JP2020091717A - 車載通信装置、車載通信装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents

車載通信装置、車載通信装置の制御方法、及びプログラム Download PDF

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【課題】利便性をより適切に向上させること。【解決手段】自車両2の周囲の他車両3の車両情報60を受信するV2Xチューナ部34と、車両情報60を前記自車両2に設けられた受取側に出力するインターフェース部36と、前記受取側への出力を制御する制御部54と、を備え、前記制御部54は、隊列と見做せる他車両3の車列70を、当該他車両3の車両情報60に基づいて特定する車列特定部55と、車列70の先頭を除く各他車両3について、その車両情報60よりもデータ量が小さな低データ量車両情報60Aを、当該車列70の各他車両3の車両情報60に基づいて生成する車両情報低データ量化部56と、を有し、前記受取側へ前記車両情報60を出力する場合、前記車列70を構成する各他車両3については先頭の他車両3を除き前記車両情報60に代えて前記低データ量車両情報60Aを出力する。【選択図】図2

Description

本発明は、車載通信装置、及び車載通信装置の制御方法、及びプログラム。
背景技術として、特開2009−278194号公報(以下、特許文献1と呼ぶ。)がある。特許文献1では、「通信装置1は、前方への指向性を有する前方車群内通信部11と後方への指向性を有する後方車群内通信部12とを備え、自身が配される車両の車両情報を前方へ送信し、他の通信装置1から送信される車両情報を後方から受信する。通信装置1は自車両情報と後方から受信した他の車両の車両情報とを含む自車群情報を作成し、車群間通信部13により他の通信装置1,1,・・と相互に送受信する。通信装置1は情報処理部14により、自車群情報と他車群情報とで車両情報が重複しないように各車群情報を分離・結合する。」と記載されている。
特開2009−278194号公報
特許文献1に記載の発明では、自車両の走行に影響を与える車両かどうかに関わらずに、車両の情報が要約される可能性があった。この場合、自車両の前を走行する車両の情報が要約されると、自車両の前を走行する車両に関する、要約された情報が自車両内のシステムへ送信されるため、当該システムが車両の情報を利用する際の利便性を損なう可能性があった。
本発明は、利便性をより適切に向上させた車載通信装置、車載通信装置の制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、自車両の周囲の他車両の車両情報を受信する受信部と、前記他車両の車両情報を前記自車両に設けられた受取側に出力する出力部と、前記受取側への出力を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、隊列と見做せる他車両の車列を、当該他車両の車両情報に基づいて特定する車列特定部と、前記車列の先頭を除く各他車両について、その車両情報よりもデータ量が小さな低データ量車両情報を、当該車列の各他車両の車両情報に基づいて生成する車両情報低データ量化部と、前記受取側へ前記車両情報を出力する場合、前記車列を構成する各他車両については先頭の他車両を除き前記車両情報に代えて前記低データ量車両情報を出力することを特徴とする車載通信装置を提供する。
本発明によれば、より適切に利便性を向上できる。
本発明の実施形態に係る車載システムの概略構成を示す図である。 V2Xユニットの構成を示す図である。 車両情報が含む情報項目の一例を示す図である。 車載システムのシステム構成を示す図である。 車両情報データベースの一例を示す図である。 上位システムへの通知の動作タイミングを概念的に示す図である。 車載システムにおけるV2Xユニットと他の車載装置との間の通信負荷の説明図である。 自車両の周辺に多数の他車両が走行している状況を概念的に示す図であり、(A)は車列の特定元となる状況を示し、(B)は車列の特定結果を示す。 V2Xユニットのメインマイコンの動作を示す図である。 データ統合処理のフローチャートである。 3台の他車両が隊列を成して走行している状況を示す図である。 後続候補車の前方に位置すると見做せる範囲を示す図である。 前走候補車と後続候補車の走行速度の差が40%の場合の車両運動状態を示す図である。 データ統合処理におけるステップS7の処理内容を示す概念図である。 データ統合処理におけるステップS7の処理内容の詳細を示す概念図である。 式(2)の概念図である。 車列情報データベースの一例を示す図である。 車列に他車両が追加されたときの車列情報データベースの更新結果の一例を示す図である。 本発明の変形例2を説明するための図である。 同変形例2に係るデータ統合処理のフローチャートである。 本発明の変形例3を説明するための図である。 同変形例3に係るデータ統合処理のフローチャートである。 本発明の変形例4を説明するための図である。 同変形例4に係るデータ統合処理のフローチャートである。 車載システムのシステム構成の変形例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る車載システム1の概略構成を示す図である。
同図に示す車載システム1は、ADAS(Advanced Driver Assistance System:先進運転システム)、及び、AD(Autonomous Driving:自動運転)を実現するシステムである。
車載システム1は、自身の車両2(以下、「自車両」と言う)に搭載された複数の車載装置を有し、それぞれの車載装置が車載LAN4を通じて相互にデータを送受する。車載装置としては、ADAS/AD用ECU8と、車両運動制御ECU10と、複数の制御系ユニット12と、ゲートウェイ14と、MPU(Map Positioning Unit)16と、TCU(Telematics Control Unit)18と、HMI(Human−Machine Interface)20と、レーダー22と、赤外線センサ24と、カメラ26と、V2Xユニット30と、が備えられている。
ADAS/AD用ECU8は、ADAS、及びADの機能を実現するECU(Electronic Control Unit)である。車両運動制御ECU10は、自車両2の走行に係る複数の制御系ユニット12を制御するECUである。制御系ユニット12は、例えばアクセルや、ブレーキ、ステアリング、ウィンカー等である。
車載LAN4は、CANやEthernet(登録商標)等の車載通信ネットワークであり、車両系LAN4Aと、情報系LAN4Bとの2つの通信系統を含む。
車両系LAN4Aには、ADAS/AD用ECU8、車両運動制御ECU10、及び、各制御系ユニット12が接続される。
情報系LAN4Bには、ゲートウェイ14、MPU16、TCU18、HMI20、レーダー22、赤外線センサ24、カメラ26、及びV2Xユニット30、並びに、上記ADAS/AD用ECU8が接続される。
ゲートウェイ14、及びTCU18は、例えば携帯電話網などのモバイル通信網と車載システム1とが通信するためのものである。
MPU16は、地図上における自車位置を求めるユニットであり、地図には高精度地図が用いられ、高い精度で自車位置の推定を行う。
HMI20は、ユーザ(例えば乗員)と車載システム1のインターフェースとなる装置であり、ユーザに各種の情報を通知する通知部として機能する。例えばADAS/ADにおいては、HMI20は、ドライバーに注意喚起を促す情報を出力する。
レーダー22、赤外線センサ24、及びカメラ26は、自車両2の周辺状況を取得するためのものである。
またV2Xユニット30はV2X通信を行う車載通信装置であり、このV2X通信によって他車両3(図6)や路側機(道路脇に設置されている通信機)などと自車両2との間で通信が行われる。なお、V2X通信については後述する。
車載システム1は、自動運転を行う場合、ADAS/AD用ECU8が情報系LAN4Bを通じて、MPU16から地図上の自車両2の位置(自車位置)を取得し、レーダー22や赤外線センサ24、カメラ26から周辺環境の情報(標識dや車線、他車両3や歩行者等の道路状況など)を取得する。さらにADAS/AD用ECU8は、V2Xユニット30のV2X通信によって他車両3や路側機から各種の情報を取得する。
ADAS/AD用ECU8は、これら周辺環境の情報、及び、各種の情報に基づいて自車両2の周辺の状況を認識し、自車両2が直近のタイミングにおいて、どのように動くべきかを決定する。そしてADAS/AD用ECU8は、決定した自車両2の動きに係る情報を、車両系LAN4Aを通じて車両運動制御ECU10に送出し、車両運動制御ECU10が各制御系ユニット12を制御して自車両2を自動で運転する。
ADAS/AD用ECU8は、時々刻々と変化する周辺の状況に瞬時に対応するため、周辺環境の情報、及びV2X通信によって取得される情報を、比較的短い周期で収集し、自車両2の周辺状況の認識を継続的に更新する。
次いで、V2X通信について概説する。
V2Xは、車車間(Vehicle to Vehicle)、路車間(Vehicle to Infrastructure)など、車両対任意の機器の通信を示す呼び名であり、欧州、北米、日本でそれぞれ規格化が進められ、試用、運用されている。V2Xは、欧州ではITSC(Intelligent Transport System Communications)としてETSI規格に定められている。また北米では米国を中心にSAE(Society of Automotive Engineers)において規格化が進められており、日本ではITS−CとしてARIB(Association of Radio Industries and Business)によって規格化が進められている。
V2Xの無線通信方式に関しては、既に一部の車両に搭載されているDSRC無線方式の他、C−V2X(セルラーV2X)といわれる携帯電話方式も実用化の検討が進められ、実証実験等が行われている。
V2X通信を行うV2Xユニット30は、自車位置や速度、方位(進行方向)、自車両2の状態を伝えるメッセージを、V2X通信の規格で定められたタイミングで生成し、車車間無線ネットワークに送出することで、周辺の他車両3や路側機に周期的にメッセージを通知する。
メッセージの仕様は、北米ではBSM(Basic Safety Message)として規格化されており、欧州ではCAM(Cooperative Awareness Message)として規格化されている。CAMやBSMには、POTI(Position and Time management)と呼ばれる自車両2の車両位置、車両位置確定時刻、速度、方位、及び、これらの信頼性を表す誤差指標、並びに、VDP(Vehicle Data Provider)と呼ばれるブレーキやハンドル等の車両制御状態の情報が含まれる。近傍に位置する車両同士は、CAMやBSMを送受する車車間通信を通じて互いの車両の位置や走行状態を知ることができる。この車車間通信は、自動運転や注意喚起などのADAS/AD(Autonomous Driving:自動運転)に利用される。
また、V2X通信では、急ブレーキや各種ライトの点灯状態など、自車両2で発生したアクシデントやイベント(以下、「車両イベント情報」と言う)を伝えるメッセージも自車両2から他車両3に通知される。車両イベント情報は、周期的に行われている位置情報等の通知よりも緊急性が高いため、優先度を上げて通知される。この車両イベント情報を伝えるメッセージも、北米ではBSM Part IIとして規格化されており、また、欧州ではDENM(Decentralized Environmental Notification Message)として規格化されている。
図2は、V2Xユニット30の構成を示す図である。
同図に示すように、V2Xユニット30は、メインマイコン32と、V2Xチューナ部34と、インターフェース部36と、サブマイコン38とを備える。またV2Xユニット30は、GNSS(Global Navigation Satellite System)の信号を受信する受信機であるGNSSチューナ40と、慣性センサ42と、車両信号フィルター・カウンター44と、電源回路46と、を備える。
メインマイコン32は、ソフトウェアプログラムを処理するプロセッサであり、無線送受信制御といったV2X通信の制御を行う制御部54の機能を実現する。
V2Xチューナ部34は、V2X通信の信号を受信する受信部、及び送信する送信部として機能する送受信装置であり、V2X通信の信号を受信するためのアンテナ、受信回路、及び、V2X通信の信号を送信するための送信回路を備える。
具体的には、メインマイコン32は、V2Xチューナ部34を制御して、当該V2Xチューナ部34に車車間通信ネットワークNから受信したRF信号を復調させることで、V2X通信の受信パケットを取得する。受信パケットには、他車両3が送出したBSMやCAM、DENMなどのメッセージ、或いは、路側機が送出する情報が格納されている。
V2Xユニット30は、車載LAN4とのインターフェース部36を備え、このインターフェース部36が車両情報60を出力する出力部として機能する。メインマイコン32は、V2Xユニット30の製品仕様で定められたプロトコル形式に受信パケットを変換する。そしてメインマイコン32は、当該受信パケットをV2Xユニット30の出力として、車載LAN4に接続されている適宜の他の車載装置にインターフェース部36を介して通知する。通知先の他の車載装置は、例えば上述したADAS/AD用ECU8であり、受信パケットは、ADASや自動運転の制御のために、このADAS/AD用ECU8によって適宜に利用される。また、ADAS/AD用ECU8が出力する各種の制御信号が車載LAN4、及びインターフェース部36を通じてメインマイコン32に入力される。
一方、メインマイコン32は、V2Xチューナ部34を制御して、自車両2の情報を含むBSMやCAM、DENM形式のメッセージの送信パケットを生成し、それをRF信号に変調させて無線送出する。メインマイコン32は、この無線送出動作を、BSMやCAM、DENM等の規格に定める条件に従って実行する。
本実施形態では、V2X通信における無線通信の物理層には、IEEE802.11pが使われているが、近年、利用を検討されているC−V2X(セルラーV2X)と呼ばれる携帯電話通信が使われてもよい。
無線送出の送出間隔は、例えばETSI規格(CAM)によれば0.1秒から1秒の範囲と定められており、この範囲で、送出間隔は、自車両2の運動状態や自車情報の算出状態により常に可変される。また例えばSAE規格(BSM)では、送出間隔は、概ね100msec間隔と定められているが、自車両2の周辺の車両台数や自車両2の運動状態により変化する。
BSMやCAM形式の車両情報60(図3)には、POTI(Position and Time management:ITS stationの位置及び時刻)、及び、VDP(Vehicle Data Provider:車両状態情報)が含まれる。
VDPは、自車両2のステアリングやギア、アクセル、ブレーキの操作状態、ウィンカー点灯状態、及び、その他の情報であり、上述の制御系ユニット12から出力される。メインマイコン32は、当該VDPを車両データとして車載LAN4、及びインターフェース部36を通じて取得する。
サブマイコン38は、CAN通信によって車両側から車両データを取得するCAN通信インターフェース機能を有する。CAN通信インターフェース機能は、インターフェース部36からCAN信号を受信し、V2Xユニット30(メインマイコン32)が利用するデータをCAN信号から抽出し、メインマイコン32に車両データとして入力する機能を有する。またメインマイコン32は、この車両データに基づいて車両状態、及び、車両速度やリバース信号状態を得る。なお、CAN通信インターフェース機能は、車両CANの仕様で求められる診断機能なども備える。
また上記サブマイコン38は、V2Xユニット30の電源管理の機能を有する。サブマイコン38は、電源回路46を通じて電源入力(電源ソース)から電源の供給を受け、V2Xユニット30の全体の起動・終了を判定し、メインマイコン32の起動・終了を制御する。
なお、サブマイコン38が担う機能を、メインマイコン32が担当してもよい。
POTIは、DR(Dead Reckoning:推測航法)に基づく自車位置更新処理によって求められた位置や位置確定時刻、速度、方位、誤差指標等の情報であり、自車位置更新処理は、メインマイコン32によって実行される。
DRに基づく自車位置更新処理には、GNSS測位情報や、角速度、加速度等のデータ、並びに、車速パルスやリバース信号状態等のデータが使われる。GNSS測位情報は、メインマイコン32がGNSSチューナ40を制御することで取得され、角速度や加速度等のデータは慣性センサ42から得られる。また車速パルスやリバース信号状態等のデータは、車両信号フィルター・カウンター44から得られる。
なお、車速パルス、及びリバース信号状態は、CAN(車載LAN4)から取得する構成もあり得る。また車速パルスに代えて、自車両2の速度情報を自車位置更新処理に用いてもよい。また、DRをメインマイコン32が実行する構成ではなく、GNSSチューナ40にDR機能を備えたものを使用する構成でもよい。
またV2Xユニット30は、各種データやプログラムを記憶するメモリとして、ROM48、RAM50、及び不揮発メモリ52を備える。例えば不揮発メモリ52には、メインマイコン32が実行するプログラムが格納される。またRAM50は、メインマイコン32のワーキングエリアとして機能し、例えば短周期で更新される各種データ(例えば、後述の車両情報60など)が格納される。
なお、V2Xユニット30において、メインマイコン32とサブマイコン38とが相互監視などの機能や、安全に関する仕様を満足する機能といった、各種の機能を備えてもよい。
図3は、車両情報60が含む情報項目61の一例を示す図である。
なお、同図には、北米SAE J2945/1に定められたBSMに含まれる情報項目61の一部を示している。
同図に示す車両情報60は、上述の通り、V2Xユニット30が車車間(V2V)通信で送信しあうメッセージに含まれる情報であり、車両IDや、メッセージカウンタなどの複数の情報項目61を含み、各情報項目61にデータが格納される。
車両IDは、Temporary IDと呼ばれ、匿名性を確保しつつ一時的に自車両2を他車両3と識別可能にするIDである。すなわち、この車両IDにより、自車両2からみて各他車両3が一意に識別可能になる。メッセージカウンタは、BSM送出側で付加する。緯度・経度・高度は、他車両3が通知する車両位置であり、位置確定時刻時点でその位置に居たとの推定結果である。速度、及び方位はそれぞれ、他車両3の車両速度、及び進行方向である。車両経路履歴に関しては後述し、また、これら以外の情報項目61については説明を省略する。
図4は、車載システム1のシステム構成を示す図である。
同図に示すように、車載システム1は、車両情報60を基準にすると、下位システム1Aと、上位システム1Bとに大別される。下位システム1Aは、V2X通信により車両情報60を送受するシステムである。上位システム1Bは、自車両2の車両情報60を生成したり、他車両3の車両情報60を用いて各種の機能を実現したりするシステムである。本実施形態では、下位システム1Aは、V2Xユニット30によって実行されるソフトウェア群によって実現されており、上位システム1Bは、ADAS/AD用ECU8によって実行されるソフトウェア群によって実現される。
同図において、ADAS/ADアプリケーションには、ユーザに対する注意喚起表示などのADAS機能や、自車両2の周辺認識機能や直近のタイミングの走行経路の決定機能などが含まれる。フュージョン処理は、センサやカメラ、V2X受信によって得た情報を車両周辺認識としてマップ上に統合する処理であり、ADAS/AD用ECU8によって実行される。ただし、このフュージョン処理は、V2Xの他に統合する情報が無い場合は含まれない。V2Xミドルウェア、V2Xチューナ・ドライバ、及びV2Xセキュリティは、V2Xユニット30におけるV2X通信の送受信に係る処理である。
ここで、同図に示す本実施形態のV2Xアプリケーション(V2Xユニット30)は、V2X通信で送信する情報の生成と送信制御の機能、並びに、他車両3から受信した車両情報60の取りまとめや車両情報60の上位システム1Bへの通知機能を含んでいる。本実施形態では、V2Xアプリケーションは、これらの機能の実現に必要な車両情報データベース62(図5)を例えばRAM50などに作成することで、他車両3の車両情報60を管理している。
図5は、車両情報データベース62の一例を示す図である。
車両情報データベース62は、複数の他車両3の車両情報60を配列することで1つのデータセットに纏めたデータである。この車両情報データベース62には、自車両2の周囲の車両台数分の車両情報60、すなわち、自車両2がV2X通信により受信した全ての他車両3の車両情報60が配列される。車両情報データベース62は、例えばV2Xユニット30の動作開始時に生成され、その後、継続的に更新される。
そしてV2Xアプリケーションは、この車両情報データベース62に基づいて、他車両3の車両情報60を上位システム1Bに通知する。
図6は、上位システム1Bへの通知の動作タイミングを概念的に示す図である。なお、同図において、車両情報60を含むメッセージはBSM形式で送信されるものとし、文字列「BSM」の位置が、他車両3におけるBSMのメッセージの送信タイミング、及び自車両2のV2Xユニット30における受信タイミングを示している。また「BSM」の送信から受信までの時間(同図の「BSM」の幅)は、実際には通知タイミングTiに比べて非常に短い。
同図に示すように、BSMのメッセージ送信は、他車両3ごとに異なるタイミングで実行されるため、自車両2のV2Xユニット30においては、BSMのメッセージに含まれる車両情報60の受信が時間軸上で都度(不定期に)発生する。
この場合において、他車両3における位置確定時刻と、自車両2における車両情報60の受信との間のタイムラグには、V2Xユニット30の応答性能に依存した遅延、他車両3の側で行われる、BSMの規格に従ったタイミング管理に伴う遅延、車車間通信ネットワークNの混雑状況に応じた調停に伴う遅延、および無線伝播遅延時間、自車両2での受信応答時間などが含まれる。混雑状況に応じた調停が行われることで、同図に示すように、各他車両3が同じタイミング(同時刻)で「BSM」を送信することが無いようになっている。
V2Xユニット30は、他車両3A〜3Cから、それぞれ異なるタイミングで車両情報60を受信し、都度、車両情報データベース62を更新する。そして、V2Xユニット30は、所定の周期で到来する通知タイミングTiごとに、その時点の車両情報データベース62に基づいて、上位システム1Bとの間で予め取り決めされた形式に各他車両3の車両情報60のデータを変換し、そのデータを通知(送信)する処理を実行する。
図7は、車載システム1におけるV2Xユニット30と他の車載装置との間の通信負荷の説明図である。なお、この通信負荷の説明は、V2Xユニット30が車載LAN4を介さずに、他の車載装置と直接通信する場合にも当てはまる。
同図に示すように、車載システム1において、V2Xユニット30は、車載LAN4を通じて他の車載装置からPOTI/VDPの入力を受け、また、路側機や他車両3からV2X通信により受信した路側情報や車両情報60を他の車載装置に車載LAN4を通じて通知している。
一般的には、車載LAN4において通信容量が大きいのは、V2Xユニット30への入力よりも当該V2Xユニット30からの出力であり、その出力の中でも主に車両情報60の通知である。
例えば北米規格の場合、V2Xユニット30が受信したBSMのメッセージの情報の全てを車載LAN4を通じて通知すると、車両情報60の通知は、他車両3ごとに百数十バイトとなり、優先度を付けて限定しても他車両3ごとに数十バイトになると見込まれる。更にBSMのメッセージ送信周期が概ね100msecであるため、他車両3ごとに、車両情報60の通知は、おおよそ数百〜1キロ超[byte/秒]と見積もられる。
一方で、V2Xユニット30が受信しうる最多の周辺車両台数としては、例えばDSRC方式の北米SAE規格に従った車車間通信であれば、無線通信距離が300m以上とされ、道幅が広く道路が入り組み、なおかつ、交通量の多い地域を仮定すると、周辺車両台数が100台を超えるケースも想定される。
また、C2C(車車間通信)では、北米・欧州ともに、送信するパケットには認証用に暗号化されたデジタル署名を付加する決まりであり、これに伴うセキュリティ演算処理は、V2Xユニット30の内部で送受信とも最も重い処理に挙げられる。北米方式ではセキュリティ演算の処理性能として、1000回/秒(100msecとして100台分)が求められる。
こうした事情から、例えば周辺車両台数が100台を越えるケースを考えた場合、V2Xユニット30が自車両2の中の他の車載装置に通知する車両情報60の通信容量は、前述の他車両3ごとの見積りから概算して、数十キロ〜百キロ超byte/秒に及ぶ。この通信容量は車載LAN4においても比較的大きな数字であると考えられる。
また、自車両2において、車両情報60の受取側である他の車載装置の処理負荷を考えると、周辺車両台数が100台を超える場合、BSMのメッセージ送信周期が100msecであると、1秒間に延べ1000台分の車両情報60を受信することとなる。この場合、周辺の他車両3ごとに数十〜百数十バイトに及ぶデータであり、ある程度の処理負荷が自車両2内の他の車載装置にかかることが容易に理解できる。
そこで、本実施形態のV2Xユニット30は、受信した多数の車両情報60を、自車両2内の他の車載装置へ通知する場合に、上記車両情報データベース62を用いて、必要な情報を落とすことなく通信容量を削減し、受取側の他の車載装置の処理負荷を軽減できるようになっている。
具体的には、V2Xユニット30は、前掲図2に示すように、制御部54が車列特定部55と、車両情報低データ量化部56とを備え、車列特定部55が、周囲の他車両3のそれぞれを隊列走行と見做せる車列70に分け、車両情報低データ量化部56が、車列70ごとに、その車列70に属する先頭以外の他車両3の車両情報60のデータ量を低データ量化した低データ量車両情報60Aを生成し、車列70を構成する先頭以外の各他車両3については車両情報60に代えて低データ量車両情報60Aを受信側に出力するようになっている(図7)。
図8は、自車両2の周辺に多数の他車両3が走行している状況を概念的に示す図であり、図8(A)は車列70の特定元となる状況を示し、図8(B)は車列70の特定結果を示す。なお、同図において、自車両2は車両アイコンで示し、他車両3は三角印で示している。また、自車両2、及び他車両3の方位をアイコンの向きで示し、自車両2、及び他車両3の速度を矢印の長さで示している。矢印が付与されていない他車両3(3T)は、停車している状態を示す。
図8(A)に示す通り、車線数が多く交通量の多い場所では、非常に多くの車両情報60が自車両2で得られることが分る。この状況下において、車列特定部55が周囲の他車両3を車列70で分けると、図8(B)のようになる。そして本実施形態では、車両情報低データ量化部56が車列70の先頭以外の各他車両3の車両情報60の一部の情報項目61を、その他車両3の前走車との位置差分や追従遅れ時間などの簡素な情報(すなわち前走車を基準にした差分を示す情報)に適宜に置換えることでデータ量を削減している。
概念的には、図8(A)における他車両3の三角印と矢印が、図8(B)に示す小さな丸と車列70の各他車両3を繋ぐ線に置換えて表される。車列70ごとに車両情報60のデータ量が削減されることにより、周辺の他車両3の全体の車両情報60のデータ量を減らすだけでなく、多数の車両情報60が車列70ごとに纏められることで、車両情報60を扱いやすくなる。
かかる車列70の特定処理やデータ量の削減処理は、上記V2Xアプリケーション(図4)に含まれており、本実施形態では、当該V2XアプリケーションがV2Xユニット30のメインマイコン32によって実行される。この実行の結果、メインマイコン32が上述した車列特定部55と、車両情報低データ量化部56との機能を実現する。
図9は、V2Xユニット30のメインマイコン32の動作を示す図である。なお、同図には、車両情報60の通知に係る処理を主に示している。
メインマイコン32は、例えばV2Xユニット30の起動時や動作開始時などの適宜のタイミングで、各部を初期化する初期化処理を実行する(ステップR1)。この初期化処理に伴って車両情報データベース62がRAM50に生成される。
その後、メインマイコン32は、上位システム1Bにおいて自車両2の車両情報60(図中、自車情報)が更新されるごとに(ステップR2)、その自車両2の車両情報60をRAM50などに更新記録する(ステップR3)。なお、この自車両2の車両情報60は、BMSのメッセージ送信周期で自車両2から他車両3に送信される。
またメインマイコン32は、他車両3の車両情報60(図中、他車情報)を受信するごとに(ステップR4)、その車両情報60に基づいて車両情報データベース62を更新する(ステップR5)。
さらにまた、メインマイコン32は、通知タイミングTi(図6)が到来するごとに(ステップR6)、他車両3の車両情報60を上位システム1Bに通知する処理を実行する。
具体的には、メインマイコン32は、自車両2、及び各他車両3の車両情報60(例えば、位置(経度、及び緯度:図3))などを、その時点の現在時刻の情報に補間する(ステップR7)。SAE規格J2945/1には、受信側(自車両2)で他車両3の位置を時刻補間して使用する方法が、その計算例とともに示されており、ステップR7の処理には、この方法を用いることができる。
次いでメインマイコン32は、周囲の他車両3を車列70に分け、当該車列70に基づいて車両情報60のデータ量を削減するデータ統合処理(ステップR8)と、自車両2を含む車列70(自車列)を自車両2の前後で分ける自車列分離処理(ステップR9)とを順に行い、車両情報60を上位システム1Bへ通知する(ステップR10)。これらデータ統合処理、及び自車列分離処理については後述する。
そしてメインマイコン32は、例えば電源オフやエンジン停止のタイミングで、これらの処理を終了する(ステップR12)。
図10は上記データ統合処理のフローチャートであり、図11は3台の他車両3A〜3Cが隊列を成して走行している状況を示す図である。以下、図11の状況を例にしてデータ統合処理を説明する。
ステップS1において、メインマイコン32は、車両情報データベース62の各車両情報60に基づいて、いずれか1つの他車両3(図11の例では他車両3A)を選択して参照車とし、ステップS2において、参照車の後方に位置する他車両3(図11の例では他車両3B)を選択して後続候補車とする。ステップS3において、メインマイコン32は、現時点で後続候補車両である他車両3Bを、まだ車列70に属すると判定していないため、ステップS4に処理を進める。
ステップS4において、メインマイコン32は、現時点の参照車である他車両3Aの車列70に含まれる他車両3のうち、後続候補車である他車両3Bの前方に位置し、かつ、この後続候補車との距離が充分に近い他車両3を全て抽出する。
「前方に位置する」とは、例えば図12に示すように、後続候補車(図11:他車両3B)の緯度及び経度を中心に、当該後続候補車の進行方位の所定角度(例えば±45度)の範囲に位置する全ての他車両3をいう。
「充分に近い距離」とは、当該後続候補車が、前方に位置する他車両3と隊列を成して走行している見做せる程度の距離をいう。
「充分に近い距離」の具体例としては次のようなものが挙げられる。例えば、一般的に安全運転のため確保すべき車間距離とは、2秒で車両が到達する距離と言われることがある。この2秒にマージンを持たせた3秒もしくは4秒の間に、例えば後続候補車がその時点の走行速度で到達する距離を、「充分に近い距離」としてもよい。
また、高速道路では、3秒で車両が到達する距離を確保すべきと言われる場合もある。したがって、車載システム1が参照可能な地図情報を有し、その地図情報に基づき現在の道路が高速道路であると適宜の車載装置(V2Xユニット30を含む)によって判定されている場合、又は、後続候補車の走行速度が一般道の制限速度を超えている場合に、メインマイコン32は、更にマージンに1秒加えた秒数(すなわち4秒もしくは5秒)の間に後続候補車両がその時点の走行速度で到達する距離を「充分に近い距離」としてもよい。
ステップS4の処理を行った結果、図11の例では、メインマイコン32は、参照車である他車両3Aを抽出してステップS5に処理を進め、この参照車を前走候補車両とする。
次いでメインマイコン32は、ステップS6において、後続候補車と、前走候補車両との間の速度・方位に、大きな違いが無いか(すなわち、それらの差が所定の閾値以下か否か)を確認する。方位の閾値は、おおよそ同じ方位に走行していると見做せる所定角度範囲(例えば±30度程度)が用いられる。また走行速度の閾値は、例えば±30%〜±40%程度が用いられる。
図13は、前走候補車両と後続候補車両の走行速度の差が40%の場合の車両運動状態を示す図である。
なお、同図において、「充分に近い距離」は、後続候補車がその時点の走行速度で3.6秒の間に到達する距離に設定されている。また後続候補車両の走行速度は、その前方を同一方向に走行する前走候補車両の走行速度と比べて40%遅いものとし、現在の2台の車間距離は、後続候補車両がその時点の走行速度で2秒の間に進む距離分に相当していると仮定する。
この仮定によれば、2台の車間距離は、1秒間辺り、後続候補車両が0.4秒の間に進む距離分大きくなる。このため、2台の速度比がその後も維持されると、4秒後には車間距離は、充分に近い距離を越える。このように走行速度差が40%とは、4秒以下という短い時間の間に、隊列を成していた他車両3同士が、隊列とはみなせない状態に変わってしまう程度に大きな差分であることが分かる。
また、本実施形態では、図13に示すように、2台の車間距離を、前走候補車の後端から後続候補車両の前端までの距離で定義している。一方、一般的な車車間通信で送信し合う車両位置は、欧州規格(CAM)では車両前端中央、北米規格(BSM)では前後左右とも車両中心と定義されている。この場合は、同じくCAM/BSMメッセージに含まれる車両長さの値を使って車間距離を計算することになる。
前掲図10に戻り、メインマイコン32は、ステップS6において、図11の状況では後続候補車である他車両3Bと、前走候補車である他車両3Aとの速度、及び方位が大きく違わないと判定し、ステップS7に処理を進める。このステップS7において、メインマイコン32は、後続候補車である他車両3Bと前走候補車である他車両3Aとの軌跡合致度合いを求める。
図14は、ステップS7の処理の概念図である。
同図には、前走候補車である他車両3Aと後続候補車である他車両3Bとが隊列を成しながらカーブした道路を走行している様子が示されている。
なお、同図において、ドットで塗られた五角形が前走候補車の位置と方位を表し、ストライプで塗られた五角形が後続候補車の位置と方位を表す。また三角形は、前走候補車と後続候補車とのそれぞれの位置と方位の履歴を示す。この履歴は走行速度も含む、各他車両3の履歴が適宜の期間分、V2Xユニット30に保持される。この適宜な期間は、例えば前述のステップS4において、「充分に近い距離」の算出に用いた秒数(時間長)を根拠とし、想定される車両速度上限(例えば時速120km)でその秒数の間に走行する距離長に基づいて設定してもよい。さらに、この距離長には、ステップS7において軌跡の合致度合いを求める際に計算される時間幅の分に応じた距離の加算が必要となる。なお、この時間幅は後述の例では500msec程度である。
前掲図10のステップS7において、メインマイコン32は、後続候補車である他車両3Bの走行軌跡が前走候補車である他車両3Aの走行軌跡にどの程度近いかを、双方の履歴から算出する。
図15は、ステップS7の処理内容を詳細に示す概念図である。
同図において、前走候補車の位置をPpre、後続候補車の位置をPfollowと表し、前走候補車の履歴をPpre(−1)、Ppre(−2)、…、後続候補車の履歴をPfollow(−1)、Pfollow(−2)、…、と表している。
ステップS7において、メインマイコン32は、まずPfollowからの距離が最も近い前走候補車の履歴を2点抽出する。図15の例では、Ppre(−2)とPpre(−3)が抽出される。
次に、メインマイコン32は、Pfollowから線分Ppre(−2)・Ppre(−3)に向けて引かれた垂線と、線分との交点をQpreとして求める。このとき、線分Pfollow・Qpreは、後続候補車の位置と前走候補車の軌跡との間の距離であり、この距離をLfollowと定義する。メインマイコン32は、これと同様にして、続く後続候補車の履歴Pfollow(−1)、Pfollow(−2)、…、に関しても、Lfollow(−1)、Lfollow(−2)、…を求める。Lfollowを算出する時間幅は軌跡の遷移が明確になる(各点が明確に分離される)程度の時間、例えば500msec程度が用いられる。
そしてメインマイコン32は、こうして求めた後続候補車の位置の各履歴と、前走候補車の軌跡との間の距離Lfollowの配列を使用して、後続候補車の走行軌跡が前走候補車の走行軌跡にどの程度近いかを判定する。
この判定手法には適宜の手法を用いることができる。その一例としては、Lfollow、Lfollow(−1)、Lfollow(−2)、…が全て規定値未満の場合に、両者の走行軌跡が合致すると判定する、という手法が挙げられる。
この規定値は、公道の車線幅や一般的な位置算出手段の推定精度などから適宜に設定される。例えば国内の一般道の車線幅を3.5mとし、一般的な車両幅を約2mとすると、車両が車線内で最も端に位置するとき、車両中心は車線中心から約0.75mの距離となる。また一般的な位置算出手段であるGNSS測位による位置推定精度は、「みちびき」による補強システムS−LAS(Sub−meter Level Augmentation System,サブメータ級補強システム)を利用した場合で1m以下(95%)と言われている。これらのバラつきと誤差が判定対象の二台の他車両(前走候補車、及び後続候補車)のそれぞれの位置に重畳されるものとして、4つの誤差の二乗和平方根を次式(1)で求め、その算出結果である約1.8mを規定値に設定してもよい。
Figure 2020091717
次いでメインマイコン32は、走行軌跡の合致度合いを次式で求める。次式(2)において、tfollowは、後続候補車がPfollowに位置した時点の時刻、tfollow(−1)は後続候補車がPfollow(−1)に位置した時点の時刻、・・・、tfollow(−n)は後続候補車がPfollow(−n)に位置した時刻である。図16は、この式(2)の概念図である。この式により、同図のグラフにおいて、着色部分の面積が走行軌跡の合致度合いとして算出される。
Figure 2020091717
後続候補車と前走候補車との走行軌跡同士がどの程度近いかを判定する他の判定手法として、上記の式で求められる合致度合いが規定値未満なら走行軌跡が合致すると判定する手法もある。この場合の規定値は、前述の式で求められた1.8mに算出時間幅を乗じた値が用いられる。
なお、ステップS7において走行軌跡の合致度合いを求める際に、メインマイコン32は、後続候補車の位置の履歴の中で、より新しいデータがより算出結果に寄与するように履歴を重みづけしてもよい。このとき走行軌跡の合致度合いを求める式は次式(3)となり、k0>k1>…となるよう係数を掛け合わせる。これにより、例えば、隊列に実際に合流した他車両3を、より速やかに、その隊列に組み込むことができる。
Figure 2020091717
また、ステップS7において走行軌跡の合致度合いを求める際に、メインマイコン32は、前走候補車に対する後続候補車の追従遅れ時間を求め、遅れ時間が短い、つまり距離が近い場合に合致度合いが高くなるように係数をかけてもよい。追従遅れ時間は、前掲図15に示す前走候補車がQpreに位置した時刻と、tfollowとの差分として算出する。このとき前走候補車がQpreに位置した時刻は、前走候補車がPpre(−2)、Ppre(−3)にそれぞれ位置した時刻と、線分Ppre(−2)・Qpreと線分Qpre・Ppre(−3)の比から求めることができる。追従遅れ時間を加味することにより、例えば前掲図11の状況おいて、3台の他車両3A〜3Cの間の距離が近く、後続候補車である他車両3B、及び、他の後続候補車である他車両3Cの両方とも前走候補車である他車両3Aの後続車とみなされる場合には、より追従遅れ時間が短い後続候補車両である他車両3Bを、前走候補車である他車両3Aの後続車として適切に選択することができる。
かかるステップS7の処理により、後続候補車である他車両3Bが前走候補車である他車両3Aに後続して隊列を成して走行していると見做せるかどうかが判定され、隊列と見做す走行軌跡の合致度合いの指標が求められる。
例えば前掲図11に示す状況において、他車両3Aを前走候補車とし、他車両3Bを後続候補車とした場合に、ステップS7において、これら2台の走行軌跡の合致度合いが規定値未満であったとする。この場合、メインマイコン32は、処理手順をステップS8へと進め、前走候補車である他車両3Aと、後続候補車である他車両3Bとは隊列と見做せると判定し、他車両3Aを前走車両として確定し、他車両3Bを後続車両として確定する。この時点では、メインマイコン32は、他車両3Aを含む車列70を未だ検出していないため、他車両3Aと他車両3Bとは当該他車両3Aを先頭とした車列70を構成していると特定する。新たな車列70の生成に伴い、メインマイコン32は、この車列70に対応する車列情報データベース65をRAM50などに生成する。
図17は、車列情報データベース65の一例を示す図である。
車列情報データベース65は、車列70に属する各他車両3の車両情報60を記録するデータであり、先頭最後尾車両データ65Aと、中間車両データ65Bとから成る。
先頭最後尾車両データ65Aは、車列70の先頭、及び最後尾の2台の他車両3の車両情報60を、情報項目61の数、及び情報項目61の内容を受信時から変更せずに配列したデータである。
中間車両データ65Bは、車列70の先頭より後ろに並ぶ各他車両3の車両情報60を配列したデータであり、各配列には、受信時の車両情報60のままではなく、車両情報60よりもデータ量が少ない低データ量車両情報60Aが記録される。
さらに詳述すると、低データ量車両情報60Aの情報項目61には、「配列のアドレス」、「車両ID」、「走行軌跡の合致度合い」、「追従遅れ時間」、「緯度オフセット」、「経度オフセット」、及び「車両長」が用いられる。
「配列のアドレス」は、車列70の並びにおける他車両3の順番を示すものであり、先頭の後ろの各他車両3に、「0」から順に番号が割り振られる。
「走行軌跡の合致度合い」、及び「追従遅れ時間」は、前掲図10のステップS7で求められた値である。
また「緯度オフセット」及び「経度オフセット」のそれぞれは、先頭以外の各他車両3の経度、及び緯度と、前走車(直前の他車両3)の経度、及び緯度との差分の値を示したものである。この差分の値は、緯度、及び経度の情報(数値)よりも桁数が少ないため、低データ量車両情報60Aにあっては、各他車両3の緯度、及び経度に係る情報のデータ量が削減されることとなる。
ここで「緯度オフセット」及び「経度オフセット」を算出する場合、前走車と、その直後の後続車とのそれぞれが独立して計時している時刻のズレを無くして計算する必要がある。本実施形態では、図9に示すステップR7において、各他車両3から受信された車両情報60が通知タイミングTiの時点の現在時刻に補間されているため、前走車と後続車の各々の緯度、及び経度も同時刻における位置に補間される。これにより、「緯度オフセット」及び「経度オフセット」が正確に求められる。
なお、通知タイミングTiの時点の現在時刻での車両情報60の補間は必ずしも行われる必要はない。
この場合、メインマイコン32は、前走車と後続車の位置確定時刻の差分を用いて、当該後続車を、後続車の進行方位に当該後続車の(速度×位置確定時刻差)分だけ移動させた位置の緯度、及経度を求める。そしてメインマイコン32は、この後続車の緯度、及び経度を用いて「緯度オフセット」、及び「経度オフセット」を算出することができる。
また低データ量車両情報60Aにあっては、「緯度オフセット」、及び「経度オフセット」の情報項目61を設けずに、位置に係る情報を省略してもよい。この場合、車載システム1において、V2Xユニット30から他車両3の各車両情報60の通知を受ける車載装置側では、車列70の先頭以外の各他車両3の位置が不明となり、その車列70の陣形が不明となる。しかしながら、この場合でも、先頭と最後尾の各他車両3については、その緯度、及び経度が各車載装置に通知されるため、各車載装置は、先頭、及び最後尾の他車両3の位置に基づいて、大よその車列70の長さを特定することができる。また各車載装置は、車列70を構成する他車両3の台数や、低データ量車両情報60Aが含む「追従遅れ時間」などに基づいて、その車列70における各他車両3の状況を推定できる。
なお、メインマイコン32は、上位システム(ADAS/AD用マイコン8など)に各他車両3の車両情報60として低データ量車両情報60Aを通知する際、当該低データ量車両情報60Aが含む「走行軌跡の合致度合い」を除外して通知してもよいし、「走行軌跡の合致度合い」の値を量子化する等して「走行軌跡の合致度合い」のデータ量を削減してもよい。これにより、低データ量車両情報60Aのデータ量を、車両情報60よりも更に削減できる。
また低データ量車両情報60Aには、図17に示した情報項目61以外にも、車両情報60に含まれている情報項目61を、当該車両情報60以上のデータ量とならない限りにおいて、適宜に含ませてもよい。
さて、メインマイコン32は、前掲図10においてステップS8の処理を実行した後、ステップS2の処理に戻り、他車両3Aを参照車として選択したまま、他車両3Cを後続候補車として選択する。ステップS3において、この時点では、他車両3Cが他車両3Aと隊列を成すと見做せるとは判定されていないため、メインマイコン32は、処理手順をステップS4に進める。ステップS4において、メインマイコン32は、他車両3Aとともに、それに後続する他車両3Bを抽出し、その後のステップS5において他車両3Cに最も近い当該他車両3Bを、その他車両3Cの前走候補車とする。
ステップS6において、他車両3Bと他車両3Cの両者は、速度及び方位のそれぞれが互いに大きく違わない場合、メインマイコン32は、S7において両者の走行軌跡の合致度合いが規定値未満と判定する。この場合、ステップS8において、メインマイコン32は、他車両3Cを他車両3Bの後続車と確定するが、この他車両3Bは既に他車両3Aの後続車と確定されている。そこで、メインマイコン32は、他車両3Bと他車両3Cを新たな車列70を構成すると特定するのではなく、他車両3Aを含む車列70が他車両3Cも含むと特定する。そして、メインマイコン32は、車列70に属する新たな他車両3の特定に伴い、当該車列70に対応する車列情報データベース65を更新する。
図18は、車列70に他車両3が追加されたときの車列情報データベース65の更新結果の一例を示す図である。
車列70に新たな他車両3が追加されることで、追加後の車列70に応じて、車列情報データベース65では、先頭最後尾車両データ65Aと、中間車両データ65Bとが適宜に変更される。今回の場合は、先頭の他車両3Aと最後尾の他車両3Bとから成る車列70に、他車両3Cが最後尾に追加されたため、先頭最後尾車両データ65Aにおける最後尾の車両情報60が他車両3Cのものに置き換えられる。さらに中間車両データ65Bの配列には、他車両3Cの低データ量車両情報60Aが追加される。
メインマイコン32は、ステップS2に処理を戻し、既に3台分の他車両3A〜3Cについて、隊列と見做せるかを車両情報60に基づいて判定したため、ステップS2の結果に基づく分岐aの判断により、処理手順をステップS1に戻す。そしてメインマイコン32は、ステップS1において参照車に他車両3Bを選択し、続くステップS2において後続候補車として他車両3Aを選択する。次のステップS3では、他車両3Aについては、他車両3Bが属する他車両3Aの車列70に含まれていると既に判断済みのため、分岐cの判断により、メインマイコン32はステップS2に処理手順を戻す。このステップS2において、メインマイコン32は、後続候補車に他車両3Cを選択する。次のステップS3では、この他車両3Cについても、他車両3Bの属する他車両3Aの車列70に含まれていると既に判断されているため、分岐cの判断により、メインマイコン32はステップS2に処理手順を戻す。これらの処理の結果、後続候補車の選択が全部の他車両3A〜3Cの間を一巡したため、分岐bの判断により、処理手順がステップS1に戻る。
メインマイコン32は、ステップS1において参照車に他車両3Cを選択し、次のステップS2において後続候補車に他車両3Aを選択するが、上記と同じく分岐cの判断により、処理手順がステップS2に戻る。このステップS2において、メインマイコン32は、後続候補車に他車両3Bを選択するが、同じく分岐cの判断により処理手順がステップS2に戻り、この時点で後続候補車の選択が他車両3A〜3Cの間を一巡したため、分岐bの判断により、処理手順がステップS1に戻る。そして、この時点で参照車の選択が、自車両2の周囲に存在する全部の他車両3A〜3Cを一巡したため、メインマイコン32は、分岐aによってデータ統合処理を終了する。
以上のデータ統合処理により、自車両2の周囲の各他車両3から隊列走行と見做せる車列70が特定される。そして各車列70において先頭と最後尾以外の他車両3の車両情報60が低データ量車両情報60Aに置換えられることとなる。
前掲図9に示すように、メインマイコン32は、データ統合処理の後(ステップR8)、自車列分離処理を実行する(ステップR9)。
この自車列分離処理では、いずれかの車列70の中に自車両2が含まれている場合に、メインマイコン32が当該車列70を自車両2を境に分ける処理が行われる。具体的には、メインマイコン32は、自車両2の前走車が現在の車列70の最後尾となるように、当該車列70に対応する車列情報データベース65を更新する。さらにメインマイコン32は、更新前の車列70において、自車両2を先頭とし、それより後ろの全ての他車両3から成る車列70を新たに特定し、当該車列70に対応する車列情報データベース65を生成する。
この結果、自車両2が車列70に含まれる場合には、自車両2の前走車を最後尾とする車列70と、自車両2以降の各他車両3から成る車列70とに、自車両2を含む車列70が分離され、自車両2の前走車が車列70の最後尾に置き換えられる。
これにより、自車両2の前走車は、必ず車列70の最後尾となるか、或いは、いずれの車列70にも属さない状態かのいずれかとなるため、前走車については、低データ量車両情報60Aではなく車両情報60が必ず通知されることとなる。
したがって、自車両2内の各車載装置は、自車両2の直前を走行し、比較的優先度を高めて監視すべき前走車については、簡略化されていない車両情報60を取得することができる。
かかる自車列分離処理の後、メインマイコン32は、周囲の他車両3の車両情報60を上位システム1B(ADAS/AD用ECU8)に車載LAN4を通じて送信(通知)する(図9:ステップR10)。この通知の際は、メインマイコン32は、各車列70に対応する車列情報データベース65のデータ(すなわち、先頭最後尾車両データ65A、及び中間車両データ65B)と、いずれの車列70にも属さない他車両3の車両情報60とを、それぞれ送信する。
車列情報データベース65の中間車両データ65Bには、車両情報60に代えて、当該車両情報60よりもデータ量を削減した低データ量車両情報60Aが収められているため、通知の際の通信容量が削減されることとなる。
上位システム1Bの実行主体であるADAS/AD用ECU8は、車列情報データベース65のデータを受信した場合、先頭最後尾車両データ65Aの車両情報60と、中間車両データ65Bの低データ量車両情報60Aとに基づいて、車列70の状況(車列70の位置や長さ、速度、方位、他車両3の台数など)を特定する。またADAS/AD用ECU8は、車列情報データベース65のデータとは別に受信した車両情報60に基づいて、いずれの車列70にも属さない他車両3の状況を特定する。そしてADAS/AD用ECU8は、各車列70、及び車列70に属さない各他車両3の各々の状況に基づいて自車両2の周辺を認識し、ADAS/ADに利用する。このようにADAS/AD用ECU8にあっては、車列情報データベース65のデータを受信することで、自車両2の周囲に存在する多数の他車両3を車列70の纏まりとして扱えるので、周辺認識の処理が簡単になる。
ADAS/AD用ECU8では、自車両2の周囲の車列70の状況を認識することで、ADAS/ADにおいて、次のような応用が可能になる。
(ADAS/ADでの応用例1)
例えば自車両2が車線を移動する場合、ADAS/AD用ECU8は、移動先の車線を走行する車列70の状況に基づいて、自車両2を目的の車線に移動させるタイミングを特定できる。
具体的には、各車列70の先頭、及び最後尾の他車両3の位置(経度、緯度)に基づいて、ADAS/AD用ECU8は、目的の車線を走行している車列70と、その位置とを特定し、いずれかの車列70が自車両2の目標移動位置を通過中、或いは、その目標移動位置から所定距離(自車両2の移動によって衝突の可能性が生じる距離)以下まで接近しているか否かを判定する。該当する車列70が存在する場合、ADAS/AD用ECU8は、車列70の最後尾が目標移動位置を通過するタイミング(すなわち車列70が途切れるタイミング)を特定する。
詳述すると、車列70において、先頭を除く各他車両3の低データ量車両情報60Aには、前走車に対する追従遅れ時間が情報項目61として含まれている。この追従遅れ時間は、前走車からの時間遅延を示すため、各追従遅れ時間を合算することで、先頭に対する最後尾の他車両3の遅れ時間、すなわち車列70の先頭から最後尾までがある地点を通過するまでの時間(車列通過時間)が求められる。したがって、この車列通過時間に基づいて、車列70の最後尾が目標移動位置を通過するタイミングが求められる。なお、最後尾の他車両3の位置と車速とから当該最後尾が目標移動位置を通過するまでの時間を求めることもできる。
そして車列70の最後尾と、後続車との間には、隊列とは見做せない程度の車間距離があいているので、車列70の最後尾が目標移動位置を通過したタイミングを、自車両2を目標移動位置に移動させるタイミングの目安にできる。
(ADAS/ADでの応用例2)
また例えば、ADAS/AD用ECU8は、各車列70を構成する他車両3の車両IDに基づいて、同じ車列70への加入、及び離脱を頻繁に(所定時間あたりに所定回数以上)行っている他車両3を特定し、当該他車両3を注意すべき車両としてHMI20を通じてユーザ(少なくともドライバー)に通知し、注意喚起を促す。
これにより、蛇行的な動きをしている他車両3が速やか、かつ容易に検知し報知できるので、当該他車両3への注意喚起を迅速にユーザに促すことができる。
なお、本実施形態において、上位システム1Bへ車両情報60をV2Xユニット30から通知する通知タイミングTi(すなわち、データ統合処理が行われるタイミング)は、上述の通り、所定の周期で行われる。この所定の周期は、V2Xユニット30の製品出荷時に予め定められていてもよいし、そのタイミングをユーザ(例えば乗員)が変更可できるようにしてもよい。また通知タイミングTiを、所定の周期の他にも、自車両2のPOTI更新契機や、上位システム1Bからの取得要求に都度応答するタイミングに設定してもよい。
上述した実施形態によれば、次のような効果を奏する。
本実施形態のV2Xユニット30では、制御部54として機能するメインマイコン32は、隊列と見做せる他車両3の車列70を、当該他車両3の車両情報60に基づいて特定し、車列70の先頭を除く各他車両3について、それぞれの車両情報60に基づいて、当該車両情報60よりもデータ量が小さな低データ量車両情報60Aを生成し、受取側の上位システム1Bに自車両2の周囲の各他車両3の車両情報60を出力する場合、車列70の先頭を除く各他車両3については車両情報60に代えて低データ量車両情報60Aを出力する。
これにより、V2Xユニット30から出力され、車載LAN4を通じて上位システム1Bに送信される通信容量が削減されるので、車載LAN4への通信負荷が抑えられる。したがって、通信遅延などの発生を抑え、自車両2の周囲の全部の他車両3についての情報を確実、かつ滞りなく送信できる。さらに、受取側の上位システム1Bでは、自車両2の周辺の車列70を認識し易くなる。これらにより、上位システム1Bなどの車載装置が他車両3の車両情報60を利用する際の利便性をより適切に向上させることができる。
本実施形態のV2Xユニット30では、車列70の最後尾の他車両3の車両情報60も更に受取側の上位システム1Bに出力する。
これにより、受取側では、車列70の先頭、及び最後尾の他車両3については、情報項目61の変更や置換等が加えられていない素のままの車両情報60に基づいて、これらの他車両3の状況を正確に特定できる。また低データ量車両情報60Aでは必要となる差分値からの逆算等の演算が不要なので、その状況を速やかに特定できる。
本実施形態のV2Xユニット30では、いずれかの車列70に自車両2が含まれている場合、当該車列70から自車両2の前走車を最後尾とする車列70を分離する。
これにより、自車両2の前走車は、必ず車列70の最後尾となるか、或いは、いずれの車列70にも属さない状態かのいずれかとなるため、前走車については車両情報60が低データ量車両情報60Aに代えられることがない。
したがって、上位システム1Bなどの各車載装置は、自車両2の直前を走行し、比較的優先度を高めて監視すべき前走車については、簡略化されていない車両情報60を取得できる。
本実施形態のV2Xユニット30では、車列70において前走車に相当する他車両3の車両情報60と、当該前走車の後続車に相当する他車両3の車両情報60との差分を用いて、当該後続車に相当する他車両3の低データ量車両情報60Aを生成する。
これにより、比較的簡単に、なおかつ、元の情報を受取側で容易に復元可能な態様で、車両情報60のデータ量が抑えられる。
本実施形態のV2Xユニット30では、車列70の各他車両3の車両情報60、及び低データ量車両情報60Aは、車列70の各他車両3のうち少なくとも先頭、及び最後尾の他車両3の位置、速度、及び方位と、を受取側である上位システム1Bが特定可能にする情報を含むようにした。具体的には、かかる情報は、例えば図17、及び図18に示すように、先頭、及び最後尾の他車両3の各々の経度、緯度、速度、及び方位である。
これにより、上位システム1Bは、自車両2に対する車列70の位置(車列70の長さ)、速度、及び方位を特定できる。したがって、上位システム1BがADAS/ADの機能により例えば自車両2が車線を移動する場合には、移動先の車線を走行する車列70の状況(例えば、上述した車列通過時間)に基づいて、車列70が途切れるタイミングを特定して、自車両2を目的の車線に移動させることができる。
本実施形態のV2Xユニット30では、車列70の各他車両3の車両情報60、及び低データ量車両情報60Aは、受取側である上位システム1Bが車列70を構成する各他車両3を一意に特定可能にする情報(具体的には、車両ID)を含むようにした。
これにより、上位システム1Bにおいて、各車列70を構成する他車両3の車両IDに基づいて、同じ車列70への加入、及び離脱を頻繁に(所定時間あたりに所定回数以上)行っている他車両3を特定し、当該他車両3を注意すべき車両としてHMI20を通じてユーザ(少なくともドライバー)に通知し、注意喚起を促す、といった応用が可能になる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、適宜に変形、及び応用が可能である。
(変形例1)
上述した実施形態において、データ統合処理(図10)を、停車中の他車両3から成る車列(以下、「停車列72」という)を特定できるように変形してもよい。本変形例に係るデータ統合処理によれば、前掲図8(A)に示すように、停車中の複数の他車両3Tが前後に縦列して存在する場合、図8(B)に示すように、これらの他車両3Tが停車列72として特定される。
なお、停車中の他車両3Tには、完全に停止した(速度が0km/H)他車両3に限られるものではなく、渋滞等により超低速(例えば時速10km/H以下)で走行の他車両3も含む。また本変形例に係るデータ統合処理において、停車列72を特定する際には、参照車、及び後続候補車は超低速以下で走行中の他車両3から選択される。
本変形例に係るデータ統合処理について詳細には、前掲図10に示すデータ統合処理のステップS4において、「充分に近い距離」が他車両3の速度によらない固定値に置き換えられる。この固定値には、例えば縦列する2台の他車両3の間に、ほかの他車両3が入り込めない程度の距離(一般的な車両の長さである5mに、前後の余裕を加えた8m〜10m程度)が用いられる。
「充分に近い距離」が固定値としないと、例えば時速10km/Hで3.6秒間に進む他車両3の距離は10mであるため、データ統合処理のステップS5において、時速10km/H未満の他車両3についての閾値がかなり短い距離(場合によっては、一般的な車両の長さよりも短い距離)になってしまい、停車列72の抽出ができなくなる。
また、データ統合処理のステップS7においては、上述した実施形態と同様に、超低速以下で走行する他車両3についても移動距離分の車両情報60の履歴を、走行軌跡の合致度合い確認のためにメインマイコン32が保持する構成であると、非常に短い距離分しか車両情報60の履歴が保持されずに、隊列と見做せるか否かの確認が不能になる場合がある。
このため、ステップS7において、メインマイコン32は、例えば上述の10mに、一般的な車両の長さである5mの半分、すなわち2.5mを加算した長さである12.5mを移動距離に加算し、加算後の移動距離分だけ車両情報60の履歴を保持することが好ましい。この場合において、履歴のデータ容量を抑えるために、例えば超低速以下で移動中の他車両3については、当該他車両3が1m移動するごとに車両情報60の履歴を保持するといった適宜の手法で、履歴として保持する車両情報60のデータ数を間引いてもよい。
かかるデータ統合処理により、前掲図8(B)に示すような停車列72が抽出可能になる。
(変形例2)
図19に示すように、後続候補車である他車両3Cが既に、前走候補車である他車両3Bが属する車列70Bとは別の車列70Aの最後尾に属している場合に、その状況に応じて車列70A、70Bのいずれか適切な方に他車両3Cが属するように、上述した実施形態のデータ統合処理(図10)を変形してもよい。
図20は、本変形例に係るデータ統合処理を示す図である。
同図に示すように、本変形例のデータ統合処理では、実施形態で説明したデータ統合処理のステップS8がステップS21、及びS22に置き換えられている。
更に詳述すると、メインマイコン32は、同図のステップS7において後続候補車である他車両3Cが前走候補車である他車両3Bの後続車であると判断した後、続くステップS21において、元の前走車である他車両3Aと他車両3Cとの軌跡の合致度合いを比べる。その結果、既に属する車列70Aの前走車である他車両3Aと他車両3Cとの両者の軌跡の合致度合いもより、前走候補車である他車両3Bと他車両3Cとの両者の軌跡の合致度合いの方が高い場合、メインマイコン32は、ステップS22において、後続候補車である他車両3Cを、前走候補車である他車両3Bの後続車に変更する。そしてメインマイコン32は、既に属する車列70Aの先頭最後尾車両データ65A(図17、図18)から後続候補車である他車両3Cの車両情報60を削除し、その車列70Aの最後尾は、当該他車両3Cの一つ前の他車両3Aとなるように、車列70Aの先頭最後尾車両データ65Aのデータを書き換える。
(変形例3)
図21に示すように、後続候補車である他車両3Cが既に、前走候補車である他車両3Bが属する車列70Bとは別の車列70Aの中間に属している場合に、その状況に応じて車列70A、70Bのいずれか適切な方に他車両3Cが属するように、上述した実施形態のデータ統合処理(図10)を変形してもよい。
図22は、本変形例に係るデータ統合処理を示す図である。
同図に示すように、本変形例のデータ統合処理では、実施形態で説明したデータ統合処理のステップS8がステップS21〜S25に置き換えられている。
更に詳述すると、同図のステップS7において、メインマイコン32は、後続候補車である他車両3Cが前走候補車である他車両3Bの後続車であると判断する。そして、メインマイコン32は、ステップS21において、図20と同様に、元の前走車である他車両3Aと前走候補車である他車両3Bとのどちらが、他車両3Cが属する隊列により適切と見做せるかを比較し、前走候補車である他車両3Bの方が適切である場合は、ステップS22において、車列情報データベース65のデータを書き換える。
このとき、次のステップS23において、メインマイコン32は、図21に点線で示すように、後続候補車である他車両3Cの後続車が、当該他車両3Cの前走車である他車両3Aの後続車とみなせるかを確認する。この確認は、ステップS5、S6、及びS7の条件を確認することで行われる。この結果、他車両3Cの後続車が他車両3Aの後続車とみなせる場合は、ステップS24において、メインマイコン32は、後続候補車である他車両3Cのみを、前走候補車である他車両3Bが属する車列70に属させる。一方、他車両3Cの後続車が他車両3Aの後続車とみなせない場合は、ステップS25において、メインマイコン32は、後続候補車である他車両3C以降の全ての後続車を、当該後続車の縦列関係を維持したまま、前走候補車である他車両3Bが属する車列70に属させる。
本変形例に係るデータ統合処理により、後続候補車の他車両3Cが例えば車線変更するなどして当該他車両3Cが属する車列70が変わる場合でも、かかる車列70の変化を正確に識別できる。
(変形例4)
図23に示すように、前走候補車である他車両3Bの車列70に、後続候補車である他車両3Cとは異なる他の後続車を含む場合に、その状況に応じて車列70を組む他車両3が切り替えられるように、上述した実施形態のデータ統合処理(図10)を変形してもよい。
図24は、本変形例に係るデータ統合処理を示す図である。
同図に示すように、本変形例のデータ統合処理では、実施形態で説明したデータ統合処理のステップS8がステップS26〜S29に置き換えられている。
更に詳述すると、同図のステップS7において、メインマイコン32は、後続候補車である他車両3Cが前走候補車である他車両3Bの後続車であると判断する。次に、メインマイコン32は、ステップS26において、図23に点線で示すように、前走候補車である他車両3Bの後続車が、後続候補車である他車両3Cの後続車ともみなせるかを確認する。
他車両3Bの後続車が、後続候補車である他車両3Cの後続車とみなせる場合は、分岐pにより、メインマイコン32は、ステップS27に処理手順を進め、後続候補車である他車両3Cが前走候補車である他車両3Bと、その後続車との間に挟まれる順番で、当該他車両3Cを、他車両3Bが属する車列70に追加し、その車列70の車列情報データベース65のデータを更新する。
一方、他車両3Bの後続車が、後続候補車である他車両3Cの後続車とみなせない場合は、分岐pにより、メインマイコン32は、処理手順をステップS28に進める。そして、メインマイコン32は、前走候補車である他車両3Bと、その後続車との軌跡の一致度合い、及び、前走候補車である他車両3Bと後続候補車である他車両3Cとの軌跡の一致度合いを比較することで、前走候補車である他車両3Bの後続車と後続候補車である他車両3Cとののどちらが前走候補車である他車両3Bの後続車に適しているかを判断する。後続候補車である他車両3Cの方が適している場合、メインマイコン32は、ステップS29において、後続候補車である他車両3Cを、前走候補車である他車両3Bの後続車と入れ替えて、当該他車両3Bの後続車とする。
このステップS29において、仮に、後続候補車である他車両3Cが後続車を有する場合、メインマイコン32は、他車両3C以降の全ての後続車も、縦列関係を維持したまま、前走候補車である他車両3Bの車列70に追加する。
また、このステップS29において、仮に、他車両3Cと入れ替えられた、他車両3Bの元の後続車が後続車を持つ場合、メインマイコン32は、当該元の後続車を先頭とした新たな車列70を特定し、当該車列70に対応する車列情報データベース65を生成する。
(変形例5)
上述した実施形態では、他車両3からV2X通信によって受信した車両情報60をV2Xユニット30が車載LAN4を通じて上位システム1Bへ送信する構成を例示した。しかしながら、これに限らず、V2Xユニット30と、ADAS/AD用ECU8とを車載ネットワークではない信号線で接続し、この信号線を通じてV2Xユニット30からADAS/AD用ECU8に信号線を通じて車両情報60を出力してもよい。
(変形例6)
上述した実施形態では、下位システム1AであるV2Xユニット30のメインマイコン32が、コンピュータプログラムであるV2Xアプリケーション(図4)を実行することで、本実施形態の制御部54の各種機能を実現した。
しかしながら、これに限らない。例えば、図25(A)に示すように、上位システム1Bが備えるコンピュータ(例えば、ADAS/AD用ECU8)がV2Xアプリケーションを実行することで、本実施形態の制御部54の各種機能を実現してもよい。また例えば、図25(B)に示すように、V2Xチューナ部34を除きV2Xユニット30の構成を上位システム1Bに設けてもよい。図25(B)の構成において、V2Xユニット30とADAS/AD用ECU8とを同じケースに収めたり、V2Xアプリケーションを実行するプロセッサを共通化したりして、一つのユニットとして構成してもよい。
V2Xアプリケーションが上位システム1Bで実行される場合、下位システム1Aで他車両3ごとのBSMのメッセージが受信されたタイミングで都度、車両情報60を下位システム1Aから上位システム1Bに通知してもよい。
また下位システム1Aでは、車両情報60を蓄積する車両情報データベース62を生成する代わりに、V2Xチューナ部34が受信したBSMのメッセージを都度、RAM50等のメモリ領域に保持しておき、保持した車両情報60を、所定周期もしくは上位システム1Bからの取得要求のタイミングで、当該上位システム1Bに通知してもよい。この場合において、自車両2、及び各他車両3の車両情報60を、その時点の現在時刻の情報に補間する処理(図9:ステップR7)は、上位システム1Bと下位システム1Aのどちらで行われてもよい。
(その他の変形例)
上述した実施形態において、V2Xユニット30は、他車両3の車両情報60を路側機から受信してもよい。
また上述した実施形態において、図に適宜に示した機能ブロックは、本願発明を理解容易にするために、装置の構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、その構成要素は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
1 車載システム
1A 下位システム
1B 上位システム
2 自車両
3、3A〜3C、3T 他車両
4 車載LAN
20 HMI(通知部)
30 V2Xユニット(車載通信装置)
32 メインマイコン
34 V2Xチューナ部(受信部)
36 インターフェース部(出力部)
54 制御部
55 車列特定部
56 車両情報低データ量化部
60 車両情報
60A 低データ量車両情報
61 情報項目
62 車両情報データベース
65 車列情報データベース
65A 先頭最後尾車両データ
65B 中間車両データ
70、70A、70B 車列
72 停車列
N 車車間通信ネットワーク

Claims (10)

  1. 自車両の周囲の他車両の車両情報を受信する受信部と、
    前記他車両の車両情報を前記自車両に設けられた受取側に出力する出力部と、
    前記受取側への出力を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    隊列と見做せる他車両の車列を、当該他車両の車両情報に基づいて特定する車列特定部と、
    前記車列の先頭を除く各他車両について、その車両情報よりもデータ量が小さな低データ量車両情報を、当該車列の各他車両の車両情報に基づいて生成する車両情報低データ量化部と、
    前記受取側へ前記車両情報を出力する場合、前記車列を構成する各他車両については先頭の他車両を除き前記車両情報に代えて前記低データ量車両情報を出力する
    ことを特徴とする車載通信装置。
  2. 前記制御部は、前記受取側へ前記車両情報を出力する場合、
    前記車列の最後尾の他車両の車両情報も更に前記受取側に出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車載通信装置。
  3. 前記車列特定部は、
    いずれかの前記車列に自車両が含まれている場合、当該車列から自車両の前走車を最後尾とする車列を分離する
    ことを特徴とする請求項2に記載の車載通信装置。
  4. 前記車両情報低データ量化部は、
    前記車列において前走車に相当する他車両の車両情報と、当該前走車の後続車に相当する他車両の車両情報との差分を用いて、当該後続車に相当する他車両の前記低データ量車両情報を生成する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車載通信装置。
  5. 前記車列の各他車両の前記車両情報、及び前記低データ量車両情報は、
    前記車列の各他車両のうち少なくとも先頭、及び最後尾の他車両の位置、速度、及び方位と、を前記受取側が特定可能にする情報を含む
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車載通信装置。
  6. 前記車列の各他車両の前記車両情報、及び前記低データ量車両情報は、
    前記受取側が前記車列を構成する各他車両を一意に特定可能にする情報を含む
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車載通信装置。
  7. 前記出力部は、自車両が備える車載LANを介して前記受取側の車載装置へ前記車両情報を出力する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の車載通信装置。
  8. 前記出力部は、同一の装置内の前記受取側へ信号線を介して前記車両情報を出力する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の車載通信装置。
  9. 自車両の周囲の他車両の車両情報を受信する受信部と、
    前記他車両の車両情報を前記自車両に設けられた受取側に出力する出力部と、
    前記受取側への出力を制御する制御部と、を備えた車載通信装置の制御方法であって、
    前記制御部が、
    隊列と見做せる他車両の車列を、当該他車両の車両情報に基づいて特定し、
    前記車列の先頭を除く各他車両について、その車両情報よりもデータ量が小さな低データ量車両情報を、当該車列の各他車両の車両情報に基づいて生成し、
    前記受取側へ前記車両情報を出力する場合、前記車列を構成する各他車両については先頭の他車両を除き前記車両情報に代えて前記低データ量車両情報を出力する
    ことを特徴とする車載通信装置の制御方法。
  10. 自車両の周囲の他車両の車両情報を当該自車両に設けられた受取側に出力する出力部を有したコンピュータを、
    隊列と見做せる他車両の車列を、当該他車両の車両情報に基づいて特定する手段、
    前記車列の先頭を除く各他車両について、その車両情報よりもデータ量が小さな低データ量車両情報を、当該車列の各他車両の車両情報に基づいて生成する手段、及び、
    前記受取側へ前記車両情報を出力する場合、前記車列を構成する各他車両については先頭の他車両を除き前記車両情報に代えて前記低データ量車両情報を出力する手段として機能させることを特徴とするプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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