JP2020107097A - 遠赤外線画像処理装置、及びそれを備えた遠赤外線監視装置、並びに遠赤外線画像処理プログラム - Google Patents

遠赤外線画像処理装置、及びそれを備えた遠赤外線監視装置、並びに遠赤外線画像処理プログラム Download PDF

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昂輝 吉田
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Abstract

【課題】遠赤外線カメラによって撮影された遠赤外線画像から有意な情報の抽出を可能にする遠赤外線画像処理装置を提供する。【解決手段】本発明は、遠赤外線画像処理装置(14)であって、遠赤外線カメラ(10)によって取得された画像データを取り込む画像情報入力部(22a)と、画像データに含まれる画素値のヒストグラムを生成するヒストグラム生成部(22b)と、上端閾値及び下端閾値を使用して、ヒストグラム生成部によって生成されたヒストグラムの度数が、上端閾値と下端閾値の間の値となるように修正するヒストグラム再構成部(22c)と、修正されたヒストグラムに基づいて、ヒストグラムの平坦化処理を実行し、ヒストグラムが平坦化された画像データを生成する平坦化処理部(22d)と、この平坦化処理部によって処理された画像データを出力する処理画像出力部(14a)と、を有することを特徴としている。【選択図】図4

Description

本発明は、遠赤外線画像処理装置、及びそれを備えた遠赤外線監視装置、並びに遠赤外線画像処理プログラムに関する。
遠赤外線画像は、撮影対象物から放射された遠赤外線を画像化したものであるため、夜間等の可視光線の少ない環境においても、撮影用の照明を用いることなく取得することができ、監視用途等に好適である。特開2018−152106号公報(特許文献1)には、水上侵入検知システムおよびその方法が記載されている。この水上侵入検知システムでは、海上を監視する可視カメラ及び遠赤外線カメラ映像から侵入する物体の候補を検知し、さらに、大きさ、速度、侵入する方向および直線性等を導き、ある程度の物体識別を行っている。さらに、遠赤外線映像での輝度等から、船舶、ヒト、浮遊物を区別している。また、映像をフーリエ変換するなどして、物体が無い場所での海面の通常の波の周期性を観測して、その通常状態の波の動きと物体の動きとの連動性に基づいて、物体の識別精度を向上させている。
特開2018−152106号公報
しかしながら、遠赤外線カメラによって撮影された遠赤外線画像は、一般に、輝度やコントラストが低く、撮影された像のエッジも不鮮明である。さらに、遠赤外線画像は、画像データの中に含まれるノイズが多く、また、ノイズの分布の仕方も複雑であり、従来のノイズ除去処理を適用しても画像に含まれるノイズを十分に低減することは困難である。また、遠赤外線カメラは、特に、撮像素子の画素(マイクロボロメータ)毎に遠赤外線(熱)に対する感度が大きくばらついており、このバラツキも、遠赤外線画像の画質を低下させる大きな原因となっている。このような理由から、遠赤外線カメラによって撮影された遠赤外線画像を解析して、有意な情報を抽出することが困難な状況にあり、現状では、遠赤外線画像の優位性を十分に活用できているとは言い難い。
従って、本発明は、遠赤外線カメラによって撮影された遠赤外線画像から有意な情報の抽出を可能にする遠赤外線画像処理装置、及びそれを備えた遠赤外線監視装置、並びに遠赤外線画像処理プログラムを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、遠赤外線画像の処理装置であって、遠赤外線カメラによって取得された画像データを取り込む画像情報入力部と、この画像情報入力部によって取り込まれた画像データに含まれる画素値のヒストグラムを生成するヒストグラム生成部と、上端閾値、及びこの上端閾値よりも小さい下端閾値を使用して、ヒストグラム生成部によって生成されたヒストグラムの度数が、上端閾値と下端閾値の間の値となるように修正するヒストグラム再構成部と、このヒストグラム再構成部によって修正されたヒストグラムに基づいて、ヒストグラムの平坦化処理を実行し、ヒストグラムが平坦化された画像データを生成する平坦化処理部と、この平坦化処理部によって処理された画像データを出力する処理画像出力部と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、ヒストグラム再構成部が、ヒストグラムの度数を、上端閾値と下端閾値の間の値となるように修正し、修正されたヒストグラムに基づいて、ヒストグラムの平坦化処理が実行される。この結果、遠赤外線画像における背景と、撮影対象物の画素値の差が確保され、撮影対象物を背景から効果的に分離することが可能になる。これにより、遠赤外線カメラによって撮影された遠赤外線画像から有意な情報を抽出することが可能になる。
また、本発明は、遠赤外線画像を利用した監視装置であって、遠赤外線の動画を取得する遠赤外線カメラと、この遠赤外線カメラによって取得された画像データを処理するための本発明の遠赤外線画像処理装置と、を有することを特徴としている。
さらに、本発明は、遠赤外線画像を処理するプログラムであって、遠赤外線カメラによって取得された画像データを取り込む画像情報入力処理と、この画像情報入力処理によって取り込まれた画像データに含まれる画素値のヒストグラムを生成するヒストグラム生成処理と、上端閾値、及びこの上端閾値よりも小さい下端閾値を使用して、ヒストグラム生成処理によって生成されたヒストグラムの度数が、上端閾値と下端閾値の間の値となるように修正するヒストグラム再構成処理と、このヒストグラム再構成処理によって修正されたヒストグラムに基づいて、ヒストグラムの平坦化処理を実行し、ヒストグラムが平坦化された画像データを生成するヒストグラム平坦化処理と、を実行することを特徴としている。
本発明の遠赤外線画像処理装置、及びそれを備えた遠赤外線監視装置、並びに遠赤外線画像処理プログラムによれば、遠赤外線カメラによって撮影された遠赤外線画像から有意な情報を抽出することができる。
本発明の実施形態による遠赤外線画像処理装置を内蔵したカメラボックスの外観を示す斜視図である。 本発明の実施形態による遠赤外線画像処理装置を内蔵したカメラボックスの内部構造を示す斜視断面図である。 本発明の実施形態による遠赤外線画像処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による遠赤外線画像処理装置における画像処理の流れを示すブロック図である。 本発明の実施形態による遠赤外線画像処理装置において実行される多閾値ヒストグラム平坦化処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態による遠赤外線画像処理装置において、遠赤外線カメラによって撮影された遠赤外線画像のヒストグラムの一例を示す図である。 従来のヒストグラム平坦化処理後の画像と、本発明の実施形態による遠赤外線画像処理装置における多閾値ヒストグラム平坦化処理後の画像の一例を比較して示す図である。 本発明の実施形態による遠赤外線画像処理装置において実行される三次元ノイズリダクション処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態による遠赤外線画像処理装置において実行されるエッジ強調処理を示すフローチャートである。
次に、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態による遠赤外線画像処理装置を説明する。図1は、本実施形態の遠赤外線画像処理装置を内蔵したカメラボックスの外観を示す斜視図である。図2は、カメラボックスの内部構造を示す斜視断面図である。図3は、本実施形態の遠赤外線画像処理装置の構成を示すブロック図である。
<カメラボックスの構成>
図1及び図2に示すように、カメラボックス2には、遠赤外線カメラ10及び近赤外線カメラ12が内蔵されており、各カメラのレンズがカメラボックス2の一側面に並べて取り付けられている。また、図2に示すように、遠赤外線カメラ10の筐体内には、遠赤外線カメラ10によって撮影された遠赤外線画像を画像処理するための信号処理基板が内蔵されており、この信号処理基板が本発明の実施形態による遠赤外線画像処理装置14として機能する。さらに、遠赤外線カメラ10及び遠赤外線画像処理装置14は、本発明の実施形態による遠赤外線監視装置として機能する。また、近赤外線カメラ12の筐体内には、近赤外線カメラ12によって撮影された近赤外線画像を画像処理するための信号処理基板16が内蔵されている。
次に、図3を参照して、遠赤外線画像処理装置の構成を説明する。
図3に示すように、カメラボックス2の内部には、遠赤外線カメラ10と、近赤外線カメラ12と、サブシステム基板18と、が内蔵されている。さらに、遠赤外線カメラ10の筐体内には、本発明の実施形態による遠赤外線画像処理装置14、及びUSB信号変換基板14aが内蔵されている。また、近赤外線カメラ12の筐体内には、信号処理基板16であるISP画像処理基板16a、通信・制御処理基板16b、及びUSB信号変換基板16cが内蔵されている。なお、カメラボックス2には、近赤外線カメラ12に代えて、又は近赤外線カメラ12に加えて可視光線の画像を撮影する可視光カメラ(図示せず)が備えられていても良い。
(遠赤外線カメラ)
遠赤外線カメラ10は、遠赤外広角レンズ10aと、熱画像アレイ10bと、ボロメータ基板10cと、を備え、遠赤外線画像を取得するように構成されている。なお、本実施形態において、遠赤外線カメラ10は、1秒間に8フレームの頻度で、連続的に遠赤外線画像を撮影するように構成されている。なお、本明細書において、「遠赤外線」とは、波長が約8μm乃至約14μmの赤外線を意味している。
遠赤外広角レンズ10aは、入射した遠赤外線を熱画像アレイ10b上に合焦させるように構成されている。好ましくは、遠赤外広角レンズ10aは広角で、中心から周辺まで均質且つ高透過に熱放射エネルギーを伝達して、熱画像アレイ10b上に結像するレンズを使用する。また、本実施形態においては、遠赤外広角レンズ10aは単一のレンズであるが、遠赤外広角レンズ10aは複数のレンズから構成されていても良い。さらに、本実施形態において、遠赤外広角レンズ10aとして、水平角度70度以上で、遠赤外線の波長の透過率の中心に対する周辺10割像高の光量比が70%以上のレンズが使用されている。
熱画像アレイ10bは、縦横に配列された多数のマイクロボロメータピクセルから構成されている。熱画像アレイ10bの各ピクセルは遠赤外線が入射すると温度が上昇し、この温度変化により抵抗値が変化して、入射した遠赤外線の強度を電流値の変化として取り出すことができるように構成されている。なお、本実施形態においては、熱画像アレイ10bは、縦横に80×80個のピクセルが配列された比較的低画素の熱画像アレイ10bが使用されている。
ボロメータ基板10cは、熱画像アレイ10bの各ピクセルに入射した遠赤外線の強度を表すRAW階調信号を、熱画像アレイ10bから取り出すように構成されている。本実施形態において、ボロメータ基板10cは取り出された信号を14bitのA/D変換器によりディジタル値に変換するように構成されている。従って、熱画像アレイ10bから取り出された遠赤外線の強度を表す信号は、ボロメータ基板10cによって16384階調のRAW階調信号として取り出される。
遠赤外線画像処理装置14は、ボロメータ基板10cからRAW階調信号として入力された画像データを、画像処理するように構成されている。また、遠赤外線画像処理装置14は、ボロメータ基板10cから入力された遠赤外線画像のデータを温度データに変換するように構成されている。なお、本実施形態において、遠赤外線画像処理装置14は、遠赤外線画像のデータに基づいて16bitの温度データを生成するように構成されている。具体的には、遠赤外線画像処理装置14は、マイクロプロセッサ、各種インターフェイス回路、メモリ、及びこれらを作動させるプログラム(以上、図示せず)等から構成されている。また、遠赤外線画像処理装置14を作動させるプログラムは、本発明の実施形態による赤外線画像処理プログラムとして機能する。
USB信号変換基板14aは、遠赤外線画像処理装置14によって処理された遠赤外線画像の画像データ、及び温度データをUSB信号に変換し、サブシステム基板18に送信するように構成されている。
本実施形態において、遠赤外線画像処理装置14は、遠赤外線カメラ10によって取得された画像データを取り込む画像情報入力処理、及び画像データに含まれる画素値のヒストグラムを生成するヒストグラム生成処理を実行するように構成されている。さらに、遠赤外線画像処理装置14は、生成されたヒストグラムの度数を修正するヒストグラム再構成処理、及び再構成されたヒストグラムに基づいて、ヒストグラムが平坦化された画像データを生成するヒストグラム平坦化処理を実行するように構成されている。即ち、遠赤外線画像処理装置14には、上記の各処理を実行するための、本発明の実施形態による遠赤外線画像処理プログラムが備えられている。遠赤外線画像処理装置14における具体的な信号処理については後述する。
(近赤外線カメラ)
次に、近赤外線カメラ12は、広角レンズ12aと、CMOSセンサ12bと、近赤外LED投光器12cと、LED点等制御基板12dと、を備え、所定のフレームレートで連続的に近赤外線画像を撮影するように構成されている。
広角レンズ12aは、入射した近赤外線をCMOSセンサ12b上に合焦させるように構成されている。好ましくは、広角レンズ12aは、遠赤外線カメラ10と略同一の領域を撮影できる画角を有する。なお、本実施形態においては、水平方向実視野(HFOV)が90度以上の広角レンズ12aが使用されている。
CMOSセンサ12bは、縦横に配列された多数のCMOS半導体から構成されており、広角レンズ12aによって撮像面上に結像された近赤外線の像を形成するように構成されている。
近赤外LED投光器12cは、近赤外線を放射する近赤外LEDを備えており、近赤外線カメラ12の撮影範囲内に近赤外線を照射するように構成されている。また、LED点等制御基板12dは、近赤外線カメラ12による撮影を行う際に、必要に応じて近赤外LED投光器12cに信号を送り、近赤外線を照射させるように構成されている。
ここで、遠赤外線カメラ10は、主として監視対象物等から放射された遠赤外線の画像を生成するのに対し、近赤外線カメラ12は、主として監視対象物等によって反射された近赤外線の画像を生成する。このため、夜間等に、近赤外線カメラ12を使用して撮影を行うためには、近赤外LED投光器12cによって監視対象物等に近赤外線を照射する必要がある。一方、遠赤外線カメラ10は、監視対象物等から放射された遠赤外線によって画像を生成するため、夜間等においても、特別に照明を行う必要はない。
さらに、近赤外線カメラ12の筐体内には信号処理基板16が内蔵されており、この信号処理基板16は、ISP画像処理基板16a、通信・制御処理基板16b、及びUSB信号変換基板16cから構成されている。
ISP画像処理基板16aは、CMOSセンサ12bからRAW画像信号を取り出して近赤外線画像データを生成するように構成されている。
通信・制御処理基板16bは、ISP画像処理基板16aを制御して、ISP画像処理基板16aから近赤外線画像データを取得すると共に、LED点等制御基板12dに信号を送って所定のタイミングで近赤外LED投光器12cによる照明を行うように構成されている。
また、USB信号変換基板16cは、ISP画像処理基板16aによって生成された近赤外線画像データをUSB信号に変換し、サブシステム基板18に送信するように構成されている。
(サブシステム基板)
サブシステム基板18は、遠赤外線画像処理装置14によって生成された遠赤外線画像のデータ及び温度データを取得し、種々のデータ処理を実行する。具体的には、サブシステム基板18は、マイクロプロセッサ、各種インターフェイス回路、メモリ、及びこれらを作動させるプログラム(以上、図示せず)等から構成されている。
さらに、サブシステム基板18においてデータ処理された情報は、外部に送信される。本実施形態においては、その情報はサーバ4に送信される。本実施形態においては、通信基板18cは無線LANによってサーバ4に情報を送信するように構成されているが、有線LANの他、無線又は有線の任意の通信方式によりサーバ4に情報を送信することができる。
<遠赤外線画像処理装置における処理>
次に、図4乃至図9を参照して、本発明の実施形態による遠赤外線画像処理装置14において実行される画像処理を説明する。
図4は、遠赤外線画像処理装置14における画像処理の流れを示すブロック図である。遠赤外線画像処理装置14において処理された遠赤外線画像はサブシステム基板18に出力され、サブシステム基板18において各種処理が実行される。
図4に示すように、遠赤外線カメラ10の遠赤外広角レンズ10aによって熱画像アレイ10b上に合焦された遠赤外線画像は、画像データとしてボロメータ基板10cに読み込まれる。ボロメータ基板10cに読み込まれた画像データは遠赤外線画像処理装置14内で画像処理される。即ち、本実施形態においては、ノンユニフォミティ画像補正(NUC)が施されていない14bitのRAW画像データが、遠赤外線画像処理装置14に入力される。
遠赤外線画像処理装置14に入力されたノンユニフォミティ未補正のRAW画像データに対し、「画像処理1」として、画素欠陥補正、及びノンユニフォミティ画像補正が施される。画素欠陥補正では、熱画像アレイ10b上で欠陥のある画素が予め特定されており、この欠陥のある画素の画素値が、周辺の画素の画素値によって置き換えられる。ノンユニフォミティ画像補正は、熱画像アレイ10bの各画素の感度等の不均一性を補正する処理である。この「画像処理1」により、ノンユニフォミティ画像補正後の14bitのRAW画像データが生成される。
「画像処理1」が施されたRAW画像データに対し、「温度演算」が実行される。即ち、遠赤外線画像の各画素の画素値は、画像内の、その画素に対応する部分の温度に対応している。「温度演算」においては、遠赤外線画像に含まれる全ての画素の画素値は、予め設定されている変換テーブルに基づいて対応する温度に変換され、温度画像が生成される。
一方、「画像処理1」が施されたRAW画像データに対しては、「温度演算」と平行して、「画像処理2」が施される。一般に、遠赤外線画像は、画像に多くのノイズが含まれるばかりでなく、極めて階調性が悪く(ヒストグラムに偏りがある)、これに基づいて有用な情報を抽出することが困難である。本実施形態においては、遠赤外線画像から有用な情報を抽出できるよう、「画像処理2」として、RAW画像データに「多閾値ヒストグラム平坦化処理」、「三次元ノイズリダクション処理」、及び「エッジ強調処理」を施している。この「画像処理2」が施された後の画像データは、8bitの輝度階調データに変換される。
次いで、「出力選択」においては、ボロメータ基板10cから読み込まれたRAW画像データ、「温度演算」によって生成された温度画像データ、及び「画像処理2」が施された画像データの中から所定のデータが選択される。本実施形態においては、温度画像データ及び「画像処理2」後の画像データが「出力選択」において選択される。選択されたデータは、USB信号変換基板14aを介してサブシステム基板18に出力される。従って、遠赤外線画像処理装置14に内蔵されたUSB信号変換基板14aは、処理画像出力部として機能する。また、処理画像出力部を、ディスプレイ等の画像表示装置に信号を出力するように構成することもできる。
次に、図5乃至図7を参照して、「画像処理2」として実行される「多閾値ヒストグラム平坦化処理」を説明する。
図5は、遠赤外線画像処理装置14において実行される多閾値ヒストグラム平坦化処理を示すフローチャートである。図6は、本実施形態において遠赤外線カメラ10によって撮影された遠赤外線画像のヒストグラムの一例を示す図である。図7は、原画像と、従来のヒストグラム平坦化処理後の画像と、本実施形態における多閾値ヒストグラム平坦化処理後の画像の一例を比較して示す図である。
「画像処理2」は、図4の遠赤外線画像処理装置14に内蔵された画像情報入力部22a、ヒストグラム生成部22b、ヒストグラム再構成部22c、平坦化処理部22d、平滑化処理部22e、及びエッジ強調処理部22fによって実行される。具体的には、画像情報入力部22a、ヒストグラム生成部22b、ヒストグラム再構成部22c、平坦化処理部22d、平滑化処理部22e、及びエッジ強調処理部22fは、マイクロプロセッサ、各種インターフェイス回路、メモリ、及びこれらを作動させるプログラム(以上、図示せず)等から構成されている。
まず、図5のステップS61においては、「画像処理1」(図4)が施されたノンユニフォミティ画像補正後の14bitのRAW画像データが、画像情報入力部22aによって取り込まれる。
次に、ステップS62においては、ヒストグラム生成処理として、ステップS61において取り込まれた画像データに含まれる画素値のヒストグラムが、ヒストグラム生成部22bによって生成される。本実施形態において、具体的には、画像情報入力部22aによって取り込まれた画像データは画素値として輝度を有しており、ヒストグラム生成部22bは、横軸を画素値v(輝度)、縦軸を各画素値の度数Hist(v)(画素の個数)としたヒストグラムを生成する。
図6は、遠赤外線画像のヒストグラムの一例を示す図であり、ヒストグラム生成部22bによって生成されたヒストグラムを(a)欄に、本発明の実施形態における多閾値ヒストグラム平坦化法によって平坦化されたヒストグラムを(b)欄に、従来のヒストグラム平坦化法によって平坦化されたヒストグラムを(c)欄に示している。
図6の(a)欄に示すように、画像情報入力部22aによって取り込まれた画像データは14bitのRAW画像データであるため、その画素値v(輝度)は0〜16383の間の値を有する。しかしながら、RAW画像データは、極めてコントラストが低く、大部分の画素は約12000〜約14000程度の画素値vを有し、画素値が約12000以下の画素は殆ど存在しない。また、画素値v=約14000〜約16000の間にも僅かに画素が分布しており、画素値v=約16383付近に小さなピークが存在している。しかしながら、このRAW画像データをそのまま画像化しても、その画像から有意な情報を抽出することは困難である。
次に、図5のステップS63においては、ステップS62において得られたヒストグラムに対し、上端閾値THigh及び下端閾値TLowが設定される。本実施形態においては、図6に示すように、上端閾値THighの値は画素値v=約12000〜約14000の間に分布するピークにおける度数Hist(v)よりも小さい値に設定されている。一方、下端閾値TLowは、上端閾値THighよりも小さく、0よりも大きい所定の値(度数)に設定されている。
具体的には、本実施形態においては、上端閾値THigh=2700画素、下端閾値TLow=70画素に設定されている。好ましくは、上端閾値THighは全画素数の約30%〜約65%の値に設定し、下端閾値TLowは全画素数の0%〜約2%の値に設定する。なお、本実施形態においては、上端閾値THigh及び下端閾値TLowは固定値であるが、取り込まれたRAW画像データや、撮影環境等に基づいて異なる上端閾値THigh、下端閾値TLowが設定されるように本発明を構成することもできる。
次に、ステップS64においては、ヒストグラム再構成処理として、ヒストグラム再構成部22c(図4)によってヒストグラムが再構成される。具体的には、ヒストグラム生成部22bによって生成されたヒストグラムの度数Hist(v)が、上端閾値THigh及び下端閾値TLowを使用して、上端閾値THighと下端閾値TLowの間の値となるように、ヒストグラム再構成部22cによって修正される。即ち、ヒストグラム生成部22bによって生成されたヒストグラムの度数Hist(v)が、下記の数式(1)によって上端閾値THighと下端閾値TLowの間の値に修正され、修正された度数Hist'(v)を有するヒストグラムが再構成される。換言すれば、度数Hist(v)が上端閾値THighと下端閾値TLowの値である場合には、度数の修正は行われない(Hist'(v)=Hist(v))。また、度数Hist(v)が上端閾値THigh以上の場合には、度数Hist(v)は上端閾値THighに修正され(Hist'(v)=THigh)、度数Hist(v)が1以上、下端閾値TLow以下の場合には、度数Hist(v)は下端閾値TLowに修正される(Hist'(v)=TLow)。さらに、度数Hist(v)が0である場合には、度数Hist(v)は0のまま修正されない(Hist'(v)=0)。
次いで、ステップS65においては、ヒストグラムの平坦化処理として、度数がHist'(v)に修正されたヒストグラムに基づいて、ヒストグラムの平坦化テーブルT(v)が、平坦化処理部22d(図4)によって作成される。具体的には、ヒストグラムを平坦化するための平坦化テーブルT(v)が、下記の数式(2)によって生成される。なお、本実施形態においては、RAW画像データが14bit階調を有するため、数式(2)において、Dipth=214=16384である。
次に、ステップS66においては、ステップS65において生成された平坦化テーブルT(v)を使用して、元の遠赤外線画像データの画素値vの値が、画素値v’=T(v)に変換される。さらに、ステップS66においては、変換された画素値v’に基づいて、ヒストグラムが平坦化された画像データが生成され、図5に示すフローチャートの1回の処理を終了する。
ここで、図6の(b)欄には、図6の(a)欄に示すヒストグラムの画素値vを、平坦化テーブルT(v)によって変換した画素値v’に基づいて生成されたヒストグラムが示されている。なお、本実施形態においては、変換後の画素値v’は8bit階調のデータ(画素値=0〜255)に変換され、データ量が圧縮されている。ここで、図7の(a)欄は、画像情報入力部22a(図4)に入力された原画像を示している。また、図7の(b)欄は、画素値の値が図6の(b)欄に示すようにヒストグラムが変換された遠赤外線画像を示している。
図7の(a)欄の画像では、撮影された像を殆ど認識することができない。図7の(b)欄の画像では、画像の中央及び左側に撮影されている人8の輪郭を視認することができる。即ち、図6の(b)欄に示すヒストグラムでは、画面の背景等に対応する画素値(輝度)の小さい部分(画素値=0〜150程度)と、人8に対応する画素値(輝度)の大きい部分(画素値=255付近)が明確に分離されている。この結果、画像内の人8の輪郭をある程度明確に把握することが可能になる。
一方、図6の(c)欄には、比較例として、従来のヒストグラム平坦化処理により平坦化されたヒストグラムが示されている。また、図7の(c)欄には、比較例として、図6の(c)欄のように平坦化されたヒストグラムに基づく画像が示されている。即ち、図6の(c)に示すヒストグラムは、図6の(a)欄に示すヒストグラムを上端閾値THigh及び下端閾値TLowにより再構成することなく、そのまま平坦化したものである。
ここで、図6の(a)欄に示すヒストグラムでは、上述したように画素値v=約12000以下の画素は皆無に等しく、画素値v=約14000〜約16000の間の画素の度数は非常に小さい(画素の数が少ない)。このため、ヒストグラムを再構成することなくヒストグラム平坦化処理を施すと、平坦化後のヒストグラム(図6の(c)欄)において、図6の(a)欄の画素値v=約12000以下、及び画素値v=約14000〜約16000に対応して割り当てられる画素値(輝度階調)が極めて少なくなる。この結果、遠赤外線画像中の背景等に対応する部分と、画像中の人8に対応する部分の間の画素値(輝度)の差(輝度差)が極めて少なくなる。このため、図6の(a)欄に示すヒストグラムに対して従来のヒストグラム平坦化処理を施すと、比較例として図7の(c)欄に示す画像のように、画像中の人8の輪郭を視認しにくい画像となる。
これに対して、図6の(a)欄のヒストグラムを、本実施形態のように再構成することにより、非常に高い度数を有する画素値(図6(a)欄の画素値約12000〜約14000)については、度数が上端閾値THighにより頭打ちにされる。これに対して、低い度数を有する画素値(図6(a)欄の画素値約14000〜約16000)については、度数が下端閾値TLowにより底上げされる。このようにヒストグラムを再構成しておくことにより、元の画像(図6(a)欄)における画素値約14000〜約16000に対応した画素値が、平坦化処理後のヒストグラム(図6(b)欄)においてもある程度割り当てられるようになる。この結果、人8の輪郭を把握することが可能な遠赤外線画像を生成することが可能になる。
次に、図8を参照して、「画像処理2」として実行される「三次元ノイズリダクション処理」を説明する。
図8は、遠赤外線画像処理装置14において実行される三次元ノイズリダクション処理を示すフローチャートである。なお、図8に示す三次元ノイズリダクション処理は、遠赤外線画像処理装置14に内蔵された平滑化処理部22e(図4)により実行される。
まず、図8のステップS71においては、図5示す多閾値ヒストグラム平坦化処理が施された画像データが取り込まれる。
次に、ステップS72においては、ステップS71において取り込まれた画像が(二次元的に)平滑化される。即ち、画像データ中の注目画素の画素値が、注目画素及びその周囲の画素の画素値に所定の重みを夫々乗じて合算した値に置き換えられる。本実施形態においては、平滑化フィルタとして、下記のフィルタ係数を使用した3×3の一般的なガウシアンフィルタが使用される。
上記のフィルタ係数を使用することにより、注目画素の画素値に4/16を、注目画素の上下左右の画素の画素値に夫々2/16を、注目画素の左右の斜め上下の4つの画素の画素値に夫々1/16を乗じた値が合算され、注目画素の画素値が合算された合計値に置き換えられる。
さらに、ステップS73以下の処理においては、ステップS72においてガウシアンフィルタが施された画像データを、2枚の画像データについて平均化することにより、画像が三次元的に平滑化される。上述したように本実施形態においては、遠赤外線カメラ10により、所定の時間間隔で連続的に動画として遠赤外線画像が撮影されている。平滑化処理部22eは、平坦化処理部22dによって時系列で生成された複数フレームの画像データに基づいて画像を平滑化する。具体的には、本実施形態においては1秒間に8フレームの遠赤外線画像が撮影されており、連続的に撮影された2枚の画像データ(フレーム)に重みを付けて平均化することにより、画像が平滑化される。
まず、ステップS73においては、最新の画像と、1つ前のフレームの画像(前画像)の画素値の差(輝度差)が計算される。具体的には、最新の画像のi番目の画素の輝度f(i)と、前画像のi番目の画素の輝度f'(i)との差の絶対値σ(i)が全ての画素について夫々計算される。即ち、最新の画像と前画像の間で、同一の画素における輝度の差が大きいほど輝度差σ(i)の値が大きくなる。
次に、ステップS74においては、輝度差σ(i)に基づいて、重み係数が全ての画素について計算される。本実施形態においては、i番目の画素に対する重み係数Range(i)の値は、下記の数式(3)により計算される。なお、本実施形態においては、数式(3)の最右辺に示すように、重み係数Range(i)の計算においてeの冪乗の値を3次までのテイラー展開により近似して計算しており、これにより必要な精度を確保しながら計算量を低下させている。
さらに、ステップS75においては、ステップS74において計算された重み係数Range(i)を使用して、最新の画像のi番目の画素の輝度と、前画像のi番目の画素の輝度との重み付き平均が、全ての画素について計算される。具体的には、i番目の画素の重み付き平均値Average(i)の値は、下記の数式(4)により計算される。
ここで、数式(4)において、f(i)は最新の画像のi番目の画素の輝度を示している。また、Range(i)は、最新の画像と前画像に基づいて計算されたi番目の画素に対する重み係数である。Average'(i)は、i番目の画素について、前画像と前々画像に基づいて同様にして数式(4)により計算された重み付き平均値である。
最後に、ステップS76においては、ステップS75において計算された各画素に対する重み付き平均値Average(i)から構成された画像が、「三次元ノイズリダクション処理」の出力画像として出力され、図8のフローチャートの1回の処理を終了する。
このように、図8に示す「三次元ノイズリダクション処理」においては、まず、各フレームの遠赤外線画像について3×3のガウシアンフィルタが施される。次いで、同一画素(各画像中の同一の位置にある画素)について最新の画像の輝度と前画像の輝度の重み付き平均値を計算することにより、遠赤外線画像に含まれるノイズが低減される。なお、本実施形態においては、2枚の画像の重み付き平均が計算されているが、3枚以上の画像に基づいて重み付き平均値を計算し、三次元ノイズリダクション処理を実行することもできる。また、その場合には平均値を計算する画像は5枚以下であるのが良い。或いは、複数フレームの画像データに基づく平滑化は行わなくても良い。
(エッジ強調処理)
次に、図9を参照して、「画像処理2」として実行される「エッジ強調処理」を説明する。
図9は、遠赤外線画像処理装置14において実行されるエッジ強調処理を示すフローチャートである。なお、図9に示すエッジ強調処理は、遠赤外線画像処理装置14に内蔵されたエッジ強調処理部22f(図4)により実行される。
上述した「三次元ノイズリダクション処理」においては、画素値の平均値を三次元的に計算することにより、遠赤外線画像に含まれるノイズを低減した。しかしながら、注目画素と周辺の画素の平均によりノイズを低減すると、遠赤外線画像中に含まれる像のエッジが不鮮明になるという問題が生じる。そこで、「画像処理2」においては、エッジ強調処理部22fにおいて、平滑化処理部22eによって「三次元ノイズリダクション処理」が施された画像に対して「エッジ強調処理」が施され、像のエッジが強調され、鮮明にされる。また、本実施形態においては、「エッジ強調処理」としてソーベルフィルタ(Sobel Filter)が使用されている。
まず、図9のステップS81においては、図8示す三次元ノイズリダクション処理が施された画像データが取り込まれる。
次に、ステップS82においては、ステップS81において取り込まれた画像に対してソーベルフィルタが施される。本実施形態においては、ソーベルフィルタによる縦線検出(強調)オペレータとして、
が使用され、横線検出(強調)オペレータとして、
が使用される。
即ち、縦線検出オペレータKxを使用することにより、注目画素及びその上下の画素の画素値に夫々0を、注目画素の左上及び左下の画素の画素値に夫々−1を、右上及び右下の画素の画素値に夫々1を、左の画素の画素値に−2を、右の画素の画素値に2を夫々乗じた値が合算され、注目画素の画素値f(i)が合算された合計値(輝度)fx(i)に置き換えられる。また、横線検出オペレータKyを使用することにより、注目画素及びその左右の画素の画素値に夫々0を、注目画素の左上及び右上の画素の画素値に夫々−1を、左下及び右下の画素の画素値に夫々1を、上の画素の画素値に−2を、下の画素の画素値に2を夫々乗じた値が合算され、注目画素の画素値f(i)が合算された合計値(輝度)fy(i)に置き換えられる。これらの輝度fx(i)、fy(i)の値が全ての画素について計算される。
次に、ステップS83においては、ステップS82において計算された輝度を使用して、縦横両方(対角線方向)が強調された輝度が全ての画素について夫々計算される。即ち、遠赤外線画像のi番目の画素の輝度f(i)に縦線検出オペレータKxを施すことにより得られた輝度をfx(i)、横線検出オペレータKxを施すことにより得られた輝度をfy(i)とすると、対角線方向が強調された輝度fxy(i)は数式(5)により計算される。
さらに、ステップS84においては、ステップS82及びステップS83において計算された輝度fx(i)、fy(i)及びfxy(i)を使用して、エッジが強調された出力画像が生成され、図9に示すフローチャートの1回の処理を終了する。対角線方向が強調された各輝度fxy(i)から構成される画像は、像のエッジ部分の輝度が高く、他の部分の輝度が低いものとなる。このため、強調された輝度fx(i)、fy(i)及びfxy(i)からなる画像の各々と、エッジ強調処理を施す前の画像を合成することにより、何れの方向についてもエッジが強調された画像を生成することができる。なお、本実施形態において輝度fx(i)、fy(i)、及びfxy(i)を用いてエッジが強調された画像を生成しているが、本発明はこれに限定されず、少なくとも対角線方向強調されたfxy(i)からなる画像を用いてエッジが強調された画像を生成すれば、従来では得られなかったエッジの強調された画像を得ることができる。
本実施形態においては、三次元ノイズリダクション処理が施された遠赤外線画像の各画素の輝度f(i)と、これに対してエッジ強調処理を施すことにより得られた輝度fxy(i)に基づいて、出力画像OutImage(i)が数式(6)により求められる。
数式(6)におけるβは合成係数であり、本実施形態においてはβ=1/3とすることにより、エッジが適度に強調された画像が得られている。
上述したように、「多閾値ヒストグラム平坦化処理」、「三次元ノイズリダクション処理」、及び「エッジ強調処理」からなる「画像処理2」が施された画像データは、USB信号変換基板14aを介してサブシステム基板18に出力される。
本発明の実施形態の遠赤外線画像処理装置14によれば、ヒストグラム再構成部22cが、ヒストグラムの度数を、上端閾値THighと下端閾値TLowの間の値となるように修正し(図6(a))、修正されたヒストグラムに基づいて、ヒストグラムの平坦化処理が実行される。この結果、遠赤外線画像における背景と、撮影対象物である牛8の画素値の差が確保され(図6(b))、撮影対象物を背景から効果的に分離することが可能になる。これにより、遠赤外線カメラ10によって撮影された遠赤外線画像から有意な情報を抽出することが可能になる。
また、本実施形態の遠赤外線画像処理装置14によれば、ヒストグラム再構成部22cは、度数が上端閾値THigh以上である画素値に対しては度数を上端閾値THighに修正する。また、ヒストグラム再構成部22cは、度数が1以上、下端閾値TLow以下である画素値に対しては度数を下端閾値TLowに修正する(数式(1))。この結果、平坦化処理後の画素値(輝度階調)が、度数の大きい画素値だけに偏って割り当てられることがなく(図6(b))、背景と撮影対象物の間に十分な階調差を確保することができ、遠赤外線画像中の撮影対象物を明確に視認することができる。
さらに、本実施形態の遠赤外線画像処理装置14によれば、平滑化処理部22eは、平坦化処理部22dによって時系列で生成された複数フレームの画像データに基づいて画像を平滑化する(図8)。この結果、一般に多くのノイズを含む遠赤外線画像から効果的にノイズを除去することができる。
また、本実施形態の遠赤外線画像処理装置14によれば、エッジ強調処理部22fが、平滑化処理部22eによって平滑化された画像のエッジを強調する(図9)。この結果、平坦化処理により不鮮明になった撮影対象物のエッジを鮮明にすることができ、遠赤外線画像からより正確な情報を抽出することができる。
以上、本発明の実施形態による遠赤外線画像処理装置を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、画像データに含まれる画素値は輝度であったが、輝度以外の画素値を有する遠赤外線画像の処理に本発明を適用することもできる。
さらに、上述した実施形態においては、遠赤外線画像の画像データに対して種々の処理が行われているが、各処理を実行する装置は適宜変更することができる。例えば、上述した実施形態において、遠赤外線画像処理装置14内で実行されている処理を、サーバ4又はサブシステム基板18で行うこともできる。また、上述した実施形態において、サブシステム基板18上で実行されている処理を、遠赤外線画像処理装置14又はサーバ4で実行することもできる。
2 カメラボックス
4 サーバ
4a 報知部
8 人
10 遠赤外線カメラ
10a 遠赤外広角レンズ
10b 熱画像アレイ
10c ボロメータ基板
12 近赤外線カメラ
12a 広角レンズ
12b CMOSセンサ
12c 近赤外LED投光器
12d LED点等制御基板
14 遠赤外線画像処理装置
14a USB信号変換基板(処理画像出力部)
16 信号処理基板
16a ISP画像処理基板
16b 通信・制御処理基板
16c USB信号変換基板
18 サブシステム基板
18a 監視対象解析部
18b 動物状態判断部
18c 通信基板
22a 画像情報入力部
22b ヒストグラム生成部
22c ヒストグラム再構成部
22d 平坦化処理部
22e 平滑化処理部
22f エッジ強調処理部

Claims (9)

  1. 遠赤外線画像の処理装置であって、
    遠赤外線カメラによって取得された画像データを取り込む画像情報入力部と、
    上記画像情報入力部によって取り込まれた画像データに含まれる画素値のヒストグラムを生成するヒストグラム生成部と、
    上端閾値及び当該上端閾値よりも小さい下端閾値を使用して、上記ヒストグラム生成部によって生成されたヒストグラムの度数が、上記上端閾値と上記下端閾値の間の値となるように当該ヒストグラムを修正するヒストグラム再構成部と、
    このヒストグラム再構成部によって修正されたヒストグラムに基づいて、ヒストグラムの平坦化処理を実行し、ヒストグラムが平坦化された画像データを生成する平坦化処理部と、
    この平坦化処理部によって処理された画像データを出力する処理画像出力部と、
    を有することを特徴とする遠赤外線画像処理装置。
  2. 上記画像データに含まれる画素値は輝度である請求項1記載の遠赤外線画像処理装置。
  3. 上記ヒストグラム再構成部は、度数が上記上端閾値以上である画素値に対しては度数を上記上端閾値に修正し、度数が1以上、上記下端閾値以下である画素値に対しては度数を上記下端閾値に修正する請求項1又は2に記載の遠赤外線画像処理装置。
  4. 時系列で取得された複数フレームの画像データに基づいて画像を平滑化する平滑化処理部を有し、上記遠赤外線カメラは動画撮影用のカメラであり、上記平滑化処理部は、上記平坦化処理部によって時系列で生成された複数フレームの画像データに基づいて画像を平滑化する請求項1乃至3の何れか1項に記載の遠赤外線画像処理装置。
  5. 画像のエッジを強調するエッジ強調処理部を有し、このエッジ強調処理部は、上記平滑化処理部によって平滑化された画像に対してエッジを強調するエッジ強調処理を施す請求項4記載の遠赤外線画像処理装置。
  6. 上記エッジ強調処理部は、上記平滑化処理部によって平滑化された画像における対角線方向のエッジを強調することでエッジ強調処理を施す請求項5記載の遠赤外線画像処理装置。
  7. 上記エッジ強調処理部は、上記平滑化処理部によって平滑化された画像と、上記エッジ強調処理の施された画像とを合成し、エッジ強調画像を生成する請求項5又は6記載の遠赤外線画像処理装置。
  8. 遠赤外線画像を利用した監視装置であって、
    遠赤外線の動画を取得する遠赤外線カメラと、
    この遠赤外線カメラによって取得された画像データを処理するための請求項1乃至7の何れか1項に記載の遠赤外線画像処理装置と、
    を有することを特徴とする遠赤外線監視装置。
  9. 遠赤外線画像を処理するプログラムであって、
    遠赤外線カメラによって取得された画像データを取り込む画像情報入力処理と、
    この画像情報入力処理によって取り込まれた画像データに含まれる画素値のヒストグラムを生成するヒストグラム生成処理と、
    上端閾値、及びこの上端閾値よりも小さい下端閾値を使用して、上記ヒストグラム生成処理によって生成されたヒストグラムの度数が、上記上端閾値と上記下端閾値の間の値となるように修正するヒストグラム再構成処理と、
    このヒストグラム再構成処理によって修正されたヒストグラムに基づいて、ヒストグラムの平坦化処理を実行し、ヒストグラムが平坦化された画像データを生成するヒストグラム平坦化処理と、
    を実行することを特徴とする遠赤外線画像処理プログラム。
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