JP2020104124A - 摩擦攪拌接合装置及びその運転方法 - Google Patents
摩擦攪拌接合装置及びその運転方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020104124A JP2020104124A JP2018242786A JP2018242786A JP2020104124A JP 2020104124 A JP2020104124 A JP 2020104124A JP 2018242786 A JP2018242786 A JP 2018242786A JP 2018242786 A JP2018242786 A JP 2018242786A JP 2020104124 A JP2020104124 A JP 2020104124A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tool
- stir welding
- friction stir
- tip
- joined
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】簡易な構成で、第2部材を構成する材料よりも融点が高い材料で構成されている第1部材と第2部材を高い強度で接合することができる、摩擦攪拌接合装置を提供することを目的とする。【解決手段】ツール10と、直動駆動器7と、回転駆動器8と、ツール10を回転させた状態で、ツール10の先端部が被接合物Wの被接合部Waを押圧するように、直動駆動器7及び回転駆動器8を制御する(A)と、直動駆動器7及び回転駆動器8を制御して、軟化した第1部材W1が、軟化した第2部材W2に突き刺さるように第1位置まで、ツール10の先端部を到達させる(B)と、(B)の後、ツール10を回転させた状態で、ツール10を被接合部Waから引き抜くように、直動駆動器7及び回転駆動器8を制御する(C)と、を実行するように構成されている、制御装置30と、を備える、摩擦攪拌接合装置。【選択図】図1
Description
本発明は、摩擦攪拌接合装置及びその運転方法に関する。
高融点材料を上側に低融点材料を下側に配置して、これらを接合する異種金属材料の接合方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されている異種金属材料の接合方法では、鋼製の丸棒形状に形成された回転ツールを用いて、接合している。
具体的には、特許文献1に開示されている異種金属材料の接合方法では、回転ツールの先端が高融点材料と低融点材料との合わせ面から高融点材料側に0.05〜0.6mmの位置にあるように調整して、摩擦攪拌点接合を行っている。
しかしながら、特許文献1に開示されている異種金属材料の接合方法では、ツールの先端の位置を所定の範囲に維持しなければいけないため、制御プログラムが複雑となり、未だ改善の余地があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、簡易な構成で、第2部材を構成する材料よりも融点が高い材料で構成されている第1部材と第2部材を高い強度で接合することができ得る、摩擦攪拌接合装置及びその運転方法を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明に係る摩擦攪拌接合装置は、第1部材と第2部材を有する、被接合物を摩擦熱で軟化させることにより接合する摩擦攪拌接合装置であって、円柱状に形成され、軸線周りの回転と該軸線に沿った方向への進退移動とが可能なように構成されているツールと、前記ツールを前記軸線周りに回転させる回転駆動器と、前記ツールを前記軸線に沿って進退移動させる直動駆動器と、制御装置と、を備え、前記第1部材は、前記ツールと対向するように配置され、かつ、前記第2部材を構成する材料よりも融点が高い材料で構成されていて、前記制御装置は、前記ツールを回転させた状態で、前記ツールの先端部が前記被接合物の被接合部を押圧するように、前記直動駆動器及び前記回転駆動器を制御する(A)と、前記直動駆動器及び前記回転駆動器を制御して、軟化した前記第1部材が、軟化した前記第2部材に突き刺さるように、前記第2部材内に位置する、所定の第1位置まで、前記ツールの先端部を到達させる(B)と、前記(B)の後、前記ツールを回転させた状態で、前記ツールを前記被接合部から引き抜くように、前記直動駆動器及び前記回転駆動器を制御する(C)と、を実行するように構成されている。
ツールの先端部を第2部材内にまで圧入させることにより、軟化した第1部材が、軟化した第2部材に突き刺さった、アンカー部分が形成される。当該アンカー部分により、被接合物の引張強度が高くなり、相対的に剥離強度も高くなるといったアンカー効果を得ることができる。
また、ツールが圧入されることにより、第1部材がツールの進退方向及び/又は回転方向にせん断されて、アンカー部分に新生面が形成される。そして、第1部材の新生面と第2部材とが冶金的に結合することで、第1部材と第2部材とを接合することができる。
さらに、アンカー部分に新生面が形成されるため、第1部材表面にメッキ、又はシーリング材等が塗布されていても、これらの材料が混合することによる、接合強度の低下等の影響を抑制することができる。
これにより、簡易な構成で、第2部材を構成する材料よりも融点が高い材料で構成されている第1部材と第2部材を高い強度で接合することができる。
また、本発明に係る摩擦攪拌接合装置の運転方法は、第1部材と第2部材を有する、被接合物を摩擦熱で軟化させることにより接合する摩擦攪拌接合装置の運転方法であって、前記摩擦攪拌接合装置は、円柱状に形成され、軸線周りの回転と該軸線に沿った方向への進退移動とが可能なように構成されているツールと、前記ツールを前記軸線周りに回転させる回転駆動器と、前記ツールを前記軸線に沿って進退移動させる直動駆動器と、を備え、前記第1部材は、前記ツールと対向するように配置され、かつ、前記第2部材を構成する材料よりも融点が高い材料で構成されていて、前記ツールを回転させた状態で、前記ツールの先端部が前記被接合物の被接合部を押圧するように、前記直動駆動器及び前記回転駆動器が動作する(A)と、前記直動駆動器及び前記回転駆動器が動作して、軟化した前記第1部材が、軟化した前記第2部材に突き刺さるように、前記第2部材内に位置する、所定の第1位置まで、前記ツールの先端部を到達させる(B)と、前記(B)の後、前記ツールを回転させた状態で、前記ツールを前記被接合部から引き抜くように、前記直動駆動器及び前記回転駆動器が動作する(C)と、を備える。
ツールの先端部を第2部材内にまで圧入させることにより、軟化した第1部材が、軟化した第2部材に突き刺さった、アンカー部分が形成される。当該アンカー部分により、被接合物の引張強度が高くなり、相対的に剥離強度も高くなるといったアンカー効果を得ることができる。
また、ツールが圧入されることにより、第1部材がツールの進退方向及び/又は回転方向にせん断されて、アンカー部分に新生面が形成される。そして、第1部材の新生面と第2部材とが冶金的に結合することで、第1部材と第2部材とを接合することができる。
さらに、アンカー部分に新生面が形成されるため、第1部材表面にメッキ、又はシーリング材等が塗布されていても、これらの材料が混合することによる、接合強度の低下等の影響を抑制することができる。
これにより、簡易な構成で、第2部材を構成する材料よりも融点が高い材料で構成されている第1部材と第2部材を高い強度で接合することができる。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施形態の詳細な説明から明らかにされる。
本発明に係る摩擦攪拌接合装置及びその運転方法によれば、簡易な構成で、第2部材を構成する材料よりも融点が高い材料で構成されている第1部材と第2部材を高い強度で接合することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、全ての図面において、本発明を説明するために必要となる構成要素を抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している場合がある。さらに、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
(実施の形態1)
本実施の形態1に係る摩擦攪拌接合装置は、第1部材と第2部材を有する、被接合物を摩擦熱で軟化させることにより接合する摩擦攪拌接合装置であって、円柱状に形成され、軸線周りの回転と該軸線に沿った方向への進退移動とが可能なように構成されているツールと、ツールを軸線周りに回転させる回転駆動器と、ツールを軸線に沿って進退移動させる直動駆動器と、制御装置と、を備え、第1部材は、ツールと対向するように配置され、かつ、第2部材を構成する材料よりも融点が高い材料で構成されていて、制御装置は、ツールを回転させた状態で、ツールの先端部が被接合物の被接合部を押圧するように、直動駆動器及び回転駆動器を制御する(A)と、直動駆動器及び回転駆動器を制御して、軟化した第1部材が、軟化した第2部材に突き刺さるように、第2部材内に位置する、所定の第1位置まで、ツールの先端部を到達させる(B)と、(B)の後、ツールを回転させた状態で、ツールを被接合部から引き抜くように、直動駆動器及び回転駆動器を制御する(C)と、を実行するように構成されている。
本実施の形態1に係る摩擦攪拌接合装置は、第1部材と第2部材を有する、被接合物を摩擦熱で軟化させることにより接合する摩擦攪拌接合装置であって、円柱状に形成され、軸線周りの回転と該軸線に沿った方向への進退移動とが可能なように構成されているツールと、ツールを軸線周りに回転させる回転駆動器と、ツールを軸線に沿って進退移動させる直動駆動器と、制御装置と、を備え、第1部材は、ツールと対向するように配置され、かつ、第2部材を構成する材料よりも融点が高い材料で構成されていて、制御装置は、ツールを回転させた状態で、ツールの先端部が被接合物の被接合部を押圧するように、直動駆動器及び回転駆動器を制御する(A)と、直動駆動器及び回転駆動器を制御して、軟化した第1部材が、軟化した第2部材に突き刺さるように、第2部材内に位置する、所定の第1位置まで、ツールの先端部を到達させる(B)と、(B)の後、ツールを回転させた状態で、ツールを被接合部から引き抜くように、直動駆動器及び回転駆動器を制御する(C)と、を実行するように構成されている。
また、本実施の形態1に係る摩擦攪拌接合装置では、ツールの先端部には、その高さ寸法が、第1部材の厚み寸法よりも大きくなるように形成されている、突出部が設けられていてもよい。
さらに、本実施の形態1に係る摩擦攪拌接合装置では、第1部材は、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板で構成されていてもよい。
以下、本実施の形態1に係る摩擦攪拌接合装置の一例について、図1〜図3を参照しながら詳細に説明する。
[摩擦攪拌接合装置の構成]
図1は、本実施の形態1に係る摩擦攪拌接合装置の概略構成を示す模式図である。
図1は、本実施の形態1に係る摩擦攪拌接合装置の概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、本実施の形態1に係る摩擦攪拌接合装置1は、ツール10、基体2、可動体3、ツール保持体4、直動駆動器7、回転駆動器8、及び制御装置30を備えていて、被接合物Wの被接合部Waを摩擦熱で軟化させて、接合するように構成されている。
被接合物Wは、本実施の形態1においては、板状の第1部材W1と板状の第2部材W2で構成されている。第1部材W1は、第2部材W2を構成する材料よりも融点が高い材料で構成されていればよく、例えば、鋼(例えば、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板等)で構成されていてもよい。また、第2部材W2は、アルミニウムで構成されていてもよい。さらに、第1部材W1は、その厚み寸法h1が、第2部材W2の厚み寸法h2よりも小さくなるように形成されていてもよい(図2参照)。さらに、第1部材W1と第2部材W2との間に、シーラント材(シーリング材、接着剤)が配置されていてもよい。シーラント材としては、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂系接着剤又はウレタン樹脂系接着剤等の接着剤を用いてもよい。また、ポリサルファイド系合成ゴム、天然ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴム、四フッ化エチレンゴム樹脂等の合成樹脂等を用いてもよい。
なお、本実施の形態1においては、被接合物Wを板状の第1部材W1と板状の第2部材W2で構成されている形態を採用したが、これに限定されず、被接合物W(第1部材W1及び第2部材W2)の形状は任意であり、例えば、直方体状であってもよく、円弧状に形成されていてもよい。
基体2は、ロボットアーム9の先端部に着脱可能に取り付けられている。基体2には、可動体3が、ツール保持体4の軸線X方向に移動可能に取り付けられている。可動体3の先端部には、ツール保持体4が設けられている。
ツール保持体4は、その軸線X周りに回転可能であり、かつ、可動体3と一体となって、軸線Xの方向に移動可能に構成されている。ツール保持体4の先端部には、ツール10が着脱可能に設けられている。
ここで、図2を参照しながら、ツール10の構成について、詳細に説明する。
図2は、本実施の形態1に係る摩擦攪拌接合装置の要部を示す模式図であり、摩擦攪拌接合を実行した状態を示す。
図2に示すように、ツール10は、その先端部に突出部10Aが設けられている。突出部10Aは、円錐台状に形成されている。また、突出部10Aは、その高さ寸法h3が、被接合物Wの第1部材W1の厚み寸法h1よりも大きくなるように形成されている。
これにより、ツール10の先端部におけるショルダ部分10Bが、第1部材W1の主面(表面;上面)と当接したときには、突出部10Aは、第2部材W2内にまで圧入される。
また、基体2の内部には、直動駆動器7が配置されている。直動駆動器7は、可動体3(ツール10)を軸線X方向に直動させるように構成されている。直動駆動器7としては、例えば、電動モータ(サーボモータ)とボールネジ又はリニアガイド等を用いてもよく、エアシリンダ等を用いてもよい。また、直動駆動器7には、ツール10の先端部の位置を検出するように構成されている、位置検出器が配置されていてもよい。位置検出器としては、例えば、エンコーダを用いてもよい。
可動体3の内部には、回転駆動器8が配置されている。回転駆動器8は、ツール保持体4及びツール10を軸線X周りに回転させるように構成されている。回転駆動器8としては、例えば、電動モータ(サーボモータ)を用いてもよい。
さらに、基体2には、略C字状(略L字状)に形成されている湾曲フレーム5が固定されている。湾曲フレーム5は、その先端部が、ツール10に対して、対向するように形成されている。また、湾曲フレーム5の先端部には、支持台6が設けられている。支持台6は、被接合物Wを支持するように構成されている。すなわち、本実施の形態1においては、基体2、可動体3、ツール保持体4、湾曲フレーム5、及び支持台6は、C型ガン(C型フレーム)で構成されている。
制御装置30は、マイクロプロセッサ、CPU等の演算処理器と、ROM、RAM等の記憶器と、を備えている(図示せず)。記憶器には、基本プログラム、各種固定データ等の情報が記憶されている。演算処理器は、記憶器に記憶された基本プログラム等のソフトウェアを読み出して実行することにより、直動駆動器7、回転駆動器8、及びロボットアーム9の各種動作を制御する。
なお、制御装置30は、集中制御する単独の制御装置30によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置30によって構成されていてもよい。また、制御装置30は、マイクロコンピュータで構成されていてもよく、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等によって構成されていてもよい。
[摩擦攪拌接合装置の動作(摩擦攪拌接合装置の運転方法)]
次に、本実施の形態1に係る摩擦攪拌接合装置1の運転方法について、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、以下の動作は、制御装置30の演算処理器が、記憶器に格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
次に、本実施の形態1に係る摩擦攪拌接合装置1の運転方法について、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、以下の動作は、制御装置30の演算処理器が、記憶器に格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
図3は、本実施の形態1に係る摩擦攪拌接合装置の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、作業者が入力器(図示せず)を操作して、制御装置30に被接合物Wの接合実行をすることを示す指示情報が入力されたとする。
すると、図3に示すように、制御装置30は、ロボットアーム9とは異なるロボットに第1部材W1及び第2部材W2を搬送させ、第1部材W1がツール10と対向するように、摩擦攪拌接合装置1の支持台6に載置(配置)させる(ステップS101)。なお、作業者が、第1部材W1及び第2部材W2を摩擦攪拌接合装置1に配置してもよい。
次に、制御装置30は、回転駆動器8を駆動させて、ツール10を所定の回転数(例えば、500〜3000rpm)で回転させる(ステップS102)。ついで、制御装置30は、ツール10を回転させた状態で、直動駆動器7を駆動させて、ツール10を進行させて、ツール10の先端を被接合物Wの被接合部Waに当接させる(ステップS103)。
次に、制御装置30は、ツール10の先端が、予め設定されている所定の第1位置まで移動するように、直動駆動器7を駆動させる(ステップS104)。このとき、制御装置30は、ツール10が予め設定された所定の押圧力(例えば、4kN〜70kN)で被接合物Wを押圧するように、直動駆動器7を制御する。
なお、所定の回転数、所定の押圧力、及び第1位置は、予め実験等により、適宜設定することができ、記憶器に記憶されている。また、ツール10の先端の位置情報は、直動駆動器7に設けられている位置検出器(例えば、エンコーダ)、又はツール10の移動量を検出する位置検出器により検出されて、制御装置30に出力される。
ここで、第1位置とは、第2部材W2の第1部材W1と当接する面を0%とし、第2部材W2の支持台6と当接する面を100%とした場合に、0%より大きく、かつ、100%未満の間で任意に設定される位置をいう。
なお、第1位置は、ツール10の先端を第2部材W2にまで到達させる観点から、25%以上であってもよく、50%以上であってもよく、75%以上であってもよく、80%以上であってもよい。
また、第1位置は、ツール10のショルダ部分10Bが、第1部材W1の上面と当接したときの突出部10Aの先端の位置であってもよい。
これにより、ツール10が、被接合物Wの被接合部Waに当接し、ツール10の先端部と被接合部Waとの摩擦により、摩擦熱が発生し、被接合物Wの被接合部Waが軟化されて、塑性流動が生じる。
そして、図2に示すように、ツール10の先端部(突出部10A)が、被接合部Waの内部に圧入されることにより、第1部材W1の軟化部分である第1軟化部分41が、第2部材W2の上面よりも下方にまで延びて、第2部材W2の軟化部分である第2軟化部分42に入り込む(突き刺さる)。なお、本明細書においては、第1軟化部分41のうち、第2部材W2の上面から下方にまで延びた部分をアンカー部分Apと称する。
また、第1軟化部分41(アンカー部分Ap)において、第2軟化部分42との当接部分に、新生面CMSが形成され、第1部材W1(第1軟化部分41)の新生面CMSと、第2部材W2(第2軟化部分42)とが冶金的に結合することで、第1部材W1と第2部材W2を接合することができる。
次に、制御装置30は、図示されない位置検知器が検知した、ツール10の先端の位置情報を基に、ツール10の先端が、第1位置まで到達したか否かを判定する(ステップS105)。制御装置30は、ツール10の先端が、第1位置まで到達していないと判定した場合(ステップS105でNo)には、ツール10の先端が、第1位置まで到達するまで、ステップS104〜ステップS105の各処理を実行する。一方、制御装置30は、ツール10の先端が、第1位置まで到達していると判定した場合(ステップS105でYes)には、ステップS106の処理を実行する。
ステップS106では、制御装置30は、ツール10を回転させた状態で、ツール10の先端部を被接合部Waから引き抜くように、直動駆動器7を駆動させる。そして、制御装置30は、ツール10の先端部が、被接合部Waから引き抜かれると、ツール10の回転を停止するように、回転駆動器8を停止させて、本プログラムを終了する。なお、複数の被接合部Waを接合する場合には、制御装置30は、ツール10の回転を停止させずに、次の被接合部Waの接合を開始するように構成されていてもよい。
このように構成された、本実施の形態1に係る摩擦攪拌接合装置1では、制御装置30が、ツール10の先端が第1位置まで移動するように、直動駆動器7を駆動させるように構成されている。これにより、ツール10の先端部(突出部10A)を第2部材W2内にまで圧入させることができ、第1軟化部分41が、第2軟化部分42に突き刺さった、アンカー部分Apが形成される。当該アンカー部分Apにより、被接合物Wの引張強度が高くなり、相対的に剥離強度も高くなるといったアンカー効果を得ることができる。
また、ツール10が圧入されることにより、第1部材W1がツール10の進退方向及び/又は回転方向にせん断されて、アンカー部分Ap(第1部材W1の第1軟化部分41)に新生面CMSが形成される。そして、第1部材W1の新生面CMSと第2部材W2が冶金的に結合することで、第1部材W1と第2部材W2を接合することができる。
さらに、アンカー部分Apに新生面CMSが形成されるため、第1部材W1の表面にメッキ(例えば、亜鉛メッキ)がされていたり、シーリング材等が塗布されていたりしても、これらの材料が第1軟化部分41等に混合することによる、接合強度の低下等の影響を抑制することができる。
したがって、本実施の形態1に係る摩擦攪拌接合装置1では、簡易な構成で、第2部材W2を構成する材料よりも融点が高い材料で構成されている第1部材W1と第2部材W2(被接合物W)を高い強度で接合することができる。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良又は他の実施形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の形態を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の要旨を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
本発明の摩擦攪拌接合装置及びその運転方法は、簡易な構成で、第2部材を構成する材料よりも融点が高い材料で構成されている第1部材と第2部材を高い強度で接合することができるため、有用である。
1 摩擦攪拌接合装置
2 基体
3 可動体
4 ツール保持体
5 湾曲フレーム
6 支持台
7 直動駆動器
8 回転駆動器
9 ロボットアーム
10 ツール
10A 突出部
10B ショルダ部分
30 制御装置
41 第1軟化部分
42 第2軟化部分
Ap アンカー部分
CMS 新生面
h1 厚み寸法
h2 厚み寸法
h3 高さ寸法
W 被接合物
W1 第1部材
W2 第2部材
Wa 被接合部
2 基体
3 可動体
4 ツール保持体
5 湾曲フレーム
6 支持台
7 直動駆動器
8 回転駆動器
9 ロボットアーム
10 ツール
10A 突出部
10B ショルダ部分
30 制御装置
41 第1軟化部分
42 第2軟化部分
Ap アンカー部分
CMS 新生面
h1 厚み寸法
h2 厚み寸法
h3 高さ寸法
W 被接合物
W1 第1部材
W2 第2部材
Wa 被接合部
Claims (6)
- 第1部材と第2部材を有する、被接合物を摩擦熱で軟化させることにより接合する摩擦攪拌接合装置であって、
円柱状に形成され、軸線周りの回転と該軸線に沿った方向への進退移動とが可能なように構成されているツールと、
前記ツールを前記軸線周りに回転させる回転駆動器と、
前記ツールを前記軸線に沿って進退移動させる直動駆動器と、
制御装置と、を備え、
前記第1部材は、前記ツールと対向するように配置され、かつ、前記第2部材を構成する材料よりも融点が高い材料で構成されていて、
前記制御装置は、
前記ツールを回転させた状態で、前記ツールの先端部が前記被接合物の被接合部を押圧するように、前記直動駆動器及び前記回転駆動器を制御する(A)と、
前記直動駆動器及び前記回転駆動器を制御して、軟化した前記第1部材が、軟化した前記第2部材に突き刺さるように、前記第2部材内に位置する、所定の第1位置まで、前記ツールの先端部を到達させる(B)と、
前記(B)の後、前記ツールを回転させた状態で、前記ツールを前記被接合部から引き抜くように、前記直動駆動器及び前記回転駆動器を制御する(C)と、を実行するように構成されている、摩擦攪拌接合装置。 - 前記ツールの先端部には、その高さ寸法が、前記第1部材の厚み寸法よりも大きくなるように形成されている、突出部が設けられている、請求項1に記載の摩擦攪拌接合装置。
- 前記第1部材は、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板で構成されている、請求項1又は2に記載の摩擦攪拌接合装置。
- 第1部材と第2部材を有する、被接合物を摩擦熱で軟化させることにより接合する摩擦攪拌接合装置の運転方法であって、
前記摩擦攪拌接合装置は、
円柱状に形成され、軸線周りの回転と該軸線に沿った方向への進退移動とが可能なように構成されているツールと、
前記ツールを前記軸線周りに回転させる回転駆動器と、
前記ツールを前記軸線に沿って進退移動させる直動駆動器と、を備え、
前記第1部材は、前記ツールと対向するように配置され、かつ、前記第2部材を構成する材料よりも融点が高い材料で構成されていて、
前記ツールを回転させた状態で、前記ツールの先端部が前記被接合物の被接合部を押圧するように、前記直動駆動器及び前記回転駆動器が動作する(A)と、
前記直動駆動器及び前記回転駆動器が動作して、軟化した前記第1部材が、軟化した前記第2部材に突き刺さるように、前記第2部材内に位置する、所定の第1位置まで、前記ツールの先端部を到達させる(B)と、
前記(B)の後、前記ツールを回転させた状態で、前記ツールを前記被接合部から引き抜くように、前記直動駆動器及び前記回転駆動器が動作する(C)と、を備える、摩擦攪拌接合装置の運転方法。 - 前記ツールの先端部には、その高さ寸法が、前記第1部材の厚み寸法よりも大きくなるように形成されている、突出部が設けられている、請求項4に記載の摩擦攪拌接合装置の運転方法。
- 前記第1部材は、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板で構成されている、請求項4又は5に記載の摩擦攪拌接合装置の運転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018242786A JP2020104124A (ja) | 2018-12-26 | 2018-12-26 | 摩擦攪拌接合装置及びその運転方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018242786A JP2020104124A (ja) | 2018-12-26 | 2018-12-26 | 摩擦攪拌接合装置及びその運転方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020104124A true JP2020104124A (ja) | 2020-07-09 |
Family
ID=71450292
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018242786A Pending JP2020104124A (ja) | 2018-12-26 | 2018-12-26 | 摩擦攪拌接合装置及びその運転方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020104124A (ja) |
-
2018
- 2018-12-26 JP JP2018242786A patent/JP2020104124A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6182280B2 (ja) | 摩擦攪拌点接合装置及び摩擦攪拌点接合方法 | |
JP2008506534A (ja) | 構成要素を摩擦溶接するためのプロセス | |
JP7216551B2 (ja) | 摩擦攪拌点接合装置及び摩擦攪拌点接合方法 | |
WO2019181800A1 (ja) | 摩擦接合装置及びその運転方法 | |
JP7278300B2 (ja) | 摩擦攪拌接合装置、その運転方法、及び継手構造 | |
WO2019159930A1 (ja) | 摩擦攪拌点接合装置及びその運転方法 | |
JP7232275B2 (ja) | 摩擦攪拌点接合装置及びその運転方法 | |
US11858060B2 (en) | Friction stir spot welding device and method for operating same | |
JP2020104124A (ja) | 摩擦攪拌接合装置及びその運転方法 | |
JPWO2020032141A1 (ja) | 摩擦攪拌接合装置及びその運転方法 | |
WO2020218444A1 (ja) | 摩擦攪拌点接合装置及びその運転方法 | |
WO2021002211A1 (ja) | 接合システム及びその運転方法 | |
KR20210002671A (ko) | 마찰 접합 장치 및 그 운전 방법 | |
WO2020032142A1 (ja) | 摩擦攪拌接合装置及びその運転方法 |