JP2020103717A - パンツ型着用物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】着用者のお腹周りの部分の膨らみを目立たなくすることができるパンツ型着用物品を提供する。【解決手段】ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部、並びに、着用者の腹側及び背側それぞれに向けて配される前側部及び後側部を備え、身丈方向及び該身丈方向と直交する幅方向を有するパンツ型着用物品であって、前記パンツ型着用物品には、有色の帯状図形を複数、間隔をあけて配された縞状模様の図柄が外側から視認可能に配されており、前記図柄では、前記パンツ型着用物品を前記幅方向に最大に伸長させた状態で、前記縞状模様における前記帯状図形による着色の密度が部分的に変化しているパンツ型着用物品。【選択図】図1

Description

本発明は、使い捨ておむつ等のパンツ型着用物品に関する。
従来、使い捨ておむつ等の吸収性物品に図柄等を付すことがされてきた。
例えば、特許文献1には、着用者の身体に対する位置合わせや吸収性パッドの位置合わせをする図柄を付したおむつが記載されている。具体的には、おむつの外包体に淡色部と濃色部と交互に配した模様において、淡色部よりも濃色部の方が吸収性本体の縦方向に沿う長さを長くしている。
特許文献2記載の着用物品では、外部から視認可能な第1表示要素と第2表示要素とを配することが記載されている。第1表示要素はウエスト開口部側の第1弾性域に配され、第2表示要素はクロッチ側の非弾性域に配置されている。第1表示要素では、形態くずれを防止する観点から、横方向の寸法を収縮状態において伸長状態よりも小さくし、第2表示要素との形態を同一になるようにしている。
特許文献3には、吸収性物品の伸縮領域において自然状態でデザインの印刷素材に皺や襞が形成されないよう、弾性フィルムにデザイン印刷部を設けて伸縮領域とすることが記載されている。
特開2016−59650号公報 特開2017−35412号公報 特開2017−202417号公報
パンツ型着用物品は、着用者が穿いた際に嵩張った外観になりやすい。特に、パンツ型着用物品が吸収体を含む場合、お腹周りの膨らみが強調されやすい。高齢者は、加齢によりお腹回りが大きくなりやすく、着用による膨らみを余計に気にされることがある。そのため、装着中に他人に見られても、お腹周りの膨らみが目立たないパンツ型着用物品が要望されている。
本発明は、上記の点に鑑み、着用者のお腹周りの部分の膨らみを目立たなくすることができるパンツ型着用物品に関する。
本発明は、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部、並びに、着用者の腹側及び背側それぞれに向けて配される前側部及び後側部を備え、身丈方向及び該身丈方向と直交する幅方向を有するパンツ型着用物品であって、前記パンツ型着用物品には、有色の帯状図形を複数、間隔をあけて配された縞状模様の図柄が外側から視認可能に配されており、前記図柄では、前記パンツ型着用物品を前記幅方向に最大に伸長させた状態で、前記縞状模様における前記帯状図形による着色の密度が部分的に変化しているパンツ型着用物品を提供する。
本発明のパンツ型着用物品は、着用者のお腹周りの部分の膨らみを目立たなくすることができる。
本発明のパンツ型着用物品の好ましい一実施形態としてのパンツ型おむつについて、図柄の好ましい一実施態様(第1実施態様)とともに、幅方向に最大に伸長させた状態の形状として前側から模式的に示した平面図である。 図1に示すパンツ型おむつをサイドシール部で破断して展開し最大に伸長させた状態について、非肌当接面側から模式的に示した平面図である。 図柄の別の好ましい実施態様(第2実施態様)を模式的に示すパンツ型おむつの平面図である。 図柄の更に別の好ましい実施態様(第3実施態様)を模式的に示すパンツ型おむつの平面図である。 図柄の更に別の好ましい実施態様(第4実施態様)を模式的に示すパンツ型おむつの平面図である。 図柄の更に別の好ましい実施態様(第5実施態様)を模式的に示すパンツ型おむつの平面図である。 図柄の更に別の好ましい実施態様(第6実施態様)を模式的に示すパンツ型おむつの平面図である。
以下、本発明のパンツ型着用物品の好ましい実施形態としてのパンツ型おむつについて、図面を参照しながら以下に説明する。
本発明においては、人体に接触する側を肌面側ないし肌当接面側あるいは表面側といい、これと反対側を非肌面側ないし非肌当接面側あるいは裏面側という。これらは、人体に接触する面を有さない部材に関しても、パンツ型着用物品の部材構成における相対的な位置関係を示す用語として用いる。また、着用時に人体の前側に位置する方向を前方といい、後側に位置する方向を後方という。
図1に示すように、本実施形態のパンツ型おむつ10(以下、おむつ10ともいう。)は、ウエスト開口部11と一対のレッグ開口部12、12を有する。また、おむつ10は、着用者の腹側に向けて配される前側部13と、着用者の背側に向けて配される後側部14とを有する。前側部13と後側部14とは、レッグ開口部12の上方において、着用者の脇腹の位置に配されるサイドシール部15、15で接合されている。この状態で、おむつ10のウエスト開口部11側に環状の端縁11Aが形成されている。図1では、おむつ10の前側部13について、ウエスト開口部11を上に向けて平面視した状態を示している。また、図1は、おむつ10を着用した状態で前側部13からみた図であり、左右のサイドシール部15、15を結ぶ方向(後述する幅方向)に最大に伸長させた状態を示している。ここで言う「幅方向に最大に伸長させた状態」とは、おむつ10の幅方向に収縮する力に最大限抗して伸長させた状態をいう。本実施形態においては、おむつ10の幅方向の収縮力は、後述のウエスト弾性部材によって付与されており、該ウエスト弾性部材の影響が全く無い状態まで幅方向に伸長させた状態をいう。また、おむつ10の幅方向の収縮力が前記ウエスト弾性部材以外の伸縮部材、例えば伸縮性不織布によって付与されている場合、該伸縮性不織布の影響が全く無い状態まで幅方向に伸長させた状態を「幅方向に最大に伸長させた状態」という。
おむつ10は、前側部13から見た状態で、着用者の身丈方向Yと身丈方向Yに直交する幅方向Xを有する。幅方向Xは、左右のサイドシール部15、15の間を結ぶ方向である。この身丈方向Y及び幅方向Xは、前側部13から見た場合に限らず、後側部14から見た場合についても適用される。なお、おむつ10の相対的な位置関係として、ウエスト開口部11側を上方側といい、レッグ開口部12側(又は後述の股下部10C側)を下方側という。
おむつ10は、身丈方向Yに沿って、着用者の胴周りに対して配される胴周り部10Dと着用者の股下に対して配される股下部10Cとに区分される。この区分は、前側部13及び背側部14それぞれについても当てはまる。前側部13における胴周り部10Dは着用者の腹部に配され、後側部14における胴周り部10Dは着用者の背中及び腰部に配される。
図2は、おむつ10をサイドシール部15、15において破断して展開した状態を非肌当接面側から示している。ここでいう展開した状態とは、各部を最大に伸長させておむつを平面状に広げた状態をいう。おむつ10は、展開した状態において、腹側部10F、股下部10C及び背側部10Rに区分される。この状態において、前述の身丈方向Yは、腹側部10F、股下部10C及び背側部10Rが繋がる方向である。幅方向Xは身丈方向Yに直交する方向である。なお、図2においては、後述の図柄は省略しておむつ10の展開状態における外形を示している。
おむつ10は、構成部材として、排泄液を吸収保持する縦長の吸収性本体1と、吸収性本体1を固定する外装体2とを有する。本実施形態において、外装体2は、腹側部10F、股下部10C及び背側部10R全体に亘る大きさを有し、股下部10Cにおいて幅方向内方に括れた形状を有する。括れた部分が前述のレッグ開口部12、12となる。外装体2の腹側部10F及び背側部10Rの身丈方向Y外方の端縁においてウエスト開口部11が形成される。吸収性本体1は、外装体2の肌当接面側の幅方向Xの中央において、その長手方向をおむつ10の腹側部10F、股下部10C及び背側部10Rに向けて配されている。
外装体2には、おむつ10のウエスト開口部11となる部分G1に幅方向Xに延びるウエスト弾性部材(図示せず)を複数、伸長させた状態で固定し配置している。これにより、ウエスト開口部11にウエストギャザーが形成される。加えて、おむつ10の胴まわり部となる部分G2に幅方向Xに延びるウエスト弾性部材(図示せず)を複数、伸長させた状態で固定し配置している。これにより、胴周り部G2に胴回りギャザーが形成される。更に外装体2には、おむつ10のレッグ開口部12、12となる括れた部分にレッグ弾性部材(図示せず)を複数、伸長させた状態で固定し配置している。これにより、レッグ開口部12、12にレッグギャザーが形成される。本実施形態においては、外装体2は、肌当接面側と非肌当接面側の2枚の不織布から構成されている(図示せず)。肌当接面側の不織布の非肌当接面側、または、非肌当接面側の不織布の肌当接面側または非肌当接面側に印刷を施すことで後述の有色の帯状図形5を形成する。この帯状図形5は、おむつ10の外側から視認可能にされている。
おむつ10において、外装体2には、有色の帯状図形5が複数、間隔をあけて配された縞状模様の図柄が外側から視認可能に配されている。ここで「帯状図形」とは、所定の帯幅と一方向に延びる長さとを有するものである。「帯状図形」は、一方向に延びる長さを有する限り、直線に限らず、曲線状のものであってもよく、部分的に蛇行するものであってもよい。
帯状図形5は、輪郭及びその内側が着色されている。帯状図形5の色は、外装体2の色とは異なる色であることが好ましく、対照的な色であることが特に好ましい。具体的には外装体2が白色を有している場合に、帯状図形5の色は、RGBカラーモデルにおいて、R:60〜230、G:10〜200、B:120〜255の範囲にあることが好ましく、R:70〜215、G:15〜175、B:130〜245の範囲にあることがより好ましい(R=赤、G=緑、B=青)。更にR:80〜200、G:20〜150、B:140〜235の範囲にあることがより好ましい。例えば、外装体2が白色を基調としたものであるとき、帯状図形5は、おむつ10の外側から視認してその形状を認識できる有彩色を有することが好ましい。特に、後述の効果をより奏しやすくする観点から、帯状図形5は寒色系の収縮色を有することが好ましく、紫色がより好ましい。以下、外装体2が白色を有し、帯状図形5が有彩色を有するものとして説明する。
おむつ10は、前述のとおり、帯状図形5が複数、間隔をあけて配された縞状模様の図柄を有する。縞状模様は、帯状図形5の色と外装体2の色とが交互に配されて形成されている。この図柄では、おむつ10を幅方向Xに最大に伸長させた状態で、縞状模様における帯状図形5による着色の密度が部分的に変化している。なお、実際のおむつの装着状態では、幅方向Xに最大に伸長させた状態になることは少ないが、最大に伸長させたのと同様の図柄(伸長方向にやや歪んでいるが、最大伸長時とほぼ同等形状の図柄)が視認できる。そのため、実際のおむつ10の装着状態においても下記に示す効果が得られる。
本発明において、着色の密度とは、縞状模様の図柄において、所定領域に占める有色の帯状図形5の面積割合を言う。前記「所定領域」とは、下記の幅と長さの範囲の領域であって、おむつ10の幅方向中央線W(幅方向Xの長さを2等分する身丈方向Yに沿う仮想線)を含み、該中央線Wに対して線対称の領域をいう。
幅(幅方向Xの長さ):おむつ10の展開状態(図2参照)における前側部13において、幅方向Xの長さXL(サイドシール部15を含む長さ)の10%以上100%以下の長さの範囲
長さ(身丈方向Yの長さ):おむつ10の展開状態(図2参照)における前側部13において、身丈方向Yの長さYLの10%以上35%以下の長さの範囲
本発明において、着色の密度が部分的に変化しているとは、前記所定領域に対して下記〔測定領域による測定〕を行った際に、下記測定領域の移動に伴って、下記測定領域に占める帯状図形5の面積割合が変化すること、又は、複数の帯状図形5が一点に集中するように配されている等、帯状領域の配置の密度が変化することを言う。また、着色の密度が高められるとは、下記〔測定領域による測定〕を行った際に、下記測定領域の移動に伴って、下記測定領域に占める帯状図形5の面積割合が大きくなっていくこと、又は、複数の帯状図形5が1点に集中するように配される等、帯状領域の配置の密度が高くなっていくことを言う。
〔測定領域による測定〕
前記所定領域と同じ幅方向Xの長さで身丈方向Yに所定の長さ(例えば、所定領域の身丈方向Yの長さの1/4)を有する測定領域を身丈方向Yに移動させ、又は、前記所定領域と同じ身丈方向Yの長さで幅方向Xに所定の長さ(例えば、所定領域の幅方向Xの長さの1/4)を有する測定領域を幅方向Xに移動させて、前記測定領域に占める帯状図形5の面積割合を測定する。
本発明において、上記のような縞状模様の図柄を見た者は、該図柄における前記着色の密度の部分的な変化によって、おむつ10の形状に対する視覚的な誘導を受ける。特に、着色の密度の変化の中で、着色の密度が低い部分から高い部分への変化は、前記図柄を見た者の目線を誘導しやすい。着色の密度が低い部分から高い部分への変化は、おむつ10の前側部13の中で、着用者のお腹周りの膨らみに対応する部分に向かって示されていることが好ましい。着用者のお腹周りの膨らみは、一般的には幅方向の両脇から中央へ、また、身丈方向の上方側から下方側に向かって大きくなる形状である。装着したおむつ10の前側部13は、着用者のお腹周りの膨らみに対応して盛り上がることとなる。前側部13において、盛り上がる部分に向かって着色の密度が高くなる変化が示されていると、着色の密度の高まりに合わせておむつ10が絞られていくように見え、膨らんだ印象が抑えられる。前記図柄においては、少なくとも部分的に、隣りあう帯状図形5の間隔を徐々に狭めたり、帯状図形5の帯幅を徐々に広げたりするなどの様々な構図によって、帯状図形5による着色の密度を高めた部分が形成される。着色の密度は、前記図柄の構図の中で、徐々に又は段階的に変化していることが好ましい。
前記図柄において、帯状図形5による着色の密度を部分的に変化させる構図として、例えば、下記に示す実施態様が挙げられる。いずれの態様においても、図柄をおむつ10の前側部13に配し、おむつ10を幅方向Xに最大に伸長させた状態として示している。ただし、いずれの態様においても、図柄は、前側部13に限らず、例えばおむつ10全体に配されていてもよい。また、各図柄を含むおむつ10を正面から見た場合に限らず、斜めや側部(すなわち、おむつ10の側部のサイドシール部15側)から見た場合にも前述の視覚的効果を奏する。なお、前述のとおり、実際のおむつの装着状態では、幅方向に最大に伸長させる状態になることは少ないが、最大に伸長させたのと同様の図形(伸長方向にやや歪んでいるが、最大伸長時とほぼ同等形状の図柄)が視認できるため、実際のおむつの装着状態においても下記に示す効果が得られる。
図1は、第1実施態様の図柄51を示している。図柄51において、帯状図形5の帯幅は一定にされている。帯状図形5はその長さ方向を身丈方向Yに向け、幅方向Xに間隔をあけて配されている。図柄51が配される、身丈方向Yの範囲Y1及び幅方向Xの範囲X1の所定領域において、身丈方向Yに所定の長さを有する測定領域Sを身丈方向Yに移動させていくと次のような着色の密度の変化が見られる。すなわち、前記範囲Y1の中間位置Y110から上端位置Y120に向かって、隣りあう帯状図形5の幅方向Xの間隔が広がっていき、帯状図形5の着色の密度は漸次低くなっていく。一方、前記範囲Y1の中間位置Y110から下端位置Y130に向かって、隣りあう帯状図形5の幅方向Xの間隔は幅方向Xの中央(中央線W)に向かって狭まっていく。これにより、中間位置Y110から下端位置Y130に向かうにつれ、幅方向Xの中央付近の着色の密度が周囲よりも高められている。詳細には、帯状図形5のウエスト開口部11側の端部5Aが幅方向Xに扇状に広がり、身丈方向Yの股下部10C側の端部5Bが幅方向Xの中央に密集する配置となっている。これにより、図柄51は、着用者のお腹周りの幅方向の両脇から中央へ、また、身丈方向の上方側から下方側に向かって大きくなる膨らみに対応して、おむつ10のウエスト開口部11側から下方側の幅方向Xの中央付近に向かって着色の密度が部分的に高まる構図にされている。
おむつ10の図柄51を配した前側部13を外側からみると、ウエスト開口部11側では、外装体2の白色の中に帯状図形5の色が幅方向Xに離れて(散らばって)薄められた印象を受ける。そこから前述の着色の密度の変化に合わせて、下方側(股下部10C側)に向かうにつれ、幅方向Xの中央付近に向けて収束するように、帯状図形5の色が濃くなっていくように見える。これにより、図柄51を見た者は、前記着色の密度の変化に誘導されて、ウエスト開口部11側から下方側の幅方向Xの中央付近に向かっておむつ10が徐々に絞られていくかのような印象を受け、膨らんだ印象が抑えられる。この図柄51の視覚的効果によって、おむつ10は、着用者のお腹周り、特に下腹部の膨らみを視覚的に目立たないようにする効果を奏する。
図3は、第2実施態様の図柄52を示している。図柄52において、帯状図形5の帯幅は一定にされている。帯状図形5はその長さ方向を幅方向Xに向け、身丈方向Yに間隔をあけて配されている。図柄52が配される、身丈方向Yの範囲Y1及び幅方向Xの範囲X1の所定領域において、身丈方向Yに所定の長さを有する測定領域Sを身丈方向Yに移動させていくと次のような着色の密度の変化が見られる。すなわち、前記範囲Y1の中間位置Y110から上端位置Y120に向かって、隣りあう帯状図形5の身丈方向Yの間隔は漸次広がっていき、帯状図形5の着色の密度は漸次低くなっていく。一方、前記範囲Y1の中間位置Y110から下端位置Y130に向かって、隣りあう帯状図形5の身丈方向Yの間隔は狭まっていき、帯状図形5の着色の密度は漸次高くなっていく。これにより、図柄52は、幅方向Xの全体に亘って、着用者のお腹周りの身丈方向の上方側から下方側に向かって大きくなる膨らみに対応して、おむつ10のウエスト開口部11から下方側に向かって、帯状図形5による着色の密度が部分的に高まる構図にされている。
おむつ10の図柄52を配した前側部13を外側からみると、ウエスト開口部11側では、外装体2の白色の中に、幅方向Xに広がる帯状図形5の色が身丈方向Yに離れて(散らばって)薄められた印象を受ける。そこから前述の着色の密度の変化に合わせて、股下部10C側に向かうにつれ、帯状図形5の幅方向X全体の色が濃くなっていくように見える。これにより、図柄52を見た者は、前記着色の密度の変化に誘導されて、ウエスト開口部11側から下方側に向かっておむつ10が徐々に絞られていくかのような印象を受け、膨らんだ印象が抑えられる。この図柄52の視覚的効果によって、おむつ10は、着用者のお腹周り、特に下腹部の膨らみを視覚的に目立たないようにする効果を奏する。
なお、図1に示す第1実施態様の図柄51及び図3に示す第2実施態様の図柄52においては、帯状図形5の帯幅はそれぞれ同じにして示したが、これに限らず上記の視覚的効果を奏する限り、帯状図形5ごとに帯幅を異なるものとしてもよい。
図4及び図5はそれぞれ、第3実施態様の図柄53、第4実施態様の図柄54を示している。第3実施態様の図柄53は、第1実施態様の図柄51における帯状図形5の帯幅を、ウエスト開口部11側の端部5Aよりも下方側(股下部10C側)の端部5Bにて広くしたものである。第4実施態様の図柄54は、第2実施態様の図柄52における帯状図形5の間隔を均等にし、かつ、帯状図形5の帯幅をウエスト開口部11側よりも下方側(股下部10C側)のものほど広くしたものである。これにより、図柄53及び図柄54においては、ウエスト開口部11から下方側に向かって、帯状図形5による着色の密度がより高まる構図にされている。
第3実施態様の図柄53、第4実施態様の図柄54はいずれも、ウエスト開口部11側から下方側(股下部10C側)に向かうにつれ、前述の帯状図形5の色が濃くなっていくように見える視覚的効果がより強くなる。これにより、おむつ10は、着用者のお腹周り、特に下腹部の膨らみを視覚的に目立たないようにする効果をより強く奏することとなる。
図6は、第5実施態様の図柄55を示している。図柄55において、帯状図形5は、その長さ方向を身丈方向Yに向け、幅方向Xに間隔をあけて配されている。各帯状図形5は、身丈方向Yの途中で、おむつ10の幅方向Xの中央側(中央線W側)へ凸状に湾曲する形状を有する。図柄55が配される、身丈方向Yの範囲Y1及び幅方向Xの範囲X1の所定領域において、身丈方向Yに所定の長さを有する測定領域Sを身丈方向Yに移動させていくと次のような着色の密度の変化が見られる。すなわち、前記範囲Y1の中間位置Y110において、帯状図形5は幅方向Xの中央(中央線W)側に集められ、帯状図形5の着色の密度は幅方向Xの中央付近で高められている。一方、前記範囲Y1の中間位置Y100から上端位置Y120及び下端位置Y130に向かって、帯状図形5が幅方向Xの左右外方へと湾曲し、間隔が広がっていき、帯状図形5の着色の密度は漸次低くなっていく。言い換えると、上端位置Y120及び下端位置Y130から身丈方向Yの中間位置Y110に向かうにつれ、幅方向Xの中央付近の着色の密度が周囲よりも高められている。これにより、図柄55は、着用者のお腹周りの幅方向の両脇から中央に向かって大きくなる膨らみに対応して、おむつ10の前側部13の上端位置及び下端位置の左右外方から幅方向Xの中央に向けて、帯状図形5による着色に密度が部分的に高まるよう変化する構図にされている。
おむつ10の図柄55を配した前側部13を外側から見ると、ウエスト開口部11側及び股下部10C側では帯状図形5の色が幅方向Xに離れて薄くされた印象を受ける。そこから、身丈方向Yの途中の凸状の湾曲にされた部分に沿って、幅方向Xの左右外方から幅方向Xの中央側に向けて、帯状図形5の色が濃くなっていくように見える。これにより、図柄55を見た者は、前記着色の密度の変化に誘導されて、凸状の湾曲に沿って、おむつ10が絞られていくかのような印象を受け、膨らんだ印象が抑えられる。この図柄55の視覚的効果によって、おむつ10は、着用者のお腹周りの膨らみを視覚的に目立たないようにする効果を奏する。
図7は、第6実施態様の図柄56を示している。図柄56において、帯状図形5は、その長さ方向を幅方向Xに向け、身丈方向Yに間隔をあけて配されている。この帯状図形5は、幅方向Xの中央線Wに沿って、おむつ10のウエスト開口部11側から身丈方向Yの下方側へ凸状に湾曲する形状を有する。加えて、身丈方向Yの下方側に行くほど湾曲の程度が小さくされている。図柄56が配される、身丈方向Yの範囲Y1及び幅方向Xの範囲X1の所定領域において、幅方向Xに所定の長さを有する測定領域Sを幅方向Xに移動させていくと次のような着色の密度の変化が見られる。すなわち、前記範囲X1の中間位置X110において、帯状図形5は身丈方向Yの下方側に集められ、帯状図形5の着色の密度は身丈方向Yの下方側で高められている。一方、前記範囲X1の中間位置X100から左端位置X120及び右端位置X130に向かうにつれ、帯状図形5は身丈方向Xの上方側外方へと湾曲し、間隔が広がっていき、帯状図形5の着色の密度は漸次低くなっていく。言い換えると、左端位置X120及び右端位置X130から中間位置X110に向かうにつれ、下方側の着色の密度が周囲よりも高められている。これにより、図柄56は、着用者のお腹周りの幅方向の両脇から中央へ、また、身丈方向の上方側から下方側に向かって大きくなる膨らみに対応して、おむつ10の前側部13の幅方向Xの左右外方から幅方向Xの中央線Wの身丈方向Yの下方側の1点に向けて、帯状図形5による着色に密度が部分的に高まるよう変化する構図にされている。
おむつ10の図柄56を配した前側部13を外側からみると、幅方向Xの左右外方では、帯状図形5の色が身丈方向Yに離れて薄くされた印象を受ける。そこから、凸状の湾曲にされた部分に沿ってウエスト開口部11側から身丈方向Yの下方側に向けて、帯状図形5の色が濃くなっていくように見える。これにより、図柄56を見た者は、前記着色の密度の変化に誘導されて、凸状の湾曲に沿って、おむつ10が絞られていくかのような印象を受け、膨らんだ印象が抑えられる。この図柄56の視覚的効果によって、おむつ10は、着用者のお腹周り、特に下腹部の膨らみを視覚的に目立たないようにする効果を奏する。
なお、図6に示す第5実施態様の図柄55及び図7に示す第6実施形態の図柄56において、間隔を均等にして示したが、これに限らず不均等であってもよい。例えば、凸状の湾曲された部分の間隔が徐々に狭まるようにしてもよい。また、帯状図形5それぞれの帯幅、帯状図形5相互の帯幅を均等にする場合に限らず、不均等にしてもよい。
図柄51〜56は、上記の視覚的効果をより高める観点から、下記の範囲に配置されることが好ましい。
すなわち、図柄51〜56は、幅方向Xの中央線Wから左右に広がる範囲X1として、おむつ10の前側部13全体の幅長さXL(サイドシール部15を含む長さ)の10%以上の長さの範囲にあることが好ましく、30%以上の長さの範囲にあることがより好ましく、また、100%以下の長さの範囲にあることが好ましく、80%以下の長さの範囲にあることがより好ましい。具体的には、図柄51〜75は、幅方向Xの中央線Wから左右に広がる範囲X1として、おむつ10の前側部13全体の幅長さXL(サイドシール部15を含む長さ)の10%以上100%以下の長さの範囲にあることが好ましく、30%以上80%以下の長さの範囲にあることがより好ましい。
また、図柄51〜56は、おむつ10の前側部13における範囲Y1として、おむつ10の展開状態における身丈方向Yの長さYL(図2参照)の10%以上の長さの範囲にあることが好ましく、15%以上の長さの範囲にあることがより好ましく、また、35%以下の長さの範囲にあることが好ましく、25%以下の長さの範囲にあることがより好ましい。具体的には、図柄51〜56は、おむつ10の前側部13における範囲Y1として、おむつ10の展開状態のおける身丈方向Yの長さYL(図2参照)の10%以上35%以下の長さの範囲にあることが好ましく、15%以上25%以下の長さの範囲にあることがより好ましい。
加えて、図柄51〜56は、おむつ10のウエスト開口部11側の端縁11Aからの離間距離R1を0mm以上とすることが好ましく、15mm以上とすることがより好ましく、また、40mm以下とすることが好ましく、35mm以下とすることがより好ましい。具体的には、図柄51〜56は、おむつ10のウエスト開口部11側の端縁11Aから離間距離R1を0mm以上40mm以下とすることが好ましく、15mm以上35mm以下とすることがより好ましい。
さらに、図柄51〜56それぞれにおいて、帯状図形5の本数は、前述の視覚的効果の観点から、3本以上が好ましく、5本以上がより好ましく、また、15本以下が好ましく、10本以下がより好ましい。具体的には、帯状図形5の本数は、3本以上15本以下が好ましく、5本以上10本以下がより好ましい。
各帯状図形5の帯幅(太さ)は、前述の視覚的効果の観点から、5mm以上が好ましく、8mm以上がより好ましく、また、20mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましい。具体的には、各帯状図形5の帯幅(太さ)は、5mm以上20mm以下が好ましく、8mm以上15mm以下がより好ましい。
加えて、図柄51(図1)及び図柄53(図4)において、各帯状図形5の身丈方向Y(幅方向Xの中央線W)に対する傾斜角度は、前述の視覚的効果の観点から、−80°以上80°以下の範囲にあることが好ましく、−50°以上50°以下の範囲にあることがより好ましい。更に−35°以上35°以下の範囲にあることがより好ましい。
本発明のパンツ型着用物品は、上記のパンツ型おむつ10の実施形態に限定されるのではなく、種々のパンツ型の物品に適用される。例えば、外装体2は、図2に示す形態に限定されず、腹側部10Fと背側部10Rに分離されているものであってもよい。また、本発明のパンツ型着用物品は、上記のパンツ型おむつ10のように吸収性本体を備えたものに限らず、吸収性本体がないおむつカバーであってもよい。さらに、生理用ショーツなどパンツ型の構造を有する着用物品を広く含む。
1 吸収性本体
2 外装体
5 帯状図形
10 パンツ型おむつ
11 ウエスト開口部
12 レッグ開口部
13 前側部
14 後側部
15 サイドシール部
51、52、53、54、55、56 図柄
X 幅方向
Y 身丈方向

Claims (6)

  1. ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部、並びに、着用者の腹側及び背側それぞれに向けて配される前側部及び後側部を備え、身丈方向及び該身丈方向と直交する幅方向を有するパンツ型着用物品であって、
    前記パンツ型着用物品には、有色の帯状図形を複数、間隔をあけて配された縞状模様の図柄が外側から視認可能に配されており、
    前記図柄では、前記パンツ型着用物品を前記幅方向に最大に伸長させた状態で、前記縞状模様における前記帯状図形による着色の密度が部分的に変化しているパンツ型着用物品。
  2. 隣りあう前記帯状図形の間隔は、前記パンツ型着用物品を前記幅方向に最大に伸長させた状態で、前記ウエスト開口部よりも身丈方向の下方側の方が狭くされている請求項1記載のパンツ型着用物品。
  3. 前記帯状図形の帯幅は、前記パンツ型着用物品を前記幅方向に最大に伸長させた状態で、前記ウエスト開口部よりも身丈方向の下方側の方が広くされている請求項1又は2記載のパンツ型着用物品。
  4. 前記帯状図形がそれぞれ前記身丈方向に沿って配されており、前記パンツ型着用物品を前記幅方向に最大に伸長させた状態で、各帯状図形が前記身丈方向の途中で前記幅方向の中央側へ凸状に湾曲する形状を有し、前記凸状の部分が前記幅方向の左右外方から前記幅方向の中央側に向けて集まる配置を有する請求項1記載のパンツ型着用物品。
  5. 前記帯状図形がそれぞれ前記幅方向に沿って配されており、前記パンツ型着用物品を前記幅方向に最大に伸長させた状態で、各帯状図形が前記幅方向の途中で前記ウエスト開口部側から身丈方向の下方側へ凸状に湾曲する形状を有し、前記身丈方向の下方側に行くほど湾曲の程度が小さくされており、前記凸状の部分が前記身丈方向の下方側に集まる配置を有する請求項1記載のパンツ型着用物品。
  6. 前記図形が前記パンツ型着用物品の前側に配置されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンツ型着用物品。
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