本明細書中の「始動条件」とは、遊技中に遊技者にとって大当たりの獲得できるきっかけとなる条件のことである。例えば、パチンコ機の場合、始動口に遊技媒体である遊技球が入賞(入球)したときであり、パチスロの場合は、遊技媒体であるコインが投入されたときである。「入賞」とは、賞球の払い出しが得られる入賞口に遊技球が入球することであり、「入球」とは、賞球の払い出しが得られない入球口に遊技球が入球することである。
本明細書中の「動作検出手段」とは、遊技者による遊技機に対する特定動作を検出する手段(装置、構成、部品など)を広く含むものであり、例えば、遊技者による操作(接触操作あるいは非接触操作)を受ける操作手段が挙げられる。
本明細書中の「特別遊技状態」とは、遊技者にとって有利な遊技状態、すなわち、可変入賞装置が遊技球を入賞しやすい状態(大当たり状態)になることや、予め定められた確率変動図柄によって大当たりになった場合に、付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態(確変状態)になることや、大当たり状態終了後の始動口に設けられた一対の開閉部材の開放回数が所定回数(例えば20回)に達するまでの間、一対の開閉部材の開放時間を所定時間に延長した状態(時短状態)になること等を含む。
本明細書中の「コマンド」とは、主制御手段から表示制御手段に送信される、識別情報の変動表示を制御するコマンドである。例えば、識別情報の変動表示における変動パターンの種別を判別可能な変動パターンコマンドや、特別遊技状態を発生するか否か判別可能な停止図柄コマンドを含むコマンドである。変動パターンコマンドには、特別遊技状態の発生の当否を識別可能な変動パターンコマンドも含まれる。また、コマンドには、変動パターン情報や停止図柄情報などの情報を含んだ一つのコマンドも含まれる。
本明細書中の「識別情報」とは、数字絵柄、絵柄またはそれらを組み合わせた図柄などの表示情報またはその他の表示情報であって、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行の成立・不成立を遊技者に視覚を通じて認識させる表示情報のことである。
本明細書中の「リーチ」とは、識別情報があと一つで予め定められた表示態様で揃った状態となることである。
本明細書中の「特別遊技状態への移行の成立を示す識別情報を変動表示で示す期待度」とは、特別遊技状態への移行の成立を示す識別情報(例えば全て図柄が揃った状態)が変動表示の結果として発生することに対する期待度のことである。例えば、ある種別のリーチ状態が発生した場合にリーチ期間内で最終的にどのリーチ種別にまで発展するかを示すことや、リーチが発生する前の変動表示期間中に当該変動表示においてどの種別のリーチが発生するかを示すことや、リーチの種別を問わず特別遊技状態が発生することに対する期待度等を示すこと等を含む。
本明細書中の「演出態様」とは、例えば、ランプ等の点灯演出であればランプ等の点灯態様(または点灯表示による表示態様)のことであり、画像演出であれば画像の表示態様のことであり、音声演出であれば音声の出力態様のことである。
本明細書中の「演出態様の段階的変化」とは、例えば、点灯態様の段階的変化であれば、点灯中の点灯領域の面積を段階的に増やす又は減らすことや、点灯中の点灯領域の位置を段階的に移動させることや、点灯領域の色彩や明るさや濃さ段階的に変化させること等であり、人または物等の画像の表示態様の段階的変化であれば、その形状、模様、色彩、表示タイミング、表示回数、動作、又は、台詞内容などを段階的に変化させることであり、音声の出力態様の段階的変化であれば、楽曲や音声の内容や、旋律(メロディー),和音(ハーモニー),拍子(リズム)等を段階的に変化させることが含まれる。
本明細書中の「期待度を演出態様の段階的変化によって示唆する」とは、期待度を演出態様の段階的変化によってほのめかす又は示唆することである。
本明細書中の「一連の示唆演出」とは、演出態様に一連の変化を伴う示唆演出のことである。また、一連の変化には、階段状の変化だけでなく、変化のレベルが徐々に増減するような連続的な変化も含むものである。
本明細書中の「報知する」とは、例えば、ランプ等の点灯演出であればランプ等の点灯することであり、画像演出であれば画像を表示することであり、音声演出であれば音声を出力することである。
本明細書中の「演出態様の変化」とは、演出態様の段階的変化を構成する個々の演出態様の変化のことである。
本明細書中の「先行示唆演出」とは、一連の示唆演出が開始されることを示唆又は教示する演出のことである。「一連の示唆演出が開始されることを示唆する」とは、例えば、特定の画像表示、発光、音声出力などがあった時又は後に一連の示唆演出が開始される場合は、その特定の画像表示、発光、音声出力などが「示唆」に相当する。また、「一連の示唆演出が開始されることを教示する」とは、一連の示唆演出が開始されることを明示することを意味する。例えば、一連の示唆演出が開始されることを遊技者に教える画像表示、発光、音声出力などが「教示」に相当する。この「示唆」又は「教示」は、「予告」とも言える。なお、先行示唆演出は、一連の示唆演出の実行中に、その最終的な示唆結果を示唆又は教示するような演出であってもよい。
本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機が挙げられる。このパチンコ機は、例えば、前面に遊技者が操作可能な操作ボタンを備えている。当該操作ボタンは、所定の表示演出が行なわれている最中に、遊技者によって操作されることで表示装置に表示されている表示演出を変更させることができるようになっている。この種の遊技機には、例えば次のような演出を行うものがある。
すなわち、図柄の変動表示中に操作ボタンの押下を促す画像が表示され、この画像の表示中(ボタン操作の有効期間中)に操作ボタンを押下することで、その後の大当たりの期待度を示唆する第1回目の示唆演出が表示される。この第1回目の演出表示の終了後に再び、操作ボタンの押下を促す画像が表示され、この画像の表示中に操作ボタンを押下することで、第1回目よりも高い大当たりの期待度を示唆する第2回目の示唆演出が表示される。この第2回目の演出表示の終了後、同様のやり方で第2回目よりも高い大当たりの期待度を示唆する第3回目の示唆演出が表示される。この第3回目の示唆演出がこの一連の示唆演出において最終的な大当たりの期待度を示唆するものとなる。
このように、遊技者が操作ボタンを押下するごとに第1回目から第n回目までの各示唆演出が表示され、この各示唆演出が示唆する大当たりの期待度が段階的に高められることによって、操作ボタンを利用した一連の示唆演出に対する遊技者の興趣を向上させようとするものがある(特開2006−81588号公報参照)。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、一連の示唆演出において最終的な大当たりの期待度を示唆する第n回目の示唆演出を見るためには、操作ボタンの押下を促す画像がn回表示される度に、そのボタン操作の有効期間中に操作ボタンを押下しなければならない。また、一連の示唆演出が行われる示唆演出期間は、後に行われる表示演出との関係で限られているので、ボタン操作が有効と検出される検出有効期間を長く設定しにくい。そのため、遊技者は、ボタン操作の検出有効期間中にボタンを押下しているにも関わらず、押下のタイミングが遅いというだけの理由で、所定の示唆演出期間内で一連の示唆演出において最終的な大当たりの期待度を示唆する示唆演出を見ることができないという不利益を一方的に甘受させられているという問題がある。また、一連の示唆演出においては、変化の開始から終了までの長さを調整することが難しいという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、一連の示唆演出における変化の開始から終了までの長さを調整することができるとともに、所定の検出有効期間のいずれのタイミングで遊技者の動作が検出された場合であっても、所定の示唆演出期間内で一連の示唆演出を最後まで実行することができる遊技機を提供することを目的とする。
(A1)始動条件の成立に基づいて特別遊技状態を発生させる抽選を行い、当該抽選の結果をコマンドとして送信する主制御手段と、
前記主制御手段からの前記コマンドを受信して、前記特別遊技状態への移行の成立・不成立を遊技者に視覚を通じて認識させる識別情報の変動表示を制御する表示制御手段と、
遊技に関する遊技者の動作を検出する動作検出手段と、
を備える遊技機において、
前記変動表示の結果として前記識別情報が前記特別遊技状態への移行の成立を示す組み合わせで停止表示される期待度を、演出態様の段階的変化によって示唆する一連の示唆演出を報知する示唆演出報知手段と、
前記遊技者の動作が所定の検出有効期間内に検出された場合に、所定の示唆演出期間内で前記示唆演出報知手段に前記演出態様の段階的変化を最後まで実行させる示唆演出制御手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(A1)に記載の発明によれば、主制御手段は、特別遊技状態を発生させる抽選を始動条件の成立に基づいて行い、当該抽選の結果をコマンドとして送信する。表示制御手段は、主制御手段からのコマンドを受信して、特別遊技状態への移行の成立・不成立を遊技者に視覚を通じて認識させる識別情報の変動表示を制御する。動作検出手段は、遊技に関する遊技者の動作を検出する。示唆演出報知手段は、前記変動表示の結果として前記識別情報が前記特別遊技状態への移行の成立を示す組み合わせで停止表示される期待度を、演出態様の段階的変化によって示唆する一連の示唆演出を報知する。示唆演出制御手段は、遊技者の動作が所定の検出有効期間内に検出された場合に、所定の示唆演出期間内で示唆演出報知手段に演出態様の段階的変化を最後まで実行させる。
したがって、所定の検出有効期間のいずれのタイミングで遊技者の動作が検出された場合であっても、当該動作が検出された後に、所定の示唆演出期間内で一連の示唆演出における演出態様の段階的変化を最後まで実行することができる。
(A2) 前記(A1)に記載の遊技機において、
前記示唆演出制御手段は、
前記コマンドに基づいて、前記演出態様の段階的変化が最終的に到達する段階数に相当するレベルを前記検出有効期間より前に決定するレベル決定手段と、
前記遊技者の動作が所定の検出有効期間内に検出された場合に、前記レベル決定手段によって決定された前記レベルに応じて、所定の示唆演出期間内で前記示唆演出報知手段に前記演出態様の段階的変化を最後まで実行させる示唆演出実行部と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(A2)に記載の発明によれば、示唆演出制御手段は、レベル決定手段と、示唆演出実行部とを備える。レベル決定手段は、コマンドに基づいて、演出態様の段階的変化が最終的に到達する段階数に相当するレベルを検出有効期間より前に決定する。示唆演出実行部は、遊技者の動作が所定の検出有効期間内に検出された場合に、レベル決定手段によって決定されたレベルに応じて、所定の示唆演出期間内で示唆演出報知手段に演出態様の段階的変化を最後まで実行させる。これにより、所定の検出有効期間のいずれのタイミングで遊技者の動作が検出された場合であっても、演出態様の段階的変化が最終的に到達するレベルが検出有効期間より前に決定されているので、当該レベルに応じて実行される一連の示唆演出は、所定の示唆演出期間内で最後まで実行可能である。また、検出有効期間より前に決定されている、演出態様の段階的変化が最終的に到達するレベルを活かして、一連の示唆演出に関連する演出を実行することもできる。
(A3) 前記(A2)に記載の遊技機において、
前記示唆演出制御手段は、
前記コマンドに基づいて、前記レベルに達するまでの前記演出態様の段階的変化のパターンを前記検出有効期間より前に決定するパターン決定手段を備え、
前記示唆演出実行部は、前記遊技者の動作が所定の検出有効期間内に検出された場合に、前記レベル決定手段によって決定された前記レベルと前記パターン決定手段によって決定された前記パターンとに応じて、所定の示唆演出期間内で前記示唆演出報知手段に前記演出態様の段階的変化を最後まで実行させる
ことを特徴とする遊技機。
前記(A3)に記載の発明によれば、示唆演出制御手段は、パターン決定手段を備える。パターン決定手段は、コマンドに基づいて、レベルに達するまでの演出態様の段階的変化のパターンを検出有効期間より前に決定する。上述の示唆演出実行部は、遊技者の動作が所定の検出有効期間内に検出された場合に、レベル決定手段によって決定されたレベルとパターン決定手段によって決定されたパターンとに応じて、所定の示唆演出期間内で示唆演出報知手段に演出態様の段階的変化を最後まで実行させる。これにより、所定の検出有効期間のいずれのタイミングで遊技者の動作が検出された場合であっても、決定されたレベルに達するまでの演出態様の段階的変化のパターンが検出有効期間より前に決定されているので、当該レベルとパターンとに応じて実行される一連の示唆演出は、所定の示唆演出期間内で最後まで実行可能である。また、パターンの決定処理負荷の増加等に起因して生じる恐れのある表示制御手段の誤作動によって遊技者に与える遊技意欲の低減を抑制することもできる。
すなわち、一般的に示唆演出は、表示制御手段が特別遊技状態への移行の成立を示す識別情報を変動表示で発生する期待度を示唆するものであるから、そのパターンは大量に必要とされる。示唆演出のパターンの決定方法として動作検出手段によって検出される遊技者の動作タイミングなどを考慮して決定する手法が従来から知られているが、そのような手法では、パターンの記憶数が遊技者の動作タイミングに合わせて大量に必要となったり、パターンの決定処理負荷が大幅に増えてしまったり、示唆演出のパターンを決定する機能を有する例えばCPU等の発熱量が大幅に増えてしまったりする場合がある。これにより、コマンドとして主制御手段から表示制御手段に送信される、特別遊技状態を発生させる抽選の抽選結果と、例えばリーチ演出のような識別情報の変動表示に伴って実行される表示演出とが一致しなくなるような誤作動が表示制御手段に生じる場合があるという問題である。これに対して、本発明では、コマンドに基づいて、一連の示唆演出のパターンが検出有効期間より前に決定される場合、遊技者の動作タイミングなどを考慮してパターンを決定しなくてよい分だけ、パターンの記憶数を減らしたり、パターンの決定処理負荷を減らしたり、CPU等の発熱量を抑えたりして、表示制御手段に生じる恐れのある上述の誤作動を低減させることができる。その結果、表示制御手段の誤作動によって遊技者に与える遊技意欲の低減を抑制することができる。
(A4) 前記(A3)に記載の遊技機において、
前記レベル決定手段は、前記コマンドに含まれる一又は複数のコマンドであって、前記特別遊技状態が発生するか否かを判別可能であり且つ前記識別情報の変動表示における変動パターンの種別を判別可能なコマンドに基づいて前記レベルを決定し、
前記パターン決定手段は、前記コマンドに基づいて前記パターンを決定する
ことを特徴とする遊技機。
前記(A4)に記載の発明によれば、レベル決定手段は、特別遊技状態が発生するか否かを判別可能であり且つ識別情報の変動表示における変動パターンの種別を判別可能なコマンドに基づいてレベルを決定する。パターン決定手段は、前記コマンドに基づいてパターンを決定する。したがって、特別遊技状態の発生の有無と変動パターンの種別とを考慮して、一連の示唆演出を好適に実行できる。また、特別遊技状態の発生の有無と変動パターンの種別とを活かした、一連の示唆演出に関連する演出を好適に実行できる。
(A5) 前記(A1)に記載の遊技機において、
前記示唆演出制御手段が前記演出態様の段階的変化を実行するタイミングが到来している時点で前記遊技者の動作が検出されていない場合に、当該タイミングが到来した分の前記演出態様の変化を第1未実行分として記憶する第1記憶手段を備え、
前記示唆演出制御手段は、所定の検出有効期間内において前記遊技者の動作が検出された場合に、前記第1記憶手段に記憶されている前記第1未実行分を実行し、当該第1未実行分を実行し終えた後段階的変化が全て完了していない場合は、残りの前記所定の示唆演出期間内で残りの前記演出態様の段階的変化を最後まで実行させる
ことを特徴とする遊技機。
前記(A5)に記載の発明によれば、第1記憶手段は、示唆演出制御手段が演出態様の段階的変化を実行するタイミングが到来している時点で遊技者の動作が検出されていない場合に、当該タイミングが到来した分の演出態様の変化を第1未実行分として記憶する。示唆演出制御手段は、遊技者の動作が検出された場合に、第1記憶手段に記憶されている第1未実行分を実行し、当該第1未実行分を実行し終えた後、所定の示唆演出期間内で残りの演出態様の段階的変化を最後まで実行させる。したがって、本来の表示の態様を変化させるタイミングが到来しているにも関わらず実行することができなかった第1未実行分の演出態様の変化についても遊技者に見せることができる。また、この第1未実行分の演出態様の変化を遊技者に見せた後でも、残りの示唆演出期間内で、残りの演出態様の段階的変化を最後まで遊技者に見せることができる。
(A6) 前記(A2)から(A4)までのいずれかに記載の遊技機において、
前記示唆演出制御手段が前記演出態様の段階的変化を実行するタイミングが到来している時点で前記遊技者の動作が検出されていない場合に、当該タイミングが到来した分の前記演出態様の変化を第1未実行分として記憶する第1記憶手段を備え、
前記示唆演出実行部は、前記遊技者の動作が検出された場合に、前記第1記憶手段に記憶されている前記第1未実行分を実行し、当該第1未実行分を実行し終えた後、残りの前記所定の示唆演出期間内で、前記レベル決定手段によって決定されたレベルか、または前記レベル検定手段によって決定されたレベルと前記パターン決定手段によって決定されたパターンかのいずれかに応じて、残りの前記演出態様の段階的変化を最後まで実行させる
ことを特徴とする遊技機。
前記(A6)に記載の発明によれば、示唆演出実行部は、遊技者の動作が検出された場合に、第1記憶手段に記憶されている第1未実行分を実行し、当該第1未実行分を実行し終えた後、残りの所定の示唆演出期間内で、レベル決定手段によって決定されたレベルか、またはレベル検定手段によって決定されたレベルとパターン決定手段によって決定されたパターンかのいずれかに応じて、残りの演出態様の段階的変化を最後まで実行させる。したがって、第1未実行分を実行し終えた後、残りの演出態様の段階的変化を実行する際に、そのパターンがボタン有効期間の開始前に既に決まっているので、残りの演出態様の段階的変化を実行するための新たなパターン決定処理負荷を生し難くすることができる。
(A7) 前記(A5)または(A6)に記載の遊技機において、
前記第1未実行分を第1時間内で実行中に、次に前記示唆演出制御手段が前記演出態様の段階的変化を実行するタイミングが到来したときには、当該タイミングが到来した分の前記演出態様の変化を第2未実行分として記憶する第2記憶手段を備え、
前記示唆演出制御手段及び前記示唆演出実行部は、前記第1未実行分を実行し終えた後、前記第1時間よりも短い所定の第2時間内で前記第2記憶手段に記憶されている前記第2未実行分を実行し、当該第2未実行分を実行し終えた後、前記所定の示唆演出期間内で残りの前記演出態様の段階的変化を最後まで実行させる
ことを特徴とする遊技機。
前記(A7)に記載の発明によれば、第2記憶手段は、第1未実行分を第1時間内で実行中に、次に示唆演出制御手段が演出態様の段階的変化を実行するタイミングが到来したときには、当該タイミングが到来した分の演出態様の変化を第2未実行分として記憶する。示唆演出制御手段または示唆演出実行部は、第1未実行分を実行し終えた後、第1時間よりも短い所定の第2時間内で第2記憶手段に記憶されている第2未実行分を実行し、当該第2未実行分を実行し終えた後、パターンに応じた演出態様の段階的変化を最後まで実行させる。したがって、第1未実行分を実行しているために、本来の表示の態様を変化させるタイミングが到来しているにも関わらず実行することができなかった第2未実行分の演出態様の変化についても遊技者に見せることができる。また、この第2未実行分の演出態様の変化を遊技者に見せた後でも、残りの示唆演出期間内で、残りの演出態様の段階的変化を最後まで遊技者に見せることができる。
(A8) 前記(A5)から(A7)の少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記示唆演出制御手段及び前記示唆演出実行部は、前記第1記憶手段に記憶されている前記第1未実行分を一度に実行する
ことを特徴とする遊技機。
前記(A8)に記載の発明によれば、示唆演出制御手段及び前記示唆演出実行部は、第1記憶手段に記憶されている第1未実行分を一度に実行する。したがって、次の表示の態様を変化するタイミングが到来する前に、第1未実行分の表示の態様を変化し終えることができる。また、未実行分の処理が一度で済むので、未実行分の処理回数が増えるこおによる処理負担の増加を抑えることができる。
(A9) 前記(A5)から(A7)の少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記示唆演出制御手段及び前記示唆演出実行部は、前記第1記憶手段に記憶されている前記第1未実行分を所定の第1パターンで実行し、前記第2記憶手段に前記第2未実行分が記憶されている場合は、前記第2記憶手段に記憶されている前記第2未実行分を前記第1パターンの長さよりも短い所定の第2パターンで実行する
ことを特徴とする遊技機。
前記(A9)に記載の発明によれば、示唆演出制御手段及び前記示唆演出実行部は、第1記憶手段に記憶されている第1未実行分を所定の第1パターンで実行し、第2記憶手段に第2未実行分が記憶されている場合は、第2記憶手段に記憶されている第2未実行分を第1パターンの長さよりも短い所定の第2パターンで実行する。したがって、第1未実行分の表示の態様を段階的に変化させることができる。また、第2未実行分が存在する場合には、第2未実行分の表示の態様を段階的に変化させることができる。また、未実行分を実行し終えるまでの時間を徐々に減らすことができる。
上述の「第1未実行分」と「第1記憶手段」と「第1時間」と「第1パターン」は、「第n未実行分」と「第n記憶手段」と「第n時間」と「第nパターン」に、「第2未実行分」と「第2記憶手段」と「第2時間」と「第2パターン」は、「第n+1未実行分」と「第n+1記憶手段」と「第n+1時間」と「第n+1パターン」に置き換えることが可能である。これにより、第2未実行分以降に未実行分が発生する場合でも、当該未実行分を実行することができる。
(A10) 前記(A1)から(A9)までの少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記一連の示唆演出が開始されることを示唆又は教示する、又は、前記一連の示唆演出の実行中に当該一連の示唆演出の最終的な示唆内容を示唆又は教示する先行示唆演出を行う先行示唆演出報知手段と、
前記遊技者の動作が検出されるより前に、又は、前記一連の示唆演出の実行中に、前記先行示唆演出報知手段に前記先行示唆演出を実行させる先行示唆演出実行手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(A10)に記載の発明によれば、検出有効期間より前に決定されているレベルとパターンとを活かして一連の示唆演出に関連する演出が実行される。すなわち、先行示唆報知演出手段は、一連の示唆演出が開始されることを示唆又は教示する、又は、一連の示唆演出の実行中に当該一連の示唆演出の最終的な示唆内容を示唆又は教示する先行示唆演出を行う。先行示唆演出実行手段は、遊技者の動作が検出されるより前に、又は、一連の示唆演出の実行中に、先行示唆演出報知手段に先行示唆演出を実行させる。したがって、遊技者に対して検出有効期間中に動作検出手段に検出させるための動作を行わせ易くなる。また、実行中の一連の示唆演出に対して途中で飽き難くさせる。その結果、遊技者がこの一連の示唆演出及びその最終的な示唆内容を見逃すことを低減できる。
(A11) 前記(A10)に記載の遊技機において、
前記先行示唆演出実行手段は、前記期待度が大きくなるか、前記レベルが大きくなるか、または、前記パターンの長さが長くなるかのいずれかに従って、遊技者の注意をひき易くなる態様で、前記先行示唆演出を前記先行示唆演出報知手段に実行させる
ことを特徴とする遊技機。
前記(A11)に記載の発明によれば、先行示唆演出実行手段は、期待度が大きくなるか、レベルが大きくなるか、または、パターンの長さが長くなるかのいずれかに従って、遊技者の注意をひき易くなる態様で、先行示唆演出を先行示唆演出手段に実行させる。したがって、特別遊技状態が発生する期待度が高い場合や、一連の示唆演出のレベルが高い場合や、一連の示唆演出のパターンの長さが長い場合には、期待度が低い場合やレベル・パターンが低い場合と比べて、興趣に富んだ一連の示唆演出が実行され易いので、遊技者がこのような一連の示唆演出を見逃すことを低減できる。
(A12) 前記(A1)から(A11)までの少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記示唆演出制御手段は、前記検出有効期間内に前記遊技者の動作が検出されなかった場合、前記検出有効期間の終了時から前記示唆演出期間の終了時までの所定の時点から、所定の示唆演出期間内で前記示唆演出報知手段に前記演出態様の段階的変化を最後まで実行させる
ことを特徴とする遊技機。
前記(A12)に記載の発明によれば、示唆演出制御手段は、検出有効期間内に遊技者の動作が検出されなかった場合、検出有効期間の終了時から示唆演出期間の終了時までの所定の時点から、所定の示唆演出期間内で示唆演出報知手段に演出態様の段階的変化を最後まで実行させる。したがって、検出有効期間内に遊技者の動作が検出されなかった場合でも、一連の示唆演出を最後まで遊技者に見せることができる。
(A13) 前記(A12)に記載の遊技機において、
前記示唆演出実行部は、前記検出有効期間内に前記遊技者の動作が検出されなかった場合、前記検出有効期間の終了時から前記示唆演出期間の終了時までの所定の時点から、前記レベル決定手段によって決定されたレベルか、前記レベル決定手段によって決定されたレベルと前記パターン決定手段によって決定されたパターンかのいずれに応じて、所定の示唆演出期間内で前記示唆演出報知手段に前記演出態様の段階的変化を最後まで実行させる
ことを特徴とする遊技機。
前記(A13)に記載の発明によれば、示唆演出実行部は、検出有効期間内に遊技者の動作が検出されなかった場合、検出有効期間の終了時から示唆演出期間の終了時までの所定の時点から、レベル決定手段によって決定されたレベルか、レベル決定手段によって決定されたレベルとパターン決定手段によって決定されたパターンかのいずれに応じて、所定の示唆演出期間内で示唆演出報知手段に演出態様の段階的変化を最後まで実行させる。したがって、検出有効期間より前に決定されているレベルか、検出有効期間より前に決定されているレベルとパターンかのいずれかを活かして、検出有効期間内に遊技者の動作が検出されなかった場合に、一連の示唆演出を最後まで遊技者に見せることができる。
(A14) 前記(A12)または(A13)に記載の遊技機において、
前記所定の時点より前に前記表示の態様を変化させるタイミングが到来した分の前記演出態様の変化を第1未実行分として記憶する第1記憶手段を備え、
前記示唆演出制御手段は、前記所定の時点が到来した場合に、前記第1記憶手段に記憶されている前記第1未実行分を実行し、当該第1未実行分を実行し終えた後、前記演出態様の段階的変化を実行させる
ことを特徴とする遊技機。
前記(A14)に記載の発明によれば、第1記憶手段を備え、所定の時点より前に表示の態様を変化させるタイミングが到来した分の演出態様の変化を第1未実行分として記憶する。示唆演出制御手段は、所定の時点が到来した場合に、第1記憶手段に記憶されている第1未実行分を実行し、当該第1未実行分を実行し終えた後、演出態様の段階的変化を実行させる。したがって、所定の時点より前に本来の表示の態様を変化させるタイミングが到来した第1未実行分の表示の態様の変化についても遊技者に見せることができる。
また、前記(A14)に記載の発明には、前記(A6)から(A8)までに記載の発明と同様の構成を備えることができる。すなわち、第2未実行分、第n未実行分、第n+1未実行分の表示の態様の変化についても遊技者に見せることができる。
(A15) 前記(A12)から(A14)の少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記示唆演出制御手段は、前記検出有効期間内に前記遊技者の動作が検出されなかった場合で、且つ、前記期待度が所定の期待度以上であるか、前記レベルが所定の段階数以上であるかのいずれかの場合に、所定の示唆演出期間内で前記示唆演出報知手段に前記演出態様の段階的変化を最後まで実行させるが、前記期待度が所定の期待度未満であるか、前記レベルが所定の段階数未満であるかのいずれかの場合には、前記演出態様の段階的変化を実行しない
ことを特徴とする遊技機。
前記(A15)に記載の発明によれば、示唆演出制御手段は、検出有効期間内に遊技者の動作が検出されなかった場合で、且つ、期待度が所定の期待度以上であるか、レベルが所定の段階数以上であるかのいずれかの場合に、所定の示唆演出期間内で示唆演出報知手段に演出態様の段階的変化を最後まで実行させるが、期待度が所定の期待度未満であるか、レベルが所定の段階数未満であるかのいずれかの場合には、演出態様の段階的変化を実行しない。したがって、期待度が所定の期待度以上であるか、レベルが所定の段階数以上であるかのいずれかである一連の示唆演出についてのみ、検出有効期間内に遊技者の動作が検出されなかった場合に、最後まで遊技者に見せることができる。
(B1) 始動条件の成立に基づいて特別遊技状態を発生させる抽選を行い、当該抽選の結果をコマンドとして送信する主制御手段と、
前記主制御手段からの前記コマンドを受信して、前記特別遊技状態への移行の成立・不成立を遊技者に視覚を通じて認識させる識別情報の変動表示を制御する表示制御手段と、
遊技に関する遊技者の動作を検出する動作検出手段と、
を備える遊技機において、
前記変動表示の結果として前記識別情報が前記特別遊技状態への移行の成立を示す組み合わせで停止表示される期待度を、演出態様の段階的変化によって示唆する一連の示唆演出を報知する示唆演出報知手段と、
前記コマンドに基づいて、前記演出態様の段階的変化が最終的に到達する段階数に相当するレベルを前記検出有効期間より前に決定するレベル決定手段と、
少なくとも前記動作検出手段によって前記遊技者の動作が検出されたタイミングに基づいて、前記レベルに達するまでの前記演出態様の段階的変化のパターンを決定するパターン決定手段と、
前記レベル決定手段によって決定された前記レベルと前記パターン決定手段によって決定された前記パターンとに応じて、前記遊技者の動作が所定の検出有効期間内に検出された場合に、所定の示唆演出期間内で前記示唆演出報知手段に前記演出態様の段階的変化を最後まで実行させる示唆演出制御手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(B1)に記載の発明によれば、主制御手段は、特別遊技状態を発生させる抽選を始動条件の成立に基づいて行い、当該抽選の結果をコマンドとして送信する。表示制御手段は、主制御手段からのコマンドを受信して、特別遊技状態への移行の成立・不成立を遊技者に視覚を通じて認識させる識別情報の変動表示を制御する。動作検出手段は、遊技に関する遊技者の動作を検出する。示唆演出報知手段は、前記変動表示の結果として前記識別情報が前記特別遊技状態への移行の成立を示す組み合わせで停止表示される期待度を、演出態様の段階的変化によって示唆する一連の示唆演出を報知する。レベル決定手段は、コマンドに基づいて、演出態様の段階的変化が最終的に到達する段階数に相当するレベルを検出有効期間より前に決定する。パターン決定手段は、少なくとも動作検出手段によって遊技者の動作が検出されたタイミングに基づいて、レベルに達するまでの演出態様の段階的変化のパターンを決定する。示唆演出制御手段は、レベル決定手段とパターン決定手段とによって決定されたレベルとパターンとに応じて、遊技者の動作が所定の検出有効期間内に検出された場合に、所定の示唆演出期間内で示唆演出報知手段に演出態様の段階的変化を最後まで実行させる。
したがって、一連の示唆演出のレベルは遊技者の動作が検出されるより前に決定されるが、一連の示唆演出のパターンは少なくとも遊技者の動作が検出されたタイミングに基づいて決定されるので、遊技者の動作が検出されたタイミングの早い遅いを考慮して、表示の態様を段階的に変化させるときの変化の開始から終了までの長さを調整することができる。その結果、所定の検出有効期間のいずれのタイミングで遊技者の動作が検出された場合であっても、当該動作が検出された後に、所定の示唆演出期間内で一連の示唆演出を最後まで実行することができる。
また、演出態様の段階的変化が最終的に到達するレベルが検出有効期間より前に決定されているので、演出態様の段階的変化が最終的に到達するレベルを活かして、一連の示唆演出に関連する演出を実行することもできる。
また、遊技者の動作が検出されたときの当該動作の態様の違いを考慮して、表示の態様を段階的に変化させるときの変化の開始から終了までの時間を調整することができるので、例えば、一連の示唆演出における段階的変化の態様が決定された後に、所定の検出有効期間内において検出される遊技者の動作タイミングの早い遅いの違いなどを考慮して、一連の示唆演出における段階的変化の態様を微調整する必要が低減される分、この種の微調整等に起因して生じる恐れのある表示制御手段の誤作動によって遊技者に与える遊技意欲の低減を抑制することもできる。
すなわち、一連の示唆演出における段階的変化の態様が決定された後に、所定の検出有効期間内において検出される遊技者の動作タイミングの早い遅いの違いなどを考慮して、一連の示唆演出における段階的変化の態様を微調整する必要が多くなりすぎる場合、当該微調整を行う機能を有する例えばCPU等の発熱量が大幅に増えてしまったりする場合がある。これにより、コマンドとして主制御手段から表示制御手段に送信される、特別遊技状態を発生させる抽選の抽選結果と、例えばリーチ演出のような識別情報の変動表示に伴って実行される表示演出とが一致しなくなるような誤作動が表示制御手段に生じる場合があるという問題である。これに対して、本発明では、一連の示唆演出における段階的変化の態様が決定された後に、所定の検出有効期間内において検出される遊技者の動作タイミングの早い遅いの違いなどを考慮して、一連の示唆演出における段階的変化の態様を微調整する必要が低減される分だけ、CPU等の発熱量を抑えたりして、表示制御手段に生じる恐れのある上述の誤作動を低減させることができる。その結果、表示制御手段の誤作動によって遊技者に与える遊技意欲の低減を抑制することができる。
(B2) 前記(B1)に記載の遊技機において、
前記パターン決定手段は、前記遊技者の動作が検出されたタイミングと前記レベル決定手段によって決定された前記レベルに基づいて前記パターンを決定する
ことを特徴とする遊技機。
前記(B2)に記載の発明によれば、パターン決定手段は、遊技者の動作が検出されたタイミングとレベル決定手段によって決定されたレベルに基づいてパターンを決定する。したがって、遊技者の動作が検出されたタイミングの早い遅いと決定されたレベルの大小とを考慮して、表示の態様を段階的に変化させるときの変化の開始から終了までの長さを調整することができる。
(B3) 前記(B1)または(B2)に記載の遊技機において、
前記レベルごとに、前記遊技者の動作が検出されたタイミングに相当する時点から前記示唆演出期間の終了までの残時間内で実行可能な複数の前記パターンを記憶するパターン記憶手段を備え、
前記パターン決定手段は、前記パターン記憶手段に記憶された前記パターンの中から、前記遊技者の動作が検出されたタイミングに基づいて、前記パターンを決定する
ことを特徴とする。
前記(B3)に記載の発明によれば、パターン記憶手段は、レベルごとに、遊技者の動作が検出されたタイミングに相当する時点から示唆演出期間の終了までの残時間内で実行可能な複数のパターンを記憶する。パターン決定手段は、パターン記憶手段に記憶されたパターンの中から、遊技者の動作が検出されたタイミングに基づいて、パターンを決定する。したがって、表示の態様を段階的に変化させるときの変化の開始から終了までを遊技者に見せることができる。
(B4) 前記(B3)に記載の遊技機において、
前記パターン決定手段は、前記パターン記憶手段に記憶された前記パターンの中から、前記残時間内で最も長い時間的長さを有する前記パターンを決定する
ことを特徴とする遊技機。
前記(B4)に記載の発明によれば、パターン決定手段は、パターン記憶手段に記憶されたパターンの中から、残時間内で最も長い時間的長さを有するパターンを決定する。したがって、表示の態様を段階的に変化させるときの変化の開始から終了までを残時間を長く使って遊技者に見せることができる。
(B5) 前記(B3)または(B4)に記載の遊技機において、
前記パターン記憶手段は、前記演出態様の段階的変化を実行するときのパターンであるが、前記期待度を示唆するものでない擬似的パターンを少なくとも一部に有する前記パターンを記憶し、
前記パターン決定手段は、前記抽選の当否に基づくか、前記レベルに基づくか、前記遊技者の動作が検出されたタイミングに基づくか、または、前記タイミングと前記レベルとに基づくかのいずれか一つの条件に基づいて、前記擬似的パターンを少なくとも一部に有する前記パターンを決定する
ことを特徴とする遊技機。
前記(B5)に記載の発明によれば、パターン記憶手段は、演出態様の段階的変化を実行するときのパターンであるが、期待度を示唆するものでない擬似的パターンを少なくとも一部に有するパターンを記憶する。パターン決定手段は、抽選の当否に基づくか、レベルに基づくか、遊技者の動作が検出されたタイミングに基づくか、または、タイミングとレベルとに基づくかのいずれか一つの条件に基づいて、擬似的パターンを少なくとも一部に有するパターンを決定する。つまり、擬似的パターンを有するパターンは、擬似的パターンを有しない同じパターンに比べて、擬似的パターンの長さ分だけ長くなる。したがって、特別遊技状態を発生させる抽選の当否や、動作が検出されたタイミングの早い遅いや、決定されたレベルの大小を考慮して、表示の態様を変化させるときの当該変化の開始から終了までの時間を調整することができる。
(B6) 前記(B5)に記載の遊技機において、
前記パターン記憶手段は、前記遊技者の動作が検出されたタイミングが早くなるに従って、または、前記遊技者の動作が検出されたタイミングが早くなり且つ前記レベルが低くなるに従って、前記擬似的パターンの長さが長くなるように設定されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(B6)に記載の発明によれば、パターン記憶手段は、遊技者の動作が検出されたタイミングが早くなるに従って、または、遊技者の動作が検出されたタイミングが早くなり且つレベルが低くなるに従って、擬似的パターンの長さが長くなるように設定されている。したがって、残時間を長く使って表示の態様を変化し終えることができる。また、その役割を擬似的パターン部分が担うことで、通常のパターンのみで実行される一連の示唆演出とは異なる意外性を遊技者に与えることができる。
(B7) 前記(B5)または(B6)に記載の遊技機において、
前記パターン記憶手段に設定されている前記擬似的パターンは、前記演出態様の段階的変化が所定の段階数まで進んだときに、擬似的に当該演出態様の変化を1又は複数段階進ませた後に、再び前記所定の段階数まで戻す戻しパターンであり、
前記戻しパターンにおける1又は複数段階の戻し量、又は、戻しパターンが挿入される回数を調節することで前記演出態様を段階的に変化させるときの変化の開始から終了までの時間が調整される
ことを特徴とする遊技機。
前記(B7)に記載の発明によれば、パターン記憶手段に設定されている擬似的パターンは、演出態様の段階的変化が所定の段階数まで進んだときに、擬似的に当該演出態様の変化を1又は複数段階進ませた後に、再び所定の段階数まで戻す戻しパターンである。戻しパターンにおける1又は複数段階の戻し量、又は、戻しパターンが挿入される回数を調節することで演出態様を段階的に変化させるときの変化の開始から終了までの時間が調整される。つまり、進行中の表示態様の段階的変化が戻るという点で、遊技者に意外性を与えることができる。したがって、表示の態様を段階的に変化させるときの変化の開始から終了までの時間の調整と一連の示唆演出の面白さとを両立させるとともに、当該一連の示唆演出を遊技者の記憶に残り易くすることができる。
(C1) 始動条件の成立に基づいて特別遊技状態を発生させる抽選を行い、当該抽選の結果をコマンドとして送信する主制御手段と、
前記主制御手段からの前記コマンドを受信して、前記特別遊技状態への移行の成立・不成立を遊技者に視覚を通じて認識させる識別情報の変動表示を制御する表示制御手段と、
遊技に関する遊技者の動作を検出する動作検出手段と、
を備える遊技機において、
前記変動表示の結果として前記識別情報が前記特別遊技状態への移行の成立を示す組み合わせで停止表示される期待度を、演出態様の段階的変化によって示唆する一連の示唆演出を報知する示唆演出報知手段と、
前記動作検出手段によって検出された前記遊技者の動作の態様に基づいて、前記演出態様の段階的変化が最終的に到達する段階数に相当するレベルを決定するレベル決定手段と、
前記動作検出手段によって検出された前記遊技者の動作の態様に基づいて、前記レベルに達するまでの前記演出態様の段階的変化のパターンを決定するパターン決定手段と、
前記レベル決定手段によって決定された前記レベルと前記パターン決定手段によって決定された前記パターンとに応じて、前記遊技者の動作が所定の検出有効期間内に検出された場合に、所定の示唆演出期間内で前記示唆演出報知手段に前記演出態様の段階的変化を最後まで実行させる示唆演出制御手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(C1)に記載の発明によれば、主制御手段は、特別遊技状態を発生させる抽選を始動条件の成立に基づいて行い、当該抽選の結果をコマンドとして送信する。表示制御手段は、主制御手段からのコマンドを受信して、特別遊技状態への移行の成立・不成立を遊技者に視覚を通じて認識させる識別情報の変動表示を制御する。動作検出手段は、遊技に関する遊技者の動作を検出する。示唆演出報知手段は、前記変動表示の結果として前記識別情報が前記特別遊技状態への移行の成立を示す組み合わせで停止表示される期待度を、演出態様の段階的変化によって示唆する一連の示唆演出を報知する。レベル決定手段は、動作検出手段によって検出された遊技者の動作の態様に基づいて、演出態様の段階的変化が最終的に到達する段階数に相当するレベルを決定する。パターン決定手段は、動作検出手段によって検出された遊技者の動作の態様に基づいて、レベルに達するまでの演出態様の段階的変化のパターンを決定する。示唆演出制御手段は、レベル決定手段によって決定されたレベルとパターン決定手段によって決定されたパターンとに応じて、遊技者の動作が所定の検出有効期間内に検出された場合に、所定の示唆演出期間内で示唆演出報知手段に演出態様の段階的変化を最後まで実行させる。
したがって、検出された遊技者の動作の態様に基づいて、演出態様の段階的変化が最終的に到達する段階数に相当するレベルと、当該レベルに達するまでの演出態様の段階的変化のパターンとが決定されるので、遊技者の動作が検出されたときの当該動作の態様の違いを考慮して、表示の態様を段階的に変化させるときの段階数及び変化の開始から終了までの時間を調整することができる。その結果、所定の検出有効期間のいずれのタイミングで遊技者の動作が検出された場合であっても、当該動作が検出された後に、所定の示唆演出期間内で一連の示唆演出を最後まで実行することができる。
また、検出有効期間内に検出された遊技者の動作の態様を最大限に活かして、一連の示唆演出に関連する演出を実行することもできる。
また、遊技者の動作が検出されたときの当該動作の態様の違いを考慮して、表示の態様を段階的に変化させるときの段階数及び変化の開始から終了までの時間を調整することができるので、例えば、一連の示唆演出における段階的変化の態様が決定された後に、所定の検出有効期間内において検出される遊技者の動作タイミングの早い遅いの違いなどを考慮して、一連の示唆演出における段階的変化の態様を微調整する必要が低減される分、この種の微調整等に起因して生じる恐れのある表示制御手段の誤作動によって遊技者に与える遊技意欲の低減を抑制することもできる。
すなわち、一連の示唆演出における段階的変化の態様が決定された後に、所定の検出有効期間内において検出される遊技者の動作タイミングの早い遅いの違いなどを考慮して、一連の示唆演出における段階的変化の態様を微調整する必要が多くなりすぎる場合、当該微調整を行う機能を有する例えばCPU等の発熱量が大幅に増えてしまったりする場合がある。これにより、コマンドとして主制御手段から表示制御手段に送信される、特別遊技状態を発生させる抽選の抽選結果と、例えばリーチ演出のような識別情報の変動表示に伴って実行される表示演出とが一致しなくなるような誤作動が表示制御手段に生じる場合があるという問題である。これに対して、本発明では、一連の示唆演出における段階的変化の態様が決定された後に、所定の検出有効期間内において検出される遊技者の動作タイミングの早い遅いの違いなどを考慮して、一連の示唆演出における段階的変化の態様を微調整する必要が低減される分だけ、CPU等の発熱量を抑えたりして、表示制御手段に生じる恐れのある上述の誤作動を低減させることができる。その結果、表示制御手段の誤作動によって遊技者に与える遊技意欲の低減を抑制することができる。
(C2) 前記(C1)に記載の遊技機において、
前記レベル決定手段は、前記遊技者の動作が検出されたタイミングに基づいて前記レベルを決定し、
前記パターン決定手段は、前記遊技者の動作が検出されたタイミングに基づいて前記パターンを決定する
ことを特徴とする遊技機。
前記(C2)に記載の発明によれば、レベル決定手段は、遊技者の動作が検出されたタイミングに基づいてレベルを決定する。パターン決定手段は、遊技者の動作が検出されたタイミングに基づいてパターンを決定する。したがって、遊技者の動作が検出されるタイミングの早い遅いや遊技者の動作が検出されるタイミングを考慮して、演出態様を段階的に変化させるときの段階数及び変化の開始から終了までの時間を調整することができる。
(C3) 前記(C2)に記載の遊技機において、
前記遊技者の動作が検出されたタイミングに相当する時点から前記示唆演出期間の終了までの残時間ごとに複数の前記レベルを記憶するレベル記憶手段を備え、
前記遊技者の動作が検出されたタイミングに相当する時点から前記示唆演出期間の終了までの残時間ごとに複数の前記パターンを記憶するパターン記憶手段を備え、
前記レベル記憶手段は、前記タイミングが早くなるに従って前記レベルの中から高いレベルを決定し易くなるように構成され、
パターン記憶手段は、前記タイミングが早くなるに従って前記パターンの中から前記演出態様の段階的変化を実行させるときの変化の開始から終了までの時間が長いパターンを決定し易くなるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(C3)に記載の発明によれば、レベル記憶手段は、遊技者の動作が検出されたタイミングに相当する時点から示唆演出期間の終了までの残時間ごとに複数のレベルを記憶する。パターン記憶手段は、遊技者の動作が検出されたタイミングに相当する時点から示唆演出期間の終了までの残時間ごとに複数のパターンを記憶する。レベル記憶手段は、タイミングが早くなるに従ってレベルの中から高いレベルを決定し易くなるように構成されている。パターン記憶手段は、タイミングが早くなるに従ってパターンの中から演出態様の段階的変化を実行させるときの変化の開始から終了までの時間が長いパターンを決定し易くなるように構成されている。したがって、残時間の長さに応じて一連の示唆演出の時間的長さを好適に調整することができる。
(C4) 前記(C3)に記載の遊技機において、
前記レベル記憶手段及びパターン記憶手段は、前記残時間ごとに複数種類の前記レベルと前記パターンとを対応させた共通テーブルであり、
前記レベル決定手段と前記パターン決定手段は、前記残時間に応じた前記共通テーブルの中から前記遊技者の動作が検出されたタイミングに基づいて前記レベルと前記パターンとを決定する
ことを特徴とする遊技機。
前記(C4)に記載の発明によれば、レベル記憶手段及びパターン記憶手段は、残時間ごとに複数種類のレベルとパターンとを対応させた共通テーブルである。レベル決定手段とパターン決定手段は、残時間に応じた共通テーブルの中から遊技者の動作が検出されたタイミングに基づいてレベルとパターンとを決定する。したがって、レベル決定用のテーブルとパターン決定用のテーブルとを個別に備える場合よりも、テーブルの記憶数が少なくて済む。
(D1) 前記(A1)乃至(A15)と(B1)乃至(B7)と(C1)乃至(C4)とのうち少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記レベル決定手段と前記パターン決定手段と前記示唆演出制御手段とを備えることを特徴とする遊技機。
前記(D1)に記載の発明によれば、表示制御手段は、レベル決定手段とパターン決定手段と示唆演出制御手段とを備える。したがって、一連の示唆演出のレベル及びパターンの決定と、この一連の示唆演出の実行との機能をひとつの表示制御手段で実現することができる。
また、一連の示唆演出におけるレベル及びパターンが主制御手段から表示制御手段に送信される各種コマンドに基づいて実行される場合、レベル及びパターンの決定に必要な表示制御手段のレベル及びパターンの記憶数を減らすことができる。また、表示制御手段に課せられる制御負荷(演算負荷)を減らすことができる。これにより表示制御手段の発熱量を抑え、表示制御手段の誤作動を防止することができる。
(D2) 前記(A1)乃至(A15)と(B1)乃至(B7)と(C1)乃至(C4)とのうち少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記主制御手段からの前記コマンドを受信して、各種の制御を行うサブ制御手段を備え、
前記サブ制御手段は、前記レベル決定手段と前記パターン決定手段と前記示唆演出制御手段とを備えることを特徴とする遊技機。
前記(D2)に記載の発明によれば、主制御手段からのコマンドを受信して、各種の制御を行うサブ制御手段を備える。サブ制御手段は、レベル決定手段とパターン決定手段と示唆演出制御手段とを備える。したがって、一連の示唆演出のレベル及びパターンの決定と、この一連の示唆演出の実行との機能をひとつのサブ制御手段で実現することができる。
また、表示制御手段に課せられるレベル及びパターンの記憶数や制御負荷をサブ制御手段に分散させることにより、表示制御手段の発熱量を抑え、表示制御手段の誤作動を防止することができる。
(D3) 前記(A1)乃至(A15)と(B1)乃至(B7)と(C1)乃至(C4)とのうち少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記示唆演出報知手段は、点灯可能な点灯領域を有する点灯装置であり、
前記演出態様は、前記点灯領域の点灯態様であり、
前記示唆演出制御手段は、前記点灯領域の点灯態様を段階的に変化させるものであり、
前記演出態様の段階的変化は、前記点灯領域の点灯態様を段階的に変化させることである
ことを特徴とする遊技機。
前記(D3)に記載の発明によれば、示唆演出報知手段は、点灯可能な点灯領域を有する点灯装置である。演出態様は、点灯領域の点灯態様である。示唆演出制御手段は、点灯領域の点灯態様を段階的に変化させるものである。演出態様の段階的変化は、点灯領域の点灯態様を段階的に変化させることである。したがって、点灯装置に設けられた点灯領域の点灯態様が段階的に変化するに伴って、特別遊技状態が識別情報の変動表示において発生する期待度を段階的に高めていくような演出を行うことができる。その結果、一連の示唆演出に対して遊技者を最後まで飽きさせにくくすることができる。
(D4) 前記(A1)乃至(A15)と(B1)乃至(B7)と(C1)乃至(C4)とのうち少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記示唆演出報知手段は、示唆画像を表示可能な画像表示装置であり、
前記演出態様は、前記示唆画像の表示態様であり、
前記示唆演出制御手段は、前記示唆画像の演出態様を段階的に変化させるものであり、
前記演出態様の段階的変化は、前記示唆画像の表示態様を段階的に変化させることである
ことを特徴とする遊技機。
前記(D4)に記載の発明によれば、示唆演出報知手段は、示唆画像を表示可能な画像表示装置である。演出態様は、示唆画像の表示態様であり。示唆演出制御手段は、示唆画像の演出態様を段階的に変化させるものである。演出態様の段階的変化は、示唆画像の表示態様を段階的に変化させることである。したがって、画像表示装置に表示される示唆画像の表示態様が段階的に変化するに伴って、特別遊技状態が識別情報の変動表示において発生する期待度を段階的に高めていくような演出を行うことができる。その結果、一連の示唆演出に対して遊技者を最後まで飽きさせにくくすることができる。
(D5) 前記(A1)乃至(A15)と(B1)乃至(B7)と(C1)乃至(C4)とのうち少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記示唆演出報知手段は、示唆音を主力可能な音出力装置であり、
前記演出態様は、前記示唆音の出力態様であり、
前記示唆演出制御手段は、前記示唆音の出力態様を段階的に変化させるものであり、
前記演出態様の段階的変化は、前記示唆音の出力態様を段階的に変化させることである
ことを特徴とする遊技機。
前記(D5)に記載の発明によれば、示唆演出報知手段は、示唆音を主力可能な音出力装置である。演出態様は、示唆音の出力態様である。示唆演出制御手段は、示唆音の出力態様を段階的に変化させるものである。演出態様の段階的変化は、示唆音の出力態様を段階的に変化させることである。したがって、音出力装置から出力される示唆音の出力態様が段階的に変化するに伴って、特別遊技状態が識別情報の変動表示において発生する期待度を段階的に高めていくような演出を行うことができる。その結果、一連の示唆演出に対して遊技者を最後まで飽きさせにくくすることができる。
(D6) 前記(A1)乃至(A15)と(B1)乃至(B7)と(C1)乃至(C4)とのうち少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(D6)に記載の遊技機によれば、遊技に対する興趣性の向上を図ることができるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
(D7)前記(A1)乃至(A15)と(B1)乃至(B7)と(C1)乃至(C4)とのうち少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
前記(D7)に記載の遊技機によれば、遊技に対する興趣性の向上を図ることができるスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
(D8) 前記(A1)乃至(A15)と(B1)乃至(B7)と(C1)乃至(C4)とのうち少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
前記(D8)に記載の遊技機によれば、遊技に対する興趣性の向上を図ることができる、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
(E1)
始動条件の成立に基づいて特別遊技状態を発生させる抽選を行い、当該抽選の結果をコマンドとして送信する主制御手段と、
前記主制御手段からの前記コマンドを受信して、前記特別遊技状態への移行の成立・不成立を遊技者に視覚を通じて認識させる識別情報の変動表示を制御する表示制御手段と、
を備える遊技機において、
前記変動表示の結果として前記識別情報が前記特別遊技状態への移行の成立を示す組み合わせで停止表示される期待度を、特定の演出態様によって示唆する特定示唆演出を報知する示唆演出報知手段と、
前記主制御手段から受信したコマンドに含まれる、前記変動表示において前記特定示唆演出が実行されることを示し且つ前記特別遊技状態に当選することを示す種別情報を受け取った場合で、且つ、前記主制御手段から受信したコマンドに含まれる、前記特別遊技状態への移行を示す移行情報を受け取った場合に、前記種別情報の受取りを特定示唆演出ありの特別遊技状態の発生回数としてカウントする発生回数カウント手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(E1)に記載の発明によれば、主制御手段は、始動条件の成立に基づいて特別遊技状態を発生させる抽選を行い、当該抽選の結果をコマンドとして送信する。表示制御手段は、主制御手段からのコマンドを受信して、特別遊技状態への移行の成立・不成立を遊技者に視覚を通じて認識させる識別情報の変動表示を制御する。示唆演出報知手段は、変動表示の結果として識別情報が前記特別遊技状態への移行の成立を示す組み合わせで停止表示される期待度を、特定の演出態様によって示唆する特定示唆演出を報知する。発生回数カウント手段は、前記主制御手段から受信したコマンドに含まれる、前記変動表示において前記特定示唆演出が実行されることを示し且つ前記特別遊技状態に当選することを示す種別情報を受け取った場合で、且つ、前記主制御手段から受信したコマンドに含まれる、前記特別遊技状態への移行を示す移行情報を受け取った場合に、前記種別情報の受取りを特定示唆演出ありの特別遊技状態の発生回数としてカウントする。したがって、ノイズ等の影響を受けにくく正確に特定示唆演出ありの特別遊技状態の発生回数をカウントできる。
すなわち、遊技機内部に発生するノイズ等の影響によって、誤って、主制御手段から受信したコマンドから変動表示において特定示唆演出が実行され且つ特別遊技状態に当選することを示す種別情報を受け取ったと判断される場合がある。ただし、そのような場合は、変動表示の確定後に主制御手段から特別遊技状態への移行を示す移行情報が来ない。そこで、上述の種別情報を受け取ったと判断された場合であっても、直ちに特定示唆演出ありの特別遊技状態の発生回数としてカウントするのではなく、上述の移行情報を受け取ったか否かに応じて、上述の種別情報の受取りを特定示唆演出ありの特別遊技状態の発生回数としてカウントする。これにより、ノイズ等の影響を受けにくく正確に特定示唆演出ありの特別遊技状態の発生回数をカウントできる。その結果、特定示唆演出有あり特別遊技状態の発生回数に対する信頼性の低下を抑えることによって、この種の発生回数を基に遊技を楽しむ遊技者の遊技意欲の減退を抑えることができる。
(E2) 前記(E1)に記載の遊技機において、
前記発生回数カウント手段は、前記種別情報を受け取った場合であっても前記移行情報を受け取らなかった場合は前記種別情報の受取りを前記発生回数としてカウントしない
ことを特徴とする遊技機。
前記(E2)に記載の発明によれば、発生回数カウント手段は、種別情報を受け取った場合であっても移行情報を受け取らなかった場合は種別情報の受取りを発生回数としてカウントしない。つまり、このような場合は、特定示唆演出ありの特別遊技状態が現実には発生していない可能性があるので、上述の種別情報の受取りを上述の発生回数としてカウントしない。したがって、特定示唆演出ありの特別遊技状態が現実に発生しているか否か不確かな場合をカウントに含めないことによって、カウントされた特定示唆演出ありの特別遊技状態の発生回数の信頼性が低下することを抑えることができる。
(E3) 前記(E2)に記載の遊技機において、
前記主制御手段から前記種別情報を含むコマンドを受信した時点で、前記種別情報の受取りを示す受取り有りの情報を記憶するカウント用記憶部を備え、
前記発生回数カウント手段は、前記変動表示の確定後に前記移行情報を受け取った場合に、前記受取り有りの情報を前記発生回数に含めると判断して、前記カウント用記憶部に記憶された前記受取り有りの情報を削除する
ことを特徴とする遊技機。
前記(E3)に記載の発明によれば、カウント用記憶部は、主制御手段から上述の種別情報を含むコマンドを受信した時点で、上述の種別情報の受取りを示す受取り有りの情報を記憶する。発生回数カウント手段は、変動表示の確定後に上述の移行情報を受け取った場合に、受取り有りの情報を発生回数に含めると判断して、カウント用記憶部に記憶された受取り有りの情報を削除する。したがって、正確に特定示唆演出あり特別遊技状態の発生回数をカウントできるようになる。
すなわち、主制御手段から上述の種別情報を含むコマンドを受信した時点は、遊技機内部で発生するノイズ等の影響を受けにくい時点なので、上述の受取り有りの情報が正確にカウント用記憶部に記憶され易い。また、変動表示の確定後に上述の移行情報を受け取るということは、主制御手段によって特別遊技状態への移行が正しく認識されている可能性が高い。そこで、主制御手段から上述の種別情報を含むコマンドを受信した時点で記憶した上述の受取り有りの情報と、変動表示の確定後に受け取った上述の移行情報とが揃った場合に、受取り有りの情報を上述の発生回数に含めることで、正確に特定示唆演出あり特別遊技状態の発生回数をカウントできるようになる。
また、カウント用記憶部に記憶された受取り有りの情報は、発生回数のカウントとの後に削除されるので、2重カウントのおそれも低減される。
(E4) 前記(E3)に記載の遊技機において、
前記主制御手段から前記種別情報を含むコマンドを受信した時点で、前記種別情報判断手段での前記種別情報の受取りを示す受取り有りの情報を記憶するカウント用記憶部を備え、
前記発生回数カウント手段は、前記変動表示の確定後に前記移行情報を受け取らなかった場合に、前記受取り有りの情報を前記発生回数に含めないと判断して、前記カウント用記憶部に記憶された前記受取り有りの情報を削除する
ことを特徴とする遊技機。
前記(E4)に記載の発明によれば、カウント用記憶部は、主制御手段から上述の種別情報を含むコマンドを受信した時点で、種別情報判断手段での上述の種別情報の受取りを示す受取り有りの情報を記憶する。発生回数カウント手段は、変動表示の確定後に上述の移行情報を受け取らなかった場合に、受取り有りの情報を発生回数に含めないと判断して、カウント用記憶部に記憶された受取り有りの情報を削除する。したがって、カウントされた特定示唆演出あり特別遊技状態の発生回数の信頼性の低下を抑えることができる。
すなわち、主制御手段から上述の種別情報を含むコマンドを受信した時点は、遊技機内部で発生するノイズ等の影響を受けにくい時点なので、上述の受取り有りの情報が正確にカウント用記憶部に記憶され易い。ところが、変動表示を開始する時点では主制御手段から上述の種別情報を含むコマンドを受信していないにも関わらず、その後のノイズ等の影響によって誤って上述の受取り有りの情報がカウント用記憶部に記憶されてしまう場合がある。そこで、変動表示の確定後に移行情報を受け取らなかった場合は、カウント用記憶部に記憶されている受取り有りの情報を上述の発生回数に含めないと判断することによって、カウントされた特定示唆演出あり特別遊技状態の発生回数の信頼性の低下を抑えることができる。また、カウント用記憶部に記憶された受取り有りの情報を削除することによって、誤って記憶された可能性のある上述の受取り有りの情報を上述の発生回数に含めてしまう恐れを低減することができる。
(E5) 前記(E1)乃至(E4)の少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記主制御手段から受信したコマンドに含まれる、前記変動表示において前記特定示唆演出が実行されることを示し且つ前記特別遊技状態に当選することを示す種別情報を受け取ったか否かを判断する種別情報判断手段と、
前記主制御手段から受信したコマンドに含まれる、前記特別遊技状態への移行を示す移行情報を受け取ったか否かを判断する移行情報判断手段と、を備え、
前記発生回数カウント手段は、前記種別情報判断手段で前記種別情報を受け取ったと判断された場合で、且つ、前記移行情報判断手段で前記移行情報を受け取ったと判断された場合に、前記種別情報の受取りを特定示唆演出ありの特別遊技状態の発生回数としてカウントする
ことを特徴とする遊技機。
前記(E5)に記載の発明によれば、種別情報判断手段は、主制御手段から受信したコマンドに含まれる、変動表示において特定示唆演出が実行されることを示し且つ特別遊技状態に当選することを示す種別情報を受け取ったか否かを判断する。移行情報判断手段は、主制御手段から受信したコマンドに含まれる、特別遊技状態への移行を示す移行情報を受け取ったか否かを判断する。発生回数カウント手段は、種別情報判断手段で種別情報を受け取ったと判断された場合で、且つ、移行情報判断手段で移行情報を受け取ったと判断された場合に、種別情報の受取りを特定示唆演出ありの特別遊技状態の発生回数としてカウントする。したがって、上述までの発明を好適に実現できる。
(E6) 前記(E1)乃至(E5)の少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記発生回数に含めると判断された前記種別情報の受取りを履歴情報として記憶する履歴情報記憶部と、
前記履歴情報記憶部に記憶された前記履歴情報を表示可能な表示手段と、
遊技者の所定の動作が検出された場合に、前記発生回数を含む前記特定示唆演出ありの前記特別遊技状態の発生履歴を前記表示手段に表示させる履歴表示実行手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(E6)に記載の発明によれば、履歴情報記憶部は、上述の発生回数に含めると判断された上述の種別情報の受取りを履歴情報として記憶する。表示手段は、履歴情報記憶部に記憶された履歴情報を表示可能に構成されている。履歴表示実行手段は、遊技者の所定の動作が検出された場合に、上述の発生回数を含む特定示唆演出ありの特別遊技状態の発生履歴を表示手段に表示させる。したがって、正確な特定示唆演出あり特別遊技状態の発生履歴を遊技者に提供することができる。
(E7) 前記(E1)乃至(E6)のうち少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記種別情報判断手段と前記移行情報判断手段と前記発生回数カウント手段と前記履歴表示実行手段とを備えることを特徴とする遊技機。
前記(E7)に記載の発明によれば、表示制御手段は、種別情報判断手段と移行情報判断手段と発生回数カウント手段と履歴表示実行手段とを備える。したがって、上述の種別情報を受け取ったか否かの判断と、上述の移行情報を受け取ったか否かの判断と、特定示唆演出ありの特別遊技状態の発生回数のカウントと、この発生回数を含む履歴表示の実行との機能をひとつの表示制御手段で実現することができる。
(E8) 前記(E1)乃至(E7)のうち少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記主制御手段からの前記コマンドを受信して、各種の制御を行うサブ制御手段を備え、
前記サブ制御手段は、前記種別情報判断手段と前記移行情報判断手段と前記発生回数カウント手段と前記履歴表示実行手段とを備えることを特徴とする遊技機。
前記(E8)に記載の発明によれば、主制御手段からのコマンドを受信して、各種の制御を行うサブ制御手段を備える。サブ制御手段は、種別情報判断手段と移行情報判断手段と発生回数カウント手段と履歴表示実行手段とを備える。したがって、上述の種別情報を受け取ったか否かの判断と、上述の移行情報を受け取ったか否かの判断と、特定示唆演出ありの特別遊技状態の発生回数のカウントと、この発生回数を含む履歴表示の実行との機能をひとつのサブ制御手段で実現することができる。
また、表示制御手段に課せられる制御負荷をサブ制御手段に分散させることにより、表示制御手段の発熱量を抑え、表示制御手段の誤作動を防止することができる。
(E9) 前記(E1)乃至(E8)のうち少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(E9)に記載の遊技機によれば、遊技に対する興趣性の向上を図ることができるパチンコ機を提供できる。
(E10)前記(E1)乃至(E8)のうち少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
前記(E10)に記載の遊技機によれば、遊技に対する興趣性の向上を図ることができるスロットマシンを提供できる。
(E11) 前記(E1)乃至(E8)のうち少なくともいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
前記(E11)に記載の遊技機によれば、遊技に対する興趣性の向上を図ることができる、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。
なお、本明細書に開示する種々の発明に関して、全ての構成要素について種々の組み合わせが可能であり、他の構成要件がなくても単独で発明として成立する点に留意されたい。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。但し、図2では便宜上、下皿ユニット13が内枠12から取り外された状態を示している。
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に詳細に説明する。
外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。例えば、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できない。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
内枠12の構成を図3も用いて詳細に説明する。図3は、前面枠セット14の下側を拡大した斜視図である。図4は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3,4では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。
内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、後述する樹脂ベース20と、この樹脂ベース20の後側に取り付けられる遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドル228と発射モータ229(図7参照)などで構成されている。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカ(音声出力部409)からの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように、その右側が下皿15に片持ち支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃え難くなっている。
また、前面枠セット14は、図2に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠セット14は内枠12の外側壁(リブ)12b(図4参照)内に嵌まり込むようにして取り付けられている。つまり、この前面枠セット14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠セット14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のもの)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠セット14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が一体的に設けられている。図4に示すように、上皿19の手前側には、遊技に関連して遊技者によって押下される操作ボタン440が配備されている。操作ボタン440は、本発明の動作検出手段に相当する。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
ここで、前面枠セット14は、少なくとも遊技球発射ハンドル18に干渉しないようにして本パチンコ機10の下方に拡張して設けられており、具体的な数値を示すと、パチンコ機10の下端から前面枠セット14の下端までの寸法(図1のH1)は、既存の一機種で例えば約201mmであるのに対し、本パチンコ機10では30mm程小さく、約172mmとなっている。また、これに伴いパチンコ機10の下端から上皿19までの寸法(図1のH2)も小さくなっており、既存の一機種では例えば約298mmであるのに対し、本パチンコ機10では261mmとなっている。かかる構成では、上皿19の位置を下げたことにより、球貸し装置のノズル部と上皿19との距離が大きくなって貸し出される遊技球のこぼれ落ちなどが懸念されるが、本実施例では、当該ノズル部からの遊技球を受ける部分(向かって左側部分)で上皿19の周囲壁の一部を高くした(図1の高壁部19a)。これにより、上皿19の位置を下げた構成にあっても貸し遊技球のこぼれ落ち等の不都合が解消されるようになっている。なお、高壁部19aの高さ寸法は、上皿19の下げ寸法に見合うものであればよく、本実施例では25mmとした。
図4に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。
次に、図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図5は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、作動口スイッチ224等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33への入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置42と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41とを備えている。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用の表示部43と保留ランプ44とを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部43による表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に第1の始動口33に配設された一対の羽根33a,33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。なお、表示部43は、複数のランプの点灯を切り換えることにより変動表示される構成の他、第1図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であっても良い。保留ランプ44も同様に、第1図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
第1図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第1図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして第1図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第1図柄表示装置42(液晶表示装置)は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第1図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
センターフレーム47の上部中央には、示唆演出表示部400が設けられている。示唆演出表示部400は、後述する表示制御装置45によって制御され、遊技の内容に応じた演出を行うように構成されている点灯装置(役物)である。また、示唆演出表示部400は、変動表示の結果として第1図柄が大当たり状態への移行の成立を示す組み合わせで停止表示される期待度を、その表示態様(具体的には点灯態様)の段階的変化によって示唆する一連の示唆演出を表示する。なお、示唆演出表示部400は、本発明の示唆演出報知手段及び点灯装置に相当し、表示態様及び点灯態様は本発明の演出態様に相当する。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、第1の始動口33に対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置42で図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったことを必要条件に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32の大入賞口が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ46は、第1図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、図4に示す奥面50aについての遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図5の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。この実施例では、レールユニット50の少なくとも左側を遊技盤30に強固に締結するために、レールユニット50の左側はその右側よりも多いネジで遊技盤30に締結されているので、レールユニット50の左側についての遊技盤30への密着性を上げることができ、遊技球の球飛びを良くすることができる。レールユニット50の左側が遊技盤30に対してぐらついているとこのレールユニット50に出射された遊技球の勢いが当該ぐらつきにより吸収されてしまうからである。
さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
内レール51及び外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図4参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図5のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図5のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の高さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
なお、可変表示装置ユニット35の両側に位置する第2の始動口34は、該第2の始動口34を通過した遊技球が中央の方へ寄せられるような案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張されている場合であっても、遊技球を中央の第1の始動口33や可変入賞装置32の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞しにくくなることによる興趣の低下が抑制されるようになっている。さらには、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車37、第2の始動口34、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、さらに風車37、第2の始動口34、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。
図4の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置38から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置38の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置した。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
なお、図4中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタ68が取り付けられている。前面枠セット14を内枠12から開放した状態(図3の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られた証紙などのシール(図5のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
また、図4に示すように、内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
図4に示すように、内枠12の上側には、前面枠セット14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠セット14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。また、前面枠セット14が閉じられると、図6に示す前面枠セット14の金属製の補強板132,131が図3に示す内枠12の一対の金具92に接触するようになっており、前面枠セット14のアースが確保されている。
ここで、前述した前面枠セット14について、図1,図6を参照しつつより詳細に説明する。図6は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35も比較的上方に配置することができるようになっている。前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図6では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図4を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール52の左端部はもちろん、内レール51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
また、図1に示すように、前面枠セット14の左側の小窓107付近を前面側(図1の紙面手前側)に必要以上に突出しないようにしている。こうすることで、パチンコ機10の左側に設けられたカードサンドの球貸し装置から直接に上皿19に遊技球を貸し出す際に、当該球貸し装置のノーズ部(いわゆる象の鼻)の先端排出口を好適に上皿19の上方位置に位置させることができ、当該球貸し装置のノーズ部から貸し出される遊技球を上皿19で受けることができる。
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図6に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。このように補強板132,133の連結部に樹脂パーツ135を介在させているので、ノイズが補強板131〜134でループすることを防止できる。また、図6の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図4参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内外のレール52,53により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置38より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うようにして前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール52のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図6の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
さらに、レールカバー140の裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図6の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた状態において、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール52にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させにくくなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
また、前面枠セット14の図6の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図4参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図7はパチンコ機10の背面図であり、図8はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
実際には、図9の概略図に示すように各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお図9において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
詳しくは、第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
さらに、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
この場合、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
一方、図10は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図である。また、図11は内枠12を後方より見た斜視図であり、図12は遊技盤30を後方より見た斜視図である。ここでは図10〜図12を用いて内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り換えることができるよう構成されており、図10にはロック状態を示す。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で内枠外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央には可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図5参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる第1図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、後述する示唆演出表示部400を含むセンターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33(それぞれ図5参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、内枠12にやはり樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図10に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられており、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、さらにその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して可変入賞装置32(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ222とカウントスイッチ223とが設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で可変入賞装置32に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ223は入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33に対応する位置には作動口スイッチ224が設けられ、第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチ225が設けられている。なお、上述した作動口スイッチ224が本発明における入賞検出手段に相当する。
入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置)に接続されている。また、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、さらにこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域に導くための入賞球振分板ソレノイドが設けられ、第1の始動口33には、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。なお、図10において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部において符号232は上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)であり、同左上部において符号233は係止爪片である。
また、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12にはその右端部に長尺状の支持金具235が取り付けられており、その構成を図13に示す。図13に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット用の支持金具と裏パックユニット用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構部352より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。すなわち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。図11,20に示すように、遊技球分配部245は、その上方位置に位置する後述の払出機構部352とは別体としている。図11に示すように、遊技球分配部245は、内枠12にネジで締結固定されており、パチンコ機10の上皿19の排出口67(図3参照)から異物を挿入操作するなどしても動かない、つまり遊技球分配部245が奥側に押されて遊技球分配部245と内枠12との間に隙間が空くようなことが無いし、この隙間に異物を挿入するなどによる不正を防止できる。
また、内枠12の下端部には、下皿15に設置されたスピーカの背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、第1制御基板ユニット201を、図14〜図17を用いて説明する。図14は第1制御基板ユニット201の正面図、図15は同ユニット201の斜視図、図16は同ユニット201の分解斜視図、図17は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印手段としての封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図15等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主基板)が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図15等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図16及び図17に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は、裏パックユニット203を軸線Cを軸心として開き、第1制御基板ユニット201を軸線Aを軸心として開いた後に、この第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図15等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図10等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図10等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図10等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。なお、支持金具231及び支軸256が前記図9の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、第2制御基板ユニット202を、図18〜図20を用いて説明する。図18は第2制御基板ユニット202の正面図、図19は同ユニット202の斜視図、図20は同ユニット202の分解斜視図である。但し、図19では便宜上、カードユニット接続基板314が取付台301から取り外された状態を示している。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
また、取付台301には、図18等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図10等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図10等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図9の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、裏パックユニット203の正面図を図21に示し、分解斜視図を図22に示す。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図22に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360とが一体化となるようにユニット化されている。つまり、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
タンクレール356の構成について詳述すると、図23に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、さらにその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消されるようになっている。なお、レール本体361が黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
図21,21の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック351には、図21等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図10等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図10等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図10等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。このとき、図10等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図9の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
なお、図7,図21に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
なお、図10に示すように、裏パックユニット203は、被締結孔240及びナイラッチ386と、固定具241,242とによって、内枠12の裏面に着脱自在に取り付けられている。このように固定具241,242も用いているので、タンク355に供給される遊技球の重みで裏パックユニット203が内枠12から外れてしまうことを防止している。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図24を用いて説明する。図24は、本パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI割込み処理(図34参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図34の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路643、払出制御装置311、表示制御装置45や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
また、払出制御装置311は、払出モータにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理(図34参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、第1図柄表示装置42における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示と、後述する示唆演出表示部400に表示される一連の示唆演出における表示態様の段階的変化と、音出力口24から出力される各種音声とを制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力には主制御装置261の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して一方の出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力には第2図柄表示装置41(表示部43)や、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第1図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から送信される表示コマンドに基づいて第1図柄表示装置42及び第2図柄表示装置41の表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第1図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第1図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第1図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第1図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆部するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流5ボルトの電圧を監視し、この電圧が5ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図34のNMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
ところで、第1図柄表示装置(液晶表示装置)42には、図25に示すように、左・中・右の3つの図柄列L,M,Rが設定されており、図柄列L,M,R毎に上図柄、中図柄、下図柄の3個ずつの図柄(第1図柄:例えば特別図柄)が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主図柄が表示されると共に各主図柄の間に副図柄が配されて一連の図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主図柄と副図柄が上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左図柄列Lにおいては、上記一連の図柄が降順(すなわち、主図柄の番号が減る順)に表示され、中図柄列M及び右図柄列Rにおいては、同じく上記一連の図柄が昇順(すなわち、主図柄の番号が増える順)に表示される。そして、左図柄列L→右図柄列R→中図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第1図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主図柄が大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて第1図柄表示装置42の抽選(大当たり抽選)や図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図26に示すように、第1図柄表示装置42の大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第1図柄表示装置42の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、第1図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第1図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。上述した各カウンタは、CPU501で実行されるプログラムにより構成されている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度、前回値に「1」が加算され(以下、「更新」という)、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。また、RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1の始動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば「0」〜「676」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「676」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で綴り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は10で、その値は 「67,131,199,289,337,401,463,523,601,661」である。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「確変」の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、第1図柄表示装置42の変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、第1図柄表示装置42において有効ラインが5ラインであり、特定図柄(主図柄)が10通り設定されていることから、50個(0〜49)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽通は、第1図柄表示装置42の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、第1図柄表示装置42の大当たり抽選が外れとなった時に左列第1図柄、中列第1図柄、右列第1図柄の停止図柄(外れ図柄)を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算給果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また図示は省略するが、第2図柄表示装置41の抽選には第2図柄乱数カウンタC4が用いられる。第2図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2の始動口34を通過した時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を図27〜図38のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図32は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図32において、先ずステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS602では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。また、続くステップS603では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS604では、第1の始動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図33のフローチャートにより説明すると、ステップS701では、遊技球が第1の始動口33に入賞したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が第1の始動口33に入賞したと判別されると、続くステップS702では、第1図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。第1の始動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS703に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。
また、続くステップS704では、第1図柄の当落に関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。このように始動入賞処理をした後、CPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図34は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図34のNMI割込み処理を開始する。図34のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号S1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
図34のNMI割込み処理において、先ずステップS801では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くステップS802では、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、ステップS803では、電源断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、ステップS804では、電源が速断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。
ステップS805ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS806では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号S1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図34のNMI割込み処理を開始する。その内容は図34で説明した通りである(但し、この払出制御装置311のNMI割込み処理ではステップS804の電源断通知コマンドの送信はない)。
次に、メイン処理について説明する。
図27は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。また、ステップS102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS105では、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、ステップS116では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に複帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。さらに、ステップS112,S113では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻り、それから後述する通常処理(図28参照)に移行する。例えば、通常処理のステップS202まで実行されて電源断となった場合には、電源断前の番地へ戻り、通常処理のステップS203から実行されることになる。
次に、通常処理の流れを図28のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
図28において、先ずステップS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。なお、第1図柄の変動開始後において、変動パ夕ーンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで確定コマンドが送出されるようになっている。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明すると、図29に示すように、ステップS301では、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS302では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。そして、左図柄列の更新時期(ステップS301がYES)であればステップS303に進み、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS302がYES)であればステップS304に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、右図柄列の更新時期(ステップS301,S302が共にNO)であればステップS305に進み、右図柄例の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS303〜S305の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS306では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせがリーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組み合わせである場合、さらにステップS307では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチの組み合わせである場合、ステップS306に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カタンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせである場合には、ステップS309に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組み合わせである場合、ステップS310では、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが外れ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄の組み合わせになっていれば、ステップS311に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS306,S310が共にNOの場合は、左・中・右で図柄が揃っている、すなわち大当たりの状態に相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
外れ図柄カウンタの更新処理の後、図28のステップS204では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS205では、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動表示を行うための第1図柄変動処理を実行する。この第1図柄変動処理により、大当たり判定や第1図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、第1図柄変動処理の詳細は後述する。
その後、ステップS206では、大当たり状態である場合において可変入賞装置32の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
また、ステップS207では、第2図柄表示装置41による第2図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第2の始動口34を通過したことを条件に、その都度の第2図柄乱数カウンタC4が取得されると共に第2図柄表示装置41の表示部43にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2図柄乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると第1の始動口33が所定時間開放される。なお説明は省略したが、第2図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図32に示すタイマ割込処理にて更新されるようになっている。
その後、ステップS208では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS209,S210)。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、ステップS210では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができるようになる。
次に、前記ステップS205の第1図柄変動処理を図30のフローチャートを参照して説明する。
図30において、ステップS401では、今現在大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たりの際に第1図柄表示装置42で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。続くステップS402では、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動表示中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに第1図柄の変動表示中でもない場合、ステップS403に進み、第1図柄表示装置42の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は作動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
また、大当たり中、第1図柄の変動表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N>0であれば、ステップS404に進む。ステップS404では、作動保留球数Nを1減算する。ステップS405では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2ユリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS406では、変動開始処理を実行する。ここで、図31のフローチャートを用いて変動開始処理の詳細を説明すると、ステップS501では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合、ステップS502では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、すなわち大当たり図柄を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する。このとき、大当たり図柄カウンタC2の数値0〜49は、全5つの有効ライン上における50通りの大当たり図柄の何れかに対応しており、停止図柄コマンドには50通りの大当たり図柄の何れかが設定される。これらの大当たり図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変状態に移行するが、特定図柄でない図柄(非特定図柄〉で揃った場合には確変状態に移行しない。
次に、ステップS503では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数または停止図柄時間)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。
また、上述の変動パターンコマンドに大当たりか外れかの抽選結果の情報を加えることによって、変動パターンコマンドは、第1図柄のリーチ種別だけでなく、そのリーチ種別が大当たりの場合か外れの場合かを認識可能となるように設定してもよい。
このリーチ種別が大当たりの場合か外れの場合かを認識可能な変動パターンコマンドを単純化した一例について説明する。抽選結果の情報は、大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり図柄カウンタC2の値に基づいて、大当たりの場合を「1」と表し、外れの場合を「0」と表すことができる。大当たりの場合を、通常大当たり、確変大当たり等の大当たり種別で分けてもよい。リーチ種別の情報は、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、ノーマルリーチを「00」と表し、スーパーリーチを「01」と表し、スペシャルリーチを「10」と表し、プレミアムリーチを「11」と表すことができる。
この場合、変動パターンコマンドは、大当たりの場合のノーマルリーチは「100」と表し、外れの場合のノーマルリーチは「000」と表すことができる。また、大当たりの場合のスーパーリーチは「101」と表し、外れの場合のスーパーリーチは「001」と表すことができる。また、大当たりのスペシャルリーチは「110」と表し、外れの場合のスペシャルリーチは「010」と表すことができる。また、大当たりの場合のプレミアムリーチは「111」と表すことができる。これにより、変動パターンコマンドから大当たりか否を識別可能となる。変動パターンコマンドには、大当たりか否かの情報の他にも、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて停止図柄時間等の情報を与えることも可能である。なお、以下では、第1図柄の抽選結果を識別可能な変動パターンコマンドを「当否を識別可能な変動パターンコマンド」と呼ぶ。
なお、第1図柄のリーチ種別は、変動パターンコマンドで判定され、抽選結果が大当たりか外れかは、停止図柄コマンドで判定することも可能である。この場合、変動パターンコマンドと停止図柄コマンドとが表示制御装置45に受信されるタイミングは、ほぼ同時または時間的にごく近いものとする。
一方、ステップS501で大当たりではないと判別された場合には、ステップS504で、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し、リーチ発生の場合、さらにステップS505で、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチであるか否かを判別する。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜238の何れかであり、そのうち「0,1」が前後外れリーチに該当し、「2〜21」が前後外れ以外リーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
前後外れリーチ発生の場合、ステップS506に進み、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS507では、前後外れリーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、前記ステップS503と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数または停止図柄時間)などより細かな図柄変動態様を決定する。
また、前後外れ以外リーチ発生の場合、ステップS508に進み、RAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS509では、前後外れ以外リーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS503等と同様である。
大当たりでなくリーチでもない場合、ステップS510に進み、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS511では、完全外れ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、リーチ発生しないことで、遊技者の興味は薄れ、多様な図柄変動態様は要求されない。そこで本実施の形態では、ステップS511において、第1変動種別カウンタCS1だけを用いて(すなわち第2変動種別カウンタCS2を使わずに)図柄変動種別を決定する。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のそれぞれで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
図30の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち第1図柄の変動表示中である場合には、ステップS407に進み、変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、第1図柄の変動パターンに応じて当該第1図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS407が肯定判別される。そして、ステップS408では、変動の停止命令を確定コマンドとして設定し、その後本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図35は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、ステップS902では、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でステップS903に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS904で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS905では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS906では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS907ではRAM判定値を算出し、続くステップS908では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
RAM消去スイッチ523がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS915等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(ステップS915等)に移行する。つまり、ステップS915ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS916ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS917ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、ステップS918では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS909では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS910では、電源断の発生情報をクリアする。また、ステップS911では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS912では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS913,S914では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
次に、払出制御処理の流れを図36のフローチャートを参照しながら説明する。
図36において、ステップS1001では、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。ステップS1002では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、ステップS1003では、状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
その後、ステップS1004では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1005では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS1006では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球制御処理(後述する図37)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
その後、ステップS1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球制御処理(後述する図38)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS1013では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1014では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
ここで、図37に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図36の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図36の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図36の払出制御処理に戻る。
また、図38に示す貸球制御処理において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図36の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図36の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図36の払出制御処理に戻る。
次に、本実施例1のパチンコ機10のさらなる特徴部分の構成について説明する。
まず、本実施例1の理解を容易にするために、本実施例1の表示演出全体について、図39を参照しながら説明する。図39は実施例1の表示演出のタイミングチャートである。
タイミングT1では、第1の始動口33に遊技球が入球したことに基づいて、主制御装置261に始動入賞信号が入力される。タイミングT2では、主制御装置261は、始動入賞信号の入力に基づいて、当否を識別可能な変動パターンコマンドや、停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドを生成し、当該コマンドを表示制御装置45へ送信する。ただし、タイミングT2での処理は、始動条件が保留されていない状態で且つ第1図柄の変動中でないとき(つまり変動停止中)に始動入賞があった場合の処理である。始動条件が保留されていない状態で且つ第1図柄の変動中に始動入賞があった場合は、変動中の第1図柄の変動が停止してからタイミングT2での処理が行われる。また、始動条件が保留されている状態で且つ第1図柄の変動中に始動入賞があった場合は、変動中の第1図柄の変動が停止してから保留分についてタイミングT2での処理が行われ、保留分の始動条件に基づく変動中の第1図柄の変動が停止してから、次の保留分についてタイミングT2での処理が行われる、というサイクルを保留分がなくなるまで繰り返すことになる。次に、タイミングT3では、表示制御装置45は、主制御装置261から停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドを受信すると、第1図柄表示装置42に表示演出を開始させる。つまり、第1図柄の変動表示を開始させる。
ここで、表示演出は、大まかに分けて、第1表示演出と第3表示演出とが順番に行なわれるように予め決められている。表示演出とは、主制御装置261から表示制御装置45に、第1図柄の変動がリーチとなることを示すリーチ変動に対応する、例えば変動パターンコマンドのようなコマンドが送られたときに行われる、第1図柄の変動開始から終了までの演出である。また、これら各表示演出は、主制御装置261から送られるコマンド(主制御装置261側の決定)に基づいて、表示される時間が予めきめらており、第1表示演出と第3表示演出の表示パターンは表示制御装置45の変動表示パターンテーブルに予め複数種類が記憶されている。第1表示演出は、主に単一の数字または数字とキャラクターを組み合わせた絵柄である第1図柄を遊技者の認識しずらい速度で移動または回転させる演出である。第3表示演出は、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ、プレミアムリーチ等のリーチ演出である。
第2表示演出は、第3表示演出が第1図柄表示装置42で行なわれている最中に実行される一連の示唆演出であって、第3表示演出の内容を示唆する示唆情報が含まれている。示唆情報には、リーチ予告演出、チャンス演出またはチャンス表示演出と呼ばれるような演出や、第3表示演出の内容から示唆される大当たり期待度も含まれている。
タイミングT4では、表示制御装置45は、一連の示唆演出のレベル及びパターンを決定する。一連の示唆演出については、後述する。タイミングT5では、表示制御装置45は、第1図柄表示装置42に対してノーマルリーチ演出を開始させる。タイミングT6では、表示制御装置45は、第1図柄表示装置42に対して「ボタンを押せ!」のコメントの表示を開始させる。このタイミングT6からの所定期間(本実施例1では例えば3秒間)は、操作ボタン440の検出が有効と判断されるボタン有効期間である。なお、ボタン有効期間は、本発明の検出有効期間に相当する。
タイミングT7では、操作ボタン440の押下によって検出信号が表示制御装置45に入力される。タイミングT8では、この検出信号を受けた直後に、表示制御装置45は後述する示唆演出表示部400に対して一連の示唆演出における表示態様の段階的変化を開始させる。タイミングT9では、表示制御装置45は、一連の示唆演出を終了させる。タイミングT6からのタイミングT9までの期間(本実施例1では例えば11秒間)は、一連の示唆演出の開始から終了までの示唆演出期間である。
タイミングT10では、第3表示演出においてノーマルリーチがプレミアムリーチに発展すると予め決められている場合に、表示制御装置45は第1図柄表示装置42に対してプレミアムリーチ演出を開始させる。タイミングT11では、主制御装置261はこの表示演出の経過時間に基づいて識別情報の変動表示演出が終了することを判断し、表示制御装置45へ確定コマンドを送信する。タイミングT12では、表示制御装置45は、主制御装置261から確定コマンドを受信すると、第1図柄表示装置42に対して、プレミアムリーチ演出を終了させて、第1図柄の確定表示を行わせる。なお、タイミングT11及びタイミングT12では、第1図柄の確定表示を行わせるために確定コマンドの送信及び受信が行われているが、確定コマンドの送受信を行わない構成、例えば変動開始からの時間経過に基づいて第1図柄の確定表示を行う構成であってもよい。変動開始からの経過時間は、主制御装置261で計ってもよいし、表示制御装置45で計ってもよい。
次に、一連の示唆演出について、図40を参照して説明する。図40は、実施例1の示唆演出表示部で実行される一連の示唆演出を説明する図である。
示唆演出表示部400は、第1〜第7までの7個の点灯領域401〜407に区分けされており、各点灯領域の裏面側にLEDなどの光源が配設されている。各点灯領域401〜407は、一連の示唆演出において用いられるものであるが、その他の演出に用いたり、適宜遊技の状況に合わせて発光するようにしてもよいものである。
一連の示唆演出は、示唆演出表示部400における表示態様の段階的変化によって、第1図柄の変動表示の結果として第1図柄が大当たり状態への移行の成立を示す組み合わせで停止表示される期待度を示唆する演出である。表示態様の段階的変化は、具体的には、示唆演出表示部400の第1点灯領域401から第7点灯領域407までの各点灯領域の点灯態様の段階的変化である。本実施例では、第1点灯領域401から第7点灯領域407までの各点灯領域の点灯態様を表示態様と呼ぶ。表示態様の段階的変化は、遊技者による操作ボタン440の押下がボタン有効期間内に検出されることによって開始され、その変化の終了または示唆演出期間の終了によって終了する。
表示態様の段階的変化において、第1点灯領域401の点灯から始まって、第1点灯領域401の点灯で終了した場合と(図40(a))、第2点灯領域402まで点灯した場合と(図40(b))、第3点灯領域403まで点灯した場合と(図40(c))、第4点灯領域404まで点灯した場合(図40(d))とは、それぞれ第3表示演出がノーマルリーチで終わること示唆する。第5点灯領域405まで点灯した場合は(図40(e))、第3表示演出がスーパーリーチで終わることを示唆する。第6点灯領域406まで点灯した場合は、第3表示演出がスペシャルリーチで終わることを示唆する(図40(f))。第7点灯領域407まで点灯した場合は、第3表示演出がプレミアムリーチで終わることを示唆する(図40(g))。
本実施例1では、プレミアムリーチは大当たり確定のリーチであり、スペシャルリーチはプレミアムリーチよりも大当たりの期待度が低いリーチであり、スーパーリーチはスペシャルリーチよりも大当たりの期待度が低いリーチであり、ノーマルリーチはスーパーリーチよりも大当たりの期待度が低いリーチである。つまり、本実施例1では、プレミアムリーチは大当りの場合のみ成立するが、スペシャルリーチとスーパーリーチとノーマルリーチは、大当たりの場合にも外れリーチの場合にも成立するように設定されている。なお、プレミアムリーチを大当たり確定とせずに、外れの場合もあるが、最も大当たりの期待度が高いリーチと設定してもよい。
なお、上述においては、最終的に点灯した点灯領域によって特定のリーチ種別の発生が示唆されていたが、最終的に点灯した点灯領域によって特定のリーチ種別の発生の可能性が高いことを示唆するように設定してもよい。例えば、最終的に第6点灯領域406まで点灯した場合には、スーパーリーチ及びスペシャルリーチのどちらで終わることもあるが、スペシャルリーチで終わる可能性が高いというように示唆することが考えられる。他の点灯領域についても同様に、どのリーチで終わる可能性が高いかということを示唆するように構成してもよい。
また、最終的に点灯した点灯領域によって示唆される内容は、他にも、最低限どの程度の大当たり期待度を示すリーチが発展するかという内容を示唆するものであってもよい。例えば、第1点灯領域401または第2点灯領域402まで点灯した場合はノーマルリーチが発生する可能性があることを示唆し、第3点灯領域403または第4点灯領域404まで点灯した場合はノーマルリーチ以上の大当たり期待度を有するリーチに発展する可能性があることを示唆し、第5点灯領域405まで点灯した場合はスーパーリーチ以上の大当たり期待度を有するリーチに発展する可能性があることを示唆し、第6点灯領域406まで点灯した場合はスペシャルリーチが発生することを示唆し、第7点灯領域407まで点灯した場合はプレミアムリーチが発生することを示唆する、という内容である。
次に、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化について、前述の図40を参照して説明する。
一連の示唆演出における表示態様の段階的変化は、表示態様の段階的変化が最終的に到達する段階数に相当するレベルと、このレベルに達するまでの表示態様の段階的変化のパターンとに応じて決定される。
レベルについては、上述において最終的に、第1点灯領域401のみが点灯するものがレベル1であり、第2点灯領域402まで点灯するものがレベル2であり、第3点灯領域403まで点灯するものがレベル3であり、第4点灯領域404まで点灯するものがレベル4であり、第5点灯領域405まで点灯するものがレベル5であり、第6点灯領域406まで点灯するものがレベル6であり、第7点灯領域407まで点灯するものがレベル7である。
つまり、レベル1〜4は、第3表示演出がノーマルリーチで終わること(またはその可能性が高いこと。以下、同様)を示唆し、レベル5は、第3表示演出がスーパーリーチで終わることを示唆し、レベル6は、第3表示演出がスペシャルリーチで終わることを示唆し、レベル7は、第3表示演出がプレミアムリーチで終わることを示唆するものである。
パターンについては、例えば、示唆演出期間の序盤から終盤まで均等な時間間隔で点灯するパターンAと、序盤に急激に点灯数が増えて中盤から終盤にかけて緩やかに点灯数が増えるパターンBと、序盤に緩やかに点灯数が増えて中盤から終盤にかけて急激に点灯数が増えるパターンCとがある。このように、表示態様を段階的に変化させていくことで、一連の示唆演出の結果に対する遊技者の期待感を徐々に高揚させることができる。また、段階的変化の時間間隔をパターンAのように均等とするパターンだけでなく、パターンBのように序盤に偏らせたり、パターンCのように伸び方に変化を付けたりすることによって、遊技者をじらせたり、遊技者の気持ちを途中から高揚させることができる。
次に、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化と、ボタン有効期間内に検出された遊技者のボタン押下のタイミングとの関係について、図41を参照して説明する。図41は、実施例1のボタン押下のタイミングと表示態様の段階的変化の関係図である。
以下では、タイミングT4で予め決められた一連の示唆演出のレベルとパターンに基づいて、レベル7で、1.4秒の均等間隔で点灯するパターンAの一連の示唆演出における表示態様の段階的変化が、ボタン有効期間の開始(つまり示唆演出期間の開始)から1.0秒後に遊技者のボタン押下が検出された場合(ボタン押下タイミングa)と、ボタン有効期間の開始から2.0秒後に遊技者のボタン押下が検出された場合(ボタン押下タイミングb)と、ボタン有効期間の開始から3.0秒後に遊技者のボタン押下が検出された場合(ボタン押下タイミングc)とにおいて、どのように実行されるかについて説明する。なお、図41では、各点灯領域の点灯開始タイミングを時系列で示しているが、各点灯領域は点灯開始後から一連の示唆演出の終了まで点灯し続け、一連の示唆演出の終了にともなって消灯されるものとする。
ボタン押下タイミングaで実行される表示態様の段階的変化は、点灯開始タイミングdに示すように、示唆演出期間の開始から1.4秒後に第1点灯領域401が点灯され、示唆演出期間の開始から2.8秒後に第2点灯領域402が点灯され、示唆演出期間の開始から4.2秒後に第3点灯領域403が点灯され、示唆演出期間の開始から5.6秒後に第4点灯領域404が点灯され、示唆演出期間の開始から7.0秒後に第5点灯領域405が点灯され、示唆演出期間の8.4秒後に第6点灯領域406が点灯され、示唆演出期間の9.8秒後に第7点灯領域407が点灯される。なお、本実施例1では、1.4秒の均等間隔を「通常の点灯スケジュール」と呼び、通常の点灯スケジュールにて点灯されるパターンを「本来のパターン」と呼ぶ。
ボタン押下タイミングbで実行される表示態様の段階的変化は、点灯開始タイミングeに示すように、本来のパターンで第1点灯領域401の点灯を開始するタイミングである示唆演出期間の開始から1.4秒後において、遊技者のボタン押下が検出されていないので、示唆演出期間の開始から1.4秒後に第1点灯領域401を点灯できない。そこで、第1点灯領域401の点灯を一旦保留する。保留された第1点灯領域401の点灯は、遊技者のボタン押下が検出された時点から0.6秒後つまり示唆演出期間の開始から2.6秒後に実行される。その後、本来のパターンで第2点灯領域402の点灯を開始するタイミングである示唆演出期間の開始から2.8秒後が到来する。よって、第2点灯領域402から第7点灯領域407までの点灯は、本来のパターンに沿って1,4秒の均等間隔で実行される。
ボタン押下タイミングcで実行される表示態様の段階的変化は、点灯開始タイミングfに示すように、本来のパターンで第1点灯領域401及び第2点灯領域402の点灯を開始するタイミングである示唆演出期間の開始から1.4秒後及び2.8秒後において、遊技者のボタン押下が検出されていないので、第1点灯領域401及び第2点灯領域402を点灯できない。そこで、第1点灯領域401及び第2点灯領域402の点灯を一旦保留する。保留された第1点灯領域401の点灯及び第2点灯領域402の点灯は、遊技者のボタン押下の検出された時点から1.2秒間に0.6秒の均等間隔のパターンで実行される。つまり、第1点灯領域401の点灯は、遊技者のボタン押下の検出された時点から0.6秒後(示唆演出期間の開始から3.6秒後)に実行され、保留された第2点灯領域402の点灯は、保留された第1点灯領域401が点灯された時点から0.6秒後(つまり示唆演出期間の開始から4.2秒後)に実行される。
その後、本来のパターンで第3点灯領域403の点灯を開始するタイミングである示唆演出期間の開始から4.2秒後においては、保留された第2点灯領域402の点灯が実行されているので、第3点灯領域403の点灯を実行できない。そこで、第3点灯領域403の点灯は一旦保留される。保留された第3点灯領域403の点灯は、第2点灯領域402が点灯された時点から0.4秒後(示唆演出期間の開始から4.6秒後)に実行される。その後、第4点灯領域404から第7点灯領域407までの点灯は、本来のパターンで実行される。よって、この第4点灯領域404から第7点灯領域407までの点灯パターンは、本来のパターンと同じになる。
ここで、本実施例に係る発明と従来技術とを比較して説明する。
従来技術では、示唆演出期間の開始から例えば上述の1.4秒後までに遊技者のボタン押下が検出されないような場合、その後、示唆演出期間内においてボタン押下が検出された時点から一連の示唆演出を開始する。そのため、例えば上述の示唆演出期間の開始から2.6秒後にボタン押下が検出された場合、第7点灯領域407の点灯を開始するタイミングが示唆演出期間を越えてしまうので、点灯すべきはずの第7点灯領域407が点灯せずに一連の示唆演出が途中で終了してしまう、という問題がある。
これに対して、本実施例に係る発明では、ボタン有効期間と通常の点灯スケジュールにおける点灯タイミングとが重複する期間がある場合に、点灯タイミングが来てもボタン押下がない場合は、その点灯を有効として保留しておき、ボタン押下が行われた後に、通常の点灯スケジュールにおける点灯タイミングが到来するまでの間に保留分を点灯する。
その結果、従来のような遊技者のボタン押下のタイミングが遅い場合に一連の示唆演出における表示態様の段階的変化を最後まで見ることができないという従来の問題が解決されて、遊技者のボタン押下の検出を受けて表示態様を段階的に変化させていく一連の示唆演出において一連の示唆演出の結果に対する遊技者の期待感を徐々に高揚させることができるという効果を持続させることができる。
また、遊技者のボタン押下が検出されたタイミングがボタン有効期間のいずれのタイミングであっても、本来のパターンを利用して示唆演出期間で表示態様の段階的変化が最後まで実行される。その結果、未実行分の表示態様の変化を実行している間に見ることができなくなる恐れのあった表示態様の変化についても、遊技者に見せることができるようになる。
次に、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化を実行する電気的構成について図42を参照して説明する。図42は、実施例1の一連の示唆演出を実行する電気的構成を示すブロック図である。また、図24も適宜参照する。
主制御装置261は、第1の始動口33での遊技球の入賞検出に基づいて、第1図柄表示装置42に表示させるべき変動表示演出を決定し、この決定した変動表示演出の実行を表示制御装置45に指示する。具体的には、第1の始動口33への遊技球の入賞検出時における各種のカウンタ値(例えば、変動種別カウンタやその他のカウンタなど)に基づいて、第1図柄表示装置42に表示させるべき変動表示演出を決定し、この決定した変動表示演出の実行を指示するコマンド(例えば、当否を識別可能な変動パターンコマンドや、通常の変動パターンコマンドや停止図柄コマンドなど)を表示制御装置45に出力指示する。つまり、主制御装置261は、第1図柄の変動表示における変動時間情報を指示する変動パターンをコマンド化した当否を識別可能な変動パターンコマンドまたは通常の変動パターンコマンドと、変動停止時の第1図柄の種別(例えば、大当り時の図柄種別、確変または通常)を示す停止識別情報指令としての停止図柄コマンド(図柄種別コマンドともいう)と第1図柄の変動表示を確定させる確定コマンドとを表示制御装置45に送信する構成となっている。
表示制御装置45は、上述のように、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526とを備えているが、図42ではそのうちのCPU521と、ROM(プログラムROM)522及びワークRAM523とに関連する部分を記載し、他の部分の記載を省略している。
CPU521は、第1図柄表示装置42に表示する表示演出や示唆演出表示部400に表示する一連の示唆演出等の制御を行う。CPU521からの指示にしたがって第1図柄表示装置42に表示させる複数種類の変動表示の表示パターンを予め記憶した変動表示パターンテーブルは、図24に示すROM522に含まれている。以下、各部の構成を詳細に説明する。
CPU521は、主制御装置261からのコマンドによって一連の示唆演出を実行可能な変動を行う場合であり、かつ、遊技者のボタン押下が所定のボタン有効期間内に検出された場合に、所定の示唆演出期間内で示唆演出表示部400に表示態様の段階的変化を最後まで実行させる。具体的には、CPU521は、第1判断部410と、第2判断部412と、レベル決定部415と、パターン決定部420と、示唆演出実行部425と、操作判断部430とを含む構成となっている。パターン決定部420と、示唆演出実行部425と、操作判断部430との機能は、ROM522に記憶されたプログラムと、参照するワークRAM523との機能に相当する。なお、パターン決定部420と示唆演出実行部425と操作判断部430とは、ソフトウェアとして構成したが、別のハードウェアとして構成しても構わない。レベル・パターン決定用テーブル423は、図24に示すROM522に含まれ、第1記憶部450と第2記憶部455とは、図24に示すワークRAM523に含まれている。なお、CPU521は本発明の示唆演出制御手段に相当し、レベル決定部415は本発明のレベル決定手段に相当し、パターン決定部420は本発明のパターン決定手段に相当し、示唆演出実行部425は本発明の示唆演出実行部に相当する。
第1判断部410は、主制御装置261からコマンドを受信したか否かを判断するものである。また、第1判断部410は、当否を識別可能な変動パターンコマンドや、停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合に、大当たり抽選の当否や、外れの場合のリーチの有無などについても判断するものである。第1判断部410が変動パターンコマンドを受信したと判断した場合、図24に示す表示制御装置45の画像コントローラ526は、その変動パターンコマンドの内容に基づいて、ビデオRAM524及びキャラクタROM525を参照して、第1図柄を変動表示させる画像演出を第1図柄表示装置42に表示させる。
第2判断部412は、第1判断部410で変動パターンコマンドを受信したと判断された場合、この変動パターンコマンドに基づいて、第3表示演出において一連の示唆演出を実行するか否かを判断するものである。第2判断部412は、例えば大当たり時に受信される変動パターンコマンドの1/3の割合で一連の示唆演出を実行するとともに、外れリーチ時に受信する変動パターンコマンドの1/2の割合で一連の示唆演出を実行するように設定されている。
一連の示唆演出を実行するか否かの判定は、変動パターンコマンドの中に一連の示唆演出を実行するか否かの情報を含ませることが考えられる。例えば、主制御装置261のCPU501に一連の示唆演出を実行するか否かの判定用の乱数カウンタを備え、大当たり時には1/3の割合でその乱数カウンタの数値が一連の示唆演出の実行有りと判定され、外れリーチ時には1/2の割合でその乱数カウンタの数値が一連の示唆演出の実行有りと判定されるように構成することが考えられる。なお、一連の示唆演出を実行する割合は、上述した割合に限らず、適宜決定されるものである。また、一連の示唆演出は、大当たり時と外れリーチ時のいずれか一方で実行してもよし、リーチなし外れの場合に実行するように構成してもよい。
一連の示唆演出を実行すると判定される変動パターンコマンドの単純化した一例は、上述した大当たりの場合のプレミアムリーチ「111」に一連の示唆演出を実行する場合の「1」を加えて、「1111」と表すことができる。その他のリーチ種別では、例えば、大当たりの場合のスペシャルリーチ「110」に一連の示唆演出を実行する場合の「1」を加えて、「1101」と表すこともできる。一連の示唆演出を実行しない場合は、例えば、大当たりの場合のスペシャルリーチ「111」に一連の示唆演出を実行しない場合の「0」を加えて、「1110」と表すことができる。このようにして、第2判断部412は、変動パターンコマンドに基づいて、一連の示唆演出を実行するか否かを判定することができる。
操作判断部430は、遊技者によって操作ボタン440が操作されたときに発信される検出信号を受信し、当該時点が示唆演出期間におけるボタン有効期間であるか否かを判断する。判断方法としては、例えば、主制御装置261から変動パターンコマンドが表示制御装置45に送信されたときに、操作判断部430の内部のタイマー431によって、選択された変動表示パターンが行われている表示演出の経過時間をカウントしてゆく。ボタン有効期間の開始時点及び終了時点が表示演出の経過時間のどの時点であるかは予め決められているので、ボタン有効期間の経過時間をカウントしているとも言える。この表示演出の経過時間またはボタン有効期間の経過時間の時間情報を利用し、操作ボタン440からの検出信号が送信されてきた時点が、ボタン有効期間中であるか否かを判定している。なお、上述の説明では、操作判断部430は、操作ボタン440が入力される都度に示唆演出期間におけるボタン有効期間であるか否かを判断していたが、ボタン有効期間中のみ操作ボタン440の入力されたか否かを判断してもよい。
なお、タイマー431は、表示演出の経過時間をカウントしてゆくものに限らず、示唆演出期間の経過時間をカウントするものや、表示演出期間または示唆演出期間の残時間をカウントするものであってもよい。
レベル決定部415は、主制御装置261から表示制御装置45に送信されるコマンドに基づいて、表示態様の段階的変化が最終的に到達する段階数に相当するレベルを一連の示唆演出の開始前に決定する。このコマンドには、特別遊技状態が発生するか否かを判別可能であり且つ識別情報の変動表示における変動パターンの種別を判別可能な一又は複数のコマンドが含まれる。一のコマンドの例は、特別遊技状態が発生するか否かを判別可能であり且つ識別情報の変動表示における変動パターンの種別を判別可能である変動パターンコマンド、つまり上述の当否を識別可能な変動パターンコマンドである。複数のコマンドの例は、特別遊技状態が発生するか否かを判別可能な停止図柄コマンドと、識別情報の変動表示における変動パターンの種別を判別可能な変動パターンコマンドとである。
レベル決定部415は、当否を識別可能な変動パターンコマンドや、停止図柄コマンドと変動パターンコマンドを受け取った場合に、その受け取ったコマンドから第1図柄の抽選結果や第1図柄のリーチ種別を解析するように構成されている。そして、レベル決定部415は、解析の結果に応じて対応したレベルの中から実行するレベルを決定する。
パターン決定部420は、主制御装置261から表示制御装置45へ送信される各種コマンドに基づいて、レベル決定部415によって決定されたレベルに達するまでの表示態様の段階的変化のパターンをボタン有効期間より前に決定するものである。このパターンは、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化が開始してから終了するまでの時間的長さを決定するものと言える。コマンドは、上述の当否を識別可能な変動パターンコマンドや、停止図柄コマンドと変動パターンコマンドである。パターン決定部420も、受け取ったコマンドから第1図柄の抽選結果や第1図柄のリーチ種別を解析するように構成されている。
レベル・パターン決定用テーブル423は、レベル決定部415がレベルを決定する際及びパターン決定部420がパターンを決定する際に参照されるテーブルである。レベル・パターン決定用テーブル423では、レベル1〜7とパターンA,B,Cと、変動パターンコマンドに含まれる第1図柄のリーチ種別,第1図柄の抽選結果,リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(以下、停止図柄時間と呼ぶ)の情報とが関連付けられている。
第1記憶部450は、示唆演出表示部400が表示態様の段階的変化を実行させるタイミングが到来している時点で遊技者のボタン押下が検出されていない場合に、当該タイミングが到来した分の表示態様の変化を第1未実行分として記憶するものである。
第2記憶部455は、第1未実行分の実行中に、次に示唆演出実行部425が表示態様の段階的変化を実行するタイミングが到来したときには、当該タイミングが到来した分の表示態様の変化を第2未実行分として記憶する。
本実施例1では、第1記憶部450と第2記憶部455とが設けられているのみだが、第3記憶部,第4記憶部,第n記憶部を設けることによって、第2未実行分以降に未実行分が発生する場合であっても、その未実行分の表示態様の段階的変化を実行することができるように構成してもよい。
示唆演出実行部425は、遊技者のボタン押下がボタン有効期間内に検出された場合に、レベル決定部415によって決定されたレベルとパターン決定部420によって決定されたパターンとに応じて、示唆演出期間内で示唆演出表示部400に表示態様の段階的変化を最後まで実行させるものである。また、示唆演出実行部425は、遊技者のボタン押下が検出された場合に、所定の第1時間内で第1記憶部450に記憶されている第1未実行分を実行し、当該第1未実行分を実行し終えた後、本来のパターンに応じて表示態様の段階的変化を実行させる機能も有する。また、示唆演出実行部425は、第1未実行分を実行し終えた後、第1時間よりも短い所定の第2時間内で第2記憶部455に記憶されている第2未実行分を実行し、当該第2未実行分を実行し終えた後、本来のパターンに応じた表示態様の段階的変化を実行させる機能を有する。
次に、一連の示唆演出におけるレベル及びパターンの決定方法について図43を参照して説明する。図43は、実施例1のレベル・パターン決定用テーブルの模式図である。
一連の示唆演出におけるレベル及びパターンの決定には、レベル・パターン決定用テーブル423が用いられる。レベル・パターン決定用テーブル423には、レベル1〜7とパターンA,B,Cと、変動パターンコマンドに含まれる第1図柄のリーチ種別,第1図柄の抽選結果,停止図柄時間の情報とが例えば以下のように関連付けられている。
<リーチ種別がプレミアムリーチの場合>
抽選結果は大当たりの場合のみである。停止図柄時間(リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの経過時間)は、2種類あり、長い方を「長」と表し、短い方を「短」と表している。停止図柄時間が「長」の場合、レベル7でパターンAに設定される。停止図柄時間が「短」の場合、レベルは7でパターンCに設定される。
<リーチ種別がスペシャルリーチの場合>
抽選結果が大当たりの場合と外れの場合とでは、レベルが共通だが、パターンが異なる。停止図柄時間は、「長」「短」2種類である。抽選結果が大当たりであり、停止図柄時間が「長」の場合、レベル6でパターンAに設定される。抽選結果が大当たりであり、停止図柄時間が「短」の場合、レベル6でパターンCに設定される。抽選結果が外れであり、停止図柄時間が「長」または「短」の場合、レベル6でパターンBに設定される。
<リーチ種別がスーパーリーチの場合>
抽選結果が大当たりの場合と外れの場合とでは、レベルが共通だが、パターンが異なる。停止図柄時間は、「長」「短」2種類である。抽選結果が大当たりであり、停止図柄時間が「長」の場合、レベル5でパターンAに設定される。抽選結果が大当たりであり、停止図柄時間が「短」の場合、レベル5でパターンCに設定されている。抽選結果が外れであり、停止図柄時間が「短」の場合、レベル5でパターンBに設定されている。
<リーチ種別がノーマルリーチの場合>
抽選結果が大当たりの場合と外れの場合と、停止図柄時間との関係で、レベルとパターンとが異なる。停止図柄時間は、「長」が「長1」「長2」の2種類あり、「中」が「中1」「中2」の2種類あり、「短」が「短1」「短2」の2種類あり、「極短」が「極短1」「極短2」の2種類ある。抽選結果が大当たりであり、停止図柄時間が「長1」の場合はレベル4でパターンAに、「中1」の場合はレベル3でパターンCに、「短1」の場合はレベル2でパターンBに、「極短1」の場合はレベル1でパターンAにそれぞれ設定されている。抽選結果が外れであり、停止図柄時間が「長2」の場合はレベル4でパターンBに設定され、「中2」の場合はレベル3でパターンCに設定され、「短2」の場合はレベル2でパターンAに設定され、「極短2」の場合はレベル1でパターンCにそれぞれ設定されている。
このように、主制御装置261から表示制御装置45に当否を識別可能な変動パターンコマンドや、停止図柄コマンドと変動パターンコマンドが受信されることによって、レベル決定部415及びパターン決定部420は、レベル・パターン決定用テーブル423を参照して1のレベル及びパターンを決定することができる。これにより、複数のレベル及びパターンの中から1のレベル及びパターンを決定する際に必要なテーブルがレベル・パターン決定用テーブル423ひとつで済むので、レベル及びパターンの決定処理負荷を減らすことができる。したがって、レベル及びパターンの決定処理を行う表示制御装置45のCPU521の発熱量を抑えることができる。その結果、表示制御装置45の誤作動を防止することができる。
また、上述したボタン押下タイミングa〜cとの関係では、ボタン押下の早い遅いに関わらず、ひとつのレベル・パターン決定用テーブル423を参照してレベル及びパターンが決定されるので、ボタン押下のタイミングが遅くなった場合にもレベル及びパターンの決定処理負荷が増えることを極力抑えることができる。
なお、上述したレベル及びパターンの決定方法は、一例であり、大当たりが識別情報の変動表示において発生する期待度を示唆する一連の示唆演出における表示態様の段階的変化が最終的に到達する段階数と、その段階数に達するまでの表示態様の段階的変化のパターンとを決定できる方法であれば、他の方法であっても構わない。
次に、一連の示唆演出に関する制御処理について図44及び図45を用いて説明する。図44は、実施例1の示唆演出制御処理のフローチャートであり、図45は、図44に続く示唆演出制御処理のフローチャートである。なお、図44及び以下では、主制御装置261から当否を識別可能な変動パターンコマンドが送信される場合を例に挙げて記載しているが、表示制御装置45に停止図柄コマンドと変動パターンコマンドが送信される場合も同様である。
示唆演出制御処理は、表示制御装置45のCPU521において実行される処理である。ステップS1700では、第1判断部410は、主制御装置261から当否を識別可能な変動パターンコマンドを受信したか否かを判断する。判断の結果、当否を識別可能な変動パターンコマンドを受信していればステップS1705に進む。当否を識別可能な変動パターンコマンドを受信していなければ本処理を終了する。
ステップS1705では、第1判断部410は、受信した当否を識別可能な変動パターンコマンドが大当たりを示すものであるか否かを判断する。判断の結果、大当たりを示すものであればステップS1715に進む。大当たり図柄を示すものでなければステップS1710に進む。
ステップS1710では、第1判断部410は、当否を識別可能な変動パターンコマンドに基づいて、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチなどのリーチが成立しているか否かを判断する。判断の結果、リーチが成立していればステップS1715に進み、リーチが成立していなければ本処理を終了する。
ステップS1715では、第2判断部412は、当否を識別可能な変動パターンコマンドに基づいて、示唆演出抽選部410が第3表示演出において一連の示唆演出を実行するか否かを判断する。判断の結果、一連の示唆演出を実行する場合は、ステップS1725に進む。一連の示唆演出を実行しない場合は、本処理を終了して通常の処理に戻る。
なお、第2判断部412が一連の示唆演出を実行すると判断した場合にも、一連の示唆演出を実行しないと判断した場合にも、画像コントローラ526は、第1図柄の変動表示演出の開始タイミングに従って、第1図柄の変動表示演出を第1図柄表示装置42に表示させる通常の処理を行う。
ステップS1725では、レベル決定部415は、当否を識別可能な変動パターンコマンドに基づいて一連の示唆演出のレベルを決定する。また、パターン決定部420は、当否を識別可能な変動パターンコマンドに基づいて、一連の示唆演出のパターンを決定する。
ステップS1730では、画像コントローラ526は、次のステップS1735におけるボタン有効期間の開始とともに第1図柄表示装置42に「ボタンを押せ!」のコメントを表示させる。
ステップS1735では、操作判断部430内のタイマー431は、第1図柄の変動表示演出の経過時間に関する時間情報(カウント値)をもとにボタン有効期間の経過時間のカウントを開始する。また同時に、タイマー431は、示唆演出期間の経過時間のカウントも開始する。なお、示唆演出実行部425がタイマーの機能を有していてもよい。
ステップS1740では、操作判断部430は、ボタン有効期間内に操作ボタン440からの検出信号を受信しているか否かを判断する。判断の結果、操作ボタン440の検出信号を受信している場合は直ちにステップS1760に進む。つまり、操作ボタン440の検出信号を受信している場合は、当該タイミングにおいてボタン有効期間の終了時までに時間が残っている場合であっても、次のステップS1760に進む。操作ボタン440の検出信号を受信していない場合はステップS1745に進む。
ステップS1745では、操作判断部430は、タイマー431からの表示演出の経過時間のカウント値をもとに、ボタン有効期間が終了したか否かを判断している。判断の結果、ボタン有効期間が終了していない場合はステップS1750に進み、ボタン有効期間が終了している場合は本処理を終了する。
ステップS1750では、示唆演出実行部425は、示唆演出実行部425の表示態様を変化させるタイミングが到来している時点で遊技者のボタン押下が検出されていない場合に、当該タイミングが到来した分の表示態様の変化が存在するか否かを判定する。判定の結果、タイミングが到来した分の表示態様の変化が存在する場合はステップS1755に進み、タイミングが到来した分の表示態様の変化が存在しない場合はステップS1740からの処理を繰り返し行う。
ステップS1755では、示唆演出実行部425は、タイミングが到来した分の表示態様の変化を第1未実行分として第1記憶部450に記憶させる。ステップS1755を終えると、遊技者のボタン押下が検出されるか、あるいは、ボタン有効期間が終了するまでステップS1740からの処理を繰り返し行う。
ステップS1760では、示唆演出実行部425は、第1記憶部450に記憶された第1未実行分が1以上であるか否かを判定する。判定の結果、第1未実行分が1以上である場合はステップS1765に進む。1未満つまり第1未実行分が存在しない場合はステップS1800に進み、示唆演出実行部425は、本来のパターンに従って、決定されたレベルに達するまで表示態様の段階的変化を実行する。
ステップS1765では、示唆演出実行部425は、第1記憶部450に記憶された第1未実行分を読み出して、所定の第1時間で所定の第1パターンで第1未実行分を実行する。例えば、所定の第1時間は1.2秒間であり、所定の第1パターンは0.6秒の均等間隔である。
ステップS1770では、示唆演出実行部425は、第1未実行分の実行中に、次に示唆演出実行部425が表示態様を変化するタイミングが到来したときには、当該タイミングが到来した分の表示態様の変化が存在するか否かを判定する。判定の結果、タイミングが到来した分の表示態様の変化が存在していなければ、第1未実行分を実行し終えたか否かを判定する(ステップS1772)。判定の結果、第1未実行分を実行し終えている場合はステップS1785に進み、第1未実行分を実行し終えていない場合はステップS1765からの処理を繰り返す。
ステップS1775では、示唆演出実行部425は、第1未実行分の実行中に本来のタイミングが到来した分の表示態様の変化を第2未実行分として第2記憶部455に記憶させる。
ステップS1780では、示唆演出実行部425は、第1未実行分の実行が終了しているか否かを判定する。判定の結果、第1未実行分の実行が終了していればステップS1785に進み、第1未実行分の実行が終了していなければステップS1765からの処理を繰り返す。
ステップS1785では、示唆演出実行部425は、第2記憶部455に記憶された第2未実行分が1以上であるか否かを判定する。判定の結果、第2未実行分が1以上である場合はステップS1790に進み、第2未実行分が1未満すなわち第2未実行分が存在しない場合はステップS1800に進む。
ステップS1790では、示唆演出実行部425は、第2記憶部455に記憶された第2未実行分を読み出して、所定の第2時間で所定の第2パターンで第2未実行分を実行する。例えば、所定の第2時間は第1時間よりも短い時間であり、所定の第2パターンは第1パターンよりも時間間隔が短い均等パターンである。
ステップS1795では、示唆演出実行部425は、第2未実行分の実行が終了しているか否かを判定する。判定の結果、第2未実行分の実行が終了している場合はステップS1800に進み、第2未実行分の実行が終了していない場合はステップS1785からの処理を繰り返す。
ステップS1800では、示唆演出実行部425は、第2未実行分を実行し終えた後、本来のパターンに応じて一連の示唆演出の表示態様を変化させる。具体的には、本来のパターン分から第1パターンと第2パターンとで点灯した分を差し引いた場合に、まだ点灯すべき分が残っている場合に、示唆演出実行部425は、その残り分の点灯を本来のパターンにおけるタイミングで点灯させる。なお、第1未実行分または第2未実行分の点灯でもって本来のパターンが終ってしまう場合であれば、第1未実行分または第2未実行分の点灯終了をもって一連の示唆演出が終了となる。ステップS1810では、示唆演出実行部425は、一連の示唆演出における表示態様の変化が終了しているか否かを判定する。判定の結果、表示態様の変化が終了している場合は一連の示唆演出を終了する。示唆演出実行部425は、表示態様の変化が終了していない場合は、ステップS1800からの処理を繰り返す。なお、一連の示唆演出の終了後、画像コントローラ526は、残りの第3表示演出を第1図柄表示装置42に表示させる処理を続行する。
以上で、一連の示唆演出に関する制御処理が終了する。
上述したように、実施例1に係る遊技機によれば、主制御装置261は、始動条件の成立に基づいて大当たり状態を発生させる抽選を行い、当該抽選の結果をコマンドとして送信する。表示制御装置45は、主制御装置261からのコマンドを受信して、大当たり状態への移行の成立・不成立を遊技者に視覚を通じて認識させる第1図柄の変動表示を制御する。操作ボタン440は、遊技に関する遊技者のボタン押下を検出する。示唆演出表示部400は、変動表示の結果として第1図柄が大当たり状態への移行の成立を示す組み合わせで停止表示される期待度を、その表示態様(具体的には点灯態様)の段階的変化によって示唆する一連の示唆演出を表示する。実施例1に係る遊技機は、ボタン有効期間と一連の示唆演出における表示態様の段階的変化のタイミングとが重複する場合がある遊技機である。
従来では、このような重複がある遊技機の場合、ボタン有効期間における遊技者のボタン押下のタイミングが遅いと、一連の示唆演出の開始が時間的に後ろにずれ込んでしまうので、遊技者は、所定の示唆演出期間内で一連の示唆演出を最後まで見ることができないという不利益を受けていた。あるいは、このような重複がある遊技機の場合、ボタン有効期間における遊技者のボタン押下のタイミングが遅いと、遊技者のボタン押下が検出される時点までに行われる予定であった示唆演出部分が無視されていたので、遊技者は、本来予定されていた一連の示唆演出からその一部が抜け落ちた内容を見せられるという不利益を受けたりしていた。
これに対して、表示制御装置45のCPU521は、遊技者のボタン押下がボタン有効期間に検出された場合に、示唆演出期間内で示唆演出表示部400に表示態様の段階的変化を最後まで実行させる機能を有するので、ボタン有効期間のいずれのタイミングで遊技者のボタン押下が検出された場合であっても、当該動作が検出された後に、示唆演出期間内で一連の示唆演出における表示態様の段階的変化を最後まで実行することができる。
また、表示制御装置45のCPU521は、コマンドに基づいて、演出態様の段階的変化が最終的に到達する段階数に相当するレベルをボタン有効期間より前に決定するレベル決定部415と、遊技者のボタン押下がボタン有効期間内に検出された場合に、レベル決定部415によって決定されたレベルに応じて、示唆演出期間内で示唆演出表示部400に表示態様の段階的変化を最後まで実行させる示唆演出実行部425との機能を有する。これにより、ボタン有効期間のいずれのタイミングで遊技者のボタン押下が検出された場合であっても、表示態様の段階的変化が最終的に到達するレベルがボタン有効期間の開始前に決定されているので、当該レベルに応じて実行される一連の示唆演出は、示唆演出期間内で最後まで実行可能である。また、ボタン有効期間の開始前に決定されているレベルを活かして、一連の示唆演出に関連する演出を実行することもできる。
また、表示制御装置45のCPU521は、コマンドに基づいて、レベル決定部415によって決定されたレベルに達するまでの表示態様の段階的変化のパターンをボタン有効期間より前に決定するパターン決定部420の機能を有し、上述の示唆演出実行部425は、遊技者のボタン押下がボタン有効期間内に検出された場合に、レベル決定部415によって決定されたレベルとパターン決定部420によって決定されたパターンとに応じて、示唆演出期間内で示唆演出表示部400に表示態様の段階的変化を最後まで実行させる機能を有する。これにより、ボタン有効期間のいずれのタイミングで遊技者のボタン押下が検出された場合であっても、決定されたレベルに達するまでの演出態様の段階的変化のパターンがボタン有効期間の開始前に決定されているので、当該レベルとパターンとに応じて実行される一連の示唆演出は、示唆演出期間内で最後まで実行可能である。また、パターンの決定処理負荷の増加等に起因して生じる恐れのある表示制御装置45の誤作動によって遊技者に与える遊技意欲の低減を抑制することもできる。
すなわち、一般的に示唆演出は、表示制御装置が大当たり状態への移行の成立を示す第1図柄を変動表示で発生する期待度を示唆するものであるから、そのパターンは大量に必要とされる。示唆演出のパターンの決定方法として操作ボタンによって検出される遊技者の動作タイミングなどを考慮して決定する手法が従来から知られているが、そのような手法では、パターンの記憶数が遊技者の動作タイミングに合わせて大量に必要となったり、パターンの決定処理負荷が大幅に増えてしまったり、示唆演出のパターンを決定する機能を有する例えばCPU等の発熱量が大幅に増えてしまったりする場合がある。これにより、コマンドとして主制御装置から表示制御装置に送信される、大当たり状態を発生させる抽選の抽選結果と、例えばリーチ演出のような第1図の変動表示に伴って実行される表示演出とが一致しなくなるような誤作動が表示制御装置に生じる場合があるという問題である。これに対して、本実施例に記載の遊技機では、コマンドに基づいて、一連の示唆演出のパターンがボタン有効期間の開始前に決定されるので、遊技者のボタン押下タイミングなどを考慮してパターンを決定しなくてよい分だけ、パターンの記憶数を減らしたり、パターンの決定処理負荷を減らしたり、CPU521の発熱量を抑えたりして、表示制御装置45に生じる恐れのある上述の誤作動を低減させることができる。その結果、表示制御装置45の誤作動によって遊技者に与える遊技意欲の低減を抑制することができる。
また、レベル決定部415は、特別遊技状態が発生するか否かを判別可能であり且つ特別遊技状態が発生するか否かを判別可能な変動パターンコマンド(当否を識別可能な変動パターンコマンド)に基づいてレベルを決定し、パターン決定部420も、この当否を識別可能な変動パターンコマンドに基づいてパターンを決定する。したがって、特別遊技状態の発生の有無と変動パターンの種別とを考慮して、一連の示唆演出を好適に実行できる。また、特別遊技状態の発生の有無と変動パターンの種別とを活かした、一連の示唆演出に関連する演出を好適に実行できる。なお、レベル決定部415は、特別遊技状態が発生するか否かを判別可能な停止図柄コマンドと、識別情報の変動表示における変動パターンの種別を判別可能な変動パターンコマンドと、に基づいてレベルを決定し、パターン決定部420は、停止図柄コマンドと変動パターンコマンドのうち少なくとも変動パターンコマンドに基づいてパターンを決定してもよい。
また、表示制御装置45は、示唆演出実行部425が表示態様の段階的変化を実行するタイミングが到来している時点で遊技者の動作が検出されていない場合に、当該タイミングが到来した分の表示態様の変化を第1未実行分として記憶する第1記憶部450と、遊技者の動作が検出された場合に、所定の第1時間内で第1記憶部450に記憶されている第1未実行分を実行し、当該第1未実行分を実行し終えた後、決定されたレベル及びパターンに応じて表示態様の段階的変化を実行させる示唆演出実行部425とを備えている。これにより、通常の点灯スケジュールに基づく点灯タイミングが来てもボタン押下がない場合に、その点灯が有効として保留され、ボタン押下が行われた後に、通常の点灯スケジュールでの点灯が行われるまでの間に保留分を点灯可能となる。したがって、本来の表示の態様を変化させるタイミングが到来しているにも関わらず実行することができなかった第1未実行分の表示態様の変化についても遊技者に見せることができる。
また、表示制御装置45は、第1未実行分の実行中に、次に示唆演出実行部425が表示態様の段階的変化を実行するタイミングが到来したときには、当該タイミングが到来した分の表示態様の変化を第2未実行分として記憶する第2記憶部455と、第1未実行分を実行し終えた後、第1時間よりも短い所定の第2時間内で第2記憶部455に記憶されている第2未実行分を実行し、当該第2未実行分を実行し終えた後、決定されたレベル及びパターンに応じた表示態様の段階的変化を実行させる示唆演出実行部425とを備えている。これにより、第1記憶部450での保留分を点灯している間に通常の点灯スケジュールに基づく点灯タイミングが来た場合でも、その点灯が有効として保留され、第1記憶部450での保留分が点灯し終えた後に残りの保留分が点灯される。したがって、第1未実行分を実行しているために、本来の表示の態様を変化させるタイミングが到来しているにも関わらず実行することができなかった第2未実行分の表示の態様の変化についても遊技者に見せることができる。
また、示唆演出実行部425は、第1記憶部450に記憶されている第1未実行分を所定の第1パターンで実行し、第2記憶部455に第2未実行分が記憶されている場合は、第2記憶部455に記憶されている第2未実行分を第1パターンの長さよりも短い所定の第2パターンで実行する。したがって、第1未実行分の表示の態様を段階的に変化させることができる。また、第2未実行分が存在する場合には、第2未実行分の表示の態様を段階的に変化させることができる。また、未実行分を実行し終えるまでの時間を徐々に減らすことができる。
また、表示制御装置45は、レベル決定部415とパターン決定部420と示唆演出実行部425とを備える。したがって、一連の示唆演出のレベル及びパターンの決定と、この一連の示唆演出の実行との機能をひとつの表示制御装置45で実現することができる。
また、一連の示唆演出におけるレベル及びパターンが主制御装置261から表示制御装置45に送信される各種コマンドに基づいて実行される場合、レベル及びパターンの決定に必要な表示制御装置45のレベル及びパターンの記憶数を減らすことができる。また、表示制御装置45に課せられる制御負荷(演算負荷)を減らすことができる。これにより表示制御装置45の発熱量を抑え、表示制御装置45の誤作動を防止することができる。
また、示唆演出表示部400は、点灯可能な第1点灯領域401から第7点灯領域407までの7個の点灯領域を有する点灯装置である。表示態様は、点灯領域401〜407の点灯態様である。示唆演出実行部425は、点灯領域401〜407の点灯態様を段階的に変化させるものである。表示態様の段階的変化は、点灯領域401〜407の点灯態様を段階的に変化させることである。したがって、点灯装置に設けられた点灯領域401〜407の点灯態様が段階的に変化するに伴って、大当たりが第1図柄の変動表示において発生する期待度を段階的に高めていくような演出を行うことができる。その結果、一連の示唆演出に対して遊技者を最後まで飽きさせにくくすることができる。
本実施例2では、第1図柄表示装置42での表示演出及び示唆演出表示部400での一連の示唆演出がサブ制御装置470を介して行われる点と、一連の示唆演出が開始されることを示唆する先行示唆演出がボタン有効期間(つまり示唆演出期間)より前に行われる点と、一連の示唆演出のレベル7に対応するパターンをパターンBとしている点と、表示態様の変化における未実行分の処理の仕方とが実施例1と異なる。以下、とくに実施例1と異なる点について図面を参照して説明する。なお、実施例1と同じ箇所は実施例1の記載を参照するものとする。
本実施例2の表示演出について、図46を参照しながら説明する。図46は、実施例2の表示演出のタイミングチャートである。
タイミングT2では、主制御装置261は、サブ制御装置470に対して、当否を識別可能な変動パターンコマンドや、停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドを送信する。タイミングT3では、サブ制御装置470は、主制御装置261から受信した当否を識別可能な変動パターンコマンドや、停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、表示制御装置45に対して第1図柄表示装置42に表示演出を開始するように指示を与える。
タイミングT4では、サブ制御装置470は、一連の示唆演出のレベル及びパターンを決定する。タイミングT5では、サブ制御装置470は、表示制御装置45に対して第1図柄表示装置42にノーマルリーチ演出を開始するように指示を与える。タイミングT6aでは、サブ制御装置470は、後述する先行示唆演出表示部460に先行示唆演出を開始させる。タイミングT6bでは、サブ制御装置470は、表示制御装置45に対して第1図柄表示装置42に「ボタンを押せ!」のコメントの表示を開始するように指示を与える。
タイミングT7では、操作ボタン440の押下によって検出信号がサブ制御装置470に入力される。タイミングT8では、この検出信号を受けて、サブ制御装置470は示唆演出表示部400に対して一連の示唆演出における表示態様の段階的変化を開始させる。タイミングT9では、サブ制御装置470は、示唆演出期間の終了または表示態様の段階的変化の終了をもって、一連の示唆演出を終了させる。
上述の先行示唆演出は、タイミングT6aで実行する場合に限らず、タイミングT4からタイミングT8までの期間であればどの時点で実行するように構成することも可能である。また、先行示唆演出は、タイミングT4からタイミングT8までの期間で複数回実行するように構成することも可能である。
タイミングT11では、主制御装置261はサブ制御装置470へ確定コマンドを送信する。タイミングT12では、サブ制御装置470は、表示制御装置45に対してプレミアムリーチ演出を終了させ、第1図柄の確定表示を行うように指示を与える。
次に、先行示唆演出について説明する。
先行示唆演出とは、一連の示唆演出が開始されることを遊技者に示唆又は教示する演出である。例えば、「ボタンを押すといいことがあるかも…」や「上の方で何かが起きるかも…」などのコメントをボタン有効期間の開始前に、第1図柄表示装置42に表示することである。これにより、その後「ボタンを押せ!」などのコメントが第1図柄表示装置42に表示される時に、遊技者に(ボタンを押すといいことがあるかも)や(ボタンを押せば上の方で何かが起きるかも)という気持ちにさせ易くなる。そのため、「ボタンを押せ!」などのコメントを表示する前に何も表示しない場合と比べて、遊技者に操作ボタン440を押下させ易くなる。
また、先行示唆演出とは、一連の示唆演出の実行中に当該一連の示唆演出の最終的な示唆内容を示唆又は教示する演出であってもよい。また、例えば、「これからどんどん点灯するよ。」などのコメントを一連の示唆演出における表示態様の段階的変化の最中で且つ一連の示唆演出の最終的な示唆結果が表示される前に、第1図柄表示装置42に表示することである。これにより、表示態様の段階的変化の序盤で一連の示唆演出に対して興味を失っていた遊技者に対しても、一連の示唆演出に対して失った興味を再び起こさせ易くなる。
次に、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化について説明する。本実施例2では、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化として、レベル7でパターンBのものが決定されている。レベル及びパターンの意味内容は、実施例1と同じである。
次に、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化と、ボタン有効期間に検出された遊技者のボタン押下のタイミングとの関係について、図47を参照して説明する。図47は、実施例2のボタン押下のタイミングと表示態様の段階的変化の関係図である。
以下では、当該一連の示唆演出における表示態様の段階的変化が、ボタン有効期間の開始(つまり示唆演出期間の開始)から0.3秒後に遊技者のボタン押下が検出された場合(ボタン押下タイミングa1)と、実施例1と同じボタン押下タイミングaと、ボタン押下タイミングcとにおいて、どのように実行されるかとについて説明する。
ボタン押下タイミングa1で実行される表示態様の段階的変化は、点灯開始タイミングgに示すように、示唆演出期間の開始から0.5秒後,1.0秒後,1.5秒後,2.0秒後,2.5秒後にそれぞれ、第1点灯領域401,第2点灯領域402,第3点灯領域403,第4点灯領域404,第5点灯領域405が点灯され、その後、示唆演出期間の開始から7.0秒後に第6点灯領域406が点灯され、示唆演出期間の開始から9.0秒後に第7点灯領域407が点灯されるパターンである。なお、本実施例2では、示唆演出期間の開始から0.5秒後,1.0秒後,1.5秒後,2.0秒後,2.5秒後,9.0秒後,7.0秒後の点灯間隔を通常の点灯スケジュールと呼び、通常の点灯スケジュールでの点灯パターンを本来のパターンと呼ぶ。
ボタン押下タイミングaで実行される表示態様の段階的変化は、点灯開始タイミングhに示すように、第1点灯領域401及び第2点灯領域402の点灯を開始するタイミングである示唆演出期間の開始から0.5秒後及び1.0秒後において、遊技者のボタン押下が検出されていないので(ボタン押下と点灯タイミングが同時の場合は点灯不可とする。以下同様)、第1点灯領域401及び第2点灯領域402を点灯できない。そこで、第1点灯領域401及び第2点灯領域402の点灯を一旦保留する。保留された第1点灯領域401及び第2点灯領域402の点灯は、遊技者のボタン押下が検出された時点から0.4秒後つまり示唆演出期間の開始から1.4秒後に一度に実行される。その後、第3点灯領域403から第7点灯領域407までの点灯は、本来のパターンに沿って実行される。
ボタン押下タイミングcで実行される表示態様の段階的変化は、点灯開始タイミングiに示すように、第1点灯領域401から第5点灯領域405までの点灯を開始するタイミングである示唆演出期間の開始から0.5秒後,1.0秒後,1.5秒後,2.0秒後,2.5秒後において、遊技者のボタン押下が検出されていないので、第1点灯領域401から第5点灯領域405までを点灯できない。そこで、第1点灯領域401から第5点灯領域405までの点灯を一旦保留する。保留された第1点灯領域401から第5点灯領域405までの点灯は、遊技者のボタン押下が検出された時点から0.4秒後つまり示唆演出期間の開始から3.4秒後に一度に点灯される。その後、第6点灯領域406及び第7点灯領域407の点灯は、本来のパターンに沿って実行される。
このように構成することで、遊技者のボタン押下が検出される前に未実行分の表示態様の変化が多く生じるようなパターン(上述のパターンBのようなパターン)において、迅速に未実行分の表示態様の変化をし終えることができる。これにより、未実行分の処理が一度で済むので、未実行分の処理回数が増えるこおによる処理負担の増加を抑えることができる。
次に、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化を実行する電気的構成について図48を参照して説明する。図48は、実施例2の一連の示唆演出を実行する電気的構成についてのブロック図である。
主制御装置261は、第1の始動口33での遊技球の入賞検出に基づいて、当否を識別可能な変動パターンコマンド、または、変動パターンコマンド及び停止図柄コマンドを生成し、当該コマンドをサブ制御装置470に送信する。
サブ制御装置470は、主制御装置261からのコマンドに従って表示制御装置45aや音声ランプ制御装置262などを制御するCPU471とROM472及びRAM473とを含む構成となっている。なお、CPU471とROM472とRAM473とはサブ制御基板に具備されており、このサブ制御基板は透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容される構成となっている。また、電源基板より供給される電源はサブ制御装置470を介して表示制御装置45a等に出力されるように構成されている。
表示制御装置45aは、サブ制御装置470からの指示に従って、第1図柄表示装置42に表示する表示演出を制御する。なお、表示制御装置45aは、実施例1の表示制御装置45とは異なり、一連の示唆演出の実行を制御しないので、実施例1の表示制御装置45とは異なる符号を付している。表示制御装置45aを構成する各部にも実施例1とは異なる符号を付している。以下、本実施例2に特有の各部の構成を具体的に説明する。
サブ制御装置470は、第1判断部410と、第2判断部412と、レベル決定部415と、パターン決定部420と、示唆演出実行部425と、操作判断部430と、タイマー431と、先行示唆演出実行部465とをCPU471の機能の一部として備える。また、レベル・パターン決定用テーブル423はROM472に含まれ、第1記憶部450及び第2記憶部455はRAM473の一部に含まれている。第1判断部410等の各部は、実施例1の表示制御装置45に備えられていたものと同じ機能を有するものであるので実施例1と共通の符号を付している。
第1判断部410は、主制御装置261から当否を識別可能な変動パターンコマンドや、停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合に、表示制御装置45aに、その変動パターンコマンドの内容に基づいて、第1図柄を第1図柄表示装置42に変動表示させるように指示を与えるように構成されている。
先行示唆演出は、先行示唆演出実行部465と先行示唆演出表示部460とによって実行される。先行示唆演出表示部460は、表示態様の変化が開始されることを示唆又は教示する先行示唆演出を表示するものである。先行示唆演出表示部460の具体例は、「ボタンを押すといいことがあるかも…」などのコメント画像を表示する第1図柄表示装置42である。なお、先行示唆演出表示部460及び第1図柄表示装置42は、本発明の先行示唆演出報知手段に相当する。
この他にも、発光によって先行示唆演出を実行する発光装置(ランプ類)や、音声によって先行示唆演出を実行する音声出力装置や、動作によって先行示唆演出を実行する遊技部材であっても構わない。また、先行示唆演出は、示唆演出表示部400が可動するように構成されている場合であれば、示唆演出表示部400そのものを回転させたり上下に動かしたりする動作演出であってもよい。先行示唆演出が示唆演出表示部400に近い箇所または示唆演出表示部400そのもので実行される場合には、示唆演出表示部400で何か演出が行われるのではないかという期待を遊技者に抱かせることができる。
先行示唆演出実行部465は、レベル決定部415によって決定されたレベルに応じて、遊技者のボタン押下が検出されるより前に先行示唆演出表示部460に先行示唆演出を実行させる。具体的には、表示制御装置45aに対して、第1図柄表示装置42に先行示唆演出を表示させるように指示を与える。また、先行示唆演出実行部465は、レベル決定部415によって決定されるレベルが大きくなるに従って、遊技者の注意をひき易くなる態様で、先行示唆演出を先行示唆演出表示部460に実行させる。なお、先行示唆演出実行部465は、大当たり発生の期待度に応じて先行示唆演出を実行してもよい。
先行示唆演出実行部465は、レベルが大きくなるに従って「ボタンを押すといいことがあるかも…」等のコメントが段階的に大きくしたり、「ボタンを押すといいことがあるかも…」等のコメントの色が段階的に変化させたりしてもよい。例えば、大当たりの場合も外れリーチの場合もレベル5以上で先行示唆演出を実行するとしてもよいし、大当たりの場合はレベル1〜7とするが、外れリーチの場合はレベル5以上で先行示唆演出を実行するとしてもよい。また、レベルが大きくなるに従って「ボタンを押すといいことがあるかも…」等のコメントが段階的に大きくなるようにしたり、「ボタンを押すといいことがあるかも…」等のコメントの色が段階的に変化するようにしたりする態様でもよい。この他、決定されたレベルが大きくなるに従って、発光装置の発光回数を多くしたり、発光強度を強くしたり、発光パターンを激しくしたり、発光色を目立ち易い色に変えたりしてもよい。
次に、一連の示唆演出に関する制御処理について図49を用いて説明する。図49は、実施例2の示唆演出制御処理のフローチャートである。
ステップS1700からステップS1725までは、表示制御装置45がサブ制御装置470に代わる点を除き、実施例1と共通である。本実施例2では、ステップS1725において、レベル決定部415が一連の示唆演出のレベルを決定し、パターン決定部420が一連の示唆演出のパターンを決定した後、ステップS1726において、先行示唆演出実行部465が先行示唆演出表示部460(第1図柄表示装置42)に先行示唆演出を表示させる。そして、ステップS1730において、先行示唆演出が実行された後に、サブ制御装置470から表示制御装置45aへ「ボタンを押せ!」の表示をするように指示されるようになっている。
また、ステップS1735からステップS1760までは、表示制御装置45aではなくサブ制御装置470で実行されている点を除き、実施例1と共通である。本実施例2では、ステップS1766において、示唆演出実行部425は、第1未実行分を一度に点灯させるので、その後は、本来のパターンに従って点灯を実行し、終了することができる。
上述したように、本実施例2に係る遊技機によれば、ボタン有効期間より前に決定されているレベルとパターンとを活かして一連の示唆演出に関連する演出が実行される。すなわち、先行示唆演出表示部460(第1図柄表示装置42)は、表示態様の段階的変化が開始されることを示唆又は教示する先行示唆演出が表示される。先行示唆演出実行部465は、レベルに応じて、遊技者の動作が検出されるより前に先行示唆演出表示部460に先行示唆演出を実行させる。したがって、遊技者に対してボタン有効期間中に操作ボタン440に検出させるための動作を行わせ易くなる。その結果、遊技者がこの一連の示唆演出を見逃すことを低減できる。
また、先行示唆演出実行部465は、レベルが大きくなるに従って、または、パターンの長さが長くなるに従って、遊技者の注意をひき易くなる態様で、先行示唆演出を先行示唆演出表示部460に実行させる。したがって、特別遊技状態が発生する期待度が高い一連の示唆演出が実行される予定であるときに、遊技者がその一連の示唆演出を見逃すことを低減できる。
また、先行示唆演出実行部465は、第1記憶部450に記憶されている第1未実行分を一度に実行する。したがって、次の表示の態様を変化するタイミングが到来する前に、第1未実行分の表示の態様を変化し終えることができる。また、未実行分の処理が一度で済むので、未実行分の処理回数が増えるこおによる処理負担の増加を抑えることができる。
また、主制御装置261からのコマンドを受信して、各種の制御を行うサブ制御装置470を備える。サブ制御装置470は、レベル決定部415とパターン決定部420と示唆演出実行部425とを備える。したがって、一連の示唆演出のレベル及びパターンの決定と、この一連の示唆演出の実行との機能をひとつのサブ制御装置470で実現することができる。
また、表示制御装置45に課せられるパターンの記憶やパターンの決定処理負荷をサブ制御装置470に分散させることができるので、表示制御装置45の発熱量を抑えて、表示制御装置45の誤作動を低減することができる。
本実施例3では、ボタン有効期間内に遊技者のボタン押下が検出されなかった場合でも、一連の示唆演出が実行される点と、一連の示唆演出が第1図柄表示装置42に表示される点と、一連の示唆演出のレベル7に対応するパターンがパターンCである点等が実施例1及び実施例2と異なる。以下、実施例1及び実施例2と異なる点について説明する。なお、実施例1又は実施例2と同じ箇所は実施例1又は実施例2の記載を参照するものとする。
一連の示唆演出について図50及び図51を参照して説明する。図50は、実施例3の示唆演出表示部で実行される一連の示唆演出を説明する図であり、図51は、図50に続いて実行される一連の示唆演出を説明する図である。
本実施例3では、示唆演出表示部400は第1図柄表示装置42であり、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化は、第1図柄表示装置42に表示される示唆画像の表示態様の段階的変化として表される。以下、示唆画像の表示態様の段階的変化についてその具体例を説明する。なお、第1図柄表示装置42は、本発明の示唆演出報知手段に相当する。
図50(a)に示すように、示唆演出期間が開始されると、第1図柄表示装置42の表示領域には、リーチ成立を示す第1図柄「7」「7」に相当するリーチ画像482とともに、舞台をイメージした背景画像481と、その背景画像481のうち表示領域の右端側に0〜7点までの採点結果を表示する採点表示器画像483とが表示される。つまり、表示態様の段階的変化を第1図柄表示装置42において実行可能な状態となる。
図50(b)に示すように、第1図柄表示装置42の表示領域には、背景画像481の中央に登場人物画像485が表示され(二点鎖線で囲んだ領域に登場人物画像485が表示されているものとする)、登場人物画像485が演芸を行うような動画が表示される。背景画像481の下側には、「ボタンを押せ!」のコメント画像486が表示される。このコメント画像486の表示中に操作ボタン440が押下されると、採点表示器画像483のランプが点灯して採点が行われるような動画が表示されるように構成されている。
図50(c)に示すように、本実施例3ではボタン有効期間中に操作ボタン440が押下されないので、背景画像481の下側からコメント画像486が消滅するが(破線で示す部分が消滅を示す)、その後、採点表示器画像483のランプが自動的に点灯し始める。続いて、図51(a)に示すように、採点表示器画像483のランプは、採点が6点を示す高さまで段階的に点灯し、最終的に、図51(b)に示すように、採点が7点を示す高さまで到達する。
なお、採点表示器画像483の1点の高さから7点の高さまでは、第1点灯領域401から第7点灯領域407までにそれぞれ対応している。
図51(b)に示す採点表示器画像483のランプが7点の高さまで上昇した時点またはその後に、センターフレーム47の上部に設けられた発光部408が点灯または点滅を開始する。また、登場人物画像485の表情が、喜びの表情に変化する。また、音声出力部409から合格を祝福する音声が出力される。このように登場人物画像485の演技が合格点に達したこと示す演出が行われて、一連の示唆演出が終了する。これにより、一連の示唆演出の結果が、期待度が高いリーチに移行する可能性が高いということを遊技者に示唆することができる。また、このような発光部408や音声出力部409や登場人物画像485を用いた演出が特定のリーチに移行する場合に行われれば、当該リーチに移行する可能性が高いことを遊技者に認識させ易くなる。
次に、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化について説明する。
本実施例3では、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化として、レベル7でパターンCのものが決定されている。
次に、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化と、ボタン有効期間内に遊技者のボタン押下が検出されなかった場合との関係について、図52を参照して説明する。図52は、実施例3のボタン押下のタイミングと表示態様の段階的変化の関係図である。
以下では、表示態様の段階的変化が、実施例2で説明したボタン押下タイミングa1と、ボタン有効期間内に遊技者のボタン押下が検出されなかった場合(ボタン押下タイミング0)とにおいて、どのように実行されるかとについて説明する。
ボタン押下タイミングa1で実行される表示態様の段階的変化は、点灯開始タイミングjに示すように、示唆演出期間の開始から0.5秒後,1.5秒後にそれぞれ第1点灯領域401及び第2点灯領域402が点灯され、4.5秒後,5.0秒後,5.5秒後にそれぞれ第3点灯領域403から第5点灯領域405まで点灯され、7.5秒後,10秒後にそれぞれ第6点灯領域406及び第7点灯領域407が点灯されるパターンである。なお、本実施例3では、示唆演出期間の開始から0.5秒後,1.5秒後,4.5秒後,5.0秒後,5.5秒後,7.5秒後,10秒後の点灯間隔を通常の点灯スケジュールと呼び、通常の点灯スケジュールでの点灯パターンを本来のパターンと呼ぶ。
ボタン押下タイミング0で実行される表示態様の段階的変化は、点灯開始タイミングkに示すように、第1点灯領域401及び第2点灯領域402の点灯を開始するタイミングである示唆演出期間の開始から0.5秒後及び1.5秒後において、点灯できない。そこで、第1点灯領域401及び第2点灯領域402の点灯を一旦保留する。遊技者のボタン押下はその後ボタン有効期間内で検出されないが、保留された第1点灯領域401は、ボタン有効期間の終了時点から示唆演出期間の開始から3.6秒後に点灯され、保留された第2点灯領域402は、示唆演出期間の開始から4.2秒後にそれぞれ点灯される。第1点灯領域401及び第2点灯領域402の点灯は、ボタン有効期間の終了時点から1.2秒以内で0.6秒の均等間隔で実行されている。その後、第3点灯領域403の点灯を開始するタイミングである示唆演出期間の開始から4.5秒後が到来する。よって、第3点灯領域403から第7点灯領域407までの点灯は、本来のパターンに沿って実行される。
このように、ボタン有効期間内に遊技者のボタン押下が検出されなかった場合であっても、ボタン有効期間の終了後、残りの示唆演出期間内で、一連の示唆演出に表示態様の段階的変化を最後まで遊技者に見せることができる。これにより、遊技者が、上述の採点表示器画像483による示唆演出という興趣性のある演出や、最終的に示唆される内容を遊技者が見落とすことを低減することができる。
次に、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化を実行する電気的構成について図53を参照して説明する。図53は、実施例3の一連の示唆演出を実行する電気的構成についてのブロック図である。また、適宜、図24も参照する。
表示制御装置45のCUP521は、第1図柄表示装置42や音声ランプ制御装置262を制御している。これにより、表示制御装置45の画像コントローラ526は、上述の第7点灯領域407が点灯するタイミングに合わせて、登場人物画像485の表情を喜びの表情に変化させたり、発光部408を点灯または点滅させたり、音声出力部409に合格を祝福する音声を出力させたりするように構成されている。
示唆演出実行部425は、ボタン有効期間内に遊技者のボタン押下が検出されなかった場合、ボタン有効期間の終了時から示唆演出期間の終了時までの所定の時点(例えばボタン有効期間が終了した直後)から、レベル決定部415によって決定されたレベルとパターン決定部420によって決定されたパターンとに応じて、示唆演出期間内で第1図柄表示装置42(示唆演出表示部400に相当)に表示態様の段階的変化を最後まで実行させる。つまり、ボタン有効期間内に遊技者のボタン押下が検出されなかった場合でも、ボタン有効期間より前に決まっている一連の示唆演出のレベルとパターンとを利用して、示唆演出期間内で一連の示唆演出が実行される。
第1記憶部450は、上述の所定の時点より前に表示態様を変化させるタイミングが到来した分の表示態様の変化を第1未実行分として記憶する。また、実施例1と同様に、第2記憶部455,第3記憶部,第n記憶部などを設けてもよい。
示唆演出実行部425は、上述の所定の時点が到来した場合に、第1記憶部450に記憶されている第1未実行分を実行し、当該第1未実行分を実行し終えた後、本来のパターンに応じて前記表示の態様を変化させる演出を実行する。また、示唆演出実行部425は、ボタン有効期間内に遊技者の動作が検出されなかった場合で、且つ、決定されたレベルが所定の段階数以上である場合に、所定の示唆演出期間内で第1図柄表示装置42に表示態様の段階的変化を最後まで実行させるが、決定されたレベルが所定の段階数未満である場合には、表示態様の段階的変化を実行しないように構成してもよい。所定の段階数の一例は、大当たりの場合も外れリーチの場合もレベル5以上とすることや、大当たりの場合はレベル1〜7とするが、外れリーチの場合はレベル5以上することである。
先行示唆演出表示部460及び先行示唆演出実行部465は、先行示唆演出を行う。先行示唆演出表示部460には前述の発光部408が用いられる。この場合、先行示唆演出は、発光部408の発光によって実行される。なお、第1図柄表示装置42や音声出力部409によって先行示唆演出を行うことも可能である。
次に、本実施例3の一連の示唆演出に関する制御処理について図54及び図55を用いて説明する。図54は、実施例3の示唆演出制御処理のフローチャートであり、図55は、図54に続く示唆演出制御処理のフローチャートである。
ステップS1700からステップS1800までは実施例2と同様であるが、実施例3では、ステップS1745では、ボタン有効期間内に遊技者のボタン押下が検出されなかった場合に、ステップS1801に進む。
ステップS1801では、示唆演出実行部425は、第1記憶部450に記憶された第1未実行分が1以上であるか否かを判定する。判定の結果、第1未実行分が1以上である場合はステップS1802に進み、第1未実行分が1未満つまり第1未実行分が存在しない場合はステップS1804に進み、示唆演出実行部425は、本来のパターンに沿って表示態様の段階的変化を実行する。
ステップS1802では、示唆演出実行部425は、第1記憶部450に記憶された第1未実行分を読み出し、第1未実行分を所定の第1時間で所定の第1パターンで実行する。例えば、所定の第1時間は1.2秒間であり、所定の第1パターンは0.6秒の均等間隔である。
ステップS1803では、示唆演出実行部425は、第1未実行分の実行が終了しているか否かを判定する。判定の結果、第1未実行分の実行が終了していればステップS1804に進み、第1未実行分の実行が終了していなければステップS1802からの処理を繰り返す。
ステップS1804では、示唆演出実行部425は、本来のパターンに応じて表示態様の段階的変化を実行する。ステップS1805では、表示態様の段階的変化が終了したか否かを判定する。判定の結果、表示態様の段階的変化が終了していれば本処理を終了し、表示態様の段階的変化が終了していなければステップS1804からの処理を繰り返す。
上述したように、本実施例3に係る遊技機によれば、示唆演出表示部400は、変動表示の結果として第1図柄が大当たり状態への移行の成立を示す組み合わせで停止表示される期待度を、採点表示器画像483のランプを1点の高さから7点の高さ(第1点灯領域401から第7点灯領域407までにそれぞれ対応)まで段階的に変化させることによって示唆する一連の示唆演出を表示する第1図柄表示装置42である。示唆演出実行部425は、ボタン有効期間内に遊技者のボタン押下が検出されなかった場合、ボタン有効期間の終了時から示唆演出期間の終了時までの所定の時点(ボタン有効期間の終了直後)から、ボタン有効期間より前に決定されたレベルとパターンとに応じて、示唆演出期間内で第1図柄表示装置42に採点表示器画像483のランプの段階的変化を最後まで実行させる。したがって、ボタン有効期間内に遊技者のボタン押下が検出されなかった場合でも、一連の示唆演出を最後まで遊技者に見せることができる。
また、第1記憶部450を備え、所定の時点より前に表示の態様を変化させるタイミングが到来した分の表示態様の変化を第1未実行分として記憶する。示唆演出実行部425は、所定の時点が到来した場合に、第1記憶部450に記憶されている第1未実行分を実行し、当該第1未実行分を実行し終えた後、パターンに応じて表示態様の段階的変化を実行させる。したがって、所定の時点より前に本来の表示の態様を変化させるタイミングが到来した第1未実行分の表示の態様の変化についても遊技者に見せることができる。
また、示唆演出実行部425は、ボタン有効期間内に遊技者の動作が検出されなかった場合で、且つ、レベルが所定の段階数以上である場合に、所定の示唆演出期間内で示唆演出表示部400に表示態様の段階的変化を最後まで実行させるが、レベルが所定の段階数未満である場合には、表示態様の段階的変化を実行しないように構成してもよい。この場合、レベルが所定の段階数以上であるかまたはパターンが所定の長さ以上である一連の示唆演出についてのみ、ボタン有効期間内に遊技者の動作が検出されなかった場合に、最後まで遊技者に見せることができる。
また、示唆演出表示部400は、採点表示器画像483等の示唆画像を表示可能な第1図柄表示装置42である。表示態様は、採点表示器画像483の採点に対応したランプ画像である。示唆演出実行部425は、採点表示器画像483等の表示態様を段階的に変化させるものである。表示態様の段階的変化は、採点表示器画像483の採点に対応したランプ画像を所定の採点結果に相当する高さまで段階的に変化させることである。したがって、第1図柄表示装置42に表示される採点表示器画像483の採点に対応したランプ画像が段階的に上昇するに伴って、大当たりが識別情報の変動表示において発生する期待度を段階的に高めていくような演出を行うことができる。その結果、一連の示唆演出に対して遊技者を最後まで飽きさせにくくすることができる。
本実施例4では、操作ボタン440によって遊技者のボタン押下が検出されたタイミングに基づいて一連の示唆演出のパターンが決定される点が上述の実施例1から実施例3までと異なる。以下、異なる点について説明する。
本実施例4の表示演出について図56を参照しながら説明する。図56は、実施例4の表示演出のタイミングチャートである。
タイミングT1からタイミングT3までは実施例1と同じであるが、タイミングT4では、ボタン有効期間より前に一連の示唆演出のレベルが決定される。ボタン有効期間より前に一連の示唆演出のレベルが決定されるので、ボタン有効期間より前の時点すなわちタイミングT6aで先行示唆演出を実行できる。また、実施例4では、ボタン押下のタイミングで、その時点での示唆演出期間の終了までの残時間と、決定されたレベルとに応じて一連の示唆演出のパターンが決定される点も、実施例1乃至実施例3と異なる。
タイミングT6bでは、「ボタンを押せ!」のコメントが表示される。タイミングT7aでは、ボタン有効期間内に操作ボタン440の押下によって検出信号が表示制御装置45に入力される。タイミングT7bでは、この検出信号を受けて、一連の示唆演出のパターンが決定される。タイミングT8では、示唆演出期間の開始前に決定されたレベルと、この検出信号を受けて決定されたパターンとに応じて一連の示唆演出が実行される。
次に、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化と、ボタン有効期間内に検出された遊技者のボタン押下のタイミングとの関係について図57を参照して説明する。図57は、実施例4のボタン押下のタイミングと表示態様の段階的変化の関係図である。
以下では、レベル7でパターンAの一連の示唆演出における表示態様の段階的変化が、実施例1で説明したボタン押下タイミングaと、ボタン押下タイミングbと、ボタン押下タイミングcとにおいて、どのように実行されるかについて説明する。パターンAは、遊技者のボタン押下が検出された時点から1.4秒の均等間隔で点灯を行うパターンである。
ボタン押下タイミングaで実行される表示態様の段階的変化は、点灯開始タイミングlに示すように、示唆演出期間の開始から2.4秒後に第1点灯領域401が点灯され、示唆演出期間の開始から3.8秒後に第2点灯領域402が点灯され、示唆演出期間の開始から5.2秒後に第3点灯領域403が点灯され、示唆演出期間の開始から6.6秒後に第4点灯領域404が点灯され、示唆演出期間の開始から8.0秒後に第5点灯領域405が点灯され、示唆演出期間の開始から9.4秒後に第6点灯領域406が点灯され、示唆演出期間の開始から10.8秒後に第7点灯領域407が点灯される。なお、本実施例4では、示唆演出期間の開始から2.4秒後,3.8秒後,5.2秒後,6.6秒後,8.0秒後,9.4秒後,10.8秒後の点灯間隔を通常の点灯スケジュールと呼び、通常の点灯スケジュールでの点灯パターンを本来のパターンと呼ぶ。
ボタン押下タイミングbで実行される表示態様の段階的変化は、本来のパターンのように遊技者のボタン押下が検出された時点から1.4秒間の均等間隔で表示態様の段階的変化を実行したのでは、示唆演出期間内に一連の示唆演出を最後まで実行できない。そこで、点灯開始タイミングmに示すように、表示態様の段階的変化の間隔を遊技者のボタン押下が検出された時点から1.2秒間の均等間隔に圧縮する。これにより、示唆演出期間の開始から3.2秒後に第1点灯領域401が点灯され、示唆演出期間の開始から4.4秒後に第2点灯領域402が点灯され、示唆演出期間の開始から5.6秒後に第3点灯領域403が点灯され、示唆演出期間の開始から6.8秒後に第4点灯領域404が点灯され、示唆演出期間の開始から8.0秒後に第5点灯領域405が点灯され、示唆演出期間の開始から9.2秒後に第6点灯領域406が点灯され、示唆演出期間の開始から10.4秒後に第7点灯領域407が点灯される。なお、以下ではこの点灯パターンをパターンA1と呼ぶ。
ボタン押下タイミングcで実行される表示態様の段階的変化は、パターンA1で一連の示唆演出を実行した場合でも、示唆演出期間内に一連の示唆演出を最後まで実行できない。そこで、点灯開始タイミングnに示すように、表示態様の段階的変化の間隔を遊技者のボタン押下が検出された時点から1.0秒間に圧縮する。これにより、示唆演出期間の開始から4.0秒後に第1点灯領域401が点灯され、示唆演出期間の開始から5.0秒後に第2点灯領域402が点灯され、示唆演出期間の開始から6.0秒後に第3点灯領域403が点灯され、示唆演出期間の開始から7.0秒後に第4点灯領域404が点灯され、示唆演出期間の開始から8.0秒後に第5点灯領域405が点灯され、示唆演出期間の開始から9.0秒後に第6点灯領域406が点灯され。示唆演出期間の開始から10.0秒後に第7点灯領域407が点灯される。なお、以下ではこの点灯パターンをパターンA2と呼ぶ。
このように、ボタン押下のタイミングで、その時点での示唆演出期間の終了までの残時間と、決定されたレベルとに応じて一連の示唆演出のパターンが決定されることで、遊技者のボタン押下のタイミングがボタン押下のいずれのタイミングであっても、示唆演出期間内で一連の示唆演出を最後まで実行することができる。また、残時間とレベルとに応じて決定されるパターンは、当該レベルで一連の示唆演出を最後まで実行した場合であっても当該残時間内に終了できるようなパターンに設定されるので、表示態様の段階的変化の実行中は、決定されたパターンを実行するだけよい。その結果、実施例1のように第1記憶部450及び第2記憶部455を設けて未実行分の保留・実行を行わなくて済む分だけ、段階的変化の実行中におけるパターンの決定処理負荷を低減させることができる。
次に、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化を実行する電気的構成について図58を参照して説明する。図58は、実施例4の一連の示唆演出を実行する電気的構成についてのブロック図である。
パターン決定部420は、操作ボタン440によって遊技者のボタン押下が検出されたタイミングとレベル決定部415によって決定されたレベルとに基づいて、レベル決定部415によって決定されたレベルに達するまで表示態様の段階的変化を実行するパターンを決定する。
操作ボタン440によって遊技者のボタン押下が検出されたタイミングは、操作判断部430内のタイマー431によって取得される。具体的には、操作判断部430内のタイマー431によってカウントされた表示演出の経過時間に基づいて、ボタン有効期間内で遊技者のボタン押下が検出された時点の時間情報(カウント値)が取得される。タイマー431は、このボタン押下が検出された時点の時間情報をパターン決定部420にも送信する。これにより、パターン決定部420は、操作ボタン440によって遊技者のボタン押下が検出されたタイミングを知ることができる。
パターン決定用テーブル421は、レベルごとに、遊技者のボタン押下が検出されたタイミングに相当する時点から示唆演出期間の終了までの残時間内で実行可能な複数のパターンを記憶している。パターン決定用テーブル421において、遊技者のボタン押下が検出されたタイミングと、レベル決定部415によって決定されたレベルと、一連の示唆演出のパターンとが関連付けられている。なお、パターン決定用テーブル421は、本発明のパターン記憶手段に相当する。
パターン決定部420は、このパターン決定用テーブル421に記憶されたパターンの中から、遊技者のボタン押下が検出されたタイミングに基づいて、パターンを決定する。
なお、本実施例4におていも、先行示唆演出実行部650及び先行示唆演出表示部460を備えており、一連の示唆演出のレベルは、ボタン有効期間より前に決定されるので、先行示唆演出を実行することが可能である。
次に、一連の示唆演出におけるパターンの決定方法について図59を参照して説明する。図59は、実施例4のパターン決定用テーブルの模式図である。なお、レベルの決定方法は実施例1と同様に当否を識別可能な変動パターンコマンドを用いる方法である。
一連の示唆演出におけるパターンは、大当たり時はパターン決定用テーブル421aを用いて決定され、外れリーチ時にはパターン決定用テーブル421bを用いて決定する。図59では、レベル7は大当たり確定なので、レベル7にはパターン決定用テーブル421aの符号のみを付している。レベル6以下では大当たりの場合も外れリーチの場合もあるので、パターン決定用テーブル421aとパターン決定用テーブル421bの符号を付している。なお、図57では、図示の都合上、パターン決定用テーブル421aとパターン決定用テーブル421bとを共通のテーブルとして記載しているが、両者は別々のテーブルであるものとする。
大当たり時のパターンの決定は、レベル決定部415によって決定されたレベルと、遊技者のボタン押下が検出されたタイミングに相当する時点から示唆演出期間の終了までの残時間tと、タイマー431によるボタン有効期間内で遊技者のボタン押下が検出された時点の時間情報(カウント値)とに基づいて決定される。
レベル1からレベル7までのレベルごとに残時間tに対応付けたテーブルが設けられている。各テーブルでは、例えば、タイマー431による示唆演出期間の経過時間のカウント値が偶数であればパターンAが選択され、カウント値が奇数であればパターンBが選択されるように設定されている。なお、パターンCも設ける場合は、カウント値を3つに分けて、それぞれのパターンに対応させるとよい。
各テーブルにおいて、残時間tが10秒≦t≦11秒の場合は、本来の時間的長さを有するパターンAまたはパターンBのいずれかが決定されるように設定されている。残時間が9秒≦t<10秒の場合は、表示態様の段階的変化の間隔が残時間10秒≦t≦11秒の場合よりも短いパターンA1またはパターンB1のいずれかが決定されるように設定されている。残時間が8秒≦t<9秒の場合は、残時間が9秒≦t<10秒の場合よりも表示態様の段階的変化の間隔が短いパターンA2またはパターンB2のいずれかが決定されるように設定されている。例えば、パターンAの場合は1.4秒の均等間隔に設定され、パターンA1の場合は1.2秒の均等間隔に設定され、パターンA2の場合は1.0秒の均等間隔に設定されている。
このようにして、パターン決定部420は、パターン決定用テーブル421に記憶されたパターンの中から、残時間内で最も長い時間的長さを有するパターンが決定される。
次に、一連の示唆演出に関する制御処理について図60を用いて説明する。図60は、実施例4の示唆演出制御処理のフローチャートである。
ステップS1700からステップS1720までは実施例1と同じである。本実施例4では、ステップS1725において、レベル決定部415が一連の示唆演出のレベルを示唆演出期間の開始前に決定している。示唆演出期間の開始前に一連の示唆演出のレベルが決定されているので、ステップS1726では、先行示唆演出実行部465は、先行示唆演出表示部460に、当該レベルに応じて先行示唆演出を実行させることができる。
ステップS1730からステップS1740までは実施例1と同じであるが、本実施例4では、ステップS1741において、ボタン有効期間内に操作ボタン440の検出信号を受信した場合、パターン決定部420は当該検出信号を受けて一連の示唆演出のパターンを決定する。ステップS1742では、示唆演出実行部425は、この決定されたパターンに沿って、先に決められたレベルに達するまで表示態様の段階的変化を実行する。ステップS1810では、表示態様の段階的変化が終了した場合、一連の示唆演出を終了する。
ステップS1745では、ボタン有効期間内に操作ボタン440の検出信号を受信しなかった場合は、パターン決定部420はパターンを決定せずに、一連の示唆演出を行わないで、本処理を終了する。なお、第3表示演出は第1図柄表示装置42で続行されている。
上述のように、本実施例4に係る遊技機によれば、レベル決定部415は、コマンドに基づいて、表示態様の段階的変化が最終的に到達する段階数に相当するレベルをボタン有効期間より前に決定する。パターン決定部420は、少なくとも操作ボタン440によって遊技者のボタン押下が検出されたタイミングに基づいて、決定されたレベルに達するまでの表示態様の段階的変化のパターンを決定する。示唆演出実行部425は、レベル決定部415とパターン決定部420とによって決定されたレベルとパターンとに応じて、遊技者のボタン押下がボタン有効期間内に検出された場合に、示唆演出期間内で示唆演出表示部400に表示態様の段階的変化を最後まで実行させる。
したがって、一連の示唆演出のレベルは遊技者の動作が検出されるより前に決定されるが、一連の示唆演出のパターンは少なくとも遊技者の動作が検出されたタイミングに基づいて決定されるので、遊技者の動作が検出されたタイミングの早い遅いを考慮して、表示の態様を段階的に変化させるときの変化の開始から終了までの長さを調整することができる。その結果、所定の検出有効期間のいずれのタイミングで遊技者の動作が検出された場合であっても、当該動作が検出された後に、所定の示唆演出期間内で一連の示唆演出を最後まで実行することができる。
また、演出態様の段階的変化が最終的に到達するレベルが検出有効期間より前に決定されているので、演出態様の段階的変化が最終的に到達するレベルを活かして、一連の示唆演出に関連する演出を実行することもできる。
また、遊技者の動作が検出されたときの当該動作の態様の違いを考慮して、表示の態様を段階的に変化させるときの変化の開始から終了までの時間を調整することができるので、例えば、一連の示唆演出における段階的変化の態様が決定された後に、所定の検出有効期間内において検出される遊技者の動作タイミングの早い遅いの違いなどを考慮して、一連の示唆演出における段階的変化の態様を微調整する必要が低減される分、この種の微調整等に起因して生じる恐れのある表示制御手段の誤作動によって遊技者に与える遊技意欲の低減を抑制することもできる。
すなわち、一連の示唆演出における段階的変化の態様が決定された後に、所定の検出有効期間内において検出される遊技者の動作タイミングの早い遅いの違いなどを考慮して、一連の示唆演出における段階的変化の態様を微調整する必要が多くなりすぎる場合、当該微調整を行う機能を有する例えばCPU等の発熱量が大幅に増えてしまったりする場合がある。これにより、コマンドとして主制御手段から表示制御手段に送信される、特別遊技状態を発生させる抽選の抽選結果と、例えばリーチ演出のような識別情報の変動表示に伴って実行される表示演出とが一致しなくなるような誤作動が表示制御手段に生じる場合があるという問題である。これに対して、本発明では、一連の示唆演出における段階的変化の態様が決定された後に、所定の検出有効期間内において検出される遊技者の動作タイミングの早い遅いの違いなどを考慮して、一連の示唆演出における段階的変化の態様を微調整する必要が低減される分だけ、CPU等の発熱量を抑えたりして、表示制御手段に生じる恐れのある上述の誤作動を低減させることができる。その結果、表示制御手段の誤作動によって遊技者に与える遊技意欲の低減を抑制することができる。
また、パターン決定部420は、遊技者の動作が検出されたタイミングとレベル決定部415によって決定されたレベルに基づいてパターンを決定する。したがって、遊技者の動作が検出されたタイミングの早い遅いと決定されたレベルの大小とを考慮して、表示の態様を段階的に変化させるときの変化の開始から終了までの長さを調整することができる。
また、パターン決定用テーブル421は、レベルごとに、遊技者の動作が検出されたタイミングに相当する時点から示唆演出期間の終了までの残時間内で実行可能な複数のパターンを記憶する。パターン決定部420は、パターン決定用テーブル421に記憶されたパターンの中から、遊技者の動作が検出されたタイミングに基づいて、パターンを決定する。したがって、表示の態様を段階的に変化させるときの変化の開始から終了までを遊技者に見せることができる。
また、パターン決定部420は、パターン決定用テーブル421に記憶されたパターンの中から、残時間内で最も長い時間的長さを有するパターンを決定する。したがって、表示の態様を段階的に変化させるときの変化の開始から終了までを残時間を長く使って遊技者に見せることができる。
本実施例5では、大当たり期待度を示唆するものでない擬似的パターンを少なくとも一部に有するパターンが決定される点が実施例1から実施例4までと異なる。以下、異なる点について説明する。
一連の示唆演出における表示態様の段階的変化と、ボタン有効期間内に検出された遊技者のボタン押下のタイミングとの関係について図61を参照して説明する。図61は、実施例5のボタン押下のタイミングと表示態様の段階的変化の関係図である。
以下では、大当たり時のレベル6が決定されている場合と、外れリーチ時のレベル1が決定されている場合とのそれぞれの場合に、表示態様の段階的変化が、実施例1で説明したボタン押下タイミングaと、ボタン押下タイミングbとにおいて、どのように実行されるかについて説明する。なお、ボタン有効期間の開始から1.0秒後に遊技者のボタン押下が検出されたことを受けて、実施例4と同様にパターンAが決定されているとするが、パターンAは1.2秒の均等間隔で点灯するパターンとする。
大当たり時のレベル6が決定されている場合に、ボタン押下タイミングaで実行される表示態様の段階的変化は、点灯開始タイミングoに示すように、本来ならば、遊技者のボタン押下が検出された時点から1.2秒の均等間隔で第1点灯領域401から第6点灯領域406までが点灯され、示唆演出期間の開始から8.2秒後に確定する予定である。しかし、遊技者は、ボタン有効期間の序盤(残時間tが10秒≦t<11秒。以下同じ)に積極的に操作ボタン440を押下しているので、このような遊技者には、通常の表示態様の段階的変化とは異なる段階的変化を見せることによって、ボタン有効期間の中盤や終盤でボタン押下した遊技者に見せられる示唆演出よりも情報量の多い示唆演出を見せることで、一連の示唆演出に対する面白味を向上させることができる。
すなわち、示唆演出期間の開始から9.4秒後に擬似的に第7点灯領域407を点灯し、示唆演出期間の開始から10.6秒後に擬似的に第7点灯領域407を消灯して、一連の示唆演出が終了する。示唆演出期間の終了後に実行される第3表示演出は、プレミアムリーチよりも大当たり期待度の低いスペシャルリーチ演出が実行されるが、最終的には大当たりが確定する。これにより、最終的に大当たり確定を見た遊技者は、パターンAで第6点灯領域406まで点灯した後に第7点灯領域407が点滅するパターンは、スペシャルリーチであるが大当たりが発生するパターンであることを認識できる。これに対して、同じ大当たり時のレベル6でパターンAが設定される場合であっても、ボタン押下タイミングb(ボタン有効期間の中盤。残時間tが9秒≦t<10秒。以下同じ)でボタン押下が検出された場合には、点灯開始タイミングpに示すように、このような第7点灯領域407を点滅させる演出が行われないで、示唆演出期間の開始から9.2秒後に第6点灯領域406が点灯して終了する。また、ボタン有効期間の終盤(残時間tが8秒≦t<9秒。以下同じ)でボタン押下が検出された場合も同様に、第7点灯領域407を点滅させる演出が行われないで終了する。よって、パターンAで第6点灯領域406まで点灯する場合が大当たりであるか外れであるかを認識し難いようになる。なお、この点灯パターンをパターンA+G1と呼ぶ。
外れリーチ時のレベル1が決定されている場合に、ボタン押下タイミングaで実行される表示態様の段階的変化は、点灯開始タイミングqに示すように、本来ならば、示唆演出期間の開始から2.2秒後に確定する予定である。しかし、ボタン有効期間の序盤に積極的に操作ボタン440を押下しているにも関わらず、第1点灯領域401の点灯のみで一連の示唆演出が終了してしまっては、一連の示唆演出に対する興味が低減する可能性がある。そこで、このような遊技者に対しては、もう少し時間的長さの長い一連の示唆演出を見せるようにする。
すなわち、示唆演出期間の開始から3.4秒後に擬似的に第2点灯領域402を点灯し、示唆演出期間の開始から4.6秒後に擬似的に第2点灯領域402を消灯する。つまり、この一連の示唆演出は、示唆演出期間の開始から4.6秒後に確定する。これに対して、同じ外れリーチ時のレベル1でパターンAが設定される場合であっても、ボタン押下タイミングbでボタン押下が検出された場合には、点灯開始タイミングrに示すように、このような第2点灯領域402を点滅させる演出が行われないで、3.2秒後に第1点灯領域401が点灯して終了する。また、ボタン有効期間の終盤でボタン押下が検出された場合も同様に、第2点灯領域402を点滅させる演出が行われないで終了する。これにより、ボタン有効期間の序盤に積極的に操作ボタン440を押下した遊技者に対して、少しでも長い時間的長さの一連の示唆演出を見せることによって、一連の示唆演出に対する興味が低減することを抑制できる。なお、この点灯パターンをパターンA+G2と呼ぶ。
次に、一連の示唆演出におけるパターンの決定方法について図62を参照して説明する。図62は、実施例5のパターン決定用テーブル421の模式図である。
大当たり時にレベル決定部415によってレベル6が決定される場合、大当たり時のパターン決定用テーブル421a1〜421a7の中からレベル6に対応する大当たり時のパターン決定用テーブル421a6が参照される。そして、遊技者のボタン押下が検出されたタイミングがボタン有効期間の開始から1.0秒後(残時間tが10秒≦t<11秒)であり、且つ、パターンAが選択される(カウンタ値が偶数の場合)場合、パターンA+G1が決定されるように設定されている。
外れリーチ時にレベル決定部415によってレベル1が決定される場合、外れリーチ時のパターン決定用テーブル421b1〜421b6の中からレベル1に対応する外れリーチ時のパターン決定用テーブル421b1が参照される。そして、技者のボタン押下が検出されたタイミングがボタン有効期間の開始から1.0秒後(残時間tが10秒≦t<11秒)であり、且つ、パターンAが選択される(カウンタ値が偶数の場合)場合、パターンA+G2が決定されるように設定されている。
上述の場合では、パターンAの場合にのみ擬似的パターンG1及びG2を設定したが、パターンBの場合にも擬似的パターンG2を設定しても構わない。また、大当たり時のパターン決定用テーブル421a6の残時間10≦t<11の場合と外れリーチ時のパターン決定用テーブル421b1にのみ擬似的パターンG1及びG2を設定したが、これ以外のパターン決定用テーブル421a及び421bに擬似的パターンを設定しても構わない。
上述のように、本実施例5に係る遊技機によれば、パターン決定用テーブル421a及び421bは、表示態様の段階的変化を実行するときのパターンであるが、期待度を示唆するものでない擬似的パターンを少なくとも一部に有するパターンを記憶する。パターン決定部420は、遊技者の動作が検出されたタイミングとレベル決定部415によって決定されたレベルとに基づいて、擬似的パターンを少なくとも一部に有するパターンを決定する。擬似的パターンを有するパターンは、擬似的パターンを有しない同じパターンに比べて、擬似的パターンの長さ分だけ長くなる。したがって、動作が検出されたタイミングの早い遅いを考慮して、表示の態様を変化させるときの当該変化の開始から終了までの時間を調整することができる。
また、パターン決定用テーブル421a及び421bは、遊技者の動作が検出されたタイミングが早くなるに従って、または、遊技者の動作が検出されたタイミングが早くなり且つレベルが低くなるに従って、擬似的パターンの長さが長くなるように設定してもよい。この場合、残時間を長く使って表示の態様を変化し終えることができる。また、その役割を擬似的パターン部分が担うことで、通常のパターンのみで実行される一連の示唆演出とは異なる意外性を遊技者に与えることができる。
また、パターン決定用テーブル421a6及び421b1に設定されている擬似的パターンA+G1及びA+G2は、演出態様の段階的変化が所定の段階数まで進んだときに、擬似的に当該演出態様の変化を1段階進ませた後に1段階戻すというパターン(戻しパターン)である。これにより、演出態様の変化を1段階進ませた後に1段階戻した分だけ、演出態様を段階的に変化させるときの変化の開始から終了までの時間を延ばすことができる。また、進行中の表示態様の段階的変化が戻るという点で、遊技者に意外性を与えることができる。したがって、表示の態様を段階的に変化させるときの変化の開始から終了までの時間の調整と一連の示唆演出の面白さとを両立させるとともに、当該一連の示唆演出を遊技者の記憶に残り易くすることができる。
本実施例6では、操作ボタン440によって遊技者のボタン押下が検出されたタイミングに基づいて、一連の示唆演出のレベルとパターンが決定される点が上述の実施例1から実施例5までと異なる。以下、この点について説明する。
実施例6の表示演出について、図63を参照しながら説明する。図63は実施例6の表示演出のタイミングチャートである。
タイミングT1からタイミングT3までと、タイミングT5からタイミングT6までとは実施例1と同じであるが、実施例1に存在したタイミングT4(示唆演出期間の開始前のタイミングで一連の示唆演出のレベル及びパターンを決定する)が本実施例6には存在しない。その代わりに、実施例6では、タイミングT7aにおいて操作ボタン440の押下によって検出信号が表示制御装置45に入力された後、タイミングT7bにおいて、表示制御装置45は、この検出信号に基づいて、一連の示唆演出のレベル及びパターンを決定する。つまり、一連の示唆演出のレベル及びパターンは、遊技者のボタン押下が検出された後に決定される。
次に、一連の示唆演出について説明する。一連の示唆演出は、示唆演出表示部400における表示態様の段階的変化によって、大当たりが第1図柄の変動表示において発生する期待度を示唆する演出である点で、実施例1から実施例5までと同じである。ただし、本実施例6では、一連の示唆演出のレベルがボタン押下のタイミングに基づいて決定されるため、同じ大当り期待度を示唆する場合であっても、表示態様の段階的変化が異なる点で、実施例1から実施例5までと異なる。この点は次に詳述する。
次に、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化と、ボタン有効期間内に検出された遊技者のボタン押下のタイミングとの関係について、図64を参照して説明する。図64は、実施例6のボタン押下のタイミングと表示態様の段階的変化の関係図である。
以下では、第3表示演出がプレミアムリーチに発展することを示唆する予定の一連の示唆演出において、表示態様の段階的変化が、実施例1で説明したボタン押下タイミングaと、ボタン押下タイミングbと、ボタン押下タイミングcとにおいて、どのように変化するかについて説明する。なお、表示態様の段階的変化は、ボタン押下が検出された時点から1.4秒の均等間隔で実行されるものとする。
ボタン押下タイミングaで実行される表示態様の段階的変化は、点灯開始タイミングsに示すように、示唆演出期間の開始から2.4秒後に第1点灯領域401が点灯され、示唆演出期間の開始から3.8秒後に第2点灯領域402が点灯され、示唆演出期間の開始から5.2秒後に第3点灯領域403が点灯され、示唆演出期間の開始から6.6秒後に第4点灯領域404が点灯され、示唆演出期間の開始から8.0秒後に第5点灯領域405が点灯され、示唆演出期間の開始から9.4秒後に第6点灯領域406が点灯され、示唆演出期間の開始から10.8秒後に第7点灯領域407が点灯される。なお、以下ではこの点灯パターンをパターンAの本来のパターンと呼ぶ。
ボタン押下タイミングbで実行される表示態様の段階的変化は、点灯開始タイミングtに示すように、示唆演出期間の開始から3.4秒後に第1点灯領域401と第2点灯領域402とが同時またはほぼ同時に点灯され、示唆演出期間の開始から4.8秒後に第3点灯領域403が点灯され、示唆演出期間の開始から6.2秒後に第4点灯領域404が点灯され、示唆演出期間の開始から7.6秒後に第5点灯領域405が点灯され、示唆演出期間の開始から9.0秒後に第6点灯領域406が点灯され、示唆演出期間の開始から10.4秒後に第7点灯領域407が点灯される。この一連の示唆演出では、最終的に第7点灯領域407まで点灯されているが、示唆演出表示部400の最終的な点灯段階数は6段階である。つまり、示唆演出表示部400の表示態様の段階的変化が最終的に到達する段階数は6、つまりレベル6に相当する。なお、以下ではこの点灯パターンをパターンA3と呼ぶ。
ボタン押下タイミングcで実行される表示態様の段階的変化は、点灯開始タイミングuに示すように、示唆演出期間の開始から4.4秒後に第1点灯領域401と第2点灯領域402と第3点灯領域403とが同時またはほぼ同時に点灯され、示唆演出期間の開始から5.8秒後に第4点灯領域404が点灯され、示唆演出期間の開始から7.2秒後に第5点灯領域405点灯され、示唆演出期間の開始から8.6秒後に第6点灯領域406が点灯され、示唆演出期間の開始から10.0秒後に第7点灯領域407が点灯される。この一連の示唆演出では、最終的に第7点灯領域407まで点灯されているが、示唆演出表示部400の最終的な点灯段階数は5段階である。つまり、示唆演出表示部400の表示態様の段階的変化が最終的に到達する段階数は5、つまりレベル5に相当する。なお、以下ではこの点灯パターンをパターンA4と呼ぶ。
このように、パターンAとパターンA3とパターンA4とは、第7点灯領域407まで点灯される(プレミアムリーチを示唆する)ものであるが、最終的な点灯段階数が7回,6回,5回のように少なくなり、表示態様の段階的変化の開始から終了までの時間も短くなる。この点灯段階数と段階的変化の開始から終了までの時間は、ボタン押下のタイミングが遅くなるに従って減少している。したがって、ボタン押下のタイミングが遅くなる場合であっても、一連の示唆演出が示唆する期待度を変えないで、一連の示唆演出の時間的長さが短くなるように調整される。その結果、ボタン有効期間のいずれのタイミングで遊技者のボタン押下が検出された場合であっても、一連の示唆演出を最後まで実行できる。
次に、一連の示唆演出における表示態様の段階的変化を実行する電気的構成について図65を参照して説明する。図65は、実施例6の一連の示唆演出を実行する電気的構成を示すブロック図である。
レベル決定部415は、操作ボタン440によって検出された遊技者のボタン押下のタイミングに基づいてレベルを決定する。パターン決定部420は、操作ボタン440によって検出された遊技者のボタン押下のタイミングに基づいてパターンを決定する。レベル決定部415及びパターン決定部420は、レベル・パターン決定用テーブル423を参照してレベル及びパターンを決定する。なお、レベル・パターン決定用テーブル423は、本発明の共通テーブルに相当する。
レベル決定部415及びパターン決定部420がレベル及びパターンを決定する際に使用する操作ボタン440によって遊技者のボタン押下が検出されたタイミングは、操作判断部430内のタイマー431によって取得されたボタン有効期間内で遊技者のボタン押下が検出された時点の時間情報(カウント値)によって知ることができる。当該時間情報は、操作判断部430からレベル決定部415及びパターン決定部420に送信されるものである。
次に、一連の示唆演出におけるレベル及びパターンの決定方法について図66を参照して説明する。図66は、実施例6の一連の示唆演出におけるレベル及びパターン決定用テーブルの模式図である。
一連の示唆演出におけるレベル及びパターンは、レベル・パターン決定用テーブル423a〜423cと、遊技者のボタン押下が検出されたタイミングに相当する時点から示唆演出期間の終了までの残時間tと、当否を識別可能な変動パターンコマンドとを用いて決定される。他にも実施例1のレベル・パターン決定用テーブル423で用いた停止図柄時間等の情報を使用してもよい。
具体的には、第3表示演出がプレミアムリーチに発展することを示唆する予定の一連の示唆演出において、ボタン有効期間の開始から1.0秒後に遊技者のボタン押下が検出された場合、残時間tが10≦t<11なので、レベル・パターン決定用テーブル423aが参照される。レベルは、変動パターンコマンドがプレミアムリーチの内容を含んでいるので、レベル7が決定される。パターンは、残時間tが10≦t<11なので、パターンAが決定される。
また、第3表示演出がプレミアムリーチに発展することを示唆する予定の一連の示唆演出において、ボタン有効期間の開始から2.0秒後に遊技者のボタン押下が検出された場合、残時間tが9≦t<10用なので、レベル・パターン決定用テーブル423bが参照される。レベルは、変動パターンコマンドがプレミアムリーチの内容を含んでいるので、レベル6が決定される。パターンは、残時間tが9≦t<10用なので、パターンA3が決定される。
また、第3表示演出がプレミアムリーチに発展することを示唆する予定の一連の示唆演出において、ボタン有効期間の開始から3.0秒後に遊技者のボタン押下が検出された場合、残時間tが8≦t<9用なので、レベル・パターン決定用テーブル423cが参照される。レベルは、変動パターンコマンドがプレミアムリーチの内容を含んでいるので、レベル5が決定される。パターンは、残時間tが8≦t<9用なので、パターンA4が決定される。
また、例えば、第3表示演出が大当たり時のスペシャルリーチに発展する場合で、残時間tが10≦t<11の間でボタン押下が検出された場合は、レベル6でパターンAが設定される。また、例えば、第3表示演出が外れ時のスーパーリーチに発展する場合で、残時間tが9≦t<10の間でボタン押下が検出された場合は、レベル4でパターンAが設定される。また、例えば、第3表示演出が大当たり時のノーマルリーチのままで、残時間tが8≦t<9の間でボタン押下が検出された場合は、当否を識別可能な変動パターンコマンドに含まれる停止図柄時間が「長」であれば、レベル2でパターンAが設定され、提示図柄時間が「中」であれば、レベル1でパターンAが設定される。
次に、一連の示唆演出に関する制御処理について図67を用いて説明する。図67は、実施例6の示唆演出制御処理のフローチャートである。
ステップS1700からステップS1720までと、ステップS1730からステップS1740とは実施例1と同じである。ただし、実施例6では、ステップS1730における「ボタンを押せ!」のコメントの表示より前に、レベル決定部415もパターン決定部420も一連の示唆演出のレベル及びパターンのいずれも決定しない点で実施例1から実施例5までと異なっている。
ステップS1740において、操作判断部430がボタン有効期間内に遊技者のボタン押下を検出した場合、ステップS1741では、レベル決定部415及びパターン決定部420は、当該検出信号を受けて一連の示唆演出のレベル及びパターンを決定する。ステップS1742では、示唆演出実行部425は、この決定されたレベル及びパターンに沿って表示態様の段階的変化を実行する。ステップS1810では、表示態様の段階的変化が終了した場合、一連の示唆演出を終了する。
ステップS1740において、ボタン有効期間に遊技者のボタン押下が検出されなかった場合、そのまま本処理を終了する。なお、第3表示演出は第1図柄表示装置42で続行されている。
上述したように、本実施例6に係る遊技機によれば、レベル決定部415は、操作ボタン440によって検出された遊技者のボタン押下のタイミングに基づいて、表示態様の段階的変化が最終的に到達する段階数に相当するレベルを決定する。パターン決定部420は、操作ボタン440によって検出された遊技者のボタン押下のタイミングに基づいて、決定されたレベルに達するまでの表示態様の段階的変化のパターンを決定する。表示制御装置45のCPU521の一機能である示唆演出実行部425は、レベル決定部415によって決定されたレベルとパターン決定部420によって決定されたパターンとに応じて、遊技者のボタン押下がボタン有効期間内に検出された場合に、示唆演出期間内で示唆演出表示部400に表示態様の段階的変化を最後まで実行させる。
したがって、検出された遊技者の動作の態様に基づいて、演出態様の段階的変化が最終的に到達する段階数に相当するレベルと、当該レベルに達するまでの演出態様の段階的変化のパターンとが決定されるので、遊技者の動作が検出されたときの当該動作の態様の違いを考慮して、表示の態様を段階的に変化させるときの段階数及び変化の開始から終了までの時間を調整することができる。その結果、所定の検出有効期間のいずれのタイミングで遊技者の動作が検出された場合であっても、当該動作が検出された後に、所定の示唆演出期間内で一連の示唆演出を最後まで実行することができる。
また、検出有効期間内に検出された遊技者の動作の態様を最大限に活かして、一連の示唆演出に関連する演出を実行することもできる。
また、一連の示唆演出におけるレベル及びパターンが決定された後に、所定の検出有効期間内において検出される遊技者の動作タイミングの早い遅いの違いなどを考慮して、一連の示唆演出における段階的変化の態様を微調整する必要が低減される分、この種の微調整等に起因して生じる恐れのある表示制御手段の誤作動によって遊技者に与える遊技意欲の低減を抑制することもできる。
すなわち、一連の示唆演出における段階的変化の態様が決定された後に、所定の検出有効期間内において検出される遊技者の動作タイミングの早い遅いの違いなどを考慮して、一連の示唆演出における段階的変化の態様を微調整する必要が多くなりすぎる場合、当該微調整を行う機能を有する例えばCPU等の発熱量が大幅に増えてしまったりする場合がある。これにより、コマンドとして主制御手段から表示制御手段に送信される、特別遊技状態を発生させる抽選の抽選結果と、例えばリーチ演出のような識別情報の変動表示に伴って実行される表示演出とが一致しなくなるような誤作動が表示制御手段に生じる場合があるという問題である。これに対して、本発明では、一連の示唆演出における段階的変化の態様が決定された後に、所定の検出有効期間内において検出される遊技者の動作タイミングの早い遅いの違いなどを考慮して、一連の示唆演出における段階的変化の態様を微調整する必要が低減される分だけ、CPU等の発熱量を抑えたりして、表示制御手段に生じる恐れのある上述の誤作動を低減させることができる。その結果、表示制御手段の誤作動によって遊技者に与える遊技意欲の低減を抑制することができる。
また、レベル決定部415は、遊技者のボタン押下が検出されたタイミングに基づいてレベルを決定する。パターン決定部420は、遊技者のボタン押下が検出されたタイミングに基づいてパターンを決定する。したがって、遊技者のボタン押下が検出されるタイミングの早い遅いや遊技者のボタン押下が検出されるタイミングを考慮して、表示態様を段階的に変化させるときの段階数及び変化の開始から終了までの時間を調整することができる。
また、レベル・パターン決定用テーブル423は、遊技者のボタン押下が検出されたタイミングに相当する時点から示唆演出期間の終了までの残時間tごとに、複数のレベルと複数のパターンとを記憶する。また、レベル・パターン決定用テーブル423は、ボタン押下のタイミングが早くなるに従ってレベルの中から高いレベルを決定し易くなるように構成されるとともに、ボタン押下のタイミングが早くなるに従ってパターンの中から演出態様の段階的変化を実行させるときの変化の開始から終了までの時間が長いパターンを決定し易くなるように構成されている。したがって、残時間の長さに応じて一連の示唆演出の時間的長さを好適に調整することができる。
また、レベル・パターン決定用テーブル423は、残時間ごとに複数種類のレベルとパターンとを対応させた共通テーブルとして機能している。レベル決定部415とパターン決定部420は、残時間に応じたテーブルの中から遊技者の動作が検出されたタイミングに基づいてレベルとパターンとを決定する。したがって、レベル決定用のテーブルとパターン決定用のテーブルとを個別に備える場合よりも、テーブルの記憶数が少なくて済む。
本実施例7では、一連の示唆演出が実行され且つ大当たり状態が発生する場合に、その一連の示唆演出ありの大当たり発生回数がカウントされる点が、実施例1から実施例6までと異なる点である。以下、この点について説明する。
実施例7の変動表示開始から大当たり演出終了までの流れについて、図68を参照しながら説明する。図68は実施例7の変動表示開始から大当たり演出終了までのタイミングチャートである。
タイミングT1からタイミングT12までは、実施例1から実施例6までと概ね同じであるが、タイミングT13からタイミングT18までが、本実施例7で新たに説明として加えられた内容である。ただし、タイミングT3において、表示制御装置45は、当否を識別可能な変動パターンコマンドを受信すると、一連の示唆演出ありの大当たり発生回数をカウントするために、当該変動パターンコマンドが、第1図柄の抽選結果において一連の示唆演出が実行され且つ大当たり状態に当選しているものか否か判断している。
タイミングT12では、仮停止中の第1図柄を確定停止させて、所定の確定停止時間のあいだ確定停止状態を表示させ、遊技者に確定図柄をはっきりと認識させる。タイミングT13では、主制御装置261は、表示制御装置45に対して、確定コマンド送信時(タイミングT11)から所定の確定表示期間を経過した後、オープニングコマンドを送信する。オープニングコマンドとは、大当たり演出表示を開始させるタイミングであること示す画像(後述する「やったね大当たり!」のコメント画像等)を表示制御装置45に表示させるためのコマンドである。大当たり演出とは、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数繰り返し開放されるに伴って、第1図柄表示装置42等に対して画像演出を表示させたり音声等をさせたりする演出である。
タイミングT14では、表示制御装置45は、大当たり状態に当選している場合、オープニングコマンドに基づいて、第1図柄表示装置42に「やったね大当たり!」のコメント画像や、大当たり種別(例えば大入賞口を何回開放させる演出であるか等の種別)を表示させる。タイミングT15では、主制御装置261は、表示制御装置45に対して、大当たりの各ラウンドにおける大当たり演出表示の開始を指示する大当たり中コマンドを送信する。なお、これに伴い、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数繰り返し開放される。タイミングT16では、表示制御装置45は、大当たり中コマンドに基づいて、大当たり状態中の各ラウンドの演出表示を開始する。タイミングT17では、主制御装置261は、表示制御装置45に対して、大当たり演出表示の終了を指令するエンディングコマンドを表示制御装置45に送信する。タイミングT18では、表示制御装置45は、大当たり状態中の演出表示を終了する。なお、可変入賞装置32の大入賞口も所定回数の開放を終える。通常大当たりであれば、これにて特別遊技状態が終了し、確変大当たりであれば、その後、確率変動状態が発生し、時短大当たりであれば、その後、時短状態が発生する。
次に、一連の示唆演出について説明する。本実施例7においても、実施例1から実施例6までと同じ内容の一連の示唆演出が実行可能であるものとする。
次に、実施例7の電気的構成について図69を参照して説明する。図69は、実施例7の電気的構成を示すブロック図である。
表示制御装置45のCPU521は、実施例1から実施例6までと同様に、第1判断部410と、第2判断部412と、レベル決定部415と、パターン決定部420と、示唆演出実行部425と、操作判断部430と、タイマー431とを備え、ROM522は、レベル・パターン決定用テーブル423を備え、ワークRAM523は、第1記憶部450と、第2記憶部455とを備える。本実施例7ではさらに、以下に説明するように、CPU521は、第3判断部413と、履歴表示実行部426と、発生回数カウント部433とを備え、ワークRAM523は、カウント用記憶部456と、履歴情報記憶部457とを備えるる点で実施例1から実施例6までと異なる。なお、実施例1から実施例6までと同様の構成のものは同じ符号を付している。
CPU521は、主制御装置261から受信した当否を識別可能な変動パターンコマンドに含まれる、第1図柄の変動表示において一連の示唆演出が実行されることを示し且つ特別遊技状態(例えば大当たり等)に当選することを示す特定種別情報を受け取り、且つ、主制御装置261から受信したオープニングコマンドに含まれる、大当たり状態への移行を示す移行情報を受け取ることによって、特定種別情報の受取りを一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数としてカウントする機能を有する。特定種別情報とは、当否を識別可能な変動パターンコマンドに所定のバイト数の情報として含まれている情報のことであり、後述する第1種別情報と第2種別情報とを含むものである。CPU521の発生回数カウント機能は、本発明の発生回数カウント手段に相当し、特定種別情報は、本発明の種別情報に相当する。
CPU521の発生回数カウント機能は、CPU521の第1判断部410と、第2判断部412と、第3判断部413と、発生回数カウント部433と、ワークRAM523のカウント用記憶部456と、履歴情報記憶部457とによって実現される。以下、発生回数カウント機能を構成する各機能ついて説明する。
第1判断部410は、主制御装置261から当否を識別可能な変動パターンコマンドが受信されると、その当否を識別可能な変動パターンコマンドに含まれる、第1図柄の変動表示において大当たりに当選することを示す第1種別情報を受け取ったか否か判断する機能を有する。この第1種別情報は、上述の特定種別情報に含まれる情報である。なお、当否を識別可能な変動パターンコマンドの代わりに、停止図柄コマンドを用いて第1図の変動表示における当否を判断してもよい。
第2判断部412は、主制御装置261から当否を識別可能な変動パターンコマンドが受信されると、その当否を識別可能な変動パターンコマンドに含まれる、第1図柄の変動表示において一連の示唆演出が実行されることを示す第2種別情報を受け取ったか否か判断する機能を有する。この第2種別情報は、上述の特定種別情報に含まれる情報である。なお、当否を識別可能な変動パターンコマンドの代わりに、通常の変動パターンコマンドを用いて一連の示唆演出が実行されるか否か判断してもよい。上述の第1判断部410と第2判断部412とは、本発明の種別情報判断手段に相当する。
特定種別情報は、当否を識別可能な変動パターンコマンドから読み出された後、第2判断部412に接続されているカウント用記憶部456に記憶される。カウント用記憶部456に記憶された特定種別情報は、発生回数カウント部433に読み出されるように構成されている。なお、カウント用記憶部456は、本発明のカウント用記憶部に相当する。
第3判断部413は、主制御装置261からオープニングコマンドを受信すると、そのオープニングコマンドに含まれる、大当たり状態への移行を示す移行情報を受け取ったか否かを判断する機能を有する。移行情報とは、オープニングコマンドに所定のバイト数の情報として含まれている情報のことである。第3判断部413は、このバイト数の情報から大当たり状態へ移行するか否かを判断するものである。なお、第3判断部413は、本発明の移行情報判断手段に相当する。
発生回数カウント部433は、主制御装置261から受信した当否を識別可能な変動パターンコマンドから上述の特定種別情報を受け取った場合で、且つ、主制御装置261から受信したオープニングコマンドから上述の移行情報を受け取った場合に、この特定種別情報の受け取りを、一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数としてカウントする機能を有する。つまり、発生回数カウント部433は、特定種別情報が入力され且つ移行情報が入力された場合に履歴情報記憶部457に発生回数を1増やす信号を出力する。
履歴情報記憶部457は、発生回数カウント部433によって一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数に含めると判断された特定種別情報の受取りを履歴情報として記憶する機能を有する。つまり、履歴情報記憶部457は、発生回数カウント部433から特定種別情報の受け取りを示す信号が入力された場合に、一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数を1増やして記憶するように構成されている。なお、履歴情報記憶部457は、本発明の履歴情報記憶部に相当する。
履歴表示実行部426は、遊技者の所定の動作が検出された場合に、発生回数を含む一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生履歴を第1図柄表示装置42に表示させる機能を有する。履歴表示実行部426は、発生履歴を第1図柄表示装置42に表示させる指令を画像コントローラー526に与え、画像コントローラー526は、第1図柄表示装置42に発生履歴を表示させる。遊技者の所定の動作とは、例えば、操作ボタン440等の演出用ボタンの押下や、発生履歴表示専用ボタンの押下等のことである。なお、履歴表示実行部426は、本発明の履歴表示実行手段に相当する。
履歴表示実行部426が所定期間内に行われた遊技者の所定の動作のみを受け入れる場合は、例えば、第1図柄表示装置42において第1図柄の変動表示や大当たり演出が表示されていないデモ画面の表示期間等を履歴表示期間として定めてもよい。この場合、履歴表示実行部426は、履歴表示期間等の所定期間内にボタン押下が検出された場合にのみ、発生履歴を第1図柄表示装置42に表示させることになる。遊技者の所定の動作が履歴表示期間等の所定期間内に行われたか否かの判断は、例えば、操作判断部430内のタイマー431によって検出された所定の動作のタイミングが、第1図柄の変動表示が開始された時点(図68のタイミングT3)から、大当たり演出表示が終了する時点(図68のタイミングT18)までに検出されたか否かによって行うとよい。
第1図柄表示装置42は、履歴情報記憶部457に記憶された履歴情報を表示可能に構成されている。第1図柄表示装置42に表示される履歴情報としては、パチンコ機10に電源が投入されてから次にパチンコ機10に電源が投入されるまでに、一連の示唆演出ありの大当たり状態が発生した累積数(発生回数)や、一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生を第1図柄の抽選回数や時刻などとともに一覧表示するもの等が考えられる。なお、第1図柄表示装置42は、本発明の表示手段に相当する。
電源投入判断部427は、パチンコ機10に電源が投入されたか否かを判断するものである。電源投入ごとに発生履歴をリセットする場合は以下のように構成するとよい。例えば、電源投入判断部427が電源投入ありと判断した場合、発生回数カウント部433に信号を送り、発生回数カウント部433は、カウント用記憶部456と、履歴情報記憶部457にリセット信号を出力するように構成される。これにより、カウント用記憶部456に記憶された特定種別情報の受け取りを示す情報や、履歴情報記憶部457に記憶された発生履歴がリセットされる。
次に、実施例7における履歴表示の表示画面について図70を用いて説明する。図70は、実施例7における履歴表示の表示画面を説明するための図である。(a)は、大当たり発生回数を表示する第1図柄表示装置42の表示画面の一例であり、(b)は、大当たり発生履歴と発生時刻を表示する第1図柄表示装置42の表示画面の一例である。
図70(a)に示す第1図柄表示装置42の表示画面には、遊技ホールの所定の営業日における総大当たり回数、連チャン回数、魚群大当たり回数、レベル7点灯あり大当たり回数、レベル5点灯あり大当たり回数、レベル4点灯あり大当たり回数、レベル3点灯あり大当たり回数が発生履歴として表示されている。なお、レベル2以下の点灯あり大当たり回数や、他の種別の大当たり回数の表示は省略されているが、表示を下にスクロールすればこれらの大当たり回数も表示されるようにしてもよい。
図70(b)に示す第1図柄表示装置42の表示画面には、上述の発生履歴の別の表示方法として、レベル7点灯あり大当たりが9時15分、9時27分、9時43分に発生し、レベル6点灯あり大当たりが10時05分に発生し、レベル7点灯あり大当たりが10時28分に発生し、魚群大当たりが11時05分に発生し、通常大当たりが12時05分、13時05分に発生していることを示す発生履歴と時刻情報とが表示されている。また、上述のように、表示を上下にスクロールできるようにしてもよい。
次に、履歴表示制御処理について図71を用いて説明する。図71は、実施例7の履歴表示制御制御処理のフローチャートである。
ステップS1700では、第1判断部410は、当否を識別可能な変動パターンコマンドを受信したか否かを判断する。判断の結果、受信していれば、ステップS1705へ進み、受信していなければ、ステップS1840へ進む。
ステップS1705では、第1判断部410は、当否を識別可能な変動パターンコマンドに基づいて、第1図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを判断する。判断の結果、大当たりであれば、第1種別情報をカウント用記憶部456に送り、ステップS1715へ進む。大当たりでなければ、ステップS1840へ進む。
ステップS1715では、第2判断部412は、当否を識別可能な変動パターンコマンドに基づいて、一連の示唆演出の実行があるか否かを判断する。判断の結果、一連の示唆演出の実行があれば、第2種別情報をカウント用記憶部456に送り、ステップS1815へ進む。一連の示唆演出の実行がなければ、ステップS1840へ進む。
なお、ステップS1705及びステップS1715は、一つの判断部によって実行されるように構成してもよい。この場合、該判断部は、当否を識別可能な変動パターンコマンドから一度に特定種別情報を生成し、この特定種別情報をカウント用記憶部456に送る。これにより、変動パターンコマンドの解析処理時間が短縮される。
ステップS1815では、カウント用記憶部456は、第1判断部410から送られた第1種別情報と、第2判断部412から送られた第2種別情報とをまとめて、第1図柄の抽選結果が大当たりであることを示し且つ一連の示唆演出が実行されることを示す特定種別情報の受け取りを示す受取り有りの情報を記憶する。具体的には、カウント用記憶部456は、フラグを立てる、又は、「1」を加算する(なお、以下ではフラグを立てるとして説明するが、「1」の加算でも同じである)。ステップS1700から本ステップS1815までは複数ステップをはさんでいるが、時間的には、主制御装置261から当否を識別可能な変動パターンコマンドを受信した直後の時点で、この受取り有りの情報がカウント用記憶部456に記憶されることになる。受取り有りの情報を主制御装置261から当否を識別可能な変動パターンコマンドを受信した直後の時点で記憶することによって、受取り有りの情報がパチンコ機10内部に発生するノイズの影響を受け難くなる。なお、このフラグが立てられているとの情報は、本発明のカウント用記憶部に記憶される受取り有りの情報に相当する。
このステップS1815によってフラグが立てられている場合は、本来、一連の示唆演出の実行ありの大当たり状態が現実に発生しているはずである。しかしながら、パチンコ機10内部に発生するノイズの影響等によって、ステップS1815を経ずにカウント用記憶部456にフラグが立てられてしまう場合もある。このような場合、本来、第1図柄の変動表示において一連の示唆演出の実行ありの大当たり状態が現実に発生していないが、この時点でのパチンコ機10内部では一連の示唆演出の実行ありの大当たり状態が現実に発生していると認識されてしまう。
ステップS1820では、第3判断部413は、主制御装置261から確定コマンドを受信したか否かを判断する。なお、第3判断部413以外の判断部によって確定コマンドの受信を判断させてもよい。判断の結果、受信したと判断されれば、ステップS1825へ進み、受信していないと判断されれば、受信されるまで本ステップS1820を繰り返す。
上述のノイズの影響等によって、ステップS1815を経ずにカウント用記憶部456にフラグが立てられてしまう場合においても、第1図柄の変動表示が確定するときには確定コマンドが表示される。そのため、この時点においては未だ、カウント用記憶部456に記憶されたフラグが立てられているとの情報が、変動パターンコマンドによるものか、ノイズ等によるものかを判断し難い。
ステップS1825では、第3判断部413は、主制御装置261からオープニングコマンドを受信したか否かを判断する。判断の結果、受信していれば、移行情報を発生回数カウント部433へ送り、ステップS1835へ進む。受信していなければ、ステップS1830へ進む。
ステップS1830では、発生回数カウント部433は、確定コマンドを受信した後の所定の期間内に移行情報を受信しなかった場合、カウント用記憶部456にフラグが立てられているがこれを発生回数に含めないと判断して、その後、カウント用記憶部456からフラグを降ろす(なお、以下ではフラグを降ろすとして説明するが、「1」の減算でも同じである)。オープニングコマンドを受信しなかった原因として、パチンコ機10内部に発生するノイズの影響等によって、ステップS1815を経ずにカウント用記憶部456にフラグが立てられたことが考えられる。このような場合、本来、一連の示唆演出の実行ありの大当たり状態が現実に発生していないのだから、主制御装置261からはオープニングコマンドが送信されない。よって、主制御装置261からはオープニングコマンドが送信されていないにも関わらず、カウント用記憶部456にフラグが立てられている場合には、そのフラグを降ろすことによって、その後、誤った受取り有り情報に基づき発生回数がカウントされる恐れがなくなり、誤った発生履歴を遊技者の目に触れさせないことが可能となる。
ステップS1835では、発生回数カウント部433は、確定コマンドを受信した後の所定の期間内に移行情報を受信した場合、カウント用記憶部456にフラグが立てられているのでこれを発生回数に含めると判断して、その後、カウント用記憶部456のフラグを降ろす。そして、発生回数カウント部433は、発生回数に含めると判断された特定種別情報の受取りを履歴情報として履歴情報記憶部457に記憶させる。履歴情報は、発生回数が1ずつ加算されるものである場合もあるし、一連の示唆演出ありの大当たりの発生情報がその抽選回数や時刻とともに記憶される場合もある。
ステップS1840では、履歴表示実行部426は、遊技者のボタン押下が有効であるか否かを判断する。判断の結果、ボタン押下が有効であればステップS1845に進み、ボタン押下が無効であればステップS1850に進む。
ステップS1845では、履歴表示実行部426は、履歴情報記憶部457に記憶された履歴情報に基づいて、一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生履歴を第1図柄表示装置42に表示させる。このように表示される特定示唆演出有ありの特別遊技状態の発生履歴は、遊技機内部で発生するノイズ等の影響を受けない正確な情報として表示されることになる。
ステップS1850では、電源投入判断部427は、パチンコ機10に電源投入されたか否かを判断する。判断の結果、電源投入されていればステップ1850に進み、電源投入ありの信号を発生回数カウント部433に送る。電源投入されていなければそのまま本処理を終了する。
ステップS1855では、電源投入ありの信号を受けて、発生カウント部433は、カウント用記憶部456においてフラグが立てられている場合はフラグを降ろし、履歴表示実行部426に記憶されている履歴情報をリセットする処理を行う。
以上で、一連の履歴表示処理を終了する。
上述したように、本実施例7に係る遊技機によれば、表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から受信した当否を識別可能な変動パターンコマンドに含まれる、第1図柄の変動表示において一連の示唆演出が実行されることを示し且つ大当たりに当選することを示す特定種別情報を受け取った場合で、且つ、主制御装置261から受信したオープニングコマンドに含まれる、大当たり状態への移行を示す移行情報を受け取った場合に、特定種別情報の受取りを一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数としてカウントする機能を有する発生回数カウント部433を備える。つまり、特定種別情報を受け取り且つ移行情報を受け取った場合は、通常、一連の示唆演出ありの大当たり状態が現実に発生している可能性が高いので、発生回数カウント部433は、特定種別情報の受取りを上述の発生回数としてカウントする。したがって、ノイズ等の影響を受けにくく正確に一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数をカウントできる。
すなわち、パチンコ機10内部に発生するノイズ等の影響によって、誤って、第1図柄の変動表示において一連の示唆演出が実行され且つ大当たり状態に当選することを示す特定種別情報を受け取ったと判断される場合がある。ただし、そのような場合は、第1図柄の変動表示の確定後に主制御装置261から大当たり状態への移行を示すオープニングコマンドが来ない。そこで、特定種別情報を受け取ったと判断された場合であっても、直ちに上述の発生回数としてカウントするのではなく、オープニングコマンドを受け取ったか否かに応じて、特定種別情報の受取りを上述の発生回数としてカウントする。これにより、ノイズ等の影響を受けにくく正確に一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数をカウントできる。その結果、一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数に対する信頼性の低下を抑えることによって、この種の発生回数を基に遊技を楽しむ遊技者の遊技意欲の減退を抑えることができる。
また、表示制御装置45のCPU521は、特定種別情報を受け取った場合であっても移行情報を受け取らなかった場合は特定種別情報の受取りを発生回数としてカウントしない機能を有する発生回数カウント部433を備える。つまり、このような場合は一連の示唆演出ありの大当たり状態が現実には発生していない可能性があるので、発生回数カウント部433は、特定種別情報の受取りを上述の発生回数としてカウントしない。したがって、一連の示唆演出ありの大当たり状態が現実に発生しているか否か不確かな場合をカウントに含めないことによって、カウントされた一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数の信頼性が低下することを抑えることができる。
また、表示制御装置45のワークRAM523は、主制御装置261から特定種別情報を含む当否を識別可能な変動パターンコマンドを受信した時点で、フラグを立てるカウント用記憶部456を備える。表示制御装置45のCPU521は、第1図柄の変動表示の確定後に移行情報を受け取った場合に、カウント用記憶部456にフラグが立っているので、これを発生回数に含めると判断して、その後、カウント用記憶部456に記憶されたフラグを降ろす機能を有する発生回数カウント部433を備える。したがって、正確に一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数をカウントできるようになる。
すなわち、主制御装置261から特定種別情報を含む当否を識別可能な変動パターンコマンドを受信した時点は、パチンコ機10内部で発生するノイズ等の影響を受けにくい時点なので、上述の受取り有りの情報が正確にカウント用記憶部456に記憶され易い。また、第1図柄の変動表示の確定後に移行情報を受け取るということは、主制御装置261によって大当たり状態への移行が正しく認識されている可能性が高い。そこで、主制御装置261から特定種別情報を含む当否を識別可能な変動パターンコマンドを受信した時点で記憶した上述の受取り有りの情報と、第1図柄の変動表示の確定後に受け取った移行情報とが揃った場合に、受取り有りの情報を上述の発生回数に含めることで、正確に一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数をカウントできるようになる。
また、カウント用記憶部456に記憶された受取り有りの情報は、発生回数のカウントとの後に削除されるので、2重カウントのおそれも低減される。
また、表示制御装置45のCPU521は、第1図柄の変動表示の確定後に移行情報を受け取らなかった場合に、カウント用記憶部456にフラグが立っているが発生回数に含めないと判断して、その後、カウント用記憶部456のフラグを降ろす。したがって、カウントされた一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数の信頼性の低下を抑えることができる。
すなわち、主制御装置261から特定種別情報を含む一連の示唆演出を受信した時点は、パチンコ機10内部で発生するノイズ等の影響を受けにくい時点なので、上述の受取り有りの情報が正確にカウント用記憶部456に記憶され易い。ところが、第1図柄の変動表示を開始する時点では主制御装置261から特定種別情報を含む当否を識別可能な変動パターンコマンドを受信していないにも関わらず、その後のノイズ等の影響によって誤って上述の受取り有りの情報がカウント用記憶部456に記憶されてしまう場合がある。そこで、第1図柄の変動表示の確定後に移行情報を受け取らなかった場合は、カウント用記憶部456に記憶されている受取り有りの情報を上述の発生回数に含めないと判断することによって、カウントされた一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数の信頼性の低下を抑えることができる。また、カウント用記憶部456に記憶された受取り有りの情報を削除することによって、誤って記憶された可能性のある上述の受取り有りの情報を上述の発生回数に含めてしまう恐れを低減することができる。
また、表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から受信した当否を識別可能な変動パターンコマンドに含まれる、大当たり状態に当選することを示す第1種別情報を受け取ったか否かを判断する第1判断部410と、主制御装置261から受信した当否を識別可能な変動パターンコマンドに含まれる、第1図柄の変動表示において一連の示唆演出が実行されることを示す第2種別情報を受け取ったか否かを判断する第2判断部412とを備える。この第1種別情報と第2種別情報とは特定種別情報にまとめられる。発生回数カウント部433は、第1判断部410及び第2判断部412から特定種別情報を受け取ったと判断された場合で、且つ、第3判断部413で移行情報を受け取ったと判断された場合に、この特定種別情報の受取りを一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数としてカウントする。したがって、上述までの発明を好適に実現できる。
また、表示制御装置45のワークRAM523は、上述の発生回数に含めると判断された特定種別情報の受取りを履歴情報として記憶する履歴情報記憶部457を備える。第1図柄表示装置42は、履歴情報記憶部457に記憶された履歴情報を表示可能に構成されている。表示制御装置45のCPU521は、遊技者の操作ボタン440のボタン押下が所定の履歴表示期間内に検出された場合に、上述の発生回数を含む一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生履歴を第1図柄表示装置42に表示させる履歴表示実行部426を備える。したがって、正確な一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生履歴を遊技者に提供することができる。
また、表示制御装置45のCPU521は、第1判断部410と第2判断部412と第3判断部413と発生回数カウント部433と履歴表示実行部426とを備える。したがって、特定種別情報を受け取ったか否かの判断と、オープニングコマンドを受け取ったか否かの判断と、一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数のカウントと、この発生回数を含む履歴表示の実行との機能をひとつの表示制御装置45で実現することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例1では、CPU521にパターン決定部420を備えて、選択可能な複数のパターンの中から一のパターンを決定するように構成していたが、選択可能なパターンが一つであっても構わない。この場合、レベル決定部415がレベルを決定すれば、パターンの決定過程を経ずに、予め決められたパターンに従って示唆演出実行部425が一連の示唆演出を実行することになる。
(2)上述した実施例1から実施例6までは、一連の示唆演出によって示唆される特別遊技状態が発生する期待度は、大当たり状態が発生する期待度であるとしたが、これに限らず、確変状態や時短状態が発生する期待度であってもよい。
(3)上述した実施例1から実施例6までは、一連の示唆演出は第3表示演出期間中に1回のみ実行されたが、これに限らず、一連の示唆演出は第3表示演出期間中に複数回実行されてもよい。
(4)上述した実施例1から実施例6までは、第3表示演出においてノーマルリーチからプレミアムリーチへ発展する場合のみであったが、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展し、さらにスーパーリーチからプレミアムリーチへ発展するような、複数回のリーチ発展演出が実行されるものであってもよい。各リーチ発展演出の際に、一連の示唆演出を実行してもよい。
(5)上述した実施例6では、操作ボタン440によって検出された遊技者のボタン押下のタイミングに基づいて、表示態様の段階的変化が最終的に到達する段階数に相当するレベルを決定し、操作ボタン440によって検出された遊技者のボタン押下のタイミングに基づいて、レベルに達するまでの表示態様の段階的変化のパターンを決定したが、動作検出手段によって検出される遊技者の動作の態様は、これに限らず、操作ボタン440によって検出される遊技者のボタン押下の回数であってもよい。
(6)上述した各実施例において、レベル・パターン決定用テーブル423を使用している例ではレベル決定用テーブル416及びパターン決定用テーブル421を使用しても構わず、レベル決定用テーブル416及びパターン決定用テーブル421を使用している例ではレベル・パターン決定用テーブル423を使用しても構わない。
(7)上述した実施例7では、特定種別情報は、一連の示唆演出が実行され且つ大当たり状態に当選することを示す情報であったが、特定種別情報の内容はこれに限らず、特定のリーチ演出が実行され且つ大当たり状態に当選することを示すものであってもよい。例えば、第2判断部412がノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ、プレミアムリーチ等のリーチ種別を判断し、そのリーチ種別の情報を第2種別情報に含ませてもよい。また、実施例1〜6の示唆演出表示部400で行われる一連の示唆演出以外の他の示唆演出が実行され且つ大当たり状態に当選することを示すものであってもよい。例えば、魚群予告等の特定示唆演出が行われ且つ大当たり状態に当選したこと等がある。
(8)上述した実施例7では、移行情報は、大当たり状態(所定ラウンド数にわたって大入賞口が開閉動作する状態)への移行を示すものであったが、この他にも、通常の大当たり状態、確率変動付き大当たり状態、及び、時短付き大当たり状態のいずれかへの移行を示すものであってもよい。この場合、オープニングコマンドのビット情報には、大当たり状態に移行するか否かの情報だけでなく、その大当たりの種別が通常のものか、確率変動付きか、時短付きか等の情報が含まれている。大当たりの種別は、第1判断部410が大当たり状態に当選したか否かを判断する過程で行うことが考えられる。
(9)上述した実施例7では、特定種別情報を受け取ったと判断された場合であっても移行情報を受け取らなかったと判断された場合の処理は、特定種別情報の受取りを一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数としてカウントしないものであったが、これ以外の処理であっても構わない。すなわち、この場合に、特定種別情報の受取りをエラー発生回数としてカウントし、エラー発生回数を含むエラー発生履歴を表示するように構成してもよい。
(10)上述した実施例7では、パチンコ機10の第1図柄表示装置42に発生履歴を表示させていたが、パチンコ機10以外に設けられた他のデータ表示器などに発生履歴を表示させてもよい。また、パチンコ機10の第1図柄表示装置42以外の箇所、例えば、内枠12の裏面側等の遊技者から目立ちにくい箇所に、遊技ホールの管理者が確認するためのデータ表示器などを設けてもよい。
(11)上述の実施例7では、表示制御装置45が一連の履歴表示制御処理を行っていたが、図72に示すように、主制御装置261からのコマンドを受信して各種の制御を行うサブ制御装置470が一連の履歴表示制御処理を行っても構わない。なお、図72は、実施例7の変形例に係る電気的構成を示すブロック図である。
この場合、サブ制御装置470は、実施例2のサブ制御装置470と基本的構成が共通しているが、CPU471において一連の履歴表示制御処理を行うように構成されている点が異なる。すなわち、CPU471は、第1判断部410と第2判断部412と第3判断部413と発生回数カウント部433と履歴表示実行部426とを備える。RAM473は、カウント用記憶部456と履歴情報記憶部457とを備える。したがって、特定種別情報を受け取ったか否かの判断と、移行情報を受け取ったか否かの判断と、一連の示唆演出ありの大当たり状態の発生回数のカウントと、この発生回数を含む履歴表示の実行との機能をひとつのサブ制御装置470で実現することができる。これにより、実施例7で表示制御装置45に課せられていた履歴情報表示に関する制御負荷をサブ制御装置470に分散させることにより、表示制御装置45aの発熱量を抑え、表示制御装置45aの誤作動を防止することができる。
(12)本発明を上記実施例1から実施例7までとは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定されるものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
(13)各実施例1〜6及び上述の変形実施例(1)〜(7)は、各々相反するものでない限り、適宜組み合わせた構成や適宜置換した構成とすることも可能である。また、実施例1〜6及び上述の変形実施例(1)〜(7)に開示する各構成は、本発明の目的に反するものでない限り、当該構成を削除したり、当該構成を同等の作用ないし機能を有する構成に変更したりすることも可能である。