JP2020118778A - 電気活性レンズを用いたメガネレンズおよびメガネ - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶電気活性材料が活性化状態よりも不活性化状態のほうが反射率が低い反射防止膜を有する液晶電気活性レンズを用いたメガネレンズおよびメガネを提供する。【解決手段】電気活性レンズは、一対の基板と電気活性材料を挟むように配置された一対の透明電極膜を有し、基板120と電極膜1301との間には屈折率の高い薄膜と低い薄膜を交互に積層された多層膜1302を有し、電極1301と電気活性材料110との間には中間膜1303を有し、電気活性材料110の不活性化状態における平均屈折率、基板120の屈折率をそれぞれn0、nsとしたとき、|n0−ns|<0.03を満足し、透明電極膜、多層膜を構成する薄膜、中間膜のいずれかを等価膜として構成した場合の等価屈折率、等価膜厚をそれぞれne、deとしたとき、0<ne×de/λ0<1/10または、2/5<ne×de/λ0<3/5または、|ne−ns|<0.03を満足する。【選択図】図3
Description
本発明は、電気活性レンズを用いたメガネレンズに関する。より具体的には可変焦点機能を有する液晶電気活性レンズにおいて、液晶電気活性レンズが不活性化状態において反射率が低減したメガネレンズに関する。
現在、一般的に流通している老眼鏡として、単焦点レンズ、遠近両用累進レンズ、二重焦点レンズなどを用いた眼鏡がある。正視の高齢者にとって、読書時などの近点に焦点を合わせる際にのみ、単焦点レンズの老眼鏡を用いれば老視が解消される。
一方、非正視の高齢者は、無限遠などの遠点に焦点が合うように調整されたレンズにおいて、その一部が老眼用に加工された遠近両用累進レンズや二重焦点レンズを備えた眼鏡を用いる必要がある。
遠近両用累進レンズや二重焦点レンズを用いた眼鏡では、レンズ内に光学的パワー(焦点距離)の異なる領域が混在しているため、眼鏡を用いて遠方を見る際に景色が歪んで見え、または、ピントが合わない部分が生じ、ぼけて見えてしまう。
このような課題に対して、特許文献1には電気活性素子(液晶回折レンズ)を用いた眼鏡が開示されている。
しかしながら、特許文献1の液晶電気活性レンズは電極である透明電極層が設けられている。この透明電極層を構成する材料は屈折率が高いため、界面の反射率が高くなる。さらに、液晶電気活性レンズには透明電極が一対設けられており、反射率が高い界面が4面存在する。このため、液晶電気活性レンズを適用したメガネレンズは反射率が高く、強いゴーストが発生してしまう。この反射率の低減のためには干渉現象を利用した反射防止層を設けることで低減が可能となることが一般的に知られているが、液晶電気活性材料は活性化状態と不活性化状態で屈折率が大きく異なるため、干渉現象を利用した反射防止層では活性化状態と不活性化状態ともに可視域全域で反射率を低減することは困難であるという課題があった。
そこで本発明は、液晶電気活性材料が活性化状態よりも不活性化状態のほうが反射率が低い反射防止膜を有する液晶電気活性レンズを用いたメガネレンズおよびメガネを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係るメガネレンズは、
電気活性材料を含む電気活性レンズを用いたメガネレンズであって、
前記電気活性レンズは、一対の基板と、
前記電気活性材料を挟むように配置された一対の透明電極膜を有し、
前記基板と前記電極膜との間には屈折率の高い薄膜と低い薄膜を交互に積層された多層膜を有し、
前記電極と前記電気活性材料との間には中間膜を有し、
設計波長における前記電気活性材料の不活性化状態における平均屈折率、前記基板の屈折率をそれぞれn0、nsとしたとき、
|n0−ns|<0.03
を満足し、
透明電極膜、多層膜を構成する薄膜、中間膜のいずれかを等価膜として構成した場合の等価膜の設計波長における等価屈折率、等価膜厚をそれぞれne、deとしたとき、
0<ne×de/λ0<1/10
または、
2/5<ne×de/λ0<3/5
または、
|ne−ns|<0.03
を満足する等価膜を含んでいること特徴とする。
電気活性材料を含む電気活性レンズを用いたメガネレンズであって、
前記電気活性レンズは、一対の基板と、
前記電気活性材料を挟むように配置された一対の透明電極膜を有し、
前記基板と前記電極膜との間には屈折率の高い薄膜と低い薄膜を交互に積層された多層膜を有し、
前記電極と前記電気活性材料との間には中間膜を有し、
設計波長における前記電気活性材料の不活性化状態における平均屈折率、前記基板の屈折率をそれぞれn0、nsとしたとき、
|n0−ns|<0.03
を満足し、
透明電極膜、多層膜を構成する薄膜、中間膜のいずれかを等価膜として構成した場合の等価膜の設計波長における等価屈折率、等価膜厚をそれぞれne、deとしたとき、
0<ne×de/λ0<1/10
または、
2/5<ne×de/λ0<3/5
または、
|ne−ns|<0.03
を満足する等価膜を含んでいること特徴とする。
本発明によれば、液晶電気活性材料が活性化状態よりも不活性化状態のほうが反射率が低い反射防止膜を有する液晶電気活性レンズを用いたメガネレンズおよびメガネの提供を実現できる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明における同心円状の形状のメガネレンズ1の断面概略図である。
図1のメガネレンズ10は液晶電気活性レンズ10がベースレンズ内部に埋め込まれている。または、液晶電気活性レンズ10がベースレンズ表面に取り付けられていてもよい。液晶電気活性レンズ10はメガネレンズ1の全視野またはその一部に配置されている。本発明のメガネレンズ1は、少なくとも2つの光学的状態(第1の状態および第2の状態)を有する。ここで、光学的状態とは、液晶電気活性レンズの光学的パワー(焦点距離)を意味し、液晶電気活性レンズは、電気不活性化状態(第1の状態)と電気活性化状態(第2の状態)とで異なるパワーを有する。代表的な例としては、電気不活性化状態において実質的にパワーを有しておらず、電気活性化状態において所望のパワー(例えば+3D)を有する。このような電気活性レンズをメガネレンズ(老眼鏡)に用いることにより、無限遠などの遠方を見る際は老眼用パワー部にパワーを付加させず、読書距離などの至近を見る際にのみ老眼用パワー部にパワーを付加することが可能となる。
図2は本発明の液晶電気活性レンズ10の概略図であり、可変焦点機能を有する液晶回折レンズである。
液晶電気活性レンズ10は、略平坦な表面を有する基板120、レリーフ面を有する基板121、および、基板120と基板121との間に設けられた液晶材料110を備えて構成される。液晶材料110に面する2つの基板120、121の表面は、電極層を含む薄膜層130、131が設けられている。図3は薄膜層130の概略図である。薄膜層130は、電極層1301、多層膜層1302、配向層1303で構成されている。電極層1301を構成する材料は可視波長帯域において透明性を示す導電性材料を主成分とする透明電極層であり、例えばインジウムドープ酸化錫(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の透明導電性材料が用いられる。これらの材料の屈折率はいずれも高いため、界面反射率が高い。多層膜層1302は1層以上の誘電体薄膜で構成され、2層以上の場合は屈折率の高い層と低い層が交互に積層された多層膜である。配向層1303はポリイミドで構成され、液晶材料110の配向特性を決定する。多層膜層1302と電極層1301と配向層1303が全層で反射防止膜としても機能しており、液晶材料110と基板120間の反射を低減している。
薄膜層131についても図3の層の構成は同様である(図3の上下の向きが反対になる)。電極層は、液晶材料110に所定の電圧を印加し、液晶材料110のそれぞれの屈折率および屈折率分散を所望の値に変化させ、印加される電圧に応じて、電気不活性化状態と電気活性化状態との間で変化する。表面レリーフ形状は回折格子となる条件で設計されているため、回折レンズの効果を与えることができる。また、電極層はセグメント化された電極で構成し、セグメントごとに異なる電圧を印加することにより、液晶材料110に屈折率分布を与え、回折レンズの効果を与えることもできる。
本発明はメガネレンズのため、液晶電気活性レンズ10において、液晶材料110は入射する偏光に依存しないコレステリック液晶、またはカイラルツイスト剤が添加されたネマチック液晶であることが好ましい。
コレステリック液晶は、ネマチック液晶と同様に、光学的に一軸性であり複屈折性を有する。ただし、コレステリック液晶に関しては、液晶分子のディレクタが液晶材料の厚さ方向に渡って螺旋状に回転する。液晶分子のディレクタが360°回転するまでの回転軸に沿った長さをツイストピッチと呼ぶ。ツイストピッチに相当する波長を有し、液晶分子のディレクタに垂直に伝播する光波に対して、コレステリック液晶は平均屈折率nave=(no+ne)/2を有する。十分に強い電圧が印加された場合、液晶分子のディレクタは印加された電場と平行になる。このため、電場方向に伝播する光波に対して、コレステリック液晶は常光屈折率noを有する。したがって、コレステリック液晶は、印加された電場強度に従って液晶分子の配向を変化させ、ディレクタの回転軸に沿って伝播する光波に対して平均屈折率naveと常光屈折率noとの間の屈折率値を有する。
また、ネマチック液晶にカイラルツイスト剤を添加することにより、コレステリック液晶と同等の特性を得ることが可能である。カイラルツイスト剤を添加したネマチック液晶は、元のネマチック液晶と同じ常光屈折率noおよび異常光屈折率neを有し、添加するカイラルツイスト剤のヘリカルツイスト力によりツイストピッチを所望の値に調整することが可能である。
コレステリック液晶やカイラルツイスト剤を添加したネマチック液晶の平均屈折率naveは、入射光波の偏光状態に依存しない一定値となるため、コレステリック液晶やカイラルツイスト剤を添加したネマチック液晶は偏光不感受性を有する。このため、メガネレンズの応用に対しては液晶材料110はコレステリック液晶、またはカイラルツイスト剤を添加したネマチック液晶を用いることにより、ランダムに偏光された光波に対して一様に収束力を付加することが可能となる。
本発明のメガネレンズ1の一般的な使用例として、無限遠などの遠方と読書距離などの至近を見る場合を比較した場合、通常使用としては遠方とする場合が多い。このため、無限遠などの遠方を見る際は不活性化状態し、パワーを付加させず、読書距離などの至近を見る際に活性化状態とし、パワーを付加することが好ましい構成である。また、故障や電力消費により、液晶電気活性材料に電圧を印加することができない状態になった場合、液晶電気活性レンズが遠点に焦点が合った状態に初期化されたほうが、使用者に及ぼす影響を回避することが可能となる(所謂フェイルセーフ)ため、遠点に焦点が合った状態を不活性化状態としたほうが好ましい構成である。
液晶電気活性メガネレンズの反射防止を考慮した場合、透明電極層を構成する材料は屈折率が高く、界面反射率が高い。この反射率低減のためには反射防止層を設けることが必要である。しかしながら、液晶電気活性材料は活性化状態と不活性化状態で屈折率が大きく異なることと、特に本発明のような回折レンズではフレアを低減させるために格子高さを低減することが必要であり、そのためには液晶電気活性材料は活性化状態と不活性化状態で屈折率の差が大きい材料を選択したほうがより好ましい。このため、干渉現象を利用した通常の反射防止層では活性化状態と不活性化状態ともに可視域全域で反射率を低減することは困難である。液晶電気活性メガネレンズの一般的な使用例を考慮すると、読書距離などの近点に焦点を移した活性化状態よりも、通常視点である無限遠などの遠点に焦点が合う不活性化状態のほうが太陽光や高輝度光源などの周辺光によるゴーストの影響を受けやすい。
以上の理由から、反射防止層は、液晶材料が活性化状態よりも不活性化状態の反射率が低い反射防止膜の構成とすることが好ましい構成である。
以上の理由から、反射防止層は、液晶材料が活性化状態よりも不活性化状態の反射率が低い反射防止膜の構成とすることが好ましい構成である。
本発明に係るメガネレンズは、
電気活性材料を含む電気活性レンズを用いたメガネレンズであって、
前記電気活性レンズは、一対の基板と、
前記電気活性材料を挟むように配置された一対の透明電極膜を有し、
前記基板と前記電極膜との間には屈折率の高い薄膜と低い薄膜を交互に積層された多層膜を有し、
前記電極と前記電気活性材料との間には中間膜を有し、
設計波長における前記電気活性材料の不活性化状態における平均屈折率、前記基板の屈折率をそれぞれn0、nsとしたとき、
|n0−ns|<0.03 (1)
を満足し、
透明電極膜、多層膜を構成する薄膜、中間膜のいずれかを等価膜として構成した場合の等価膜の設計波長における等価屈折率、等価膜厚をそれぞれne、deとしたとき、
0<ne×de/λ0<1/10 (2)
または、
2/5<ne×de/λ0<3/5 (3)
または、
|ne−ns|<0.03 (4)
を満足する等価膜を含んでいること特徴とする。
電気活性材料を含む電気活性レンズを用いたメガネレンズであって、
前記電気活性レンズは、一対の基板と、
前記電気活性材料を挟むように配置された一対の透明電極膜を有し、
前記基板と前記電極膜との間には屈折率の高い薄膜と低い薄膜を交互に積層された多層膜を有し、
前記電極と前記電気活性材料との間には中間膜を有し、
設計波長における前記電気活性材料の不活性化状態における平均屈折率、前記基板の屈折率をそれぞれn0、nsとしたとき、
|n0−ns|<0.03 (1)
を満足し、
透明電極膜、多層膜を構成する薄膜、中間膜のいずれかを等価膜として構成した場合の等価膜の設計波長における等価屈折率、等価膜厚をそれぞれne、deとしたとき、
0<ne×de/λ0<1/10 (2)
または、
2/5<ne×de/λ0<3/5 (3)
または、
|ne−ns|<0.03 (4)
を満足する等価膜を含んでいること特徴とする。
本発明の電気活性材料を含む電気活性レンズは液晶回折レンズであるため、(1)式を満足し、基板と液晶の不活性状態における屈折率差を小さくしないと電気活性材料が不活性化状態において不要な回折光が発生してしまうため好ましくない。これは薄膜層の入射媒質と射出媒質の屈折率差は小さいことになるため、薄膜層による反射を低減するためには薄膜層のnd/λ0が0.5となるλ/2膜と呼ばれる反射率に影響しない不在層とすることで反射率を低減することができる。(3)式の数値範囲は1/2±1/10である。また、薄膜層の屈折率を基板と液晶の不活性状態における屈折率に合わせることで反射率を低減することができる。また、本発明はメガネレンズであるため使用波長帯域は可視域全域である。このため、屈折率が高い薄膜と低い薄膜を交互に積層した多層膜を設けることで可視波長帯域全域で反射率を低減することができる(後に比較例を示す)。
この結果、電気活性材料に電気駆動させるために透明電極膜、液晶材料の配向方向を決定するための配向膜である中間膜、可視域全域の反射を低減するための多層膜が全体で不在層または屈折率差の小さい層として構成されていれば可視域全域で反射率を低減することが可能となる。このため、透明電極膜、多層膜を構成する薄膜、中間膜のいずれかを等価膜として構成した場合にこの等価膜が不在層となっているか、または等価膜の屈折率が基板と液晶の不活性状態における屈折率に近いことによって反射率を下げることができる。
(2)式、(3)式は等価膜が不在層となる条件であり、この式を満足しないと不在層として機能しないため、好ましくない。等価膜の膜厚がさらに厚い条件でも不在層の条件はあるが、膜厚が厚くなり、反射率を低減する波長帯域が狭くなるので好ましくない。
(4)式は等価膜の屈折率が基板と液晶の不活性状態における屈折率に近いことを示しており、これを満足しないと屈折率差による反射率が上がってしまうため好ましくない。
等価膜は多層膜を構成する薄膜のいずれかで構成されているいれば良い。また、多層膜を構成する全ての薄膜で構成されていても良い。また、電極膜、中間膜、前記多層膜を構成する一部の薄膜で構成されていても良い。さらに、等価膜は電極膜、中間膜、多層膜を構成する薄膜のいずれかの薄膜から不在層であるλ/2膜に相当する膜厚を差し引いた薄膜で構成されていても良い。
液晶が活性化状態の場合、配向層、電極層、多層膜層いずれも不在層であるが、基板の屈折率と液晶が活性化状態における屈折率に差があるため、液晶が不活性化状態の場合よりも反射率が高くなる。このため、液晶電気活性材料が活性化状態よりも不活性化状態のほうが反射率が低い反射防止膜を有する液晶電気活性レンズとなる。
また、電気活性材料が水平配光の場合は、前記等価膜以外の膜は設計波長における屈折率をni、膜厚をdiとしたとき、以下を満足している。
0<ni×di/λ0<1/10 (5)
または
2/5<ni×di/λ0<3/5 (6)
ただし、λ0は設計波長である。
また、電気活性材料が水平配光の場合は、前記等価膜以外の膜は設計波長における屈折率をni、膜厚をdiとしたとき、以下を満足している。
0<ni×di/λ0<1/10 (5)
または
2/5<ni×di/λ0<3/5 (6)
ただし、λ0は設計波長である。
この(5)式、(6)式は(2)式、(3)式と同様に不在層となる条件であり、等価膜以外の膜も不在層であれば、全ての層が不在層となるために、反射率を低減することができる。逆に(5)式、(6)式を満足しないと不在層でない層になるため反射率が上がるため好ましくない。
また、電気活性材料が垂直配光の場合は前記等価膜以外の膜のうちのいずれかの膜は設計波長における屈折率をn0、膜厚をd0としたとき、以下を満足している。
3/20<n0×d0/λ0<7/20 (7)
ただし、λ0は設計波長である。
3/20<n0×d0/λ0<7/20 (7)
ただし、λ0は設計波長である。
薄膜層の入射媒質と射出媒質の屈折率差は小さいため、前述のように反射率に影響しない不在層とすることで反射率を低減することができるが、干渉効果を利用して反射率を下げることも可能である。基板よりも膜の屈折率が高い場合はnd/λ0が0.25となるλ/4膜とすることによって反射率が低減することができる。(7)式は等価膜のλ/4膜の条件式であり、数値範囲は1/4±1/10である。この式を満足しないと反射率が上がってしまうため好ましくない。
さらに、等価膜とλ/4膜以外の層は不在層であれば、λ/4膜の効果により反射率を低減することができる。膜の条件式は(5)式、(6)式と同様である。
また、本発明はメガネレンズであるため使用波長帯域は可視域全域である。このため、設計波長500〜600nmの間であることが好ましい。さらに、550nm付近がより好ましい。
また、前記電気活性材料が活性化状態において、設計波長における設計回折光の回折効率が90%以上である。これを満足しないと活性化状態においてフレアが増大するため好ましい構成ではなくなる。
また、前記電気活性材料が不活性化状態において、使用波長帯域における0次光の回折効率が90%以上である。これを満足しないと不活性化状態においてフレアが増大するため好ましい構成ではなくなる。ここで本発明で使用波長帯域は可視波長帯域であり、主に波長430nm〜670nmを想定している。
以下、本実施形態のメガネレンズの具体例について、実施例において説明する。
[実施例1]
図1は、実施例1の同心円状の形状のメガネレンズ1の断面概略図、図2は実施例1の液晶電気活性レンズ10の概略図、図3は実施例1の多層膜層130の概略図である。
図1は、実施例1の同心円状の形状のメガネレンズ1の断面概略図、図2は実施例1の液晶電気活性レンズ10の概略図、図3は実施例1の多層膜層130の概略図である。
具体的な構成は、電極層1301はITO膜、多層膜層1302は低屈折率のSiO2膜と高屈折率TiO2膜を交互に3層積層した多層膜、配向層1303はポリイミド膜で構成されている。液晶材料はコレステリック液晶Aが水平配向されており、不活性化状態で平均屈折率nave、活性化状態で常光屈折率noとなる。表1に各層の材料、波長550nmの屈折率、膜厚を示す。また、薄膜層131についても表1の薄膜層が上下反対となった構成で設けられている。
基板120は液晶110が不活性状態においてパワーを付加しないように、基板120は液晶110が不活性状態における屈折率と略等しい材料から選択されている。配向層1303の屈折率も基板120および液晶110の不活性状態における屈折率と略等しい値となっているため、配向層の膜厚は液晶が不活性状態においては反射率に影響しない。
本実施例の場合、配向層のnd/λ(550nm)は0.5に近い値であり、λ/2膜と呼ばれる反射率に影響しない不在層となっているが、dが略170nmでなくても良い。電極層1301のnd/λ(550nm)は0.5に近い値であり、λ/2膜と呼ばれる反射率に影響しない不在層となっている。多層膜層1302は低屈折率のSiO2膜と高屈折率TiO2膜の3層を等価膜として考えた場合のnd/λ(550nm)は0.5に近い値、λ/2膜となっており、設計波長(550nm)に対して反射率に影響しない不在層となっている。つまり、配向層、電極層、多層膜層いずれも設計波長において不在層となっており、且つ基板120と液晶110が不活性状態における屈折率が略等しいため、全体として低い反射率が実現できる。多層膜層1302が高屈折率膜厚と低屈折率膜厚を交互に積層しており、かつ等価膜が不在層となっているため、広い波長帯域で反射率を低減することができる。液晶110が活性化状態の場合、配向層、電極層、多層膜層いずれも不在層であるが、基板120の屈折率と液晶110が活性化状態における屈折率に差があるため、液晶110が不活性化状態の場合よりも反射率が高くなる。表1の各層のnd/λが設計波長に対して正確に0.5になっていないのは、各層の材料の屈折率に分散があることと、可視波長帯域(430nm〜670nm)全域に対して平均的に反射率が低くなるように各層の膜厚を最適化しているためである。
図4に、実施例1の垂直入射における薄膜層の反射率を示す。
不活性化状態の反射率が実線、活性化状態の反射率が破線である。活性化状態の反射率よりも不活性化状態の反射率のほうが低いことがわかる。また、後に示す反射防止層を設けない場合と比較して反射率が大幅に低減している。
なお、薄膜層131についても基板121が基板120と同じ材料であり表1の構成を上下反対にしたものである。
また、図1のベースレンズと液晶電気活性レンズ10との界面、ベースレンズと空気との界面については一般的に知られている各種反射防止機能を設ければ良い。
また、実施例1の表面レリーフ形状は回折格子となる条件で設計されており、回折レンズの効果を得ることができる。実施例1において活性化状態で設計次数+1、設計波長550nmとし、表面レリーフ形状の段差の高さは6.00μmである。図5に不活性化状態と活性化状態における回折効率を示す。図5(a)は活性化状態の0次光、+1次光、+2次光の回折効率、図5(b)は不活性化状態の−1次光、0次光、+1次光の回折効率である。図5(a)のように活性化状態では+1次光の回折光の回折効率が高く、回折レンズのパワーが付加されている。図5(b)のように、不活性化状態では0次光の回折光の回折効率が高い、つまり回折光が発生せず、回折レンズのパワーが付加されていないことがわかる。
また、図5の回折効率の波長特性に関して、図5(b)の0次の回折光の回折効率の波長特性のほうが図5(a)の+1次の回折光の回折効率の波長特性よりもより平坦性が良く、可視波長帯域全域で良好な特性となっている。これは本発明のメガネレンズの一般的な使用例やフェイルセーフを考慮した場合、不活性化状態をベースとしたほうが好ましい構成であるためである。
[実施例2]
実施例2は実施例1と比較して、薄膜層は液晶材料の構成が同じで、多層膜層、電極層、配向層が異なった場合である。具体的な構成を表2に示す。
実施例2は実施例1と比較して、薄膜層は液晶材料の構成が同じで、多層膜層、電極層、配向層が異なった場合である。具体的な構成を表2に示す。
実施例1と比較して配向層1301の材料の屈折率が基板120および液晶110の不活性状態における屈折率より低い。このため、配向膜のnd/λ(550nm)が0.5に近い不在層となっている。また、電極層、多層膜層の等価膜も実施例1と同様に不在層となっているため、広い波長帯域で反射率を低減することができる。液晶110が活性化状態の場合、配向層、電極層、薄膜層いずれも不在層であるが、基板120の屈折率と液晶110が活性化状態における屈折率に差があるため、液晶110が不活性化状態の場合よりも反射率が高くなる。
図6に、実施例2の垂直入射における薄膜層の反射率を示す。
活性化状態の反射率よりも不活性化状態の反射率のほうが低いことがわかる。また、後に示す反射防止層を設けない場合と比較して反射率が大幅に低減している。
また、実施例2の表面レリーフ形状の段差の高さは実施例1と同様に6.00μm、回折効率も図5と同様である。
[実施例3]
実施例3は実施例1、2と比較して、薄膜層は液晶材料の構成が同じで、多層膜層、電極層、配向層が異なった場合である。具体的な構成を表3に示す。
実施例3は実施例1、2と比較して、薄膜層は液晶材料の構成が同じで、多層膜層、電極層、配向層が異なった場合である。具体的な構成を表3に示す。
実施例1、2と比較して配向層1301の材料の屈折率が基板120および液晶110の不活性状態における屈折率より高い。このため、配向膜のnd/λ(550nm)が0.5に近い不在層となっている。また、電極層、多層膜層の等価膜も実施例1、2と同様に不在層となっているため、広い波長帯域で反射率を低減することができる。液晶110が活性化状態の場合、配向層、電極層、薄膜層いずれも不在層であるが、基板120の屈折率と液晶110が活性化状態における屈折率に差があるため、液晶110が不活性化状態の場合よりも反射率が高くなる。
図7に、実施例3の垂直入射における薄膜層の反射率を示す。
活性化状態の反射率よりも不活性化状態の反射率のほうが低いことがわかる。また、後に示す反射防止層を設けない場合と比較して反射率が大幅に低減している。
また、実施例3の表面レリーフ形状の段差の高さは実施例1と同様に6.00μm、回折効率も図5と同様である。
[実施例4]
実施例4は実施例1〜3と比較して、薄膜層は液晶材料の構成が同じで、多層膜層、電極層、配向層が異なった場合である。具体的な構成を表4に示す。
実施例4は実施例1〜3と比較して、薄膜層は液晶材料の構成が同じで、多層膜層、電極層、配向層が異なった場合である。具体的な構成を表4に示す。
実施例4では配向層1301の材料の膜厚が薄く、配向層1301と電極層1301の等価膜が0.5に近い不在層となっている。また、多層膜層の等価膜も実施例1、2と同様に不在層となっているため、広い波長帯域で反射率を低減することができる。液晶110が活性化状態の場合、基板120の屈折率と液晶110が活性化状態における屈折率に差があるため、液晶110が不活性化状態の場合よりも反射率が高くなる。
図8に、実施例4の垂直入射における薄膜層の反射率を示す。
活性化状態の反射率よりも不活性化状態の反射率のほうが低いことがわかる。また、後に示す反射防止層を設けない場合と比較して反射率が大幅に低減している。
また、実施例4の表面レリーフ形状の段差の高さは実施例1と同様に6.00μm、回折効率も図5と同様である。
[実施例5]
実施例5は実施例1〜4と比較して、薄膜層は液晶材料の構成が同じで、多層膜層、電極層、配向層が異なった場合である。具体的な構成を表5に示す。
実施例5は実施例1〜4と比較して、薄膜層は液晶材料の構成が同じで、多層膜層、電極層、配向層が異なった場合である。具体的な構成を表5に示す。
実施例5では電極層の膜厚が薄く、配向層の材料の屈折率が基板120および液晶110の不活性状態における屈折率より低い場合で、多層膜層のSiO2膜2層のうちの1層と配向層の膜厚が厚くなっている。膜厚の厚いSiO2膜がnd/λ(550nm)が0.5である不在層と0.05膜に分割され、配向層がnd/λ(550nm)が0.5である不在層と0.05膜に分割されていると考える。0.05膜のSiO2膜、TiO2膜、もうひとつのSiO2膜、電極層、0.05膜の配向層を等価膜と考えると、nd/λ(550nm)が0.35、屈折率が1.60となる。この等価膜は屈折率が1.60と基板、不活性化状態の液晶の屈折率と近いため、不在層の膜厚ではないが、反射率に影響しない等価膜である。このため、広い波長帯域で反射率を低減することができる。液晶110が活性化状態の場合、基板120の屈折率と液晶110が活性化状態における屈折率に差があるため、液晶110が不活性化状態の場合よりも反射率が高くなる。
図9に、実施例5の垂直入射における薄膜層の反射率を示す。
活性化状態の反射率よりも不活性化状態の反射率のほうが低いことがわかる。また、後に示す反射防止層を設けない場合と比較して反射率が大幅に低減している。
また、実施例5の表面レリーフ形状の段差の高さは実施例1と同様に6.00μm、回折効率も図5と同様である。
[実施例6]
実施例6は実施例1〜5と比較して、薄膜層は液晶材料の構成が同じで、多層膜層、電極層、配向層が異なった場合である。具体的な構成を表6に示す。
実施例6は実施例1〜5と比較して、薄膜層は液晶材料の構成が同じで、多層膜層、電極層、配向層が異なった場合である。具体的な構成を表6に示す。
実施例6では電極層の膜厚が薄く、配向層の材料の屈折率が基板120および液晶110の不活性状態における屈折率より高い場合である。多層膜層のSiO2膜2層のうちの1層が不在層となっている。多層膜層のTiO2膜、もうひとつのSiO2膜、電極層、配向層を等価膜と考えると、不在層となっている。このため、広い波長帯域で反射率を低減することができる。液晶110が活性化状態の場合、基板120の屈折率と液晶110が活性化状態における屈折率に差があるため、液晶110が不活性化状態の場合よりも反射率が高くなる。
図10に実施例6の垂直入射における薄膜層の反射率を示す。活性化状態の反射率よりも不活性化状態の反射率のほうが低いことがわかる。また、後に示す反射防止層を設けない場合と比較して反射率が大幅に低減している。
また、実施例6の表面レリーフ形状の段差の高さは実施例1と同様に6.00μm、回折効率も図5と同様である。
[実施例7]
図11は実施例7の液晶電気活性レンズ10の概略図、薄膜層130の概略図は実施例1の図3と同じである。
図11は実施例7の液晶電気活性レンズ10の概略図、薄膜層130の概略図は実施例1の図3と同じである。
薄膜層の具体的な構成は、電極層1301はITO膜、多層膜層1302は低屈折率のSiO2膜と高屈折率TiO2膜を交互に3層積層した多層膜、配向層1303はポリイミド膜で構成されている。液晶材料はコレステリック液晶Aが垂直配向されており、不活性化状態で常光屈折率no、活性化状態で平均屈折率naveとなる。表7に各層の材料、波長550nmの屈折率、膜厚を示す。
実施例7は実施例1〜6と異なり、液晶Aが垂直配向であり、不活性化状態よりも活性化状態のほうが屈折率が高い場合である。電極層、多層膜層の等価膜は不在層となっている。配向層はnd/λ(550nm)は0.25に近い値であり、λ/4膜と呼ばれる反射率が最も変化する膜厚であり、本実施例のように液晶110が不活性化状態の屈折率よりも配向層の屈折率が高く、λ/4膜の場合では干渉効果で反射率が最も低減する。逆に液晶110が活性化状態の屈折率より配向層の屈折率が低く、λ/4膜の場合では干渉効果で反射率が最も増加する。このため、液晶110が活性化状態のほうが不活性化状態の場合よりも反射率が高くなる。
図12に、実施例7の垂直入射における薄膜層の反射率を示す。
活性化状態の反射率よりも不活性化状態の反射率のほうが低いことがわかる。また、後に示す反射防止層を設けない場合と比較して反射率が大幅に低減している。
また、実施例7の表面レリーフ形状は回折格子となる条件で設計されており、回折レンズの効果を得ることができる。実施例7において活性化状態で設計次数+1、設計波長550nmとし、表面レリーフ形状の段差の高さは6.04μmである。実施例7は液晶材料が活性化状態において基板の屈折率よりも高くなり、実施例1と符号が逆であるため、図11の表面レリーフ形状も逆になる。図13に不活性化状態と活性化状態における回折効率を示す。図13(a)は活性化状態の0次光、+1次光、+2次光の回折効率、図13(b)は不活性化状態の−1次光、0次光、+1次光の回折効率である。図13(a)のように活性化状態では+1次光の回折光の回折効率が高く、回折レンズのパワーが付加されている。図13(b)のように、不活性化状態では0次光の回折光の回折効率が高い、つまり回折光が発生せず、回折レンズのパワーが付加されていないことがわかる。
[実施例8]
実施例8は実施例7と比較して、薄膜層は液晶材料の構成が同じで、多層膜層、電極層、配向層が異なった場合である。具体的な構成を表8に示す。
実施例8は実施例7と比較して、薄膜層は液晶材料の構成が同じで、多層膜層、電極層、配向層が異なった場合である。具体的な構成を表8に示す。
実施例8は実施例7と配向層の屈折率が異なり、液晶が活性化状態の屈折率と略等しい場合である。電極層、多層膜層の等価膜は不在層となっている。配向層はnd/λ(550nm)は0.25に近い値であり、λ/4膜と呼ばれる反射率が最も変化する膜厚であり、本実施例のように液晶110が不活性化状態の屈折率よりも配向層の屈折率が高く、λ/4膜の場合では干渉効果で反射率が最も低減する。このため、液晶110が活性化状態のほうが不活性化状態の場合よりも反射率が高くなる。
図14に、実施例8の垂直入射における薄膜層の反射率を示す。
活性化状態の反射率よりも不活性化状態の反射率のほうが低いことがわかる。また、後に示す反射防止層を設けない場合と比較して反射率が大幅に低減している。
また、実施例8の表面レリーフ形状の段差の高さは実施例7と同様に6.04μm、回折効率も図13と同様である。
[比較例]
本発明の優位性をより明確に示すために比較例を示す。比較例は薄膜層に反射防止層が設けられていない構成である。膜層の具体的な構成は、電極層はITO膜、配向層はポリイミド膜で構成されている。液晶材料はコレステリック液晶Aが水平配向されており、不活性化状態で平均屈折率nave、活性化状態で常光屈折率noとなる。表9に各層の材料、波長550nmの屈折率、膜厚を示す。
本発明の優位性をより明確に示すために比較例を示す。比較例は薄膜層に反射防止層が設けられていない構成である。膜層の具体的な構成は、電極層はITO膜、配向層はポリイミド膜で構成されている。液晶材料はコレステリック液晶Aが水平配向されており、不活性化状態で平均屈折率nave、活性化状態で常光屈折率noとなる。表9に各層の材料、波長550nmの屈折率、膜厚を示す。
図16に、比較例の薄膜層のS偏光とP偏光の平均反射率を示す。
電極層と配向層は不在層となっているため、設計波長である550nm付近の反射率は低くなっているが、比較例では多層膜を設けていないため、設計波長以外の反射率が非常に高くなっている。このため、いずれの実施例と比較して可視波長帯域の平均として反射率が高いことがわかる。
[実施例9]
図15は、実施例1〜8に示した液晶電気活性レンズを備えたメガネである。図15は、実施例9のメガネの概略図である。図15に示されるように、制御部20は、液晶電気活性レンズ1の第1の液晶電気活性材料110に印加する電圧を制御し、電気活性レンズ1を電気不活性化状態または電気活性化状態に設定可能である。
図15は、実施例1〜8に示した液晶電気活性レンズを備えたメガネである。図15は、実施例9のメガネの概略図である。図15に示されるように、制御部20は、液晶電気活性レンズ1の第1の液晶電気活性材料110に印加する電圧を制御し、電気活性レンズ1を電気不活性化状態または電気活性化状態に設定可能である。
以上のように、本発明によれば、液晶電気活性材料が活性化状態よりも不活性化状態のほうが反射率が低い反射防止膜を有する液晶電気活性レンズを用いたメガネレンズおよびメガネを提供することができる。
1 メガネレンズ、10 電気活性レンズ、110 液晶電気活性材料、
120,121 基板、130,131 薄膜層、1301 電極層、
1302 多層膜層、1303 配向層、20 制御部
120,121 基板、130,131 薄膜層、1301 電極層、
1302 多層膜層、1303 配向層、20 制御部
Claims (17)
- 電気活性材料を含む電気活性レンズを用いたメガネレンズであって、
前記電気活性レンズは、一対の基板と、
前記電気活性材料を挟むように配置された一対の透明電極膜を有し、
前記基板と前記電極膜との間には屈折率の高い薄膜と低い薄膜を交互に積層された多層膜を有し、
前記電極と前記電気活性材料との間には中間膜を有し、
設計波長における前記電気活性材料の不活性化状態における平均屈折率、前記基板の屈折率をそれぞれn0、nsとしたとき、
|n0−ns|<0.03
を満足し、
透明電極膜、多層膜を構成する薄膜、中間膜のいずれかを等価膜として構成した場合の等価膜の設計波長における等価屈折率、等価膜厚をそれぞれne、deとしたとき、
0<ne×de/λ0<1/10
または、
2/5<ne×de/λ0<3/5
または、
|ne−ns|<0.03
を満足する等価膜を含んでいること特徴とするメガネレンズ。 - 前記等価膜は前記多層膜を構成する薄膜のいずれかで構成されていることを特徴する請求項1に記載の電気活性レンズを用いたメガネレンズ。
- 前記等価膜は前記多層膜を構成する全ての薄膜で構成されていることを特徴する請求項1に記載の電気活性レンズを用いたメガネレンズ。
- 前記等価膜は前記電極膜、前記中間膜、前記多層膜を構成する一部の薄膜で構成されていることを特徴する請求項1に記載の電気活性レンズを用いたメガネレンズ。
- 前記等価膜は前記電極膜、前記中間膜、前記多層膜を構成する薄膜のいずれかの薄膜からλ/2膜に相当する膜厚を差し引いた薄膜で構成されていることを特徴する請求項1に記載の電気活性レンズを用いたメガネレンズ。
- 前記電気活性材料が水平配光であって、
前記等価膜以外の膜は設計波長における屈折率をni、膜厚をdiとしたとき、
以下を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電気活性レンズを用いたメガネレンズ。
0<ni×di/λ0<1/10
または
2/5<ni×di/λ0<3/5
ただし、λ0は設計波長 - 前記電気活性材料が垂直配光であって、
前記等価膜以外の膜のうちのいずれかの膜は設計波長における屈折率をn0、膜厚をd0としたとき、
以下を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電気活性レンズを用いたメガネレンズ。
3/20<n0×d0/λ0<7/20
ただし、λ0は設計波長 - 前記等価膜および請求項7に記載の膜以外の膜は設計波長における屈折率をni、膜厚をdiとしたとき、
以下を満足することを特徴とする請求項6に記載の電気活性レンズを用いたメガネレンズ。
0<ni×di/λ0<1/10
または
2/5<ni×di/λ0<3/5
ただし、λ0は設計波長 - 前記設計波長が500〜600nmの間であることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の電気活性レンズを用いたメガネレンズ。
- 前記中間膜が配向膜であることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の電気活性レンズを用いたメガネレンズ。
- 前記電気活性材料はコレステリック液晶、またはカイラルツイスト剤が添加されたネマチック液晶であることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の電気活性レンズを用いたメガネレンズ。
- 前記電気活性レンズは、可変焦点機能を有する液晶回折レンズであることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の電気活性レンズを用いたメガネレンズ。
- 前記一対の基板の電気活性材料側の表面がレリーフ形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の電気活性レンズを用いたメガネレンズ。
- 前記一対の透明電極の片側がセグメント化された電極であることを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の電気活性レンズを用いたメガネレンズ。
- 前記電気活性材料が活性化状態において、設計波長における設計回折光の回折効率が90%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載の電気活性レンズを用いたメガネレンズ。
- 前記電気活性材料が不活性化状態において、使用波長帯域における0次光の回折効率が90%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項15の何れか一項に記載の電気活性レンズを用いたメガネレンズ。
- 請求項1乃至請求項16の何れか一項に記載の電気活性レンズと、
前記電気活性レンズを活性化状態または不活性化状態に設定可能な制御部と、
を有することを特徴とするメガネ。
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JP2019008138A JP2020118778A (ja) | 2019-01-22 | 2019-01-22 | 電気活性レンズを用いたメガネレンズおよびメガネ |
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CN116774467A (zh) * | 2023-05-19 | 2023-09-19 | 武汉敏芯半导体股份有限公司 | 薄膜组结构、光电器件和光电器件的调节方法 |
-
2019
- 2019-01-22 JP JP2019008138A patent/JP2020118778A/ja active Pending
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CN116774467B (zh) * | 2023-05-19 | 2024-04-26 | 武汉敏芯半导体股份有限公司 | 薄膜组结构、光电器件和光电器件的调节方法 |
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