JP2020108259A - 水上発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、太陽光により、従来に比べてコンスタントに発電できる水上発電装置を提供する。【解決手段】フロート部と、太陽電池パネルと、フロート部に対して太陽電池パネルを固定する固定部材を有し、太陽電池パネルは、板状であって両面から受光可能な両面受光型太陽電池パネルであり、フロート部の上面は、太陽電池パネルの下面と間隔を空けて直接対向しており、フロート部は、ビーズ法発泡樹脂製であって、かつ、波長400〜700nmの光をフロート部の上面に対して60度の角度で照射したときのSCI方式の平均反射率に対するSCE方式の平均反射率が0.6以上である構成とする。【選択図】図6

Description

本発明は、池や湖、海、ダム、遊水地、工業用水池、貯水池、農業用ため池等の水上に設置される水上発電装置に関する。
従来から水上に太陽電池を浮かせて発電する水上発電装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の水上発電装置(水上浮遊装置)は、いかだ上に4本の支柱を立て、両面入射型太陽電池を支持する。そして、いかだの表面にアルミニウム製の金属板や金属箔、或いは金属材料を塗布して反射面を形成することで、太陽光の直射光だけではなく、いかだの反射面での反射光も発電可能となっている。
特開平11−301578号公報
しかしながら、特許文献1に記載の水上浮体装置は、反射面を金属で形成しているため、太陽光のほとんどの光が正反射され、拡散反射光がほとんど生じない。そのため、太陽光の反射面での正反射光が直接太陽電池に照射されている時間帯は高効率で発電するものの、太陽が傾き、入射角度が低くなり、太陽光の反射面での正反射光が直接太陽電池に照射されない時間帯では、ほとんど発電できない。そのため、発電量が太陽の位置に大きく依存してしまい、コンスタントに発電できないという問題がある。また、海に設置した場合に、反射面が金属で形成しているため、反射面が腐食するという問題もある。
さらに、特許文献1に記載の水上浮体装置は、いかだ上に支柱を単純に載置する構造であるため、太陽電池といかだの間に強風が進入し、太陽電池に吹き上げ力が働くと、吹き上げ力に耐え切れず、いかだ上で支柱が倒れてしまうという問題がある。
そこで、本発明は、太陽光により、従来に比べてコンスタントに発電できる水上発電装置を提供することを目的とする。また、本発明は、従来に比べて、太陽電池パネルを安定して固定できる水上発電装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するための本発明の一つの様相は、フロート部と、太陽電池パネルと、前記フロート部に対して前記太陽電池パネルを固定する固定部材を有し、前記太陽電池パネルは、板状であって両面から受光可能な両面受光型太陽電池パネルであり、前記フロート部の上面は、前記太陽電池パネルの下面と間隔を空けて直接対向しており、前記フロート部は、ビーズ法発泡樹脂製であって、かつ、波長400〜700nmの光を前記フロート部の上面に対して60度の角度で照射したときのSCI方式の平均反射率に対するSCE方式の平均反射率が0.6以上である、水上発電装置である。
ここでいう「SCI」とは、Specular Component Includeの略であり、「SCI方式の反射率」とは、JIS Z 8722に準じた正反射光を含む反射率をいう。
ここでいう「SCE」とは、Specular Component Excludeの略であり、「SCE方式の反射率」とは、JIS Z 8722に準じた正反射光を除く反射率をいう。
ここでいう「平均反射率」とは、算術平均をいい、任意の測定点での反射率の平均値をいう。
本様相によれば、両面受光型の太陽電池パネルであるため、直接太陽電池パネルで受光した光だけではなく、フロート部の上面で反射した反射光でも発電できる。そのため、従来に比べて発電効率を向上できる。
本様相によれば、正反射率を含むSCI方式の平均反射率に対する正反射率を除いたSCE方式の平均反射率の割合が大きい。すなわち、反射光のうち、拡散反射光の成分が多いため、太陽の日照位置にかかわらず、コンスタントに発電することができる。
また、本様相によれば、フロート部がビーズ法発泡樹脂製であるため、海等に設けても腐食等が起こりにくい。
好ましい様相は、前記フロート部は、前記SCI方式の平均反射率に対するSCE方式の平均反射率が0.9以上であることである。
本様相によれば、発電効率をより向上できる。
好ましい様相は、前記フロート部は、上面のCIE1976(L*,a*,b*)表色系におけるSCE方式での明度L*値が90以上であることである。
なお、明度L*は、0に近づくほど黒色味が強く、100に近づくほど白味が強いことを表す。
本様相によれば、拡散反射光成分において白味が強く、より反射されるので、従来に比べて発電効率を向上できる。
好ましい様相は、前記フロート部は、ビーズ法発泡アクリル樹脂製であることである。
本様相によれば、太陽光に含まれる紫外線による劣化を抑制できる。
好ましい様相は、前記フロート部は、ビーズ法発泡ポリエチレン樹脂製であって、紫外線吸収剤を含むことである。
本様相によれば、太陽光に含まれる紫外線による劣化を抑制できる。
好ましい様相は、前記フロート部は、板状であって厚み方向に貫通する貫通孔を有し、前記固定部材は、第1脚部と、第2脚部を有し、前記太陽電池パネルは、前記第1脚部及び前記第2脚部に直接又は間接的に支持されて、前記フロート部の上面に対して所定の角度で傾斜しており、前記第2脚部は、前記太陽電池パネルの前記第1脚部が支持する部分よりも高位置側を支持するものであって、前記貫通孔の最小径又は最小幅よりも幅が広い係止部を有し、前記第2脚部は、前記貫通孔に挿通され、前記係止部が前記フロート部の下部又は前記フロート部よりも下方に位置していることである。
本様相によれば、傾斜した太陽電池パネルに対して吹き上げ力が働いた場合でも、フロート部に高位置側の第2脚部の係止部が係合し係止するので、フロート部の貫通孔から固定部材が外れることを防止できる。
好ましい様相は、少なくとも2つのフロート部を有し、前記固定部材は、前記2つのフロート部に対して前記太陽電池パネルを固定するものであって、かつ、少なくとも2つの脚部を有し、前記2つの脚部のうち、一方の脚部は、前記2つのフロート部のうち一方のフロート部に固定され、他方の脚部は、他方のフロート部に固定されていることである。
本様相によれば、固定部材が2つのフロート部に跨って固定されているため、太陽電池パネルを介して2つのフロート部が互いに離反することを防止できる。
本発明の一つの様相は、フロート部と、太陽電池パネルと、前記フロート部に対して前記太陽電池パネルを固定する固定部材を有し、前記フロート部は、板状であって厚み方向に貫通する貫通孔を有し、前記固定部材は、第1脚部と、第2脚部を有し、前記太陽電池パネルは、前記第1脚部及び前記第2脚部に直接又は間接的に支持されて、前記フロート部の上面に対して所定の角度で傾斜しており、前記第2脚部は、前記太陽電池パネルの前記第1脚部が支持する部分よりも高位置側を支持するものであって、前記貫通孔の最小径又は最小幅よりも幅が広い係止部を有し、前記第2脚部は、前記貫通孔に挿通され、前記係止部が前記フロート部の下部又は前記フロート部よりも下方に位置している水上発電装置である。
本様相によれば、傾斜した太陽電池パネルに対して吹き上げ力が働いた場合でも、フロート部に高位置側の第2脚部の係止部が係合し係止するので、フロート部の貫通孔から固定部材が外れることを防止できる。
本発明の一つの様相は、少なくとも2つのフロート部と、太陽電池パネルと、前記2つのフロート部に対して前記太陽電池パネルを固定する固定部材を有し、前記固定部材は、少なくとも2つの脚部を有し、前記2つの脚部のうち、一方の脚部は、前記2つのフロート部のうち一方のフロート部に固定され、他方の脚部は、他方のフロート部に固定されている、水上発電装置である。
本様相によれば、固定部材が2つのフロート部に跨って固定されているため、太陽電池パネルを介して2つのフロート部が互いに離反することを防止できる。
好ましい様相は、前記固定部材は、前記2つの脚部を連結する連結部を有することである。
本様相によれば、連結部によっても2つのフロート部が互いに離反することを防止できる。
好ましい様相は、平面的に広がりをもって並設された少なくとも3つのフロート部を有し、前記固定部材は、前記3つのフロート部に対して前記太陽電池パネルを固定するものであって、かつ、少なくとも3つの脚部を有し、前記3つの脚部は、前記3つのフロート部のそれぞれに固定されていることである。
本様相によれば、平面的にフロート部が広がりにくい。
好ましい様相は、前記2つのフロート部は、板状であって厚み方向に貫通する貫通孔を有し、前記2つの脚部は、前記貫通孔の最小径又は最小幅よりも幅が広い係止部を有し、前記一方の脚部は、前記一方のフロート部の貫通孔に挿通され、前記係止部が前記一方のフロート部の下部又は前記フロート部よりも下方に位置しており、前記他方の脚部は、前記他方のフロート部の貫通孔に挿通され、前記係止部が前記他方のフロート部の下部又は前記フロート部よりも下方に位置していることである。
本様相によれば、フロート部から固定部材が外れにくい。
本発明の水上発電装置によれば、太陽光によって従来に比べてコンスタントに発電できる。
本発明の水上発電装置によれば、従来に比べて、太陽電池パネルを安定して固定できる。
本発明の第1実施形態の水上発電装置の設置状況を模式的に示した斜視図である。 図1の水上発電装置の斜視図である。 図1の第1太陽電池パネル付近の斜視図である。 図1の第2太陽電池パネル付近の斜視図である。 図4の第2太陽電池パネル付近の一部破断分解斜視図である。 図1の水上発電装置の断面図である。 図1の水上発電装置の太陽電池パネルとフロート部の間に風が進入した状態を示す断面図である。 本発明の他の実施形態の水上発電装置の断面図である。 本発明の他の実施形態の固定部材付近の斜視図である。 本発明の他の実施形態の固定部材の本体部付近の斜視図である。 本発明の他の実施形態の第1係止部の要部の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の第1実施形態の水上発電装置1は、図1のように、池や湖、海、ダム、遊水地、工業用水池、貯水池、農業用ため池等の水上200に浮かべて設けられるものであり、図2のように太陽電池パネル2と、フロート部3と、固定部材5を備えている。
また、フロート部3に固定される太陽電池パネル2の中には、一枚のフロート部3上に全体が収まる第1太陽電池パネル2aと、複数のフロート部3に跨って配される第2太陽電池パネル2bが混在している。そして、第2太陽電池パネル2bは、隣接するフロート部3,3間の離反を防止する機能を有することを特徴の一つとしている。
太陽電池パネル2は、図3のように、四角形状の板状パネルであり、両面から受光可能な両面受光型太陽電池パネルである。すなわち、太陽電池パネル2は、設置時に太陽光を直接的に受光する直接受光面6と、間接的に受光する間接受光面7がある。
フロート部3は、水の密度(1g/cm3)よりも密度が小さく、図1のように、水上200に浮遊可能な部材である。
フロート部3は、ビーズ法発泡樹脂製の板体であり、ビーズ状の樹脂原料を所定の発泡倍率で発泡させて形成されたものである。
フロート部3は、耐候性があり、紫外線に対して耐性をもつものである。
フロート部3は、ビーズ法発泡アクリル樹脂製又は紫外線吸収剤を含むビーズ法発泡ポリエチレン樹脂製であることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン等が使用できる。
フロート部3の発泡倍率は、50倍以上70倍以下であることが好ましい。
この範囲であれば、浮遊する機能を付加しつつ、固定部材5を固定するのに十分な強度を確保できる。
フロート部3は、波長400〜700nmの光をフロート部3の上面に対して60度の角度で照射したときの正反射率を含むSCI方式の平均反射率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることが特に好ましい。
この範囲であれば、十分に反射光に変換することができ、高い発電効率を確保できる。
フロート部3は、波長400〜700nmの光をフロート部3の上面に対して60度の角度で照射したときの正反射率を含まないSCE方式の平均反射率が50%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、80%以上であることが特に好ましい。
フロート部3は、波長400〜700nmの光をフロート部3の上面に対して60度の角度で照射したときのSCI方式の平均反射率に対するSCE方式の平均反射率が0.6以上であり、0.85以上であることが好ましく、0.9以上であることがより好ましく、0.95以上であることが特に好ましい。
これらの範囲であれば、反射光中の拡散反射光成分を多くでき、より長期間で間接受光面7に受光できる。
また、フロート部3は、色温度6500Kの光をフロート部3の上面に照射したときのフロート部3の上面のCIE1976(L*,a*,b*)表色系におけるSCE方式での明度L*値が80以上であることが好ましく、85以上であることがより好ましく、90以上であることが特に好ましい。
この範囲であれば、フロート部3の色が白くて反射しやすく、より長期間で間接受光面7に受光できる。
フロート部3は、図3,図4のように、四角形状の板状体であり、厚み方向に貫通する貫通孔10を備えている。
貫通孔10は、図5のように、固定部材5の一部を挿通可能な挿通孔であり、図6のように、第1径部11と、第1径部11よりも断面積が大きい第2径部12で構成されている。すなわち、貫通孔10は、第1径部11の内壁と第2径部12の内壁が接続壁部15を介して段状に連続している。
固定部材5は、図5のように、フロート部3からの高さの異なる固定ユニット20,21で構成されている。
固定ユニット20,21は、一対の脚部22,23と、一対の脚部22,23間を連結する連結部25でそれぞれ構成されている。
脚部22,23は、本体部30と、第1係止部31と、第2係止部32を有している。
本体部30は、高さ方向に延びた棒状の部位であり、長手方向に対して直交する断面形状が貫通孔10の第1径部11の開口形状と相似形状となっている。
本実施形態の本体部30は、円柱状となっている。
第1係止部31は、フロート部3と係合することで、脚部22,23の上方向の移動を係止する部位である。
第1係止部31は、本体部30の長手方向の端部に設けられ、最大径又は最大幅がフロート部3の貫通孔10の第1径部11の開口の最小径又は最小幅よりも大きく、第2径部12に収納可能な部位である。
本実施形態の第1係止部31は、本体部30から径方向の外側に向かって延びたフランジ状の部位であり、脚部22,23の長手方向に対して直交する断面における断面積がフロート部3の第1径部11の開口面積よりも大きい。
第2係止部32は、フロート部3の天面と係合することで脚部22,23の下方向の移動を係止する部位である。
第2係止部32は、本体部30の長手方向の中間部に設けられ、最大径又は最大幅がフロート部3の貫通孔10の第1径部11の開口の最小径又は最小幅よりも大きい。
本実施形態の第2係止部32は、脚部22,23の長手方向に対して直交する断面における第2係止部32の断面積は、フロート部3の第1径部11の開口面積よりも大きい。
固定ユニット20,21は、図6のように異なる高さ位置で太陽電池パネル2を支持している。
固定ユニット20,21は、脚部22,23の長さが異なっており、固定ユニット20は、固定ユニット21に比べて脚部22,23の長さが短い。すなわち、固定ユニット20の脚部22aは、固定ユニット21の脚部22bよりも短く、固定ユニット20の脚部23aは、固定ユニット21の脚部23bよりも短い。
続いて、水上発電装置1の各部材の位置関係について説明する。
水上発電装置1は、図2のように、複数のフロート部3が横方向X及び縦方向Yに碁盤状に並設されており、並設されたフロート部3に対して固定部材5によって太陽電池パネル2が固定されている。
フロート部3は、実質的に隙間なく並べてられており、本実施形態では、横方向X及び縦方向Yに隣接するフロート部3,3の端面間の間隔が1cm以下となっている。
各太陽電池パネル2は、図6のように固定部材5によって支持されて下面をなす間接受光面7がフロート部3の上面と間隔を空けて直接対向しており、直接受光面6が上方を向いている。
具体的には、太陽電池パネル2は、図6のように、固定部材5によってフロート部3の天面に対して所定の傾斜角度θで傾斜する傾斜姿勢で固定されている。具体的には、太陽電池パネル2は、低位置側が固定ユニット20によって支持されており、高位置側が固定ユニット21によって支持されている。
傾斜角度θは、3度以上15度以下であることが好ましい。
この範囲であれば、太陽光を長時間で受光でき、効率良く発電できる。
固定部材5は、図2のように、固定ユニット20,21が縦方向Yに間隔を空けて配されており、固定ユニット20,21の脚部22,23が横方向Xに並んでいる。
固定ユニット20,21の各脚部22,23は、図5,図6のように、本体部30がフロート部3の貫通孔10に挿入されており、第1係止部31がフロート部3の底面と対面しており、第2係止部32がフロート部3の天面と対面している。本実施形態では、フロート部3は、第1係止部31及び第2係止部32によって挟持されている。
第1係止部31は、貫通孔10の第2径部12に収容され、下面がフロート部3の下面と面一となっている。
第1太陽電池パネル2aは、図3のように、一つのフロート部3上に配されており、第2太陽電池パネル2bは、図4のように、複数のフロート部3に跨って配されている。
第2太陽電池パネル2bを固定する固定部材5bは、横方向X及び/又は縦方向Yに隣接するフロート部3,3に跨ってそれぞれに対して固定されており、第2太陽電池パネル2bが隣接するフロート部3,3の境界部分を跨っている。
例えば、図4に示される固定部材5bは、横方向X及び縦方向Yに平面的に並設された4つのフロート部3a〜3dに跨って設けられている。
すなわち、固定ユニット20,21は、横方向Xにおいて、一方の脚部22が隣接するフロート部3a,3b(3c,3d)のうち、一方のフロート部3a(3d)に固定されており、他方の脚部23が他方のフロート部3b(3c)に固定されている。
固定ユニット20は、脚部22,23(第1脚部)がフロート部3a,3bに固定され、連結部25がフロート部3a,3bに跨っており、固定ユニット21は、脚部22,23(第2脚部)がフロート部3d,3cに固定され、連結部25がフロート部3d,3cに跨っている。
ところで、本実施形態の水上発電装置1は、図7のように、太陽電池パネル2が傾斜しており、縦方向Yにおいて高位置側と、低位置側がある。そのため、太陽電池パネル2と、フロート部3の間に風が進入すると、太陽電池パネル2の高位置側に低位置側に比べて大きな荷重が加わり、太陽電池パネル2の高位置側に低位置側を中心として上向きの荷重が加わる。すなわち、高位置側を支持する固定ユニット21には、低位置側を支持する固定ユニット20に比べて上方向の吹き上げ力がかかる。
そこで、本実施形態の水上発電装置1によれば、太陽電池パネル2の高位置側を支持する固定ユニット21にフロート部3の下面と係合可能な第1係止部31が設けられている。そのため、太陽電池パネル2とフロート部3に間に風が進入しても、固定ユニット20,21がフロート部3の下面で係止され、貫通孔10から抜けにくく、安定して太陽電池パネル2をフロート部3に固定できる。
上記した実施形態では、貫通孔10を内壁が段状に連続した形状とし、第2径部12に第1係止部31を収容可能となっていたが、本発明はこれに限定されるものではない。図8のように、貫通孔10に第2径部12を設けずに、貫通孔10の下方に第1係止部31が位置する構造としてもよい。
上記した実施形態では、固定部材5の第1係止部31の形状がフランジ状であったが、第1係止部31の形状は、フロート部3に係止できれば特に限定されない。例えば、第1係止部31の形状は、図9(a)のように、本体部30から径方向に張り出し、側面視「L」字状を構成していてもよいし、図9(b)のように、十字状であってもよい。すなわち、第1係止部31を貫通孔10の第1径部11の最小幅又は最小径よりも大きくし、係止できればよい。
上記した実施形態では、脚部22,23の本体部30の長手方向に対して直交する断面における外郭形状が円形状をしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。脚部22,23の本体部30の長手方向に対して直交する断面における外郭形状は、図10(a)のように四角形や六角形等の多角形状であってもよいし、図10(b)のように「H」字状であってもよい。
上記した実施形態では、フロート部3が一律で同一材料で形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。フロート部3は、部分的に異なる材料を使用してもよい。例えば、発泡倍率が異なるビーズ法発泡樹脂で複層構造としてもよい。具体的には、内側に高発泡倍率のビーズ法発泡樹脂で芯材を形成し、芯材の表面に芯材に比べて低発泡倍率のビーズ法発泡樹脂で外層を形成してもよい。こうすることで、フロート部3に傷が付きにくくできる。
上記した実施形態では、4本の脚部22a,22b,23a,23bを備えていたが、太陽電池パネル2を支持できれば脚部の本数は、特に限定されない。脚部は3本であってもよいし、5本以上であってもよい。
上記した実施形態では、第1係止部31がフロート部3の貫通孔10の第2径部12に収納され、フロート部3の下部に位置していたが、本発明はこれに限定されるものではない。第1係止部31は、フロート部3の下方に位置していてもよい。
上記した実施形態では、太陽電池パネル2は、各固定ユニット20,21の連結部25によって固定されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。各固定ユニット20,21の脚部22,23によって直接固定されていてもよいし、異なる部材(例えば、固定金具)を介して間接的に固定されていてもよい。
上記した実施形態の応用例として、図11のように、第1係止部31のフロート部3側の面に突出部40を設けてもよい。こうすることによって、より固定部材5を安定させることができる。突出部40の形状は、特に限定されない。突出部40は、接続壁部15に食い込ませるべく、図11(a)のように円錐状等の先が尖った形状であってもよいし、図11(b)のように半球状等の先が丸まった形状であってもよい。
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施できる。
(実施例1)
実施例1としてカネカフォームプラスチックス株式会社製の発泡倍率65倍のビーズ法発泡アクリル樹脂の板材(製品名「カネパールAX」)を用い、当該板材の片面に対して、色温度6500K、波長400〜700nmの光を60度の角度で照射し、株式会社コミカミノルタ社製の分光測色計(製品名「CM−700d」)にて、JIS Z 8722に準じて、SCI方式の平均反射率、SCE方式の平均反射率を測定し、さらにSCI方式の平均反射率に対するSCE方式の平均反射率の割合を算出した。また、同条件により、CIE1976(L*,a*,b*)表色系におけるSCI方式の明度(L*)及びSCE方式の明度(L*)を算出した。
(実施例2)
実施例2としてカネカフォームプラスチックス株式会社製の発泡倍率が60倍のビーズ法発泡ポリエチレン樹脂の板材(製品名「エペランXL」)を用い、当該板材に対して実施例1と同様の測定を行った。
(実施例3)
実施例3としてカネカフォームプラスチックス株式会社製の発泡倍率が90倍のビーズ法発泡スチレン樹脂の板材を用い、当該板材に対して実施例1と同様の測定を行った。
(実施例4)
実施例4としてカネカフォームプラスチックス株式会社製の発泡倍率が45倍のビーズ法発泡ポリプロピレン樹脂の板材(製品名「エペランPP」)を用い、当該板材に対して実施例1と同様の測定を行った。
(比較例1)
比較例1として、アルミニウム箔/ポリエチレンフィルム/未晒クラフト紙の積層構造をもつ株式会社キラックス製の製品名「50ALK」を用い、アルミニウム箔側から実施例1と同様の測定を行った。
(比較例2)
比較例2として、アルミニウム箔/ポリエチレンフィルム/ポリオレフィン製の繊維直交積層不織布の積層構造をもつ株式会社キラックス製の製品名「ALW」を用い、アルミニウム箔側から実施例1と同様の測定を行った。
(比較例3)
比較例3として、アルミニウム箔/ポリエチレンフィルム/ガラスクロスの積層構造をもつ株式会社キラックス製の製品名「ALGC」を用い、アルミニウム箔側から実施例1と同様の測定を行った。
表1,2に実施例1〜4及び比較例1〜3の測定結果を示す。
Figure 2020108259
Figure 2020108259
ビーズ法発泡樹脂を使用した実施例1〜4は、表1のように、表面がアルミニウム箔で形成された比較例1〜3に比べて、正反射光を含まないSCE方式の平均反射率が高く、実施例1,2においては、比較例1〜3に比べて、正反射光を含むSCI方式の平均反射率も高かった。
また、比較例1〜3では、正反射光成分を含むSCI方式の平均反射率に比べて、正反射光成分を含まないSCE方式の平均反射率が小さな値を取るのに対して、実施例1〜4では、SCE方式の平均反射率が大きな値をとった。すなわち、比較例1〜3では、反射光のほとんどが正反射光であるのに対して、実施例1〜4では、反射光中の拡散反射光成分が大きかった。
また、実施例1〜4は、表2のように、比較例1〜3に比べて、SCI方式の明度L*の値が同程度であるものの、SCE方式の値が大きかった。すなわち、拡散反射光成分における白味が強く、このことからも、反射光中の拡散反射光成分が大きいことがわかった。
以上のことから、実施例1〜4のビーズ法発泡樹脂をフロート部に使用することで、金属を使用した比較例1〜3に比べて反射光中の拡散反射光の割合を大きくできる。その結果、太陽が沈み、日照位置がフロート部に対して鋭角となって正反射光が直接照射されない状態でもコンスタントに太陽電池パネルの間接受光面に光が入射できることがわかった。
1 水上発電装置
2 太陽電池パネル
2a 第1太陽電池パネル
2b 第2太陽電池パネル
3,3a〜3d フロート部
5,5b 固定部材
6 直接受光面
7 間接受光面
10 貫通孔
20 固定ユニット(第1脚部)
21 固定ユニット(第2脚部)
22,22a,22b,23,23a,23b 脚部
25 連結部
30 本体部
31 第1係止部
200 水上

Claims (12)

  1. フロート部と、太陽電池パネルと、前記フロート部に対して前記太陽電池パネルを固定する固定部材を有し、
    前記太陽電池パネルは、板状であって両面から受光可能な両面受光型太陽電池パネルであり、
    前記フロート部の上面は、前記太陽電池パネルの下面と間隔を空けて直接対向しており、
    前記フロート部は、ビーズ法発泡樹脂製であって、かつ、波長400〜700nmの光を前記フロート部の上面に対して60度の角度で照射したときのSCI方式の平均反射率に対するSCE方式の平均反射率が0.6以上である、水上発電装置。
  2. 前記フロート部は、前記SCI方式の平均反射率に対するSCE方式の平均反射率が0.9以上である、請求項1に記載の水上発電装置。
  3. 前記フロート部は、上面のCIE1976(L*,a*,b*)表色系におけるSCE方式での明度L*値が90以上である、請求項1又は2に記載の水上発電装置。
  4. 前記フロート部は、ビーズ法発泡アクリル樹脂製である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水上発電装置。
  5. 前記フロート部は、ビーズ法発泡ポリエチレン樹脂製であって、紫外線吸収剤を含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水上発電装置。
  6. 前記フロート部は、板状であって厚み方向に貫通する貫通孔を有し、
    前記固定部材は、第1脚部と、第2脚部を有し、
    前記太陽電池パネルは、前記第1脚部及び前記第2脚部に直接又は間接的に支持されて、前記フロート部の上面に対して所定の角度で傾斜しており、
    前記第2脚部は、前記太陽電池パネルの前記第1脚部が支持する部分よりも高位置側を支持するものであって、前記貫通孔の最小径又は最小幅よりも幅が広い係止部を有し、
    前記第2脚部は、前記貫通孔に挿通され、前記係止部が前記フロート部の下部又は前記フロート部よりも下方に位置している、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の水上発電装置。
  7. 少なくとも2つのフロート部を有し、
    前記固定部材は、前記2つのフロート部に対して前記太陽電池パネルを固定するものであって、かつ、少なくとも2つの脚部を有し、
    前記2つの脚部のうち、一方の脚部は、前記2つのフロート部のうち一方のフロート部に固定され、他方の脚部は、他方のフロート部に固定されている、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の水上発電装置。
  8. フロート部と、太陽電池パネルと、前記フロート部に対して前記太陽電池パネルを固定する固定部材を有し、
    前記フロート部は、板状であって厚み方向に貫通する貫通孔を有し、
    前記固定部材は、第1脚部と、第2脚部を有し、
    前記太陽電池パネルは、前記第1脚部及び前記第2脚部に直接又は間接的に支持されて、前記フロート部の上面に対して所定の角度で傾斜しており、
    前記第2脚部は、前記太陽電池パネルの前記第1脚部が支持する部分よりも高位置側を支持するものであって、前記貫通孔の最小径又は最小幅よりも幅が広い係止部を有し、
    前記第2脚部は、前記貫通孔に挿通され、前記係止部が前記フロート部の下部又は前記フロート部よりも下方に位置している、水上発電装置。
  9. 少なくとも2つのフロート部と、太陽電池パネルと、前記2つのフロート部に対して前記太陽電池パネルを固定する固定部材を有し、
    前記固定部材は、少なくとも2つの脚部を有し、
    前記2つの脚部のうち、一方の脚部は、前記2つのフロート部のうち一方のフロート部に固定され、他方の脚部は、他方のフロート部に固定されている、水上発電装置。
  10. 前記固定部材は、前記2つの脚部を連結する連結部を有する、請求項7又は9に記載の水上発電装置。
  11. 平面的に広がりをもって並設された少なくとも3つのフロート部を有し、
    前記固定部材は、前記3つのフロート部に対して前記太陽電池パネルを固定するものであって、かつ、少なくとも3つの脚部を有し、
    前記3つの脚部は、前記3つのフロート部のそれぞれに固定されている、請求項7、9、10のいずれか1項に記載の水上発電装置。
  12. 前記2つのフロート部は、板状であって厚み方向に貫通する貫通孔を有し、
    前記2つの脚部は、前記貫通孔の最小径又は最小幅よりも幅が広い係止部を有し、
    前記一方の脚部は、前記一方のフロート部の貫通孔に挿通され、前記係止部が前記一方のフロート部の下部又は前記フロート部よりも下方に位置しており、
    前記他方の脚部は、前記他方のフロート部の貫通孔に挿通され、前記係止部が前記他方のフロート部の下部又は前記フロート部よりも下方に位置している、請求項9乃至11のいずれか1項に記載の水上発電装置。
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