JP2020090629A - 蛍光体およびそれを使用した半導体発光装置 - Google Patents

蛍光体およびそれを使用した半導体発光装置 Download PDF

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慶 豊田
真之介 秋山
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真之介 秋山
莉穂 香山
Riho Kayama
莉穂 香山
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Abstract

【課題】青緑色領域の発光特性に優れ、演色性の高い蛍光体を提供する。【解決手段】Lu(3−x−y−z)MgxZnyAl5O12:Cezの化学式で表され、zの範囲が0.01≦z≦0.03の場合、x=0且つy=0を除き0≦x≦1.4且つ0≦y≦1.4であり、zの範囲が0.03<z≦0.06の場合、y<0.2且つ0.1≦x≦1.4またはx<0.2且つ0.1≦y≦1.4またはx=0.2且つy=0.2であり、zの範囲が0.06<z≦0.09の場合、y<0.2且つ0.1≦x<1.4またはx<0.2且つ0.1≦y<1.4であり、zの範囲が0.09<z≦0.12の場合、y<0.2且つ0.1≦x<0.9またはx<0.2且つ0.1≦y<0.9である。【選択図】図1

Description

本発明は、青色系の励起光を吸収し、青緑色系の蛍光を発する蛍光体に関する。特に、照明用光源に演色性を付与することに好適に用いられる蛍光体に関する。また、本発明は、この蛍光体を用いた白色光源用半導体発光装置に関する。
白色光源を得る技術としては、例えば窒化ガリウム(GaN)系青色発光ダイオードに代表される半導体発光素子から発せられる紫外線や青色光によって励起され、より長波長の黄色系蛍光を発するYAG:Ceなどの蛍光体を使用し、吸収されなかった励起光と黄色系蛍光を組み合わせることで白色光を得る技術がこれまでに知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような白色光源用半導体発光装置は、長寿命で消費電力も小さいことから、画像表示装置や、照明用光源として主流になりつつある。
しかし、上記黄色系蛍光と、その補色である吸収されなかった青色光とで形成される白色光では、演色性に欠けるという問題がある。例えば励起光である青色光と蛍光である黄色光の間の波長をもつような青緑光や緑色光が足りない。この足りない演色性を付与するため、これまで岩塩型結晶構造をもつアルカリ土類金属硫化物であるセリウム賦活硫化カルシウム(CaS:Ce)蛍光体や、2価のユウロピウムが賦活されたアルカリ土類金属オルトケイ酸塩である(Sr,Ba)SiO:Eu2+蛍光体、YAG:Ceとして知られるイットリウムアルミニウムガーネットにセリウムを賦活させた蛍光体において、アルミニウムの一部をGaで置換した(Y,Sm)(Al,Ga)12:Ce蛍光体(例えば、特許文献2参照。)、同じくYAG:Ce蛍光体において、イットリウムの一部をLuで置換した蛍光体(例えば、特許文献3参照。)など、様々な蛍光体が提案されてきた。
特許第2900928号公報 特開平10−242513号公報 国際公開番号2012/046642号公報
しかしながら、たとえば励起光源として青色レーザーなど高出力励起光を適用し高輝度光源を実現しようとする場合、化学的安定性や発光輝度、または高温時の発光輝度の観点からこれらの蛍光体では対応が難しいという問題点がある。また、高温時の発光輝度が十分であっても青緑色の発光成分が足りないなどの問題点がある。
今後、さらなる光源の高輝度化やレーザー励起プロジェクタにおいて、高演色性光源が求められるといった市場ニーズにより、さらに発光ピーク波長が短く青色に近い蛍光体が求められていく。また高温時の発光輝度の低下がより少ないことが必要である。
以上のような問題を解決するため、本発明は、高温での発光輝度低下の少ない青色励起光源に適した蛍光体を提供することを目的とする。
本発明に係る蛍光体は、Lu(3−x−y−z)MgZnAl12:Ceの化学式で表され、
zの範囲が0.01≦z≦0.03の場合、x=0且つy=0を除いた、0≦x≦1.4且つ0≦y≦1.4の範囲であり、
zの範囲が0.03<z≦0.06の場合、y<0.2且つ0.1≦x≦1.4またはx<0.2且つ0.1≦y≦1.4の範囲またはx=0.2かつy=0.2であり、
zの範囲が0.06<z≦0.09の場合、y<0.2且つ0.1≦x<1.4またはx<0.2且つ0.1≦y<1.4の範囲であり、
zの範囲が0.09<z≦0.12の場合、y<0.2且つ0.1≦x<0.9またはx<0.2且つ0.1≦y<0.9の範囲である。
本発明に係る蛍光体によれば、その発光ピーク波長は500nm以上520nm以下であり、可視波長領域内の短波長領域において高い演色性を示し、発光輝度および高温下での発光輝度低下が少ない。従って、この蛍光体と、例えば450nmを発光ピーク波長とする青色発光の半導体発光装置との組み合わせにおいて、高演色および高温下での輝度低下の少ない優れた白色光源用半導体発光装置を得ることができる。
実施の形態1に係る蛍光体の一例(例えば、実施例15)の蛍光スペクトルである。 実施の形態1に係る蛍光体の一例(例えば、実施例15)の粉末X線回折プロファイルである。 YAG:Ce蛍光体の粉末X線回折プロファイルである。 実施の形態1に係る蛍光体を用いた白色光源用半導体発光装置の一例(例えば、実施例48)を示した概略断面図である。 実施の形態1に係る蛍光体を用いた白色光源用半導体発光装置の一例(例えば、実施例48)の製造方法の一工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る蛍光体を用いた白色光源用半導体発光装置の一例(例えば、実施例48)の製造方法の一工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る蛍光体を用いた白色光源用半導体発光装置の一例(例えば、実施例48)の製造方法の一工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る蛍光体を用いた白色光源用半導体発光装置の一例(例えば、実施例48)の製造方法の一工程を示す概略断面図である。 図2A及び図2BのX線回折プロファイルにおける主なピークの位置とピーク位置の相対強度を示す表1である。 実施例1−24の配合量及び評価結果を示す表2である。 実施例25−42、比較例1−6の配合量及び評価結果を示す表3である。 実施例43−47、比較例7−23の配合量及び評価結果を示す表4である。
第1の態様に係る蛍光体は、Lu(3−x−y−z)MgZnAl12:Ceの化学式で表され、
zの範囲が0.01≦z≦0.03の場合、x=0且つy=0を除いた、0≦x≦1.4且つ0≦y≦1.4の範囲であり、
zの範囲が0.03<z≦0.06の場合、y<0.2且つ0.1≦x≦1.4またはx<0.2且つ0.1≦y≦1.4の範囲またはx=0.2かつy=0.2であり、
zの範囲が0.06<z≦0.09の場合、y<0.2且つ0.1≦x<1.4またはx<0.2且つ0.1≦y<1.4の範囲であり、
zの範囲が0.09<z≦0.12の場合、y<0.2且つ0.1≦x<0.9またはx<0.2且つ0.1≦y<0.9の範囲である。
第2の態様に係る蛍光体は、上記第1の態様において、前記化学式において、zの範囲が0.01≦z≦0.03の場合、y<0.2且つ0.1≦x≦1.4 または x<0.2且つ0.1≦y≦1.4の範囲であり、
zの範囲が0.03<z≦0.06の場合、y<0.2且つ0.1<x<0.9 または x<0.2且つ0.1<y<0.9の範囲である。
第3の態様に係る発光装置は、上記第1又は第2の態様に係る蛍光体と、
450nmを発光ピーク波長とする半導体発光装置と、
を備えている。
上記構成により、演色性に優れ、かつ高温時の輝度低下が少ないため高出力時に輝度低下が少ない効率の良い白色光源用半導体発光装置とすることができる。
以下、実施の形態に係る蛍光体及びこれを用いた半導体発光素子について、添付図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
(実施の形態1)
<蛍光体>
図1は、実施の形態1に係る蛍光体の一例(例えば、実施例15)の蛍光スペクトルである。図2Aは、実施の形態1に係る蛍光体の一例(例えば、実施例15)の粉末X線回折プロファイルである。
実施の形態1に係る蛍光体は、Lu(3−x−y−z)MgZnAl12:Ceの化学式で表される。この蛍光体は、ガーネット構造を有するLuAl12を母結晶とし、Luを置換する金属元素としてMg又はZnを含み、発光中心元素としてCeを含む。Mg、Zn、Ceの含有量は、それぞれ指数x、y、zで表される。各指数の範囲は、Ceの含有量を表す指数zの範囲について、以下の4つの場合について示される。
i)zの範囲が0.01≦z≦0.03の場合、x=0且つy=0を除き0≦x≦1.4且つ0≦y≦1.4である。
ii)zの範囲が0.03<z≦0.06の場合、y<0.2且つ0.1≦x≦1.4またはx<0.2且つ0.1≦y≦1.4またはx=0.2且つy=0.2である。
iii)zの範囲が0.06<z≦0.09の場合、y<0.2且つ0.1≦x<1.4またはx<0.2且つ0.1≦y<1.4である。
iv)zの範囲が0.09<z≦0.12の場合、y<0.2且つ0.1≦x<0.9またはx<0.2且つ0.1≦y<0.9である。
この蛍光体によれば、図1の蛍光スペクトルに示すように、その発光ピーク波長は500nm以上520nm以下であり、可視波長領域内の短波長領域において高い演色性を示し、発光輝度および高温下での発光輝度低下が少ない。従って、例えば450nmを発光ピーク波長とする青色発光の半導体発光装置との組み合わせにおいて、高演色および高温下での輝度低下の少ない優れた白色光源用半導体発光装置を得ることができる。
<蛍光体の製造方法>
以下、実施の形態1に係る蛍光体の製造方法の各工程を説明する。
(1)原材料としては母結晶を構成する元素であるルテチウム(Lu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)および亜鉛(Zn)の、例えば、酸化物を用いることができる。原材料の酸化物としては、酸化ルテチウム、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛を準備し、さらに賦活剤であるセリウム(Ce)の原材料として酸化セリウムを準備する。尚、酸化マグネシウムと酸化亜鉛については、少なくとも一方を準備すればよいし、両方を準備してもよい。また、原材料は、これら酸化物でなくとも、炭酸塩などを始めとする金属塩化合物とすることも可能である。
(2)上記原材料の粉末を所定量計量し十分に混合する。混合には、例えばボールミルなどの混合装置を使用することが出来るし、また手作業で乳鉢などを使用した混合とすることもできる。前記混合粉末の0.1重量%から10重量%相当、フラックスとしてフッ化バリウム(BaF)やフッ化ストロンチウム(SrF)を混合することもできる。
なお、上記では混合粉末を乾式混合によって得ているが、これに限らず湿式混合によってもよい。さらに、沈殿反応、ゾルゲル法等によって原材料の混合粉末を得てもよい。
(3)次に、上記のようにして準備した混合粉末を焼成する。焼成には、例えば電気炉を使用することができる。例えばアルミナ製のルツボ中に混合粉末を入れて、アルミナルツボごと1200℃以上1600℃以下で約3時間以上12時間以下の時間で加熱し焼成する。
(4)焼成後は冷却し、解砕、必要な場合には酸によるフラックス洗浄などの工程を経て、蛍光体粉末を得ることが出来る。
<白色光源用半導体発光装置>
図3は、実施の形態1に係る白色光源用半導体発光装置の構造を示す概略断面図である。この白色光源用半導体装置は、少なくともリード部12A、12Bを有するリードフレーム12と、凹部を有する樹脂容器15と、樹脂容器15の内側に配置され、且つ、リード部12Bに、公知のダイボンド材11を介して搭載された半導体素子10と、半導体素子10とリード部12A、12Bとを電気的に接続する金属ワイヤ13と、蛍光体含有封止樹脂14と、を備えている。
以下に、この白色光源用半導体装置を構成する各部材について説明する。
<半導体素子>
半導体素子10は、樹脂容器15の凹部底面に位置する箇所においてリード部12B上に、ペースト材料11で接着され搭載されている。さらに、金属ワイヤ13を介して、p型電極がアノード用のリード部12Aに、n型電極がカソード用のリード部12Bに、それぞれ接続されている。
半導体素子10は、発光素子であれば良く、限定されるものではないが本実施の形態では、サファイア基板の上に形成されるAlNからなるシード層と、シード層上に形成される下地層と、GaNを主体とする積層半導体層を備えたものである。この半導体素子10は、例えば、発光波長領域は430nm以上500nm以下である。
<リードフレーム>
リードフレーム12は、銅などの熱伝導性および電気伝導性に優れた材料からなり、表面には銀メッキが施されることによって銀メッキ層が形成されている。従って、樹脂容器15の凹部の底面において、リード部12A、12Bにおいて少なくとも一部銀メッキ層が露出していることになる。なお、銀メッキ層は、公知の銀メッキ法によって形成されることができる。
<リード部>
リード部12A、12Bは、該白色光源用半導体発光装置を表面実装に対応させるため図3に示すように、リード部12A、12Bが樹脂容器15の裏側に折り曲げられた構造となっており、その先端が樹脂容器15の裏側に配置されている。
<樹脂容器>
樹脂容器15は、例えば白色顔料が配合されたアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ABS樹脂、液晶ポリマー、ポリアセタール樹脂、エポキシ樹脂といった公知の熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂を、リード部12A、12Bを担持する形で成型することにより形成されるが、中でもポリアミドや液晶ポリマー、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ナイロンを好適に使用することができる。また、樹脂容器15を形成する樹脂は、白色顔料が配合されており、さらに白色顔料の含有率、粒径等が調整され可視光の光反射率が85%以上98%以下となるようにされている。白色顔料としては、限定するものではないが、例えば亜鉛華、鉛白、リトポン、チタニア(酸化チタン)、酸化アルミニウム、沈降性硫酸バリウム及びバライト粉などを使用することができる。特に、屈折率が高く、また、光吸収率が低いという観点から酸化チタンを好適に用いることができる。さらに、半導体素子10からの発光を効率よく利用するため、凹部の表面には銀メッキが施されていても良い。
<蛍光体封止樹脂>
蛍光体含有封止樹脂14としては、限定されるものではなく、可視領域において透明な樹脂を使用することができ、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、等が挙げられる。これらの中でも、耐光性、耐熱性の観点からシリコーン樹脂を好適に使用することができる。
特に、上記蛍光体含有封止樹脂14中に本実施の形態に係る蛍光体が配合されていることにより、前記白色光は、青緑色の短波長領域の発光を含んだ演色性の高い白色光となる。
すなわち、前記蛍光体含有封止樹脂14には、実施の形態1に係る蛍光体が少なくとも1種類含有されていればよい。さらに、他に赤色領域の光を発光するCaAlSiN系蛍光体として知られる窒化物系蛍光体や、硫化物系蛍光体、黄色発光蛍光体であるYAG:Ce蛍光体との混合物であってもよい。また、所望の発光色へ調光するために蛍光体の種類を適宜選択することが可能である。
尚、白色光源用半導体発光装置の構造は、半導体素子10から放出された光が、実施の形態に係る蛍光体を励起し、高演色な白色光が得られるものであればよく、上記に限定されるものではない。
以下、実施例および比較例について具体的に説明する。
(実施例1−48、比較例1−23)
実施例1−48及び比較例1−23について、図6の表2、図7の表3、図8の表4に示す配合量にしたがって原材料を混合、焼成して、蛍光体を得た。
以下に代表例として、実施例15について説明する。
(実施例15)
(1)原材料として、酸化ルテチウム粉末(Lu)185.56g、酸化マグネシウム粉末(MgO)1.34g、アルミナ(Al)粉末84.97g、酸化セリウム(CeO)粉末1.72g、フッ化バリウム粉末3.18gを一つの容器内に秤量する。フッ化バリウムはフラックスである。
(2)これらの原材料を十分混合する。混合にはボールミルなどの装置を使用することができる。
(3)混合物をアルミナ製のルツボに投入し、大気圧において電気炉内で1400℃で約3時間焼成する
以上によって、Lu(3−x−y−z)MgZnAl12:Ceの化学式で表すことの出来る蛍光体において、xが0.1、yが0、zが0.03の蛍光体を得ることができる。
本実施例15における450nmの青色光で励起した際の蛍光スペクトルを図1に示し、合成した蛍光体粉末の粉末X線回折プロファイルを図2Aに示す。図1より、本実施例15における蛍光体は、ピーク波長が520nmより小さく、青緑色領域に強い発光を有する蛍光体であることがわかる。図2Aは、図2Bに示したガーネット構造を有する公知の蛍光体YAG:Ce蛍光体のX線回折プロファイルと比較すると、ガーネット構造結晶のX線回折プロファイルと主なピーク位置は一致しているが、ピーク高さの比が異なり、本実施例15における蛍光体がガーネット構造と類似はしているが、完全には一致しない結晶構造を有することがわかる。このような特徴的なX線回折プロファイルは、ガーネット構造からの結晶構造の歪みを表しており、これが本実施例15における発光特性を特徴づけているといえる。図2Aと図2Bより、X線回折プロファイルにおける主なピークの位置とそのピーク位置の相対強度を図5の表1に示した。
図5の表1からは、実施例15における蛍光体のX線回折プロファイルとして、2θが28.0degとピークと、30.0degのピークの高さの高低が、YAG:Ceの場合のそれと異なっていること、YAG:Ceでは見られない53.2degの位置にピークを有するなどの特徴があることがわかる。
(実施例1−14)、(実施例16−47)および(比較例1−23)
原材料として、図6の表2、図7の表3、図8の表4に示す配合に従って製造した点、およびLu(3−x−y−z)MgZnAl12:Ceの化学式で表すことの出来る蛍光体におけるx、y、zのそれぞれの値が図6の表2、図7の表3、図8の表4内に示す点を除いて、実施例15と同様である。
以上の実施例1−47および比較例1−23について、青緑色領域(500nm−520nm)における発光特性、高温での外部量子効率維持率について評価した。
それぞれの評価方法と判定基準を下記する。
(青緑色領域(500nm−520nm)における発光特性)
実施例および比較例において合成されたそれぞれの蛍光体について、積分球を使用した分光蛍光光度計(以下、分光蛍光光度計)により、その蛍光スペクトル、外部量子効率を測定した。合成された蛍光体を、直径5mm、深さ2mmのアルミ容器に入れて、積分球内の所定の位置に設置、測定装置に付属の青色LED光源から発せられる450nmの青色光を粉末に照射し、蛍光スペクトルを測定した。
<判定基準>
(青緑色領域(500nm−520nm)における発光特性)
・蛍光スペクトルにおいて、発光ピーク波長が500nm以上520nm以下であり、かつ発光ピーク波長での発光強度を555nmでの発光強度で割った値Cが1.2以上のものを、青緑領域における発光特性が特に優れたものとして◎
・蛍光スペクトルにおいて、発光ピーク波長が500nm以上520nm以下であり、かつ発光ピーク波長での発光強度を555nmでの発光強度で割った値Cが1.2未満のものを、青緑領域における発光特性が優れたものとして〇
・蛍光スペクトルにおいて、発光ピーク波長が520nmより大きいものを、青緑領域における発光特性が不十分なものとして△
とした。
(高温での外部量子効率維持率)
実施例および比較例において合成されたそれぞれの蛍光体について、高温での外部量子効率維持率を次の方法で測定した。上記分光蛍光光度計、合成された蛍光体を、直径5mm、深さ2mmのアルミ容器に入れた後、アルミ容器を昇温可能なプレート上に設置し、アルミ容器ごと150℃に加熱した状態で、アルミ容器を積分球内の所定の位置に設置、測定装置に付属の青色LED光源から発せられる450nmの青色光を粉末に照射し、量子効率を測定し、測定値を高温での外部量子効率Aとした。次に、150℃に加熱せず、25℃での外部量子効率Bの値を用い、A/Bを高温での外部量子効率維持率とした。
<判定基準>
・高温での外部量子効率維持率が特に高い範囲として、A/Bが0.95以上を◎
・高温での外部量子効率維持率が高い範囲としてA/Bが0.9以上0.95未満を〇
・高温での外部量子効率維持率が低い範囲としてA/Bが0.9未満を△
とした。
<総合判定>
以上の青緑色領域における発光特性と、高温での外部量子効率維持率とについて、双方とも◎であるものを青緑色領域における発光と高温での発光特性に特に優れているものとして◎、双方のうちいずれかが△であるものを、青緑色領域における発光特性または高温での発光特性に劣ったものとして△、それ以外を青緑色領域における発光と高温での発光特性に優れているものとして〇とした。
以上、実施例1−47および比較例1−23より、次のことがいえる。
実施例1−28から次のことがいえる。
Lu(3−x−y−z)MgZnAl12:Ceの化学式で表すことの出来る蛍光体において、zの範囲が0.01≦z≦0.03の場合、 x=0 且つ y=0は除いた、0≦x≦1.4 且つ 0≦y≦1.4の範囲 において、青緑色領域における発光特性と、高温での外部量子効率維持率に優れた蛍光体であることがわかる。中でもy<0.2且つ0.1≦x≦1.4の範囲、またはx<0.2且つ0.1≦y≦1.4の範囲において、青緑色領域における発光特性と、高温での外部量子効率維持率が特に優れた蛍光体であるといえる。
実施例29−37及び比較例1−5から次のことがいえる。
Lu(3−x−y−z)MgZnAl12:Ceの化学式で表すことの出来る蛍光体において、zの範囲が0.03<z≦0.06の場合、 y≦0.2且つ0.1≦x≦1.4の範囲 または x≦0.2且つ0.1≦y≦1.4の範囲 またはx=0.2かつy=0.2において、青緑色領域における発光特性と、高温での外部量子効率維持率に優れた蛍光体であることがわかる。中でもy<0.2且つ0.1<x<0.9の範囲、またはx<0.2且つ0.1<y<0.9の範囲において、青緑色領域における発光特性と、高温での外部量子効率維持率に特に優れた蛍光体であるといえる。
実施例38−43および比較例6−13から次のことがいえる。
Lu(3−x−y−z)MgZnAl12:Ceの化学式で表すことの出来る蛍光体において、zの範囲が0.06<z≦0.09の場合、 y<0.2且つ0.1≦x<1.4の範囲 または x<0.2且つ0.1≦y<1.4の範囲において、青緑色領域における発光特性と、高温での外部量子効率維持率に優れた蛍光体であるといえる。
実施例44−47および比較例14−23から次のことがいえる。
Lu(3−x−y−z)MgZnAl12:Ceの化学式で表すことの出来る蛍光体において、zの範囲が0.09<z≦0.12の場合、 y<0.2且つ0.1≦x<0.9の範囲 または x<0.2且つ0.1≦y<0.9の範囲において、青緑色領域における発光特性と、高温での外部量子効率維持率に優れた蛍光体であるといえる。
(実施例48)
本実施例48は、本実施例に係る蛍光体を備えた白色光源用半導体発光装置の例である。
白色光源用半導体発光装置の製造プロセスとしては、限定するものではないが、例えば次に説明するような工法が可能であり、蛍光体とその製造方法は、例えば、実施例15と同様とすることが出来る。
図4Aから図4Dは、本実施例48に係る白色光源用半導体発光装置の組立プロセスを表す各工程の断面図である。具体的な製法を以下に述べる。
(1)蛍光体の製造
実施例15と同様である。
(2)部材の組立
a)まず、図4Aに示すように白色樹脂の射出成型により、銅製リードフレームの銀メッキされたリード部12Bと一体化し、凹部にリードフレームが配置された樹脂容器15を形成する。白色樹脂としては、酸化チタン含有のポリカーボネートとした。
b)次に、図4Bに示すように、樹脂容器15の凹部底面のリードフレーム上において、半導体素子10を、カソード用のリード部12B上に、公知のペースト材料11を介して、公知の方法によるダイボンドとそれに続くペースト材料の硬化により搭載する。
c)さらに、図4Cに示すように、半導体素子10のp型電極及びn型電極と、対応するアノード用のリード部12A及びカソード用のリード部12Bを、金属ワイヤ13を用い、公知のワイヤボンディング手法によりそれぞれ接続する。
d)次に、図4Dに示すように、樹脂容器15の凹部に、上記で製造した蛍光体、YAG:Ce蛍光体およびCaAlSiN系蛍光体の混合粉末を未硬化状態のシリコーン樹脂モノマーの混合物をディスペンサーにより適量充填した。その後、前記混合物を加熱により硬化させて蛍光体含有封止樹脂14とした。
以上の製造プロセスにより、本実施例48における演色性に優れ、高温での発光強度の維持率が高い白色光源用半導体発光装置とすることができる。
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。
本発明に係る蛍光体は、発光ピーク波長が500nm以上520nm以下の範囲であり、青緑色領域の発光量が多く、且つ、高温環境下での発光量の低下が少ない蛍光体である。そこで、青色発光の半導体発光装置に適用した場合、演色性に優れた白色光源用半導体発光装置とすることができ、照明用光源や液晶バックライト用光源として好適に使用することが出来、産業上の利用価値は高い。
10 半導体素子
11 ペースト材料
12 リードフレーム
12A リード部
12B リード部
13 金属ワイヤ
14 蛍光体含有封止樹脂
15 樹脂容器

Claims (3)

  1. Lu(3−x−y−z)MgZnAl12:Ceの化学式で表され、
    zの範囲が0.01≦z≦0.03の場合、x=0且つy=0を除き0≦x≦1.4且つ0≦y≦1.4であり、
    zの範囲が0.03<z≦0.06の場合、y<0.2且つ0.1≦x≦1.4またはx<0.2且つ0.1≦y≦1.4またはx=0.2且つy=0.2であり、
    zの範囲が0.06<z≦0.09の場合、y<0.2且つ0.1≦x<1.4またはx<0.2且つ0.1≦y<1.4であり、
    zの範囲が0.09<z≦0.12の場合、y<0.2且つ0.1≦x<0.9またはx<0.2且つ0.1≦y<0.9である、蛍光体。
  2. 前記化学式において、zの範囲が0.01≦z≦0.03の場合、y<0.2且つ0.1≦x≦1.4またはx<0.2且つ0.1≦y≦1.4であり、
    zの範囲が0.03<z≦0.06の場合、y<0.2且つ0.1<x<0.9またはx<0.2且つ0.1<y<0.9である、請求項1に記載の蛍光体。
  3. 請求項1又は2に記載の蛍光体と、
    450nmを発光ピーク波長とする半導体発光装置と、
    を備えていることを特徴とする、白色光源用半導体発光装置。
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