(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
尚、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。尚、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。尚、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
尚、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。尚、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。尚、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。尚、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。尚、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
尚、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
尚、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。尚、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組合せて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。尚、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
尚、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。尚、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。尚、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。尚、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。尚、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
尚、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。尚、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、ステップS73の処理を繰返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
尚、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(本発明の実施の形態における特徴部023SGに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部023SGについて説明する。尚、本実施の形態におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」や「023SGS1」と略記したり、「ノーマルリーチ」を「Nリーチ」と略記したり、「スーパーリーチ」を「Sリーチ」や「SPリーチ」と略記したりする場合がある。また、基本説明にて説明したパチンコ遊技機1と同様または形態や配置位置等が異なるが同様の機能を有する構成については、同様の符号を付すことにより詳細な説明を省略する。尚、以下において、図8−1の手前側をパチンコ遊技機1Aの前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1Aを前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1Aの前面とは、該パチンコ遊技機1Aにて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
(パチンコ遊技機の構造)
次に、本実施の形態の特徴部023SGで用いられるパチンコ遊技機1Aの構造について説明する。図8−1は、特徴部023SGで用いられるパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図8−2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
図8−1に示すように、本実施の形態の特徴部023SGで用いられるパチンコ遊技機1Aは、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に配置された画像表示装置5との間に、第1演出装置300と第2演出装置400とを有する演出ユニット500が設けられている。また、画像表示装置5は、2次元(2D)画像だけでなく、立体(3D)画像を表示可能とされている。
(画像表示装置5)
次に、本実施の形態の特徴部023SGで用いられる画像表示装置5について説明する。図8−3は、画像表示装置の構成と、画像表示装置における表示状態並びに遊技者の両眼による立体画像の視認状態を示す図である。
本実施の形態における画像表示装置5では、2D画像の表示が可能であるとともに、3D画像の表示も可能となっている。以下、画像表示装置5において立体視可能な3D画像を表示するための構成について簡単に説明する。
画像表示装置5は、図8−3に示すように、立体視可能な画像としての立体画像(映像)である3D画像を表示する画像用液晶パネル900と、該画像用液晶パネル900の後方から前方側に向けて面状光を照射するバックライト(図示略)と、画像用液晶パネル900の前面側に該画像用液晶パネル900と所定間隔を有して設けられた視差バリア用液晶パネル910とを有する、パララックスバリア方式の裸眼立体表示液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。画像表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行う。
視差バリア用液晶パネル910は、画像用液晶パネル900に縦長短冊状に表示される右目用画像を遊技者の左目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の右目が視認することを阻止するシャッタとなる縦縞状の黒部と、右目用画像を遊技者の右目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の左目が視認することを可能とする透明部とを有する視差バリア画像を表示する視差バリア画像表示状態と、縦縞状の黒部を有さない、全ての画素が透明部とされた透過状態の表示状態とが可能とされた比較的光透明性の高い液晶パネルとされている。
つまり、本実施の形態の視差バリア用液晶パネル910は、遊技者の左目による右目用画像の視認を阻止するとともに遊技者の右目による左目用画像の視認を阻止するための視差バリアを含む視差バリア表示と、該視差バリアを表示しない全透過表示とが可能とされている。
尚、本実施の形態においては、画像表示装置5は、画像用液晶パネル900として液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、画像用液晶パネル900のデバイスとしては、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクスLED、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等のその他の画像表示形態の表示装置により構成されてもよい。
また、視差バリア用液晶パネル910は、遊技盤2の背面側であって、画像用液晶パネル900に重なる遊技者側前方の配置位置に固定的に設けられている。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従って2次元(2D)画像データや右目用画像と左目用画像から成る立体画像を表示するための立体(3D)画像データが記憶されたCGROM(表示制御部123)から必要なデータを読み出すための指令をVDP(表示制御部123)に出力する。
図8−3においては、画像用液晶パネル900には、VDPにより、演出制御用CPU120からの指示に基づいて画像データROMから読み出された立体画像を成す、縦方向の帯状とされた所定幅の右目用画像(R)と左目用画像(L)とが交互に表示されている。本実施の形態では、右目用画像(R)と左目用画像(L)との表示幅を均一としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら表示幅を、画面の中央部と端部とで異なるようにしても良い。
遊技者の視点位置が、例えば基準位置となるX0,D0にある場合には、図8−3に示すように、X0,D0に対応する画像が視差バリア用液晶パネル910に表示されることで、右目については、画像用液晶パネル900に表示されている各左目用画像(L)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各右目用画像(R)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、右目には右目用画像(R)のみが提供される一方、左目については、画像用液晶パネル900に表示されている各右目用画像(R)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各左目用画像(L)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、左目には左目用画像(L)のみが提供されることで、遊技者は、偏向メガネ等を装着することなく、裸眼の状態で、立体画像を視聴することができる。
尚、図8−3においては、理解を助けるために、画像用液晶パネル900と視差バリア用液晶パネル910との距離に比較して、視差バリア用液晶パネル910と遊技者の目との距離を、図示の都合上、実際の長さよりも著しく小さく示しているために、右目と左目の視線を示す線分が交錯する交錯位置が、視差バリア用液晶パネル910よりも前方側或いは後方側に移動しているが、これら交錯位置の実際の移動量は非常に少ないものとなる。
本実施の形態では、右目と左目とで見える像の視線方向における両眼視差を利用して奥行きを感知させる立体視を行っている。遊技者が両目で画像表示装置5に表示される3D画像を視認した際に、右目と左目とで3D画像における任意の部位を視認したときの視線方向が異なっており、この視線方向の差(視差の量)により奥行きを感知することができる。そして、視線方向が交わる位置が輻輳位置と称し、この輻輳位置における視線方向がなす角を輻輳角と称する。この輻輳角が大きければ、遊技者は3D画像が自分に近い位置にあるように感知し、輻輳角が小さければ、遊技者は3D画像が自分から遠い位置にあるように感知するようになっている。
本実施の形態では、後述するように第1可動体演出において画像表示装置5に表示される3D画像が、画像表示装置5の画像表示面よりも手前側(遊技者に近づく側)に突出されて見えるように輻輳位置が設定されているが、3D画像の見かけ上の突出具合が小さい輻輳位置Aと、演出画像の見かけ上の突出具合が大きい輻輳位置Bとを設定可能であり、後述する第1可動体301の後部に対応する距離であって、遊技者から遠い輻輳距離Aに3D画像があるように見える部分と、第1可動体301の前部に対応する距離であって、遊技者に近い輻輳距離Bに3D画像があるように見える部分と、を実現できるようにしてもよい。これにより、第1可動体301において、表示領域に近い後部分と遠い前部分とで3D画像の見かけ上の突出具合が異なるため、より立体感を生じさせることができる。また、上記輻輳位置A,B以外にも複数の輻輳位置を設定した演出を実行可能としても良い。
また、本実施の形態では、画像表示装置5に表示される3D画像が、画像表示装置5の画像表示面よりも手前側(遊技者に近づく側)に突出されて見えるように、輻輳位置が設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像表示装置5の表示面よりも奥側(遊技者から遠い側)に演出画像が配置されて見えるように、輻輳位置を設定しても良い。
また、本実施の形態では、画像表示装置5に表示されるキャラクタ画像Z1(図8−17(A)参照)が輻輳位置Bに設定された状態で表示され、該輻輳位置Bが第1可動体301の前後方向の所定範囲内になるように制御を行うことで、近接位置にある第1可動体301と画像表示装置5に表示されるエフェクト画像とが一体的に連携して見えるようになるので、迫力ある演出を実施することができる。
また、画像表示装置5の前方側の離れた近接位置に第1可動体301が位置すると、画像表示装置5の表示領域には、第1可動体301により隠れてしまって遊技者が両目により視認できない領域が発生するとともに、遊技者が一方の目では視認できるが他方の目では視認できない領域が発生するようになる。このような片目でしか視認できない領域に3D画像が表示された場合には、3D画像の立体視ができなくなるばかりか、3D画像が不鮮明にぼやけて見えてしまう場合がある。そのため、片目でしか視認できない領域である第1可動体301の周囲近傍の表示領域には、3D画像を表示しないようにし(または2D画像に置き換えて表示し)、第1可動体301から若干離れた表示領域であって、遊技者が両目で視認できる表示領域のみに3D画像を表示するようにしても良い。特に、3D画像が動画であって第1可動体301とともに3D画像が動作する場合などに、遊技者が両目で視認できる表示領域のみに3D画像を表示する態様が有効である。
また、本実施の形態では、第1可動体301による可動体演出において3D画像を表示可能な形態を例示するが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2可動体401による可動体演出や他の演出(例えば、予告演出や大当り演出など)において3D画像を表示するようにしてもよいし、飾り図柄を3D画像にて表示するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、パララックスバリア方式の裸眼立体表示液晶表示装置よりなる画像表示装置で立体画像の表示を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、レンチキュラレンズ方式やインテグラルイメージング方式の裸眼立体表示液晶表示装置を用いて立体画像の表示を行っても良い。また、裸眼で立体視を行うものに限らず、偏向メガネ等を装着することで立体視を行うものであっても良い。
(演出ユニット500)
次に、本実施の形態の特徴部023SGで用いられる演出ユニット500について説明する。図8−4は、(A)は第1可動体が第1原点位置に位置し、第2可動体が第2原点位置に位置している状態、(B)は第2可動体が第2演出位置に位置している状態を示す正面図である。図8−5は、(A)は第1可動体が第1中間位置に位置し、第2可動体が第2原点位置に位置している状態、(B)は第1可動体が第1演出位置に位置し、第2可動体が第2原点位置に位置している状態を示す斜視図である。
図8−4及び図8−5に示すように、演出ユニット500は、遊技盤2の背面側に固定される下向き略コ字形をなすベース体501と、ベース体501の上部に設けられる第1演出装置300と、ベース体501の下部に設けられる第2演出装置400と、を主に有する。
第1可動体301は、画像表示装置5の前側上方に位置する第1原点位置(図8−4(A)(B)参照)と、第1原点位置よりも下方であって画像表示装置5の表示領域の前方に位置する第1演出位置(図8−5(B)参照)と、の間で上下方向に移動可能とされているとともに、第1原点位置から第1演出位置まで、または第1原点位置から該第1原点位置と第1進出位置との間の第1中間位置(図8−5(A)参照)まで自重により落下可能(移動可能)とされている。
第2可動体401は、画像表示装置5の左側下方に位置する第2原点位置(図8−4(A)参照)と、第2原点位置よりも上方であって画像表示装置5の表示領域の前方に位置する第2演出位置(図8−4(B)参照)と、の間で上下方向に移動可能とされているとともに、前後方向を向く回転軸心を中心として回転可能とされている。
(第1演出装置300)
次に、第1演出装置300の詳細について説明する。図8−6は、演出ユニットの構造を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図8−7は、演出ユニットの構造を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図8−8は、(A)は第1可動体が第1原点位置にあるときのカバー体の背面側上部を示す斜視図、(B)は(A)を逆方向からみた状態を示す斜視図である。図8−9は、(A)は第1可動体が第1中間位置にあるときのカバー体の背面側を示す斜視図、(B)は第1可動体が第1演出位置にあるときのカバー体の背面側を示す斜視図である。図8−10は、第1可動部の構造を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図8−11は、第1可動部の構造を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図8−12は、(A)は第1中間対応位置における第1可動部を示す背面図、(B)は第1演出対応位置における第1可動部を示す背面図である。
図8−6及び図8−7に示すように、第1演出装置300は、動作可能な第1可動体301と、該第1可動体301を上方に向けて移動させるための移動手段303L,303Rと、ベース体501の左右側辺部の前面側に取付けられ、移動手段303L,303Rを前面側から被覆するように支持するカバー体304L,304Rと、を有している。第2演出装置400は、動作可能な第2可動体401と、第2可動体401を上下方向に移動させるための移動手段402と、を有している。
移動手段303L,303Rは、上下方向に延設され上下端部がカバー体304L,304Rに対し回転可能に軸支された案内軸306L,306Rと、案内軸306L,306Rを軸心周りに回転させるための第1昇降用モータ308L,308Rと、後述する駆動体310L,310Rと、から主に構成される。第1昇降用モータ308L,308Rと案内軸306L,306Rとは図示しないギヤ部材を介して連結されており、第1昇降用モータ308L,308Rが駆動することで案内軸306L,306Rが軸心周りに回転するようになっている。また、案内軸306L,306Rの周面には凹状の溝部321が螺旋状に形成されている。
案内軸306L,306Rには、第1可動体301の左右端に位置するアーム309L,309Rと、該アーム309L,309Rの下方に配置され第1可動体301を第1演出位置から第1原点位置に移動させる駆動体310L,310Rと、が昇降可能に取付けられている。
アーム309L,309Rには、案内軸306L,306Rが挿入可能な上下方向に貫通する貫通孔331L,331Rが形成されている。アーム309L,309Rが駆動体310L,310Rよりも上方位置になるように、該アーム309L,309Rの貫通孔331L,331Rに案内軸306L,306Rの上端側が挿入される。この貫通孔331L,331Rの内径は、案内軸306L,306Rの外径よりも大きい(つまり、内径と外径との寸法差が十分に大きい)ため、アーム309L,309Rが案内軸306L,306Rに対してスムーズに上下方向に移動可能になっている。言い換えれば、アーム309L,309Rの貫通孔331L,331Rの内周面と案内軸306L,306Rの外周面との面接触が抑制され、摩擦力によってアーム309L,309R(つまり第1可動体301)の上下移動が妨げられるようなことがない。
図8−8及び図8−9に示すように、アーム309L,309R各々の外側方には、下壁319A、上壁319B、背壁319C及び内壁319Dにより後方及び左右外側方に開口する係止凹部319L,319Rが形成されている。下壁319Aと上壁319Bとは、下壁319Aと上壁319Bとの間に離間寸法L1の隙間が形成されるように上下に配置されている。尚、左右の移動手段303L,303Rはほぼ同様に構成されているため、図8−8及び図8−9においては左側の移動手段303Lのみ図示し、右側の移動手段303Rの図示は省略する。
略直方体をなす駆動体310L,310Rには、上下方向に貫通する貫通孔332L,332Rが形成されており、該貫通孔332L,332Rには案内軸306L,306Rが挿入される。貫通孔332L,332Rの内径は、案内軸306L,306Rの外径よりも若干大寸に設けられているとともに、貫通孔332L,332Rの内周面には溝部321に係合可能な係合部(図示略)が突設されている。
また、左右の駆動体310L,310Rは、第1可動体301を介して一体化されているとともに、カバー体304L,304Rの背面に近接して配置されていることで、案内軸306L,306Rを中心とする回転が規制された状態で上下方向に案内される。
よって、左右の案内軸306L,306Rが回転したときに、駆動体310L,310Rが案内軸306L,306Rを中心として回転することが規制され、また、係合部(図示略)が案内軸306L,306Rの溝部321に嵌合されていることで、案内軸306L,306Rが第1方向に回転すると駆動体310L,310Rが上昇し、案内軸306L,306Rが第1方向とは逆の第2方向に回転すると駆動体310L,310Rが下降するようになっている。
駆動体310L,310Rの上部には、落下してきた第1可動体301を受け止めるための第1受止部320A,320Bを備えている。第1受止部320A,320Bは、例えば、ゴム材等の弾性部材で形成されており、第1可動体301の落下衝撃を吸収可能である。
また、駆動体310L,310Rの外側方には、アーム309L,309Rの係止凹部319L,319Rに係脱可能な係止部材340L,340Rが上向きに設けられている。係止部材340L,340Rは、上端に内向きの係止爪340Aを有し、下端が駆動体310L,310Rの上部に設けられた前後方向を向く回動軸341を中心として回動可能に軸支されている。また、係止部材340L,340Rは、回動軸341に環装されたコイルバネ(図示略)により係止爪340Aが駆動体310L,310Rから離れる方向に向けて常時付勢されている。
カバー体304Lの背面左側辺及びカバー体304Rの背面右側辺には、上下方向を向く側壁342L,342Rが立設されている。また、側壁342L,342Rにおける上下方向の略中央部からは、下方に向けて内側に傾斜する傾斜壁343L,343Rが立設されているとともに、傾斜壁343L,343Rの下端からは、側壁342L,342Rに対し略平行をなす補助側壁344L,344Rが側壁342L,342Rよりも案内軸306L,306R側に立設されている。
よって、駆動体310L,310Rが第1可動体301の第1原点位置に対応する上方位置に位置しているときには、係止部材340L,340Rはコイルバネ(図示略)により付勢されることで傾倒姿勢となって側壁342L,342Rの内面に当接するので、係止凹部319L,319Rから離脱した係止解除状態となる(図8−16参照)。また、駆動体310L,310Rが第1可動体301の第1中間位置に対応する中間位置に位置しているときには、係止部材340L,340Rはコイルバネ(図示略)により付勢されることで傾倒姿勢となって傾斜壁343L,343Rの内面に当接するので、係止凹部319L,319Rから離脱した係止解除状態となる(図8−9(A)参照)。また、駆動体310L,310Rが第1可動体301の第1演出位置に対応する下方位置に位置しているときには、係止部材340L,340Rはコイルバネ(図示略)により付勢されることで補助側壁344L,344Rの内面に当接するが、補助側壁344L,344Rは側壁342L,342Rよりも駆動体310L,310Rに近いので、傾倒姿勢とならずに起立姿勢に保持され、係止凹部319L,319Rに係止可能な係止可能状態となる(図8−9(B)参照)。
このように、係止部材340L,340Rは、駆動体310L,310Rが下方へ移動することにより、案内部が傾斜壁343L,343Rから補助側壁344L,344Rに切り替わることで、傾倒姿勢の係止解除状態から起立姿勢の係止可能状態に変化する。一方、駆動体310L,310Rが上方へ移動することにより、案内部が補助側壁344L,344Rから傾斜壁343L,343Rに切り替わることで、起立姿勢の係止可能状態から傾倒姿勢の係止解除状態に変化する。
よって、第1可動体301を第1中間位置から下方へ落下させるために、駆動体310L,310Rを中間位置から下降させることにより、第1可動体301の係止凹部319L,319Rに係止部材340L,340Rの係止爪340Aが進入して係止可能状態となり、第1可動体301が何らかの理由で落下しない場合に、係止爪340Aが係止凹部319L,319Rの下壁319Aに係止されるので、第1可動体301を強制的に下方に移動させることが可能となる。つまり、係止部材340L,340Rを有する駆動体310L,310Rと、駆動体310L,310Rを駆動させる案内軸306L,306R、第1昇降用モータ308L,308Rと、傾斜壁343L,343R及び補助側壁344L,344Rとは、第1可動体301の第1中間位置からの移動(落下)を補助する移動補助手段を構成している。
このように、第1可動体301の第1中間位置から第1演出位置への移動を補助する移動補助手段とは、例えば、第1可動体301を第1中間位置から第1演出位置まで駆動力により移動させることが可能な駆動源や駆動機構ではなく、少なくとも第1可動体301が下方への移動を開始するタイミングにおいて第1可動体301に対し作用することで、該第1可動体301が速やかに下降動作を開始するように補助するものである。
また、図8−8に示すように、カバー体304L,304Rの背面における傾斜壁343L,343Rの近傍には、駆動体310L,310Rが中間位置付近に移動してきたときに係止部材340L,340Rの背面に接触可能な案内リブ345L,345Rが突設されている。これにより、例えば、第1可動体301が第1中間位置に落下した衝撃により駆動体310L,310Rに案内軸306L,306Rを中心とした回動力が生じた場合でも、係止部材340L,340Rが係止凹部319L,319Rに係止可能な位置に保持されるようになっている。
また、カバー体304L,304Rの背面における案内軸306L,306Rの上部内側には、第1可動体301が第1中間位置に位置したときにアーム309L,309Rの前面に接触可能に突出する案内リブ346L,346Rが上下方向に向けて延設されている。これにより、例えば、第1可動体301が第1中間位置まで落下したときに案内リブ346L,346Rがアーム309L,309Rの前面に接触することで落下速度が若干抑制されるため、駆動体310L,310Rにかかる衝撃を緩和できる。
また、図8−9に示すように、カバー体304L,304Rの背面における案内軸306L,306Rの下部近傍には、駆動体310L,310Rが下方位置まで移動したときに該駆動体310L,310Rの下部を受け止め可能な第2受止部347を備えている。第2受止部347は、例えば、ゴム材等の弾性部材で形成されており、第1可動体301の落下衝撃を吸収可能であることで、第1可動体301の落下により駆動体310L,310Rの内部に設けられ溝部321に嵌合する係合部(図示略)が破損することが抑制されている。
カバー体304L,304Rの上部位置には、アーム309L,309Rを検出する第1原点位置検出スイッチ315L,315R(図8−2参照)が設けられ、中部位置には、駆動体310L,310Rを検出する第1中間位置検出スイッチ314L,314R(図8−2参照)が設けられ、下部位置には、駆動体310L,310Rを検出する第1下方位置検出スイッチ313L,313R(図8−2参照)が設けられている。
カバー体304L,304Rの上部には、第1可動体301を第1原点位置に保持するための第1演出用ソレノイド318L,318Rが設けられている。第1演出用ソレノイド318L,318Rは、図8−8に示すように、前後方向に進退可能な係止部材318Aを備えている。第1演出用ソレノイド318L,318Rがオフ状態時には、係止部材318Aが圧縮バネ(図示略)の付勢力により後側に突出する進出状態となる。つまり、第1演出用ソレノイド318L,318Rがオフ状態であるときには、第1可動体301をその両端で各係止部材318Aに係止させて該第1可動体301を第1原点位置に保持できる。また、第1演出用ソレノイド318L,318Rがオン状態時には、係止部材318Aが圧縮バネ(図示略)の付勢力に抗して前側に退避する退避状態となる。つまり、第1演出用ソレノイド318L,318Rがオン状態時には、第1可動体301と係止部材318Aとの係止状態を解除して(つまり、第1可動体301を第1原点位置に保持しない解除状態にして)、第1原点位置にある第1可動体301を自重により落下させることができる。
図8−10及び図8−11に示すように、第1可動体301は、左右の案内軸306L,306Rにより上下方向に移動可能に案内される第1可動部351と、ベース体501に対し前後方向に移動可能に案内される第2可動部352と、第1可動部351と第2可動部352とを連結する第3可動部353と、を有する。
第1可動部351は、正面視略台形状に形成された板状のベース部361と、ベース部361の前面側に動作可能に設けられた複数(本実施の形態では4個)の可動部材362A〜362Dと、ベース部361と可動部材362A〜362Dとの間に設けられた回転部材363と、から構成され、第1可動体301の第1原点位置に対応する第1原点対応位置と第1演出位置に対応する第1演出対応位置との間で上下方向に移動可能とされている。
ベース部361は、非透過性部材からなるベース部材361Aと、ベース部材361Aの前面側を覆う透過性部材からなるカバー部材361Bと、からなり、内部には複数の第1演出用LED312A(図8−2参照)が前方に向けて光を照射可能に設けられている。カバー部材361Bの略中央位置には孔部364が形成されており、該孔部364に回転可能に設けられた回転部材363は、ベース部材361Aの背面に設けられた第1回転用モータ311により前後方向を向く回転軸(図示略)を中心として回転可能とされている。
ベース部材361Aには、可動部材362A〜362Dを移動可能に案内する長孔365A〜365Dが、各可動部材362A〜362Dに対応する位置において正面視略中央位置から放射状に延びるように形成され、該長孔365A〜365Dには、各可動部材362A〜362Dの背面に突設された連動軸370A〜370Dが後側に突出するように前側から挿入されている。一方、カバー部材361Bには、長孔366A〜366Dが各可動部材362A〜362Dに対応する位置において正面視略中央位置から放射状に延びるように形成され、該長孔366A〜366Dには、各可動部材362A〜362Dの背面に突設された左右一対の案内軸371A〜371Dが前側から挿入されている。
ベース部材361Aの背面上部左右側及び背面下部左右側には、左右一対の案内軸367A〜367Dがそれぞれ後方に向けて突設されている。また、ベース部材361Aの背面左右側下部には、回動軸368L,368Rが後方に向けて突設されている。ベース部材361Aの背面左右側には、アーム309L,309Rが側方に突出するように取付けられ、ベース部材361Aの上辺左右側には、第2可動部352に接触可能なガイドローラ369L,369Rが取付けられている。
ベース部材361Aの背面左右側には、第1可動部351(ベース部361)の上下移動に応じて各可動部材362A〜362Dを移動させるための連動部材380L,380Rが左右方向にスライド移動可能に設けられている。
左側の連動部材380Lは、ベース部材361Aの案内軸367Aが挿入される左右方向を向く長孔381Aと、ベース部材361Aの案内軸367Bが挿入される左右方向を向く長孔381Bと、可動部材362Aの連動軸370Aが挿入される上下方向を向く長孔382Aと、可動部材362Bの連動軸370Bが挿入される斜め方向を向く長孔382Bと、後述する第3可動部353の連動軸395Lが挿入され上下方向に向けて左右に緩やかに湾曲する長孔383Lと、を有している。
右側の連動部材380Rは、ベース部材361Aの案内軸367Cが挿入される左右方向を向く長孔381Cと、ベース部材361Aの案内軸367Dが挿入される左右方向を向く長孔381Dと、可動部材362Cの連動軸370Cが挿入される上下方向を向く長孔382Cと、可動部材362Dの連動軸370Dが挿入される斜め方向を向く長孔382Dと、後述する第3可動部353の連動軸395Rが挿入され上下方向に向けて左右に緩やかに湾曲する長孔383Rと、を有している。
図8−12に示すように、これら左右の連動部材380L,380Rは、互いに近接する第1連動位置(図8−12(A)参照)と互いに離間する第2連動位置(図8−12(B)参照)との間で左右方向にスライド移動可能とされている。詳しくは、第3可動部353の連動軸395L,395Rにより左右方向に押圧されることで、長孔381A〜381Dに挿入されたベース部材361Aの案内軸367A〜367Dにより左右方向に移動案内されるとともに、該移動に応じて長孔382A〜382Dに挿入された可動部材362A〜362Dの連動軸370A〜370Dが左右に押圧されることで、可動部材362A〜362Dの案内軸371A〜371Dがカバー部材361Bの長孔366A〜366Dにより移動案内されることで、可動部材362A〜362Dがベース部361に対しスライド移動するようになっている。
可動部材362A〜362Dは、ベース部361に内蔵された第1演出用LED312Aからの照射光を前方に透過可能な透過性部材にて構成され、ベース部361に対し、各可動部材362A〜362Dが近接する近接位置(図8−16(A)参照)と、各可動部材362A〜362Dが放射状に離れる離間位置(図8−18(A)参照)と、の間で移動可能とされている。また、各可動部材362A〜362Dの前面には所定の装飾が施されており、各可動部材362A〜362Dが近接位置に位置する合体状態において、各可動部材362A〜362Dの装飾により一の装飾部(例えば、一の文字や数字など)が形成されるようになっている。そして、各可動部材362A〜362Dが離間位置まで移動して分離状態に変化することで、前記一の装飾部が分解されたように見せることができる。
また、各可動部材362A〜362Dの背面における他の部材との隣接辺部には、マグネット385A〜385Hが設けられており、各可動部材362A〜362Dが近接位置に移動したときに、互いに対応するマグネット385A〜385Hの磁力により各可動部材362A〜362Dが近接位置に維持されるようになっている。これにより、例えば、第1可動部351が第1中間対応位置や第1演出対応位置まで落下したときの衝撃により、各可動部材362A〜362Dが近接位置から移動して各可動部材362A〜362D間に隙間が生じることが抑制されている。
図8−10及び図8−11に示すように、第2可動部352は、非透過性部材からなるベース部材375Aと、ベース部材375Aの前面側を覆う透過性部材からなるカバー部材375Bと、からなり、内部には複数の第1演出用LED312B(図8−2参照)が前方に向けて光を照射可能に設けられている。尚、カバー部材375Bの前面には所定の装飾が施されている。
ベース部材375Aの左右の側辺上部には、左右方向を向く案内軸376L,376Rが突設されており、ベース体501の上部に前後方向に延設された案内孔377L,377R(図8−6参照)に移動可能に挿入されている。案内孔377L,377Rは、前方に向けてやや上方に傾斜している(図8−13(B)参照)。また、第2可動部352の下辺部には、連結部材378L,378Rが下方に向けて延設されており、これら連結部材378L,378Rの下端には、第3可動部353と連結するための左右方向を向く連結軸378Aが設けられている。
このように構成された第2可動部352は、第1可動体301の第1原点位置に対応する第1原点対応位置において、案内軸376L,376Rがベース体501の案内孔377L,377Rの後側に位置し、カバー部材375Bの前面が後上方を向く後傾姿勢をなす。そして、第1可動部351の下方への移動に応じて案内軸376L,376Rが案内孔377L,377Rにより前方に案内されながら案内軸376L,376Rを中心として回動し、第1可動体301の第1中間位置に対応する第1中間対応位置において、案内軸376L,376Rがベース体501の案内孔377L,377Rの前側に位置し、カバー部材375Bの前面が前方を向く起立姿勢をなす。
図8−10及び図8−11に示すように、第3可動部353は、透過性部材からなる板状のベース部390A及びベース部390Aの前面における上辺と左右側辺に形成された立体状の装飾部390Bを有する。ベース部390Aの前面上辺部には、軸受部391L,391Rが形成されており、これら軸受部391L,391Rには、第2可動部352の左右の連結部材378L,378Rの連結軸378Aが回転可能に軸支されている。
ベース部390Aの下辺部左右側には、第1可動部351と連結するための連結アーム394L,394Rが設けられている。連結アーム394L,394Rは、上端が前後方向を向く回動軸393を中心としてベース部390Aの下辺部に回動可能に軸支された第1アーム部394Aと、下端が第1可動部351の回動軸368L,368Rに回動可能に軸支された第2アーム部394Bと、を有し、第1アーム部394Aの下端と第2アーム部394Bの上端とは、前後方向を向く連動軸395L,395Rを介して回動可能に連結されている。尚、連動軸395L,395Rは、前方に突出しており、連動部材380L,380Rの長孔383L,383Rに挿入されている。また、第2アーム部394Bは、第1可動部351の回動軸368L,368Rに環装されたコイルバネ396により、連動軸395L,395Rが長孔383L,383Rの下端側に維持されるように下方に向けて付勢されている。
このように構成された第1可動体301は、上下方向に移動可能に設けられた第1可動部351と、前後方向に移動可能、かつ、回動可能な第2可動部352と、第1可動部351と第2可動部352とを連結する第3可動部353と、を有し、第1可動部351が第1原点対応位置から第1中間対応位置まで自重により落下することで、第2可動部352が前方に引出されながら案内軸376L,376Rを中心として回動して後傾姿勢から起立姿勢に変化するとともに、第3可動部353が第1可動部351とともに第1原点対応位置から第1中間対応位置まで下降する。
また、第1可動部351が第1中間対応位置から第1演出対応位置まで落下する際には、第2可動部352は第1中間対応位置まで引出されていることで、第1可動部351のみが第2可動部352及び第3可動部353に対し下方に移動する。そしてこの下降動作により、連動部材380L,380Rにより可動部材362A〜362Dが近接位置から離間位置へ移動することで、第1可動部351が合体状態から分離状態に変形する。
(第1可動体301の動作態様)
次に、第1可動体301の動作態様について、図8−13〜図8−20に基づいて説明する。図8−13は、(A)は第1可動体が第1原点位置にある状態を示す概略正面図、(B)は概略右側面図である。図8−14は、第1可動体が第1原点位置にある状態を示す背面図である。図8−15は、(A)は第1可動体が第1中間位置にある状態を示す概略正面図、(B)は概略右側面図である。図8−16は、第1可動体が第1中間位置にある状態を示す背面図である。図8−17は、(A)は第1可動体が第1演出位置にある状態を示す概略正面図、(B)は概略右側面図である。図8−18は、第1可動体が第1演出位置にある状態を示す背面図である。図8−19は、(A)は、第1可動部が第1原点対応位置から落下して第1中間対応位置にて停止した状態、(B)は第1可動部が駆動体の下降に応じて第1中間対応位置から落下する状態、(C)は第1可動部と駆動体とが第1演出対応位置にて停止した状態を示す概略図である。図8−20は、(A)は、第1可動部が第1原点対応位置から落下して第1中間対応位置にて停止した状態、(B)は第1可動部が駆動体が下降しても第1中間対応位置から落下しない状態、(C)は第1可動部と駆動体とが第1演出対応位置にて停止した状態を示す概略図である。
本実施の形態では、演出制御用CPU120は、駆動体310L,310Rにより第1可動体301を上昇させて第1原点位置に保持した後、第1昇降用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを第2方向に回転させて駆動体310L,310Rを中間位置(図中2点鎖線で示す位置)まで下降させる。つまり、初期状態においては、第1可動体301を第1原点位置に維持し、かつ、駆動体310L,310Rを中間位置に維持する。尚、初期状態において駆動体310L,310Rを上方位置に保持しておき、第1可動体301の落下タイミングになる前に駆動体310L,310Rを下降させて、中間位置や下方位置に保持するようにしてもよい。
また、第1可動体301を落下させる可動体演出においては、第1可動体301を第1原点位置から落下(移動)させ、駆動体310L,310Rにより第1中間位置にて受け止めた後、駆動体310L,310Rを中間位置から下方位置まで移動させることにより、第1可動体301を第1中間位置から第1演出位置まで落下(移動)させる。
尚、以下においては、可動体演出において、第1原点位置から落下させた第1可動体301を第1中間位置にて受け止めた後、第1演出位置まで落下(移動)させる形態を例示するが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動体演出において、第1原点位置から落下させた第1可動体301を第1中間位置にて受け止めることなく、第1演出位置まで直接落下(移動)させてもよいし、第1原点位置から落下させた第1可動体301を第1中間位置にて受け止めた後、第1演出位置まで落下(移動)させないようにしてもよい。
まず、図8−13及び図8−14に示すように、第1可動体301が第1原点位置に位置している初期状態では、第1可動部351は、遊技者から視認可能であり、係止部材318Aによりアーム309L,309Rが係止されていることで、第1原点対応位置に保持されている。第2可動部352は、案内軸376L,376Rが案内孔377L,377Rの後側に位置し、連結軸378Aが案内軸376L,376R前上方に位置していることで、第1可動部351の背面側に重複した状態で後傾姿勢をなしている。第3可動部353は、第1可動部351の背面側に重複した状態で起立姿勢にて保持されている。つまり、第2可動部352及び第3可動部353は、第1可動部351の背面側に重複しているので、遊技者からは視認困難(視認不可)とされている。
また、駆動体310L,310Rの係止部材340L,340Rは、駆動体310L,310Rが中間位置に位置しているときには傾倒姿勢となってカバー体304L,304Rの傾斜壁343L,343Rの内面に当接するので、アーム309L,309Rの係止凹部319L,319Rに係止されない係止解除状態とされている。
次いで、落下条件が成立した(例えば、可動体演出の実行中において所定の落下タイミングとなった場合など)ことに基づいて、演出制御用CPU120は、第1可動体301を第1原点位置から第1中間位置まで落下させる場合、図8−15及び図8−16に示すように、駆動体310L,310Rが中間位置に保持されていること(第1中間位置検出スイッチ314L,314Rからの検出信号を受信していること)を条件として、第1演出用ソレノイド318L,318Rをオン状態として係止部材318Aを退避させる。これにより、第1可動体301は第1原点位置から第1中間位置まで落下する。
詳しくは、第1可動部351は、第1原点対応位置において下半部が画像表示装置5の表示領域に重複しており、第1原点対応位置から落下した後、駆動体310L,310Rの第1受止部320A,320Bにて受け止められることで第1中間対応位置にて停止する。そして第1中間対応位置において、全体が画像表示装置5の表示領域上部に重複する。
第1可動部351が第1原点対応位置から落下すると、第3可動部353を介して第2可動部352が第1原点対応位置から前方に引出されながら回動して、第1可動部351よりも第1原点対応位置側(上方)の第1中間対応位置において、第1可動部351の上方に並んで起立姿勢で保持される。このとき、第1可動部351と第3可動部353とを連結する連結アーム394L,394Rの第2アーム部394Bは、コイルバネ396により連動軸395L,395Rを長孔383L,383Rの下端側に向けて付勢されていることで、第1可動部351が落下しても第2アーム部394Bは回転しないため、第3可動部353が第1可動部351とともに下方に引き下ろされる。つまり、コイルバネ396の付勢力は、第1可動部351の下降に応じて第3可動部353及び第2可動部352を引き下ろすのに必要な大きさを有している。
次いで、第1可動体301を第1中間位置からさらに第1演出位置まで落下させる場合、図8−17及び図8−18に示すように、第1昇降用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを第2方向に回転させて、駆動体310L,310Rを中間位置から下方位置まで移動させる。ここで、駆動体310L,310Rの下降に伴う係止部材340L,340Rの動作態様について以下に説明する。尚、図8−19及び図8−20においては、左右の移動手段303L,303Rは同様に構成されているため、以下においては、左側の移動手段303Lについてのみ図示し、右側の移動手段303Rの図示は省略する。
図8−19(A)に示すように、駆動体310L,310Rが中間位置に位置している状態で、第1演出用ソレノイド318L,318Rをオン状態として係止部材318Aを退避させると、第1可動部351は第1原点対応位置から落下し、第1中間対応位置において駆動体310L,310Rの第1受止部320A,320Bにて受け止められることで第1中間対応位置にて停止する。
次いで、図8−19(B)に示すように、第1昇降用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを第2方向に回転させることで、駆動体310L,310Rが中間位置から下方位置に向けて移動を開始すると、第1可動部351は、駆動体310L,310Rの下降に応じて第1中間対応位置から自重により落下する。つまり、駆動体310L,310Rの第1受止部320A,320Bにて受け止められた状態のまま、駆動体310L,310Rとともに下降(下方に移動)していく。
駆動体310L,310Rが中間位置から下降すると、係止部材340L,340Rが傾斜壁343L,343Rにより案内されることにより回動軸341を中心として回動し、補助側壁344L,344Rに接触することで起立姿勢に変化して、係止爪340Aが係止凹部319L,319R内に進入して係止可能状態になる。このとき、係止爪340Aは、係止凹部319L,319Rの下壁319Aと上壁319Bとの略中央位置に位置するため、下壁319Aと係止爪340Aの間には所定の隙間L10が生じる。つまり、係止可能状態とは、係止爪340Aは下壁319Aに係止されていないが係止可能な状態である。
そして、図8−19(C)に示すように、係止部材340L,340Rが係止可能状態に変化した後、駆動体310L,310Rが下方位置まで下降する間は、係止部材340L,340Rが係止可能状態に維持されたまま、駆動体310L,310Rとともに第1可動部351が下降し、駆動体310L,310Rが下方位置にて停止するのに応じて、第1可動部351が第1演出対応位置に停止する。
次に、図8−20(A)に示すように、第1可動部351が第1中間対応位置において駆動体310L,310Rの第1受止部320A,320Bにて受け止められることで第1中間対応位置にて停止した状態から、第1可動部351を第1演出対応位置まで自重により下降させる場合において、第1可動体301が中間位置にて何らかの理由で落下しない場合について説明する。
詳しくは、第1可動部351は、第1原点位置から自重により落下し、第1中間位置において駆動体310L,310Rの第1受止部320A,320Bにて受け止められたときに、受け止められた衝撃により跳ね上がったり振動したりする。また、アーム309L,309Rの貫通孔331L,331Rの内径は、第1可動部351がスムーズに落下できるように、案内軸306L,306Rの外径よりも大径とされている。つまり、案内軸306L,306Rと貫通孔331L,331Rとの間に比較的大きな遊びが設けられていることで、受け止められた衝撃により跳ね上がったり振動したりしたときに、第1可動部351が案内軸306L,306Rに対し前後または左右に傾くことがある。このように傾くと、貫通孔331L,331Rの内周面の上下部が案内軸306L,306Rの外周面に押し付けられ、貫通孔331L,331Rの内周面と案内軸306L,306Rの外周面との間に摩擦抵抗が生じ、第1可動部351が案内軸306L,306Rに引っ掛かかってしまい、自重により落下できなくなる虞がある。
また、本実施の形態では、第1可動部351が第1中間対応位置まで落下すると、第2可動部352と第3可動部353も第1中間対応位置まで移動するが、これら第2可動部352と第3可動部353は、第1原点対応位置と第1中間対応位置との間で移動可能であって、第1中間対応位置を経由してさらに移動することはない。よって、第1可動部351が第1中間対応位置から第1演出対応位置まで落下する際に、第2可動部352と第3可動部353は下降せず、連結アーム394L,394Rが回動することにより第1可動部351の落下が許容される(図8−12参照)。しかし、連結アーム394L,394Rには、コイルバネ396によって、第1可動部351とともに第2可動部352と第3可動部353を第1中間対応位置まで下降させるのに必要な付勢力が作用しているため、第1可動部351の荷重とコイルバネ396の付勢力とがバランスしてしまうと、第1可動部351が第1中間対応位置から自重により落下できなくなる虞がある。また、連結アーム394L,394Rや連動部材380L,380Rがスムーズに動作しないことなどによっても、第1可動部351が第1中間対応位置から自重により落下できなくなる虞がある。
このように、第1可動部351が上記したような理由で第1中間対応位置から自重により落下されない場合、図8−20(B)に示すように、駆動体310L,310Rが中間位置から下方位置に向けて移動を開始しても、第1可動部351は第1中間対応位置にて停止したままなので、第1可動部351から駆動体310L,310Rが下方に離れてしまう。しかし、第1可動部351に対し駆動体310L,310Rが所定距離L11だけ離れたタイミングで、係止部材340L,340Rが傾斜壁343L,343Rにより案内されることにより回動軸341を中心として回動し、補助側壁344L,344Rに接触して起立姿勢に変化することで、係止爪340Aが係止凹部319L,319R内における下壁319A近傍位置にて進入して係止可能状態となる。
そして、図8−20(C)に示すように、駆動体310L,310Rがさらに下降すると係止爪340Aが下壁319Aに係止されて係止状態になるので、自重ではなく、駆動体310L,310Rの駆動力により第1可動部351が強制的に引き下ろされる。つまり、駆動体310L,310R、係止部材340L,340R及び補助側壁344L,344Rからなる移動補助手段は、第1可動部351の下方への移動を補助することが可能であるため、上記したような理由で第1中間対応位置から落下しない場合でも、駆動体310L,310Rを好適に下降させることができる。
より詳しくは、係止部材340L,340Rが係止可能状態となるタイミングは、第1可動部351が駆動体310L,310Rにより第1中間対応位置にて受け止められたタイミングや、駆動体310L,310Rが中間位置から下降を開始した直後のタイミングでもなく、第1可動部351に対し駆動体310L,310Rが所定距離L11だけ離れたタイミングとされているため、第1可動部351が問題なく第1中間対応位置から自重により落下できる場合には係止爪340Aが下壁319Aに係止されることはないので、第1可動部351を自重によりスムーズに落下させることができる一方で、第1可動部351が何らかの理由により第1中間対応位置から自重により落下できない場合にのみ、補助的に係止爪340Aが下壁319Aに係止されて強制的に下降させることができる。
よって、下降させるたびに係止爪340Aを下壁319Aに係止させる必要がないので、係止爪340Aや下壁319Aといった部材の摩耗や劣化を抑制できる。また、係止タイミングの精度を高めるために、係止部材340L,340Rを駆動源により駆動させることなく、下降動作を利用して係止部材340L,340Rを係止解除状態と係止可能状態とに変化させることができる。
図8−17及び図8−18に戻って、第1可動体301が第1中間位置から第1演出位置まで落下する場合、第2可動部352及び第3可動部353に対し第1可動部351のみが下降することで、第1可動部351は、第1中間対応位置にあるときよりも第2可動部352に対し下方に離れるため、第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から第3可動部353(特定演出部)が遊技者から視認可能に出現する。
また、第3可動部353が出現したタイミングで、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の表示領域における第3可動部353のベース部390Aに対応する部分に、特定演出画像としてのキャラクタ画像Z1を、立体視可能な3D画像として表示することで、遊技者は、第1可動部351と第2可動部352との間に出現した第3可動部353のベース部390Aを透して、画像表示装置5の表示領域に立体視可能に表示されたキャラクタ画像Z1を視認することが可能となる。また、画像表示装置5の表示領域におけるベース部390Aに対応する部分以外(第1可動部351及び第3可動部353の周囲など)には、第1可動部351及び第3可動部353を強調表示するエフェクト画像Z4を2D画像として表示する。
また、第2可動部352及び第3可動部353に対し第1可動部351のみが下降することにより連結アーム394L,394Rが回動し、これにより連動部材380L,380Rが第1連動位置から第2連動位置へスライド移動することで、ベース部361に対し可動部材362A〜362D各々が近接位置から離間位置へ移動することで、第1可動部351が合体状態から分離状態に変化(変形)するとともに、可動部材362A〜362Dの離間位置への移動により、ベース部361の中央に第1回転用モータ311により回転する回転部材363が出現する。
尚、特に図示しないが、第1可動体301を第1演出位置から第1原点位置まで上昇させる場合、第1昇降用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを第1方向に回転させて、駆動体310L,310Rを下方位置から上方位置まで上昇させる。駆動体310L,310Rが下方位置から中間位置まで上昇することで、第1可動部351のみが第1演出対応位置から第1中間対応位置まで上昇するとともに、ベース部361に対し各可動部材362A〜362D各々が離間位置から近接位置へ移動して合体状態に戻る。
次いで、駆動体310L,310Rが中間位置から上方位置まで上昇することで、第1可動部351が第1中間対応位置から第1原点対応位置まで上昇する。このとき、第1可動部351の上昇に応じて第3可動部353も上昇し、さらに第3可動部353のガイドローラ369L,369Rが第2可動部352の下部に接触して該第2可動部352が押し上げられ、案内軸376L,376Rが案内孔377L,377Rの後側に移動することで起立姿勢から傾倒姿勢に変化する。
そして、第1可動部351のアーム309L,309Rが係止部材318Aにより係止されることで、第1可動体301が第1原点位置に保持される。第1原点位置検出スイッチ315L,315Rにより第1可動体301が検出された後、第1昇降用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを回転させて、駆動体310L,310Rを上方位置から中間位置まで下降させることで、駆動初期状態に復帰する。
(第1可動体301による可動体演出)
次に、第1可動体301による可動体演出の一例について、図8−21に基づいて説明する。図8−21は、(A)〜(F)は可動体演出における第1可動体の演出動作例を示す図である。
以下においては、大当りのスーパーリーチ変動パターンに基づく可変表示において、スーパーリーチ演出における所定タイミングにて第1可動体301による可動体演出を実行する場合について説明する。
図8−21(A)に示すように、演出制御用CPU120は、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示を開始してから所定時間が経過したタイミングで、図8−21(B)に示すように、飾り図柄の可変表示の態様を所定のリーチ態様とした後、スーパーリーチ演出を開始する。次いで、スーパーリーチ演出を開始してから所定時間が経過したタイミングで、図8−21(C)に示すように、スティックコントローラ31Aを模した画像Z2と、「引け!」なる文字画像Z3を表示し、スティックコントローラ31Aの操作を促す操作促進演出を行う。
そして、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ31Aの操作有効期間内にスティックコントローラ31Aの操作を検出した場合、または、スティックコントローラ31Aの操作を検出せずに操作有効期間が経過したタイミングで、図8−21(D)に示すように、第1演出用ソレノイド318L,318Rをオン状態とし、第1可動体301を第1原点位置から落下させる。
次いで、図8−21(E)に示すように、第1可動体301が第1中間位置に停止した後、第1昇降用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを回転させて、駆動体310L,310Rを中間位置から下方位置へ下降させることで、第1可動体301が第1中間位置から第1演出位置まで落下(移動)することに応じて、ベース部361に対し可動部材362A〜362D各々が合体位置から離間位置へ移動して第1可動部351が合体状態から分離状態に変形するとともに、第1可動部351と第2可動部352との間から第3可動部353が出現する。そして、出現した第3可動部353のベース部390Aを透して、画像表示装置5の表示領域にキャラクタ画像Z1を立体視可能な3D画像として表示する。
次いで、第1可動体301が第1演出位置に移動してから所定時間が経過したタイミングで、第1昇降用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを第1方向に回転させて、駆動体310L,310Rを下方位置から上方位置まで上昇させることで、第1可動体301のアーム309L,309Rが係止部材318Aにより係止され、第1原点位置に保持される。また、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃い図柄を停止表示して、大当りになったことを報知する。
(第1発明)
以上説明したように、本実施の形態には、以下に示す第1発明が含まれている。つまり、従来、動作可能な可動体を備えた遊技機において、例えば、特開2017−140239号公報等に記載されたもののように、可動体を第1位置から該第1位置よりも下方の第2位置まで自重により落下させるもの等があった。上記特許公報に記載の遊技機では、第2位置からさらに下方へ落下させる場合において、可動体を好適に落下させることができないことがあるという問題があった。そこで、可動体を好適に移動させることができる遊技機を提供することを目的として、第1発明の手段1の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
第1位置(例えば、第1原点位置、第1原点対応位置)から移動可能な可動体(例えば、第1可動体301、第1可動部351、第2可動部352、第3可動部353)を備え、
前記第1位置から移動した前記可動体を該第1位置よりも下方の第2位置(例えば、第2中間位置、第1中間対応位置)にて停止させた後、該第2位置よりも下方の第3位置(例えば、第1演出位置、第1演出対応位置)へ移動させることが可能であり(例えば、第1可動体301を落下させる可動体演出においては、第1可動体301を第1原点位置から落下(移動)させ、駆動体310L,310Rにより第1中間位置にて受け止めた後、駆動体310L,310Rを中間位置から下方位置まで移動させることにより、第1可動体301を第1中間位置から第1演出位置まで落下(移動)させる。)、
前記可動体の前記第2位置から前記第3位置への移動を補助する移動補助手段(例えば、係止部材340L,340R及び補助側壁344L,344R、駆動体310L,310R、案内軸306L,306R、第1昇降用モータ308L,308R)を備える(図8−19、図8−20参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可動体を第2位置で停止させた後でも好適に第3位置へ移動させることができる。
詳しくは、第1可動体301を第1原点位置から第1中間位置まで落下させた後、駆動体310L,310Rを下降させることにより第1可動体301を第1演出位置まで落下(下降)させる際に、第1可動体301が何らかの理由で自重により落下しない場合でも、移動補助手段としての係止部材340L,340Rが係止凹部319L,319Rに係止されることで、駆動体310L,310Rとともに第1可動体301を下降させる、つまり、第1可動体301の下方への移動が補助されるため、第1可動体301を第1演出位置まで好適に下降させることができる。
第1発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
所定の駆動源(例えば、第1昇降用モータ308L,308R)により移動可能であり、前記第1位置(例えば、第1原点位置)から移動した前記可動体(例えば、第1可動体301、第1可動部351)を受け止め可能な駆動体(例えば、駆動体310L,310R)を備え、
前記駆動体により前記可動体を前記第2位置(例えば、第1中間位置、第1中間対応位置)にて受け止めた後、該駆動体を下方へ移動させることにより前記可動体を前記第3位置(例えば、第1演出位置、第1演出対応位置)へ移動可能となり、
前記移動補助手段の少なくとも一部は、前記駆動体に設けられている(例えば、駆動体310L,310Rの外側方には、アーム309L,309Rの係止凹部319L,319Rに係脱可能な係止部材340L,340Rが上向きに設けられている。図8−8参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、駆動体を利用して可動体の第2位置から第3位置への移動を補助することができる。
詳しくは、自重により落下可能な第1可動体301を上昇させるための駆動体310L,310Rの下降動作を利用して第1可動体301を強制的に下降させることができ、第1可動体301の下降を補助するための駆動源などを別途設けずに済むため、構造を簡素化することができる。
第1発明の手段3の遊技機は、手段2に記載の遊技機であって、
前記移動補助手段は、
前記可動体(例えば、第1可動体301、第1可動部351の係止凹部319L,319R)に係止可能な係止可能状態と係止解除状態とに変化可能に前記駆動体(例えば、駆動体310L,310R)に設けられた係止部(例えば、係止部材340L,340Rの係止爪340A)と、
前記可動体を前記第2位置(例えば、第1中間位置、第1中間対応位置)にて受け止めた後、該駆動体を下方へ移動させるときに前記係止部に作用することで、前記係止解除状態から前記係止可能状態に変化させる作用部(例えば、傾斜壁343L,343Rや補助側壁344L,344R)と、
を備える(図8−8、図8−19、図8−20参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、駆動体の下方への移動を利用して係止部を係止可能状態に変化させることができる。
詳しくは、駆動体310L,310Rの下降動作を利用して、係止部材340L,340Rを係止可能状態と係止解除状態とに変化させることができ、係止部材340L,340Rを変化させるための駆動源などを別途設けずに済むため、構造を簡素化することができる。
第1発明の手段4の遊技機は、手段3に記載の遊技機であって、
前記駆動体(例えば、駆動体310L,310R)は、前記係止部(例えば、係止部材340L,340Rの係止爪340A)が前記係止解除状態となるように付勢する付勢部材(例えば、コイルバネ(図示略))を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、移動補助が不要なときに係止部を容易に係止解除状態とすることができる。
第1発明の手段5の遊技機は、手段2〜4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可動体(例えば、第1可動体301)の一方側を上下方向に案内する第1案内手段(例えば、案内軸306L)と、
前記可動体の他方側を上下方向に案内する第2案内手段(例えば、案内軸306R)と、
を備え、
前記駆動体は、前記第1案内手段及び前記第2案内手段の双方に有する(例えば、略直方体をなす駆動体310L,310Rには、上下方向に貫通する貫通孔332L,332Rが形成されており、該貫通孔332L,332Rには案内軸306L,306Rが挿入される。図8−13参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可動体を安定して移動させることができる。
第1発明の手段6の遊技機は、手段3〜5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記駆動体(例えば、駆動体310L,310R)が前記可動体(例えば、第1可動体301)を受け止めている状態で前記係止部(例えば、係止部材340L,340Rの係止爪340A)が前記係止可能状態に変化したときに、該係止部と前記可動体の被係止部(例えば、係止凹部319L,319Rの下壁319A)との間に所定の隙間(例えば、隙間L10)が設けられる(図8−19(B)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、係止部を好適に係止可能状態に変化させることができるとともに、駆動体が下方へ移動するときに可動体が移動しない場合は係止部が被係止部に係止されるので、可動体の第2位置から第3位置への移動を好適に補助できる。
詳しくは、係止爪340Aを係止凹部319L,319Rの下壁319Aに係止させる必要がない場合、つまり、第1可動体301が正常に落下する場合には、係止爪340Aが下壁319Aに係止されることはなく、係止爪340Aを係止凹部319L,319Rの下壁319Aに係止させる必要がある場合、つまり、第1可動体301が正常に落下しない場合には、係止爪340Aが下壁319Aに係止される。よって、第1可動体301を落下させるたびに係止爪340Aが下壁319Aに係止されて部材が摩耗することを抑制できる一方で、第1可動体301が正常に落下しない場合には好適に係止されるので、第1可動体301を好適に下降させることができる。
(第2発明)
また、前記実施の形態には、以下に示す第2発明が含まれている。つまり、従来、動作可能な可動体を備えた遊技機において、例えば、特開2017−140239号公報等に記載されたもののように、第1位置において遊技者から視認可能な第1可動部と、第1位置において該第1可動部の後側に重複して遊技者から視認困難または不能な第2可動部とを有する可動体を、第1位置から第2位置へ移動することで、第2可動部が第1可動部より第1位置側に出現して遊技者から視認可能となるもの等があった。上記特許公報に記載の遊技機では、可動体が第1位置から第2位置へ移動することにより第2可動部が出現するだけで可動体の移動態様が単調であるため、興趣を高めることができないという問題があった。そこで、可動体により興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的として、第2発明の手段1の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
第1可動部(例えば、第1可動部351)と該第1可動部とは異なる第2可動部(例えば、第2可動部352)とを有する可動体(例えば、第1可動体301)を備え、
前記可動体は、
第1位置(例えば、第1原点位置、第1原点対応位置)から第2位置(例えば、第1中間位置、第1中間対応位置)を経由して第3位置(例えば、第1演出位置、第1演出対応位置)まで移動可能であり(例えば、第1可動体301を落下させる可動体演出においては、第1可動体301を第1原点位置から落下(移動)させ、駆動体310L,310Rにより第1中間位置にて受け止めた後、駆動体310L,310Rを中間位置から下方位置まで移動させることにより、第1可動体301を第1中間位置から第1演出位置まで落下(移動)させる。)、
前記第1位置において、前記第1可動部が遊技者から視認可能、かつ、前記第2可動部が該第1可動部の後側に重複して遊技者から視認困難または不能となり(図8−13参照)、
前記第1位置から前記第2位置まで移動することで、前記第2可動部が前記第1可動部より前記第1位置側に出現して遊技者から視認可能となり(図8−15参照)、
前記第2位置から前記第3位置まで移動することで、前記第1可動部が前記第2可動部から離れた位置まで移動し(図8−17参照)、
前記可動体が前記第3位置まで移動したときに、前記第1可動部と前記第2可動部との間に特定演出部が出現する(例えば、第1可動体301が第1中間位置から第1演出位置まで落下する場合、第2可動部352及び第3可動部353に対し第1可動部351のみが下降することで、第1可動部351は、第1中間対応位置にあるときよりも第2可動部352に対し下方に離れるため、第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から第3可動部353(特定演出部)が遊技者から視認可能に出現する。図8−17参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、可動体の移動により第2可動部が出現した後、さらに特定演出部が出現するため、遊技者に驚きを与えることができる。
詳しくは、第1可動部351が第1原点対応位置から第1中間対応位置まで落下することで、第1可動部351の背面側に重複して遊技者から視認できなかった第2可動部352が出現することに加えて、第1可動部351が第1中間対応位置からさらに第1演出対応位置まで移動することにより第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から、新たな第3可動部353(特定演出部)が遊技者から視認可能に出現する。
また、第1可動部351の移動に応じて第1タイミングで第2可動部352が出現した後に、第1タイミングよりも後の第2タイミングで第2可動部352とは別個の第3可動部353(特定演出部)が出現する。すなわち、一度に複数の演出部が出現するのではなく、新たな演出部が段階的に出現するため、遊技者により意外性を与えることができる。
第2発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
前記可動体(例えば、第1可動体301)は、前記第1可動部(例えば、第1可動部351)及び前記第2可動部(例えば、第2可動部352)とは異なる第3可動部(例えば、第3可動部353)を有し、
前記可動体が前記第3位置(例えば、第1演出位置、第1演出対応位置)まで移動したときに、前記第1可動部と前記第2可動部との間に前記特定演出部として前記第3可動部を出現させる(図8−17参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者に驚きを与えることができる。
第2発明の手段3の遊技機は、手段1または2に記載の遊技機であって、
前記可動体(例えば、第1可動体301)の後側に設けられる表示手段(例えば、画像表示装置5)を備え、
前記可動体が前記第3位置(例えば、第1演出位置、第1演出対応位置)まで移動したときに、前記表示手段の表示領域における前記特定演出部に対応する部分にて演出表示を行う(例えば、第3可動部353が出現したタイミングで、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の表示領域における第3可動部353のベース部390Aに対応する部分に、特定演出画像としてのキャラクタ画像Z1を、立体視可能な3D画像として表示する。図8−17参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定演出部に立体視可能な画像が表示されるため、遊技者に驚きを与えることができる。
詳しくは、第1可動部351が第1中間対応位置からさらに第1演出対応位置まで移動することにより第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から、第3可動部353(特定演出部)が遊技者から視認可能に出現するだけでなく、第3可動部353のベース部390Aを透して、画像表示装置5に表示されたキャラクタ画像Z1を視認可能となるため、第1可動部351と画像表示装置5により表示された画像とによる演出を実現することができる。
第2発明の手段4の遊技機は、手段1〜3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1可動部(例えば、第1可動部351)は、前記可動体(例えば、第1可動体301)が前記第2位置(例えば、第1中間位置、第1中間対応位置)から前記第3位置(例えば、第1演出位置、第1演出対応位置)まで移動するときに、第1状態(例えば、合体状態)から該第1状態とは異なる第2状態(例えば、分離状態)へ変形可能である(図8−15及び図8−17参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1可動部351の移動に応じて該第1可動部351が変形するため、遊技者に驚きを与えることができる。
第2発明の手段5の遊技機は、手段4に記載の遊技機であって、
前記第1可動部(例えば、第1可動部351)は、前記第1状態(例えば、合体状態)から前記第2状態(例えば、分離状態)へ変形することにより出現する特別演出部(例えば、回転部材363)を有する(図8−17参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1可動部351が変形した場合にのみ特別演出部が視認可能となるため、遊技者に驚きを与えることができる。
第2発明の手段6の遊技機は、手段1〜5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1可動部(例えば、第1可動部351)は、
ベース部(例えば、ベース部361)と、
前記ベース部に対し動作可能な複数の可動部材(例えば、可動部材362A〜362D)と、
を有し、
前記複数の可動部材が近接する第1状態(例えば、合体状態)と、前記複数の可動部材が分離する第2状態(例えば、分離状態)と、に変形可能であり、
前記複数の可動部材を前記第1状態に維持するための吸着手段(例えば、マグネット385A〜385H)を有する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、意図しないときに可動体が第2状態に変形することを抑制できる。
詳しくは、第1可動体301が第1中間位置まで落下したときに、落下の衝撃により複数の可動部材362A〜362Dが近接位置から分離位置に向けて移動してしまうことにより、可動部材362A〜362Dの間に隙間が生じてしまうことを抑制できる。
以上、本発明の実施の形態の特徴部023SGを図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、可動体としての第1可動体301の第1可動部351が、第1原点対応位置(第1位置)と該第1原点対応位置よりも下方の第1演出対応位置(第2位置)との間で上下方向に移動可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1位置と第2位置との間で左右方向や前後方向に移動可能とされていてもよい。
また、前記実施の形態では、可動体としての第1可動体301が、第1原点位置から第1中間位置を経由して第1演出位置まで自重により落下可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定の駆動源により上下方向に移動可能とされていてもよい。つまり、前記第1発明における移動補助手段は、自重により落下可能な第1可動部351が第1中間対応位置から下方に移動する際に該移動を補助するものに限定されるものではなく、第1可動部351が第1中間対応位置から所定の駆動源により下方に移動させる際に該移動を補助するものであってもよい。
また、前記実施の形態では、可動体としての第1可動体301は、第1可動部351、第2可動部352及び第3可動部353を有している形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記第1発明及び第3発明においては、少なくとも一の可動部を有していればよい。また、前記第2発明においては、少なくとも二つの可動部を有していればよい。
また、前記実施の形態では、可動体としての第1可動体301は、第1可動部351及び第3可動部353が上下方向に移動可能である一方で、第2可動部352は前後方向に移動可能、かつ、前方位置にて回動可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2可動部352や第3可動部353の動作態様は、第1可動部351の動作態様と同様でなくてもよい。
また、前記実施の形態では、第2可動部352は、第1可動部351の第1中央対応位置への移動に応じて、後方の第1原点対応位置から前方の第1中央対応位置まで移動する形態を例示したが、前記第2発明はこれに限定されるものではなく、第2可動部352は、第1可動部351の第1中央対応位置への移動に応じて遊技者から視認可能に出現するようになっていれば、第1中央対応位置などに予め移動不能に固定されていてもよい。また、第3可動部353は、第1可動部351の第1中央対応位置から第1演出対応位置への移動に応じて遊技者から視認可能に出現するようになっていれば、第1中央対応位置などに予め移動不能に固定されていてもよい。
また、前記実施の形態では、第1可動体301の第1可動部351は、左右の案内軸306L,306Rにより上下方向に移動案内される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、左右の案内軸306L,306Rのうちいずれか一方のみにより移動案内されるようになっていてもよい。さらに、案内軸306L,306Rは、駆動体310L,310Rを上下方向に移動案内する案内手段を兼ねていたが、駆動体310L,310Rを上下方向に移動案内する案内軸306L,306Rとは別個の案内手段により第1可動部351を案内するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、第1可動部351を第1中間対応位置や第1演出対応位置にて受け止める受け止め手段としての駆動体310L,310Rが、第1可動部351を上昇させる移動手段303L,303Rを兼ねている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動部351を第1中間対応位置や第1演出対応位置にて受け止める受止手段と、第1可動部351を上昇させる移動手段303L,303Rとを別個に設けてもよい。第1可動部351を第1中間対応位置や第1演出対応位置にて受け止める受止手段として、例えば、第1演出用ソレノイド318L,318Rにより動作する係止部材318A等を適用してもよい。
また、前記実施の形態では、移動補助手段は、駆動体310L,310Rに設けられた係止部材340L,340R(係止手段)を含み、駆動体310L,310Rの動作に応じて係止部材340L,340Rが補助側壁344L,344Rに接触することにより係止解除状態から係止可能状態に変化する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、係止部材340L,340Rは、所定の駆動源により係止解除状態から係止可能状態に変化するようにしてもよい。また、係止部材340L,340Rは、駆動体310L,310Rとは別個に設けられた移動体などに設けてもよい。また、第1可動部351に係止部材340L,340Rを設け、駆動体310L,310Rに係止凹部319L,319Rを設けてもよい。
また、前記実施の形態では、下降可能な駆動体310L,310Rに設けられた移動補助手段としての係止部材340L,340Rを第1可動部351に係止して連結し、駆動体310L,310Rとともに引き下ろすことで、該第1可動部351の第1中央対応位置からの移動を補助する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、案内軸306L,306Rにおけるアーム309L,309Rの上方に移動補助部材を設け、該移動補助部材により第1可動部351を上方から押し下げることで第1可動部351の第1中央対応位置からの移動を補助するようにしてもよい。
さらに、移動補助手段は、第1可動部351に対し何らかの衝撃を付与する(例えば、振動モータにより第1可動部351や案内軸306L,306Rなどを振動させたり、他の部材を第1可動部351に接触させたりするなど)ことで、第1可動部351の引っ掛かりを解消させるもの等を含んでもよい。よって、移動補助手段は、駆動体310L,310R以外の箇所(例えば、第1可動部351やカバー体304L,304Rなど)に設けてもよい。
また、前記実施の形態では、移動補助手段としての係止部材340L,340R等は、第1可動部351を第1原点対応位置と第1演出対応位置との間の第1中間対応位置にて停止させた後に、第1演出対応位置へ移動させる際に該移動を補助する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1原点対応位置から第1演出対応位置へ移動させる際に該移動を補助するものでもよい。
また、前記実施の形態では、第1可動部351が第1中間対応位置から第1演出対応位置まで移動することにより第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から第3可動部353(特定演出部)が遊技者から視認可能に出現するだけでなく、第3可動部353のベース部390Aを透してキャラクタ画像Z1を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動部351が第1中間対応位置から第1演出対応位置まで移動することにより第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から特定演出部が出現するものであれば、キャラクタ画像Z1などの演出画像が表示されなくてもよい。つまり、特定演出部は、第3可動部353のような構造物でもよいし、キャラクタ画像Z1等を表示可能な画像表示装置5の表示領域の特定部分でもよい。
また、特定演出部を画像表示装置5の表示領域の特定部分とする場合、該特定部分に対応する位置に第3可動部353のような透過性部材を配置せずに、第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から特定部分を直接視認できるようになっていてもよい。また、第1可動部351と第2可動部352との間に生じた隙間から視認可能となる演出部であれば、第1可動部351に連動する第3可動部353のような動作可能な可動体でなくてもよい。
また、前記実施の形態では、第1可動部351は合体状態から分離状態に変形可能に構成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動部351は変形可能でなくてもよい。また、変形態様も任意であり、前記実施の形態に例示したような分離状態と合体状態とは異なる形態に変形するものでもよい。
(本発明の実施の形態における特徴部097SGに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部097SGについて、図8−22〜図8−32に基づいて説明する。図8−22は、(A)は第1可動体が第1原点位置に位置している状態を斜め後ろから見た状態を示す斜視図、(B)は第1可動体が第1中間位置に位置している状態を斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図8−23は、第1可動体が第1演出位置に位置している状態を斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図8−24は、第1可動体が第1演出位置に位置している状態を示す背面図である。図8−25は、(A)はケーブルを第1可動部の背面に接続する状態を示す斜視図、(B)はケーブルを第3可動部の背面に固定する状態を示す斜視図である。図8−26は、(C)はケーブルをベース体の背面に接続する状態を示す斜視図、(D)はケーブルを基板側コネクタに接続する状態を示す斜視図である。図8−27は、図8−24のA−A断面図である。図8−28は、(A)はケーブルを第3可動部の背面に固定した状態を示す背面図、(B)は(A)のB−B断面図、(C)は(A)のB’−B’断面図である。図8−29は、(A)はケーブルをベース体の背面に固定した状態を示す背面図、(B)は(A)のC−C断面図、(C)は(A)のC’−C’断面図である。図8−30は、(A)は図8−24のD−D断面図、(B)は第1可動体が第1中間位置まで移動した状態を示す断面図、(C)は図8−24のE−E断面図である。図8−31は、(A)は図8−24のF−F断面図、(B)は第1可動体が第1演出位置まで移動した状態を示す断面図、(C)は図8−24のG−G断面図である。図8−32は、(A)は第1可動体が第1原点位置に位置している状態、(B)は第1中間位置まで移動した状態、(C)は第1演出位置まで移動した状態におけるケーブルの状態を示す概略断面図である。尚、図8−22及び図8−23において、ケーブルは概略形状で図示されている。
(第1演出装置300における配線構造)
図8−22〜図8−26に示すように、ベース体501の背面上部右側には中継基板510が設けられているとともに、第1可動部351には中継基板511が設けられている。これら中継基板510,511は、演出制御基板12と第1可動部351に搭載された第1回転用モータ311や第1演出用LED312Aなどの電子部品との配線接続を中継する基板とされている。中継基板511は、第1可動体301が第1原点位置に位置している状態において、中継基板510より左下側に配置されている。
ベース体501の中継基板510には、該中継基板510と中継基板511とを接続するケーブルCの一端が接続される基板側コネクタKCN1と、中継基板510と演出制御基板12とを接続するケーブル(図示略)が接続される基板側コネクタKCN2と、中継基板510と他の電子部品とを接続するケーブル(図示略)が接続される基板側コネクタKCN3と、が背面に設けられている。
第1可動部351の中継基板511には、第1回転用モータ311や第1演出用LED312Aなどの電子部品が接続されているとともに、ケーブルCが接続される基板側コネクタKCN11が背面に設けられている。
基板側コネクタKCN1,11は、ケーブルCの接続部CN1,11を下方から接続可能に設けられ、特に図示しないが、背面側の蓋部を開放した状態でケーブルCの接続部CN1,11を差し込んだ後、蓋部を閉鎖することで電気的に接続されるようになっている。
ケーブルCは、電力や信号を供給するための電気ケーブルであって、弾性(可撓性)を有し変形可能なフレキシブルフラットケーブル(FFC)とされており、例えば、絶縁ベースシート(図示略)と、この絶縁ベースシート上に基板側コネクタKCN1,11側の各接続端子と同じ一定ピッチで並列に並べられた複数本の導体(図示略)と、これら複数の導体を挟んで絶縁ベースシート上に貼着された絶縁カバーフィルム(図示略)と、で構成され、これら複数本の導体が基板側コネクタKCN1,11の各接続端子に夫々対応している。また、ケーブルCの一端部には、基板側コネクタKCN1と電気的に接続するための接続部CN1が設けられ、他端部には、基板側コネクタKCN11と電気的に接続するための接続部CN11が設けられている。この接続部CN1,CN11では、絶縁カバーフィルムによる被覆が除去されて内部の導体の一部が一定長さで露出している(図8−25(A)、図8−26(D)参照)。
尚、フレキシブルフラットケーブルは、被覆線を複数本並べて融着したフラットケーブルや、平型の導体を等間隔で複数本並べ、それらをまとめて両面側から絶縁シートで挟み込んで被覆したフラットケーブルであってもよいし、1本の単線、撚線であってもよいし、撚対線であってもよい。
図8−22〜図8−24に示すように、ケーブルCは、一方の接続部CN1が基板側コネクタKCN1に接続され、他方の接続部CN11が基板側コネクタKCN11に接続されるとともに、接続部CN1と接続部CN11との間が第3可動部353に固定されている。つまり、ベース体501の中継基板510に設けられた基板側コネクタKCN1と、第1可動部351の中継基板511に設けられた基板側コネクタKCN11と、に第3可動部353を経由するように引き回されて接続されている。また、ケーブルCの表裏面は平面部とされており、これら両平面部を前後方向に向けた状態で前後、上下、左右方向に引き回されている。
ケーブルCの配線経路は、ベース体501の背面に設けられる配線経路K1と、ベース体501と第3可動部353との間に設けられる配線経路K2と、第3可動部353の背面に設けられる配線経路K3と、第3可動部353と第1可動部351との間に設けられる配線経路K4と、第1可動部351の背面に設けられる配線経路K5と、を有する。配線経路K1〜K5のうち、配線経路K1,K3,K5においては、ケーブルCが位置ずれしないように固定され、配線経路K2,K4においては、第1可動部351や第3可動部353の移動に応じてケーブルCが変形可能とされている。
尚、これら配線経路K1〜K5は、ベース体501、第1可動部351、第3可動部353の背面側に設けられていることで、第1可動体301が第1原点位置と第1演出位置との間のいずれの位置にあるときでも、遊技者側(パチンコ遊技機1Aの前側)から視認困難とされているため、外観が損なわれることがない。
ケーブルCは、これら配線経路K1〜K5に沿って配線可能な長さ、つまり、配線経路K1〜K5各々の距離を合算した値以上の所定長さとされ、特に配線経路K2,K4の距離については、第1可動体301が第1原点位置から第1演出位置まで移動するときにケーブルCが第1可動部351や第3可動部353の移動を妨げない距離とされている。つまり、ケーブルCの長さは、第1可動体301の第1原点位置と第1演出位置との間での移動を妨げたり、ケーブルCや基板側コネクタKCN1,11との接続部に無理な負荷がかかることがないようにある程度余裕をもった所定長さとされている。
また、所定長さのケーブルCを製造することも考えられるが、ケーブルの製造メーカから入手する場合、所定長さのケーブルがなければ、所定長さ以上のケーブルを入手し、該入手したケーブルCの一端側の接続部CN11を基板側コネクタKCN11に接続した後、各配線経路K1〜K5に引き回した後、ケーブルCの余剰部分は後述するように折り畳むなどして調整して、他端側の接続部CN1を基板側コネクタKCN1に接続する。
次に、配線経路K1〜K5の構造及び配線方法について、図8−25〜図8−31に基づいて説明する。尚、図8−25〜図8−26においてケーブルCの切れ目に付した符号A〜Cは、図面間におけるケーブルCの繋がりを示している。
図8−25〜図8−26に示すように、ケーブルCは、最初に第1可動部351の基板側コネクタKCN11に接続部CN11を差し込んで接続し、配線経路K5→K4→K3→K2→K1の順に引き回した後、余剰部分を折り畳んで長さを調整してから、ベース体501の基板側コネクタKCN1に接続部CN1を差し込んで接続する。このように、可動しないベース体501側でケーブルCの長さを調整することで、第1可動体301が移動するときに余剰部分のケーブルCが周囲の部材に接触するなどして邪魔になることを防止できる。
図8−25(A)及び図8−31に示すように、第1可動部351の背面における基板側コネクタKCN11に対応する位置には開口527が形成されており、該開口527を介してケーブルCの接続部CN11を基板側コネクタKCN11に接続できるようになっている。開口527の下方には、基板側コネクタKCN11に接続部CN11を接続したケーブルCを下方に案内する案内部材530が設けられている。
案内部材530は、開口527の下方に配置される湾曲状の第1壁部530Aと、第1壁部530Aから下方に延設される平面状の第2壁部530Bと、第2壁部530Bの下方に配置される湾曲状の第3壁部530Cと、第1壁部530Aの上方において開口527を閉塞するように配置される押え部530Dと、第1壁部530Aと第2壁部530Bの左右側に立設される側壁530Eと、を有し、背面側が開放する横断面コ字形の配線経路K5を形成する。
基板側コネクタKCN11は、ケーブルCを下方から接続可能に設けられており、ケーブルCにおける基板側コネクタKCN11の近傍下方位置が押え部530Dにより背面側から中継基板511に押え付けるように固定(保持)されている(図8−31参照)。このように押え部530Dは、ケーブルCを第1可動部351の背面に押え付けるように固定するための固定手段を構成している。
このように配線経路K5において、基板側コネクタKCN11に接続部CN11が接続され開口527から背面側に引出されたケーブルCは、案内部材530により下方に向けて引き回される。開口527から背面側に引出されたケーブルCが下方に曲がる部分は第1壁部530Aにより湾曲状に曲がるように案内されることで折れ曲がりが防止されている。また、第1壁部530Aと第2壁部530Bの左右側には側壁530Eが形成されていることで、下方に引き回されたケーブルCの左右側への位置ずれが防止されている。
このように案内部材530により下方に向けて引き回されたケーブルCは、後側に曲げられた後に上方に折り返され、配線経路K4を経由して第3可動部353の配線経路K3に引き回される。
図8−25(B)に示すように、第3可動部353の背面左側下部には、左右方向を向く上壁540A及び上壁540Aより下方位置において左右方向を向く下壁541と、上壁540Aの左右端から斜め下方に延設される傾斜壁540B,540Cと、が立設されている。また、第3可動部353の左側下部には、下方に垂下される延設部542が形成され、延設部542の左右側には側壁543,544が立設されている。
左側の傾斜壁540B及び上壁540Aの下面には、ケーブルCを背面側から押える押え片545A,545Bが突設されている。また、第3可動部353の下辺における傾斜壁540Bの直下には、前側に向けて湾曲する湾曲部546が突設されている。
また、第3可動部353の背面左側下部には、カバー部材550が複数のネジN1により取付けられる。カバー部材550は、左右方向を向く第1カバー部551Aと、第1カバー部551Aの左端から下方に延設される第2カバー部551Bと、前面が下方に向けて後側に湾曲する湾曲部552と、を有する。また、第1カバー部551Aにおける押え片545A,545Bに対応する位置には、押え片545A,545Bを収容するための切欠部546A,546Bが形成されている。また、第2カバー部551Bは、ベース壁の左右側に側壁553A,553Bが突設されていることで前方に開放する平面視コ字形に形成されている。
第1カバー部551Aは、第3可動部353の背面における上壁540A及び傾斜壁540B,540Cと下壁541との間に配置されることで、第3可動部353の背面、上壁540A、傾斜壁540B,540C及び下壁541とともに配線経路K3を構成する。また、第2カバー部551Bは、第1可動部351の案内部材530の背面から離れた位置に対応して配置されることで、案内部材530と第2カバー部551Bとの間に配線経路K4を構成する。
図8−25(B)及び図8−28に示すように、配線経路K4から上方に折り返されたケーブルCにおいて傾斜壁540Bに対応する部分は、ケーブルCの引き回し方向を上方向から約90度の角度で右方向に切り替えるために、右側に向けて反転するように折曲げられる(折り返される)折曲部CR1とされている。また、ケーブルCにおいて傾斜壁540Cに対応する部分は、ケーブルCの引き回し方向を右方向から約90度の角度で下方向に切り替えるために、下側に向けて反転するように折曲げられる(折り返される)折曲部CR2とされている。
折曲部CR1,CR2では、ケーブルCにおける折り目CFの両側が前後に重なるように折曲げられている。また、特に図8−28(B)(C)に示すように、折り目CFによりケーブルCの導線が断線することがないように折返し角度は180度未満とされていることで、折り目CFの両側において前後に重なるケーブル間には所定の空間S1が形成される。
このように折曲部CR1,CR2を設けたケーブルCを第3可動部353の背面に固定する場合、折曲部CR1,CR2を第3可動部353の背面と押え片545A,545Bとの間に差し込むように配置した後、ネジN1によりカバー部材550を第3可動部353の背面に止着することで、ケーブルCにおける折曲部CR1と折曲部CR2との間が、カバー部材550の第1カバー部551Aにより第3可動部353の背面に押し付けられて固定される。
カバー部材550が取付けられることで、ケーブルCの第3可動部353の背面からの離脱が防止されるとともに、傾斜壁540B,540Cの内側に左右の折曲部CR1,CR2の折り目CFが沿うように配置されるので、ケーブルCの左右方向(引き回し方向)への位置ずれが規制される。
また、折曲部CR1,CR2では、ケーブルCにおける折り目CFの両側が絶縁ベースシートや絶縁カバーフィルムなどの弾性復帰力により前後に離れようとする力が作用することで、カバー部材550を取付けた状態において、ケーブルCが前側の第3可動部353の背面と後側のカバー部材550とに押し付けられるため、ケーブルCが好適に固定される。このようにカバー部材550の第1カバー部551Aは、ケーブルCにおける折曲部CR1,CR2を第3可動部353の背面に押し付けるように固定するための固定手段を構成している。
また、カバー部材550が取付けられることで、図8−31(A)(B)に示すように、カバー部材550の第2カバー部551Bが第1可動部351の案内部材530の背面側に位置するため、第1可動部351と第3可動部353との間に掛け渡されたケーブルCが、前側の案内部材530と後側の第2カバー部551Bとにより前後から挟まれ、側面視略U字状に維持される。特に、ケーブルCにおいて側面視略U字状に折り返された折返し部CU1の前後側は、絶縁ベースシートや絶縁カバーフィルムなどの弾性復帰力により前後方向に広がろうとするが、上下方向を向く案内部材530と後側の第2カバー部551Bとにより前後から挟まれることで、上方から下方に向けて側面視略直線状に案内されるため、ケーブルCにおける折返し部CU1の前後側が前後に広がって第1可動体301の背面側に設けられる画像表示装置5等に接触することが防止される。
また、図8−31(A)(B)に示すように、第1可動体301が第1中間位置と第1演出位置との間で移動するときに、第3可動部353に対する第1可動部351の上下方向の位置が変化し、これに応じてケーブルCの長手方向における折返し部CU1の位置が変化する。つまり、ケーブルCにおける第1可動部351と第3可動部353との間の配線経路K4に対応する部分は、第1可動体301の移動に応じて変形する変形部とされている。また、第1可動体301の移動に応じてケーブルCの長手方向における折返し部CU1の位置が変化するときに、折返し部CU1の前後側が平面視コ字形の案内部材530と第2カバー部551Bとにより案内されることで、ケーブルCの左右方向への位置ずれが防止されるとともに、ケーブルCにおける折返し部CU1の前後側が上下方向に向けて側面視直線状に案内されるため、前後への拡がりが防止される。
さらに、第1可動体301の上下動に応じて、ケーブルCの長手方向における折返し部CU1の位置が折曲部CR1に近づいたり離れたりすることで変形したり、第1可動体301の移動または落下したときの衝撃により折返し部CU1が振動したりすることでケーブルCの折曲部CR1に負荷がかかることがあるが、折曲部CR1が固定されていることによりケーブルCの位置ずれが防止される。
一方、図8−25(B)に示すように、折曲部CR2により下方に折曲げられたケーブルCは、後側に曲げられた後に上方に折り返され、配線経路K2を経由してベース体501の配線経路K1に引き回される。
図8−26(C)に示すように、ベース体501の背面左側下部には、左右方向を向く上壁560A及び上壁560Aの左端から斜め下方に延設される傾斜壁560Bと、上壁560Aの下方位置において左右方向を向く下壁561A及び下壁561Aの右端から斜め上方に延設される傾斜壁561Bと、が立設されている。また、ベース体501の背面における上壁560A及び傾斜壁560Bに対応する部分には、複数の溝部562が上壁560A及び傾斜壁560Bに沿うように形成されている。
また、ベース体501の背面左側下部には、カバー部材570が複数のネジN2により取付けられる。カバー部材570は、左右方向を向く第1カバー部571Aと、第1カバー部571Aの左端から下方に延設される第2カバー部571Bと、を有する。第2カバー部571Bは、ベース壁の左右側に側壁555A,555Bが突設されていることで前方に開放する平面視コ字形に形成されている。
第1カバー部571Aの上辺右端部には、突出片573が上方に向けて突設されている。突出片573は、上方に延びる第1押え部573Aと、第1押え部573Aの上端から後方に延設される第2押え部573Bと、から構成され、第1押え部573Aと第2押え部573Bとの間は湾曲状に形成されている。また、第1カバー部571Aの上辺左端部には、他の配線を押える配線押え574が上方に向けて突設されている。
第1カバー部571Aは、ベース体501の背面における上壁560A及び傾斜壁560Bと下壁561A及び傾斜壁561Bとの間に配置されることで、ベース体501の背面、上壁560A及び傾斜壁560B、下壁561A及び傾斜壁561Bとともに配線経路K1の下部を構成する。また、第2カバー部571Bは、第3可動部353の背面左側及び延設部542から離れた位置に対応して配置されることで、第3可動部353の背面左側及び延設部542と第2カバー部571Bとで配線経路K2を構成する。
図8−26(C)及び図8−29に示すように、配線経路K2から上方に折り返されたケーブルCにおいて傾斜壁560Bに対応する部分は、ケーブルCの引き回し方向を上方向から約90度の角度で右方向に切り替えるために、右側に向けて反転するように折曲げられる(折り返される)折曲部CR3とされている。また、ケーブルCにおいて傾斜壁560Bに対応する部分は、ケーブルCの引き回し方向を右方向から約90度の角度で上方向に切り替えるために、上側に向けて反転するように折曲げられる(折り返される)折曲部CR4とされている。
折曲部CR3,CR4では、ケーブルCにおける折り目の両側が前後に重なるように折曲げられている。また、特に図8−29(B)(C)に示すように、折り目CFによりケーブルCの導線が断線することがないように折返し角度は180度未満とされていることで、折り目CFの両側において前後に重なるケーブル間には所定の空間S1が形成される。
このように折曲部CR3,CR4を設けたケーブルCをベース体501の背面に固定する場合、折曲部CR3,CR4を傾斜壁560B,561Bに沿うように配置した後、ネジN2によりカバー部材570をベース体501の背面に止着することで、ケーブルCにおける折曲部CR3と折曲部CR4との間が、カバー部材570によりベース体501の背面に押し付けられて固定される。
カバー部材570が取付けられることで、ケーブルCのベース体501の背面からの離脱が防止されるとともに、傾斜壁560B,561Bの内側に左右の折曲部CR3,CR4の折り目CFが沿うように配置されるので、ケーブルCの左右方向(引き回し方向)への位置ずれが規制される。
また、折曲部CR3,CR4では、ケーブルCにおける折り目CFの両側が絶縁ベースシートや絶縁カバーフィルムなどの弾性復帰力により前後に離れようとする力が作用するため、カバー部材570を取付けた状態において、ケーブルCが前側のベース体501の背面と後側のカバー部材570とに押し付けられるため、ケーブルCが好適に固定される。このようにカバー部材570の第1カバー部571Aは、ケーブルCにおける折曲部CR3,CR4をベース体501の背面に押し付けるように固定するための固定手段を構成している。
また、カバー部材570が取付けられることで、図8−30(A)(B)に示すように、カバー部材570の第2カバー部571Bが第3可動部353の延設部542の背面側に位置するため、ベース体501と第3可動部353との間に掛け渡されたケーブルCが、前側の延設部542と後側の第2カバー部571Bとにより前後から挟まれ、側面視略U字状に維持される。特に、ケーブルCにおいて側面視略U字状に折り返された折返し部CU2の前後側は、絶縁ベースシートや絶縁カバーフィルムなどの弾性復帰力により前後方向に広がろうとするが、上下方向を向く延設部542と第2カバー部571Bとにより前後から挟まれることで、上方から下方に向けて側面視略直線状に案内されるため、ケーブルCにおける折返し部CU2の前後側が前後に広がって第1可動体301の背面側に設けられる画像表示装置5等に接触することが防止される。
また、図8−30(A)(B)に示すように、第1可動体301が第1原点位置と第1中間位置との間で移動するときに、ベース体501に対する第3可動部353の上下方向の位置が変化し、これに応じてケーブルCの長手方向における折返し部CU2の位置が変化する。つまり、ケーブルCにおけるベース体501と第1可動部351との間の配線経路K2に対応する部分は、第1可動体301の移動に応じて変形する変形部とされている。また、第1可動体301の移動に応じてケーブルCの長手方向における折返し部CU2の位置が変化するときに、折返し部CU2の前後側が平面視コ字形の延設部542と第2カバー部571Bとにより案内されることで、ケーブルCの左右方向への位置ずれが防止されるとともに、ケーブルCにおける折返し部CU2の前後側が上下方向に向けて側面視直線状に案内されるため、前後への拡がりが防止される。
さらに、第1可動体301の上下動に応じて、ケーブルCの長手方向における折返し部CU2の位置が折曲部CR2,CR3に近づいたり離れたりすることで変形したり、第1可動体301の移動または落下したときの衝撃により折返し部CU2が振動したりすることでケーブルCの折曲部CR2,CR3に負荷がかかることがあるが、折曲部CR2,CR3が固定されていることによりケーブルCの位置ずれが防止される。
一方、図8−26(C)に示すように、折曲部CR4により上方に折曲げられたケーブルCは、後側に曲げられた後に上方に折り返され、ベース体501の上方に引き回される。
図8−26(D)に示すように、ベース体501の背面左側における中継基板510の下方には、カバー部材580が複数のネジN3により取付けられる。カバー部材580は、突出片573の第2押え部573Bにより後方に引き回されたケーブルCを上方に向けて案内する湾曲部580Aと、湾曲部580Aにより上方に案内されたケーブルCを中継基板510との間で挟み込むように押えるための押え部580Bと、を有する。
詳しくは、図8−27に示すように、カバー部材580がベース体501に取付けられた状態において、押え部580Bは、中継基板510の基板側コネクタKCN1の背面側に対応するように配置される。尚、押え部580Bは、弾性変形可能であることにより基板側コネクタKCN1の背面に押し付けられるように配置される。
よって、ケーブルCを配線経路K5→K4→K3→K2→K1の順に引き回して接続部CN1を基板側コネクタKCN1に接続する際に、ケーブルCに余剰部分CAが生じた場合、ケーブルCの余剰部分CAにおいて、ケーブルCの引き回し方向を上方向から約180度の角度で下方向または下方向から約180度の角度で上方向に切り替えるために、上側または下側に反転するように折曲げられる(折り返される)複数の折曲部CR5,CR6などを設け、前後に重ねて折り畳まれた余剰部分CAを基板側コネクタKCN1と押え部580Bとの間に挿入する。
折曲部CR5,CR6では、ケーブルCにおける折り目の両側が前後に重なるように折曲げられている。また、特に図8−29(B)(C)に示すように、折り目CFによりケーブルCの導線が断線することがないように折返し角度は180度未満とされていることで、折り目CFの両側において前後に重なるケーブル間には所定の空間S1が形成される。
このように折曲部CR5,CR6を設けて前後に折り畳んだ余剰部分CAを基板側コネクタKCN1と押え部580Bとの間に挿入することで、ケーブルCにおいて折曲部CR5と折曲部CR6により折り畳まれた余剰部分CAが、カバー部材580の押え部580Bにより基板側コネクタKCN1の背面に押し付けられて固定されるため、ケーブルCの長手方向への位置ずれが規制される。このようにカバー部材580の押え部580Bは、ケーブルCにおける折曲部CR5,CR6を基板側コネクタKCN1の背面に押し付けるように固定するための固定手段を構成している。
また、余剰部分CAが押え部580Bにより基板側コネクタKCN1の背面に押し付けられることにより基板側コネクタKCN1の蓋部(図示略)の開放が規制されるため、ケーブルCの接続部CN1の基板側コネクタKCN1からの逸脱が防止される。
また、第1可動体301の上方への移動に応じてケーブルCの折返し部CU2の位置が変化することによりケーブルCが変形しても、ケーブルCにおける折曲部CR3,CR4との間がカバー部材570により固定されているとともに、ケーブルCにおける接続部CN1と基板側コネクタKCN1との接続部の近傍位置が押え部580Bにより固定されることで、ケーブルCが上方に位置ずれし難いので、ケーブルCにおける接続部CN1と基板側コネクタKCN1との接続部に無理な負荷が加わって折れ曲がったりすることがないため、断線等が生じにくい。
次に、第1可動体301が第1原点位置から第1演出位置まで移動するときのケーブルCの状況について、図8−32に基づいて説明する。
図8−32(A)に示すように、ケーブルCは、ベース体501の背面側に設けられた基板側コネクタKCN1と、第1可動部351の背面に設けられた基板側コネクタKCN11とに、第3可動部353を経由して接続されており、第3可動部353とその背面側のベース体501との間に掛け渡された部分に折返し部CU1を有し、第1可動部351とその背面側の第3可動部353との間に掛け渡された部分に折返し部CU2を有している。また、第1変形部としての折返し部CU1は、第2変形部としての折返し部CU2より後方であって該折返し部CU2に対し左側にずれた配置されている(図8−24参照)。
このようにケーブルCにおいて前後に重なるように折り返された折返し部CU1と折返し部CU2とが、前後に重ならないように左右方向に異なる位置に配置されることで、折返し部CU1と折返し部CU2とのうち一方が変形するときに、他方に接触するなどの影響が及ぶことを抑制できる。
図8−32(B)に示すように、第1可動体301の第1原点位置から第1中間位置への移動に応じて、第1可動部351と第3可動部353とはベース体501に対し一緒に下降する。つまり、第1可動部351と第3可動部353との位置関係は変化せず、ベース体501に対し第3可動部353のみが下降するため、ケーブルCは、ベース体501と第3可動部353との間に掛け渡された配線経路K4に対応する部分が変形することで、折返し部CU1の位置が基板側コネクタKCN1から離れる方向に変化する。
次いで、図8−32(C)に示すように、第1可動体301の第1中間位置から第1演出位置への移動に応じて、第1可動部351のみが第3可動部353及びベース体501に対し下降する。つまり、ベース体501と第3可動部353との位置関係は変化せず、ベース体501及び第3可動部353に対し第1可動部351のみが下降するため、ケーブルCは、第1可動部351と第3可動部353との間に掛け渡された配線経路K2に対応する部分のみが変形することで、折返し部CU2の位置が基板側コネクタKCN11に近づく方向に変化する。
このように、第1可動体301が第1原点位置から第1中間位置まで移動するときには、ケーブルCは、ベース体501と第3可動部353との間に掛け渡された配線経路K4に対応する部分が変形し、第1中間位置から第1演出位置まで移動するときには、第1可動部351と第3可動部353との間に掛け渡された配線経路K2に対応する部分のみが変形する。つまり、配線経路K4に対応する部分と配線経路K2に対応する部分とは、異なるタイミングで変形するため、折返し部CU1と折返し部CU2とのうち一方が変形するときに、該一方の変形による負荷が他方に及ぶことを抑制できる。
また、ケーブルCにおいて配線経路K2に対応する部分及び配線経路K4に対応する部分の背面側には第2カバー部551B,571Bが設けられており、第1可動体301の移動に応じてケーブルCにおける折返し部CU1,CU2の位置が変化する範囲において、折返し部CU1,CU2の背面側に常に第2カバー部551B,571Bが位置することで、ケーブルCが後方に広がって画像表示装置5に接触すること等が抑制される。
また、変形するときにこれら第2カバー部551B,571Bと案内部材530や延設部542とにより上下方向に案内されるようになっていることで、第1可動体301の上下動に応じてケーブルCが常に同じ態様で変形するため、捩れなどにより負荷がかかって断線したりすることが抑制される。
また、ケーブルCにおいてカバー部材550の第1カバー部551Aやカバー部材570の第1カバー部571Aにより固定されている配線経路K1,K3に対応する部分は、第1可動体301の移動方向である上下方向に対し略直交する方向である左右方向に引き回されていることで、第1可動体301の上下動に応じてケーブルCが上方向または下方向へ位置ずれしたり、ケーブルCにおいて固定されていない配線経路K2,K4に対応する部分に生じた振動等がケーブルCの長手方向に広がることを好適に抑制することができる。
(第3発明)
以上説明したように、本実施の形態には、以下に示す第3発明が含まれている。つまり、従来、ベース体に対し動作可能な可動体と、ベース体と可動体との間に架け渡されるフレキシブルフラットケーブルと、を備えた遊技機において、例えば、特開2012−170738号公報等に記載されたもののように、ベース体の接続端子に空端子を設けるとともに、フレキシブルフラットケーブルにおけるベース体の接続端子との接続部において露出されている複数の導体のうち、ベース体の空端子に対応する導体を絶縁カバーフィルムにて被覆することで、フレキシブルフラットケーブルが斜めに挿入された場合でも、電源端子とグランド端子の短絡による発火等の重大事故を未然に防げるようにしたもの等があった。上記特許公報に記載の遊技機では、フレキシブルフラットケーブルの汎用品を使用することが困難となるので、加工に手間がかかるだけでなく製造コストが嵩むという問題があった。そこで、フレキシブルフラットケーブルを好適に固定することができる遊技機を提供することを目的として、
第3発明の手段1の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
第1部材(例えば、ベース体501)及び第2部材(例えば、第1可動部351)と、
前記第1部材と前記第2部材とに接続されるフレキシブルフラットケーブル(例えば、ケーブルC)と、
を備え、
前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方は動作可能であり(例えば、第1可動部351は、第1可動体301の第1原点位置に対応する第1原点対応位置と第1演出位置に対応する第1演出対応位置との間で上下方向に移動可能とされている。)、
前記フレキシブルフラットケーブルは、
前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方の動作に応じて変形する変形部(例えば、ケーブルCにおける第1可動部351と第3可動部353との間の配線経路K4に対応する部分や、ケーブルCにおけるベース体501と第3可動部353との間の配線経路K2に対応する部分。)と、
前記フレキシブルフラットケーブルの引き回し方向を所定方向(例えば、上方向など)から該所定方向とは異なる方向(例えば、右方向など)に切り替えるために折曲げられた折曲部(例えば、折曲部CR1〜CR6)と、
前記フレキシブルフラットケーブルを固定するための固定手段(例えば、カバー部材550における第1カバー部551A、カバー部材570における第1カバー部571A、カバー部材580の押え部580B、ネジN1,N2,N3など)と、
を有し、
前記固定手段は、前記折曲部にて前記フレキシブルフラットケーブルを押えるように固定する(例えば、カバー部材550の第1カバー部551Aは、ケーブルCにおける折曲部CR1,CR2を第3可動部353の背面に押し付けるように固定する。カバー部材570の第1カバー部571Aは、ケーブルCにおける折曲部CR3,CR4をベース体501の背面に押し付けるように固定する。カバー部材580の押え部580Bは、ケーブルCにおける折曲部CR5,CR6の折り目CFの両側で前後に重なる部分を基板側コネクタKCN1の背面に押し付けるように固定する。図8−27〜図8−29参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、引き回し方向が切り替わる折曲部にてフレキシブルフラットケーブルを固定することで、変形部の変形による位置ずれを好適に防止できる。
詳しくは、ケーブルCにおける折曲部CR1〜CR6を押えるように固定することで、第1可動部351や第3可動部353の上下動に応じてケーブルCにおける配線経路K2,K4に対応する変形部が変形しても折曲部CR1〜CR6が動くことがないので、第1可動部351や第3可動部353の上下動する度に折曲部CR1〜CR6にて折曲げが繰り返されて断線すること等を好適に抑制できる。
第3発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
前記フレキシブルフラットケーブルは、前記折曲部(例えば、折曲部CR1〜CR6)にて折り目(例えば、折り目CF)の両側が重なるように折曲げられる(図8−27〜図8−29参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、折り目の両側が重なることで厚みがある部分を固定するので、変形部の変形による位置ずれを好適に抑制できる。
詳しくは、ケーブルCにおける折り目CFの両側が絶縁ベースシートや絶縁カバーフィルムなどの弾性復帰力により前後に開こうとする力が作用することで、カバー部材550,570,580を取付けた状態において、ケーブルCがカバー部材550,570,580に押し付けられるため、ケーブルCを押し付けるように固定することができる。
また、ケーブルCの折曲部ではない部分を押し付けて固定する場合、ケーブルCが平面状で肉薄であるため、ケーブルCの長手方向への位置ずれを規制するためには、カバー部材550,570,580により強く押し付ける必要があるためカバー部材550,570,580の取付構造が複雑となるか、あるいは、ゴム材等を介してカバー部材550,570,580により押え付けること等が考えられるが、ケーブルCを引き回すために設けられる折曲部CR1〜CR6に生じる弾性力を利用することで、カバー部材550,570,580を強く押し付けたりゴム材等を使用したりすることなく、ケーブルCを好適に固定して位置ずれを防止できる。
第3発明の手段3の遊技機は、手段1または2に記載の遊技機であって、
前記折曲部(例えば、折曲部CR1〜CR4)にて折曲げられたフレキシブルフラットケーブル(例えば、ケーブルC)を前記所定方向とは異なる方向に向けて案内する案内手段(例えば、第2カバー部551B,571B、延設部542)を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、折曲げられたフレキシブルフラットケーブルを所定方向とは異なる方向に向けて引き回すことができる。
詳しくは、折曲部CR1〜CR4からその周辺までカバー部材550,570,580により固定できるので、ケーブルCの位置ずれを好適に防止できる。
第3発明の手段4の遊技機は、手段1〜3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記折曲部は、
前記フレキシブルフラットケーブルにおける前記変形部より前記第1部材側の第1折曲部(例えば、折曲部CR3,CR4)と、
前記フレキシブルフラットケーブルにおける前記変形部より前記第2部材側の第2折曲部(例えば、折曲部CR1,CR2)と、
を有し、
前記固定手段は、
前記フレキシブルフラットケーブルにおける前記第1折曲部を固定する第1固定手段(例えば、カバー部材570における第1カバー部571A、ネジN2など)と、
前記フレキシブルフラットケーブルにおける前記第2折曲部を固定する第2固定手段(例えば、カバー部材550における第1カバー部551A、ネジN1など)と、
を有する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、変形部の変形によりフレキシブルフラットケーブルの第1部材や第2部材との接続部に負荷がかかることを抑制することができる。
詳しくは、ケーブルCにおける変形部の両側がカバー部材550,570により固定されるので、変形部に生じた振動等が周辺に広がることを防止できる。
第3発明の手段5の遊技機は、手段1〜4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記折曲部(例えば、折曲部CR5,CR6)は、前記フレキシブルフラットケーブル(例えば、ケーブルC)における前記第1部材と前記第2部材とのうち一方(例えば、ベース体501)との接続部の近傍に設けられる(図8−27参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、変形部の変形によりフレキシブルフラットケーブルの第1部材または第2部材との接続部に負荷がかかることを抑制することができる。
詳しくは、第1可動部351や第3可動部353の上下動に応じてケーブルCにおける配線経路K2,K4に対応する変形部が変形した場合でも、基板側コネクタKCN1,11との接続部に変形部にて生じた振動等が伝達されて接続が解除されてしまうこと等を防止できる。
第3発明の手段6の遊技機は、手段1〜5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方の動作に応じて前記変形部が所定形状(例えば、側面視略U字形)に変形するように案内する変形案内手段(例えば、カバー部材550における第2カバー部551B、カバー部材570における第2カバー部571Bなど)を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、変形部が意図しない形状に変形することを抑制できる。
第3発明の手段7の遊技機は、手段1〜6のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方の動作に応じて前記変形部が前記遊技機の所定箇所(例えば、画像表示装置5)に接触するのを回避する方向へ案内する接触回避案内手段(例えば、カバー部材550における第2カバー部551B、カバー部材570における第2カバー部571Bなど)を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、変形部が遊技機の所定箇所に接触することを回避できる。
尚、遊技機の所定箇所は、画像表示装置5に限定されるものではなく、例えば、第1可動部351、第2可動部352、第3可動部353やベース体501あるいは第1演出装置300の周辺にある他の構造物等の種々の部材を含む。
第3発明の手段8の遊技機は、手段1〜7のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方(例えば、第1可動部351)は、自重により落下可能である(例えば、第1可動部351は第1原点対応位置から第1中間対応位置まで自重により落下する。図8−15参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1部材と第2部材との少なくとも一方が落下した衝撃によりフレキシブルフラットケーブルの位置ずれが生じること等を抑制できる。
詳しくは、第1可動部351や第3可動部353が落下したときに生じる振動が、ケーブルCを介して基板側コネクタKCN1まで伝達され難くなるため、ケーブルCの基板側コネクタKCN1,11との接続部に負荷がかかることによる断線等を防止できる。
(第4発明)
また、本実施の形態には、以下に示す第4発明が含まれている。つまり、従来、ベース体に対し動作可能な可動体と、ベース体と可動体との間に架け渡されるフレキシブルフラットケーブルと、を備えた遊技機において、例えば、特開2012−170738号公報等に記載されたもののように、ベース体の接続端子に空端子を設けるとともに、フレキシブルフラットケーブルにおけるベース体の接続端子との接続部において露出されている複数の導体のうち、ベース体の空端子に対応する導体を絶縁カバーフィルムにて被覆することで、フレキシブルフラットケーブルが斜めに挿入された場合でも、電源端子とグランド端子の短絡による発火等の重大事故を未然に防げるようにしたもの等があった。上記特許公報に記載の遊技機では、フレキシブルフラットケーブルの汎用品を使用することが困難となるので、加工に手間がかかるだけでなく製造コストが嵩むという問題があった。そこで、フレキシブルフラットケーブルを好適に固定することができる遊技機を提供することを目的として、
第4発明の手段1の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
第1部材(例えば、ベース体501)、第2部材(例えば、第1可動部351)及び第3部材(例えば、第3可動部353)と、
前記第1部材と前記第2部材とに前記第3部材を経由して接続されるフレキシブルフラットケーブル(例えば、ケーブルC)と、
を備え、
前記第1部材、前記第2部材及び前記第3部材のうち少なくとも一の部材は動作可能であり(例えば、第1可動部351は、第1可動体301の第1原点位置に対応する第1原点対応位置と第1演出位置に対応する第1演出対応位置との間で上下方向に移動可能とされている。第3可動部353は、第1可動部351とともに第1原点対応位置から第1中間対応位置まで下降する。)、
前記フレキシブルフラットケーブルは、
前記第1部材と前記第3部材とのうち少なくとも一の部材の動作に応じて変形する第1変形部(例えば、ケーブルCにおけるベース体501と第3可動部353との間の配線経路K2に対応する部分。)と、
前記第3部材と前記第2部材とのうち少なくとも一の部材の動作に応じて変形する第2変形部(例えば、ケーブルCにおける第1可動部351と第3可動部353との間の配線経路K4に対応する部分。)と、
前記第1変形部と前記第2変形部との間において、前記フレキシブルフラットケーブルの引き回し方向を所定方向(例えば、上方向など)から該所定方向とは異なる方向(例えば、右方向など)に切り替えるために折曲げられた折曲部(例えば、折曲部CR1,CR2)と、
前記フレキシブルフラットケーブルを固定するための固定手段(例えば、カバー部材550における第1カバー部551A、ネジN1など)と、
を有し、
前記固定手段は、前記折曲部にて前記フレキシブルフラットケーブルを押えるように固定する(例えば、カバー部材550の第1カバー部551Aは、ケーブルCにおける折曲部CR1,CR2を第3可動部353の背面に押し付けるように固定する。図8−28参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、引き回し方向が切り替わる折曲部にてフレキシブルフラットケーブルを固定することで、第1変形部や第2変形部の変形による位置ずれを好適に防止できる。
詳しくは、ケーブルCにおける折曲部CR1,CR2を押えるように固定することで、第1可動部351や第3可動部353の上下動に応じてケーブルCにおける配線経路K2,K4に対応する変形部が変形しても折曲部CR1,CR2が動くことがないので、第1可動部351や第3可動部353が上下動する度に折曲部CR1,CR2にて折曲げが繰り返されて断線すること等を好適に抑制できる。
第4発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
前記フレキシブルフラットケーブルは、前記折曲部(例えば、折曲部CR1,CR2)にて折り目(例えば、折り目CF)の両側が重なるように折曲げられる(図8−28参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、折り目の両側が重なることで厚みがある部分を固定するので、変形部の変形による位置ずれを好適に抑制できる。
詳しくは、ケーブルCにおける折り目CFの両側が絶縁ベースシートや絶縁カバーフィルムなどの弾性復帰力により前後に開こうとする力が作用することで、カバー部材550を取付けた状態において、ケーブルCがカバー部材550に押し付けられるため、ケーブルCを押し付けるように固定することができる。
また、ケーブルCの折曲部ではない部分を押し付けて固定する場合、ケーブルCが平面状で肉薄であるため、ケーブルCの長手方向への位置ずれを規制するためには、カバー部材550により強く押し付ける必要があるためカバー部材550の取付構造が複雑となるか、あるいは、ゴム材等を介してカバー部材550により押え付けること等が考えられるが、ケーブルCを引き回すために設けられる折曲部CR1,CR2に生じる弾性力を利用することで、カバー部材550を強く押し付けたりゴム材等を使用したりすることなく、ケーブルCを好適に固定して位置ずれを防止できる。
第4発明の手段3の遊技機は、手段1または2に記載の遊技機であって、
前記第1変形部は、前記第1部材と前記第3部材とのうち少なくとも一の部材の動作に応じて変形し、
前記第2変形部は、前記第3部材と前記第2部材とのうち少なくとも一の部材の動作に応じて変形し、
前記第1変形部と前記第2変形部とは異なるタイミングで変形する(例えば、ケーブルCは、第1可動体301が第1原点位置から第1中間位置まで移動するときには、ベース体501と第3可動部353との間に掛け渡された配線経路K4に対応する部分が変形し、第1中間位置から第1演出位置まで移動するときには、第1可動部351と第3可動部353との間に掛け渡された配線経路K2に対応する部分のみが変形する。つまり、ケーブルCにおいて配線経路K4に対応する部分と配線経路K2に対応する部分とは、異なるタイミングで変形する。)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1変形部と第2変形部のうち一方の変形が他方に影響を及ぼすことを抑制できる。
詳しくは、第1可動体301が第1原点位置から第1中間位置まで移動することに応じてケーブルCにおける配線経路K4に対応する部分が変形したときに、配線経路K2に対応する部分が変形したり、あるいは、第1可動体301が第1中間位置から第1演出位置まで移動することに応じてケーブルCにおける配線経路K2に対応する部分が変形したときに、配線経路K4に対応する部分が変形することを防止できるため、変形が不要な部分が変形することによる位置ずれ等の発生を回避できる。
第4発明の手段4の遊技機は、手段1〜3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記フレキシブルフラットケーブル(例えば、ケーブルC)は、前記第1部材と前記第2部材とのうち一方(例えば、ベース体501)との接続部の近傍において、引き回し方向を所定方向から該所定方向とは異なる方向に切り替えるために折曲げられた特別折曲部(例えば、折曲部CR5,CR6)を有し、
前記フレキシブルフラットケーブルを前記特別折曲部にて固定するための特別固定手段(例えば、カバー部材580の押え部580B、ネジN3など)を備える(図8−27参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1変形部や第2変形部の変形によりフレキシブルフラットケーブルの第1部材または第2部材との接続部に負荷がかかることを抑制することができる。
詳しくは、第1可動部351や第3可動部353の上下動に応じてケーブルCにおける配線経路K2,K4に対応する変形部が変形した場合でも、基板側コネクタKCN1,11との接続部に変形部にて生じた振動等が伝達されて接続が解除されてしまうこと等を防止できる。
第4発明の手段5の遊技機は、手段1〜4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1部材、前記第2部材及び前記第3部材のうち少なくとも一の部材の動作に応じて、前記第1変形部と前記第2変形部とが所定形状(例えば、側面視略U字形)に変形するように案内する変形案内手段(例えば、カバー部材550における第2カバー部551B、カバー部材570における第2カバー部571Bなど)を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1変形部や第2変形部が意図しない形状に変形することを抑制できる。
第4発明の手段6の遊技機は、手段1〜5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1部材、前記第2部材及び前記第3部材のうち少なくとも一の部材の動作に応じて、前記第1変形部と前記第2変形部とが前記遊技機の所定箇所(例えば、画像表示装置5)に接触するのを回避する方向へ案内する接触回避案内手段(例えば、カバー部材550における第2カバー部551B、カバー部材570における第2カバー部571Bなど)を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1変形部や第2変形部が遊技機の所定箇所に接触することを回避できる。
第4発明の手段7の遊技機は、手段1〜6のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1部材、前記第2部材及び前記第3部材のうち少なくとも一の部材(例えば、第1可動部351)は、自重により落下可能である(例えば、第1可動部351は第1原点対応位置から第1中間対応位置まで自重により落下する。図8−15参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1部材、第2部材及び第3部材のいずれかが落下した衝撃によりフレキシブルフラットケーブルの位置ずれが生じること等を抑制できる。
詳しくは、第1可動部351や第3可動部353が落下したときに生じる振動が、ケーブルCを介して基板側コネクタKCN1まで伝達され難くなるため、ケーブルCの基板側コネクタKCN1,11との接続部に負荷がかかることによる断線等を防止できる。
また、前記第3発明や前記第4発明において、折曲部とは、ケーブルCにおける折曲部CR1〜CR6のように、ケーブルCの引き回し方向を所定方向から該所定方向とは異なる方向に切り替えるために反転させて折曲げられた(折り返された)部分に限定されるものではない。
(変形例1)
具体的には、前記実施の形態の特徴部097SGの変形例1としての図8−33(A)に示すように、ケーブルCの引き回し方向を所定方向から該所定方向とは異なる方向に切り替えるために反転させずに折曲げられた折曲部(例えば、ベース部700に形成された凸部700Aに沿うように凸状に折曲げられた部分など)でもよく、このような折曲部を固定手段701などにより押え付けるように固定するようにしてもよい。
さらに、図8−33(B)に示すように、ケーブルCの引き回し方向を所定方向から該所定方向とは異なる方向に切り替えるために反転させずに折曲げられた折曲部(例えば、ベース部710に形成された湾曲状部710Aに沿うように湾曲状に折曲げられた部分など)でもよく、このような折曲部を固定手段711などにより押え付けるように固定するようにしてもよい。
また、折曲部は、ケーブルCの折り目CF及びその近傍部分だけではなく、折り目CFの両側でケーブルCが前後に重なっている部分も含む。例えば、カバー部材580により固定される折曲部は、折曲部CR5,CR6及びその近傍位置だけでなく、折曲部CR5,CR6の間においてケーブルCが前後に重なっている部分等を含んでいてもよい。
また、これら固定手段701,711は、ケーブルCを弾性力をもってベース部700,710に押し付けるように固定するために、バネ性を有する弾性部材にて形成することが好ましい。
(変形例2)
次に、前記実施の形態の特徴部097SGの変形例2について、図8−34に基づいて説明する。図8−34は、(A)、(B)は特徴部097SGの変形例2を示す概略図である。
前記特徴部097SGでは、ケーブルCにおける折曲部CR1〜CR6をカバー部材550,570,580により押え付けるように固定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ケーブルCにおける折曲部CR1〜CR6以外の部位を押えるように固定する固定手段を有していてもよい。
詳しくは、図8−34(A)(B)に示すように、ケーブルCにおける折返し部CU1(第1変形部)とベース体501との間の第1位置を固定する第1位置固定手段611と、ケーブルCにおける折返し部CU2(第2変形部)と第1可動部351との間の第2位置を固定する第2位置固定手段612と、を備えるようにしてもよい。また、これら第1位置固定手段611と第2位置固定手段612とは、ケーブルCにおける折曲部CR1〜CR6とは異なる平面部を固定する固定手段である。
また、変形例1のようにケーブルCを折曲げたり変形させたりすることなく押え付けることで固定する第1位置固定手段611や第2位置固定手段612にあっては、例えば、ケーブルCに対しゴム材等を介して弾性的に押え付けることで固定してもよい。つまり、固定手段またはベース部におけるケーブルCとの接触部をゴム材等などの高摩擦部材にて形成したり、接触部を凹凸部にて形成したりすることで、固定手段やベース部とケーブルCとの間に生じる摩擦抵抗によってケーブルCの長手方向への位置ずれを好適に防止することができる。尚、これら第1位置固定手段611と第2位置固定手段612として、変形例1の固定手段701,711を適用してもよいし、変形例1の固定手段701,711により、ケーブルCにおける第1位置固定手段611と第2位置固定手段612とは別個の箇所を固定してもよい。
また、前記実施の形態のカバー部材550,570,580におけるケーブルCとの接触部をゴム材等などの高摩擦部材にて形成したり凹凸部にて形成したりすることで、ケーブルCとの間に摩擦抵抗を付与することによってケーブルCの長手方向への位置ずれを好適に防止できるようにしてもよい。つまり、固定手段とケーブルCとの間に摩擦抵抗を付与するための摩擦抵抗付与手段を備えていてもよい。
すなわち、第4発明の手段8の遊技機は、手段1〜7のいずれかに記載の遊技機であって、
前記フレキシブルフラットケーブル(例えば、ケーブルC)における前記第1変形部(例えば、折返し部CU1)と前記第1部材(例えば、ベース体501)との間の第1位置を固定する第1位置固定手段(例えば、第1位置固定手段611)と、
前記フレキシブルフラットケーブルにおける前記第2変形部(例えば、折返し部CU2)と前記第2部材(例えば、第1可動部351)との間の第2位置を固定する第2位置固定手段(例えば、第2位置固定手段612)と、
を備える(図8−34参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、折返し部CU1(第1変形部)や折返し部CU2(第2変形部)の変形によりフレキシブルフラットケーブルCのベース体501(第1部材)や第1可動部351(第2部材)との接続部に負荷がかかることを抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態の特徴部097SGを図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、フレキシブルフラットケーブルとしてのケーブルCは、ベース体501と第1可動部351とに第3可動部353を経由して接続される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記第3発明においては、ベース体501と第1可動部351とに第3可動部353を経由せずに接続されていてもよい。
また、ベース体501と第3可動部353とに第1可動部351を経由して接続されるものでもよいし、第1可動部351と第3可動部353とにベース体501を経由して接続されるものでもよい。
さらに、ケーブルCが第1部材と第2部材とに第3部材を経由して接続される一例として、ベース体501(例えば、第1部材)と第1可動部351(例えば、第2部材)とに第3可動部353(例えば、第3部材)を経由して接続される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記第1部材と前記第2部材とが同一の部材(例えば、ベース体501または第1可動部351など)であってもよい。つまり、ケーブルCは、所定の演出装置における第1部位と第2部位とに第3部位を介して接続されている場合において、第1部位と第2部位とが一の部材に設けられていてもよい。また、第3部位は複数の部位を有していてもよい。
また、前記実施の形態では、動作可能な部材の一例として、上下方向に移動可能な第1可動体301を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体301は左右方向や前後方向に移動可能であってもよい。
また、前記実施の形態では、ケーブルCは、表裏の平面部を前後方向に向けた状態で引き回して配線した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、表裏の平面部を左右方向に向けた状態で引き回して配線してもよい。
また、前記実施の形態では、ケーブルCの折曲部CR1〜CR6をカバー部材550,570,580により各部材の背面に押し付けるように固定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、クランプなどのように二股状の固定部を有する固定手段により、ケーブルCの折曲部CR1〜CR6を表裏面側から挟持するように押え付けて固定してもよい。
また、前記実施の形態では、ケーブルCにおける複数の折曲部(例えば、折曲部CR1,CR2やCR3,CR4など)を一のカバー部材550,570により各部材の背面に押し付けるように固定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一の折曲部を一の固定手段または複数の固定手段により個別に固定してもよいし、3以上の折曲部を一の固定手段により固定してもよい。
また、前記実施の形態では、ケーブルCにおける余剰部分CAを動作不能なベース体501にて固定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ケーブルCにおける余剰部分CAを動作不能な第1可動部351、第2可動部352、第3可動部353等にて固定してもよい。
また、前記実施の形態では、第3可動部353にてケーブルCにおける2つの折曲部CR1,CR2を固定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3可動部353にてケーブルCにおける2つの折曲部CR1,CR2のうちいずれか一方のみが固定されていればよい。
また、前記実施の形態では、カバー部材550,570は、ケーブルCにおける折曲部CR1,2及び折曲部CR3,4の間で左右方向に引き回されたケーブルCを固定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上下方向、前後方向、斜め方向などに引き回されたケーブルCの所定長さ部分を固定するものでもよい。
また、前記実施の形態では、ケーブルCにおける基板側コネクタKCN1との接続部の近傍は、案内部材530の押え部530Dにより非折曲部である平面部を押え付けて固定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ケーブルCにおける基板側コネクタKCN1との接続部の近傍にて折曲部を案内部材530の押え部530Dにより固定するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、折曲部CR1〜CR4においては、ケーブルCの引き回し方向を所定方向から約90度の角度で異なる方向へ引き回す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、90度未満または91度以上の角度で方向を切り替えてもよい。また、折曲げ(折り返し)角度は約90〜180度の範囲内の任意の角度であってもよい。
また、前記実施の形態では、配線経路K2とケーブルCの接続部CN1との間に、折曲部CR3,4及び折曲部CR5,6が設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、折曲部CR3,4と折曲部CR5,6のうち少なくとも一方が設けられていればよい。
また、前記実施の形態では、ケーブルCの余剰部分CAをベース体501における基板側コネクタKCN1の近傍にて折り畳んで固定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ケーブルCにおける任意の位置(例えば、第1可動部351や第3可動部353の所定箇所など)にて固定してもよい。また、余剰部分CAがなければ、特にケーブルCにおける基板側コネクタKCN1の近傍位置にて折り畳んで固定しなくてもよい。また、余剰部分CAにおける折り畳み回数や長さは配線経路やケーブルCの長さに応じて種々に変更可能である。
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1、1Aを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施の形態では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
尚、スロットマシンの場合、本発明の遊技領域とは、例えば、リール等の変動表示装置による図柄の変動表示が実行される可変表示領域などが該当する。また、本発明の表示装置とは、上記のような図柄の変動表示装置(例えば、リールや液晶表示器など)が該当する。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、第1部材(例えば、ベース体501)及び第2部材(例えば、第1可動部351)と、前記第1部材と前記第2部材とに接続されるフレキシブルフラットケーブル(例えば、ケーブルC)と、を備え、前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方は動作可能であり(例えば、第1可動部351は、第1可動体301の第1原点位置に対応する第1原点対応位置と第1演出位置に対応する第1演出対応位置との間で上下方向に移動可能とされている。)、前記フレキシブルフラットケーブルは、前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方の動作に応じて変形する変形部(例えば、ケーブルCにおける第1可動部351と第3可動部353との間の配線経路K4に対応する部分や、ケーブルCにおけるベース体501と第3可動部353との間の配線経路K2に対応する部分。)と、前記フレキシブルフラットケーブルの引き回し方向を所定方向(例えば、上方向など)から該所定方向とは異なる方向(例えば、右方向など)に切り替えるために折曲げられた折曲部(例えば、折曲部CR1〜CR6)と、前記フレキシブルフラットケーブルを固定するための固定手段(例えば、カバー部材550における第1カバー部551A、カバー部材570における第1カバー部571A、カバー部材580の押え部580B、ネジN1,N2,N3など)と、を有し、前記固定手段は、前記折曲部にて前記フレキシブルフラットケーブルを押えるように固定し(例えば、カバー部材550の第1カバー部551Aは、ケーブルCにおける折曲部CR1,CR2を第3可動部353の背面に押し付けるように固定する。カバー部材570の第1カバー部571Aは、ケーブルCにおける折曲部CR3,CR4をベース体501の背面に押し付けるように固定する。カバー部材580の押え部580Bは、ケーブルCにおける折曲部CR5,CR6の折り目CFの両側で前後に重なる部分を基板側コネクタKCN1の背面に押し付けるように固定する。図8−27〜図8−29参照)、さらに、開始条件が成立したことに基づいて可変表示を実行し、複数段階の設定値(例えば、設定値1〜6)のうちいずれの設定値に設定されているかに応じて、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御される確率が異なり、設定値を特定するための設定値情報を記憶する記憶手段(例えば、RAM102)と、前記開始条件が成立したことに基づいて、前記有利状態に制御するか否かを決定する決定手段(例えば、CPU103)と、前記決定手段が前記有利状態に制御するか否かを決定するための数値データ(例えば、MR1)を抽出する数値データ抽出手段(例えば、CPU103)と、前記決定手段の決定前に、前記数値データ抽出手段が抽出した数値データ(例えば、MR1)と、前記記憶手段に記憶された設定値情報に応じて設定される判定値(例えば、当否判定テーブル)と、に基づいて前記有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段(例えば、CPU103)とを備え、前記判定手段が前記判定をするときに、前記記憶手段に記憶された設定値情報を特定し、該特定された設定値情報に応じて判定値を設定し、前記開始条件が成立する前に前記有利状態に制御されるか否かを判定するときと、前記開始条件が成立したときに前記有利状態に制御されるか否かを判定するときとで、共通の判定処理を実行する(例えば、図12−1の92FS002、図12−2の92FS028において同じ当否判定モジュールを実行する)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、引き回し方向が切り替わる折曲部にてフレキシブルフラットケーブルを固定することで、変形部の変形による位置ずれを好適に防止できる。また、複数段階の設定値が設定された遊技機における有利状態の判定の際に、有利状態の判定を好適に行うことができる。
なお、遊技中において所定の実行条件が成立した場合に、画像表示装置(演出表示装置)の表示態様や可動体の動作態様によって設定値示唆演出を行うようにしてもよい。例えば、所定の実行条件が成立した場合(特定種類の大当り発生や、特定回数の確変大当り継続や、特定種類のリーチ演出や予告演出の発生等)に画像表示装置にキャラクタを表示させ、あるいは、可動体を動作させ、当該キャラクタの表示態様や当該可動体の動作態様を所定の実行条件が成立する毎に複数種類の中から抽選等により選択するとともに、設定されている設定値によって各キャラクタの選択割合や各動作態様の選択割合を異ならせることにより、設定されている設定値が遊技者にとって有利であるほど、所定の実行条件が成立した場合に特定種類のキャラクタが出現しやすくなる、あるいは、可動体が特定種類の動作態様で動作しやすくなるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技中において所定の実行条件が成立した場合に設定値示唆演出が行われるようになるため、遊技興趣を向上させることができる。そして、可動体の動作態様によって設定値示唆演出を行う場合には、設定値示唆演出を行うべく可動体が動作する際に、変形部の変形による位置ずれを好適に防止できる。
さらに、変形部の変形による位置ずれを好適に防止でき、また、複数段階の設定値が設定された遊技機における有利状態の判定の際に、有利状態の判定を好適に行うことができる遊技機の形態の一例として、開始条件が成立したことに基づいて可変表示を実行し、複数段階の設定値(例えば、設定値1〜6)のうちいずれの設定値に設定されているかに応じて、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御される確率が異なる遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、設定値を特定するための設定値情報を記憶する記憶手段(例えば、RAM102)と、前記開始条件が成立したことに基づいて、前記有利状態に制御するか否かを決定する決定手段(例えば、CPU103)と、前記決定手段が前記有利状態に制御するか否かを決定するための数値データ(例えば、MR1)を抽出する数値データ抽出手段(例えば、CPU103)と、前記決定手段の決定前に、前記数値データ抽出手段が抽出した数値データ(例えば、MR1)と、前記記憶手段に記憶された設定値情報に応じて設定される判定値(例えば、当否判定テーブル)と、に基づいて前記有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段(例えば、CPU103)とを備え、前記判定手段が前記判定をするときに、前記記憶手段に記憶された設定値情報を特定し、該特定された設定値情報に応じて判定値を設定し、前記開始条件が成立する前に前記有利状態に制御されるか否かを判定するときと、前記開始条件が成立したときに前記有利状態に制御されるか否かを判定するときとで、共通の判定処理を実行する(例えば、図12−1の92FS002、図12−2の92FS028において同じ当否判定モジュールを実行する)遊技機が挙げられる。以下に、これらの遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
以下、他の形態例の特徴部について説明する。
(本実施形態の特徴部207SGに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部207SGについて説明する。図9−1は、本実施の形態の特徴部207SGにおけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。図9−1及び図9−7に示すように、パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、縦長の方形枠状に形成された外枠207SG001aと、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)207SG003とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠207SG003には、ガラス窓を有するガラス扉枠207SG003aが左側辺を中心として遊技機用枠207SG003の前面を開放する扉開放位置と該前面を閉鎖する扉閉鎖位置との間で回動可能に設けられ、該ガラス扉枠207SG003aにより遊技領域を開閉できるようになっており、ガラス扉枠207SG003aを閉鎖したときにガラス窓を通して遊技領域を透視できるようになっている。
また、遊技機用枠207SG003は、遊技場の店員等が所有する扉キーを図示しない錠前に挿入して解錠することで開放可能となり、店員以外の遊技者等は遊技機用枠207SG003及びガラス扉枠207SG003aを開放することはできないようになっている。
また、図9−1に示すように、パチンコ遊技機(遊技機)1の遊技盤2における画像表示装置5の左側は、遊技球が流下可能な左遊技領域207SG002Lに形成されており、遊技盤2における画像表示装置5の右側は、遊技球が流下可能な右遊技領域207SG002Rに形成されている。
左遊技領域207SG002Lは、打球操作ハンドル30の操作によって比較的弱く打ち出された(左打ち)遊技球が流下する遊技領域であり、右遊技領域207SG002Rは、打球操作ハンドル30の操作によって左遊技領域207SG002Lを流下する遊技球よりも強く打ち出された(右打ち)遊技球が、画像表示装置5の上方経路207SG002Cを通過して流下する遊技領域である。
また、左遊技領域207SG002Lには、一般入賞口10が配置されており、右遊技領域207SG002Rには、該右遊技領域207SG002Rの上流方から下流側にかけて、通過ゲート41、可変入賞球装置6B、一般入賞口10、特別可変入賞球装置7が配置されている。つまり、左遊技領域207SG002Lを流下する遊技球は、一般入賞口10と入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に入賞可能となっており、右遊技領域207SG002Rを流下する遊技球は、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口、一般入賞口10及び特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口に入賞可能となっているとともに、通過ゲート41を通過可能となっている。
図9−1に示すように、入賞球装置6Aと可変入賞球装置6B及び特別可変入賞球装置7の間には、複数の障害釘207SGK1が配設されている。このため、左遊技領域207SG002Lを流下する遊技球は、第2始動入賞口や大入賞口に入賞不能であるとともに、右遊技領域207SG002Rを流下する遊技球は、第1始動入賞口に入賞不能となっている。
図9−2及び図9−7に示すように、本実施の形態の特徴部207SGにおける主基板11は、第1部材と第2部材とにより開放可能に構成された基板ケース207SG201に収納された状態でパチンコ遊技機1の背面に搭載されている。また、主基板11には、パチンコ遊技機1の設定値を変更可能な設定値変更状態に切り替えるための錠スイッチ207SG051と、設定値変更状態において後述する大当りの当選確率(出玉率)等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する設定切替スイッチ207SG052と、遊技機用枠207SG003の開放を検知する開放センサ207SG090と、が設けられている。尚、詳細は後述するが、本実施の形態の特徴部207SGにおける設定値変更状態は、遊技場の店員等がパチンコ遊技機1に設定されている設定値を確認可能な状態(設定値確認状態)でもある。
これら錠スイッチ207SG051及び設定切替スイッチ207SG052といった遊技者が操作可能な操作部が設けられた設定切替本体部は、主基板11とともに基板ケース207SG201内に収容されており、錠スイッチ207SG051及び設定切替スイッチ207SG052は、基板ケース207SG201を開放しなくても操作可能となるように基板ケース207SG201の背面に形成された開口を介して背面側に露出している。
錠スイッチ207SG051及び設定切替スイッチ207SG052を有する基板ケース207SG201は、パチンコ遊技機1の背面に設けられているため、遊技機用枠207SG003を閉鎖した状態では操作が極めて困難であり、所定の扉キーを用いて遊技機用枠207SG003を開放することで操作が可能となる。また、錠スイッチ207SG051は、遊技場の店員等が所有する設定キーの操作を要することから、設定キーを所持する店員のみ操作が可能とされている。また、錠スイッチ207SG051は、設定キーによって、後述するONとOFFの切替操作を実行可能なスイッチでもある。尚、本実施の形態の特徴部207SGでは、扉キーと設定キーとが別個のキーである形態を例示しているが、これらは1のキーにて兼用されていてもよい。
また、基板ケース207SG201には、設定値や後述するベース値を表示可能な表示モニタ207SG029が配置されている。該表示モニタ207SG029は、主基板11に接続されているとともに、基板ケース207SG201の上部に配置されている。つまり、表示モニタ207SG029は、基板ケース207SG201における主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11は、遊技機用枠207SG003を開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、遊技機用枠207SG003を開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面とパチンコ遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
また、図9−1及び図9−2に示すように、本実施の形態の特徴部207SGにおけるパチンコ遊技機1の遊技盤2の所定位置(例えば、遊技領域の左下方位置)には、第1特図の変動表示を実行可能な第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特図の変動表示を実行可能な第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留記憶数を表示可能な第1保留表示器207SG025A、第2保留記憶数を表示可能な第2保留表示器207SG025B、普通図柄の変動表示を実行可能な普通図柄表示器207SG020、普図保留記憶数を表示可能な普図保留表示器207SG025C、大当り遊技中に当該大当り遊技のラウンド数(大当り種別)を表示可能なラウンド表示器207SG131、高ベース状態(時短状態)や大当り遊技状態等の遊技球を右遊技領域207SG002Rに向けて打ち出す遊技状態において点灯する右打ちランプ207SG132、確変状態であるとき点灯する確変ランプ207SG133、高ベース状態(時短状態)において点灯する時短ランプ207SG134が纏めて配置されている遊技情報表示部207SG200が設けられている。
図9−3及び図9−4に示すように、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bとは、それぞれ8セグメントのLEDから構成されている。また、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bとでは、特別図柄の変動表示結果がハズレや小当りである場合は、共通の組合せで該変動表示結果を導出表示可能となっている。
第1特別図柄の変動表示において該変動表示結果が大当りとなる場合について、第1特別図柄表示装置207SG004Aは、大当り種別毎に2種類の大当り図柄(点灯するLEDの組合せ)にて変動表示結果と導出表示可能となっている。また、第2特別図柄の変動表示において該変動表示結果が大当りとなる場合について、第2特別図柄表示装置207SG004Bは、大当り種別毎に2種類の大当り図柄(点灯するLEDの組合せ)にて変動表示結果と導出表示可能となっている。
尚、本実施の形態の特徴部207SGにおいては、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bとで導出表示可能な大当り図柄は全て異なっているが、第1特別図柄表示装置207SG004Aで導出表示可能な大当り図柄と第2特別図柄表示装置207SG004Bで導出表示可能な大当り図柄は少なくとも一部が重複していてもよい。
図9−5に示すように、第1保留表示器207SG025Aと第2保留表示器207SG025Bとは、それぞれ4セグメントのLEDが左右方向に並列して配置されている。これら第1保留表示器207SG025Aと第2保留表示器207SG025Bとでは、保留記憶数が1個であれば左端部のLEDのみが点灯し、保留記憶数が増加していく毎に左から2番目、左から3番目、左から4番目のLEDが順次点灯する。そして、変動表示が実行される毎に、保留記憶が減少する(消費される)ことに応じて、該変動表示に対応する保留表示器でのLEDが所定のシフト方向(本実施の形態の特徴部207SGでは左方向)に向けて消灯していく。
尚、本実施の形態の特徴部207SGでは、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とが両方存在する場合は、第2特図保留記憶にもとづく変動表示が優先して実行される様になっている。このため、図9−6に示すように、例えば第1特図保留記憶が1個存在するとともに第2特図保留記憶が2個存在する場合(第1保留表示器207SG025Aの左端部のLEDのみが点灯しているとともに、第2保留表示器207SG25Bの左2個のLEDが点灯している場合)は、第2特図保留記憶にもとづく変動表示の実行によって第2特図保留記憶が0個となった後に、第1特図保留記憶にもとづく変動表示が実行される。
また、図9−6に示すように、ラウンド表示器207SG131は5個のセグメント(LED)から構成されている。尚、本実施の形態の特徴部207SGにおける大当り種別としては、5ラウンド大当りである大当りA、10ラウンド大当りである大当りB、15ラウンド大当りである大当りCの計3個の大当り種別が設けられており、これら大当り種別に応じてラウンド表示器207SG131を構成するセグメントのうちいずれのセグメントが点灯するかが異なっている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
尚、本実施の形態の特徴部207SGにおける演出制御基板12には、変動表示中等にそれぞれの原点位置と演出位置との間で動作可能な第1可動体207SG321及び第2可動体207SG322と、第1可動体207SG321が該第1可動体207SG321の原点位置に位置していることを検出可能な原点検出センサ207SG331と、第2可動体207SG322が該第2可動体207SG322の原点位置に位置していることを検出可能な原点検出センサ207SG332と、が接続されている。
図9−8(A)は、本実施の形態における特徴部207SGで用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図9−8(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図9−8(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置207SG004Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置207SG004Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される飾り図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や飾り図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図9−8(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図9−8(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を通知する第5変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
コマンド96XXHは、パチンコ遊技機1においてエラー(異常)の発生および発生したエラー(異常)の種別を指定するエラー(異常)指定コマンドである。エラー(異常)指定コマンドでは、例えば、各エラー(異常)に対応するEXTデータが設定されることにより、演出制御基板12側において、いずれのエラー(異常)の発生が判定されたのかを特定することができ、特定したエラー(異常)の発生が、後述するエラー報知処理によって報知される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置207SG004Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置207SG004Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、画像表示装置5などにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、画像表示装置5などにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドD0XXHは、新たに設定された設定値を主基板11から演出制御基板12(演出制御用CPU120)に指定するための設定値指定コマンドである。コマンドE101Hは、パチンコ遊技機1がRAM102の内容をクリアせずに起動したこと(電断復旧したこと、ホットスタートとも言う)を通知するホットスタート通知コマンドである。コマンドE102Hは、パチンコ遊技機1がRAM102の内容をクリアして起動したこと(コールドスタート)を通知するコールドスタート通知コマンドである。コマンドE103Hは、パチンコ遊技機1において設定値の変更操作が開始されたこと(パチンコ遊技機1が設定値変更状態で起動したこと)を通知する設定値変更開始通知コマンドである。コマンドE104Hは、パチンコ遊技機1において設定値の変更操作が終了したことを通知する設定値変更終了通知コマンドである。コマンドE105Hは、パチンコ遊技機1において設定値の確認操作が開始されたこと(パチンコ遊技機1が設定値確認状態で起動したこと)を通知する設定値確認開始通知コマンドである。コマンドE106Hは、パチンコ遊技機1の設定値の確認操作が終了したことを通知する設定値変更終了通知コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、時刻情報を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)106とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図9−9は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図9−9に示すように、この実施の形態の特徴部207SGでは、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1の他、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR5は、CPU103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
尚、本実施の形態では各乱数値MR1〜MR5をそれぞれ図9−9に示す範囲の値として用いる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら各乱数値MR1〜MR5の範囲は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて異ならせてもよい。
図9−10は、本実施の形態における変動パターンを示している。本実施の形態では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。また、変動表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、1の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施の形態では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行し、RAM102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、図9−11〜図9−13などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば図9−11(A)に示す表示結果判定テーブル(設定値1)、図9−11(B)に示す表示結果判定テーブル(設定値2)、図9−11(C)に示す表示結果判定テーブル(設定値3)、図9−12(A)に示す表示結果判定テーブル(設定値4)、図9−12(B)に示す表示結果判定テーブル(設定値5)、図9−12(C)に示す表示結果判定テーブル(設定値6)、図9−13(A)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、図9−13(B)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)の他、大当り変動パターン判定テーブル、小当り変動パターン判定テーブル、ハズレ変動パターン判定テーブル、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)などが含まれている。
本実施の形態の特徴部207SGのパチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。詳しくは、後述する特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も出玉率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど出玉率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。換言すれば、設定値とは、最も大きい値である6が最も遊技場側にとって不利な値であり、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技場側にとって有利な値となる。
図9−11(A)〜図9−11(C)及び図9−12(A)〜図9−12(C)は、各設定値に対応する表示結果判定テーブルを示す説明図である。本実施の形態の特徴部207SGでは、図9−11、図9−12に示すテーブルのように判定値が割り当てられている。表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。本実施の形態の特徴部207SGでは、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
図9−13(A)及び図9−13(B)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す説明図である。このうち、図9−13(A)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、図9−13(B)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を大当りA〜大当りCのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。本実施の形態の特徴部207SGにおいては、図9−13に示す判定値が各大当りに割り当てられている。
ここで、本実施の形態の特徴部207SGにおける大当り種別について、図9−14を用いて説明する。本実施の形態の特徴部207SGでは、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する大当りA(非確変大当りともいう)と、大当り遊技の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する大当りBや大当りC(確変大当りともいう)が設定されている。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、変動表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
図9−15(A)及び図9−15(B)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブルとしては、大当り種別が大当りAである場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(大当りA用)と、大当り種別が大当りB、大当りC用である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(大当りB、大当りC用)が予め用意されており、これら大当り用変動パターン判定テーブル(大当りA用)と大当り用変動パターン判定テーブル(大当りB、大当りC用)には、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
また、図9−16に示すように、ハズレ用変動パターン判定テーブルには、遊技状態が時短制御の実施されていない低ベース状態において保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルAと、低ベース状態において合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、低ベース状態において合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
ハズレ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として図9−16に示すように割り当てられている。
図9−1に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、図示しない遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、第1特図保留記憶部と、第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、遊技制御フラグ設定部と、遊技制御タイマ設定部と、遊技制御カウンタ設定部と、遊技制御バッファ設定部とを備えている。
第1特図保留記憶部は、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置207SG004Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。第2特図保留記憶部は、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置207SG004Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。
普図保留記憶部は、通過ゲートを通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。遊技制御フラグ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。遊技制御タイマ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。遊技制御カウンタ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR1〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。遊技制御バッファ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。
次に、本実施の形態の特徴部207SGにおける表示モニタ207SG029の表示について説明する。
図9−17(A)に示すように、表示モニタ207SG029は、第1表示部207SG029A、第2表示部207SG029B、第3表示部207SG029C、第4表示部207SG029Dを備えている。第1表示部207SG029A〜第5表示部207SG29Eは、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。これらの第1表示部207SG029A〜第5表示部207SG29Eは、それぞれ種々の色、例えば赤色、青色、緑色、黄色、白色等で点灯、点滅可能とされている。また、これらの色を極短周期で変化させながら異なる色やいわゆるレインボーで表示させることも可能である。
尚、本実施の形態の特徴部207SGにおける表示モニタ207SG029の表示制御は、パチンコ遊技機1の試験時においてROM101やRAM102の全領域における試験対象外の領域を用いて実行されるようになっている。
表示モニタ207SG029には、図9−17(B)及び図9−17(C)に示すように、全遊技状態のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値(計測中のリアルタイム値)であるベースLと、全遊技状態における1回目のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値であるベース1と、全遊技状態における2回目のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値であるベース2と、全遊技状態における3回目のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値であるベース3と、を表示可能となっている。ベースL、ベース1、ベース2、ベース3は、百分率にて表示モニタ207SG029に表示される。
実際に表示モニタ207SG029にてベースLを表示する場合は、該ベースLの略記である「bL.」を表示するために第1表示部207SG029Aに「b」、第2表示部207SG029Bに「L.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」〜「99」の値)が第3表示部207SG029Cと第4表示部207SG029Dとにおいて表示される。また、表示モニタ207SG029にてベース1を表示する場合は、該ベースの略記である「b1.」を表示するために第1表示部207SG029Aに「b」、第2表示部207SG029Bに「1.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」〜「99」の値)が第3表示部207SG029Cと第4表示部207SG029Dとにおいて表示される。また、表示モニタ207SG029にてベース2を表示する場合は、該ベースの略記である「b2.」を表示するために第1表示部207SG029Aに「b」、第2表示部207SG029Bに「2.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」〜「99」の値)が第3表示部207SG029Cと第4表示部207SG029Dとにおいて表示される。また、表示モニタ207SG029にてベース3を表示する場合は、該ベースの略記である「b3.」を表示するために第1表示部207SG029Aに「b」、第2表示部207SG029Bに「3.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」〜「99」の値)が第3表示部207SG029Cと第4表示部207SG029Dとにおいて表示される。
本実施の形態の表示モニタ207SG029では、主基板11(CPU103)の制御によってこれらベースL、ベース1、ベース2、ベース3を順次表示する制御を実行するようになっている。例えば、図9−19に示すように、主基板11は、ベースL→ベース1→ベース2→ベース3の順番で表示モニタ207SG029の表示を5秒間隔で切り替える制御を実行する。尚、これら表示モニタ207SG029における各ベース値の表示は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて表示色が異なるようになっている。具体的には、図9−18に示すように、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「1」である場合は表示モニタ207SG029における各ベース値を白色にて表示し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「2」である場合は表示モニタ207SG029における各ベース値を青色にて表示し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「3」である場合は表示モニタ207SG029における各ベース値を黄色にて表示し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「4」である場合は表示モニタ207SG029における各ベース値を緑色にて表示し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「5」である場合は表示モニタ207SG029における各ベース値を赤色にて表示し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「6」である場合は表示モニタ207SG029における各ベース値を紫色にて表示する。このため遊技場の店員等は、CPU103が後述する設定値変更処理を実行せずとも、表示モニタ207SG029の表示色を確認するのみでパチンコ遊技機1に設定されている設定値を特定可能となっている。
次に、本実施の形態の特徴部207SGにおける遊技制御メイン処理について説明する。図9−20は、CPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理では、CPU103は、先ず、割込禁止に設定する(207SGSa001)。続いて、必要な初期設定を行う(207SGSa002)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、CPU103は、RAM102にバックアップデータが記憶されているか否か(107SGSa003)や、RAM102(バックアップRAM)が正常であるか否か(107SGSa004)を判定する。バックアップデータが記憶されていない場合(207SGSa003;N)やRAM102が正常でない場合(207SGSa004;N)は、207SGSa017に進み、バックアップデータが記憶されており、且つRAM102が正常である場合(207SGSa003;Y、207SGSa004;Y)は、更にRAM102に格納されている設定値が1〜6のいずれかであるか、つまり、RAM102に正常な値の設定値が格納されているか否かを判定する(207SGSa005)。
RAM102に格納されている設定値が1〜6のいずれかではない場合(207SGSa005;N)は、207SGSa017に進み、RAM102に格納されている設定値が1〜6のいずれかである場合(207SGSa005;Y)は、電断前に後述する設定値変更処理の実行中であったこと(設定値変更処理の実行中に電断が発生したこと)を示す設定値変更中フラグがセットされているか否かを判定する(207SGSa006)。設定値変更中フラグがセットされている場合(207SGSa006;Y)は、207SGSa017に進み、設定値変更中フラグがセットされていない場合は、後述するRAMクリア処理を実行したことを示すRAMクリアフラグがセットされていれば該RAMクリアフラグをクリアし(207SGSa007)、クリアスイッチがONであるか否か、つまり、クリアスイッチが操作されている状態でパチンコ遊技機1が起動したか否かを判定する(207SGSa008)。
クリアスイッチがONである場合(207SGSa008;Y)は、RAM102をクリアするRAMクリア処理を実行し(207SGSa009)、RAMクリアフラグを改めてセットして207SGSa011に進む(207SGSa010)。尚、クリアスイッチがOFFである場合(207SGSa008;N)は、207SGSa009及び207SGSa010を実行せずに207SGSa011に進む。
207SGSa011においてCPU103は、錠スイッチ207SG051がONであるか否かを判定する(207SGSa011)。錠スイッチ207SG051がONである場合(207SGSa011;Y)は、更に開放センサ207SG090がONであるか否かを判定する(207SGSa012)。開放センサ207SG090がONである場合、つまり、錠スイッチ207SG051がON且つ遊技機用枠207SG003が開放されている状態でパチンコ遊技機1が起動した場合(207SGSa012;Y)は、RAMクリアフラグがセットされているか否かを判定する(207SGSa013a)。
RAMクリアフラグがセットされている場合(207SGSa013a;Y)は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を変更するための設定値変更処理(207SGSa013b)を実行して207SGSa014に進み、RAMクリアフラグがセットされていない場合(207SGSa013a;N)は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を確認するための設定値確認処理(207SGSa013c)を実行して207SGSa014に進む。
尚、錠スイッチ207SG051がOFFである場合(207SGSa011;N)や開放センサがOFFである場合(207SGSa012;N)は、207SGSa013a〜207SGSa013cの処理を実行せずに207SGSa014に進む。
207SGSa014においてCPU103は、RAMクリアフラグがセットされているか否か、つまり、今回のパチンコ遊技機1の起動に際してRAM102をクリアしたか(RAMクリア処理(207SGSa009)を実行したか)否かを判定する(207SGSa014)。RAMクリアフラグがセットされている場合(207SGSa014;Y)は207SGSa022に進み、RAMクリアフラグがセットされていない場合(207SGSa014;N)は、主基板11の内部状態を電力供給停止(電断)時の状態に戻すための復旧処理を行う(207SGSa015)。
復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。そして、CPU103は、パチンコ遊技機1が電断前の状態で復旧(ホットスタートで起動)したとして、演出制御基板12に対してホットスタート通知コマンドを含む復旧時のコマンドを送信し、207SGSa028に進む(207SGSa016)。
また、207SGSa017においてCPU103は、クリアスイッチがONであるか否か、つまり、クリアスイッチが操作されている状態でパチンコ遊技機1が起動したか否かを判定する(207SGSa017)。クリアスイッチがONである場合(207SGSa017;Y)は、更に錠スイッチ207SG051がONであるか否か(207SGSa018)や、開放センサ207SG090がONであるか否かを判定する(207SGSa019)。
錠スイッチ207SG051がONであり(207SGSa018;Y)、且つ開放センサ207SG090がONである場合、つまり、RAM102にバックアップデータが存在しない、RAM102が正常ではない、または、正常な設定値が設定されていないが、遊技場の従業員等の操作により正式な手順によりパチンコ遊技機1を起動した場合(遊技機用枠207SG003を開放し、錠スイッチ207SG051をONとした状態でクリアスイッチを操作しつつパチンコ遊技機1を起動した場合)は、RAM102に記憶されている設定値をクリアするとともに(207SGSa020)、設定値変更中フラグがセットされていれば該設定値変更中フラグをクリアする(207SGSa021)。そして、前述した207SGSa009〜207SGSa016の処理を実行する。
尚、クリアスイッチがOFFである場合(207SGSa017;N)、錠スイッチ207SG051がOFFである場合(207SGSa018;N)、開放センサ207SG090がOFFである場合(207SGSa019;N)は、207SGSa031に進む。
また、2078SGSa022においてCPU103は、パチンコ遊技機1がコールドスタートにて起動したとして、演出制御基板12に対してコールドスタート通知コマンドを含む復旧時のコマンドを送信する(207SGSa022)。そして、パチンコ遊技機1のコールドスタートを報知するための期間に応じたコールドスタート報知タイマをセットし(207SGSa023)、図9−26(A)に示すように、表示モニタ207SG029を構成する全セグメントの点滅を開始することによってコールドスタートの報知を開始する(207SGSa024)。
207SGSa024の実行後、CPU103は、コールドスタート報知タイマの値を−1し(207SGSa025)、該コールドスタート報知タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(207SGSa026)。コールドスタート報知タイマがタイマアウトしていない場合(207SGSa026;N)は、207SGSa025と207SGSa026の処理を繰り返し実行し、コールドスタート報知タイマがタイマアウトした場合(207SGSa026;Y)は、表示モニタ207SG029における全セグメントの点滅を終了し(207SGSa027)、207SGSa028に進む。
尚、本実施の形態の特徴部207SGでは、パチンコ遊技機1のコールとスタート時にコールドスタート報知タイマの期間(例えば、5秒間)に亘って表示モニタ207SG029を構成する全セグメントを点滅させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1のコールとスタート時には、表示モニタ207SG029を構成する全セグメントのうち一部のセグメントのみを点滅させるようにしてもよいし、また、表示モニタ207SG029を構成する全セグメントのうち少なくとも一部のセグメントを点灯させるようにしてもよい。
そして、207SGSa028においてCPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理(207SGSa028)を実行し、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(207SGSa029)、割込みを許可する(207SGSa030)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
また、207SGSa031においてCPU103は、RAM102に異常な設定値が記憶されていること(設定値異常エラー)や、後述する設定変更中の電断から復帰したこと等にもとづいて、演出制御基板12に対して設定値の異常に応じたエラー指定コマンドを送信する(207SGSa031)。更に、エラー報知実行待ちタイマをセットする(207SGSa032)。そして、CPU103は、エラー報知実行待ちタイマの値を−1し(207SGSa033)、該エラー報知実行待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(207SGSa034)。エラー報知実行待ちタイマがタイマアウトしていない場合(207SGSa034;N)は、207SGSa033と207SGSa034の処理を繰り返し実行し、エラー報知実行待ちタイマがタイマアウトした場合(207SGSa034;Y)は、図9−26(B)に示すように、設定値異常エラーの発生や設定変更中の電断から復帰しことの報知(エラー報知)として、表示モニタ207SG029を構成する第1表示部207SG029A、第2表示部207SG029B、第3表示部207SG029C、第4表示部207SG029Dのそれぞれにおいて「E.」を表示する(207SGSa035)。
また、CPU103は、図9−27(B)に示すように、第1特別図柄表示装置207SG004A及び第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全てのLEDを点滅させるとともに(207SGSa036)、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないターミナル基板を介して遊技場の管理コンピュータ等の管理装置に対してセキュリティ信号を出力し207SGSa032に進む(207SGSa037)。以降、CPU103は、パチンコ遊技機1の電断発生まで(遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機1の電源がOFFになるまで)207SGSa032〜207SGSa037の処理を繰り返し実行することで、表示モニタ207SG029、第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004Bによるエラーの発生報知を実行する。
このように、本実施の形態の特徴部207SGにおけるパチンコ遊技機1は、異常な設定値が設定されていることや設定値の変更中の電断から復帰した場合に、表示モニタ207SG029、第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004Bによるエラーの発生報知を実行するので、遊技場の店員等は、パチンコ遊技機1の正面側と背面側の両面からエラーの発生や設定値の変更中の電断から復帰したことを認識することが可能となっている。加えて、パチンコ遊技機1のエラーの発生や設定値の変更中の電断からの復帰は遊技場の管理装置においても認識することができるので、パチンコ遊技機1のセキュリティ性を向上できるようになっている。
尚、本実施の形態の特徴部207SGの遊技制御メイン処理では、図9−20に示すように、207SGSa008においてクリアスイッチがONであると判定した場合(207SGSa008;Y)や207SGSa021において設定値変更中フラグをクリアした後にRAMクリア処理(207SGSa009)を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明はこれに限定されるものではなく、該RAMクリア処理は、207SGSa008においてクリアスイッチがONであると判定した場合(207SGSa008;Y)や207SGSa021において設定値変更中フラグをクリアした後ではなく、207SGSa014においてRAMクリアフラグがセットされていると判定した場合(207SGSa014;Y)に実行してもよい。
図9−21(A)は、CPU103が遊技制御面処理において実行するRAMクリア処理(207SGSa009)を示すフローチャートである。RAMクリア処理では、CPU103は、先ず、RAM102における先頭から2番目のアドレスを指定する(207SGSa041)。次いで、指定したアドレスに「00H」をセット(格納)する(207SGSa042)。そして、指定されたアドレスがRAM102の最後のアドレス(後述するFXXX)であるか否かを判定する(207SGSa043)。指定されたアドレスがRAM102の最後のアドレスでない場合(207SGSa043;N)は、RAM102における次のアドレスを指定し(207SGSa044)、該指定したアドレスがRAMクリアフラグを格納しているアドレス(F002)であるか否かを判定する(207SGSa45)。
指定したアドレスがRAMクリアフラグを格納しているアドレスでない場合(207SGSa045;N)は207SGSa042に進み、指定したアドレスがRAMクリアフラグを格納しているアドレスである場合(207SGSa045;N)は、更に次のアドレスを指定して207SGSa042に進む(207SGSa046)。尚、指定されたアドレスがRAM102の最後のアドレスである場合(207SGSa043;Y)は、RAMクリア処理を終了する。
尚、本実施の形態の特徴部207SGにおけるRAM102は、図9−21(B)に示すように、格納領域毎にアドレス(F000〜FXXX)が割り当てられている。これら格納領域のうち、RAM102の先頭のアドレス(F000)には、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が格納されており、RAM102の先頭から2番目のアドレス(F001)には、後述する仮設定値が格納されている。更に、3番目のアドレス(F002)には、RAMクリアフラグが格納されている。その他のアドレス(F003以降)には、特図保留記憶や普図保留記憶、各種カウンタの値、各種タイマ、各種フラグ、パチンコ遊技機1にて発生したエラー情報を含む遊技情報が格納されている。尚、バックアップデータ(バックアップフラグを含む)は、その他の情報が記憶される領域のうち、特定のバックアップデータ記憶領域に記憶される。また、工場出荷時におけるRAM102の先頭のアドレス(F000)には、工場出荷状態を示す値(例えば、設定値「0」)がセットされている。尚、RAM102の先頭のアドレス(F000)に工場出荷状態を示す値がセットされている状態においてパチンコ遊技機1を起動した場合は、必ず設定変更処理が実行されるようにしてもよいし、画像表示装置5での表示等によって設定変更処理を実行するためのパチンコ遊技機1を再起動するように促してもよい。
つまり、本実施の形態の特徴部207SGにおけるRAMクリア処理とは、設定値を除くアドレスに「00H」を格納することによって設定値とRAMクリアフラグ以外のデータをクリアする処理である。
尚、本実施の形態における特徴部207SGでは、RAMクリア処理において設定値以外のデータをクリアする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1がコールドスタートで起動した場合は、RAM102の所定のアドレス(本実施の形態の特徴部207SGではアドレスF003以降)に格納されている遊技情報のみをクリアするようにしてもよい。
また、本実施の形態における特徴部207SGでは、RAM102にRAMクリアフラグを記憶する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、RAMクリアフラグを、遊技制御用マイクロコンピュータ100のレジスタ(例えば、演算の中心となるアキュームレータ、アキュームレータの状態を記憶するフラグレジスタ、汎用レジスタのいずれか)に記憶することで、RAM102にRAMクリアフレアグを記憶したり読み出したりする処理を省略し、CPU103の処理負荷を軽減できるようにしてもよい。尚、RAM102にRAMクリアフラグを記憶する場合は、RAMクリアフラグを遊技制御用マイクロコンピュータ100のレジスタに記憶する場合よりも該レジスタの自由度を向上できるので、RAMクリアフラグがCPU103の処理によって他の情報(データ)に上書きされてしまうことを防ぐことができる。
図9−22は、CPU103が遊技制御メイン処理で実行する設定値変更処理(207SGSa013b)を示すフローチャートである。設定値変更処理においてCPU103は、先ず、第1特別図柄表示装置207SG004A及び第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全セグメントの点灯を開始するとともに(207SGSa051)、右打ちランプ207SG132及び第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025Bの点滅を開始する(207SGSa052、図9−27(A)参照)。更にCPU103は、設定値変更処理に応じた態様(図9−6に示す大当りA、大当りB、大当りCのいずれでもない態様)として、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントのうち、1のセグメントのみの点灯を開始する(207SGSa052a)。
また、CPU103は、演出制御基板12に対して設定値変更開始通知コマンドを送信し(207SGSa053)、RAM102のアドレスF000に設定値として1〜6のいずれかの値が記憶されているか否かを判定する(207SGSa053a)。RAM102に設定値として1〜6以外の値が記憶されている場合や、RAM102に設定値が記憶されていない場合(207SGSa020において設定値がクリアされている場合)は、RAM102におけるアドレスF000に設定値として「1」をセット(設定値を「1」にリセット)して207SGSa054に進む(207SGSa053b)。尚、RAM102に設定値として1〜6のいずれかの値が記憶されている場合(207SGSa053a;Y)は、207SGSa053bの処理を実行せずに207SGSa054に進む。
207SGSa054においてCPU103は、電源断検出処理を実行するまで待機するための電源断検出処理実行開始待ちタイマをセットする。そして、該電源断検出処理実行開始待ちタイマの値を−1し(207SGSa055)、電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(207SGSa056)。電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトしていない場合(207SGSa056;N)は、207SGSa055と207SGSa056の処理を繰り返し実行し、電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトした場合(207SGSa056;Y)は、電源断検出処理を実行する(207SGSa057)。
電源断検出処理の実行後、CPU103は、RAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の表示を表示モニタ207SG029において開始し(207SGSa058)、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないターミナル基板を介して遊技場の管理コンピュータ等の管理装置に対してセキュリティ信号を出力する(207SGSa059)。
そしてCPU103は、設定値変更中フラグをセットし(207SGSa061)、設定切替スイッチ207SG052の操作が有りか否かを判定する(207SGSa062)。設定切替スイッチ207SG052の操作が無い場合(207SGSa062;N)は207SGSa065に進み、設定切替スイッチ207SG052の操作が有る場合(207SGSa062;Y)は、該設定切替スイッチ207SG052の操作にもとづいてRAM102におけるアドレスF001の内容を更新する(207SGSa063)。
具体的には、表示モニタ207SG029に表示されている設定値が「1」である場合は、該「1」よりも遊技者にとって1段階有利な設定値である「2」を仮の設定値としてRAM102のアドレスF001に格納し、表示モニタ207SG029に表示されている設定値が「2」である場合は、該「2」よりも遊技者にとって1段階有利な設定値である「3」を仮の設定値としてRAM102のアドレスF001に格納する等、表示モニタ207SG029に表示されている設定値よりも1大きい数値を借りの設定としてRAM102のアドレスF001に格納する。尚、表示モニタ207SG029に表示されている設定値が「6」である場合は、「1」を仮の設定値としてRAM102のアドレスF001に格納すればよい。
そして、CPU103は、RAM102におけるアドレスF001格納されている設定値(仮の設定値)を表示モニタ207SG029に表示し(207SGSa064)、錠スイッチ207SG051がONであるか否かを判定する(207SGSa065)。
錠スイッチ207SG051がONである場合(207SGSa065;Y)、CPU103は、207SGSa062〜207SGSa065の処理を繰り返し実行することによってRAM102のアドレスF001に新たな仮の設定値を格納する処理や、アドレスF001に格納されている設定値を表示モニタ207SG029に表示する処理を実行する。
また、207SGSa065において錠スイッチ207SG051がOFFである場合(207SGSa065;N)は、CPU103は、設定値変更中フラグをクリアする(207SGSa066)とともに、表示モニタ207SG029における設定値(または仮の設定値)の表示を終了し(207SGSa067)、第1特別図柄表示装置207SG004A及び第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全セグメントを消灯する(207SGSa067a)。更に、CPU103は、右打ちランプ207SG132、第1保留表示器207SG025A及び第2保留表示器207SG025Bの点滅と、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントの点灯を終了する(207SGSa068、207SGSa068a)。
そしてCPU103は、RAM102におけるアドレスF001に仮の設定値が格納されているか否かを判定する(207SGSa069)。RAM102におけるアドレスF001に仮の設定値が格納されていない場合(207SGSa069;N)は207SGSa072に進み、RAM102におけるアドレスF001に仮の設定値が格納されている場合(207SGSa069;Y)は、更にRAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の値とアドレスF001に格納されている仮の設定値の値とが異なっているか否かを判定する(207SGSa070)。
RAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の値とアドレスF001に格納されている仮の設定値の値とが同一である場合(207SGSa070;N)は207SGSa072に進み、RAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の値とアドレスF001に格納されている仮の設定値の値とが異なっている場合(207SGSa070;Y)は、RAM102におけるアドレスF001に格納されている仮の設定値をアドレスF000に格納し(207SGSa071)、207SGSa072に進む。つまり、207SGSa071の処理では、仮の設定値を実際の設定値としてRAM102に更新記憶する。
また、CPU103は、演出制御基板12に対して設定値変更終了通知コマンドを送信し(207SGSa073)、設定値変更処理を終了する。
図9−23は、CPU103が遊技制御メイン処理で実行する設定値確認処理(207SGSa013c)を示すフローチャートである。設定値確認処理においてCPU103は、先ず、第1特別図柄表示装置207SG004A及び第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全セグメントの点灯を開始するとともに(207SGSa101)、右打ちランプ207SG132及び第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025Bの点滅を開始する(207SGSa102、図9−27(A)参照)。更にCPU103は、設定値確認処理に応じた態様(図9−6に示す大当りA、大当りB、大当りCのいずれでもない態様)として、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントのうち、1のセグメントのみの点灯を開始する(207SGSa103)。
また、CPU103は、演出制御基板12に対して設定値確認開始通知コマンドを送信し(207SGSa104)、電源断検出処理を実行するまで待機するための電源断検出処理実行開始待ちタイマをセットする(207SGSa105)。そして、該電源断検出処理実行開始待ちタイマの値を−1し(207SGSa106)、電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(207SGSa107)。電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトしていない場合(207SGSa107;N)は、207SGSa106と207SGSa107の処理を繰り返し実行し、電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトした場合(207SGSa107;Y)は、電源断検出処理を実行する(207SGSa108)。尚、本電源断検出処理(207SGSa108)は、前述した設定値変更処理の電源断検出処理(207SGSa057)と同一の処理である。
電源断検出処理の実行後、CPU103は、RAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の表示を表示モニタ207SG029において開始し(207SGSa109)、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないターミナル基板を介して遊技場の管理コンピュータ等の管理装置に対してセキュリティ信号を出力する(207SGSa110)。
そしてCPU103は、錠スイッチ207SG051がONであるか否かを判定する(207SGSa111)。錠スイッチ207SG051がONである場合(207SGSa111;Y)、CPU103は、207SGSa111の処理を繰り返し実行することによって錠スイッチ207SG051がOFFとなるまで待機する。また、207SGSa111において錠スイッチ207SG051がOFFである場合(207SGSa111;N)は、表示モニタ207SG029における設定値の表示を終了するとともに(207SGSa112)、第1特別図柄表示装置207SG004A及び第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全セグメントを消灯する(207SGSa112a)。更に、CPU103は、右打ちランプ207SG132、第1保留表示器207SG025A及び第2保留表示器207SG025Bの点滅と、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントの点灯を終了する(207SGSa113、207SGSa114)。
そしてCPU103は、演出制御基板12に対して設定値確認終了通知コマンドを送信し(207SGSa115)、設定値確認処理を終了する。
このように、設定値変更処理や設定値確認処理の開始時から第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207Sg004B及びラウンド表示器207SG131の点灯と、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207Sg025B及び右打ちランプ207SG232の点滅とを開始することによって、遊技者や遊技場の店員等は、パチンコ遊技機1の正面側から該パチンコ遊技機1が設定値の変更中または設定値の確認中であることを認識可能となっている。
尚、本実施の形態の特徴部207SGでは、設定値変更処理や設定値確認処理の開始時に、設定値変更処理や設定値確認処理に応じた態様として、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントのうち1のLEDのみを点灯する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントの点灯パターンは、図9−6に示す大当りA、大当りB、大当りCのいずれにも該当しない態様であれば特にその点灯態様は問わない。
また、本実施の形態の特徴部207SGでは、図9−27(A)に示すように、設定値変更処理や設定値確認処理の開始時に、設定値変更処理や設定値確認処理に応じた態様として、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントが同一態様にて点灯する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントは、設定値変更処理の開始時と設定値確認処理の開始時とで異なる態様にて点灯してもよい。
以上のように本実施の形態の特徴部207SGでは、パチンコ遊技機1の電源を一旦OFF(電断)した後に再起動する際に、遊技機用枠207SG003が開放されている状態で錠スイッチ207SG051とクリアスイッチとをONとすることで設定値変更処理を実行するようになっている。
このとき、表示モニタ207SG029では、図9−25(A)〜図9−25(E)に示すように、パチンコ遊技機1の電源をOFFとすることによって第1表示部207SG029A、第2表示部207SG029B、第3表示部207SG029C、第4表示部207SG029Dを用いた表示(図9−17に示すベース値の表示)が終了する。つまり、本実施の形態における表示モニタ207SG029は、起動時に設定値変更処理を実行する場合と、起動が終了した後にベース値を表示する場合とでは、使用する表示部数が異なっている。
次に、パチンコ遊技機1の再起動によってCPU103が設定値変更処理を開始すると、第4表示部207SG029Dにおいてパチンコ遊技機1に設定されている設定値の表示が開始される。そして、このように第4表示部207SG029Dにおいて設定値が表示されている状態で設定切替スイッチ207SG052が操作されると、第4表示部207SG029Dでの表示が更新されていくようになっている。尚、この状態にて錠スイッチ207SG051がOFFとなった場合は、第4表示部207SG29Dに表示されている数値が新たな設定値として設定される。
また、本実施の形態の特徴部207SGでは、パチンコ遊技機1の電源を一旦OFF(電断)した後に再起動する際に、遊技機用枠207SG003が開放されている状態で錠スイッチ207SG051をON(クリアスイッチはOFF)とすることで設定値確認処理を実行するようになっている。
このとき、表示モニタ207SG029では、図9−25(A)、図9−25(B)及び図9−25(E)に示すように、パチンコ遊技機1の電源をOFFとすることによって第1表示部207SG029A、第2表示部207SG029B、第3表示部207SG029C、第4表示部207SG029Dを用いた表示(図9−17に示すベース値の表示)が終了する。つまり、本実施の形態における表示モニタ207SG029は、起動時に設定値確認処理を実行する場合と、起動が終了した後にベース値を表示する場合とでは、使用する表示部数が異なっている。
次に、パチンコ遊技機1の再起動によってCPU103が設定値確認処理を開始すると、第4表示部207SG029Dにおいてパチンコ遊技機1に設定されている設定値の表示が開始される。尚、該第4表示部207SG029Dにおける設定値の表示は、錠スイッチ207SG051がOFFとなることによって終了し、パチンコ遊技機1が遊技可能な状態となる。
図9−24は、CPU103が設定値変更処理や設定値確認処理で実行する電断検出処理(207SGSa013c)を示すフローチャートである。設定値確認処理においてCPU103は、先ず、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号の入力が有るか否かを判定する(207SGS081)。電源断信号の入力が無い場合は(207SGS081;N)、処理を終了し、電源断信号の入力が有る場合は(207SGS081;Y)、RAM122に記憶されている設定値情報を含むバックアップデータを特定し(207SGS082)、該特定したバックアップデータをRAM122に設けられたバックアップデータ記憶領域に格納する(207SGS083)。そして、バックアップデータを復旧させるときに用いるチェックデータを作成し、バックアップデータ記憶領域に格納した後(207SGS084)、パチンコ遊技機1が電断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。
尚、本実施の形態の特徴部207SGにおける遊技制御用タイマ割込処理では、図9−28に示すように、CPU103は、前述した207SGSa057及び207SGSa108と同一の電源断検出処理(207SGS200)を実行した後にS21〜S27(図4参照)を実行するようになっている。
以上、本実施の形態における特徴部207SGを図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態の特徴部207SGでは、遊技情報表示部207SG200を、第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025B、普通図柄表示器207SG020、普図保留表示器207SG025C、ラウンド表示器207SG131、右打ちランプ207SG132、確変ランプ207SG133、時短ランプ207SG134から構成する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技情報表示部207SG200は、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bとを含まなくとも含んでいればよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、CPU103が設定値変更処理を実行中(設定値変更状態)である場合と設定値確認処理を実行中(設定値確認状態)である場合とで第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bとを同一態様にて点灯させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、CPU103が設定値変更処理を実行中である場合と設定値確認処理を実行中である場合とで、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bとを異なる態様で点灯または点滅させるようにしてもよい。このようにすることで、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bとの点灯態様または点滅態様によりパチンコ遊技機1が設定値変更状態と設定値確認状態とのどちらの状態であるのかを分かり易く報知できる。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、設定値変更状態や設定値確認状態では、第1特別図柄表示装置207SG004Aや第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全セグメントを点灯させることによって、第1特別図柄表示装置207SG004Aや第2特別図柄表示装置207SG004Bの表示態様(点灯態様)を第1特別図柄表示装置207SG004Aや第2特別図柄表示装置207SG004Bが変動表示結果を導出表示する場合の表示態様と異ならせる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定値変更状態や設定値確認状態における第1特別図柄表示装置207SG004Aや第2特別図柄表示装置207SG004Bの表示態様(点灯態様)は、第1特別図柄表示装置207SG004Aや第2特別図柄表示装置207SG004Bが変動表示結果を導出表示する場合の表示態様と異なっていれば、これら第1特別図柄表示装置207SG004Aや第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全セグメントのうち一部のセグメントを点灯させなくともよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGにおいて、設定値変更状態や設定値確認状態では、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bと構成する全セグメント及びラウンド表示器207SG131を構成する1のセグメントの点灯、右打ちランプ207SG132及び第1保留表示器207SG025Aと第2保留表示器207SG025Bとを構成する全セグメントの点滅を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定値変更状態や設定値確認状態では、ラウンド表示器207SG131を構成する1のセグメントの点灯、右打ちランプ207SG132の点滅、第1保留表示器207SG025Aと第2保留表示器207SG025Bとを構成する全セグメントの点滅については、実行しない、もしくは一部のみ実行してもよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGにおいて、設定値変更状態や設定値確認状態では、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントのうち1のセグメントのみを点灯する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図9−6に示す大当り種別に該当する組合せでなければ、設定値変更状態や設定値確認状態におけるラウンド表示器207SG131を構成するセグメントの点灯数は複数であってもよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bを用いて設定値異常エラーの報知を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機1にエラー報知用のLEDを個別に設け、該LEDを点灯または点滅させることによって設定値異常エラーが発生したことを報知してもよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGにおいては、パチンコ遊技機1にベース値を表示するための表示モニタ207SG029を備える形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1には表示モニタ207SG029を備えないようにしてもよい。尚、このようにパチンコ遊技機1に表示モニタ207SG029を備えない場合は、設定値変更状態や設定値確認状態において設定値(または仮の設定値)を表示する表示手段を新たに備えればよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、第1可動体初期化処理や第2可動体初期化処理の実行中に設定値の変更や設定値の確認が終了した場合は、第1可動体初期化処理の実行中であるか否か、つまり、第1可動体207SG321の確認動作が既に終了したか否かに応じて新たな第1可動体初期化処理や第2可動体初期化処理を実行するか否かを決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、新たな第1可動体初期化処理や第2可動体初期化処理を実行するか否は、各可動体の動作距離や各可動体の確認動作に要する残り期間等に応じて決定してもよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、遊技情報表示部207SG200を構成する第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025B、ラウンド表示器207SG0131、右打ちランプ207SG132等を、遊技中とは異なる態様とすることによってパチンコ遊技機1が設定値変更状態や設定値確認状態であることを報知する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技情報表示部207SG200を構成する第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025B、ラウンド表示器207SG0131、右打ちランプ207SG132等は、パチンコ遊技機1が設定値変更状態や設定値確認状態であることを報知可能であれば遊技中において表示(点灯または点滅)される態様であってもよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、遊技情報表示部207SG200を構成する第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025B、ラウンド表示器207SG0131、右打ちランプ207SG132等を、遊技中とは異なる態様とすることによってパチンコ遊技機1が設定値変更状態や設定値確認状態であることを報知する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、『遊技中とは異なる態様』には、点滅周期が異なることや輝度、各セグメントの発光色が異なること等を含んでいてもよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、演出制御用CPU120が設定値変更開始通知コマンドや設定値確認開始通知コマンドを受信した時点から、第1可動体初期化処理や第2可動体初期化処理として、各可動体の非検出時動作制御と実動作確認動作制御とを実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120が設定値変更開始通知コマンドや設定値確認開始通知コマンドを受信した時点から、各可動体の非検出時動作制御を実行し、演出制御用CPU120が設定値変更終了通知コマンドや設定値確認終了通知コマンドを受信した時点から、各可動体の実動作確認動作制御を実行してもよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、遊技情報表示部207SG200を構成する第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025B、ラウンド表示器207SG131、右打ちランプ207SG132を点灯または点滅させることによってパチンコ遊技機1が設定値変更状態または設定値確認状態であることを報知する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1が設定値変更状態や設定値確認状態であるときに第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025B、ラウンド表示器207SG131、右打ちランプ207SG132の点灯や点滅が実行されることの説明書きをパチンコ遊技機1の所定箇所(例えば、遊技情報表示部207SG200の近傍位置)に設けてもよい。このようにすることで、当該パチンコ遊技機1について熟知していない遊技場の店員等が、第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025B、ラウンド表示器207SG131、右打ちランプ207SG132の点灯や点滅をパチンコ遊技機1の故障等と誤認してしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施の形態の特徴部207SGの遊技制御メイン処理では、図9−20に示すように、207SGSa008においてクリアスイッチがONであると判定した場合(207SGSa008;Y)や207SGSa021において設定値変更中フラグをクリアした後にRAMクリア処理(207SGSa009)を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明はこれに限定されるものではなく、該RAMクリア処理は、207SGSa008においてクリアスイッチがONであると判定した場合(207SGSa008;Y)や207SGSa021において設定値変更中フラグをクリアした後ではなく、207SGSa014においてRAMクリアフラグがセットされていると判定した場合(207SGSa014;Y)に実行してもよい。
(特徴部10Fに関する説明)
次に、特徴部10Fについて説明する。特徴部10Fは、前述した設定値変更処理と設定値確認処理とにおいて、遊技停止開始処理および遊技停止終了処理が追加されたことに特徴を有している。
図10−1は、特徴部10Fにおける設定値変更処理を示すフローチャートである。図10−1において、図9−22と同じ処理には、同じ符号を付して説明を省略する。なお、図9−20の処理において、設定変更処理(207SGa013b)が実行される前の207SGa009の処理においてRAMクリア処理が実行されていた。このため、設定変更処理(207SGa013b)の段階において記憶領域には何ら遊技に関する情報が残っていなかった。しかし、RAMクリア処理(207SGa009)は、207SGSa014においてRAMクリアフラグがセットされていると判定した場合(207SGSa014;Y)に実行されるようにしてもよい。これにより、設定変更処理の後にRAMクリア処理が実行されることとなる。特徴部10Fにおいては、設定変更処理の後にRAMクリア処理が実行されることを前提に説明する。設定値変更処理においてCPU103は、先ず、遊技停止開始処理を実行する(10FS001)。遊技停止開始処理の詳細は、図10−3を用いて説明する。遊技停止開始処理の後は、第1特別図柄表示装置207SG004A及び第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全セグメントの点灯を開始する(207SGSa051)。その後、図9−22に示す処理と同様の処理が実行される。
また、CPU103は、設定値変更中フラグをクリアする(207SGSa066)処理を実行した後に、遊技停止終了処理を実行する(10FS002)。遊技停止終了処理の詳細は、図10−4を用いて説明する。遊技停止終了処理の後は、表示モニタ207SG029における設定値(または仮の設定値)の表示を終了する(207SGSa067)。その後、図9−22に示す処理と同様の処理が実行される。
図10−2は、特徴部10Fにおける設定値確認処理を示すフローチャートである。図10−2において、図9−23と同じ処理には、同じ符号を付して説明を省略する。設定値確認処理においてCPU103は、先ず、遊技停止開始処理を実行する(10FS001)。遊技停止開始処理の詳細は、図10−3を用いて説明する。この遊技停止開始処理は、図10−1の遊技停止開始処理と共通の処理である。遊技停止開始処理の後は、第1特別図柄表示装置207SG004A及び第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全セグメントの点灯を開始する(207SGSa101)。その後、図9−23に示す処理と同様の処理が実行される。
また、CPU103は、207SGSa111において錠スイッチ207SG051がOFFとなった場合(207SGSa111;N)に、遊技停止終了処理を実行する(10FS002)。遊技停止終了処理の詳細は、図10−4を用いて説明する。この遊技停止終了処理は、図10−1の遊技停止終了処理と共通の処理である。遊技停止終了処理の後は、表示モニタ207SG029における設定値の表示を終了する(207SGSa112)。その後、図9−23に示す処理と同様の処理が実行される。
(各種タイマについて)
次に、遊技停止開始処理について説明する。遊技中には、複数のタイマにより遊技に関する時間や期間が計時されている。CPU103は、遊技停止状態となるとこれら複数のタイマの計時を停止する。これら複数のタイマについて順に説明する。アタッカー開放時間タイマは、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7の大入賞口扉の開放時間を計時するためのタイマである。CPU103は、アタッカー開放時間タイマにより、大入賞口扉が開放状態となってから閉鎖状態となるまでの時間を計時する。ラウンド間インターバル期間タイマは、大当り遊技状態中のラウンド間のインターバル期間を計時するためのタイマである。CPU103は、ラウンド間インターバル期間タイマにより、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの時間を計時する。
V蓋開放時間タイマは、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御するV確変の遊技機において、所定スイッチ(V確変を検知するセンサ)の手前に設けられた開放状態と閉鎖状態とに制御されるV蓋の開放時間を計時するためのタイマである。V確変の遊技機においては、複数のラウンドの内の所定のラウンドにおいてV蓋が開放状態となる。このようなV蓋が開放状態となる領域をV入賞領域という。CPU103は、V蓋開放時間タイマにより、V蓋が開放状態となってから閉鎖状態となるまでの時間を計時する。V通過待ち時間タイマは、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを通過する遊技球を有効と判定するV入賞の時間を計時するためのタイマである。CPU103は、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が開放状態から閉鎖状態となった後にも遅れて所定スイッチを通過した遊技球(大入賞口扉の閉鎖間際で大入賞口内に入賞し所定スイッチを通過した遊技球)についても有効期間内のV入賞と判定する。CPU103は、V通過待ち時間タイマにより、V入賞が有効に判定されるV入賞の有効期間を計時する。
電チュー開放時間タイマは、可変入賞球装置6B(普通電動役物)である一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物が開放状態に制御されているときの開放時間を計時するタイマである。可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するが、CPU103は、電チュー開放時間タイマにより、可変入賞球装置6Bが開放状態となってから閉鎖状態となるまでの時間を計時する。
特図変動時間タイマは、特別図柄の可変表示の実行時間を計時するためのタイマである。CPU103は、特図変動時間タイマにより、特別図柄の可変表示が開始されてから特別図柄の可変表示が終了するまでの時間を計時する。普図変動時間タイマは、普通図柄の可変表示の実行時間を計時するためのタイマである。CPU103は、普通変動時間タイマにより、普通図柄の可変表示が開始されてから普通図柄の可変表示が終了するまでの時間を計時する。
ファンファーレ時間タイマは、大当り開始時に大当りに制御されることを報知する期間であるファンファーレ演出が実行される期間を計時するタイマである。ファンファーレ期間とは、大当り図柄が停止表示された後に、大当り遊技状態の開始を報知する演出動作としてのファンファーレ演出が実行される期間である。CPU103は、ファンファーレ時間タイマにより、ファンファーレ演出が開始されてからファンファーレ演出が終了するまでの時間を計時する。
エンディング時間タイマは、大当り終了時に大当りの終了を報知する期間であるエンディング演出が実行される期間を計時するタイマである。エンディング期間とは、大当り終了処理が実行される期間であり、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間である。CPU103は、エンディング時間タイマにより、エンディング演出が開始されてからエンディング演出が終了するまでの時間を計時する。
CPU103は、上記したタイマ以外のその他のタイマとして、特図変動停止期間タイマ、普図変動停止期間タイマ等がある。特図変動停止期間タイマとは、特別図柄の可変表示が導出表示されてから次の特別図柄の可変表示が開始されるまでの時間(例えば、0.5秒)を計時するタイマである。CPU103は、特図変動停止期間タイマにより、特別図柄の可変表示が導出表示されてから次の特別図柄の可変表示が開始されるまでの時間を計時する。普図変動停止期間タイマとは、普通図柄の可変表示が導出表示されてから次の普通図柄の可変表示が開始されるまでの時間(例えば、0.4秒)を計時するタイマである。CPU103は、普図変動停止期間タイマにより、普通図柄の可変表示が導出表示されてから次の普通図柄の可変表示が開始されるまでの時間を計時する。
(遊技停止開始処理)
次に、特徴部10Fにおける遊技停止開始処理について説明する。図10−3は、特徴部10Fにおける遊技停止開始処理を示すフローチャートである。CPU103は、まず遊技停止開始処理において、アタッカー開放時間タイマが作動中であるか否かを判定する(10FS010)。10FS010において、アタッカー開放時間タイマが作動中であれば(10FS010;Y)、作動中のアタッカー開放時間タイマを停止し(10FS020)、処理を終了する。アタッカー開放時間タイマが作動中でなければ(10FS010;N)、ラウンド間インターバル期間タイマが作動中であるか否かを判定する(10FS011)。10FS011において、ラウンド間インターバル期間タイマが作動中であれば(10FS011;Y)、作動中のラウンド間インターバル期間タイマを停止し(10FS020)、処理を終了する。
ラウンド間インターバル期間タイマが作動中でなければ(10FS011;N)、V蓋開放時間タイマが作動中であるか否かを判定する(10FS012)。10FS012において、V蓋開放時間タイマが作動中であれば(10FS012;Y)、作動中のV蓋開放時間タイマを停止し(10FS020)、処理を終了する。V蓋開放時間タイマが作動中でなければ(10FS012;N)、V通過待ち時間タイマが作動中であるか否かを判定する(10FS013)。10FS013において、V通過待ち時間タイマが作動中であれば(10FS013;Y)、作動中のV通過待ち時間タイマを停止し(10FS020)、処理を終了する。
V通過待ち時間タイマが作動中でなければ(10FS013;N)、電チュー開放時間タイマが作動中であるか否かを判定する(10FS014)。10FS014において、電チュー開放時間タイマが作動中であれば(10FS014;Y)、作動中の電チュー開放時間タイマを停止し(10FS020)、処理を終了する。電チュー開放時間タイマが作動中でなければ(10FS014;N)、特図変動時間タイマが作動中であるか否かを判定する(10FS015)。10FS015において、特図変動時間タイマが作動中であれば(10FS015;Y)、作動中の特図変動時間タイマを停止し(10FS020)、処理を終了する。
特図変動時間タイマが作動中でなければ(10FS015;N)、普図変動時間タイマが作動中であるか否かを判定する(10FS016)。10FS016において、普図変動時間タイマが作動中であれば(10FS016;Y)、作動中の普図変動時間タイマを停止し(10FS020)、処理を終了する。普図変動時間タイマが作動中でなければ(10FS016;N)、ファンファーレ時間タイマが作動中であるか否かを判定する(10FS017)。10FS017において、ファンファーレ時間タイマが作動中であれば(10FS017;Y)、作動中のファンファーレ時間タイマを停止し(10FS020)、処理を終了する。
ファンファーレ時間タイマが作動中でなければ(10FS017;N)、エンディング時間タイマが作動中であるか否かを判定する(10FS018)。10FS018において、エンディング時間タイマが作動中であれば(10FS018;Y)、作動中のエンディング時間タイマを停止し(10FS020)、処理を終了する。エンディング時間タイマが作動中でなければ(10FS018;N)、その他のタイマとして特図変動停止期間タイマ等のタイマが作動中であるか否かを判定する(10FS019)。10FS019において、その他のタイマが作動中であれば(10FS019;Y)、作動中のその他のタイマを停止し(10FS020)、処理を終了する。その他のタイマが作動中でなければ(10FS019;N)、その他処理(10FS021)を実行し、その後に処理を終了する。
ここで、その他処理(10FS021)においては、以下のような処理が含まれる。例えば、打球操作ハンドル30の発射を無効にする処理、始動口、一般入賞口10、アウト口、通過ゲート41に設けられた各種センサを無効にする処理、各種エラーの検知を無効にする処理、賞球の払出しを無効にする処理等が含まれる。その他処理(10FS021)により、各種の処理が無効とされ遊技が正常に実行されない状態となる。
(遊技停止終了処理)
次に、特徴部10Fにおける遊技停止終了処理について説明する。図10−4は、特徴部10Fにおける遊技停止終了処理を示すフローチャートである。CPU103は、まず遊技停止終了処理において、アタッカー開放時間タイマが停止中であるか否かを判定する(10FS030)。10FS030において、アタッカー開放時間タイマが停止中であれば(10FS030;Y)、停止中のアタッカー開放時間タイマを作動させ(10FS040)、処理を終了する。アタッカー開放時間タイマが停止中でなければ(10FS030;N)、ラウンド間インターバル期間タイマが停止中であるか否かを判定する(10FS031)。10FS031において、ラウンド間インターバル期間タイマが停止中であれば(10FS031;Y)、停止中のラウンド間インターバル期間タイマを作動させ(10FS040)、処理を終了する。
ラウンド間インターバル期間タイマが停止中でなければ(10FS031;N)、V蓋開放時間タイマが停止中であるか否かを判定する(10FS032)。10FS032において、V蓋開放時間タイマが停止中であれば(10FS032;Y)、停止中のV蓋開放時間タイマを作動させ(10FS040)、処理を終了する。V蓋開放時間タイマが停止中でなければ(10FS032;N)、V通過待ち時間タイマが停止中であるか否かを判定する(10FS033)。10FS033において、V通過待ち時間タイマが停止中であれば(10FS033;Y)、停止中のV通過待ち時間タイマを作動させ(10FS040)、処理を終了する。
V通過待ち時間タイマが停止中でなければ(10FS033;N)、電チュー開放時間タイマが停止中であるか否かを判定する(10FS034)。10FS034において、電チュー開放時間タイマが停止中であれば(10FS034;Y)、作動中の電チュー開放時間タイマを作動させ(10FS040)、処理を終了する。電チュー開放時間タイマが停止中でなければ(10FS034;N)、特図変動時間タイマが停止中であるか否かを判定する(10FS035)。10FS035において、特図変動時間タイマが停止中であれば(10FS035;Y)、停止中の特図変動時間タイマを作動させ(10FS040)、処理を終了する。
特図変動時間タイマが停止中でなければ(10FS035;N)、普図変動時間タイマが停止中であるか否かを判定する(10FS036)。10FS036において、普図変動時間タイマが停止中であれば(10FS036;Y)、停止中の普図変動時間タイマを作動させ(10FS040)、処理を終了する。普図変動時間タイマが停止中でなければ(10FS036;N)、ファンファーレ時間タイマが停止中であるか否かを判定する(10FS037)。10FS037において、ファンファーレ時間タイマが停止中であれば(10FS037;Y)、停止中のファンファーレ時間タイマを作動させ(10FS040)、処理を終了する。
ファンファーレ時間タイマが停止中でなければ(10FS037;N)、エンディング時間タイマが停止中であるか否かを判定する(10FS038)。10FS038において、エンディング時間タイマが停止中であれば(10FS038;Y)、停止中のエンディング時間タイマを作動させ(10FS040)、処理を終了する。エンディング時間タイマが停止中でなければ(10FS038;N)、その他のタイマとして特図変動停止期間タイマ等のタイマが停止中であるか否かを判定する(10FS039)。10FS039において、その他のタイマが停止中であれば(10FS039;Y)、停止中のその他のタイマを作動させ(10FS040)、処理を終了する。その他のタイマが停止中でなければ(10FS039;N)、その他処理(10FS041)を実行し、その後に処理を終了する。
ここで、その他処理(10FS041)においては、以下のような処理が含まれる。例えば、打球操作ハンドル30の発射を有効にする処理、始動口、一般入賞口10、アウト口、通過ゲート41に設けられた各種センサを有効にする処理、各種エラーの検知を有効にする処理、賞球の払出しを有効にする処理等が含まれる。その他処理(10FS041)により、各種の処理が有効とされ遊技が正常に実行される状態となる。
(特徴部10Fの効果について)
図10−1〜図10−4に示すように、CPU103は、特別可変入賞球装置7が開状態に変化しているときに設定確認状態に制御されたことに基づいてアタッカー開放時間タイマの期間の計時を停止させ、設定確認状態が終了したことに基づいてアタッカー開放時間タイマの期間の計時を再開させる。このようにすれば、設定確認をすぐに行うことができるとともに、設定確認状態において特別可変入賞球装置7が開状態に変化している期間が減算されて遊技が進行してしまうことにより遊技者が不利になってしまうことを防止することができる。
図10−1〜図10−4に示すように、CPU103は、ラウンド間インターバル期間に設定確認状態に制御されたことに基づいてラウンド間インターバル期間タイマの期間の計時を停止させ、設定確認状態が終了したことに基づいてラウンド間インターバル期間タイマの期間の計時を再開させる。このようにすれば、設定確認をすぐに行うことができるとともに、設定確認状態においてラウンド間インターバル期間が減算されて遊技が進行してしまうことにより遊技者が不利になってしまうことを防止することができる。
図10−1〜図10−4に示すように、CPU103は、V入賞の有効期間に設定確認状態に制御されたことに基づいてV通過待ち時間タイマの有効期間の計時を停止させ、設定確認状態が終了したことに基づいてV通過待ち時間タイマの有効期間の計時を再開させる。このようにすれば、設定確認をすぐに行うことができるとともに、設定確認状態においてV入賞の有効期間が減算されて遊技が進行してしまうことにより遊技者が不利になってしまうことを防止することができる。
図10−1〜図10−4に示すように、CPU103は、可変入賞球装置6Bが開状態となっているときに設定確認状態に制御されたことに基づいて電チュー開放時間タイマの有効期間の計時を停止させ、設定確認状態が終了したことに基づいて電チュー開放時間タイマの有効期間の計時を再開させる。このようにすれば、設定確認をすぐに行うことができるとともに、設定確認状態において可変入賞球装置6Bが進入可能な状態となっているとき遊技が進行してしまうことにより遊技者が不利になってしまうことを防止することができる。
図10−1〜図10−4に示すように、CPU103は、特別図柄の可変表示が実行されているときに設定確認状態に制御されたことに基づいて特図変動時間タイマの有効期間の計時を停止させ、設定確認状態が終了したことに基づいて特図変動時間タイマの有効期間の計時を再開させる。このようにすれば、設定確認をすぐに行うことができるとともに、設定確認状態において特別図柄の可変表示が実行されて遊技が進行してしまうことにより遊技者が不利になってしまうことを防止することができる。
図10−1〜図10−4に示すように、CPU103は、普通図柄の可変表示が実行されているときに設定確認状態に制御されたことに基づいて普図変動時間タイマの有効期間の計時を停止させ、設定確認状態が終了したことに基づいて普図変動時間タイマの有効期間の計時を再開させる。このようにすれば、設定確認をすぐに行うことができるとともに、設定確認状態において普通図柄の可変表示が実行されて遊技が進行してしまうことにより遊技者が不利になってしまうことを防止することができる。
図10−1〜図10−4に示すように、CPU103は、ファンファーレ演出が実行されているときに設定確認状態に制御されたことに基づいて、ファンファーレ時間タイマの有効期間の計時を停止させ、設定確認状態が終了したことに基づいて、ファンファーレ時間タイマの有効期間の計時を再開させる。このようにすれば、設定確認をすぐに行うことができるとともに、設定確認状態においてファンファーレ演出が実行されて遊技が進行してしまうことにより遊技者が不利になってしまうことを防止することができる。
図10−1〜図10−4に示すように、CPU103は、エンディング演出が実行されているときに設定確認状態に制御されたことに基づいて、エンディング時間タイマの有効期間の計時を停止させ、設定確認状態が終了したことに基づいて、エンディング時間タイマの有効期間の計時を再開させる。このようにすれば、設定確認をすぐに行うことができるとともに、設定確認状態においてエンディング演出が実行されて遊技が進行してしまうことにより遊技者が不利になってしまうことを防止することができる。
図10−1〜図10−4に示すように、CPU103は、特別図柄の可変表示が停止した後から次の可変表示が開始されるまでに設定確認状態に制御されたことに基づいて特図変動停止期間タイマの期間の計時を停止させ、設定確認状態が終了したことに基づいて特図変動停止期間タイマの期間の計時を再開させる。このようにすれば、設定確認をすぐに行うことができるとともに、設定確認状態において特別図柄の可変表示が停止した後から次の可変表示が開始される期間が減算されて遊技が進行してしまうことにより遊技者が不利になってしまうことを防止することができる。
(特徴部10Fに係る遊技機の変形例について)
以上、特徴部10Fを図面により説明してきたが、具体的な構成は本例で示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。以下に、特徴部10Fの変形例について説明する。
特別図柄や飾り図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた特殊可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特殊入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機(一種二種混合機)において適用してもよい。第2始動入賞口への始動入賞が検出されると、大当り判定が実行され、大当りとする判定結果となったときには、第2特図の変動表示が実行されて大当り表示結果となって大当り遊技状態に制御される等、第1始動入賞口への始動入賞に基づく大当りと同様の遊技制御が実行される。一方、大当りとしない判定結果となったときには、小当り判定が実行され、小当りとする判定結果となれば、第2特図の変動表示が実行されて小当り表示結果となって小当り遊技状態に制御され、小当り用の特殊可変入賞球装置が所定時間開放状態に制御される。小当り遊技状態で小当り用の特殊可変入賞球装置に遊技球が受け入れられ、かつ、その遊技球が特殊入賞口(V領域)に進入して所定スイッチにより検出されると、大当り用の可変入賞球装置が所定ラウンド回数に亘り開放される大当り遊技状態となる第二種大当り遊技制御が遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103により実行される。
このような一種二種混合機において、特殊入賞口(V領域)に進入した遊技球を有効と判定する有効期間を計時する小当り時間タイマを設けてもよい。CPU103は、小当り時間タイマにより特殊可変入賞球装置が開放状態から閉鎖状態となった後にも遅れて所定スイッチを通過した遊技球についても有効期間内の入賞と判定する。CPU103は、小当り時間タイマにより、特殊入賞口への入賞が有効に判定される期間を計時する。そして、CPU103は、小当り遊技状態となっているときに設定確認状態に制御されたことに基づいて、小当り時間タイマの有効期間の計時を停止させ、設定確認状態が終了したことに基づいて、小当り時間タイマの有効期間の計時を再開させるようにしてもよい。このようにすれば、設定確認をすぐに行うことができるとともに、設定確認状態において小当り遊技状態での制御が実行されて遊技が進行してしまうことにより遊技者が不利になってしまうことを防止することができる。
前述した実施形態では、設定確認状態について各種の制御が実行されていたが、図10−1〜図10−4に示すように、設定変更状態においても同様の制御が実行されるようにしてもよい。例えば、CPU103は、遊技者に有利な状態になっているとき等に設定変更状態に制御されたことに基づいて各種タイマの計時を停止させ、設定変更状態が終了したことに基づいて、各種タイマの計時を再開させるようにしてもよい。
特別図柄の可変表示が大当り表示結果となる場合と、はずれ表示結果となる場合とでタイマの制御を変えてもよい。具体的には、特別図柄の可変表示が大当り表示結果となる場合、設定確認状態に制御されたことに基づいて特図変動時間タイマの計時を停止させ、設定確認状態が終了したことに基づいて特図変動時間タイマの計時を再開させ、特別図柄の可変表示がはずれ表示結果となる場合には、設定確認状態に制御されたとしても特図変動時間タイマの計時を停止させないようにしてもよい。このようにすれば、遊技者にとって有利な状態となる大当り表示結果に関しては、遊技者に不利益を与えるためタイマを停止するが、はずれ表示結果に関しては遊技者に不利益とならないため、タイマを停止させないようにすることができる。制御の方法としては、設定値確認処理に伴う遊技停止開始処理が実行される前に現在の遊技状態が大当り表示結果となるかはずれ表示結果となるかを判定するようにすればよい。そして、はずれ表示結果の可変表示の実行中に設定確認が実行された場合には、はずれの可変表示の実行中は、特図変動時間タイマの計時を停止させずに、図柄停止期間となったときに、特図変動停止期間タイマを停止させるようにしてもよい。
遊技者にとって有利な設定値となる場合と、遊技者にとって不利な設定値となる場合とでタイマの制御を変えてもよい。例えば、遊技者に有利な設定値のときに設定確認状態となった場合には各種タイマを停止するが、遊技者に不利な設定値のときに設定確認状態となった場合には各種タイマを停止しないようにしてもよい。
(特徴部40Fに関する説明)
次に、特徴部40Fについて説明する。特徴部40Fは、設定変更状態中や設定確認状態中における演出制御コマンドの処理について特徴を有している。設定変更状態中や設定確認状態中において、静電気等に起因するノイズが発生する場合がある。このような場合に、意図せずに演出制御コマンドが主基板11から演出制御基板12に送信される可能性がある。このようなイレギュラーなコマンドを受信したときの処理について以下に説明する。
図11−1は、本実施の形態における特徴部40Fにおける演出制御コマンドを例示する図である。図11−1は、前述した図9−8(A)に示した演出制御コマンドの一覧に一部の演出制御コマンドが追加されている。追加されているコマンドは、コマンドF1XXHおよびコマンドF2XXHである。これらのコマンドは、第1始動入賞口、または、第2始動入賞口への始動入賞時における大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドF1XXHは、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドF2XXHは、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
図11−1に示す各種の演出制御コマンドは、CPU103により所定のタイミングで主基板11から演出制御基板12に対して送信される。各種の演出制御コマンドを受信したことにより演出制御用CPU120は、各種の処理を実行する。演出制御コマンドに基づいて演出制御用CPU120により実行される各種処理の中から一部の処理について説明する。
(変動パターン指定コマンドに基づく処理について)
演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5を動作させることにより、表示される飾り図柄の変動表示を行う。また、特別図柄の変動表示に対応して画像表示装置5に飾り図柄を縮小した態様の常時小図柄を設けてもよい。このような場合に、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5を動作させることにより、表示される常時小図柄の変動表示を行う。
(第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンドに基づく処理について)
変動表示を行う図柄として、飾り図柄、特別図柄、および、普通図柄に次ぐ第4の図柄として第4図柄を設けてもよい。第4図柄は、特別図柄(第1,第2特別図柄)が変動していることを示す図柄として、例えば、画像表示装置5のような表示装置において常に視認可能な態様で一定の動作により変動表示される。第4図柄が変動表示されることにより、飾り図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動体が画像表示装置5の画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われたりする等、飾り図柄が認識しにくくても、現在変動表示中の状態であるのか否かを認識することが可能となる。演出制御用CPU120は、第1変動開始コマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5を動作させることにより、第1特別図柄に対応する第4図柄の変動表示を行う。また、演出制御用CPU120は、第2変動開始コマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5を動作させることにより、第2特別図柄に対応する第4図柄の変動表示を行う。
(大入賞口開放中指定コマンドに基づく処理について)
大当り遊技中は、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な開状態(第1状態)に変化させるラウンド遊技が例えば、15回実行される。ラウンド遊技間は特別可変入賞球装置7が閉状態(第2状態)に制御されることにより、遊技球が大入賞口に入賞し難くなっている。演出制御用CPU120は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことに基づいて、特別可変入賞球装置7を開状態に制御する。また、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5を動作させることにより、大当り遊技状態中のラウンド数の表示を更新する。
(第1始動口入賞指定コマンド、第2始動口入賞指定コマンドに基づく処理について)
演出制御用CPU120は、第1始動口入賞指定コマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5を動作させることにより、RAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに記憶される第1保留情報に対応した保留表示を表示する。また、演出制御用CPU120は、第2始動口入賞指定コマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5を動作させることにより、RAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに記憶される第2保留情報に対応した保留表示を表示する。
(図柄指定コマンド、変動種別指定コマンドに基づく処理について)
演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドや変動種別指定コマンドの受信に基づき、入賞時フラッシュ演出や入賞時保留変化演出を行う。入賞時フラッシュ演出とは、始動入賞が発生した際に第1始動口の周辺に設けられたランプを発光させる演出である。演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドや変動種別指定コマンドによる保留情報により大当り期待度に基づいて入賞時フラッシュ演出の抽選をする。そして、抽選に当選した場合には、期待度に応じて異なる態様でランプが発光する。具体的に、演出制御用CPU120は、大当り期待度の高いものについては赤色発光をし、期待度がそれほど高くないものについては白色発光をし、抽選にはずれた場合やリーチを伴わないはずれ変動等にはランプを発光しないような制御を実行する。また、演出制御用CPU120は、入賞時フラッシュ演出とともに期待度に応じた音を出力する。なお、発光のみで音を出力しないように制御してもよい。
入賞時保留変化演出とは、始動入賞が発生した際に表示される保留表示の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出である。演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドや変動種別指定コマンドによる保留情報により大当り期待度に基づいて入賞時保留変化演出の抽選をする。そして、抽選に当選した場合には、入賞時の保留表示を通常の態様とは異なる態様により表示する。具体的には、大当り期待度の高いものから順に赤色、緑色、青色で保留表示を表示し、抽選にはずれた場合やリーチを伴わないはずれ変動等には通常態様の白色で保留表示を表示する。また、演出制御用CPU120は、入賞時保留変化演出とともに期待度に応じた音を出力する。なお、保留変化のみで音を出力しないように制御してもよい。
演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドや変動種別指定コマンドを受信したことに基づいて、ランプを発光させる制御することにより、入賞時フラッシュ演出を実行する。また、演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドや変動種別指定コマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5を動作させることにより、入賞時保留変化演出を実行する。なお、入賞時フラッシュ演出、入賞時保留変化演出のうちいずれか一方のみが実行されるようにしてもよい。また、入賞時には、音の出力のみによって期待度を示す演出が実行されるようにしてもよい。
次に、特徴部40Fにおいて実行される演出制御メイン処理について説明する。図11−2は、特徴部40Fにおける演出制御メイン処理を示すフローチャートである。図11−2においては、図9−29と同じ処理については同じ符号を付して説明を一部省略する。図11−2においては、図9−29における207SGS413〜207SGS415、および、207SGS417〜207SGS424に関する処理が削除されて、207SGS412の後にサブ側遊技停止処理が追加されている。
演出制御用CPU120は、設定値変更開始通知コマンドまたは設定値確認開始通知コマンドの受信が有るか否かを判定する(207SGS411)。設定値変更開始通知コマンドまたは設定値確認開始通知コマンドの受信が有る場合(207SGS411;Y)、即ち、パチンコ遊技機1が設定値変更状態や設定値確認状態で起動した場合は、設定値の変更操作中であることの報知(設定値変更中報知)や設定値の確認中であることの報知(設定値確認中報知)を実行するための設定値関連報知処理を実行する(207SGS412)。設定値関連報知処理においては、設定変値の更中であることを示す報知画像や設定値の確認中であることを示す報知画像が表示される。
207SGS412おいて設定値関連報知処理を実行した後は、サブ側遊技停止処理を実行する(40FS001)。サブ側遊技停止処理においては、設定変更状態中や設定確認状態中に主基板11から演出制御基板12に対して演出制御コマンドが送信された場合に演出制御用CPU120によって、遊技を停止するための処理が実行される。サブ側遊技停止処理の詳細は、図11−3において説明する。
40FS001においてサブ側遊技停止処理が実行された後は、設定値変更終了通知コマンドまたは設定値確認終了通知コマンドの受信があるか否かを判定する(207SGS416)。設定値変更終了通知コマンドまたは設定値確認終了通知コマンドの受信がない場合(207SGS416;N)207SGS412に進み、設定値変更終了通知コマンド及び設定値確認終了通知コマンドの受信がある場合(207SGS416;Y)は207SGS427に進む。
図11−3は、40FS001において実行される特徴部40Fにおけるサブ側遊技停止処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、CPU103によって主基板11から演出制御基板12に対して送信された演出制御コマンドをRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。そして、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファに格納されたコマンドを解析する。
サブ側遊技停止処理において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、第1変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(40FS010)。第1変動開始コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS011の処理へ移行する。第1変動開始コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において第1変動開始コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる第1特別図柄に対応する第4図柄の変動表示を行う制御を実行しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS011において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、第2変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。第2変動開始コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS012の処理へ移行する。第2変動開始コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において第2変動開始コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる第2特別図柄に対応する第4図柄の変動表示を行う制御を実行しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS012において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判定する。変動パターン指定コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS013の処理へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において変動パターン指定コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる飾り図柄の変動表示や常時小図柄の変動表示を行う制御を実行しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS013において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、大入賞口開放中指定コマンドを受信したか否かを判定する。大入賞口開放中指定コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS014の処理へ移行する。大入賞口開放中指定コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において大入賞口開放中指定コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる大当り遊技状態中のラウンド数の表示の更新を実行しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS014において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、第1始動入賞口指定コマンドを受信したか否かを判定する。第1始動入賞口指定コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS015の処理へ移行する。第1始動入賞口指定コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において第1始動入賞口指定コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる第1保留情報の保留表示を表示しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS015において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、第2始動入賞口指定コマンドを受信したか否かを判定する。第2始動入賞口指定コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS016の処理へ移行する。第2始動入賞口指定コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において第2始動入賞口指定コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる第2保留情報の保留表示を表示しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS016において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、図柄指定コマンドを受信したか否かを判定する。図柄指定コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS016の処理へ移行する。図柄指定コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において図柄指定コマンドを破棄することにより、ランプを発光させる制御による入賞時フラッシュ演出を実行しないようにすることができる。また、演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において図柄指定コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる入賞時保留変化演出を実行しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS017において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、変動種別指定コマンドを受信したか否かを判定する。変動種別指定コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS018の処理へ移行する。変動種別指定コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において変動種別指定コマンドを破棄することにより、ランプを発光させる制御による入賞時フラッシュ演出を実行しないようにすることができる。また、演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において変動種別指定コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる入賞時保留変化演出を実行しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS018において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、テストコマンドを受信したか否かを判定する。ここで、テストコマンドとは、工場出荷時等に遊技機に設けられている画面の状態や役物の状態を確認するためのコマンドを送る装置から演出制御基板12に直接送信されるコマンドである。テストコマンドを送信する場合には、テストコマンド送信専用の送信装置を演出制御基板12につなげた状態で各種のテストコマンドが送信される。
40FS018において、テストコマンドを受信していないと判定された場合には、40FS019の処理へ移行する。テストコマンドを受信したと判定された場合には、設定変更状態中や設定確認状態中であってもテストコマンドに応じた制御を実行する(40FS020)。例えば、演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において画像表示装置5の液晶をチェックするためのテストコマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5を動作させることにより所定のチェック画面を表示させる。このように、設定変更状態中や設定確認状態中であってもテストコマンドの受信に基づいた処理が実行されることとなる。その後、処理を終了する。
40FS019において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、設定変更終了通知コマンドまたは設定確認終了通知コマンド以外のその他のコマンドを受信したか否かを判定する(40FS019)。これらのコマンドは、例えば、図11−1に示すようなコマンドである。これらのコマンドを受信していないと判定された場合には、処理を終了する。これらのコマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中においてこれらのコマンドを破棄することにより、画像表示装置5等の所定の演出手段が演出を実行しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
(特徴部40Fの効果について)
図11−3に示すように、演出制御用CPU120は、設定変更状態に制御されているときに、変動パターン指定コマンドを受信したとしても変動パターン指定コマンドを破棄するため、当該変動パターン指定コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定変更状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図11−3に示すように、演出制御用CPU120は、設定確認状態に制御されているときに、変動パターン指定コマンドを受信したとしても変動パターン指定コマンドを破棄するため、当該変動パターン指定コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定確認状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図11−3に示すように、演出制御用CPU120は、設定変更状態に制御されているときに、第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンドを受信したとしても第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンドを破棄するため、当該第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定変更状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図11−3に示すように、演出制御用CPU120は、設定確認状態に制御されているときに、第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンドを受信したとしても第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンドを破棄するため、当該第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定確認状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図11−3に示すように、演出制御用CPU120は、設定変更状態に制御されているときに、大入賞口開放中指定コマンドを受信したとしても大入賞口開放中指定コマンドを破棄するため、当該大入賞口開放中指定コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定変更状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図11−3に示すように、演出制御用CPU120は、設定確認状態に制御されているときに、大入賞口開放中指定コマンドを受信したとしても大入賞口開放中指定コマンドを破棄するため、当該大入賞口開放中指定コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定確認状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図11−3に示すように、演出制御用CPU120は、設定変更状態に制御されているときに、第1始動入賞口指定コマンド、第2始動入賞口指定コマンドを受信したとしても第1始動入賞口指定コマンド、第2始動入賞口指定コマンドを破棄するため、当該第1始動入賞口指定コマンド、第2始動入賞口指定コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定変更状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図11−3に示すように、演出制御用CPU120は、設定確認状態に制御されているときに、第1始動入賞口指定コマンド、第2始動入賞口指定コマンドを受信したとしても第1始動入賞口指定コマンド、第2始動入賞口指定コマンドを破棄するため、当該第1始動入賞口指定コマンド、第2始動入賞口指定コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定確認状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図11−3に示すように、演出制御用CPU120は、設定変更状態に制御されているときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンドを破棄するため、当該図柄指定コマンド、変動種別コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定変更状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても入賞時ランプや画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図11−3に示すように、演出制御用CPU120は、設定確認状態に制御されているときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンドを破棄するため、当該図柄指定コマンド、変動種別コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定確認状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても入賞時ランプや画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図11−3に示すように、演出制御用CPU120は、CPU103からのコマンドの解析をするが、その後、40FS021のように受信したコマンドを破棄する。このようにすれば、設定変更状態や設定確認状態においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。また、受信したコマンドが破棄されることで情報が残らないため設定変更状態や設定確認状態が終了したとしても誤ったコマンドが残らず、誤動作が実行されることがない。
図11−2に示すように、設定値変更開始通知コマンドを受信したことに基づいて、設定変更状態であることを報知する画像を表示する設定をし、設定値確認開始通知コマンドを受信したことに基づいて、設定確認状態であることを報知する画像を表示する設定をする。このようにすれば、設定変更状態や設定確認状態に制御されていることを示すことができるとともに、設定変更状態や設定確認状態においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図11−3の40FS020に示すように、設定変更状態や設定確認状態に制御されているときであっても、テストコマンドに応じた制御を実行する。このようにすれば、設定変更状態または設定確認状態に制御されているときであっても、テストコマンドに基づいた画像表示装置5等の所定の演出手段の動作を実行することができる。
(特徴部40Fに係る遊技機の変形例について)
以上、特徴部40Fを図面により説明してきたが、具体的な構成は本例で示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。以下に、特徴部40Fの変形例について説明する。
前述した実施形態において、演出制御用CPU120は、設定変更状態または設定確認状態に制御されているときに、送信されるコマンド毎に演出制御コマンド受信用バッファの解析を実行していた。しかしながら、コマンドを順に解析し、1つ1つ破棄をしていくのではなく、所定条件の成立により演出制御コマンド受信用バッファに格納されている全てのコマンドを破棄するようにしてもよい。例えば、設定変更状態が終了したことに基づいて、CPU103により主基板11から演出制御基板12に対して初期化コマンドが送信されるようにすればよい。そして、初期化コマンドを受信したことに基づいて、演出制御コマンド受信用バッファに格納されているコマンドを全て破棄するようにしてもよい。また、設定確認状態においても所定のコマンドを受信したことに基づいて演出制御コマンド受信用バッファに格納されているコマンドを全て破棄するようにしてもよい。
前述した実施形態において、設定変更状態または設定確認状態に制御されているときに、設定変更や設定確認に関するコマンド以外の演出制御コマンドが受信されたとしても演出制御コマンドに基づく処理が実行されない場合について説明した。しかし、設定変更状態または設定確認状態に制御されているときに演出制御コマンドが受信されたことに基づく処理が内部的に実行されるようにしてもよい。このような場合であっても設定変更状態または設定確認状態に制御されているときに実行される制御の方が、それ以外の演出制御コマンドを受信したことに基づく制御よりも優先順位が高いため、画像表示装置5の画面では、見た目上、設定変更状態や設定確認状態による画像が表示される。なお、音に関しては、設定変更状態中や設定確認状態中では、設定変更状態中や設定確認状態中の報知音を出力するチャンネル以外のチャンネルを消音すればよい。
前述した実施形態において、設定変更状態または設定確認状態に制御されているときに受信したコマンドを解析する処理を実行していた。しかし、設定変更状態または設定確認状態に制御されているときは、コマンドを受信したとしても解析しないようにしてもよい。
前述した実施形態において、演出制御コマンドを受信しときに演出制御用CPU120により動作する所定の演出手段として、画像表示装置5や入賞時のランプについて説明した。しかし、所定の演出手段は、演出制御手段120がコマンドの受信に基づいて実行されるものであればどのようなものであってもよい。例えば、遊技者が操作する操作手段や遊技機に設けられた可動部材を所定の演出手段としてもよい。このような場合には、所定のコマンドの受信により操作手段が振動したり可動部材が動作したりするときに、設定変更状態中や設定確認状態中にこれらの動作の実行のためのコマンドが受信されたとしても当該コマンドを破棄する制御を実行すればよい。
前述した実施形態において、設定変更状態中や設定確認状態中に設定値変更終了通知コマンドや設定値確認終了通知コマンドのような設定変更状態や設定確認状態を終了させるためのコマンド以外のコマンドを受信しないように制御してもよい。
前述した実施形態において、画像表示装置5を動作させる制御とともに遊技機に設けられるランプを発光させたり、スピーカから音を出力させてもよい。このような場合には、設定変更状態中や設定確認状態中にこれらの演出手段が動作しないようにランプやスピーカに関するコマンドを受信したときに当該コマンドを破棄するようにすればよい。
前述した実施形態においては、図柄指定コマンドや変動種別コマンドを受信したことに基づく予告演出が実行される場合について説明した。しかしながら、実行される予告演出はいずれか一方のコマンドの受信により実行されるものであってもよいし、始動入賞の発生により変動パターンコマンドに関するコマンドが送信される場合には、当該変動パターンに関するコマンドに基づいて予告演出が実行されるようにしてもよい。このような場合には、設定変更状態中や設定確認状態中に変動パターンに関するコマンドを受信したとしてもそのコマンドを破棄すればよい。
前述した実施形態において、設定変更状態中や設定確認状態中に図柄指定コマンドや変動種別コマンドを受信したことに基づいて、実行する予告の抽選を実行してもよい。そして、実際に予告を実行可能か否かを判断するタイミングで実行不可能と判断することにより、各種の予告を実行しないようにしてもよい。また、入賞時以外の連続した変動表示における先読み予告演出を実行する場合には、設定変更状態中や設定確認状態中に図柄指定コマンドや変動種別コマンドを受信したことに基づいて予告の抽選を実行し、予告を実際に開始するタイミングで設定変更状態や設定確認状態が終了している場合には、受信したコマンドに基づいた予告を実行してもよい。
前述した実施形態においては、40FS001内の40FS021の処理において受信したコマンドが破棄される場合について説明した。しかしながら、受信したコマンドを破棄するタイミングは、設定値変更終了通知コマンドまたは設定値確認終了通知コマンドの受信あり(207SGS416;Y)と判定された後のタイミングであってもよい。このようにすれば、複数のイレギュラーなコマンドを受信していた場合に一気にコマンドを破棄することができる。
前述した実施形態においては、設定変更状態中や設定確認状態中に一度イレギュラーなコマンドを受信した際には、それ以降に別のイレギュラーなコマンドを受信しないように制限をかけるようにしてもよい。
(特徴部092F、093Fに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部092F、093Fについて説明する。
特徴部092Fについては、CPU103が、入賞時乱数値判定処理(S101の始動入賞判定処理内で実行される処理)および特別図柄通常処理(S110)において、設定値情報を確認して、現在の設定値に対応した当否判定テーブルを読出し、その当否判定テーブルのデータに基づいて、現在の遊技状態から判定値の範囲を特定し、特定された判定値と、始動入賞時に保留記憶された乱数値MR1とを比較することにより、大当りに関する当否を判定する例を主に説明する。
特徴部093Fについては、CPU103が、設定値の格納時に、設定値に対応した当否判定テーブルを予め記憶設定しておき、入賞時乱数値判定処理(S101の始動入賞判定処理内で実行される処理)および特別図柄通常処理(S110)において、予め設定値に対応して記憶された当否判定テーブルでの判定値の情報を参照し、その当否判定テーブルのデータに基づいて、現在の遊技状態から判定値の範囲を特定し、特定された判定値と、始動入賞時に保留記憶された乱数値MR1とを比較することにより、大当りに関する当否を判定する例を主に説明する。
さらに、特徴部092F、093Fについては、変動表示の開始条件が成立する前に大当り遊技状態に制御される否かを判定するときと、変動表示の開始条件が成立したときに大当り遊技状態に制御されるか否かを判定するときとで、共通の判定処理を実行する例も説明する。
特徴部092Fの技術と特徴部093Fの技術との主な相違点は、特徴部092Fが大当りの判定等に用いる当否判定テーブルが、設定値(前述の設定値1〜設定値6)の格納時(例えば207SGSa071等)に選択されるのではなく、実際の大当り判定時に選択されて用いられる技術であり、一方、特徴部093Fが大当りの判定等に用いる当否判定テーブルが、設定値の格納時(例えば207SGSa071等)に選択されて用いられる技術であることである。
特徴部092F、093Fでは、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかの大当りに選択決定される設定を一例として説明する。なお、大当り種別は、このような複数の種別の組合せとは異なる複数の種別の組合せから選択決定可能となるようにしてもよい。
また、特徴部092F、093Fでは、特別図柄(飾り図柄)の変動表示の変動パターンを決定する処理の例として、CPU103が、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数の変動パターンのうちから実行する変動パターンを決定する処理を実行する例を説明する。
なお、特徴部092F、093Fにおいては、特別図柄の変動表示の変動パターンを決定する処理の例として、変動パターン種別決定用の乱数値と、変動パターン決定用の乱数値とを設けてもよい。そして、CPU103が、変動パターン種別決定用の乱数値に基づいて、複数種類の変動パターン種別のうちから変動パターン種別を先に決定した後、変動パターン決定用の乱数値に基づいて、決定した変動パターン種別に属する複数の変動パターンのうちから実行する変動パターンを決定する処理を実行するようにしてもよい。
この実施の形態では、CPU103が、入賞時乱数値判定処理(図12−1参照)において、始動入賞の発生に基づき、特図表示結果決定用の乱数値MR1に応じて可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当り種別決定用の乱数値MR2に応じて大当りの種別がいずれの種別になるか、変動パターン決定用の乱数値MR3がいずれの変動パターンの決定値になるかを判定する。そして、入賞時乱数値判定処理においては、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドのEXTデータに、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。入賞時乱数値判定処理においては、変動パターン判定用乱数値MR3の値に基づいて決定された変動パターンを通知する入賞時変動パターン通知コマンドのEXTデータに変動パターンの判定結果としての乱数値MR3に対応する変動パターンを指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、入賞時変動パターン通知コマンドに設定されている値に基づいて、変動パターンを認識できる。なお、演出制御基板12において、入賞時変動パターン通知コマンドから可変表示結果を特定する場合には、図柄指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、可変表示結果通知コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
〔特徴部092Fの制御〕
特徴部092Fにおいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、特別図柄通常処理(図5のS110、図12−2)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、変動パターン設定処理(図5のS111)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定が行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103が図5のS101において、図12−1の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄が導出表示するか否かの判定を乱数値MR1に基づいて行うとともに、飾り図柄の変動パターンの判定を乱数値MR3に基づいて行うこと等を行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120等により、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図12−1は、入賞時乱数値判定処理として、図15のS101(以下、フローチャートについて、「ステップS」は「S」という略称で説明する)にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図12−1に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部等に設けられた確変フラグ等の状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(92FS001)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定すればよい。
92FS001の処理に続いて、大当りの判定および小当りの当否判定を行うことが可能である当否判定モジュールを実行する(92FS002)。当否判定モジュールは、大当り等の当否判定を行うサブルーチンプログラムである。具体的には、現在格納されている設定値に対応する大当り当選確率(大当り確率)および小当り当選確率(小当り確率)等の設定値に関する情報である設定値情報に基づき当否判定テーブルを複数種類のテーブルのうちから選択する処理である。次に、当否判定モジュールの判定結果により、特図表示結果が「大当り」と判定されたか否かを確認する(92FS003)。
92FS003にて「大当り」でない場合には(92FS003;No)、当否判定モジュールの判定結果により、特図表示結果が「小当り」と判定されたか否かを確認する(92FS004)。92FS004にて「小当り」でない場合には(92FS004;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(92FS005)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「00H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
92FS004にて「小当り」である場合には(92FS004;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(92FS006)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「03H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。図柄指定コマンドは、始動入賞時において、大当り判定および小当り判定のような当否判定による判定結果に基づいて、大当り、小当り、ハズレのような当否判定の判定結果に加え、大当り種別の判定結果を示すことが可能なコマンドである。
92FS003にて大当りである場合には(92FS003;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(92FS007)。このとき、CPU103は、始動入賞時の保留データ記憶時において「第1特図」と「第2特図」とのどちらの始動入賞であるかを区別可能なデータである始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブルを構成するテーブルデータから変動特図に対応する大当り種別決定用テーブルデータを選択する。大当り種別決定用テーブルは、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき大当り種別を「非確変」、「確変」のような複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルであり、「第1特図」に対応するテーブルデータと「第2特図」に対応するテーブルデータとが設けられており、「始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(可変表示をする特図)に対応して、いずれかのデータテーブルが選択されて、大当り種別判定のために用いられる。
次に、92FS007の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(92FS008)。一例として、92FS008にて大当り種別が「確変」の大当りに決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「01H」とし、大当り種別が「非確変」の大当りに決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「02H」とすればよい。
92FS005、92FS006、92FS008の処理のいずれかを実行した後には、保留データから乱数値MR3を示す数値データを読出し、複数種類の変動パターンのうちから実行する変動パターンを選択決定するために設けられた変動パターン決定テーブルを用いて、読出した乱数値MR3の数値データに応じた変動パターンを判定(決定)する(92FS009)。そして、92FS009による判定結果に応じた変動パターンを指定する入賞時変動パターン指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(92FS010)。
図12−2は、特別図柄通常処理として、図5のS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12−2に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(92FS020)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、92FS020の処理では、遊技制御カウンタ設定部に記憶されている第2保留記憶数カウント値(第2保留記憶数を計数するカウンタの計数値)を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
92FS020にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(92FS020;No)、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(92FS021)。このとき読み出された数値データは、例えばRAM102に設けられた変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。第2特図保留記憶部では、最大4つの保留データについて、古いデータから順番に保留番号「1」〜「4」が付与されている。この場合の保留番号「1」の保留データは、最も古いデータであり、新たな可変表示に用いられることとなるデータである。
92FS021の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(92FS022)。また、92FS022の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて合計保留記憶数カウンタ(第1特図および第2特図の保留記憶数の合計数を計数するカウンタ)が記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、可変表示をする特図が第1特図と第2特図とのいずれであるかを特定可能な変動特図指定バッファ値(変動特図指定バッファの格納値である)を「2」に更新する(92FS023)。
92FS020にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(92FS020;Yes)、第1特図保留記憶数(第1保留記憶数を計数するカウンタの計数値)が「0」であるか否かを判定する(92FS024)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、92FS024の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、92FS024の処理は、92FS020にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図とのいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
92FS024にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(92FS024;No)、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(92FS025)。このとき読み出された数値データは、例えばRAM122の変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。第1特図保留記憶部では、最大4つの保留データについて、古いデータから順番に保留番号「1」〜「4」が付与されている。この場合の保留番号「1」の保留データは、最も古いデータであり、新たな可変表示に用いられることとなるデータである。
92FS025の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(92FS026)。また、92FS026の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて合計保留記憶数カウンタ(保留記憶数の合計数を計数するカウンタ)が記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(92FS027)。
92FS023、92FS027の処理のいずれかを実行した後には、現在の設定値情報に基づき当否判定テーブルを複数種類のテーブルのうちから選択して大当りの当否判定を行うとともに、小当りの当否判定を行うことが可能である92FS002と同様の当否判定モジュールを実行する(92FS028)。
そして、当否判定モジュールの判定結果により、特図表示結果が「大当り」と判定されたか否かを確認する(92FS029)。そして、92FS029にて「大当り」である場合には(92FS029;Yes)、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(92FS030)。このときに、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブルを構成するテーブルデータから変動特図に対応する大当り種別決定用テーブルデータを選択する(92FS031)。この大当り種別決定用テーブルは、前述の92FS007で用いられるデータと同じテーブルである。
次に、92FS031で選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する(92FS032)。具体的に、大当り種別決定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが、「非確変」、「確変」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する。
92FS032の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、非確変状態と、非確変状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するか、および、大当り遊技状態の開放パターンが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定すること等により(92FS033)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とすればよい。
92FS029にて「大当り」ではない場合には(92FS029;No)、当否判定モジュールの判定結果により、特図表示結果が「小当り」と判定されたかを確認する(92FS034)。そして、「小当り」であるときには(92FS034;Yes)、遊技制御フラグ設定部に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(92FS035)。
92FS034にて「小当り」ではない場合や(92FS034;No)、92FS033、92FS035の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(92FS036)。一例として、92FS034にて特図表示結果が「小当り」ではない場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、92FS034にて特図表示結果が「小当り」である場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、92FS029にて特図表示結果が「大当り」である場合には、92FS032における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
92FS036にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(92FS037)、特別図柄通常処理を終了する。92FS024にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(92FS024;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(92FS038)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図12−3は、特図表示結果判定用乱数の判定値範囲を示す図である。図12−3(A)は、設定値1〜設定値3における大当り判定値および小当り判定値の範囲を示す図である。図12−3(B)は、設定値3の低確率時と高確率時とにおける判定値の範囲を示す図である。図12−3(C)〜(E)は、その他の変形例を示す図である。
前述した図9−11〜図9−12に示すように、設定値1〜設定値6に応じて異なる表示結果判定テーブルが用いられる。図9−11〜図9−12の表示結果判定テーブルに示すように、設定値に応じて大当り表示結果となる判定値の範囲が異なっている。図12−3(A)では、この判定値のうち、設定値1〜設定値3について説明する。
図12−3(A)に示すように、特図表結果判定用の乱数値MR1は、0〜65535の範囲で乱数値の範囲が設定されている。設定値1では、このような乱数値MR1のうち1020〜1237の範囲が大当り判定値として設定され、65208〜65535の範囲が小当り判定値として設定されている。また、設置値2では、乱数値MR1のうち1020〜1253の範囲が大当り判定値として設定され、65208〜65535の範囲が小当り判定値として設定されている。また、設置値3では、乱数値MR1のうち1020〜1272の範囲が大当り判定値として設定され、65208〜65535の範囲が小当り判定値として設定されている。大当り判定値および小当り判定値以外の判定値は、はずれに設定されている。
図12−3(A)に示すように、大当りの判定値は、設定値が高くなるにつれて範囲が増加するように設定されているが、大当りの基準値となる1020の判定値は設定値によらずに共通である。このような大当りの基準値となる判定値は、図12−3(A)に示す設定1〜3に限らず全設定で共通である。また、小当りの判定値の範囲が全設定で共通(一定)であるとともに、設定値によらず65208の判定値が小当りの基準値となるように設定されている。
このように、大当り判定をするための判定値の基準値となる大当り基準値が全設定で共通であるため、大当り判定を実行する当否判定モジュールにおいて処理負担を低減させることができ、メイン側の制御負担を軽減することができる。具体的には、大当り判定をするための判定値が飛び飛びの範囲で設定されている場合には、抽出した乱数値と判定値とを比較するための処理が複雑になってしまうが、図12−3(A)に示すような判定値の範囲が設定されている場合には、予め決められた基準値から判定値を連続して比較することができるため処理が複雑になってしまうことを防止できる。
次に、図12−3(B)について説明する。図12−3(B)は、設定値3の低確率時と高確率時とにおける判定値の範囲を説明するための図である。図9−11〜図9−12に示すように、遊技状態により大当り表示結果となる判定値の範囲が異なっている。具体的には、通常状態または時短状態のような低確率時には、確変状態のような高確率時と比べ判定値の範囲が狭くなっている。また、全設定において、低確率時の方が高確率時よりも設定値の範囲が狭くなるようになっている。
図12−3(B)に示すように、同じ設定値3において、低確時には、乱数値MR1のうち1020〜1272の範囲が大当り判定値として設定され、高確時には、乱数値MR1のうち1020〜1348の範囲が大当り判定値として設定されている。このように、設定値が同じ場合に判定値の範囲は低確時と高確時とで異なっている。しかし、図12−3(B)に示すように、大当り基準値となる判定値は、1020で遊技状態によらず同じである。よって、大当り判定を実行する当否判定モジュールにおいて処理負担を低減させることができ、メイン側の制御負担を軽減することができる。
図12−3(C)は、第1変形例における判定値の範囲を示す図である。図12−3(C)に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄とにおいて、大当り判定値の範囲は同じであるが、小当り判定値の範囲を第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも多くしてもよい。なお、小当りの判定値の範囲が変わったとしても小当り基準値となる判定値は、10000で特別図柄によらず同じである。
図12−3(D)は、第2変形例における判定値の範囲を示す図である。図12−3(D)に示すように、大当り判定値の範囲のすぐ後に小当り判定値が設定されていてもよい。例えば、設定値2においては、乱数値MR1のうち1020〜1253の範囲が大当り判定値として設定され、そのすぐ後の1254〜1581の範囲が小当り判定値として設定されている。また、設定値3においては、乱数値MR1のうち1020〜1272の範囲が大当り判定値として設定され、そのすぐ後の1273〜1600の範囲が小当り判定値として設定されている。このような場合であっても、大当り基準値となる判定値は、1020で設定値によらず同じである。
図12−3(E)は、第3変形例における判定値の範囲を示す図である。図12−3(E)に示すように、大当り判定値の範囲が設定値2の場合は、連続して設定されているが、設定値3の場合は、飛び飛びで設定されているようにしてもよい。例えば、設定値2においては、乱数値MR1のうち1020〜1253の範囲が大当り判定値として設定され、間を空け1300〜1627の範囲が小当り判定値として設定されている。また、設定値3においては、乱数値MR1のうち1020〜1253の範囲が大当り判定値として設定され、間を空け1300〜1627の範囲が小当り判定値として、さらに間を空け60000〜60019が大当り判定値として設定されている。このような場合であっても、大当り基準値となる判定値は、1020で設定値によらず同じである。また、小当り基準値となる判定値も、1300で設定値によらず同じである。なお、設定値2の大当り判定値を基準として説明しているが、設定値1を大当り基準値として設定し、設定値2以外の大当り判定値の値が飛び飛びの範囲で設置されるようにしてもよい。
特徴部092F、093Fでは、大当りとするか否かの大当り判定および小当りとするか否かの小当り判定に関する当否判定をするためのモジュール(サブルーチン)としての当否判定モジュールが実行されるときに、図12−3(A)に示すような設定値情報に基づいて大当り判定値および小当り判定値の範囲が異なり、かつ、図12−3(B)に示すように低確率時および高確率時のような遊技状態に基づいて大当り判定値および小当り判定値の範囲が異なるようにデータが設定された複数種類の当否判定テーブルが選択的に用いられる。
当否判定テーブルは、設定値1〜設定値6の各設定値に対応して、当否判定テーブルが設けられている。具体的に、各設定値に対応した当否判定テーブルでは、遊技状態に基づいて大当り判定値および小当り判定値の範囲が異なるようにデータが設定されている。例えば、図12−3(B)に示すような低確率時の判定値が設定された当否判定テーブルと、高確率時の判定値が設定された当否判定テーブルとが、RAM102の当否判定テーブル記憶領域に記憶されている。
特徴部092Fの場合、このような当否判定テーブルは、例えばパチンコ遊技機1の起動時のような設定値の格納時に予め選択されて設定されずに、実際の当否判定の実行時に、RAM102の当否判定テーブル記憶領域から現在の設定値に応じたテーブルが選択されて当否判定に用いられる。一方、特徴部093Fの場合、このような当否判定テーブルは、例えばパチンコ遊技機1の起動時のような設定値の格納時に、当否判定に用いるテーブルがRAM102の当否判定テーブル記憶領域から予め選択されて、RAM102の使用テーブル記憶領域に記憶設定され、そのように予め記憶設定されたテーブルが実際の当否判定の実行時に用いられる。
図12−4は、特徴部092Fによる図12−1の92FS002および図12−2の92FS028で実行される当否判定モジュールの処理の一例を示すフローチャートである。
図12−1の92FS002および図12−2の92FS028で実行される当否判定モジュールは、図12−4に示すように、共通の処理(判定処理)が実行される。CPU103は、大当りの当選確率および小当りの当選確率等の設定値の情報としての設定値情報について、当否判定モジュールでの当否判定を実行する毎に、当否判定時の設定値情報を特定可能なデータを、次回の当否判定時において、「前回の当否判定時の設定値情報」として参照するために、「前回の当否判定時の設定値情報」のデータとして毎回更新する態様でRAM102の前回記憶領域に記憶する。
当否判定モジュールにおいては、まず、パチンコ遊技機1の起動時に設定され、RAM102に記憶された設定値情報を今回の設定値情報として読出すとともに、前述のように前回記憶領域に記憶された前回の当否判定時の設定値情報を読出し、これらが一致するか否かを確認することにより、今回の設定値情報が前回の当否判定時の設定値情報と同じであるか否かを判定する設定値情報一致判定をする(92FS050)。このように、1回の可変表示を実行するごとに、今回の設定値情報が前回の当否判定時の設定値情報と同じであるか否かの照合が行われる。このような設定値情報一致判定をするのは、例えば、パチンコ遊技機1が設置される遊技店においては、各種のノイズが発生し、このようなノイズにより、起動時に設定記憶された正常な設定値情報のデータが壊れて異常な設定値情報のデータに変化する場合があり、また、設定値情報を記憶している領域自体が物理的に壊れて正常なデータが記憶されなくなる場合がある等の理由による。
92FS050の設定値情報一致判定において設定値情報が同じでないときは、設定値情報が異常であるので、設定値に異常が生じたことを特定可能な情報としての設定値異常エラー情報を特定可能なコマンドを主基板11から演出制御基板12に送信する(92FS055)。そして、現在実行中の遊技制御の進行を停止させる(例えば遊技制御プログラムを停止させること等)ことにより遊技を停止する処理を行い(92FS056)、処理を終了する。これにより、遊技の継続が不可能となる。演出制御基板12では、設定値異常エラー情報を特定可能なコマンドを受信したときに、設定値が異常となった旨を報知するエラー情報を表示する処理等のエラー関連処理を実行する。
92FS056によって遊技を停止する処理が実行されて遊技が停止した後、パチンコ遊技機1で再度遊技を実行する場合には、一旦パチンコ遊技機1の電源を切断した後、電源を投入して再度起動するときに、前述の設定変更処理を実行しなければ、遊技停止状態が解消できないようにすればよい。
一方、92FS050の設定値情報一致判定において設定値情報が同じであるときは、設定値情報が正常であるので、前述のように設定値情報および遊技状態に応じて複数種類設けられた当否判定テーブルのうちから、設定値情報により特定可能な現在の設定値に対応した当否判定テーブル(低確率時当否判定テーブルおよび高確率時当否判定テーブル)を選択して読出す(92FS051)。
そして、読出した当否判定テーブルのデータに基づいて、現在の遊技状態(低確率状態または高確率状態)から、大当り判定値および小当り判定値のそれぞれについて、前述のような共通の基準値からの判定値の範囲(大当り判定値の範囲、小当り判定値の範囲)を特定する(92FS052)。例えば、現在の遊技状態が高確率状態のときは、高確率時当否判定テーブルを選択し、そのテーブルから、大当り判定値の範囲および小当り判定値の範囲を特定する。当否判定テーブルは、例えば、前述した図9−11,図9−12で示した設定値に応じた表示結果判定テーブルが用いられればよい。
次に、入賞時乱数値判定処理または特別図柄通常処理において読出された乱数値MR1の数値データと、92FS052で特定された共通の基準値からの判定値の範囲とを比較することにより、大当り判定および小当り判定に関する当否を判定する(92FS053)。具体的には、乱数値MR1の数値データが大当り判定値の範囲内の数値データと一致する場合には大当りとする判定をし、乱数値MR1の数値データが小当り判定値の範囲内の数値データと一致する場合には小当りとする判定をし、乱数値MR1の数値データが大当り判定値の範囲内および小当り判定値の範囲内以外の範囲の数値データと一致する場合にはハズレとする判定をする。そして、92FS053での当否判定の判定結果を、呼び出し元の入賞時乱数値判定処理または特別図柄通常処理に出力し(92FS054)、処理を終了する。
このような当否判定モジュールは、図12−1の入賞時乱数値判定処理と、図12−2の特別図柄通常処理とで共通の処理として実行され、共通に設けられた当否判定テーブルを、設定値情報および現在の遊技状態に応じて選択的に用いて、大当り判定および小当り判定を実行することができる。
〔特徴部093Fの制御〕
特徴部093Fの制御が、特徴部092Fの制御と異なるのは、次の点である。
図9−22の設定値変更処理における207SGSa071のステップ等で、格納される設定値に対応して、当否判定に用いるテーブルがRAM102の当否判定テーブル記憶領域から予め選択されて読出され、RAM102の使用テーブル記憶領域に記憶設定される。特徴部093Fの制御は、図12−1の入賞時乱数値判定処理および図12−2の特別図柄通常処理において、共通の処理として実行される当否判定モジュール(92FS002、92FS028)の処理内容の一部が特徴部092Fの制御と異なる。具体的には、当否判定モジュールでの当否判定に用いられる当否判定テーブルが、前述のように設定値の設定変更処理時において、使用テーブル記憶領域に記憶設定された当否判定テーブルが読出されて、当否判定に用いられる。
特徴部093Fの制御において、図12−1の入賞時乱数値判定処理および図12−2の特別図柄通常処理の流れは、特徴部093Fの制御と同様である。そして、特徴部093Fの制御においては、92FS002、92FS028で実行される当否判定モジュールの処理内容が図12−5のように特徴部092Fの制御と一部異なる。
図12−5は、特徴部093Fによる当否判定モジュールの処理の一例を示すフローチャートである。図12−5の当否判定モジュールにおいては、図12−4の当否判定モジュールの92FS050〜92FS056に対応する処理が、93FS001〜93FS007として示されている。図12−5の当否判定モジュールが図12−4の当否判定モジュールと異なるのは、93FS002の処理である。
93F002では、前述のようにして、図9−22の設定値変更処理時(207SGSa071)において設定値に対応して選択されて使用テーブル記憶領域に記憶設定された当否判定テーブル(低確率時当否判定テーブルおよび高確率時当否判定テーブル)が、読出される。当否判定テーブルは、例えば、前述した図9−11,図9−12で示した設定値に応じた表示結果判定テーブルが用いられればよい。そして、このように、読出された当否判定テーブルのデータに基づいて、現在の遊技状態(低確率状態または高確率状態)から、大当り判定値および小当り判定値のそれぞれについて、前述のような共通の基準値からの判定値の範囲(大当り判定値の範囲、小当り判定値の範囲)を特定する処理が実行される(93FS003)。その他の処理は、図12−4の当否判定モジュールと同様である。
なお、特徴部93Fでは、図9−22の設定値変更処理時(207SGSa071)において、設定値に対応して当否判定テーブル自体のデータを記憶しておき、その後、当否判定モジュールにおいて当否判定テーブルを読出して当否判定に用いる例を示した。しかし、これに限らず、図9−22の設定値変更処理時(207SGSa071)において、設定値に対応して当否判定テーブル自体のデータは記憶せずに、設定値に対応する当否判定テーブルを特定するための当否判定テーブル特定情報(例えばテーブル番号指定情報)を記憶しておき、その後、当否判定モジュールにおいて、記憶しておいた当否判定テーブル特定情報に基づいて、当否判定テーブル自体のデータを選択して読出し、当否判定に用いるようにしてもよい。
〔特徴部092F,093Fの主な構成および効果〕
次に、前述した特徴部092F,093Fの主な構成および効果を説明する。
[1] 特徴部092Fでは、設定値1〜6のいずれであるかを特定するための設定値情報を記憶するパチンコ遊技機で、図12−1の92FS002、図12−1の92FS028、図12−4の92FS050〜92FS053等に示すように、入賞時乱数値判定処理および特別図柄通常処理において、設定値情報を確認して、現在の設定値に対応した当否判定テーブルを読出し、その当否判定テーブルのデータに基づいて、現在の遊技状態から判定値の範囲を特定し、特定された判定値と、始動入賞時に保留記憶された乱数値MR1とを比較することにより、大当りに関する当否を判定する。これにより、複数段階の設定値が設定されたパチンコ遊技機1における大当りの判定の際に、大当り遊技状態の判定を好適に行うことができる。例えば、当否判定をするときに、毎回設定値情報を確認して判定値を設定することで、毎回設定値情報を確認せずに判定値を設定するものと比較して、当否判定をするときの安全性を担保することができる。また、入賞時乱数値判定処理のように特図ゲームの可変表示の開始条件が成立する前に大当り遊技状態に制御されるか否かを判定するときと、特別図柄通常処理のように特図ゲームの可変表示の開始条件が成立したときに大当り遊技状態に制御されるか否かを判定するときとで、共通の判定処理が実行される。これにより、大当りの判定の際の処理負担を低減させることができる。
[2] 特徴部093Fでは、設定値1〜6のいずれかの設定値に設定されたことに基づいて、設定値に対応した当否判定テーブルのような判定値情報を記憶するパチンコ遊技機で、設定値の格納時に、設定値に対応した当否判定テーブルを予め記憶設定しておき、図12−1の92FS002、図12−1の92FS028、図12−5の93FS001〜93FS004等に示すように、入賞時乱数値判定処理および特別図柄通常処理において、予め設定値に対応して記憶された当否判定テーブルでの判定値の情報を参照し、その当否判定テーブルのデータに基づいて、現在の遊技状態から判定値の範囲を特定し、特定された判定値と、始動入賞時に保留記憶された乱数値MR1とを比較することにより、大当りに関する当否を判定する。これにより、複数段階の設定値が設定されたパチンコ遊技機1における大当りの判定の際に、大当り遊技状態の判定を好適に行うことができる。例えば、当否判定をするときに、予め設定値に対応した当否判定テーブルを用いて判定値の情報を参照して当否判定をすればよいので、設定値の情報を特定し、対応する判定値を設定して当否判定をする場合と比較して、当否判定に関する処理負担を軽減することができる。また、入賞時乱数値判定処理のように特図ゲームの可変表示の開始条件が成立する前に大当り遊技状態に制御されるか否かを判定するときと、特別図柄通常処理のように特図ゲームの可変表示の開始条件が成立したときに大当り遊技状態に制御されるか否かを判定するときとで、共通の判定処理が実行される。これにより、大当りの判定の際の処理負担を低減させることができる。
[3] 図12−3(A)等に示すように、当否判定モジュールが判定する判定値の範囲は、例えば大当りの基準値のように、所定の基準値(例えば1020)から判定値の範囲が設定され、所定の基準値(例えば1020)は、設定値が設定値1〜6のいずれかによらずに共通である。これにより、大当りの判定の際の処理負担を低減させることができる。
[4] 図12−4の92FS050、図12−5の92FS001に示すように、当否判定モジュールにおいては、設定値情報が前回の設定値情報と同じであるか否かを、例えば1回の可変表示毎等の所定期間毎に照合する照合手段を備える。これにより、設定値情報の正確性を担保することができる。なお、照合手段が所定期間毎にする照合について、「所定期間」は1回の当否判定モジュール実行毎(始動入賞がされる所定期間毎、可変表示がされる所定期間毎)の期間に限らず、例えば、30分毎等の実時間ごとの期間であってもよい。また、「所定期間」は1回の可変表示毎の期間に限らず、30回の可変表示毎等の複数回の可変表示毎の期間であってもよい。
[5] 図12−4の92FS050、図12−5の92FS001に示すように、前記[3]の照合手段は、始動入賞判定処理(S101)が抽出した数値データMR1の数値データが大当り遊技状態に制御される数値データであるか否かを図12−4および図12−5の当否判定モジュールで当否判定を実行する毎に設定値情報の照合を実行する。これにより、設定値情報の正確性を担保することができる。
[6] 当否判定モジュールにおける設定値情報の照合において、前回と今回とで設定値情報が一致しない場合には、図12−4の92FS055、図12−5の92FS006に示すように、設定値異常エラー情報を特定可能なコマンドを主基板11から演出制御基板12に送信し、演出制御基板12側で、設定値が異常となった旨を報知するエラー情報を表示する処理等のエラー関連処理を実行する。これにより、設定値情報が不正確であることをエラー報知により報知することで、設定値情報の正確性を担保することができる。
[7] 当否判定モジュールにおける設定値情報の照合において、前回と今回とで設定値情報が一致しない場合には、図12−4の92FS055、図12−5の92FS006に示すように設定値異常エラー情報を特定可能なコマンドを主基板11から演出制御基板12に送信し、演出制御基板12側で、設定値が異常となった旨を報知するエラー情報を表示する処理等のエラー関連処理を実行する。さらに、主基板11側では、図12−4の92FS056、図12−5の92FS007に示すように、遊技の継続が不可能な遊技停止状態とする。これにより、異常な設定値情報に基づいて大当りの判定が行われないため、遊技の公平性を担保することができる。
[8] 図12−3(A)に示すように、小当り遊技状態に制御される数値データの判定値の範囲は設定値によらず一定であり、当否判定モジュール(図12−4の93FS053、図12−5の93FS004)は、一定の判定値の範囲に小当り遊技状態に制御される数値データがあるか否かを判定する。これにより、小当りの判定の際の処理を設定値によらず共通化できるため、処理負担を軽減することができる。
[9] 特徴部093Fでは、設定値を変更可能な設定値変更処理における207SGSa072のステップにおいて、当否判定テーブルとともに、設定値情報を記憶する。これにより、複数段階の設定値が設定されたパチンコ遊技機1における大当り判定の際に、大当り判定を好適に行うことができる。
〔特徴部092F,093Fの主な変形例〕
[1] 特徴部093Fにおいては、図9−22の設定値変更処理における207SGSa071のステップ等で、格納される設定値の情報に対応して、当否判定テーブルがRAM102の当否判定テーブル記憶領域から予め選択されて読出され、RAM102の使用テーブル記憶領域に記憶設定される例を示した。しかし、これに限らず、設定値の情報を格納せず、設定値に対応した当否判定テーブルの情報を格納するようにしてもよい。
[2] 図12−3に示すように、当否判定モジュールが判定する判定値の範囲は、例えば所定の基準値(例えば1020等)を始まりのデータとして共通のデータとし、正方向(数値が増える方向)に判定値のデータ範囲が設定される例を示した。しかし、これに限らず、当否判定モジュールが判定する判定値の範囲は、例えば所定の基準値(例えば1300等)を終りのデータとして共通のデータとし、逆方向(数値が減る方向)に判定値のデータ範囲が設定されるようにしてもよい。
[3] 図12−4および図12−5の当否判定モジュールについて、図12−4の92FS050、図12−5の92FS001に示す設定値情報一致判定は、実行しなくてもよい。
[4] 図12−4および図12−5の当否判定モジュールに関し、設定変更処理を実行するときに、設定値情報、および、設定値に対応する当否判定テーブルを予め記憶して当否判定モジュールを実行する場合には、記憶されている設定値情報に基づいて、当否判定テーブルが設定値に対応しているものであるか否かの整合性を確認し、整合性が確認できた当否判定テーブルを用いて、当否判定をするようにしてもよい。このようにすれば、当否判定をする場合における判定の安全性(正当性)が高くなるようにすることができる。
[5] 図12−5に示す当否判定モジュールの処理について、93FS002において読出した当否判定テーブルに付与されているテーブル番号のデータを記憶領域に別途記憶し、テーブル番号のデータを比較することによりテーブル番号が同じであるか否かを判定することに基づいて設定値情報が異常であるか否かを判定してもよい。その場合には、93FS001において設定値情報を比較しない。
[6] 特徴部093Fでは、いずれかの設定値(例えば、設定値1〜6のいずれか)に設定されたことに基づいて、少なくとも設定値に対応した前記有利状態に制御されることを判定する判定値情報(例えば、当否判定テーブル)を記憶する記憶手段(例えば、RAM102)が設けられている。その記憶手段には、例えば図9−22の設定値変更処理で当否判定テーブルとは別に格納される設定値情報等のその他の情報も、当否判定テーブルの判定値情報に加えて記憶しておくようにしてもよい。
[7] 当否判定モジュールにおいて当否判定をするときにおいて、設定値情報と当否判定テーブルとの整合性を確認するために、設定値情報および当否判定テーブルの情報との両方を用いて、当否判定をする処理を実行するようにしてもよい。このような処理を実行すれば、処理負担が若干増加するが、当否判定に用いる情報の整合性を担保することができる。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部に関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。