JP2020116789A - 木材と樹脂の組み合わせ成形品および複合体 - Google Patents

木材と樹脂の組み合わせ成形品および複合体 Download PDF

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Abstract

【課題】木材と樹脂材との組み合わせで形成され、日常的な使用に耐える強度と耐久性を有し、木製品の手触りや質感を保ちつつ樹脂材の透光性を有し、内容物を感得することが可能である成形品、また、その成形品を提供するための複合体を提供する。【解決手段】2以上の木材部22,23と、少なくとも1つの樹脂部24とを有する成形品であって、樹脂部は2以上の木材部の間に位置し、2以上の木材部は単一の木材を切断してなるもので、単一の木材であったときと同じ向きに配置されていることを特徴とする、成形品である。【選択図】図2

Description

本発明は、木と樹脂との組み合わせによる木製成形品、および、このような成形品を提供するための複合体に関する。
木材と樹脂材とを一体に接着した積層板が公知である。例えば、特許文献1には、集成材とアクリル樹脂板とを接着剤を介して一体に接着した、建物用透光板が開示されている。特許文献1の考案は、温度上昇によって木材は縮み、プラスチック板は伸びる傾向があるため、通常の木材用接着剤では木材とプラスチック板とを強固に接着固定することができないと考えられていたところ、木材として収縮の少ない集成材を採用し、接着剤によって一体化するものである。
特許文献2には、木材と樹脂材とをそれぞれ複数重ね合わせた積層板において、木材と樹脂材とを接着する際に、積層方向に圧締するとともに電磁波を照射する製造方法が開示されている。特許文献2は、木材と樹脂材との接着において、アクリル樹脂材は熱で変形しやすく加熱温度を上げられないが、樹脂接着剤は電磁波を吸収しやすく、電磁波を照射すれば内部から発熱するため、木材やアクリル樹脂材の変形を防ぎつつ接着時間を短くできることを開示している。
また、装飾材等における木材と樹脂材との組み合わせも公知である。例えば、特許文献3には、樹脂象嵌を施した木製品が開示されている。特許文献3は、レーザ加工によって被加工木材に象嵌部の形状どおりの溝を穿設し、当該溝部に液状の樹脂を注入して硬化させた後に、被加工木材の裏側を樹脂部が露出するまで切削することによって、木材に樹脂象嵌部を形成することを開示している。
また特許文献4は、突板による木質化粧部と透明樹脂パネルとを平面的に配置した成形品が開示されている。特許文献4の発明は、一部に透明パネル部を有する木質突板の成形品において、木質化粧部と透明部の間に段差や隙間のないすっきりした美しい仕上がりが得られるとともに、製造コストを削減することを目的としている。特許文献4の発明は、木材をスライスすることにより形成された突板と、透明な材料で構成された透明部材とを準備し、突板および透明部材を金型内に並べてセットし、金型内の突板の裏面側に、基材を構成する合成樹脂を射出して射出成形を行い、突板および透明部材と一体化することを特徴としている。
上述のとおり、木材と樹脂材との組み合わせによる材料ないし成形品は、様々なものが知られている。ただし、建材等では安全性や強度を確保するために、外から見えない位置に木ねじ等を用いて木材と樹脂材とを係止する場合もあった。また、これらの材料は、主に戸扉、間仕切り、階段の踏み板等の平板状構造物として用いられるもので、二次加工によって複雑な形状を付与するものではなかった。
一方、特許文献3の複合材は、装飾品等における装飾効果のために樹脂象嵌部を設けるもので、実用上の強度や耐久性は考慮されていない。また、特許文献4の成形品は、自動車のメータパネル板等に適用されるもので、立体的な造形によって機能を発揮することは想定されていない。
実用新案登録第3051584号公報 特開2011−167986号公報 特開平7−9798号公報 特開2001−347572号公報
上述のような木材と樹脂材との組み合わせによれば、木材の外観と樹脂材の透光性とを併せ持つ物品が得られる。しかしながら、木材と樹脂材を組み合わせた面の厚みが薄く(例えば厚みが1cm以下)、かつ、立体的な形状を有する物品であって、木ならではの外観、手触りや質感を保ちつつ、一部を樹脂にて透光部とし、かつ、十分な強度と耐久性を有する物品は未だ実現されていなかった。
この状況に鑑み本発明は、木材と樹脂材との組み合わせで形成され、日常的な使用に耐える十分な強度と耐久性を有し、木製品の外観、手触りや質感を保ちつつ樹脂材の透光性を有し、内容物を感得することが可能である成形品、また、その成形品を提供するための複合体を提供することを目的とする。
木材の間に樹脂を流し込んで固める方法は、木材と樹脂材との接着力が充分でなく強度や耐久性が確保できないと考えられた。また、木材と樹脂材の全体にトップコート層や基材層を形成することで一体化する方法では、木材ならではの手触りや質感が充分に発揮されないと考えられた。発明者は検討を重ね、木材と樹脂材をそれぞれ成形して組み合わせる成形品では、厚みの薄い物品であるほど製作が困難で、貼り合わせ部の段差が生じやすく、また、木材の変形による歪みや割れが生じやすくなることを見出した。そして、さらなる検討の結果、一塊の木材を切断し、切断部に樹脂板を挟み込んで再接着した複合体を用い、削り出しによって得た成形品によれば、肉薄(例えば厚みが1cm以下)の面を有する成形品であっても、割れや歪みが発生することなく、木材と樹脂材が複合した立体的な成形品を得ることが可能で、木製品の手触りと樹脂部の透光性を持ちながら、日常的な使用に耐える強度と耐久性を有する成形品が実現できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、次の構成を有する。
[1]2以上の木材部と、少なくとも1つの樹脂部とを有する成形品であって、
前記樹脂部は、前記2以上の木材部の間に位置し、
前記2以上の木材部は、単一の木材を切断してなるもので、当該単一の木材であったときと同じ向きに配置されていることを特徴とする、成形品。
[2]前記成形品が、全体が一体として削り出された削り出し成形品である、[1]に記載の成形品。
[3]前記樹脂部が、透光性を有するアクリル樹脂からなる、[1]又は[2]に記載の成形品。
[4]食器、うつわ、又は、インテリア用品である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の成形品。
[5]前記成形品において、前記木材部と前記樹脂部とを有する面の厚みが、最薄部において1cm以下である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の成形品。
[6]2以上の木材部と、少なくとも1つの樹脂部とを有する複合体であって、
前記複合体に含まれる木材部は、単一の木材が、一又は複数の切断面で2以上に切断されてなるものであり、
前記樹脂部は、前記木材部の切断面の間に透光性を有する樹脂板が挟み込まれ、接着固定されてなるものであり、
前記2以上の木材部が、単一の木材であったときと同じ向きに配置されていることを特徴とする、複合体。
[7]前記木材部の切断面は、前記単一の木材の繊維に対して平行方向に切断された切断面であり、前記樹脂板が、前記木材の切断面に挟み込まれて接着固定されたものである、[6]に記載の複合体。
[8]前記木材部の切断面が、前記単一の木材の年輪に対して横断方向に切断された切断面であり、前記樹脂板が、前記木材の切断面に挟み込まれて接着固定されたものである、[6]又は[7]に記載の複合体。
本発明によれば、木材部と、木材部の間に位置する樹脂部とを有する成形品であって、木材の質感と樹脂の特性とを併せ持ち、日常的な使用に耐える強度と耐久性を有する成形品が提供される。本発明によれば、食器やうつわであって、木の手触りや質感を有するとともに、透光性を有する樹脂部を通して内容物の量や色彩、動きを感得することができ、新規な興趣を生じる食器やうつわが得られる。また、本発明のインテリア小物、例えば照明カバーによれば、木の質感を保ちながら、透光性のある樹脂部を通じて明るさが確保される。また、従来の木材と樹脂材の組み合わせでは実施できなかった、木材と樹脂材が組み合わされた面のデザインが、実用上問題ない強度および耐久性を保ちつつ実現される。
また本発明によれば、木材と樹脂とが一体化された複合体が提供される。当該複合体によれば、削り出しによって任意の形状の成形品を得ることが可能で、本発明の複合体から得られる成形品は、日常的な使用に耐える強度と耐久性を有し、木製品の手触りや質感を保ちつつ樹脂材の透光性を有し、物品の内部を感得することが可能である。本発明の複合体ないし成形品は、単一の木材を切断した切断面の間に樹脂板を挟み込む構造とすることによって、複合体ないし成形品を構成する木材部の変形方向、変形率が同じになり、このことによって木材部と樹脂部との歪みや割れが軽減され、肉薄の成形品であっても十分な強度や耐久性が得られるものと考えられている。
本発明の実施例であるグラスを示す。 本発明の実施例であるグラスを示す。 本発明の実施例であるグラスを示す。 本発明の実施例であるグラスの底面を示す。 本発明の実施例であるワイングラスを示す。 本発明の実施例である猪口を示す。 本発明の実施例である複合体の材料を示す。 本発明の実施例である複合体を示す。 本発明の実施例である複合体を示す。
以下、図面を参照しながら本発明について説明するが、本発明は、図面に示された例に限定されない。なお、各図面において、同じ符号は同じ構成を示し、同様の構成については説明を省略することがある。
(成形品)
図1は、本発明の成形品の一例であるグラス11を示す。グラス11は、木材部12、13の間に、接着固定された樹脂部14が配置されてなる。グラス11において、木材部12、13は単一の木材を切断してなるもので、木材部12、13の木目は互いに連続するものである。樹脂部14は、意図する意匠に応じて透光性を有しても有していなくてもよいが、透光性のある樹脂を用いるとグラス11の内容物を感得できるため好ましい。
図2は、本発明の成形品の一例であるグラス21を示す。グラス21は高さ約9cm、底面の直径約5.5cm、上面の直径約6.7cmである。底面の厚みは約1.3cm、側面の厚みは1〜2mmである。グラス21は、木材部22、23の間に、樹脂部24が配置されてなる。グラス21において、木材部22、23は単一の木材を切断してなるもので、木材部22、23の木目は互いに連続するものである。成形品において、木材部が単一の木材を切断してなるものであることは、木目によって確認できる。樹脂部24の幅は、約1cmである。なお、グラス21の寸法は一例に過ぎず、本発明の成形品は、このような寸法に限定されない。例えば、直径3〜30cm、高さ3〜25cm、側面の厚み2〜20mm程度とすることができ、これ以外の範囲でもよい。側面の形状は平面でも曲面でもよく、任意に設定できる。
グラス21は、全体が一体として削り出された削り出し成形品である。なお、削り出し成形品であることは、底面から上面まで全体に継ぎ目が無く一体であること、表面、特に木材部と樹脂部との境界に段差が無く、なめらかな表面とされていることによって、他の製造方法で作製された成形品と区別可能である。削り出しの方法は特に制限されないが、例えば、ロクロ切削が好適である。ロクロ切削によれば、加工の自由度が高く、グラス底面や側面の厚み、側面、断面ないし全体の形状等を自由に設計することができる。
グラス21は木材と樹脂材との複合体(後述)から削り出されたもので、グラス21の上下方向が木材の繊維方向、横断方向が木材の横断方向である。グラス21の木材の種類は、ケヤキである。本発明の成形品を構成する木材の種類は、所望の特性が得られる限りにおいて特に制限されないが、特に食器やうつわなどの日用品である場合、木材表面の美観、強度、耐変形性、加工性等の観点から、ケヤキ、サクラ、ミズメ、ナラ、トチ、セン等が好ましく用いられる。
木材部22,23と樹脂部24は、木材が、木材の繊維に対して平行方向に切断された面に樹脂材が挿入されて、木材の向きを変えずに再接合された複合体から得られる。木材部22,23と樹脂部24とは、その境界面にて互いに接着され、木ねじその他の係止具は用いられていない。一般に、木材と樹脂材の複合体においては、温度、湿度や経時変化に起因する変形の仕方が異なるために接合部の割れや歪みが生じやすく、耐久性や強度が問題になるところ、本発明の成形品は、一塊の木材を切断し、切断部に樹脂板を挟んで、木材の向きを変えずに再接着することで、分割された木材の変形方向、変形率が同じになり、時間を経ても割れなど不具合が起きにくくなると考えられている。なお、本明細書において、「木材の繊維に対して平行方向」とは、おおむね木材の繊維と同方向であることを広く意味するものであって、数学的に平行であることを意味するものではない。
樹脂部24は、透光性を有する無色のアクリル樹脂であり、樹脂部24を通じてグラス21の内容物を感得することができる。例えば、金箔入りの日本酒を注ぐと、半透明な樹脂部を通して、金箔が揺れ動くのを見ることができる。また、照明の当たる方向や高さによって見え方が変わる、ワインを注ぐと色合いが感じられる、グラスの内容量がわかるため酌のタイミングがわかる、等の利用が想定できる。
樹脂部24はアクリル樹脂(三菱ケミカル社製、アクリライト(登録商標)EX、厚み10mm)であり、アクリル樹脂のほか、形態安定性や透光性、強度の観点からは、メタクリル樹脂、または透光性を有し切断加工・ロクロ切削成形が可能な樹脂等を用いることができる。樹脂部24の幅は、グラス21においては1cm程度であるが、厚みの異なるアクリル板を採用することによって、任意の幅にできる。例えば樹脂部の幅は3〜50mmとすることができ、5〜30mmであればより好ましい。
図3は、本発明の成形品の一例であるグラス31を示す。グラス31の構成は図2に示されたグラス21と類似であり、図2と異なる点を中心に説明する。グラス31の側面は、内面は平滑である一方、外面の輪郭は波状に形成されている。このような形状はロクロ切削により作製できる。木材部と樹脂部とを別々に製作して貼り合わせる方法では、複雑な外形を有するパーツを精密に貼り合わせることは困難であるところ、本発明の成形品は削り出しにより一体的に成形されるため、グラス31のように複雑な輪郭を有する物品であっても、木材部と樹脂部との境界にズレや割れが発生することなく、製造されうる。
グラス31は、樹脂部34の配置方向が図2のグラス21とは異なる。すなわちグラス21では、木材部22,23は、木材が、木材の繊維に対して平行方向、かつ年輪に対して平行方向に切断されてなり、その間に樹脂部24が挟み込まれている。一方、グラス31では、木材部32,33は、木材が、木材の繊維に対して平行方向、かつ、年輪に対して横断方向に切断されてなり、その間に樹脂部34が挟み込まれている。
なお、本明細書において、「年輪に対して平行方向」とは、おおむね木材の年輪と同方向であることを広く意味するものであって、数学的に平行であることのみを意味するものではない。また、「年輪に対して横断方向」とは、木材の年輪を横断する方向、すなわち、年輪に対して垂直方向ないし年輪に対して斜交方向であることを意味するものである。なお、年輪に対して垂直方向とは、年輪に対してほぼ直交することを広く意味するものであって、数学的に垂直であることを意味するものではない。
図4は、グラス21及びグラス31の底面を示す。グラス21では木材部22,23が年輪に対して平行方向に切断されており、グラス31では木材部32,33が年輪に対して横断方向(ほぼ直交方向)に切断されている。本発明の成形品はいずれの態様も含むが、グラス31のように、木材が年輪に対して横断方向に切断され、切断面に樹脂部が挟み込まれた態様は、木材部の変形がより少なくなり、木材部の変形によるグラスの割れや、木材部と樹脂部との剥がれが生じ難くなるため、特に好ましい。
グラス21、31は、ウレタン塗装で仕上げられており、食器として必要な防湿性、防水性、防塵性等が付与されている。本発明の成形品は、ウレタン塗装に限られず、別の公知の塗装ないし仕上げがされていてもよい。例えば、漆塗装、カシュー塗装、ラッカー塗装、エポキシ塗装、アクリル塗装、シリコン塗装、クルミ油等天然由来オイル塗装、ガラスコート等がされていてもよい。また、グラス21,31では、樹脂部24,34の表面がやや粗面に仕上げられて半透明とされているが、鏡面仕上げとしてもよく、所望のデザインに応じて任意の表面加工を施すことができる。
図5は、本発明の別の実施態様であるワイングラス51を示す。ワイングラス51は、木材部52、53と、それらの間に位置する樹脂部54とを有する。ワイングラス51では、単一の木材が、木材の繊維に対して斜め方向に切断されて、木材部52,53とされている。ワイングラス51も、ロクロ加工で削り出しにて一体的に成形され、木材部と樹脂部との境界に段差等が生じることなく、ワイングラス特有の曲線的な表面がなめらかに表現される。また、グラス部分の厚みは、2〜20mm程度とすることができ、ガラス製のワイングラスと遜色ない薄さとすることもできる。本発明の成形品は、単一の木材を切断し、その間に樹脂部を配置して再接着するという特有の構成を有することで、木材の変形に起因する歪みや割れが抑えられ、木材部と樹脂部とを有する面の厚みを、1cm以下、より好ましくは8mm以下、さらに好ましくは5mm以下とすることができる。
図6は、本発明の別の実施態様である猪口61を示す。猪口61も他の実施例と同様に、木材部62、63の間に、樹脂部64が位置する構成である。猪口61は、上部と下部とで形状が変化しており、この形状もロクロ加工等の削り出しにて作製される。また、猪口61は、側面の形状の変化に従って側面の厚みも変化するが、木材部62,63と樹脂部64とは、一塊の複合体から一体的に削り出されるため、複雑な断面形状であっても任意に成形することができる。
本発明の成形体は、一体に成形された木材部および樹脂部を含む削り出し成形部以外に、例えば、取手、注ぎ口、台等を有していてもよい。これらの取手、注ぎ口、台等は、別の部材が取り付けられていてもよいし、削り出し成形品に、さらに切削等の加工をすることによって作り出されていてもよい。また、本発明の成形体は、グラス、ワイングラス、猪口などの飲料用食器に限られず、各種の食器やうつわ、例えば、弁当箱、皿、鉢、ボウル、プレート、スプーン・フォークや箸・箸箱等のカトラリー、調味料容器、各種の保存容器等であってもよく、名刺や印鑑・線香等の各種収納ケース、照明カバー、花瓶、時計等のインテリア用品であってもよい。
図7は、本発明の複合体の作製前の状態を示す。木材部72、73は無垢のケヤキ材で、11cm×11cm×13cmの一塊の木材を、木材の繊維に対して平行方向、かつ、年輪に対して横断方向に切断したものである。当然ながら、本発明の複合体の大きさはこれに制限されず、例えば、一辺の長さが2〜40cm程度の木材を切断して用いることができ、2〜25cm程度の木材であればより好ましい。
木材部72、73の間に樹脂板74が配置され、接着される。接着は、例えばウレタン系、エポキシ系等の接着剤を用いて、5〜30℃で5〜24時間、圧締しながら接着を行うことができる。具体的には例えば、水性高分子−イソシアネート系接着剤を用いて、樹脂板74の一対の側面にそれぞれ接着剤を塗布し、木材部72、73の間に配置して加圧接着する。また、主剤は水性高分子、水性分散体樹脂からなり、架橋剤はイソシアネート系化合物を主成分としている。イソシアネート基(−NCO)は主剤中の水酸基(−OH)等の官能基及び木材中の水酸基などと反応し、3次元構造の巨大分子に変化し、強力な接着性能を生成する。主剤と架橋剤との標準配合は、質量比で主剤が100%の割合である場合に硬化剤が15%の割合に設定される。
図8は本発明の複合体81を示す。複合体81は、7.5cm×8・5cm×10cmであり、木材部82、83の間に、幅1cmの樹脂部84が挟み込まれている。木材部82、83は、単一の木材が切断され元と同じ向きに配置されてなることが、木目から確認できる。複合体81は、次工程である切削のために四隅に面が作られ、上面中心部に穿穴されている。木材部82、83の切断面は、材料である単一の木材の繊維に対して平行方向に切断された切断面であり、樹脂板84が、木材の繊維に対して平行方向に挟み込まれて接着固定されてなる。本発明の複合体は、単一の木材と同様に扱い、切削や研磨等の加工を施すことができる。
図9は、本発明の複合体の別の実施態様を示す。本発明の複合体は、図9(上図)に示すように、単一の木材が、木材の繊維に対して垂直方向かつ、年輪に対して横断方向に切断に切断され、樹脂板が挟み込まれていてもよい。また、2以上の切断面によって3つ以上に切断され、それぞれの切断面に樹脂板が挟み込まれて接着固定されていてもよい。また、本発明の複合体は、図9(下図)に示すように、単一の木材が、木材の繊維に対して斜め、かつ、年輪に対して横断方向に切断され、樹脂板が木材の繊維に対して斜め、かつ年輪に対して横断方向に挟み込まれて接着固定されていてもよい。なお、図9に示されるように、いずれの場合も、切断された木材は元の向きを変えずに配置され、再接着される。
11、21、31 グラス
51 ワイングラス
61 猪口
81 複合体
12、13、22、23、32、33、52、53、62、63、72、73、82、83 木材部
14、24、34、54、64、74、84 樹脂部

Claims (8)

  1. 2以上の木材部と、少なくとも1つの樹脂部とを有する成形品であって、
    前記樹脂部は、前記2以上の木材部の間に位置し、
    前記2以上の木材部は、単一の木材を切断してなるもので、当該単一の木材であったときと同じ向きに配置されていることを特徴とする、成形品。
  2. 前記成形品が、全体が一体として削り出された削り出し成形品である、請求項1に記載の成形品。
  3. 前記樹脂部が、透光性を有するアクリル樹脂からなる、請求項1又は2に記載の成形品。
  4. 食器、うつわ、又は、インテリア用品である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形品。
  5. 前記成形品において、前記木材部と前記樹脂部とを有する面の厚みが、最薄部において1cm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形品。
  6. 2以上の木材部と、少なくとも1つの樹脂部とを有する複合体であって、
    前記複合体に含まれる木材部は、単一の木材が、一又は複数の切断面で2以上に切断されてなるものであり、
    前記樹脂部は、前記木材部の切断面の間に透光性を有する樹脂板が挟み込まれ、接着固定されてなるものであり、
    前記2以上の木材部が、単一の木材であったときと同じ向きに配置されていることを特徴とする、複合体。
  7. 前記木材部の切断面は、前記単一の木材の繊維に対して平行方向に切断された切断面であり、前記樹脂板が、前記木材の切断面に挟み込まれて接着固定されたものである、請求項6に記載の複合体。
  8. 前記木材部の切断面が、前記単一の木材の年輪に対して横断方向に切断された切断面であり、前記樹脂板が、前記木材の切断面に挟み込まれて接着固定されたものである、請求項6又は7に記載の複合体。
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