JP2020104168A - 光学調整装置および光学調整方法 - Google Patents

光学調整装置および光学調整方法 Download PDF

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洋平 武智
横山 潤
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Abstract

【課題】出力差の大きな複数のレーザ光や光の光軸・焦点の位置合わせを高精度かつ素早く行えるようにする。【解決手段】第1のスリット2とピンホール3とを有する調整プレート1と、前記調整プレート1を移動させる調整機構4〜7と、光パワー検出器10と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、光学調整装置および光学調整方法に関するものであり、加工・穴開け・溶接・切断に用いられるレーザ加工装置におけるレーザ光、および、レーザ加工装置による加工工程を観察・評価するための測定用の光の光軸や焦点の位置調整に関するものである。
従来のレーザ光の位置合わせ技術としては、スリットを用いて行うものがある(例えば、特許文献1参照。)。図11は、特許文献1に記載された従来のレーザ光の位置合わせ技術を示す図である。また、図12は、図11の断面図で、レーザヘッド107から出射されるレーザ光108とスリット102が設けられた調整用ウエハ100、レーザパワーメータ101の位置関係を横から見た図である。
図11において、調整用ウエハ100上に設けられたスリット102が、支持軸103が回転することによって図11中の矢印の方向に沿って移動する。
図12に示すようにレーザヘッド107からはレーザ光108が出射されている。このレーザ光108は、何にも遮られなければ光軸109に沿ってレーザパワーメータ101へ到達する。
支持軸103、Z方向駆動手段104、R方向駆動手段105を組み合わせて調整用ウエハ100とレーザヘッド107の位置を移動させながら、レーザパワーメータ101の出力を観察する。そして、スリット102の位置へレーザ光108の焦点位置を合わせることで、レーザ光108を所望の位置へ調整することができる。なお、レーザヘッド107は、レーザヘッドベース106を介してZ方向駆動手段104に連結されている。
また、撮像素子であるCMOS素子などの2次元受光素子を用いたビームプロファイラを用いて、平面内のレーザ光スポット位置座標を直接検出してレーザ光の位置調整を行うこともされている。
さらに、背景技術として、近年、レーザ溶接装置にOCT(光断層計測)を組み合わせて、溶接工程をリアルタイムに観察することで行われる評価方法が提案されている(例えば特許文献2)。しかし、その実現には、加工用のレーザ光と測定光との精密な位置合わせが非常に重要であり、レーザ光の光軸や焦点の位置調整に関する技術が不可欠となっている。
特開2008−93682号公報 特表2016−538134号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来の構成では、レーザ光108の焦点位置におけるスポット径が非常に小さくなった場合に、スポット径に合わせてスリット102のスリット幅を狭くする必要がある。そうすると、調整初期の段階においてスリット幅が狭くなった分、スリット102内にレーザ光108のスポットを迅速に捉えることが困難になる。
さらに、レーザ光108とは別の第2のレーザ光の焦点位置をレーザ光108の焦点位置に調整したい場合に、レーザ光108の調整過程で光軸109やレーザ光108の焦点に対して位置を合わせたスリット102を、第2のレーザ光の位置を探索するために改めて動かす必要がある。一般的なモータステージなどの動作機構は、モータステージの位置を特殊な位置取得手段などで取得しない場合、モータステージの位置の再現性が低い。このため、焦点位置の調整中に、スリット102を、このような一般的なモータステージなどの動作機構を使用して移動させると、第2のレーザ光の位置合わせ精度を低下させてしまう。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、出力差の大きな複数のレーザ光や光の光軸・焦点の位置合わせを高精度かつ素早く行うことができる光学調整装置と光学調整方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の光学調整装置は、第1のスリットとピンホールとを有する調整プレートと、前記調整プレートを移動させる調整機構と、光パワー検出器と、を備える。
上記目的を達成するために、本発明の光学調整方法は、スリットとピンホールとを有する調整プレートに対し略垂直な第1の光軸を持つ第1の被調整光束の前記第1の光軸を、前記スリットの端部に配置する工程と、前記第1の被調整光束を受ける光パワー検出器の出力を計測しながら前記第1の光軸と前記第1の被調整光束の第1の焦点が前記端部に配置されるように前記調整プレートを位置調整する工程と、前記光パワー検出器の出力を計測しながら前記第1の光軸と前記第1の焦点が前記ピンホールと一致するように前記調整プレートを位置調整する工程と、前記第1の光軸と前記第1の焦点を前記ピンホールと一致させた前記調整プレートの板面に対し略垂直な第2の光軸を持つ第2の被調整光束の前記第2の光軸を前記スリットの前記端部に位置調整する工程と、前記第2の被調整光束を受ける光パワー検出器の出力を計測しながら前記第2の光軸と前記第2の被調整光束の第2の焦点が前記スリットの前記端部に配置されるように前記第2の被調整光束を位置調整する工程と、前記光パワー検出器の出力を計測しながら前記第2の光軸と前記第2の焦点が前記ピンホールと一致するように前記第2の被調整光束を位置調整する工程と、を有する。
上記目的を達成するために、本発明の光学調整方法は、第1のスリットと第2のスリットとピンホールとを有する調整プレートの板面に対し略垂直な第1の光軸を持つ第1の被調整光束の前記第1の光軸を前記第1のスリットの端部に配置する工程と、前記第1の被調整光束を受ける光パワー検出器の出力を計測しながら前記第1の光軸と前記第1の被調整光束の第1の焦点が前記第1のスリットの端部に配置されるように前記調整プレートを位置調整する工程と、前記光パワー検出器の出力を計測しながら前記第1の光軸と前記第1の焦点とが前記ピンホールと一致するように前記調整プレートを位置調整する工程と、前記第1の光軸と前記第1の焦点を前記ピンホールと一致させた前記調整プレートの板面に対し略垂直な第2の光軸を持つ第2の被調整光束の前記第2の光軸を前記第2のスリットの端部に位置調整する工程と、前記第2の被調整光束を受ける光パワー検出器の出力を計測しながら前記第2の光軸と前記第2の被調整光束の第2の焦点とが前記第2のスリットの端部に配置されるように前記第2の被調整光束を位置調整する工程と、前記光パワー検出器の出力を計測しながら前記第2の光軸と前記第2の焦点とが前記ピンホールと一致するように前記第2の被調整光束を位置調整する工程と、を有する。
本発明の光学調整装置および光学調整方法によれば、高出力レーザと低出力レーザが混在するような装置において複数のレーザ光軸位置合わせを行う場合でも、高精度でかつ素早く実施することができる。
本発明の実施の形態1における光学調整装置の構成を示す図 本発明の実施の形態1における調整プレート1の構造を示す図 本発明の実施の形態1における第1のレーザ光8の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第1のレーザ光8の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第1のレーザ光8の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第1のレーザ光8の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第1のレーザ光8の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第1のレーザ光8の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第1のレーザ光8の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第1のレーザ光8の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第1のレーザ光8の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第1のレーザ光8の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第1のレーザ光8の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第1のレーザ光8の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における光学調整装置の構成において第2のレーザ光15を導入した状態を示す図 本発明の実施の形態1における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態1におけるナイフエッジ調整プレート20の平面構造を示す図 本発明の実施の形態1におけるナイフエッジ調整プレート20の構成を示す図 本発明の実施の形態2における光学調整装置の構成を示す図 本発明の実施の形態2における二方向調整プレートの構成を示す図 本発明の実施の形態2における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態2における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態2における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態2における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態2における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態2における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態2における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態2における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態2における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態2における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態2における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態2における第2のレーザ光15の光学調整手順を説明するための図 本発明の実施の形態2におけるナイフエッジ二方向調整プレートの構成を示す図 本発明の実施の形態2におけるナイフエッジ二方向調整プレートの構成を示す図 特許文献1に記載された従来のレーザ光の位置合わせ装置を示す図 特許文献1に記載された従来のレーザ光の位置合わせ装置を横から見た様子を示す図
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
<光学調整装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態1における光学調整装置の構成を示す図である。
図1に示すように、調整プレート1はテーパスリット2(第1のスリット)と精密ピンホール3とを備えている。調整プレート1の平面部は図1中のXY(水平)面内にあるように配置されている。
テーパスリット2の幅は、調整プレート1の略中央にある精密ピンホール3に向かって連続的に狭くなる。
Xステージ4(調整機構)、Yステージ5(調整機構)およびZステージ6(調整機構)はそれぞれ図中の矢印方向に移動可能となっている。これらのXステージ4、Yステージ5およびZステージ6によって、調整プレート1は、その平面部をXY面内に維持しながら(水平姿勢を維持しながら)、自由に位置調整されるようになっている。
Zステージ6は、固定台7に接続されている。この機構、すなわちXステージ4、Yステージ5およびZステージ6からなる機構により、Z(垂直)方向に沿った第1の光軸9を持つ第1のレーザ光8(第1の被調整光束)を、調整プレート1によって遮光することができる。第1のレーザ光8は、図1の上方(本例では調整プレート1の上方)から照射され、調整プレート1の上方で第1のレンズユニット13に入射する。第1のレーザ光8は、第1のレンズユニット13の作用によって収束光とされて第1の焦点14を持つ。第1のレーザ光8の照射先(調整プレート1の下方)にはパワーメータ10(光パワー検出器)が配置されている。このパワーメータ10は、第1のレーザ光8を受光してその光パワーを計測する。
図2は調整プレート1をZ方向から見た図である。テーパスリット2の幅が狭い側にはスリット終端12(第2の端部)が設けてありさらにテーパスリット2の対称軸11の延長線上に精密ピンホール3が設けてあり、スリット終端12から精密ピンホール3の中心までは距離dだけ離れている。スリット終端12のY方向の幅は精密ピンホール3の直径と同程度にしてある。
次に、第1のレーザ光8と精密ピンホール3との具体的な位置合わせ方法について説明する。
<第1のレーザ光のXY方向位置合わせ>
図3Aから図3Lは第1のレーザ光8と精密ピンホール3との位置合わせ方法(レーザ光8の光学調整手順)を説明するための図である。図3Aから図3Gまでと、図3J、図3Kは調整プレート1を垂直(Z方向)上方から見た図であり、図3H、図3I、図3Lは調整プレート1を水平(XY方向)方向から見た図である。図3Aから図3Kにおいて図中に示される太線の矢印は調整プレート1を移動させる方向を示す。
まず図3Aに示すように、第1のレーザ光8を調整プレート1で遮光されないテーパスリット2の開口(第1の端部)側に位置するように、調整プレート1をXY方向に移動させる。そして、第1のレーザ光8がテーパスリット2の開口側の端部(図3Aにおける左側の端部)へ相対的に接近するように、調整プレート1をX方向へ動かす。このときの調整基準は、パワーメータ10(図1参照)の測定値である。すなわち、第1のレーザ光8のレーザパワー値が、遮光されていない時の約50%になる位置に、調整プレート1をX方向へ動かす。
この時点で、第1のレーザ光8と調整プレート1との位置関係は、図3Bに示すような状態(位置関係)になっている。
次に図3Bに示す状態から、パワーメータ10(図1参照)の測定値を監視しながら、第1のレーザ光8のレーザパワー値が、遮光されていない時の約80%になるまで、第1のレーザ光8が調整プレート1の縁に沿って対称軸11の方へ相対的に接近するように、調整プレート1をY方向に動かす。この時点で、第1のレーザ光8と調整プレート1との位置関係は、図3Cに示すような状態になる。
次に図3Cに示す状態から、パワーメータ10(図1参照)の測定値を監視しながら、第1のレーザ光8のレーザパワー値が遮光されていない時の約25%になるまで、第1のレーザ光8がテーパスリット2の縁上を精密ピンホール3の方へ接近するように調整プレート1をX方向に動かす。この時点で、第1のレーザ光8と調整プレート1との位置関係は、図3Dの状態になる。
次に図3Dに示す状態から、パワーメータ10(図1参照)の測定値を監視しながら、第1のレーザ光8のレーザパワー値が遮光されていない時の約80%になるまで、第1のレーザ光8が対称軸11の方へ接近するように調整プレート1をY方向に動かす。この時点で、第1のレーザ光8と調整プレート1との位置関係は、図3Eの状態になる。
次に図3Eに示す状態から、パワーメータ10(図1参照)の測定値を監視しながら、第1のレーザ光8のレーザパワー値が遮光されていない時の約25%になるまで、第1のレーザ光8がテーパスリット2の縁上を精密ピンホール3の方へ相対的に接近するように調整プレート1をX方向に動かす。この時点で、第1のレーザ光8と調整プレート1との位置関係は、図3Fに示す状態になる。
このように、図3D、図3Eで示した手順を交互に繰り返すと、図3Cから図3Fへ状態が変化したことからも分かるように、調整プレート1に対する第1のレーザ光8の位置が徐々にスリット終端12の方向へ移動する。そして、第1のレーザ光8の位置がテーパスリット2の対称軸11にほぼ一致し、調整プレートをY方向に動かしてもレーザパワー値が上がらなくなり、ある極大値を示すようになる。そのとき調整プレート1に対して第1のレーザ光8は、図3Gに示す位置関係になっている。
通常、精密ピンホール3の直径は、調整したいレーザ光の焦点におけるスポット径と同程度または調整したい位置精度の径と同程度に設定するので、図3Gのような状態は調整プレート1の厚み中心と第1のレーザ光8の第1の焦点14が一致しておらずZ(紙面垂直)方向にずれていることを示している。なお、レーザ光8の中心である第1の光軸9を、目標位置の点に対してある距離範囲内に収めたいという要請があり、前記距離範囲の内外の境界を円と考え、前記円の径を、調整したい位置精度の径と称している。
<第1のレーザ光のZ方向位置合わせ>
そこで次に、Z方向の位置合わせを行う。図3Hは図3G中の破線Aでの断面の状態を横(水平)方向から見た図である。図3Hに示すように第1のレーザ光8の第1の焦点14のZ位置(垂直方向の位置)は調整プレート1のZ位置とまだ一致していないため、第1のレーザ光8の一部が調整プレート1に遮られ、その一部のみが下部へ透過している状態である。そこで、パワーメータ10の測定値を監視しながら、第1のレーザ光8が遮光されていない時のレーザパワー値と同程度になるまで、調整プレート1をZ方向に動かす。この時点で第1のレーザ光8と調整プレート1との位置関係は、図3Iに示す状態になる。まだ、第1のレーザ光8の第1の光軸9がスリット終端12近傍まで到達していないため、第1の光軸9付近でのテーパスリットの幅(以下「スリット幅」という)はまだ少し広く、第1のレーザ光8が全て透過している状態でも第1の焦点14と調整プレート1のZ位置は一致していない。
図3Jは、図3Iに示す状態を上面から見たものである。この状態から、図3D、図3Eで示した手順を交互に繰り返すと、また調整プレート1をY方向へ動かしてもレーザパワー値が上がらなくなって極大値を示すので、図3H、図3Iで示した手順を行う、という作業を数回繰り返すと、調整プレート1の位置が、レーザパワー測定値が第1のレーザ光8が遮光されていない時のレーザパワー値付近まで上昇する位置に収束する。その状態を示したのが図3Kである。図3Lは図3K中の破線Bでの断面の状態を横(水平)方向から見た図である。この時点で、スリット終端12近傍に第1の焦点14が、対称軸11上に第1の光軸9が位置している状態である。ここまで説明してきたように、図3Aから図3Kで示した手順で、第1のレーザ光8の第1の焦点14の位置にスリット終端12を合わせることができる。
図2において説明したように、スリット終端12と精密ピンホール3は対称軸11に沿った向きに距離dだけ離れているので、図3Kに示す状態から調整プレート1をX方向に距離dだけ動かすと、第1のレーザ光8の第1の焦点14を精密ピンホール3に位置合わせすることができる。
<第2のレーザ光の導入と構成>
図4は、図3K、図3Lに示す状態での光学調整装置の構成を示す図である。第1のレーザ光8の第1の焦点14が精密ピンホール3と一致している。そこへ第2のレーザ光15(第2の被調整光束)を導入し、第1のレーザ光8と光軸と焦点が一致するように調整していく。第2のレーザ光15は通常第1のレーザ光8と異なる波長である。第2のレーザ光15の導入方法は様々な方法があるが、例えば図4に示すようにダイクロイックミラー19を光路中に導入して実現する方法がある。このダイクロイックミラー19は、光の波長に応じて当該光を透過又は反射する特性を有し、第1のレーザ光8を透過し、第2のレーザ光15を反射する。図4では第2のレーザ光15は紙面左側より入射して、第2の光軸16を持ち、第2のレンズユニット17の作用で収束光となっているため第2の焦点18を持つ。第2のレーザ光15の位置調整は第2のレンズユニット17や第2のレーザ光15の光源(図面には記載せず)を移動させることで実現できる。なお図4に示す状態は、第2のレーザ光15の第2の光軸16と第2の焦点18がまだ第1の光軸9と第1の焦点14に一致していない状態である。
<第2のレーザ光のXY方向位置合わせ>
図5Aから図5Jは第2のレーザ光15と精密ピンホール3との位置合わせ方法を示した図であり、図5Aから図5Mまでと、図5K、図5Lは調整プレート1を垂直(Z方向)上方から見た様子であり、図5I、図5J、図5Mは調整プレート1を水平(XY方向)方向から見た様子を示している。図5Aから図5Jにおいて図中に示される太線の矢印は第2のレーザ光15の焦点の位置を移動する方向を示す。
図5Aは図4に示す状態の調整プレート1をZ方向から見た図であり、第1のレーザ光8は位置を調整済みのため、精密ピンホール3内に位置している。一方、第2のレーザ光15は位置が調整されていないため、調整プレート1により遮られている。
次に、第2のレーザ光15の焦点の位置を、精密ピンホール3の位置に調整する手順を説明する。手順の流れとしては第1のレーザ8と精密ピンホール3との位置の調整手順とほとんど同様であり、第1のレーザ8と精密ピンホール3との位置の調整では調整プレート1を動かして第1のレーザ8に合わせていたが、第2のレーザ光15は第1のレーザ8に位置が調整されている調整プレート1に対して第2のレーザ光15を動かして調整する。
まず、図5Bのように第2のレーザ光15を一旦調整プレート1で遮光されないテーパスリット2の開口側に移動させてから、パワーメータ10(図1参照)の測定値を監視しながら、第2のレーザ光15のレーザパワー値が、遮光されていない時の約50%になるまで、第2のレーザ光15がテーパスリット2の開口側の端部へ接近するように第2のレーザ光15をX方向へ動かす。この時点で、第2のレーザ光15と調整プレート1との位置関係は、図5Cに示す状態になる。
次に図5Cに示す状態から、パワーメータ10(図1参照)の測定値を監視しながら、第2のレーザ光15が遮光されていない時のレーザパワー値の約80%になるまで、第2のレーザ光15が調整プレート1の縁に沿って対称軸11の方へ接近するように第2のレーザ光15をY方向に動かす。この時点で、第2のレーザ光15と調整プレート1との位置関係は、図5Dに示す状態になる。
次に図5Dに示す状態から、パワーメータ10(図1参照)の測定値を監視しながら、第2のレーザ光15のレーザパワー値が、遮光されていない時の約25%になるまで、第2のレーザ光15がテーパスリット2の縁上を精密ピンホール3に接近するように第2のレーザ光15をX方向に動かす。この時点で、第2のレーザ光15と調整プレート1との位置関係は、図5Eに示す状態になる。
次に図5Eに示す状態から、パワーメータ10(図1参照)の測定値を監視しながら、第2のレーザ光15のレーザパワー値が、遮光されていない時の約80%になるまで、第2のレーザ光15が対称軸11の方へ接近するように第2のレーザ光15をY方向に動かす。この時点で、第2のレーザ光15と調整プレート1との位置関係は、図5Fに示す状態になる。
次に図5Fに示す状態から、パワーメータ10(図1参照)の測定値を監視しながら、第2のレーザ光15のレーザパワー値が、遮光されていない時の約25%になるまで、第2のレーザ光15がテーパスリット2の縁上を精密ピンホール3の方へ接近するように第2のレーザ光15をX方向に動かす。この時点で、第2のレーザ光15と調整プレート1との位置関係は、図5Gに示す状態になる。
このように、図5E、図5Fで示した手順を交互に繰り返すと、図5Dから図5Gへ状態が変化したことからも分かるように、第2のレーザ光15の位置が徐々にスリット終端12に向かって移動する。そして、第2のレーザ光15の位置がテーパスリット2の対称軸11にほぼ一致し、第2のレーザ光15をY方向に動かしてもレーザパワー値が上がらなくなり、ある極大値を示すようになる。そのとき調整プレート1に対して第2のレーザ光15は、図5Hに示す位置になる。
<第2のレーザ光のZ方向位置合わせ>
第1のレーザ光8での調整手順の説明時にも述べたように、図5Hのような状態は調整プレート1の厚み中心と第2のレーザ光15の第2の焦点18が一致しておらずZ(紙面垂直)方向にずれていることを示しているので、次にZ方向の位置合わせを行う。図5Iは図5H中の破線Cでの断面の状態を横(水平)方向から見た図である。図5Iに示すように第2のレーザ光15の第2の焦点18のZ位置(垂直方向の位置)は調整プレート1のZ位置とまだ一致していないため、第2のレーザ光15の一部が調整プレート1に遮られ、その一部のみが下部へ透過している状態である。そこで、パワーメータ10の測定値を監視しながら、第2のレーザ光15のレーザパワー値が、遮光されていない時と同程度になるまで、第2のレーザ光15をZ方向に動かす。この時点で第2のレーザ光15と調整プレート1との位置関係は、図5Jに示す状態になる。まだ、第2のレーザ光15の第2の焦点18がスリット終端12近傍まで到達していないため、第2の光軸16付近のスリット幅はまだ少し広く、第2のレーザ光15が全て透過している状態でも第2の焦点18と調整プレート1のZ位置は一致していない。
図5Kは、図5Jに示す状態を上面から見たものである。この図5Jに示す状態から、図5E、図5Fで示した手順を交互に繰り返すと、第2のレーザ光15をY方向へ動かしてもレーザパワー値が上がらなくなって極大値を示す。そこで、図5I、図5Jで示した手順を行う、という作業を数回繰り返す。調整プレート1の位置が、第2のレーザ光15のレーザパワー測定値が、遮光されていない時付近まで上昇する位置に収束する。その状態を示したのが図5Lである。図5Mは図5L中の破線Dでの断面の状態を横(水平)方向から見た図である。この時点で、スリット終端12近傍に第2の焦点18が、対称軸11上に第2の光軸16が位置している状態である。ここまでの図5Aから図5Lで示した手順で、第2のレーザ光15の第2の焦点18の位置にスリット終端12を合わせることができる。
図2において説明したように、スリット終端12と精密ピンホール3とは対称軸11に沿った向きに距離dだけ離れているので、図5Lに示す状態から第2のレーザ光15をX方向に距離dだけ動かすと、第2のレーザ光15の第2の焦点18を精密ピンホール3に位置合わせすることができる。
<効果>
以上の手順により、まず第1のレーザ光8に対して、調整プレート1を動かして調整することにより、調整プレート1上に設けられた精密ピンホール3を第1の焦点14に位置合わせできる。次にその精密ピンホール3に対して、第2のレーザ光15を動かして調整することにより、第2の焦点18を精密ピンホール3に位置合わせできる。第1のレーザ光8と精密ピンホール3との位置合わせの完了後は、調整プレート1が動かされないので、精密ピンホール3を介して、第1の焦点14と第2の焦点18を精密ピンホール3の直径と調整プレート1の厚みの精度で一致させることができる。また、テーパスリット2の効果により、容易にレーザ光の位置をスリット終端12まで導くことができ、精密ピンホール3へ導くことが可能である。このため、特に精密ピンホール3の穴径が微小である場合に、位置合わせの迅速化に寄与する。
なお、精密ピンホール3を介して、第1の焦点14と第2の焦点18を精密ピンホール3の直径と調整プレート1の厚みの精度で一致させることができる理由は以下の通りである。
ここで、精密ピンホール3は、調整プレート1の厚みに対して、円筒状の穴として設けられていることを前提とする。XY面内については上述した通り、精密ピンホール3の直径の範囲が調整範囲となる。また、Z方向については、被調整レーザ光は、図3Lで示すように焦点付近で最も集光される、円錐を2つ頂点部で組み合わせたような光跡を有している。ここでXY面内において第1の光軸9と精密ピンホール3の中心とが一致した状態で第1のレーザ光8をZ方向に移動させて調整しようとする場合、精密ピンホール3が設けられた調整プレート1は有限の厚みを持つため、第1の焦点14の位置が調整プレート1の上面から下面の間に存在する場合、精密ピンホール3を透過する第1のレーザ光8のパワーが一定の極大値になる領域となる。この方式では精密ピンホール3を透過した第1のレーザ光8のパワーをパワーメータ10で計測することにより調整位置への到達を判断するため、調整プレート1の厚み分だけ、第1の焦点14の位置の不確定さ(つまりZ方向の位置調整精度)を有することになる。
<その他>
なお、本実施例では説明のために、テーパスリット2を対称軸11に対して線対称な形状としているが、スリット終端12に向かってスリット幅が狭くなるような形状であって、スリット終端12から既知の方向に既知の間隔だけ離れた位置に精密ピンホール3を設ければ、テーパスリット2の形状が対称軸11に対して線対称でなくとも同様の効果が得られる。
また、調整プレート1の精度が必要な部位をナイフエッジで構成しても良い。図6Aは調整プレート1と同様のテーパスリット2、精密ピンホール3をナイフエッジにしたナイフエッジ調整プレート20を上面(Z)方向から見た図である。また、図6Bは図6Aで示した上面から見たナイフエッジ調整プレート20の斜視図である。図6Bにおいて隠れ線を破線で、ナイフエッジ調整プレート20を構成する板材の厚みの中心位置を二点鎖線で示してある。なお、調整プレート1の精度が必要な部位とは、詳しくは、調整プレート1において、遮光に必要な縁部形状の精度が必要な部位である。第1のレーザ光8の位置調整では、被調整レーザ光である第1のレーザ光8の一部が調整プレート1で遮光されず透過したレーザ光のパワーの測定により調整位置を判断している。このため、遮光に関わる調整プレート1の縁部分の形状精度が、調整位置の精度に直接影響する。
図6A、図6Bで示したナイフエッジ調整プレート20のように、光学調整に用いるテーパスリット2、精密ピンホール3の部分をナイフエッジで構成すると、調整プレートを構成する板材の厚みを厚くすることができる。すると、光学調整の精度、利便性、迅速性を損なうことなく調整プレートのたわみの影響を低減できるため、より高精度な光学調整が実現できる。また、調整時に高出力のレーザ光が調整プレートに当たったときの耐熱性も向上する。
精密ピンホール3の部分をナイフエッジで構成すると、ナイフエッジ調整プレート20を構成する板材の厚みを厚くできる理由について説明する。上述したように、調整プレートの縁部分の形状精度が、調整位置の精度に直接影響する。換言すれば、精密ピンホール3の部分をナイフエッジとすることで、縁部分の形状精度を確保できれば、ナイフエッジ調整プレート20の縁部分以外の大部分を厚くしても、調整位置の精度を損なうことがない。このため、精密ピンホール3の部分をナイフエッジで構成すると、調整プレートを構成する板材の厚みを厚くすることができる。
なお、調整プレートに用いる板材の材質は、調整するレーザ光の出力に耐えられるものであれば良いが、例えば耐熱コートを施した銅やタングステン、モリブデン、セラミックなどが望ましい。
また、本実施の形態では第1のレーザ光8に対して、第2のレーザ光15の位置を調整する二光束の光学調整を示したが、本発明は二光束のみの光学調整に限ったものではない。同様の手順により三光束以上のレーザ光や測定光を同一光軸、同一焦点に調整することも可能である。
また、本実施の形態では特に触れなかったが、パワーメータ10は第1のレーザ光8の位置調整時には第1のレーザ光8の出力に適した測定レンジを持つものを用いて、第2のレーザ光15の位置調整時には第2のレーザ光15の出力に適した測定レンジを持つものを用いることで、光学調整精度をさらに向上できる。調整中にパワーメータ10を交換しても、調整プレートの位置精度には無関係であるので、第1のレーザ光8および第2のレーザ光15の調整精度にはなんら影響は無い。
(実施の形態2)
<光学調整装置の構成>
図7は、本発明の実施の形態2における光学調整装置の構成を示す図である。本実施の形態2の説明で用いる図において、前記実施の形態1で用いた、図1から図6Bまでの図で既に示されている構成要素と同じものについては同じ符号を用い、説明を省略する。
図7は、先に示した図4とほぼ同様の構成であるが、図4において調整プレート1であったものが二方向調整プレート21となっている点が異なる。
図7において、第1のレーザ光8の第1の焦点14は、前記実施の形態1の図3Aから図3Lで説明したのと同様の手順により位置調整されており、既に精密ピンホール3と一致している状態である。第1のレーザ光8を、テーパスリット2を利用して精密ピンホール3に位置調整する手順については説明を省略する。また、第2のレーザ光15も実施の形態1と同様の方法、構成によって導入されている。
図8は、図7に示す状態での二方向調整プレート21を垂直上方(Z方向)から見た様子を示した図である。二方向調整プレート21はテーパスリット2に加えて類似の形状を持つサブテーパスリット22(第2のスリット)を有する。サブテーパスリット22、テーパスリット2と同様に、スリット終端23(以下「サブスリット終端23」という)と、対称軸24(以下「サブ対称軸24」という)とを持つ。サブテーパスリット22はサブスリット終端23の先に精密ピンホール3が位置するように配置されている。また、サブスリット終端23から精密ピンホール3の中心までの距離はd’だけ離れている。サブスリット終端23のX方向の幅は精密ピンホール3の直径と同程度にしてある。
なお、テーパスリット2の対称軸11とサブテーパスリット22のサブ対称軸24とはほぼ直交しているが、対称軸11とサブ対称軸24とが直交しないような構成でも良い。また、スリット終端12から精密ピンホール3の中心までの距離dのほうが、サブスリット終端23から精密ピンホール3の中心までの距離d’よりも大きい(d>d’)ほうが望ましい。
次に、図7に示す状態から第2のレーザ光15の第2の焦点18を精密ピンホール3に一致させるための位置調整方法の手順について説明する。
<第2のレーザ光のXY方向位置合わせ>
図9Aから図9Lは第2のレーザ光15と精密ピンホール3との位置合わせ方法を説明するための図である。図9Aから図9Gまでと、図9J、図9Kは調整プレート1を垂直(Z方向)上方から見た図であり、図9H、図9I、図9Lは調整プレート1を水平(XY方向)方向から見た図である。
まず、図9Aに示すように第2のレーザ光15を、一旦、二方向調整プレート21で遮光されないサブテーパスリット22の開口側に移動させる。そして、パワーメータ10(図1参照)の測定値を監視しながら、第2のレーザ光15のレーザパワー値が、遮光されていない時の約50%になるまで、第2のレーザ光15がテーパスリット2の開口側の端部へ接近するように、第2のレーザ光15をY方向へ動かす。この時点で、第2のレーザ光15と二方向調整プレート21との位置関係は、図9Bに示す状態になる。
次に図9Bに示す状態から、パワーメータ10(図1参照)の測定値を監視しながら、第2のレーザ光15のレーザパワー値が、遮光されていない時の約80%になるまで、第2のレーザ光15が二方向調整プレート21の縁に沿ってサブ対称軸24の方へ接近するように、第2のレーザ光15をX方向に動かす。この時点で、第2のレーザ光15と調整プレート1との位置関係は、図9Cに示す状態になる。
次に図9Cに示す状態から、パワーメータ10(図1参照)の測定値を監視しながら、第2のレーザ光15のレーザパワー値が、遮光されていない時の約25%になるまで、第2のレーザ光15を、テーパスリット2の縁上で精密ピンホール3の方へ接近するようにY方向に動かす。この時点で、第2のレーザ光15と二方向調整プレート21との位置関係は、図9Dに示す状態になる。
次に図9Dに示す状態から、パワーメータ10(図1参照)の測定値を監視しながら、第2のレーザ光15のレーザパワー値が、遮光されていない時の約80%になるまで、第2のレーザ光15を、サブ対称軸24の方へ接近するようにX方向に動かす。この時点で、第2のレーザ光15と調整プレート1との位置関係は、図9Eに示す状態になる。
次に図9Eに示す状態から、パワーメータ10(図1参照)の測定値を監視しながら、第2のレーザ光15のレーザパワー値が、遮光されていない時の約25%になるまで、第2のレーザ光15を、テーパスリット2の縁上で精密ピンホール3の方へ接近するようにY方向に動かす。この時点で、第2のレーザ光15と二方向調整プレート21との位置関係は、図9Fに示す状態になる。
このように、図9C、図9D、図9E、図9Fで示した手順を交互に繰り返すと、二方向調整プレート21に対する第2のレーザ光15の位置が徐々にサブスリット終端23の方向へ移動する。そして、第2のレーザ光15の位置がサブテーパスリット22のサブ対称軸24にほぼ一致し、第2のレーザ光15をX方向に動かしてもレーザパワー値が上がらなくなり、ある極大値を示すようになる。そのとき二方向調整プレート21に対して第2のレーザ光15は、図9Gに示す位置関係になっている。
<第2のレーザ光のZ方向位置合わせ>
実施の形態1における第1のレーザ光8での調整手順の説明時にも述べたように、図9Gのような状態は二方向調整プレート21の厚み中心と第2のレーザ光15の第2の焦点18が一致しておらずZ(紙面垂直)方向にずれていることを示しているので、次にZ方向の位置合わせを行う。
図9Hは図9G中の破線Eでの断面の状態を横(水平)方向から見た図である。図9Hに示すように第2のレーザ光15の第2の焦点18のZ位置(垂直方向の位置)は二方向調整プレート21のZ位置とまだ一致していない。このため、第2のレーザ光15が二方向調整プレート21に部分的に遮られ、第2のレーザ光15の一部のみが下部へ透過している状態である。
そこで、パワーメータ10の測定値を監視しながら、第2のレーザ光15のレーザパワー値が、遮光されていない時と同程度になるまで、第2のレーザ光15をZ方向に動かす。この時点で第2のレーザ光15と調整プレート1との位置関係は、図9Iに示す状態になる。まだ、第2のレーザ光15の第2の焦点18がサブスリット終端23近傍まで到達していないため、第2の光軸16付近のスリット幅はまだ少し広く、第2のレーザ光15が全て透過している状態でも第2の焦点18と二方向調整プレート21のZ位置は一致していない。
図9Jは、図9Iに示す状態を上面から見たものである。この状態から、図9C、図9D、図9E、図9Fで示した手順を交互に繰り返すと、第2のレーザ光15をX方向へ動かしてもレーザパワー値が上がらなくなって極大値を示すので、図9H、図9Iで示した手順を行う、という作業を数回繰り返すと、二方向調整プレート21の位置が、レーザパワー測定値が第2のレーザ光15が遮光されていない時のレーザパワー値付近まで上昇する位置に収束する。その状態を示したのが図9Kである。図9Lは図9K中の破線Fでの断面の状態を横(水平)方向から見た図である。この状態は、サブスリット終端23近傍に第2の焦点18が位置し、サブ対称軸24上に第2の光軸16が位置している状態である。ここまでの図9Aから図9Kで示した手順で、第2のレーザ光15の第2の焦点18の位置にサブスリット終端23を合わせることができる。
図8においても説明したように、サブスリット終端23と精密ピンホール3はサブ対称軸24に沿った向きに距離d’だけ離れているので、図9Kに示す状態から第2のレーザ光15をY方向に距離d’だけ動かすと、第2のレーザ光15の第2の焦点18を精密ピンホール3に位置合わせすることができる。
<効果>
以上の手順により、まず第1のレーザ光8に対して、二方向調整プレート21を動かしてテーパスリット2を利用して調整することにより、二方向調整プレート21上に設けられた精密ピンホール3を第1の焦点14に位置合わせができる。次に、その精密ピンホール3に対して、サブテーパスリット24を利用して第2のレーザ光15を動かして調整することにより、第2の焦点18を精密ピンホール3に位置合わせができる。第1のレーザ光8と精密ピンホール3の位置合わせ完了後は二方向調整プレート21を動かしていないので、精密ピンホール3を介して、第1の焦点14と第2の焦点18を精密ピンホール3の直径と二方向調整プレート21の厚みの精度で一致させることができる。
また、テーパスリット2、サブテーパスリット21の効果により、容易にレーザ光の位置をスリット終端12、サブスリット終端23まで導くことができ、精密ピンホール3へ導くことが可能である。このため、特に精密ピンホール3の穴径が微小である場合に、位置合わせの迅速化に寄与する。
さらに、第1のレーザ光8と第2のレーザ光15とを同一の光軸に調整するため(光軸を一致させるため)、そもそも第2のレーザ光8の第2の光軸16は、位置調整前から第1の光軸9に近い位置にあることが多い。その場合、サブテーパスリット22のように調整プレートを構成する板材の短辺側からだと、サブスリット終端23により近距離でアクセスしやすい。したがって、サブスリット終端23から精密ピンホール3までの距離d’を、スリット終端12から精密ピンホール3までの距離dよりも短く設定されたサブテーパスリット22によれば、第2のレーザ光15の調整の迅速性をより高める効果がある。
<その他>
なお、本実施の形態では、説明のために、テーパスリット2、サブテーパスリット22を対称軸11、サブ対称軸24に対して線対称な形状としているが、このような線対称の形状に限定されない。スリット終端12、サブスリット終端23に向かってスリット幅が狭くなるような形状であって、スリット終端12、サブスリット終端23から既知の方向に既知の間隔だけ離れた位置に精密ピンホール3を設ければ、テーパスリット2、サブテーパスリット22の形状が線対称でなくとも同様の効果が得られる。
また、二方向調整プレート21の精度が必要な部位をナイフエッジで構成しても良い。図10Aは二方向調整プレート21と同様のテーパスリット2、サブテーパスリット22、精密ピンホール3をナイフエッジにしたナイフエッジ二方向調整プレート25を上面(Z方向)から見た図である。また、図10Bは図10Aで示した上面から見たナイフエッジ二方向調整プレート25の斜視図である。図10Bにおいて隠れ線を破線で、ナイフエッジ二方向調整プレート25を構成する板材の厚みの中心位置を二点鎖線で示してある。
図10A、図10Bで示したナイフエッジ二方向調整プレート25のように、光学調整に用いるテーパスリット2、サブテーパスリット22、精密ピンホール3の部分をナイフエッジで構成すると、調整プレートを構成する板材の厚みを厚くすることができる。そのことにより、光学調整の精度、利便性、迅速性を損なうことなく調整プレートのたわみの影響を低減でき、より高精度な光学調整が実現できる。また、調整時に高出力のレーザ光が調整プレートに当たったときの耐熱性も向上する。
なお、調整プレートに用いる板材の材質は、調整するレーザ光の出力に耐えられるものであれば良いが、例えば耐熱コートを施した銅やタングステン、モリブデン、セラミックなどが望ましい。
また、本実施例では第1のレーザ光8に対して、第2のレーザ光15を位置調整する二光束の光学調整を示したが、同様の手順により三光束以上のレーザ光や測定光を同一光軸、同一焦点に調整することも可能であり、本技術は二光束のみの光学調整に限ったものではない。
また、本実施の形態では特に触れなかったが、パワーメータ10は第1のレーザ光8の位置調整時には第1のレーザ光8の出力に適した測定レンジを持つものを用いて、第2のレーザ光15の位置調整時には第2のレーザ光15の出力に適した測定レンジを持つものを用いることで、光学調整精度をさらに向上できる。調整中にパワーメータ10を交換しても、調整プレートの位置精度には無関係であるので、第1のレーザ光8および第2のレーザ光15の調整精度にはなんら影響は無い。
本発明の光学調整装置と光学調整方法は、レーザ溶接機、レーザ表面処理装置などのレーザ光を用いた加工装置に対して加工レーザ光と光軸とを共有する構成で組み込まれた計測光学系の光学調整を行う場合に適用することができる。これによって、加工レーザ光と測定光とで、これらの光軸と焦点とを高精度に一致させる光学調整を実現できる。そのことにより、レーザ加工のリアルタイムモニタリング装置の性能を飛躍的に向上させることが可能であり、より高品質で付加価値の高いレーザ加工装置の提供を実現できる。また、加工に限らず多数の測定光源を有する計測器や、複数のレーザ光を同一の光軸、焦点に位置調整する高出力レーザ光源の光学調整の用途にも適用できる。
1 調整プレート
2 テーパスリット(第1のスリット)
3 精密ピンホール
4 Xステージ(調整機構)
5 Yステージ(調整機構)
6 Zステージ(調整機構)
7 固定台
8 第1のレーザ光(第1の被調整光束)
9 第1の光軸
10 パワーメータ(光パワー検出器)
11 対称軸
12 スリット終端(第2の端部)
13 第1のレンズユニット
14 第1の焦点
15 第2のレーザ光(第2の被調整光束)
16 第2の光軸
17 第2のレンズユニット
18 第2の焦点
19 ダイクロイックミラー
20 ナイフエッジ調整プレート
21 二方向調整プレート
22 サブテーパスリット(第2のスリット)
23 サブスリット終端(第4の端部)
24 サブ対称軸
25 ナイフエッジ二方向調整プレート
100 調整用ウエハ
101 レーザパワーメータ
102 スリット
103 支持軸
104 Z方向駆動手段
105 R方向駆動手段
106 レーザヘッドベース
107 レーザヘッド
108 レーザ光
109 光軸

Claims (16)

  1. 第1のスリットとピンホールとを有する調整プレートと、
    前記調整プレートを移動させる調整機構と、
    光パワー検出器と、を備えた
    光学調整装置。
  2. 前記ピンホールは、前記第1のスリットの周囲に配置されている
    請求項1記載の光学調整装置。
  3. 前記第1のスリットは第1の端部と第2の端部とを有し、前記第1の端部は前記調整プレートの端部に達している
    請求項2記載の光学調整装置。
  4. 前記ピンホールは、前記第1のスリットの前記第2の端部の周囲に配置されている
    請求項3記載の光学調整装置。
  5. 前記第1のスリットは、前記第1の端部から前記第2の端部に向かって幅が狭くなる
    請求項4記載の光学調整装置。
  6. 前記調整プレートは、前記第1のスリットと異なる、第2のスリットを有する
    請求項1から請求項5記載の光学調整装置。
  7. 前記第2のスリットは第3の端部と第4の端部とを有し、前記第3の端部は前記調整プレートの端部に達している
    請求項6記載の光学調整装置。
  8. 前記ピンホールは、前記第2のスリットの前記第4の端部の周囲に配置されている
    請求項7記載の光学調整装置。
  9. 前記第2のスリットは、前記第3の端部から前記第4の端部に向かって幅が狭くなる
    請求項8記載の光学調整装置。
  10. 前記ピンホールは、前記第1のスリットまでの距離よりも前記第2のスリットまでの距離が短い
    請求項9記載の光学調整装置。
  11. 前記第1のスリットと前記ピンホールは、縁部にナイフエッジが形成されている
    請求項1から請求項5記載の光学調整装置。
  12. 前記第1のスリットと前記第2のスリットと前記ピンホールは、縁部にナイフエッジが形成されている
    請求項6から請求項10記載の光学調整装置。
  13. スリットとピンホールとを有する調整プレートに対し略垂直な第1の光軸を持つ第1の被調整光束の前記第1の光軸を、前記スリットの端部に配置する工程と、
    前記第1の被調整光束を受ける光パワー検出器の出力を計測しながら前記第1の光軸と前記第1の被調整光束の第1の焦点が前記端部に配置されるように前記調整プレートを位置調整する工程と、
    前記光パワー検出器の出力を計測しながら前記第1の光軸と前記第1の焦点が前記ピンホールと一致するように前記調整プレートを位置調整する工程と、
    前記第1の光軸と前記第1の焦点を前記ピンホールと一致させた前記調整プレートの板面に対し略垂直な第2の光軸を持つ第2の被調整光束の前記第2の光軸を前記スリットの前記端部に位置調整する工程と、
    前記第2の被調整光束を受ける光パワー検出器の出力を計測しながら前記第2の光軸と前記第2の被調整光束の第2の焦点が前記スリットの前記端部に配置されるように前記第2の被調整光束を位置調整する工程と、
    前記光パワー検出器の出力を計測しながら前記第2の光軸と前記第2の焦点が前記ピンホールと一致するように前記第2の被調整光束を位置調整する工程と、を有する
    光学調整方法。
  14. 第1のスリットと第2のスリットとピンホールとを有する調整プレートの板面に対し略垂直な第1の光軸を持つ第1の被調整光束の前記第1の光軸を前記第1のスリットの端部に配置する工程と、
    前記第1の被調整光束を受ける光パワー検出器の出力を計測しながら前記第1の光軸と前記第1の被調整光束の第1の焦点が前記第1のスリットの端部に配置されるように前記調整プレートを位置調整する工程と、
    前記光パワー検出器の出力を計測しながら前記第1の光軸と前記第1の焦点とが前記ピンホールと一致するように前記調整プレートを位置調整する工程と、
    前記第1の光軸と前記第1の焦点を前記ピンホールと一致させた前記調整プレートの板面に対し略垂直な第2の光軸を持つ第2の被調整光束の前記第2の光軸を前記第2のスリットの端部に位置調整する工程と、
    前記第2の被調整光束を受ける光パワー検出器の出力を計測しながら前記第2の光軸と前記第2の被調整光束の第2の焦点とが前記第2のスリットの端部に配置されるように前記第2の被調整光束を位置調整する工程と、
    前記光パワー検出器の出力を計測しながら前記第2の光軸と前記第2の焦点とが前記ピンホールと一致するように前記第2の被調整光束を位置調整する工程と、を有する
    光学調整方法。
  15. 前記第1の光軸と前記第1の被調整光束の第1の焦点が前記スリットの前記端部に配置されるように前記調整プレートを位置調整する工程と、前記第1の光軸と前記第1の焦点とが前記ピンホールと一致するように前記調整プレートを位置調整する工程とは、前記第1の被調整光束のみを照射した状態で行い、
    前記第2の光軸と前記第2の被調整光束の第2の焦点が前記スリットの端部に配置されるように前記第2の被調整光束を位置調整する工程と、前記第2の光軸と前記第2の焦点とが前記ピンホールと一致するように前記第2の被調整光束を位置調整する工程は、前記第2の被調整光束のみを照射した状態で行う
    請求項13記載の光学調整方法。
  16. 前記第1の光軸と前記第1の被調整光束の第1の焦点が前記第1のスリットの端部に配置されるように前記調整プレートを位置調整する工程と、前記第1の光軸と前記第1の焦点とが前記ピンホールと一致するように前記調整プレートを位置調整する工程とは、前記第1の被調整光束のみを照射した状態で行い、
    前記第2の光軸と前記第2の被調整光束の第2の焦点が前記第2のスリットの前記端部に配置されるように前記第2の被調整光束を位置調整する工程と、前記第2の光軸と前記第2の焦点が前記ピンホールと一致するように前記第2の被調整光束を位置調整する工程は、前記第2の被調整光束のみを照射した状態で行う
    請求項14記載の光学調整方法。
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