JP2020122503A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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紀男 米澤
Norio Yonezawa
紀男 米澤
英滋 土屋
Eiji Tsuchiya
英滋 土屋
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Abstract

【課題】回転体の動作を継続しながら、トルクの周期特性を目論見通りに調整可能な駆動力伝達装置を提供する。【解決手段】駆動力伝達装置10のトルク付与機構20は、第1回転体16に対向して配置され、かつ第2回転体18に保持される可動部60と、一端が第1回転体16に他端が可動部60にそれぞれ接続される弾性体64と、第1回転体16が回転し、かつ第2回転体18が一時的に回転を停止している間に、第2回転体18に保持された状態を保ちながら可動部60を移動させる移動機構66と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、複数の回転体を介して駆動力を伝達する駆動力伝達装置に関する。
従来から、複数の回転体を介して駆動力を伝達する駆動力伝達装置が知られている。例えば、弾性力を利用して、周期的に向きが反転するトルクを回転体に与えることで、ブレーキ機構を追加的に設けることなくトルクを制御する技術がある。
特許文献1には、弾性体の一端を第1軸に、弾性体の他端を第2軸にそれぞれ接続した駆動力伝達装置が開示されている。この構成によれば、例えば、第2軸の回転に伴って弾性体が伸長する場合、当該弾性体の復元力が第2軸の制動力として作用する。
特開2018−040379号公報
ところで、上記した装置構成において、弾性体の接続位置を変更するための可動部を回転体に設け、当該可動部の位置・姿勢を変更することでトルクの周期特性を動的に調整することが考えられる。しかしながら、回転に伴う慣性力によって可動部の移動中に部材間の滑りなどが起こり、移動量の目標値と実際値との間に乖離が生じると、この周期特性を目論見通りに調整できないという問題がある。
本発明の目的は、回転体の動作を継続しながら、トルクの周期特性を目論見通りに調整可能な駆動力伝達装置を提供することである。
本発明における駆動力伝達装置は、第1回転体と、第2回転体と、前記第1回転体の回転に伴って周期的に変化するトルクを前記第2回転体に付与するトルク付与機構と、を備える装置であって、前記トルク付与機構は、前記第1回転体に対向して配置され、かつ前記第2回転体に保持される可動部と、一端が前記第1回転体に他端が前記可動部にそれぞれ接続される弾性体と、前記第1回転体が回転し、かつ前記第2回転体が一時的に回転を停止している間に、前記第2回転体に保持された状態を保ちながら前記可動部を移動させる移動機構と、を備える。
また、上記した駆動力伝達装置は、前記第2回転体の回転方向が反対になるとき前記第2回転体を第1静止物体に固定する逆転防止機構をさらに備え、前記トルク付与機構は、回転方向が周期的に反転するトルクを前記第2回転体に付与してもよい。
また、前記可動部は、前記第2回転体の周面に沿って回動可能に構成され、前記移動機構は、前記第1静止物体と同一の又は異なる第2静止物体に固定配置され、かつ操作子からの操作を通じてトルクを出力する操作機構と、前記操作機構と前記可動部の間に設けられ、かつ、前記操作機構から前記可動部へのトルクを伝達する一方、前記可動部から前記操作機構へのトルクの伝達を遮断するワンウェイクラッチと、を備えてもよい。
また、前記移動機構は、前記第2回転体が回転している間に前記操作子からの操作をロックするロック機構をさらに備えてもよい。
また、前記ロック機構は、前記第2回転体からの負荷トルクが前記第1静止物体に作用する場合に前記操作子と前記操作機構の出力軸を係合可能に構成され、かつ、前記第2回転体からの負荷トルクが前記第1静止物体に作用しない場合に前記操作子を固定可能に構成されるロック型のトルクダイオードを含んで構成されてもよい。
また、前記移動機構は、前記可動部の移動制御を行う制御装置と、前記第2回転体の回転状態を検出する回転センサと、を備え、前記制御装置は、前記回転センサによって回転中の前記第2回転体が停止したことを検出した後に前記可動部の移動を開始してもよい。
また、前記制御装置は、前記回転センサによって停止中の前記第2回転体が回転を開始したことを検出する前に前記可動部の移動を終了してもよい。
本発明によれば、回転体の動作を継続しながら、トルクの周期特性を目論見通りに調整することができる。
本発明の一実施形態における駆動力伝達装置の基本構成を示す図である。 図1の駆動力伝達装置の具体的構成を示す側面図である。 図2におけるA−A断面図である。 図2に示す移動機構の模式図である。 図2及び図3の駆動力伝達装置の動作例を示すタイムチャートである。 位相調整量に対応するトルク周期特性を示す図である。 第2回転体が回転状態である場合における移動機構の動作を示す図である。 図7の動作に伴って変化する、第2回転体と可動部の間の相対的位置関係を示す遷移図である。 第2回転体が停止状態である場合における移動機構の動作を示す図である。 図9の動作に伴って変化する、第2回転体と可動部の間の相対的位置関係を示す遷移図である。 変形例におけるトルク付与機構の模式図である。 図11の制御装置における第1処理シーケンスを示す図である。 図11の制御装置における第2処理シーケンスを示す図である。
[駆動力伝達装置10の構成]
<基本構成>
図1は、本発明の一実施形態における駆動力伝達装置10の基本構成を示す図である。駆動力伝達装置10は、入力軸12から入力された駆動力を伝達し、出力軸14に出力する装置である。具体的には、駆動力伝達装置10は、入力軸12と、出力軸14と、第1回転体16と、第2回転体18と、トルク付与機構20と、速度センサ22,24と、を含んで構成される。
入力軸12及び出力軸14はいずれも、時計回り又は反時計回りに回転可能な駆動軸である。第1回転体16は、入力軸12と出力軸14の間に介在する中間軸であってもよいし、入力軸12そのものであってもよい。第2回転体18は、上記した中間軸であってもよいし、出力軸14そのものであってもよい。
トルク付与機構20は、第1回転体16及び第2回転体18の相対回転に伴って周期的に変化するトルクを第2回転体18に対して付与する。このトルク付与機構20は、トルク付与機構20の一部を構成する制御装置26の駆動制御に伴って、第2回転体18の回転角度に対するトルクの変化特性(以下、「トルク周期特性」ともいう)を調整可能に構成されている。
速度センサ22は、入力軸12の回転速度(以下、入力速度という)を検出し、この入力速度を示す検出信号を出力する。速度センサ24は、出力軸14の回転速度(以下、出力速度もいう)を検出し、この出力速度を示す検出信号を出力する。速度センサ22,24はそれぞれ、トルク制御を司るコンピュータである制御装置26に接続されている。
制御装置26は、速度センサ22,24から取得した2種類の検出信号を用いて、入力速度に対する出力速度の比、つまり変速比の実測値を算出する。制御装置26は、算出された実測値と、与えられた要求値の差が管理範囲内に収まるようにトルク指令値を求め、当該トルク指令値に応じた制御信号を出力する。
なお、制御装置26は、出力速度の実測値と、与えられた要求値の差が管理範囲に収まるようにトルク制御を行ってもよい。この場合、入力速度を検出するための速度センサ22を省略することができる。
<具体的構成>
図2は、図1の駆動力伝達装置10の具体的構成を示す側面図である。この駆動力伝達装置10は、上記した第1回転体16、第2回転体18及びトルク付与機構20の他に、逆転防止機構30と、ワンウェイクラッチ32と、回転軸34と、を含んで構成される。第1回転体16、第2回転体18及び回転軸34の回転速度をそれぞれV1,V2,V3と表記するとき、この駆動力伝達装置10は、V1>V3≧V2の関係が常に成り立つ「減速駆動」を行うように構成される。
第1回転体16は、例えばクランクシャフトから構成され、軸心に対して互いに反対方向に突出する2つのクランク部36,38を有する。
第2回転体18は、2つの底面部40,42を有する中空円筒状のケース44と、一方の底面部40からケース44と同軸的に設けられる軸部46と、を有する。ケース44の他方の底面部42の中心には、ケース44の内部空間48と外部とを連通する連通孔50が設けられている。
ケース44の内部空間48は、底面部40,42、第1内周部52及び第2内周部54に囲まれることで、軸方向に延びて形成されている。なお、第1内周部52と第2内周部54は、それぞれ円周面を有するとともに、環状の段差部を介して互いに接続される。
逆転防止機構30は、第2回転体18の軸部46に設けられており、例えばバックストッパ機能を果たすワンウェイクラッチから構成される。逆転防止機構30の内輪が軸部46に、外輪が固定部材56(第1静止物体)にそれぞれ接続されており、第2回転体18は一方向にのみ回転することができる。
ワンウェイクラッチ32は、第2回転体18と回転軸34の間に設けられており、オーバーランニング機能を果たすクラッチである。このワンウェイクラッチ32は、V2<V3の関係を満たす場合に「切断状態」(解放状態)となり、V2≧V3の関係を満たす場合に「接続状態」(係合状態)になる。これにより、第2回転体18からの動力を回転軸34へ効率よく伝達することができる。
続いて、トルク付与機構20の具体的構造について説明する。このトルク付与機構20は、可動部60と、2つの弾性体62,64と、移動機構66と、を備える。
可動部60は、一方が開口する有底円筒状の形状を有し、かつ、その内周面が第1内周部52と略面一になるようにケース44に収容されている。可動部60と第2内周部54の間には、可動部60をケース44に保持するための摩擦材68が設けられている。これにより、可動部60は、軸方向に沿って第1回転体16に対向して配置され、かつ第2回転体18に保持されたままで第2回転体18とともに回転可能に構成される。
弾性体62,64は、例えば、ばねから構成され、ケース44の内部空間48にて第1回転体16と第2回転体18を直接的又は間接的に接続する。具体的には、弾性体62の一端は第1回転体16のクランク部36に、他端はケース44の第1内周部52にそれぞれ接続されている。また、弾性体64の一端は第1回転体16のクランク部38に、他端は可動部60の内周面にそれぞれ接続されている。
図3は、図2におけるA−A断面図である。本図は、第1回転体16及び第2回転体18がともに停止し、かつ可動部60が初期位置である配置関係を示している。以下、回転角度θに関して、時計回りを正方向とし、かつ、弾性体62の接続端が最上点となる位置をθ=0°、最下点となる位置をθ=180°と定義する。ここで、第1回転体16の回転角度をθ1、第2回転体18の回転角度をθ2とすると、本図の例では、θ1=180°かつθ2=0°である。また、第2回転体18(ケース44)に対する可動部60の位相調整量をφとすると、初期位置ではφ=0°となる。
図4は、図2に示す移動機構66の模式図である。図示の便宜上、第1回転体16及び第2回転体18を部分的に省略している。この移動機構66は、第2回転体18に対して可動部60を回動(つまり、周方向に移動)させる駆動機構である。具体的には、移動機構66は、操作子80からの操作を通じてトルクを出力する操作機構70と、操作子80からの操作をロック可能なロック機構72と、操作機構70と可動部60の間に設けられるワンウェイクラッチ74と、を含んで構成される。
この操作機構70は、ロック機構72を介して固定部材76(第2静止物体)に固定されており、第2回転体18の回転状態にかかわらず静止状態を保っている。なお、固定部材76は、図2の逆転防止機構30に接続される固定部材56と同一の部材であってもよいし、異なる部材であってもよい。
操作機構70は、上記した制御装置26と操作子80の他に、アクチュエータ82と、出力軸部84と、をさらに備える。操作子80は、例えば、可動部60の回動操作を行うための円柱状部材である。アクチュエータ82は、例えば、回転モータから構成され、その駆動軸が操作子80の底面中心部に固定されている。つまり、制御装置26がアクチュエータ82を駆動するための駆動信号(電流波形)を出力することで、操作子80は、アクチュエータ82と連動しながら時計回り又は反時計回りに回動する。
ロック機構72は、それぞれ同軸的に配置される操作子80と出力軸部84の間に設けられている。このロック機構72は、第2回転体18からの負荷トルクが固定部材56に作用する場合に操作子80と出力軸部84(つまり、操作機構70の出力軸)を係合し、第2回転体18からの負荷トルクが固定部材56に作用しない場合に操作子80を固定するロック型のトルクダイオードを含んで構成される。
ワンウェイクラッチ74は、操作機構70が有する出力軸部84と、可動部60が有する軸部86の間に設けられた、オーバーランニング機能を果たすクラッチである。ワンウェイクラッチ74は、操作機構70から可動部60へのトルクを伝達する一方、可動部60から操作機構70へのトルクの伝達を遮断するように構成される。つまり、ワンウェイクラッチ74は、V2<V4の関係を満たす場合に「切断状態」(解放状態)となり、V2≧V4の関係を満たす場合に「接続状態」(係合状態)になる。ここで、V4は、出力軸部84の回転速度である。
[駆動力伝達装置10の動作]
この実施形態における駆動力伝達装置10は、以上のように構成される。続いて、駆動力伝達装置10の動作について、図5〜図9を参照しながら説明する。
図5は、図2及び図3の駆動力伝達装置10の動作例を示すタイムチャートである。具体的には、図5(a)は回転速度及びトルクの時間変化を示すとともに、図5(b)は制御装置26の処理シーケンスを示している。
<基本動作>
図5(a)に示すように、時点t=T0において、第2回転体18が加速し、回転速度V2が回転軸34の回転速度V3に達する。そうすると、ワンウェイクラッチ32が「切断状態」から「接続状態」となり、両者の回転速度が等しくなる(V2=V3)。
時間帯t=T0〜T1において、第1回転体16が負荷を受け、かつ第2回転体18を駆動する向き(正方向)にトルクが発生する。これと併せて、第1回転体16と第2回転体18の間の回転角度差が増加し、弾性体62,64の圧縮により弾性エネルギーが蓄積される。
時点t=T1において、正方向のトルクがゼロになり、その後のトルクの向きが反転する。そうすると、第2回転体18が減速を開始し(V2<V3)、ワンウェイクラッチ32が「接続状態」から「切断状態」となる。
時間帯t=T1〜T2において、第1回転体16を駆動する向き(負方向)にトルクが発生し、第2回転体18は減速し続ける。
時点t=T2において、第2回転体18の回転速度V2がゼロになり、逆方向に回転しようとする。そうすると、逆転防止機構30によって第2回転体18が固定部材56に固定され、第2回転体18が一時的に停止する(V2=0)。
時間帯t=T2〜T3において、第1回転体16と第2回転体18の間の回転角度差がさらに増加し、弾性体62,64の伸長により弾性エネルギーの放出を開始する。そうすると、第2回転体18を通じて固定部材56が負荷を受け、かつ第1回転体16を駆動する向き(負方向)にトルクが発生する。
時点t=T3において、弾性体62,64が自身の弾性エネルギーを放出しきると、負方向のトルクがゼロになり、その後のトルクの向きが反転する。
時間帯t=T3〜T4において、第1回転体16が負荷を受け、かつ第2回転体18を駆動する向き(正方向)にトルクが発生する。そうすると、第2回転体18は、逆転防止機構30の固定部材56から切り離され、加速を開始する(V2>0)。
このように、駆動力伝達装置10は、(T4−T0)を1周期とする動作を逐次繰り返すことで、第1回転体16と回転軸34の間で駆動力を伝達することができる。なお、時点t>T4であるT5,T6,T7は、T1,T2,T3にそれぞれ対応する。
<制御装置26の動作>
続いて、トルク周期特性の調整時における制御装置26の動作について、図5(b)及び図6〜図10を参照しながら説明する。
図5(b)のステップS1において、制御装置26は、入力速度を示す検出信号を速度センサ22(図1)から取得するとともに、出力速度を示す検出信号を速度センサ24(図1)から取得する。なお、検出信号の取得タイミングは、定期的であってもよいし不定期であってもよい。
ステップS2において、制御装置26は、ステップS1で取得された2種類の検出信号に基づいてトルク指令値を算出し、当該トルク指令値に応じた位相調整量φを決定する。このトルク指令値は、例えば、トルク周期特性の振幅であり、位相調整量φとの対応関係に基づいて定めることができる。
図6は、位相調整量φに対応するトルク周期特性を示す図である。グラフの横軸は回転角度差θgap(単位:度)を示すとともに、グラフの縦軸はトルク相対値(単位:なし)を示している。ここで、回転角度差θgapは、第1回転体16の回転角度(θ1)と第2回転体18の回転角度(θ2)の差(θ1−θ2)に相当する。また、トルク相対値は、取り得る値の範囲を[−1,1]に正規化したトルクに相当する。
本図の例では、位相調整量がφ=0°である場合、θgap=約45°,約225°にてトルクが最大(=1)となる一方、θgap=約135°,約315°にて負のトルクが最大(=−1)となる。位相調整量φが0°から正方向に増加するにつれて、トルク周期特性のピーク位置が正方向にシフトするとともにピーク値(振幅)が減少する。位相調整量がφ=180°である場合、弾性体62,64による弾性力が相殺され、回転角度差θgapにかかわらずトルクが常にゼロになる。なお、位相調整量φが0°から負方向に増加するにつれて、トルク周期特性のピーク位置が負方向にシフトするとともにピーク値が減少する。
ステップS3において、制御装置26は、ステップS2で決定された位相調整量φに応じた駆動信号をアクチュエータ82に向けて出力する。例えば、T4<t<T5の範囲にてステップS2が終了した場合、時点t=T6に到達するまでの間、位相の調整が行われない「未調整状態」が続く。そして、時点t=T6の到達後であって、所望の移動が終了するまでの間、位相の調整が行われる「調整状態」が続く。
図7は、第2回転体18が回転状態である場合における移動機構66の動作を示す図である。図8は、図7の動作に伴って変化する、第2回転体18と可動部60の間の相対的位置関係を示す遷移図である。なお、説明の便宜上、図8の(a)(b)の前後にわたって、弾性体62,64の伸縮に起因する回転角度差θgapの変化がない(θgap=180°)ものとみなす。
図7に示すように、第1回転体16の回転に伴って、第2回転体18及び可動部60が一体的に回転する(V1>0、V2>0)。第2回転体18が回転している間は固定部材56にトルクの負荷がかからないため、ロック機構72によるロック機能が作動し、操作子80及び出力軸部84はそれぞれ固定される。これにより、第2回転体18の回転状態において、制御装置26がアクチュエータ82の駆動を試みたとしても、ロック機構72が発揮するロック機能によって、操作子80に対する操作が禁止される。
なお、この状態下にてV2>V4=0の関係が成り立っているので、ワンウェイクラッチ78が「切断状態」となって軸部86が空転し、可動部60からのトルクが出力軸部84には伝達されない点に留意する。
その結果、図8(a)及び(b)に示すように、第1回転体16及び第2回転体18の両方が回転している間、第2回転体18と可動部60の間の相対的位置関係が保たれる。つまり、トルク周期特性は、第2回転体18が回転している間に調整されない。
図9は、第2回転体18が停止状態である場合における移動機構66の動作を示す図である。図10は、図9の動作に伴って変化する、第2回転体18と可動部60の間の相対的位置関係を示す遷移図である。なお、説明の便宜上、図10の(a)(b)の前後にわたって、弾性体62,64の伸縮に起因する回転角度差θgapの変化がない(θgap=180°)ものとみなす。
図9に示すように、第1回転体16が回転している間、第2回転体18及び可動部60が一時的に停止する(V1>0、V2=0)。第2回転体18が停止している間は固定部材56にトルクの負荷がかかるため、ロック機構72によるロック機能が解除され、操作子80と出力軸部84が係合する。また、この状態下にてV2=0<V4の関係が成り立っているので、ワンウェイクラッチ78が「接続状態」となって出力軸部84と軸部86が係合する。
つまり、第2回転体18の停止状態において、制御装置26による操作子80の操作が許可される。そうすると、可動部60がアクチュエータ82の駆動軸と一体的に周方向に移動することで、複数の弾性体62,64同士の位相差が調整される。
その結果、図10(a)及び(b)に示すように、第1回転体16が回転し、かつ第2回転体18が一時的に回転を停止している間、第2回転体18と可動部60の間の相対的位置関係が変化する。位相調整量φ(本図の例では、φ=30°)に相当する位相差を設けることで、所望のトルク周期特性に調整される。
<トルク付与機構20による効果>
以上のように、駆動力伝達装置10のトルク付与機構20は、第1回転体16に対向して配置され、かつ第2回転体18に保持される可動部60と、一端が第1回転体16に他端が可動部60にそれぞれ接続される弾性体64と、第1回転体16が回転し、かつ第2回転体18が一時的に回転を停止している間に、第2回転体18に保持された状態を保ちながら可動部60を移動させる移動機構66と、を備える。
このように、第2回転体18が一時的に回転を停止している間に、第2回転体18に保持された状態を保ちながら可動部60を移動させる移動機構66を設けたので、回転に伴う慣性力が作用しない状態下に可動部60を移動可能となり、この慣性力に起因する移動量の誤差が抑制される。これにより、第1回転体16及び第2回転体18の動作を継続しながら、トルクの周期特性を目論見通りに調整することができる。
特に、駆動力伝達装置10の逆転防止機構30は、第2回転体18の回転方向が反対になるとき第2回転体18を固定部材56に固定し、トルク付与機構20は、回転方向が周期的に反転するトルクを第2回転体18に付与することが好ましい。その理由は、第1回転体16が1回転するうちに第2回転体18が間欠的に停止する時間帯を利用して、トルク周期特性を逐次的に調整できるからである。
また、可動部60が第2回転体18の周面に沿って回動可能に構成される場合、移動機構66は、固定部材76に固定配置され、かつ操作子80からの操作を通じてトルクを出力する操作機構70と、操作機構70と可動部60の間に設けられるワンウェイクラッチ74と、を備えてもよい。これにより、操作機構70が固定配置された状態にて可動部60の回動操作が可能となり、回転体に電力を供給するためのスリップリングを含む各種機構が不要となる。この場合、スリップリングの使用による発熱や損失などを考慮しなくても済む。
また、移動機構66は、第2回転体18が回転している間に操作子80からの操作をロックするロック機構72をさらに備えてもよい。これにより、第2回転体18が回転している間に操作子80からの操作を試みた場合であっても、ロック機能により可動部60の移動を阻止することができる。
[変形例]
上記した実施形態では、ロック機構72(図4)を含むトルク付与機構20を例に挙げて説明したが、このロック機構を含まない構成を採用してもよい。以下、変形例におけるトルク付与機構90の構成及び動作について図11〜図13を参照しながら説明する。
<トルク付与機構90の構成>
図11は、変形例におけるトルク付与機構90の模式図である。このトルク付与機構90は、上記した可動部60及び弾性体62,64の他に、図4に示す構成とは異なる移動機構92を備える。この移動機構92は、第2回転体18に対して可動部60を回動させる駆動機構であり、具体的には、アクチュエータ94と、回転センサ96と、制御装置98と、を備える。
アクチュエータ94は、例えば、回転モータから構成され、その本体がケース44の底面部40に、その駆動軸が可動部60の底面中心部にそれぞれ固定されている。これにより、可動部60は、アクチュエータ94の駆動に伴い、第2回転体18の周面に沿って時計回り又は反時計回りに回動可能である。
回転センサ96は、例えば、速度センサ又は加速度センサから構成され、第2回転体18(本図例では、底面部40)に取り付けられている。回転センサ96から出力される検出信号により、少なくとも「回転」「停止」を含む、第2回転体18の回転状態を検出することができる。
制御装置98は、アクチュエータ94を駆動するための駆動信号(電流波形)を出力することで、第2回転体18に対するトルク制御を行う。また、後述するように、制御装置98は、回転センサ96からの検出信号に基づいて、駆動信号の出力タイミングを決定する。
<処理シーケンスの第1例>
変形例におけるトルク付与機構90は、以上のように構成される。続いて、制御装置98の動作(具体的には、アクチュエータ94の駆動タイミング制御)について、図12及び図13に示す処理シーケンスを参照しながら説明する。
図12のステップS11において、制御装置98は、入力速度又は出力速度を示す検出信号を取得し、この検出信号を用いてトルク指令値に応じた位相調整量φを決定する(ステップS2)。なお、ステップS11,S12の処理は、上記したステップS1,S2(図5(b)参照)と同様であるため、詳しい説明を省略する。
ところで、制御装置98は、回転センサ96からの検出信号を逐次取得し、第2回転体18の回転状態を監視する。ここでは、制御装置98は、第2回転体18の回転状態が「回転」から「停止」へ移行したか否かを検出する。例えば、制御装置98は、ステップS12の終了時点t(T4<t<T5)にて第2回転体18の「回転」が検出された場合、次の「停止」(時点t=T6)が検出されるまで一時的に待機する。
ステップS13において、制御装置98は、第2回転体18の回転状態が「回転」から「停止」に移行したことを検出した場合、次のステップ(S14)に進む。
ステップS14において、制御装置98は、ステップS12で決定された位相調整量φに応じた駆動信号をアクチュエータ94に向けて出力する。そうすると、可動部60がアクチュエータ94の駆動軸と一体的に周方向に移動することで、複数の弾性体62,64同士の位相差が調整される。
以上のように、移動機構92は、回転センサ96によって回転中の第2回転体18が停止したことを検出した後に可動部60の移動を開始してもよい。あるいは、移動機構92は、回転センサ96によって停止中の第2回転体18が回転を開始したことを検出する前に可動部60の移動を終了してもよい。回転センサ96による実際の検出結果に基づいて移動の開始/終了タイミングを決定するので、信頼性がより高い移動制御を行うことができる。
<処理シーケンスの第2例>
ところで、ステップS12(図12参照)の位相調整量φを決定するタイミングによって、第2回転体18が停止する残り時間が短くなってしまい、可動部60の移動中に第2回転体18の回転が再開することもあり得る。
そこで、図13(a)に示すように、ステップS12の終了時点t(T2<t<T3)にて第2回転体18の「停止」が検出された場合、制御装置98は、一旦「回転」(時点t=T3)となり、次の「停止」(時点t=T6)が検出されるまでの間、可動部60の移動を一時的に保留してもよい。これにより、位相調整量φの決定時点にかかわらず可動部60の移動のための時間マージンをより多く確保できる。
あるいは、図13(b)に示すように、制御装置98は、「回転」から「停止」への移行時点を逐次検出してもよい(ステップS13a)。この場合、制御装置98は、ステップS12の終了時点と、直近に検出された移行時点(t=T2)との関係から、決定された位相調整量φを修正してもよい(ステップS13b)。アクチュエータ94の駆動時間を必要に応じて短縮することで、停止中の第2回転体18が回転し始める前に可動部60の移動を終了させることができる。
<他の変形例>
また、本発明は、上記の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。あるいは、技術的に矛盾が生じない範囲で各々の構成を任意に組み合わせてもよい。
上記の例では、2つの弾性体62,64(図2参照)を用いて第1回転体16と第2回転体18を接続しているが、弾性体の個数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、弾性体は、可動部60に1つ以上接続されていればよく、様々な位置に設けられてもよい。
上記の例では、可動部60(図2参照)が第2回転体18に対して周方向に移動可能であるが、弾性体64の接続位置の変更によってトルク周期特性を調整可能であればこの形態に限られない。具体的には、この移動は、周方向への「回転移動」の他に、軸方向又は径方向への「平行移動」、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。
上記の例では、アクチュエータ82,94(図4,図11参照)として回転モータを用いているが、可動部60の形状、移動方向、配置構造、要求仕様などに応じて様々なアクチュエータを採用してもよい。
10 駆動力伝達装置、12 入力軸、14 出力軸、16 第1回転体、18 第2回転体、20,90 トルク付与機構、26,98 制御装置、30 逆転防止機構、56 固定部材(第1静止物体)、60 可動部、62,64 弾性体、66,92 移動機構、70 操作機構、72 ロック機構、74 ワンウェイクラッチ、76 固定部材(第2静止物体)、80 操作子、82,94 アクチュエータ、96 回転センサ。

Claims (7)

  1. 第1回転体と、第2回転体と、前記第1回転体の回転に伴って周期的に変化するトルクを前記第2回転体に付与するトルク付与機構と、を備える駆動力伝達装置であって、
    前記トルク付与機構は、
    前記第1回転体に対向して配置され、かつ前記第2回転体に保持される可動部と、
    一端が前記第1回転体に他端が前記可動部にそれぞれ接続される弾性体と、
    前記第1回転体が回転し、かつ前記第2回転体が一時的に回転を停止している間に、前記第2回転体に保持された状態を保ちながら前記可動部を移動させる移動機構と、
    を備えることを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の駆動力伝達装置において、
    前記第2回転体の回転方向が反対になるとき前記第2回転体を第1静止物体に固定する逆転防止機構をさらに備え、
    前記トルク付与機構は、回転方向が周期的に反転するトルクを前記第2回転体に付与する
    ことを特徴とする駆動力伝達装置。
  3. 請求項2に記載の駆動力伝達装置において、
    前記可動部は、前記第2回転体の周面に沿って回動可能に構成され、
    前記移動機構は、
    前記第1静止物体と同一の又は異なる第2静止物体に固定配置され、かつ操作子からの操作を通じてトルクを出力する操作機構と、
    前記操作機構と前記可動部の間に設けられ、かつ、前記操作機構から前記可動部へのトルクを伝達する一方、前記可動部から前記操作機構へのトルクの伝達を遮断するワンウェイクラッチと、
    を備えることを特徴とする駆動力伝達装置。
  4. 請求項3に記載の駆動力伝達装置において、
    前記移動機構は、前記第2回転体が回転している間に前記操作子からの操作をロックするロック機構をさらに備えることを特徴とする駆動力伝達装置。
  5. 請求項4に記載の駆動力伝達装置において、
    前記ロック機構は、前記第2回転体からの負荷トルクが前記第1静止物体に作用する場合に前記操作子と前記操作機構の出力軸を係合し、かつ、前記第2回転体からの負荷トルクが前記第1静止物体に作用しない場合に前記操作子を固定するロック型のトルクダイオードを含んで構成されることを特徴とする駆動力伝達装置。
  6. 請求項2に記載の駆動力伝達装置において、
    前記移動機構は、
    前記可動部の移動制御を行う制御装置と、
    前記第2回転体の回転状態を検出する回転センサと、
    を備え、
    前記制御装置は、前記回転センサによって回転中の前記第2回転体が停止したことを検出した後に前記可動部の移動を開始することを特徴とする駆動力伝達装置。
  7. 請求項6に記載の駆動力伝達装置において、
    前記制御装置は、前記回転センサによって停止中の前記第2回転体が回転を開始したことを検出する前に前記可動部の移動を終了することを特徴とする駆動力伝達装置。
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