JP2020114508A - 遊技機 - Google Patents

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JP2020114508A JP2020074499A JP2020074499A JP2020114508A JP 2020114508 A JP2020114508 A JP 2020114508A JP 2020074499 A JP2020074499 A JP 2020074499A JP 2020074499 A JP2020074499 A JP 2020074499A JP 2020114508 A JP2020114508 A JP 2020114508A
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Gen Okamura
鉉 岡村
英紀 前田
Hidenori Maeda
英紀 前田
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Abstract

【課題】制御手段と電気部品との間の通信を好適に行うことが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】遊技機は電気部品と、当該電気部品を利用して遊技機にて所定の動作を行わせる制御手段を備えている。また、電気部品に対応させて、固有のアドレスを有する複数の通信手段が設けられている。制御手段は通信対処となる通信手段に対応する所定データを設定し、設定された所定データに基づいて複数の通信手段にアドレスデータを送信する。そして、通信対象の通信手段に対応するデータの送信及び通信手段からのデータの受信のうち少なくとも一方を実行する。【選択図】 図27

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
例えばパチンコ機等の遊技機には、遊技の興趣を高めるものとして、発光素子又は電動の可動素子等の各種遊技で用いられる素子が複数設けられている。当該素子は遊技に関する制御を行う制御装置により遊技の状況に合わせて制御されている。また、当該素子を駆動させる素子駆動手段として駆動回路が搭載されており、当該駆動回路は当該制御装置と配線等を介して接続されており、当該制御装置から制御信号が入力された場合に、対応する素子を駆動するように構成されている(例えば特許文献1)。
特開2008−212271号公報
ここで、上記例示等のような遊技機においては、制御手段と素子との間の通信を好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
上記課題は、複数の素子及び各素子を駆動させる素子駆動手段を備えた遊技機に共通する課題である。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、制御手段と素子との間の通信を好適に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、素子を駆動させる所定素子駆動手段と、
前記所定素子駆動手段と電気的に接続され、配線を介して所定の駆動データを前記所定素子駆動手段に対して出力することにより素子を制御する素子制御手段と、
を備え、
前記所定素子駆動手段が、前記素子制御手段から前記駆動データが入力された場合に前記駆動データに対応した態様で素子を駆動させる遊技機において、
前記所定素子駆動手段とは別に設けられ、素子を駆動させる特定素子駆動手段と、
駆動対象が存在しないデータ格納手段と、
を備え、
前記データ格納手段を通過したデータが前記データ格納手段に対して電気的に接続された前記所定素子駆動手段に供給される構成であり、
前記素子制御手段は、前記データ格納手段及び前記所定素子駆動手段を含む所定制御対象と、前記特定素子駆動手段を含む特定制御対象とのそれぞれに同一の駆動データを供給し、
駆動対象が存在しないデータ格納手段が前記特定制御対象に存在しない又は駆動対象が存在しないデータ格納手段の数が前記特定制御対象は前記所定制御対象よりも少ないことにより、所定タイミングにおいて前記所定制御対象の前記データ格納手段に格納されているデータと前記特定素子駆動手段に供給されているデータとが同一となる構成であり、
本遊技機は、前記所定素子駆動手段及び前記特定素子駆動手段に供給されている駆動データを各素子駆動手段において素子の駆動用として利用する契機を提供するための利用契機信号を、前記所定素子駆動手段及び前記特定素子駆動手段に同時又は略同時に供給する利用契機供給手段を備え、
前記所定制御対象の前記データ格納手段として、出力端子の一部が前記所定素子駆動手段の入力端子と接続されており、その他の出力端子が全てオープンである素子駆動手段を用いていることを特徴とする。
本発明によれば、制御手段と素子との間の通信を好適に行うことが可能となる。
第1の実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための説明図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための説明図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 主制御装置のMPUにおけるNMI割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにおける通常処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 音声ランプ制御基板に搭載されているデータ出力回路の回路図である。 LED基板に搭載されている各種回路を示す回路図である。 (a)第1駆動ICの内部構成を示すブロック図であり、(b)疑似駆動IC及び第2駆動ICの内部構成を示すブロック図である。 第1駆動ICの更新用バッファとレジスタを構成するDフリップフロップの接続態様を説明するためのブロック図である。 疑似駆動ICの更新用バッファの更新タイミングを説明するためのタイミングチャートである。 前半8ビット分のLED駆動データが書き込まれた場合の第1駆動IC、疑似駆動IC及び第2駆動ICの更新用バッファに書き込まれている信号を表すテーブルである。 データ書き込み信号が立ち上がる直前に第1駆動IC、疑似駆動IC及び第2駆動ICの更新用バッファに書き込まれている信号を表すテーブルである。 音声ランプ制御装置における音声ランプ制御処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態におけるLED基板に搭載されている各種回路を示す回路図である。 (a)第2の実施形態における第1駆動ICの内部構成を示すブロック図であり、(b)第2の実施形態における第2駆動ICの内部構成を示すブロック図である。 第2の実施形態における第1駆動IC及び第2駆動ICの更新用バッファとレジスタを構成するDフリップフロップの接続態様を説明するためのブロック図である。 第2の実施形態におけるLED駆動データの更新タイミングを説明するためのタイミングチャートである。 第2の実施形態におけるデータ書き込み信号が立ち上がる直前に第1駆動IC及び第2駆動ICの更新用バッファに書き込まれている信号を表すテーブルである。 第3の実施形態における第1駆動ICの更新用バッファとレジスタを構成するDフリップフロップ及びTフリップフロップの接続態様を説明するためのブロック図である。 第3の実施形態における第2駆動ICの更新用バッファとレジスタを構成するDフリップフロップ及びTフリップフロップの接続態様を説明するためのブロック図である。 第3の実施形態におけるLED駆動データの更新タイミングを説明するためのタイミングチャートである。 第4の実施形態における音声ランプ制御装置、中継基板、通信用IC、各種装飾装置及び振動検知センサの接続態様を示すブロック図である。 第4の実施形態における通信用ICの周辺を示す回路図である。 第4の実施形態における装飾装置用ICによる書き込み通信処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態における役物駆動モータとセンサにより開閉する引き戸式の自動扉の動きを説明するための説明図である。 (a)第4の実施形態におけるサブCPU内のROMとRAMを示すブロック図であり、(b)装飾装置用IC内のレジスタを示すブロック図である。 第4の実施形態における音声ランプ制御装置による音声ランプ制御処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態における音声ランプ制御装置による扉の開放処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態における音声ランプ制御装置による扉の閉鎖処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態における装飾装置用ICによる読み取り通信処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態における音声ランプ制御装置による不正監視処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態の別例におけるクロック信号の変換を行うためのTフリップフロップとDフリップフロップの接続態様を示す回路図である。 第2の実施形態の別例におけるLED駆動データの更新タイミングを説明するためのタイミングチャートである。 第2の実施形態の別例におけるデータ書き込み信号が立ち上がる直前に4つの更新用バッファに書き込まれているデータを表すテーブルである。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠(図示略)と、その内枠の前方に配置される前扉枠14と、内枠の後方に配置される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
遊技機本体12のうち内枠が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠には、裏パックユニットが回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置(図示略)が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠には遊技盤20が搭載されている。ここで、遊技盤20の構成を図2に基づいて説明する。図2は、遊技盤20の正面図である。
遊技盤20には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口21,可変入賞装置22,上作動口(第1始動入球部)23,下作動口(第2始動入球部)24,スルーゲート25、可変表示ユニット26、メイン表示部33及び役物用表示部34等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23及び下作動口24への入球が発生すると、それが遊技盤20の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。
その他に、遊技盤20の最下部にはアウト口27が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口27を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤20には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘28が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口27への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24又はスルーゲート25への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口23及び下作動口24は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤20に設置されている。上作動口23及び下作動口24は共に上向きに開放されている。また、上作動口23が上方となるようにして両作動口23,24は鉛直方向に並んでいる。下作動口24には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物24aが設けられている。電動役物24aの閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)では遊技球が下作動口24に入賞できず、電動役物24aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)となることで下作動口24への入賞が可能となる。
可変入賞装置22は、遊技盤20の背面側へと通じる大入賞口22aを備えているとともに、当該大入賞口22aを開閉する開閉扉22bを備えている。開閉扉22bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置22の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置22が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部33及び役物用表示部34は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材29に設けられている。装飾部材29は、遊技盤20の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材29の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル53と対向しており、さらに窓パネル53との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材29の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材29の前面から露出するようにしてメイン表示部33及び役物用表示部34が設けられている。つまり、メイン表示部33及び役物用表示部34は、前扉枠14の窓パネル53を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部33,34の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部33では、上作動口23又は下作動口24への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口23への入賞と下作動口24への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部33にて明示される。そして、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部33にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部33は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部33にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部34では、スルーゲート25への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート25への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート25への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部34にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口24に設けられた電動役物24aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット26には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置31が設けられている。また、可変表示ユニット26には、図柄表示装置31を囲むようにしてセンターフレーム32が配設されている。このセンターフレーム32は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置31の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置31は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置31は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置31には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置31における変動表示は、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部33において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置31において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置22の大入賞口22aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置31では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
ちなみに、いずれかの作動口23,24への入賞に基づいて、メイン表示部33及び図柄表示装置31にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
センターフレーム32の前面側における左上部分には、メイン表示部33及び図柄表示装置31に対応した第1保留ランプ部35が設けられている。第1保留ランプ部35はLEDで構成されている。遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部35の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム32の右上部分には、役物用表示部34に対応した第2保留ランプ部36が設けられている。第2保留ランプ部36はLEDで構成されている。遊技球がスルーゲート25を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部36の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部35,36の機能が図柄表示装置31の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
ここで、遊技盤20には、特定発光素子として、当選告知用発光体37が設けられている。当選告知用発光体37はセンターフレーム32の上部に配置されている。既に説明したとおり図柄表示装置31では図柄の変動表示が行われるため、図柄表示装置31及びセンターフレーム32に対して遊技者の注意が惹きつけられ易い。このため、当選告知用発光体37は遊技者にとって目立ち易い箇所(視認され易い箇所)に設置されていると言える。
当選告知用発光体37は、遊技者に対して特典が付与される場合、具体的には開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に発光するように設定されている。これにより、遊技者は図柄表示装置31の変動表示態様及び当選告知用発光体37の発光態様に対して注目し易い。これにより、遊技への注目度を向上させることができる。
当選告知用発光体37はLED173とカバーからなる。12個のLED173のうち、上6つのLED173をまとめてLED群37a、下6つのLED173をまとめてLED群37bとし、LED群37aとLED群37bをそれぞれひとまとまりとして制御する。
遊技盤20には、内レール部41と外レール部42とが取り付けられており、これら内レール部41と外レール部42とにより誘導レールが構成され、内枠において遊技盤20の下方に搭載された遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構は、前扉枠14に設けられた発射ハンドル51が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部52が形成されている。窓部52は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル53が嵌め込まれている。窓パネル53は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部52の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部54が窓部52の上方に設けられている。これら各種ランプ部はLEDから構成されている。また、表示ランプ部54の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部55が設けられている。
前扉枠14における窓部52の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部56と下側膨出部57とが上下に並設されている。上側膨出部56内側には上方に開口した上皿56aが設けられており、下側膨出部57内側には同じく上方に開口した下皿57aが設けられている。上皿56aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿57aは、上皿56a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿56a及び下皿57aには、裏パックユニットに搭載された払出装置から払い出された遊技球が排出される。
内枠の背面側には、主制御装置と、音声ランプ制御装置と、表示制御装置とが搭載されている。また、内枠の背面に対しては既に説明したとおり裏パックユニットが設けられており、当該裏パックユニットには、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源及び発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機10の電気的な構成について説明する。
<パチンコ機10の基本的な電気的構成>
図3は、パチンコ機10の基本的な電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板65と、を具備している。なお、主制御装置60において主制御基板61などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けておくようにしてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしにして粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板61には、MPU62が搭載されている。MPU62には、当該MPU62により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM63と、そのROM63内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には、主制御装置60に設けられた停電監視基板65及び払出制御装置70が接続されている。この場合に、停電監視基板65には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置80が接続されており、MPU62には停電監視基板65を介して電力が供給される。
また、MPU62の入力側には、各種入賞検知センサ66a〜66eといった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ66a〜66eには、一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24及びスルーゲート25といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU62において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU62では上作動口23及び下作動口24への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート25への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU62の出力側には、停電監視基板65、払出制御装置70及び音声ランプ制御装置90が接続されている。払出制御装置70には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM63のコマンド情報記憶エリアが参照される。
音声ランプ制御装置90には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM63のコマンド情報記憶エリアが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。
また、MPU62の出力側には、可変入賞装置22の開閉扉22bを開閉動作させる可変入賞駆動部22c、下作動口24の電動役物24aを開閉動作させる電動役物駆動部24b、メイン表示部33及び役物用表示部34が接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU62は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口22aが開閉されるように、MPU62において可変入賞駆動部22cの駆動制御が実行される。また、電動役物24aの開放状態当選となった場合には、電動役物24aが開閉されるように、MPU62において電動役物駆動部24bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU62においてメイン表示部33の表示制御が実行される。また、電動役物24aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU62において役物用表示部34の表示制御が実行される。
停電監視基板65は、主制御基板61と電源及び発射制御装置80とを中継し、また電源及び発射制御装置80から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置70は、主制御装置60から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置71により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置80は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置70等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。また、電源及び発射制御装置80は遊技球発射機構81の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構81は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置90は、遊技盤20に設けられた各種ランプ部35,36並びに当選告知用発光体37及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部54を含む各種発光素子の駆動制御を行うLED基板91と接続されており、主制御装置60から入力した各種コマンドに基づいてLED基板91に対して所定の駆動データを出力することで、各種発光素子を駆動制御する。
また、音声ランプ制御装置90は、前扉枠14に設けられたスピーカ部55を駆動制御するとともに、表示制御装置100を制御する。表示制御装置100では、音声ランプ制御装置90から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置31の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置31の表示内容について図4及び図5に基づいて説明する。図4は図柄表示装置31にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図5は図柄表示装置31の表示画面Gを示す図である。
図4(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図5(a)に示すように、図柄表示装置31の表示画面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図5(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、同一の図柄の組み合わせとは異なる所定の図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置31における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。図柄表示装置31にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
<各種カウンタ及び保留球格納エリアについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU62は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部33の表示の設定、図柄表示装置31の図柄表示の設定、役物用表示部34の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図6に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置31が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部33及び図柄表示装置31における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口24の電動役物24aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ64aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア64bに格納される。
保留球格納エリア64bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口23又は下作動口24への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ64aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口23又は下作動口24への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口23又は下作動口24への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口23又は下作動口24への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部33の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM64の保留球格納エリアに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM63における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM64の保留球格納エリアに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置22の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口24の電動役物24aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置22の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置22への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始〜終了に、大入賞口22aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口22aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始〜終了に、大入賞口22aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口22aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
本パチンコ機10では、発射ハンドル51が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口22aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口22aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口22aの開閉回数、1回の開放に対する開放制限時間(又は開放制限期間)及び1回の開放に対する開放制限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置22への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放制限時間が長い又は1回の開放に対する開放制限個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置22への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口22aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置22への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
下作動口24の電動役物24aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口24の電動役物24aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物24aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物24aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口24への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口24よりも上作動口23への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口23よりも下作動口24への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口24への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート25への入賞に基づき役物用表示部34にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部34における1回の変動表示時間を短くする)、かかる確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くする、のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(すなわち、当否抽選及び振分抽選による抽選結果)は、ROM63における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)と、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、2種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
なお、確変大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)が含まれていてもよい。この場合、確変大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
さらにまた、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示2R確変大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM64の保留球格納エリアに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置31における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置31を備え、可変入賞装置22の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置31における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
期待演出には、上記リーチ表示と、当該リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や特別表示結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置31の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
図柄の変動表示にかかるリーチ表示について具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置31の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図5の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
予告表示には、図柄表示装置31の表示画面において図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置60において行うのではなく、表示制御装置100において行われる。これについては後に詳細に説明する。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部33における変動表示時間と、図柄表示装置31における図柄の変動表示時間とをMPU62において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、メイン表示部33における変動表示の開始時及び図柄表示装置31による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート25に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリアに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物24aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
既に説明したように、MPU62では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、メイン表示部33における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM63の変動表示時間テーブル記憶エリアが用いられる。
<主制御装置60にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置60内のMPU62による各制御処理を図7〜図9のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるMPU62の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図7は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が停電監視基板65からMPU62のNMI端子に出力され、MPU62は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAM64に設けられた停電フラグ格納エリア(停電情報記憶手段)に停電フラグ(停電情報)を格納し、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグが格納されていることが確認されることで、停電時処理が実行される。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図8のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU62により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS201では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理には、各種入賞検知センサ67a〜67cの状態を読み込むとともに、これら各種入賞検知センサ67a〜67cの状態を判定して入賞検知情報を保存する処理が含まれる。
ステップS201にて読み込み処理を実行した後は、ステップS202に進む。ステップS202では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際、0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS204ではスルーゲート25への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート25への入賞が発生していた場合には、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS203にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置90に対して、役物保留記憶数と対応する可変表示ユニット26の第2保留ランプ部36を点灯させるための処理を実行する。
続くステップS205では上作動口23又は下作動口24への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生していた場合には、保留球格納エリアに記憶されている始動保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS203にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を保留球格納エリアの保留用エリアREに格納する。この場合、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち現状の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置90に対して、始動保留記憶数と対応する可変表示ユニット26の第1保留ランプ部35を点灯させるための処理を実行する。ステップS105の処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS301〜S307の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS309,S310のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS301では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置90に対して送信する。
続くステップS302では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS303では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置31による図柄の変動表示の設定、及びメイン表示部33の表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS304では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
続くステップS305では、下作動口24に設けられた電動役物24aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM64の電役保留エリア64cに格納されている情報を用いて電動役物24aを開放状態とするか否かの判定、電動役物24aの開閉処理及び役物用表示部34の表示制御などを行う。
その後、ステップS306では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置80から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構81のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS307では、RAM64に停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板65において停電の発生が確認され当該停電監視基板65からMPU62のNMI端子に停電信号が入力されることにより格納され、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS308にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS309では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するエリアに格納する。また、ステップS310では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するエリアに格納する。
一方、ステップS307にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS311以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS311では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS312にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS313にてRAM64のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS303の遊技回制御処理を説明する。
遊技回制御処理では、先ず、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ格納エリアにおける開閉実行モードフラグ格納エリアに開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、遊技回開始用処理及び遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口23,24への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、メイン表示部が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ格納エリアにおける変動表示中フラグ格納エリアに変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、メイン表示部33において変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部33が変動表示中でない場合には遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ず、保留球格納エリアの保留数記憶エリアNAを参照し、保留記憶されている保留情報の数である始動保留記憶数Nが「0」か否かを判定する。始動保留記憶数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア64bに保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、データ設定処理を実行する。
データ設定処理では先ず始動保留記憶数Nを1減算する。また、保留球格納エリアにおける保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されているデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
なお、データ設定処理では、保留情報のシフトが行われたことを音声ランプ制御装置90に認識させて第1保留ランプ部35における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるための処理を実行する。
データ設定処理を実行した後は、変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。ここで、変動開始処理について説明する。
先ず、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリアに記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1にかかる値が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリアに記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1にかかる値が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続いて、当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2にかかる情報を把握する。そして、振分テーブル記憶エリアに記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2にかかる情報がいずれの大当たり種別に対応しているのかを特定する。
続いて、種別判定処理にて特定した大当たり種別が確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。確変大当たり結果に対応している場合には、上記大当たり種別が15R確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。
15R確変大当たり結果である場合には、15R確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果であるが15R確変大当たり結果でない場合には、明示2R確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、確変大当たり結果でない場合には、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。さらにまた、当否判定処理の結果が大当たり当選結果でないと判定した場合には、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
停止結果設定処理では、メイン表示部33に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM63に予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAM64に記憶する。また、停止結果設定処理では、今回の遊技回の当否判定結果が、15R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU62にて特定するための情報をRAM64に格納する。具体的には、15R確変大当たり用の停止結果設定処理では15R確変フラグを格納し、明示2R確変大当たり用の停止結果設定処理では明示2R確変フラグを格納し、通常大当たり用の停止結果設定処理では通常大当たりフラグを格納する。
停止結果設定処理を実行した後は、変動表示時間の設定処理を実行する。
かかる処理では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置31にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM64に15R確変フラグ、明示2R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3にかかる値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM63の変動表示時間テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM64の各種カウンタエリアに設けられた変動表示時間カウンタ(変動表示時間計測手段)にセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、変動表示時間テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタにセットする。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留記憶数Nの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、始動保留記憶数Nやサポートモードに応じて変動表示時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、15R確変大当たり結果の場合、明示2R確変大当たり結果の場合、通常大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及び完全外れ時の場合のそれぞれに対して個別に変動表示時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた変動表示時間の振分が行われることとなる。
変動表示時間の設定処理を実行した後は、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図9)におけるステップS301にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における表示ランプ部54の発光パターンやスピーカ部55からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部54及びスピーカ部55を制御する。また、音声ランプ制御装置90は、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置31での変動表示パターンを決定し、その変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置31を表示制御する。当該表示制御の具体的な内容については、後に説明する。
変動用コマンド及び種別コマンドの設定処理を実行した後は、メイン表示部33において絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理の説明に戻り、メイン表示部33が変動表示中である場合には、遊技回進行用処理を実行する。
遊技回進行用処理では、先ず、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM64の変動表示時間カウンタに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図8)が起動される度に1減算される。
変動表示時間が経過していない場合には、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、メイン表示部33における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記いずれかの停止結果設定処理にてRAM64に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様がメイン表示部33にて表示されるように当該メイン表示部33を表示制御する。
続いて変動終了コマンドを設定する。この設定された変動終了コマンドは、通常処理(図9)におけるステップS301にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。その後、本遊技回制御処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS304の遊技状態移行処理を説明する。
先ず、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合には、1の遊技回のメイン表示部33における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に、15R確変フラグ、明示2R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置22の大入賞口22aの開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM64の各種カウンタエリアに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM63に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が短くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が1secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が0.2secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図8)が実行される度に1減算される。
続いて、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、RAM64の各種カウンタエリアに設けられたラウンドカウンタRCに、「2」をセットする。ラウンドカウンタRCは、大入賞口22aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ラウンドカウンタRCに、「15」をセットする。
RCを2又は15に設定する処理を実行した後は、オープニングコマンドを設定した後に、本遊技状態移行処理を終了する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図9)におけるステップS301にて、音声ランプ制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。
音声ランプ制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードにおける表示ランプ部54の発光パターンやスピーカ部55からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部54やスピーカ部55を制御する。また、音声ランプ制御装置90は、上記オープニングコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を図柄表示装置31において開始させる。当該表示制御の具体的な内容については、後に説明する。
一方、開閉実行モード中である場合には、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について説明する。
先ず、大入賞口22aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部22cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口22aを開放中でない場合には、ラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定するとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられたタイマTの値が「0」か否かを判定する。
ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合又はタイマTの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」でなく且つタイマTの値が「0」である場合には、大入賞口22aを開放すべく可変入賞駆動部22cを駆動状態とする。
続いて、各ラウンド用の設定処理を実行する。各ラウンド用の設定処理では、先ず高頻度入賞モードであるか否かを判定し、高頻度入賞モードである場合にはタイマTに、「15000」(すなわち30sec)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理(図8)が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。また、大入賞口22aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入賞カウンタエリアPCに、「10」をセットする。一方、高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、タイマTに、「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入賞カウンタエリアPCに、「6」をセットする。
その後、開放コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図9)におけるステップS301にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、表示ランプ部54やスピーカ部55における演出内容を変更する。また、音声ランプ制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、受信した開放コマンドに基づいて、図柄表示装置31における開閉実行モード用の演出を切り換える。当該表示制御の具体的な内容については、後に説明する。
一方、大入賞口22aが開放中である場合には、タイマTの値が「0」か否かを判定する。タイマTの値が「0」でない場合、大入賞口22aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置22に対応した検知センサの検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、入賞カウンタエリアPCの値を1減算した後に入賞カウンタエリアPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
タイマTの値が「0」の場合、又は入賞カウンタエリアPCの値が「0」の場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合には大入賞口22aを閉鎖すべく可変入賞駆動部22cを非駆動状態とする。
続いて、ラウンドカウンタRCの値を1減算し、ラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には高頻度入賞モードであるか否かを判定する。
高頻度入賞モードである場合には、タイマTに「1000」(すなわち2sec)をセットし、低頻度入賞モードである場合には、タイマTに「100」(すなわち0.2sec)をセットする。つまり、低頻度入賞モードでは、ラウンド間において大入賞口22aが閉鎖されている時間が高頻度入賞モードよりも短く設定されている。その後、閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図9)におけるステップS301にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口22aの開放が終了したことを特定する。また、音声ランプ制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口22aの開放が終了したことを特定するとともに、それに対応した処理を実行する。かかる処理の具体的な内容については、後に説明する。
遊技状態移行処理の説明に戻り、大入賞口開閉処理を実行した後は、ラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定するとともに、エンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。ここで、本パチンコ機10では、開閉実行モードの終了に際しては図柄表示装置31などにてエンディング用の演出が実行されるように構成されており、エンディング用の待機時間とは当該エンディング用の演出が終了するまで主制御装置60にて次の遊技回の開始を待機するための期間である。
ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、エンディングコマンドを設定する。当該エンディングコマンドは、通常処理(図9)におけるステップS301にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90は、受信したエンディングコマンドに基づいて、表示ランプ部54やスピーカ部55における開閉実行モード用の演出を終了させる。また、音声ランプ制御装置90は、上記エンディングコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、受信したエンディングコマンドに基づいて、図柄表示装置31における開閉実行モード用の演出を終了させる。当該表示制御の具体的な内容については、後に説明する。
続いて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。当該移行処理では、RAM64に15R確変フラグ、明示2R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれが格納されているか否かを判定する。そして、15R確変フラグ又は明示2R確変フラグが格納されている場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定するとともにサポートモードを高頻度サポートモードに設定し、通常大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを低確率モードに設定するとともにサポートモードを高頻度サポートモードに設定する。
ちなみに、通常大当たりフラグが格納されている場合には、RAM64の各種カウンタエリア64dにおける遊技回数カウンタに終了基準回数である「100」をセットする。かかる遊技回回数カウンタは、上述した変動開始処理が実行される度に1減算され、遊技回数カウンタの値が「0」となった場合にはサポートモードが高頻度サポートモードに設定される。
その後、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグのいずれかが格納されている場合には、それを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
<音声ランプ制御装置90の電気的構成>
次に、音声ランプ制御装置90の電気的構成について図10のブロック図を用いて説明する。
音声ランプ制御装置90には音声ランプ制御基板110が設けられている。音声ランプ制御基板110には、サブCPU111と、ROM112と、RAM113と、が設けられている。
サブCPU111は、音声ランプ制御装置90においてメイン制御部としての機能を有している。サブCPU111は音声ランプ制御基板110に設けられた入力ポート114を介して主制御装置60と接続されており、主制御装置60から送信された各種コマンド、具体的には変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)や、オープニングコマンド、エンディングコマンド、開放コマンド及び閉鎖コマンドといった大当たり演出用コマンド(大当たり演出用情報)は入力ポート114を通じてサブCPU111に対して入力される。また、サブCPU111はバスを介してROM112及びRAM113と接続されている。
ROM112は、サブCPU111により実行される各種の制御プログラムや固定値データといった制御用情報を記憶するための不揮発性記憶部であり、具体的にはNOR型のフラッシュメモリで構成されている。固定値データの一部は、ROM112の各エリア112a〜112bに予め記憶されている。これら各エリア112a〜112bの詳細については、サブCPU111にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
RAM113は、サブCPU111による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するための制御用揮発性記憶部であり、具体的にはDRAMで構成されている。ワークデータやフラグ等はRAM113に記憶される。
サブCPU111は、主制御装置60から各種コマンドが入力された場合、ROM112及びRAM113を用いて、当該入力されたコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、サブCPU111には演算回路121が搭載されているとともに、当該演算回路121による演算の結果を一時的に記憶可能なレジスタ122が搭載されている。サブCPU111は、各種コマンドが入力された場合には、ROM112から入力されたコマンドに対応したプログラムを読み出し、当該プログラムを演算回路121にて実行する。そして、演算回路121による演算結果をレジスタ122及びRAM113に書き込む。レジスタ122等に書き込まれたデータはLED基板91、スピーカ部55及び表示制御装置100に対して出力され、LED基板91、スピーカ部55及び表示制御装置100は、上記データに基づいて動作する。
なお、サブCPU111は、主制御装置60から受信した上記各コマンドを、その情報形態を維持したまま表示制御装置100に対して出力し、表示制御装置100は上記各コマンドに基づいて表示画面Gに画像が表示されるように図柄表示装置31を制御する。
サブCPU111の出力側の構成について具体的には、音声ランプ制御基板110には、LED基板91、スピーカ部55及び表示制御装置100のそれぞれに対応させて、出力ポート131,132,133が設けられているとともに、レジスタ122のデータを各出力ポート131,132,133に対して出力するデータ出力回路134,135,136が設けられている。各出力ポート131,132,133は、それぞれ対応するデータ出力回路134,135,136を介してサブCPU111に対して接続されている。そして、各出力ポート131,132,133はそれぞれ、対応するLED基板91、スピーカ部55及び表示制御装置100に対して接続されている。レジスタ122に設定されたデータは、各データ出力回路134,135,136によって各出力ポート131,132,133に対して出力され、当該各出力ポート131,132,133を介してLED基板91、スピーカ部55及び表示制御装置100に対して出力される。
<各種発光素子の駆動制御にかかる電気的構成>
既に説明したとおり、パチンコ機10には各種ランプ部が設けられており、これらランプ部は発光素子としてLED173(図12参照)を備えている。これらLED173は、データ出力回路134が出力ポート131を介してLED基板91に対して出力するデータに基づいて駆動するようになっている。そこで、以下に上記データの構成及びデータ出力回路134の構成について図11の回路図を用いて説明する。
図11に示すように、データ出力回路134は、サブCPU111と出力ポート131とを接続する複数のバス(詳細には3つ)を備えている。各バスには、それぞれ異なるデータが出力されるようになっている。具体的には、LED駆動データSD、クロック信号SG1及びデータ書き込み信号SG2が出力ポート131に対して出力される。出力ポート131は、複数の端子を備えており、LED駆動データSD及び各信号はこれら複数の端子のうち対応する端子に対してそれぞれ入力されるように構成されている。以下、LED駆動データSD及び各信号にかかる構成について個別に説明する。
先ず、LED駆動データSDにかかる構成について説明すると、レジスタ122には、LEDの発光の有無を決定するLED駆動データSDに対応したLED駆動用レジスタ141が設けられている。LED駆動用レジスタ141は8ビットの記憶容量を有する記憶領域として第1データレジスタ141a及び第2データレジスタ141bを備えており、全体として16ビットの情報を格納することができるようになっている。各データレジスタ141a,141bはデータ出力回路134と接続されている。データ出力回路134は、各データレジスタ141a,141bに格納されている情報に基づいてLED駆動データSDを出力ポート131に向けて出力するように構成されている。
詳細には、データ出力回路134には、スイッチング素子としてn型のMOSFET142が設けられている。MOSFET142のソースは接地されているとともに、ドレインは+5Vにプルアップされた状態で出力ポート131のDATA端子に接続されている。ソース・ドレイン間には+5Vの電圧が印加されている。MOSFET142のゲートはLED駆動用レジスタ141に対して接続されているとともに、+3.3Vにプルアップされている。当該+3.3VはMOSFET142の閾値電圧よりも大きい電圧値である。MOSFET142のゲートには、LED駆動用レジスタ141に格納されるビット情報に対応した電圧(HI信号又はLOW信号)が印加されるようになっている。
具体的には、LED駆動用レジスタ141の所定のビットに「0」の情報(LOW信号)が記憶されている場合には、MOSFET142のゲートには0Vが印加される。この場合、MOSFET142はOFFとなり、DATA端子にはHI信号に相当する+5Vが入力されることとなる。
一方、LED駆動用レジスタ141の所定のビットに「1」の情報(HI信号)が記憶されている場合又は当該所定のビットの情報が不定の場合には、MOSFET142のゲートには+3.3Vが入力される。この場合、MOSFET142がONとなり、ソース・ドレイン間が導通する。これにより、DATA端子にはLOW信号に相当する0Vが入力されることとなる。
以上のことから、LED駆動用レジスタ141に記憶されているビット情報に応じてDATA端子に対して出力するデータ(電圧)が異なることとなる。
かかる構成において、LED駆動用レジスタ141は、MOSFET142のゲートへの入力電圧を決定付けるビット情報の参照先を順次遷移させることで、各ビット情報を時系列的にDATA端子に対して順次出力するようになっている。これにより、LED駆動用レジスタ141に記憶されるLED駆動データSDが出力ポート131のDATA端子に対して順次出力されることとなる。
ここで、第1データレジスタ141a及び第2データレジスタ141bのうち、一方のデータレジスタに格納されているLED駆動データSDを出力している状況において、他方のデータレジスタに対して今後出力されるLED駆動データSDの設定が実行される。これにより、LED駆動用レジスタ141に対するLED駆動データSDの書き込みにかかる期間分だけLED駆動データSDの伝送期間を短くすることができる。
次に、クロック信号SG1にかかる構成について説明すると、レジスタ122にはクロック信号SG1を制御するクロック信号用レジスタ143が設けられている。クロック信号用レジスタ143は1ビットの記憶容量を有しており、所定の周期で「1」の情報と「0」の情報とが交互に入力されるようになっている。クロック信号用レジスタ143はデータ出力回路134に対して接続されている。データ出力回路134は、クロック信号用レジスタ143の情報の切換に基づいて所定の周期のクロック信号SG1を出力ポート131に対して出力する。
詳細には、データ出力回路134には、スイッチング素子としてn型のMOSFET144が設けられている。MOSFET144は、ソースが接地されているとともに、ドレインが+5Vにプルアップされた状態で出力ポート131のCLK端子に接続されている。MOSFET144のゲートは、プルアップされた状態でクロック信号用レジスタ143に接続されている。
かかる構成によれば、クロック信号用レジスタ143に書き込まれる情報が所定の周期で「1」と「0」とに交互に切り換わることに基づいて、MOSFET144がONとOFFとに交互に切り換わる。当該MOSFET144のON/OFFの切り換わりにより、CLK端子には上記所定の周期のクロック信号SG1が入力されることとなる。当該クロック信号SG1はLED基板91におけるLED駆動データSDの伝送に用いられる。当該伝送の詳細については後述する。
次に、データ書き込み信号SG2にかかる構成について説明すると、レジスタ122にはデータ書き込み信号SG2に対応したデータ書き込み信号用レジスタ145が設けられている。データ書き込み信号用レジスタ145は、1ビットの記憶容量を有している。データ書き込み信号用レジスタ145はデータ出力回路134に接続されている。データ出力回路134は、データ書き込み信号用レジスタ145に書き込まれている情報に基づく信号を出力ポート131に対して出力する。
詳細には、データ出力回路134には、スイッチング素子としてn型のMOSFET146が設けられている。MOSFET146は、ソースが接地されているとともに、ドレインが+5Vにプルアップされた状態で出力ポート131のL端子に接続されている。MOSFET146のゲートは、プルアップされた状態でデータ書き込み信号用レジスタ145に対して接続されている。
かかる構成によれば、データ書き込み信号用レジスタ145に「1」の情報が書き込まれている場合又はデータ書き込み信号用レジスタ145に格納されている情報が不定の場合には、MOSFET146のゲートにはHI信号に相当する電圧が入力され、MOSFET146がONとなる。これにより、L端子にはLOW信号に対応した0Vが入力されることとなる。
一方、データ書き込み信号用レジスタ145に「0」の情報が書き込まれている場合には、MOSFET146のゲートにはLOW信号に相当する0Vが入力され、MOSFET146がOFFとなる。これにより、L端子にはHI信号に対応した+5Vが入力されることとなる。当該データ書き込み信号SG2はLED駆動データSDを各LEDに対して設定する際に用いられる。当該設定の詳細については後述する。
なお、既に説明したとおり、各MOSFET142,144,146のゲートへの入力はプルアップされているため、レジスタ122の情報が不定の場合には各MOSFET142,144,146はONとなる。これにより、各端子(DATA端子、CLK端子、L端子)にはLOW信号が入力されることとなる。
また、各MOSFET142,144,146のドレインと出力ポート131とを接続するバスに対して並列に+5V電源が接続されているが、当該バスと+5V電源とを接続するバス上には、クランプダイオード160が設けられている。クランプダイオード160は、+5V電源側をカソードとして接続されている。これにより、ドレインと出力ポート131とを接続するバスにノイズが入ることに起因して、バス上の電位が一時的に高くなった場合には、+5V電源側に一時的に電流が流れ、出力ポート131側に大電流が流れないようになっている。
さらに、各MOSFET142,144,146のゲートには振動防止用のゲート抵抗161が設けられている。当該ゲート抵抗161によって、各MOSFET142,144,146の寄生容量及び寄生インダクタンスによる寄生共振回路のQ値(安定度)が低下し、寄生共振が発生しにくくなる。これにより、上記寄生共振による影響を抑制し得る。
また、出力ポート131には+5V端子及びGND端子が設けられている。+5V端子は+5V電源が接続されており、当該+5V電源から+5Vが印加されている。一方、GND端子は接地されている。
次に、これらの各種信号を用いて各発光素子を駆動させる構成について図12を用いて説明する。図12はLED基板91に搭載されている各種回路の回路図である。
図12に示すように、LED基板91には、複数の入力端子を有する入力ポート171が設けられており、当該入力ポート171には上記出力ポート131から出力された各種信号がそれぞれ個別に入力される。具体的には、音声ランプ制御装置90のサブCPU111からデータ出力回路134、出力ポート131を介して出力されるLED駆動データSD、クロック信号SG1及びデータ書き込み信号SG2がそれぞれ入力ポート171のDATA端子、CLK端子及びL端子に入力される。また、入力ポート171のGND端子の入力側は出力ポート131の出力側と接続されており、入力ポート171のGND端子の出力側は接地されている。各種信号はそれぞれ、配線を介してLED基板91に設けられたLED駆動部に対して出力される。LED駆動部は複数の発光素子としての複数のLED173に対して接続されており、各種信号が入力されることに基づいて上記LED173を駆動させる。
なお、各配線上にはそれぞれシュミットトリガ型のインバータ180が設けられている。当該インバータ180は、HI出力する閾値電圧とLOW出力する閾値電圧とが異なるヒステリシス特性を有している。これにより、各種信号に混入したノイズによる影響、例えばチャタリングの発生等を抑制することができる。
LED駆動部は、複数のLED駆動用のICを備えている。先ず、LED駆動データSDが入力される第1駆動IC191が存在する。当該第1駆動IC191はLED群37aの6つのLED173を駆動し、複数の入力端子及び出力端子を備えている。具体的には入力端子としてDATAIN端子(データ入力部)、CLK端子、L端子、VDD端子及びGND端子を有しているとともに出力端子としてDATAOUT端子(データ出力部)及び複数のOUT端子を有している。第1駆動IC191のDATAIN端子には、音声ランプ制御装置90のサブCPU111から、データ出力回路134、出力ポート131を介して出力されるLED駆動データSDが入力される。同様にサブCPU111からデータ出力回路134、出力ポート131を介して出力されるクロック信号SG1がCLK端子に、データ書き込み信号SG2がL端子にそれぞれ入力される。VDD端子は+5V電源に接続されており、GND端子は接地されている。第1駆動IC191のDATAOUT端子はオープンであり、8つあるOUT端子のうち6つのOUT端子にはLED173が接続されており、残りの2つのOUT端子はオープンである。
LED駆動部には第1駆動IC191の他に、第1駆動IC191と同様に入力端子としてDATAIN端子、CLK端子、L端子、VDD端子及びGND端子を有し、出力端子として8つのOUT端子及びDATAOUT端子を有する疑似駆動IC192が存在する。疑似駆動IC192の8つのOUT端子はすべてオープンであり、この点で第1駆動IC191と異なる。また、疑似駆動IC192のDATAOUT端子は、第1駆動ICと同様に入力端子としてDATAIN端子、CLK端子、L端子、VDD端子及びGND端子を有し、出力端子として8つのOUT端子及びDATAOUT端子を有する第2駆動IC193のDATAIN端子に接続されている。疑似駆動IC192のその他の接続は第1駆動IC191と同じである。また、第2駆動IC193は、上述したDATAIN端子の接続以外は第1駆動IC191と同じ構成を有し、LED群37bの6つのLED173を駆動する。第1駆動IC191及び第2駆動IC193はLED基板91上に存在する回路であり、LED173の駆動部である。主制御装置60から入力されたコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置90はLED基板91にLEDを駆動させるためのLED駆動データSDを出力する。出力されたLED駆動データSDが第1駆動IC191及び第2駆動IC193に入力されてLEDが駆動される。
入力ポート171のDATA端子から出た信号線151は2つに分岐して第1駆動IC191及び疑似駆動IC192のDATAIN端子に接続されている。また、入力ポート171のCLK端子から出た信号線152は3つに分岐して第1駆動IC191、疑似駆動IC192及び第2駆動IC193のCLK端子に接続されている。また、入力ポート171のL端子から出た信号線153は3つに分岐して第1駆動IC191、疑似駆動IC192及び第2駆動IC193のL端子に接続されている。
第1駆動IC191、疑似駆動IC192及び第2駆動IC193の内部構成について図13のブロック図を用いて詳細に説明する。図13(a)は第1駆動IC191の内部構成であり、(b)は疑似駆動IC192及び第2駆動IC193の内部構成である。ここで、第1駆動IC191、疑似駆動IC192及び第2駆動IC193における内部構成は同一であるため、第1駆動IC191について説明し、第2駆動IC193及び疑似駆動IC192については接続方法の相違点のみ説明する。
図13(a)に示すように、第1駆動IC191は、LED駆動データSDの取得及び更新を行う更新回路191aと、LED駆動データSDが書き込まれるレジスタ191bと、を備えている。更新回路191aは更新用バッファ191cを備えている。更新用バッファ191cは8ビットのデータ領域D0〜D7を有しているとともに、出力用のデータアウト領域DAを有している。データアウト領域DAはデータ領域D7のコピー領域であり、データ領域D7と同一情報が設定される領域である。更新回路191aは、LED駆動データSDが入力されるDATAIN端子に接続されているとともに、クロック信号SG1が入力されるCLK端子に接続されている。更新回路191aは、クロック信号SG1の立ち上がりに同期して既にデータ領域D0〜D7に書き込まれているデータを順次シフトさせ、LED駆動データSDをデータ領域D0に書き込む。
更新用バッファ191cの具体的な構成の一例について図14を用いて簡単に説明すると、更新用バッファ191cは、データ領域D0〜D7として8つのポジティブエッジトリガ型Dフリップフロップを備えている。各Dフリップフロップは、入力端子(D端子)、出力端子(Q端子)及びクロック端子(CLK端子)を有しており、各クロック端子にはクロック信号SG1が入力される。ポジティブエッジ型の各Dフリップフロップには、クロック信号SG1の立ち上がりの瞬間に入力端子に入力されている信号が書き込まれる。各Dフリップフロップは当該信号を次のクロック信号SG1の立ち上がりの瞬間まで保持するとともに当該信号をQ端子から出力する。各DフリップフロップはLED駆動データSDに関して直列接続であり、クロック信号SG1に関して並列接続である。つまり、所定のデータ領域Dx(例えばD0)にかかるDフリップフロップのQ端子が、上記所定のデータ領域Dxに対して次のデータ領域D(x+1)(例えばD1)にかかるDフリップフロップの入力端子に対して接続されている。そして、データ領域D0にかかるDフリップフロップの入力端子にはLED駆動データSDが入力されるように構成されている。また、更新用バッファ191cの各Dフリップフロップのクロック端子にはクロック信号が入力される。
また、データ領域DAに対応したDフリップフロップは上記各データ領域D0〜D7のポジティブエッジトリガ型Dフリップフロップと異なるネガティブエッジトリガ型Dフリップフロップである。この場合、クロック信号SG1の立ち下がりの瞬間に入力端子に入力されている信号が当該ネガティブエッジトリガ型Dフリップフロップに書き込まれる。当該ネガティブエッジトリガ型Dフリップフロップは書き込まれた信号を次のクロック信号SG1の立ち下がりの瞬間まで保持し、Q端子から出力する。したがって、クロック信号SG1の立ち下がりに際して当該ネガティブエッジトリガ型Dフリップフロップに書き込まれたD7と同じ信号は、次回のクロック信号SG1の立ち上がりに際してD7に保持される信号が書き換えられても、次回のクロック信号SG1の立ち下がりまで保持される。
図13(a)の説明に戻り、レジスタ191bは8ビットのデータ領域D’0〜D’7を有しており、各データ領域D’0〜D’7はそれぞれ更新用バッファ191cのデータ領域D0〜D7と接続されている。このうちデータ領域D’0〜D’5はそれぞれのQ端子にLED173が接続されている。さらに、レジスタ191bには、データ書き込み信号SG2が入力されるように構成されている。レジスタ191bは、データ書き込み信号SG2が立ち上がることに基づいて、各データ領域D0〜D7に設定されているデータを自身のデータ領域D’0〜D’7に対して書き込むとともに、各OUT端子(OUT0端子〜OUT7端子)から当該データをLED173に対して出力するように構成されている。各LED173は出力されたデータに基づいて動作する。
詳細には、各LED173のアノードは+5V電源に接続されており、各LED173のカソードが対応するデータ領域D’0〜D’5に対して接続されている。かかる構成によれば、例えばデータ領域D0が「1」である場合には、データ領域D’0には「1」が設定され、データ領域D’0から「1」に相当する電位(詳細には+5V)が出力される。この場合、LED173のアノード・カソード間に電位差が生じないため、LED173は発光しない。一方、データ領域D0が「0」である場合には、データ領域D’0には「0」が設定され、データ領域D’0から「0」に相当する電位(詳細には0V)が出力される。この場合、LED173のアノード・カソード間に電位差が生じ、LED173が発光することとなる。換言すれば、データ領域Dxが「0」である場合、LED173のカソードが接地され、LED173に対して発光可能な電力が供給されるとも言える。
次に、図14を用いて第1駆動IC191のレジスタ191bの具体的な構成について簡単に説明する。レジスタ191bは、データ領域D’0〜D’7に対応させて8つのポジティブエッジトリガ型Dフリップフロップを備えている。各Dフリップフロップは、入力端子(D端子)、出力端子(Q端子)及びクロック端子(CLK端子)を有しており、各クロック端子にはデータ書き込み信号SG2が入力される。データ領域D’xに対応するDフリップフロップの入力端子には、更新用バッファ191cのデータ領域Dxに対応するDフリップフロップのQ端子とデータ領域D(x+1)の入力端子とを結ぶ接続線からの分岐線が接続される。
第1駆動IC191のレジスタ191bにおいて、8つのデータ領域D’0〜D’7に対応するポジティブエッジトリガ型DフリップフロップのQ端子にはLED173を接続することができる。第1駆動IC191に関しては、データ領域D’0〜D’5に対応するDフリップフロップの出力端子にLED173が接続されている。
ここで、図14を用いて、第1駆動ICの更新用バッファ191cのデータ領域D0へデータが書き込まれ、データ領域D1,D2,…D7,DAへシフトする流れについて簡単に説明する。
クロック信号の立ち上がりに同期して、データ領域D0に対して音声ランプ制御装置90のサブCPU111からデータ出力回路134及び出力ポート131を介して出力されたLED駆動データSDの最初の信号S1が書き込まれる。データ領域D0にかかるDフリップフロップのQ端子とデータ領域D1にかかるDフリップフロップの入力端子が接続されており、それぞれのDフリップフロップのクロック端子にはクロック信号が同時に送られる。従って、データ領域D0に対応するDフリップフロップに最初の信号S1が書き込まれている状態で、次回のクロック信号SG1が立ち上がる瞬間にデータ領域D1にかかるDフリップフロップに最初の信号S1が書き込まれる。そして、同時にデータ領域D0にかかるDフリップフロップにはLED駆動データSDの2番目の信号S2が書き込まれる。同様にして、クロック信号の次の立ち上がりでは、最初の信号S1がデータ領域D2にかかるDフリップフロップに書き込まれ、同時に、2番目の信号S2がデータ領域D1にかかるDフリップフロップに、3番目の信号S3がデータ領域D0にかかるDフリップフロップにそれぞれ書き込まれる。
このように、クロック信号の立ち上がりに同期してLED駆動データSDが、LED駆動データSDに関して直列接続されているDフリップフロップの下流へと順次シフトしていく。そして、データ領域D6に最初の信号S1が書き込まれた状態で、次にクロック信号SG1が立ち上がるとデータ領域D7に対応するDフリップフロップに最初の信号S1が書き込まれ、続くクロック信号の立ち下がりに同期して最初の信号S1がデータ領域DAに書き込まれる。これは、データ領域DAに対応するDフリップフロップがネガティブエッジトリガ型であることに起因する。この時点で、D7とDAに対応する2つのDフリップフロップには同じ信号が書き込まれる構成となっている。
更新回路191aの構成については、Dフリップフロップに限られず、例えばJKフリップフロップ等を用いてもよい。要は、更新回路191aは、複数の情報保持部を有し、データの入出力が可能に構成されているものであって、所定の更新タイミングとなる度に順次各情報保持部に保持されるデータを更新するとともに、データの入出力を行うものであればよい。
また、更新用バッファ191cに格納されている各データを個別制御可能な制御信号を出力するCPU(制御回路)を設ける構成としてもよい。
次に、疑似駆動IC192と第2駆動IC193について、第1駆動IC191と異なる点を説明する。ここで、第1駆動IC191と区別するため、疑似駆動IC192の更新回路を更新回路192a、第2駆動IC193の更新回路を更新回路193a、疑似駆動IC192のレジスタをレジスタ192b、第2駆動IC193のレジスタをレジスタ193b、疑似駆動IC192の更新用バッファを更新用バッファ192c、第2駆動IC193の更新用バッファを更新用バッファ193c、疑似駆動IC192の更新用バッファ192cの各データ領域をデータ領域D8〜D15、第2駆動IC193のデータ領域をD16〜D23、疑似駆動IC192の各OUT端子をOUT8端子〜OUT15端子、第2駆動IC193の各OUT端子をOUT16端子〜OUT23端子という。
疑似駆動IC192に関しては、レジスタ192bの8つのDフリップフロップ全ての出力端子がオープンである点が第1駆動IC191と異なる。また、疑似駆動IC192の更新用バッファ192cのデータ領域DAに対応するネガティブエッジトリガ型Dフリップフロップの出力端子は第2駆動IC193の更新用バッファ193cのデータ領域D16に対応するポジティブエッジトリガ型Dフリップフロップの入力端子に接続されている。
疑似駆動IC192及び第2駆動IC193の更新用バッファ192c,193cは、第1駆動IC191と同じく、Dフリップフロップが9個並んで構成されており、先頭を除く8個のDフリップフロップのD端子は直前のDフリップフロップのQ端子と接続されている。疑似駆動IC192の更新用バッファ192cの先頭の入力端子は入力ポート171のDATA端子と接続されている。また、最後尾のDフリップフロップのQ端子は第2駆動IC193の更新用バッファ193cの9個のDフリップフロップのうち、先頭のDフリップフロップのD端子に接続されている。このため、疑似駆動IC192のデータ領域D8に最初に書き込まれたLED駆動データSDの信号S1は、第1駆動IC191の場合と同様にデータ領域D9,D10,…,D15へと順次シフトし、疑似駆動IC192のデータ領域DAを経たのち、第2駆動IC193のデータ領域D16,D17,…,D22を経てデータ領域D23まで順次シフトする。この様子について図15を用いながら以下で説明する。
図15(a)は疑似駆動IC192の更新用バッファ192cのデータ領域D8〜DAに対応するDフリップフロップのクロック端子に入力されるクロック信号、(b)は音声ランプ制御装置90のサブCPU111からデータ出力回路134、出力ポート131を介して送信されるLED駆動データSDの信号、(c)はデータ領域D8〜DAに書き込まれている信号、(d)は疑似駆動IC192のデータ領域DAから出力される信号である。タイミングtxに関して、xが奇数である場合はクロック信号SG1の立ち下がり、xが偶数である場合はクロック信号SG1の立ち上がりに対応している。
まず、t1のタイミングでクロック信号SG1が立ち下がり、同期してLED駆動データSDの信号が更新される。また、同時にデータ領域D15に書き込まれていた信号がデータ領域DAに書き込まれ、疑似駆動ICの出力端子からデータ領域DAに書き込まれた信号が出力される。これはデータ領域DAに対応するDフリップフロップのみがネガティブエッジトリガ型であることに起因する。t2のタイミングでクロック信号SG1が立ち上がり、同期してデータ領域D9からD15に書き込まれている信号が更新される。同時にLED駆動データSDの信号がデータ領域D8に書き込まれる。このとき、第1駆動IC191の更新用バッファ191cにおいては、データ領域D1からD7に書き込まれている信号が更新されるとともに、LED駆動データSDの信号がデータ領域D0に書き込まれる。
t3のタイミングでクロック信号SG1が立ち下がり、同期してLED駆動データSDの信号が更新される。また、同時にデータ領域D15に書き込まれていた信号がデータ領域DAに書き込まれ、疑似駆動ICの出力端子からデータ領域DAに書き込まれた信号が出力される。このとき、第1駆動IC191の更新用バッファ191cにおいては、データ領域D7に書き込まれていた信号がデータ領域DAに書き込まれ、第1駆動IC191の出力端子からデータ領域DAに書き込まれた信号が出力される。t4のタイミングでクロック信号が立ち上がり、同期してデータ領域D9からD15に書き込まれている信号が更新され、LED駆動データSDの信号がデータ領域D8に書き込まれる。このとき、第1駆動IC191の更新用バッファ191cにおいては、データ領域D1からD7に書き込まれている信号が更新され、LED駆動データSDの信号がデータ領域D0に書き込まれる。
このようにLED駆動データSDの書き込みが完了するまで、バケツリレーのように疑似駆動IC192のデータ領域D8からデータ領域DAへ信号がシフトしていく。LED駆動データSDの最初の信号S1がデータ領域D14へシフトした次のクロック信号SG1の立ち上がりに同期してデータ領域D15に最初の信号S1が書き込まれ、その後のクロック信号SG1の立ち下がりに同期してデータ領域DAに最初の信号S1が書き込まれる。
そして、次のクロック信号SG1の立ち上がりで第2駆動IC193のデータ領域D16に最初の信号S1が書き込まれる。これは、データ領域D16に対応するDフリップフロップがポジティブエッジトリガ型であるためである。その後、最初の信号S1はデータ領域D17,D18,…,D23へと順次シフトしていく。最下流のデータ領域D23への最初の信号S1の書き込みが完了した後、次のクロック信号SG1の立ち下がりの際に、第1駆動IC191、疑似駆動IC192及び第2駆動IC193のレジスタ191b、192b、193bのクロック端子に送られるデータ書き込み信号SG2が立ち上がり、同期してデータ領域D’0〜D’23にそれぞれデータ領域D0〜D23のデータが書き込まれる。データ領域D’0〜D’23のうち、対応するDフリップフロップの出力端子にLED173が接続されている場合において、データ領域の信号が「0」である場合はLED173が発光する。
クロック信号SG1はそのまま停止し、LED173は次のデータ書き込み信号SG2が立ち上がるまで、当該発光態様を維持する。
ここで、図15において、LED駆動データSDの更新タイミング(t1、t3のタイミング)とデータ領域D8〜DAの更新タイミング(t2、t4のタイミング)とは、同期しないように設定されている。具体的には、クロック信号SG1の立ち上がりタイミングは、LED駆動データSDの更新タイミングに対して所定の期間T1だけずれている(詳細には遅れている)とともに、LED駆動データSDの更新間隔はクロック信号SG1の周期T2の整数倍(詳細には等倍)に設定されている。これにより、LED駆動データSDの更新タイミングとクロック信号SG1の立ち上がりタイミングとが一致することがないため、LED駆動データSDの更新とデータ領域D8〜D15の更新とが同時に行われないようになっている。これにより、LED駆動データSDを取得する際に取得エラーが生じにくくなっている。
すなわち、仮にLED駆動データSDの取得タイミングとLED駆動データSDの更新タイミングとが同時である場合、取得されたLED駆動データSDが、更新前のものか更新後のものか分からなくなり、不安定となる。これに対して、本実施形態によれば、LED駆動データSDの取得タイミングがLED駆動データSDの更新タイミングに対して所定の期間T1だけ遅れているため、安定した状態のLED駆動データSDを取得することが可能となる。これにより、LED駆動データSDの取得エラーが生じにくくなっている。
図16は、データ領域D0〜D15に、前半の8ビットが書き込まれた時点において更新用バッファ191c,192c,及び193cに書き込まれたデータを表している。
同じ8ビットのLED駆動データSDを、シリアルデータ線を介して第1駆動IC191に出力するとともに、疑似駆動IC192及び第2駆動IC193の組合せに対して出力した結果である。図16に示すように、前半の8ビットが書き込まれた時点においては、第1駆動IC191の更新用バッファ191cにおけるD0〜D7、及び、疑似駆動IC192の更新用バッファ192cにおけるD8〜D15に前半の8ビットが書き込まれている。
図17は、データ領域D0〜D23の全てのデータ領域に書き込みが完了した時点での更新用バッファ191c,192c,193cに書き込まれた信号を表している。
同じ16ビットのLED駆動データSDを、シリアルデータ線を介して第1駆動IC191に出力するとともに、疑似駆動IC192及び第2駆動IC193の組合せに対して出力した結果である。図17に示すように、前半の8ビットは最終的に第2駆動IC193の更新用バッファ193cに書き込まれる。一方、後半の8ビットは第1駆動IC191の更新用バッファ191c及び疑似駆動IC192の更新用バッファ192cに書き込まれる。このように、シリアルデータ線に関して、第2駆動IC193の上流に1つの疑似駆動IC192を配置することで、第1駆動IC191と比較して信号の伝達を8ビット分ずらすことができる。
このことを利用すると、前半8ビットを第2駆動IC193用のデータ、後半8ビットを第1駆動IC191用のデータとする全16ビットのLED駆動データSDを出力し、その後データ書き込み信号SG2を送信することで、2つのLED群37a,37bを同時に駆動することが可能となる。
<音声ランプ制御装置90にて実行される各種処理について>
次に、音声ランプ制御装置90のサブCPU111にて行われる処理について説明する。サブCPU111が行う処理に、LED173の制御を行う音声ランプ制御処理がある。以下に、当該処理について図18のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS401にて、データ書き込みフラグが有るか否かについて判定する。当該データ書き込みフラグは本LED制御処理のステップS408にて格納されるフラグであり、LED駆動データの書き込み中であることを意味するフラグである。データ書き込みフラグが無い場合はステップS402に進む。ステップS402では、主制御装置60から変動用コマンドを受信したか否かを判定する。変動用コマンドを受信した場合にはステップS403にて、音声ランプ制御基板110のROM112に記憶されているLED駆動パターンテーブルを音声ランプ制御基板110のRAM113に設定する。ROM112には、LED駆動パターンテーブル記憶エリア112bが設けられており、当該LED駆動パターンテーブル記憶エリア112bには、複数種のLED駆動パターンテーブルが記憶されている。各LED駆動パターンテーブルは、メイン表示部33の変動表示が開始されてからLED駆動データSDの更新タイミングになるまでの経過時間と当該タイミングで更新されるLED駆動データSDが1セットで設定されたテーブルである。変動表示が開始されてから所定の期間が経過した場合には、LED駆動パターンテーブルを参照し、その期間に対応したLED駆動データSDを第1駆動IC191及び第2駆動IC193のレジスタ191b,193bに書き込むことで、各LED173を駆動制御する。
ステップS402において、変動用コマンドを受信していなかった場合には、ステップS404にて変動中であるか否かを判定する。変動中である場合には、ステップS405にてLED駆動データの更新タイミングであるか否かを判定し、更新タイミングであればステップS406にてLED駆動データの更新処理を行う。具体的には、今回の遊技回において選択されたLED駆動パターンテーブルを参照することで、今回の処理回に対応したLED駆動データSDを把握する。
ステップS403においてLED駆動パターンテーブルが設定された場合及びステップS406にてLED駆動データの更新処理が行われた場合にはステップS407に進み、LED駆動データの書き込み開始処理を行う。具体的には、選択されたLED駆動パターンテーブルを参照し、変動表示が開始されてからの経過時間に合わせたLED駆動データSDを取得する。そして、取得されたLED駆動データSDのうち各データレジスタ141a,141bの記憶容量分(8ビット分)のデータを各データレジスタ141a,141bのうち、先ず第1データレジスタ141aに対して書き込みを開始する。8ビット分のデータを書き込んだ後、今度は第2データレジスタ141bに対して書き込みを開始する。
続くステップS408ではデータ書き込みフラグを格納し、ステップS409でクロック信号SG1の送信を開始する。具体的には、クロック信号用レジスタに対して「1」の情報と「0」の情報を交互に設定する。この場合、クロック信号SG1の出力が開始された場合には、最初に第1データレジスタ141aに記憶されているLED駆動データSDを伝送するように予め設定されている。
ステップS401にて肯定判定をした場合及びステップS409にてクロック信号SG1の送信を開始した場合には、ステップS410に進み、16ビット分の一連のLED駆動データSDの書き込みが完了したか否かを判定する。書き込みが完了した場合にはステップS411でデータ書き込みフラグをリセットする。その後、ステップS412において、データ書き込み信号SG2を立ち上げる処理を実行する。具体的には、データ書き込み信号用レジスタに対して「0」を設定する。これにより、データ書き込み信号SG2が立ち上がる。当該立ち上がりに同期して、更新用バッファ191c,192c,193cに書き込まれていたデータがレジスタ191b,192b,193bに書き込まれ、LEDが駆動される。その後、ステップS413にてクロック信号を停止する処理を実行する。
ステップS404で否定判定をした場合、ステップS405で否定判定をした場合、ステップS410で否定判定をした場合、及びステップS413においてクロック信号を停止する処理が終了した場合には、ステップS414に進み、スピーカ部55の制御及び表示制御装置100の制御にかかるその他の処理を行い、本音声発光制御処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
LED駆動データSDの伝送を担うシリアルデータ線が出力ポート131から出た後、2本に分岐し、それぞれ第1駆動IC191及び疑似駆動IC192のDATAIN端子に接続される構成とした。シリアルデータ線を使用することで、パラレルにデータを送信する場合に比べてデータ線の数が少ないシンプルな配線にすることが可能となる。また、シリアルデータ線を分岐する場所は任意である。これにより、シリアルデータ線を必要な箇所で分岐することが可能となる。これは、基板面が複雑化した場合に、物理的に分岐が必要な箇所やノイズの影響を受けやすい箇所が出てくるという問題を回避するのに有効な手段である。
シリアルデータ線を分岐せず、駆動IC191,193を数珠つなぎにする場合には、上流でノイズが発生した場合、発生箇所以降の下流にその影響が及ぶこととなる。これに対して、本実施形態では、出力ポート131から出るシリアルデータ線を分岐して第1駆動IC191及び疑似駆動IC192のDATAIN端子に接続しているため、分岐後にノイズが発生した場合、ノイズの影響は第1駆動IC191又は第2駆動IC193のいずれか1つに限定される。
LED群37a,37bの場所は遊技機のデザインとの兼ね合いで決まり、LED群37a,37bの位置に応じて第1駆動IC191及び第2駆動IC193の最適な位置が決まる。シリアルデータ線に関して、第1駆動IC191のDATAOUT端子を第2駆動IC193のDATAIN端子に接続する構成であれば、その途中にノイズの影響を受けやすい箇所が存在する場合、当該箇所を避けて配線する必要がある。しかし、そのような配線を行うと、接続線が長くなり、ノイズの影響を受ける可能性が高くなる。一方、本実施形態のように、シリアルデータ線に関して、疑似駆動IC192のDATAOUT端子を第2駆動IC193のDATAIN端子に接続し、第1駆動IC191と疑似駆動IC192を並列接続することで、上記ノイズの影響を受けやすい箇所を避けて配線する設計の自由度を高めることができる。
第1駆動IC191及び第2駆動IC193と疑似駆動IC192の内部構成は同一である。これにより、同一の内部構成を有する複数の駆動ICを並べて、接続を変えるだけで、一連のシリアルデータに対して、簡単に種々の発光態様を実現することができる。
まとめて駆動するLED群37a,37bの数は2つに限られない。例えば8ビットのデータ領域を備えた駆動ICをx個同時に駆動する場合には、x番目の駆動ICの上流に(x−1)個の疑似駆動IC192を配置することで、8ビットずつ段階的にデータをずらすことができる。これを利用すると、8ビットのまとまりをx個のシリアルデータとして送信することでx個の駆動ICを同時に駆動することができる。
データ領域D0からD7及びデータ領域D16からD23にかかるDフリップフロップに合計16ビット分のデータの書き込みをした後にデータ書き込み信号SG2が立ち上がり、レジスタ191b、193bのデータ領域D’0からD’7及びデータ領域D’16からD’23にかかるDフリップフロップに合計16ビット分のデータの書き込みが行われ、対応するLED173が駆動される構成とした。これにより、16ビット分のLED駆動データSDを同時にレジスタ191b、193bに送ることが可能となり、最大16個のLEDを同時に制御することが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、上記第1の実施形態と異なり、疑似駆動IC192を使用しない。また、上記第1の実施形態と異なり、第2駆動IC195の更新用バッファ195cが全てネガティブエッジトリガ型Dフリップフロップである。そして、上記第1の実施形態においては、第1駆動IC191及び第2駆動IC193にデータアウト領域DAが設けられていたが、本実施形態では、データアウト領域DAは設けられていない。さらに、上記第1の実施形態においては、LED駆動データSDは第2駆動IC193用の信号を先に送り、第1駆動IC191用の信号を後に送る構成としたが、本実施形態においては第1駆動IC194用の信号と第2駆動IC195用の信号を1ビット単位でずらして交互に送る構成とする。
以下、第2の実施形態と第1の実施形態の相違する構成について説明する。上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図19は入力ポート171と第1駆動IC194及び第2駆動IC195の接続態様を表す回路図である。第1駆動IC194及び第2駆動IC195はそれぞれ、入力側にDATAIN端子、CLK端子、L端子、VDD端子及びGND端子を有し、出力側に8つのOUT端子を有している。そして、それぞれ6つのOUT端子にはLED173が接続されており、残りの2つのOUT端子はオープンである。各DATAIN端子には入力ポート171のDATA端子から出た信号線151が2つに分岐して接続されている。各CLK端子には入力ポート171のCLK端子から出た信号線152が2つに分岐して接続されている。各L端子には入力ポート171のL端子から出た信号線153が2つに分岐して接続されている。
図20(a)は第1駆動IC194の構成を、図20(b)は第2駆動IC195の構成をそれぞれ説明するためのブロック図である。図20(a)より、第1駆動IC194は更新回路194a及びレジスタ194bを備えている。更新回路194aはデータ領域D0〜D7を備える更新用バッファ194cを備え、レジスタ194bはデータ領域D’0〜D’7及びOUT端子OUT0〜OUT7を備えている。図20(b)より、第2駆動IC195は更新回路195a及びレジスタ195bを備えている。更新回路195aはデータ領域D8〜D15を備える更新用バッファ195cを備え、レジスタ195bはデータ領域D’8〜D’15及び出力端子OUT8〜OUT15を備えている。
図21は第1駆動IC194と第2駆動IC195のレジスタ194b、195b及び更新用バッファ194c、195cを構成するDフリップフロップ及びLED173の配線を説明するための回路図である。第1駆動IC194及び第2駆動IC195のレジスタ194b、195bを構成するDフリップフロップの出力端子(Q端子)にはLED173が接続されている。
第2駆動IC195の更新用バッファ195cを構成するDフリップフロップはネガティブエッジトリガ型であり、その他のDフリップフロップはポジティブエッジトリガ型である。したがって、第1駆動IC194の更新用バッファ194cには、クロック信号SG1の立ち上がりの瞬間に信号が書き込まれ、第2駆動IC193の更新用バッファ195cには、クロック信号SG1の立ち下がりの瞬間に信号が書き込まれる。クロック信号SG1は立ち上がりと立ち下がりを繰り返すため、第1駆動IC194の更新用バッファ194c及び第2駆動IC195の更新用バッファ195cにLED駆動データSDが交互に書き込まれる。予め、更新用バッファ194c用の駆動データと更新用バッファ195c用の駆動データを1ビット単位でずらして交互に並べたLED駆動データSDを用意しておくことで、LED駆動データSDはクロック信号SG1の立ち上がりと立ち下がりに同期して選択的に更新用バッファ194c及び更新用バッファ195cに交互に書き込まれる。
図22はLED駆動データSDの出力タイミングを示すタイミングチャートである。
先ず、t1のタイミングでLED駆動用レジスタ141からデータA7が出力され、t2のタイミングでクロック信号SG1が立ち上がりポジティブエッジトリガ型DフリップフロップにデータA7が書き込まれる。その後、t3のタイミングでLED駆動用レジスタ141から出力されるデータがB7に変わり、t4のタイミングでクロック信号SG1が立ち下がりネガティブエッジトリガ型DフリップフロップにデータB7が書き込まれる。このようにクロック信号の半周期毎にLED駆動用レジスタ141から出力される信号が変化し、クロック信号の立ち上がりの瞬間にポジティブエッジトリガ型のDフリップフロップで構成される更新用バッファ194cのデータ領域D0に、クロック信号の立ち下がりの瞬間にネガティブエッジトリガ型のDフリップフロップで構成される更新用バッファ195cのデータ領域D8に、それぞれ新たな信号が書き込まれる。
そして、t19のクロック信号SG1の立ち上がりのタイミング及びt21のクロック信号SG1の立ち下がりのタイミングにおいて、信号A0及びB0がそれぞれ更新用バッファ194c及び195cのデータ領域D0及びD8に書き込まれた後、t23のタイミングでデータ書き込み信号SG2が立ち上がり、当該データ書き込み信号SG2の立ち上がりに同期して更新用バッファ194c及び195cに保持されていた信号がレジスタ194b及び195bに書き込まれて、当該書き込まれた信号に応じて第1駆動IC194及び第2駆動IC195のOUT端子に接続されているLED173が駆動制御される。
図21に戻り、先ず、第1駆動IC194の場合について説明する。第1駆動IC194の更新用バッファ194cのデータ領域D0にかかるDフリップフロップにデータA7が書き込まれると、当該DフリップフロップのQ端子よりデータA7が出力される。したがって、次回のクロック信号SG1の立ち上がりの瞬間に隣のデータ領域D1にかかるDフリップフロップにデータA7が書き込まれ、データ領域D0にかかるDフリップフロップにはデータA6が書き込まれる。このようにして、データ領域D0にかかるDフリップフロップにデータA0が書き込まれるまで、クロック信号の立ち上がりに同期して、隣のDフリップフロップにLED駆動用レジスタ141から出力されたデータが順次シフトしていく。
また、第2駆動IC195の更新用バッファ195cのデータ領域D8にかかるDフリップフロップにデータB7が書き込まれると、当該Dフリップフロップの出力端子よりデータB7が出力される。したがって、次回のクロック信号の立ち下がりの瞬間に隣のデータ領域D9にかかるDフリップフロップにデータB7が書き込まれ、データ領域D8にかかるDフリップフロップにはデータB6が書き込まれる。このようにして、データ領域D8にかかるDフリップフロップにデータB0が書き込まれるまで、クロック信号の立ち下がりに同期して、隣のDフリップフロップにLED駆動用レジスタ141から出力されたデータが順次シフトしていく。
図23はt22のタイミング(図22)における更新用バッファ194c及び195cのデータ領域D0〜D15に保持されているデータを表すテーブルである。このように、更新用バッファ194cのデータ領域D0〜D7にはA0〜A7のデータが、更新用バッファ195cのデータ領域D8〜D15にはB0〜B7のデータがそれぞれ書き込まれている。この状態において、t23のタイミング(図22)でデータ書き込み信号SG2が立ち上がり、更新用バッファ194c、195cのデータ領域D0〜D15に対応したレジスタ194b、195bのデータ領域D’0〜D’15にA0〜A7、B0〜B7のデータが出力され、当該データに応じて各LED173が駆動制御される。
上述した本実施形態によれば以下の優れた効果を有する。
入力ポート171のDATA端子、CLK端子及びL端子から出る信号線をそれぞれ2つに分岐し、第1駆動IC194及び第2駆動IC195のDATAIN端子、CLK端子及びL端子に接続する構成とした。各信号線の分岐を行う場所は任意である。これにより、基板上のノイズの影響を受けやすい場所を避けて配線を行うなど、配線の自由度を高めることができる。
第1駆動IC194の更新用バッファ194cを構成するDフリップフロップをポジティブエッジトリガ型にし、第2駆動IC195の更新用バッファ195cを構成するDフリップフロップをネガティブエッジトリガ型にした。そして、LED駆動データSDに関して、クロック信号SG1において交互に繰り返される立ち上がりと立ち下がりに対して、立ち上がりの際に更新用バッファ194c用の駆動データが第1駆動IC194に書き込まれるとともに、立ち下がりの際に更新用バッファ195c用の駆動データが第2駆動IC195に書き込まれる構成とした。換言すれば、LED駆動データSDの書き込み完了時に第1駆動IC194に書き込まれているべき駆動データと第2駆動IC195に書き込まれているべき駆動データが存在し、両者が1ビット単位で間をあけて交互に配列される構成とした。これにより、クロック信号SG1の立ち上がりの際には更新用バッファ194cのデータ領域D0にLED駆動データSDが書き込まれるとともに、クロック信号SG1の立ち下がりの際に更新用バッファ195cのデータ領域D8にLED駆動データSDが選択的に書き込まれる。LED駆動データSDがシリアルデータであることから、パラレルデータである場合に比べて信号線の数が少ないシンプルな配線にすることが可能となる。
更新用バッファ194c、195cを構成するDフリップフロップのうち、データ領域D0及びD8にかかるDフリップフロップ以外はデータ端子に直前のDフリップフロップのQ端子から出る信号線を、クロック端子にクロック信号SG1の信号線をそれぞれ接続する構成とした。これにより、更新用バッファ194cにおいてはクロック信号SG1の立ち上がりに際して、更新用バッファ195cにおいてはクロック信号SG1の立ち下がりに際して、D0又はD8に書き込まれた信号が順次下流へシフトする。
データ領域D0〜D15にかかるDフリップフロップに合計16ビット分のデータの書き込みが完了した後にデータ書き込み信号SG2が立ち上げ、レジスタ194b、195bのデータ領域D’0〜D’15にかかるDフリップフロップに合計16ビット分のデータの書き込みを行い、対応するLED173を駆動する構成とした。これにより、16ビット分のLED駆動データSDを同時にレジスタ194b、195bに送ることが可能となり、最大16個のLEDを同時に制御することが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、上記第1の実施形態と異なり、疑似駆動IC192を使用しない。また、データ書き込み信号SG2を伝送する信号線において、第1駆動IC191の上流にポジティブエッジトリガ型Tフリップフロップが配置される。第2駆動IC193はTフリップフロップがネガティブエッジトリガ型である点において第1駆動IC191と異なる。そして、第1の実施形態においては、第1駆動IC191及び第2駆動IC193にデータアウト領域DAが設けられていたが、本実施形態では、データアウト領域DAは設けられていない。また、上記第1の実施形態においては、2つのLED群37a,37bを同時に駆動制御する構成としたが、本実施形態においては第1駆動IC191と第2駆動IC193を交互に駆動する構成とする。
以下、第3の実施形態と第1の実施形態の相違する構成について説明する。上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
第1駆動IC191及び第2駆動IC193はそれぞれ、入力側にDATAIN端子、CLK端子、L端子、VDD端子及びGND端子を有し、出力側に8つのOUT端子を有している。そして、それぞれ6つのOUT端子にはLED173が接続されている。各DATAIN端子には入力ポート171のDATA端子から出た信号線151が2つに分岐して接続されている。各CLK端子には入力ポート171のCLK端子から出た信号線152が2つに分岐して接続されている。各L端子には入力ポート171のL端子から出た信号線153が2つに分岐して接続されている。
第1駆動IC191は更新回路191a及びレジスタ191bを備えている。更新回路191aはデータ領域D0〜D7を備える更新用バッファ191cを備え、レジスタ191bはデータ領域D’0〜D’7及びOUT端子OUT0〜OUT7を備えている。第2駆動IC193は更新回路193a及びレジスタ193bを備えている。更新回路193aはデータ領域D8〜D15を備える更新用バッファ193cを備え、レジスタ193bはデータ領域D’8〜D’15及び出力端子OUT8〜OUT15を備えている。
図24は第1駆動IC191のレジスタ191b及び更新用バッファ191cを構成するDフリップフロップ、Tフリップフロップ及びLED173の配線を説明するための回路図である。第1駆動IC191のレジスタ191bを構成するDフリップフロップの出力端子(Q端子)にはLED173が接続することができる。
入力ポート171のL端子はポジティブエッジトリガ型TフリップフロップのT端子に接続されている。当該TフリップフロップのQ端子は第1駆動IC191のレジスタ191bを構成するDフリップフロップのクロック端子に接続されている。したがって、T端子に入力されるデータ書き込み信号SG2が立ち上がると、データ領域D’0〜D’7のクロック端子に入力されるデータが反転することとなる。例として、初めにデータ領域D’0〜D’7のCLK端子に「0」が入力されている場合について説明する。この場合、最初のデータ書き込み信号SG2の立ち上がりに同期してデータ領域D’0〜D’7に書き込まれるデータが反転する。つまり、データ書き込み信号SG2が立ち上がるとともに、データ領域D’0〜D’7に入力されるデータは「1」となる。その後、データ書き込み信号SG2が立ち下がってもデータ領域D’0〜D’7に入力されるデータは変化しない。次にデータ書き込み信号SG2が立ち上がると、同期してデータ領域D’0〜D’7に入力されるデータは「1」から「0」に変わる。そして、その後にデータ書き込み信号SG2が立ち下がってもデータ領域D’0〜D’7に入力されるデータは変化しない。このように、データ書き込み信号SG2が立ち上がりと立ち下がりを繰り返した場合、データ領域D’0〜D’7に書き込まれるデータは立ち上がりにのみに同期して反転する。したがって、データ書き込み信号SG2の立ち上がり2回に1回の割合でデータ領域D’0〜D’7に書き込まれる信号が立ち上がることになる。また、データ領域D’0〜D’7に書き込まれるデータの立ち上がりに同期してデータ領域D0〜D7に書き込まれているデータがデータ領域D’0〜D’7に書き込まれ、当該データ領域D’0〜D’7にかかるDフリップフロップのQ端子に接続されているLED群37aが駆動制御される。
一方、入力ポート171のL端子はネガティブエッジトリガ型TフリップフロップのT端子に接続されている。当該TフリップフロップのQ端子は第2駆動IC193のレジスタ193bを構成するDフリップフロップのクロック端子に接続されている。図25に第2駆動IC193のレジスタ193b及び更新用バッファ193cを構成するDフリップフロップ、Tフリップフロップ及びLED173の配線を説明するための回路図を示す。TフリップフロップのQ端子から出たデータ線はデータ領域D’8〜D’15のクロック端子に接続されている。したがって、T端子から出力されるデータ書き込み信号SG2が立ち下がると、データ領域D’0〜D’7のクロック端子に入力されるデータが反転することとなる。例として、初めにデータ領域D’8〜D’15に「0」が入力されていた場合について説明する。この場合、最初のデータ書き込み信号SG2の立ち上がってもデータ領域D’8〜D’15に入力されるデータは「0」のままである。その後、データ書き込み信号SG2が立ち下がりに同期してデータ領域D’8〜D’15に入力されるデータが「1」に変化する。この際、データ領域D8〜D15に書き込まれているデータがデータ領域D’8〜D’15に書き込まれる。次にデータ書き込み信号SG2が立ち上がってもデータ領域D’8〜D’15に入力されるデータは「1」のまま変化しない。そして、その後にデータ書き込み信号SG2が立ち下がると、データ領域D’8〜D’15に入力されるデータは「0」に戻る。このように、データ書き込み信号SG2が立ち上がりと立ち下がりを繰り返した場合、データ領域D’8〜D’15に書き込まれるデータは立ち下がりにのみに同期して反転する。したがって、データ書き込み信号SG2の立ち下がり2回に1回の割合でデータ領域D’0〜D’7に書き込まれる信号が立ち上がることになる。また、レジスタ193bを構成するDフリップフロップのクロック端子に書き込まれるデータの立ち上がりに同期してデータ領域D8〜D15に書き込まれているデータがデータ領域D’8〜D’15に書き込まれ、当該データ領域D’8〜D’15にかかるDフリップフロップのQ端子に接続されているLED群37bが駆動制御される。
図26はLED駆動データSDの出力タイミングとデータ書き込み信号SG2の立ち上がり及び立ち下がりのタイミングを示すタイミングチャートである。
先ず、t1のタイミングでLED駆動用レジスタ141からデータA7が出力され、t2のタイミングでクロック信号SG1が立ち上がり、データ領域D0及びデータ領域D8にかかるDフリップフロップにデータA7が書き込まれる。その後、t3のタイミングでLED駆動用レジスタ141から出力されるデータがA6に変わり、t4のタイミングでクロック信号SG1が立ち上がり、データ領域D1及びデータ領域D9にかかるDフリップフロップにデータA7がデータ領域D0及びデータ領域D8にかかるDフリップフロップからシフトする。そして、データ領域D0及びデータ領域D8にかかるDフリップフロップにデータA6が書き込まれる。このように、クロック信号SG1の立ち下がりに同期してLED駆動用レジスタ141から出力されるデータが変化し、クロック信号SG1の立ち上がりに同期して、それまでにDフリップフロップに書き込まれていたデータがシフトするとともにデータ領域D0及びデータ領域D8にかかるDフリップフロップに新たなLED駆動用データが書き込まれる。そして、t7のタイミングでデータ領域D0〜D6及びデータ領域D8〜D14に書き込まれていたデータがデータ領域D1〜D7及びデータ領域D9〜D15にシフトし、データ領域D0及びデータ領域D8にデータA0が書き込まれると、第1駆動IC191においてはデータ領域DxにデータAxが書き込まれた状態となる。一方、第2駆動IC193においてはデータ領域DxにデータA(x−8)が書き込まれた状態となる。t8のタイミングでクロック信号SG1が立ち下がり、t9のタイミングでデータ書き込み信号SG2が立ち上がると、同期して第1駆動IC191のレジスタ191bのデータ領域D’0〜D’7にかかるDフリップフロップのクロック端子に入力されるデータが「0」から「1」に変化する。このため、当該データの立ち上がりに同期して、データ領域D’0〜D’7にデータA0〜A7が書き込まれ、出力端子に接続されているLED群37aが駆動制御される。一方、第2駆動IC193のレジスタ193bのデータ領域D’8〜D’15にかかるDフリップフロップのクロック端子に入力されるデータは「0」のまま変化しないため、データ領域D’8〜D’15にかかるDフリップフロップにはデータの書き込みは行われない。
t10のタイミングでLED駆動用レジスタ141からデータB7が出力され、t11のタイミングでクロック信号SG1が立ち上がり、各データ領域に書き込まれているデータがシフトし、データ領域D0及びデータ領域D8にデータB7が書き込まれる。その後、t12のタイミングでクロック信号SG1の立ち下がりに同期してLED駆動用レジスタ141から出力されるデータがB6に変わり、t13のタイミングでクロック信号SG1の立ち上がりに同期して、各データ領域に書き込まれているデータがシフトし、データ領域D0及びデータ領域D8にデータB6が書き込まれる。このように、クロック信号SG1の立ち下がりに同期してLED駆動用レジスタ141から出力されるデータが変化し、クロック信号SG1の立ち上がりに同期して、それまでにDフリップフロップに書き込まれていたデータがシフトするとともにデータ領域D0及びデータ領域D8にかかるDフリップフロップに新たなLED駆動用データが書き込まれる。そして、t16のタイミングで各データ領域のデータがシフトし、データ領域D0及びデータ領域D8にデータB0が書き込まれると、第1駆動IC191においてはデータ領域DxにデータBxが書き込まれた状態となる。一方、第2駆動IC193においてはデータ領域DxにデータB(x−8)が書き込まれた状態となる。t17のタイミングでクロック信号SG1が立ち下がり、t18のタイミングでデータ書き込み信号SG2が立ち下がると、同期して第2駆動IC193のレジスタ193bのデータ領域D’8〜D’15にかかるDフリップフロップのクロック端子に入力されるデータが「0」から「1」に変化する。このため、当該データの立ち上がりに同期して、データ領域D’8〜D’15にデータB0〜B7が書き込まれ、出力端子に接続されているLED群37bが駆動制御される。一方、第1駆動IC191のレジスタ193bのデータ領域D’0〜D’7にかかるDフリップフロップのクロック端子に入力されるデータは「1」のまま変化しないため、データ領域D’0〜D’7にかかるDフリップフロップにはデータの書き込みは行われない。
その後、t19のタイミングでデータ書き込み信号SG2が立ち上がり、同期してデータ領域D’0〜D’7にかかるDフリップフロップのクロック端子に入力されるデータが「1」から「0」に変化する。一方、D’8〜D’15にかかるDフリップフロップのクロック端子に入力されるデータは「1」のまま変化しない。次に、t20のタイミングでデータ書き込み信号SG2が立ち下がり、同期してデータ領域D’8〜D’15にかかるDフリップフロップのクロック端子に入力されるデータが「1」から「0」に変化する。一方、D’0〜D’7にかかるDフリップフロップのクロック端子に入力されるデータは「0」のまま変化しない。このように、第1駆動IC191、第2駆動IC193の順番に駆動制御した後、データ書き込み信号の立ち上げと立ち下げを1度ずつ行うことで、データ領域D’0〜D’15にかかるDフリップフロップのクロック端子に入力されるデータを共に「0」に戻すことができる。つまり初期状態に戻る。このため、一連の動作の繰り返しにより、第1駆動IC191と第2駆動IC193を交互に駆動制御することができる。
上述した本実施形態によれば以下の優れた効果を有する。
入力ポート171のDATA端子、CLK端子及びL端子から出る信号線をそれぞれ2つに分岐し、第1駆動IC191及び第2駆動IC193のDATAIN端子、CLK端子及びL端子に接続する構成とした。各信号線の分岐を行う場所は任意である。これにより、基板上のノイズの影響を受けやすい場所を避けて配線を行うなど、配線の自由度を高めることができる。
第1駆動IC191について、データ書き込み信号SG2を伝送する分岐後の信号線の上流にポジティブエッジトリガ型Tフリップフロップを配置した。また、第2駆動IC193について、データ書き込み信号SG2を伝送する分岐後の信号線の上流にネガティブエッジトリガ型Tフリップフロップを配置した。そして、第1駆動IC191に書き込まれるべき8ビットのデータを先に送信した後、データ書き込み信号SG2を立ち上げ、第2駆動IC193に書き込まれるべき8ビットのデータを後に送信して、データ書き込み信号SG2を立ち下げる構成とした。これにより、データ書き込み信号SG2の立ち上がりの際にはレジスタ191bのデータ領域D’0〜D’7にLED駆動データSDが書き込まれるとともに、データ書き込み信号SG2の立ち下がりの際にレジスタ193bのデータ領域D’8〜D’15にLED駆動データSDが交互に書き込まれる。LED駆動データSDがシリアルデータであることから、パラレルデータである場合に比べて信号線の数が少ないシンプルな配線にすることが可能となる。
第1駆動IC191と第2駆動IC193の内部構造は同一である。両者はそのデータ書き込み信号SG2を伝送する分岐後のデータ線の上流にTフリップフロップを有する。両者の違いは当該Tフリップフロップがポジティブエッジトリガ型であるか、ネガティブエッジトリガ型であるかである。このように、同一の内部構造を有するLED駆動ICを並べる構成であるため、シンプルで組み立てやすい。
<第4の実施形態>
本実施形態では、上記第1の実施形態と異なり、第1駆動IC191、疑似駆動IC192及び第2駆動IC193の代わりに通信用IC224a,224bを用いる。また、音声ランプ制御装置90の装飾装置用IC220と、通信用IC224a,224bをシリアルクロック線及び双方向のシリアルデータ線の2本で並列に接続する。そして、上記第1の実施形態とは異なり、図柄表示装置31の表示画面Gに演出内容によって開閉する扉228が設けられている。
以下、第4の実施形態と第1の実施形態の相違する構成について説明する。上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図27において、音声ランプ制御装置90内でサブCPU111と装飾装置用IC220は双方向のデータ線で接続されている。音声ランプ制御装置90は中継基板221を介して通信用IC224a,224bと5本の接続線で接続されている。具体的には、接続線Vcc、接続線Vled、接続線SDA、接続線SCL、及び接続線GNDで接続されている。接続線Vccは、中継基板221及び通信用IC224a,224bに電源を供給するための接続線である。接続線Vledは、LED群37a,37bに電源を供給するための接続線である。接続線SDAは、装飾装置用IC220とLED群37a,37bとの間でデータを通信するための双方向の接続線である。接続線SCLは、接続線SDAでのデータ通信に用いられるクロック信号を入出力するための接続線である。接続線GNDは、接続線Vcc及び接続線Vledで供給される電源のグランドである。通信用IC224a,224bは音声ランプ制御装置90の装飾装置用IC220に対して並列接続されている。
LED群37a,37bが接続されている通信用IC224a,224bには、一意なアドレスが予め設定されており、装飾装置駆動データが入力されると、通信用IC224a,224bは入力された装飾装置駆動データに含まれるアドレスと設定されているアドレスとが一致するか否かを判定する。そして、入力された装飾装置駆動データに含まれるアドレスと設定されているアドレスとが一致すると判定した場合には、通信用IC224a,224bは、装飾装置駆動データに基づいて、下流のLED群37a,37bを駆動する。
中継基板221は、装飾装置用IC220と通信用IC224a,224bとのやり取りを中継する基板である。中継基板221は必要な電源を通信用IC224a,224bに供給する。また、装飾装置用IC220が通信を開始したときに、シリアルデータ線を介してアドレス、Read/Write要求(装飾装置用IC220が受信するのか、送信するのかの区別)及び装飾装置駆動データを伝送する。そして中継基板221は、シリアルクロック線を介してクロック信号を伝送する。それを受けた通信用IC224a,224bは、送られてきたアドレスと自己のアドレスが一致する場合に、双方向のシリアルデータ線を介して通信の正否を示す「ACK」データを送り、データを送る(又は受ける)準備をする。これによりシリアルデータ線を独占して装飾装置用IC220との間で1対1のやり取りを始める準備ができる。「ACK」データは装飾装置用IC220が送信したアドレスと自己のアドレスが一致した場合に、通信用IC224a〜224eのいずれかが返信する1ビットのデータである。
通信開始時、装飾装置用IC220はシリアルクロック線の信号が「1」である時にシリアルデータ線の信号を「1」から「0」に変化させる。また、通信終了時、装飾装置用IC220はシリアルクロック線の信号が「1」である時にシリアルデータ線の信号を「0」から「1」に変化させる。通常のデータのやり取りはシリアルクロック線の信号が「0」である場合にシリアルデータ線の信号を変化させるため、通信開始及び通信終了のコンディションと区別することができる。通信用IC224a,224bは音声ランプ制御装置90の装飾装置用IC220に対して並列接続されている。
ここで、装飾装置用IC220が通信用IC224a,224bを介してLED群37a,37bを制御する方法について説明する。
音声ランプ制御装置90は、主制御装置60から入力されたコマンドに基づいて、演出内容を決定する。そして、音声ランプ制御装置90は、決定された演出内容でLED群37a,37bを制御するために、制御対象となる通信用IC224a,224bのアドレスと演出内容を含む装飾装置駆動データを中継基板221に出力する。装飾装置駆動データは、中継基板221を介して音声ランプ制御装置90に接続されている通信用IC224a,224bに対してシリアルデータ線から入力される。
図28は、LED群37aに接続されている通信用IC224a周辺の回路図である。
通信用IC224aは、入力端子としてNC端子、RESET端子、SCL端子、SDA端子、Vcc端子、A0〜A3端子、及びGND端子を備え、出力端子として、PORT0〜PORT15を備える。
NC端子は内部で何も接続されない端子であるので、NC端子には、外部から何も接続されない。RESET端子には、プルアップ抵抗Rを介して通信用IC224aに供給される電源が接続される。したがって、RESET端子に電力が印加されない状態になれば、通信用IC224aは初期状態にリセットされる。
SCL端子にはシリアルクロック線が接続され、SDA端子にはシリアルデータ線が接続される。Vcc端子には、通信用IC224aに供給される電源が接続される。また、Vcc端子には、電源ノイズを除去するバイパスコンデンサが接続される。
A0端子〜A3端子は、通信用IC224aにアドレスを設定するための端子である。通信用IC224aのアドレスは、4ビットで表現され、「1」を示す端子には通信用IC224aの電圧が印加され、「0」を示す端子はグランドしている。したがって、図28に示す通信用IC224aのアドレスは「0100」である。GND端子は、電圧をグランドするための端子である。
各PORT0端子〜PORT6端子は、電流制限抵抗Rを介してLED173に接続される。
装飾装置用IC220によるLED群37a,37bの制御処理について、例として装飾装置用IC220が通信用IC224aと通信する場合の書き込み通信処理について、図29のフローチャートを用いて説明する。装飾装置用IC220にその動作の契機となるクロック信号が入力され、後述する装飾装置用IC220のレジスタR1(図31(b))にサブCPU111から書き込まれたデータが存在し、当該データがLED173を駆動するためのデータである場合に、本書き込み通信処理が行われる。なお、通信用IC224cと装飾装置用IC220の通信処理は、レジスタR1にサブCPU111から書き込まれたデータが役物駆動モータ226a,226bを駆動するためのデータである場合に行われる。当該通信処理は本書き込み通信処理と同様である。
先ず、ステップS501において、装飾装置用IC220はサブCPU111から送られてきたデータに基づいて、スタートコンディションを発行する。これは、通信用IC224a,224bに対して通信シーケンスの始まりを示すためである。具体的には、シリアルクロックSCLが「1」の時にシリアルデータSDAを「1」から「0」に変化させることでスタートコンディションが成立する。次にステップS502にて装飾装置用IC220はサブCPU111から送られてきたデータに基づいて、通信用IC224a,224bにコントロールバイトを送信する。コントロールバイトには2つの通信用IC224a,224bのいずれかのアドレスが含まれており、これを受信した通信用IC224a,224bはそのアドレスが自己のアドレスと一致するか否かを判定する。アドレスが自己のアドレスと一致しなかった場合は、通信用IC224bは待機状態となり、アドレスが自己のアドレスと一致した通信用IC224aのみが装飾装置用ICに対して「ACK」データを送信する。ステップS503にて当該「ACK」データを受信した装飾装置用IC220は、ステップS504にて「ACK」データを送信した通信用IC224aに対して8ビットのLED駆動データSDを送信する。この8ビットのLED駆動データSDを受信し終えた通信用IC224aは再び「ACK」データを送信する。ステップS505にて当該「ACK」データを受信した装飾装置用IC220はステップS506にてストップコンディションを発行する。これは、通信用IC224aに対して通信シーケンスの終わりを示すためである。具体的には、シリアルクロックSCLが「1」の時にシリアルデータSDAを「0」から「1」に変化させる。そして、本書き込み通信処理を終了する。
通信用IC224a,224bについてLED群37a,37bを駆動する場合について説明したが、本実施形態においては、LED173の駆動のみならず、初期位置センサ229及び閉鎖位置センサ230を用いた役物駆動モータ226a,226bの制御も同一の装飾装置用IC220を用いて行うことができる。
図27に示すように、通信用IC224aにはLED群37aが接続されているとともに、通信用IC224bにはLED群37bが接続されている。また、通信用IC224cには役物駆動モータ226a,226bが接続されている。そして、通信用IC224dには初期位置センサ229が接続されているとともに、通信用IC224eには閉鎖位置センサ230が接続されている。
各通信用IC224a〜224eのアドレスは4ビットで表現されるため、16通りのアドレスを選択可能である。したがって、通信用IC224a以外の4つの通信用IC224b〜224eのアドレスは、通信用IC224aで使用されているアドレス「0100」を除く15通りから選択される。そして、4つの通信用IC224b〜224eに対して選択された4つのアドレスは、各通信用IC224b〜224eの4つの端子A00〜A03に関して、端子への電圧の印加又は端子のグランドにより設定される。
通信用IC224b〜224eはアドレスと出力側の接続のみが通信用IC224aと異なる。アドレスは、通信用IC224a〜224eを区別するために互いに異なる。また、通信用IC224a,224bの出力側にはLED群37a,37bが接続されているのに対して、通信用IC224cには2つの役物駆動モータ226a,226bが接続されているとともに、通信用IC224dには初期位置センサ229が接続されており、通信用IC224eには閉鎖位置センサ230が接続されている。
図30に示すように、役物駆動モータ226a,226b、初期位置センサ229及び閉鎖位置センサ230は扉228が開閉する演出のために用いられる。この戸227が初期位置から閉鎖位置に移動する演出は、リーチ表示が行われている状態で、大当たり当選の期待度が高いことを示すために行われる。
扉228は図柄表示装置31の表示画面Gよりも遊技者側に存在する。戸227が初期位置にある場合は表示画面Gの全体が遊技者から見えるようになっており、戸227が閉鎖位置にある場合は表示画面Gよりも遊技者側に閉じた扉228が表示画面Gと重なるように存在するため、遊技者からは閉じた扉228のみが見える状態となる。
具体的には、レールに案内され、左右に戸227がスライドして開閉する引き戸式の自動扉228がある。図30(a)に示されているように、戸227が初期位置にある場合には扉228は開いた状態である。そして、戸227が初期位置にあることを検知する初期位置センサ229が戸の外側寄りの片端を検知している。
役物駆動モータ226a,226bにより、戸227はレールに案内されて扉228中央に向かって移動し、完全に閉まった状態で停止する。このとき、図30(b)に示されているように戸227の中央寄りの片端が、閉鎖位置センサ230により検知される。このような引き戸式の自動扉228の開閉を装飾装置用IC220により行うことが可能である。
役物駆動モータ226a,226b、初期位置センサ229及び閉鎖位置センサ230は通信用IC224c,224d,224eに接続されている。当該通信用IC224c,224d,224eは装飾装置用IC220と中継基板221を介して接続されている。
役物駆動モータ226a,226bは通信用IC224cに接続されている。2つの役物駆動モータ226a,226bは、引き戸式の自動扉228の開閉を行うモータである。当該引き戸式の自動扉228は左右対称に動くため、駆動制御のタイミングは同じである。このため、1つのアドレスを有する通信用IC224cのみで2つの役物駆動モータ226a,226bを制御することができる。
装飾装置用IC220は通信用IC224a〜224eに対してアドレスとWrite要求を送信する。これを受信した通信用IC224cは、アドレスが自己のアドレスと一致している場合に、「ACK」データを返す。通信用IC224cから「ACK」データを受信した装飾装置用IC220は、今度は通信用IC224cのみに対して役物駆動モータ226a,226bを駆動させるためのモータ駆動データを送信する。装飾装置用IC220からモータ駆動データを受信した通信用IC224cは、受信したモータ駆動データに基づいて、役物駆動モータ226a,226bを駆動する。通信用IC224cから受信したデータが「10」の場合には扉228を開くために役物駆動モータ226a,226bを駆動するための電力が供給され、「01」の場合には扉228を閉じるために役物駆動モータ226a,226bを駆動するための電力が供給され、「00」の場合には役物駆動モータ226a,226bを駆動するための電力が供給されない。1度通信用IC224cに書き込まれたデータは、次のモータ駆動データが装飾装置用IC220から送られてくるまでは維持される。したがって、通信用IC224cから受信したデータが「10」又は「01」である場合は、その後、「00」のモータ駆動データを受信するまで、役物駆動モータ226a,226bは回転し続ける。
初期位置センサ229は通信用IC224dと接続されており、閉鎖位置センサ230は通信用IC224eと接続されている。装飾装置用IC220と通信用IC224d,224eは双方向のデータ線で結ばれている。したがって、装飾装置用IC220が2つの通信用IC224d,224eのどちらかのアドレスとRead要求を送信すると、送信されたアドレスを有する通信用IC224が「ACK」データを返し、その後、通信用IC224d,224eは、初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230から得られた情報を装飾装置用IC220に送信する。
図31(a)に示すように、サブCPU111のROM112には複数の装飾装置制御パターンテーブルが記録されている。当該装飾装置制御パターンテーブルには、装飾装置を制御するためのデータと当該装飾装置を制御するためのデータの送信タイミングが記録されている。装飾装置を制御するためのデータには、装飾装置用IC220と通信を行う通信用IC224a〜224eのいずれか1つのアドレス及び当該通信がRead要求であるかWrite要求であるかを示すデータが含まれる。そして、Write要求である場合には、装飾装置用IC220と通信を行う通信用IC224a〜224cのいずれか1つに書き込むデータ(装飾装置制御データ)も記録されている。ここで、Write要求である場合とは、装飾装置がLED群37a,37b又は役物駆動モータ226a,226bである場合である。Read要求である場合とは、装飾装置が初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230である場合である。サブCPU111はROM112から装飾装置制御パターンテーブルの1つを読み出してRAM113に展開する。そして、展開した装飾装置制御パターンテーブルに従って装飾装置制御データを装飾装置用IC220のレジスタに順次書き込む。
具体的には、RAM113に展開された装飾装置制御パターンテーブルに対してポインタが存在し、当該ポインタの位置は更新タイミングとなる度に次の位置へと更新されていく。装飾装置制御パターンテーブルにおいて、更新されて移動した先に装飾装置を制御するためのデータが存在した場合は、サブCPU111が装飾装置用IC220のレジスタのうち、空いているレジスタであり、かつ最も順番の早いレジスタに当該装飾装置を制御するためのデータを書き込む。一方、更新タイミングを迎えてポインタが移動した先に装飾装置制御データが存在しなかった場合には、ポインタはそのまま、次の更新タイミングを待つ。
LED群37a,37bや役物駆動モータ226a,226bを制御するためには、該当する制御データを1度送れば良い。これに対して、初期位置センサ229や閉鎖位置センサ230による監視にはある時間の幅が必要である。この時間の幅は実験値により予め把握されており、(n×T)secである。ここで、nは自然数、TはROM112からRAM113に展開された装飾装置制御パターンテーブルのポインタの更新周期である。例えば、初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230の監視に必要な時間が1secであり、装飾装置制御パターンテーブルのポインタの更新周期が50msecである場合、nは20となる。この場合、装飾装置用IC220には、LED群37a,37b制御用が2個、役物駆動モータ226a,226b制御用が1個、初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230制御用が20個の合計23個のレジスタが用意される。レジスタの数は23個に限られず、(n+3)個以上であれば良い。
ROM112に予め記憶されている装飾装置制御パターンテーブルには、初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230の読み取りを指示するデータがn個の塊で書き込まれている。したがって、当該装飾装置制御パターンテーブルがRAM113に展開された場合、ポインタの位置がn回更新される間、ずっと初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230からの情報の読み取りが続くことになる。LED群37a,37bの制御又は役物駆動モータ226a,226bの制御には1度に1個のレジスタが使用される。これに対して、初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230からの情報を読み取るためには1度にn個のレジスタが使用される。したがって、1度初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230の情報の読み取りが始まると、(n×T)sec間続けて初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230の情報が読み取られることになる。
初期位置センサ229と閉鎖位置センサ230による監視が同時に必要となることはない。このため、図31(b)に示すように、装飾装置用IC220には(n+3)個のレジスタR1〜R(n+3)が存在する。装飾装置用IC220はレジスタR1、R2、R3、…、R(n+3)の順番に書き込まれた装飾装置を制御するためのデータを送信する。
具体的には、装飾装置用IC220は先ず、レジスタR1に書き込まれたアドレスとRead要求又はWrite要求を表すデータを通信用IC224a〜224eに送信する。そして、通信用IC224a〜224eのいずれか1つから「ACK」データを受信する。装飾装置用IC220が送信したデータがRead要求を表すものであった場合には、通信用IC224d,224eのうちどちらか1つからの情報を受信し、「ACK」データを返す。また、装飾装置用IC220が送信したデータがWrite要求を表すものであった場合には、通信用IC224a〜224cのうちいずれか1つに装飾装置制御データを書き込み、「ACK」データを受信する。
その後、レジスタR2〜レジスタR(n+3)については、レジスタRxに書き込まれていた装飾装置を駆動するためのデータがR(x−1)にシフトする。装飾装置用IC220はこの作業を、レジスタR1〜R(n+3)が空になるまで繰り返す。レジスタR1〜R(n+3)が空になった状態において、再びサブCPU111から装飾装置を制御するためのデータが書き込まれた場合は、レジスタR1〜R(n+3)が空になるまで当該作業を再開して繰り返す。
これとは別に、初期位置センサ229及び閉鎖位置センサ230の検出した信号を記憶する1ビットのレジスタR(n+4),R(n+5)が各センサについて1つずつ、合計2つ設けられている。サブCPU111は装飾装置駆動データを格納する4つのレジスタにアドレス付きのデータを送信し、初期位置センサ229及び閉鎖位置センサ230の検出した信号を記憶するレジスタR(n+4),R(n+5)から各センサの検出した信号を読み取ることができる。
図32を用いて、2msec周期で行われる音声ランプ制御処理について説明する。
ステップS601にて変動用コマンドを受信したか否かについて判定する。受信した場合にはステップS602にてROM112に記憶されている装飾装置駆動パターンテーブルをRAM113に展開する。装飾装置制御パターンテーブルとは、メイン表示部33の変動表示が開始されてからの期間の情報に対して装飾装置を制御するためのデータを1対1に対応させて設定されたテーブルである。つまり、装飾装置制御データを送信するタイミング、アドレス、Read要求又はWrite要求を表すデータ、及び装飾装置制御データが示されたテーブルである。
ステップS601にて否定判定をした場合には、ステップS603に進み、変動中であるか否かを判定する。変動中であれば、ステップS604にてLED駆動タイミングであるか否かを判定する。LED群37a又はLED群37bの駆動タイミングであれば、ステップS605にてLED駆動データを、装飾装置用IC220の空いているレジスタのうち、最も順番の早いレジスタに送信する。
また、ステップS604にて否定判定をした場合には、ステップS606に進み、扉228の開放タイミングであるか否かを判定する。扉228の開放タイミングであった場合は、ステップS607にて扉228の開放処理を行う。
一方、ステップS606にて否定判定をした場合には、ステップS608に進み、扉228の閉鎖タイミングであるか否かを判定する。扉228の閉鎖タイミングである場合にはステップS609にて扉228の閉鎖処理を行う。
ステップS602にて装飾装置駆動パターンテーブルを設定した後、ステップS603にて否定判定をした後、ステップS605にてLED駆動データを送信した後、ステップS607にて扉228の開放処理をした後、ステップS608にて否定判定をした後、及びステップS609にて扉228の閉鎖処理をした後は、ステップS610に進み、スピーカ部55の制御及び表示制御装置100の制御にかかるその他の処理を行い、本音声ランプ制御処理を終了する。
次に、図33を用いて、ステップS607(図32)の扉228の開放処理について説明する。
先ず、ステップS701で初期位置センサ読取中フラグが格納されているか否かを判定する。初期位置センサ読取中フラグは本扉228の開放処理のステップS709において格納される。初期位置センサ読取中フラグは通信用IC224dから装飾装置用IC220に初期位置センサ229のデータが送られている状態を示すフラグである。ステップS701にて否定判定をした場合は、ステップS702に進み、開放途中フラグの有無を判定する。開放途中フラグは本扉228の開放処理のステップS705において格納される。開放途中フラグは役物駆動モータ226a,226bが駆動して、扉228が開いている途中であることを示すフラグである。ステップS702で否定判定をした場合は、ステップS703に進み、扉228の開放タイミングであるか否かを判定する。これは、RAM113に展開された装飾装置制御パターンテーブルを参照して行われる。具体的には、テーブル上のポインタの位置が役物駆動モータ226a,226bを制御するためのデータと同じ位置にある場合に、扉228の開放タイミングであると判定する。ステップS703にて肯定判定をした場合は、ステップS704にて、装飾装置制御パターンテーブルを参照して役物駆動モータ226a,226bを駆動するためのモータ駆動データを装飾装置用IC220のレジスタR1〜R(n+3)のうち、空いていて、最も順番の早いものに送信し、ステップS705にて開放途中フラグを格納する。
ステップS702にて肯定判定をした場合及びステップS705にて開放途中フラグを格納した場合には、ステップS706に進み、初期位置センサ229の読取開始タイミングであるか否かを判定する。初期位置センサ229の読み取りが必要となる時間は予め実験によって把握されている。そして、その時間に対応させて読取開始タイミングが装飾装置制御パターンテーブルに記録されている。ステップS706にて肯定判定をした場合には、ステップS707に進み、初期位置センサ229の読取要求データを装飾装置用IC220のレジスタに送信する。具体的には、RAM113に展開されている装飾装置制御パターンテーブルを参照し、通信用IC224dのアドレス及びRead要求を表すデータを装飾装置用IC220のレジスタに送信する。
その後、ステップS708に進み、開放途中フラグのリセットを行った後、ステップS709にて初期位置センサ読取中フラグを格納する。ステップS701にて肯定判定をした場合及びステップS709にて初期位置センサ読取中フラグを格納した場合は、ステップS710に進み、初期位置センサ229がONであるか否かを判定する。具体的には、サブCPU111は装飾装置用IC220のレジスタR(n+4)に書き込まれたデータを読み、初期位置センサ229がONであるか否かを判定する。ステップS710にて、初期位置センサ229がONであった場合には、ステップS711にて初期位置センサ229の読取中フラグをリセットし、ステップS712にて役物駆動モータ226a,226bを停止するためのデータを装飾装置用IC220のレジスタR1に送信する。装飾装置用IC220は(n+3)個あるレジスタにおいて、R1に書き込まれているデータから順番に処理を行う。このため、初期位置センサ229がONになると、役物駆動モータ226a,226bの停止処理は初期位置センサの読み取り中においても優先して実施される。ステップS703、ステップS706、ステップS710にて否定判定をした場合及びステップS712にて役物駆動モータ226a,226bを停止するためのデータを送信した後、本扉228の開放処理を終了する。
次に、図34を用いて、ステップS609(図32)の扉228の閉鎖処理について説明する。
先ず、ステップS801で閉鎖位置センサ読取中フラグが格納されているか否かを判定する。閉鎖位置センサ読取中フラグは本扉228の閉鎖処理のステップS809において格納される。閉鎖位置センサ読取中フラグは通信用IC224eから装飾装置用IC220に閉鎖位置センサ230のデータが送られている状態を示すフラグである。ステップS801にて否定判定をした場合は、ステップS802に進み、閉鎖途中フラグの有無を判定する。閉鎖途中フラグは本扉228の閉鎖処理のステップS805において格納される。閉鎖途中フラグは役物駆動モータ226a,226bが駆動して、扉228が閉じている途中であることを示すフラグである。ステップS802で否定判定をした場合は、ステップS803に進み、扉228の閉鎖タイミングであるか否かを判定する。これは、RAM113に展開された装飾装置制御パターンテーブルを参照して行われる。具体的には、テーブル上のポインタの位置が役物駆動モータ226a,226bを制御するためのデータと同じ位置にある場合に、扉228の閉鎖タイミングであると判定する。ステップS803にて肯定判定をした場合は、ステップS804にて、装飾装置制御パターンテーブルを参照して役物駆動モータ226a,226bを駆動するためのモータ駆動データを装飾装置用IC220のレジスタR1〜R(n+3)のうち、空いていて、最も順番の早いものに送信し、ステップS805にて閉鎖途中フラグを格納する。
ステップS802にて肯定判定をした場合及びステップS805にて閉鎖途中フラグを格納した場合には、ステップS806に進み、閉鎖位置センサ230の読取開始タイミングであるか否かを判定する。閉鎖位置センサ230の読み取りが必要となる時間は予め実験によって把握されている。そして、その時間に対応させて読取開始タイミングが装飾装置制御パターンテーブルに記録されている。ステップS806にて肯定判定をした場合には、ステップS807に進み、閉鎖位置センサ230の読取要求データを装飾装置用IC220のレジスタR1〜R(n+3)のうち、空いていて、最も順番の早いものに送信する。具体的には、RAM113に展開されている装飾装置制御パターンテーブルを参照し、通信用IC224eのアドレス及びRead要求を表すデータを装飾装置用IC220のレジスタに送信する。
その後、ステップS808に進み、閉鎖途中フラグのリセットを行った後、ステップS809にて閉鎖位置センサ読取中フラグを格納する。ステップS801にて肯定判定をした場合及びステップS809にて閉鎖位置センサ読取中フラグを格納した場合は、ステップS810に進み、閉鎖位置センサ230がONであるか否かを判定する。具体的には、サブCPU111は装飾装置用IC220のレジスタに書き込まれたデータを読み、閉鎖位置センサ230がONであるか否かを判定する。ステップS810にて、閉鎖位置センサ230がONであった場合には、ステップS811にて閉鎖位置センサ230の読取中フラグをリセットし、ステップS812にて役物駆動モータ226a,226bを停止するためのデータを装飾装置用IC220のレジスタR1に送信する。装飾装置用IC220は(n+3)個あるレジスタにおいて、R1に書き込まれているデータから順番に処理を行う。このため、閉鎖位置センサ230がONになると、役物駆動モータ226a,226bの停止処理は閉鎖位置センサの読み取り中においても優先して実施される。ステップS803、ステップS806、ステップS810にて否定判定をした場合及びステップS812にて役物駆動モータ226a,226bを停止するためのデータを送信した後、本扉228の閉鎖処理を終了する。
ここで図35を用いて、通信用IC224d,224eと装飾装置用IC220の通信処理について説明する。上述のように、サブCPU111のRAM113に展開された装飾装置制御パターンテーブルに基づいて、装飾装置用IC220のレジスタR1〜R(n+3)に通信用IC224a〜224eのアドレスと装飾装置制御データが書き込まれる。装飾装置用IC220は、その動作の契機となるクロック信号が入力され、当該タイミングにおいてレジスタR1にサブCPU111から書き込まれたデータが存在し、当該データが初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230からのデータを読み取るためのデータである場合に、本読み取り通信処理が行われる。
先ず、装飾装置用IC220はステップS901にて、スタートコンディションを発行する。その後、ステップS902にて、コントロールバイトを送信する。このとき、通信用IC224d,224eに対しては、初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230の情報を送信するように要求するため、Read要求を表すデータを、初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230のアドレスとともに送信する。その後、ステップS903にて通信用IC224d,224eから「ACK」データを受信し、ステップS904にて、初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230の情報を通信用IC224d,224eから受信する。
ステップS905にて、当該データを受信したことを示す「ACK」データを通信用IC224d,224eに送信し、ステップS906でストップコンディションを発行して本読み取り通信処理を終了する。
ここで、パチンコ機10では遊技盤20に、図2に示すように、異常検知手段として、振動検知センサ251が設けられている。振動検知センサ251は、遊技盤20の背面側に設置されている。想定される不正行為として、前扉枠14を叩く等してパチンコ機10に振動を与えることにより、遊技球を強引に上作動口23、下作動口24に入れようとする行為が考えられる。これに対して、振動検知センサ251が設けられていることにより、上記振動を与える不正行為が行われた場合に、それを検知することが可能となる。振動検知センサ251は不正検知用IC250と電気的に接続されており、当該不正検知用IC250はバス240を介して音声ランプ制御装置90のサブCPU111と電気的に接続されている。そして、振動検知センサ251の検知結果は不正検知用IC250を介してサブCPU111に入力される。なお、振動検知センサ251の配置位置は上記のものに限定されることはなく、前扉枠14又は裏パックユニットに振動検知センサ251を配置してもよい。
次に不正監視処理について、図36のフローチャートを用いて説明する。
不正監視処理では、ステップS1001にて、振動検知センサ251がONとなっているか否かを判定する。具体的には、振動検知センサ251から振動を検知した旨の検知信号を入力しているか否かを判定する。ステップS1001にて否定判定をした場合は、そのまま本不正監視処理を終了する。
振動検知センサ251がONとなっている場合、パチンコ機10に振動を与えることにより、遊技球を強引に上作動口23、下作動口24に入れさせようとする行為が行われていることを意味する。したがって、ステップS1002に進み、音声ランプ制御装置90は異常報知処理を実行する。異常報知処理とは、遊技ホールの管理者等にエラーの発生を報知するための処理である。具体的には、表示ランプ部54を所定の態様で点灯させる。なお、異常報知処理の態様は、これに限定されることはなく、例えば、スピーカ部55から所定の報知音又は報知音声を出力する構成としてもよい。
前扉枠14を叩く等して遊技球を強引に上作動口23、下作動口24に入れようとする不正は常に起こり得る。したがって、振動検知センサ251は常時監視が必要なセンサである。一方、パチンコ機10では、LED群37a,37bと役物駆動モータ226a,226b及び閉鎖位置センサ230の組合せのように最大4つの装飾装置駆動データの更新が同時期に起こり得る。この場合も、レジスタR1に書き込まれた装飾装置駆動データから順に通信用IC224a〜224eに送信されることとなる。このため、レジスタR2〜R(n+3)に書き込まれた装飾装置駆動データの送信が若干遅れることがある。このため、振動検知センサ251のように常時監視を必要とし、処理の遅れが許されないセンサは別経路でサブCPU111と接続されている。
上述した本実施形態によれば以下の優れた効果を有する。
装飾装置用IC220と通信用IC224a〜224eを双方向のシリアルデータ線とシリアルクロック線の2本で接続し、アドレスを指定して装飾装置駆動データを送信する構成とした。これにより装飾装置用IC220は、通信用IC224a〜224eの「ACK」データを受信後、必要な箇所に必要な分のデータ送信、又は必要な箇所から必要な分のデータ受信が可能となる。また、配線を簡素化することが可能となる。この結果、配線の接続構成が複雑化することによるノイズの影響を軽減することが可能である。
本実施形態においては、装飾装置(LED群37a,37b、役物駆動モータ226a,226b、初期位置センサ229、閉鎖位置センサ230)を制御する中継基板を設け、装飾装置用IC220と中継基板との間を2本の配線で接続した。これにより、装飾装置用IC220に接続される配線の数が減少し、低コスト化につながる。
また、本実施形態においては、シリアルデータ線とシリアルクロック線を任意の箇所で分岐することが可能である。したがって、装飾装置222aと装飾装置222bが離れた位置に固定されている場合に、ノイズの影響を受けやすい箇所を避けて配線することが可能である。
左右対称の動きをする扉228を動かす役物駆動モータ226a,226bを1つの通信用IC224cに接続する構成とした。これにより、役物駆動モータ226a,226bを同時に作動させる場合、1つのアドレスを指定して1つの通信用IC224cと通信することで、役物駆動モータ226a,226bを同時に作動させることが可能となる。
LED群37a,37b、役物駆動モータ226a,226b、初期位置センサ229及び閉鎖位置センサ230を1つの装飾装置用IC220で駆動制御する構成とした一方、不正監視用の振動検知センサ251を別経路でサブCPU111と接続する構成とした。これにより、装飾装置用IC220の(n+3)個のレジスタR1〜R(n+3)が埋まるような状態であっても、常に不正監視の振動検知センサ251が有効である。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)上記第1の実施形態においては、LED173の駆動制御のみを行う構成としたが、これに限らず、例えば役物駆動モータ226の制御を行っても良い。
(2)上記第1の実施形態においては、当選告知用発光体37が12個のLED173とカバーからなり、当該12個のLED173のみを第1駆動IC191及び第2駆動IC193により駆動する構成とした。そして、サブCPU111が一連のシリアルコマンドを第1駆動IC191及び第2駆動IC193に送る構成とした。しかし、第1駆動IC191及び第2駆動IC193で駆動するLED173は当選告知用発光体37を構成するLED173のみに限られない。当選告知用発光体37を構成するLED173と他の装飾用LED173を同じ一連のシリアルコマンドにより駆動する構成としても良い。他の装飾用LED173として、例えば、当選の期待度を示すLED173をパチンコ機10の前扉枠14に設けても良い。
例えば、当選告知用発光体37を構成するLED173の数を6個に減らし、第1駆動IC191を用いて当選告知用発光体37を構成する6個のLED173を駆動し、疑似駆動IC192に接続された第2駆動IC193を用いて他の装飾用LED173を駆動する構成としても良い。
サブCPU111から駆動IC191,193まで、シリアルコマンドを伝送するデータ線の経路長が長いほどノイズが乗る可能性が高くなる。入力ポート171のDATA端子とDATAIN端子が直接接続される第1駆動IC191と、入力ポートのDATA端子とDATAIN端子の間に疑似駆動IC192が存在する第2駆動IC193では、データ線の経路長が短い第1駆動IC191の方がノイズの影響を受けにくい。当該第1駆動IC191に、遊技者の関心が高い当選告知用発光体37を構成するLED173を接続することで、ノイズにより遊技者に誤解を与える可能性を低減することが可能となる。
(3)上記第1の実施形態においては、当選告知用発光体37が12個のLED173とカバーからなり、当該12個のLED173のみを第1駆動IC191及び第2駆動IC193により駆動する構成とした。そして、サブCPU111が一連のシリアルコマンドを第1駆動IC191及び第2駆動IC193に送る構成とした。しかし、第1駆動IC191及び第2駆動IC193で駆動するLED173は当選告知用発光体37を構成するLED173のみに限られない。異常を報知するための発光体と演出用の発光体を同じ一連のシリアルコマンドにより駆動する構成としても良い。
例えば、異常を報知するための発光体の駆動を第1駆動IC191により行い、演出用の発光体の駆動を疑似駆動IC192に接続された第2駆動IC193により行っても良い。
サブCPU111から駆動IC191,193まで、シリアルコマンドを伝送するデータ線の経路長が長いほどノイズが乗る可能性が高くなる。入力ポート171のDATA端子とDATAIN端子が直接接続される第1駆動IC191と、入力ポートのDATA端子とDATAIN端子の間に疑似駆動IC192が存在する第2駆動IC193では、データ線の経路長が短い第1駆動IC191の方がノイズの影響を受けにくい。当該第1駆動IC191に、異常を報知する発光体を接続することで、ノイズにより遊技者に誤解を与える可能性を低減することが可能となる。
(4)上記第1の実施形態においては、第1駆動IC191と第2駆動IC193の2つの駆動ICのみを使用したが、これに限らず、多数の駆動ICをLED駆動データSDに関して並列接続して使用することが可能である。
例えば、3つの駆動ICを使用する場合において、3つの駆動ICそれぞれに異なる発光態様を求める場合には、3番目の駆動ICの上流に2つの疑似駆動IC192を配置する必要がある。
このように、n番目の駆動ICの上流にn−1個の駆動ICを配置することにより、すべての駆動ICが異なる発光態様でLEDを駆動させることができる。
(5)上記第1の実施形態においては、すべての駆動IC191,193が異なる発光態様となるように駆動IC191,193と疑似駆動IC192を組み合わせたが、これに限らず、複数の駆動ICが同じ発光態様となるように組み合わせを行っても良い。この場合、同じ発光態様とする駆動ICの上流には同じ数の疑似駆動IC192を配置する必要がある。
(6)上記第1の実施形態においては、第1駆動IC191と第2駆動IC193をLED駆動データSDに関して並列の関係においたが、これに限らず、複数の駆動ICを使用する場合に、並列接続と直列接続を組み合わせて用いても良い。例えば、上記第1の実施形態において、第2駆動IC193のDATAOUT端子を更に別の新たなLED駆動ICのDATAIN端子に接続しても良い。
(7)上記第1の実施形態においては、第1駆動IC191と第2駆動IC193に書き込むLED駆動データSDに時間的なずれを生じさせ、第1駆動IC191と第2駆動IC193に異なるデータを書き込むために第1駆動IC191及び第2駆動IC193と同じ内部構成を有する疑似駆動IC192を用いた。しかし、第1駆動IC191と第2駆動IC193に書き込むLED駆動データSDに時間的なずれを生じさせる方法はこれに限らず、第1駆動IC191及び第2駆動IC193と異なる内部構成を有するデータ格納手段を用いても良い。具体的には、第1実施形態における疑似駆動IC192において、レジスタ192bを除き、更新用バッファ192cを残す構成としても良い。この場合も、疑似駆動IC192を用いた場合と同様に、LED駆動データSDは更新用バッファ192cのデータ領域D8〜DAを通過した後、第2駆動ICに書き込まれる。このため、第1駆動IC191と第2駆動IC193に書き込むLED駆動データSDに時間的なずれが生じ、異なるデータを書き込むことができる。
(8)上記第1の実施形態においては、第1駆動IC191と疑似駆動IC192及び第2駆動IC193が同一基板上に存在する構成としたが、これに限らず、第1駆動IC191と疑似駆動IC192及び第2駆動IC193が別基板に存在しても良い。
(9)上記第2の実施形態においては、第1駆動IC191及び第2駆動IC193の2つのLED駆動ICに接続されたLED群37a,37bを駆動する構成としたが、これに限らず、3つ以上のLED群37a,37b,…を駆動する構成としても良い。この場合、図37に示すようにクロック信号の信号線を、先ず、TフリップフロップのT端子に接続し、出力端子(Q端子)から出る信号をクロック信号(A)とする。また、当該Tフリップフロップの出力端子(Q端子)から出る信号をネガティブエッジトリガ型のDフリップフロップのD端子に入力し、当該Dフリップフロップのクロック端子に元のクロック信号を入力し、当該Dフリップフロップの出力端子(Q端子)から出る信号をクロック信号(B)とする。
図38に示すようにクロック信号(A)及びクロック信号(B)の1周期は元のクロック信号の1周期の2倍になる。また、クロック信号(A)とクロック信号(B)は、元のクロック信号の半周期分ずれている。したがって、クロック信号(A)が立ち上がってから元のクロック信号の半周期分遅れてクロック信号(B)が立ち上がり、元のクロック信号の半周期分遅れてクロック信号(A)が立ち下がり、元のクロック信号の半周期分遅れてクロック信号(B)が立ち下がる。その後、元のクロック信号の半周期分遅れて再びクロック信号(A)が立ち上がり、同様の立ち上がり、立ち下がりが繰り返される。
クロック信号(A)について、ポジティブエッジトリガ型のDフリップフロップで構成される更新用バッファとネガティブエッジトリガ型のDフリップフロップで構成される更新用バッファの2種類を用意し、同様にクロック信号(B)についても、2種類の更新用バッファを用意することで、合計4種類の更新用バッファを用意することができる。
これに対して、Ax,Bx,Cx,Ex,A(x―1),B(x―1),C(x―1),E(x―1),…の順番に、x=7として、A(x−7),B(x−7),C(x−7),E(x−7)まで4種類のLED駆動データSDを送信することで、図39のテーブルに示すように更新用バッファAのデータ領域D0〜D7にはA0〜A7、更新用バッファBのデータ領域D8〜D15にはB0〜B7、更新用バッファCのデータ領域D16〜D23にはC0〜C7、更新用バッファEのデータ領域D24〜D31にはE0〜E7のデータがそれぞれ書き込まれる。この後、データ書き込み信号を送信することで、4種類のLED駆動ICを制御することができる。
(10)上記第3の実施形態においては、入力ポート171のL端子とポジティブエッジトリガ型のTフリップフロップのT端子を接続し、当該TフリップフロップのQ端子と第1駆動IC191のレジスタ191bを構成するDフリップフロップのクロック端子とを接続し、入力ポート171のL端子とネガティブエッジトリガ型のTフリップフロップのT端子を接続し、当該TフリップフロップのQ端子と第2駆動IC193のレジスタ193bを構成するDフリップフロップのクロック端子とを接続した。しかし、これに限らず、入力ポート171のL端子と第1駆動IC191のレジスタ191bを構成するDフリップフロップのクロック端子を接続し、入力ポート171のL端子と第2駆動IC193のレジスタ193bを構成するDフリップフロップのクロック端子の間に反転回路を接続する構成としても良い。この場合、第2駆動IC193のレジスタ193bにデータが書き込まれた後、データの書き込みとは関係なくデータ書き込み信号SG2を立ち上げて、立ち下げる必要がなくなる。
具体的には、第3の実施形態と同様にA7〜A0のLED駆動データSDを送信した後、データ書き込み信号SG2を立ち上げると、第1駆動IC191のレジスタ191bを構成するDフリップフロップのクロック端子に書き込まれるデータは「0」から「1」に立ち上がる。一方、第2駆動IC193のレジスタ193bを構成するDフリップフロップのクロック端子に書き込まれるデータは「1」から「0」に立ち下がる。このため、第1駆動IC191のレジスタ191bのみにA7〜A0のデータが書き込まれる。その後、B7〜B0のLED駆動データSDを送信し、データ書き込み信号SG2を立ち下げると、第1駆動IC191のレジスタ191bを構成するDフリップフロップのクロック端子に書き込まれるデータは「1」から「0」に立ち下がる。一方、第2駆動IC193のレジスタ193bを構成するDフリップフロップのクロック端子に書き込まれるデータは「0」から「1」に立ち上がる。このため、第2駆動IC193のレジスタ193bのみにB7〜B0のデータが書き込まれる。
一連の書き込みが終わると、第1駆動IC191のレジスタ191bを構成するDフリップフロップ及び第2駆動IC193のレジスタ193bを構成するDフリップフロップのクロック端子に書き込まれるデータは初期状態に戻る。このため、間にデータ書き込み信号SG2の立ち上げや立ち下げを行うことなく次にLED駆動データSDの書き込みを行うことができる。
(11)上記第4の実施形態においては、初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230による監視期間を予め定められた時間確保するために、装飾装置制御パターンテーブルに初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230の読み取りを指示するデータをn個の塊で記憶させる構成としたが、監視期間を一定とする方法はこれに限られない。装飾装置用IC220がコントロールバイトを送信する際にRead要求と送信した場合、予め定められた監視期間に相当するタイマを起動し、監視期間が終了するまで、装飾装置用IC220は次の通信を行わない構成としても良い。そして、初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230がONになった場合のみ、役物駆動モータ226a,226bを停止するための処理を行う構成とする。この場合も、LED群37a,37b及び役物駆動モータ226a,226bの駆動に関する通信に邪魔されることなく、予め定められた時間、初期位置センサ229又は閉鎖位置センサからのデータの読み取りのみが行われる。
(12)上記第4の実施形態においては、1つの装飾装置用IC220と5つの通信用IC224a〜224eとが通信を行う構成としたが、これに限らず、複数の装飾装置用IC220と5つの通信用ICとが通信を行う構成としても良い。例えば、通信用IC224a〜224cと通信を行う第1装飾装置用ICと、通信用IC224d,224eと通信を行う第2装飾装置用ICを用意しても良い。この場合、初期位置センサ229からのデータの読み込みと閉鎖位置センサ230からのデータの読み込みが同時期に起こることはないため、第2装飾装置用ICは予め定められた時間、初期位置センサ229又は閉鎖位置センサ230からのデータの読み取りを連続して行うことができる。この間、並行して、第1装飾装置用ICがLED群37a,37b又は役物駆動モータ226a,226bにデータを送信することも可能である。
(13)上記第4の実施形態においては、LED群37aを通信用IC224aに接続するとともに、LED群37bを通信用IC224bに接続する構成とした。また、2つの役物駆動モータ226a,226bを1つの通信用IC224cに接続する構成とした。これに限らず、LED群37aと役物駆動モータ226aを1つの通信用IC224aに接続するとともに、LED群37bと役物駆動モータ226bを1つの通信用IC224bに接続する構成としても良い。このように、各通信用IC224a,224bの出力端子のうち、LED群37a,37bと接続されていない出力端子に接続することで、通信用IC224a〜224eの数を減らすことができる。また、各通信用IC224a〜224eに接続する装飾装置の組合せの自由度が増す。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.素子(LED173)を駆動させる所定素子駆動手段(第1駆動IC191)と、
前記所定素子駆動手段と電気的に接続され、配線を介して所定の駆動データ(LED駆動データSD)を前記所定素子駆動手段に対して出力することにより素子を制御する素子制御手段(音声ランプ制御装置90における音声ランプ制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定素子駆動手段が、前記素子制御手段から前記駆動データが入力された場合に前記駆動データに対応した態様で素子を駆動させる遊技機において、
駆動対象が存在しないデータ格納手段(疑似駆動IC192)を備え、前記データ格納手段を通過したデータが前記データ格納手段に対して電気的に接続された前記所定素子駆動手段に供給されることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、データ格納手段を通過した駆動データが素子駆動手段に供給されるため、素子制御手段が複数の素子駆動手段のそれぞれに対応する駆動データを一連のデータとしてまとめて出力する構成であったとしても、データ格納手段の存在によって各素子駆動手段に供給されるデータ範囲にずれを生じさせることが可能となる。よって、各素子駆動手段のそれぞれに向けて一連のデータを同時に供給する構成であったとしても、各素子駆動手段のそれぞれに対して対応する駆動データを供給することが可能となり、駆動データの供給を適切に行うようにしながらノイズの影響を低減することが可能となる。
特徴A2.前記駆動対象が存在しないデータ格納手段として、出力端子の一部が前記所定素子駆動手段の入力端子と接続されており、その他の出力端子が全てオープンである素子駆動手段を用いたことを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、駆動対象が存在しないデータ格納手段の内部構成が実際に素子を駆動する素子駆動手段と同じであるため、素子駆動手段を組み合わせるだけで複数の素子の駆動制御が可能となる。このため、組み立てが容易である。
特徴A3.前記データ格納手段は、前記所定素子駆動手段と同一の構造の素子駆動手段であることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、同一の素子駆動手段を並べるだけで、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A4.前記素子制御手段からの駆動データの供給経路において、駆動対象が存在する素子駆動手段が前記データ格納手段の上流側及び前記所定素子駆動手段の下流側に存在していないことを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、駆動対象が存在する素子駆動手段の上流にも下流にも駆動対象が存在する素子駆動手段が存在しない。このため、ノイズが複数の素子駆動手段に対してまとめて発生するという事象が発生しづらくなる。
特徴A5.前記所定素子駆動手段とは別に、素子を駆動させる特定素子駆動手段(第2駆動IC193)を備え、
前記素子制御手段は、前記データ格納手段及び前記所定素子駆動手段を含む所定制御対象と、前記特定素子駆動手段を含む特定制御対象とのそれぞれに同一の駆動データを供給し、
駆動対象が存在しないデータ格納手段が前記特定制御対象に存在しない又は駆動対象が存在しないデータ格納手段の数が前記特定制御対象は前記所定制御対象よりも少ないことにより、所定タイミングにおいて前記所定制御対象の前記データ格納手段に格納されているデータと前記特定素子駆動手段に供給されているデータとが同一となることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、駆動対象が存在しないデータ格納手段の数が、所定制御対象と特定制御対象との間で異なるため、素子制御手段から同一の駆動データを供給しても、所定制御対象と特定制御対象に供給されるデータ範囲にずれを生じさせることが可能となる。これにより、所定制御対象と特定制御対象を同一の駆動データにより異なる態様で駆動することが可能となる。
特徴A6.前記所定制御対象には、前記素子制御手段からの駆動データの供給経路において、駆動対象が存在する素子駆動手段が前記データ格納手段の上流側及び前記所定素子駆動手段の下流側に存在しておらず、
前記特定制御対象には、前記素子制御手段からの駆動データの供給経路において、駆動対象が存在する素子駆動手段が前記特定素子駆動手段の上流側及び下流側に存在していないことを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、いずれの制御対象においても、駆動対象が存在する素子駆動手段は1つしか存在しないため、ノイズの影響が低減される。
特徴A7.前記所定素子駆動手段及び前記特定素子駆動手段に供給されている駆動データを各素子駆動手段において素子の駆動用として利用する契機を提供するための利用契機信号(データ書き込み信号SG2)を、前記所定素子駆動手段及び前記特定素子駆動手段に同時又は略同時に供給する利用契機供給手段を備えていることを特徴とする特徴A5又はA6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、所定素子駆動手段及び特定素子駆動手段に同時又は略同時に利用契機信号が供給されるため、所定素子駆動手段及び特定素子駆動手段において素子を駆動するタイミングを同時又は略同時にできる。
特徴A8.前記所定素子駆動手段及び前記特定素子駆動手段において駆動データの取得契機を提供するための取得契機信号(クロック信号SG1)を、前記所定素子駆動手段及び前記特定素子駆動手段に同時又は略同時に供給する取得契機供給手段を備えていることを特徴とする特徴A5乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、所定素子駆動手段及び特定素子駆動手段に同時又は略同時に取得契機信号が供給される。したがって、所定素子駆動手段と特定素子駆動手段に供給される駆動データのデータ範囲にずれが生じている状態で、同時又は略同時にデータの取得が行われ、異なる態様で所定素子駆動手段と特定素子駆動手段を制御することが可能となる。
特徴A9.前記素子駆動手段及び駆動対象が存在しない前記データ格納手段は、
予め定められた取得タイミングとなる度に前記素子制御手段が出力する素子駆動データを取得するとともに、取得された前記素子駆動データを予め定められた記憶領域に設定する駆動データ取得部(DATAIN端子)と、
予め定められた送信タイミングとなる度に前記記憶領域に記憶されている前記素子駆動データを送信する駆動データ送信部(DATAOUT端子)と、
を備え、
前記取得タイミングと前記送信タイミングとが異なるように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、素子駆動手段及び駆動対象が存在しないデータ格納手段において、素子駆動データの取得タイミングと、送信タイミングが異なるため、データの書き換えと出力が同時に起こるエラーを回避することが可能となる。
特徴A10.HIレベル信号とLOWレベル信号とが交互に切り換わるクロック信号を出力するクロック手段を備え、
前記クロック手段が前記データ格納手段及び前記素子駆動手段に対して電気的に並列接続されており、
前記クロック信号の切り換わりを契機として前記素子駆動データの更新及び前記素子駆動データの取得を行うことを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、クロック信号を各駆動部に対して並列に接続して同時出力することにより、クロック信号の伝達のずれを少なくすることができる。これにより、各駆動部間で素子駆動データの取得タイミングのずれが少なくなる。
なお、特徴A1〜A10のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A10、特徴B1〜B5、特徴C1〜C2、特徴D1〜D6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.素子(LED173)を駆動する素子駆動手段(第1駆動IC194、第2駆動IC195)と、
前記素子を駆動するための駆動データを前記素子駆動手段に供給する素子制御手段(音声ランプ制御装置90における音声ランプ制御処理を実行する機能)と、
前記素子駆動手段に駆動データの取得契機を提供するための取得契機信号(クロック信号SG1)を供給する取得契機供給手段と、
を備え、
前記素子駆動手段として、
前記取得契機信号として第1態様の信号を受信した場合に前記駆動データを取得する第1素子駆動手段(第1駆動IC194)と、
前記取得契機信号として第2態様の信号を受信した場合に前記駆動データを取得する第2素子駆動手段(第2駆動IC195)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、第1態様の取得契機信号と第2態様の取得契機信号を時間的にずらして供給することで、第1素子駆動手段と第2素子駆動手段が素子制御手段から供給される駆動データを取得するタイミングをずらすことができる。これにより、各素子駆動手段のそれぞれに向けて一連のデータを同時に供給する構成であったとしても、各素子駆動手段のそれぞれに対して対応する駆動データを供給することが可能となり、駆動データの供給を適切に行うようにしながらノイズの影響を低減することが可能となる。
特徴B2.前記素子制御手段は、前記取得契機信号が前記第1態様の信号となる場合に前記第1素子駆動手段に当該第1素子駆動手段用の駆動データが供給され、前記取得契機信号が前記第2態様の信号となる場合に前記第2素子駆動手段に当該第2素子駆動手段用の駆動データが供給されるようにすることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、素子制御手段は第1素子駆動手段用の素子駆動データと第2素子駆動手段用の素子駆動データを並べた1種類の素子駆動データを各素子駆動手段に供給すれば良い。このため、素子制御手段と各素子駆動手段とを接続する配線の自由度を高めることができる。ノイズの生じにくい場所を選んで配線を行うことで、ノイズの影響を減らすことができる。
特徴B3.前記取得契機供給手段は、前記取得契機信号として、前記第1態様となる状態と前記第2態様となる状態とが繰り返される信号を、前記第1素子駆動手段及び前記第2素子駆動手段の両方に供給することを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、1つの取得契機信号が第1態様と第2態様を繰り返す。このため、第1態様の取得契機信号と第2態様の取得契機信号を別々に供給する必要が無く、1つの取得契機信号で第1素子駆動手段及び第2素子駆動手段に素子駆動データの取得契機を与えることが可能となる。
特徴B4.前記取得契機信号は、HIレベル信号とLOWレベル信号とが交互に繰り返される信号であり、
前記第1態様は、前記LOWレベル信号から前記HIレベル信号への立ち上がりであり、
前記第2態様は、前記HIレベル信号から前記LOWレベル信号への立ち下がりであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、LOWレベル信号からHIレベル信号への立ち上がりを契機として第1素子駆動手段が素子駆動データを取得し、HIレベル信号からLOWレベル信号への立ち下がりを契機として第2素子駆動手段が素子駆動データを取得することができる。
特徴B5.前記素子制御手段は、前記第1素子駆動手段に供給するためのデータと、前記第2素子駆動手段に供給するためのデータとが、前記取得契機信号の立ち上がり及び立ち下がりに対応させて交互に設定された駆動データを、前記第1素子駆動手段及び前記第2素子駆動手段の両方に供給することを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、素子制御手段は第1素子駆動手段用のデータと第2素子駆動手段用のデータとを交互に並べた同一の駆動データを取得契機信号の立ち上がりと立ち下がりに対応させて各素子駆動手段に供給することで、第1素子駆動手段には第1素子駆動手段用の駆動データのみを書き込めるとともに、第2素子駆動手段には第2素子駆動手段用の駆動データのみを書き込むことができる。
なお、特徴B1〜B5の構成に対して、特徴A1〜A10、特徴B1〜B5、特徴C1〜C2、特徴D1〜D6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.素子(LED173)を駆動する第1素子駆動手段(第1駆動IC191)及び第2素子駆動手段(第2駆動IC193)と、
前記素子を駆動するための駆動データを各素子駆動手段に供給する素子制御手段(音声ランプ制御装置90における音声ランプ制御処理を実行する機能)と、
前記各素子駆動手段に供給されている駆動データを当該各素子駆動手段において素子の駆動用として利用する契機を提供するための利用契機信号(データ書き込み信号SG2)を前記第1素子駆動手段及び前記第2素子駆動手段の両方に供給する利用契機供給手段と、
前記第1素子駆動手段に供給されている前記利用契機信号が利用契機であることを示す信号態様となるタイミングと前記第2素子駆動手段に供給されている前記利用契機信号が利用契機であることを示す信号態様となるタイミングとが異なるタイミングとなるように、前記第1素子駆動手段に供給される利用契機信号及び前記第2素子駆動手段に供給される利用契機信号のうち少なくとも一方を調整する信号調整手段(Tフリップフロップ)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、信号調整手段により、利用契機信号が利用契機であることを示す信号態様となるタイミングが各素子駆動手段間で異なる。このため、素子制御手段が同一の駆動データを各素子駆動手段に供給しても、各素子駆動手段間で取得タイミングがことなるため、各素子駆動手段は異なる駆動データを取得する。つまり、素子駆動手段は1種類の駆動データにより、第1素子駆動手段と第2素子駆動手段を異なる態様で制御することができる。このため、素子制御手段と各素子駆動手段とを接続する配線の自由度を高めることができる。ノイズの生じにくい場所を選んで配線を行うことで、ノイズの影響を減らすことができる。
特徴C2.前記利用契機信号は、HIレベル信号とLOWレベル信号とが交互に繰り返される信号であり、
前記利用契機であることを示す信号態様は、前記LOWレベル信号から前記HIレベル信号への立ち上がり、及び前記HIレベル信号から前記LOWレベル信号への立ち下がりのうち一方であり、
前記信号調整手段は、前記各素子駆動手段に供給されている前記利用契機信号のHIレベル信号とLOWレベル信号との関係が前記第1素子駆動手段と前記第2素子駆動手段とで逆の関係となるようにすることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、LOWレベル信号からHIレベル信号への立ち上がり及びHIレベル信号からLOWレベル信号への立ち下がりを契機として第1素子駆動手段及び第2素子駆動手段は別々に駆動データを取得することができる。そして、素子制御手段は、LOWレベル信号とHIレベル信号とが交互に繰り返される1種類の信号を供給するだけで、各素子駆動手段を異なる態様で制御することができる。
なお、特徴C1〜C2の構成に対して、特徴A1〜A10、特徴B1〜B5、特徴C1〜C2、特徴D1〜D6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技機を構成する複数の電気部品(LED群37a,37b、役物駆動モータ226a,226b、初期位置センサ229、閉鎖位置センサ230)と、
前記電気部品を利用して遊技機にて所定の動作を行わせる制御手段(音声ランプ制御装置90)と、
を備えた遊技機において、
前記電気部品に対応させて設けられ、固有のアドレスを有する複数の通信手段(通信用IC224a〜224e)を備え、
前記制御手段は、
前記複数の通信手段のうち通信対象となる通信手段に対応する所定データを設定する設定手段(音声ランプ制御装置90におけるステップS602を実行する機能)と、
当該設定手段により設定された所定データに基づき、前記複数の通信手段にアドレスデータを送信するアドレス送信手段(装飾装置用IC220におけるステップS502及びステップS902を実行する機能)と、
当該アドレス送信手段により前記アドレスデータが送信された後に、通信対象の通信手段に対応するデータの送信及び通信対象の通信手段からのデータの受信のうち少なくとも一方である送信後処理を実行する送信後手段(装飾装置用IC220におけるステップS504及びステップS904を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、制御手段は通信手段にアドレスデータを送信するアドレス送信手段と送信後処理を実行する送信後手段を備えている。そして、通信手段は固有のアドレスを有し、電気部品に対応させて設けられている。したがって、制御手段はアドレスにより識別される通信手段を介して電気部品を駆動するためのデータの送信を行ったり、電気部品からのデータの受信を行ったりすることができる。これにより、通信系が同一ラインから出力される構成とすることが可能となり、制御手段からの通信経路の数を抑えることができる。また、ノイズの影響を抑えることもできる。
特徴D2.前記制御手段は、
制御データに基づいて遊技機にて所定の動作を行わせるための処理を実行するものであって、前記設定手段を有する処理実行手段(サブCPU111)と、
当該処理実行手段による処理結果に基づいて前記複数の通信手段と通信を行うものであって、前記アドレス送信手段及び前記送信後手段を有する通信実行手段(装飾装置用IC220)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、制御手段は処理実行手段と通信実行手段とを備えている。このため、処理実行手段による通信対象となる通信手段に対応する所定データを設定する等の処理と、通信実行手段によるアドレスデータの送信や送信後処理を同時並行で行うことができる。
特徴D3.前記通信実行手段は、複数の前記所定データを格納可能な格納手段(レジスタR1〜R(n+3))を備え、
前記アドレス送信手段は、前記格納手段に格納された所定データを設定順序に従って前記アドレスデータの送信契機とすることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、通信実行手段の格納手段に所定データが格納され、アドレス送信手段は格納手段に所定データが格納された順番にアドレスデータの送信を始める。このため、通信実行手段の処理内容が単一化され、構成を簡素化することができる。
特徴D4.前記電気部品として、所定の事象の発生を検知する検知手段(初期位置センサ229、閉鎖位置センサ230)を備え、
前記制御手段は、前記検知手段の検知結果を利用する場合、当該検知手段に対応する所定通信手段との通信状態を予め定められた検知期間に亘って維持することを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、検知手段の検知結果を利用する場合、予め定められた検知期間に亘って当該検知手段に対応する所定通信手段との通信状態が維持される。これにより、検知手段による検知結果を予め定められた期間、他の電気部品の通信に邪魔されることなく利用することができる。
特徴D5.前記設定手段は、前記制御手段において前記検知手段の検知結果を利用する場合、前記所定通信手段との通信状態が前記検知期間に亘って維持されるように、当該所定通信手段に対応する前記所定データを複数設定することを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、検知手段の検知結果を予め定められた期間に亘って利用する場合、設定手段が検知手段に対応する通信手段に対するデータを格納手段に複数設定する。これにより、設定された複数回の間、所定通信手段との通信状態を維持することができる。
特徴D6.異常事象の発生を検知する異常検知手段(振動検知センサ251)を備え、
当該異常検知手段の検知結果は、前記複数の通信手段と前記制御手段との間の通信経路とは別の通信経路を通じて前記制御手段に送信されることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D6によれば、異常検知手段と制御手段の通信経路は、通信手段と制御手段の通信経路とは別に確保されている。したがって、通信手段と制御手段の通信が行われている間も、異常検知手段の検知結果は制御手段に送信される。このため、いずれのタイミングで異常が起こっても、制御手段は常に当該異常を把握することができる。
なお、特徴D1〜D6のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A10、特徴B1〜B5、特徴C1〜C2、特徴D1〜D6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群の発明、上記特徴B群の発明、上記特徴C群の発明、上記特徴D群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
例えばパチンコ機等の遊技機には、遊技の興趣を高めるものとして、発光素子又は電動の可動素子等の各種遊技で用いられる電気部品が複数設けられている。当該電気部品は遊技に関する制御を行う制御装置により遊技の状況に合わせて制御されている。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、制御手段と電気部品との間の通信を好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
上記課題は、複数の電気部品及び各電気部品を制御する制御手段を備えた遊技機に共通する課題である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機、37a,37b…LED群、173…LED、191,194…第1駆動IC、192…疑似駆動IC、193,195…第2駆動IC、194b,195b…レジスタ、194c,195c…更新用バッファ、220…装飾装置用IC、224a〜224e…通信用IC、226a,226b…役物駆動モータ、229…初期位置センサ、230…閉鎖位置センサ,251…振動検知センサ。

Claims (2)

  1. 素子を駆動させる所定素子駆動手段と、
    前記所定素子駆動手段と電気的に接続され、配線を介して所定の駆動データを前記所定素子駆動手段に対して出力することにより素子を制御する素子制御手段と、
    を備え、
    前記所定素子駆動手段が、前記素子制御手段から前記駆動データが入力された場合に前記駆動データに対応した態様で素子を駆動させる遊技機において、
    前記所定素子駆動手段とは別に設けられ、素子を駆動させる特定素子駆動手段と、
    駆動対象が存在しないデータ格納手段と、
    を備え、
    前記データ格納手段を通過したデータが前記データ格納手段に対して電気的に接続された前記所定素子駆動手段に供給される構成であり、
    前記素子制御手段は、前記データ格納手段及び前記所定素子駆動手段を含む所定制御対象と、前記特定素子駆動手段を含む特定制御対象とのそれぞれに同一の駆動データを供給し、
    駆動対象が存在しないデータ格納手段が前記特定制御対象に存在しない又は駆動対象が存在しないデータ格納手段の数が前記特定制御対象は前記所定制御対象よりも少ないことにより、所定タイミングにおいて前記所定制御対象の前記データ格納手段に格納されているデータと前記特定素子駆動手段に供給されているデータとが同一となる構成であり、
    本遊技機は、前記所定素子駆動手段及び前記特定素子駆動手段に供給されている駆動データを各素子駆動手段において素子の駆動用として利用する契機を提供するための利用契機信号を、前記所定素子駆動手段及び前記特定素子駆動手段に同時又は略同時に供給する利用契機供給手段を備え、
    前記所定制御対象の前記データ格納手段として、出力端子の一部が前記所定素子駆動手段の入力端子と接続されており、その他の出力端子が全てオープンである素子駆動手段を用いていることを特徴とする遊技機。
  2. 遊技価値を利用して遊技が行われることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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