JP2020119443A - 燃焼関連情報提供制御装置、燃焼関連情報提供制御プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼関連情報を蓄積することで、燃焼機器に起因する製品品質安定化を図る、又は、需要家に燃焼関連情報を提供する。【解決手段】燃焼関連情報管理制御部300及び製品管理制御部400の連携によって、燃焼設備12を用いた製品製造状況の監視により、製造中の様々な情報を取得するようにした。取得した情報は、制御負担の軽減、学習による温度制御精度の緩和、異常の早期検出、及び異常発生時の検証に活用することができる。燃焼関連情報管理制御部300の格納部306(製品品質データベース306A、製造工程温度遷移データベース306B、発熱量調整履歴データベース306C)に履歴情報を格納することが本発明の主体であり、活用形態が制御負担の軽減、学習による温度制御精度の緩和、異常の早期検出、及び異常発生時の検証に限定されるものではない。【選択図】図1

Description

本発明は、製品を製造するための製造設備の一部として設置された燃焼機器の燃焼状態に関する情報(以下、燃焼関連情報という)を履歴し、必要に応じて履歴情報を提供する燃焼関連情報提供制御装置、燃焼関連情報提供制御プログラムに関する。
所謂都市ガスは、ウォッベ指数(以下、WIという)、及び燃焼速度指数(以下、MCPという)に基づいて、14種類のガス種に分類され、供給業者は、特定したガス種のガスを供給域内の需要家に対して供給している。
需要家へ供給するガスは、WI及びMCPが、ガス種の範囲になるように成分組成を調整する。特に、WIが重要視される。
一般に燃焼機器は、予め定められた発熱量やWIとなる成分組成の燃料ガスが供給されることが好ましく、このときに熱効率や燃焼状態が最適となるように設計及び運転調整(燃焼量、空気比等)されている。従って、燃焼機器において安定した燃焼を実現するためには供給ガスの発熱量やWIの変動はできるだけ小さい方が好ましい。
近年、例えば、ガス導管が設置されていない地域における都市ガス(都市ガス13A等)の需要増加に伴い、液化天然ガス(以下、LNGという)サテライト基地が建設されている。本発明において、LNGサテライト基地が必須ではないが、一例として、LNGサテライト基地を挙げて、説明する。
LNGサテライト基地は、LNG貯槽(LNGタンク)と、気化器を備えた設備である。LNG供給業者は、LNGローリー車等の輸送手段でLNGを輸送して、一旦LNGタンクに貯蔵する。LNGタンクに貯蔵されたLNGは、気化器によって気化し、気化されたガスが工業団地や住宅等に供給される。
このようなLNGサテライト供給システムでは、気化器の稼働状況や気化処理負荷の変動等に伴う供給ガスの成分組成変動による発熱量及びWIの変動が起こる場合がある。
このため、調整ガス(例えば、増熱用としてプロパンガス、希釈用として空気)を用いて、供給ガスのWIを最適な値、例えば、適正な燃焼が可能な許容範囲の中間値となるように制御する技術が提案されている(特許文献1参照)。
需要家先においては、ある一定のWIに制御された燃料ガスを供給し、当該需要家の各熱設備において、必要熱出力に見合うように燃料ガス流量及び燃焼用空気流量を調整して使用することが最も好ましい利用形態となる。
なお、WIを含む組成変動抑制に関する参考として、特許文献2には、バーナへ燃焼用空気を供給するファンとバーナへのガス燃料を供給する燃料供給路とを備え、燃料供給路にはWI測定器、及びガス流量調整弁が設けられ、WI測定器で測定されたガス燃料のWIに基づいてガス流量調整弁の開度を調整して、バーナへの供給熱量を所望に位置することが記載されている。
この特許文献2では、ボイラ毎に燃料ガスの性状を調整するものではなく、測定したWI指数に基づいてガス流量を調整する構成であり、恒久的な燃料ガスのWIの変動抑制(性状調整)にはなっていない。
特開2016−191024号公報 特開2013−92315号公報
上記特許文献1及び特許文献2を含み、従来技術では、燃料ガスのWIや質量流量の測定により、燃焼機器における正常な燃焼を目的とした空気比の調整を行っているが、空気比調整に関する制御情報や、当該空気比調整と製品の品質との相関情報等を含む燃焼関連情報を残していないため、燃焼機器に起因する製品品質安定化に反映させることができない。
燃焼機器に起因する製品品質安定化とは、例えば、空気比調整の許容範囲拡大による制御負担軽減、空気比調整の継続監視、及び、製品に不具合が生じたときの原因究明のための証拠利用等が挙げられる。
本発明は上記事実を考慮し、燃焼関連情報を蓄積することで、燃焼機器に起因する製品品質安定化を図る、又は、需要家に燃焼関連情報を提供することができる燃焼関連情報提供制御装置、燃焼関連情報提供制御プログラムを得ることが目的である。
本発明に係る燃焼関連情報提供制御装置は、製品を製造するための製造設備の一部として設置された燃焼機器に用いられる燃焼関連情報提供制御装置であって、前記製造設備の稼働に基づく、前記燃焼機器の燃焼状態に関わる燃焼関連情報を取得する取得部と、前記燃焼機器での燃焼に関する調整操作情報、及び前記取得部で取得した前記燃焼関連情報を含む履歴情報を格納する格納部と、前記製造設備の稼働中の所定時期に、前記格納部に格納された履歴情報の一部又は全部を抽出して、当該抽出した履歴情報を提供する制御部と、を有している。
本発明によれば、取得部は、製品を製造するための製造設備の一部として設置された燃焼機器を備え、製造設備の稼働に基づく、燃焼機器の燃焼状態に関わる燃焼関連情報を取得する。例えば、燃料ガスについて、供給前の原料ガスの段階で発熱量(例えば、WI値で表現することができる)が変動する場合、この発熱量の変動が燃焼機器の燃焼量に影響を及ぼす場合があるため、発熱量を燃焼関連情報として取得する。
格納部では、燃焼機器での調整操作情報、及び取得部で取得した燃焼関連情報を含む履歴情報を格納する。例えば、発熱量を増熱又は希釈によって調整した場合の調整操作量と、燃焼関連情報とを紐付けて履歴情報として格納する。
制御部では、製造設備の稼働中の所定時期に、格納部に格納された履歴情報の一部又は全部を抽出して、当該抽出した履歴情報を提供することができる。
本発明において、前記制御部から提供される履歴情報が、前記燃焼機器の発熱量の目標値を設定するために用いられ、前記製造設備によって製造された製品の品質検査結果情報を、前記履歴情報と紐付けて記憶しておき、前記格納部に格納された履歴情報と、前記品質検査結果情報とを照合して、前記目標値及び当該目標値の許容範囲を機械学習により予測することを特徴としている。
制御部から提供される履歴情報は、前記燃焼機器の発熱量の目標値を設定するために用いることができ、製造設備によって製造された製品の品質検査結果情報を、履歴情報と紐付けて記憶しておき、履歴情報と品質検査結果情報とを照合して、目標値及び当該目標値の許容範囲を機械学習により予測する。
例えば、許容範囲が拡がれば拡がるほど制御負担を軽減することができる。
本発明において、前記制御部から提供される履歴情報が、前記燃焼機器の燃焼状態に依存した製品への影響度合いを監視するための監視レベルの調整のために用いられ、前記製造設備によって製造された製品の品質検査結果情報を、前記履歴情報と紐付けて記憶しておき、前記格納部に格納された履歴情報と、前記品質検査結果情報とを照合して、前記監視レベルを機械学習により予測することを特徴としている。
制御部から提供される履歴情報は、燃焼機器の燃焼状態に依存した製品への影響度合いを監視するための監視レベルの調整のために用いることができる。
製造設備によって製造された製品の品質検査結果情報を、履歴情報と紐付けて記憶しておき、履歴情報と品質検査結果情報とを照合して、監視レベルを機械学習により予測する。
例えば、監視レベルの精度を上げることで、製品に異常が発生する前に、製造設備の稼働を停止したり、燃焼機器の燃焼状態を調整したりすることができ、製品の品質の安定化を図ることができる。
本発明において、前記制御部から提供される履歴情報が、前記製造設備によって製造された製品が品質検査で不合格となった場合の検証に用いられることを特徴としている。
制御部から提供される履歴情報は、製造設備によって製造された製品が品質検査で不合格となった場合の検証に用いることができる。
不合格製品が属する製品ロットの製造期間に基づいて履歴情報を取得することで、例えば、当該ロット製造時の燃焼機器の燃焼状態を確認することができ、少なくとも、燃焼機器の実際の燃焼状態に起因して不合格となったか否かの判定が容易となる。
本発明において、前記燃焼機器が、当該燃焼機器に供給される燃料ガスの発熱量を取得する発熱量取得部と、増熱及び希釈の何れか一方向へ発熱量を調整する調整ガスを、前記燃料ガスに混合する混合部と、前記発熱量取得部で取得した発熱量が、予め設定された目標値となるように、前記混合部で混合する前記調整ガスの流量を調整する調整部と、を備えたガス調整装置、をさらに有することを特徴としている。
発熱量取得部において、燃料ガスの発熱量を取得することで、燃料ガスの発熱量を調整した後に燃焼機器へ燃料ガスを供給することができる。
本発明において、前記燃焼機器が、当該燃焼機器に供給される燃料ガスの質量流量を取得する質量流量取得部と、前記質量流量取得部で取得した質量流量に基づいて、前記燃料ガス又は当該燃料ガスに混合させる燃焼用空気の流量を調整する空気比調整部と、を備えた空気調整装置、をさらに有することを特徴としている。
燃料ガスの発熱量に変動があっても、燃焼機器において、質量流量取得部が質量流量を取得することで、当該質量流量に基づいて、燃料ガス又は燃料ガスに混合する燃焼用空気の何れかの流量を調整することができる。
本発明に係る燃焼関連情報提供制御プログラムは、コンピュータを、本発明の燃焼関連情報提供制御装置として動作させる、ことを特徴としている。
以上説明した如く本発明では、燃焼関連情報を蓄積することで、燃焼機器に起因する製品品質安定化を図る、又は、需要家に燃焼関連情報を提供することができる。
本実施の形態に係る燃焼関連情報を管理するための監視システムの概略図である。 本発明に適用可能な燃焼設備の一実施形態であり、WI事前調整(一方向調整)による燃焼設備の概略図である。 本実施の形態の燃焼設備12AによるWI事前調整制御のための制御フローチャートである。 本発明に適用可能な燃焼設備の一実施形態であり、均圧弁方式が採用された質量流量計測による燃焼設備の概略図である。 (A)は密度−総発熱量及び密度−理論空気量関係特性図、(B)は質量流量−燃焼量(又は加熱量)及び理論空気流量関係特性図である。 本実施の形態の燃焼設備12Bによる質量流量に基づく、空気比制御のための制御フローチャートである。 本実施の形態に係る履歴情報を制御負担の軽減に活用した場合のWI又は燃焼量遷移特性図であり、(A)は活用前、(B)は活用後を示す。 (A)は実施の形態に係る履歴情報を学習による温度制御精度の緩和に活用した場合の加熱対象温度特性図、(B)はロット単位の製品良否判定結果の履歴情報を示す図表である。 本実施の形態に係る履歴情報を異常の早期検出に活用した場合のWI又は燃焼量遷移特性図であり、(A)は活用前、(B)は活用後を示す。 (A)は実施の形態に係る履歴情報を異常発生時の検証に活用した場合のWI又は燃焼量遷移特性図、(B)はWI事前調整による燃焼システムのトレーサビリティデータ図表、(C)は質量流量計測に基づく流量調整を備えた燃焼システムのトレーサビリティデータ図表である。
本発明の燃焼関連情報提供制御装置では、燃料ガスの供給から燃焼空気比の調整までの一連の燃焼設備12(一例として、図2に示す燃焼設備12A及び図4に示す燃焼設備12B参照)を対象として、燃焼関連情報を提供するものである。
図1には、燃焼関連情報を管理するための監視システム10が示されている。
監視システム10は、燃焼関連情報管理制御部300と、製品管理制御部400と、燃焼設備12の燃焼状態を制御するコントローラ50(図2ではコントローラ50A、図4ではコントローラ50Bに相当する。)と、がネットワークNWを介して互いに情報通信可能に接続されている。
(燃焼関連情報管理制御部300)
燃焼関連情報管理制御部300は、燃焼関連情報取込部302を備えている。燃焼関連情報取込部302は、I/F304を介して、製品管理制御部400及びコントローラ50から燃焼関連情報を取り込み、情報仕分け部305へ送出する。
情報仕分け部305では、取り込んだ燃焼関連情報を、例えば、製品品質情報(情報A)、製造工程温度遷移情報(情報B)、及び発熱量調整履歴情報(情報C)に仕分ける。
情報仕分け部305は、格納部306に接続されている。
格納部306には、製品品質データベース306A、製造工程温度遷移データベース306B、及び発熱量調整履歴データベース306Cを備えており、前記情報仕分け部305で仕分けた情報A〜情報Cを、それぞれに対応するデータベースに格納する。格納することで、燃焼関連情報は、履歴情報となる。
また、燃焼関連情報管理制御部300には、情報要求対応部308が設けられており、燃焼設備12の不具合発生時やその他適宜時期に、I/F304を介して、情報の要求があると、当該要求内容に応じて、情報提供部310に情報提供を指示する。
情報提供部310は、格納部306に接続されており、前記要求内容に応じて、履歴情報を読み出し、I/F304を介して、情報要求元へ回答する。情報要求元は、主として、製品管理制御部400であるが、製品管理制御部400に限定されるものではなく、例えば、燃焼設備メーカーやガス供給事業者等からの遠隔的な要求にも対応可能である。
(製品管理制御部400)
製品管理制御部400は、不具合監視部402が設けられ、I/F404を介して燃焼設備12に設置され、コントローラ50で管理されている様々な検出デバイスからの情報を適宜入手して、燃焼設備12の不具合および製品品質の不具合を監視する。
また、I/F404には、情報取込部406が接続されており、情報取込部406では、燃焼関連情報管理制御部300に対して、不具合発生時やその他適宜時期に、不具合監視に必要な履歴情報を要求する。
情報取込部406は、相関分析部408及びトレーサビリティデータ作成部410に接続されている。
相関分析部408では、燃焼関連情報管理制御部300から取得した履歴情報に基づいて相関分析を行い、相関分析結果に基づいて調整指示部412において、燃焼量の調整量等を演算し、I/F404を介して、燃焼設備12の燃焼状態の調整を指示する。
また、トレーサビリティデータ作成部410では、不具合監視部402から不具合があったことが通知されると、当該不具合発生時を含む前後の期間の履歴情報を取り込み、トレーサビリティデータを作成する。
作成されたトレーサビリティデータは、出力部414を介して、出力デバイス(モニタやプリンタ、或いは警報装置等)416を作動させる。
(燃焼設備12)
以下に、本実施の形態に適用可能な燃焼設備について説明する。
本実施の形態の燃焼関連情報管理制御部300の管理対象となり得る燃焼設備は、特に、WI変動に基づく、WI調整機能や流量調整機能の有無は問わない。
調整機能を有しない燃焼設備は、供給される燃料ガスと空気とを予め定めた燃焼空気比で混合し燃焼させる周知の構成であり、ここでの説明は省略する。
一方、以下において、WI変動に基づく調整機能を有する燃焼設備として、燃焼設備12へ燃料ガスを供給する前に、WIの変動を抑制する機能を有するWI事前調整による燃焼設備12A(図2参照)と、供給ガスのWIを質量流量の計測によって取得して、WI変動分に応じて燃焼空気比を調整する質量流量計測による燃焼設備12B(図4参照)と、のそれぞれの構成の一例を示す。
「WI事前調整(一方向調整)による燃焼設備12A」
図2には、都市ガスが供給される燃焼設備12Aが示されている。
まず、都市ガスについて詳細を述べる。
都市ガスは、ウォッベ指数(以下、WIという)、及び燃焼速度指数(以下、MCPという)に基づいて、14種類のガス種に分類され、供給業者は、特定したガス種のガスを供給域内の需要家に対して供給している。
WIは、(1)式で表され、ガスの総発熱量H(MJ/Nm)をガスの空気に対する比重sの平方根で割った数値である。また、MCPは(2)式で表される。
ここで、
WI:ウォッベ指数
H:ガスの総発熱量H(MJ/Nm
s:ガス比重(空気=1)
MCP:燃焼速度指数
Si:成分iの燃焼速度
fi:成分iに関わる係数
Ai:ガス中の成分iの体積百分率
K:減衰係数
である。
一例として、メタン(CH)を主成分とするガス種(都市ガス13Aという)は、WIの範囲として、52.7≦WI≦57.2と定められ、MCPの範囲として、35≦MCP≦47と定められている。
図2に示される如く、燃焼設備12は、燃焼器30によって燃料ガスを燃焼させる設備である。燃焼設備12としては、ガスタービン、ガスエンジン、又は工業炉等が挙げられる。
燃焼器30には、上流側から都市ガスを導入するための配管28から分岐された燃料ガス分岐管32と、燃焼用空気を供給する配管34から分岐された空気分岐管36とが接続されており、燃焼器30毎に予め定めた燃焼量および燃焼空気比によって燃焼させる。
この燃焼量および燃焼空気比の調整のため、各燃料ガス分岐管32には燃料ガス調整弁38が設けられると共に、燃焼用空気を供給する配管34には、空気調整弁40が設けられている。
燃料ガス調整弁38は、供給ガスの性状(特に、WI)によって調整されるものであり、WIが大きい値であればあるほど、流量を絞る(少なくする)ことで、適正な燃焼量に調整される。なお、ここでは、WIを推定変動幅の最大値WImax又はそれ以上(WImax+α)とするため(例えば、WI=60MJ/Nm)、当該WIに見合った燃料ガス流量Qgが設定される。
燃焼設備12に都市ガスを導入する配管28の上流側には、燃料ガス調整装置24が設けられている。
(燃料ガス調整装置24)
図2に示される如く、燃料ガス調整装置24は、混合器42を備えている。混合器42は、ベンチュリーミキサー等が適用可能である。なお、電磁弁等の開閉制御によってガスを混合する構造であってもよい。
混合器42の主流入口42Aには、例えば、LNGを気化するための気化器(図示省略)からの配管22が接続されている。また、混合器42の副流入口42Bには、増熱又は希釈用の調整ガス(プロパンガス又は空気)を導入する配管26が接続されている。また、この配管26には、流量調整部44が介在されており、混合器42へ送出する増熱用又は希釈用の調整ガスの流量が調整されるようになっている。
流量調整部44は、コントローラ50Aに接続されている。
混合器42では、主流入口42Aから導入した供給ガスと、前記流量調整部44で調整されて副流入口42Bから導入した増熱用又は希釈用の調整ガスとを混合し、燃料ガスを生成する。
一方、混合器42の流出口42Cには、燃焼設備12に燃料ガスを供給する配管28が接続されている。
ここで、混合器42の下流側の配管28には、WIを検出するためのWI計46が介在されている。WI計46は、WIを直接検出可能である。
なお、WI計46に代えて、燃料ガスの変数Xを検出するための検出器(X/M)を適用してもよい。変数Xとは、検出対象を示す変数の総称であり、最終的に、WI(ウォッベ指数)を取得可能な変数Xであればよい。X/Mとしては、WIと相関のある密度を検出する密度計及び発熱量計等が適用可能である。すなわち、相関のある変数X(密度及び発熱量等)から、予め記憶した換算テーブルに基づき、WIを間接的に取得可能である。
ここで、総発熱量に対して、WI及び密度はそれぞれほぼ正比例の関係となることが知られている。言い換えれば、WIと密度との間にも相関関係を持っていることがわかる。
そこで、例えば、検出器(X/M)の変数Xを密度とした場合、テーブル(密度−WIテーブル)を予め準備し、記憶しておくことで、WI計46に代わる検出器で密度を検出し、密度−WIテーブルに基づき、WIを取得することができる。
なお、WIを取得可能であれば、間接的に検出する対象は、密度及び発熱量に限定されるものではなく、燃料ガスの組成の一部又は全部を分析するアナライザ等であってもよい。燃料ガスの組成の一部とは、WIに最も影響を及ぼし、かつ変動幅が大きいプロパンガスの含有率等が挙げられる。
WI計46は、コントローラ50Aに接続されている。
コントローラ50Aは、マイクロコンピュータ(図示省略)を備え、ユーザインターフェイス(UI)54が接続されている。UI54は、例えば操作部及び表示部を備え、操作部ではユーザからの指示を受け付け、表示部では処理状況(燃料ガスの生成状況)を報知する。なお、UI54としては、操作部と表示部とが一体となったタッチパネルを適用してもよい。
また、コントローラ50Aは、WI調整制御部58を備え、入力系デバイスとしてWI計46が接続され、出力系として流量調整部44が接続されている。
マイクロコンピュータは、予め記憶されたWI調整制御プログラムにより、WI計46で検出したWI(検出対象がWI以外の変数Xの場合は、間接的にWIを取得可能な密度、発熱量等)の情報に基づき、燃料ガスが予め設定した目標のWIとなるように、供給ガスに混合する増熱用又は希釈用の調整ガスの流量を設定し、流量調整部44を制御する。
なお、WI調整制御部58の制御は、マイクロコンピュータに代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用デバイスやプログラマブルロジックデバイス等のハードウェアで実現してもよい。
ここで、調整ガスによる調整が増熱である場合の例として、混合ガスのWIの設定目標値WIsを、供給ガスのWIの推定変動幅の最大値WImax、或いは、最大値WImaxに所定のプラス誤差αを加算した値WImax+α(αは正の数)とすることで、WIの調整制御を増熱の一方向とする。αは、特に限定されるものではないが、一般的に適用されるガス種(ここでは、都市ガス13A)のWIの平均値の10%以下程度とすれば、実用的には問題ない。
一方、調整ガスによる調整が希釈である場合の例として、混合ガスのWIの設定目標値WIsを、供給ガスのWIの推定変動幅の最小値WImin、或いは、最小値WIminよりもマイナス誤差βを加算した値WImin+β(βは負の数)とすることで、WIの調整制御を希釈の一方向とする。βは、特に限定されるものではないが、一般的に適用されるガス種(ここでは、都市ガス13A)のWIの平均値の10%以下程度とすれば、実用的には問題ない。
図3(A)及び(B)は、WI事前調整制御のための制御フローチャートである。
図3(A)は増熱方向の一方向の制御とした場合のフローチャートである。
図3(A)に示される如く、増熱方向の一方向制御では、まず、初期設定として、ステップ100では、供給ガスのガス種から、WIが許容される推定変動幅の最大値WImaxを取得し、ステップ102へ移行する。ステップ102では、設定目標値WIsを、ステップ100で取得した最大値WImaxとし(WIs←WImax)、ステップ104へ移行する。なお、設定目標値WIsは、最大値WImaxに所定のプラス誤差αを加算した値WImax+αであってよい(WIs←WImax+α)。ステップ104では、WIsを記憶することで、初期設定が終了し、ステップ106へ移行する。
なお、ステップ100〜ステップ104の初期設定は必須ではなく、設定目標値WIsが既に記憶された状態で、ステップ106から処理を開始するようにしてもよい。
ステップ106では、供給ガスの供給が開始されたか否かを判断し、肯定判定されるまで待機する。ステップ106で肯定判定されると、ステップ108へ移行して、WI計46により供給ガスのWIを検出する。
なお、WI計46以外の検出器(X/M)を用いた場合は、検出対象(例えば、密度、発熱量等)を検出後に予め記憶された換算テーブルを読み出してWIを得るようにすればよい。
次のステップ110では、予め記憶した設定目標値WIsを読み出し、次いで、ステップ112へ移行して、設定目標値WIsと検出値WIとの差分ΔWIを演算する(ΔWI=WIs−WI)。第1の実施の形態では、設定目標値WIs>検出値WIであるため、差分ΔWIは必ず正の数となる。なお、逆にΔWIが負の数である場合は、何らかのエラー(システムエラー、供給ガスのWI許容範囲逸脱等)が考えられるため、警報を発するようにしてもよい。
また、警報と同時に、差分ΔWIの度合いにより、システムの稼働を停止するか否かを定めておき、差分ΔWIが極めて小さい負の数であり、システムの稼働を継続する場合は、演算結果である差分ΔWI(負の数)を「0」とするプログラムを組み込んでおけば、システムは継続稼働可能である。
次のステップ114では、ステップ112で演算された差分ΔWIに基づき、増熱用の調整ガスの流量を決定し、次いでステップ116へ移行して、流量調整部44を制御して、増熱用の調整ガスの流量を調整する。調整された増熱用の調整ガスは混合器42へ送出される。
これにより、燃料ガスのWI値は、設定目標値WIsに維持されて、燃焼設備12へ送出される。
次のステップ118では、供給が終了したか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ108へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ118で肯定判定された場合はこのルーチンは終了する。
以上のように、増熱方向の一方向の制御では、混合ガスのWIの設定目標値WIsを、供給ガスのWIの変動幅の最大値WImax、或いは、最大値WImaxに所定のプラス誤差αを加算した値WImax+αとした。このため、許容範囲で変動する混合ガスのWIを設定目標値WIsに制御する場合、全て増熱となり、増熱用ガス(例えば、プロパンガス)を供給ガスに混合させる設備があればよい。言い換えれば、希釈用ガスを供給ガスに混合させる設備が不要となるため、供給ガスのWIの変動幅の中間値等でWIを一定に制御する場合に比べて、WI制御用設備を簡素化することができる。
次に、図3(B)は希釈方向の一方向の制御とした場合のフローチャートである。
図3(B)に示される如く、希釈方向の一方向制御では、まず、初期設定として、ステップ200では、供給ガスのガス種から、WIの許容される推定変動幅の最小値WIminを取得し、ステップ202へ移行する。ステップ202では、設定目標値WIsを、ステップ200で取得した最小値WIminとし(WIs←WImin)、ステップ204へ移行する。なお、設定目標値WIsは、最小値WIminに所定のマイナス誤差βを加算した値WImin+βであってよい(WIs←WImin+β)。ステップ204では、WIsを記憶することで、初期設定が終了し、ステップ206へ移行する。
なお、ステップ200〜ステップ204の初期設定は必須ではなく、設定目標値WIsが既に記憶された状態で、ステップ206から処理を開始するようにしてもよい。
ステップ206では、供給ガスの供給が開始されたか否かを判断し、肯定判定されるまで待機する。ステップ206で肯定判定されると、ステップ208へ移行して、WI計46により供給ガスのWIを検出する。
なお、WI計以外の検出器(X/M)を用いた場合は、検出対象(例えば、密度、発熱量等)を検出後に予め記憶された換算テーブルを読み出してWIを得るようにすればよい。
次のステップ210では、予め記憶した設定目標値WIsを読み出し、次いで、ステップ212へ移行して、設定目標値WIsと検出値WIとの差分ΔWIを演算する(ΔWI=WI−WIs)。第2の実施の形態では、検出値WI>設定目標値WIsであるため、差分ΔWIは必ず正の数となる。なお、逆に差分ΔWIが負の数である場合は、何らかのエラー(システムエラー、供給ガスのWI許容範囲逸脱等)が考えられるため、警報を発するようにしてもよい。
また、警報と同時に、差分ΔWI値の度合いにより、システムの稼働を停止するか否かを定めておき、差分ΔWIが極めて小さい負の数であり、システムの稼働を継続する場合は、演算結果である差分ΔWI(負の数)を「0」とするプログラムを組み込んでおけば、システムは継続稼働可能である。
次のステップ214では、ステップ210で演算された差分ΔWIに基づき、希釈用の調整ガスの流量を決定し、次いでステップ216へ移行して、流量調整部44を制御して、希釈用の調整ガス(例えば、空気)の流量を調整する。調整された希釈用の調整ガスは混合器42へ送出される。
これにより、燃料ガスのWI値は、設定目標値WIsに維持されて、燃焼設備12へ送出される。
次のステップ218では、供給が終了したか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ208へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ218で肯定判定された場合はこのルーチンは終了する。
以上のように、希釈方向の一方向の制御では、混合ガスのWIの設定目標値WIsを、供給ガスのWIの変動幅の最小値WImin、或いは、最小値WIminに所定のマイナス誤差βを加算した値WImin+βとした。このため、許容範囲で変動する混合ガスのWIを設定目標値WIsに制御する場合、全て希釈となり、希釈用ガス(例えば、空気)を供給ガスに混合させる設備があればよい。言い換えれば、増熱用の調整ガスを供給ガスに混合させる設備が不要となるため、供給ガスのWIの変動幅の中間値等でWIを一定に制御する場合に比べて、WI制御用設備を簡素化することができる。
「質量流量計測による流量調整機能を持つ燃焼設備12A」
図4は、均圧弁方式が採用された質量流量計測による流量調整機能を持つ燃焼設備12Bであり、燃料ガスの圧力と、燃焼用空気の圧力とを機械的に相関させて、燃料ガスと空気とを予め定めた混合比で燃焼器60に供給する構成となっている。
燃焼器60には、上流側から燃料ガス(例えば、都市ガス13A)を導入するための燃料ガス供給配管62と、一端部が燃焼用空気を供給するブロワ64に接続された空気供給配管66が接続されている。
燃料ガス供給配管62には、上流側から順に、一対の安全遮断弁68A、68B、圧力調整弁70、燃料ガス側混合比調整弁72が介在されている。
安全遮断弁68A、68Bは、緊急時に自動的に燃料ガスの供給を遮断する役目を有し、燃料ガス側混合比調整弁72は、予め定めた燃焼用空気との混合比に調整した開度で固定される。
また、空気供給配管66には、上流側から順に、流量調整弁74、燃焼用空気側混合比調整弁76が介在されている。
流量調整弁74は、ブロワ64からの空気流量を安定供給する役目を有し、燃焼用空気側混合比調整弁76は、予め定めた燃料ガスとの混合比に調整した開度で固定される。
ここで、燃料ガス供給配管62の圧力調整弁70は、ダイヤフラム部70Aを備えており、ダイヤフラム部70Aの膜体の一方(図4では、下側)が燃料ガス供給配管62に連通され、他方(図4では上側)が空気供給配管66に連通している。
このため、圧力調整弁70の弁体70Bの開度は、空気供給配管66の圧力に基づいて変更され、燃料ガスの圧力(圧力計Pgで計測される圧力)と、燃焼用空気の圧力(圧力計Paで計測される圧力)とが一定に保たれるようになっている。この結果、温度調節等の目的で空気流量調整弁74の開度を変更して燃焼量を変化させた場合においても、燃料ガス側混合比調整弁72と、燃焼用空気側混合比調整弁76とにより調整された空気比がほぼ一定に保たれる。
ここで、燃料ガス供給配管62における、一対の安全遮断弁68A、68Bと、圧力調整弁70との間には、質量流量計78が介在されている。質量流量計78は、コントローラ50Bに接続され、燃料ガスの質量流量値をコントローラ50Bへ送出する。
コントローラ50Bは、空気比調整制御部80を備え、入力系デバイスとして、前記質量流量計78が接続されることに加え、空気供給配管66の流量を計測する空気流量計82が接続されると共に、出力系デバイスとして、流量調整弁84が接続されている。流量調整弁84は、燃料ガス供給配管62の圧力調整弁70と燃料ガス側混合比調整弁72との間に設けられている。
空気比調整制御部80は、予め記憶された空気比調整制御プログラムにより、質量流量計78で計測した質量流量を燃料ガスの発熱量あるいはWIの情報に換算し、換算したWIの情報に基づき、流量調整弁84を制御して、現在のWIにおける適正な燃料流量および空気比とする。
なお、燃料ガスの密度と、総発熱量及び理論空気量との間には、図5(A)に示されるような相関関係があることが分かっている。このため、質量流量と、燃焼量(又は加熱量)及び理論空気流量との間に、図5(B)に示されるような相関関係を導き出すことができる。従って、図5(A)及び(B)の関係を記憶しておくことで、燃料ガスの質量流量が判れば、当該燃料ガスの発熱量あるいはWIを取得することができる。
図6は、質量流量に基づく、空気比制御のための制御フローチャートである。
燃焼設備の全体を監視するコントローラ50Bにおいて、空気比調整制御部80に対して、燃焼が開始に基づき実行指示があると(ステップ86の肯定判定)、ステップ88へ移行して、空気供給配管66内の空気の流量を計測し、次いで、ステップ90へ移行して、燃料ガス供給配管62内の燃料ガスの質量流量を計測して、ステップ92へ移行する。なお、ステップ86で否定判定された場合は、このルーチンは終了する。
ステップ92では、質量流量と、総発熱量及び理論空気量との相関特性図(図5(A)及び(B)参照)を読み出し、次いで、ステップ94へ移行して、相関特性図に基づいて、現在のWIでの適正な混合比を導出し、ステップ96へ移行する。
ステップ96では、燃料ガス供給配管62の流量を、流量調整弁84で調整して、混合比を補正し、ステップ98へ移行する。
ステップ98では、空気比調整制御部80に対して、燃焼終了等により、実行終了指示があったか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ88へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ98で肯定判定された場合は、このルーチンは終了する。
以下に、本実施の形態の作用を説明する。
燃焼関連情報管理制御部300及び製品管理制御部400の連携によって、燃焼設備12を用いた製品製造状況の監視により、製造中の様々な情報を取得することができる。
この取得した情報は、制御負担の軽減、学習による温度制御精度の緩和、異常の早期検出、及び異常発生時の検証に活用することができる。
(制御負担の軽減)
図2に示す燃焼設備12Aにおいて、燃料ガス調整装置24は、増熱又は希釈の何れにおいても、制御方向のピーク値に合わせてWIを制御するべく、調整用ガスを供給している。これにより、WIが一定の燃料ガスを供給している。
しかしながら、この燃料ガス調整装置24のWI調整制御は、燃焼設備12Aを用いて製造された製品の品質とは無関係に、理論上、一定のWIに調整するものである(図7(A)参照)。
言い換えれば、ある程度の許容範囲を持ってWIが調整されれば、製品の品質に影響がない場合もあるにも関わらず精度の高い制御を維持しなければならない。
そこで、図1の燃焼関連情報管理制御部300の格納部306に格納した履歴情報(主として、製品品質情報)を参照しながら、WIの調整目標レベルに許容範囲を設定する(図7(B)参照)。
この結果、WIに変動があっても、製品の品質に影響が出ない許容範囲であれば、調整ガスの供給が不要となり、制御負担を軽減することができる。
(学習による温度制御精度の緩和)
燃焼設備12において、製品を加熱する温度(加熱対象温度)は、加熱時間によって制御される。この温度制御は、予め定めたプログラムに従い、温度制御されるが、例えば、WIが制御されていない燃焼設備12では、燃料ガスのWIの変動に伴い燃焼量が変化するため、加熱対象温度もその分、変化することになる。
比較例では、設定温度に対する実測温度の履歴情報を持っていないため、製品ロット毎の品質判定結果と加熱対象温度とを紐付けすることができなかった。
これに対して本実施の形態では、図8(A)に示される如く、各製品のロット毎(ロットNo.xx1、ロットNo.xx2等)に、温度遷移の履歴情報を格納しているため、設定温度との差も認識でき、図8(B)に示される製品ロットの品質判定結果との間で紐付けできる。
このため、例えば、不良判定となった製品ロット(図8(B)では、ロットNo.xx2)は、設定温度に対して、低い温度で推移していることがわかる。
また、例えば、良品判定となった製品ロット(図8(B)では、ロットNo.xx1)は、設定温度に対して、高い温度で推移していることがわかる。
ここで、言えることは、設定温度よりも高い場合は、ある程度の許容があり製品の精度としては問題ないが、設定温度よりも低い場合は、製品の精度に大きく影響を及ぼすということがわかる(設定温度よりも高い温度は、低い温度に比べて許容範囲が広い)。
そこで、対策として、通常は設定温度の許容範囲として、プラス側及びマイナス側共に同一レベルの許容範囲としていたが、上記履歴情報に基づいて、設定温度の許容範囲として、プラス側は大きく設定し、マイナス側に小さく設定する等の微調整を行うことができる。
この場合、製品ロット、周囲環境、WI変動等の様々な要因が考えられるため、機械学習によって最適値を設定するようにしてもよい。
(異常の早期検出)
図2の燃焼設備12A及び図4の燃焼設備12Bの何れにおいても、WI及び燃焼量が安定して、制御目標に推移することができる(図9(A)参照)。
このため、本実施の形態では、制御目標に近い領域に、監視しきい値を設定することができる。
すなわち、従来は、WIまたは燃焼量にある程度の変動幅があったため、当該範囲内で異常が発生したとしても、異常発生後の製品異常検出まで、対策をとることができなかった。
これに対して本実施の形態では、図9(B)に示される如く、制御目標に近い領域(従来は変動範囲内の領域)に、格納部306に格納した履歴情報(主として製品品質情報)を参照しながら品質に影響が及ばない許容範囲としての監視しきい値を設定する。
図9(B)では、WI又は燃焼量が、監視しきい値となった場合に、異常検出として、運転を停止すると共に、WI又は燃焼量の調整を行う。
これにより、製品に異常が発生する前に燃焼設備12による燃焼条件を変更することができるため、製品の所謂歩留まり(原料の使用量に対する製品量の比率)を向上することができる。また、燃料ガスの消費量も抑制することができる。
(異常発生時の検証)
燃焼設備12を用いた製品の製造工程において異常が発生した場合、その異常の要因が、何れの製造工程にあるのか、明確に特定することは困難であった。
この場合、本実施の形態では、図1の燃焼関連情報管理制御部300では、格納部306に製品品質、製造工程温度遷移、発熱量調整履歴のそれぞれの履歴情報が格納されているため、図10(A)に示される如く、製品不具合発生時を含む前後の期間を特定し、製品管理制御部400では、燃焼関連情報管理制御部300に対して、履歴情報を要求する。
図10(B)は、図2の燃焼設備12Aに基づく、WI事前調整による燃焼システムで製品不具合が発生した場合に要求する履歴情報である。
この図10(B)によれば、例えば、5分毎のWIの計測値、調整ガスの流量、調整後のWIを認識することができる。このトレーサビリティデータを活用することによって、少なくとも、燃焼設備12Aの実際の燃焼条件に問題があったか否かの判定が可能となる。
図10(C)は、図4の燃焼設備12Bに基づく、質量流量計測に基づく燃料ガス流量調整による燃焼システムで製品不具合が発生した場合に要求する履歴情報である。
この図10(C)によれば、例えば、5分毎の燃焼量の計測値、燃料ガスの流量調整量、調整後の燃焼量を認識することができる。このトレーサビリティデータを活用することによって、少なくとも、燃焼設備12Bの実際の燃焼条件に問題があったか否かの判定が可能となる。
以上説明したように本実施の形態では、燃焼関連情報管理制御部300及び製品管理制御部400の連携によって、燃焼設備12を用いた製品製造状況の監視により、製造中の様々な情報を取得するようにした。取得した情報は、制御負担の軽減、学習による温度制御精度の緩和、異常の早期検出、及び異常発生時の検証に活用することができる。
なお、本実施の形態において、取得した情報の活用形態として、制御負担の軽減、学習による温度制御精度の緩和、異常の早期検出、及び異常発生時の検証を例にとり説明したが、燃焼関連情報管理制御部300の格納部306(製品品質データベース306A、製造工程温度遷移データベース306B、発熱量調整履歴データベース306C)に履歴情報を格納することが本発明の主体であり、活用形態が制御負担の軽減、学習による温度制御精度の緩和、異常の早期検出、及び異常発生時の検証に限定されるものではない。
10 監視システム
12(12A、12B) 燃焼設備
24 燃料ガス調整装置
26 配管
28 配管
30 燃焼器
32 燃料ガス分岐管
34 配管
36 空気分岐管
42 混合器
42A 主流入口
42B 副流入口
44 流量調整部
42C 流出口
46 WI計
50(50A、50B) コントローラ
54 ユーザインターフェイス(UI)
58 WI調整制御部
60 燃焼器
62 燃料ガス供給配管
64 ブロワ
66 空気供給配管
68A、68B 安全遮断弁
70 圧力調整弁
72 燃料ガス側混合比調整弁
74 流量調整弁
76 燃焼用空気側混合比調整弁
78 質量流量計
80 空気比調整制御部
82 空気流量計
300 燃焼関連情報管理制御部(燃焼関連情報提供制御装置)
302 燃焼関連情報取込部(取得部)
304 I/F
305 情報仕分け部
306 格納部
306A 製品品質データベース
306B 製造工程温度遷移データベース
306C 発熱量調整履歴データベース
308 情報要求対応部
310 情報提供部(制御部)
400 製品管理制御部
402 不具合監視部
404 I/F
406 情報取込部
408 相関分析部
410 トレーサビリティデータ作成部
412 調整指示部
414 出力部
416 出力デバイス

Claims (7)

  1. 製品を製造するための製造設備の一部として設置された燃焼機器に用いられる燃焼関連情報提供制御装置であって、
    前記製造設備の稼働に基づく、前記燃焼機器の燃焼状態に関わる燃焼関連情報を取得する取得部と、
    前記燃焼機器での燃焼に関する調整操作情報、及び前記取得部で取得した前記燃焼関連情報を含む履歴情報を格納する格納部と、
    前記製造設備の稼働中の所定時期に、前記格納部に格納された履歴情報の一部又は全部を抽出して、当該抽出した履歴情報を提供する制御部と、
    を有する燃焼関連情報提供制御装置。
  2. 前記制御部から提供される履歴情報が、前記燃焼機器の発熱量の目標値を設定するために用いられ、
    前記製造設備によって製造された製品の品質検査結果情報を、前記履歴情報と紐付けて記憶しておき、前記格納部に格納された履歴情報と、前記品質検査結果情報とを照合して、前記目標値及び当該目標値の許容範囲を機械学習により予測することを特徴とする請求項1記載の燃焼関連情報提供制御装置。
  3. 前記制御部から提供される履歴情報が、前記燃焼機器の燃焼状態に依存した製品への影響度合いを監視するための監視レベルの調整のために用いられ、
    前記製造設備によって製造された製品の品質検査結果情報を、前記履歴情報と紐付けて記憶しておき、前記格納部に格納された履歴情報と、前記品質検査結果情報とを照合して、前記監視レベルを機械学習により予測することを特徴とする請求項1記載の燃焼関連情報提供制御装置。
  4. 前記制御部から提供される履歴情報が、前記製造設備によって製造された製品が品質検査で不合格となった場合の検証に用いられることを特徴とする請求項1記載の燃焼関連情報提供制御装置。
  5. 前記燃焼機器が、
    当該燃焼機器に供給される燃料ガスの発熱量を取得する発熱量取得部と、増熱及び希釈の何れか一方向へ発熱量を調整する調整ガスを、前記燃料ガスに混合する混合部と、前記発熱量取得部で取得した発熱量が、予め設定された目標値となるように、前記混合部で混合する前記調整ガスの流量を調整する調整部と、を備えたガス調整装置、
    をさらに有することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項記載の燃焼関連情報提供制御装置。
  6. 前記燃焼機器が、
    当該燃焼機器に供給される燃料ガスの質量流量を取得する質量流量取得部と、前記質量流量取得部で取得した質量流量に基づいて、前記燃料ガス又は当該燃料ガスに混合させる燃焼用空気の流量を調整する空気比調整部と、を備えた空気調整装置、
    をさらに有することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項記載の燃焼関連情報提供制御装置。
  7. コンピュータを、
    請求項1〜請求項6の何れか1項記載の燃焼関連情報提供制御装置として動作させる、
    燃焼関連情報提供制御プログラム。
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