JP2020123091A - リスク強度取得システム、リスク強度表示システムおよびリスク強度取得プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】交差道路から進入し得る移動体についてのリスクの強度を評価する技術の提供。【解決手段】車両の走行車線に交差する交差道路が、走行車線に隣接する車線を走行する隣接車線走行車両に塞がれていない範囲を取得する範囲取得部と、移動体が交差道路から走行車線に進入するリスクの強度であって、範囲が大きいほどリスクの強度が大きくなる強度を取得するリスク強度取得部と、を備えるリスク強度取得システムを構成する。【選択図】図1
Description
本発明は、走行に関する情報を提供するリスク強度取得システム、リスク強度表示システムおよびリスク強度取得プログラムに関する。
従来、車両の走行車線に隣接する車線から走行車線に進入する移動体に対する危険度を判定する技術が知られている。例えば、特許文献1には、対向車線の歩行者、自転車などの対象物が通行する側のすり抜け余裕度を算出し、対向車両の車間距離を算出し、すり抜け余裕度と車間距離に基づいて対向車線から飛び出してくる対象物の危険度を判別する技術が開示されている。
従来の技術においては、車両の走行車線に交差する交差道路から走行車線に進入し得る車両等の移動体についてのリスクの強度を評価することができなかった。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、交差道路から進入し得る移動体についてのリスクの強度を評価する技術の提供を目的とする。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、交差道路から進入し得る移動体についてのリスクの強度を評価する技術の提供を目的とする。
上記の目的を達成するため、車両の走行車線に交差する交差道路が、走行車線に隣接する車線を走行する隣接車線走行車両に塞がれていない範囲を取得する範囲取得部と、移動体が交差道路から走行車線に進入するリスクの強度であって、当該範囲が大きいほどリスクの強度が大きくなる強度を取得するリスク強度取得部と、を備える。
さらに、上記の目的を達成するため、リスク強度取得プログラムは、コンピュータを、車両の走行車線に交差する交差道路が、走行車線に隣接する車線を走行する隣接車線走行車両に塞がれていない範囲を取得する範囲取得部、移動体が交差道路から走行車線に進入するリスクの強度であって、当該範囲が大きいほどリスクの強度が大きくなる強度を取得するリスク強度取得部、として機能させる。
すなわち、交差道路を移動する移動体が走行車線まで進入するためには、交差道路から走行車線への進入経路が隣接車線走行車両に塞がれておらず、当該移動体が通過する余地がある状態であることが必要である。そこで、リスク強度取得システムおよびリスク強度取得プログラムにおいては、走行車線に交差する交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲が大きいほどリスクの強度が大きくなると見なす。この結果、交差道路から進入し得る移動体についてのリスクの強度を評価することが可能である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ナビゲーションシステムの構成:
(2)リスク強度取得処理:
(3)他の実施形態:
(1)ナビゲーションシステムの構成:
(2)リスク強度取得処理:
(3)他の実施形態:
(1)ナビゲーションシステムの構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかるリスク強度取得システムを含むナビゲーションシステム10の構成を示すブロック図である。ナビゲーションシステム10は、車両に備えられており、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20、記録媒体30を備えている。ナビゲーションシステム10は、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。記録媒体30には、予め地図情報30aが記録されている。
図1は、本発明の一実施形態にかかるリスク強度取得システムを含むナビゲーションシステム10の構成を示すブロック図である。ナビゲーションシステム10は、車両に備えられており、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20、記録媒体30を備えている。ナビゲーションシステム10は、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。記録媒体30には、予め地図情報30aが記録されている。
地図情報30aは、交差点の位置の特定や、経路案内等に利用される情報であり、車両が走行する道路上に設定されたノードの位置等を示すノードデータ,ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ,ノード同士の連結を示すリンクデータ,道路やその周辺に存在する地物の位置等を示す地物データ等を含んでいる。なお、本実施形態においてノードは交差点を示している。また、リンクデータには、当該リンクデータが示す道路区間の幅(2方向への通行が可能である場合、方向毎の幅)を示す情報が対応づけられている。
本実施形態における車両は、カメラ40とGNSS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43とユーザI/F部44とを備えている。GNSS受信部41は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置であり、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在地を算出するための信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の現在地を取得する。車速センサ42は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ43は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ42およびジャイロセンサ43等は、車両の走行軌跡を特定するために利用され、本実施形態においては、車両の出発地と走行軌跡とに基づいて現在地が特定され、当該出発地と走行軌跡とに基づいて特定された車両の現在地がGNSS受信部41の出力信号に基づいて補正される。
カメラ40は、車両の前方に向けられた視野内の画像を取得する装置である。制御部20は、当該カメラ40の出力する画像を取得し、特徴量の抽出等によって画像を解析することによって車両の周辺に存在する他の車両を検出することができる。
ユーザI/F部44は、利用者の指示を入力し、また利用者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネル方式のディスプレイやスピーカー等の出力音の出力部を備えている。
制御部20は、図示しないナビゲーションプログラムの機能により図示しないユーザI/F部の入力部を介して利用者による目的地の入力を受け付け、地図情報30aに基づいて車両の現在地から目的地までの走行予定経路を探索する。また、制御部20は、当該ナビゲーションプログラムの機能によりユーザI/F部44を制御し、走行予定経路に沿って走行するための案内を実行する。本実施形態においては、当該ナビゲーションプログラムの付加機能として、交差点から車両の走行車線に移動体が進入するリスクの強度を示す情報を生成し、表示することが可能であり、当該表示はリスク強度取得プログラム21によって実現される。
リスク強度取得プログラム21は、当該表示を実現するため、範囲取得部21aと、リスク強度取得部21bとを備えている。範囲取得部21aは、車両の走行車線に交差する交差道路が、走行車線に隣接する車線を走行する隣接車線走行車両に塞がれていない範囲を取得する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、GNSS受信部41,車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力信号に基づいて車両の現在地を取得する。また、制御部20は、地図情報30aを参照し、車両の前方の所定距離以内に存在する交差点の位置を取得する。
ここでは、車両が走行している走行車線が存在する道路に接続された道路を交差道路と呼ぶ。図2Aは、利用者が搭乗する車両Cとその周辺の道路を示す図であり、車両Cは走行車線R1を走行している。図2Aに示す例は左側通行の地域の例であり、車両Cの右側には車両Cから見た対面通行車両が走行する対面通行車線R2が存在し、対面通行車線R2上には隣接車線走行車両Cr1〜Cr3が走行している。走行車線R1において車両Cの前方には交差点Iが存在する。
交差点Iに対して接続された道路であり、当該道路から車両等が走行車線R1に進入可能な道路が交差道路である。図2Aに示す例においては交差道路を交差道路R3として示している。ここでは、図2Aに示す交差点Iが車両Cの前方の所定距離以内に存在する場合が想定されており、この例の場合、制御部20は、交差点Iに接続された交差道路R3から交差点Iに進入する進入路の範囲を取得する。交差道路R3から交差点Iに進入する進入路の範囲は種々の手法で取得されて良いが、本実施形態においては、車両Cの前方端から、交差道路R3を走行車線R1まで延長した部分までの距離L1と、交差点Iの幅W1とによって交差道路R3から交差点Iに進入する進入路の範囲が取得される。
さらに、制御部20は、カメラ40で撮影された車両前方の画像を取得し、当該画像に車両の特徴が含まれるか否か判定することにより、隣接車線走行車両を検出する。本実施形態においては、対面通行車線を走行する対向車両が検出対象の隣接車線走行車両である。特徴量に基づく車両の検出は、種々の手法で実施されてよく、例えば、画像から直線を抽出することによって道路を検出し、道路に接したタイヤの特徴を有する部分が検出されることで車両が検出される構成や、ヘッドライト等の特徴に基づいて車両が検出される構成など、種々の構成が採用されてよい。むろん、各種のテンプレートマッチングを利用した検出や、人工知能を利用した検出等が行われてもよい。図2Aに示す例であれば、隣接車線走行車両Cr1〜Cr3が検出される。
車両の前方におけるカメラ40の視野内(運転者の視野内とほぼ同一)に隣接車線走行車両が存在する場合、制御部20は、当該隣接車線走行車両の位置を取得する。本実施形態においては、車両から隣接車線走行車両の前方端までの距離および車両から隣接車線走行車両の後方端までの距離によって隣接車線走行車両の位置を取得する。具体的には、本実施形態においては、画像内の位置毎に当該位置に存在する像とカメラ40を搭載した車両との距離が予め特定されている。そこで、制御部20は、カメラ40が出力した画像内における画像内での隣接車線走行車両の位置に基づいて車両から隣接車線走行車両の前方端までの距離および車両から隣接車線走行車両の後方端までの距離を取得する。
制御部20は、隣接車線走行車両の前方端から後方端までの範囲の少なくとも一部が、交差道路から交差点に進入する進入路の範囲と重なっている場合に、隣接車線走行車両が交差道路を塞いでいると判定する。例えば、図2Aに示す例であれば、交差道路R3から交差点Iに進入する進入路の範囲(幅W1の範囲)に、隣接車線走行車両Cr1の前方端が含まれているため、隣接車線走行車両が交差道路を塞いでいると判定する。
この場合、制御部20は、隣接車線走行車両の前方端または後方端の位置と、交差道路の幅方向の端部とに基づいて、交差道路が隣接車線走行車両によって塞がれていない範囲を取得する。例えば、図2Aに示す例であれば、制御部20は、範囲Z1を取得する。なお、交差道路の幅から交差道路が隣接車線走行車両によって塞がれていない範囲を減じると、隣接車線走行車両が交差道路を塞いでいる範囲が得られる。従って、交差道路が隣接車線走行車両によって塞がれていない範囲の取得と、隣接車線走行車両が交差道路を塞いでいる範囲の取得とは等価である。
リスク強度取得部21bは、移動体が交差道路から走行車線に進入するリスクの強度であって、交差道路が隣接車線走行車両によって塞がれていない範囲が大きいほどリスクの強度が大きくなる強度を取得する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、本実施形態においては、交差道路から車両の走行車線に他の車両(二輪車を除く)が進入し得る場合には相対的にリスクが高く、二輪車や歩行者は進入し得るが他の車両が進入し得ない場合には相対的にリスクが低いと見なされる。
このため、制御部20は、交差道路が隣接車線走行車両によって塞がれていない範囲が大きいほど、リスクの強度が大きい(隣接車線走行車両によって交差道路が塞がれている範囲が大きいほど、リスクの強度が小さい)とみなす。リスクの強度は、種々の手法で定義されてよいが、本実施形態においては、リスクの強度をユーザI/F部44のディスプレイに表示する構成が採用されており、リスクが存在する範囲の広さによってリスクの強度が示される。
本実施形態において交差道路から走行車線に移動体が進入するリスクの有無は、リスクが存在する範囲が交差点に対応づけて表示されることによって示される。むろん、リスクの強度やリスクが存在する範囲は、種々の用途で利用されてよい。例えば、地図や風景に重畳されるとリスクに注意すべき範囲の警告として機能し、また、車両が避けるべき範囲を特定するために機能する。
いずれにしても本実施形態においては、リスクが存在する範囲が広いほどリスクが大きい。リスクが存在する範囲はリスクが大きいほど広くなるように定義されていれば良く、本実施形態においてはリスクが存在する範囲が段階的に変化するため、リスクが存在する範囲の広さも段階的に変化する。
本実施形態においては、隣接車線走行車両によって交差道路が塞がれていない範囲(空いている進入路の大きさ)と、リスクが存在する範囲の広さとの関係が予め定義されている。具体的には、隣接車線走行車両によって交差道路が塞がれていない範囲が、閾値(一般的な車両が通行可能な幅)よりも大きい場合に高リスク、閾値以下である場合に低リスクであると見なされる。そこで、制御部20は、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲(例えば、図2Aであれば、Z1)を取得し、閾値と比較する。そして、制御部20は、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲が閾値より大きい場合に、リスクが存在する範囲の広さが既定の第1の広さであると見なす。また、制御部20は、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲が閾値以下である場合に、リスクが存在する範囲の広さが既定の第2の広さ(<第1の広さ)であると見なす。なお、本実施形態において、リスクが存在する範囲は楕円形であり、制御部20は、楕円形の大きさを決定することによってリスクが存在する範囲の広さを決定する。
図2Bは、図2Aと同一の道路において隣接車線走行車両Cr1〜Cr3の位置が異なる例を示している。図2Aと図2Bにおいては、リスクが存在する範囲を範囲Za,Zbとして示している。図2Aに示す例において、隣接車線走行車両Cr1によって交差道路R3が塞がれていない範囲は範囲Z1であり、図2Bに示す例において、隣接車線走行車両Cr1によって交差道路R3が塞がれていない範囲は範囲Z2である。範囲Z1は、範囲Z2よりも広く、図2Aの方が交差道路R3の延長上の広い範囲が空いている。従って、本実施形態においては、図2Aの方がリスクの強度が大きいと見なされ、リスクが存在する範囲である範囲Zaは、範囲Zbよりも広くなる。図2Aおよび図2Bにおいては、交差点Iにおける車両Cの進行方向後方の端部に、範囲Za,Zbを重畳して示している。
なお、本実施形態においては、リスクが存在する範囲内でもリスクの強度が変化するように構成されている。すなわち、リスクが存在する範囲の内側は外側よりもリスクが大きいと見なされる。このため、本実施形態においては、リスクが存在する範囲の内側から外側に向けてリスクが低下するようにリスクの強度が定義される。本実施形態においては高リスクと低リスクの2段階でリスクの強度が変化する。図2A,図2Bにおいて、範囲Za,Zb内の濃いグレーが高リスク、薄いグレーが低リスクである。なお、高リスク、低リスクの境界は種々の大きさ、形状であって良い。例えば、高リスクの部分は車両による進入が禁止され、低リスクの部分は低速であれば車両による進入が許可される範囲であっても良い。
むろん、リスクが存在する範囲の形状は楕円形に限定されず、円形や長円形などの他の形状であっても良い。また、リスクが存在する範囲の形状や大きさは、種々の要素に依存しても良い。例えば、交差道路から走行車線に移動する移動体や隣接車線走行車両において予測される移動方向や速度に基づいて、リスクが存在する範囲が移動体の移動方向に延びる形状として取得される構成や移動体の速度が大きいほどリスクが存在する範囲が大きくなる構成等が想定されても良い。
リスクが存在する範囲の広さが決定されることでリスクの強度が決定されると、制御部20は、リスク強度取得部21bの機能により、リスクが存在する範囲をユーザI/F部44のディスプレイに表示させる。具体的には制御部20は、カメラ40で撮影された画像をユーザI/F部44のディスプレイに表示させる。さらに、制御部20は、ユーザI/F部44を制御して当該画像にリスクが存在する範囲を示す画像を重畳させる。
すなわち、制御部20は、カメラ40で撮影された画像上で、リスクが存在する範囲を示す楕円形を道路上に表示する画像を生成する。さらに、制御部20は、カメラ40で撮影された画像上で、交差道路が交差する交差点における車両の進行方向後方の端部(図2A,図2Bであれば位置Pa,Pb)を特定し、当該端部の中央を表示位置とする。そして、制御部20は、カメラ40で撮影された画像内の当該表示位置に、リスクが存在する範囲を示す楕円形を重畳して表示させる。図3Aは、ユーザI/F部44のディスプレイに表示された画像の例を示す図である。図3Aにおいては、車両が走行する道路の前方に交差点Iが存在し、当該交差点Iの手前の端部の道路上にリスクが存在する範囲Zを示す画像が重畳されている様子を破線で示している。この例においては、リスクが存在する範囲Zが楕円形で表現された状態を示しているが、当該範囲Zの広さはリスクの強度に応じて変化するため、リスクの強度が表示されていると言える。
以上の構成によれば、リスクが存在する範囲によってリスクの強度を示す情報を取得することができる。従って、当該範囲の表示に基づいて、利用者は、交差道路から進入し得る移動体についてのリスクの強度を評価することができる。
(2)リスク強度取得処理:
次に、図4に示すフローチャートに基づいて制御部20が実行するリスク強度取得処理を説明する。ナビゲーションシステム10が起動されると、制御部20は、一定期間毎(例えば、100ms毎)にリスク強度取得処理を実行する。リスク強度取得処理が実行されると、制御部20は、範囲取得部21aの機能により、隣接車線走行車両を検出する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、カメラ40が出力する画像を取得し、車両の特徴を検出することによって車両の走行車線に隣接する対面通行車線を走行する車両を検出する。また、本実施形態において制御部20は、画像内における隣接車線走行車両の像の位置に基づいて、車両から隣接車線走行車両の前方端までの距離および車両から隣接車線走行車両の後方端までの距離を取得する。
次に、図4に示すフローチャートに基づいて制御部20が実行するリスク強度取得処理を説明する。ナビゲーションシステム10が起動されると、制御部20は、一定期間毎(例えば、100ms毎)にリスク強度取得処理を実行する。リスク強度取得処理が実行されると、制御部20は、範囲取得部21aの機能により、隣接車線走行車両を検出する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、カメラ40が出力する画像を取得し、車両の特徴を検出することによって車両の走行車線に隣接する対面通行車線を走行する車両を検出する。また、本実施形態において制御部20は、画像内における隣接車線走行車両の像の位置に基づいて、車両から隣接車線走行車両の前方端までの距離および車両から隣接車線走行車両の後方端までの距離を取得する。
図2Cは、図2Aに示す道路の車両Cと隣接車線走行車両Cr1とを抜き出して示す図である。同図2Cに示す例において、制御部20が隣接車線走行車両を検出した場合、制御部20は、車両Cから隣接車線走行車両の前方端までの距離Lcfと、車両Cから隣接車線走行車両の後方端までの距離Lcbとを取得する。
次に、制御部20は、範囲取得部21aの機能により、隣接車線走行車両が停止中であるか否かを判定する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、ステップS100で検出された隣接車線走行車両の速度を取得する。当該速度は、例えば、車両から隣接車線走行車両の前方端までの距離や、車両から隣接車線走行車両の後方端までの距離の変化速度によって取得される、車両と隣接車線走行車両との相対速度−車両の速度等によって特定可能である。そして、当該隣接車線走行車両の速度が0km/hまたは停止していると見なされる車速以下である場合に、制御部20は、隣接車線走行車両が停止中であると判定する。
ステップS105において、隣接車線走行車両が停止中であると判定されない場合、制御部20は、交差道路から車両の走行車線に移動体が進入するリスクがないと見なしてステップS110以降の処理をスキップする。以上の処理により、本実施形態においては、隣接車線走行車両が停止しており、または、停止していると見なされる車速以下である場合に、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲が取得される構成となっている。
ステップS105において、隣接車線走行車両が停止中であると判定された場合、制御部20は、範囲取得部21aの機能により、交差道路の幅W1を取得する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、地図情報30aに基づいて車両の前方の所定距離以内の範囲に存在する交差点を特定し、当該交差点に接続された交差道路の幅を取得する。図2Cに示す例であれば、制御部20は、交差道路の幅W1を取得する。
次に、制御部20は、範囲取得部21aの機能により、交差道路までの距離L1を取得する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、GNSS受信部41、車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力信号に基づいて、車両の現在地を取得する。また、制御部20は、地図情報30aに基づいて、交差点の位置を取得し、車両から交差点までの距離(交差点までの最短距離)を取得する。図2Cに示す例であれば、制御部20は、車両Cから交差点Iまでの最短距離L1を取得する。
次に、制御部20は、範囲取得部21aの機能により、車両から距離L1〜L1+W1の範囲に隣接車線走行車両が存在するか否か判定する(ステップS120)。すなわち、制御部20は、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれているか否かを判定する。このために、制御部20は、少なくとも一台の隣接車線走行車両の前方端または後方端が車両から距離L1〜L1+W1の範囲に存在する場合に、車両から距離L1〜L1+W1の範囲に隣接車線走行車両が存在するか否か判定すると判定する。
例えば、図2Cに示す例においては、隣接車線走行車両Cr1の前方端が車両Cから距離Lcfに存在する状態である。車両Cから距離Lcfの位置は、車両から距離L1〜L1+W1の範囲に含まれる。従って、制御部20は車両から距離L1〜L1+W1の範囲に隣接車線走行車両が存在すると判定する。図2Dに示す例は、図2Cと同一の道路において隣接車線走行車両Cr1の位置が異なる例である。図2Dに示す例においては、隣接車線走行車両Cr1の後方端が車両Cから距離Lcbの範囲に存在する状態である。車両Cから距離Lcbの位置は、車両から距離L1〜L1+W1の範囲に含まれる。従って、制御部20は車両から距離L1〜L1+W1の範囲に隣接車線走行車両が存在すると判定する。
図3Bに示す例は、図2Cと同一の道路において隣接車線走行車両Cr1の位置が異なり、さらに別の隣接車線走行車両Cr2も存在する例である。図3Bに示す例においては、隣接車線走行車両Cr1の前方端が車両Cから距離Lcf1の範囲に存在し、隣接車線走行車両Cr2の後方端が車両Cから距離Lcb2の範囲に存在する状態である。車両Cから距離Lcf1の位置および距離Lcb2の位置は、車両から距離L1〜L1+W1の範囲に含まれる。従って、制御部20は車両から距離L1〜L1+W1の範囲に隣接車線走行車両が存在すると判定する。
ステップS120において、車両から距離L1〜L1+W1の範囲に隣接車線走行車両が存在すると判定されない場合、制御部20は、リスク強度取得部21bの機能により、リスクの強度を大に設定する(ステップS140)。すなわち、制御部20は、交差道路から移動体が走行車線に進入してくるリスクが、2段階の強度のうち大きい方の強度であると見なす。そして、制御部20は、リスクが存在する範囲の広さを大きい方の広さに設定する。
一方、ステップS120において、車両から距離L1〜L1+W1の範囲に隣接車線走行車両が存在すると判定された場合、制御部20は、範囲取得部21aの機能により、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲を取得する(ステップS125)。すなわち、制御部20は、隣接車線走行車両の進行方向における、隣接車線走行車両の位置と、交差道路の幅方向の端部の位置と、に基づいて交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲を取得する。
具体的には、制御部20は、ステップS100で取得された隣接車線走行車両の前方端または後方端と、交差道路の幅方向の端部の位置との距離に基づいて交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲を取得する。例えば、図2Cに示す例のように、交差道路の幅W1の範囲に、一台の隣接車線走行車両Cr1の前方端が含まれているが後方端が含まれていない場合、制御部20は、隣接車線走行車両Cr1の前方端から、隣接車線走行車両Cr1の前方側に存在する交差道路の端部までの距離を取得する。すなわち、制御部20は、Lcf−L1を、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲Z1として取得する。
また、図2Dに示す例のように、交差道路の幅W1の範囲に、一台の隣接車線走行車両Cr1の後方端が含まれているが前方端が含まれていない場合、制御部20は、隣接車線走行車両Cr1の後方端から、隣接車線走行車両Cr1の後方側に存在する交差道路の端部までの距離を取得する。すなわち、制御部20は、L1+W1−Lcfbを、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲Z1として取得する。
さらに、図3Bに示す例のように、交差道路の幅W1の範囲に、隣接車線走行車両Cr1の前方端が含まれているが後方端が含まれておらず、隣接車線走行車両Cr2の後方端が含まれているが前方端が含まれていない場合、制御部20は、隣接車線走行車両Cr2の後方端から隣接車線走行車両Cr1の前方端までの距離を取得する。すなわち、制御部20は、Lcf1−Lcfb2を、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲Z1として取得する。
次に、制御部20は、範囲取得部21aの機能により、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲が閾値以下であるか否か判定する(ステップS130)。例えば、図2C,図2D,図3Bに示す例であれば、範囲Z1と閾値とを比較する。なお、閾値は、1.5mや2.0m等の値とすることができる。ステップS130において、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲が閾値以下であると判定されない場合、すなわち、交差道路から車両等の移動体が走行車線に進入し得る場合、制御部20は、ステップS140でリスクの強度を大に設定する。
一方、ステップS130において、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲が閾値以下であると判定された場合、すなわち、交差道路から車両が走行車線に進入し得ない場合、制御部20は、リスク強度取得部21bの機能により、リスクの強度を小に設定する(ステップS135)。すなわち、制御部20は、交差道路から移動体が走行車線に進入してくるリスクが、2段階の強度のうち小さい方の強度であると見なす。そして、制御部20は、リスクが存在する範囲の広さを小さい方の広さに設定する。
以上のようにして車両の前方に存在する交差点におけるリスクの強度が設定されると、リスの強度に応じた広さでリスクが存在する範囲が定義される。そして、制御部20は、当該リスクが存在する範囲をユーザI/F部44のディスプレイに表示させる。
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、リスク強度取得システムは、車両等に搭載された装置であっても良いし、可搬型の端末によって実現される装置であっても良いし、複数の装置(例えば、クライアントとサーバや、ナビゲーション装置内の制御部とユーザI/F部内の制御部等)によって実現されるシステムであっても良い。
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、リスク強度取得システムは、車両等に搭載された装置であっても良いし、可搬型の端末によって実現される装置であっても良いし、複数の装置(例えば、クライアントとサーバや、ナビゲーション装置内の制御部とユーザI/F部内の制御部等)によって実現されるシステムであっても良い。
リスク強度取得システムを構成する範囲取得部21aとリスク強度取得部21bとの少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在しても良い。むろん、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。
範囲取得部は、車両の走行車線に交差する交差道路が、走行車線に隣接する車線を走行する隣接車線走行車両に塞がれていない範囲を取得することができればよい。すなわち、範囲取得部は、移動体が交差道路上から走行車線に進入するために移動可能な空間が確保されている程度を取得することができればよい。
交差道路は、走行車線に交差する道路であれば良い。すなわち、走行車線と他の道路が接続された交差点において、他の道路を延長した場合に走行車線(または走行車線を延長して得られる範囲)に交わる場合、当該他の道路は交差道路である。
交差道路が隣接車線走行車両によって塞がれていない範囲は、交差道路を延長した道路上で隣接車線走行車両が存在していない部分の長さを、少なくとも交差道路の幅方向について取得することができればよい。むろん、隣接車線走行車両は、2台以上であっても良い。いずれにしても、交差道路の延長線上に隣接車線走行車両が存在する場合に、隣接車線走行車両が存在する部分の交差道路の幅方向における長さが交差道路を塞いでいる範囲であり、交差道路の延長線上の道路で当該範囲を除いた範囲が塞がれていない範囲となればよい。
車両の走行車線に隣接する車線は、車両の左右いずれに存在しても良く、一方であっても良いし双方であっても良い。また、隣接車線走行車両は、対面通行において車両と逆方向に進行する車両(対向車両)であっても良いし、片側2車線以上の道路において車両と同方向に進行する車両であっても良い。
リスク強度取得部は、移動体が交差道路から走行車線に進入するリスクの強度であって、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲が大きいほどリスクの強度が大きくなる強度を取得することができればよい。すなわち、リスク強度取得部は、移動体が交差道路から走行車線に達し得る可能性がある場合に、可能性がない場合よりリスクの強度が大きいと見なす。
また、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲が大きく、一般的な車幅より大きい範囲が空いている場合には、交差道路上の車両が走行車線に進入し得ると見なすことができる。一方、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲が小さく、一般的な車幅より小さい範囲が空いている場合、交差道路上の車両は走行車線に進入しないと見なすことができる。さらに、隣接車線走行車両が走行車線に交差する交差道路を塞いでいるが、ある程度の範囲が空いている場合には、歩行者や二輪車が進入し得る。従って、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲が大きいほど、リスクの強度が大きいと見なすことができる。むろん、リスクの強度は連続的に定義されても良いし、段階的に定義されても良い。
リスクの強度は、種々の目的で利用されて良い。すなわち、上述の実施形態のように、リスクが存在する範囲がリスクの強度としてディスプレイに表示されるシステムが構成されても良いし、リスクの強度に基づいて当該高リスクの範囲を避ける軌道が生成されるシステムが構成されても良いし、リスクの強度に基づいてリスクが存在する範囲を避けるように車両が自動運転されるシステムが構成されても良く、他にも種々の構成を採用可能である。
リスクの強度を示す画像(リスクが存在する範囲を示す画像)をディスプレイに表示する際の態様は、上述の実施形態のように、カメラ40で撮影された画像にリスクの強度を示す画像を重畳する構成に限定されず、他にも種々の構成が採用されてよい。例えば、地図情報30aに基づいて鳥瞰図で表現された地図が生成され、当該鳥瞰図にリスクの強度を示す画像が重畳されても良いし、上方から鉛直方向に道路を見たような平面図に対してリスクの強度を示す画像が重畳されても良い。また、ヘッドアップディスプレイ等によって車両のフロントガラス等に画像が投影されることで実風景にリスクの強度が重ねられても良い。なお、隣接車線走行車両はカメ40ラ以外の手法で特定されても良い。例えば、赤外線センサや超音波センサ、LIDAR等のセンサが利用されても良い。
さらに、本発明のように、交差道路が隣接車線走行車両に塞がれていない範囲の大きさによってリスクの強度を評価する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなリスク強度取得システム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。さらに、以上のようなリスク強度取得システムの少なくとも一部を備えたナビゲーション装置や方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、リスク強度取得システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
10…ナビゲーションシステム、20…制御部、21…リスク強度取得プログラム、21a…範囲取得部、21b…リスク強度取得部、30…記録媒体、30a…地図情報、40…カメラ、41…GNSS受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、44…ユーザI/F部、C…車両、Cr1,Cr2…隣接車線走行車両、I…交差点
Claims (5)
- 車両の走行車線に交差する交差道路が、前記走行車線に隣接する車線を走行する隣接車線走行車両に塞がれていない範囲を取得する範囲取得部と、
移動体が前記交差道路から前記走行車線に進入するリスクの強度であって、前記範囲が大きいほど前記リスクの強度が大きくなる強度を取得するリスク強度取得部と、
を備えるリスク強度取得システム。 - 前記範囲は、
前記隣接車線走行車両の進行方向における、前記隣接車線走行車両の位置と、前記交差道路の幅方向の端部の位置と、に基づいて取得される、
請求項1に記載のリスク強度取得システム。 - 前記範囲は、
前記隣接車線走行車両が停止しており、または、停止していると見なされる車速以下である場合に取得される、
請求項1または請求項2に記載のリスク強度取得システム。 - 車両の走行車線に交差する交差道路から移動体が前記走行車線に進入するリスクの強度を風景に重畳させて表示する強度表示システムであって、
前記交差道路が、前記走行車線に隣接する車線を走行する隣接車線走行車両に塞がれていない範囲が大きいほど前記リスクの強度が大きくなるように表示する、
を備えるリスク強度表示システム。 - コンピュータを、
車両の走行車線に交差する交差道路が、前記走行車線に隣接する車線を走行する隣接車線走行車両に塞がれていない範囲を取得する範囲取得部、
移動体が前記交差道路から前記走行車線に進入するリスクの強度であって、前記範囲が大きいほどリスクの強度が大きくなる強度を取得するリスク強度取得部、
として機能させるリスク強度取得プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019013910A JP2020123091A (ja) | 2019-01-30 | 2019-01-30 | リスク強度取得システム、リスク強度表示システムおよびリスク強度取得プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019013910A JP2020123091A (ja) | 2019-01-30 | 2019-01-30 | リスク強度取得システム、リスク強度表示システムおよびリスク強度取得プログラム |
Publications (1)
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JP2020123091A true JP2020123091A (ja) | 2020-08-13 |
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ID=71993589
Family Applications (1)
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JP2019013910A Pending JP2020123091A (ja) | 2019-01-30 | 2019-01-30 | リスク強度取得システム、リスク強度表示システムおよびリスク強度取得プログラム |
Country Status (1)
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-
2019
- 2019-01-30 JP JP2019013910A patent/JP2020123091A/ja active Pending
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