JP2020105050A - 歯科用に好適な水和ジルコニア粒子とイットリウム成分とを含む混合物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]水和ジルコニア粒子とイットリウム成分とを含み、
複数の前記水和ジルコニア粒子の粒子間に、前記イットリウム成分の少なくとも一部が凝集体として含まれ、
前記凝集体の凝集領域を円相当径に換算した際に、円相当径が1μm以上の凝集領域が、60μm×80μmの範囲に5個以上含まれる、水和ジルコニア粒子とイットリウム成分とを含む混合物。
[2]前記水和ジルコニア粒子をジルコニア(ZrO2)に換算し、前記イットリウム成分を酸化イットリウム(Y2O3)に換算して計算される、ジルコニアと酸化イットリウムの合計molに対する酸化イットリウムの含有率が3.0〜7.5mol%である、[1]に記載の水和ジルコニア粒子とイットリウム成分とを含む混合物。
[3]ジルコニウム塩水溶液を加水分解して水和ジルコニアゾルを作製し、該水和ジルコニアゾルを乾燥して水和ジルコニア粒子を作製する工程を含む、[1]又は[2]に記載の水和ジルコニア粒子とイットリウム成分とを含む混合物の製造方法。
[4]前記イットリウム成分の少なくとも一部を、前記水和ジルコニアゾルの乾燥後に添加する、[3]に記載の製造方法。
[5]前記水和ジルコニアゾルの乾燥後に添加されるイットリウム成分を酸化イットリウムに換算したmol量が、前記混合物に含まれるすべてのイットリウム成分を酸化イットリウムに換算した総mol量において、50mol%以上である、[4]に記載の製造方法。
[6]前記イットリウム成分が酸化イットリウムである、[3]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]前記酸化イットリウムの平均粒径が1.0〜10.0μmである、[6]に記載の製造方法。
[8][1]又は[2]に記載の水和ジルコニア粒子とイットリウム成分とを含む混合物を用いる、ジルコニア粉末の製造方法。
[9]前記水和ジルコニア粒子とイットリウム成分とを含む混合物を仮焼する工程を含む、[8]に記載の製造方法。
[10]前記仮焼工程の後に粉砕する工程を含む、[9]に記載の製造方法。
[水和Zr−Y混合物の作製]
0.5mol/Lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液10Lを調整して、還流器付きフラスコ中で加水分解反応を煮沸温度で100時間行った。得られた水和ジルコニアゾルを180℃で乾燥させ水和ジルコニア粒子を得た。その後、水和ジルコニア粒子をジルコニアに換算し、イットリウム成分を酸化イットリウムに換算して計算される酸化イットリウムの含有率が5.0mol%となるように、平均粒径が3μmの酸化イットリウムを水和ジルコニア粒子に添加し、ボールミルにて混合し、水和Zr−Y混合物を得た。
得られた水和Zr−Y混合物を1000℃で2時間焼成し、仮焼粉末を得た。その後、この仮焼粉末に水を添加してスラリーを作製し、直径2mmのジルコニアボールを用いて、平均粒径が平均粒径0.13μm以下になるまでボールミルで湿式粉砕した。粉砕後のスラリーにバインダを添加した後、スプレードライヤで乾燥させて、ジルコニア粉末を得た。
得られたジルコニア粉末1gを直径20mmの金型に充填し、一軸プレス成形機によって、面圧300kg/cm2で1次プレス成形した。得られた1次プレス成形体を1700kg/cm2でCIP成形して、ペレット状の成形体を作製した。得られた成形体を1000℃で2時間焼成してジルコニア仮焼体を作製した。
透光性保持率(%)=(ΔL*x)/(ΔL*120)×100
0.5mol/Lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液10Lに、ジルコニアに対する酸化イットリウムの含有率が5.0mol%となるように塩化イットリウムを添加した混合溶液を還流器付きフラスコ中で加水分解反応を煮沸温度で100時間行った。得られたイットリウムを含む水和ジルコニアゾルを乾燥させ、実施例1と同様にイットリウム成分の凝集状態を確認したところ、円相当径で1μm以上の凝集領域は1つも確認されなかった。
本発明において、ジルコニア仮焼体の適正焼成温度は、市販のジルコニアを用いる場合には製造元により指定された焼成温度を指す。一方、特に指定された焼成温度の情報が無い場合は、以下のように規定することができる。まず、ジルコニア仮焼体を種々の温度で120分焼成し、その後、両面を#600研磨加工して厚さ0.5mmのジルコニア焼結体の試料を得た。得られた試料の外観を目視にて観察し、試料の透明度に基づき以下の基準により各ジルコニア仮焼体の適正焼成温度を決定した。図3の左側の試料のように、透明度が高く背景が透過する状態は、ジルコニア仮焼体が十分に焼成されているとみなすことができる。一方、図3の右側の試料のように、透明度の低い状態あるいは白濁した状態は、焼成不足と判断できる。本発明において、図3の左側の試料のように十分に焼成されているとみなすことができる最低の温度をジルコニア仮焼体の適正焼成温度と判断した。実施例及び比較例で用いたジルコニア仮焼体の適正焼成温度は、上記の測定により実施例1、比較例1共に1450℃であった。
ジルコニア焼結体の透光性は、コニカミノルタ株式会社製の分光測色計CM−3610Aを用いてD65光源にて測定した、L*a*b*表色系(JIS Z 8781−4:2013 測色−第4部:CIE 1976 L*a*b*色空間)における明度(色空間)のL*値を用いて算出した。試料の背景を白色にして測定したL*値を第1のL*値とし、第1のL*値を測定した同一の試料について、試料の背景を黒色にして測定したL*値を第2のL*値とし、第1のL*値から第2のL*値を控除した値(ΔL*)を、透光性を示す数値とした。
Claims (10)
- 水和ジルコニア粒子とイットリウム成分とを含み、
複数の前記水和ジルコニア粒子の粒子間に、前記イットリウム成分の少なくとも一部が凝集体として含まれ、
前記凝集体の凝集領域を円相当径に換算した際に、円相当径が1μm以上の凝集領域が、60μm×80μmの範囲に5個以上含まれる、水和ジルコニア粒子とイットリウム成分とを含む混合物。 - 前記水和ジルコニア粒子をジルコニア(ZrO2)に換算し、前記イットリウム成分を酸化イットリウム(Y2O3)に換算して計算される、ジルコニアと酸化イットリウムの合計molに対する酸化イットリウムの含有率が3.0〜7.5mol%である、請求項1に記載の水和ジルコニア粒子とイットリウム成分とを含む混合物。
- ジルコニウム塩水溶液を加水分解して水和ジルコニアゾルを作製し、該水和ジルコニアゾルを乾燥して水和ジルコニア粒子を作製する工程を含む、請求項1又は2に記載の水和ジルコニア粒子とイットリウム成分とを含む混合物の製造方法。
- 前記イットリウム成分の少なくとも一部を、前記水和ジルコニアゾルの乾燥後に添加する、請求項3に記載の製造方法。
- 前記水和ジルコニアゾルの乾燥後に添加されるイットリウム成分を酸化イットリウムに換算したmol量が、前記混合物に含まれるすべてのイットリウム成分を酸化イットリウムに換算した総mol量において、50mol%以上である、請求項4に記載の製造方法。
- 前記イットリウム成分が酸化イットリウムである、請求項3〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記酸化イットリウムの平均粒径が1.0〜10.0μmである、請求項6に記載の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の水和ジルコニア粒子とイットリウム成分とを含む混合物を用いる、ジルコニア粉末の製造方法。
- 前記水和ジルコニア粒子とイットリウム成分とを含む混合物を仮焼する工程を含む、請求項8に記載の製造方法。
- 前記仮焼工程の後に粉砕する工程を含む、請求項9に記載の製造方法。
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WO2018056330A1 (ja) * | 2016-09-20 | 2018-03-29 | クラレノリタケデンタル株式会社 | ジルコニア組成物、仮焼体及び焼結体、並びにそれらの製造方法 |
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