JP2020089070A - 受電装置および受電装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】線路にACノイズが乗っても、給電装置が接続を検出することができる受電装置を提供することである。【解決手段】受電装置は、一対の線路を介して電力を受電する受電装置であって、前記一対の線路の電圧に応じて、前記一対の線路のインピーダンスの不平衡量を検出する検出手段(502)と、前記検出手段により検出された不平衡量を基に、前記一対の線路の間に流れる電流値を調整する調整手段(503)とを有する。【選択図】図5
Description
本発明は、受電装置および受電装置の制御方法に関する。
イーサネット(登録商標)ケーブル等の通信線路を通じて電力を供給するためのシステムとして、IEEE802.3af規格にて定められているPOE(Power Over Ethernet)がある。特許文献1には、POE給電を行う給電装置および受電装置が開示されている。給電装置は、受電装置の接続を検出すると、受電装置に対して給電を行う。
特許文献2には、データ転送に使用されるケーブルの2ペア線を用いて遠隔給電を実現する給電システムが開示されている。給電システムは、極性の反転などの伝送線路の異常状態を検知して報知する。
通信線路にノイズが混入すると、給電装置は、受電装置の接続を検出できず、受電装置に対して給電することができない場合がある。その場合、受電装置は、起動することができない。
本発明の目的は、線路にACノイズが乗っても、給電装置が接続を検出することができる受電装置を提供することである。
本発明の受電装置は、一対の線路を介して電力を受電する受電装置であって、前記一対の線路の電圧に応じて、前記一対の線路のインピーダンスの不平衡量を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された不平衡量を基に、前記一対の線路の間に流れる電流値を調整する調整手段とを有する。
本発明によれば、線路にACノイズが乗っても、給電装置が接続を検出することができる。
図1は、本発明の実施形態による給電システム100の構成例を示す図である。給電システム100は、例えば、IEEE802.3af規格にて定められているPOE(Power Over Ethernet)に準拠するシステムであり、給電装置110と受電装置120を有する。給電装置110は、ケーブル130を介して、受電装置120に対して、電力の供給および通信を行う。具体的には、給電装置110は、ケーブル130を介して、受電装置120に対して、電力を平衡線路によりファントム給電する。給電装置110は、PSE(Power Sourcing Equipment)であり、例えば、POE対応HUBである。受電装置120は、PD(Powered Device)であり、例えば、ネットワークカメラまたはIP電話である。ケーブル130は、イーサネットケーブルである。
給電装置110は、給電線路119のソース側(電流吐き出し側)111と、シンク側(電流吸い込み側)112と、浮遊容量113,114と、AC電源115と、終端素子117と、検出器118と、給電線路119とを有する。ソース側111は、給電回路116を有する。給電装置110および受電装置120では、それぞれ、フレームグランド電位FGと信号グランド電位SGの端子は、筐体に対して、機械的に接触する。フレームグランド電位FGは、筐体(シャシー)のグランド電位である。信号グランド電位SGは、部品実装基板のグランド電位である。AC電源115は、商用のAC100Vである。
図2は、IEEE802.3af規格の給電シーケンスを示す図である。まず、給電フェーズでは、給電装置110は、受電装置120が接続されていない状態で、2.8〜10Vの検出用電圧(電流は最大5mA)を所定の周期で出力する。受電装置120が給電装置110に接続されると、受電装置120内の25kΩ(代表値)の認証抵抗に電流が流れる。給電装置110は、検出器118により、認証抵抗に応じた電圧を検出し、その電圧が閾値より高い場合には、給電装置110に受電装置120が接続されたと判断し、分類フェーズに移行する。
分類フェーズでは、給電装置110は、受電装置120に対して、15.5〜20.5Vの分類用電圧を出力する。すると、受電装置120内の分類抵抗に電流が流れる。給電装置110は、検出器118により、分類抵抗に応じた電圧を検出し、受電装置120の消費電力の分類を行う。
その後、給電フェーズでは、給電装置110は、受電装置120に対して、44〜57Vの電圧を給電する。受電装置120は、給電を受けて起動し、イーサネット通信を開始する。受電装置120は、12.95Wまでの電力消費が許可される。
給電装置110は、受電装置120に対して、信号線重畳型のPOE給電を行い、差動信号の平衡伝送を行う。給電装置110は、浮遊容量113および114を有する。浮遊容量113および114は、給電線路119とフレームグランド電位FGのノード間の容量である。
ここで、浮遊容量113および114は、主に以下の2つの理由で、相互に容量値が異なる場合がある。第1に、フレームグランド電位FGと信号グランド電位SGの筺体に対する接触圧(例えば、ネジ締め付けトルク、圧入力、バネ応力等)による浮遊容量113および114の変化である。第2に、給電線路119のソース側111とシンク側112とにおける回路構成の違いによる給電回路(能動素子)116の有無による電流供給能力の違いである。
浮遊容量113および114の容量値が相互に異なると、給電線路119の平衡状態が乱れ、耐ノイズ性が低下して、給電装置110の内部にあるAC電源115からの50/60HzのACノイズ(HUMノイズ)が混入する。また、受電装置120接続される外部機器(映像モニタ)に内蔵のAC電源もACノイズ混入のノイズ源となる。
図3は、給電線路119に混入するノイズを説明するための図である。インピーダンスZ1は、図1のソース側111のインピーダンスである。インピーダンスZ2は、図2のシンク側112のインピーダンスである。上記のように、浮遊容量113および114の容量値が相互に異なると、ソース側111のインピーダンスZ1とシンク側112のインピーダンスZ2が相互に異なる。
ACノイズは、給電線路119に対して、コモンモードで印加される。このとき、2本の給電線路119のインピーダンスZ1およびZ2が異なると、個々の給電線路119がフレームグランド電位FGに対して誘導する電圧に差異が生じ、その差分がノーマルモードノイズとして現れる。このようにして、給電線路119間の電圧(ノーマルモード)にACノイズが混入する。給電線路119のインピーダンスZ1およびZ2が異なる要因は、浮遊容量113および114の容量値の差異、ソース側111とシンク側112における給電回路116の有無などである。
図4は、給電装置110が検出フェーズで検出する検出電圧を示す波形図である。給電線路119にACノイズが混入すると、検出電圧に例えば振幅xxVppの50/60HzのACノイズが重畳される。重畳されたACノイズの負方向の振幅が大きくなると、受電装置120で発生する電圧(検出電圧)の最小値が閾値Vth以下の値となり、給電装置110は、受電装置120を検出することができない。そして、給電装置110は、リトライ検出フェーズを繰り返して、次フェーズに進めず、給電が開始されないために、受電装置120が起動できない課題がある。
以下、給電線路119の不平衡により、検出電圧にACノイズが乗った場合でも、検出電圧が閾値Vthを下回らないようにするための受電装置120を説明する。
図5は、本実施形態による受電装置120の構成例を示す図である。受電装置120は、電力蓄積部501と、不平衡検出部502と、POEインタフェース回路504と、POE電源回路505と、コネクタ506と、トランス507と、トランシーバ508と、機器回路509とを有する。POEインタフェース回路504は、認証抵抗調整部503を有する。
POEインタフェース回路504は、図2に示すPOEシーケンスを実現し、給電装置110からの給電電圧をPOE電源回路505に出力する。POE電源回路505は、POEインタフェース回路504から給電電圧を入力し、DC/DCコンバータ等で電圧を変換し、電圧の安定化を行い、受電装置120内の電源電圧Vddを生成する。
受電装置120は、平衡給電線路としてのケーブル130を介して、給電装置110に接続される。給電装置110は、ケーブル130に対して、直流の給電電圧を印加し、その直流の給電電圧の上に通信のための差動信号を重畳する。コネクタ506は、LAN用モジュラーコネクタであるRJ45コネクタである。ケーブル130は、コネクタ506を介して、トランス507に接続される。
トランス507は、2つの1次側コイルと、2つの2次側コイルとを有する。一対の給電線路TapPおよびTapNは、トランス507の2つの1次側コイルの中間タップに接続され、図示しない終端素子で終端がなされている。トランス507の2つの1次側コイルの中間タップは、ケーブル130から入力した2つの1次側コイルの電圧の直流成分を抽出する。そして、トランス507の2つの1次側コイルの中間タップは、その抽出した2つの直流成分の電圧を、一対の給電線路TapPおよびTapNを介して、電力蓄積部501とPOEインタフェース回路504と不平衡検出部502に出力する。トランス507の2つの2次側コイルは、ケーブル130から入力した2つの電圧の直流成分のない交流成分の差動信号をトランシーバ508に出力する。また、トランス507の2次側コイルは、トランシーバ508から入力した交流成分の差動信号を、ケーブル130の直流の給電電圧の上に重畳する。
トランシーバ508は、イーサネット物理層をサポートするデバイスである。機器回路509は、送信データの差動信号をトランシーバ508に送信する。トランシーバ508は、その受信した差動信号を基に、トランス507を介して、ケーブル130に差動信号を送信する。また、トランシーバ508は、ケーブル130からトランス507を介して、差動信号を受信し、その受信した差動信号を機器回路509に送信する。
機器回路509は、受電装置120の本体の回路であり、POE電源回路505から電源電圧Vddの供給を受け、トランシーバ508を介して、データの差動信号を送受信し、所定の処理を行う。
図6は、図5の電力蓄積部501の構成例を示す図である。電力蓄積部501は、ダイオードブリッジ601と、容量602とを有する。ダイオードブリッジ601は、整流回路であり、給電線路TapNおよびTapPの電圧の極性を一致させ、給電線路TapNおよびTapPの電圧を整流する。容量602は、電荷を蓄積する容量であり、例えば、電気二重層容量である。ダイオードブリッジ601の入力端子は、給電線路TapPおよびTapNに接続されている。給電装置110は、図2の検出フェーズでは、2.8〜10Vの電圧および最大5mAの電流を、図7(a)のように、周期的に供給する。ダイオードブリッジ601は、この電圧および電流を整流して、電気二重層容量602を充電する。電気二重層容量602は、充電電圧が電圧Vddに達すると、その電圧Vddを不平衡検出部502とPOEインタフェース回路504へ供給する。電力蓄積部501は、一対の給電線路TapNおよびTapPから入力する周期的または間欠的な電圧に基づく電力を受電し、その受電した電力を蓄積し、その蓄積した電力を不平衡検出部502とPOEインタフェース回路504へ供給する。
図8は、図5の不平衡検出部502の構成例を示す図である。不平衡検出部502は、オペアンプ801と、抵抗804〜811と、整流回路812とを有する。抵抗804および805は、給電線路TapNとフレームグランド電位FGのノード間の電圧を分圧するための抵抗である。抵抗808および809は、給電線路TapPとフレームグランド電位FGのノード間の電圧を分圧するための抵抗である。
抵抗806,807とオペアンプ801は、反転増幅器を構成し、反転増幅器の反転入力端子には、抵抗804および805により分圧された電圧が入力される。抵抗810,811とオペアンプ801は、非反転増幅器を構成し、非反転増幅器の非反転入力端子には、抵抗808および809により分圧された電圧が入力される。
上記の反転増幅器と非反転増幅器により、オペアンプ801は、差動増幅器として動作し、TapP−FG間電圧とTapN−FG間電圧との電位差に応じた電圧Wを整流回路812に出力する。差動増幅器は、給電線路TapPおよびフレームグランド電位FGのノードの間の電圧に基づく電圧と、給電線路TapNおよびフレームグランド電位FGのノードの間の電圧に基づく電圧との電位差を増幅する。
整流回路812は、オペアンプ801の出力電圧Wを全波整流し、平滑化し、正の直流電圧Vを認証抵抗調整部503に出力する。すなわち、不平衡検出部502は、TapP−FG間電圧とTapN−FG間電圧との電位差に応じた正電圧Vを出力する。整流回路812は、ダイオードブリッジと容量により構成される。
以上のように、不平衡検出部502は、電力蓄積部501により蓄積された電力の供給を受け、給電線路TapPおよびTapNの電圧に応じて、給電線路TapPおよびTapNのインピーダンスの不平衡量に応じた正電圧Vを検出し、正電圧Vを出力する。具体的には、不平衡検出部502は、給電線路TapPおよびフレームグランド電位FGのノードの間の電圧と給電線路TapNおよびフレームグランド電位FGのノードの間の電圧との電位差に応じた正電圧Vを出力する。
図9は、給電装置110と受電装置120の一部の構成例を示す図である。受電装置120は、不平衡検出部502とPOEインタフェース回路504を有する。POEインタフェース回路504は、認証抵抗調整部503を有する。
認証抵抗調整部503は、電界効果トランジスタ(FET)911と抵抗912を有する。FET911のゲートは、不平衡検出部502から出力される正電圧Vを入力する。FET911のドレインは、給電線路TapPに接続される。FET911のソースは、給電線路TapNに接続される。FET911のドレインとソースは、それぞれ、ダイオードブリッジ等の極性一致回路を介して、給電線路TapPおよびTapNに接続してもよい。抵抗912は、FET911のゲートとソースとの間に接続されている。これは、FET911のゲートとソース間を同電位にするためである。
FET911では、不平衡量に応じた正電圧Vがゲート電圧として印可され、ドレイン−ソース間の電流が変化する。FET911は、デプレッション型であり、ゲート電圧が0Vのとき、ドレイン−ソース間にはドレイン遮断電流IDSSで示される電流Is0が流れる。FET911のドレイン−ソース間電圧は、電流Is0で決定される電圧となる。FET911は、ゲート電圧が大(正極性)のとき、ドレイン−ソース間電流が大となる特性を有する。
よって、平衡状態では、正電圧Vはゼロであるので、FET911のドレイン−ソース間電流はIs0となる。これに対し、不平衡状態では、不平衡に応じた正電圧VがFET911のゲートに印加され、FET911のドレイン−ソース間電流は、電流Is1になる。電流Is1は、電流Is0より大きい。
認証抵抗調整部503は、不平衡検出部502から出力される正電圧Vを基に、一対の給電線路TapPおよびTapNの間に流れる電流値を調整する。具体的には、認証抵抗調整部503は、不平衡検出部502から出力される正電圧Vを基に、一対の給電線路TapPおよびTapNの間の抵抗値を調整する。
給電装置110は、インタフェース回路901を有する。インタフェース回路901は、給電回路116と、検出器118と、センス抵抗902とを有する。検出器118の入力端子は、それぞれ、給電線路TapPおよびTapNに接続されている。説明の簡素化のため、給電線路TapPおよびTapN間に存在する直列抵抗および浮遊容量などの素子は省略している。
検出器118は、給電線路TapPおよびTapN間の電圧と流れる電流を検出する。給電回路116は、検出用電圧Vsを出力する。センス抵抗902は抵抗値Rsを有し、センス抵抗902には電流Isが流れ、電位差Vicが生じる。検出器118は、電位差Vicを検出する。
電流Isおよび認証抵抗値Rsgnは、それぞれ、次式で表される。
Is=Vic/Rs
Rsgn=Vs/Is
Is=Vic/Rs
Rsgn=Vs/Is
認証抵抗値Rsgnが所定の範囲(23.75kΩ〜26.25kΩ)に入るように、検出用電圧と電流が規定され、電流規定値に対応する閾値Vthが設定されている。電位差Vicと閾値Vthとを比較し、Vic≧Vthであるとき、給電装置110は、受電装置120が接続されていることを検出する。平衡状態では、FET911およびセンス抵抗902に電流Is0が流れ、検出器118は電圧Vic0を検出する。Vic0>Vthであるように、閾値Vthが設定される。
図10は、本実施形態による給電システム100の制御方法を示すシーケンス図であり、検出フェーズと分類フェーズと給電フェーズの処理を示す。給電装置110の給電線路119のインピーダンスZ1およびZ2と、ケーブル130の線路インピーダンスは、不平衡である。受電装置120がケーブル130に接続される前の状態では、給電装置110は、検出フェーズである。
ステップS1001では、給電装置110は、検出用電圧を周期的に送出する。ステップS1002では、受電装置120は、ケーブル130を介して、給電装置110に接続される。ステップS1003では、電力蓄積部501では、ダイオードブリッジ601は、電圧及び電流を整流して、電気二重層容量602を充電する。電気二重層容量602は、充電電圧が電圧Vddに達すると、電圧Vddを不平衡検出部502およびPOEインタフェース回路504へ供給する。
ここで、電気二重層容量602に蓄積される電力について説明する。近年、半導体デバイスの消費電力は微小になってきている。例えば、SUICA(登録商標)は、改札ゲートを通過する1秒足らずの時間で、電磁的に充電された電力で、マイコン動作やシステム認証などをまかなう。よって、電気二重層容量602に蓄積された電力で、不平衡検出部502およびPOEインタフェース回路504を動作させることは容易である。
ステップS1004では、不平衡検出部502は、電圧Vddが供給されると、オペアンプ801が差動増幅器として動作し、TapP−FG間電圧とTapN−FG間電圧との電位差に応じた電圧Wを出力する。
ここで、下記の3点が成立する。第1に、インピーダンスは、直流抵抗+交流抵抗で示され、「R+1/2πfC+2πfL」となる。ここで、Rは直流抵抗[Ω]であり、fは周波数[Hz]であり、Cは静電容量[F]であり、Lはインダクタンス[H]である。
第2に、混入するACノイズは主にコモンモードであり、ノイズ源から給電線路119を通りフレームグランド電位FGへ流れるノイズ電流は等しい。したがって、ノイズを含んだ場合であっても、給電線路TapPおよびTapNに流れる電流は等しい。
第3に、TapP−TapN間が平衡状態のときには、TapP−FG間のインピーダンスとTapN−FG間のインピーダンスとが等しくなる。
以上より、TapP−TapN間が平衡状態のときには、ノイズ電流とインピーダンス(≒抵抗)の積が電圧として検出され、|TapP−FG間電圧|=|TapN−FG間電圧|となる。これに対し、TapP−TapN間が不平衡状態のときには、|TapP−FG間電圧|≠|TapN−FG間電圧|となる。絶対値とした理由は、給電の極性を考慮したためである。給電線路TapPとTapNは、給電装置110から受電装置120へ出力される電流の往路と復路であるので、TapP−FG間電圧とTapN−FG間電圧との極性は逆になっている。
給電線路TapPとTapNとの間が平衡状態である場合、|TapP−FG間電圧|=|TapN−FG間電圧|であり、差動増幅器としてのオペアンプ801の出力電圧Wは0Vとなる。
給電線路119の浮遊容量113および114などの差異により、|TapP−FG間電圧|>|TapN−FG間電圧|となったときは、オペアンプ801の出力電圧Wが正電圧になる。また、|TapP−FG間電圧|<|TapN−FG間電圧|となったときは、オペアンプ801の出力電圧Wが負電圧になる。
次に、ステップS1005では、整流回路812は、オペアンプ801の出力電圧Wを整流し、平滑化し、正の直流電圧Vを出力する。FET911のゲートは、正の直流電圧Vを入力する。FET911は、正極性の直流電圧Vがゲートに印加されるので、特性に基づき、ドレイン−ソース間電流が増大し、電流Is1が流れる。これにより、認証抵抗調整部503は、認証抵抗値Rsgnを調整したことになる。給電装置110のインタフェース回路901では、電流Is1がセンス抵抗902に流れ、検出器118は、電流Is1による電位差(センス電圧)Vic1を検出する。電流Isが増大しているため、電位差Vicが増大している。電位差Vic1は、電位差Vic0より高い。よって、電位差Vic1は、閾値Vthより高くなる。
以上のようにして、給電線路119が不平衡状態のとき、認証抵抗調整部503は、不平衡量を示す直流電圧Vに応じて、認証抵抗値Rsgnを調整する。認証抵抗値Rsgnの調整範囲は、19kΩ〜26.5kΩの規格値である。認証抵抗調整部503は、センス抵抗902で検出されるセンス電圧Vicが閾値Vthより高くなる方向に増大する。これにより、図7(b)に示すように、給電線路119間に閾値Vthを下回る方向のノイズが混入した場合に、認証抵抗調整部503は、センス電圧Vicが閾値Vthより高くなる方向にセンス電圧Vicを増大させ、閾値マージンを確保することができる。ステップS1006では、センス電圧Vic1が閾値Vthより高くなる。
ステップS1006では、給電装置110は、センス電圧Vic1が閾値Vthより高いと判断し、受電装置120が給電装置110に接続されたことを検出し、分類フェーズに移行し、ステップS1008に進む。
ステップS1008では、給電装置110は、分類用電圧を送出する。ステップS1009では、受電装置120のPOEインタフェース回路504に内蔵の分類抵抗に分類用電圧が通電され、所定の電圧が発生する。ステップS1010では、給電装置110は、受電装置120の分類抵抗により発生した電圧を検出し、受電装置120の消費電力を分類し、給電フェーズに移行し、ステップS1011に進む。
ステップS1011では、給電装置110は、ケーブル130を介して、受電装置120の給電線路間に約48Vの電圧を送出し、POE給電を開始する。ステップS1012では、受電装置120は、POE給電を受け、一対の給電線路TapPおよびTapNに電力を出力する。POEインタフェース回路504は、内蔵の給電スイッチをオンにし、給電線路TapPおよびTapNの電力をPOE電源回路505に出力する。POE電源回路505は、給電線路TapP,TapNとPOEインタフェース回路504を介して電力を受電し、電圧変換および安定化を行い、機器回路509に電源電圧を供給し、受電装置120が起動する。その後、ステップS1013では、給電装置120と受電装置120は、通信を開始する。
以上のように、不平衡検出部502は、給電装置110の検出フェーズにおける検出用電圧を基に、給電線路119の不平衡量に応じた直流電圧Vを検出する。認証抵抗調整部503は、直流電圧Vに応じて、給電線路TapPおよびTapN間を流れる電流Is1を増大させ、センス電圧Vicが閾値Vthより高くなる方向に、センス電圧Vicを増大させる。給電装置110は、センス電圧Vicが閾値Vthより高くなるので、受電装置120の接続を検出することができる。また、給電線路119が不平衡である場合、受電装置120がセンス電圧Vicを制御することができるので、既設の給電装置110やその接地状態など、ネットワーク設備を交換することなく、接続性の向上した給電システム100を構築可能である。
なお、認証抵抗調整部503は、FET911を用いたが、これに限定せずに、バイポーラトランジスタを用いてもよい。また、FET911は、デバイス単体ではなく、電子負荷の構造としてもよい。
また、認証抵抗調整部503は、不平衡量を示す直流電圧Vに応じて、認証抵抗を流れる電流Isを増大したが、電圧により抵抗を可変な素子により、認証抵抗の抵抗値を増大してもよい。例えば、認証抵抗調整部503は、アナログフォトカプラ(2次側がCdSの構造)を用いて実現できる。また、認証抵抗調整部503は、複数の抵抗をスイッチ素子により切り替えることにより、認証抵抗値の値を変えるようにしてもよい。
また、不平衡検出部502は、抵抗804〜811とオペアンプ801を用いたが、その他のデバイスで実現しても、同様の効果を得ることができる。
また、電力蓄積部501と不平衡検出部502と認証抵抗調整部503の全てまたは一部は、同一の半導体基板上に形成することができる。この場合は、消費電力をより小さくできるという効果がある。
また、給電装置110と受電装置120は、IEEE802.3af規格にて定められているPOEに準拠している例を説明したが、その規格の上位規格であるIEEE802.3at規格によるPOE Plusに準拠しているものでもよい。POE Plusは、POEに対して、受電装置120の検出フェーズのアルゴリズムが同じであるため、同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
110 給電装置、120 受電装置、130 ケーブル、501 電力蓄積部、502 不平衡検出部、503 認証抵抗調整部、504 POEインタフェース回路、505 POE電源回路、506 コネクタ、507 トランス、508 トランシーバ、509 機器回路
Claims (16)
- 一対の線路を介して電力を受電する受電装置であって、
前記一対の線路の電圧に応じて、前記一対の線路のインピーダンスの不平衡量を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された不平衡量を基に、前記一対の線路の間に流れる電流値を調整する調整手段と
を有することを特徴とする受電装置。 - 前記検出手段は、給電装置が前記受電装置の接続を検出するために前記一対の線路を介して出力した検出用電圧に応じて、前記一対の線路のインピーダンスの不平衡量を検出し、
前記調整手段の調整の後、前記給電装置から前記一対の線路を介して電力を受電する電源手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の受電装置。 - 入力した2つの電圧の直流成分を抽出し、前記抽出した2つの直流成分の電圧を前記一対の線路に出力する抽出手段をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の受電装置。
- 前記一対の線路の電圧に基づく電力を蓄積する蓄積手段をさらに有し、
前記検出手段は、前記蓄積手段により蓄積された電力の供給を受け、前記不平衡量を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の受電装置。 - 前記調整手段は、前記検出手段により検出された不平衡量を基に、前記一対の線路の間の抵抗値を調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の受電装置。
- 前記一対の線路は、第1の線路と第2の線路を有し、
前記検出手段は、前記第1の線路およびグランド電位のノードの間の電圧と前記第2の線路および前記グランド電位のノードの間の電圧との電位差に応じた電圧を出力し、
前記調整手段は、前記検出手段により出力される電圧を基に、前記一対の線路の間に流れる電流値を調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の受電装置。 - 前記検出手段は、
前記第1の線路および前記グランド電位のノードの間の電圧に基づく電圧と、前記第2の線路および前記グランド電位のノードの間の電圧に基づく電圧との電位差を増幅する差動増幅手段と、
前記差動増幅手段の出力電圧を整流する整流手段とを有することを特徴とする請求項6に記載の受電装置。 - 前記調整手段は、
ドレインが前記第1の線路に接続され、ソースが前記第2の線路に接続され、ゲートが前記検出手段により出力される電圧を入力する電界効果トランジスタと、
前記電界効果トランジスタのゲートとソースとの間に接続される抵抗とを有することを特徴とする請求項6または7に記載の受電装置。 - 前記蓄積手段は、前記一対の線路から入力する周期的または間欠的な電圧に基づく電力を蓄積することを特徴とする請求項4に記載の受電装置。
- 前記蓄積手段は、整流回路と容量を有することを特徴とする請求項4または9に記載の受電装置。
- 前記容量は、電気二重層容量であることを特徴とする請求項10に記載の受電装置。
- 前記抽出手段は、2つの1次側コイルの中間タップが前記一対の線路に接続されるトランスを有することを特徴とする請求項3に記載の受電装置。
- 前記検出手段と前記調整手段と前記蓄積手段は、同一の半導体基板上に形成されていることを特徴とする請求項4、9〜11のいずれか1項に記載の受電装置。
- 前記受電装置は、IEEE802.3af規格のPOEに準拠した受電装置であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の受電装置。
- 前記受電装置は、IEEE802.3at規格のPOE Plusに準拠した受電装置であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の受電装置。
- 一対の線路を介して電力を受電する受電装置の制御方法であって、
検出手段により、前記一対の線路の電圧に応じて、前記一対の線路のインピーダンスの不平衡量を検出するステップと、
調整手段により、前記検出された不平衡量を基に、前記一対の線路の間に流れる電流値を調整するステップと
を有することを特徴とする受電装置の制御方法。
Priority Applications (1)
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JP2018220472A JP2020089070A (ja) | 2018-11-26 | 2018-11-26 | 受電装置および受電装置の制御方法 |
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