JP2020112046A - 可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カム切替機構を精度良く駆動する油圧駆動機構を簡単でコンパクトな構造として、内燃機関の大型化を避けた可変動弁装置を供する。【解決手段】バルブ作動特性の切替機構(70,80)と切替機構(70,80)を油圧により駆動する複数の油圧アクチュエータ(77,87)とを有する可変動弁装置において、油圧アクチュエータ(77,87)を互いに連通する連通油路(90HC,90LC)を有し、油圧が供給されることで、一方の油圧アクチュエータ(77,87)のアクチュエータ駆動体(79,89)が作動し、一方のアクチュエータ駆動体(79,89)が所定量作動した後に、連通油路(90HC,90LC)が開通し、連通油路(90HC,90LC)を介して供給された油圧により他方の油圧アクチュエータ(77,87)のアクチュエータ駆動体(79,89)が作動することを特徴とする。【選択図】図21

Description

本発明は、内燃機関におけるバルブの作動特性を切替える可変動弁装置に関する。
バルブ作動特性を決めるカムプロファイルが異なる複数のカムロブが外周面に形成されたカムキャリアが、カムシャフトに相対回転を禁止され軸方向に摺動可能に嵌合され、このカムキャリアを軸方向に移動することで、異なるカムロブをバルブに作動してバルブ作動特性を変える可変動弁装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−134165号公報
特許文献1に開示された可変動弁装置は、シリンダヘッドに軸支されるカムシャフトに摺動可能に嵌合するカムキャリアには、周回するようにガイド溝(リード溝)が形成されており、同ガイド溝に切替ピンが係合することで、カムキャリアが回転しながら軸方向に案内されて移動し、バルブを作動するカムロブを切替えることができる。
詳説すると、ガイド溝の互いに対向する一対の側壁面がそれぞれ第1切替カムと第2切替カムを形成して、第1切替カムに第1切替ピンが突出して接することでカムキャリアを第1カムロブがバルブに作用する第1位置に移動し、第2切替カムに第2切替ピンが突出して接することカムキャリアを第2カムロブがバルブに作用する第2位置に移動する。
そして、第1切替ピンと第2切替ピンは、交互に進退(前進・後退)するように、第1切替ピンと第2切替ピンの端部にはそれぞれ油圧が直接作用する油圧回路が形成されている。
そのため、第1切替ピンのピン穴の上部に連通する第1オイル通路には、軸方向に長尺に形成された第1オイルギャラリが連通し、同様に第2切替ピンのピン穴の上部に連通する第2オイル通路には、軸方向に長尺に形成された第2オイルギャラリが連通している。
このように、特許文献1のカム切替機構は、第1切替ピンと第2切替ピンに直接油圧を作用して駆動するので、各切替ピンの近傍にピン穴、オイル通路、オイルギャラリ等の油圧回路を設ける必要があり、特許文献1では、かかる油圧回路がカムキャリアの上方のシリンダヘッドカバーに形成されている。
この油圧回路は、吸気側と排気側のカム軸の双方に対応してそれぞれ設けられる。
したがって、バルブ作動特性の切替えを、吸気側と排気側で同期して行わなければならないが、別個の油圧回路により吸気側と排気側のそれぞれの切替ピンを駆動することから、双方の切替ピンの駆動タイミイグのばらつきが生じ易く、精度の高いカム切替駆動を実行することが容易ではない。
また、シリンダヘッドカバーに複雑な油圧回路の構造を吸気側と排気側の双方に形成しなければならず、加工が容易でなく、コスト高となる。
さらに、この油圧回路を形成するために、シリンダヘッドカバーが拡大して内燃機関が大型化することで、内燃機関の車両への搭載スペースが課題となる。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、カム切替機構および同カム切替機構を精度良く駆動する油圧駆動機構を簡単でコンパクトな構造とするとともに、切替ピンの駆動タイミイグのばらつきを低減して精度の高いカム切替駆動を実行できる可変動弁装置を供する点にある。
上記目的を達成するために、本発明は、
内燃機関のバルブの作動特性を切り替える切替機構と、
前記切替機構を油圧により駆動する複数の油圧アクチュエータと、
を有する可変動弁装置において、
複数の前記油圧アクチュエータを互いに連通する連通油路を有し、
油圧が供給されることで、一方の前記油圧アクチュエータのアクチュエータ駆動体が作動し、一方の前記アクチュエータ駆動体が所定量作動した後に、前記連通油路が開通し、前記連通油路を介して供給された油圧により他方の前記油圧アクチュエータの前記アクチュエータ駆動体が作動することを特徴とする可変動弁装置を提供する。
この構成によれば、複数の油圧アクチュエータを互いに連通する連通油路を有し、油圧が供給されることで、一方の油圧アクチュエータのアクチュエータ駆動体が作動し、一方のアクチュエータ駆動体が所定量作動した後に、連通油路が開通し、連通油路を介して供給された油圧により他方の油圧アクチュエータのアクチュエータ駆動体が作動するので、一方のアクチュエータ駆動体を十分な供給油圧量により駆動したのち、連通油路を介して他方のアクチュエータ駆動体を供給油圧量を減少することなく十分な供給油圧量により駆動することができ、すなわち双方のアクチュエータ駆動体の移動速度を高く維持することができ、そのため切替機構の駆動タイミイグのばらつきを低減することができ、精度の高いカム切替駆動を実行することができる。
複数の油圧アクチュエータを互いに連通する連通油路を有するので、一方の油圧アクチュエータに供給された油圧が、連通油路を介して他方の油圧アクチュエータに供給されるため、連通油路を双方向に共通に使用することができ、各油圧アクチュエータにそれぞれ別個に供給油路を設けるのに比べて部品点数の少ない簡単でコンパクトな構造であり、油圧駆動機構を小型に構成して内燃機関の大型化を回避するとともに低コスト化を図ることができる。
本発明の好適な実施形態では、
内燃機関のシリンダヘッドに回転自在に設けられたカムシャフトと、
前記カムシャフトの外周に、相対回転を禁止され軸方向に摺動可能に嵌合する円筒状部材であって、外周面にカムプロファイルの異なる機関回転数に応じた高速側カムロブと低速側カムロブが軸方向に隣接して形成されるとともに、外周面に周回するようにリード溝が形成されたカムキャリアと、
前記リード溝に係合・離脱可能に進退する切替ピンと、
前記カムシャフトに平行に配置されて前記切替ピンにカム機構を構成して係合する切替駆動シャフトと、を備え、
前記切替機構は、前記切替駆動シャフトの軸方向の移動が前記カム機構を介して前記切替ピンを進退させ、前記切替ピンが進行して係合した前記リード溝により前記カムキャリアが回転しながら軸方向に案内されてシフトし、バルブに作動する高速側カムロブと低速側カムロブを切替えるカム切替機構であり、
前記カム切替機構は、吸気側の前記カムシャフトの側の吸気側カム切替機構と、排気側の前記カムシャフトの側の排気側カム切替機構とからなり、
前記油圧アクチュエータは、前記吸気側カム切替機構における吸気側の前記切替駆動シャフトを軸方向に移動する吸気側油圧アクチュエータと、前記排気側カム切替機構における排気側の前記切替駆動シャフトを軸方向に移動する排気側油圧アクチュエータとからなり、
前記吸気側油圧アクチュエータは、その吸気側アクチュエータハウジングの内室が吸気側の前記切替駆動シャフトに嵌着された吸気側の前記アクチュエータ駆動体により高速側油圧室と低速側油圧室に仕切られ、
前記排気側油圧アクチュエータは、その排気側アクチュエータハウジングの内室が排気側の前記切替駆動シャフトに嵌着された排気側の前記アクチュエータ駆動体により高速側油圧室と低速側油圧室に仕切られ、
一方の前記高速側油圧室に圧油を供給する高速側供給油路と、
他方の前記低速側油圧室に圧油を供給する低速側供給油路と、
一方の前記高速側油圧室と他方の前記高速側油圧室とを連通可能とする高速側の前記連通油路と、
一方の前記低速側油圧室と他方の前記低速側油圧室とを連通可能とする低速側の前記連通油路と、を備え、
高速側の前記連通油路)は、一方の前記高速側油圧室に供給された圧油により一方の前記アクチュエータ駆動体が所定距離移動した処で開通して圧油を他方の前記高速側油圧室に供給し、
低速側の前記連通油路は、他方の前記低速側油圧室に供給された圧油により他方の前記アクチュエータ駆動体が所定距離移動した処で開通して圧油を一方の前記低速側油圧室に供給することを特徴とする。
この構成によれば、高速側の連通油路は、一方の高速側油圧室に供給された圧油により一方のアクチュエータ駆動体が所定距離移動した処で開通して圧油を他方の高速側油圧室に供給し、低速側の連通油路は、他方の低速側油圧室に供給された圧油により他方のアクチュエータ駆動体が所定距離移動した処で開通して圧油を一方の低速側油圧室に供給するので、吸気側のアクチュエータ駆動体と排気側のアクチュエータ駆動体をそれぞれ駆動するための供給油圧量を減少することなく十分な供給油圧量により吸気側の切替駆動シャフトと排気側の切替駆動シャフトを移動することで、切替駆動シャフトの移動速度を高く維持することができ、そのため切替ピンの駆動タイミイグのばらつきを低減することができ、精度の高いカム切替駆動を実行することができる。
吸気側アクチュエータハウジングの高速側油圧室と排気側アクチュエータハウジングの高速側油圧室とを高速側の連通油路が連通可能とし、吸気側アクチュエータハウジングの低速側油圧室と排気側アクチュエータハウジングの低速側油圧室とを低速側の連通油路が連通可能としているので、高速側供給油路により一方の高速側油圧室に供給された圧油が、高速側の連通油路により他方の高速側油圧室にも供給され、また、低速側供給油路により他方の低速側油圧室に供給された圧油が、低速側の連通油路により一方の低速側油圧室にも供給されるため、吸気側油圧アクチュエータと排気側油圧アクチュエータの双方が、高速側の連通油路と低速側の連通油路および高速側供給油路と低速側供給油路を、共通に使用して圧油を供給して駆動され、吸気側油圧アクチュエータと排気側油圧アクチュエータのそれぞれが別個に供給油路を設けるのに比べて部品点数の少ない簡単でコンパクトな構造であり、油圧駆動機構を小型に構成して内燃機関の大型化を回避するとともに低コスト化を図ることができる。
本発明の好適な実施形態では、
吸気側の前記アクチュエータ駆動体は、所定距離移動すると前記吸気側アクチュエータハウジングの前記高速側油圧室の前記高速側連通油路に連通する吸気高速側連通口を開口して前記高速側連通油路を開通し、
排気側の前記アクチュエータ駆動体は、所定距離移動すると前記排気側アクチュエータハウジングの前記低速側油圧室の前記低速側連通油路に連通する排気低速側連通口を開口して前記低速側連通油路を開通する。
この構成によれば、吸気側のアクチュエータ駆動体は、所定距離移動すると吸気側アクチュエータハウジングの高速側油圧室の高速側連通油路に連通する吸気高速側連通口を開口して高速側の連通油路を開通するので、吸気側アクチュエータハウジングの吸気側のアクチュエータ駆動体が移動する側壁に吸気高速側連通口を設けることができ、同様に、排気側のアクチュエータ駆動体は、所定距離移動すると排気側アクチュエータハウジングの低速側油圧室の低速側連通油路に連通する排気低速側連通口を開口して低速側の連通油路を開通するので、排気側アクチュエータハウジングの排気側のアクチュエータ駆動体が移動する側壁に排気低速側連通口を設けることができる。
そのため、吸気高速側連通口および排気低速側連通口にそれぞれ接続される高速側の連通油路と低速側の連通油路を、並設された吸気側アクチュエータハウジングと排気側アクチュエータハウジングにおける吸気側のアクチュエータ駆動体と排気側のアクチュエータ駆動体の往復移動範囲内にコンパクトに配置することができ、油圧駆動機構をより小型に構成することができる。
本発明の好適な実施形態では、
吸気側の前記切替駆動シャフトが前記所定距離移動する間に、前記カム機構により前記切替ピンが進退を完了し、
排気側の前記切替駆動シャフトが前記所定距離移動する間に、前記カム機構により前記切替ピンが進退を完了する。
この構成によれば、吸気側の切替駆動シャフトが所定距離移動する間に、カム機構により吸気側切替ピンが進退を完了するので、吸気側の切替駆動シャフトが十分な所定の供給油圧量により高速度で所定距離移動する間に、吸気側のカム機構により吸気側の切替ピンの進退が完了し、吸気側の切替ピンの進退が完了した後で、高速側の連通油路が開通して、排気側の切替駆動シャフトが十分な所定の供給油圧量により高速度で移動して、排気側のカム機構により排気側の切替ピンを進退することができる。
同様に、排気側の切替駆動シャフトが所定距離移動する間に、カム切替機構により排気側切替ピンが進退を完了するので、排気側の切替駆動シャフトが十分な所定の供給油圧量により高速度で所定距離移動する間に、排気側のカム機構による排気側の切替ピンの進退が完了し、排気側の切替ピンの進退が完了した後で、低速側の連通油路が開通して、吸気側の切替駆動シャフトが十分な所定の供給油圧量により高速度で移動して、吸気側のカム機構により吸気側の切替ピンを進退することができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記高速側供給油路と前記低速側供給油路は、一方の供給油路が圧油を供給しているときは、他方の供給油路は圧油を排出する。
この構成によれば、高速側供給油路と低速側供給油路は、一方の供給油路が圧油を供給しているときは、他方の供給油路は圧油を排出するので、高速側供給油路と低速側供給油路を排出用油路として兼用することで、別途専用の排出用油路を設ける必要はない。
本発明の好適な実施形態では、
吸気側の前記アクチュエータ駆動体および排気側の前記アクチュエータ駆動体は、円筒状本体の内部中央に仕切り壁を有し、
吸気側の前記アクチュエータ駆動体の円筒状本体における前記低速側油圧室側の円筒の一部に形成された切欠きにより、前記吸気側アクチュエータハウジングの前記低速側油圧室の低速側の前記連通油路に連通する吸気低速側連通口を常時開通し、
排気側の前記アクチュエータ駆動体の円筒状本体における前記高速側油圧室側の円筒の一部に形成された切欠きにより、前記排気側アクチュエータハウジングの前記高速側油圧室の高速側の前記連通油路に連通する排気高速側連通口を常時開通する。
この構成によれば、吸気側のアクチュエータ駆動体の円筒状本体における低速側油圧室側の円筒の一部に形成された切欠きにより、吸気側アクチュエータハウジングの低速側油圧室の低速側の連通油路に連通する吸気低速側連通口を常時開通するので、吸気側アクチュエータハウジングにおける吸気側のアクチュエータ駆動体の往復移動範囲内に吸気低速側連通口を設けて、吸気低速側連通口における圧油の流出入を常時確保することができる。
同様に、排気側のアクチュエータ駆動体の円筒状本体における高速側油圧室側の円筒の一部に形成された切欠きにより、排気側アクチュエータハウジングの高速側油圧室の高速側の連通油路に連通する排気高速側連通口を常時開通するので、排気側アクチュエータハウジングにおける排気側のアクチュエータ駆動体の往復移動範囲内に排気高速側連通口を設けて、排気高速側連通口における圧油の流出入を常時確保することができる。
したがって、吸気低速側連通口と排気高速側連通口、さらには高速側の連通油路と低速側の連通油路を、並設した吸気側アクチュエータハウジングと排気側アクチュエータハウジングの各ハウジング内の吸気側のアクチュエータ駆動体と排気側のアクチュエータ駆動体の往復移動範囲内に、コンパクトに配置することができて、油圧駆動機構をより小型に構成することができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記吸気側アクチュエータハウジングの前記高速側油圧室と前記低速側油圧室に、それぞれ径方向に膨張して形成された吸気高速側膨張室と吸気低速側膨張室が設けられ、
前記排気側アクチュエータハウジングの前記高速側油圧室と前記低速側油圧室に、それぞれ径方向に膨張して形成された排気高速側膨張室と排気低速側膨張室が設けられ、
高速側の前記連通油路は、その両端が前記吸気高速側膨張室と前記排気高速側膨張室に接続され、
低速側の前記連通油路は、その両端が前記吸気低速側膨張室と前記排気低速側膨張室(88LE)に接続される。
この構成によれば、高速側の連通油路は、径方向に膨張して形成された吸気高速側膨張室と排気高速側膨張室をそれぞれ介して吸気高速側油圧室と排気高速側油圧室とを連通するので、各高速側油圧室に、大きな連通開口面積を確保して、圧油を効率良く流出入させることができる。
同様に、低速側の連通油路は、径方向に膨張して形成された吸気低速側膨張室と排気低速側膨張室をそれぞれ介して吸気低速側油圧室と排気低速側油圧室とを連通するので、各低速側油圧室に、大きな連通開口面積を確保して、圧油を効率良く流出入させることができる。
したがって、吸気側の切替駆動シャフトおよび排気側の切替駆動シャフトを高速度で移動することができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記高速側供給油路は、前記吸気側アクチュエータハウジング(78)と前記排気側アクチュエータハウジングの一方の前記高速側油圧室の軸方向端面に接続され、
前記低速側供給油路は、前記吸気側アクチュエータハウジングと前記排気側アクチュエータハウジングの他方の前記低速側油圧室の軸方向端面に接続される。
この構成によれば、高速側供給油路は、吸気側アクチュエータハウジング(78)と排気側アクチュエータハウジングの一方の高速側油圧室の軸方向端面に接続され、低速側供給油路は、吸気側アクチュエータハウジングと排気側アクチュエータハウジングの他方の低速側油圧室の軸方向端面に接続されるので、アクチュエータハウジングの側面に接続されるのに比べて油圧アクチュエータの軸方向長さを短くできる。
本発明は、複数の油圧アクチュエータを互いに連通する連通油路を有し、油圧が供給されることで、一方の油圧アクチュエータのアクチュエータ駆動体が作動し、一方のアクチュエータ駆動体が所定量作動した後に、連通油路が開通し、連通油路を介して供給された油圧により他方の油圧アクチュエータのアクチュエータ駆動体が作動するので、一方のアクチュエータ駆動体を十分な供給油圧量により駆動したのち、連通油路を介して他方のアクチュエータ駆動体を供給油圧量を減少することなく十分な供給油圧量により駆動することができ、すなわち双方のアクチュエータ駆動体の移動速度を高く維持することができ、そのため切替機構の駆動タイミイグのばらつきを低減することができ、精度の高いカム切替駆動を実行することができる。
複数の油圧アクチュエータを互いに連通する連通油路を有するので、一方の油圧アクチュエータに供給された油圧が、連通油路を介して他方の油圧アクチュエータに供給されるため、連通油路を双方向に共通に使用することができ、各油圧アクチュエータにそれぞれ別個に供給油路を設けるのに比べて部品点数の少ない簡単でコンパクトな構造であり、油圧駆動機構を小型に構成して内燃機関の大型化を回避するとともに低コスト化を図ることができる。
本発明の一実施の形態に係る可変動弁装置を備える内燃機関が搭載される自動二輪車の全体側面図である。 同内燃機関の左側面図である。 同内燃機関の上面図である。 同内燃機関のシリンダヘッド等の輪郭を2点鎖線で示して、内部の動弁機構の要部を透かして示した左側面図である。 シリンダヘッドカバーを外して上側シリンダヘッドを上面視した上面図である。 吸気側カム切替機構と排気側カム切替機構の一部省略して主要な要部のみを示す斜視図である。 吸気側カムキャリアの斜視図である。 吸気側カムキャリアのリード溝円筒部のリード溝の展開図である。 図8のIX-IX矢視によるリード溝の断面図である 第1切替ピンの側面図である。 吸気側切替駆動シャフトに第1切替ピンと第2切替ピンを組付けた斜視図である。 リード溝に第1切替ピンが係合した状態を示す断面図である。 シリンダヘッドおよびその内部を切断して可変動弁装置等を示す斜視図である。 第1係止部材の斜視図である。 第1係止部材と第2係止部材を保持したホルダの斜視図である。 吸気側切替ピン進行制御機構を示す断面図である。 吸気側切替ピン進行制御機構の動作過程を示す説明図である。 吸気側カム切替機構の主要部の動作過程を示す説明図である。 リニアソレノイドバルブが励磁されていない時の吸気側油圧アクチュエータおよび排気側油圧アクチュエータへの圧油給排状態を示す説明図である。 リニアソレノイドバルブが励磁されている時の吸気側油圧アクチュエータおよび排気側油圧アクチュエータへの圧油給排状態を示す説明図である。 排気側油圧アクチュエータへの圧油の供給による排気側アクチュエータ駆動体の移動途中を示す説明図である。 吸気側油圧アクチュエータへの圧油の供給による吸気側アクチュエータ駆動体の移動途中を示す説明図である。 油圧室と油路をアクチュエータ駆動体とともに示す斜視図である。 同上面図である。 図24のXXV矢視図である。 図24のXXVI矢視図である。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図26に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係る可変動弁装置を備える内燃機関が搭載される鞍乗型車両である自動二輪車500の側面図である。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る自動二輪車500の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を示すものとする。
自動二輪車500の車体フレームは、前輪506を軸支するフロントフォーク505を操向可能に支承するヘッドパイプ502から後方斜め下向きに左右一対のメインフレーム503が左右に分岐して延出している。
メインフレーム503の前部は下方にエンジンハンガー部503aが垂下しており、メインフレーム503の後部は屈曲してピボットフレーム部503bが下方に延出している。
メインフレーム503の中央の後寄りにシートレール504が連結されて後方に延びている。
ピボットフレーム部503bにピボット軸507により前端を軸支されたスイングアーム508が後方に延び、スイングアーム508の後端に後輪509が軸支されている。
スイングアーム508とピボットフレーム部503bとの間にはリンク機構510が設けられ、リンク機構510の一部とシートレール504との間にリヤクッション511が介装されている。
車体フレームには、メインフレーム503のエンジンハンガー部503aとピボットフレーム部503bとの間でパワーユニットPuが懸架されており、パワーユニットPuの変速機Mのカウンタシャフトである出力軸に嵌着された走行駆動スプロケット512と後輪509の後車軸に嵌着された走行被動スプロケット513との間に走行駆動チェーン514が架渡されている。
メインフレーム503には前半にエアクリーナ522、後半に燃料タンク516が架設されており、燃料タンク516の後方には、メインシート517とピリオンシート518がシートレール504に支持されて設けられている。
パワーユニットPuの前半を占める内燃機関Eは、クランク横置きの直列4気筒の水冷式4ストローク内燃機関であり、シリンダを適度に前傾した姿勢で車体フレームに搭載されている。
内燃機関Eのクランクシャフト10は、車体幅方向(左右方向)に指向してクランクケース1に軸支され、クランクケース1はクランクシャフト10の後方に変速機Mを一体に備えている。
図2を参照して、内燃機関Eは、上記クランクケース1の上に、4本のシリンダを直列に配列したシリンダブロック2と、シリンダブロック2の上部にガスケットを介して結合されるシリンダヘッド3と、シリンダヘッド3の上部に被せられるシリンダヘッドカバー4とから構成される機関本体を備える。
シリンダブロック2のシリンダボアの中心軸線であるシリンダ軸線Lcは、前方に傾いており、クランクケース1の上に重ねられるシリンダブロック2,シリンダヘッド3,シリンダヘッドカバー4は、クランクケース1から若干前傾した姿勢で上方に延出している。
また、クランクケース1の下方には、オイルパン5が下方に膨出して設けられている。
クランクケース1は、上下割りで構成され、上側クランクケース1Uと下側クランクケース1Lの割り面に挟まれてクランクシャフト10が軸支されている。
該クランクケース1は、クランクシャフト10の後方に変速機Mを内蔵しており、変速機Mを構成するメインシャフト11とカウンタシャフト12がクランクシャフト10と平行に車体幅方向に指向してクランクケース1に軸支されている(図2参照)。
クランクケース1のミッション室には、変速機Mのメインシャフト11とカウンタシャフト12とが、クランクシャフト10と平行に左右水平方向に指向して配設されており(図3参照)、カウンタシャフト12はクランクケース1を左方に貫通して外部に突出して出力シャフトとなっている。
シリンダヘッド3の後側面には、各気筒毎に延出する吸気管がスロットルボディ521を介して前記エアクリーナ522に接続されている(図1参照)。
また、シリンダヘッド3の前側面には、各気筒毎に排気管525が延出し、各排気管525は下方に延びて後方に屈曲してオイルパン5の右側を後方に延びている。
本内燃機関Eは、4バルブ方式でDOHC構造の可変動弁装置40をシリンダヘッド3に備えている。
本内燃機関Eのシリンダヘッド3は、シリンダ軸線方向(シリンダ軸線Lcの軸線方向)に上下2分割されており、シリンダブロック2の上に重ねられる下側シリンダヘッド3Lと、同下側シリンダヘッド3Lの上に重ねられる上側シリンダヘッド3Uとからなる(図2,図4参照)。
図4を参照して、下側シリンダヘッド3Lは、気筒毎に、燃焼室30から吸気ポート31iが2本後方に湾曲し斜め上方に延出するとともに、排気ポート31eが2本前方に湾曲して延出している。
下側シリンダヘッド3Lには、吸気ポート31iの燃焼室30への吸気開口および排気ポート31eの燃焼室30への排気開口をそれぞれ開閉する吸気バルブ41と排気バルブ51が、クランクシャフト10の回転に同期して往復摺動可能に支持されている。
この下側シリンダヘッド3Lは、シリンダブロック2とともに上側クランクケース1Uにスタッドボルト7により一体に締結される(図4,図5参照)。
下側シリンダヘッド3Lの上に重ねられる上側シリンダヘッド3Uは、上面視である図5を参照して、前後の左右に長尺の前側壁3Fr,後側壁3Rrと左右の前後に短尺の左側壁3Lh,右側壁3Rhにより矩形枠壁をなす。
上側シリンダヘッド3Uの矩形枠内は、右側壁3Rhに沿って平行に形成された軸受壁3vrにより右側の狭いカムチェーン室3cと左側の動弁室3dに仕切られ、動弁室3dは、さらに左右側壁3Lh,3Rhに平行な4つの軸受壁3vにより5つの室に仕切られている。
各軸受壁3vは、各気筒の燃焼室30の中央の上方に位置し、前後方向中央に点火プラグを嵌挿するプラグ嵌挿筒部3vpが形成されている。
可変動弁装置40は、シリンダヘッド3とシリンダヘッドカバー4により形成される動弁室3d内に設けられる。
図4および図5を参照して、直列4気筒の各気筒に設けられる左右1対の吸気バルブ41,41は、左右方向に直列に4対配列され、この4対の吸気バルブ41,41の上を1本の吸気側カムシャフト42が左右方向に指向して配設されて、上側シリンダヘッド3Uの軸受壁3v,3vrの半円弧面をなす軸受3vvに嵌合しカムシャフトホルダ33に挟まれるようにして回転自在に軸支される。
同様に、各気筒の左右方向に直列に設けられる左右1対の排気バルブ51,51は、左右方向に直列に4対配列され、この4対の排気バルブ51,51の上を1本の排気側カムシャフト52が左右方向に指向して配設されて、上側シリンダヘッド3Uの軸受壁3v,3vrの軸受にカムシャフトホルダ33に挟まれるようにして回転自在に軸支される。
排気側カムシャフト52は、吸気側カムシャフト42の前方に平行に配設される。
図5を参照して、吸気側カムシャフト42は、右端近傍に軸受壁3vrに軸支される被軸受部42aを有し、被軸受部42aの両側のフランジにより軸受壁3vrを挟んで軸方向の位置決めがなされ、同被軸受部42aより左側は外周面にスプライン外歯が形成されたスプライン軸部42bが動弁室3dの4つの軸受壁3vを貫通して長尺に延出している。
吸気側カムシャフト42のカムチェーン室3c内に突出した右端のフランジには、吸気側被動ギア47が嵌着されている。
同様に、排気側カムシャフト52は、右端近傍に軸受壁3vrに軸支される被軸受部52aを有し、被軸受部52aの両側のフランジにより軸受壁3vrを挟んで軸方向の位置決めがなされ、同被軸受部52aより左側は外周面にスプライン軸部52bが動弁室3dの4つの軸受壁3vを貫通して長尺に延出している。
排気側カムシャフト52のカムチェーン室3c内に突出した右端のフランジには、排気側被動ギア57が嵌着されている。
吸気側カムシャフト42のスプライン軸部42bには、円筒状部材である吸気側カムキャリア43が4個スプライン嵌合して配列される。
4個の吸気側カムキャリア43は、それぞれ吸気側カムシャフト42に対して相対回転を禁止されて軸方向に摺動可能に嵌合する。
同様に、排気側カムシャフト52のスプライン軸部52bには、円筒状部材である排気側カムキャリア53が4個スプライン嵌合して配列され、4個の排気側カムキャリア53は、それぞれ排気側カムシャフト52に対して相対回転を禁止されて軸方向に摺動可能に嵌合する。
図6は、吸気側カム切替機構と排気側カム切替機構の一部省略して主要な要部のみを示す斜視図であり、図7は、吸気側カムキャリア43の斜視図である。
図7を参照して、各吸気側カムキャリア43は、外周面にカムプロファイルの異なる一対のリフト量の大きい高速側カムロブ43Aとリフト量の小さい低速側カムロブ43Bが軸方向左右に隣接したものが、軸方向で所定幅の被軸受円筒部43Cを間に挟んで左右に1組ずつそれぞれ形成されている。
隣接する高速側カムロブ43Aと低速側カムロブ43Bは、各カムプロファイルの基礎円の外径が互いに等しく、基礎円は同じ周方向位置にある。
各吸気側カムキャリア43は、高速側カムロブ43Aと低速側カムロブ43Bの右側の組のうち右側の低速側カムロブ43Bより右側に、リード溝44が周回するように形成されたリード溝円筒部43Dを有する。
リード溝円筒部43Dの外径は、高速側カムロブ43Aと低速側カムロブ43Bの同径の基礎円の外径より僅かに小さい。
リード溝円筒部43Dのリード溝44は、軸方向定位置で周方向に一周する定常リード溝44cが形成されるとともに、定常リード溝44cから左右に枝分かれして軸方向左右に所定距離離れた位置まで螺旋状に左シフトリード溝44lと右シフトリード溝44rが形成されている。
また、リード溝円筒部43Dには、その左右両側にリード溝44を挟むようにしてそれぞれ係止解除カムロブ45l,45rが形成されている。
係止解除カムロブ45l,45rは、軸方向に幅狭く、それぞれ所定周方向部位にリフト量が増減するカム山45ln,45rnを有する。
図8は、リード溝円筒部43Dのリード溝44(左シフトリード溝44l,定常リード溝44c,右シフトリード溝44r)および係止解除カムロブ45l,45rの展開図である。
図8を参照して、右シフトリード溝44rの溝側壁面F,Fのうち第1切替ピン73に摺接して押圧される側の溝側壁面Fおよび左シフトリード溝44lの第2切替ピン74に摺接して押圧される側の溝側壁面Fの各溝側壁面F,Fには、切替ピン73,74により吸気側カムキャリア43がシフトを開始するシフト開始変曲部位Paからシフトを終了するシフト終了変曲部位Pzまでの間のシフト作用が働くシフト溝側壁面Faz,Fazが形成されている。
シフトリード溝44r,44lは、シフト終了変曲部位Pzで定常リード溝44cに合流する。
リード溝円筒部43Dのリード溝44は、溝底面Gと同溝底面Gの両側の溝側壁面F,Fとでチャンネル状に構成され、溝底面Gの両側の溝側壁面F,Fは、リード溝円筒部43Dの外周面(および溝底面G)に直角な垂直面をなすが、本リード溝44の場合、溝側壁面Fのうち少なくともシフト開始変曲部位Paからシフト終了変曲部位Pzまでの間のシフト溝側壁面Fazは、リード溝円筒部43Dの外周面と鋭角をなす傾斜面をなす(図9参照)。
リード溝円筒部43Dのリード溝44を間に挟む左右両端部の係止解除カムロブ45l,45rのうち左側の係止解除カムロブ45lは左シフトリード溝44lに沿って形成され、右側の係止解除カムロブ45rは右シフトリード溝44rに沿って形成されている。
係止解除カムロブ45l,45rは、シフト開始変曲部位Paからシフト終了変曲部位Pzまでの周方向範囲のうちでシフト終了変曲部位Pz寄りの所定周方向部位にカム山45ln,45rnを有する。
図8を参照して、シフトリード溝44l,44rのうちで、シフト開始変曲部位Paから回転方向に若干進んだ周方向位置Yaからシフト開始変曲部位Paとシフト終了変曲部位Pzの間の略中間の周方向位置Ybまでの周方向範囲Zabは、切替ピン73,74が進入しようとすると、切替ピン73,74がシフト溝側壁面Fazにはじかれたり、シフト溝側壁面Fazの溝開口端縁に切替ピン73,74の先端縁が衝接してしまうなど切替ピン73,74が進入するのに適切でない周方向範囲である。
そこで、係止解除カムロブ45l,45rのカム山45ln,45rnをシフト終了変曲部位Pz寄りの所定周方向部位に設けることで、機関回転数に関わりなく、後記する切替ピン進行制御機構100によりカム山45ln,45rnが作用して係止が解除された切替ピン73,74が周方向範囲Zabを避けてシフトリード溝44l,44rに適切に係合することができる。
この吸気側カムキャリア43が、吸気側カムシャフト42のスプライン軸部42bに、4個順次スプライン嵌合されて、所定間隔を空けて吸気側カムシャフト42上に配列される(図5参照)。
こうして4個の吸気側カムキャリア43が配設された吸気側カムシャフト42が、図5に示されるように、上側シリンダヘッド3Uの軸受壁3vrおよび4つの軸受壁3vの後側の各軸受3vvに軸支される。
吸気側カムシャフト42の被軸受部42aが軸受壁3vrに支持され、各吸気側カムキャリア43の被軸受円筒部43Cが各軸受壁3vに支持される。
他方、排気側カムシャフト52のスプライン軸部52bにスプライン嵌合する排気側カムキャリア53も、吸気側カムキャリア43と同じ形状をしており、高速側カムロブ53Aと低速側カムロブ53Bと被軸受円筒部53Cおよびリード溝円筒部53Dが形成され、リード溝円筒部53Dには、定常リード溝54cと右シフトリード溝54rと左シフトリード溝54lが形成されるとともに、その両端部にそれぞれ係止解除カムロブ55r,55lが形成されている(図5,図6参照)。
この排気側カムキャリア53が4個順次スプライン軸部52bにスプライン嵌合した排気側カムシャフト52が、図5に示されるように、上側シリンダヘッド3Uの軸受壁3vrおよび4つの軸受壁3vの前側の各軸受3vvに軸支される。
排気側カムシャフト52の被軸受部52aが軸受壁3vrに支持され、各排気側カムキャリア53の被軸受円筒部53Cが各軸受壁3vに支持される。
以上のようにして、上側シリンダヘッド3Uの軸受壁3vrおよび4つの軸受壁3vに、吸気側カムシャフト42(および吸気側カムキャリア43)と排気側カムシャフト52(および排気側カムキャリア53)が支持されると、軸受壁3vrおよび4つの軸受壁3vの上にそれぞれ重ねられるカムシャフトホルダ33(図4参照)により、吸気側カムシャフト42(および吸気側カムキャリア43)と排気側カムシャフト52(および排気側カムキャリア53)が挟まれて回転自在に軸受される。
すなわち、4個の吸気側カムキャリア43は吸気側カムシャフト42とともに回転しながら軸方向に摺動可能に軸支され、4個の排気側カムキャリア53も排気側カムシャフト52とともに回転しながら軸方向に摺動可能に軸支される。
吸気側カムシャフト42の右端に取り付けられた吸気側被動ギア47と排気側カムシャフト52の右端に取り付けられた排気側被動ギア57は、同径であり、カムチェーン室3cに後と前に並んで配設されており、図4に示されるように、吸気側被動ギア47と排気側被動ギア57の双方に噛合する大径のアイドルギア61が、両者の間の下方に回転自在に軸支されている。
このアイドルギア61に下方のクランクシャフト10の動力がカムチェーン66等を介して伝達される。
図6を参照して、吸気側カムシャフト42の前斜め下方に吸気側カム切替機構70の吸気側切替駆動シャフト71が吸気側カムシャフト42と平行に配設されるとともに、排気側カムシャフト52の前斜め下方に排気側カム切替機構80の排気側切替駆動シャフト81が排気側カムシャフト52と平行に配設される。
吸気側切替駆動シャフト71および排気側切替駆動シャフト81は、上側シリンダヘッド3Uに支持される。
図5,図6および図12を参照して、上側シリンダヘッド3Uには、動弁室3dに左右方向に指向した筒状部3Aが、中央より若干後寄りの位置に軸受壁3vrから4つの軸受壁3vを貫いて一直線に形成されている。
同様に、上側シリンダヘッド3Uには、動弁室3dに左右方向に指向した筒状部3Bが、前側壁3Frの内面に軸受壁3vrから4つの軸受壁3vを貫いて一直線に形成されている(図5参照)。
筒状部3Aの軸孔に吸気側切替駆動シャフト71が軸方向に摺動自在に嵌挿され、筒状部3Bの軸孔に排気側切替駆動シャフト81が軸方向に摺動自在に嵌挿される。
筒状部3Aにおける軸受壁3vを挟んだ両側位置で、左右の吸気バルブ41,41にそれぞれ対応する2カ所が欠損して吸気側切替駆動シャフト71が露出しており、この吸気側切替駆動シャフト71の露出した部分に吸気ロッカアーム72,72が揺動自在に軸支される(図5参照)。
すなわち、吸気側切替駆動シャフト71はロッカアームシャフトを兼ねる。
図4および図6を参照して、吸気ロッカアーム72の先端部は、吸気バルブ41の上端部に当接し、吸気ロッカアーム72の湾曲した上端面には吸気側カムキャリア43の軸方向の移動により高速側カムロブ43Aまたは低速側カムロブ43Bのいずれかが摺接する。
したがって、吸気側カムキャリア43が回転すると、高速側カムロブ43Aまたは低速側カムロブ43Bのいずれかが、そのプロファイルに従って吸気ロッカアーム72を揺動し、吸気バルブ41を押圧して燃焼室30の吸気弁口を開く。
同様に、筒状部3Bにおける軸受壁3vを挟んだ両側位置で、左右の排気バルブ51,51にそれぞれ対応する2カ所が欠損して排気側切替駆動シャフト81が露出しており、この排気側切替駆動シャフト81の露出した部分に,排気ロッカアーム82が揺動自在に軸支される(図5,図6参照)。
すなわち、排気側切替駆動シャフト81はロッカアームシャフトを兼ねる。
図4および図6を参照して、排気ロッカアーム82の先端部は、排気バルブ51の上端部に当接し、排気ロッカアーム82の湾曲した上端面には排気側カムキャリア53の移動により高速側カムロブ53Aまたは低速側カムロブ53Bのいずれかが摺接する。
したがって、排気側カムキャリア53が回転すると、高速側カムロブ53Aまたは低速側カムロブ53Bのいずれかが、そのプロファイルに従って排気ロッカアーム82を揺動し、排気バルブ51を押圧して燃焼室30の排気弁口を開く。
図5および図13を参照して、筒状部3Aにおける吸気側カムキャリア43のリード溝円筒部43Dに対応する箇所に、左右に隣接して2つの円筒ボス部3As,3Asがリード溝円筒部43Dに向けて突出して形成されている。
円筒ボス部3Asの内側の穴は、底を有している。
この左右の円筒ボス部3As,3Asの各内側の孔には、それぞれコイルばね75,75が挿入された上に、第1切替ピン73と第2切替ピン74が摺動自在に嵌挿される。
図10を参照して、第1切替ピン73は、軸方向に外径の異なる円柱形状に形成されている。
第1切替ピン73は、同径の先端側円柱部73aと基端円柱部73bが、小径の連結円柱部73cにより連結されており、先端側円柱部73aより先端に係合端部73dが突出している。
係合端部73dは、その外周面が先端面73dfに向かって拡径する外周円錐面73dtを形成している。
係合端部73dの先端面73dfの周縁は面取り加工がされている。
第1切替ピン73の先端側円柱部73aは、その外周面の基端寄りに周方向に被係止溝73vが環状に形成されている。
被係止溝73vの対向する一対の溝側面73v1,73v2のうち先端側の溝側面73v1はテーパ面をなし、基端側の溝側面73v2は垂直面をなす。
第1切替ピン73の基端円柱部73bの連結円柱部73c側の端面は、球面をなす球状端面73bfとなっている。
第2切替ピン74も第1切替ピン73と同じ形状をしている。
一方で、吸気側切替駆動シャフト71は、図11に示されるように、軸中心を貫通する軸方向に長尺の長孔71aが形成され、
長孔71aの幅は、第1切替ピン73の連結円柱部73cの径より若干大きいが、基端円柱部73bの径より小さい。
吸気側切替駆動シャフト71の長孔71aの一方の開口端面には、左右2つ平坦面71Cp,71Cpの間に所定の形状に凹んで形成された凹曲面71Cvが連続して形成されるカム面71Cが構成されている。
第1切替ピン73は、連結円柱部73cが吸気側切替駆動シャフト71の長孔71aを貫通し、コイルばね75により付勢されて基端円柱部73bの球状端面73bfが吸気側切替駆動シャフト71の長孔71aの開口端面であるカム面71Cに押圧された状態に組付けられる。
したがって、吸気側切替駆動シャフト71が軸方向に移動すると、軸方向定位置にあって軸方向と直交する方向に摺動する第1切替ピン73の基端円柱部73bの球状端面73bfがカム面71Cに当接し、カム面71Cの形状に案内されて第1切替ピン73が軸方向と直角方向に進退する直動カム機構Caが構成されている。
図11に示されるように、第1切替ピン73と第2切替ピン74は、吸気側切替駆動シャフト71の共通の長孔71aを貫通して互いに平行に並んで配設される。
なお、長孔71aの左端に軸中心を貫通する円孔71bが形成されている。
円孔71bは、内径が基端円柱部73b,74bの外径より若干大きく、第1切替ピン73と第2切替ピン74の組付け作業に利用される。
図11は、吸気側切替駆動シャフト71のカム面71Cのうち凹曲面71Cvの中央が、第1切替ピン73の位置にある状態を示しており、第1切替ピン73が凹曲面71Cvに球状端面73bfを当接して進行した位置にあり、第2切替ピン74はカム面71Cのうち平坦面71Cpに当接して退行した位置にある。
この状態から吸気側切替駆動シャフト71が左方に移動すると、第1切替ピン73は球状端面73bfが凹曲面71Cvの中央から凹曲面71Cvの右側傾斜面を上りながら退行して右側平坦面71Cpに当接し、第2切替ピン74は球状端面74bfが平坦面71Cpから凹曲面71Cvの左側傾斜面を下りながら進行して凹曲面71Cvの中央に当接する。
このように、吸気側切替駆動シャフト71の軸方向の移動により第1切替ピン73と第2切替ピン74を交互に進退させることができる。
なお、排気側切替駆動シャフト81が軸方向に摺動自在に嵌挿される筒状部3Bには、図示されないが、筒状部3Aと同様に、第1切替ピン83と第2切替ピン84が摺動自在に嵌挿される2つの円筒ボス部3Bs,3Bsが左右に隣接して形成されており、第1切替ピン83と第2切替ピン84は、排気側切替駆動シャフト81の共通の長孔81aを貫通して互いに平行に並んで配設される(図5,図6参照)。
排気側切替駆動シャフト81の軸方向の移動で、長孔81aのカム面81C(カム面71Cと同じ形状のカム面、図11参照)により第1切替ピン83と第2切替ピン84が軸方向と直角方向に交互に進退する直動カム機構Cbが構成されている。
第1切替ピン73が進行して右シフトリード溝44rに係合する場合、第1切替ピン73の先端の係合端部73dが右シフトリード溝44r内に進入して係合する。
第1切替ピン73の係合端部73dは、前記したように、外周面が先端面73dfに向かって拡径する外周円錐面73dtを形成しており、右シフトリード溝44rの溝側壁面Fのうちシフト開始変曲部位Paからシフト終了変曲部位Pzまでの間のシフト溝側壁面Fazは、傾斜している。
図12に示されるように、第1切替ピン73の係合端部73dの外周円錐面73dtの先端面73dfに対する傾斜角は、右シフトリード溝44rの溝側壁面Fのうちシフト開始変曲部位Paからシフト終了変曲部位Pzまでの間の傾斜面であるシフト溝側壁面Fazのリード溝円筒部43Dの外周面に対する傾斜角と略等しい。
図12に実線で示すように、第1切替ピン73の係合端部73dが右シフトリード溝44rに正常に係合した場合は、第1切替ピン73の係合端部73dの外周円錐面73dtが、回転する右シフトリード溝44rの傾斜したシフト溝側壁面Fazに接して押圧し、吸気側カムキャリア43を右方にシフトするので、第1切替ピン73の係合端部73dは右シフトリード溝44rに食い込むように溝内方に力を受け確実に係合する。
第1切替ピン73の係合端部73dが右シフトリード溝44rに入り始めたところで、右シフトリード溝44rの傾斜したシフト溝側壁面Fazに係合端部73dの先端が衝接して、第1切替ピン73が多少傾いたとしても、図12に2点鎖線で示すように、リード溝円筒部43Dの外周面とシフト溝側壁面Fazが交わる溝開口縁Feが、第1切替ピン73の係合端部73dの外周円錐面73dtに接して押圧するため、第1切替ピン73は、右シフトリード溝44rの溝内方に引き込まれる方向に力を受けて、右シフトリード溝44rの外側にはじかれことなく、速やかに右シフトリード溝44rに係合し、カム切替機構の作動性を向上させることができる。
なお、第1切替ピン73の係合端部73dは、先端面73dfの周縁が面取り加工がされているので、右シフトリード溝44rへの進入時に、右シフトリード溝44rの溝開口縁やシフト溝側壁面Fazとの当たりを良好にすることができる。
本可変動弁装置40には、上記吸気側カム切替機構70に、第1切替ピン73と第2切替ピン74のコイルばね75による進行を制御する吸気側切替ピン進行制御機構100が備えられ、同様に、上記排気側カム切替機構80に、第1切替ピン83と第2切替ピン84のコイルばね85による進行を制御する排気側切替ピン進行制御機構110が備えられている。
吸気側切替ピン進行制御機構100は、上側シリンダヘッド3Uの筒状部3Aに設けられ、排気側切替ピン進行制御機構110は、筒状部3Bに設けられている(図13参照)。
吸気側切替ピン進行制御機構100と排気側切替ピン進行制御機構110は、同じ構造を有し、以下、吸気側切替ピン進行制御機構100について説明する。
吸気側切替ピン進行制御機構100は、コイルばね75による第1切替ピン73と第2切替ピン74の進行を、第1係止部材103と第2係止部材104がそれぞれ係止して禁止するものである。
図14は、第1係止部材103を示しており、第1係止部材103は、長尺板部103aの上下両端が直角に屈曲して上側短尺板部103bと下側短尺板部103cが形成されており、長尺板部103aの一端から上側短尺板部103bとは反対側に軸受部103dが突出している。
軸受部103dには、軸受孔103dhが幅方向に穿孔されている。
下側短尺板部103cの先端が係止爪部103ccをなし、係止爪部103ccの上縁角部にテーパ状に切り欠かれた切欠き103ctが形成されている。
そして、上側短尺板部103bは、一方の面に偏って先細に形成され、偏った面から幅方向に突出してカムスリッパ部103sが形成されている。
したがって、カムスリッパ部103sは、係止爪部103ccとは幅方向に偏移した位置にある。
カムスリッパ部103sの上面がスリッパ面103sfである。
第2係止部材104は、第1係止部材103と面対称な形状をしており、同じ部位は同じ添え字を104に付して示す。
図15に示されるように、第1係止部材103と第2係止部材104は、共通のホルダ105に揺動自在に保持される。
ホルダ105は、取付基板105aの上端部から3本のアーム部105b,105c,105dが互いに平行に突出しており、隣り合うアーム部105b,105cの間に第1係止部材103の軸受部103dが挟まれ、隣り合うアーム部105c,105dの間に第2係止部材104の軸受部104dが挟まれ、アーム部105b,105c,105dを幅方向に貫く支軸106が、第1係止部材103の軸受部103dの軸受孔103dhおよび第2係止部材104の軸受部104dの軸受孔104dhを貫通軸支している。
このようにホルダ105に支軸106を介して揺動自在に第1係止部材103と第2係止部材104が保持される。
ホルダ105の取付基板105aには、第1係止部材103の長尺板部103aと第2係止部材104の長尺板部104aのそれぞれ背後に、円穴105ah,105ahが形成されていて、同円穴105ah,105ahにコイルばね107,107が嵌挿され、コイルばね107,107により第1係止部材103と第2係止部材104がそれぞれ係止爪部103cc,104ccを突出する方向に付勢される(図15参照)。
図13を参照して、第1係止部材103と第2係止部材104を揺動自在に保持したホルダ105は、その取付基板105aが上側シリンダヘッド3Uの筒状部3Aにおける第1切替ピン73と第2切替ピン74の嵌挿される円筒ボス部3As,3Asに取り付けられる。
第1係止部材103と第2係止部材104がそれぞれ第1切替ピン73と第2切替ピン74に対応し、コイルばね107に付勢された第1係止部材103の係止爪部103ccが第1切替ピン73に当接し、コイルばね107に付勢された第2係止部材104の係止爪部104ccが第2切替ピン74に当接する。
そして、第1係止部材103のカムスリッパ部103sのスリッパ面103sfと第2係止部材104のカムスリッパ部104sのスリッパ面104sfが、吸気側カムキャリア43のリード溝円筒部43Dの両端のリード溝44の両側の係止解除カムロブ45r,45lにそれぞれ接触可能に対向する。
図16に、吸気側カムキャリア43に対する第1切替ピン73と第1係止部材103の位置関係を示す。
第1切替ピン73は、コイルばね75に付勢されて吸気側切替駆動シャフト71のカム面71Cに基端円柱部73bの球状端面73bfを当接し、先端の係合端部73dを吸気側カムキャリア43のリード溝円筒部43Dの外周面に臨ませている。
第1係止部材103は、コイルばね107に付勢されて下側短尺板部103cの先端の係止爪部103ccを第1切替ピン73の外周面に当接可能に臨ませ、上側短尺板部103bから側方に突出したカムスリッパ部103sのスリッパ面103sfを、吸気側カムキャリア43のリード溝円筒部43Dの一端部の係止解除カムロブ45rのカム面に接触可能に対向させている。
第2切替ピン74と第2係止部材104も吸気側カムキャリア43に対して同様の位置関係にある。
排気側切替ピン進行制御機構110も上記吸気側切替ピン進行制御機構100と同じ構造を有し、共通のホルダ115に第1係止部材113と第2係止部材114が揺動自在に保持されている。
吸気側切替ピン進行制御機構100の動作過程を図17に従って説明するが、排気側切替ピン進行制御機構110も同様に動作する。
図17は、吸気側切替ピン進行制御機構100において第1切替ピン73が進行して吸気側カムキャリア43の右シフトリード溝44rに係合するまでの各行程を図示したものである。
図17の(1)は、図16と同じ状態を示し、第1切替ピン73は、その基端円柱部73bの球状端面73bfが、吸気側切替駆動シャフト71のカム面71Cのうち平坦面71Cpに当接して退行した位置にある。
このとき、吸気側切替ピン進行制御機構100の第1係止部材103は、下側短尺板部103cの先端の係止爪部103ccが第1切替ピン73の先端側円柱部73aの外周面に乗り上げてコイルばね107を圧縮した揺動姿勢にあり、上側短尺板部103bから側方に突出したカムスリッパ部103sのスリッパ面103sfは、吸気側カムキャリア43のリード溝円筒部43Dの一端部の係止解除カムロブ45rのカム面に近接した状態にある。
この状態から吸気側切替駆動シャフト71が移動して、第1切替ピン73の球状端面73bfがカム面71Cの平坦面71Cpから凹曲面71Cvに入り始めると、図17の(2)に示されるように、コイルばね75に付勢されて第1切替ピン73は若干進行するので、第1切替ピン73の先端側円柱部73aの被係止溝73vに第1係止部材103の係止爪部103ccが噛み込んで第1切替ピン73を係止する。
コイルばね75に付勢された第1切替ピン73は、先端の係合端部73dの先端面73dfが吸気側カムキャリア43のリード溝円筒部43Dの外周面に近接した状態にあって、第1係止部材103に係止されて進行を禁止された進行禁止状態にあり、吸気側切替駆動シャフト71がさらに移動して、カム面71Cの凹曲面71Cvが進行禁止された第1切替ピン73の球状端面73bfから離れても、コイルばね75に付勢された第1切替ピン73は進行を禁止されて待機状態にある。
図17の(2)に示される第1切替ピン73の待機状態では、係止爪部103ccが第1切替ピン73の被係止溝73vに噛み込むことで揺動した第1係止部材103のカムスリッパ部103sのスリッパ面103sfは、吸気側カムキャリア43の係止解除カムロブ45rのカム面に接触しない状態で近接している。
第1切替ピン73が待機状態にあるときに、吸気側カムキャリア43の係止解除カムロブ45rのカム面のカム山45rnが所定の適切なタイミングで第1係止部材103のスリッパ面103sfに接すると、図17の(3)に示されるように、第1係止部材103をコイルばね107に抗して揺動し、係止爪部103ccを第1切替ピン73の被係止溝73vから抜いて係止を解除し、第1切替ピン73の進行を許可する進行許可状態とする。
係止爪部103ccが第1切替ピン73の被係止溝73vから抜けると、第1切替ピン73はコイルばね75のばね力により瞬時に突出し、図17の(4)に示されるように、第1切替ピン73の先端の係合端部73dは、吸気側カムキャリア43のリード溝円筒部43Dの右シフトリード溝44rに適切なタイミングで係合する。
第1切替ピン73は、基端円柱部73bの球状端面73bfが吸気側切替駆動シャフト71のカム面71Cの凹曲面71Cvの底面に接し、もしくは係合端部73dが右シフトリード溝44rの溝底面Gに接して突出を停止し、この時、第1係止部材103は、下側短尺板部103cの先端の係止爪部103ccが第1切替ピン73の先端側円柱部73aの被係止溝73vより基端側の外周面に乗り上げた揺動状態となり、吸気側カムキャリア43の係止解除カムロブ45rのカム山45rnが第1係止部材103のスリッパ面103sfを通り過ぎても、図17の(5)に示されるように、この揺動状態が維持され、第1係止部材103のスリッパ面103sfが吸気側カムキャリア43の係止解除カムロブ45rのカム山45rnには接しない位置にあって、第1係止部材103は吸気側カムキャリア43の回転によって揺動することはない。
第1切替ピン73の被係止溝73vに第1係止部材103の係止爪部103ccが噛み込んで第1切替ピン73が係止され(図17の(2)参照)、コイルばね75により付勢されて第1切替ピン73が待機状態にあるときから、吸気側カムキャリア43の回転で係止解除カムロブ45rのカム山45rnが第1係止部材103を揺動して係止を解除するタイミングは、係止が解除された第1切替ピン73の係合端部73dが右シフトリード溝44rに適切に進入して係合することができるタイミングである。
前記したように、吸気側カムキャリア43に形成された係止解除カムロブ45rは、図8に示されるように、シフト開始変曲部位Paからシフト終了変曲部位Pzまでの周方向範囲のうちでシフト終了変曲部位Pz寄りの所定周方向部位にカム山45rnを有し、吸気側カムキャリア43と一体に回転する該カム山45rnが、係止して待機状態にある第1係止部材103に作用して係止を解除するので、吸気側カムキャリア43の回動に合わせて適切なタイミングでコイルばね75のばね力により第1切替ピン73を速やかに突出させて右シフトリード溝44rに適切に係合させることができる。
機関回転数が様々な回転数の場合でも、右シフトリード溝44rの少なくとも第1切替ピン73が進入するのに適切でない周方向範囲Zabを避けて、周方向範囲Zab以外の周方向範囲で第1切替ピン73を進入させて円滑に係合させることができる(図8参照)。
機関回転数が高速回転化した場合でも、コイルばね75に付勢されて待機状態にある第1切替ピン73を吸気側カムキャリア43の回動に連動して係止を解除して、コイルばね75のばね力により第1切替ピン73を突出させるので、進入するのに適切でない周方向範囲Zabを除いた周方向範囲で、右シフトリード溝44rに速やかにかつ確実に係合させることができ、カム切替の作動性を向上させることができる。
すなわち、第1切替ピン73の係合端部73dが右シフトリード溝44rの軸方向に偏移しない周方向範囲に円滑に係合すると、図8を参照して、シフト開始変曲部位Paからシフト終了変曲部位Pzまでの間のシフト溝側壁面Fazに係合端部73dが接することになり、吸気側カムキャリア43が回転しながら右方にシフトし、カム切替が行われる。
第1切替ピン73の係合端部73dは、その外周面が先端面に向かって拡径する外周円錐面を形成し、また、シフト溝側壁面Fazはリード溝円筒部43Dの外周面と鋭角をなす傾斜した傾斜溝側壁面Fsの主要部をなして傾斜しているので、第1切替ピン73の係合端部73dが右シフトリード溝44rに係合し、シフト溝側壁面Fazに接すると、図12に断面図で示すように係合する。
図12に示す場合には、第1切替ピン73の係合端部73dの先端面73dfに向かって拡径する外周円錐面73dtが、右シフトリード溝44rのシフト溝側壁面Faz(傾斜溝側壁面Fs)に接しており、シフト溝側壁面Fazから受ける押圧力が第1切替ピン73を溝内方に引き込む方向に作用し、右シフトリード溝44rの外側に抜けることはない。
また、右シフトリード溝44rのシフト溝側壁面Fazに第1切替ピン73の係合端部73dの先端面73dfの周縁が衝接して第1切替ピン73が僅かに傾いたとしても、第1切替ピン73の係合端部73dの外周円錐面73dtがリード溝円筒部43Dの外周面と傾斜したシフト溝側壁面Fazが交わる溝開口縁Feに接して押圧されるため、第1切替ピン73は溝内方に引き込まれる方向に力を受けて、右シフトリード溝44rの外側にはじかれことなく、速やかに右シフトリード溝44rに係合してカム切替機構の作動性を向上させることができる。
傾斜したシフト溝側壁面Fazは、少なくともシフト開始変曲部位Paからシフト終了変曲部位Pzまでの間のシフト溝側壁面Fazに形成されるので、第1切替ピン73の係合端部73dが右シフトリード溝44rに係合してシフト溝側壁面Fazに接して吸気側カムキャリア43を軸方向に押圧してシフトする間、係合端部73dは傾斜したシフト溝側壁面Fazに接してリード溝(44,54)の内側に力を受けて係合を確実にすることができる。
なお、第1切替ピン73の係合端部73dは、先端面の周縁は面取り加工がされているので、右シフトリード溝44rのシフト溝側壁面Fazとの当たりを良好にすることができる。
以上、第1切替ピン73の右シフトリード溝44rへの係合について説明したが、第2切替ピン74の左シフトリード溝44lへの係合についても吸気側カムキャリア43のシフト方向が逆になること以外は、同様である。
第1切替ピン73の係合端部73dが右シフトリード溝44rに係合した状態は、図17の(5)に示されるが、この状態のとき、第1切替ピン73が進行し、第2切替ピン74が退行して、吸気側切替駆動シャフト71との関係では、図11に示す状態にある。
この状態から吸気側切替駆動シャフト71が左方に移動すると、吸気側切替駆動シャフト71のカム面71Cにより第1切替ピン73が退行して右シフトリード溝44rから抜けるとともに、代わって第2切替ピン74が進行して左シフトリード溝44lに係合して吸気側カムキャリア43を左方にシフトする。
第1切替ピン73は、左方に移動する吸気側切替駆動シャフト71のカム面71Cのうち凹曲面71Cvを上ることで、図17の(5)に示す状態から退行するので、コイルばね107に付勢された第1係止部材103は、係止爪部103ccが第1切替ピン73の被係止溝73vに一旦進入するが、第1切替ピン73の更なる退行で、係止爪部103ccはそのテーパ状に切欠かれた切欠き103ctが第1切替ピン73の被係止溝73vの先端側の溝側面73v1のテーパ面に摺接して同溝側面73v1を滑らかに上って、先端側円柱部73aの外周面に乗り、係止が解除された状態で第1係止部材103を図17の(1)に示す退行位置に戻すことができる(図16参照)。
吸気側カム切替機構70により吸気側カムキャリア43を移動して、高速側カムロブ43Aと低速側カムロブ43Bを切替えて吸気ロッカアーム72に作用させるときの吸気側カム切替機構70の動きを、図18の動作過程を示す説明図に基づいて説明する。
図18は、吸気側カム切替機構70の主要部材の動作過程を経時的に順に示している。
なお、図18は説明図であり、特に、係止解除カムロブ45r,45lは誇張して示し、第1係止部材103と第2係止部材104は、説明上、実際と異なる位置に配置している。
図18の(1)に示す状態は、吸気側カムキャリア43が右側位置(右方RHの位置)にあって、高速側カムロブ43Aが吸気ロッカアーム72に作用して、高速側カムロブ43Aのカムプロファイルに設定されたバルブ作動特性に従って吸気バルブ41が動作している。
このとき、吸気側切替駆動シャフト71も右側位置にあって、カム面71Cのうち凹曲面71Cvが第1切替ピン73の位置にあって、第1切替ピン73が凹曲面71Cvに当接し、もしくは右シフトリード溝44rの溝底面Gに接して進行し吸気側カムキャリア43のリード溝円筒部43Dの定常リード溝44cに係合している。
第2切替ピン74は、カム面71Cの平坦面71Cpに当接して退行しリード溝44から離れている。
したがって、吸気側カムシャフト42にスプライン嵌合して回転する吸気側カムキャリア43は、周方向に一周に亘って形成された定常リード溝44cに第1切替ピン73が係合し、吸気側カムシャフト42内に設けられたストッパロッド48により軸方向に移動せず所定位置に維持されている。
図13を参照して、吸気側カムシャフト42は、中心軸孔が油路42oとなっており、油路42oから径方向に円孔が貫通しており、同円孔にストッパロッド48が周方向に摺動自在に嵌挿している。
ストッパロッド48は円筒部の先端が半球状をなしており、半球部には円筒部の中心軸上に貫通孔48hが形成されている。
吸気側カムシャフト42の前記円孔に油路42oを挟んで対向する部分に形成された円穴の底面とストッパロッド48の円筒部内の半球部の底面との間にコイルばね49が介装されており、コイルばね49はストッパロッド48の半球部を吸気側カムシャフト42の外周面から突出させるように付勢している。
一方で、吸気側カムキャリア43のスプラインが形成された内周面には、所定箇所にストッパロッド48の半球部が係合可能な凹部43pが形成されている。
図13は、ストッパロッド48の半球部が凹部43pに係合して、吸気側カムキャリア43の軸方向の移動を規制した仮止め状態を示している。
このとき、回転する吸気側カムキャリア43は、周方向に一周に亘って形成された定常リード溝44cに第1切替ピン73または第2切替ピン74が係合しており、ストッパロッド48により仮止めされて吸気側カムキャリア43は、軸方向に移動せず所定位置に維持されている。
ストッパロッド48には、吸気側カムシャフト42の内部の油路42oに連通する貫通孔48hが形成されている。
したがって、オイルにより異物等がストッパロッド48の周辺に運ばれた場合、貫通孔48hを通して外側に排出することができるため、ストッパロッド48と吸気側カムシャフト42の間に異物を噛み込み、動きが阻害されることを抑制することができる。
また、ストッパロッド48は、頭部が半球状をして下部が円筒部となっているので、球体のものに比べ回転しないため、貫通孔48hが常に吸気側カムシャフト42の内部の油路42oと連通状態を維持することができる。
図18の(1)を参照して、前記定常リード溝44cに第1切替ピン73が係合し、吸気側カムシャフト42内に設けられたストッパロッド48により軸方向に移動せず所定位置に維持された状態から吸気側切替駆動シャフト71が左方向LHに移動すると、第1切替ピン73は凹曲面71Cvの傾斜面に案内されて退行して定常リード溝44cから抜け、他方、第2切替ピン74は平坦面71Cpから凹曲面71Cvの傾斜面に案内されて若干進行したところで、第2係止部材104の係止爪部104ccが第2切替ピン74の被係止溝74vに噛み込んで第2切替ピン74を係止し、コイルばね75に付勢された第2切替ピン74は進行を禁止されて待機状態になる(図18の(2)参照)。
吸気側カムキャリア43がさらに回転し、吸気側カムキャリア43の係止解除カムロブ45lのカム山45lnが第2係止部材104のカムスリッパ部104sに摺接して第2係止部材104を揺動して係止爪部104ccを第2切替ピン74の被係止溝74vから抜き、適切なタイミングで係止を解除し、第1切替ピン73の進行を許可する進行許可状態とする(図18の(3)参照)。
係止を解除された第2切替ピン74は、適切なタイミングでコイルばね75のばね力により突出し、進入するのに適切でない周方向範囲Zabを避けて左シフトリード溝44lの軸方向に偏移しない周方向範囲に進入して円滑に係合する(図18の(4)参照)。
そして、吸気側カムキャリア43が回転し、左シフトリード溝44lのシフト開始変曲部位Paが第2切替ピン74に至る(図18の(5)参照)。
吸気側カムキャリア43がさらに回転すると、第2切替ピン74は左シフトリード溝44lのシフト開始変曲部位Paからシフト終了変曲部位Pzまでの間のシフト溝側壁面Fazに接することになり、吸気側カムキャリア43は回転しながら左方LHにシフトする。
吸気側カムキャリア43が左方LHに移動すると、第2切替ピン74は定常リード溝44cに係合し、吸気側カムシャフト42内に設けられたストッパロッド48により吸気側カムキャリア43は左方に移動した所定位置で維持される。
高速側カムロブ43Aに代わって低速側カムロブ43Bが吸気ロッカアーム72に作用して、低速側カムロブ43Bのカムプロファイルに設定されたバルブ作動特性に従って吸気バルブ41が動作する(図18の(6)参照)。
このように、吸気側切替駆動シャフト71を左方に移動することで、吸気バルブ41に作用するカムロブを、高速側カムロブ43Aから低速側カムロブ43Bに切り替えることができる。
また、この状態から、逆に吸気側切替駆動シャフト71を右方に移動することで、第2切替ピン74が退行して定常リード溝44cから離れ、第1切替ピン73が進行して右シフトリード溝44rに係合して、右シフトリード溝44rに案内されて吸気側カムキャリア43は右方に移動し、吸気バルブ41に作用するカムロブを、低速側カムロブ43Bから高速側カムロブ43Aに切り替えることができる。
なお、排気側カム切替機構80も排気側切替駆動シャフト81の移動により、吸気側カム切替機構70と同様に、カム切替動作が行われる。
図5および図6を参照して、上側シリンダヘッド3Uの左側壁3Lhには、吸気側切替駆動シャフト71を軸方向に移動させる吸気側油圧アクチュエータ77が動弁室3d内に突出して設けられるとともに、排気側切替駆動シャフト81を軸方向に移動させる排気側油圧アクチュエータ87が動弁室3d内に吸気側油圧アクチュエータ77の前方に並んで突出して設けられる。
すなわち、吸気側油圧アクチュエータ77と排気側油圧アクチュエータ87は、上側シリンダヘッド3Uに一体に形成されている。
図19および図20を参照して、吸気側油圧アクチュエータ77は、吸気側アクチュエータハウジング78の円孔状のハウジング内室に、円筒状本体79aの内部中央に仕切り壁79bを有した吸気側アクチュエータ駆動体79が吸気側切替駆動シャフト71の軸方向(左右方向)に往復摺動可能に嵌合されており、吸気側切替駆動シャフト71の左端部が吸気側アクチュエータ駆動体79の仕切り壁79bに嵌着されて一体に移動する。
吸気側アクチュエータハウジング78のハウジング内室は、左方開口を蓋部材76により閉塞され、吸気側アクチュエータ駆動体79の中央仕切り壁79bにより左右に仕切られて左側の吸気高速側油圧室78Hと右側の吸気低速側油圧室78Lが構成される。
同様に、排気側油圧アクチュエータ87は、排気側アクチュエータハウジング88の円孔状のハウジング内室に、円筒状本体89aの内部中央に仕切り壁89bを有した排気側アクチュエータ駆動体89が排気側切替駆動シャフト81の軸方向(左右方向)に往復摺動可能に嵌合されており、排気側切替駆動シャフト81の左端部が排気側アクチュエータ駆動体89の仕切り壁89bに嵌着されて一体に移動する。
排気側アクチュエータハウジング88のハウジング内室は、左方開口を前記蓋部材76により閉塞され、排気側アクチュエータ駆動体89の中央仕切り壁89bにより左右に仕切られて左側の排気高速側油圧室88Hと右側の排気低速側油圧室88Lが構成される。
上側シリンダヘッド3Uの左側壁3Lhには、吸気側油圧アクチュエータ77の吸気高速側油圧室78と排気側油圧アクチュエータ87の排気高速側油圧室88Hとを連通する高速側連通油路90HCが形成されるとともに、吸気側油圧アクチュエータ77の吸気低速側油圧室78Lと排気側油圧アクチュエータ87の排気低速側油圧室88Lとを連通する低速側連通油路90LCが形成されている。
吸気高速側油圧室78Hには、高速側供給油路90Hが接続され、排気低速側油圧室88Lには、低速側供給油路90Lが接続されている。
なお、低速側供給油路90Lは上側シリンダヘッド3Uの左側壁3Lhに形成されるが、高速側供給油路90Hは蓋部材76に形成される。
図23は、油圧室と油路を吸気側アクチュエータ駆動体79および排気側アクチュエータ駆動体89とともに示す斜視図であり、吸気側アクチュエータ駆動体79と排気側アクチュエータ駆動体89以外の油圧室と油路を散点模様を付して示している。
図24は、その上面図であり、図25は図24のXXV矢視図、図26は図24のXXVI矢視図である。
前記したように、吸気側アクチュエータハウジング78のハウジング内室が吸気側アクチュエータ駆動体79の仕切り壁79bにより左側の吸気高速側油圧室78Hと右側の吸気低速側油圧室78Lに仕切られ、排気側アクチュエータハウジング88のハウジング内室が排気側アクチュエータ駆動体89により左側の排気高速側油圧室88Hと右側の排気低速側油圧室88Lに仕切られている。
図23ないし図26を参照して、吸気側アクチュエータハウジング78の円孔状のハウジング内室は、左右方向中央より左側と右側に、それぞれ径方向に膨張して形成された吸気高速側膨張室78HEと吸気低速側膨張室78LEを有し、吸気高速側膨張室78HEは高速側連通油路90HCに連通するとともに吸気高速側油圧室78Hと連通可能で、吸気低速側膨張室78LEは低速側連通油路90LCに連通するとともに吸気低速側油圧室78Lと連通可能である。
また、排気側アクチュエータハウジング88の円孔状のハウジング内室は、左右方向中央より左側と右側に、それぞれ径方向に部分的に膨張して形成された排気高速側膨張室88HEと排気低速側膨張室88LEを有し、排気高速側膨張室88HEは高速側連通油路90HCに連通するとともに排気高速側油圧室88Hと連通可能で、排気低速側膨張室88LEは低速側連通油路90LCに連通するとともに排気低速側油圧室88Lと連通可能である。
したがって、高速側連通油路90HCは、一端が吸気高速側油圧室78とともに吸気高速側膨張室78HEに接続され、他端が排気高速側油圧室88Hとともに排気高速側膨張室88HEに接続されて、吸気高速側膨張室78HEと排気高速側膨張室88HEとを連通している。
また、低速側連通油路90LCは、一端が吸気低速側油圧室78Lとともに吸気低速側膨張室78LEに接続され、他端が排気低速側油圧室88Lとともに排気低速側膨張室88LEに接続されて、吸気低速側膨張室78LEと排気低速側膨張室88LEとを連通している。
また、高速側供給油路90Hは、吸気側アクチュエータハウジング78の吸気高速側油圧室78Hの軸方向端面に左側から接続され、低速側供給油路90Lは、排気側アクチュエータハウジング88の排気低速側油圧室88Lの軸方向端面に右側から接続されている。
吸気側アクチュエータハウジング78のハウジング内室における吸気高速側油圧室78Hの内周面には、高速側連通油路90HCおよび吸気高速側膨張室78HEに連通する吸気高速側連通口78Hhがハウジング内室の左底壁より右側位置に開口しており、吸気低速側油圧室78Lの内周面には、低速側連通油路90LCおよび吸気低速側膨張室78LEに連通する吸気低速側連通口78Lhがハウジング内室の右底壁より左側位置に開口している(図19,図20参照)。
また、排気側アクチュエータハウジング88のハウジング内室における排気高速側油圧室88Hの内周面には、高速側連通油路90HCおよび排気高速側膨張室88HEに連通する排気高速側連通口88Hhがハウジング内室の左底壁より右側位置に開口しており、排気低速側油圧室88Lの内周面には、低速側連通油路90LCおよび排気低速側膨張室88LEに連通する排気低速側連通口88Lhがハウジング内室の右底壁より左側位置に開口している(図19,図20参照)。
吸気高速側油圧室78Hの吸気高速側連通口78Hhと排気高速側油圧室88Hの排気高速側連通口88Hhとを連通する高速側連通油路90HCおよび吸気低速側油圧室78Lの吸気低速側連通口78Lhと排気低速側油圧室88Lの排気低速側連通口88Lhとを連通する低速側連通油路90LCは、互いに平行で、前後に並べた吸気側アクチュエータハウジング78と排気側アクチュエータハウジング88における吸気側アクチュエータ駆動体79と排気側アクチュエータ駆動体89の左右往復移動範囲内にコンパクトに配置されている(図24参照)。
吸気側アクチュエータハウジング78のハウジング内室を摺動する吸気側アクチュエータ駆動体79は、前記したように、円筒状本体79aの内部中央に仕切り壁79bを有し、円筒状本体79aの吸気低速側油圧室78L側(右側)の円筒の低速側連通油路90LCが接続される吸気低速側連通口78Lhのある前側の一部が切り欠かれて切欠き79cを有する。
他方、排気側アクチュエータハウジング88のハウジング内室を摺動する排気側アクチュエータ駆動体89は、前記したように、円筒状本体89aの内部中央に仕切り壁89bを有し、円筒状本体89aの排気高速側油圧室88H側(左側)の円筒の高速側連通油路90HCが接続される排気高速側連通口88Hhのある後側の一部が切り欠かれて切欠き89cを有する。
吸気側アクチュエータ駆動体79は、円筒状本体79aが吸気側アクチュエータハウジング78のハウジング内室を左右底壁に接するまで移動し、排気側アクチュエータ駆動体89は、円筒状本体89aが排気側アクチュエータハウジング88のハウジング内室を左右底壁に接するまで移動する。
図19に示されるように、吸気側アクチュエータ駆動体79と排気側アクチュエータ駆動体89が左方に移動して、それぞれ左側底壁に接しているときは、吸気側アクチュエータ駆動体79は、吸気高速側連通口78Hhを閉塞し、吸気低速側連通口78Lhを開口しており、排気側アクチュエータ駆動体89は、排気低速側連通口88Lhを開口し、かつ円筒状本体89aに形成された切欠き89cにより排気高速側連通口88Hhを閉塞せずに開口している。
図20に示されるように、吸気側アクチュエータ駆動体79と排気側アクチュエータ駆動体89が右方に移動して、それぞれ右側底壁に接しているときは、吸気側アクチュエータ駆動体79は、吸気高速側連通口78Hhを開口し、かつ円筒状本体79aに形成された切欠き79cにより吸気低速側連通口78Lhを閉塞せずに開口しており、排気側アクチュエータ駆動体89は、排気低速側連通口88Lhを閉塞し、排気高速側連通口88Hhを開口している。
すなわち、吸気低速側連通口78Lhは、吸気側アクチュエータ駆動体79の円筒状本体79aに形成された切欠き79cにより常時開口している。
また、排気高速側連通口88Hhは、排気側アクチュエータ駆動体89の円筒状本体89aに形成された切欠き89cにより常時開口している。
上側シリンダヘッド3Uの前側壁3Frの前面の左端部には、リニアソレノイドバルブ91が取り付けられる。
図19および図20を参照して、リニアソレノイドバルブ91は、電磁コイル92c内をプランジャ92pが移動する電磁ソレノイド92の延長にスリーブ93が設けられている。
スリーブ93内にスプール弁94が摺動自在に嵌挿されており、スプリング95に付勢されてスプール弁94がプランジャ92pに同軸に当接している。
リニアソレノイドバルブ91は、電磁ソレノイド92のプランジャ92pと同軸のスプール弁94が左右水平方向に指向する姿勢で、上側シリンダヘッド3Uの前面の左端合せ面に取り付けられる(図2,図3,図5参照)。
図19および図20に示されるように、リニアソレノイドバルブ91は、スプール弁94が、吸気側切替駆動シャフト71および排気側切替駆動シャフト81と平行で左右方向に指向して、左右方向に移動する。
したがって、電磁コイル92cが励磁されると、プランジャ92pがスリーブ93内のスプール弁94とともにスプリング95の付勢力に抗して左方(LH)に突出し(図20参照)、電磁コイル92cの励磁が解除されると、スプリング95の付勢力によりスプール弁94は右方(RH)に後退する(図19参照)。
スリーブ93には、中央の油圧供給ポート93と、その両側に位置する高速側給排ポート93および低速側給排ポート93と、それら両給排ポート93,93の両側に位置する一対のドレンポート93,93が形成されている。
一方、スリーブ93内を摺動するスプール弁94は、中央の油圧供給グルーブ94と、その両側にランドを介して一対のドレングルーブ94,94が軸方向に並んで形成されている。
なお、図19および図20には、リニアソレノイドバルブ91のスリーブ93が模式的に図示されている。
スリーブ93における高速側給排ポート93に前記高速側供給油路90Hが接続され、低速側給排ポート93に前記低速側供給油路90Lが接続される。
図19に示す状態は、リニアソレノイドバルブ91の電磁ソレノイド92が非励磁で、スプール弁94がスプリング95の付勢力により右方(RH)に後退しており、そのためスリーブ93の油圧供給ポート93に流入された圧油が、油圧供給グルーブ94を経て低速側給排ポート93から低速側供給油路90Lに流入して、排気側油圧アクチュエータ87の排気低速側油圧室88に供給され、さらに排気低速側油圧室88から低速側連通油路90LCを経て吸気側油圧アクチュエータ77の吸気低速側油圧室78に圧油が供給されることで、排気側油圧アクチュエータ87の排気側アクチュエータ駆動体89および吸気側油圧アクチュエータ77の吸気側アクチュエータ駆動体79が左方(LH)に押圧されて移動する。
吸気側油圧アクチュエータ77と排気側油圧アクチュエータ87の各アクチュエータ駆動体79,89が左方に移動するので、排気側油圧アクチュエータ87の排気高速側油圧室88Hの圧油が高速側連通油路90HCに流出し、吸気側油圧アクチュエータ77の吸気高速側油圧室78Hから流出する圧油ともに高速側供給油路90Hに流出し、リニアソレノイドバルブ91のスリーブ93の高速側給排ポート93Hに入り、ドレングルーブ94を介してドレンポート93から排出される。
リニアソレノイドバルブ91の電磁ソレノイド92が励磁されると、図20に示すように、スプール弁94がスプリング95の付勢力に抗して左方(LH)に突出し、スリーブ93の油圧供給ポート93に流入された圧油が、油圧供給グルーブ94を経て高速側給排ポート93Hから高速側供給油路90Hに流入して、吸気側油圧アクチュエータ77の吸気高速側油圧室78Hに供給され、さらに吸気高速側油圧室78Hから高速側連通油路90HCを経て排気側油圧アクチュエータ87の排気高速側油圧室88Hに圧油が供給されることで、吸気側油圧アクチュエータ77の吸気側アクチュエータ駆動体79および排気側油圧アクチュエータ87の排気側アクチュエータ駆動体89が右方(RH)に押圧されて移動する。
吸気側油圧アクチュエータ77と排気側油圧アクチュエータ87の各アクチュエータ駆動体79,89が右方に移動するので、吸気側油圧アクチュエータ77の吸気低速側油圧室78の圧油が低速側連通油路90LCに流出し、排気側油圧アクチュエータ87の排気低速側油圧室88から流出する圧油ともに低速側供給油路90Lに流出し、リニアソレノイドバルブ91のスリーブ93の低速側給排ポート93Lに入り、ドレングルーブ94を介してドレンポート93から排出される。
高速側供給油路90Hと低速側供給油路90Lは、上記のように、一方が吸気側油圧アクチュエータ77と排気側油圧アクチュエータ87に圧油を供給しているときは、他方は吸気側油圧アクチュエータ77と排気側油圧アクチュエータ87から圧油を排出する構造となっている。
以上のように、リニアソレノイドバルブ91の電磁ソレノイド92が非励磁で、吸気側切替駆動シャフト71および排気側切替駆動シャフト81が左方(LH)に位置すると、図19に示される吸気側カム切替機構70において、各直動カム機構Caにより第1切替ピン73がカム面71Cのうち平坦面71Cpに当接して退行した位置にあり、第2切替ピン74は吸気側切替駆動シャフト71の凹曲面71Cvに当接して進行した位置にある。
進行した第2切替ピン74は、吸気側カムキャリア43のリード溝円筒部43Dの左シフトリード溝44lに係合して吸気側カムキャリア43を左方に移動し、次いで定常リード溝44cに係合し、吸気側カムシャフト42内に設けられたストッパロッド48により吸気側カムキャリア43は、軸方向に移動せず左側所定位置に維持される。
吸気側カムキャリア43が左側所定位置(低速側位置)にあるときは、図18の(6)に示されるように、低速側カムロブ43Bが吸気ロッカアーム72に作用して、低速側カムロブ43Bのカムプロファイルに設定された低速側バルブ作動特性に従って吸気バルブ41が動作される。
すなわち、内燃機関Eは低速運転状態にある。
この状態からリニアソレノイドバルブ91の電磁ソレノイド92が励磁され、吸気側切替駆動シャフト71が右方に移動すると、図20を参照して、第1切替ピン73は球状端面74bfが平坦面71Cpから凹曲面71Cvの傾斜面を下り進行して凹曲面71Cvの中央に当接し、第2切替ピン74は球状端面74bfが凹曲面71Cvの中央から凹曲面71Cvの傾斜面を上り退行して平坦面71Cpに当接する。
したがって、退行した第2切替ピン74は、吸気側カムキャリア43の定常リード溝44cから抜け、進行した第1切替ピン73は、右シフトリード溝44rに係合するので、吸気側カムキャリア43は、右シフトリード溝44rに案内されて回転しながら軸方向右側に移動し、図18の(1)に示すように、第1切替ピン73は、右シフトリード溝44rから定常リード溝44cに移行して係合し、吸気側カムキャリア43は、右側所定位置に維持される。
吸気側カムキャリア43が右側所定位置(高速側位置)にあるときは、図18の(1)に示されるように、高速側カムロブ43Aが吸気ロッカアーム72に作用して、高速側カムロブ43Aのカムプロファイルに設定された高速側バルブ作動特性に従って吸気バルブ41が動作される。
すなわち、内燃機関Eは高速運転状態にある。
図20に示すように、吸気側アクチュエータ駆動体79と排気側アクチュエータ駆動体89が右方位置にあって内燃機関Eが高速運転状態にあるときは、排気側アクチュエータ駆動体89は、円筒状本体89aが排気低速側油圧室88Lの低速側連通油路90LCおよび排気低速側膨張室88LEに通じる排気低速側連通口88Lhを閉塞し、連通を阻止している。
この高速運転状態から低速運転状態に内燃機関Eを切り替えるべく、低速側供給油路90Lから排気側油圧アクチュエータ87の排気低速側油圧室88Lに圧油が供給されると、排気側アクチュエータ駆動体89が左方に移動する。
排気側アクチュエータ駆動体89が排気側切替駆動シャフト81とともに移動を開始してから所定距離移動して、図21に示す前記排気低速側連通口88Lhを開く直前までの排気側アクチュエータ駆動体89のストロークは、直動カム機構Cbを介して排気側の第1切替ピン83を後退し、第2切替ピン84を進行する切替作動が完了するまでの有効ストロークSvである。
なお、本実施の形態では、排気側切替ピン進行制御機構110を備えているので、第2切替ピン84は、待機状態を経て進行する。
排気側アクチュエータ駆動体89の有効ストロークSvの間は、前記排気低速側連通口88Lhが閉塞され、圧油は排気側油圧アクチュエータ87の排気低速側油圧室88Lの排気側アクチュエータ駆動体89の移動にのみ作用するので、供給油圧量を減少することなく十分な供給油圧量により排気側切替駆動シャフト81を移動することができる。
次いで、排気側アクチュエータ駆動体89がさらに移動すると、前記排気低速側連通口88Lhが開き、低速側連通油路90LCが開通し、圧油が、排気低速側油圧室88Lの排気低速側連通口88Lhから排気低速側膨張室88LE、低速側連通油路90LC、吸気低速側膨張室78LEを経て、効率良く吸気側油圧アクチュエータ77の吸気低速側油圧室78Lに、吸気側アクチュエータ駆動体79の円筒状本体79aに形成された切欠き79cを通って供給され、吸気側アクチュエータ駆動体79を左方LHに移動する。
排気側アクチュエータ駆動体89が排気側切替駆動シャフト81とともに移動して排気低速側連通口88Lhを開き始めて、図19に示す排気低速側連通口88Lhを開き終わって移動を終了するまでの排気側アクチュエータ駆動体89のストロークは、排気側の切替ピン83,84の切替作動に関与しない無効ストロークSiである。
排気側アクチュエータ駆動体89の無効ストロークSiの間は、吸気側油圧アクチュエータ77の吸気低速側油圧室78Lに圧油が供給され、吸気側アクチュエータ駆動体79とともに吸気側切替駆動シャフト71が左方に移動を始め(図21参照)、排気側アクチュエータ駆動体89が左方位置に至り無効ストロークが終了すると、圧油は吸気側油圧アクチュエータ77の吸気低速側油圧室78Lの吸気側アクチュエータ駆動体79の移動にのみ作用して、供給油圧量を減少することなく十分な供給油圧量により吸気側切替駆動シャフト71を移動することができる。
上記のように、低速側供給油路90Lから排気側油圧アクチュエータ87の排気低速側油圧室88Lに供給された圧油は、排気側アクチュエータ駆動体89のみに作用した後に、吸気側アクチュエータ駆動体79の移動にのみ作用することにより、言い換えれば、排気側アクチュエータ駆動体89と吸気側アクチュエータ駆動体79がシリーズ作動することにより供給油圧量を減少することなく十分な供給油圧量により高い移動速度を維持して排気側切替駆動シャフト81と吸気側切替駆動シャフト71を移動することができるので、第1切替ピン73,83と第2切替ピン74,84の駆動タイミイグのばらつきを低減することができ、精度の高いカム切替駆動を実行することができる。
排気側アクチュエータ駆動体89が左方に移動するとき、排気高速側油圧室88Hの圧油は高速側連通油路90HCを通って吸気高速側油圧室78Hに入り、吸気高速側油圧室78Hの圧油とともに、吸気側アクチュエータ駆動体79の左方への移動により高速側供給油路90Hに排出される。
このように、高速側供給油路90Hは、高速側連通油路90HCとともに、排出用油路として利用される。
図19は、吸気側切替駆動シャフト71が左方に移動し、吸気側の第1切替ピン73が後退し、第2切替ピン74が進行する切替作動が完了し、内燃機関Eが低速運転状態にあるときを示す。
吸気側アクチュエータ駆動体79の左方への移動により、高速側連通油路90HCに通じる吸気高速側連通口78Hhを閉塞している。
上記とは逆に、低速運転状態から高速運転状態に内燃機関Eの運転状態を切り替えるべく、高速側供給油路90Hから吸気側油圧アクチュエータ77の吸気高速側油圧室78Hに圧油が供給されたときは、上記と対称的に同じように作動する。
すなわち、図19に示す低速運転状態から吸気高速側油圧室78Hに圧油が供給されると、吸気側アクチュエータ駆動体79が右方に移動する。
吸気側アクチュエータ駆動体79が吸気側切替駆動シャフト71とともに移動を開始してから所定距離移動して、図22に示す吸気高速側連通口78Hhを開く直前までの排気側アクチュエータ駆動体89のストロークは、吸気側の第1切替ピン73を進行し、第2切替ピン74を後退する切替作動が完了するまでの有効ストロークSvである。
なお、本実施の形態では、吸気側切替ピン進行制御機構100を備えているので、第1切替ピン73は、待機状態を経て進行する。
吸気側アクチュエータ駆動体79の有効ストロークSvの間は、吸気高速側連通口78Hhが閉塞され、圧油は吸気高速側油圧室78Hの吸気側アクチュエータ駆動体79の移動にのみ作用するので、供給油圧量を減少することなく十分な供給油圧量により吸気側切替駆動シャフト71を移動することができる。
吸気側アクチュエータ駆動体79がさらに移動すると、吸気高速側連通口78Hhが開き、高速側連通油路90HCが開通し、圧油が、吸気高速側油圧室78Hの吸気高速側連通口78Hhから吸気高速側膨張室78HE、高速側連通油路90HC、排気高速側膨張室88HEを経て、効率良く排気側油圧アクチュエータ87の排気高速側油圧室88Hに、排気側アクチュエータ駆動体89の円筒状本体89aに形成された切欠き89cを通って供給され、排気側アクチュエータ駆動体89が右方RHに移動する。
吸気側アクチュエータ駆動体79が吸気側切替駆動シャフト71とともに移動して吸気高速側連通口78Hhを開き始めて、図20に示す吸気高速側連通口78Hhを開き終わって移動を終了するまでの吸気側アクチュエータ駆動体79のストロークは、吸気側の切替ピン73,74の切替作動に関与しない無効ストロークSiである。
吸気側アクチュエータ駆動体79の無効ストロークSiの間は、排気高速側油圧室88Hに圧油が供給され、排気側アクチュエータ駆動体89とともに排気側切替駆動シャフト81が右方に移動を始め(図22参照)、吸気側アクチュエータ駆動体79が右方位置に至り無効ストロークが終了すると、圧油は排気高速側油圧室88Hの排気側アクチュエータ駆動体89の移動にのみ作用して、供給油圧量を減少することなく十分な供給油圧量により排気側切替駆動シャフト81を移動することができる。
したがって、低速運転状態から高速運転状態に切り替えるときにも、高速側供給油路90Hから吸気高速側油圧室78Hに供給された圧油は、吸気側アクチュエータ駆動体79のみに作用した後に、排気側アクチュエータ駆動体89の移動にのみ作用することにより、供給油圧量を減少することなく十分な供給油圧量により高い移動速度を維持して吸気側切替駆動シャフト71と排気側切替駆動シャフト81を移動することができるので、第1切替ピン73,83と第2切替ピン74,84の駆動タイミイグのばらつきを低減することができ、精度の高いカム切替駆動を実行することができる。
吸気側アクチュエータ駆動体79が右方に移動するとき、吸気低速側油圧室78Lの圧油は低速側連通油路90LCを通って排気低速側油圧室88Lに入り、排気低速側油圧室88Lの圧油とともに、排気側アクチュエータ駆動体89の右方への移動により低速側供給油路90Lに排出される。
このように、低速側供給油路90Lは、低速側連通油路90LCとともに、排出用油路として利用される。
以上、詳細に説明した本発明に係る可変動弁装置の一実施の形態では、以下に記す効果を奏する。
図25に示されるように、高速側連通油路90HCは、一方の吸気高速側油圧室78Hに供給された圧油により一方の吸気側アクチュエータ駆動体79が所定距離移動した処で開通して圧油を他方の排気高速側油圧室88Hに供給するので、一方の吸気高速側油圧室78Hに供給された圧油は、一方の吸気側アクチュエータ駆動体79の移動にのみ作用した後に、他方の排気側アクチュエータ駆動体89の移動にのみ作用することができ、供給油圧量を減少することなく十分な供給油圧量により高い移動速度を維持して吸気側アクチュエータ駆動体79と排気側アクチュエータ駆動体89の双方を移動することができる。
また、図26に示されるように、低速側連通油路90LCは、他方の排気低速側油圧室88Lに供給された圧油により他方の排気側アクチュエータ駆動体89が所定距離移動した処で開通して圧油を一方の吸気低速側油圧室78Lに供給するので、他方の排気低速側油圧室88Lに供給された圧油は、他方の排気側アクチュエータ駆動体89の移動にのみ作用した後に、一方の吸気側アクチュエータ駆動体79の移動にのみ作用することができ、供給油圧量を減少することなく十分な供給油圧量により高い移動速度を維持して排気側アクチュエータ駆動体89と吸気側アクチュエータ駆動体79の双方を移動することができる。
すなわち、吸気側アクチュエータ駆動体79と排気側アクチュエータ駆動体89の双方を、高い移動速度で移動することができるため、第1切替ピン73,83と第2切替ピン74,84の駆動タイミイグのばらつきを低減することができ、精度の高いカム切替駆動を実行することができる。
また、図19および図20に示されるように、吸気側アクチュエータハウジング78の吸気高速側油圧室78Hと排気側アクチュエータハウジング88の排気高速側油圧室88Hとを高速側連通油路90HCが連通可能とし、吸気側アクチュエータハウジング78の吸気低速側油圧室78Lと排気側アクチュエータハウジング88の排気低速側油圧室88Lとを低速側連通油路90LCが連通可能としているので、高速側供給油路90Hにより一方の吸気高速側油圧室78Hに供給された圧油が、高速側連通油路90HCにより他方の排気高速側油圧室88Hにも供給され、低速側供給油路90Lにより他方の排気低速側油圧室88Lに供給された圧油が、低速側連通油路90LCにより一方の吸気低速側油圧室78Lにも供給され、吸気側油圧アクチュエータ77と排気側油圧アクチュエータ87の双方が、高速側連通油路90HCと低速側連通油路90LCおよび高速側供給油路90Hと低速側供給油路90Lを、共通に使用して圧油を供給して駆動され、吸気側油圧アクチュエータ77と排気側油圧アクチュエータ87のそれぞれが別個に供給油路を設けるのに比べて部品点数の少ない簡単でコンパクトな構造であり、油圧駆動機構を小型に構成して内燃機関の大型化を回避するとともに低コスト化を図ることができる。
図25および図26に示されるように、吸気側アクチュエータ駆動体79は、所定距離移動すると吸気側アクチュエータハウジング78の吸気高速側油圧室78Hの高速側連通油路90HCに連通する吸気高速側連通口78Hhを開口して高速側連通油路90HCを開通するので、吸気側アクチュエータハウジング78の吸気側アクチュエータ駆動体79が移動する側壁に吸気高速側連通口78Hhを設けることができ、同様に、排気側アクチュエータ駆動体89は、所定距離移動すると排気側アクチュエータハウジング88の排気低速側油圧室88Lの低速側連通油路90LCに連通する排気低速側連通口88Lhを開口して低速側連通油路90LCを開通するので、排気側アクチュエータハウジング88の排気側アクチュエータ駆動体89が移動する側壁に排気低速側連通口88Lhを設けることができる。
そのため、吸気高速側連通口78Hhおよび排気低速側連通口88Lhにそれぞれ接続される高速側連通油路90HCと低速側連通油路90LCを、並設された吸気側アクチュエータハウジング78と排気側アクチュエータハウジング88における吸気側アクチュエータ駆動体79と排気側アクチュエータ駆動体89の往復移動範囲内にコンパクトに配置することができ、油圧駆動機構をより小型に構成することができる。
図25および図26に示されるように、吸気側切替駆動シャフト71が所定距離移動する間に、吸気側のカム機構Caにより吸気側の第1,第2切替ピン73,74が進退を完了するので、吸気側切替駆動シャフト71が十分な所定の供給油圧量により高速度で所定距離移動する間に、吸気側の第1,第2切替ピン73,74の進退が完了し、吸気側の第1,第2切替ピン73,74の進退が完了した後で、高速側連通油路90HCが開通して、排気側切替駆動シャフト81が十分な所定の供給油圧量により高速度で移動して、排気側のカム機構Cbにより排気側の第1,第2切替ピン83,84を進退することができる。
同様に、排気側切替駆動シャフト81が所定距離移動する間に、排気側のカム機構Cbにより排気側の第1,第2切替ピン83,84が進退を完了するので、排気側切替駆動シャフト81が十分な所定の供給油圧量により高速度で所定距離移動する間に、排気側の第1,第2切替ピン83,84の進退が完了し、排気側の第1,第2切替ピン83,84の進退が完了した後で、低速側連通油路90LCが開通して、吸気側切替駆動シャフト71が十分な所定の供給油圧量により高速度で移動して、吸気側のカム機構Caにより吸気側の第1,第2切替ピン73,74を進退することができる。
図19および図20に示されるように、高速側供給油路90Hと低速側供給油路90Lは、一方の供給油路が圧油を供給しているときは、他方の供給油路は圧油を排出するので、高速側供給油路90Hと低速側供給油路90Lを排出用油路として兼用することで、別途専用の排出用油路を設ける必要はない。
図19および図20に示されるように、吸気側アクチュエータ駆動体79の円筒状本体79aにおける低速側油圧室78L側の円筒の一部に形成された切欠き79cにより、吸気側アクチュエータハウジング78の吸気低速側油圧室78Lの低速側連通油路90LCに連通する吸気低速側連通口78Lhを常時開通するので、吸気側アクチュエータハウジング78における吸気側アクチュエータ駆動体79の往復移動範囲内に吸気低速側連通口78Lhを設けて、同吸気低速側連通口78Lhにおける圧油の流出入を常時確保することができる。
同様に、排気側アクチュエータ駆動体89の円筒状本体89aにおける排気高速側油圧室88H側の円筒の一部に形成された切欠き89cにより、排気側アクチュエータハウジング88の排気高速側油圧室88Hの高速側連通油路90HCに連通する排気高速側連通口88Hhを常時開通するので、排気側アクチュエータハウジング88における排気側アクチュエータ駆動体89の往復移動範囲内に排気高速側連通口88Hhを設けて、同排気高速側連通口88Hhにおける圧油の流出入を常時確保することができる。
したがって、吸気低速側連通口78Lhと排気高速側連通口88Hh、さらには高速側連通油路90HCと低速側連通油路90LCを、並設した吸気側アクチュエータハウジング78と排気側アクチュエータハウジング88の各ハウジング内の吸気側アクチュエータ駆動体79と排気側アクチュエータ駆動体89の往復移動範囲内に、コンパクトに配置することができて、油圧駆動機構をより小型に構成することができる。
図21に示されるように、吸気側アクチュエータハウジング78の吸気高速側油圧室78Hと吸気低速側油圧室78Lに、それぞれ径方向に膨張して形成された吸気高速側膨張室78HEと吸気低速側膨張室78LEが設けられ、排気側アクチュエータハウジング88の排気高速側油圧室88Hと排気低速側油圧室88Lに、それぞれ径方向に膨張して形成された排気高速側膨張室88HEと排気低速側膨張室88LEが設けられている。
そして、高速側連通油路90HCは、その両端が吸気高速側膨張室78HEと排気高速側膨張室88HEに接続され、低速側連通油路90LCは、その両端が吸気低速側膨張室78LEと排気低速側膨張室88LEに接続される。
すなわち、高速側連通油路90HCは、径方向に膨張して形成された吸気高速側膨張室78HEと排気高速側膨張室88HEをそれぞれ介して吸気高速側油圧室78Hと排気高速側油圧室88Hとを連通するので、吸気高速側油圧室78Hと排気高速側油圧室88Hに、大きな開口面積を確保して、圧油を効率良く流出入させることができる。
同様に、低速側連通油路90LCは、径方向に膨張して形成された吸気低速側膨張室78LEと排気低速側膨張室88LEをそれぞれ介して吸気低速側油圧室78Lと排気低速側油圧室88Lとを連通するので、大きな開口面積を確保して、吸気低速側油圧室78Lと排気低速側油圧室88Lに、圧油を効率良く流出入させることができる。
したがって、吸気側切替駆動シャフト71および排気側切替駆動シャフト81を高速度で移動することができる。
図19ないし図21に示されるように、高速側供給油路90Hは、吸気側アクチュエータハウジング78の吸気高速側油圧室78Hの軸方向端面に接続され、低速側供給油路90Lは、排気低速側油圧室88Lの軸方向端面に接続されるので、アクチュエータハウジングの側面に接続されるのに比べて油圧アクチュエータの軸方向長さを短くできる。
以上、本発明に係る一実施の形態に係る可変動弁装置について説明したが、本発明の態様は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むものである。
Pu…パワーユニット、E…内燃機関、M…変速機、
1…クランクケース、2…シリンダブロック、3…シリンダヘッド、3L…下側シリンダヘッド、3U…上側シリンダヘッド、3Lh…左側壁、3FL…左端合せ面、3v…軸受壁、3c…カムチェーン室、4…シリンダヘッドカバー、5…オイルパン、7…スタッドボルト、10…クランクシャフト、11…メインシャフト、12…カウンタシャフト、30…燃焼室、33…カムシャフトホルダ、
40…可変動弁装置、
41…吸気バルブ、42…吸気側カムシャフト、43…吸気側カムキャリア、43A…高速側カムロブ、43B…低速側カムロブ、43D…リード溝円筒部、44…リード溝、44c…定常リード溝、44l…左シフトリード溝、44r…右シフトリード溝、45r,45l…係止解除カムロブ、45ln,45rn…カム山、47…吸気側被動ギア、48…ストッパロッド、49…コイルばね、
51…排気バルブ、52…排気側カムシャフト、53…排気側カムキャリア、53A…高速側カムロブ、53B…低速側カムロブ、53D…リード溝円筒部、54…リード溝、54c…定常リード溝、54l…左シフトリード溝、54r…右シフトリード溝、55r,55l…係止解除カムロブ、57…排気側被動ギア、
61…アイドルギア、62…アイドルチェーンスプロケット、66…カムチェーン、
70…吸気側カム切替機構、71…吸気側切替駆動シャフト、Ca…直動カム機構、72…吸気ロッカアーム、73…第1切替ピン、73a…先端側円柱部、73v…被係止溝、73v1,73v2…溝側面、73b…基端円柱部、73bf…球状端面、73c…連結円柱部、73d…係合端部、73dt…外周円錐面、73df…先端面、74…第2切替ピン、75…コイルばね、76…蓋部材、77…吸気側油圧アクチュエータ、78…吸気側アクチュエータハウジング、78H…吸気高速側油圧室、78Hh…吸気高速側連通口、78L…吸気低速側油圧室、78Lh…吸気低速側連通口、79…吸気側アクチュエータ駆動体、79a…円筒状本体、79b…仕切り壁、79c…切欠き、
80…排気側カム切替機構、81…排気側切替駆動シャフト、Cb…カム機構、82…排気ロッカアーム、83…第1切替ピン、84…第2切替ピン、87…排気側油圧アクチュエータ、88…排気側アクチュエータハウジング、88H…排気高速側油圧室、88Hh…排気高速側連通口、88L…排気低速側油圧室、88Lh…排気低速側連通口、89…排気側アクチュエータ駆動体、89a…円筒状本体、89b…仕切り壁、89c…切欠き、
90H…高速側供給油路、90L…低速側供給油路、90HC…高速側連通油路、90LC…低速側連通油路、
91…リニアソレノイドバルブ、92…電磁ソレノイド、92c…電磁コイル、92p…プランジャ、93…スリーブ、93R…合せ面、93…油圧供給ポート、93…高速側給排ポート、93…低速側給排ポート、93…ドレンポート、94…スプール弁、94…油圧供給グルーブ、94…ドレングルーブ、95…スプリング、
100…吸気側切替ピン進行制御機構、103…第1係止部材、103a…長尺板部、103b…上側短尺板部、103c…下側短尺板部、103cc…係止爪部、103ct…切欠き、103d…軸受部、103s…カムスリッパ部、103sf…スリッパ面、104…第2係止部材、104d…軸受部、105…ホルダ、105a…取付基板、105ah…円穴、105b,105c,105d…アーム部、106…支軸、107…コイルばね、
110…排気側切替ピン進行制御機構、113…第1係止部材、114…第2係止部材、115…ホルダ、
500…自動二輪車、501…、502…ヘッドパイプ、503…メインフレーム、504…シートレール、505…フロントフォーク、506…前輪、507…ピボット軸、508…スイングアーム、509…後輪、510…リンク機構、511…リヤクッション、512…走行駆動スプロケット、513…走行被動スプロケット、514…走行駆動チェーン、516…燃料タンク、517…メインシート、518…ピリオンシート、521…スロットルボディ、522…エアクリーナ、525…排気管。

Claims (8)

  1. 内燃機関(E)のバルブ(41,51)の作動特性を切り替える切替機構(70,80)と、
    前記切替機構(70,80)を油圧により駆動する複数の油圧アクチュエータ(77,87)と、
    を有する可変動弁装置において、
    複数の前記油圧アクチュエータ(77,87)を互いに連通する連通油路(90HC,90LC)を有し、
    油圧が供給されることで、一方の前記油圧アクチュエータ(77,87)のアクチュエータ駆動体(79,89)が作動し、一方の前記アクチュエータ駆動体(79,89)が所定量作動した後に、前記連通油路(90HC,90LC)が開通し、前記連通油路(90HC,90LC)を介して供給された油圧により他方の前記油圧アクチュエータ(77,87)の前記アクチュエータ駆動体(79,89)が作動することを特徴とする可変動弁装置。
  2. 内燃機関(E)のシリンダヘッド(3)に回転自在に設けられたカムシャフト(42,52)と、
    前記カムシャフト(42,52)の外周に、相対回転を禁止され軸方向に摺動可能に嵌合する円筒状部材であって、外周面にカムプロファイルの異なる機関回転数に応じた高速側カムロブ(43A,53A)と低速側カムロブ(43B,53B)が軸方向に隣接して形成されるとともに、外周面に周回するようにリード溝(44,54)が形成されたカムキャリア(43,53)と、
    前記リード溝(44,54)に係合・離脱可能に進退する切替ピン(73,74,83,84)と、
    前記カムシャフト(42,52)に平行に配置されて前記切替ピン(73,74,83,84)にカム機構(Ca,Cb)を構成して係合する切替駆動シャフト(71,81)と、を備え、
    前記切替機構(70,80)は、前記切替駆動シャフト(71,81)の軸方向の移動が前記カム機構(Ca,Cb)を介して前記切替ピン(73,74,83,84)を進退させ、前記切替ピン(73,74,83,84)が進行して係合した前記リード溝(44,54)により前記カムキャリア(43,53)が回転しながら軸方向に案内されてシフトし、バルブ(41,51)に作動する高速側カムロブ(43A,53A)と低速側カムロブ(43B,53B)を切替えるカム切替機構(70,80)であり、
    前記カム切替機構(70,80)は、吸気側の前記カムシャフト(42)の側の吸気側カム切替機構(70)と、排気側の前記カムシャフト(52)の側の排気側カム切替機構(80)とからなり、
    前記油圧アクチュエータ(77,87)は、前記吸気側カム切替機構(70)における吸気側の前記切替駆動シャフト(71)を軸方向に移動する吸気側油圧アクチュエータ(77)と、前記排気側カム切替機構(80)における排気側の前記切替駆動シャフト(81)を軸方向に移動する排気側油圧アクチュエータ(87)とからなり、
    前記吸気側油圧アクチュエータ(77)は、その吸気側アクチュエータハウジング(78)の内室が吸気側の前記切替駆動シャフト(71)に嵌着された吸気側の前記アクチュエータ駆動体(79)により高速側油圧室(78H)と低速側油圧室(78L)に仕切られ、
    前記排気側油圧アクチュエータ(87)は、その排気側アクチュエータハウジング(88)の内室が排気側の前記切替駆動シャフト(81)に嵌着された排気側の前記アクチュエータ駆動体(89)により高速側油圧室(88H)と低速側油圧室(88L)に仕切られ、
    一方の前記高速側油圧室(78H)に圧油を供給する高速側供給油路(90H)と、
    他方の前記低速側油圧室(88L)に圧油を供給する低速側供給油路(90L)と、
    一方の前記高速側油圧室(78H)と他方の前記高速側油圧室(88H)とを連通可能とする高速側の前記連通油路(90HC)と、
    一方の前記低速側油圧室(78L)と他方の前記低速側油圧室(88L)とを連通可能とする低速側の前記連通油路(90LC)と、を備え、
    高速側の前記連通油路(90HC)は、一方の前記高速側油圧室(78H)に供給された圧油により一方の前記アクチュエータ駆動体(79)が所定距離移動した処で開通して圧油を他方の前記高速側油圧室(88H)に供給し、
    低速側の前記連通油路(90LC)は、他方の前記低速側油圧室(88L)に供給された圧油により他方の前記アクチュエータ駆動体(89)が所定距離移動した処で開通して圧油を一方の前記低速側油圧室(78L)に供給することを特徴とする請求項1に記載の可変動弁装置。
  3. 吸気側の前記アクチュエータ駆動体(79)は、所定距離移動すると前記吸気側アクチュエータハウジング(78)の前記高速側油圧室(78H)の高速側の前記連通油路(90HC)に連通する吸気高速側連通口(78Hh)を開口して高速側の前記連通油路(90HC)を開通し、
    排気側の前記アクチュエータ駆動体(89)は、所定距離移動すると前記排気側アクチュエータハウジング(88)の前記低速側油圧室(88L)の低速側の前記連通油路(90LC)に連通する排気低速側連通口(88Lh)を開口して低速側の前記連通油路(90LC)を開通することを特徴とする請求項2に記載の可変動弁装置。
  4. 吸気側の前記切替駆動シャフト(71)が前記所定距離移動する間に、前記カム機構(Ca)により前記切替ピン(73,74)が進退を完了し、
    排気側の前記切替駆動シャフト(81)が前記所定距離移動する間に、前記カム機構(Cb)により前記切替ピン(83,84)が進退を完了することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の可変動弁装置。
  5. 前記高速側供給油路(90H)と前記低速側供給油路(90L)は、一方の供給油路(90H,90L)が圧油を供給しているときは、他方の供給油路(90L,90H)は圧油を排出することを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の可変動弁装置。
  6. 吸気側の前記アクチュエータ駆動体(79)および排気側の前記アクチュエータ駆動体(89)は、円筒状本体(79a,89a)の内部中央に仕切り壁(79b,89b)を有し、
    吸気側の前記アクチュエータ駆動体(79)の円筒状本体(79a)における前記低速側油圧室(78L)側の円筒の一部に形成された切欠き(79c)により、前記吸気側アクチュエータハウジング(78)の前記低速側油圧室(78L)の低速側の前記連通油路(90LC)に連通する吸気低速側連通口(78Lh)を常時開通し、
    排気側の前記アクチュエータ駆動体(89)の円筒状本体(89a)における前記高速側油圧室(88H)側の円筒の一部に形成された切欠き(89c)により、前記排気側アクチュエータハウジング(88)の前記高速側油圧室(88H)の高速側の前記連通油路(90HC)に連通する排気高速側連通口(88Hh)を常時開通することを特徴とする請求項4に記載の可変動弁装置。
  7. 前記吸気側アクチュエータハウジング(78)の前記高速側油圧室(78H)と前記低速側油圧室(78L)に、それぞれ径方向に膨張して形成された吸気高速側膨張室(78HE)と吸気低速側膨張室(78LE)が設けられ、
    前記排気側アクチュエータハウジング(88)の前記高速側油圧室(88H)と前記低速側油圧室(88L)に、それぞれ径方向に膨張して形成された排気高速側膨張室(88HE)と排気低速側膨張室(88LE)が設けられ、
    高速側の前記連通油路(90HC)は、その両端が前記吸気高速側膨張室(78HE)と前記排気高速側膨張室(88HE)に接続され、
    低速側の前記連通油路(90LC)は、その両端が前記吸気低速側膨張室(78LE)と前記排気低速側膨張室(88LE)に接続されることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の可変動弁装置。
  8. 前記高速側供給油路(90H)は、前記吸気側アクチュエータハウジング(78)と前記排気側アクチュエータハウジング(88)の一方の前記高速側油圧室(78H)の軸方向端面に接続され、
    前記低速側供給油路(90L)は、前記吸気側アクチュエータハウジング(78)と前記排気側アクチュエータハウジング(88)の他方の前記低速側油圧室(88L)の軸方向端面に接続されることを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載の可変動弁装置。
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