JP2020094500A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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【課題】触媒の硫黄被毒により触媒の異常判定の精度が低下することを抑制する。【解決手段】酸化性能を有する触媒と、触媒の浄化性能が閾値以上であれば触媒が正常であると判定し、浄化性能が閾値未満であれば触媒が異常であると判定する制御装置であって、触媒の吸湿性に基づいて閾値を変更する制御装置と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
フィルタよりも上流側と下流側との差圧の変化速度から算出される粒子状物質(PM)の酸化速度と、燃料の硫黄濃度が設定値通りであると仮定した場合におけるPMの酸化速度と、の差に応じて燃料の硫黄濃度の設定値を補正する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この技術は、燃料の硫黄濃度が高いほどPMの酸化速度が高くなる現象に基づいている。
特開2016−142256号公報
ここで、燃料に含まれる硫黄成分が酸化触媒に吸着されると、酸化触媒の浄化性能が低下する所謂硫黄被毒が発生する。酸化触媒が劣化しているか否かを判定する異常判定を実施する場合に、硫黄被毒が発生していると、酸化触媒が異常であると判定される虞がある。しかし、貴金属のシンタリング等によって酸化触媒が劣化している場合とは異なり、硫黄被毒は回復することができる。したがって、硫黄被毒が発生していることにより浄化性能が低下している場合に、酸化触媒に異常があると判定されることは好ましくない。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、触媒の硫黄被毒により触媒の異常判定の精度が低下することを抑制することにある。
本発明の態様の一つは、内燃機関の排気通路に設けられ酸化性能を有する触媒と、前記触媒の浄化性能が閾値以上であれば前記触媒が正常であると判定し、前記浄化性能が前記閾値未満であれば前記触媒が異常であると判定する制御装置であって、前記触媒の吸湿性に基づいて前記閾値を変更する制御装置と、を備える内燃機関の排気浄化装置である。
吸湿性は、触媒が水を吸着する場合において水の吸着し易さを示す指標である。吸湿性は、例えば、触媒が正常であり且つ触媒に硫黄成分が吸着していないと仮定したときに触媒に吸着される水の量の推定値に対する、実際に触媒に吸着される水の量の比である。また、吸湿性は、例えば、触媒が正常であり且つ燃料の硫黄濃度が設定値であると仮定したときに触媒に吸着される水の量の推定値に対する、実際に触媒に吸着される水の量の比である。触媒に水が吸着されるのは、触媒の温度が比較的低い場合であり、例えば、内燃機関の冷間始動時等であるため、吸湿性はこのようなときに取得してもよい。浄化性能は、触媒が排気を浄化する性能を示す指標である。例えば、排気の特定の成分を検出するセンサを設け、該センサの検出値に基づいて浄化性能を取得してもよい。この浄化性能は、触媒における排気の浄化率に基づいていてもよい。また、浄化性能は、例えば、触媒が正常であり且つ触媒に硫黄成分が吸着していないと仮定した場合にHC(還元剤)を供給したときの触媒における排気の温度の上昇量の推定値に対する、実際にHCを供給したときの触媒における排気の温度の上昇量の比である。触媒にHCを供給するのは、例えばフィルタの再生時や触媒の温度上昇時であるため、浄化性能はこのようなときに取得してもよい。
触媒に硫黄成分が吸着されると、触媒の吸湿性が高まる。すなわち、触媒に吸着された硫黄成分の量が多くなるほど、触媒により多くの水が吸着される。一方、触媒に吸着された硫黄成分の量が多くなるほど、触媒の浄化性能が低下する。したがって、吸湿性が高い場合には、それに応じて触媒の浄化性能も低下する。この場合の浄化性能の低下は、触媒から硫黄成分を放出させる処理を実施することにより解消可能である。したがって、硫黄被毒による浄化性能の低下分は触媒の異常判定時に除外して考える。すなわち、硫黄被毒による浄化性能の低下に応じて閾値を変更して、浄化性能と閾値とを比較することで触媒の異常判定を実施する。これにより、触媒の硫黄被毒により触媒の異常判定の精度が低下することを抑制できる。
また、前記制御装置は、前記吸湿性が高いほど、前記閾値を小さくしてもよい。
すなわち、触媒に吸着された硫黄成分の量が多いほど、吸湿性が高くなるため、その分、閾値を小さくすることにより、硫黄被毒が触媒の異常判定に及ぼす影響を小さくすることができる。
また、前記触媒から流出する排気の温度を検出する温度センサを更に備え、前記制御装置は、前記内燃機関の冷間始動時点からの前記温度センサの検出値の上昇率に基づいて、前記吸湿性を取得してもよい。
温度センサの検出値の上昇率は、触媒から流出する排気の温度の単位時間当たりの増加量としてもよい。ここで、内燃機関の冷間始動後に触媒から流出する排気の温度が徐々に上昇する過程において、この排気の温度が略一定になる期間が存在する。この現象は、触媒に吸着されていた水が蒸発することにより起こる。この期間では、触媒に流入する排気の温度と、触媒から流出する排気の温度との差が大きくなる。触媒から流出する排気の温度が略一定になる期間は、触媒に吸着されていた水の量と相関関係にある。すなわち、吸湿性と相関関係にある。そのため、内燃機関の冷間始動時点からの温度センサの検出値の上昇率に基づいて、吸湿性を取得することができる。
また、前記制御装置は、前記内燃機関の冷間始動時点からの前記温度センサの検出値の上昇率が0を含む所定範囲内になる期間に基づいて、前記吸湿性を取得してもよい。
温度センサの検出値の上昇率が0を含む所定範囲内になる期間とは、上昇率がほとんど変化しない期間であり、上昇率が0である期間または上昇率が0であると考えても差し支えのない期間である。触媒に吸着されていた水が蒸発している期間は、温度センサの検出値の上昇率が略0になる。したがって、温度センサの検出値の上昇率が0を含む所定範囲内になる期間は、触媒に吸着されていた水が蒸発している期間と考えることができ、この期間の長さは、触媒に吸着されていた水の量と相関関係にあるため、触媒の吸湿性と相関関係にある。したがって、この期間に基づいて、吸湿性を取得することができる。
本発明によれば、触媒の硫黄被毒により触媒の異常判定の精度が低下することを抑制できる。
実施例に係る内燃機関の排気浄化装置の概略構成を示す図である。 酸化触媒の温度と浄化率との関係を示した図である。 内燃機関の冷間始動後に酸化触媒に流入する排気の温度と、酸化触媒から流出する排気の温度との推移を示したタイムチャートである。 酸化触媒における吸湿性と、酸化触媒の浄化性能との関係を示した図である。 実施例に係る酸化触媒の異常判定を実施するフローを示したフローチャートである。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
図1は、本実施例に係る内燃機関の排気浄化装置の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、ディーゼル機関であっても、また、ガソリン機関であってもよい。内燃機関1は、たとえば車両に搭載される。
内燃機関1には、排気通路2が接続されている。この排気通路2の途中には、排気の流れ方向の上流側から順に、酸化触媒3とフィルタ4とが設けられている。酸化触媒3は、酸化性能を有する触媒であればよく、例えば三元触媒または吸蔵還元型NOx触媒であってもよい。フィルタ4は、排気中の粒子状物質(PM)を捕集する。なお、酸化触媒3は、フィルタ4に担持されていてもよい。
また、酸化触媒3よりも上流の排気通路2には、排気の温度を検出する第一温度センサ11が取り付けられている。酸化触媒3よりも下流且つフィルタ4よりも上流の排気通路2には、排気の温度を検出する第二温度センサ12が取り付けられている。なお、第一温度センサ11により、酸化触媒3に流入する排気の温度を検出することができる。また、第二温度センサ12により、酸化触媒3から流出する排気の温度を検出することができる。
内燃機関1には、該内燃機関1へ燃料を供給する噴射弁6が取り付けられている。また、内燃機関1には、吸気通路8が接続されている。吸気通路8の途中には、内燃機関1の吸入空気量を調整するスロットル9が設けられている。スロットル9よりも吸気の流れ方向の上流側の吸気通路8には、内燃機関1の吸入空気量を検出するエアフローメータ14が取り付けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(コントローラ)であるECU10が併設されている。ECU10は、プロセッサ、主記憶部、補助記憶部を有したコンピュータである。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1を制御する。ECU10には、上記センサの他、運転者がアクセルペダル15を踏み込んだ量に応じた電気信号を出力し機関負荷を検知するアクセル開度センサ16、および機関回転速度を検知するクランクポジションセンサ17が電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU10に入力される。一方、ECU10には、噴射弁6、スロットル9が電気配線を介して接続されており、該ECU10によりこれらの機器が制御される。このときには、プロセッサが、主記憶部上の所定のプログラムを実行する。
ECU10は、フィルタ4に堆積したPMを除去する処理であるフィルタ4の再生を行う。ECU10は、フィルタ4に捕集されているPMの量が所定量に達すると、酸化触媒3へHC(還元剤)を供給する。酸化触媒3においてHCが酸化されると、排気の温度が上昇する。この温度の高い排気をフィルタ4に流通させることにより、フィルタ4の温度
を上昇させることができるので、PMを酸化させてフィルタ4から除去することができる。このように、ECU10は、酸化触媒3へHCを供給することで、フィルタ4の再生を行なう。例えば、酸化触媒3よりも上流側に燃料を供給する添加弁を設けることにより、酸化触媒3にHCを供給することができる。また、内燃機関1の空燃比を理論空燃比よりも小さな空燃比であるリッチ空燃比に調整することにより、酸化触媒3にHCを供給することができる。この場合、スロットル9の開度を調整したり、又は、噴射弁6からの燃料噴射量を調整したりすることにより、空燃比を調整する。
また、ECU10は、酸化触媒3の浄化性能を閾値と比較することにより、酸化触媒3の異常判定を行う。ECU10は、酸化触媒3の浄化性能が、閾値以上であれば酸化触媒3が正常であると判定し、閾値未満であれば酸化触媒3が異常であると判定する。この閾値は、酸化触媒3が正常である場合の浄化性能の下限値である。
本実施例では、酸化触媒3の浄化性能を、酸化触媒3にHCを供給したときの、排気の温度の上昇量の推定値に対する、実際の排気の温度の上昇量の比と定義する。排気の温度の上昇量の推定値は、酸化触媒3が正常であり且つ酸化触媒3に硫黄成分が吸着していないと仮定した場合に、酸化触媒3にHCを供給したならば、酸化触媒3において排気の温度がどれだけ上昇するのかを推定した値である。酸化触媒3が正常であり且つ酸化触媒3に硫黄成分が吸着していないと仮定した場合とは、例えば、酸化触媒3の劣化の度合いが低いために酸化触媒3が所望の性能を発揮すると仮定したとき、または、酸化触媒3が新品であると仮定したときである。また、酸化触媒3にHCを供給したときの実際の排気の温度の上昇量は、実際にHCを供給した酸化触媒3における排気の温度の上昇量であり、第二温度センサ12の検出値から第一温度センサ11の検出値を減算することにより算出できる。
酸化触媒3の劣化の度合いが高くなるにしたがって、HCを酸化させる能力が低下するため、酸化触媒3にHCを供給したときの酸化触媒3における排気の温度の上昇量が低下する。したがって、この排気の温度の上昇量は、酸化触媒3の劣化の度合いと相関関係にある。このため、排気の温度の上昇量に基づいて、浄化性能を取得している。なお、排気の温度の上昇量は、酸化触媒3に流入する排気のHC濃度と相関関係にある。したがって、排気の温度の上昇量の推定値は、排気のHC濃度に基づいて算出される。このHC濃度は、内燃機関1の空燃比(吸入空気量及び燃料噴射量)に基づいて算出することができる。
また、HCを供給したときの酸化触媒3における排気の温度の上昇量は、内燃機関1に供給される燃料量や、排気の流量の影響を受ける。ここで、図2は、酸化触媒3の温度と浄化率との関係を示した図である。排気流量が多いほど、燃料量が多いほど、酸化触媒3の劣化の度合いが高いほど、又は、酸化触媒3の硫黄被毒の度合いが高いほど、図2における矢印の方向に酸化触媒3の温度と浄化率との関係が変化する。したがって、これらを考慮して酸化触媒3における排気の温度の上昇量の推定値を算出する。以上の関係は、予め実験またはシミュレーション等により求めてECU10に記憶させておく。
ECU10は、酸化触媒3の浄化性能を、フィルタ4の再生を行うときに算出する。フィルタ4の再生時には酸化触媒3にHCが供給され、このときに酸化触媒3における排気の温度が上昇するため、上記のように浄化性能を算出することができる。
なお、浄化性能は他にも定義が可能である。本実施例における浄化性能は、酸化触媒3が排気を浄化する性能を示す指標であればよい。例えば、酸化触媒3の劣化の度合いは、フィルタ4の再生時におけるフィルタ4よりも上流とフィルタ4よりも下流の差圧と相関関係があるため、この差圧に基づいて浄化性能を取得してもよい。また、HC等を検出す
るセンサを酸化触媒3よりも下流の排気通路2に取り付けて、このセンサの検出値に基づいて酸化触媒3の浄化性能を取得してもよい。
燃料中の硫黄成分が酸化触媒3に吸着されると、酸化触媒3に硫黄被毒が発生する。この硫黄被毒が発生することにより、酸化触媒3の浄化性能が低下する。このような硫黄被毒による酸化触媒3の浄化性能の低下は、酸化触媒3の温度を上昇させることにより酸化触媒3から硫黄成分を放出させることで解消できる。一方、貴金属のシンタリング等によって浄化性能が低下した場合には、酸化触媒3の浄化性能を回復させることは困難である。したがって、貴金属のシンタリング等が原因で浄化性能が低下した場合に限り、酸化触媒3が異常であると判定することが望ましい。一方、硫黄被毒のみが原因で浄化性能が低下した場合には、酸化触媒3が正常であると判定することが望ましい。そのため、ECU10は、酸化触媒3の異常判定に用いる閾値を以下のように設定する。
ここで、酸化触媒3に燃料中の硫黄成分が吸着されると、酸化触媒3の吸湿性が高くなる。すなわち、酸化触媒3の吸湿性と酸化触媒3に吸着されている硫黄成分の量とは相関関係にあり、したがって、硫黄被毒による浄化性能の低下は酸化触媒3の吸湿性と相関関係にあるといえる。なお、本実施例では、酸化触媒3の吸湿性を、酸化触媒3に吸着される水の量の推定値に対する、実際に酸化触媒3に吸着される水の量の比と定義する。この水の量の推定値は、酸化触媒3が正常であり且つ酸化触媒3に硫黄成分が吸着していないと仮定した場合に、酸化触媒3にどれだけの水が吸着されるのかを推定した値である。この水の量の推定値は、内燃機関1の冷間始動時点からの運転履歴に基づいて推定される。
また、実際に酸化触媒3に吸着された水の量は、内燃機関1の冷間始動後に酸化触媒3から流出する排気の温度に基づいて検出することができる。ここで、内燃機関1の冷間始動後から酸化触媒3の温度が上昇していく過程において、酸化触媒3がまだ活性していない場合(酸化触媒3の温度が例えば150℃以下の場合)には、酸化触媒3に吸着されていた水の蒸発熱の影響によって、酸化触媒3の温度が上昇しない時期がある。すなわち、酸化触媒3から流出する排気の温度が略一定になる時期がある。
図3は、内燃機関1の冷間始動後に酸化触媒3に流入する排気の温度と、酸化触媒3から流出する排気の温度との推移を示したタイムチャートである。実線は、酸化触媒3から流出する排気の温度を示し、一点鎖線は、酸化触媒3に流入する排気の温度を示している。そのため、実線は第二温度センサ12の検出値と考えることができ、一点鎖線は第一温度センサ11の検出値と考えることができる。酸化触媒3に吸着されていた水は、100℃付近で酸化触媒3から蒸発するため、100℃付近において酸化触媒3から流出する排気の温度が略一定になる。そして、図3においてT1からT2までの期間が、酸化触媒3から流出する排気の温度が略一定になる期間である。この期間は、第二温度センサ12の検出値の上昇率が0を含む所定範囲内になる期間といえる。
この排気の温度が略一定になる期間は、酸化触媒3に吸着されていた水の量と相関関係にある。すなわち、酸化触媒3に吸着されていた水の量が多いほど、酸化触媒3から流出する排気の温度が略一定になる期間が長くなる。したがって、内燃機関1の冷間始動後に酸化触媒3から流出する排気の温度を第二温度センサ12により検出し、この検出値が一定になる期間に基づいて、酸化触媒3に吸着されていた水の量を算出することができる。排気の温度が略一定になる期間と、酸化触媒3に吸着されていた水の量とは予め実験またはシミュレーション等により求めることができる。
なお、吸湿性は他にも定義が可能である。本実施例における吸湿性は、酸化触媒3が水を吸着する場合において水の吸着し易さを示す指標であればよい。例えば、酸化触媒3に流入する排気の温度と、酸化触媒3から流出する排気の温度との差に排気の流量を乗算し
た値を積算した値(以下、温度差積算値ともいう。)は、酸化触媒3に吸着されている水の量と相関関係にある。すなわち、酸化触媒3に吸着されている水の量が多いほど、酸化触媒3から流出する排気の温度が略一定になる期間が長くなることにより、温度差積算値が大きくなる。したがって、温度差積算値に基づいて酸化触媒3に吸着されていた水の量を算出することで、吸湿性を取得してもよい。
上記のように推定される酸化触媒3の浄化性能が低い場合には、硫黄被毒または酸化触媒3の劣化が考えられるが、硫黄被毒の場合には、内燃機関1の冷間始動時に酸化触媒3に吸着されていた水の量が多くなる。そのため、浄化性能が低い場合であっても、吸湿性が高い場合には、硫黄被毒により浄化性能が低下していると考えられる。そのため、吸湿性が高い場合には、浄化性能が低い場合であっても酸化触媒3が異常であると判定し難くする。
図4は、酸化触媒3における吸湿性と、酸化触媒3の浄化性能との関係を示した図である。図4の関係に基づいて酸化触媒3の異常判定が実施される。すなわち、図4における閾値よりも低い範囲では、酸化触媒3が異常であると判定され、閾値以上の範囲では、酸化触媒3が正常であると判定される。ここで、吸湿性が高い場合には、燃料の硫黄濃度が高いと考えられる。したがって、酸化触媒3の浄化性能が低下していても、硫黄被毒の影響がより大きいと考えられる。そのため、吸湿性が高いほど、閾値が小さくなるようにしている。すなわち、吸湿性が高いほど硫黄被毒による浄化性能の低下が大きくなるため、その浄化性能の低下分だけ閾値を小さくして酸化触媒3の異常判定を実施する。
図5は、本実施例に係る酸化触媒3の異常判定を実施するフローを示したフローチャートである。本フローチャートは、ECU10により所定時間毎に実行される。ステップS101では、内燃機関1の冷間始動時であるか否か判定される。第二温度センサ12の検出値が、冷間始動時であるときの値以下(例えば150℃以下)の場合に、内燃機関1の冷間始動時であると判定される。なお、内燃機関1が始動されてからの経過時間が所定時間以内であれば、内燃機関1の冷間始動時であると判定してもよい。ステップS101で肯定判定された場合にはステップS102へ進み、否定判定された場合にはステップS106へ進む。
ステップS102では、第二温度センサ12の検出値の上昇率(以下、排気の温度上昇率ともいう。)が所定率以下であるか否か判定される。所定率は、0または0と同等の値であり、酸化触媒3から流出する排気の温度が上昇していないと考えてもよい値である。ステップS102では、図3におけるT1の時刻に達したか否か判定しているといえる。ステップS102で肯定判定された場合にはステップS103へ進み、否定判定された場合には本ルーチンを一旦終了する。
ステップS103では、時間がカウントされ、ステップS104では、排気の温度上昇率が所定率よりも大きくなったか否か判定される。ステップS104では、図3におけるT2の時刻を超えたか否か判定しているといえる。ステップS104で肯定判定された場合にはステップS105へ進み、否定判定された場合にはステップS103へ戻って時間がカウントされる。
ステップS105では、酸化触媒3の吸湿性が算出される。さらに、ステップS105で算出された吸湿性と、図4に示した関係とから、閾値が算出される。ステップS105では、ステップS103においてカウントされた時間に基づいて、吸湿性が算出される。ステップS103においてカウントされた時間と、吸湿性との関係は、予め実験またはシミュレーション等により求めておく。
ステップS106では、酸化触媒3の浄化性能を算出可能な条件が成立しているか否か判定される。本実施例では、フィルタ4の再生が行われるときに酸化触媒3の浄化性能を算出するため、フィルタ4の再生が行われることを酸化触媒3の浄化性能を算出可能な条件とする。ステップS106で肯定判定された場合にはステップS107へ進み、否定判定された場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS107では、酸化触媒3の浄化性能が算出される。そして、ステップS108では、酸化触媒3の浄化性能が閾値以上であるか否か判定される。ステップS108で肯定判定された場合にはステップS109へ進んで、酸化触媒3が正常であると判定される。一方、ステップS108で否定判定された場合にはステップS110へ進んで、酸化触媒3が異常であると判定される。
以上説明したように本実施例によれば、酸化触媒3に吸着されている硫黄成分による浄化性能の低下を考慮して酸化触媒3の異常判定を実施するため、より精度の高い異常判定が可能となる。
1 内燃機関
2 排気通路
3 酸化触媒
4 フィルタ
6 噴射弁
8 吸気通路
9 スロットル
10 ECU
11 第一温度センサ
12 第二温度センサ

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ酸化性能を有する触媒と、
    前記触媒の浄化性能が閾値以上であれば前記触媒が正常であると判定し、前記浄化性能が前記閾値未満であれば前記触媒が異常であると判定する制御装置であって、前記触媒の吸湿性に基づいて前記閾値を変更する制御装置と、
    を備える内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記制御装置は、前記吸湿性が高いほど、前記閾値を小さくする、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記触媒から流出する排気の温度を検出する温度センサを更に備え、
    前記制御装置は、前記内燃機関の冷間始動時点からの前記温度センサの検出値の上昇率に基づいて、前記吸湿性を取得する、請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記制御装置は、前記内燃機関の冷間始動時点からの前記温度センサの検出値の上昇率が0を含む所定範囲内になる期間に基づいて、前記吸湿性を取得する、請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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