JP2020122050A - 繊維複合樹脂成形部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的強度および成形部品の親水性向上を実現し十分な防曇機能を発揮することができる繊維複合樹脂成形部品を提供する。【解決手段】繊維複合樹脂成形部品10は、主剤樹脂1と、主剤樹脂中に分散された繊維状フィラー2と、主剤樹脂中に分散され、主剤樹脂と相溶する疎水性樹脂部4とエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部5とを有するブロック共重合体3と、を含む。【選択図】図1
Description
本発明は、繊維状フィラーを含有した繊維複合樹脂成形部品に関する。
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)等のいわゆる「汎用プラスチック」は、非常に安価であるだけでなく、成形が容易で、金属、またはセラミックスに比べて重さが数分の一と軽量である。そのため、汎用プラスチックは、袋、各種包装、各種容器、シート類等の多様な生活用品の材料として、また、自動車部品、電気部品等の工業部品、及び日用品、雑貨用品等の材料として、よく利用されている。
しかしながら、汎用プラスチックは、機械的強度が不十分であること等の欠点を有している。そのため、汎用プラスチックは、自動車等の機械製品、及び電気・電子・情報製品をはじめとする各種工業製品に用いられる材料に対して要求される十分な特性を有しておらず、その適用範囲が制限されているのが現状である。
一方、ポリカーボネート、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド等のいわゆる「エンジニアリングプラスチック」は、機械的特性に優れており、自動車等の機械製品、及び電気・電子・情報製品をはじめとする各種工業製品に用いられている。しかし、エンジニアリングプラスチックは、高価であり、モノマーリサイクルが難しく、環境負荷が大きいといった課題を有している。
そこで、汎用プラスチックの材料特性(機械的強度等)を大幅に改善することが要望されている。汎用プラスチックを強化する目的で、繊維状フィラーである天然繊維やガラス繊維、炭素繊維などを汎用プラスチックの樹脂中に分散させることにより、その汎用プラスチックの機械的強度を向上させる技術が知られている。中でも繊維状フィラーは、安価であり、かつ廃棄時の環境性にも優れていることから、強化用繊維として注目視されている。
この繊維状フィラーは親水性であることから、疎水性であるポリプロピレン(PP)に代表される汎用プラスチックと溶融混練などのプロセスで複合化する際には分散性に課題があり繊維状フィラーの疎水化を促進するための分散剤添加の検討を各社進めている。
しかしながら、浴室やトイレ、洗面所など水まわりのサニタリー商品や洗濯機、食器乾燥機などの家電商品においては、その外装や内装部品に使われる成形部品には乾燥時間短縮や水垢対策として、機械的強度に加えて親水性付与による防曇機能(結露や液滴がつきにくい特性)が求められている。このため、汎用プラスチックに親水性である繊維状フィラーを添加して機械的強度を向上させたとしても、疎水化を促進するための分散剤添加によって、その親水性が損なわれてしまい十分な防曇機能を発揮できない課題があった。
この解決のために、特許文献1では、セルロース系材料と非水溶性熱可塑性樹脂、水溶性物質を含む樹脂組成物の多孔質成形体において、前記水溶性物質を溶出除去することが開示されている。これによって、セルロース系材料が成形体表面から露出し、または毛羽立っていることにより、親水性あるいは吸水性を有する多孔質樹脂成形体を実現している。
しかしながら、特許文献1では、親水性であるセルロース系材料の疎水化を促進する分散剤が添加されておらず、非水溶性熱可塑性樹脂との分散が不十分であり、その分離効果によって、セルロース系材料が成形体表面から露出しまたは毛羽立つ構造を実現している。そのため、親水性は得られているが、機械的強度は低下してしまう課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、機械的強度および成形部品の親水性向上を実現し、十分な防曇機能を発揮する繊維複合樹脂成形部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る繊維複合樹脂成形部品は、主剤樹脂と、
前記主剤樹脂中に分散された繊維状フィラーと、
前記主剤樹脂中に分散され、前記主剤樹脂と相溶する疎水性樹脂部とエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部とを有するブロック共重合体と、
を含む。
前記主剤樹脂中に分散された繊維状フィラーと、
前記主剤樹脂中に分散され、前記主剤樹脂と相溶する疎水性樹脂部とエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部とを有するブロック共重合体と、
を含む。
本発明に係る繊維複合樹脂成形部品によれば、機械的強度向上および成形部品の親水性向上を実現し、十分な防曇機能を発揮することができる。
第1の態様に係る繊維複合樹脂成形部品は、主剤樹脂と、
前記主剤樹脂中に分散された繊維状フィラーと、
前記主剤樹脂中に分散され、前記主剤樹脂と相溶する疎水性樹脂部とエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部とを有するブロック共重合体と、
を含む。
前記主剤樹脂中に分散された繊維状フィラーと、
前記主剤樹脂中に分散され、前記主剤樹脂と相溶する疎水性樹脂部とエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部とを有するブロック共重合体と、
を含む。
第2の態様に係る繊維複合樹脂成形部品は、上記第1の態様において、前記主剤樹脂及び前記疎水性樹脂部は、共にオレフィン系樹脂であってもよい。
第3の態様に係る繊維複合樹脂成形部品は、上記第1又は第2の態様において、前記親水性樹脂部は、ポリエチレンオキサイドおよび、ポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種の樹脂であってもよい。
第4の態様に係る繊維複合樹脂成形部品は、上記第1から第3のいずれかの態様において、前記繊維状フィラーは、セルロース類の天然繊維からなる繊維であってもよい。
第5の態様に係る繊維複合樹脂成形部品は、上記第1から第4のいずれかの態様において、前記繊維状フィラーの含有量が15質量%以上、90質量%以下であってもよい。
第6の態様に係る繊維複合樹脂成形部品は、上記第1から第4のいずれかの態様において、前記繊維状フィラーの含有量が15質量%以上、50質量%以下であってもよい。
以下、本開示の実施の形態に係る繊維複合樹脂成形部品について、添付図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、同じ構成部分には同じ符号を付して、適宜説明を省略している。
(実施の形態1)
図1(a)は、本開示の実施の形態1に係る繊維複合樹脂成形部品10の断面模式図を示している。この繊維複合樹脂成形部品10は、主剤樹脂1と、分散剤および繊維状フィラー2とに加え、主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部4と、エチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部5とのブロック共重合体で構成される防曇機能を付与する添加剤3(以下、防曇剤)とを含有する溶融混練物からなる。
また、図1(b)は、本開示の実施の形態1に係る繊維複合樹脂成形部品10を構成する防曇剤3の構造を説明する模式図を示しており、この防曇剤3は、主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部4とエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部5とがブロック共重合化された構造の樹脂である。
この繊維複合樹脂成形部品によれば、主剤樹脂および主剤樹脂と相溶する疎水性樹脂部とエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部とのブロック共重合体を含む。これによって、機械的強度向上および成形部品の親水性向上を実現し、十分な防曇機能を発揮することができる。
図1(a)は、本開示の実施の形態1に係る繊維複合樹脂成形部品10の断面模式図を示している。この繊維複合樹脂成形部品10は、主剤樹脂1と、分散剤および繊維状フィラー2とに加え、主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部4と、エチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部5とのブロック共重合体で構成される防曇機能を付与する添加剤3(以下、防曇剤)とを含有する溶融混練物からなる。
また、図1(b)は、本開示の実施の形態1に係る繊維複合樹脂成形部品10を構成する防曇剤3の構造を説明する模式図を示しており、この防曇剤3は、主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部4とエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部5とがブロック共重合化された構造の樹脂である。
この繊維複合樹脂成形部品によれば、主剤樹脂および主剤樹脂と相溶する疎水性樹脂部とエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部とのブロック共重合体を含む。これによって、機械的強度向上および成形部品の親水性向上を実現し、十分な防曇機能を発揮することができる。
以下に、この繊維複合樹脂成形品を構成する各部材について説明する。
<主剤樹脂>
本実施の形態1において、主剤樹脂1は、良好な成形性を確保するために、熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂(環状オレフィン系樹脂を含む)、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂またはその誘導体、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(2,6−キシレノールの重合体など)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)、ゴムまたはエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなど)などが挙げられる。上記の樹脂は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用されてもよい。なお、主剤樹脂1は熱可塑性を有していれば上記の材料に限定されるものではない。
本実施の形態1において、主剤樹脂1は、良好な成形性を確保するために、熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂(環状オレフィン系樹脂を含む)、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂またはその誘導体、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(2,6−キシレノールの重合体など)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)、ゴムまたはエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなど)などが挙げられる。上記の樹脂は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用されてもよい。なお、主剤樹脂1は熱可塑性を有していれば上記の材料に限定されるものではない。
これらの熱可塑性樹脂のうち、主剤樹脂1は、比較的低融点であるオレフィン系樹脂であることが好ましい。オレフィン系樹脂としては、オレフィン系単量体の単独重合体の他、オレフィン系単量体の共重合体や、オレフィン系単量体と他の共重合性単量体との共重合体が含まれる。オレフィン系単量体としては、例えば、鎖状オレフィン類(エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどのα−C2−20オレフィンなど)、環状オレフィン類などが挙げられる。これらのオレフィン系単量体は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用されてもよい。上記オレフィン系単量体のうち、エチレン、プロピレンなどの鎖状オレフィン類が好ましい。他の共重合性単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステル;(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系単量体;マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸またはその無水物;カルボン酸のビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど);ノルボルネン、シクロペンタジエンなどの環状オレフィン;およびブタジエン、イソプレンなどのジエン類などが挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用されてもよい。オレフィン系樹脂の具体例としては、ポリエチレン(低密度、中密度、高密度または線状低密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1などの三元共重合体などの鎖状オレフィン類(特にα−C2−4オレフィン)の共重合体などが挙げられる。
<分散剤>
次に、分散剤について説明する。本実施の形態における繊維複合樹脂成形部品は、繊維状フィラー2と主剤樹脂1との接着性、あるいは主剤樹脂1中の繊維状フィラー2の分散性を向上させるなどの目的で分散剤を含有する。分散剤としては、各種のチタネート系カップリング剤、シランカップリング剤、不飽和カルボン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、またはその無水物をグラフトした変性ポリオレフィン、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステルなどが挙げられる。上記シランカップリング剤は、不飽和炭化水素系やエポキシ系のものが好ましい。分散剤の表面は、熱硬化性もしくは熱可塑性のポリマー成分で処理され変性処理されても問題ない。
次に、分散剤について説明する。本実施の形態における繊維複合樹脂成形部品は、繊維状フィラー2と主剤樹脂1との接着性、あるいは主剤樹脂1中の繊維状フィラー2の分散性を向上させるなどの目的で分散剤を含有する。分散剤としては、各種のチタネート系カップリング剤、シランカップリング剤、不飽和カルボン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、またはその無水物をグラフトした変性ポリオレフィン、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステルなどが挙げられる。上記シランカップリング剤は、不飽和炭化水素系やエポキシ系のものが好ましい。分散剤の表面は、熱硬化性もしくは熱可塑性のポリマー成分で処理され変性処理されても問題ない。
本実施の形態1に係る繊維複合樹脂成形部品における分散剤の含有量は、0.01質量%以上、20質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上、10質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上、5質量%以下であることがさらに好ましい。分散剤の含有量が、0.01質量%未満であると分散不良が発生し、一方、分散剤の含有量が20質量%を超えると繊維複合樹脂成形部品の強度が低下する。分散剤は、主剤樹脂1と繊維状フィラー2の組み合わせにより適切に選択される。
<繊維状フィラー>
次に、繊維状フィラー2について説明する。本実施の形態1に係る繊維複合樹脂成形部品に含まれる繊維状フィラー2は、機械的特性の向上や、線膨張係数の低下による寸法安定性の向上などを主要な目的として用いられる。この目的のため、繊維状フィラー2は主剤樹脂1よりも弾性率が高いことが好ましく、具体的にはパルプ、セルロース、リグニン、リグノセルロース、綿、絹、羊毛あるいは麻、ジュート等の天然繊維が挙げられる。
次に、繊維状フィラー2について説明する。本実施の形態1に係る繊維複合樹脂成形部品に含まれる繊維状フィラー2は、機械的特性の向上や、線膨張係数の低下による寸法安定性の向上などを主要な目的として用いられる。この目的のため、繊維状フィラー2は主剤樹脂1よりも弾性率が高いことが好ましく、具体的にはパルプ、セルロース、リグニン、リグノセルロース、綿、絹、羊毛あるいは麻、ジュート等の天然繊維が挙げられる。
本実施の形態1に係る繊維複合樹脂成形部品における繊維状フィラー2の含有量は、15質量%以上、90質量%以下であることが好ましい。繊維状フィラー2の含有量が、15質量%未満であると、繊維複合樹脂成形部品は、十分な機械的強度を確保することができないのと同時に、防曇性も不十分となってしまう。また、繊維状フィラー2の含有量が90質量%を超えると、溶融分散混練時および射出成形時の溶融粘度が上がるために、主剤樹脂1中の繊維状フィラー2の分散性が低下し、また、得られた繊維複合樹脂成形部品は、外観不良が発生するなどの問題がある。
<防曇剤>
次に、防曇剤3について説明する。本実施の形態1における防曇剤3としては、主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部4とエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部5とのブロック共重合体である。主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部4としては、例えば、主剤樹脂1がオレフィン系樹脂である場合には、同様の相溶性の良いオレフィン系樹脂を選択できる。エチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部5としては、例えば、ポリエチレンオキサイド(PEO)および、ポリエチレングリコール(PEG)から選択される少なくとも1種を含む樹脂とのブロック共重合体である。
次に、防曇剤3について説明する。本実施の形態1における防曇剤3としては、主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部4とエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部5とのブロック共重合体である。主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部4としては、例えば、主剤樹脂1がオレフィン系樹脂である場合には、同様の相溶性の良いオレフィン系樹脂を選択できる。エチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部5としては、例えば、ポリエチレンオキサイド(PEO)および、ポリエチレングリコール(PEG)から選択される少なくとも1種を含む樹脂とのブロック共重合体である。
この防曇剤3は、上記の分散剤と同時に添加されることによって、本実施の形態1を示す図1(a)に示すように繊維複合樹脂成形部品を構成する繊維状フィラー2が分散剤によって疎水化される前もしくは同時に、防曇剤3のエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部5とが選択的に結合する。これにより、射出成形など溶融樹脂の流れに対して、繊維状フィラー2と防曇剤3が分離することなく結合した状態で流れることができる。更に、防曇剤3における主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部4があることで溶融樹脂の流れに対して整流化されやすく分散状態を保持できる。そのため、凝集などが発生しにくくなり、繊維状フィラー2の均一・高分散状態に伴った防曇剤3の分布を形成することができる。それと共に、主剤樹脂1と防曇剤3における主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部4が強く結合できるため、機械的強度も向上できる。
本実施の形態における防曇剤3の含有量は、0.01質量%以上、20質量%以下であることが好ましい。また、0.1質量%以上、10質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上、5質量%以下であることがさらに好ましい。防曇剤3の含有量が、0.01質量%未満であると繊維状フィラー2と防曇剤3との結合が弱くなり、分離しやすくなるため繊維状フィラー2の分散に伴った防曇剤3の分布を形成することができなくなる。一方、防曇剤3の含有量が20質量%を超えると防曇剤3の機械的強度影響が大きくなるため繊維複合樹脂成形部品としての機械的強度が低下してしまう。
次に、繊維複合樹脂成形部品の製造方法について記載する。図2は、本実施の形態1に係る繊維複合樹脂成形部品の製造プロセスを例示するフロー図である。
(1)まず、溶融混練処理装置内に、主剤樹脂1、分散剤、繊維状フィラー2、防曇剤3が投入され、装置内で溶融混練される。これにより、主剤樹脂1が溶融し、溶融された主剤樹脂1に、分散剤、繊維状フィラー2および防曇剤3が分散される。また同時に装置の剪断作用により、繊維状フィラー2の凝集塊の解繊が促進され、繊維状フィラー2を主剤樹脂1中に細かく分散させることができる。更に、前記作用により、防曇剤3が繊維状フィラー2と分離することなく、結合した状態で流れることができ、溶融樹脂の流れに対して整流化されやすく分散状態を保持できる。そのため、繊維状フィラー2の分散に伴った防曇剤3の分布を形成することができる。それと共に、主剤樹脂1と防曇剤3における主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部4が強く結合できるため、機械的強度も向上できる。
(1)まず、溶融混練処理装置内に、主剤樹脂1、分散剤、繊維状フィラー2、防曇剤3が投入され、装置内で溶融混練される。これにより、主剤樹脂1が溶融し、溶融された主剤樹脂1に、分散剤、繊維状フィラー2および防曇剤3が分散される。また同時に装置の剪断作用により、繊維状フィラー2の凝集塊の解繊が促進され、繊維状フィラー2を主剤樹脂1中に細かく分散させることができる。更に、前記作用により、防曇剤3が繊維状フィラー2と分離することなく、結合した状態で流れることができ、溶融樹脂の流れに対して整流化されやすく分散状態を保持できる。そのため、繊維状フィラー2の分散に伴った防曇剤3の分布を形成することができる。それと共に、主剤樹脂1と防曇剤3における主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部4が強く結合できるため、機械的強度も向上できる。
本開示の繊維複合樹脂成形部品を得るための溶融混練方法については、上記方法に限られるものではなく、例えば、繊維状フィラー2を湿式分散などの前処理により、事前に繊維を解繊したものを使用することもできる。
(2)溶融混練装置から押し出された繊維複合樹脂成形部品は、ペレタイザー等の切断工程を経て、ペレット形状に作製される。ペレット化の方式として、樹脂溶融後すぐに行う方式としては、空中ホットカット方式、水中ホットカット方式、ストランドカット方式などがあり、あるいは、一度成形部品やシートを成形したあとで、粉砕、切断することによる粉砕方式などもある。
(3)このペレットを射出成形することにより、繊維複合樹脂成形部品を作製することができる。
この繊維複合樹脂成形部品は、上記のように、繊維状フィラー2の分散に伴った防曇剤3の分布を形成できると共に、主剤樹脂1と防曇剤3における主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部4が強く結合できる。そのため、機械的強度向上および成形部品の親水性向上を実現し、十分な防曇機能を発揮することができる。
この繊維複合樹脂成形部品は、上記のように、繊維状フィラー2の分散に伴った防曇剤3の分布を形成できると共に、主剤樹脂1と防曇剤3における主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部4が強く結合できる。そのため、機械的強度向上および成形部品の親水性向上を実現し、十分な防曇機能を発揮することができる。
以下、本発明者らが行った実験における各実施例および各比較例について説明する。
(実施例1)
以下の製造方法によって繊維複合樹脂ペレットを製造し、そのペレットを用いて射出成形部品を製造した。
以下の製造方法によって繊維複合樹脂ペレットを製造し、そのペレットを用いて射出成形部品を製造した。
主剤樹脂としてのポリプロピレン(株式会社プライムポリマー製 商品名:J108M)に対して、繊維状フィラーとしての綿状針葉樹パルプ(三菱製紙株式会社製 商品名:NBKP Celgar)によるセルロース繊維状フィラーが質量比で0、10、15、20、50、80、85、90質量%となる各条件で秤量し、それら各条件に対して疎水性を向上させる分散剤として無水マレイン酸(三洋化成工業株式会社製 商品名:ユーメックス)を主剤樹脂であるポリプロピレン100質量%に対して5質量%となるよう秤量しドライブレンドした。また、それら各条件に対して防曇剤として、ポリプロピレンとポリエチレンオキサイドのブロック共重合体(三洋化成工業株式会社製 商品名:ぺレクトロン)を主剤樹脂であるポリプロピレン100質量%に対して5質量%となるよう秤量しドライブレンドした。例えば、綿状針葉樹パルプが50質量%の条件においては、ポリプロピレンを50質量%、無水マレイン酸を2.5質量%、防曇剤を2.5質量%、秤量した。その後、二軸混練機(株式会社クリモト鉄工所製 S−1KRCニーダ スクリュー径φ25mm、L/D10.2)にて溶融混練分散した。二軸混練機のスクリュー構成としては、全ての条件において中せん断タイプの仕様とした上で、混練部温度180℃、押出速度を0.5kg/hに設定した。更に、この条件での溶融混練分散処理を10回繰り返し、長時間処理を実施した。樹脂溶融物をホットカットし、セルロース繊維複合樹脂ペレットを作製した。
作製したセルロース繊維複合樹脂ペレットを用いて射出成形機(日本製鋼所製 180AD)によりセルロース繊維複合樹脂成形部品の試験片を作製した。試験片の作製条件は、樹脂温度190℃、金型温度60℃、射出速度60mm/s、保圧80Paとした。ペレットは、ホッパーを介して成形機のスクリューへ噛み込んでいくが、その際の侵入性を時間当たりのペレット減少量で測定しており、一定であることを確認した。試験片の形状は、下記に述べる評価項目によって変更し、弾性率測定用に1号サイズのダンベルを作製し、防曇性評価用に50mm角、厚さ1.2mmの平板を作製した。得られた試験片を以下の方法により評価を行った。
(セルロース繊維複合樹脂成形部品の弾性率)
得られた1号ダンベル形状の試験片を用いて、曲げ試験JIS K7171(AND社製 RTF−1310)を実施した。
同試験片の曲げ弾性率はセルロース繊維状フィラーの質量比で0、10、15、20、50、80、85、90質量%のそれぞれにおいて、1.5、2.3、2.5、3.1、5.6、8.0、8.4、8.8GPaとなり、セルロース繊維状フィラーが増えるほど曲げ弾性率が高くなる結果となった。
得られた1号ダンベル形状の試験片を用いて、曲げ試験JIS K7171(AND社製 RTF−1310)を実施した。
同試験片の曲げ弾性率はセルロース繊維状フィラーの質量比で0、10、15、20、50、80、85、90質量%のそれぞれにおいて、1.5、2.3、2.5、3.1、5.6、8.0、8.4、8.8GPaとなり、セルロース繊維状フィラーが増えるほど曲げ弾性率が高くなる結果となった。
(繊維複合樹脂成形部品の防曇性評価)
得られた平板形状の試験片を用いて、防曇性評価を実施した。具体的には、STRI法(スプレー法)を用い、試験片表面に水霧をスプレーして、試験片の撥水状況を上から見て、水滴の分布によって撥水性を評価した。ここで、防曇性の判定として、試験片上に個別の水滴のみが形成されるものを×とし、いくつかの完全に濡れた部分の面積が試験片全体の50%未満であるものを△とし、完全に濡れた部分が試験片の50%以上であるものを〇と判定した。
同試験片の防曇性評価結果はセルロース繊維状フィラーを添加していない質量比で0質量%の条件では×となり、10質量%で△、15質量%以上の条件で〇となった。
得られた平板形状の試験片を用いて、防曇性評価を実施した。具体的には、STRI法(スプレー法)を用い、試験片表面に水霧をスプレーして、試験片の撥水状況を上から見て、水滴の分布によって撥水性を評価した。ここで、防曇性の判定として、試験片上に個別の水滴のみが形成されるものを×とし、いくつかの完全に濡れた部分の面積が試験片全体の50%未満であるものを△とし、完全に濡れた部分が試験片の50%以上であるものを〇と判定した。
同試験片の防曇性評価結果はセルロース繊維状フィラーを添加していない質量比で0質量%の条件では×となり、10質量%で△、15質量%以上の条件で〇となった。
(実施例2)
実施例2では、防曇剤として、ポリプロピレングリコールとポリエチレングリコールのブロック共重合体(三洋化成工業株式会社製 商品名:ニューポールPE)とした以外の条件は実施例1と同様にセルロース繊維複合樹脂ペレット、ならびに成形部品を作製した。評価についても実施例1と同様の評価を実施した。
実施例2では、防曇剤として、ポリプロピレングリコールとポリエチレングリコールのブロック共重合体(三洋化成工業株式会社製 商品名:ニューポールPE)とした以外の条件は実施例1と同様にセルロース繊維複合樹脂ペレット、ならびに成形部品を作製した。評価についても実施例1と同様の評価を実施した。
(比較例1)
比較例1では、防曇剤を添加せずにセルロース繊維複合樹脂ペレット、ならびに成形部品を作製した。評価についても実施例1と同様の評価を実施した。
比較例1では、防曇剤を添加せずにセルロース繊維複合樹脂ペレット、ならびに成形部品を作製した。評価についても実施例1と同様の評価を実施した。
(比較例2)
比較例2では、防曇剤として、ポリエチレンオキサイド(住友精化株式会社製:PEO)単体樹脂とした以外の条件は実施例1と同様にセルロース繊維複合樹脂ペレット、ならびに成形部品を作製した。評価についても実施例1と同様の評価を実施した。
比較例2では、防曇剤として、ポリエチレンオキサイド(住友精化株式会社製:PEO)単体樹脂とした以外の条件は実施例1と同様にセルロース繊維複合樹脂ペレット、ならびに成形部品を作製した。評価についても実施例1と同様の評価を実施した。
(比較例3)
比較例3では、防曇剤として、ポリエチレングリコール(東邦化学工業株式会社製:PEG)の単体樹脂とした以外の条件は実施例1と同様にセルロース繊維複合樹脂ペレット、ならびに成形部品を作製した。評価についても実施例1と同様の評価を実施した。
比較例3では、防曇剤として、ポリエチレングリコール(東邦化学工業株式会社製:PEG)の単体樹脂とした以外の条件は実施例1と同様にセルロース繊維複合樹脂ペレット、ならびに成形部品を作製した。評価についても実施例1と同様の評価を実施した。
各実施例1〜2および各比較例1〜3における測定結果を図3に示す。
図3から明らかなように、比較例1に示す防曇剤を含まないセルロース繊維複合樹脂成形部品においては、セルロース繊維状フィラーの添加量が80質量%以上の条件において防曇性が△となった。なお、比較例1では、それ以上にセルロース繊維状フィラーを添加しても防曇性の評価〇の条件は達成できず、セルロース繊維自身が持つ親水性の効果によってある程度の防曇性の改善が見られたが不十分な結果となった。
それに対して、実施例1および2では、主剤樹脂および主剤樹脂と相溶する疎水性樹脂部とエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部とのブロック共重合体を防曇剤として添加した。この実施例1および2においては、セルロース繊維状フィラーの添加量が10質量%で防曇性評価結果が△となり、15質量%以上では〇となっている。
それに対して、実施例1および2では、主剤樹脂および主剤樹脂と相溶する疎水性樹脂部とエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部とのブロック共重合体を防曇剤として添加した。この実施例1および2においては、セルロース繊維状フィラーの添加量が10質量%で防曇性評価結果が△となり、15質量%以上では〇となっている。
セルロース繊維複合樹脂成形部品を構成するセルロース繊維状フィラーは、分散剤によって疎水化される前もしくは同時に、添加した防曇剤のエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部であるポリエチレンオキサイド樹脂または、ポリエチレングリコール樹脂ブロックとが選択的に結合する。これにより、射出成形時の溶融樹脂の流れに対して、セルロース繊維状フィラーと防曇剤とが分離することなく結合した状態で流れることができる。更に、防曇剤における主剤樹脂と相溶する疎水性樹脂であるポリプロピレン樹脂ブロックがあることで溶融樹脂の流れに対して整流化されやすく分散状態を保持できる。そのため、凝集などが発生しにくくなり、セルロース繊維状フィラーの均一・高分散状態に伴った防曇剤の分布が形成できる。それと共に、主剤樹脂であるポリプロピレンと添加した防曇剤における主剤樹脂と相溶する疎水性樹脂部であるポリプロピレン樹脂ブロックが選択的に結合できている。そのため、曲げ弾性率としても防曇剤を含まない比較例1よりも向上している。
ここで、実施例1と実施例2を比較して、実施例1の方が曲げ弾性率が高い傾向にあることは、ポリエチレンオキサイドとポリエチレングリコールの分子量がポリエチレンオキサイドの方が高いことに起因している。この点からポリエチレンオキサイドとのブロック共重合体の方がより最適である。
また、比較例2および3では、防曇剤として、ブロック共重合体ではなくポリエチレンオキサイドまたはポリエチレングリコールの単体樹脂を添加した。この比較例2および3においては、セルロース繊維状フィラーの添加量が80質量%で防曇性評価結果が△となり、85質量%以上では〇となっている。
セルロース繊維複合樹脂成形部品を構成するセルロース繊維状フィラーは、分散剤によって疎水化される前もしくは同時に、添加した防曇剤の親水性であるポリエチレンオキサイド樹脂または、ポリエチレングリコール樹脂が選択的に結合する。これにより、射出成形時の溶融樹脂の流れに対して、セルロース繊維状フィラーと防曇剤とが分離することなく結合した状態で流れることができている。しかし、疎水性の主剤樹脂であるポリプロピレン樹脂とは相溶性が悪いため、セルロース繊維状フィラーおよび防曇剤の分散が阻害され、凝集塊となりやすくなる。そのため、セルロース繊維状フィラーおよび防曇剤の偏析によって、実施例1および2よりもセルロース繊維状フィラーの添加量を増加させないと十分な防曇性を発揮できない。それと同時に、防曇剤を含まない比較例1よりも低い曲げ弾性率となっている。一方、実施例1および2においては、繊維状フィラーの添加量が15質量%以上50質量%以下であっても、十分な防曇性を発揮することができる。
以上の評価から、本開示によれば、繊維状フィラーを含有した繊維複合樹脂成形部品において、主剤樹脂および主剤樹脂と相溶する疎水性樹脂部とエチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部とのブロック共重合体とを含む。これにより、射出成形など溶融樹脂の流れに対して、繊維状フィラーと防曇剤とが分離することなく結合した状態で流れることができ、更に、溶融樹脂の流れに対して整流化されやすく分散状態を保持できる。そのため、凝集などが発生しにくくなり、繊維状フィラーの均一・高分散状態に伴った防曇剤の分布を形成することができる。それと共に、機械的強度も向上できる繊維複合樹脂成形部品を提供できることが分かった。
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。
本発明に係る繊維複合樹脂成形部品は、従来の汎用樹脂よりも機械的強度に優れ、かつ、防曇機能を持つ成形部品を提供することができる。この繊維複合樹脂成形部品は、エンジニアリングプラスチックの代替物、または金属材料の代替物として利用され得る。特に浴室やトイレ、洗面所など水まわりのサニタリー商品や洗濯機、食器乾燥機などの家電商品における防曇性が要求される成形部品の性能向上および製造コストを大幅に削減し得る。
1 主剤樹脂
2 繊維状フィラー
3 防曇機能を付与する添加剤
4 主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部
5 エチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部
10 繊維複合樹脂成形部品
2 繊維状フィラー
3 防曇機能を付与する添加剤
4 主剤樹脂1と相溶する疎水性樹脂部
5 エチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部
10 繊維複合樹脂成形部品
Claims (6)
- 主剤樹脂と、
前記主剤樹脂中に分散された繊維状フィラーと、
前記主剤樹脂中に分散され、前記主剤樹脂と相溶する疎水性樹脂部と、エチレングリコールが重合した構造をもつ親水性樹脂部とを有するブロック共重合体と、
を含む、繊維複合樹脂成形部品。 - 前記主剤樹脂及び前記疎水性樹脂部は、共にオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の繊維複合樹脂成形部品。
- 前記親水性樹脂部は、ポリエチレンオキサイドおよび、ポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維複合樹脂成形部品。
- 前記繊維状フィラーは、セルロース類の天然繊維からなる繊維であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の繊維複合樹脂成形部品。
- 前記繊維状フィラーの含有量が15質量%以上、90質量%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の繊維複合樹脂成形部品。
- 前記繊維状フィラーの含有量が15質量%以上、50質量%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の繊維複合樹脂成形部品。
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JP2019013409A JP2020122050A (ja) | 2019-01-29 | 2019-01-29 | 繊維複合樹脂成形部品 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023243281A1 (ja) * | 2022-06-14 | 2023-12-21 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 複合樹脂組成物及び複合樹脂成形体 |
-
2019
- 2019-01-29 JP JP2019013409A patent/JP2020122050A/ja active Pending
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