JP2020091192A - 化合物及びその使用 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]下記式(1)で表される化合物。
[2]前記R2が全て水素原子である、[1]に記載の化合物。
[3][1]又は[2]に記載の化合物を有効成分として含有するフッ化物イオン検出剤。
[4]被験試料中のフッ化物イオンの検出方法であって、被験試料に[1]又は[2]に記載の化合物を接触させる工程と、前記化合物が接触した前記被験試料に波長300〜400nmの光を照射し、発生する蛍光の波長を測定する工程と、を含み、前記蛍光が波長500〜570nmの光を含むことが、前記被験試料がフッ化物イオンを含有することを示す、方法。
1実施形態において、本発明は、下記式(1)で表される化合物を提供する。
1実施形態において、本発明は、上記式(1)で表される化合物を有効成分として含有するフッ化物イオン検出剤を提供する。実施例において後述するように、発明者らは、上記式(1)で表される化合物をフッ化物イオンの検出の用途に使用できることを明らかにした。
1実施形態において、本発明は、被験試料中のフッ化物イオンの検出方法であって、被験試料に上記式(1)で表される化合物を接触させる工程と、前記化合物が接触した前記被験試料に波長300〜400nmの光を照射し、発生する蛍光の波長を測定する工程と、を含み、前記蛍光が波長500〜570nmの光を含むことが、前記被験試料がフッ化物イオンを含有することを示す、方法を提供する。実施例において後述するように、本実施形態の方法により、簡便にフッ化物イオンを検出することができる。
(N,N−ビス(トリメチルシリル)−9−アミノアントラセンの合成)
下記反応スキーム(1)にしたがって、N,N−ビス(トリメチルシリル)−9−アミノアントラセンを合成した。
Molecular Formula: C20H27NSi2 +H:338.1755
Anal:338.1764
(Si9AAの蛍光特性の検討1)
シリカゲルTLCプレートに、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NF)、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NCl)、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NBr)、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NI)を1スポットずつスポットした。なお、n−Bu4NFはフッ化物イオン源であり、n−Bu4NClは塩化物イオン源であり、n−Bu4NBrは臭化物イオン源であり、n−Bu4NIはヨウ化物イオン源である。
(Si9AAの蛍光特性の検討2)
Si9AAのテトラヒドロフラン(THF)溶液(7.70×10−4mol/L)を2本のメスフラスコに入れ、一方に13mgのn−Bu4NFを添加した。具体的には、1.0mol/Lのn−Bu4NF(261.5g/mol)のTHF溶液を0.05mL加えた。続いて、n−Bu4NFの添加から1分後に、双方のフラスコに波長約365nmの励起光を照射し、蛍光を観察した。蛍光の観察にあたってはフィルターを使用しなかった。これにより、蛍光波長の変化を肉眼で観察することができた。
(Si9AAの蛍光特性の検討3)
Si9AA(7.69×10−3mol/L)及びn−Bu4NF(0.10mol/L)を含むTHF溶液、Si9AA(7.69×10−3mol/L)及びn−Bu4NCl(0.10mol/L)を含むTHF溶液、Si9AA(7.69×10−3mol/L)及びn−Bu4NBr(0.10mol/L)を含むTHF溶液、Si9AA(7.69×10−3mol/L)及びn−Bu4NI(0.10mol/L)を含むTHF溶液をそれぞれNMR管に入れ、5分後に波長約365nmの励起光を照射し、蛍光を観察した。蛍光の観察にあたってはフィルターを使用しなかった。これにより、蛍光波長の変化を肉眼で観察することができた。
(Si9AAの蛍光特性の検討4)
Si9AA(7.69×10−3mol/L)、フッ化カリウム(KF)(0.10mol/L)及び18−クラウン−6(0.10mol/L)を含むTHF溶液、Si9AA(7.69×10−3mol/L)、塩化カリウム(KCl)(0.10mol/L)及び18−クラウン−6(0.10mol/L)を含むTHF溶液、Si9AA(7.69×10−3mol/L)、シアン化カリウム(KCN)(0.10mol/L)及び18−クラウン−6(0.10mol/L)を含むTHF溶液、Si9AA(7.69×10−3mol/L)、ヘキサフルオロリン酸カリウム(KPF6)(0.10mol/L)及び18−クラウン−6(0.10mol/L)を含むTHF溶液をそれぞれNMR管に入れ、5分後に波長約365nmの励起光を照射し、蛍光を観察した。蛍光の観察にあたってはフィルターを使用しなかった。これにより、蛍光波長の変化を肉眼で観察することができた。
(Si9AAのNMRスペクトルの検討)
Si9AAに、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンをそれぞれ接触させ、1H NMR(600MHz,THF−acetone−d6)スペクトルの変化を観察した。また、比較のために、9AAに、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンをそれぞれ接触させた試料についてもNMRスペクトルを測定した。また、対照として、Si9AA及び9AAのNMRスペクトルも測定した。
図5(a)〜(d)は、Si9AAにフッ化物イオンを接触させた場合のNMRスペクトルの比較を示すグラフである。図5(a)はSi9AAのNMRスペクトルである。図5(b)は、Si9AA(7.69×10−3mol/L)及びn−Bu4NF(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。図5(c)は9AAのNMRスペクトルである。図5(d)は、9AA(12.4×10−3mol/L)及びn−Bu4NF(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。
図6(a)〜(d)は、Si9AAに塩化物イオンを接触させた場合のNMRスペクトルの比較を示すグラフである。図6(a)はSi9AAのNMRスペクトルである。図6(b)は、Si9AA(7.69×10−3mol/L)及びn−Bu4NCl(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。図6(c)は9AAのNMRスペクトルである。図6(d)は、9AA(12.4×10−3mol/L)及びn−Bu4NCl(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。
図7(a)〜(d)は、Si9AAに臭化物イオンを接触させた場合のNMRスペクトルの比較を示すグラフである。図7(a)はSi9AAのNMRスペクトルである。図7(b)は、Si9AA(7.69×10−3mol/L)及びn−Bu4NBr(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。図7(c)は9AAのNMRスペクトルである。図7(d)は、9AA(12.4×10−3mol/L)及びn−Bu4NBr(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。
図8(a)〜(d)は、Si9AAにヨウ化物イオンを接触させた場合のNMRスペクトルの比較を示すグラフである。図8(a)はSi9AAのNMRスペクトルである。図8(b)は、Si9AA(7.69×10−3mol/L)及びn−Bu4NI(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。図8(c)は9AAのNMRスペクトルである。図8(d)は、9AA(12.4×10−3mol/L)及びn−Bu4NI(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。
図9(a)〜(f)は、Si9AAにフッ化物イオンを接触させた場合のNMRスペクトルを示すグラフである。図9(a)はSi9AAのNMRスペクトルである。図9(b)は、Si9AA(7.69×10−3mol/L)、KF(0.10mol/L)及び18−クラウン−6(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。図9(c)は、Si9AA(7.69×10−3mol/L)、KF(0.10mol/L)及び18−クラウン−6(0.10mol/L)を混合し、1.5時間後に測定したNMRスペクトルである。図9(d)は、Si9AA(7.69×10−3mol/L)、KF(0.10mol/L)及び18−クラウン−6(0.10mol/L)を混合し、12時間後に測定したNMRスペクトルである。図9(e)は9AAのNMRスペクトルである。図9(f)は、9AA(12.4×10−3mol/L)、KF(0.10mol/L)及び18−クラウン−6(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。
図10(a)〜(d)は、Si9AAに塩化物イオンを接触させた場合のNMRスペクトルを示すグラフである。図10(a)はSi9AAのNMRスペクトルである。図10(b)は、Si9AA(7.69×10−3mol/L)、KCl(0.10mol/L)及び18−クラウン−6(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。図10(c)は9AAのNMRスペクトルである。図10(d)は、9AA(12.4×10−3mol/L)、KCl(0.10mol/L)及び18−クラウン−6(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。
図11(a)〜(d)は、Si9AAにシアン化物イオンを接触させた場合のNMRスペクトルを示すグラフである。図11(a)はSi9AAのNMRスペクトルである。図11(b)は、Si9AA(7.69×10−3mol/L)、KCN(0.10mol/L)及び18−クラウン−6(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。図11(c)は9AAのNMRスペクトルである。図11(d)は、9AA(12.4×10−3mol/L)、KCN(0.10mol/L)及び18−クラウン−6(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。
図12(a)〜(d)は、Si9AAにPF6 −イオンを接触させた場合のNMRスペクトルを示すグラフである。図12(a)はSi9AAのNMRスペクトルである。図12(b)は、Si9AA(7.69×10−3mol/L)、KPF6(0.10mol/L)及び18−クラウン−6(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。図12(c)は9AAのNMRスペクトルである。図12(d)は、9AA(12.4×10−3mol/L)、KPF6(0.10mol/L)及び18−クラウン−6(0.10mol/L)を混合し、10分後に測定したNMRスペクトルである。
(Si9AAの吸収スペクトル及び蛍光スペクトルの検討)
Si9AAのTHF溶液(4.44×10−5mol/L)、及びSi9AAのTHF溶液4.00mLに1.0mol/Lのフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NF)を0.02mL添加した試料について、吸収スペクトル及び蛍光スペクトルを測定した。
(9AA及びメシチル9AAの蛍光特性の検討)
9AA及びメシチル9AAの蛍光特性を検討した。下記式(2)に9AAの化学式を示し、下記式(3)にメシチル9AAの化学式を示す。メシチル9AAは、9AAの10位の位置に嵩高い置換基を導入した化合物である。
(メシチル9AAの蛍光特性の検討)
窒素雰囲気下のメシチル9AA及び酸素を反応させた後のメシチル9AAの吸収スペクトルをそれぞれ測定した。
Claims (4)
- 下記式(1)で表される化合物。
- 前記R2が全て水素原子である、請求項1に記載の化合物。
- 請求項1又は2に記載の化合物を有効成分として含有するフッ化物イオン検出剤。
- 被験試料中のフッ化物イオンの検出方法であって、
被験試料に請求項1又は2に記載の化合物を接触させる工程と、
前記化合物が接触した前記被験試料に波長300〜400nmの光を照射し、発生する蛍光の波長を測定する工程と、を含み、
前記蛍光が波長500〜570nmの光を含むことが、前記被験試料がフッ化物イオンを含有することを示す、方法。
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