JP2020122541A - 電磁クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】プーリーを回転自在に支持する軸受内における白層剥離の発生を簡易な構成で防止又は抑制することができる電磁クラッチを提供する。【解決手段】電磁クラッチ1において、プーリー2、連結部材5、ハブ3及び駆動軸52はそれぞれ導電性を有する。アーマチュア板4には、絶縁被膜42の施されない基材露出領域Sが、少なくとも、アーマチュア板4の基材41の表面におけるプーリー側端面411である第1領域S1と、基材41の表面における連結部材5との締結箇所のうちの少なくとも一部である第2領域S2とに設定されている。【選択図】図3

Description

本発明は、駆動源の動力を従動機器に断続的に伝達する電磁クラッチに関する。
駆動源(車両のエンジンやモータ等)の動力を従動機器(車両用空調装置の圧縮機等)に断続的に伝達する電磁クラッチが一般的に知られている。この種の電磁クラッチは、前記駆動源の動力によってベルトを介して回転駆動されるプーリーと、前記従動機器の駆動軸の端部に取り付けられるハブと、複数のリーフスプリング等の連結部材によって前記ハブに連結されると共に前記プーリーに対向配置されたアーマチュア板と、電磁コイルに電源が供給されることによって前記プーリーと前記アーマチュア板とを磁気吸着させる電磁石と、を含む。前記プーリーは、軸受(プーリー軸受)を介して前記従動機器のハウジングの外周面に回転可能に支持されている。前記アーマチュア板の基材としては、導電性を有するものが用いられ、一般的に、この基材における外部に露出する面には、プーリー側端面を除いて、防食性向上のためカチオン電着塗装(カチオン塗装)等の表面処理が施される。つまり、前記アーマチュア板の基材の露出面のうち、プーリー側端面以外の露出面には、絶縁被膜が施されている。
この種の電磁クラッチでは、前記プーリーを回転可能に支持する前記軸受としては一般的に転がり軸受が採用されている。そして、前記軸受として転がり軸受が採用された従来の電磁クラッチにおいて、前記軸受の内輪や外輪における白色組織変化を伴う剥離(換言すると、白層剥離)が生じる場合があった。前記剥離の発生要因としては、一般論として、前記プーリーと前記ベルトとの間の摩擦により発生する静電気が挙げられる。詳しくは、前記静電気が前記プーリーに帯電し、この静電気が前記軸受を経由して前記従動機器の前記ハウジングに流れて放電される。そして、前記静電気が前記軸受を経由して流れる際に、前記軸受の前記外輪や前記内輪における転動体(ボール)との接触面(転走面)のグリース膜を破壊することが、前記剥離の発生要因の一つであるとされている。
前記グリース膜の破壊の防止策(換言すると、前記剥離の発生の防止策)として、特許文献1には、前記軸受内のグリースとして導電性のグリースを採用し、前記プーリーに帯電した前記静電気を、前記軸受を介して前記従動機器の前記ハウジングに逃し易くするという方策が開示されている。
特開2016−194348号公報
しかしながら、特許文献1に記載された軸受は、特殊な構造を有すると共に、当該軸受では導電性を有する添加材が前記グリースに加えられているため前記グリースそのものの潤滑等の特性が低下するという別の問題が生じるおそれがある。
そこで、本発明は、プーリーを回転自在に支持する軸受内における前記剥離の発生を簡易な構成で防止又は抑制することができる、電磁クラッチを提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、駆動源の動力を従動機器に断続的に伝達する電磁クラッチであって、プーリーと、ハブと、前記プーリーとの間に隙間を有して配置されるアーマチュア板と、連結部材と、電磁石とを含む、電磁クラッチが提供される。前記プーリーは、前記従動機器のハウジングに軸受を介して回転自在に取り付けられ、前記駆動源の動力によって回転駆動される。前記ハブは、前記従動機器の駆動軸の端部に取り付けられる。前記アーマチュア板は、導電性を有する板状の基材と、当該基材の表面に施される絶縁被膜とからなる。前記連結部材は、前記ハブと前記アーマチュア板との間を連結すると共に弾性を有する。前記電磁石は、前記アーマチュア板を前記プーリーに磁気吸着させる。前記プーリー、前記連結部材、前記ハブ及び前記駆動軸はそれぞれ導電性を有する。前記アーマチュア板には、前記絶縁被膜の施されない基材露出領域が、少なくとも、前記基材の表面におけるプーリー側端面である第1領域と、前記基材の表面における前記連結部材との締結箇所のうちの少なくとも一部である第2領域とに設定されている。
前記電磁クラッチにおいて、前記アーマチュア板には、前記絶縁被膜の施されない基材露出領域が、少なくとも、前記基材の表面におけるプーリー側端面である第1領域と、前記基材の表面における前記連結部材との締結箇所のうちの少なくとも一部である第2領域とに設定されている。このため、前記アーマチュア板が前記プーリーに磁気吸着された状態において、前記基材の前記第1領域、前記基材の内部、前記基材の前記第2領域、前記連結部材及び前記ハブを経由する放電経路が形成され、前記プーリーは前記放電経路により前記従動機器の前記駆動軸に対して電気的に導通し、前記プーリー内の静電気の全部又は大半が前記駆動軸を介して前記従動機器に放電される。したがって、前記プーリー内の静電気の全部又は大半が前記軸受を介さず前記従動機器に流れることになり、ひいては、特許文献1に記載された特殊な構造の軸受を採用しなくても、前記静電気に起因する前記剥離の発生を防止又は抑制することができる。そして、導電性を有する特殊なグリースを軸受に採用する必要もないため、導電性を有する添加材の含有によるグリースそのものの潤滑等の特性の低下を懸念する必要もない。
このようにして、前記プーリーを回転自在に支持する前記軸受内における前記剥離の発生を簡易な構成で防止又は抑制することができる電磁クラッチを提供することができる。
第1実施形態に係る電磁クラッチの取り付け状態を示す断面図である。 前記電磁クラッチを正面図である。 前記電磁クラッチの要部断面図である。 第2実施形態に係る電磁クラッチの要部断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る電磁クラッチ1の取り付け状態を示す断面図であり、図2は、電磁クラッチ1の正面図であり、図3は、電磁クラッチ1の要部断面図である。図1は、図2に示すX−X矢視断面図である。また、図2では、後述するナット11、ロケーションワッシャー12及び座金13は図示省略されている。
実施形態に係る電磁クラッチ1は、例えば車両用空調装置を構成する圧縮機50に取り付けられ、駆動源としての車両のエンジンやモータ(いずれも図示省略)の動力を従動機器としての圧縮機50に断続的に伝達するように構成されている。すなわち、電磁クラッチ1は、前記エンジンや前記モータの動力を圧縮機50に伝達したり、前記エンジンや前記モータから圧縮機50への動力の伝達を遮断したりすることが可能である。圧縮機50は、前記エンジンや前記モータからの動力が伝達されることによって作動し、前記エンジンや前記モータからの動力の伝達が遮断されるとその作動を停止する。
図1〜図3に示すように、電磁クラッチ1は、圧縮機50のハウジング51に軸受10を介して回転自在に取り付けられたプーリー2と、圧縮機50の駆動軸52の端部に取り付けられるハブ3と、プーリー2に対向配置されたアーマチュア板4と、ハブ3とアーマチュア板4とを連結する連結部材5と、プーリー2に収容された電磁石6と、を含む。軸受10としては、例えば、転がり軸受が採用されている。
プーリー2は、前記エンジンや前記モータの動力によって回転駆動され、導電性を有する。本実施形態において、プーリー2は、有底の円環筒状に形成され、内側筒状部21と、内側筒状部21の外側に同心配置された外側筒状部22と、内側筒状部21と外側筒状部22とを一端側で連結する円環板状の連結部23と、を有する。内側筒状部21は、プーリー2の内周面を構成し、外側筒状部22は、プーリー2の外周面を構成し、連結部23は、アーマチュア板4が磁気吸着される吸着面を構成する。また、圧縮機50のハウジング51は、筒状に突出した突出部51aを有し、突出部51aの内側には圧縮機50の駆動軸52が挿通されている。プーリー2は、前記内周面を構成する内側筒状部21がハウジング51の突出部51aの外周面に軸受10を介して取り付けられている。プーリー2の前記外周面を構成する外側筒状部22には、ベルト溝22aが形成されており、図示省略の駆動ベルトが取り付けられる。そして、前記エンジンや前記モータの動力が前記駆動ベルトを介して外側筒状部22に伝達されることによってプーリー2が回転する。なお、電磁石6は、内側筒状部21、外側筒状部22および連結部23で形成されるプーリー2の内部空間に収容される。
ハブ3は、圧縮機50の駆動軸52(図1において二点鎖線で示す)の一端部に取り付けられ、導電性を有し、駆動軸52と一体的に回転する。駆動軸52は導電性を有し、その一端部がハウジング51の突出部51a外に突出している。本実施形態において、ハブ3は、円筒部31と、円筒部31の一端側に設けられたフランジ部32と、を有している。そして、ハブ3は、円筒部31がハウジング51の突出部51a内において駆動軸52に例えばスプライン嵌合された状態で、それぞれ導電性を有するナット11、ロケーションワッシャー12、座金13、及び、第1リベット14を介して駆動軸52の一端部に取り付けられて固定されている。
具体的には、駆動軸52の一端部には、円筒部31の内周面に形成されたスプライン溝部と嵌合するスプライン嵌合部52aと、スプライン嵌合部52aの端面から延びナット11と螺合する雄ネジ部52bとが形成されている。ロケーションワッシャー12は、ナット11に押圧されると共に雄ネジ部52bが挿通する円板部12aと、円板部12aの円周方向に離間した複数の箇所(図では3箇所)から延びる脚部12bとを有し、全体としてヒトデ状に形成されている。スプライン嵌合部52aの前記端面は、円筒部31のナット側端面より僅かに突出しており、ナット11が雄ネジ部52bに螺合した状態で、座金13と円筒部31の前記ナット側端面との間には僅かな隙間がある。この状態で、ロケーションワッシャー12はナット11と座金13との間に挟持されている。ナット11と座金13との間に挟持されたロケーションワッシャー12の脚部12bの先端部が第1リベット14を介してハブ3のフランジ部32に連結されている。つまり、ロケーションワッシャー12は、ナット11及び座金13によって駆動軸52の一端部におけるスプライン嵌合部52aの肩部に固定されており、ハブ3はこのロケーションワッシャー12の脚部12bを介して、駆動軸52に取り付けられている。このようにして、ハブ3は、ナット11、ロケーションワッシャー12、座金13及び第1リベット14を介して駆動軸52の一端部に取り付けられて固定されている。
アーマチュア板4は、前記吸着面を構成するプーリー2の連結部23との間に所定の隙間を有して対向配置される。アーマチュア板4は、前記吸着面を構成するプーリー2の連結部23に対応するように円環状に形成されている。アーマチュア板4は、ハブ3の周囲を囲むように形成されており、アーマチュア板4の内周面と、これに対応するハブ3の外周面との間には、所定の隙間が形成されている。
アーマチュア板4は、磁性材からなると共に導電性を有する板状の基材41と、基材41の表面に施される絶縁被膜42とからなる。基材41は、所定の板厚を有し、円環状に形成されている。基材41の表面におけるプーリー側端面411と反対側の端面である非プーリー側端面412には、三角板状の制振板15が取り付けられている。この制振板15の各頂点付近には防振ゴム16が装着されている。制振板15および防振ゴム16は、基材41における制振板15の各頂点に対応した位置に段付き状に開口される制振板用貫通孔413に係合する第2リベット17によってアーマチュア板4に固定される。これにより、アーマチュア板4に生じた振動が減衰される。絶縁被膜42は、例えば、基材41の表面に施されるカチオン電着塗装(カチオン塗装)により形成される樹脂皮膜層等である。なお、基材41の表面における絶縁被膜42の施されない基材露出領域Sについては、後に詳述する。
連結部材5は、ハブ3とアーマチュア板4との間を連結すると共に弾性及び導電性を有する部材であり、ハブ3とアーマチュア板4との間で動力の伝達を可能にする。連結部材5は、所定幅を有して延びる薄板状のいわゆるリーフスプリングからなる。連結部材5の一端部と連結部材5の他端部は、互いに、板厚方向にずれており、一端部と他端部との間は斜めに傾斜している。
本実施形態において、連結部材5は、導電性を有する第3リベット18を介してアーマチュア板4に締結されている。第3リベット18は、連結部材5の一端部に開口される一端部側貫通孔5aを貫通すると共に、アーマチュア板4の外縁部に開口される連結部材用貫通孔414に係合することにより、連結部材5をアーマチュア板4に締結させる、軸部18aを有する。具体的には、連結部材用貫通孔414は、段付き孔状に開口されており、大径部414aと大径部414aより小径の小径部414bとを有する。大径部414aは、基材41のプーリー側端面411に開口し、小径部414bは、大径部414aに連通すると共に基材41における非プーリー側端面412に開口する。そして、第3リベット18は、軸部18aが小径部414bを貫通し、その先端部位18a1が押しつぶされて拡径され、この先端部位18a1が大径部414a(大径部414aの底部)に係合することにより、連結部材5をアーマチュア板4に締結させる。
詳しくは、第3リベット18は、軸部18aにおける先端部位18a1と反対側の基端部に、軸部18aより大径の頭部18bを有し、この頭部18bと軸部18aの先端部位18a1との間に、連結部材5の一端部とアーマチュア板4を挟み込むことにより、連結部材5をアーマチュア板4に締結させている。このとき、軸部18aの外周面は、連結部材用貫通孔414の孔壁面414cのうちの小径部414bの孔壁面414c1に当接している。なお、本実施形態において、第3リベット18が、本発明に係る「締結部材」である。第1リベット14及び第2リベット17は、それぞれ、第3リベット18と同様に軸部と頭部とを有し、前記軸部の先端部位が押しつぶされて拡径され、前記頭部は前記軸部における先端部位と反対側の基端部に設けられている。
本実施形態において、連結部材5は、駆動軸52の回転方向(=ハブ3の周方向、アーマチュア板4の周方向)における複数箇所(ここでは三箇所)でハブ3のフランジ部32とアーマチュア板4とに架け渡されている。詳しくは、各連結部材5は、一端部が第3リベット18によってアーマチュア板4に締結され、他端部が制振板15、ロケーションワッシャー12と共に第1リベット14によってハブ3のフランジ部32に締結されている。連結部材5は、制振板15とロケーションワッシャー12の脚部12bとの間に挟まれている。各連結部材5は、アーマチュア板4をプーリー2の連結部23から離す方向に付勢しており、これにより、プーリー2の連結部23とアーマチュア板4との間には所定の隙間が形成される。
電磁石6は、磁力を発生することによってアーマチュア板4を前記吸着面(プーリー2の連結部23)に磁気吸着させる。本実施形態において、電磁石6は、フィールドコア61と、コイル62と、を含む。フィールドコア61は、プーリー2と同様に、有底の円環筒状に形成され、コイル62は、フィールドコア61の内部空間に収容されている。好ましくは、フィールドコア61の前記内部空間には、コイル62が収容された後に樹脂が充填される。そして、電磁石6は、フィールドコア61に固定された取付板63を介して圧縮機50のハウジング51に取り付けられた状態で、プーリー2の前記内部空間に収容されている。
電磁石6は、コイル62が通電されると磁力を発生し、連結部材5の保持力に抗してアーマチュア板4を前記吸着面(プーリー2の連結部23)に磁気吸着させる。これにより、プーリー2とアーマチュア板4とが結合され、プーリー2の回転力(すなわち、前記エンジンや前記モータの動力)がアーマチュア板4、連結部材5及びハブ3を介して圧縮機50の駆動軸52に伝達されて圧縮機50が作動する。
一方、コイル62の通電が停止されると、連結部材5の復元力によってアーマチュア板4が前記吸着面(プーリー2の連結部23)から離れる。これにより、プーリー2の回転力の圧縮機50の駆動軸52への伝達が遮断されて圧縮機50は停止する。
次に、基材41の表面における絶縁被膜42の施されない基材露出領域Sについて、図3を参照して、詳述する。図3は、電磁クラッチ1の要部断面図であると共に、後述する電磁クラッチ1における放電経路を説明するための概念図でもある。
図3に示すように、アーマチュア板4には、絶縁被膜42の施されない基材露出領域S(図中左下の部分拡大図において、太破線で示す)が、基材41の表面におけるプーリー側端面411である第1領域S1と、基材41の表面における連結部材5との締結箇所のうちの少なくとも一部である第2領域S2とに設定されている。つまり、絶縁被膜42は、基材41の表面において、第1領域S1(=プーリー側端面411)及び第2領域S2を除く領域(表面)に施されており、第1領域S1及び第2領域S2は外部に露出している。本明細書において、「基材41の表面」とは、基材41における外部に露出している面であり、円環状の基材41の表面には、板厚方向の両端面(つまり、プーリー側端面411とこれに平行な非プーリー側端面412)、径方向外周面及び径方向内周面はもちろんのこと、基材41に開口された制振板用貫通孔413の孔壁面413aや連結部材用貫通孔414の孔壁面414cも含まれる。
本実施形態において、第2領域S2は、基材41の表面における連結部材5との締結箇所としての連結部材用貫通孔414の孔壁面414cのうちの少なくとも一部である。また、本実施形態では、連結部材用貫通孔414の孔壁面414cのうちの少なくとも一部(つまり、第2領域S2)は、具体的には、小径部414bの孔壁面414c1である。したがって、連結部材用貫通孔414の孔壁面414cにおける大径部414aの孔壁面414c2(大径部414aの孔周面及び孔底面)には、絶縁被膜42が施されており、連結部材用貫通孔414の孔壁面414cにおける小径部414bの孔壁面414c1には、絶縁被膜42が施されておらず、孔壁面414c1(第2領域S2)は外部に露出している。つまり、絶縁被膜42は、基材41の表面のうち、プーリー側端面411(第1領域S1)及び小径部414bの孔壁面414c1(第2領域S2)には施されず、非プーリー側端面412、前記径方向外周面、前記径方向内周面、制振板用貫通孔413の孔壁面413a、及び、大径部414aの孔壁面414c2には施されている。
次に、電磁クラッチ1における放電経路Lについて、図3を参照して説明する。なお、図3では、アーマチュア板4のプーリー側端面411はプーリー2の連結部23と離間しているが、以下の説明では、プーリー側端面411は連結部23に磁気吸着されているものとする。また、圧縮機50は例えばアース接続されているものとする。
前記エンジンや前記モータの動力が図示省略した前記駆動ベルトを介して外側筒状部22に伝達されることによってプーリー2が回転する。このとき、プーリー2と前記駆動ベルトとの間の摩擦により、静電気が発生する。そして、電磁石6によって、アーマチュア板4がプーリー2に磁気吸着されると、プーリー2から、基材41のプーリー側端面411(第1領域S1)、基材41の内部、基材41の小径部414bの孔壁面414c1(第2領域S2)、第3リベット18、連結部材5、及び、ハブ3を経由する放電経路Lが形成される。本実施形態では、放電経路Lのうち連結部材5の前記他端部(第1リベット14側端部、ハブ3側端部)とハブ3との間の経路は、第1リベット14やロケーションワッシャー12の脚部12bによって形成されている。そして、アーマチュア板4がプーリー2に磁気吸着されると、プーリー2は放電経路Lにより駆動軸52に対して電気的に導通し、プーリー2内の静電気の全部又は大半が駆動軸52を介して圧縮機50に放電される。なお、プーリー側端面411が連結部23から離れているとき、つまり、クラッチオフ状態においては、放電経路Lは遮断される。圧縮機50の作動中においては、概ね、プーリー側端面411は連結部23に磁気吸着されているため、放電経路Lは圧縮機50の作動中の大半の期間において形成されている(維持されている)。
本実施形態に係る電磁クラッチ1において、アーマチュア板4には、絶縁被膜42の施されない基材露出領域Sが、基材41の表面におけるプーリー側端面411である第1領域S1と、基材41の表面における連結部材5との締結箇所のうちの少なくとも一部である第2領域S2とに設定されている。このため、アーマチュア板4がプーリー2に磁気吸着された状態において、基材41の第1領域S1、基材41の内部、基材41の第2領域S2、第3リベット18、連結部材5及びハブ3を経由する放電経路Lが形成される。したがって、プーリー2内の静電気の全部又は大半が、転がり軸受からなる軸受10を介さず、放電経路Lを介して圧縮機50に流れることになる。そのため、特許文献1に記載された特殊な構造の軸受を採用しなくても、前記静電気に起因する前記剥離の発生(つまり、転がり軸受からなる軸受10の内輪や外輪における白色組織変化を伴う剥離)を防止又は抑制することができる。そして、導電性を有する特殊なグリースを軸受に採用する必要もないため、導電性を有する添加材の含有によるグリースそのものの潤滑等の特性の低下を懸念する必要もない。
このようにして、プーリー2を回転自在に支持する軸受10内における前記剥離の発生を簡易な構成で防止又は抑制することができる電磁クラッチ1を提供することができる。
なお、特に言及しなかったが、第2領域S2は、全ての連結部材用貫通孔414(小径部414bの孔壁面414c1)について設定されてもよいし、複数の連結部材用貫通孔414のうちの一部について設定されてもよい。
次に、本発明の第2実施形態に係る電磁クラッチ1’ついて図4を参照して説明する。
図4は、電磁クラッチ1’の要部断面図であると共に、電磁クラッチ1’における放電経路Lを説明するための概念図でもある。なお、第1実施形態と同一要素には同一符号を付してあり、第1実施形態と異なる部分について説明する。図4では、図3と同様に、アーマチュア板4のプーリー側端面411はプーリー2の連結部23と離間しているが、以下の説明では、プーリー側端面411は連結部23に磁気吸着されているものとする。
電磁クラッチ1’は、基材41における絶縁被膜42の施されない基材露出領域S(図中左下の部分拡大図において、太破線で示す)の一部である第2領域S2の設定領域が第1実施形態の電磁クラッチ1と異なる。電磁クラッチ1’において、第2領域S2は、基材41の表面における連結部材5との締結箇所のうちの連結部材5が接触する部位のうちの少なくとも一部である。具体的には、基材41の表面における連結部材5との締結箇所のうちの連結部材5が接触する部位は、基材41におけるプーリー側端面411と反対側の端面(つまり、非プーリー側端面412)の外縁部である。そして、第2領域S2は、例えば、基材41の非プーリー側端面412の外縁部における各連結部材5の前記一端部(第3リベット18側端部)が接触する部位の全部に設定されている。つまり、プーリー側端面411(第1領域S1)と、非プーリー側端面412の外縁部のうちの複数(ここでは三つ)の連結部材5の接触している部位(第2領域S2)だけ、絶縁被膜42が施されていない。なお、これに限らず、第2領域S2は、非プーリー側端面412の外縁部における連結部材5の前記一端部が接触する部位の一部であってもよい。この一部とは、三つの接触部位のうちの一つ又は二つであってもよいし、それぞれの接触部位における一部であってもよい。また、第2領域S2は、基材41の非プーリー側端面412の外縁部の全周に亘っていてもよいし、非プーリー側端面412の全体であってもよい。
電磁クラッチ1’では、電磁石6によって、アーマチュア板4がプーリー2に磁気吸着されると、プーリー2から、基材41のプーリー側端面411(第1領域S1)、基材41の内部、基材41の非プーリー側端面412における第2領域S2、連結部材5、及び、ハブ3を経由する放電経路Lが形成される。そして、アーマチュア板4がプーリー2に磁気吸着されると、プーリー2は放電経路Lにより駆動軸52に対して電気的に導通し、プーリー2内の静電気の全部又は大半が駆動軸52を介して圧縮機50に放電される。これにより、第1実施形態の電磁クラッチ1と同様に、プーリー2を回転自在に支持する軸受10内における前記剥離の発生を簡易な構成で防止又は抑制することができる電磁クラッチ1’を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。
例えば、第2領域S2は、第1実施形態では小径部414bの孔壁面414c1とし、第2実施形態では、基材41の表面における連結部材5との締結箇所のうちの連結部材5が接触する部位のうちの少なくとも一部としたが、これらに限らない。例えば、第2領域S2は、連結部材用貫通孔414の孔壁面414cのうちの大径部414aの孔壁面414c2の一部(大径部414aの孔周面又は孔底面)であってもよいし、孔壁面414c2の全部(大径部414aの孔周面及び孔底面)であってもよい。また、第2領域S2は、連結部材用貫通孔414の孔壁面414cの全体であってもよいし、孔壁面414cの一部又は全部と、基材41の表面における連結部材5との締結箇所のうちの連結部材5が接触する部位のうちの少なくとも一部との組み合わせであってもよい。放電経路Lは、第2領域S2の設定領域の相違によって変わることになるが、基材41の第1領域S1、基材41の内部、基材41の第2領域S2、連結部材5、及び、ハブ3を経由する点において共通する。アーマチュア板4には、絶縁被膜42の施されない基材露出領域Sが、少なくとも、基材41の表面におけるプーリー側端面411である第1領域S1と、基材41の表面における連結部材5との締結箇所のうちの少なくとも一部である第2領域S2とに設定されていれよい。これにより、基材41の第1領域S1、基材41の内部、基材41の第2領域S2、連結部材5、及び、ハブ3を経由する放電経路Lが形成される。電磁クラッチ1、1’は、換言すると、アーマチュア板4がプーリー2に電磁吸着された状態において、プーリー2からアーマチュア板4、連結部材5、ハブ3を経由する放電経路L(つまり、電気的にプーリー2と駆動軸52との間を電気的に導通させる経路)であって、駆動軸52を回避して延びる放電経路Lを有する。
1…電磁クラッチ
1’…電磁クラッチ
2…プーリー
3…ハブ
4…アーマチュア板
5…連結部材
5a…一端部側貫通孔
6…電磁石
10…軸受
18…第3リベット(締結部材)
18a…軸部
18a1…先端部位
41…基材
42…絶縁被膜
50…圧縮機(従動機器)
51…圧縮機のハウジング(従動機器のハウジング)
52…圧縮機の駆動軸(従動機器の駆動軸)
411…プーリー側端面
412…非プーリー側端面(プーリー側端面と反対側の端面)
414…連結部材用貫通孔
414a…大径部
414b…小径部
414c…連結部材用貫通孔の孔壁面
414c1…小径部の孔壁面
S…基材露出領域
S1…第1領域
S2…第2領域

Claims (6)

  1. 駆動源の動力を従動機器に断続的に伝達する電磁クラッチであって、
    前記従動機器のハウジングに軸受を介して回転自在に取り付けられ、前記駆動源の動力によって回転駆動されるプーリーと、
    前記従動機器の駆動軸の端部に取り付けられるハブと、
    前記プーリーとの間に隙間を有して配置され、導電性を有する板状の基材と、当該基材の表面に施される絶縁被膜とからなるアーマチュア板と、
    前記ハブと前記アーマチュア板との間を連結すると共に弾性を有する連結部材と、
    前記アーマチュア板を前記プーリーに磁気吸着させる電磁石と、
    を含み、
    前記プーリー、前記連結部材、前記ハブ及び前記駆動軸はそれぞれ導電性を有し、
    前記アーマチュア板には、前記絶縁被膜の施されない基材露出領域が、少なくとも、前記基材の表面におけるプーリー側端面である第1領域と、前記基材の表面における前記連結部材との締結箇所のうちの少なくとも一部である第2領域とに設定されている、電磁クラッチ。
  2. 前記連結部材は導電性を有する締結部材を介して前記アーマチュア板に締結され、
    前記締結部材は、前記連結部材の一端部に開口される一端部側貫通孔を貫通すると共に、前記アーマチュア板の外縁部に開口される連結部材用貫通孔に係合することにより、前記連結部材を前記アーマチュア板に締結させる軸部を有し、
    前記第2領域は、前記基材の表面における前記連結部材との締結箇所としての前記連結部材用貫通孔の孔壁面のうちの少なくとも一部である、請求項1に記載の電磁クラッチ。
  3. 前記連結部材用貫通孔は、前記基材の前記プーリー側端面に開口する大径部と、該大径部に連通すると共に前記基材における前記プーリー側端面と反対側の端面に開口し、且つ、当該大径部より小径の小径部と、を有した段付き孔状に開口され、
    前記締結部材は、前記軸部が前記小径部を貫通し、その先端部位が拡径されて前記大径部に係合することにより、前記連結部材を前記アーマチュア板に締結させ、
    前記連結部材用貫通孔の前記孔壁面のうちの少なくとも一部は、前記小径部の孔壁面である、請求項2に記載の電磁クラッチ。
  4. 前記第2領域は、前記基材の表面における前記連結部材との締結箇所のうちの前記連結部材が接触する部位のうちの少なくとも一部である、請求項1に記載の電磁クラッチ。
  5. 前記基材の表面における前記連結部材との締結箇所のうちの前記連結部材が接触する部位は、前記基材における前記プーリー側端面と反対側の端面の外縁部である、請求項4に記載の電磁クラッチ。
  6. 前記連結部材は、前記駆動軸の回転方向における複数箇所で前記ハブと前記アーマチュア板との間に架け渡されている、請求項1〜5のいずれか一つに記載の電磁クラッチ。
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