、通電加熱部102とを備えている。また、感応部101は、白金等からなる金属細線104と、これを取り巻く管状のエンベロープ103とで構成されている。この熱伝導真空計100では、(1)通電加熱部102が感応部101(厳密には、金属細線104)を所定の温度に加熱する、(2)通電加熱部102が感応部101に供給している電力、すなわち感応部101の熱損失Qを計測するとともに該熱損失Qに関する信号を出力する、といった流れで感応部101の周囲圧力Pが計測される。
ここで、上記計測の途中で算出される感応部101の熱損失Qには、図10に示すように、熱損失qgのほか、感応部101に接続されたリード線を介した熱伝導による熱損失qsと、熱輻射による熱損失qrとが含まれる(例えば、非特許文献1参照)。そして、熱損失qgは計測すべき周囲圧力Pに応じて変化するが、熱損失qsおよび熱損失qrは周囲圧力Pに応じて変化することはない。このため、感応部101の全熱損失Q(=qg+qs+qr)に基づいて周囲圧力Pを計測する従来の熱伝導真空計100では、全熱損失Qにおける熱損失qgの比率が低い真空環境で、周囲圧力Pを精度良く計測することができなかった。
図11は、このことを分かりやすく図示したものである。以下に箇条書きで示した環境では、周囲圧力Pが10Pa付近よりも低くなると、全熱損失Qと熱損失qgとの間に無視できないずれが生じ、計測の精度が低下する。
・金属細線104の材質:白金
・金属細線104の長さ:50mm
・金属細線104の径:10μmφ
・エンベロープ103の径:10mm
・金属細線104の温度:500K
・周囲温度:300K
・周囲の気体の種類:アルゴン
このような事情に鑑み、従来の熱伝導真空計100の中には、熱損失qsおよび熱損失qrを考慮して全熱損失Qを補正することにより計測精度の改善を試みたものも存在する。しかしながら、熱損失qg、熱損失qsおよび熱損失qrは周囲の温度に応じて変動するため、このような補正を行ったとしても、満足できる程度にまで計測精度を向上させることはできなかった。
中島敏等編、「真空工学ハンドブック 7.3 熱伝導真空計」、朝倉書店、1965年、p.172-173
本発明は、周囲の温度の影響を受けずに該周囲の圧力を精度良く計測可能な熱伝導真空計を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る第1の熱伝導真空計は、感応部と、感応部を通電によって加熱する通電加熱部と、加熱された感応部の熱損失から圧力を求める演算部とを備えたものであって、通電加熱部が、感応部を予め設定された2以上の異なった目標温度に加熱し、演算部が、2以上の異なった目標温度に加熱された感応部の熱損失の差から圧力を求める、との構成を有している。
上記熱伝導真空計は、通電加熱部が、感応部を第1目標温度および該第1目標温度とは異なる第2目標温度に加熱し、演算部が、第1目標温度に加熱された感応部の熱損失と第2目標温度に加熱された感応部の熱損失との差から圧力を求める、との構成を有していてもよい。
上記熱伝導真空計は、通電加熱部としてのホイートストンブリッジ回路および該回路の駆動回路が、感応部の抵抗値が第1目標温度に対応する第1抵抗値および第2目標温度に対応する第2抵抗値となるように感応部を通電する、との構成を有していてもよい。
上記熱伝導真空計は、通電加熱部としての可変電圧源が、感応部の温度が第1目標温度および第2目標温度となるような範囲で、感応部に印加する電圧を変化させる、との構成を有していてもよい。
上記熱伝導真空計は、通電加熱部としての可変電流源が、感応部の温度が第1目標温度および第2目標温度となるような範囲で、感応部に供給する電流を変化させる、との構成を有していてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る第2の熱伝導真空計は、感応部と、感応部を通電によって加熱する通電加熱部と、加熱された感応部の熱損失から圧力を求める演算部とを備えたものであって、感応部が、第1感応部および第2感応部を含み、通電加熱部が、第1感応部を加熱する第1通電加熱部および第2感応部を加熱する第2通電加熱部を含み、第1通電加熱部が、第1感応部を予め設定された第1目標温度に加熱し、第2通電加熱部が、第2感応部を第1目標温度とは異なる予め設定された第2目標温度に加熱し、演算部が、第1目標温度に加熱された第1感応部の熱損失と第2目標温度に加熱された第2感応部の熱損失との差から圧力を求める、との構成を有している。
上記熱伝導真空計は、第1通電加熱部としての第1ホイートストンブリッジ回路および該回路の第1駆動回路が、第1感応部の抵抗値が第1目標温度に対応する第1抵抗値となるように第1感応部を通電し、第2通電加熱部としての第2ホイートストンブリッジ回路および該回路の第2駆動回路が、第2感応部の抵抗値が第2目標温度に対応する第2抵抗値となるように第2感応部を通電する、との構成を有していてもよい。
本発明によれば、周囲の温度の影響を受けずに該周囲の圧力を精度良く計測可能な熱伝導真空計を提供することができる。
本発明の第1実施例に係る熱伝導真空計のブロック図である。 第1実施例における通電加熱部の構成を示す回路図である。 第1実施例における感応部の温度変化を示すグラフである。 第1実施例における圧力の計測過程を示すグラフである。 本発明の第2実施例に係る熱伝導真空計のブロック図である。 本発明の第3実施例に係る熱伝導真空計のブロック図である。 第3実施例における通電を示すグラフである。 第3実施例における記憶部に格納されたデータを示す図である。 本発明の変形例における感応部の温度変化を示すグラフである。 従来の熱伝導真空計のブロック図である。 全熱損失およびその内訳の圧力依存性を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る熱伝導真空計の第1〜第3実施例について説明する。
[第1実施例]
図1に、本発明の第1実施例に係る熱伝導真空計10を示す。同図に示すように、本実施例に係る熱伝導真空計10は、真空チャンバ内に配置される感応部11と、通電加熱部12と、演算部13と、電圧計17と、電流計18とを備えている。感応部11は、従来の感応部101と同様、白金からなる金属細線と、これを取り巻く管状のエンベロープとで構成されている。
図2に示すように、通電加熱部12は、可変抵抗R1および抵抗R2,R3を含むホイートストンブリッジ回路と、ホイートストンブリッジ回路の点P1,P2間の電圧がゼロになるように該ブリッジ回路を駆動する駆動回路(オペアンプOP、トランジスタTR等)とからなっている。なお、厳密には、抵抗R1,R2,R3に感応部11を加えた4つの抵抗がホイートストンブリッジ回路であるが、本明細書では、便宜上、感応部11を除く3つの抵抗R1,R2,R3をホイートストンブリッジ回路と呼ぶこととする。
本実施例では、抵抗R2,R3の抵抗値が等しい。したがって、可変抵抗R1の抵抗値が変更され、かつブリッジ回路が平衡すると、感応部11の抵抗値は変更後の可変抵抗R1の抵抗値に等しくなる。また、感応部11の抵抗値が変化すると、金属細線を構成する材料(本実施例では白金)の抵抗温度係数(TCR,Temperature Coefficient of Resistance)にしたがって感応部11自身の温度も変化する。このため、通電加熱部12によれば、可変抵抗R1の抵抗値を変更することにより、感応部11を任意の温度に通電加熱することができる。
図3に示すように、可変抵抗R1の抵抗値は、通電が開始される時刻t1の前に温度T1(=300℃)に対応する値に設定され、時刻t2において温度T2(=400℃)に対応する値に再設定される。これにより、感応部11の温度は、周囲温度T0から温度T1に変化し、その後、温度T2に変化する。
再び図1を参照する。電圧計17は、感応部11に印加されている電圧を検知するとともに該検知の結果に関する信号を演算部13に出力する。また、電流計18は、感応部11に供給されている電流を検知するとともに該検知の結果に関する信号を演算部13に出力する。電圧計17および電流計18は、感応部11とともに真空チャンバ内に配置されていてもよいし、真空チャンバ外に配置されていてもよい。
演算部13は、マイクロプロセッサ(MPU,Micro-Processing Unit)およびこれに付随するメモリ装置からなり、熱損失算出部14と、記憶部15と、圧力換算部16とを有している。
熱損失算出部14は、感応部11の温度が温度T1であるとき、すなわち時刻t1とt2の間に、電圧計17の検知結果V1および電流計18の検知結果I1から感応部11の全熱損失Q1(=V1×I1)を算出し、これを記憶部15に格納する。また、熱損失算出部14は、感応部11の温度が温度T2であるとき、すなわち時刻t2とt3の間に、電圧計17の検知結果V2および電流計18の検知結果I2から感応部11の全熱損失Q2(=V2×I2)を算出し、これを記憶部15に格納する。
圧力換算部16は、記憶部15に格納された全熱損失Q1,Q2の差ΔQ(=Q2−Q1)を周囲圧力Pに換算するとともに該圧力Pに関する信号を出力する。本実施例では、熱損失差ΔQと周囲圧力Pの関係に関する予め作成されたテーブルに基づいて換算が行われる。
続いて、本実施例に係る熱伝導真空計10により、周囲温度T0の影響を受けずに周囲圧力Pが計測される理由について説明する。
前述した通り、熱損失算出部14によって算出される全熱損失Qには、熱損失qg、熱損失qsおよび熱損失qrが含まれている。

Q=qg+qs+qr ・・・(1)

また、(1)式は、(2)式のような形で表現することもできる。

Q=qg(TH)−qg(T0g
+qs(TH)−qs(T0s) ・・・(2)
+qr(TH)−qr(T0r

ここで、
g(TH)は、温度THの感応部11から気体が持ち出す熱量、
g(T0g)は、温度T0g(≒T0)の気体が感応部11に持ち込む熱量、
s(TH)は、温度THの感応部11からリード線を通じて流出する熱量、
s(T0s)は、温度T0s(≒T0)のリード線から感応部11に流入する熱量、
r(TH)は、温度THの感応部11から輻射によって流出する熱量、
r(T0r)は、温度T0r(≒T0)の周囲から輻射によって入射する熱量、
である。
したがって、感応部11の温度が温度T1であるときの全熱損失Q1および感応部11の温度が温度T2であるときの全熱損失Q2は、(3)式および(4)式の通りとなる。

1=qg(T1)−qg(T0g
+qs(T1)−qs(T0s) ・・・(3)
+qr(T1)−qr(T0r

2=qg(T2)−qg(T0g
+qs(T2)−qs(T0s) ・・・(4)
+qr(T2)−qr(T0r

そして、熱損失差ΔQは、(5)式の通りとなる。

ΔQ=Q2−Q1
=qg(T2)+qs(T2)+qr(T2) ・・・(5)
−qg(T1)−qs(T1)−qr(T1
(5)式は、周囲温度T0に関する項を含んでいない。このことは、本実施例に係る熱伝導真空計10による周囲圧力Pの計測が、周囲温度T0の影響を受けないことを示している。
図4(A)は、周囲圧力Pを10kPaとし、一般的な熱伝導真空計の使用温度範囲(10℃〜60℃)を高温側に大きく広げた20℃〜200℃の範囲で周囲温度T0を変動させたときに、全熱損失Q1,Q2および熱損失差ΔQを算出した結果である。この結果は、全熱損失Q1,Q2は周囲温度T0に依存するが、熱損失差ΔQは周囲温度T0に依存しないことを示している。周囲圧力Pを4.46kPaに変更した図4(B)、および周囲圧力Pを5Paに変更した図4(C)も、同じ傾向を示している。
また、図4は、周囲圧力Pに応じて熱損失差ΔQが変化することを示している。このことは、熱損失差ΔQを周囲圧力Pに一義的に換算できることを示している。
[第2実施例]
図5に、本発明の第2実施例に係る熱伝導真空計20を示す。同図に示すように、本実施例に係る熱伝導真空計20は、真空チャンバ内に近接して配置される2つの感応部21A,21Bと、感応部21Aのための第1通電加熱部22A、第1電圧計26Aおよび第1電流計27Aと、感応部21Bのための第2通電加熱部22B、第2電圧計26Bおよび第2電流計27Bと、演算部23とを備えている。感応部21A,21Bは、従来の感応部101と同様、白金からなる金属細線と、これを取り巻く管状のエンベロープとで構成されている。
通電加熱部22A,22Bは、第1実施例の通電加熱部12と同様、ホイートストンブリッジ回路と該ブリッジ回路の駆動回路とからなっている。ただし、本実施例では、第1通電加熱部22Aに含まれる可変抵抗R1の抵抗値が、温度T1(=300℃)に対応する値に固定されている。また、本実施例では、第2通電加熱部22Bに含まれる可変抵抗R1の抵抗値が、温度T2(=400℃)に対応する値に固定されている。
本実施例では、第1通電加熱部22Aによる加熱と第2通電加熱部22Bによる加熱とが時間的に並行して行われる。
第1電圧計26Aは、感応部21Aに印加されている電圧を検知するとともに該検知の結果に関する信号を演算部23に出力する。また、第1電流計27Aは、感応部21Aに供給されている電流を検知するとともに該検知の結果に関する信号を演算部23に出力する。同様に、第2電圧計26Bは、感応部21Bに印加されている電圧を検知するとともに該検知の結果に関する信号を演算部23に出力する。また、第2電流計27Bは、感応部21Bに供給されている電流を検知するとともに該検知の結果に関する信号を演算部23に出力する。電圧計26A,26Bおよび電流計27A,27Bは、感応部21A,21Bとともに真空チャンバ内に配置されていてもよいし、真空チャンバ外に配置されていてもよい。
演算部23は、マイクロプロセッサからなり、感応部21Aのための第1熱損失算出部24Aと、感応部21Bのための第2熱損失算出部24Bと、圧力換算部25とを有している。
第1熱損失算出部24Aは、感応部21Aの温度が温度T1であるときに、第1電圧計26Aの検知結果V1および第1電流計27Aの検知結果I1から感応部21Aの全熱損失Q1(=V1×I1)を算出する。一方、第2熱損失算出部24Bは、感応部21Bの温度が温度T2であるときに、第2電圧計26Bの検知結果V2および第2電流計27Bの検知結果I2から感応部21Bの全熱損失Q2(=V2×I2)を算出する。上記の通り、本実施例では、第1通電加熱部22Aによる加熱と第2通電加熱部22Bによる加熱とが時間的に並行して行われる。このため、本実施例では、全熱損失Q1および全熱損失Q2の算出を同時に行うことができる。
圧力換算部25は、同時に算出された2つの全熱損失Q1,Q2の差ΔQ(=Q2−Q1)を周囲圧力Pに換算するとともに該圧力Pに関する信号を出力する。第1実施例と同様、本実施例では、熱損失差ΔQと周囲圧力Pの関係に関する予め作成されたテーブルに基づいて換算が行われる。
第1実施例に係る熱伝導真空計10では、感応部11の温度が温度T1から温度T2に変化するのを待たないと全熱損失Q2を算出することができなかったが、本実施例に係る熱伝導真空計20では、その必要はない。したがって、本実施例に係る熱伝導真空計20によれば、第1実施例よりも素早く周囲圧力Pを計測することができる。
[第3実施例]
図6に、本発明の第3実施例に係る熱伝導真空計30を示す。同図に示すように、本実施例に係る熱伝導真空計30は、真空チャンバ内に配置される感応部31と、通電加熱部32と、演算部33と、電圧計37と、電流計38とを備えている。感応部31は、従来の感応部101と同様、白金からなる金属細線と、これを取り巻く管状のエンベロープとで構成されている。
通電加熱部32は、第1実施例および第2実施例とは異なり、可変電圧源からなっている。図7に示すように、通電加熱部32は、感応部31の温度が温度Tα(=300℃)となる電圧Vαと感応部31の温度が温度Tβ(=400℃)となる電圧Vβを跨ぐように変化する三角波状の電圧を出力する。
電圧計37は、感応部31に実際に印加されている電圧の瞬時値を所定の頻度で検知するとともに該検知の結果に関する信号を演算部33に逐次出力する。また、電流計38は、感応部31に供給されている電流の瞬時値を所定の頻度で検知するとともに該検知の結果に関する信号を演算部33に逐次出力する。電圧計37による検知と電流計38による検知は、同時に行われる。電圧計37および電流計38は、感応部31とともに真空チャンバ内に配置されていてもよいし、真空チャンバ外に配置されていてもよい。
演算部33は、マイクロプロセッサおよびこれに付随するメモリ装置からなり、抵抗・熱損失算出部34と、記憶部35と、圧力換算部36とを有している。
抵抗・熱損失算出部34は、時刻txにおける電圧計37の検知結果Vxおよび同時刻txにおける電流計38の検知結果Ixから感応部31の抵抗値Rx(=Vx/Ix)を算出し、これを時刻txに関連付けて記憶部35に記憶していく。また、抵抗・熱損失算出部34は、時刻txにおける検知結果Vxおよび同時刻txにおける検知結果Ixから感応部31の全熱損失Qx(=Vx×Ix)を算出し、これを時刻txに関連付けて記憶部35に記憶していく。この結果、記憶部35には、図8に示すようなデータが蓄積されていく。
圧力換算部36は、記憶部35に蓄積された抵抗値Rxの中から、温度Tαに対応する抵抗値Rαに等しい(または近似した)ものを見つけ出し、これと同時に算出された全熱損失Qxを全熱損失Qαとする。例えば、圧力換算部36は、時刻t1における抵抗値R1が抵抗値Rαに等しい場合は、全熱損失Q1を全熱損失Qαとする。同様に、圧力換算部36は、記憶部35に蓄積された抵抗値Rxの中から、温度Tβに対応する抵抗値Rβに等しい(または近似した)ものを見つけ出し、これと同時に算出された全熱損失Qxを全熱損失Qβとする。そして、圧力換算部36は、全熱損失Qα,Qβの差ΔQ(=Qβ−Qα)を周囲圧力Pに換算するとともに該圧力Pに関する信号を出力する。第1実施例および第2実施例と同様、本実施例では、熱損失差ΔQと周囲圧力Pの関係に関する予め作成されたテーブルに基づいて換算が行われる。
本実施例に係る熱伝導真空計30によれば、第1実施例と同様の効果が得られる。
[変形例]
以上、本発明に係る熱伝導真空計の第1〜第3実施例について説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、第1実施例の通電加熱部12は、図9(A)に示すように、感応部11を間欠的に加熱してもよい。この構成によれば、長時間にわたって加熱され続けた感応部11が周囲温度T0を上昇させてしまうのを防ぐことができる。
また、第1実施例の通電加熱部12は、図9(B)に示すように、感応部11の温度を温度T1および温度T2の間で繰り返し変化させてもよい。この構成によれば、3つの全熱損失Q1の平均値Qave1および3つの全熱損失Q2の平均値Qave2の差ΔQave(=Qave2−Qave1)に基づいて、周囲圧力Pをさらに高精度に計測することができる。
また、第3実施例の通電加熱部32は、可変電流源であってもよい。
また、第3実施例の通電加熱部32の出力電圧(出力電流)波形は、感応部31の温度が温度Tαとなる電圧Vα(電流Iα)と感応部31の温度が温度Tβとなる電圧Vβ(電流Iβ)を少なくとも1回跨ぐ任意の波形であってもよい。なお、電圧Vα(電流Iα)および電圧Vβ(電流Iβ)を複数回跨ぐ場合は、平均をとることにより計測の精度を向上させることができる。
また、第2実施例に係る熱伝導真空計20は、第3の感応部、通電加熱部、電圧計、電流計および熱損失算出部をさらに備えていてもよい。この場合は、3つの熱損失差ΔQ12(=Q2−Q1),ΔQ13(=Q3−Q1),ΔQ23(=Q3−Q2)に基づいて、圧力をさらに高精度に計測することができる。
また、第2実施例の第1通電加熱部22Aおよび第2通電加熱部22Bは、可変電圧源または可変電流源であってもよい。この場合は、第1通電加熱部22Aおよび第1熱損失算出部24Aを用いて算出した温度Tα,Tβ(ただし、Tβ>Tα)に関する熱損失差ΔQαβと、第2通電加熱部22Bおよび第2熱損失算出部24Bを用いて算出した温度Tγ,Tδ(ただし、Tδ>Tγ)に関する熱損失差ΔQγδとに基づいて、周囲圧力Pをさらに高精度に計測することができる。
また、第1実施例および第2実施例における温度T1,T2は、300℃,400℃に限定されない。ただし、温度T2は、温度T1よりも高くなければならない。また、温度T2は、温度T1よりも50℃以上高いことが好ましい。温度T2と温度T1とが近接すると、熱損失差ΔQが微小な値となって誤差が生じやすくなるからである。第3実施例および変形例における温度Tα,Tβ、並びに変形例における温度Tγ,Tδについても同様である。
また、各実施例における電圧計17,27、37および電流計18,28,38は、感応部の熱損失を計測可能な他の手段であってもよい。
また、本発明において使用可能な感応部は、白金からなる金属細線と、これを取り巻く管状のエンベロープとで構成されたものに限定されない。例えば、本発明では、白金からなる金属細線の代わりにニッケル薄膜を使用することができる。本発明者らは、第1実施例の感応部11をニッケル薄膜からなるものに置き換え、かつ温度T1,T2を100℃,150℃に設定しても、目的とする効果が得られることを確認済である。
また、図4は、高温側に広げられた周囲温度範囲20〜200℃において、周囲温度T0の影響を受けない圧力測定が可能であることを示しているが、本発明に係る熱伝導真空計は、原理的に、低温側においても周囲温度T0の影響を受けることはない。
10 熱伝導真空計(第1実施例)
11 感応部
12 通電加熱部
13 演算部
14 熱損失算出部
15 記憶部
16 圧力換算部
17 電圧計
18 電流計
20 熱伝導真空計(第2実施例)
21A,21B 感応部
22A 第1通電加熱部
22B 第2通電加熱部
23 演算部
24A 第1熱損失算出部
24B 第2熱損失算出部
25 圧力換算部
26A 第1電圧計
26B 第2電圧計
27A 第1電流計
27B 第2電流計
30 熱伝導真空計(第3実施例)
31 感応部
32 通電加熱部
33 演算部
34 抵抗・熱損失算出部
35 記憶部
36 圧力換算部
37 電圧計
38 電流計

Claims (7)

  1. 感応部と、前記感応部を通電によって加熱する通電加熱部と、加熱された前記感応部の熱損失から圧力を求める演算部とを備えた熱伝導真空計であって、
    前記通電加熱部は、前記感応部を予め設定された2以上の異なった目標温度に加熱し、
    前記演算部は、前記2以上の異なった目標温度に加熱された前記感応部の熱損失の差から前記圧力を求める
    ことを特徴とする熱伝導真空計。
  2. 前記通電加熱部は、前記感応部を第1目標温度および該第1目標温度とは異なる第2目標温度に加熱し、
    前記演算部は、前記第1目標温度に加熱された前記感応部の熱損失と前記第2目標温度に加熱された前記感応部の熱損失との差から前記圧力を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝導真空計。
  3. 前記通電加熱部は、ホイートストンブリッジ回路および該ホイートストンブリッジ回路を駆動する駆動回路からなり、前記感応部の抵抗値が前記第1目標温度に対応する第1抵抗値および前記第2目標温度に対応する第2抵抗値となるように前記感応部を通電する
    ことを特徴とする請求項2に記載の熱伝導真空計。
  4. 前記通電加熱部は、可変電圧源からなり、
    前記可変電圧源は、前記感応部の温度が前記第1目標温度および前記第2目標温度となるような範囲で、前記感応部に印加する電圧を変化させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の熱伝導真空計。
  5. 前記通電加熱部は、可変電流源からなり、
    前記可変電流源は、前記感応部の温度が前記第1目標温度および前記第2目標温度となるような範囲で、前記感応部に供給する電流を変化させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の熱伝導真空計。
  6. 感応部と、前記感応部を通電によって加熱する通電加熱部と、加熱された前記感応部の熱損失から圧力を求める演算部とを備えた熱伝導真空計であって、
    前記感応部は、第1感応部および第2感応部を含み、
    前記通電加熱部は、前記第1感応部を加熱する第1通電加熱部および前記第2感応部を加熱する第2通電加熱部を含み、
    前記第1通電加熱部は、前記第1感応部を予め設定された第1目標温度に加熱し、
    前記第2通電加熱部は、前記第2感応部を前記第1目標温度とは異なる予め設定された第2目標温度に加熱し、
    前記演算部は、前記第1目標温度に加熱された前記第1感応部の熱損失と前記第2目標温度に加熱された前記第2感応部の熱損失との差から前記圧力を求める
    ことを特徴とする熱伝導真空計。
  7. 前記第1通電加熱部は、第1ホイートストンブリッジ回路および該第1ホイートストンブリッジ回路を駆動する第1駆動回路からなり、前記第1感応部の抵抗値が前記第1目標温度に対応する第1抵抗値となるように前記第1感応部を通電し、
    前記第2通電加熱部は、第2ホイートストンブリッジ回路および該第2ホイートストンブリッジ回路を駆動する第2駆動回路からなり、前記第2感応部の抵抗値が前記第2目標温度に対応する第2抵抗値となるように前記第2感応部を通電する
    ことを特徴とする請求項6に記載の熱伝導真空計。
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