JP2020132596A - ポルフィリン錯体 - Google Patents
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Abstract
Description
ルフィリンと多糖類とから構成され、上記ポルフィリンは、多糖類に包接されていることを特徴とする。
として、広く利用可能である。
(ポルフィリン錯体(TAPP・β−グルカン錯体)の合成)
ポルフィリンとして、上記式(3)で表される5,10,15,20−テトラキス(4−アミノフェニル)ポルフィリンを用い、多糖類としてβ−(1,3−1,6)−D−グルカンを用いたポルフィリン錯体(以下、TAPP・β−グルカン錯体と記載する)を合成した。
(ポルフィリン錯体(TPP・β−グルカン錯体)の合成)
ポルフィリンとして、テトラフェニルポルフィリン(TPP)を用い、多糖類としてβ−グルカンを用いたポルフィリン錯体(以下、TPP・β−グルカン錯体と記載する)を合成した。
実施例1で得られたTAPP・β−グルカン錯体と、比較例1で得られたTPP・β−グルカン錯体の紫外可視吸収スペクトルを測定し、スペクトルの形状からポルフィリン錯体の構造を推測した。また、環状の糖であり、ゲスト分子を取り込んで包接錯体を形成可能なトリメチル−β−シクロデキストリンとの比較を行うため、テトラフェニルポルフィリン又は10,15,20−テトラキス(4−アミノフェニル)ポルフィリンと、トリメチル−β−シクロデキストリンとを其々、実施例1及び比較例1と同様の手法にて混合し、TPP・トリメチル−β−シクロデキストリン錯体と、TAPP・トリメチル−β−シクロデキストリン錯体とをそれぞれ生成して、紫外可視吸収スペクトルを測定した。
実施例1で得られたポルフィリン錯体(TAPP・β−グルカン錯体)と、比較例1で得られたポルフィリン錯体(TPP・β−グルカン錯体)の蛍光スペクトルを測定し、ポルフィリンがβ−グルカンに包接されていることを確認した。また、環状の糖であり、ゲスト分子を取り込んで包接錯体を形成可能なトリメチル−β−シクロデキストリンとの比較を行うため、TPP・トリメチル−β−シクロデキストリン錯体と、TAPP・トリメチル−β−シクロデキストリン錯体とをそれぞれ生成し、同様に蛍光スペクトルを測定した。
次に、実施例1で得られたTAPP・β−グルカン錯体と、比較例1で得られたTPP・β−グルカン錯体の1HNMRスペクトルを測定し、ポルフィリンがβ−グルカンに包接されていることを確認した。また、環状の糖であり、ゲスト分子を取り込んで包接錯体を形成可能なトリメチル−β−シクロデキストリンとの比較を行うため、TPP・トリメチル−β−シクロデキストリン錯体と、TAPP・トリメチル−β−シクロデキストリン錯体とをそれぞれ生成し、同様にスペクトルを測定した。
実施例1で得られたポルフィリン錯体(TAPP・β−グルカン錯体)が、細胞内において蛍光を示すことを確認するため、HeLa細胞(ヒト子宮頸がん由来の細胞)の培地にポルフィリン錯体を加え、蛍光顕微鏡にて観察した。ポルフィリン錯体を加えるHeLa細胞は以下の方法で準備した。
HeLa細胞株の入ったディッシュ中の培地をアスピレーターで取り除き、調製したPBSを5mL用いて洗浄した後、調製したトリプシン−EDTA溶液500μLを加え、37℃においてCO2インキュベーターにて5分間培養した。5分間の処理後、遊離したHeLa細胞株は、1mLの培地を入れた2.7cmガラス製ディッシュへ50μL入れ、CO2インキュベーターにて培養した(37℃、2日間)。プラスチック製ではなくガラス製のディッシュを用いたのは、ポルフィリン類縁体のディッシュへの吸着を抑えるためである。
次に、HeLa細胞を培養した2.7cmガラス製ディッシュから培地をアスピレーターで取り除き、調製したPBSを1mL用いて洗浄した後、40μMのTAPP・β−グルカン錯体100μL、調製培地900μLをディッシュに加え、同条件で24時間培養した。24時間後、培地を取り除き、Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium(D−MEM)を1000μL用いて洗浄した。そこへ、D−MEMを1000μL加え、蛍光顕微鏡(Olympus製、IX71型)で観察した。蛍光フィルターにはCy5FRET(励起光:511−551nm、蛍光:662−691nm)を用いて蛍光画像を取得した。その結果を図4に示す。
次に、TAPP・β−グルカン錯体の細胞内における活性を評価するため、細胞モデルとしてリポソームを混合し、TAPP・β−グルカン錯体がDMPCリポソーム存在下で蛍光を発し、一重項酸素発生能を有することを確認した。ポルフィリン錯体に混合したDMPCリポソームは以下の方法で準備した。
50mMのDMPCクロロホルム溶液320μLをサンプル瓶に入れ、窒素ガスを吹き付けることにより溶媒を除去して薄膜を形成した。この薄膜にリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)4.0mLを加え、ボルテックスミキサーで撹拌し、凍結融解を5回繰り返した。その後、ドライヤーで温めながらエクストルーダーによって孔径50nmのメンブレンフィルターに11回通し、希釈することによりリポソーム溶液を得た(DMPC、4.0mM)。
実施例1及び比較例1で得られたポルフィリン錯体(TAPP・β−グルカン錯体及びTPP・β−グルカン錯体)の細胞内における性質を確認するため、これらのポルフィリン錯体のDMPCリポソーム混合サンプルを生成した。
実施例1及び比較例1で得られたポルフィリン錯体(TAPP・β−グルカン錯体及びTPP・β−グルカン錯体)の細胞内における性質を確認するため、これらのポルフィリン錯体のDMPCリポソーム混合サンプルを生成した。
次に、一重項酸素によって退色する特性を有する色素である9,10-Anthracenediyl-bis(methylene) dimalonic acid(ABDA)を用いて一重項酸素発生能を評価した。
(光照射サンプルの生成)
調製培地、1×PBS、トリプシン−EDTAを37℃の恒温槽で温めた。HeLa細胞が80%コンフェルトに達した状態で、クリーンベンチ内でディッシュ中の培地を吸い取り、1×PBSを5mL加えて洗浄した。1×PBSを吸い取った後、トリプシン−EDTAを500μL添加し、インキュベーターで5分程度温め、細胞をディッシュから剥離させた。顕微鏡で細胞が完全に剥離したことを確認した後、培地1.5mLを用いて浮遊細胞をコニカルチューブに回収し、遠心分離(1000rpm、3分間)を行った。上澄みを除いた後、沈殿した細胞に培地5mLを添加して懸濁させ、細胞数をカウントし、細胞懸濁溶液を8.55×104cells/cm3となるように希釈した。48well plateに細胞懸濁溶液を200μL播種し、37℃、5%CO2の条件に設定したインキュベーター内で24時間インキュベートした。48well plateから培地を取り除き、1×PBS 200μLで洗浄し、取り込まれていない錯体を除き、培地200μLを加えたものを光照射サンプルとした。
光照射サンプルの48well plateを25℃のインキュベーター内に移し、石英ファイバー付キセノンランプ光源(朝日分光製、MAX−301型)を用い、光照射を行った(610−740nm、30分、9.0mW/cm2)。その後、37℃、5%CO2の条件に設定したインキュベーター内に移し、24時間インキュベートした。
クリーンベンチ内にて、5%WST−8混合培地溶液を調製した。暗所保管及び光照射サンプルの48well plateから培地を取り除き、5%WST−8混合培地溶液200μL
ずつ各wellに添加し、37℃、5%CO2の条件に設定したインキュベーター内に移し、30分インキュベートした。その後、呈色した溶液を96well plateに100μLずつ移し、マイクロプレートリーダー(アズワン社製、MPR−A100型)を用い、450nmにおける吸光度を測定することで、生細胞数の定量を行った。本実験は3回行い、平均値及び標準偏差を算出した。その結果を図8に示す。
(種々の多糖類との組み合わせによる評価)
他のポルフィリン錯体について、上記TAPP・β−グルカン錯体と同様の効果を示すものはないか検討を行った。まずは、ポルフィリンとしてTAPPとTHPPを用い、β−グルカン以外の多糖について、適用可能なものを検討した。
次に、種々のポルフィリン化合物について、多糖と混合したポルフィリン錯体を生成し、上記TAPP・β−グルカン錯体と同様の効果を示すものはないか検討を行った。
Claims (4)
- 下記式(1)で表されるポルフィリンと多糖類とから構成され、
上記ポルフィリンは、多糖類に包接されていることを特徴とするポルフィリン錯体。
- 下記式(2)で表されるポルフィリンと多糖類とから構成され、
上記ポルフィリンは、多糖類に包接されていることを特徴とするポルフィリン錯体。
- 上記多糖類は、グルカン、カラギーナン、プルラン及びタマリンドガムよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載のポルフィリン錯体。
- 上記ポルフィリンは、上記多糖類に包接されていることにより、可視光を照射されたときに水溶液中において蛍光を発しない一方、細胞内においては蛍光を発することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポルフィリン錯体。
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