本開示の態様は、様々な自己免疫性および炎症性の疾患および障害の治療のための用途が見出される化合物を含む。本開示の実施形態は、これらの化合物を含む医薬組成物、種々の疾患および障害の治療におけるこれらの化合物の使用方法、これらの化合物を調製するための方法、およびこれらの方法において有用な中間体にも関する。
本発明をさらに説明する前に、本発明は、説明される特定の実施形態に限定されるものではなく、したがって、もちろん変化し得ることを理解すべきである。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになるので、本明細書で使用される専門用語は特定の実施形態を説明する目的のためのみのものであり、限定しようとするものではないことも理解すべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「1つの(the)」は、文脈による別段の明白な指示のない限り、複数形の指示対象を含むことに留意すべきである。特許請求の範囲は、どんな任意選択の要素も排除するように書き得ることにさらに留意されたい。したがって、この表記は、特許請求の範囲の要素の記述または「否定的な」限定の使用の関連において「もっぱら(solely)」、「ただ1つ(only)」などのような、そうした排他的な専門用語の使用のための先行詞(antecedent basis)としての役割を果たすことを目的とするものである。
値の範囲が示されている場合、文脈による別段の明白な指示のない限り、その範囲の上限値と下限値の間の、下限値の10分の1の単位までの各介在値、およびその記述されている範囲内の他の任意の記述値または介在値が具体的に考慮されることを理解されたい。これらのより小さい範囲の上限値および下限値は、記述されている範囲内の特に排除されている限界値に従うことを前提として、そのより小さい範囲中に独立に含まれてよく、これらもやはり本発明に包含される。記述されている範囲がその限界値の一方または両方を含む場合、それらの含まれている範囲のいずれかまたは両方を除く範囲も、本発明に含まれる。
本明細書で論じる出版物は、本出願の出願日以前のそれらの開示についてのみ提供される。本明細書では、本発明が、先行発明のため、そうした出版物に先行する資格がないことを承認するものと解釈されるべきではない。さらに、提供される出版の日付は、実際の刊行日と異なっている可能性があり、これは、独立に確認する必要があり得る。
別段の定義のない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で説明するものと類似しているまたは同等な任意の方法および材料も、本発明の実践または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料をここで説明する。本明細書で挙げるすべての出版物を、その出版物が引用されているものに関連してその方法および/または材料を開示し説明するために、参照により本明細書に組み込む。
別途記述されている場合を除いて、本発明の実施形態の方法および技術は、一般に、当業界で周知の慣用的な方法にしたがって、かつ、本明細書を通して引用され論じられている様々な一般的およびより具体的な参照において記載されているように実行される。例えば、Loudon、Organic Chemistry、第4版、New York:Oxford University Press、2002年、360〜361頁、1084〜1085頁;SmithおよびMarch、March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure、第5版、Wiley−Interscience、2001年;またはVogel、A Textbook of Practical Organic Chemistry,Including Qualitative Organic Analysis、第4版、New York:Longman、1978年を参照されたい。
目的化合物(subject compound)を称するために本明細書で使用される命名法は、本明細書の実施例において例示されている。この命名法は、一般に、市販のAutoNomソフトウェア(MDL、San Leandro、CA.)を用いて誘導されている。
用語
以下の用語は、別段の指定のない限り、以下の意味を有する。定義されていない用語は、当業界で認められているそれらの意味を有する。
「アルキル」は、1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する一価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。この用語は、例として、メチル(CH3−)、エチル(CH3CH2−)、n−プロピル(CH3CH2CH2−)、イソプロピル((CH3)2CH−)、n−ブチル(CH3CH2CH2CH2−)、イソブチル((CH3)2CHCH2−)、sec−ブチル((CH3)(CH3CH2)CH−)、t−ブチル((CH3)3C−)、n−ペンチル(CH3CH2CH2CH2CH2−)およびネオペンチル((CH3)3CCH2−)などの直鎖状および分枝状ヒドロカルビル基を含む。
「置換アルキル」という用語は、そのアルキル鎖(C1炭素原子を除く)中の1個または複数の炭素原子が任意選択で−O−、−N−、−S−、−S(O)n−(nは0〜2である)、−NR−(Rは水素またはアルキルである)などのヘテロ原子で置き換えられており、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリールおよび−NRaRb(R’およびR”は、同じであっても異なっていてもよく、水素、任意選択で置換されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式環(heterocyclic)から選択される)からなる群から選択される1〜5個の置換基を有する本明細書で定義されるようなアルキル基を指す。
「アルキレン」は、直鎖状かまたは分枝状であり、−O−、−NR10−、−NR10C(O)−、−C(O)NR10−などから選択される1つまたは複数の基で任意選択で中断されている、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個の炭素原子を有する二価脂肪族ヒドロカルビル基を指す。この用語は、例として、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、n−プロピレン(−CH2CH2CH2−)、イソ−プロピレン(−CH2CH(CH3)−)、(−C(CH3)2CH2CH2−)、(−C(CH3)2CH2C(O)−)、(−C(CH3)2CH2C(O)NH−)、(−CH(CH3)CH2−)などを含む。
「置換アルキレン」は、以下で「置換されている(substituted)」という定義において炭素について説明されるような置換基で置き換えられている、1〜3個の水素を有するアルキレン基を指す。
「アルカン」という用語は、本明細書で定義されるようなアルキル基およびアルキレン基を指す。
「アルキルアミノアルキル」、「アルキルアミノアルケニル」および「アルキルアミノアルキニル」という用語は、R’が本明細書で定義されるようなアルキル基であり、R”が本明細書で定義されるようなアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基である基R’NHR”を指す。
「アルカリル」または「アラルキル」という用語は、アルキレン、置換アルキレンおよびアリールが本明細書で定義されている基−アルキレン−アリールおよび−置換アルキレン−アリールを指す。
「アルコキシ」は、アルキルが本明細書で定義される通りである基−O−アルキルを指す。アルコキシには、例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシなどが含まれる。「アルコキシ」という用語は、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびアルキニルが本明細書で定義される通りである基アルケニル−O−、シクロアルキル−O−、シクロアルケニル−O−およびアルキニル−O−も指す。
「置換アルコキシ」という用語は、置換アルキル、置換アルケニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニルおよび置換アルキニルが本明細書で定義される通りである基置換アルキル−O−、置換アルケニル−O−、置換シクロアルキル−O−、置換シクロアルケニル−O−および置換アルキニル−O−を指す。
「アルコキシアミノ」という用語は、アルコキシが本明細書で定義される基−NH−アルコキシを指す。
「ハロアルコキシ」という用語は、アルキル基上の1個または複数の水素原子がハロ基で置換されており、例として、トリフルオロメトキシなどの基を含む基アルキル−O−を指す。
「ハロアルキル」という用語は、アルキル基上の1個または複数の水素原子がハロ基で置換されている上記のような置換アルキル基を指す。そうした基の例には、これらに限定されないが、フルオロアルキル基、例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチルなどが含まれる。
「アルキルアルコキシ」という用語は、アルキル、置換アルキル、アルキレンおよび置換アルキレンが本明細書で定義される通りである基−アルキレン−O−アルキル、アルキレン−O−置換アルキル、置換アルキレン−O−アルキルおよび置換アルキレン−O−置換アルキルを指す。
「アルキルチオアルコキシ」という用語は、アルキル、置換アルキル、アルキレンおよび置換アルキレンが本明細書で定義される通りである基−アルキレン−S−アルキル、アルキレン−S−置換アルキル、置換アルキレン−S−アルキルおよび置換アルキレン−S−置換アルキルを指す。
「アルケニル」は、2〜6個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子を有し、少なくとも1つ、好ましくは1つ〜2つの部位の二重結合不飽和を有する直鎖状または分枝状ヒドロカルビル基を指す。この用語は、例として、ビビニル、アリルおよびブタ−3−エン−1−イルを含む。この用語に含まれるものには、cisおよびtrans異性体またはこれらの異性体の混合物がある。
「置換アルケニル」という用語は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリールから選択される1〜5個の置換基または1〜3個の置換基を有する本明細書で定義されるようなアルケニル基を指す。
「アルキニル」は、2〜6個の炭素原子、好ましくは2〜3個の炭素原子を有し、少なくとも1つ、好ましくは1つ〜2つの部位の三重結合不飽和を有する直鎖状または分枝状の一価ヒドロカルビル基を指す。そうしたアルキニル基の例には、アセチレニル(−C≡CH)およびプロパルギル(−CH2C≡CH)が含まれる。
「置換アルキニル」という用語は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリールから選択される1〜5個の置換基または1〜3個の置換基を有する本明細書で定義されるようなアルキニル基を指す。
「アルキニルオキシ」は、アルキニルが本明細書で定義される通りである基−O−アルキニルを指す。アルキニルオキシには、例として、エチニルオキシ、プロピニルオキシなどが含まれる。
「アシル」は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義される通りである、基H−C(O)−、アルキル−C(O)−、置換アルキル−C(O)−、アルケニル−C(O)−、置換アルケニル−C(O)−、アルキニル−C(O)−、置換アルキニル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、置換シクロアルキル−C(O)−、シクロアルケニル−C(O)−、置換シクロアルケニル−C(O)−、アリール−C(O)−、置換アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−、置換ヘテロアリール−C(O)−、ヘテロシクリル−C(O)−および置換ヘテロシクリル−C(O)−を指す。例えば、アシルには、「アセチル」基CH3C(O)−が含まれる。
「アシルアミノ」は、基−NR20C(O)アルキル、−NR20C(O)置換アルキル、NR20C(O)シクロアルキル、−NR20C(O)置換シクロアルキル、−NR20C(O)シクロアルケニル、−NR20C(O)置換シクロアルケニル、−NR20C(O)アルケニル、−NR20C(O)置換アルケニル、−NR20C(O)アルキニル、−NR20C(O)置換アルキニル、−NR20C(O)アリール、−NR20C(O)置換アリール、−NR20C(O)ヘテロアリール、−NR20C(O)置換ヘテロアリール、−NR20C(O)複素環式環および−NR20C(O)置換複素環式環を指す。ここで、R20は水素またはアルキルであり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環は本明細書で定義される通りである。
「アミノカルボニル」、または「アミノアシル」という用語は、R21およびR22が、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環からなる群から独立に選択され、R21およびR22が、任意選択で、それらと結合している窒素と一緒になって複素環式環または置換複素環式環基を形成しており、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義される通りである基−C(O)NR21R22を指す。
「アミノカルボニルアミノ」は、R21、R22およびR23が、水素、アルキル、アリールまたはシクロアルキルから独立に選択されるか、または2つのR基が一緒になってヘテロシクリル基を形成している基−NR21C(O)NR22R23を指す。
「アルコキシカルボニルアミノ」という用語は、各Rが独立に水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルが本明細書で定義される通りである基−NRC(O)ORを指す。
「アシルオキシ」という用語は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルが本明細書で定義される通りである、基アルキル−C(O)O−、置換アルキル−C(O)O−、シクロアルキル−C(O)O−、置換シクロアルキル−C(O)O−、アリール−C(O)O−、ヘテロアリール−C(O)O−およびヘテロシクリル−C(O)O−を指す。
「アミノスルホニル」は、R21およびR22が水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環、置換複素環式環からなる群から独立に選択され、R21およびR22が、任意選択で、それらと結合している窒素と一緒になって複素環式環または置換複素環式環基を形成しており、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義される通りである基−SO2NR21R22を指す。
「スルホニルアミノ」は、R21およびR22が、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環からなる群から独立に選択され、R21およびR22が、任意選択で、それらと結合している原子と一緒になって複素環式環または置換複素環式環基を形成しており、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義される通りである基−NR21SO2R22を指す。
「アリール」または「Ar」は、単環(フェニル基中に存在するものなど)、あるいは、その縮合環が芳香族であっても芳香族でなくてもよく、ただし、その結合点が芳香環の原子を介している複数の縮合環(そうした芳香環系の例にはナフチル、アントリルおよびインダニルが含まれる)を有する環系を有する、6〜18個の炭素原子の一価芳香族炭素環基を指す。この用語は、例として、フェニルおよびナフチルを含む。アリール置換基についての定義によって別段拘束されない限り、そうしたアリール基は、アシルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリル、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリールおよびトリハロメチルから選択される1〜5個の置換基または1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてよい。
「アリールオキシ」は、やはり本明細書で定義されるような任意選択で置換されたアリール基を含む、例として、フェノキシ、ナフトキシなどを含む、アリールが本明細書で定義される通りである基−O−アリールを指す。
「アミノ」は基−NH2を指す。
「置換アミノ」という用語は、各Rが水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルからなる群から独立に選択され、ただし、少なくとも1つのRが水素ではない基−NRRを指す。
「アジド」という用語は、基−N3を指す。
「カルボキシル」、「カルボキシ」または「カルボキシレート」は−CO2Hまたはその塩を指す。
「カルボキシルエステル」もしくは「カルボキシエステル」または「カルボキシアルキル」もしくは「カルボキシルアルキル」という用語は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義される通りである、基−C(O)O−アルキル、−C(O)O−置換アルキル、−C(O)O−アルケニル、−C(O)O−置換アルケニル、−C(O)O−アルキニル、−C(O)O−置換アルキニル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−置換アリール、−C(O)O−シクロアルキル、−C(O)O−置換シクロアルキル、−C(O)O−シクロアルケニル、−C(O)O−置換シクロアルケニル、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)O−置換ヘテロアリール、−C(O)O−複素環式環および−C(O)O−置換複素環式環を指す。
「(カルボキシルエステル)オキシ」または「カーボネート」は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義される通りである、基−O−C(O)O−アルキル、−O−C(O)O−置換アルキル、−O−C(O)O−アルケニル、−O−C(O)O−置換アルケニル、−O−C(O)O−アルキニル、−O−C(O)O−置換アルキニル、−O−C(O)O−アリール、−O−C(O)O−置換アリール、−O−C(O)O−シクロアルキル、−O−C(O)O−置換シクロアルキル、−O−C(O)O−シクロアルケニル、−O−C(O)O−置換シクロアルケニル、−O−C(O)O−ヘテロアリール、−O−C(O)O−置換ヘテロアリール、−O−C(O)O−複素環式環および−O−C(O)O−置換複素環式環を指す。
「シアノ」または「ニトリル」は基−CNを指す。
「シクロアルキル」は、単環、または縮合、橋かけおよびスピロ環系を含む複数の環状環を有する3〜10個の炭素原子の環状アルキル基を指す。適切なシクロアルキル基の例には、例えば、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどが含まれる。そうしたシクロアルキル基には、例として、単環構造、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなど、または複数の環構造、例えばアダマンタニルなどが含まれる。
「置換シクロアルキル」という用語は、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリールから選択される1〜5個の置換基または1〜3個の置換基を有するシクロアルキル基を指す。
「シクロアルケニル」は、単一または複数の環を有し、少なくとも1つの二重結合、好ましくは1つ〜2つの二重結合を有する、3〜10個の炭素原子の非芳香族環状アルキル基を指す。
「置換シクロアルケニル」という用語は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリールから選択される、1〜5個の置換基または1〜3個の置換基を有するシクロアルケニル基を指す。
「シクロアルキニル」は、単一または複数の環を有し、少なくとも1つの三重結合を有する、5〜10個の炭素原子の非芳香族シクロアルキル基を指す。
「シクロアルコキシ」は−O−シクロアルキルを指す。
「シクロアルケニルオキシ」は−O−シクロアルケニルを指す。
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は基−OHを指す。
「ヘテロアリール」は、1〜15個の炭素原子、例えば1〜10個の炭素原子、およびその環内の酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される1〜10個のヘテロ原子の芳香族基を指す。そうしたヘテロアリール基は、単環(ピリジニル、イミダゾリルまたはフリルなど)、または環系中に複数の縮合環(例えば、インドリジニル、キノリニル、ベンゾフラン、ベンズイミダゾリルまたはベンゾチエニルなどの基の中のような)を有することができる。ここで、その環系中の少なくとも1つの環は芳香族であり、その環系中の少なくとも1つの環は芳香族であり、ただし、その結合点は芳香環の原子を介しているものとする。特定の実施形態では、ヘテロアリール基の窒素および/または硫黄環原子は、任意選択で、酸化されてN−オキシド(N→O)、スルフィニルまたはスルホニル部分をもたらしていてよい。この用語は、例として、ピリジニル、ピロリル、インドリル、チオフェニルおよびフラニルを含む。ヘテロアリール置換基についての定義によって別段拘束されない限り、そうしたヘテロアリール基は、アシルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリル、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリールならびにトリハロメチルから選択される1〜5個の置換基または1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてよい。
「ヘテロアラルキル」という用語は、アルキレンおよびヘテロアリールが本明細書で定義されている基−アルキレン−ヘテロアリールを指す。この用語は、例として、ピリジルメチル、ピリジルエチル、インドリルメチルなどを含む。
「ヘテロアリールオキシ」は−O−ヘテロアリールを指す。
「複素環(heterocycle)」、「複素環式環(heterocyclic)」、「ヘテロシクロアルキル」および「ヘテロシクリル」は、単環、または縮合、橋かけおよびスピロ環系を含む複数の縮合環を有し、1〜10個のヘテロ原子を含む3〜20個の環原子を有する飽和または不飽和基を指す。これらの環原子は窒素、硫黄または酸素からなる群から選択され、縮合環系において、その環の1つまたは複数はシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであってよく、ただし、その結合点は非芳香環を介するものとする。特定の実施形態では、複素環式環基の窒素および/または硫黄原子は、任意選択で酸化されて、N−オキシド、−S(O)−または−SO2−部分をもたらす。
複素環およびヘテロアリールの例には、これらに限定されないが、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリニル、チオモルホリニル(チアモルホリニルとも称される)、1,1−ジオキソチオモルホリニル、ピペリジニル、ピロリジン、テトラヒドロフラニルなどが含まれる。
複素環式環置換基についての定義によって別段拘束されない限り、そうした複素環式環基は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリールおよび縮合複素環から選択される1〜5個または1〜3個の置換基で任意選択で置換されていてよい。
「ヘテロシクリルオキシ」は基−O−ヘテロシクリルを指す。
「ヘテロシクリルチオ」という用語は基複素環式環−S−を指す。
「ヘテロシクレン」という用語は、本明細書で定義されるような複素環により形成されるジラジカル基を指す。
「ヒドロキシアミノ」という用語は基−NHOHを指す。
「ニトロ」は基−NO2を指す。
「オキソ」は原子(=O)を指す。
「スルホニル」は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義される通りである、基SO2−アルキル、SO2−置換アルキル、SO2−アルケニル、SO2−置換アルケニル、SO2−シクロアルキル、SO2−置換シクロアルキル、SO2−シクロアルケニル、SO2−置換シクロアルケニル、SO2−アリール、SO2−置換アリール、SO2−ヘテロアリール、SO2−置換ヘテロアリール、SO2−複素環式環およびSO2−置換複素環式環を指す。スルホニルには、例として、メチル−SO2−、フェニル−SO2−および4−メチルフェニル−SO2−が含まれる。
「スルホニルオキシ」は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式環および置換複素環式環が本明細書で定義される通りである、基−OSO2−アルキル、OSO2−置換アルキル、OSO2−アルケニル、OSO2−置換アルケニル、OSO2−シクロアルキル、OSO2−置換シクロアルキル、OSO2−シクロアルケニル、OSO2−置換シクロアルケニル、OSO2−アリール、OSO2−置換アリール、OSO2−ヘテロアリール、OSO2−置換ヘテロアリール、OSO2−複素環式環およびOSO2置換複素環式環を指す。
「アミノカルボニルオキシ」という用語は、各Rが独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは複素環式環であり、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式環が本明細書で定義される通りである基−OC(O)NRRを指す。
「チオール」は基−SHを指す。
「チオキソ」または「チオケト」という用語は原子(=S)を指す。
「アルキルチオ」、または「チオアルコキシ」という用語は、アルキルが本明細書で定義される通りである基−S−アルキルを指す。特定の実施形態では、硫黄は酸化されて−S(O)−となっていてよい。スルホキシドは、1つまたは複数の立体異性体として存在することができる。
「置換チオアルコキシ」という用語は基−S−置換アルキルを指す。
「チオアリールオキシ」という用語は、やはり本明細書で定義される任意選択で置換されたアリール基を含む、アリール基が本明細書で定義される通りである基アリール−S−を指す。
「チオヘテロアリールオキシ」という用語は、やはり本明細書で定義されるような任意選択で置換されたアリール基を含む、ヘテロアリール基が本明細書で定義される通りである基ヘテロアリール−S−を指す。
「チオヘテロシクロオキシ」という用語は、やはり本明細書で定義されるような任意選択で置換されたヘテロシクリル基を含む、ヘテロシクリル基が本明細書で定義される通りである基ヘテロシクリル−S−を指す。
本明細書での開示に加えて、指定された基またはラジカルを修飾するために使用される場合、「置換された(substituted)」という用語は、その指定された基またはラジカルの1個または複数の水素原子が、それぞれ、互いに独立に以下で定義されるような同じかまたは異なる置換基で置き換えられていることを意味することもできる。
本明細書での個々の用語に関して開示されている基に加えて、指定された基またはラジカル中の飽和炭素原子上の1つまたは複数の水素を置換する(単一の炭素上の任意の2つの水素を=O、=NR70、=N−OR70、=N2または=Sで置き換えることができる)ための置換基は、別段の指定のない限り、−R60、ハロ、=O、−OR70、−SR70、−NR80R80、トリハロメチル、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO2、=N2、−N3、−SO2R70、−SO2O−M+、−SO2OR70、−OSO2R70、−OSO2O−M+、−OSO2OR70、−P(O)(O−)2(M+)2、−P(O)(OR70)O−M+、−P(O)(OR70)2、−C(O)R70、−C(S)R70、−C(NR70)R70、−C(O)O−M+、−C(O)OR70、−C(S)OR70、−C(O)NR80R80、−C(NR70)NR80R80、−OC(O)R70、−OC(S)R70、−OC(O)O−M+、−OC(O)OR70、−OC(S)OR70、−NR70C(O)R70、−NR70C(S)R70、−NR70CO2 −M+、−NR70CO2R70、−NR70C(S)OR70、−NR70C(O)NR80R80、−NR70C(NR70)R70および−NR70C(NR70)NR80R80である。ここで、R60は、任意選択で置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、各R70は独立に水素またはR60であり;各R80は独立にR70である、あるいは2つのR80は、それらと結合している窒素原子と一緒になって、O、NおよびSからなる群から選択される同じかまたは異なる1〜4個の追加のヘテロ原子を任意選択で含むことができ、そのうちのNが−HまたはC1〜C3アルキル置換を有していてよい5−、6−または7員ヘテロシクロアルキルを形成しており;各M+は、正味単一の正電荷を有する対イオンである。各M+は独立に、例えば、K+、Na+、Li+などのアルカリイオン;+N(R60)4などのアンモニウムイオン;または[Ca2+]0.5、[Mg2+]0.5または[Ba2+]0.5などのアルカリ土類イオンであってよい(添字0.5は、そうした二価アルカリ土類イオンに対する対イオンの一方が本発明の化合物のイオン化された形態であってよく、他方がクロリドなどの典型的な対イオンであってよい、あるいは、本明細書で開示される2つのイオン化された化合物が、そうした二価アルカリ土類イオンに対する対イオンとしての役目を果たすことができる、または、二重にイオン化された本発明の化合物がそうした二価アルカリ土類イオンに対する対イオンとしての役目を果たすことができることを意味する)。具体的な例として、−NR80R80は、−NH2、−NH−アルキル、N−ピロリジニル、N−ピペラジニル、4N−メチル−ピペラジン−1−イルおよびN−モルホリニルを含むことを意味する。
本明細書での開示に加えて、「置換された(substituted)」アルケン、アルキン、アリールおよびヘテロアリール基中の不飽和炭素原子上の水素のための置換基は、別段の指定のない限り、−R60、ハロ、−O−M+、−OR70、−SR70、−S−M+、−NR80R80、トリハロメチル、−CF3、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO2、−N3、−SO2R70、−SO3 −M+、−SO3R70、−OSO2R70、−OSO3 −M+、−OSO3R70、−PO3 −2(M+)2、−P(O)(OR70)O−M+、−P(O)(OR70)2、−C(O)R70、−C(S)R70、−C(NR70)R70、−CO2 −M+、−CO2R70、−C(S)OR70、−C(O)NR80R80、−C(NR70)NR80R80、−OC(O)R70、−OC(S)R70、−OCO2 −M+、−OCO2R70、−OC(S)OR70、−NR70C(O)R70、−NR70C(S)R70、−NR70CO2 −M+、−NR70CO2R70、−NR70C(S)OR70、−NR70C(O)NR80R80、−NR70C(NR70)R70および−NR70C(NR70)NR80R80である。ここで、R60、R70、R80およびM+は上記に定義した通りである。ただし、置換されたアルケンまたはアルキンの場合、その置換基は−O−M+、−OR70、−SR70または−S−M+ではないものとする。
本明細書での個々の用語に関して開示されている基に加えて、「置換された(substituted)」ヘテロアルキルおよびシクロヘテロアルキル基中の窒素原子上の水素のための置換基は、別段の指定のない限り、−R60、−O−M+、−OR70、−SR70、−S−M+、−NR80R80、トリハロメチル、−CF3、−CN、−NO、−NO2、−S(O)2R70、−S(O)2O−M+、−S(O)2OR70、−OS(O)2R70、−OS(O)2O−M+、−OS(O)2OR70、−P(O)(O−)2(M+)2、−P(O)(OR70)O−M+、−P(O)(OR70)(OR70)、−C(O)R70、−C(S)R70、−C(NR70)R70、−C(O)OR70、−C(S)OR70、−C(O)NR80R80、−C(NR70)NR80R80、−OC(O)R70、−OC(S)R70、−OC(O)OR70、−OC(S)OR70、−NR70C(O)R70、−NR70C(S)R70、−NR70C(O)OR70、−NR70C(S)OR70、−NR70C(O)NR80R80、−NR70C(NR70)R70および−NR70C(NR70)NR80R80である。ここでR60、R70、R80およびM+は上記に定義した通りである。
本明細書での開示に加えて、特定の実施形態では、置換されている基は、1、2、3もしくは4個の置換基、1、2もしくは3個の置換基、1もしくは2個の置換基または1個の置換基を有する。
上記に定義したすべての置換された基において、それら自体に対するさらなる置換基で置換基を定義することによって到達されたポリマー(例えば、置換アリール基等によってさらに置換されている、それ自体が置換アリール基で置換されている置換基として置換アリール基を有する置換アリール)は、本明細書では含まれないものとすることを理解されたい。そうした場合、そうした置換の最大数は3つである。例えば、本明細書で具体的に考慮される置換アリール基の一連の置換は、置換アリール−(置換アリール)−置換アリールに限定される。
別段の指定のない限り、本明細書で明確に定義されていない置換基の命名は、結合点の方への隣接官能基が後続する官能基の末端部に名前をつけることによって達成される。例えば、置換基「アリールアルキルオキシカルボニル」は基(アリール)−(アルキル)−O−C(O)−を指す。
1つまたは複数の置換基を含む本明細書で開示される基のいずれかについて、もちろん、そうした基は、立体的に実現困難でかつ/または合成的に実行可能でない任意の置換または置換パターンを含まないことを理解されたい。さらに、目的化合物は、これらの化合物の置換に由来するすべての立体化学的異性体を含む。
「薬学的に許容される塩」という用語は、哺乳動物などの患者に投与するのに許容される塩(所与の投薬レジームについて許容される哺乳動物安全性を有する対イオンとの塩)を意味する。そうした塩は、薬学的に許容される無機または有機の塩基および薬学的に許容される無機または有機の酸から誘導することができる。「薬学的に許容される塩」は、その塩が、当業界で周知の様々な有機および無機対イオンから誘導され、例に過ぎないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど;およびその分子が塩基性官能基を含む場合の有機または無機の酸の塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、ベシル酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などを含む化合物の薬学的に許容される塩を指す。
「その塩」という用語は、酸のプロトンが、カチオン、例えば金属カチオンまたは有機カチオンなどによって置き換えられる場合に形成される化合物を意味する。適切な場合には、その塩は薬学的に許容される塩であるが、これは、患者への投与を意図されていない中間化合物の塩について要求されるものではない。例として、本発明の化合物の塩には、その化合物が無機または有機の酸によってプロトン化されてカチオン(無機または有機の酸の共役塩基を、その塩のアニオン成分として)を生成するものが含まれる。
「溶媒和物」は、溶媒分子と溶質の分子またはイオンが一緒になることによって形成される複合体を指す。溶媒は、有機化合物、無機化合物または両方の混合物であってよい。溶媒のいくつかの例には、これらに限定されないが、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドおよび水が含まれる。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物である。
「立体異性体」および「立体異性体(複数)」は、同じ原子連結性(atomic connectivity)を有するが、空間において異なる原子配列を有する化合物を指す。立体異性体には、cis−trans異性体、EおよびZ異性体、エナンチオマーおよびジアステレオマーが含まれる。
「互変異性体」は、原子の電子的な結合だけが、かつ/またはプロトンの位置だけが異なる交互に起きる形態の分子、例えばエノール−ケトおよびイミン−エナミン互変異性体、または、−N=C(H)−NH−環原子配列を含む互変異性形態のヘテロアリール基、例えばピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾールおよびテトラゾールを指す。当業者は、他の互変異性環原子配列が可能であることを理解されよう。
「あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体」という用語は、目的化合物の立体異性体の薬学的に許容される塩の溶媒和物などの塩、溶媒和物および立体異性体のすべての変更物を含むものとすることを理解されよう。
「薬学上有効な量」および「治療上有効な量」は、特定の障害もしくは疾患またはその症状の1つもしくは複数を治療する、かつ/またはその疾患または障害の発生を防止するのに十分な化合物の量を指す。腫瘍形成増殖性障害(tumorigenic proliferative disorder)に関連して、薬学上または治療上有効な量は、とりわけ、腫瘍に、腫瘍の成長速度が縮減または低下するようにさせるのに十分な量を含む。
「患者」は、ヒトおよび非ヒト対象、特に哺乳動物対象を指す。
本明細書で使用されるような「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」という用語は:(a)疾患または病状が生じるのを防止すること、例えば対象の予防的治療;(b)疾患または病状を改善すること、例えば、患者におけるその疾患または病状の排除もしくはその退縮を引き起こさせること;(c)例えば患者における疾患または病状の増悪を遅延もしくは停止させることによって、その疾患または病状を抑制すること;あるいは、(d)患者における疾患または病状の症状を緩和させることを含む、哺乳動物(特にヒト)などの患者における疾患または病状を治療することまたはその治療を意味する。
代表的な実施形態
以下の置換基および値は、種々の態様および実施形態の代表的な例を提供することを目的としている。これらの代表的な値は、そうした態様および実施形態をさらに定義し例示しようとするものであり、他の実施形態を排除しようとするかまたは本開示の範囲を限定しようとするものではない。この関連で、特定の値または置換基が好ましいという表現は、特定の指定のない限り、本開示から他の値または置換基を排除しようとするものでは全くない。
これらの化合物は、1つまたは複数のキラル中心を含むことができ、したがって、これらの実施形態は、別段の指定のない限り、ラセミ混合物;純粋な立体異性体(すなわち、エナンチオマーまたはジアステレオマー);立体異性体豊富な混合物などを対象とする。特定の立体異性体が本明細書で示されているかまたは挙げられている場合、当業者は、別段の指定のない限り、そうした他の異性体の存在によってその組成物の全体としての所望の有用性が排除されるものではないという条件で、その組成物中に少量の他の立体異性体が存在し得ることを理解されよう。
本開示の組成物は、以下に示す式の化合物を含む。本開示の医薬組成物および方法は、次式の化合物も考慮する。
式A
これらの化合物の実施形態は、次式(A):
(式中、
Y1はXaであり、Y2は水素であるか、またはY2はXaであり、Y1は水素であり;
Xaは、カルボン酸、カルボキシルエステル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択され;
R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよび−R15から選択され、R15は連結基および式(A)の化合物を含む)
で表されるか、またはその塩もしくは立体異性体である。
式(Ia)および(Ib)
式(A)のいくつかの実施形態では、これらの化合物は、式(Ia)または(Ib):
(式中、
Xaは、カルボン酸、カルボキシルエステル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択され;
R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよび−R15から選択され、R15は連結基および式(Ia)または(Ib)の化合物を含む)
で表されるか、またはその塩もしくは立体異性体である。
本開示の実施形態は、式(Ia)の化合物:
(式中、
Xaは、カルボン酸、カルボキシルエステル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択され;
R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよび−R15から選択される)
またはその塩もしくは立体異性体を含む。
本開示の実施形態は、式(Ib)の化合物:
(式中、
Xaは、カルボン酸、カルボキシルエステル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択され;
R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよび−R15から選択される)
またはその塩もしくは立体異性体を含む。
式(Ia)および(Ib)のいくつかの実施形態では、この化合物は、R15が連結基および式(Ia)または(Ib)の化合物を含む二量体である。特定の実施形態では、この化合物は対称性二量体である。特定の実施形態では、この化合物は非対称性二量体である。式(Ia)および(Ib)のいくつかの例では、R15は連結基および式(Ia)の化合物を含む。式(Ia)および(Ib)のいくつかの例では、R15は連結基および式(Ib)の化合物を含む。
特定の実施形態では、Xaは、カルボン酸、カルボキシルエステル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態では、Xaはカルボン酸である。特定の実施形態では、Xaはカルボキシルエステルである。特定の実施形態では、Xaは、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、Xaは、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
特定の実施形態では、Xaは、上記のようなヘテロシクリルまたはヘテロアリールである。特定の実施形態では、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1つまたは複数の置換基で置換されている。例えば、特定の実施形態では、Xa上の置換基はC1〜6アルキルまたはプロ基である。特定の実施形態では、Xa上の置換基はC1〜6アルキルである。特定の実施形態では、Xa上の置換基はメチルである。特定の実施形態では、Xa上の置換基はエチルである。特定の実施形態では、Xa上の置換基はプロピルである。特定の実施形態では、Xa上の置換基はブチルである。特定の実施形態では、Xa上の置換基はペンチルである。特定の実施形態では、Xa上の置換基はヘキシルである。C1〜6アルキルは、分枝されていなくても分枝されていてもよい。例えば、X1上の置換基は、n−プロピルまたはイソ−プロピルなどのプロピルであってよい。例えば、X1上の置換基は、n−ブチル、sec−ブチル(1−メチルプロピル)、イソ−ブチル(2−メチルプロピル)またはtert−ブチル(1,1−ジメチルエチル)などのブチルであってよい。
特定の実施形態では、Xa上の置換基はプロ基である。例えば、本明細書で説明する化合物は、プロドラッグの形態で提供することができる。「プロドラッグ」は、体内などの使用条件下で変換を受けて活性化合物を放出する活性化合物(例えば、薬物)の誘導体を指す。プロドラッグは、必ずというわけではないが、活性薬物へ転換されるまで薬理学的に不活性であってよい。プロドラッグは、プロ基での活性のために一部必要と考えられる薬物中の官能基をマスキングして、特定の使用条件下で切断などの変換を受けて官能基、したがって活性薬物を放出するプロ部分を形成させることによって得ることができる。プロ部分の切断は、加水分解反応などによって自発的に進行させることができ、また、別の作用因子(agent)、例えば酵素、光、酸によって、あるいは、温度変化などの物理的もしくは環境的パラメーターの変化またはそれへの曝露によって触媒作用させるまたは誘発させることができる。この作用因子は、それにプロドラッグが投与される細胞中に存在する酵素などの使用の条件、または胃の酸性条件に対して内因性であっても、あるいは、それは外因的に供給されてもよい。特定の場合、プロ基を含む化合物は、胃腸浸透性の増大、胃腸吸収性の増大および/または化合物の溶解性の増大を容易にすることができる。特定の場合、プロ基を含む化合物は、薬学的に活性な形態の化合物のための所望の作用部位で、または、化合物(例えば、遅延放出製剤、制御放出製剤など)の投与の後の所望時間量後でのプロ基の取り外しを容易にすることができる。活性薬物中の官能基をマスキングしてプロドラッグを得るのに適した広範囲のプロ基ならびに得られるプロ部分を使用することができる。例えば、ヒドロキシル官能基は、インビボで加水分解されてヒドロキシル基を提供できるスルホネート、エステルまたはカーボネートプロ部分としてマスキングすることができる。アミノ官能基は、インビボで加水分解されてアミノ基を提供できる、アミド、カルバメート、イミン、尿素、ホスフェニル、ホスホリルまたはスルフェニルプロ部分としてマスキングすることができる。カルボキシル基は、インビボで加水分解されてカルボキシル基を提供できる、エステル(シリルエステルおよびチオエステルを含む)、アミドまたはヒドラジドプロ部分としてマスキングすることができる。適切なプロ基およびそれらのそれぞれのプロ部分の具体的な例は、当業者に明らかであろう。本開示によるプロ基の実施形態も、以下でより詳細に説明する。
特定の実施形態では、Xaは、上記のようなヘテロシクリルまたはヘテロアリールである。ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基の例には、これらに限定されないが、オキサゾール、オキサジアゾール(例えば、1,2,3−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール)、テトラゾール、テトラゾロン、チアゾール、チアジアゾール(例えば、1,2,3−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール)などが含まれる。特定の実施形態では、Xa上の置換基は、式(IIa)および(IIb)の化合物に関連して以下でより詳細に説明されるようなX1であってよい。例えば、式(Ia)の化合物は、次の化合物:
(式中、
X1およびR1は、式(Ia)、(Ib)、(IIa)および(IIb)の化合物に関連して以下で説明する通りである)
から選択することができる。
いくつかの実施形態では、式(Ib)の化合物は次の化合物:
(式中、
X1およびR1は、式(Ia)、(Ib)、(IIa)および(IIb)の化合物に関連して以下で説明する通りである)
から選択することができる。
特定の実施形態では、R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよび−R15から選択される。
特定の実施形態では、R1は水素である。特定の実施形態では、R1は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R1は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R1は、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、R1は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R1は、シクロヘキシルまたは置換シクロヘキシルである。特定の実施形態では、R1は、シクロペンチルまたは置換シクロペンチルである。特定の実施形態では、R1は、シクロブチルまたは置換シクロブチルである。特定の実施形態では、R1は、シクロプロピルまたは置換シクロプロピルである。特定の実施形態では、R1は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R1は、4−テトラヒドロピラニルまたは置換4−テトラヒドロピラニルである。特定の実施形態では、R1は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R1は、フェニルまたは置換フェニルである。特定の実施形態では、R1は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。特定の実施形態では、R1は、ピリジルまたは置換ピリジルである。特定の実施形態では、R1は、2−ピリジル、3−ピリジルまたは4−ピリジルである。特定の実施形態では、R1は、置換2−ピリジル、置換3−ピリジルまたは置換4−ピリジルである。
特定の実施形態では、R1は置換アルケニルである。特定の実施形態では、この化合物は、次式:
(式中、各Xaは上記の通りである)
の1つのもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、R1は置換アルケニルである。特定の実施形態では、この化合物は、以下の式:
(式中、各Xaは上記の通りである)
の1つのもの、またはその塩もしくは立体異性体ある。特定の実施形態では、この化合物は対称性二量体であり、各Xaは同じである。いくつかの例では、この化合物は非対称性二量体であり、各Xaは異なっている。
式(Ia)または(Ib)による化合物の特定の実施形態では、R1はアミノ酸から誘導される。いくつかの場合、R1は式:
(式中、
Raは、アミノ酸側鎖であり、例えばグリシンについては−Hであり、アラニンについては−CH3であり、
各Rbは、H、C1〜6アルキルおよび−C(O)C1〜6アルキルから独立に選択される)
を有することができる。例えば、そうした化合物は次式:
(式中、Raはアミノ酸側鎖であり、例えばグリシンについては−Hであり、アラニンについては−CH3であり、
各Rbは、H、C1〜6アルキルおよび−C(O)C1〜6アルキルから独立に選択される)
の1つを有することができる。アミノ酸から誘導されるR1基の他の例には、セリンから誘導される次式:
(式中、各Rbは、H、C1〜6アルキルおよび−C(O)C1〜6アルキルから独立に選択され、Rcは、HおよびC1〜6アルキルから選択される)
の1つの化合物が含まれる。
式(Ia)または(Ib)による化合物の特定の実施形態では、R1は式:
(式中、RdおよびRd’は、HおよびC1〜6アルキルから独立に選択される)
を有することができる。
アミノ酸側鎖は、天然由来のアミノ酸において一般的にみられる側鎖を含む(例えば、AlaまたはA、CysまたはC、AspまたはD、GluまたはE、PheまたはF、GlyまたはG、HisまたはH、IleまたはI、LysまたはK、LeuまたはL、MetまたはM、AsnまたはN、ProまたはP、GlnまたはQ、ArgまたはR、SerまたはS、ThrまたはT、ValまたはV、TrpまたはW、TyrまたはY)。アミノ酸側鎖は、アミノ酸類似体または非天然のアミノ酸においてみられる側鎖を含むこともできる。「アミノ酸類似体」、「非天然のアミノ酸」などの用語は、互換的に使用することができ、これらには、天然由来のタンパク質において一般的にみられる1つまたは複数のアミノ酸と構造および/または全体的な形状が類似しているアミノ酸様化合物が含まれる。アミノ酸類似体には、修飾された側鎖または主鎖を有する天然アミノ酸も含まれる。アミノ酸類似体には、天然由来のD形態ならびにL形態のアミノ酸類似体と同じ立体化学を有するアミノ酸類似体も含まれる。
特定の実施形態では、R1は、C1〜6アルキルなどのアルキルである。特定の実施形態では、R1はメチルである。特定の実施形態では、R1はエチルである。特定の実施形態では、R1はプロピルである。特定の実施形態では、R1はブチルである。特定の実施形態では、R1はペンチルである。特定の実施形態では、R1はヘキシルである。C1〜6アルキルは、分枝されていなくても分枝されていてもよい。例えば、R1は、n−プロピルまたはイソ−プロピルなどのプロピルであってよい。例えば、R1は、n−ブチル、sec−ブチル(1−メチルプロピル)、イソ−ブチル(2−メチルプロピル)またはtert−ブチル(1,1−ジメチルエチル)などのブチルであってよい。
特定の実施形態では、R1は、置換C1〜6アルキルなどの置換アルキルである。特定の実施形態では、R1は置換メチルである。特定の実施形態では、R1は置換エチルである。特定の実施形態では、R1は置換プロピルである。特定の実施形態では、R1は置換ブチルである。特定の実施形態では、R1は置換ペンチルである。特定の実施形態では、R1は置換ヘキシルである。R1上の置換基には、これらに限定されないが、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミノ、置換アミノ、アシル、アミノアシル、アシルアミノ、チオアルコキシ、スルホニル、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールが含まれる。例えば、R1は、ヒドロキシルで置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)であってよい。いくつかの例では、R1は、C1〜6アルコキシまたはC1〜6置換アルコキシなどの、アルコキシまたは置換アルコキシによって置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、アミノまたは置換アミノによって置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、カルボキシルまたはカルボキシルエステルによって置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、アミノアシルまたはアシルアミノによって置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、チオアルコキシまたはスルホニルによって置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、例えば、C3〜8シクロアルキルまたはC3〜8置換シクロアルキル、またはC3〜6シクロアルキルまたはC3〜6置換シクロアルキル、またはC3〜5シクロアルキルまたはC3〜5置換シクロアルキル、またはC3〜4シクロアルキルまたはC3〜4置換シクロアルキルなどの、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルによって置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、例えば、C3〜8ヘテロシクリルまたはC3〜8置換ヘテロシクリル、またはC3〜6ヘテロシクリルまたはC3〜6置換ヘテロシクリル、またはC3〜5ヘテロシクリルまたはC3〜5置換ヘテロシクリル、またはC3〜4ヘテロシクリルまたはC3〜4置換ヘテロシクリルなどの、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルによって置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、例えば、C3〜6アリールまたはC3〜6置換アリール、例えばフェニルまたは置換フェニルなどの、アリールまたは置換アリールによって置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、例えば、C3〜6ヘテロアリールまたはC3〜6置換ヘテロアリールなどの、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールによって置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。R1上の上記置換基の組合せも含まれる。本明細書で説明されるR1基のいずれかを、式(Ia)または(Ib)の化合物中に含めることができる。
例えば、特定の実施形態では、R1は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。したがって、式(Ia)の化合物は以下のもの:
(式中、Xaは上記の通りであり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、スルホキシおよびホスフェートから独立に選択され;
nは0、1、2、3、4または5である)
から選択される構造を有する化合物、またはその塩もしくは立体異性体である。
例えば、特定の実施形態では、R1は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。したがって、式(Ia)の化合物は以下のもの:
(式中、Xaは上記の通りである;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、スルホキシおよびホスフェートから独立に選択され;
nは0、1、2、3、4または5である)
から選択される構造を有する化合物、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから独立に選択される。特定の実施形態では、Rは水素である。特定の実施形態では、Rは、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)またはC1〜6置換アルキルなどのアルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、Rは、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、Rは、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、Rは、C3〜8シクロアルキルまたはC3〜8置換シクロアルキル、またはC3〜6シクロアルキルまたはC3〜6置換シクロアルキル、またはC3〜5シクロアルキルまたはC3〜5置換シクロアルキルなどのシクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、Rは、C3〜8ヘテロシクリルまたはC3〜8置換ヘテロシクリル、またはC3〜6ヘテロシクリルまたはC3〜6置換ヘテロシクリル、またはC3〜5ヘテロシクリルまたはC3〜5置換ヘテロシクリルなどのヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、Rは、C3〜8アリールまたはC3〜8置換アリール、またはC3〜6アリールまたはC3〜6置換アリール(例えば、フェニルまたは置換フェニル)などのアリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、Rは、C3〜8ヘテロアリールまたはC3〜8置換ヘテロアリール、またはC3〜6ヘテロアリールまたはC3〜6置換ヘテロアリールなどのヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。特定の実施形態では、Rは−P(O)(OH)2またはその塩であり、他の実施形態では、Rは−S(O)2OHまたはその塩である。
いくつかの実施形態では、この化合物は二量体である。これらの実施形態では、R1はR15であり、R15は連結基および式(Ia)または(Ib)の第2の化合物を含む。「連結基」は、2つ以上の部分を、1つまたは複数の共有結合および原子を介して一緒に連結する部分を意味する。特定の実施形態では、その連結基は、C1〜10アルキル連結基またはC1〜8アルキル連結基またはC1〜6アルキル連結基またはC1〜3アルキル連結基などのアルキル連結基である。特定の実施形態では、連結基は、式(Ia)または(Ib)の第1の化合物を式(Ia)または(Ib)の第2の化合物と結合させる。いくつかの例では、式(Ia)または(Ib)の第1の化合物はR1位で結合している連結基の一方の端部を有しており、連結基の他方の端部は、式(Ia)または(Ib)の第2の化合物のR1位で結合している。これらの実施形態では、二量体中の式(Ia)および/または(Ib)の2つの化合物は、その連結基を介してそれらのそれぞれのR1位で互いに連結されている。
特定の実施形態では、その連結基は構造:−(CH2)n−Zy−(CH2)m−
を有する。ここで、
nは1〜6の整数であり;
mは0または1〜6の整数であり;
yは0または1であり;
Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である。
特定の実施形態では、nは、1〜6の整数、例えば1、2、3、4、5または6である。
特定の実施形態では、mは0または1〜6の整数である。特定の実施形態では、mは0であり、したがって連結基の−(CH2)m−部分は存在しない。特定の実施形態では、mは、1〜6の整数、例えば1、2、3、4、5または6である。
特定の実施形態では、yは0または1である。特定の実施形態では、yは0であり、したがってZは存在しない。特定の実施形態では、yは1であり、したがってZは存在する。
特定の実施形態では、Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である。特定の実施形態では、ZはOである。特定の実施形態では、ZはNHである。特定の実施形態では、Zは−O−P(O)(OH)−O−である。特定の実施形態では、ZはSである。特定の実施形態では、ZはS(O)である。特定の実施形態では、ZはSO2である。特定の実施形態では、Zは−O−S(O)2−O−である。
特定の実施形態では、nは1であり、mは0であり、yは0である。特定の実施形態では、nは2であり、mは0であり、yは0である。特定の実施形態では、nは3であり、mは0であり、yは0である。特定の実施形態では、nは4であり、mは0であり、yは0である。特定の実施形態では、nは5であり、mは0であり、yは0である。特定の実施形態では、nは6であり、mは0であり、yは0である。
特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1であり、ZはOである。特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1であり、ZはOである。特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1であり、ZはNHである。特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1であり、ZはNHである。特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1であり、Zは−O−P(O)(OH)−O−である。特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1であり、Zは−O−P(O)(OH)−O−である。特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1であり、ZはSである。特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1であり、ZはSである。特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1であり、ZはS(O)である。特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1であり、ZはS(O)である。特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1であり、ZはSO2である。特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1であり、ZはSO2である。特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1であり、Zは−O−S(O)2−O−である。特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1であり、Zは−O−S(O)2−O−である。
特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1である。したがって、特定の実施形態では、この化合物は式:
(式中、Xa’およびXa”はそれぞれ独立にXaであり;
Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である)
を有するもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1である。したがって、特定の実施形態では、この化合物は式:
(式中、Xa’およびXa”はそれぞれ独立にXaであり;
Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である)
を有するもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1である。したがって、特定の実施形態では、この化合物は式:
(式中、Xa’およびXa”はそれぞれ独立にXaであり;
Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である)
を有するもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1である。したがって、特定の実施形態では、この化合物は式:
(式中、Xa’およびXa”はそれぞれ独立にXaであり;
Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である)
を有するもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、この化合物は式:
(式中、Xa’およびXa”はそれぞれ独立にXaであり;
Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である)
を有するもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、この化合物は式:
(式中、Xa’およびXa”はそれぞれ独立にXaであり;
Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である)
を有するもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、Xa’およびXa”はそれぞれ独立に上記のようなXaである。特定の実施形態では、Xa’とXa”は同じである。特定の実施形態では、Xa’とXa”は異なっている。例えば、Xa’およびXa”は、それぞれ、カルボキシルエステル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから独立に選択され得る。特定の実施形態では、Xa’はカルボキシルエステルである。特定の実施形態では、Xa’は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、Xa’は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。特定の実施形態では、Xa”はカルボキシルエステルである。特定の実施形態では、Xa”は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、Xa”は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
特定の実施形態では、Xa’は、上記のようなヘテロシクリルまたはヘテロアリールである。特定の実施形態では、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1つまたは複数の置換基で置換されている。例えば、特定の実施形態では、Xa’上の置換基は、式(IIa)および(IIb)の化合物に関連して以下でより詳細に説明されるようなC1〜6アルキルまたはプロ基などのX1であってよい。
特定の実施形態では、Xa”は、上記のようなヘテロシクリルまたはヘテロアリールである。特定の実施形態では、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1つまたは複数の置換基で置換されている。例えば、特定の実施形態では、Xa”上の置換基は、式(IIa)および(IIb)の化合物に関連して以下でより詳細に説明されるようなC1〜6アルキルまたはプロ基などのX1であってよい。
特定の実施形態では、Zは、O、−O−P(O)(OH)−O−、NH、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である。特定の実施形態では、ZはOである。特定の実施形態では、ZはNHである。特定の実施形態では、Zは−O−P(O)(OH)−O−である。特定の実施形態では、ZはSである。特定の実施形態では、ZはS(O)である。特定の実施形態では、ZはSO2である。特定の実施形態では、Zは−O−S(O)2−O−である。
特定の実施形態では、式(Ia)の化合物は、次の化合物:
(式中、Xa’およびXa”は上記の通りである)
から選択される二量体、またはその塩もしくは立体異性体である。
その化合物が二量体である特定の実施形態では、化合物は二量体プロドラッグであってよい。これらの実施形態では、二量体中の式(Ia)および/または(Ib)の2つの化合物を連結する連結基は、切断可能な連結基であってよい。「切断可能な(cleavable)」ということは、その連結基中の1つまたは複数の共有結合が分解され得ることを意味する。いくつかの例では、二量体中の連結基の切断によって活性薬剤部分(例えば、2つの薬学的に活性な化合物)が放出される。例えば、切断可能な連結基は、二量体中の式Iの第1の化合物と式Iの第2の化合物を連結する連結基中の1つまたは複数の結合の加水分解によって切断し得る。いくつかの実施形態では、切断可能な連結基の切断は、インビボで、例えば胃腸管(例えば、胃、小腸、大腸等)中、またはその化合物の所望の作用部位で行うことができる。特定の場合、切断可能な連結基を含む化合物は、所望の作用部位での、または、その二量体の投与の後の所望時間量後での薬学的に活性な形態の化合物(例えば、遅延放出製剤、制御放出製剤など)の送達を容易にすることができる。
式B
特定の実施形態では、この化合物は、式(B)の化合物:
(式中、Y11は−C(=O)−O−X1であり、Y12は水素であるか、またはY12は−C(=O)−O−X1であり、Y11は水素であり;
R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよび−R15から選択され、R15は連結基および式(B)の化合物を含み;
X1はH、C1〜6アルキルまたはプロ基である)
またはその塩もしくは立体異性体である。
式(IIa)および(IIb)
式(B)の特定の実施形態では、この化合物は、式(IIa)または(IIb)の化合物:
(式中、R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよび−R15から選択され、R15は連結基および式(IIa)または(IIb)の化合物を含み;
X1は水素、C1〜6アルキルまたはプロ基である)
またはその塩もしくは立体異性体である。
式(IIa)および(IIb)のいくつかの実施形態では、この化合物は、R15が連結基および式(IIa)または(IIb)の化合物を含む二量体である。特定の実施形態では、この化合物は対称性二量体である。特定の実施形態では、この化合物は非対称性二量体である。いくつかの例では、R15は連結基および式(IIa)の化合物を含む。いくつかの例では、R15は連結基および式(IIb)の化合物を含む。
特定の実施形態では、式(Ia)の化合物は、式(IIa)の化合物:
(式中、R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよび−R15から選択され、R15は連結基および式(IIa)の化合物を含み;
X1はH、C1〜6アルキルまたはプロ基である)
またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、式(Ib)の化合物は、式(IIb)の化合物:
(式中、
R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよび−R15から選択され、R15は連結基および式(IIb)の化合物を含み;
X1はH、C1〜6アルキルまたはプロ基である)
またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、R1は、式(Ia)および(Ib)の化合物に関連して上記の通りである。例えば、特定の実施形態では、R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよび−R15(例えば、本明細書で説明されるような)から選択される。
特定の実施形態では、R1は水素である。特定の実施形態では、R1は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R1は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R1は、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、R1は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R1は、シクロヘキシルまたは置換シクロヘキシルである。特定の実施形態では、R1は、シクロペンチルまたは置換シクロペンチルである。特定の実施形態では、R1は、シクロブチルまたは置換シクロブチルである。特定の実施形態では、R1は、シクロプロピルまたは置換シクロプロピルである。特定の実施形態では、R1は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R1は、4−テトラヒドロピラニルまたは置換4−テトラヒドロピラニルである。特定の実施形態では、R1は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R1は、フェニルまたは置換フェニルである。特定の実施形態では、R1は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。特定の実施形態では、R1は、ピリジルまたは置換ピリジルである。特定の実施形態では、R1は、2−ピリジル、3−ピリジルまたは4−ピリジルである。特定の実施形態では、R1は、置換2−ピリジル、置換3−ピリジルまたは置換4−ピリジルである。
式(Ia)、(Ib)、(IIa)または(IIb)のいずれかの特定の実施形態では、R1は置換アルケニルである。特定の実施形態では、R1は:
(式中、X1bは、C1〜6アルキルおよびプロ基から選択される)
である。
特定の実施形態では、この化合物は式:
(式中、X1およびX1bは独立に水素、C1〜6アルキルまたはプロ基である)
を有するもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、この化合物は式:
(式中、X1およびX1bは独立に水素、C1〜6アルキルまたはプロ基である)
を有するもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、この化合物は式:
(式中、X1およびX1bは独立に水素、C1〜6アルキルまたはプロ基である)
を有するもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、この化合物は対称性二量体であり、X1とX1bは同じである。いくつかの例では、この化合物は、X1とX1bが異なる非対称性二量体である。いくつかの例では、X1およびX1bは独立にC1〜6アルキルである。いくつかの例では、X1およびX1bは独立にアルキルまたは置換アルキルである。特定の場合、この化合物は、構造
を有する。
特定の実施形態では、R1は、C1〜6アルキルなどのアルキルである。特定の実施形態では、R1はメチルである。特定の実施形態では、R1はエチルである。特定の実施形態では、R1はプロピルである。特定の実施形態では、R1はブチルである。特定の実施形態では、R1はペンチルである。特定の実施形態では、R1はヘキシルである。C1〜6アルキルは、分枝されていなくても分枝されていてもよい。例えば、R1は、n−プロピルまたはイソ−プロピルなどのプロピルであってよい。例えば、R1は、n−ブチル、sec−ブチル(1−メチルプロピル)、イソ−ブチル(2−メチルプロピル)またはtert−ブチル(1,1−ジメチルエチル)などのブチルであってよい。
特定の実施形態では、R1は、置換C1〜6アルキルなどの置換アルキルである。特定の実施形態では、R1は置換メチルである。特定の実施形態では、R1は置換エチルである。特定の実施形態では、R1は置換プロピルである。特定の実施形態では、R1は置換ブチルである。特定の実施形態では、R1は置換ペンチルである。特定の実施形態では、R1は置換ヘキシルである。R1上の置換基には、これらに限定されないが、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミノ、置換アミノ、アシル、アミノアシル、アシルアミノ、チオアルコキシ、スルホニル、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールが含まれる。例えば、R1は、ヒドロキシルで置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)であってよい。いくつかの例では、R1は、C1〜6アルコキシまたはC1〜6置換アルコキシなどの、アルコキシまたは置換アルコキシで置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、アミノまたは置換アミノで置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、カルボキシルまたはカルボキシルエステルで置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、アミノアシルまたはアシルアミノ(例えば、各Rが独立に水素、C1〜6アルキルまたは置換C1〜6アルキルである−CON(R)2)で置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、チオアルコキシまたはスルホニルで置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、例えば、C3〜8シクロアルキルまたはC3〜8置換シクロアルキル、またはC3〜6シクロアルキルまたはC3〜6置換シクロアルキル、またはC3〜5シクロアルキルまたはC3〜5置換シクロアルキル、またはC3〜4シクロアルキルまたはC3〜4置換シクロアルキルなどの、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルで置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、例えば、C3〜8ヘテロシクリルまたはC3〜8置換ヘテロシクリル、またはC3〜6ヘテロシクリルまたはC3〜6置換ヘテロシクリル、またはC3〜5ヘテロシクリルまたはC3〜5置換ヘテロシクリル、またはC3〜4ヘテロシクリルまたはC3〜4置換ヘテロシクリルなどの、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルで置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、例えば、フェニルまたは置換フェニルなどのC3〜6アリールまたはC3〜6置換アリールなどのアリールまたは置換アリールで置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。いくつかの例では、R1は、例えば、C3〜6ヘテロアリールまたはC3〜6置換ヘテロアリールなどの、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールで置換された置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)である。R1上の上記置換基の組合せも含まれる。
例えば、特定の実施形態では、R1は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールであり、したがって、式(IIa)の化合物は、以下の:
(式中、X1は以下で説明する通りであり;
nは0、1、2、3、4または5であり;
各Rは独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、スルホキシおよびホスフェートから選択される)
から選択される構造を有する化合物またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、R1は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり、したがって、式(IIb)の化合物は、以下の:
(式中、X1は以下で説明する通りであり;
nは0、1、2、3、4または5であり;
各Rは独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、スルホキシおよびホスフェートから選択される)
から選択される構造を有する化合物またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、各Rは独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態では、Rは水素である。特定の実施形態では、Rは、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)またはC1〜6置換アルキルなどのアルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、Rは、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、Rは、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、Rは、C3〜8シクロアルキルまたはC3〜8置換シクロアルキル、またはC3〜6シクロアルキルまたはC3〜6置換シクロアルキル、またはC3〜5シクロアルキルまたはC3〜5置換シクロアルキルなどのシクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、Rは、C3〜8ヘテロシクリルまたはC3〜8置換ヘテロシクリル、またはC3〜6ヘテロシクリルまたはC3〜6置換ヘテロシクリル、またはC3〜5ヘテロシクリルまたはC3〜5置換ヘテロシクリルなどのヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、Rは、C3〜8アリールまたはC3〜8置換アリール、またはC3〜6アリールまたはC3〜6置換アリール(例えば、フェニルまたは置換フェニル)などのアリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、Rは、C3〜8ヘテロアリールまたはC3〜8置換ヘテロアリール、またはC3〜6ヘテロアリールまたはC3〜6置換ヘテロアリールなどのヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。特定の実施形態では、Rは−P(O)(OH)2またはその塩であり、他の実施形態では、Rは−S(O)2OHまたはその塩である。
特定の実施形態では、X1は、H、C1〜6アルキルまたはプロ基である。特定の実施形態では、X1はHである。特定の実施形態では、X1はC1〜6アルキルである。特定の実施形態では、X1はメチルである。特定の実施形態では、X1はエチルである。特定の実施形態では、X1はプロピルである。特定の実施形態では、X1はブチルである。特定の実施形態では、X1はペンチルである。特定の実施形態では、X1はヘキシルである。C1〜6アルキルは、分枝されていなくても分枝されていてもよい。例えば、X1は、n−プロピルまたはイソ−プロピルなどのプロピルであってよい。例えば、X1は、n−ブチル、sec−ブチル(1−メチルプロピル)、イソ−ブチル(2−メチルプロピル)またはtert−ブチル(1,1−ジメチルエチル)などのブチルであってよい。
特定の実施形態では、X1はプロ基である。
特定の実施形態では、X1は式:
(式中、L1は連結基であり;
X2は任意選択であり、O、NおよびSから選択され;
R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アシル、アミノアシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択され;
R3およびR4は、それぞれ独立に任意選択であり、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、オキソ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される;または、
R2は、X2およびR3かまたはR4と一緒になって、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールを形成している)
のプロ基である。
特定の実施形態では、L1は連結基である。「連結基」は、化合物の2つ以上の部分を1つまたは複数の共有結合を介して一緒に連結する部分を意味する。例えば、連結基L1は、X2を、例えば式IIの化合物のカルボキシル酸素などの、その化合物の残りと連結させることができる。
特定の実施形態では、L1は、C1〜6アルキルまたは置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1はC1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1はメチルである。特定の実施形態では、L1はエチルである。特定の実施形態では、L1はプロピルである。特定の実施形態では、L1はブチルである。特定の実施形態では、L1はペンチルである。特定の実施形態では、L1はヘキシルである。特定の実施形態では、L1は置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は置換メチルである。特定の実施形態では、L1は置換エチルである。特定の実施形態では、L1は置換プロピルである。特定の実施形態では、L1は置換ブチルである。特定の実施形態では、L1は置換ペンチルである。特定の実施形態では、L1は置換ヘキシルである。特定の実施形態では、L1は、そのアルキルが、アルキル(例えば、C1〜6アルキル)、置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される1つまたは複数の基で置換されている置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は、そのアルキルが、C1〜6アルキルで置換されている置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は、1つまたは2つのメチル基で置換されたメチルである。特定の実施形態では、L1は、1つまたは2つのメチル基で置換されたエチルである。
特定の実施形態では、X2は任意選択であり、O、NおよびSから選択される。特定の実施形態では、X2は存在しない。X2が存在しない実施形態では、L1は、R2と直接連結していてよい。X2が存在しない実施形態では、L1は、存在する場合、R3と直接連結していてよい。X2が存在しない実施形態では、L1は、存在する場合、R4と直接連結していてよい。特定の実施形態では、X2は存在する。X2が存在する実施形態では、X2は、O、NまたはSであってよい。特定の実施形態では、X2はOである。いくつかの実施形態では、X2がOである場合、R3およびR4は存在しない。特定の実施形態では、X2はNである。いくつかの実施形態では、X2がNである場合、R3は存在し、R4は存在しない。特定の実施形態では、X2はSである。いくつかの実施形態では、X2がSである場合、R3およびR4は存在する。
特定の実施形態では、R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アシル、アミノアシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態では、R2は水素である。特定の実施形態では、R2は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R2は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R2は、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、R2はアシルである。特定の実施形態では、R2はアミノアシルである。特定の実施形態では、R2は、カルボキシルまたはカルボキシルエステルである。特定の実施形態では、R2は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R2は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R2は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R2は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
特定の実施形態では、R3およびR4は、それぞれ独立に任意選択であり、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、オキソ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。
特定の実施形態では、R3は存在しない。特定の実施形態では、R3は、存在し、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、オキソ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態では、R3は水素である。特定の実施形態では、R3は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R3は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R3は、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、R3はオキソである。特定の実施形態では、R3は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R3は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R3は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R3は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
特定の実施形態では、R4は存在しない。特定の実施形態では、R4は、存在し、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、オキソ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態では、R4は水素である。特定の実施形態では、R4は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R4は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R4は、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、R4はオキソである。特定の実施形態では、R4は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R4は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R4は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R4は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
特定の実施形態では、X2はNである。特定の実施形態では、X2がNである場合、R3は存在し、R4は存在しない。特定の実施形態では、X2はSである。いくつかの実施形態では、X2がSである場合、R3およびR4は存在する。特定の実施形態では、X2がSである場合、R3とR4はどちらもオキソである。
特定の実施形態では、R2は、X2およびR3かまたはR4と一緒になって、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールを形成している。特定の実施形態では、R2は、X2およびR3かまたはR4と一緒になって、ヘテロシクリルを形成している。特定の実施形態では、R2は、X2およびR3かまたはR4と一緒になって、置換ヘテロシクリルを形成している。特定の実施形態では、R2は、X2およびR3かまたはR4と一緒になって、ヘテロアリールを形成している。特定の実施形態では、R2は、X2およびR3かまたはR4と一緒になって、置換ヘテロアリールを形成している。特定の実施形態では、X2はNである。特定の実施形態では、X2がNである場合、R3は存在し、R4は存在しない。したがって、特定の実施形態では、R2およびR3は、それらが結合しているNと一緒になって、ヘテロシクリルを形成している。特定の実施形態では、R2およびR3は、それらが結合しているNと一緒になって、置換ヘテロシクリルを形成している。特定の実施形態では、R2およびR3は、それらが結合しているNと一緒になって、ヘテロアリールを形成している。特定の実施形態では、R2およびR3は、それらが結合しているNと一緒になって、置換ヘテロアリールを形成している。例えば、特定の実施形態では、R2およびR3は、それらが結合しているNと一緒になって、ピペラジニル、1,3−オキサゾリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、イソオキサゾリジニル、トリアゾリジニルおよびピペリジニルから選択される環を形成している。
特定の実施形態では、X1は:
(式中、
L1はC1〜6アルキルまたは置換C1〜6アルキルであり;
R5およびR6はそれぞれ独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される;または、
R5およびR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールを形成しており;
R2、R3およびR4は上記の通りであり;
R7は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよび−OR14から選択され、R14は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される)
から選択されるプロ基である。
上記したように、特定の実施形態では、X1は式:
のプロ基である。
特定の実施形態では、X2は存在せず、R2はアミノアシルであり、R3は存在せず、R4は存在しない。したがって、特定の実施形態では、X1は式:
を有する。
特定の実施形態では、L1は、C1〜6アルキルまたは置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1はC1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1はメチルである。特定の実施形態では、L1はエチルである。特定の実施形態では、L1はプロピルである。特定の実施形態では、L1はブチルである。特定の実施形態では、L1はペンチルである。特定の実施形態では、L1はヘキシルである。特定の実施形態では、L1は置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は置換メチルである。特定の実施形態では、L1は置換エチルである。特定の実施形態では、L1は置換プロピルである。特定の実施形態では、L1は置換ブチルである。特定の実施形態では、L1は置換ペンチルである。特定の実施形態では、L1は置換ヘキシルである。特定の実施形態では、L1は、そのアルキルが、アルキル(例えば、C1〜6アルキル)、置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される1つまたは複数の基で置換されている置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は、そのアルキルがC1〜6アルキルで置換されている置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は、1つまたは2つのメチル基で置換されたメチルである。特定の実施形態では、L1は、1つまたは2つのメチル基で置換されたエチルである。
特定の実施形態では、R5およびR6はそれぞれ独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。
特定の実施形態では、R5は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態では、R5は水素である。特定の実施形態では、R5は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R5は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R5は、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、R5は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R5は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R5は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R5は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
特定の実施形態では、R6は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態では、R6は水素である。特定の実施形態では、R6は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R6は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R6は、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、R6は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R6は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R6は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R6は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
特定の実施形態では、R5およびR6はそれぞれ独立に、水素、アルキル(例えば、C1〜6アルキル)および置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)から選択される。特定の実施形態では、R5は水素であり、R6は水素である。特定の実施形態では、R5は水素であり、R6は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R5はC1〜6アルキルなどのアルキルであり、R6はC1〜6アルキルなどのアルキルである。例えば、いくつかの例では、R5はメチルであり、R6はメチルである、またはR5およびR6の一方はメチルであり、他方はエチルである、またはR5はエチルであり、R6はエチルである。特定の実施形態では、R5は水素であり、R6は、置換C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などの置換アルキルである。特定の実施形態では、R5は置換C1〜6アルキルなどの置換アルキルであり、R6は置換C1〜6アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R5は、そのC1〜6アルキルが、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、オキソ、アシル、アシルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミン、置換アミン、アミノアシル、アシルアミノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される1つまたは複数の基で置換されている置換C1〜6アルキルである。例えば、特定の実施形態では、R5は、これらに限定されないが、ベンジル、2−メトキシエチル、カルボキシメチル、カルボキシプロピル、2−(メチルエトキシ)エチル、2−エトキシエチル、(tert−ブチルオキシカルボニル)メチル、(エトキシカルボニル)メチル、(メチルエチル)オキシカルボニルメチルまたはエトキシカルボニルメチルなどの置換C1〜6アルキルである。
特定の実施形態では、R6は、そのC1〜6アルキルが、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、オキソ、アシル、アシルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミン、置換アミン、アミノアシル、アシルアミノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される1つまたは複数の基で置換されている置換C1〜6アルキルである。例えば、特定の実施形態では、R6は、これらに限定されないが、ベンジル、2−メトキシエチル、カルボキシメチル、カルボキシプロピル、2−(メチルエトキシ)エチル、2−エトキシエチル、(tert−ブチルオキシカルボニル)メチル、(エトキシカルボニル)メチル、(メチルエチル)オキシカルボニルメチルまたはエトキシカルボニルメチルなどの置換C1〜6アルキルである。
特定の実施形態では、R5およびR6はそれらが結合している窒素と一緒になってヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールを形成している。特定の実施形態では、R5およびR6はそれらが結合している窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している。特定の実施形態では、R5およびR6はそれらが結合している窒素と一緒になって置換ヘテロシクリルを形成している。特定の実施形態では、R5およびR6はそれらが結合している窒素と一緒になってヘテロアリールを形成している。特定の実施形態では、R5およびR6はそれらが結合している窒素と一緒になって置換ヘテロアリールを形成している。特定の実施形態では、R5およびR6はそれらが結合している窒素と一緒になって、ピペラジニル、1,3−オキサゾリジニル、2−オキソ(1,3−オキサゾリジニル)、ピロリジニル、モルホリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、イソオキサゾリジニル、トリアゾリジニルおよびピペリジニルから選択される環を形成している。
上記したように、特定の実施形態では、X1は式:
のプロ基である。
特定の実施形態では、X2はOであり、R2はアシルであり、R3は存在せず、R4は存在しない。したがって、特定の実施形態では、X1は式:
を有する。
特定の実施形態では、L1は、C1〜6アルキルまたは置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1はC1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1はメチルである。特定の実施形態では、L1はエチルである。特定の実施形態では、L1はプロピルである。特定の実施形態では、L1はブチルである。特定の実施形態では、L1はペンチルである。特定の実施形態では、L1はヘキシルである。特定の実施形態では、L1は置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は置換メチルである。特定の実施形態では、L1は置換エチルである。特定の実施形態では、L1は置換プロピルである。特定の実施形態では、L1は置換ブチルである。特定の実施形態では、L1は置換ペンチルである。特定の実施形態では、L1は置換ヘキシルである。特定の実施形態では、L1は、そのアルキルが、アルキル(例えば、C1〜6アルキル)、置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される1つまたは複数の基で置換されている置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は、そのアルキルがC1〜6アルキルで置換されている置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は、1つまたは2つのメチル基で置換されたメチルである。特定の実施形態では、L1は、1つまたは2つのメチル基で置換されたエチルである。
特定の実施形態では、R7は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよび−OR14から選択され、R14は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態では、R7は水素である。特定の実施形態では、R7は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R7は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R7は、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、R7は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R7は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R7は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R7は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。特定の実施形態では、R7は、R14が、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される−OR14である。特定の実施形態では、R14は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R14は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R14は、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、R14は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R14は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R14は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R14は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
特定の実施形態では、R7は、C1〜6アルキルまたは置換C1〜6アルキルなどのアルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R7は、C1〜4アルキルなどのC1〜6アルキルである。例えば、R7は、メチル、エチル、プロピル(例えば、n−プロピルまたはイソ−プロピル)およびブチル(例えば、n−ブチル、sec−ブチル(1−メチルプロピル)、イソ−ブチル(2−メチルプロピル)またはtert−ブチル(1,1−ジメチルエチル)から選択することができる。
特定の実施形態では、R7は、置換C1〜6アルキルなどの置換アルキルである。特定の実施形態では、R7は、そのアルキルが、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、オキソ、アシル、アシルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミン、置換アミン、アミノアシル、アシルアミノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される1つまたは複数の基で置換されている置換C1〜6アルキルである。
例えば、特定の実施形態では、R7は、エトキシ、メチルエトキシ、イソ−プロピル、フェニル、シクロヘキシル、シクロヘキシルオキシ、−CH(NH2)CH2COOH、−CH2CH(NH2)COOH、−CH(NHC(O)CH2NH2)CH2COOHおよび−CH2CH(NHC(O)CH2NH2)COOHから選択される。
上記したように、特定の実施形態では、X1は式:
のプロ基である。
特定の実施形態では、X2はNであり、R2は存在し、R3は存在し、R4は存在しない。したがって、特定の実施形態では、X1は式:
を有する。
特定の実施形態では、L1は、C1〜6アルキルまたは置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1はC1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1はメチルである。特定の実施形態では、L1はエチルである。特定の実施形態では、L1はプロピルである。特定の実施形態では、L1はブチルである。特定の実施形態では、L1はペンチルである。特定の実施形態では、L1はヘキシルである。特定の実施形態では、L1は置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は置換メチルである。特定の実施形態では、L1は置換エチルである。特定の実施形態では、L1は置換プロピルである。特定の実施形態では、L1は置換ブチルである。特定の実施形態では、L1は置換ペンチルである。特定の実施形態では、L1は置換ヘキシルである。特定の実施形態では、L1は、そのアルキルが、アルキル(例えば、C1〜6アルキル)、置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される1つまたは複数の基で置換されている置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は、そのアルキルがC1〜6アルキルで置換されている置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は、1つまたは2つのメチル基で置換されたメチルである。特定の実施形態では、L1は、1つまたは2つのメチル基で置換されたエチルである。
特定の実施形態では、R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アシル、アミノアシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態では、R2は水素である。特定の実施形態では、R2は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R2は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R2は、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、R2はアシルである。特定の実施形態では、R2はアミノアシルである。特定の実施形態では、R2は、カルボキシルまたはカルボキシルエステルである。特定の実施形態では、R2は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R2は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R2は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R2は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
例えば、いくつかの実施形態では、R2は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルなどのC1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、R2は、−COORa(Raは水素またはC1〜6アルキルである)などのカルボキシルまたはカルボキシルエステルである。いくつかの実施形態では、R2は、フェニルまたは置換フェニルなどのアリールまたは置換アリールである。
特定の実施形態では、R3は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、オキソ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態では、R3は水素である。特定の実施形態では、R3は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R3は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R3は、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、R3はオキソである。特定の実施形態では、R3は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R3は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R3は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R3は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
例えば、いくつかの実施形態では、R3は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルなどのC1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、R3は、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換C1〜6アルキルである。
特定の実施形態では、R2およびR3は、それらが結合しているNと一緒になってヘテロシクリルを形成している。特定の実施形態では、R2およびR3は、それらが結合しているNと一緒になって置換ヘテロシクリルを形成している。特定の実施形態では、R2およびR3は、それらが結合しているNと一緒になってスクシンイミジルを形成している。特定の実施形態では、R2およびR3は、それらが結合しているNと一緒になってヘテロアリールを形成している。特定の実施形態では、R2およびR3は、それらが結合しているNと一緒になって置換ヘテロアリールを形成している。例えば、特定の実施形態では、R2およびR3は、それらが結合しているNと一緒になって、ピペラジニル、1,3−オキサゾリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、イソオキサゾリジニル、トリアゾリジニルおよびピペリジニルから選択される環を形成している。
上記したように、特定の実施形態では、X1は式:
のプロ基である。
特定の実施形態では、X2はSであり、R2は存在し、R3はオキソであり、R4はオキソである。したがって、特定の実施形態では、X1は式:
を有する。
特定の実施形態では、L1は、C1〜6アルキルまたは置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1はC1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1はメチルである。特定の実施形態では、L1はエチルである。特定の実施形態では、L1はプロピルである。特定の実施形態では、L1はブチルである。特定の実施形態では、L1はペンチルである。特定の実施形態では、L1はヘキシルである。特定の実施形態では、L1は置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は置換メチルである。特定の実施形態では、L1は置換エチルである。特定の実施形態では、L1は置換プロピルである。特定の実施形態では、L1は置換ブチルである。特定の実施形態では、L1は置換ペンチルである。特定の実施形態では、L1は置換ヘキシルである。特定の実施形態では、L1は、そのアルキルが、アルキル(例えば、C1〜6アルキル)、置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される1つまたは複数の基で置換されている置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は、そのアルキルがC1〜6アルキルで置換されている置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は、1つまたは2つのメチル基で置換されたメチルである。特定の実施形態では、L1は、1つまたは2つのメチル基で置換されたエチルである。
特定の実施形態では、R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アシル、アミノアシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態では、R2は水素である。特定の実施形態では、R2は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R2は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R2は、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、R2はアシルである。特定の実施形態では、R2はアミノアシルである。特定の実施形態では、R2は、カルボキシルまたはカルボキシルエステルである。特定の実施形態では、R2は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R2は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R2は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R2は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
例えば、いくつかの実施形態では、R2は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルなどのC1〜6アルキルである。
上記したように、特定の実施形態では、X1は式:
のプロ基である。
特定の実施形態では、X2はNであり、R2は存在し、R3は存在し、R4は存在する。これらの実施形態では、Nは四級アミンである。したがって、特定の実施形態では、X1は式:
を有する。
特定の実施形態では、L1は、C1〜6アルキルまたは置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1はC1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1はメチルである。特定の実施形態では、L1はエチルである。特定の実施形態では、L1はプロピルである。特定の実施形態では、L1はブチルである。特定の実施形態では、L1はペンチルである。特定の実施形態では、L1はヘキシルである。特定の実施形態では、L1は置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は置換メチルである。特定の実施形態では、L1は置換エチルである。特定の実施形態では、L1は置換プロピルである。特定の実施形態では、L1は置換ブチルである。特定の実施形態では、L1は置換ペンチルである。特定の実施形態では、L1は置換ヘキシルである。特定の実施形態では、L1は、そのアルキルが、アルキル(例えば、C1〜6アルキル)、置換アルキル(例えば、置換C1〜6アルキル)、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される1つまたは複数の基で置換されている置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は、そのアルキルがC1〜6アルキルで置換されている置換C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、L1は、1つまたは2つのメチル基で置換されたメチルである。特定の実施形態では、L1は、1つまたは2つのメチル基で置換されたエチルである。
特定の実施形態では、R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アシル、アミノアシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態では、R2は水素である。特定の実施形態では、R2は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R2は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R2は、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、R2はアシルである。特定の実施形態では、R2はアミノアシルである。特定の実施形態では、R2は、カルボキシルまたはカルボキシルエステルである。特定の実施形態では、R2は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R2は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R2は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R2は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
例えば、いくつかの実施形態では、R2は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルなどのC1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、R2は、−COORa(Raは水素またはC1〜6アルキルである)などのカルボキシルまたはカルボキシルエステルである。いくつかの実施形態では、R2は、フェニルまたは置換フェニルなどのアリールまたは置換アリールである。
特定の実施形態では、R3は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、オキソ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態では、R3は水素である。特定の実施形態では、R3は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R3は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R3は、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、R3はオキソである。特定の実施形態では、R3は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R3は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R3は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R3は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
例えば、いくつかの実施形態では、R3は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルなどのC1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、R3は、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換C1〜6アルキルである。
特定の実施形態では、R4は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、オキソ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態では、R4は水素である。特定の実施形態では、R4は、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、R4は、アルケニルまたは置換アルケニルである。特定の実施形態では、R4は、アルキニルまたは置換アルキニルである。特定の実施形態では、R4はオキソである。特定の実施形態では、R4は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。特定の実施形態では、R4は、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、R4は、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態では、R4は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。
例えば、いくつかの実施形態では、R4は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルなどのC1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、R4は、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換C1〜6アルキルである。
特定の実施形態では、R2およびR3はそれらが結合しているNと一緒になってヘテロシクリルを形成している。特定の実施形態では、R2およびR3はそれらが結合しているNと一緒になって置換ヘテロシクリルを形成している。特定の実施形態では、R2およびR3はそれらが結合しているNと一緒になってヘテロアリールを形成している。特定の実施形態では、R2およびR3はそれらが結合しているNと一緒になって置換ヘテロアリールを形成している。例えば、特定の実施形態では、R2およびR3はそれらが結合しているNと一緒になって、ピペラジニル、1,3−オキサゾリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、イソオキサゾリジニル、トリアゾリジニルおよびピペリジニルから選択される環を形成している。
特定の実施形態では、X1は:
(式中、R2、R3、R5、R6およびR7は上記の通りであり;R8、R9、R10、R11、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される)
から選択されるプロ基である。
X1についての上記式において、置換基R2、R3、R4、R5、R6およびR7は上記の通りである。
特定の実施形態では、X1は式:
(式中、R5およびR6は上記の通りであり;R8およびR9はそれぞれ独立に、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される)
を有する。
X1についての上記式において、置換基R5およびR6は上記の通りである。
特定の実施形態では、R8は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R8は水素である。特定の実施形態では、R8は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R8は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R9は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R9は水素である。特定の実施形態では、R9は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R9は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R8およびR9はそれぞれ水素である。特定の実施形態では、R8およびR9の一方は水素であり、他方は上記のようなC1〜6アルキルなどのアルキルである。
特定の実施形態では、X1は式:
(式中、R7は上記の通りであり;R8およびR9はそれぞれ独立に、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される)
を有する。
X1についての上記式において、置換基R7は上記の通りである。
特定の実施形態では、R8は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R8は水素である。特定の実施形態では、R8は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R8は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R9は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R9は水素である。特定の実施形態では、R9は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R9は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R8およびR9はそれぞれ水素である。特定の実施形態では、R8およびR9の一方は水素であり、他方は上記のようなC1〜6アルキルなどのアルキルである。
特定の実施形態では、X1は式:
(式中、R2およびR3は上記の通りであり;R10、R11、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される)
を有する。
X1についての上記式において、置換基R2およびR3は上記の通りである。
特定の実施形態では、R10は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R10は水素である。特定の実施形態では、R10は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R10は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R11は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R11は水素である。特定の実施形態では、R11は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R11は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R12は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R12は水素である。特定の実施形態では、R12は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R12は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R13は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R13は水素である。特定の実施形態では、R13は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R13は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R10、R11、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素およびC1〜6アルキルから選択される。特定の実施形態では、R10、R11、R12およびR13はそれぞれ水素である。特定の実施形態では、R10、R11、R12およびR13のうちの1つはC1〜6アルキルであり、残りは水素である。例えば、いくつかの例では、R10、R11、R12およびR13のうちの1つはメチルであり、残りは水素である。いくつかの例では、R10はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R11、R12およびR13は水素である。いくつかの例では、R11はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10、R12およびR13は水素である。いくつかの例では、R12はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10、R11およびR13は水素である。いくつかの例では、R13はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10、R11およびR12は水素である。特定の実施形態では、R10、R11、R12およびR13のうちの2つはメチルであり、残りは水素である。例えば、いくつかの例では、R10、R11、R12およびR13のうちの2つはメチルであり、残りは水素である。いくつかの例では、R10およびR11はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R12およびR13は水素である。いくつかの例では、R10およびR12はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R11およびR13は水素である。いくつかの例では、R10およびR13はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R11およびR12は水素である。いくつかの例では、R11およびR12はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10およびR13は水素である。いくつかの例では、R11およびR13はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10およびR12は水素である。いくつかの例では、R12およびR13はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10およびR11は水素である。
特定の実施形態では、X1は式:
(式中、R2は上記の通りであり;R10、R11、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される)
を有する。
X1についての上記式において、置換基R2は上記の通りである。
特定の実施形態では、R10は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R10は水素である。特定の実施形態では、R10は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R10は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R11は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R11は水素である。特定の実施形態では、R11は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R11は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R12は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R12は水素である。特定の実施形態では、R12は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R12は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R13は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R13は水素である。特定の実施形態では、R13は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R13は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R10、R11、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素およびC1〜6アルキルから選択される。特定の実施形態では、R10、R11、R12およびR13はそれぞれ水素である。特定の実施形態では、R10、R11、R12およびR13のうちの1つはC1〜6アルキルであり、残りは水素である。例えば、いくつかの例では、R10、R11、R12およびR13のうちの1つはメチルであり、残りは水素である。いくつかの例では、R10はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R11、R12およびR13は水素である。いくつかの例では、R11はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10、R12およびR13は水素である。いくつかの例では、R12はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10、R11およびR13は水素である。いくつかの例では、R13はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10、R11およびR12は水素である。特定の実施形態では、R10、R11、R12およびR13のうちの2つはメチルであり、残りは水素である。例えば、いくつかの例では、R10、R11、R12およびR13のうちの2つはメチルであり、残りは水素である。いくつかの例では、R10およびR11はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R12およびR13は水素である。いくつかの例では、R10およびR12はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R11およびR13は水素である。いくつかの例では、R10およびR13はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R11およびR12は水素である。いくつかの例では、R11およびR12はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10およびR13は水素である。いくつかの例では、R11およびR13はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10およびR12は水素である。いくつかの例では、R12およびR13はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10およびR11は水素である。
特定の実施形態では、X1は式:
(式中、R2、R3およびR4は上記の通りであり;R10、R11、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される)
を有する。
X1についての上記式において、置換基R2、R3およびR4は上記の通りである。
特定の実施形態では、R10は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R10は水素である。特定の実施形態では、R10は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R10は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R11は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R11は水素である。特定の実施形態では、R11は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R11は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R12は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R12は水素である。特定の実施形態では、R12は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R12は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R13は、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態では、R13は水素である。特定の実施形態では、R13は、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシル)などのアルキルである。特定の実施形態では、R13は、置換C1〜6アルキル、置換C1〜3アルキルまたは置換C1〜2アルキルなどの置換アルキルである。
特定の実施形態では、R10、R11、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素およびC1〜6アルキルから選択される。特定の実施形態では、R10、R11、R12およびR13はそれぞれ水素である。特定の実施形態では、R10、R11、R12およびR13のうちの1つはC1〜6アルキルであり、残りは水素である。例えば、いくつかの例では、R10、R11、R12およびR13のうちの1つはメチルであり、残りは水素である。いくつかの例では、R10はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R11、R12およびR13は水素である。いくつかの例では、R11はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10、R12およびR13は水素である。いくつかの例では、R12はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10、R11およびR13は水素である。いくつかの例では、R13はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10、R11およびR12は水素である。特定の実施形態では、R10、R11、R12およびR13のうちの2つはメチルであり、残りは水素である。例えば、いくつかの例では、R10、R11、R12およびR13のうちの2つはメチルであり、残りは水素である。いくつかの例では、R10およびR11はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R12およびR13は水素である。いくつかの例では、R10およびR12はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R11およびR13は水素である。いくつかの例では、R10およびR13はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R11およびR12は水素である。いくつかの例では、R11およびR12はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10およびR13は水素である。いくつかの例では、R11およびR13はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10およびR12は水素である。いくつかの例では、R12およびR13はC1〜6アルキル(例えば、メチル)であり、R10およびR11は水素である。
いくつかの実施形態では、この化合物は二量体である。これらの実施形態では、R1はR15であり、R15は、連結基および式(IIa)または(IIb)の第2の化合物を含む。特定の実施形態では、その連結基は、C1〜10アルキル連結基またはC1〜8アルキル連結基またはC1〜6アルキル連結基またはC1〜3アルキル連結基などのアルキル連結基である。特定の実施形態では、連結基は、式(IIa)または(IIb)の第1の化合物を式(IIa)または(IIb)の第2の化合物と結合させる。いくつかの例では、式(IIa)または(IIb)の第1の化合物はR1位で結合された連結基の一方の端部を有し、連結基の他方の端部は、式(IIa)または(IIb)の第2の化合物R1位で結合されている。これらの実施形態では、二量体中の式(IIa)および/または(IIb)の2つの化合物は、連結基を介してそれらのそれぞれのR1位で互いに連結されている。特定の実施形態では、この化合物は対称性二量体である。いくつかの例では、この化合物は非対称性二量体である。特定の実施形態では、式(IIa)の2つの化合物は、二量体中において、連結基を介してそれらのそれぞれのR1位で互いに連結されている。特定の実施形態では、式(IIb)の2つの化合物は、二量体中において、連結基を介してそれらのそれぞれのR1位で互いに連結されている。
特定の実施形態では、その連結基は構造:−(CH2)n−Zy−(CH2)m−を有する。ここで、nは1〜6の整数であり;
mは0または1〜6の整数であり;
yは0または1であり;
Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である。
特定の実施形態では、nは1〜6の整数、例えば1、2、3、4、5または6である。
特定の実施形態では、mは0または1〜6の整数である。特定の実施形態では、mは0であり、したがって連結基の−(CH2)m部分は存在しない。特定の実施形態では、mは1〜6の整数、例えば1、2、3、4、5または6である。
特定の実施形態では、yは0または1である。特定の実施形態では、yは0であり、したがってZは存在しない。特定の実施形態では、yは1であり、したがってZは存在する。
特定の実施形態では、Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である。特定の実施形態では、ZはOである。特定の実施形態では、ZはNHである。特定の実施形態では、Zは−O−P(O)(OH)−O−である。特定の実施形態では、ZはSである。特定の実施形態では、ZはS(O)である。特定の実施形態では、ZはSO2である。特定の実施形態では、Zは−O−S(O)2−O−である。
特定の実施形態では、nは1であり、mは0であり、yは0である。特定の実施形態では、nは2であり、mは0であり、yは0である。特定の実施形態では、nは3であり、mは0であり、yは0である。特定の実施形態では、nは4であり、mは0であり、yは0である。特定の実施形態では、nは5であり、mは0であり、yは0である。特定の実施形態では、nは6であり、mは0であり、yは0である。
特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1であり、ZはOである。特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1であり、ZはOである。特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1であり、ZはNHである。特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1であり、ZはNHである。特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1であり、Zは−O−P(O)(OH)−O−である。特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1であり、Zは−O−P(O)(OH)−O−である。特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1であり、ZはSである。特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1であり、ZはSである。特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1であり、ZはS(O)である。特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1であり、ZはS(O)である。特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1であり、ZはSO2である。特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1であり、ZはSO2である。特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1であり、Zは−O−S(O)2−O−である。特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1であり、Zは−O−S(O)2−O−である。
特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1である。したがって、特定の実施形態では、この化合物は式:
(式中、X1aおよびX1bはそれぞれ独立に、H、C1〜6アルキルおよびプロ基から選択され;
Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である)
を有するもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、この化合物は式:
(式中、X1aおよびX1bはそれぞれ独立に、H、C1〜6アルキルおよびプロ基から選択され;
Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である)
を有するもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、この化合物は式:
(式中、X1aおよびX1bはそれぞれ独立に、H、C1〜6アルキルおよびプロ基から選択され;
Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である)
を有するもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、nは2であり、mは2であり、yは1である。したがって、特定の実施形態では、この化合物は式:
(式中、X1aおよびX1bはそれぞれ独立に、H、C1〜6アルキルおよびプロ基から選択され;
ZはO、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)SO2または−O−S(O)2−O−である)
を有するもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、この化合物は式:
(式中、X1aおよびX1bはそれぞれ独立に、H、C1〜6アルキルおよびプロ基から選択され;
ZはO、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)SO2または−O−S(O)2−O−である)
を有するもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、この化合物は式:
(式中、X1aおよびX1bはそれぞれ独立に、H、C1〜6アルキルおよびプロ基から選択され;
ZはO、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)SO2または−O−S(O)2−O−である)
を有するもの、またはその塩もしくは立体異性体である。
特定の実施形態では、nは1であり、mは1であり、yは1である。1つのそうした実施形態では、Zはリン酸エステルであり、この化合物は式:
(式中、X1aおよびX1bはそれぞれ独立に、H、C1〜6アルキルおよびプロ基から選択される)
を有するもの、またはその塩である。
特定の実施形態では、X1aおよびX1bはそれぞれ独立に、H、C1〜6アルキルおよびプロ基から選択される。特定の実施形態では、X1aおよびX1bはそれぞれHである。特定の実施形態では、X1aおよびX1bの一方はHであり、他方はC1〜6アルキルまたはプロ基である。特定の実施形態では、X1aおよびX1bはそれぞれC1〜6アルキルである。これらの実施形態では、X1aおよびX1bのためのC1〜6アルキル基は同じであっても異なっていてもよい。特定の実施形態では、X1aおよびX1bはそれぞれプロ基である。これらの実施形態では、X1aおよびX1bのためのプロ基は同じであっても異なっていてもよい。特定の実施形態では、X1aはC1〜6アルキルであり、X1bはプロ基である。特定の実施形態では、X1aはプロ基であり、X1bはC1〜6アルキルである。X1aおよびX1bのためのプロ基は上記に、より詳細に説明されている。例えば、X1aおよびX1bのためのプロ基は上記に、より詳細に説明されているように、それぞれ独立にX1であってよい。
特定の実施形態では、Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である。特定の実施形態では、ZはOである。特定の実施形態では、ZはNHである。特定の実施形態では、Zは−O−P(O)(OH)−O−である。特定の実施形態では、ZはSである。特定の実施形態では、ZはS(O)である。特定の実施形態では、ZはSO2である。特定の実施形態では、Zは−O−S(O)2−O−である。
特定の実施形態では、式(IIa)の化合物は次の化合物:
(式中、X1aおよびX1bは上記の通りである)
から選択される二量体またはその塩もしくは立体異性体である。
例えば、X1aおよびX1bは、H、C1〜6アルキルおよびプロ基からそれぞれ独立に選択され得る。いくつかの例では、X1aおよびX1bのためのプロ基は、それぞれ独立に、上記に、より詳細に説明されているようなX1であってよい。
特定の実施形態では、二量体中において式IIの2つの化合物を連結する連結基は、切断可能な連結基であってよい。いくつかの例では、二量体中の連結基の切断によって、活性薬剤部分(例えば、2つの薬学的に活性な化合物)が放出される。例えば、切断可能な連結基は、二量体中で式(IIa)または(IIb)の第1の化合物を式(IIa)または(IIb)の第2の化合物と連結する連結基中の1つまたは複数の結合を、加水分解することによって切断することができる。いくつかの実施形態では、切断可能な連結基の切断は、インビボで、例えば胃腸管(例えば、胃、小腸、大腸等)中、またはその化合物の所望の作用部位で行うことができる。特定の場合、切断可能な連結基を含む化合物は、所望の作用部位での、または、二量体の投与の後の所望時間量後での、薬学的に活性な形態の化合物(例えば、遅延放出製剤、制御放出製剤など)の送達を容易にすることができる。
式(Ia)、(Ib)、(IIa)および(IIb)の化合物の実施形態を以下の表に示す。
本明細書で開示される具体的な化合物、およびその塩もしくは溶媒和物または立体異性体には:化合物1:メチル(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物2:メチル(E)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物3:(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリル酸;化合物4:(E)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリル酸;化合物5:メチル(E)−3−(4−エチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物6:メチル(E)−3−(4−イソプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物7:メチル(E)−3−(4−((3−メチルオキセタン−3−イル)メチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物8:メチル(E)−3−(4−(2−アミノ−2−オキソエチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物9:メチル(E)−3−(4−(メトキシメチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物10:メチル(E)−3−(4−(ジメチルカルバモイル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物11:メチル(E)−3−(4−シクロペンチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物12:メチル(E)−3−(5−オキソ−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物13:メチル(E)−3−(4−(2−メトキシエチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物14:メチル(E)−3−(4−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物15:tert−ブチル(E)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物16:メチル(E)−3−(5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物17:メチル(E)−3−(5−オキソ−4−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物18:2−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)エチル(E)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物19:メチル(E)−3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物20:ジメチル3,3’−(5−オキソ−1H−テトラゾール−1,4(5H)−ジイル)(2E,2’E)−ジアクリレート;化合物21:メチル(E)−3−(4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物22:メチル(Z)−3−(4−エチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物23:tert−ブチル(Z)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物24:メチル(E)−3−(4−ジュウテリオメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート;化合物25:メチル(E)−3−(4−ジュウテリオイソプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートおよび化合物26:メチル(E)−3−(4−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートが含まれる。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
特定の実施形態では、その化合物は構造:
を有する。
説明される化合物には、1個または複数の原子が通常自然界でみられる原子質量とは異なる原子質量を有する同位体で標識された化合物も含まれる。本明細書で開示される化合物中に含め得る同位体の例には、これらに限定されないが、2H、3H、11C、13C、14C、15N、18O、17O等が含まれる。したがって、開示化合物は、そうした同位体の天然存在度に対してこれらの同位体の1つまたは複数が濃縮されていてよい。例として、重水素(2H;D)は約0.015%の天然存在度を有する。したがって、自然に存在するおよそ6,500個の水素原子ごとに1個の重水素原子が存在する。本明細書で特に考慮されるのは、1つまたは複数の位置で重水素が濃縮されている化合物である。したがって、本開示の重水素を含有する化合物は、1つまたは複数の位置で(場合によって)で0.015%超の豊富な重水素を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で説明される目的化合物のいずれか1つのR1基の1個または複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7個またはそれ超)の水素原子が重水素で置換されている。
医薬組成物
特定の実施形態では、開示化合物は、自己免疫性または炎症性の疾患または障害などの疾患または障害の治療のために有用である。したがって、少なくとも1つの開示化合物を含む医薬組成物も本明細書で説明される。例えば、本開示は、薬学的に許容される担体、および治療上有効な量の本開示の化合物あるいは薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物または立体異性体を含む医薬組成物を提供する。
目的化合物を含む医薬組成物は、患者に、単独かまたは他の補充的な活性薬剤と併用して投与することができる。例えば、式Iまたは式IIによる1つまたは複数の化合物を、患者に、補充的な活性薬剤を用いるか用いないで投与することができる。例として、補充的な活性薬剤には、フマル酸ジメチルおよびフマル酸モノメチル、およびその塩が含まれる。医薬組成物は、これらに限定されないが、慣用的な混合、溶解、造粒、糖衣錠化、微粒子化(levigating)、乳化、カプセル化、封入、凍結乾燥などを含む様々なプロセスのいずれかを使用して製造することができる。医薬組成物は、これらに限定されないが、滅菌液剤、懸濁剤、乳剤、噴霧乾燥された分散剤、凍結乾燥物(lyophilisate)、錠剤、微小錠剤(microtablet)、丸剤、ペレット剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、エリキシル剤または投与に適した他の任意の剤形を含む様々な形態のいずれかとすることができる。
目的化合物は、病状または症状の所望の低減をもたらすことができる任意の好都合な手段を使用して対象に投与することができる。したがって、目的化合物を、治療的に投与のための様々な製剤中に取り込むことができる。より具体的には、目的化合物は、適切な薬学的に許容される担体または賦形剤(diluent)と一緒にすることによって医薬組成物に製剤化することができ、固体、半固体、液体またはガス状の形態で製剤化して、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、液剤、坐剤、注射剤、吸入剤、エアゾール剤などの調製物(preparations)にすることができる。
医薬組成物用の製剤は、例えば、開示化合物の薬学的送達に適した製剤(およびその成分)の例を説明している、Remington’s Pharmaceutical Sciences、by E.W.Martin、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.、第19版、1995年に記載されている。目的化合物の少なくとも1つを含む医薬組成物を、ヒトまたは獣医用医薬で使用するために製剤化することができる。開示医薬組成物の具体的な製剤は、例えば、投与方式および/または治療を受ける対象の場所に依存する可能性がある。いくつかの実施形態では、製剤は、目的化合物などの少なくとも1つの活性構成要素に加えて薬学的に許容される担体を含む。他の実施形態では、例えば、治療を受ける疾患または状態に対して、類似した、関連したまたは補完的な効果を有する他の医薬品または薬剤を、活性構成要素としてその医薬組成物中に含めることもできる。
本開示の方法および組成物に有用な薬学的に許容される担体は、用いられる具体的な投与方式に依存する可能性がある。例えば、非経口製剤は、注入可能な流体、例えば、これらに限定されないが、水、生理食塩水、平衡塩溶液(balanced salt solution)、水性デキストロース、グリセロールまたはビヒクルとしての同種のものなどの薬学的および生理学的に許容される流体を含むことができる。固体組成物(例えば、散剤、丸剤、錠剤またはカプセル剤の形態)のためには、非毒性固体担体は、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプンまたはステアリン酸マグネシウムを含むことができる。生物学的に中性な担体に加えて、投与しようとする医薬組成物は、任意選択で、少量の非毒性の補助物質(例えば、添加剤(excipient))、例えば湿潤剤または乳化剤、保存剤およびpH緩衝剤など;例えば酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含むことができる。添加剤の他の例には、非イオン性可溶化剤、例えばクレモフォール(cremophor)またはタンパク質、例えばヒト血清アルブミンまたは血漿分画製剤(plasma preparations)が含まれる。
薬学的に許容される担体としての役目を果たすことができる材料のいくつかの例には:(1)糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;(2)デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプン;(3)セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;(4)粉末トラガカント;(5)モルト;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)添加剤、例えばココアバターおよび坐剤ワックス;(9)油、例えばピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ごま油、オリーブ油、コーンオイルおよび大豆油;(10)グリコール、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;(12)エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)水(例えば、パイロジェン除去水);(17)等張食塩水;(18)リンガー溶液;(19)エチルアルコール;(20)pH緩衝液;(21)ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ酸無水物;ならびに(22)医薬製剤で使用される他の非毒性の適合物質が含まれる。
開示医薬組成物は、開示化合物の薬学的に許容される塩として製剤化することができる。薬学的に許容される塩の例には、所望の、遊離塩基の薬理学的活性を有する遊離塩基形態の化合物の非毒性塩が含まれる。これらの塩は、無機または有機の酸から誘導することができる。適切な無機酸の非限定的な例は、塩酸、硝酸、臭化水素酸、硫酸、ヨウ化水素酸およびリン酸である。適切な有機酸の非限定的な例は、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、メチルスルホン酸、サリチル酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、グルコン酸、アスパラガス酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、その組合せなどである。特定の実施形態では、薬学的に許容される塩にはギ酸が含まれる。薬学的に許容される塩の他の例には、遊離酸形態の式Iまたは式IIによる化合物の非毒性塩が含まれる。そうした塩は無機または有機の塩基から誘導される。薬学的に許容される塩基付加塩には、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩、その組合せなどの無機塩基から誘導されるものが含まれる。塩の例は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。本明細書で開示される化合物の塩は、これらに限定されないが、第一、第二および第三アミン、天然由来の置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール(「トリス」塩)、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルコサミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、その組合せなどを含む薬学的に許容される有機非毒性塩基から誘導することができる。薬学的に許容される塩は、さらに、S.M.Bergeら、「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.、1977年;66:1〜19頁およびRemington’s Pharmaceutical Sciences、第19版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、1995年に記載されている。
目的化合物は、単独か、あるいは錠剤、散剤、顆粒剤またはカプセル剤を作るための適切な添加物、例えば慣用的な添加物、例えばラクトース、マンニトール、コーンスターチまたはジャガイモデンプン;結合剤、例えば結晶性セルロース、セルロース誘導体、アカシア、コーンスターチまたはゼラチン;崩壊剤、例えばコーンスターチ、ジャガイモデンプンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウム;滑沢剤、例えばタルクまたはステアリン酸マグネシウム;望むなら賦形剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤および香味剤と組み合わせて使用することができる。そうした調製物は、経口投与のために使用することができる。
目的化合物は、水性または非水性溶媒、例えば植物油もしくは同様の他の油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸のエステルまたはプロピレングリコールの中にその化合物を、望むなら、可溶化剤、等張剤、懸濁化剤、乳化剤、安定剤および保存剤などの慣用的な添加物と一緒に溶解、懸濁、または乳化させることによって注射用の調製物に製剤化することができる。この調製物を乳化させるか、または活性構成要素をリポソームビヒクル中にカプセル化することもできる。注射に適した製剤は、硝子体内、眼球内、筋肉内、皮下、舌下、または他の投与経路、例えば歯肉組織もしくは他の口腔組織中への注射によって投与することができる。そうした製剤は局所投与にも適している。
いくつかの実施形態では、目的化合物は、連続送達系で送達することができる。「連続送達系」という用語は、本明細書では「制御送達系」と互換的に使用され、これは、カテーテル、注入デバイス、およびその様々なものが当業界で公知である同様のものと組み合わせた連続(例えば、制御)送達デバイス(例えば、ポンプ)を包含する。
目的化合物は、吸入により投与されることになるエアゾール製剤で使用することができる。目的化合物は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素など加圧型の許容される噴射剤中に製剤化することができる。
さらに、目的化合物は、乳化用ベースまたは水溶性ベースなどの様々なベースと混合することによって坐剤にすることができる。目的化合物は、坐剤によって経直腸で投与することができる。坐剤は、体温で溶融するが室温では実質的に固体であるココアバター、カルボワックスポおよびリエチレングリコールなどのビヒクルを含むことができる。
本明細書で使用するような「単位剤形」という用語は、ヒトおよび動物対象のための単位投薬量として適している物理的に離散した単位を指し、各単位は、所望効果をもたらすのに十分な量で計算された所定量の目的化合物を、薬学的に許容される賦形剤、担体またはビヒクルと一緒に含む。目的化合物のための仕様は、使用される具体的な化合物、達成しようとする効果、および宿主中での各化合物に関係する薬力学に依存する。
開示医薬組成物の剤形は、選択される投与方式によって決定することができる。例えば、注射可能な流体に加えて、局所または経口剤形を使用することができる。局所調製物は、点眼剤、軟膏剤、噴霧剤などを含むことができる。経口製剤は液体(例えば、シロップ剤、液剤または懸濁剤)であっても、固体(例えば、散剤、丸剤、錠剤またはカプセル剤)であってもよい。そうした剤形を調製する方法は公知であるか、または当業者に明らかであろう。
目的化合物を含む医薬組成物の特定の実施形態は、正確な投薬量の個々の投与に適した単位剤形で製剤化することができる。投与される活性構成要素の量は、治療を受ける対象、その苦痛の重症度、投与の仕方に依存する可能性があり、これは、当業者に公知である。特定の場合、投与される製剤は、治療を受ける対象において所望の効果を達成するのに効果的な量で、本明細書で開示される化合物の量を含む。
各治療化合物は独立に、本明細書で説明するものなどの任意の剤形であってよく、やはり本明細書で説明するような種々の仕方で投与することができる。例えば、これらの化合物は、併用製品として、単一の投薬単位で一緒に(すなわち、例えばカプセル剤、錠剤、散剤または液剤等の1つの形態で一緒に)製剤化し得る。あるいは、単一の投薬単位で一緒に製剤化しない場合、個々の目的化合物を、別の治療化合物と同時に、またはその任意の順番で逐次投与することができる。
開示化合物は、唯一の活性薬剤として単独で、あるいは、1つまたは複数の追加の本開示の化合物と組み合わせて、または他の薬剤と一緒に投与することができる。組合せて投与する場合、これらの治療剤を、同時かまたは異なる時点で投与される別個の組成物として製剤化することができ、あるいは、これらの治療剤を、2つ以上の治療剤を組み合わせた単一の組成物として一緒に投与することができる。したがって、本開示の化合物を含む本明細書で開示される医薬組成物は、任意選択で他の治療剤を含む。したがって、特定の実施形態は、その組成物が、当業者に公知なものとして選択された治療上有効な量の薬剤をさらに含む、そうした医薬組成物を対象とする。
投与方法
目的化合物は、自己免疫性または炎症性の疾患または障害などの対象における疾患または障害を治療するために用途が見出される。投与経路は、これらに限定されないが、治療を受ける状態、使用される製剤および/またはデバイス、治療を受ける患者などを含む様々な因子によって選択し得る。開示の方法で有用な投与経路には、これらに限定されないが、経口および非経口経路、例えば静脈内(iv)、腹腔内(ip)、経直腸、局所、眼内(ophthalmic)、経鼻および経皮が含まれる。これらの剤形用の製剤を本明細書で説明する。
目的化合物の有効量は、少なくとも、具体的な使用方法、治療を受ける対象、その苦痛の重症度、および治療組成物の投与の仕方に依存する可能性がある。組成物の「治療上有効な量」は、治療を受ける対象(例えば、患者)において所望の効果を達成するのに十分な特定の化合物の量である。例えば、これは、自己免疫性または炎症性の疾患または障害などの対象における疾患または障害を防止、抑制、軽減または緩和するのに必要な目的化合物の量であってよい。理想的には、化合物の治療上有効な量は、対象の宿主細胞に対して実質的な細胞毒性効果を引き起こすことなく、対象における疾患または障害を防止、抑制、軽減または緩和するのに十分な量である。
当業者は、適用可能な本明細書で開示される化合物のEC50と少なくとも同じ高さの局所(例えば、組織)濃度を達成するのを目的として、目的化合物または医薬組成物の治療有効用量を決定することができる。
投薬範囲の例は、単一または分割用量で、経口で0.1〜200mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、投薬範囲は、単一または分割用量で、経口で1.0〜50mg/kg体重、1.0〜25mg/kg体重、1.0〜10mg/kg体重を含む1.0〜100mg/kg体重である(約70kgの平均体重を仮定する;値は、平均より多いかまたは少ないその人の重量に応じて調整することができる)。経口投与のために、その組成物は、治療を受ける対象への症状による投薬量の調整のため、例えば、約10〜約1000mgの活性構成要素、例えば25〜750mgまたは50〜500mg、例えば75mg、100mg、200mg、250mg、400mg、500mg、600mg、750mgまたは1000mgの活性構成要素を含む錠剤の形態で提供される。経口投薬レジメンの特定の実施形態では、500mg〜1000mgの活性構成要素を含む錠剤を1回投与し(例えば、ローディング用量)、続いて、3日間またはそれ超にわたって6〜24時間毎に、1/2(すなわち、半分)投薬量錠剤(例えば250〜500mg)を投与する。
特定の任意の対象に対する具体的な用量レベルおよび投薬頻度は、変えることができ、それは、目的化合物の活性、その化合物の代謝的安定性および作用の長さ、対象の年齢、体重、全体的な健康、性別および食事、投与の方式および時間、排出速度、薬物の組合せならびに治療を受ける宿主の状態の重症度を含む、様々な因子に依存する可能性がある。
本開示の実施形態は、1つまたは複数の開示化合物と、疾患または障害の治療において有用な1つまたは複数の他の薬剤または治療法の併用も含む。特定の場合、その疾患または障害は、自己免疫性または炎症性の疾患または障害である。特定の場合、その疾患または障害は、尋常性乾癬などの乾癬である。特定の場合、その疾患または障害は多発性硬化症である。例えば、1つまたは複数の開示化合物を、治療有効用量の他の医薬品および薬剤と併用して、または他の非医薬品治療、例えばホルモン(例えば、コルチコステロイド)もしくは放射線治療(例えば、光線療法)と併用して投与することができる。「併用での投与(administration in combination with)」という用語は、活性薬剤の同時投与と逐次投与の両方を指す。
治療方法
この目的化合物は、治療を必要とする対象における自己免疫性または炎症性の疾患または障害などの疾患または障害を治療するのに有用である。特定の場合、その疾患または障害は、自己免疫性または炎症性の疾患または障害である。特定の場合、その疾患または障害は尋常性乾癬などの乾癬である。特定の場合、その疾患または障害は多発性硬化症である。本明細書で開示される化合物で治療できる他の疾患には、肺動脈高血圧症(PAH)、非アルコール性およびアルコール性脂肪性肝炎、外傷性脳損傷、放射線曝露ならびにシアン化物などの毒性薬品に対する曝露が含まれる。
したがって、本開示は、炎症を治療するために、有効量のその塩もしくは溶媒和物または立体異性体を含む目的化合物を投与することによって、対象における炎症性疾患を治療する方法を提供する。例えば、本開示は、対象における炎症性疾患を治療する方法を提供する。特定の実施形態では、この方法は、対象(例えば、患者)に、本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体を投与するステップを含む。
さらに、本開示は、自己免疫疾患を治療するために、有効量のその塩もしくは溶媒和物または立体異性体を含む目的化合物を対象に投与することによって、対象における自己免疫疾患を治療する方法も提供する。例えば、本開示は、対象における自己免疫疾患を治療する方法も提供する。特定の実施形態では、この方法は、対象(例えば、患者)に、本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体を投与するステップを含む。
いくつかの実施形態では、目的化合物は、インビボでの分解に対して耐性がある。特定の実施形態では、目的化合物はインビボで安定である。特定の場合、この化合物は、インビボで切断されない共有結合を介してその化合物のコアのテトラゾロン環と結合しているR1基(例えば、本明細書で説明されるような)を含む。特定の場合、目的化合物は、インビボでの長い半減期、例えば4時間以上、例えば6時間以上、8時間以上、12時間以上、1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、6日以上、1週間以上、2週間以上、4週間以上、さらにはそれ超の半減期を有する。本明細書で使用するような「インビボでの半減期」という用語は、着目物質の血漿中の濃度が、その定常状態値の2分の1に達するまでにかかる時間を指す。
本開示による治療のための疾患または状態には、これらに限定されないが、乾癬、多発性硬化症、炎症性腸疾患、喘息、慢性閉塞性肺疾患および関節炎が含まれる。例えば、本開示による治療のための疾患または状態には、これらに限定されないが:乾癬、例えば尋常性乾癬;喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD)、例えば気管支炎、肺気腫ならびに他の肺疾患、例えば石綿肺症、塵肺症および肺新生物;リウマチ性関節炎、若年性関節リウマチ(若年性特発性関節炎)、乾癬性関節炎および関節の炎症をもたらす強直性脊椎炎を含む炎症性関節炎などの関節炎;左心室不全、心筋梗塞および狭心症を含む心不全;ミトコンドリア病および神経変性疾患、例えばパーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALSまたはルー・ゲーリック病)、網膜色素変性症およびミトコンドリア脳筋症;移植拒絶;多発性硬化症、虚血および再かん流傷害を含む自己免疫疾患、年齢によるゲノム損傷;炎症性腸疾患(IBD)、例えばクローン病および潰瘍性結腸炎;ならびにNF−κΒ介在疾患を含む免疫学的な自己免疫性および/または炎症性疾患が含まれる。
本開示による治療のための他の疾患または状態には、これらに限定されないが、リウマチ(性)(rheumatica)、環状肉芽腫、ループス、自己免疫性心臓炎、湿疹、サルコイドーシス、ならびに急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、円形脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、水疱性類天疱瘡、ベーチェット病、セリアック病、シャーガス病、慢性閉塞性肺疾患、クローン病、皮膚筋炎、1型真性糖尿病、子宮内膜症、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、化膿性汗腺炎、川崎病、IgA腎症、特発性血小板減少性紫斑病、間質性膀胱炎、エリテマトーデス(lupus erythematosus)、混合性結合組織疾患、モルフェア、多発性硬化症、重症筋無力症、ナルコレプシー、神経性筋強直症、尋常性天疱瘡、悪性貧血、乾癬、乾癬性関節炎、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、関節リウマチ、統合失調症、強皮症、シェーグレン症候群、全身硬直症候群、側頭動脈炎、潰瘍性結腸炎、血管炎、白斑症およびウェゲナー肉芽腫症を含む自己免疫疾患が含まれる。
本開示による治療のための追加的な疾患または状態には、これらに限定されないが、リポイド類壊死症、環状肉芽腫、サルコイドーシス、円形脱毛症、肉芽腫性口唇炎、再発性口腔内アフタ、非感染性慢性膣炎、毛孔性紅色粃糠疹、環状弾性線維融解性巨細胞性肉芽腫(annular elastolytic giant cell granuloma)などが含まれる。本開示による治療のための疾患または状態には、ハンチントン病、マラリア、HIV、HIV関連神経変性障害、気管支喘息、心筋梗塞、慢性閉塞性肺疾患、HSV1角膜炎および臓器移植に起因する免疫抑制も含まれる。
特定の実施形態では、目的化合物は、細胞増殖性障害などの疾患または障害を治療するのに有用である。本明細書で開示される目的化合物で治療可能な細胞増殖性障害は、異常な細胞増殖を特徴とする任意の障害に関連している。これらには、良性または悪性、転移性または非転移性の様々な腫瘍およびがんが含まれる。組織侵襲性または転移などのがんの特定の特性は、本明細書で説明される方法を用いて標的化することができる。細胞増殖性障害には、とりわけ、乳がん、結腸がん、メラノーマ、神経膠芽腫、卵巣がん、腎臓がん(renal cancer)、消化管がん、腎臓がん(kidney cancer)、膀胱がん、膵臓がん、肺扁平上皮がん腫(lung squamous carcinoma)および腺がん(adenocarcinoma)を含む様々ながんが含まれる。
本開示の化合物は、研究手段としての用途も見出すことができる。したがって、本開示は、生物学的な系または試料を試験する、あるいは対象における自己免疫性または炎症性の疾患または障害を治療するための用途を有する新規な化合物を発見するための研究手段として、本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体を使用する方法も提供する。
実施形態は、治療において、または医薬品として使用するための本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体も対象とする。例えば、実施形態は、医薬品の製造のため;例えば自己免疫性または炎症性の疾患または障害の治療用の医薬品の製造のための本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体の使用を含む。いくつかの場合、これらの実施形態は、多発性硬化症などの自己免疫疾患の治療用の医薬品の製造のための、本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体の使用も対象とする。これらの実施形態は、乾癬などの炎症性の疾患または障害の治療用の医薬品の製造のための、本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体の使用も対象とする。本開示による治療のための他の疾患または状態は上記に論じられている。
機能特性の特性評価
以下は、本開示の化合物の活性を評価するのに有用なアッセイの例である。
A.インビトロ
1.グルタチオン枯渇アッセイ
1つの態様では、本発明の化合物は、反応性チオール基に対してインビボでマイケル受容体として作用することによってそれらの治療効果を発揮する。例えば、LehmannらのDimethyfumarate Induces Immunosuppression via Glutathione Depletion and Subsequent Induction of Heme Oxygenase 1、Journal of Investigative Dermatology(2007年)127巻、835〜845頁を参照されたい。したがって、本発明の化合物を、以下のようにして、グルタチオンと反応させることによってインビトロで評価し得る:
d6−DMSO(1.2mL)中のフマル酸ジメチル(5.2mg、3.6mmol)と還元型グルタチオン(22.4mg、7.3mmol;2equiv.)の混合物を、ねじぶた付き(screw-top)バイアル瓶中で混合し、混合物を35℃で撹拌した(ねじぶたをしっかり閉じて)。一定分量の試料を間欠的な時間点で取り出し、1H NMR測定をした[注記:1H NMRによる分析後、試料を、加熱されたバイアル瓶に戻し、反応を続行することができる)。1H NMRは、3hr後でのグルタチオンとの大部分の反応(二重結合へのマイケル付加による)、および27hrまでの完全な反応を示している。
上記反応を、d6−DMSO(3.0mL)中35℃で、フマル酸モノメチル(11.4mg、8.8mmol)および還元型グルタチオン(55.5mg、18.0mmol)を使用して繰り返した。1H NMRによる判定で、27hrまでに大部分の反応が確認された。
上記反応を、d6−DMSO(1.2mL)中35℃で、メチル(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート(6.2mg、3.6mmol)および還元型グルタチオン(22.4mg、7.2mmol)を使用して繰り返した。1H NMRによる判定で、30hrまでに大部分の反応が確認された。
上記反応を、d6−DMSO(1.2mL)中35℃で、メチル(E)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート(6.6mg、3.6mmol)および還元型グルタチオン(22.4mg、7.2mmol)を使用して繰り返した。1H NMRによる判定で、30hrまでに大部分の反応が確認された。
上記の場合のすべてにおいて、出発原料からのアルケンプロトンシグナルの消失を、グルタチオンでのマイケル反応の程度を判定するために使用する。
当業者が理解されように、上記実験は、還元型グルタチオンの当量を変化させることによって(0.5〜2当量)繰り返すことができ;反応をd6−DMSOとD2Oの混合物中でも行うことができ;反応温度を室温〜35℃(35℃は体温を模倣するために使用される)で変化させることもできる。本明細書で使用するような「大部分の反応」は、1H NMRで確認して、アルケンプロトンシグナルの50%超の減少を意味する。
当業者に周知の他のインビトロでのアッセイを、本発明の化合物の抗炎症効能を実証するために使用することができる。例えば、特定の化合物は、LPSで刺激されたΤΗΡ1細胞中での炎症性サイトカインIL−23の産生を阻止した。
B.インビボ
1.マウス実験による自己免疫性脳脊髄炎アッセイ
自己免疫疾患に対する化合物のインビボでの効能は、実験的な自己免疫性脳脊髄炎(EAE)のマウスモデルにおいて実証することができる。
モデルの説明:EAEは、多発性硬化症(MS)、CNS白質の免疫細胞浸潤によって引き起こされるCNSの自己免疫疾患のための有用なモデルである。炎症、および続くミエリンの破壊は、進行性の麻痺を引き起こす。ヒトの疾患のように、EAEは、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、プロテオリピドタンパク質(PLP)またはミエリンオリゴデンドロサイトタンパク質(MOG)などのミエリンタンパク質と自己反応性であるT細胞の末梢活性化と関連している。活性化された神経抗原特異性T細胞は、血液脳関門を通過し、限局的な単核細胞の浸潤および脱髄をもたらす。EAEは、アジュバントと組み合わせたミエリン特異性タンパク質での免疫化によって、感受性マウス株において誘発させることができる。これらの試験で使用されるSJLマウスモデルにおいて、後肢および尾部の麻痺が免疫化後10日目で現れ、疾患重症度のピークを10〜14日目の間に観察することができ、部分的な自然寛解、続く再発のサイクルを、35日目まで観察することができる。これらの結果は、化合物が、疾患重症度を抑制し、免疫細胞からのFcγR介在サイトカイン放出の結果であり得る疾患の症状の再発を防止する潜在性を実証することができる。
試験プロトコール:EAEのSJLマウスモデルにおいて、各マウスを、プロテオリピドタンパク質(PLP)/完全フロイントアジュバント(CFA)で感作させる(合計0.2mlの乳剤について、後横腹の4つの部位上に、0.05mlのホモジネート中の200μg CFAを含む150μgのPLP139−151を、EAEを誘発させるために使用する)。抑制プロトコールにおいて、ビヒクルかまたは種々の用量のテスト化合物を、免疫化の日(0日目)にスタートして経口強制飼養により投与する。治療プロトコールにおいて、疾患の発症時に、動物を、最初に、類似した平均臨床スコアを有する群が得られるように分離し、ビヒクル、または種々の投薬頻度のテスト化合物を経口強制飼養により投与する。両方のプロトコールにおいて、臨床スコアを毎日監視し、体重を週2回測定する。
結果の判定:PLP免疫化後10日間で、それらの平均臨床スコアの増大で証明されるように、SJLマウスは、臨床的EAEを発現することができる。麻痺スコアは、ビヒクルだけで治療された動物において、免疫化の日(0日目)から徐々に増大することができ、14日目で、平均スコアは約5.1のピークに達することができる。疾患のピーク(例えば、14日目)で、日に1回かまたは日に2回治療された動物における平均臨床スコアを大幅に減少させることができる。16日目で、動物は平均臨床的重症度の部分寛解を示すことができ、これは、SJLモデルの特徴である。テスト化合物で日に2回治療された動物におけるより低い臨床スコアは、30日目にその動物が屠殺されるまで、実験を通して有意で留まることができる。治療期間を通したこれらのより低いスコアは、大幅に低い累積疾患指標(CDI)および累積重量指標(CWI)の増大に反映されている。
疾患発症時(例えば、11日目)にテスト化合物で治療されたSJLマウスは、CDIの大幅な減少を示すことができる。さらに、ビヒクルで治療された動物における再発の数と比較して、テスト化合物で治療された動物における再発の数の減少があり得る。
2.実験的な自己免疫性脳脊髄炎の動物モデル
多発性硬化症などの自己免疫疾患を治療するための化合物のインビボでの治療効能を、実験的な自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の動物モデルで評価することができる。
動物およびEAE誘発:メスのC57BL/6マウス、8〜10週齢を、完全フロイントアジュバント(CFA)(4mg/mL結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を含む)で乳化された200μgのミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質ペプチド(MOG35−55)(1:1体積比)を用いて、側腹部および中肩甲部において皮下で免疫化する。この乳剤は、三方コックが連結された2つのガラス製ルアーロック(Luer-Lock)シリンジを用いてシリンジ押出法により調製する。マウスには、免疫化の当日および免疫化後2日目に、200ngの百日咳毒素の腹腔内注射も施す。マウスを計量し、実験的な自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の臨床兆候について毎日観察する。餌と水を適宜与え、動物が病気の症状を示し始めたら、ケージ底部に餌を与える。
治療プロトコール:種々の濃度のテスト化合物を含む液剤を、異なる治療群に、免疫化後3日目から出発して終わりまで経口強制飼養により1日2回投与する。デキサメタゾンを、1×PBS緩衝液(1mg/kg)に溶解し、これを1日1回皮下で投与する。
臨床評価:マウスを、免疫化後7日目から初めて1日1回スコア化する。臨床採点スケールは以下の通りである:0=正常;1=びっこ引き(limp tail)または後肢の虚弱(歩行の際のケージ上部のバー間での足のスリップで定義される);2=びっこ引きおよび後肢の虚弱;3=部分的な後肢麻痺(後肢に体重負荷はかけられないが、なお、一方または両方の後肢をある程度動かすことができると定義される);4=完全な後肢麻痺;5=瀕死の状態(前肢麻痺を含む)または死。いくつかの実施形態では、化合物1(メチル(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート)は、免疫化の当日に開始して60mg/kgで投与した場合、疾患麻痺の発現を著しく防止する。
3.乾癬の治療における治療効能を評価するための動物モデル
乾癬を治療するための化合物のインビボでの治療効能は、実験動物モデルで評価することができる。例えば、重症複合免疫不全(SCID)マウスモデルを、ヒトの乾癬を治療するための化合物の効能を評価するために使用することができる。
SCIDマウスを組織レシピエントとして使用する。それぞれの正常または乾癬性志願者について1つのバイオプシーを、レシピエントマウスの背面上に移植する。治療を、移植後1〜2週間で開始する。ヒト皮膚移植片を有する動物を治療群に分ける。動物を1日2回、14日間治療する。治療の最後に、動物を写真撮影し、次いで安楽死させる。移植されたヒト組織を、周りのマウス皮膚と一緒に摘出し、10%ホルマリン中に固定し、顕微鏡検査用に試料を得る。表皮厚さを測定する。組織切片を、移植された組織におけるヒトTリンパ球を検出するための、増殖関連抗原Ki−67への抗体、および抗ヒトCD3+モノクローナル抗体で染色する。切片を、また、c−mycおよびβ−カテニンに対する抗体でもプローブする。治療に対する肯定応答は、乾癬性皮膚移植片の平均表皮厚さの減少に反映される。肯定応答は、ケラチノサイト中のKi−67の発現減少にも関連している。
4.多発性硬化症の治療における治療効能を評価するための動物モデル
多発性硬化症を治療するための化合物のインビボでの治療効能は、実験動物モデルで評価することができる。
実験を、4〜6週齢で体重17〜20gのメスのC57BL/6マウスで実施する。実験的な自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を、≧95%純度の合成ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質ペプチド35−55(MOG35−55、MEVGWYRSPFSRVVHLYRNGK)(配列番号1)を使用して積極的に誘発させる。各マウスを麻酔し、100μLのリン酸緩衝生理食塩水中に乳化された200μgのMOGペプチド、およびキラヤ樹皮からの15μgのサポニン抽出物を各マウスに施す。25μLのボリュームを、4つの側腹部領域に皮下注射する。マウスには、また、200μLのPBS中の200ngの百日咳毒素も腹腔内注射する。48h後に、百日咳毒素の2回目の同じ注射を施す。
テスト化合物を、用量を変えて投与する。対照動物に25μLのDMSOを施す。毎日の治療を、免疫化後26日目から36日目まで延長する。臨床スコアを、免疫化後0日目から60日目まで毎日得る。臨床兆候を以下のプロトコールを用いてスコア化する:0、検出可能な兆候なし;0.5、遠位の尾部の引きずり(limpness)、猫背の外観および静かな態度;1、完全なびっこ引き;1.5、びっこ引きおよび後肢虚弱(不安定な歩行および後肢での弱い握り);2、一方の部分的な後肢麻痺;2.5、両方の後肢麻痺;3、完全な両方の後肢麻痺;3.5、完全な後肢麻痺および一方の前肢麻痺;4、後肢および前肢の完全麻痺。
炎症および脱髄を、EAEマウスのCNSからの切片についての組織学的検査によって評価する。マウスを30日または60日後に安楽死させ、全脊髄を取り出し、4℃で終夜0.32Mスクロース溶液中に置く。組織を用意し、薄片にする。ルクソールファストブルー染料を、脱髄の領域を観察するために使用する。ヘマトキシリンおよびエオシン染色を用いて、単核細胞の核を濃く染色することによって炎症領域を強調させる。H&Eで染色された免疫細胞を、光学顕微鏡下で盲検によりカウントする。切片を灰白質と白質に分け、各区域を手作業でカウントし、次いで一緒にして切片についての合計を得る。T細胞を、抗CD3+モノクローナル抗体で免疫標識する。洗浄した後、切片をヤギ抗ラットHRP二次抗体でインキュベートする。次いで、切片を洗浄し、メチルグリーンで対比染色する。免疫化後30日および60日でマウスから単離された脾細胞を溶解バッファーで処理して赤血球を除去する。次いで細胞をPBSに再懸濁し、カウントする。約3×106細胞/mLの密度で、細胞を、20μg/mLのMOGペプチドで終夜インキュベートする。刺激された細胞からの上澄みを、適切なマウスIFN−γイムノアッセイシステムを用いて、IFN−γタンパク質レベルについてアッセイする。
研究用途
目的化合物は、自己免疫性および炎症性の疾患および障害の治療のために用途が見出されるので、そうした化合物は、研究手段としても有用である。本開示は、これらの目的化合物を、生物学的な系または試料を試験するため、または乾癬もしくは多発性硬化症などの自己免疫性および炎症性の疾患および障害の治療に使用できる新規な化合物を発見するための研究手段として使用する方法も提供する。
本開示は、自己免疫性または炎症性の疾患または障害と関係していることが公知である生物学的な系または試料を試験する方法であって:(a)生物学的試料を本開示の化合物あるいはその塩もしくは溶媒和物または立体異性体と接触させるステップと;(b)生物学的試料の治療に対するその化合物の効能を判定するステップを含む方法を提供する。
適切な任意の生物学的試料を、インビトロかまたはインビボで実施できるそうした試験において使用することができる。そうした試験に適した代表的な生物学的試料には、これらに限定されないが、細胞、細胞抽出物、細胞膜(plasma membrane)、組織試料、摘出臓器、哺乳動物(例えばマウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、ブタ、ヒトなど)などが含まれ、哺乳動物に特に関心がもたれる。
研究手段として使用する場合、生物学的試料を一般に、薬学上有効な量の目的化合物と接触させる。生物学的試料をその化合物に曝露させた後、化合物の効果を、慣用的な手順および装置、例えば本明細書で開示されるアッセイを用いて判定する。曝露は、生物学的試料をその化合物と接触させること、または対象にその化合物を投与することを包含する。その判定ステップは、応答の測定(定量分析)を含むことができる、または、観察の実施(定性分析)を含むことができる。応答を測定することは、例えば、放射性リガンド結合アッセイなどの慣用的な手順および装置を使用して、生物学的試料に対する化合物の効果を判定するステップ、および、機能アッセイにおけるリガンド介在変化を測定するステップを含む。アッセイ結果は、活性レベル、ならびに所望の結果を達成するのに必要な化合物の量、すなわち薬学上有効な量を決定するために使用できる。
さらに、目的化合物は、他の化合物を評価するための研究手段として使用することができ、したがって、例えば、自己免疫性または炎症性の疾患または障害の治療に有用な新規な化合物を発見するためのアッセイをスクリーニングするのにも有用である。このやり方で、目的化合物を、テスト化合物で得られた結果と目的化合物で得られた結果の比較ができるようにして、もしあれば、およそ同等かまたはより優れた活性を有するそれらのテスト化合物を特定するためのアッセイにおける標準品として使用することができる。例えば、テスト化合物またはテスト化合物の群についてのEC50データを目的化合物についてのEC50データと比較して、所望の特性を有するそれらのテスト化合物、例えば、もしあれば、目的化合物とおよそ同等かまたはそれより優れたEC50を有するテスト化合物を特定する。
この態様は、別個の実施形態として、比較データの生成(適切なアッセイを使用して)と、着目するテスト化合物を特定するためのテストデータの分析の両方を含む。したがって、テスト化合物は、生物学的アッセイで:(a)テスト化合物で生物学的アッセイを実施して第1のアッセイ値を提供するステップと;(b)目的化合物で生物学的アッセイを実施して第2のアッセイ値を提供するステップであって;ステップ(a)をステップ(b)の前か、後かまたはそれと同時に実施するステップと;(c)ステップ(a)からの第1のアッセイ値とステップ(b)からの第2のアッセイ値を比較するステップを含む方法によって評価することができる。マウスEAEアッセイなどの比較データの生成のために使用できるアッセイは、本明細書で開示されている。
一般的合成手順
開示化合物を合成するのに有用な一般に公知の化学的な合成スキームおよび条件を提供する多くの一般的文献が入手可能である(例えば、SmithおよびMarch、March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure、第5版、Wiley− Interscience、2001年;またはVogel、A Textbook of Practical Organic Chemistry,Including Qualitative Organic Analysis、第4版、New York:Longman、1978年を参照されたい)。
本明細書で説明するような化合物は、HPLC、分取薄層クロマトグラフィー、フラッシュカラムクロマトグラフィーおよびイオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを含む当業界で公知の任意の精製プロトコールで精製することができる。順相および逆相ならびにイオン性樹脂を含む適切な任意の固定相を使用することができる。特定の実施形態では、開示化合物は、シリカゲルおよび/またはアルミナクロマトグラフィーによって精製される。例えば、Introduction to Modern Liquid Chromatography、第2版、L.R.SnyderおよびJ.J.Kirkland、John WileyおよびSons、1979年;ならびにThin Layer Chromatography、ed E.Stahl、Springer−Verlag、New York、1969年を参照されたい。
目的化合物の調製のためのプロセスのいずれかの間に、関係する分子のいずれか上の感受性または反応性の基を保護することが必要であり、かつ/または望ましい可能性がある。これは、J.F.W.McOmie、「Protective Groups in Organic Chemistry」、Plenum Press、London and New York 1973年、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、Wiley、New York 1999年、”The Peptides”;3巻(編者ら:E.GrossおよびJ.Meienhofer)、Academic Press、London and New York 1981年、「Methoden der organischen Chemie」、Houben−Weyl、第4版、15巻/1、Georg Thieme Verlag、Stuttgart 1974年、H.−D.JakubkeおよびH.Jescheit、「Aminosauren, Peptide, Proteine」、Verlag Chemie、Weinheim、Deerfield BeachおよびBasel 1982年、および/またはJochen Lehmann、「Chemie der Kohlenhydrate:Monosaccharide and Derivate」、Georg Thieme Verlag、Stuttgart 1974年などの標準的な著作物に記載されているような慣用的な保護基によって達成することができる。保護基は、当業界で公知の方法を用いて、後続の好都合な段階で取り外すことができる。
目的化合物は、市販の出発原料および/または慣用的な合成方法で調製される出発原料を使用して、様々な異なる合成経路により合成することができる。本明細書で説明する化合物(プロドラッグを含む)はすべて、これらの方法を適合させることによって調製することができる。
本明細書で開示される化合物を合成するのに使用できる合成経路の例を、以下の実施例において説明する。
化合物の立体異性体は、当業者に公知の手順で単離することができる。個々の立体異性体は、例えば、分割技術またはクロマトグラフィー技術(例えば、シリカゲルクロマトグラフィー、キラルクロマトグラフィー等)によって得ることができる。
本明細書で論じる合成スキームでは保護基の使用が例示されていないかもしれないが、当業者は、いくつかの場合、特定の置換基が保護を必要とする官能基を含み得ることを理解されよう。使用される保護基の正確なアイデンティティーが、とりわけ、保護される官能基のアイデンティティーおよび具体的な合成スキームにおいて使用される反応条件に依存することになるが、それは当業者に明らかであろう。具体的な用途に適した保護基の選択、それらの取り付けおよび取り外しのためのガイダンスは、例えば上記のGreene & Wutsに見ることができる。
本明細書で説明されるようなプロドラッグは、本明細書で説明される方法のルーチン改変によって調製することができる。あるいは、そうしたプロドラッグは、適切に保護された化合物を適切なプロ基と反応させることによって調製することができる。そうした反応を実行し、生成物を脱保護して本明細書で説明されるようなプロドラッグを得るための条件は周知である。
特定の実施形態では、上記方法において、本方法は、分割技術により異性体を分離するステップをさらに含む。特定の実施形態では、上記方法において、本方法は、キラルクロマトグラフィーで異性体を分離するステップをさらに含む。特定の実施形態では、本開示は、光学的に活性な化合物を調製する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、上記方法は、本明細書で開示される化合物の塩を形成させるステップをさらに含む。実施形態は、本明細書で説明される他のプロセスを対象とし、かつ、本明細書で説明されるプロセスのいずれかによって調製される生成物を対象とする。
以下の実施例は、その実施形態をいかに作製し使用するかということの完全な開示および説明を当業者に提供するために示すものであり、本発明者らがその発明とみなすものの範囲を限定しようとするものではなく、かつ、これらは、以下の実験が、実行されるすべてのまたは唯一の実験であることを表すとするものでもない。使用される数字(例えば、量、温度等)に関して正確さを期すための努力をしてきたが、いくらかの実験誤差および偏差があるはずである。有機合成および医薬品化学の技術分野の当業者によって理解されるように、以下に示される具体的な条件は、例示的なものであり、慣行的な仕方で他の試薬および製品に変更するまたは適合させることができる。別段の指定のない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度はセ氏温度であり、圧力は大気圧またはその近傍である。標準的な略語を使用することができる。
化合物の調製
メチル(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの調製
塩化オキサリル(CH2Cl2中に2.0M;15.2mL、30.3mmol)を、CH2Cl2(80mL)中のフマル酸モノメチル(2.63g、20.2mmol)の窒素下0℃での撹拌懸濁液に、2〜3minにわたって滴下添加した。添加が完了した後、混合物を0℃で5min撹拌し、次いで室温に加温し、3hr撹拌した(黄色溶液が生成した)。少量を取り出し、MeOHでクエンチした。この反応混合物のTLCにより、酸が残留していないことが示された。混合物を真空下で濃縮し、CH2Cl2(50mL)を残留物に加え、混合物を真空下で再度濃縮して酸塩化物を得た。これをテトラゾロン生成ステップで直接使用した(収量は定量的と推測される=3.0g)。手順についての安全上の警告:アジド化合物は爆発の可能性がある。この反応は、ブラストシールドの背後で実施した。
アジドトリメチルシラン(16.1mL、121.2mmol)を、上記手順による酸塩化物(3.0g、20.2mmol)に室温で一括添加した(ガス発生が見られた)。混合物を窒素下に置き、室温から100℃(ブロック温度)まで加熱し、次いで100℃で90min撹拌した。室温に冷却した後、過剰な溶媒を真空下で除去して粗製残留物を得た。EtOAc(150mL)および飽和NaHCO3(150mL)をこの残留物に加えた。生成した固体および混合物を濾過した。濾過ケーキをH2O(350mL)に溶解し、次いで濾液の飽和NaHCO3層と一緒にした。EtOAc(150mL)を、一緒にした水溶液系に加え、混合物を1N HClで約pH3まで酸性化した。水層と有機層を分配させ、水層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。一緒にした有機抽出液をNa2SO4で脱水し、濾過し、溶媒を真空下で除去して粗製残留物を得た(2.6g;約90%純度の所望生成物)。残留物を、溶離液としてCH2Cl2/MeOH(1:0〜9:1)を使用したシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーで精製して生成物(2.14g、2ステップにわたって62%)を固体として得た。1H NMR (DMSO-d6, 300MHz): δ 7.73 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 3.71 (s, 3H), -1.0 (br. s, 1H)13C NMR (DMSO-d6, 75MHz): δ 165.7, 149.8, 132.3, 106.3, 51.9; m/z = 169.34 [M-H]+; HRMS (EI): [M+H]+ C5H6N4O3 m/zの計算値171.0518, 実測値171.0522.
上記反応は、収率の損失無くスケールアップすることができる。TMS−N3でのテトラゾロン生成ステップは、1,4−ジオキサンなどの溶媒中でも、収率の損失無く実施することができる。さらに、カラムクロマトグラフィーによる精製の後、必要なら、テトラゾロン生成物をMeOHで摩砕し(triturate)、濾過することができる。
メチル(E)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの調製
K2CO3(1.92g、14.0mmol)を、窒素下0℃でのDMF(15mL)中のメチル(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート(0.95g、5.6mmol)とヨードメタン(0.7mL、11.2mmol)の撹拌混合物に一括添加した。混合物を0℃で20min撹拌し、次いで室温に加温し、終夜撹拌した。LC/MSにより反応の完了が示された。そこで、混合物をH2O(150mL)およびEtOAc(50mL)に注加した。水層と有機層を分配させ、水層をEtOAc(2×30mL)で抽出した。一緒にした有機層を脱水し(Na2SO4)、濾過し、溶媒を真空下で除去して粗製残留物を得た。これを、シリカゲルにドライロードした。残留物を、溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0〜1:1)を使用したシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーで精製して所望生成物(834mg、81%)を固体として得た。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.88 (dd, J = 14.4, 0.6 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.65 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 75MHz) δ 166.2, 148.7, 132.2, 108.6, 52.2, 31.6; m/z = 親イオンなし(LC/MSまたはHRMS).
上記反応は、収率の損失無くスケールアップすることができる。
上記方法を用いて以下の化合物を調製することもできる。各反応は、DMF(3mL)中、室温(0℃への予めの冷却なし)でのメチル(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート(170mg、1.0mmol)、アルキル化剤(2mmol)およびK2CO3(346mg、2.5mmol)を使用した。
メチル(E)−3−(4−ジュウテリオメチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの調製
生成物(159mg、85%)を、カラムクロマトグラフィー[溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0〜3:2)]後、固体として単離した。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.90 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 75MHz) δ 166.2, 148.7, 132.2, 108.6, 52.2 (注: 13C NMR収集条件下で、CD3の13Cは観察されないかシグナルが弱い); m/z = 188.20 [M+H]+; HRMS (EI): [M+MeCN+H]+ C6H5D3N4O3+MeCN m/zの計算値229.1128, 実測値229.1138.
メチル(E)−3−(4−ジュウテリオイソプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの調製
反応物を室温で終夜撹拌し、次いで50℃に加熱し、2hr撹拌した。生成物(60mg、27%)を、カラムクロマトグラフィー[溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:0〜3:2)]後、油状物として単離した。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.91 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 75MHz) δ 166.2, 147.9, 132.3, 108.3, 52.1 (注: 13C NMR収集条件下で、 CD3 (x2)の13Cは観察されないかシグナルが弱い); m/z = 220.21 [M+H]+; HRMS (EI): [M+H+MeCN]+ C8H5D7N4O3+MeCN m/zの計算値261.1693, 実測値261.1703.
メチル(E)−3−(4−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの調製
反応物を室温で終夜撹拌し、次いで50℃に加熱し、2hr撹拌した。生成物(60mg、25%)を、カラムクロマトグラフィー[溶離液としてMeOH中のDCM/2N NH3(1:0〜95:5)]後、固体として単離した。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.90 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.07 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.81 (s, 3H), 2.74 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.28 (s, 6H); 13C NMR (CDCl3, 75MHz) δ 166.3, 148.6, 132.3, 108.5, 56.9, 52.2, 45.4, 43.2; m/z = 242.17 [M+H]+; HRMS (EI): [M+H]+ C9H15N5O3 m/zの計算値242.1253, 実測値242.1250.
ヨウ化アルキルまたは臭化アルキルでメチル(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートをアルキル化してメチル(E)−3−(4−アルキル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートを得るための一般的手順
ねじぶた付き(screw capped)バイアル瓶中で、メチル(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート(1eq)、対応するヨウ化アルキルまたは臭化アルキル(1.3eq)、Cs2CO3(1.1eq)および無水DMF(1mL/1mmol)の撹拌混合物を45℃で4h加熱した。続いて、反応混合物を室温に冷却し、EtOAc/H2Oで希釈し、有機層を分離した。EtOAcで水層を抽出したら、一緒にした有機層を水(5mL)およびブライン(3mL)で逐次洗浄し、無水MgSO4ととも(over)に撹拌し、濾過し、ロータリーエバポレーターにより真空下で濃縮した。得られた粗製濃縮物のシリカゲルカラムクロマトグラフ(RediSep(登録商標)シリカゲルカラムでのCombiflash Teledyne(登録商標))による精製により、メチル(E)−3−(4−アルキル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートを得た。以下の類似体も、本明細書で説明したのと同様の仕方で調製することができる。
化合物6:メチル(E)−3−(4−イソプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.87 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.50 (七重線, J = 6.8 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H), 1.50 (d, J = 6.8 Hz, 7H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 166.31, 148.01, 132.35, 108.47, 52.21, 49.03, 21.20. LC/MS: rt 4.62分 (B), 純度98%, MS (m/e) 213 (MH+).
化合物13:メチル(E)−3−(4−(2−メトキシエチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.87 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.16 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 3.80 (s, 3H), 3.75 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 3.35 (s, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 166.04, 148.43, 132.11, 108.44, 68.70, 58.82, 52.02, 44.84. LC/MS: rt 5.51分 (A), 純度98%, MS (m/e) 229 (MH+).
化合物14:メチル(E)−3−(4−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.89 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.77 (s, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.82 (s, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 165.88, 165.83, 148.12, 131.97, 108.85, 53.21, 52.07, 45.44. LC/MS: rt 5.71分 (A), 純度98%, MS (m/e) 243 (MH+).
化合物11:メチル(E)−3−(4−シクロペンチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの合成
DMF(1mL)中のメチル(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート(1、50mg、0.3mmol)およびシクロペンチルヨージド(2、68μL、115mg、0.6mmol)の溶液に、DIEA(70μL、52mg、0.4mmol))を加えた。反応混合物を75℃で1.5h撹拌し、室温に冷却し、ブライン(20mL)で希釈した。次いで、得られた水層をDCM(3×15mL)で抽出し、一緒にした有機層を脱水し(MgSO4)、濾過し、濃縮して125mgの褐色残留物を得た。カラムクロマトグラフィー(Combiflash Isco;12g Redisepカラム;ヘキサンで5min溶出させ、所望化合物が溶出するまで50%EtOAc/ヘキサンで10minにわたって)により、29mg(41%)の透明油状物を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.87 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.63 (ddd, J = 14.2, 7.8, 6.1 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 2.20 - 1.83 (m, 6H), 1.82 - 1.67 (m, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 166.47, 148.41, 132.52, 108.60, 57.45, 52.34, 31.87, 24.52. MS m/e: 239 (M+H)+.
化合物12:メチル(E)−3−(5−オキソ−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの合成
メチル(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート(50mg、0.3mmol)、4−ヨードテトラヒドロピラン(0.5g、2.4mmol)、DIEA(0.5mL、371mg、2.9mmol)およびDMAP(50mg、0.4mmol)の混合物を、75℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、ブライン(20mL)で希釈し、DCM(3×20mL)で抽出した。次いで、一緒にした有機層を脱水し(MgSO4)、濾過し、濃縮して560mgの褐色残留物を得た。カラムクロマトグラフィー(Combiflash Isco;24g Redisepカラム;ヘキサンで5min溶出させ、化合物が溶出するまで50%EtOAc/ヘキサンで15minにわたって)により、17mg(23%)の化合物12を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.89 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.37 (tt, J = 11.5, 4.3 Hz, 1H), 4.19 - 4.07 (m, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.54 (td, J = 11.9, 2.2 Hz, 2H), 2.27 - 2.13 (m, 2H), 2.04 - 1.94 (m, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 166.41, 132.38, 108.97, 105.36, 66.90, 52.99, 52.43, 31.41. MS m/e: 255 (M+H)+.
化合物19:メチル(E)−3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの合成
DMF(1mL)中のメチル(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート(100mg、0.6mmol)および2,2−ジメチルオキシラン(1.1mL、890mg、12.4mmol)の溶液に炭酸セシウム(230mg、0.7mmol))を加えた。反応混合物を85℃で9h撹拌し、室温に冷却し、水(25mL)で希釈した。次いで、得られた水層をDCM(3×20mL)で抽出し、一緒にした有機層を脱水し(MgSO4)、濾過し、濃縮して800mgの黄色残留物を得た。カラムクロマトグラフィー(Combiflash Isco;12g Redisepカラム;ヘキサンで5min溶出させ、所望化合物が溶出するまで50%EtOAc/ヘキサン10minにわたって)により、42mg(29%)の白色固体を92%純度で得た。HPLCによる精製により27mgの化合物19を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.97 (d, J = 14.1 Hz, 1H), 5.09 (d, J = 14.1 Hz, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.46 (s, 2H), 1.53 (s, 6H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 167.28, 153.87, 138.86, 99.79, 79.75, 54.45, 51.67, 27.75. MS m/e: 243 (M+H)+.
化合物7:メチル(E)−3−(4−((3−メチルオキセタン−3−イル)メチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの調製
ジメチルホルムアミド(2mL)中のメチル(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート(0.10g、0.6mmol)、3−(ブロモメチル)−3−メチルオキセタン(0.15g、0.9mmol)およびK2CO3(0.16g、1.2mmol)の混合物を50℃で18h撹拌した。室温に冷却した後、次いで反応混合物を水と酢酸エチルに分配させた。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。これを、酢酸エチル/ヘキサン(1/1)で溶出させてクロマトグラフィーで精製してメチル(E)−3−(4−((3−メチルオキセタン−3−イル)メチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートを淡白色固体(0.12g、78%)として得た。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz) 7.85 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 4.42 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 4.17 (s, 2H), 3.78 (s, 3H), 1.33 (s, 3H) ppm; 13C NMR (CDCl3, 300 MHz) 166.87, 149.63, 132.78, 109.36, 80.36, 52.36, 51.54, 40.55, 21.63 ppm; MS m/e: 255 (M+H)+.
化合物9:メチル(E)−3−(4−(メトキシメチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの調製
アセトニトリル(2mL)中のメチル(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート(0.10g、0.6mmol)、ブロモ(メトキシ)メタン(0.09g、0.7mmol)およびTEA(0.07g、0.7mmol)の混合物を室温で18h撹拌した。次いで、反応混合物を水と酢酸エチルに分配させた。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。これを、酢酸エチル/ヘキサン(4/6)で溶出させてクロマトグラフィーで精製して、メチル(E)−3−(4−(メトキシメチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートを淡白色固体(0.08g、63%)として得た。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz) 7.86 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 5.29 (s, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.45 (s, 3H) ppm; 13C NMR (CDCl3, 300 MHz) 166.87, 149.14, 132.67, 109.39, 75.77, 58.22, 52.37 ppm; MS m/e: 215 (M+H)+.
化合物10:メチル(E)−3−(4−(ジメチルカルバモイル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの調製
トルエン(5mL)中のメチル(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート(0.17g、1mmol)、ジメチルカルバミン酸クロリド(0.2g、1.9mmol)およびDMAP(0.17g、1.4mmol)の混合物を、80℃で3h撹拌した。室温に冷却した後、次いで、反応混合物を水と酢酸エチルに分配させた。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。これを、酢酸エチル/ヘキサン(4/1)で溶出させてクロマトグラフィーで精製して、メチル(E)−3−(4−(ジメチルカルバモイル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートを淡白色固体(0.14g、59%)として得た。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz) 7.86 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.15 (m, 6H) ppm; 13C NMR (CDCl3, 300 MHz) 166.66, 147.58, 146.57, 132.20, 109.90, 52.44, 38.70, 37.68 ppm; MS m/e: 242 (M+H)+.
以下の類似体を、本明細書で説明したのと同様の仕方で調製した。
化合物8:メチル(E)−3−(4−(2−アミノ−2−オキソエチル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート。
化合物8を、化合物7を調製するために使用した方法にしたがって調製した。
1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz) 7.77 (m, 2H), 7.45 (bs, 1H), 5.53 (m, 1H), 4.64 (s, 2H), 3.73 (s, 3H) ppm; 13C NMR (DMSO-d6, 300 MHz) 169.19, 167.22, 149.66, 133.14, 108.11, 51.42, 46.27 ppm; MS m/e: 228 (M+H)+.
方法B:1−アルキル/アリール−1,4−ジヒドロ−5H−テトラゾール−5−オンからのアルキル(EまたはZ)−3−(4−アルキル/アリール−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの調製のための代替合成方法
無水アセトニトリル(1mL/mmol)中のプロピオル酸アルキル(メチルまたはt−ブチル)(1.3eq)を、無水アセトニトリル(0.5mL/mmol)中の1−アルキル/アリール−1,4−ジヒドロ−5H−テトラゾール−5−オン(1eq)およびDABCO(0.2eq)の撹拌溶液に、室温で20minにわたって滴下添加した。プロピオル酸アルキルの添加が完了したら、透明な均一反応液を室温で撹拌した。これは、3h(プロピオル酸t−ブチルについては12h)後に、黒ずんだ反応液に変わった。一定分量の反応液のLC/MSおよびシリカゲルTLC分析により、1−アルキル/アリール−1,4−ジヒドロ−5H−テトラゾール−5−オンのほぼ定量的な消費が示された。続いて、反応液を乾燥するまで濃縮し、RediSep(登録商標)シリカゲルカラムでのCombiflash Teledyne(登録商標)により精製した。TLC上で観察された3つのスポットを、独立に単離し、E位置異性体[主生成物、アルキル(E)−3−(4−アルキル/アリール−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート]として、Z位置異性体[アルキル(Z)−3−(4−アルキル/アリール−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート]およびジアルキル(E)−ヘキサ−2−エン−4−インジオエート(プロピオル酸アルキルのホモカップリングにより得られる)に相当する少量生成物と一緒に、1H NMRにより特性評価した。
化合物20:ジメチル3,3’−(5−オキソ−1H−テトラゾール−1,4(5H)−ジイル)(2E,2’E)−ジアクリレート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.88 (d, J = 14.4 Hz, 2H), 6.72 (d, J = 14.5 Hz, 2H), 3.83 (s, 6H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 165.84, 145.87, 131.59, 109.92, 52.45. LC/MS: rt 6.71分 (A), 純度98%, MS (m/e) 225 (MH+-C2H5).
化合物5:メチル(E)−3−(4−エチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.87 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.03 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.80 (s, 3H), 1.46 (t, J = 7.3 Hz, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 166.06, 148.15, 132.11, 108.37, 52.01, 40.46, 13.61. LC/MS: rt 5.96分 (A), 純度98%, MS (m/e) 199 (MH+).
化合物22:メチル(Z)−3−(4−エチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 6.84 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 5.85 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 4.02 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.79 (s, 3H), 1.45 (t, J = 7.3 Hz, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 164.57, 152.57, 124.72, 112.25, 52.08, 40.42, 13.64. LC/MS: rt 5.13分 (A), 純度98%, MS (m/e) 199 (MH+).
化合物15:tert−ブチル(E)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.74 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 6.57 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 3.64 (s, 3H), 1.50 (s, 9H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 164.70, 148.56, 131.12, 110.90, 81.47, 31.43, 28.04. LC/MS: rt 7.41分 (A), 純度98%, MS (m/e) 212 (MH+-CH3).
化合物23:tert−ブチル(Z)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 6.72 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 5.79 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 3.63 (s, 3H), 1.49 (s, 9H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 163.20, 148.75, 123.18, 115.16, 82.32, 31.40, 27.96. LC/MS: rt 6.55分 (A), 純度98%, MS (m/e) 212 (MH+-CH3).
化合物16:メチル(E)−3−(5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの調製
ステップ1:1−フェニル−1,4−ジヒドロ−5H−テトラゾール−5−オンの調製
手順についての安全上の警告:アジド化合物は爆発の可能性がある。この反応は、ブラストシールドの背後で実施した。アジドトリメチルシラン(2.4mL、18mmol)と塩化ベンゾイル(422mg、3.0mmol)の撹拌混合物を、圧力抜きキャップを備えた密封バイアル瓶中で、室温から100℃(ブロック温度)に加熱した。次いで、混合物を100℃で終夜撹拌した(注記:加熱の間に圧力が上昇する)。冷却後、混合物を真空下で濃縮し、残留物を、EtOAc(10mL)とNaHCO3の飽和水溶液(10mL)に分配させた。有機層をさらなる量のNaHCO3飽和水溶液(1×10mL)で抽出した[注記:有機層をTLCで評価してテトラゾロン生成物が完全に除去されているかどうかを確認した。有機層中にテトラゾロンが依然として存在していたら、飽和NaHCO3でのさらなる抽出を用いる]。EtOAc(20mL)を、一緒にしたNaHCO3層に加え、効率的に撹拌しながら、6N HClを用いてpHを<3に調節した。水層と有機層を分配させ、水層をEtOAc(2×10mL)で抽出した。一緒にした有機層を脱水し(Na2SO4)、濾過し、溶媒を真空下で除去して、生成物(369mg、76%)を固体として得た。試料をEtOAcから再結晶化させた。1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 7.85-7.81 (m, 2H), 7.57-7.50 (m, 2H), 7.41 (dt, J = 7.5, 1.5 Hz, 1H), -1.3 (br. s, 1H); 13C NMR (DMSO-d6, 75MHz) δ 150.3, 134.2, 129.5, 127.6, 119.5; m/z = 163.18 [M+H]+および161.24 [M-H]+; HRMS (EI): [M-H]+ C7H6N4O m/zの計算値161.0463, 実測値161.0532.
ステップ2:メチル(E)−3−(5−オキソ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの調製
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.01-7.80 (m, 3H), 7.52 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.41 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 165.93, 146.48, 133.85, 131.83, 129.65, 128.33, 119.47, 108.88, 52.10. LC/MS: rt 7.68分 (A), 純度98%, MS (m/e) 247 (MH+).
化合物17:メチル(E)−3−(5−オキソ−4−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの調製
ステップ1:1−(ピリジン−3−イル)−1,4−ジヒドロ−5H−テトラゾール−5−オンの調製
手順についての安全上の警告:アジド化合物は爆発の可能性がある。この反応は、ブラストシールドの背後で実施した。アジドトリメチルシラン(2.4mL、18mmol)とニコチノイルクロリド(425mg、3.0mmol)の撹拌混合物を、圧力抜きキャップを備えた密封バイアル瓶中で、室温から100℃(ブロック温度)に加熱した。次いで、混合物を100℃で終夜撹拌した(注記:加熱の間に圧力が上昇する)。冷却後、混合物を真空下で濃縮し、残留物を、EtOAc(10mL)とNaHCO3の飽和水溶液(10mL)に分配させた。有機層をさらなる量のNaHCO3飽和水溶液(1×10mL)で抽出した[注記:有機層をTLCで評価してテトラゾロン生成物が完全に除去されているかどうかを確認した。有機層中にテトラゾロンが依然として存在していたら、飽和NaHCO3でのさらなる抽出を用いる]。EtOAc(20mL)を一緒にしたNaHCO3層に加え、効率的に撹拌しながら、6N HClを用いてpHを<3に調節した。酸性化されたら、水層を、飽和NaHCO3を用いてpH6〜7に再調節した。水層と有機層を分配させ、水層をEtOAc(2×10mL)で抽出した。一緒にした有機層を脱水し(Na2SO4)、濾過し、溶媒を真空下で除去して、生成物(330mg、65%)を固体として得た。試料をEtOAcから再結晶化させた。1H NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 9.04 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.60 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 8.22 (ddd, J = 8.4, 2.7, 1.5 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 8.4, 4.8, Hz, 1H), -1.1 (br. s, 1H); 13C NMR (DMSO-d6, 75MHz) δ 150.4, 148.5, 140.7, 131.1, 127.1, 124.2; m/z = 162.20 [M-H]+; HRMS (EI): [M+H]+ C6H5N5O m/zの計算値164.0572, 実測値164.0542.
ステップ2:メチル(E)−3−(5−オキソ−4−(ピリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの調製
方法Bは生成物を固体として得る。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.22 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.67 (dd, J = 4.8, 1.5 Hz, Hz, 1H) 8.30 (ddd, J = 8.4, 2.4, 1.5 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 7.50 (dd, J = 8.3, 4.8 Hz, 1H), 6.75 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 165.69, 148.76, 146.27, 140.17, 131.54, 130.93, 126.86, 124.14, 109.49, 52.18. LC/MS: rt 5.48分 (A), 純度98%, MS (m/e) 248 (MH+).
化合物18:2−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)エチル(E)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート
tert−ブチル(E)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート(250mg、1.1mmol)およびギ酸(2mL)の均一溶液を室温で撹拌した。1h後、得られた白色均一スラリーのLC/MS分析により、tert−ブチル(E)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの(E)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリル酸への完全な消費が示された。真空下でのロータリーエバポレーターにより、反応混合物が濃縮されたら、得られた白色固体を水(5mL)中で撹拌し、吸引濾過し、乾燥して(E)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリル酸(110mg、58%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 12.78 (s, 1H), 7.67 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 6.44 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 3.55 (s, 3H). 13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 166.82, 148.83, 132.58, 108.56, 31.72. LC/MS: rt 3.70分 (A), 純度99%, MS (m/e) 212 (MH+ + CH3CN); rt 1.92分 (B), 純度99%, MS (m/e) 169 (MH-).
撹拌子および(E)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリル酸(100mg、0.58mmol)を入れた一口ナシ形丸底フラスコをゴム隔膜で栓をし、窒素を導入した。無水CH2Cl2(10mL)を加え、0℃で5min撹拌した。続いて、塩化オキサリル(0.3mL、430mg、3.4mmol)を上記反応混合物に一度にすべて加え、5min撹拌した。触媒量の無水DMF[無水CH2Cl2(4mL)に溶解された無水DMF(0.1mL)の0.3mLストック溶液]を3minにわたって徐々に添加し、30min撹拌した。得られた均一溶液を室温で2h撹拌し、ロータリーエバポレーターにより乾燥するまで真空下で濃縮した。DMAP(14mg、0.11mmol)、N−(2−ヒドロキシエチル)スクシンイミド(100mg、0.69mmol)および無水CH2Cl2(7mL)を上記酸塩化物に移し、0℃で撹拌した。10min後、i−Pr2NEt(0.3mL、220mg、1.76mmol)を5minにわたって滴下添加した。30min後、淡黄色の均一反応混合物を室温で2h撹拌し、ロータリーエバポレーターにより乾燥するまで真空下で濃縮した。粗製残留物をEtOAc(20mL)と水(8mL)に分配させた。有機層を分離し、無水Na2SO4とともに撹拌し、濾過した。濾液が濃縮されたら、粗製残留物を、溶離溶媒として30〜70%EtOAc/ヘキサンを使用したRediSep(登録商標)シリカゲルカラム12gでのCombiflash Teledyne(登録商標)により精製して2−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)エチル(E)−3−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート(95mg、55%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.80 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 6.57 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.34 ((t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.82 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.63 (s, 3H), 2.70 (s, 4H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 176.95, 165.32, 148.46, 132.52, 107.99, 61.44, 37.85, 31.46, 28.12. LC/MS: rt 4.73分 (A), 純度98%, MS (m/e) 296 (MH+).
化合物21:メチル(E)−3−(4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの調製
ステップ1:1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−5H−テトラゾール−5−オンの調製
手順についての安全上の警告:アジド化合物は爆発の可能性がある。この反応は、ブラストシールドの背後で実施した。アジドトリメチルシラン(40mL、300mmol)を、窒素下0℃で、シクロプロパンカルボニルクロリド(5.2g、50mmol)の撹拌混合物に一括添加した。添加が完了した後、冷却浴を取り外し、混合物を100℃に徐々に加熱し、次いで100℃で終夜撹拌した。冷却させた後、溶媒を真空下で除去して粗製残留物を得た。残留物を、シリカゲルにドライロードし、溶離液としてDCM中のDCM/20%MeOH(1:0〜1:1)を使用したシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーで精製して生成物を固体として得た。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 3.33-3.25 (m, 1H), 1.20-1.12 (m, 4H); 13C NMR (CDCl3, 75MHz) δ 154.0, 26.2, 5.9.
ステップ2:メチル(E)−3−(4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレートの調製
カラムクロマトグラフィーおよび高速液体クロマトグラフィーで精製した後、方法Bは生成物を固体として得る。1H NMR (CDCl3, 300MHz) δ 7.84 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.26-3.32 (m, 1H), 1.14-1.21 (m, 4H); 13C NMR (CDCl3, 75MHz) δ 166.2, 148.8, 132.2, 108.6, 52.2, 26.9, 6.1; m/z = 211.13 [M+H]+ & 252.18 [M+MeCN+H]+; HRMS (EI): [M+MeCN+H]+ C8H10N4O3+MeCN m/zの計算値252.1097, 実測値252.1105.
化合物の生物学的活性
インビボでの自己免疫性脳炎(EAE)アッセイ
本明細書で開示される化合物を、段落表示B.2での上記方法にしたがって、マウスにおけるインビボでの自己免疫性脳炎(EAE)アッセイでテストした。実験的な自己免疫性脳脊髄炎の動物モデル。免疫化の当日に開始して60mg/kgで投与した場合、化合物1(メチル(E)−3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)アクリレート)は、疾患麻痺の発現を著しく防止した。
全細胞核転座アッセイでのNrF2活性化
化合物を、米国特許第8,101,373号(この開示を参照により本明細書に組み込む)に示されている方法を適合させることによって、NrF2(核因子(赤血球由来2)様2)転座アッセイでテストした。本発明の化合物によって示されたNrF2活性化はそれらの抗炎症活性を実証している。
フマル酸モノメチルおよびフマル酸ジメチルは、それぞれ約127および7.9ミクロモルのEC50でのNrF2活性化を示した。表3で実証されているように、本明細書で開示される化合物は、NrF2転座アッセイで、フマル酸モノメチルおよびフマル酸ジメチルに匹敵する活性を示している。フマル酸モノメチルおよびフマル酸ジメチルに加えて、バルドキソロンメチルを陽性対照(データは示していない)として使用した。
本発明を、その特定の実施形態を参照して説明してきたが、本発明の真の趣旨および範囲を逸脱することなく、種々の変更を加えることができ、均等物で置き換えることができることを当業者は理解されるはずである。さらに、特定の状況、材料、組成物質(composition of matter)、プロセス、プロセスステップまたはステップ(複数)を本発明の目的、趣旨および範囲に適合させるために、多くの修正を加えることができる。そうしたすべての修正は、添付の特許請求の範囲内にあるものとする。
本発明は以下(A1)〜(A30)の態様を包含する。
(A1)式(A):
(式中、Y1はXaであり、Y2は水素であるか、またはY2はXaであり、Y1は水素であり;
Xaは、カルボン酸、カルボキシルエステル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択され;
R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよび−R15から選択され、R15は連結基および式(A)の化合物を含む)
で表される化合物またはその塩もしくは立体異性体である化合物。
(A2)式(Ia)または(Ib):
(式中、R15は連結基および式(Ia)または(Ib)の化合物を含む)
で表される、A1に記載の化合物。
(A3)Xaが置換ヘテロシクリルまたは置換ヘテロアリールであり、Xa上の置換基がX1であり、X1はC1〜6アルキルまたはプロ基である、A1に記載の化合物。
(A4)式(IIa)または(IIb):
(式中、
R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよび−R15から選択され、R15は連結基および式(IIa)または(IIb)の化合物を含み;
X1は水素、C1〜6アルキルまたはプロ基である)
で表される化合物またはその塩もしくは立体異性体である、A1に記載の化合物。
(A5)R1が、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである、A4に記載の化合物。
(A6)R1が、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキルである、A4に記載の化合物。
(A7)R1が、水素、メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、4−テトラヒドロピラニル、−CH2CH2OCH3、−CH2OCH3、−CH2C(O)OCH3または−CH2CH(CH3)2OHである、A6に記載の化合物。
(A8)X1がC1〜6アルキルである、A3から7のいずれか一項に記載の化合物。
(A9)X1がメチルまたはtert−ブチルである、A7に記載の化合物。
(A10)X1が式:
(式中、
L1は連結基であり;
X2は任意選択であり、O、NおよびSから選択され;
R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アシル、アミノアシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択され;
R3およびR4は、それぞれ独立に任意選択であり、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、オキソ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択されるか;または、
R2は、X2およびR3またはR4と一緒になって、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールを形成している)
のプロ基である、A3またはA4に記載の化合物。
(A11)X1が:
(式中、
L1は、C1〜6アルキルまたは置換C1〜6アルキルであり;
R5およびR6はそれぞれ独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される;または、
R5およびR6はそれらが結合している窒素と一緒になって、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールを形成しており;
R7は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールおよび−OR14から選択され、
R14は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される)
からなる群から選択される、A10に記載の化合物。
(A12)X1が:
(式中、
R8、R9、R10、R11、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素、アルキルおよび置換アルキルから選択される)
からなる群から選択される、A11に記載の化合物。
(A13)R8およびR9がそれぞれ独立に、水素およびC1〜6アルキルから選択される、A12に記載の化合物。
(A14)R8およびR9がそれぞれ水素である、A13に記載の化合物。
(A15)R8が水素であり、R9がC1〜6アルキルである、A13に記載の化合物。
(A16)R10、R11、R12およびR13がそれぞれ独立に、水素およびC1〜6アルキルから選択される、A12に記載の化合物。
(A17)R10、R11、R12およびR13がそれぞれ水素である、A16に記載の化合物。
(A18)R10、R11、R12およびR13のうちの1つがメチルであり、残りが水素である、A16に記載の化合物。
(A19)R10、R11、R12およびR13のうちの2つがメチルであり、残りが水素である、A16に記載の化合物。
(A20)前記連結基が−(CH2)n−Zy−(CH2)m−
(式中、
nは1〜6の整数であり;
mは0または1〜6の整数であり;
yは0または1であり;
Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である)
で表される、A1に記載の化合物。
(A21)次式:
(式中、
X1aおよびX1bはそれぞれ独立に、C1〜6アルキルおよびプロ基から選択され;Zは、O、NH、−O−P(O)(OH)−O−、S、S(O)、SO2または−O−S(O)2−O−である)
からなる群から選択される1つを有する、A20に記載の化合物。
(A22)R1が:
(式中、X1bは、C1〜6アルキルおよびプロ基から選択される)
で表される、A1に記載の化合物。
(A23)次式:
(式中、X1およびX1bはそれぞれ独立に、C1〜6アルキルおよびプロ基から選択される)
からなる群から選択される1つを有する、A22に記載の化合物。
(A24)X1およびX1bがそれぞれ独立にC1〜6アルキルである、A23に記載の化合物。
(A25)構造:
を有する、A24に記載の化合物。
(A26)
からなる群から選択される、A1に記載の化合物。
(A27)
(式中、X1はプロ基である)
からなる群から選択される、A1に記載の化合物。
(A28)A1に記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
(A29)それを必要とする対象における疾患または障害を治療する方法であって:
前記対象に、前記疾患または障害を治療するのに十分な薬学上有効な量のA1に記載の化合物を投与するステップを含み、
前記疾患または障害が自己免疫疾患または炎症性疾患である、方法。
(A30)前記疾患または障害が乾癬または多発性硬化症である、A29に記載の方法。