本発明の創傷閉鎖装置の改善された使い易さの重要な態様は、創傷閉鎖ストリップと共に使用される3部分の剥離ライナーアセンブリにある。
本発明での使用に適する創傷閉鎖ストリップは、創傷を閉じるのに適応可能な任意の好適なストリップを含む。好ましくは、創傷閉鎖ストリップは、多孔質であり、流動性の重合性接着剤がストリップに浸透し、結合される組織表面にストリップが適切に結合できることを可能にする。
創傷閉鎖ストリップは、創傷に面する側、及び上側を含む。創傷に面する側は、創傷に面する側の少なくとも一部分を覆って塗布された感圧接着剤(PSA)などの接着剤を更に含む。PSAは、創傷を初期に接合するのに有用である。創傷閉鎖ストリップは、好ましくは多孔質である。本明細書では、「多孔質」とは、創傷閉鎖ストリップのバルクが孔を有し、そのため続いて塗布される重合性接着剤組成物がバルク材料によって浸漬される、つまり吸収されるか、あるいは創傷閉鎖ストリップのバルクが空隙(網又はスクリーンのような)を有し、そのため続いて塗布される重合性接着剤組成物が、バルク材料によって浸漬される、つまり吸収される又は吸収されずに、バルク材料を直接通過する、のどちらかを意味する。例えば、織物材料の場合には、「多孔質」とは一般に、塗布される接着剤組成物が、繊維の間の隙間に浸透して通過するが、必ずしも繊維自体の中を通って通り抜けないことを意味するように使用される。好ましくは、創傷閉鎖ストリップはメッシュである。
そのような多孔性(又は疎水性若しくは親水性などの他の特性)は更に、続いて塗布される重合性接着剤組成物を惹起するために、使用前に重合開始剤又は速度調整剤が創傷閉鎖ストリップの中へ又は上に充填されることを可能にする。そのような多孔性は更に好ましくは、空気及び液体が、孔自体を通る、又はバルク材料中の空隙を通るのどちらかで、創傷閉鎖ストリップを通過することを可能にする。多孔性の度合い及び/又は開口部のサイズに依存して、そのようなメッシュの多孔性、又は空気及び液体がメッシュを通って浸透する能力は、最終複合材料の形成後、残存するように調整されてもよく、又はそこから不在するように調整されてもよい。生物組織上などの創傷を被覆するために使用されることが意図されるので、創傷閉鎖ストリップは更に好ましくは、非毒性である。したがって、創傷閉鎖ストリップは、所望の基材(例えば、組織、皮膚、臓器等)と生物学的適合性があるべきであり、好ましくは、政府承認又は所望の目的に安全であると一般的にみなされる材料である。例として、好適な創傷閉鎖ストリップはメッシュ材料であり、米国特許出願第2006/0009099号及び同第2005/0182443号に開示されており、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
創傷閉鎖ストリップは、織物又はメッシュ/ウェブ材料であってもよい。好適な織物材料は、合成又は天然の材料のどちらかで形成されてもよい。そのような織物材料は、織布若しくは不織布、又は織材料若しくは不織材料のどちらかで形成されてもよい。創傷閉鎖ストリップは、例えば、任意の好適な高分子フィルム、プラスチック発泡体(連続気泡発泡体を含む)、織布、編まれた布地、不織布、それらの混合物等であってもよい。具体的には、好適な創傷閉鎖ストリップは、したがって、例えば、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンコポリマーなどのポリオレフィンフィルム、及びエチレンブチレンコポリマー、ポリウレタン、ポリウレタン発泡体、ポリスチレン、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、上述の共重合体混合物、及び綿から調製されてもよい。好適な具体的な例としては、例えば、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンコポリマー、エチレンブチレンコポリマー、ポリウレタン、ポリスチレン、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、綿、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、生体血管材料、コラーゲン、Gore−Tex(登録商標)、DACRON(登録商標)等が挙げられる。
創傷閉鎖ストリップは、合成材料、半合成材料、又は天然有機材料から形成されてもよい。したがって、例えば、メッシュは、金属(例えば、銀、鋼等)又はガラス又はセラミックなどの材料からではない、合成又は天然の高分子材料から形成されてもよい。創傷閉鎖ストリップは、生分解性、又は非生分解性のどちらであってもよい。創傷閉鎖ストリップは好ましくは、耐裂性である。
創傷閉鎖ストリップの厚さは、約0.1mm〜約80mmであってもよい。別の実施形態では、創傷閉鎖ストリップの厚さは、約0.5mm〜約20mm、好ましくは約0.7mm〜約10mm、最も好ましくは約1mm〜約5mmである。
創傷閉鎖ストリップは、長さが約2cm〜約40cm、好ましくは約10〜約30cm、最も好ましくは25cmであってもよい。ストリップは、幅が0.1〜約8cm、好ましくは約2〜6cm、より好ましくは、約4cmであってもよい。
創傷閉鎖ストリップは、弾性である、又はいくらかの記憶効果を有するように選択されてもよい。そのような実施形態では、メッシュの弾性特性は望ましくは、例えば、創傷縁部接合を保持するために、貼り付け部位においてある程度の圧力又は応力を提供してもよい。同様に、貼り付け部位においてそのような付加的な程度の圧力又は応力が望まれない実施形態では、メッシュは、より少ない弾性又は弾性を有しないように選択されてもよい。
創傷閉鎖ストリップは、生分解性、又は非生分解性のどちらであってもよい。「生分解性」とは、メッシュが経時的に生体内で生分解することを意味し、そのため一定期間後、メッシュを物理的に除去することを必要としない。したがって、例えば、生分解性メッシュは、生体内の環境において、約1週間〜約5年の期間にわたって生分解してしまうものである。非生物分解性の材料は、生体内の環境において、約5年以内に生分解しないものである。そのような非生物分解性の材料は、したがって、経時的にゆっくり劣化していく、又は組織から自然に脱落してしまうのではなく、望ましい時期に創傷閉鎖ストリップを物理的に除去する必要がある。
創傷閉鎖ストリップは好ましくは、その中又は上に置かれた1つ又は2つ以上の化学物質を含む。例えば、1つ又は2つ以上の化学物質は、ストリップに化学的に結合される、物理的に結合される、吸収される、又は吸着されるなど、創傷閉鎖ストリップの中又は上に分散されてもよい。したがって、例えば、創傷閉鎖ストリップは好ましくは、少なくとも重合開始剤又は速度調整剤を含み、任意選択で1つ又は2つ以上の生理活性材料を含んでもよい。必要に応じて、1つ又は2つ以上の化学物質は、例えば、使用中に所望の効果を有するが創傷閉鎖ストリップから分離されないように、創傷閉鎖ストリップの中又は上のどちらかに固定化されてもよい。
例えば、重合開始剤又は速度調整剤は、その開始剤又は速度調整剤が、続いて塗布される重合性接着剤組成物に所望の開始又は速度調整の効果を提供するように、創傷閉鎖ストリップの中へ又は上に充填されてもよい。重合開始剤又は速度調整剤は、その開始剤又は速度調整剤が、創傷閉鎖ストリップから分離してしまうことなく、その残分が結果として生じるポリマー材料中に分散するように、創傷閉鎖ストリップの中又は上に固定化されてもよい。あるいは、例えば、重合開始剤又は速度調整剤は、最初に、続いて塗布される重合性接着剤組成物によって可動化される又は可溶化され、結果として生じるポリマー材料中に分散されるような方法でのみ、創傷閉鎖ストリップに付けられてもよい。
必要に応じて、複数の効果を提供するために、化学物質の組み合わせもまた、創傷閉鎖ストリップの中又は上に提供されてもよい。例えば、前述したように、第1の化学種(重合開始剤又は速度調整剤など)が創傷閉鎖ストリップの中又は上に固定されてもよく、一方で、第2の異なる化学種(生理活性材料など)が創傷閉鎖ストリップに分離可能に付けられてもよい。化学種及び結果として生じる効果の他の組み合わせもまた構想される。
化学物質は、均一になるように創傷閉鎖ストリップに塗布されてもよく、その結果、化学物質の実質的に均一な濃度が創傷閉鎖ストリップにわたって存在する。あるいは、濃度勾配が創傷閉鎖ストリップを横切って又はそれを通して存在するように、化学物質が塗布されてもよい。例えば、より高い又はより低い濃度の化学物質が、創傷閉鎖ストリップの中心又は縁部に存在することができ、あるいは、対向側と比べてより高い又はより低い濃度の化学物質が、創傷閉鎖ストリップの一方側上に塗布されることができる。更に、化学物質は、均一になるように創傷閉鎖ストリップに塗布されてもよく、あるいは、不均一なランダムな様式、又はパターン化された様式(例えば、線、点、同心円等)で塗布されてもよい。化学物質はまた、創傷閉鎖ストリップに塗布された接着層の上、下に、又は中にあってもよい。
創傷閉鎖ストリップの中又は上に存在するとき、化学物質(すなわち、重合開始剤、速度調整剤、及び/若しくは生理活性材料、又は他の添加剤)は、任意の好適な方法で創傷閉鎖ストリップの中又は上に組み込まれてもよい。例えば、化学物質は、創傷閉鎖ストリップを化学物質が含まれる溶液、混合物等と接触させることによって創傷閉鎖ストリップに加えられた創傷閉鎖ストリップであってもよい。化学物質は、例えば、浸漬、噴霧、ロールコーティング、グラビアコーティング、はけ塗り、蒸着等によって創傷閉鎖ストリップに加えられてもよい。あるいは、化学物質は、創傷閉鎖ストリップのモールド成形、編成/織り、練り、テンティング、プレイティング、又は他の加工等の間など、創傷閉鎖ストリップの製造中に創傷閉鎖ストリップの中又は上に組み込まれてもよい。
創傷閉鎖ストリップの中又は上に存在してもよい他の化学物質は、複合体構造の性能を強化する任意の好適なかつ好ましくは適合性のある添加剤が挙げられるが、これらに限定されない。そのような追加の化学物質は、生理活性又は非生理活性であってもよい。したがって、好適な他の化学物質は、着色剤(インク、染料、及び色素など)、芳香剤、化学的に剥離しない保護コーティング、温度感受性剤、医薬品、創傷治癒剤、抗菌剤等が挙げられるが、これらに限定されない。
創傷閉鎖ストリップの中へ又は上に充填された重合開始剤又は速度調整剤は、例えば、塗布された重合性接着剤組成物の固化時間又は重合時間のテーラリングのような多くの利点を提供してもよい。例えば、創傷閉鎖ストリップに塗布される開始剤の種類及び/又は濃度は、より速い又はより遅い重合時間を提供するように選択されてもよい。重合開始剤又は速度調整剤の濃度は、より速い重合時間を提供するように増加されてもよく、又はより遅い重合時間を提供するように低下されてもよい。
重合開始剤又は速度調整剤が創傷閉鎖ストリップの中へ又は上に直接充填されるので、使用前に、重合性接着剤組成物を重合開始剤又は速度調整剤と混合する必要はない。これは、より長い作業時間を可能にし得、重合性モノマー組成物は、より長い時間にわたって、より正確にかつ注意深く塗布されることができる。
そのような好適な開始剤は、当技術分野では公知であり、例えば、米国特許第5,928,611号及び同第6,620,846号に説明され、両方が参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれ、並びに米国特許出願第2002/0037310号に説明され、参照によりその全体がまた本明細書に組み込まれる。重合開始剤として有用な四級アンモニウム塩化物及び臭化物塩は、特に好適である。例として、臭化ドミフェン、塩化ブチリルコリン、臭化ベンズアルコニウム、塩化アセチルコリンなどの四級アンモニウム塩がとりわけ使用されてもよい。
塩化ベンジルトリアルキルアンモニウムなどのベンザルコニウム又はベンジルトリアルキルアンモニウムハロゲン化物が使用されてもよい。使用される場合、ベンザルコニウムハロゲン化物は、異なる鎖長化合物の混合物を含む、精製されていない状態のベンザルコニウムハロゲン化物であってもよく、又は、C12、C13、C14、C15、C16、C17、及びC18の化合物が挙げられるが、これらには限定されない、約12個〜約18個の炭素原子の鎖長を有するものを含む任意の好適な精製された化合物であってもよい。例として、開始剤は、塩化ベンジルトリアルキルアンモニウム(BTAC)など四級アンモニウム塩化物塩であってもよい。
また、他の開始剤又は促進剤は、過度の実験なしに当業者によって選択されてもよい。そのような好適な開始剤又は促進剤としては、洗剤組成物;界面活性剤:例えば、ポリソルベート20(例えば、ICI AmericasからのTween 20(商標))、ポリソルベート80(例えば、ICI AmericasからのTween 80(商標))及びポロキサマーなどの非イオン性界面活性剤、臭化テトラブチルアンモニウなどのカチオン性界面活性剤、硫酸テトラデシルナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、並びにドデシルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド、分子内塩などの両性又は双性イオン界面活性剤;イミダゾール、アルギニン及びポビジンなどのアミン、イミン及びアミド;トリフェニルホスフィン及び亜リン酸トリエチルなどのホスフィン、亜リン酸塩、及びホスホニウム塩;エチレングリコール、没食子酸メチルなどのアルコール;タンニン;亜硫酸水素ナトリウム、硫酸カルシウム及びケイ酸ナトリウムなどの無機塩基及び塩;チオ尿素及び多硫化物などの硫黄化合物;モネンシン、ノナクチン、クラウンエーテル、カリックスアレーン及び高分子エポキシドなどの高分子環状エーテル;炭酸ジエチルなどの環状及び非環状カーボネート;Aliquat 336などの相間移動触媒;ナフテン酸コバルト、及びアセチルアセトン酸マンガンなどの有機金属;並びに、di−t−ブチルペルオキシド及びアゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル開始剤又は促進剤及びラジカルを挙げることができるが、これらに限定されない。
3、4、又はそれ以上などの2つ又は3つ以上の開始剤又は促進剤の混合物が使用されてもよい。複数の開始剤又は促進剤の組み合わせは、例えば、重合性モノマー種の開始剤を調整するために有益であり得る。例えば、モノマーのブレンドが使用される場合、開始剤のブレンドは、単一の開始剤より優れた結果を提供し得る。例えば、開始剤のブレンドは、1つのモノマーを優先的に開始する1つの開始剤、及び他のモノマーを優先的に開始する第2の開始剤を提供することができ、又は両方のモノマー種が等価の若しくは所望の不等価の速度で開始されるのを確実にするのに役立つように、開始速度を提供することができる。この方法では、開始剤のブレンドは、必要な開始剤の量を最小限にするのに役立ち得る。更に、開始剤のブレンドは重合反応速度論を強化し得る。重合開始剤、促進剤、速度調整剤、及び/又は架橋剤は、当該技術分野において周知の含浸方法を使用してメッシュへ組み込まれてもよい。
3部分の剥離ライナーアセンブリは、複数の、個別に剥離可能なセクション、最も好ましくは、3つのセクションから構成される裏張りフィルムであり、各セクションは同一寸法であってもよく、より好ましくは、外部分のセクションが、同じ又は類似の寸法及び形状であってもよい。
本発明の剥離ライナーアセンブリの材料は、創傷閉鎖ストリップの創傷に面する側に塗布された接着物質を被覆するために使用される任意の好適な裏張り又は剥離材料であってもよい。そのような裏張り材料は、接着剤の被覆用に当該技術分野において周知であり、例えば、紙、プラスチック等を挙げることができる。例として、剥離ライナーアセンブリはシリコーン処理材料であってもよい。好ましくは、剥離ライナーアセンブリは創傷閉鎖ストリップがそれ自体にくっつくのを防ぐ、又はそれを除去する材料である。
創傷閉鎖ストリップ及び剥離ライナーアセンブリは100%重なり合って(つまり、同一の広がりを持つ)もよいが、好ましくは、剥離ライナーのマージンを0.1〜1.5cm露出させる、より好ましくは剥離ライナーのマージンを約1.0cm露出させる。幅に関して「剥離ライナーのマージン」とは、上述のマージンによって露出されるマージンがライナーアセンブリの片側又は両側にあるように、剥離ライナーアセンブリが、ストリップの幅を超えるような幅を有することを意味することを意図する。追加的に又は代替的に、紙ライニングの露出セクションが0.2cm〜8cm、好ましくは約0.5cm〜5cm、より好ましくは約1.5cmとなるように、ストリップ及び剥離ライナーアセンブリは長手方向に重なり合ってもよい。ここでも、長さに関して「剥離ライナーのマージン」とは、上述のマージンによって露出されるマージンがライナーアセンブリの片端又は両端にあるように、剥離ライナーアセンブリが、ストリップの長さを超えるような長さを有することを意味することを意図する。
本明細書で開示した創傷閉鎖又は組織結合の方法は、創傷閉鎖ストリップが組織又は創傷部位に貼り付けられた後、創傷閉鎖ストリップを覆って塗布された重合性接着剤組成物を含む。重合性接着剤組成物は、重合性単量体接着剤を含んでもよい。実施形態では、重合性接着剤組成物は、重合性1,1−二置換エチレン単量体配合を含む。実施形態では、重合性接着剤組成物は、シアノアクリレート配合を含む。実施形態では、ポリウレタン、ポリエチレングリコール、アクリレート、グルタルアルデヒドなどの合成重合性接着性材料及び生物ベースの接着剤が使用されてもよい。
単独で又は組み合わせて使用され得る好適なα−シアノアクリレートモノマーとしては、2−オクチルシアノアクリレートなどのアルキルα−シアノアクリレート;ドデシルシアノアクリレート;2−エチルヘキシルシアノアクリレート;n−ブチルシアノアクリレートなどのブチルシアノアクリレート;エチルシアノアクリレート;メトキシエチルシアノアクリレートなどのメチルシアノアクリレート、又は他のα−シアノアクリレートモノマー;2−エトキシエチルシアノアクリレート;3−メトキシブチルシアノアクリレート;2−ブトキシエチルシアノアクリレート;2−イソプロポキシエチルシアノアクリレート;及び1−メトキシ−2−プロピルシアノアクリレートが挙げられる。実施形態では、モノマーは、エチル、n−ブチル、又は2−オクチルα−シアノアクリレートである。使用され得る他のシアノアクリレートモノマーとしては、アルキルシアノアセテートのクノエベナゲル(Knoevenagel)反応によって調製されたものなどのアルキルエステルシアノアクリレート、又はパラホルムアルデヒドと共に、続いて熱分解し、結果として生じるオリゴマー及び蒸留のアルキルエステルシアノアセテートが挙げられる。
本明細書で開示した創傷閉鎖装置は、追加の構成要素を含むキットで提供されてもよい。キットは、本明細書で説明されるようなメッシュストリップを少なくとも1つ、及び重合性接着剤組成物の1つ又は2つ以上の容器を含んでもよい。異なる構成要素又は構成要素のグループは、共同譲渡された(co-assigned)米国付与前特許公報第2004/0120849号(参照によりその公報全体が本明細書に組み込まれる)に開示されるように、構成要素又は構成要素のグループをキット内に包装する前に個別の容器で滅菌され、その後キットが滅菌されてもよい。
メッシュで使用される接着物質は、例えば、任意の好適な接着物質であってもよい。好ましくは、接着物質は、例えば、アクリルベースの感圧接着剤(PSA)、ゴムベースの感圧接着剤、シリコーン感圧接着剤、それらの混合物等の医療用グレード接着剤である。接着物質は、重合性接着剤組成物とは異なることが好ましい。したがって、例えば、重合性接着剤組成物は、例えば、重合性単量体の接着剤組成物であり得る一方で、接着物質は、感圧接着剤など重合性接着剤組成物ではない材料であることが好ましい。
好適なゴムベースのPSAとしては、米国特許第5,705,551号及び同第4,080,348号(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)に教示されるものが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーゴムベースの例としては、スチレン−イソプレン−スチレンポリマー、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンポリマー、ポリイソブチレン、スチレン−ブタジエン−スチレンポリマー、ポリイソプレン、ポリブタジエン、天然ゴム、シリコーンゴム、アクリロニトリルゴム、ニトリルゴム、ポリウレタンゴム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴムを含むスチレン−オレフィン−スチレンポリマー、ブロモブチルゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリクロロプレンを含むハロブチルゴム、及びスチレン−ブタジエンゴムのうちの1つ又は2つ以上が挙げられる。
特に有用なゴムベースの接着剤は、熱可塑性エラストマー構成要素及び樹脂成分を有するものである。熱可塑性エラストマー構成要素は、Aブロックはスチレン同族体から誘導され、Bブロックはイソプレンから誘導される、約55〜85部の単純A−Bブロックコポリマー、及びAブロックはスチレン又はスチレン同族体から誘導され、Bブロックは共役ジエン又は低級アルケンから誘導される、約15〜45部のリニア又はラジカルA−B−Aブロックコポリマーを含有し、A−Bブロックコポリマー中のA−ブロックはA−Bコポリマーの約10〜18重量%を構成し、総A−B及びA−B−Aコポリマーは約20パーセント以下のスチレンを含有する。樹脂成分は、エラストマー構成要素の粘着付与剤樹脂から本質的になる。一般に、従来の任意の適合性の粘着付与剤樹脂又はそのような樹脂の混合物が使用され得る。これらには、炭化水素樹脂、ロジン及びロジン誘導体、ポリテルペン、並びに他の粘着付与剤が挙げられる。接着物質は、熱可塑性エラストマー構成要素の100重量部あたり、約20〜300部の樹脂成分を含んでもよい。そのようなゴムベースの接着物質の1つは、商標名HM3210でAto Findleyから市販されている。
有用なアクリルベースのPSAとしては、米国特許第5,947,917号、及び同第5,164,444号(アクリルエマルション)、同第5,623,011号(粘着付与されたアクリルエマルション)に教示されるものが挙げられるが、これらに限定されない。また、米国特許第5,232,958号(UV硬化型アクリル)、及び同第5,232,958号(EB硬化型)に教示されるものなどのモノマーと開始剤及び他の成分との放射線硬化性混合物があり得る。これらの特許の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
創傷閉鎖ストリップ、裏張りフィルム、又は基材に付着するだけ十分な粘着を有し、かつ皮膚への許容可能な付着を有する接着層を形成することが可能な任意のアクリルベースのポリマーが使用され得ることが考えられる。特定の実施形態では、感圧接着剤層用のアクリルポリマーとしては、少なくとも1つのアルキルアクリレートモノマー又はメタクリレート、不飽和カルボン酸、及び任意選択でビニルラクタムの重合から形成されたものが挙げられる。好適なアルキルアクリレート又はメタクリレートエステルの例としては、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、メチルアクリレート、メチルブチルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、エチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、メチルメタクリレート等、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適なエチレン性不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸等、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエチレン性不飽和カルボン酸モノマーはアクリル酸である。好適なビニルラクタムの例としては、N−ビニルカプロラクタム、1−ビニル−2−ピペリドン、1−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン−、ビニルピロリドン等、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
有用なシリコーン感圧接着剤としては、Dow Corning Corp.、Medical Productsから市販されているもの、及びGeneral Electricから入手可能なものが挙げられる。Dow Corningから入手可能なシリコーン接着剤の例としては、商標BIO−PSA X7−3027、BIO−PSA X7−4919、BIO−PSA X7−2685、BIO−PSA X7−3122、及びBIO−PSA X7−4502で販売されているものが挙げられる。シリコーン感圧接着剤の更なる例は、米国特許第4,591,622号、同第4,584,355号、同第4,585,836号、及び同第4,655,767号に記載されており、参照によりそれらの開示が本明細書に組み込まれる。
また、接着物質は、1つ又は2つ以上の粘着付与剤、可塑剤、酸化防止剤、蝋などの切断剤、及び界面活性剤も含んでもよい。接着物質層に小量(典型的には、エラストマー相の約25重量%未満)で加えられてもよい他の任意の材料としては、pH制御装置、薬剤、殺菌剤、成長因子、コラーゲンなどの創傷治癒成分、酸化防止剤、脱臭剤、香料、抗生物質、及び殺真菌剤が挙げられる。
図1a〜1fは、全長l及び全幅wを有し、かつ本発明の一実施形態による3部分の剥離ライナーアセンブリ150を備える創傷閉鎖装置100を示す。特に、図1aは、周辺部pを有するメッシュ110と、第1のフレーム120、プルタブt及びt’を有する中央のセクション130、並びに第2のフレーム140を含む周辺部p’を有する剥離又は裏張りアセンブリ150とを備える、装置100の正面図である。
特定の実施形態では、剥離ライナーアセンブリ150は、剥離ライナーアセンブリであってもよい。「中央の」セクションとは、このセクションが必ず中央に位置しているというよりも、単に第1のフレーム120と第2のフレーム140との間に存在することを意味することを意図する。特により限定的な実施形態では、セクション130は、第1のフレーム120及び第2のフレーム140に対して中央に位置してもよい。2つのタブt’及びt’’が示されるが、特定の実施形態では、単一のタブt’のみが剥離アセンブリ150の一端に存在してもよいことが理解されるであろう。
距離a及びa’はそれぞれ、装置100の左手側及び右手側の剥離ライナーアセンブリ周辺部p’からメッシュ110周辺部pまでの距離を表す。距離b及びb’はそれぞれ、装置100の上側及び下側の剥離ライナーアセンブリ周辺部p’からメッシュ110周辺部pまでの距離を表す。距離c及びc’はそれぞれ、第1のフレーム120及び第2のフレーム140の幅を表し、寸法dで中央のセクション130の幅と一致する。
図1bは、装置の背面図である。図1c及び1dはそれぞれ、装置100の上面図及び底面図である。図1e及び1fはそれぞれ、装置100の左側図及び右側図である。
様々なサイズ及び形状の創傷又は切開部を処置するために当業者が選択し適応することができる特定の寸法に依存して、多くの実施形態が装置100のために明らかである。
例えば、図1aを参照して、メッシュ110の周辺部pは、装置100の周辺部p’と同一の広がりを持つ、部分的に同一の広がりを持つことができる、又は以下の考察によって示されるように同一の広がりを持つことができないことが想定される。
装置100は、創傷又は切開部を閉じるために使用者が効率的に貼り付けることができる任意の長さl’及び幅w’のものであってもよい。多くの用途について、長さl’は典型的には、約2cm〜約40cm、好ましくは約10cm〜約30(30 about)cmの範囲であり、最も好ましくは約25cmである。幅w’は典型的には、約1cm〜約15cm、好ましくは約2〜約10cmの範囲であり、最も好ましくは約6cmである。
創傷閉鎖ストリップ110は、創傷又は切開部を閉じるために使用者が効率的に貼り付けることができるような任意の長さl及び幅wであってもよい。多くの用途について、長さlは典型的には、約2cm〜約40cm、好ましくは約10cm〜約30cmの範囲であり、最も好ましくは約25cmである。幅w’は典型的には、約0.1cm〜約8cm、好ましくは約2cm〜約6cmの範囲であり、最も好ましくは約4cmである。
再び図1aを参照すると、距離a及びa’は、同じ又は異なってもよく、0.0cm〜約8cm、好ましくは約0.5cm〜約5cmの範囲であり、最も好ましくは約1.5cmである。前述の範囲内で装置100は便利に扱われる。
ある状況では、例えば(限定されるものではないが)、a又はa’の寸法が0.0cmであるとき、プルタブ、t又はt’のどちらか1つ又は両方が、周辺部p’を越えて、例えば、第1のフレーム120及び第2のフレーム140の一端又は両端を越えて延在する又は突出する。延在したタブt’’及びt’’’が図1a−1〜1d−1に示される(以下を参照)。これによって、中央のセクション130の片方又は両方のタブt’’、t’’’の縁部が第1のフレーム120及び第2のフレーム140の対応する縁部から離れて突出し、各タブt’’、t’’’を取り除くために掴み易くするので、使用者は、中央のセクション130を装置100からより容易に取り除くことができる。当然のことながら、1つのプルタブt’’のみが存在する実施形態では、このタブのみが、第1のフレーム120及び第2のフレーム140の対応する一端を越えて突出してもよい。
寸法b及びb’は、同じ又は異なってもよく、0.0cm〜約2.5cm、好ましくは約0.5cm〜約1.5cmの範囲であり、最も好ましくは約1.0cmである。前述の範囲内で、フレーム120及び140のマージン、並びに創傷閉鎖ストリップ110のマージンが定義されている。寸法b及びb’は、接着剤(及び、開始剤などの、創傷閉鎖ストリップの上又は中に存在し得る他の添加剤)が汚れてしまう傾向を低減するようなやり方で、創傷の接合中に創傷閉鎖ストリップ110の操作に十分なマージンを提供する。寸法b及びb’が同じであることが好ましい一方で、マージンb及びb’のうちの一方を他方より狭く又は広くすることが望ましい人体解剖学的上のいくつかの用途があり得ることが想定される。
寸法c及びc’は、同じ又は異なってもよく、0.1cm〜約3.0cm、好ましくは約0.2cm〜約2.0cmの範囲であり、最も好ましくは約1.5cmである。前述の範囲内で、フレーム120及び140は、創傷の接合中に創傷閉鎖ストリップ110の操作に十分な剛性を供給する。寸法c及びc’が同じであることが好ましい一方で、フレーム120及び140のうちの一方を他方より狭く又は広くすることが望ましい人体解剖学的上のいくつかの用途があり得ることが想定される。
寸法dは、創傷の分離した局所的組織表面の初期接合のために、使用者が創傷閉鎖ストリップ110を位置付ける、及び/又は再度位置付けるのに好適である創傷閉鎖ストリップ110の幅に関する。寸法dは、約1.0cm〜約8.0cm、好ましくは約2.0cm〜約6.0の範囲であり、最も好ましくは約3.0cmである。
約10cm〜約20cmの外科的創傷切開部の処置のために、装置100の好ましい実施形態は、全長l’が約25cm及び全幅w’が約8cm、創傷閉鎖ストリップの全長lが約22cm及び全幅wが約4cmで、寸法a及びa’は約1.5cmに等しく、寸法b及びb’は約1.0cmに等しく、寸法c及びc’は約1.5cmに等しく、及び寸法dは約3cmである。装置100は、上記に特定された範囲内で、創傷に対して寸法が切断される又は切り取られてもよいことが当業者には理解されるであろう。実際には、創傷又は切開部位の長手方向両端から、およそ少なくとも0.3cm、好ましくは1cm延在する創傷閉鎖ストリップ110を有することは望ましい。
図1a−1〜1f−1は、本発明の別の実施形態による3部分の剥離ライナーを備える創傷閉鎖装置を示す。この実施形態は、図1a〜1fに示される装置の変形形態が示され、ここで、タブt’’及びt’’’は、剥離ライナーアセンブリ150の概略周辺部p’を越えて、例えば、第1のフレーム120及び第2のフレーム130の一端又は両端を越えて突出する又は延在するのが示される。この実施形態は、中央のセクション130をより容易に取り除くのに役立つ。例えば、これは特に、創傷閉鎖ストリップ周辺部pと剥離ライナーアセンブリ周辺部p’との間にマージンがほとんど無い又は全く無い場合に便利であるが、より大きなマージンが存在する場合であっても便利である。当然のことながら、そのような場合の一例は、周辺部p及びp’が当然のことながら、タブt’’及びt’’’の突出部を除いて、互いに同一の広がりを持つときである。中央のセクション130の片方又は両方のタブt’’、t’’’の縁部が第1のフレーム120及び第2のフレーム140の対応する縁部から離れて突出し、各タブt’’、t’’’を取り除くために掴み易くするので、一般に突き出るタブt’’、t’’’で、使用者は、中央のセクション130を装置100からより容易に取り除くことができる。当然のことながら、1つのプルタブt’’のみが存在する実施形態では、このタブのみが、第1のフレーム120及び第2のフレーム140の対応する一端を越えて突出してもよい。
各タブは、剥離アセンブリの長手方向軸と実質的に一致する方向に第1のフレーム及び/又は第2のフレームの周辺部を越えて延在してもよい。少なくとも1つのタブは、少なくとも0.05cm、0.1cm、0.2cm、0.3cm、0.4cm、0.5cm、1cm、1.5cm、2cm、又は5cmの量だけ、第1のフレーム及び/又は第2のフレームの周辺部を越えて突出してもよい。中央のセクションは、第1及び/又は第2のフレームに対してタブを引くことで壊れるように適合される破断可能な接続部によって、第1のフレーム及び/又は第2のフレームに接合されてもよい。各タブは、以下:三角形、楕円形、正方形、長方形、五角形、及び六角形のうちの実質的に1つである形状を有してもよい。
明瞭化のために、図1a−1〜1f−1から図7a〜7fまで(すべてを含む)の装置の図解は、図1a〜1fの中央のセクション130の設計の変形形態を示す。したがって、図1a〜1fのために説明された上記定義の全パラメーターが適用され、同じ意味を有する。装置の様々に示された実施形態の対応する要素の番号付けは、図1a〜1fと同じ番号付け規則に従い、各セットの図解に固有である一連の番号付けに対応する番号付けのみ異なる(例えば、図2a〜2fの要素に対する200シリーズの番号付け、図3a〜3fの要素に対する300シリーズの番号付け等)。したがって、そこに説明された要素及び寸法の、共通性及び定義された意味を、当業者には認識され理解されるので、更なる詳細な説明は提供されない。
図2a〜2fは、本発明の別の実施形態による3部分の剥離ライナーを備える創傷閉鎖装置を示す。
図3a〜3fは、本発明の更なる実施形態による3部分の剥離ライナーを備える創傷閉鎖装置を示す。
図4a〜4fは、本発明の別の実施形態による3部分の剥離ライナーを備える創傷閉鎖装置を示す。
図5a〜5fは、本発明の更なる実施形態による3部分の剥離ライナーを備える創傷閉鎖装置を示す。
図6a〜6fは、本発明の別の実施形態による3部分の剥離ライナーを備える創傷閉鎖装置を示す。
図7a〜7fは、本発明の更なる実施形態による3部分の剥離ライナーを備える創傷閉鎖装置を示す。
図8〜14は、本発明の装置の使用のための工程を示す。
特に、本発明の装置を使用するために好適な創傷が識別されると、図8を参照して、創傷閉鎖装置100の中央のセクション130が、t’又はtのどちらかを把持する及び引くことにより取り除かれる。次に、図9は、第1のフレーム120で把持されている創傷閉鎖装置100を示す。続いて、図10は、組織Tの創傷Wの側に沿って軸方向に位置付けられ、第1の分離した局所的組織表面TS1に接触している装置を示す。図11は、創傷Wの片側が使用者の左手LHで創傷閉鎖ストリップ110の接着剤を含有している側によって接触され、第1のフレーム120を使用者の右手RHで引くことによって、創傷Wの第2の分離した局所的組織表面TS2を創傷Wの第1の分離した局所的組織表面TS1へ接合するために初期に引かれている、組織表面TS1の代替図を示す。図12は、第2のフレーム140が使用者の左手LHによって創傷閉鎖ストリップ110から取り除かれているのを示し、図13は、第1のフレーム120が使用者の右手RHによって創傷閉鎖ストリップ110から取り除かれているのを示す。フレーム120及び140の両方が取り除かれると、創傷閉鎖ストリップ100に浸透してフィルム810を形成する好適な流動性の重合性接着剤がアプリケーター800から塗布されてもよい。
この上述する方法の実行において、剥離ライナーアセンブリの中央のセクション130が取り除かれると、使用者が第1のフレーム120又は第2のフレーム140を把持するか又は取り除くかどうかの選択は、使用される方法の次の工程が創傷の閉鎖を達成するのであれば、本発明の実行には重要でないことを当業者には理解されるであろう。
更に、上述の方法への改変形態として、及び図11−1を参照して、局所的組織表面TS1の局所的組織表面TS2への接合を行う前に、フレーム140が取り除かれてもよく、創傷閉鎖ストリップ110が局所的組織表面TS1に更に付着されてもよい。創傷接合を完了する前にTS1の追加的な握把が望ましい又は必要であるとき、技術のこの変形形態は有用である。
本発明の方法、装置、及びシステムの利点としては、以下が挙げられる。創傷Wの分離した局所的組織表面を当接することによって創傷Wを接合するために、メッシュ110の配置の明確な視覚化;メッシュ110が当接した局所的組織表面上に完全に置かれる前に、メッシュ100を再度位置付ける、及び創傷Wの接合(すなわち、Wの分離した局所的組織表面の当接)を調整するための柔軟性;メッシュ110の粘着側を汚すことなく、又は最低限汚さないでメッシュ110の配置を取り扱う能力;フレーム120及び140がメッシュ110に剛性を供給するので、組織接合中にメッシュ110の操作はより安定している。
本発明の上述の開示及び説明は、解説及び例示目的であり、寸法、形状及び材料、並びに好ましい実施形態の説明における様々な変更が、本発明の趣旨から逸脱することなくなされ得ることが理解されよう。
〔実施の態様〕
(1) 創傷閉鎖装置であって、
創傷に面する側と上側とを有する創傷閉鎖ストリップであって、前記創傷に面する側は、前記創傷に面する側の少なくとも一部分を覆って塗布された接着剤を含む、創傷閉鎖ストリップと、
前記接着剤によって前記ストリップに分離可能に接着された剥離ライナーアセンブリであって、第1のフレームと、中央のセクションと、第2のフレームとを含む、剥離ライナーアセンブリと、を備え、
前記剥離ライナーアセンブリの前記中央のセクションは、前記剥離ライナーアセンブリの縁部に位置した少なくとも1つのタブを含み、
前記少なくとも1つのタブは、前記剥離ライナーアセンブリの前記縁部で前記第1のフレーム及び/又は前記第2のフレームの周辺部を越えて突出する、創傷閉鎖装置。
(2) 前記創傷閉鎖ストリップがメッシュを含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記メッシュが外周を有し、前記剥離ライナーアセンブリが外周を有し、前記メッシュの前記外周の少なくとも一部分は、前記剥離ライナーアセンブリの前記外周の内側に位置する、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記メッシュの前記外周の全体が、前記剥離ライナーアセンブリの前記外周の内側に位置する、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記メッシュの前記外周と前記剥離ライナーアセンブリの前記外周とが同一の広がりを持つ、実施態様3に記載の装置。
(6) 前記メッシュが長手方向軸を更に含み、前記剥離ライナーアセンブリが長手方向軸を更に含み、前記剥離ライナーアセンブリの前記中央のセクションの更なる部分は、前記メッシュの長手方向軸に沿って前記メッシュの前記外周を越えて延在する、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記剥離ライナーアセンブリの前記中央のセクションが、前記剥離ライナーアセンブリの対向する縁部に位置した少なくとも2つのタブを含み、各タブは、前記剥離ライナーアセンブリのその対応する縁部で前記第1のフレーム及び/又は前記第2のフレームの周辺部を越えて突出する、実施態様1〜6のいずれかに記載の装置。
(8) 各タブが、前記剥離ライナーアセンブリの長手方向軸と実質的に一致する方向に前記第1のフレーム及び/又は前記第2のフレームの周辺部を越えて延在する、実施態様1〜7のいずれかに記載の装置。
(9) 前記少なくとも1つのタブが、少なくとも0.05cm、0.1cm、0.2cm、0.3cm、0.4cm、0.5cm、1cm、1.5cm、2cm、又は5cmの量だけ前記第1のフレーム及び/又は前記第2のフレームの前記周辺部を越えて突出する、実施態様1〜8のいずれかに記載の装置。
(10) 前記中央のセクションが、前記第1のフレーム及び/又は前記第2のフレームに対して前記タブを引くことで壊れるように適合されている破断可能な接続部によって、前記第1のフレーム及び/又は前記第2のフレームに接合されている、実施態様1〜9のいずれかに記載の装置。
(11) 各タブが、以下:三角形、楕円形、正方形、長方形、五角形、及び六角形のうちの実質的に1つである形状を有する、実施態様1〜10のいずれかに記載の装置。