JP2020088884A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱部品が温度検出手段を内蔵しない場合に、発熱部品に関連する温度の推定値を精度良く導出する。【解決手段】動作時に熱を発生する発熱部品と、発熱部品から離れた位置に温度検出手段と、発熱部品の動作状態を表す動作情報を取得する動作情報取得部と、温度検出手段からの温度情報と、動作情報とに基づいて、発熱部品に関連する温度の推定値を更新する温度推定部とを含み、温度推定部は、発熱部品での消費電力が予め規定された基準よりも低い低消費電力状態に基づいて、推定値を温度情報に応じた値にリセットする、電力変換装置が開示される。【選択図】図4

Description

本開示は、電力変換装置に関する。
複数の半導体素子(発熱部品)のそれぞれが感温ダイオード(温度検出手段)を内蔵することで、全ての素子温度についての温度情報を検出し、検出した温度情報に基づいて電力変換回路の過熱保護制御を行う技術が知られている。
特開2017−200262号公報
しかしながら、上記のような従来技術では、発熱部品が温度検出手段を内蔵しない場合に、発熱部品に関連する温度の推定値を精度良く導出することが難しい。発熱部品が温度検出手段を内蔵しない場合、発熱部品から離れた位置(例えば発熱部品の近傍等)に配置される温度検出手段からの温度情報を利用できるが、かかる温度情報は、発熱部品自体の温度に対して乖離する場合があり、このような乖離を考慮して利用することが有用となる。
そこで、1つの側面では、本発明は、発熱部品が温度検出手段を内蔵しない場合に、発熱部品に関連する温度の推定値を精度良く導出することを目的とする。
1つの側面では、動作時に熱を発生する発熱部品と、
前記発熱部品から離れた位置に温度検出手段と、
前記発熱部品の動作状態を表す動作情報を取得する動作情報取得部と、
前記温度検出手段からの温度情報と、前記動作情報とに基づいて、前記発熱部品に関連する温度の推定値を更新する温度推定部とを含み、
前記温度推定部は、前記発熱部品での消費電力が予め規定された基準よりも低い低消費電力状態に基づいて、前記推定値を前記温度情報に応じた値にリセットする、電力変換装置が提供される。
1つの側面では、本発明によれば、発熱部品が温度検出手段を内蔵しない場合に、発熱部品に関連する温度の推定値を精度良く導出することが可能となる。
電動車両用のモータ駆動システムの全体構成の一例を示す図である。 インバータのスイッチング素子とサーミスタとの位置関係の一例の説明図である。 図2のラインA−Aに沿った断面図である。 インバータ制御装置の機能の一例を示す概略図である。 チップの動作状態に応じたチップの温度とサーミスタからの温度情報の温度との関係を示す図である。 チップに係る熱回路網モデルの概略図である。 パワーモジュールの過熱保護制御に関連してインバータ制御装置により実行される処理の一例を示す概略的なフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
以下の説明において、特に言及しない限り、各種の要素間の“接続”という用語は、“電気的な接続”を意味する。なお、図2等では、見易さのために、複数存在する同一属性の部位には、一部のみしか参照符号が付されていない場合がある。
図1は、電動車両用のモータ駆動システム1の全体構成の一例を示す図である。モータ駆動システム1は、高圧バッテリ10を用いて走行用モータ40を駆動することにより車両を駆動させるシステムである。なお、電動車両は、電力を用いて走行用モータ40を駆動して走行するものであれば、その方式や構成の詳細は任意である。電動車両は、動力源がエンジンと走行用モータ40であるハイブリッド自動車や、動力源が走行用モータ40のみである電気自動車を含む概念である。
モータ駆動システム1は、図1に示すように、高圧バッテリ10、平滑コンデンサ20と、インバータ30、走行用モータ40(図1では「MG」と表記)、及び、インバータ制御装置50を備える。なお、本実施例においては、インバータ30及びインバータ制御装置50が電力変換装置の一例を形成する。
高圧バッテリ10は、蓄電して直流電圧を出力する任意の蓄電装置であり、ニッケル水素バッテリ、リチウムイオンバッテリや電気2重層キャパシタ等の容量性素子を含んでよい。高圧バッテリ10は、典型的には、定格電圧が100Vを超えるバッテリであり、定格電圧が例えば288Vである。ただし、高圧バッテリ10は、いわゆるマイルドハイブリッド自動車で用いられる、より定格電圧の低いバッテリ(例えば48V)であってもよい。本実施例では、一例として、高圧バッテリ10は、定格電圧が48V(第1電圧の一例)であるとする。図1には、高圧バッテリ10の高電位側が“P”で示され、低電位側(グランド側)が“N”で示される。
平滑コンデンサ20は、インバータ30に並列に接続される。平滑コンデンサ20は、正極ラインと負極ラインとの間に接続される。
インバータ30は、正極ラインと負極ラインとの間に互いに並列に配置されるU相、V相、W相の各アームを含む。U相アームは、直列接続されたスイッチング素子(本例ではMOSFET:metal−oxide−semiconductor field−effect transistor)Q1、Q2を含み、V相アームは、直列接続されたスイッチング素子(本例ではMOSFET)Q3、Q4を含み、W相アームは、直列接続されたスイッチング素子(本例ではMOSFET)Q5、Q6を含む。また、各スイッチング素子Q1〜Q6のドレイン−ソース間には、それぞれ、ソース側からドレイン側に電流を流すようにダイオードD11〜D16が配置される。なお、ダイオードD11〜D16は、MOSFETのボデーダイオードであってよい。なお、スイッチング素子Q1〜Q6は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のような、MOSFET以外の他のスイッチング素子であってもよい。
なお、本実施例では、一例として、インバータ30は、U、V、W相の相ごとに、3組のスイッチング素子Q1〜Q6及びダイオードD11〜D16を含む。ただし、変形例では、スイッチング素子Q1〜Q6及びダイオードD11〜D16の組の数は、1個であってもよいし、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。なお、図1では、3組のスイッチング素子Q1〜Q6及びダイオードD11〜D16は、U相用のモジュールM1と、V相用のモジュールM2、及びW相用のモジュールM3に組み込まれている。
走行用モータ40は、3相の交流モータであり、U、V、W相の3つのコイルの一端が中点で共通接続されている。U相コイルの他端は、スイッチング素子Q1、Q2の中点M1に接続され、V相コイルの他端は、スイッチング素子Q3、Q4の中点M2に接続され、W相コイルの他端は、スイッチング素子Q5、Q6の中点M3に接続される。
図1では、電流センサ90がインバータ制御装置50に接続されている。電流センサ90は、U、V、W相の相ごとに、コイルに流れる電流を検出する電流センサ91、92、93を含む。
なお、図1に示す例では、モータ駆動システム1は、単一の走行用モータ40を備えているが、追加のモータ(発電機を含む)を備えてもよい。この場合、追加のモータ(複数も可)は、対応するインバータとともに、走行用モータ40及びインバータ30と並列な関係で、高圧バッテリ10に接続されてもよい。また、図1に示す例では、モータ駆動システム1は、DC/DCコンバータを備えていないが、高圧バッテリ10とインバータ30の間にDC/DCコンバータを備えてもよい。なお、モータ駆動システム1では、平滑コンデンサ20に並列に、空調装置等のような他の車載電気負荷が接続されてもよい。
高圧バッテリ10と平滑コンデンサ20との間には、図1に示すように、高圧バッテリ10から電力供給を遮断するための遮断用スイッチSW1が設けられる。遮断用スイッチSW1は、半導体スイッチやリレー等で構成されてもよい。遮断用スイッチSW1は、常態でオン状態であり、例えば平滑コンデンサ20の急速放電が必要な状況等にオフされる。
図2は、インバータ30のスイッチング素子Q1〜Q6のチップとサーミスタ60(温度検出手段の一例)との位置関係の一例の説明図であり、ケース2内におけるインバータ30の収容状態を概略的に示す上面図である。図3は、図2のラインA−Aに沿った断面図である。
図2では、インバータ30を形成する3つのパワーモジュール3がケース2内に収容される。具体的には、3つのパワーモジュール3は、ケース2の凹部22内に収容される。3つのパワーモジュール3は、図1に示す3組のスイッチング素子Q1〜Q6及びダイオードD11〜D16を含むインバータ30を形成し、1つのパワーモジュール3が、U、V、W相のいずれかの相(すなわちモジュールM1、M2、M3のいずれか)に対応する。なお、ケース2は、蓋部材等で覆われてよく、また、2つ以上の部材により形成されてよい。例えば、ケース2は、凹部22の側壁部と底部とが別体であってもよい。以下では、特に言及しない限り、1つのパワーモジュール3について説明する。
本実施例では、一例として、ケース2は、冷却水用の水路形成部材を実現する。具体的には、ケース2の凹部22の下方には、冷却水が流れる水路が形成され、ケース2の凹部22の底部の下面(裏面)には下方に突出するフィン42が形成される(図3参照)。すなわち、ケース2の凹部22は、ヒートシンクを形成する。なお、凹部22の底部は、伝導率の高い銅等により形成されてよく、銅基板の形態であってもよい。冷却水は、例えばLLC(ロングライフクーラント)を含む水であってよい。なお、変形例では、パワーモジュール3の冷却方式は、水冷式でなく、空冷式であってもよい。
フィン42は、例えば、ピンフィンであり、例えば、千鳥配置される。すなわち、各フィン42は、3つの隣接するフィン42の中心を結ぶと正三角形(又は二等辺三角形)になるように配置される。但し、フィン42の配置態様や形状等は任意である。例えばフィン42は、ストレートフィンであってもよい。
パワーモジュール3は、ケース2の凹部22の底部上に設けられる。具体的には、パワーモジュール3は、図3に示すように、ヒートスプレッダ70上に半田71を介してチップ72(発熱部品の一例)が設けられる。各チップ72は、スイッチング素子Q1〜Q6のチップに対応する。なお、図示しないが、チップ72の各端子にはバスバ等が接続され、図1に示した電気回路を形成する。
ヒートスプレッダ70は、各チップ72で発生する熱を吸収し拡散する部材である。ヒートスプレッダ70は、例えば銅、アルミなどの熱拡散性の優れた金属から形成される。本例では、一例として、ヒートスプレッダ70は、銅により形成される。銅としては、伝導率が銅材の中で最も高い無酸素銅(C1020)が好適である。ヒートスプレッダ70は、絶縁層74を介して凹部22の底部表面上に接合される。
絶縁層74は、樹脂接着剤や樹脂シートから構成されてよい。絶縁層74は、例えばアルミナをフィラーとした樹脂で形成されてもよい。絶縁層74は、ヒートスプレッダ70とヒートシンク(すなわち凹部22、以下同じ)の間に設けられ、ヒートスプレッダ70とヒートシンクに接合する。絶縁層74は、ヒートスプレッダ70とヒートシンクとの間の電気的な絶縁性を確保しつつ、ヒートスプレッダ70からヒートシンクへの高い熱伝導性を確保する。
このような冷却構造では、凹部22のフィン42は、冷却水(空冷の場合は、冷却空気のような冷却媒体)と接触する。このようにして、パワーモジュール3の駆動時に生じる各チップ72からの熱は、ヒートスプレッダ70、絶縁層74を介して、ヒートシンクのフィン42から冷却媒体へと伝達され、パワーモジュール3の冷却(各チップ72の冷却)が実現される。
なお、本実施例では、チップ72が接合される基板は、ヒートスプレッダ70であったが、チップ72は、他の任意の基板に配置されてもよい。例えば、チップ72が接合される基板は、セラミック基板の両面にアルミ板を備えたDBA(Direct Brazed Aluminum)基板や、セラミック基板の両面に銅板を備えたDBC(Direct Brazed Copper)基板であってもよい。
ここで、本実施例では、図2に示すように、パワーモジュール3は、サーミスタ60を含む。サーミスタ60は、センシングした温度に応じた電気信号を発生する。
サーミスタ60は、温度検出対象のチップ72から離れた位置に設けられる。すなわち、サーミスタ60は、温度検出対象のチップ72に内蔵されるのではなく、温度検出対象のチップ72の温度に相関する温度を検出できるような位置に設けられる。
また、サーミスタ60は、温度検出対象のチップ72ごとに1つずつ設けられてもよいが、好ましくは、温度検出対象の複数のチップ72ごとに1つずつ設けられる。この場合、温度検出対象のチップ72の数よりも少ない数のサーミスタ60を利用して、温度検出対象のチップ72の温度を推定できる。
具体的には、本実施例では、一例として、サーミスタ60は、各ヒートスプレッダ70に1つずつ設けられる。従って、サーミスタ60は、6つのチップ72に対して1つずつ設けられる。なお、他の実施例では、サーミスタ60は、凹部22に設けられてもよいし、他の箇所に設けられてもよい。なお、凹部22にサーミスタ60が設けられる場合、サーミスタ60は、計18個のチップ72に対して1つだけであってよい。
次に、パワーモジュール3の過熱保護制御に関連したインバータ制御装置50の機能について説明する。
図4は、インバータ制御装置50の機能の一例を示す概略図である。
インバータ制御装置50は、動作情報取得部52と、温度推定部54と、動作制限部56とを含む。なお、動作情報取得部52、温度推定部54、及び動作制限部56は、インバータ制御装置50を形成するコンピュータのCPUが、同コンピュータの記憶装置内のプログラムを実行することで実現できる。
本実施例では、一例として、動作情報取得部52、温度推定部54、及び動作制限部56は、パワーモジュール3内の一のチップ72ごとに機能する。ただし、変形例では、動作情報取得部52、温度推定部54、及び動作制限部56は、一のサーミスタ60によりカバーされる個数のチップ72ごと(本実施例では、6つのチップ72ごと)に機能してもよい。
以下では、特に言及しない限り、サーミスタ60とは、3つのサーミスタ60のうちの、任意の1つであり、チップ72とは、当該1つのサーミスタ60によりカバーされる6つのチップ72のうちの、任意の1つであるものとする。
動作情報取得部52は、チップ72の動作状態を表す動作情報を取得する。動作情報は、チップ72の消費電力を表すことができる情報であり、チップ72の動作の有無を表す情報や、チップ72を流れる電流を表す情報、チップ72を流れる電流に相関するパラメータを表す情報等であってよい。本実施例では、一例として、動作情報は、チップ72を流れる電流を表す情報として、チップ72を流れる電流値の情報(以下、「電流値情報」と称する)である。電流値情報は、電流センサ90(図1参照)からのセンサ情報に基づくものであってもよいし、指令値(チップ72を流れる電流の指令値、又は、チップ72を流れる電流値を導出可能な制御指令値)の情報であってもよい。
温度推定部54は、サーミスタ60からの温度情報と、動作情報取得部52により取得される電流値情報とに基づいて、チップ72に関連する温度の推定値を導出(更新)する。チップ72に関連する温度とは、チップ72に関連する限り任意であるが、例えば、チップ72自体の温度であってもよいし、チップ72の過熱保護制御に用いられる温度(この場合、当該温度は、チップ72の温度を直接的に表すものでなくてよい)であってもよい。本実施例では、一例として、チップ72に関連する温度は、チップ72自体の温度であるものとし、以下、チップ72に関連する温度の推定値を、単に「チップ温度」と称する。
温度推定部54は、積算推定部541と、リセット部542とを含む。
積算推定部541は、サーミスタ60からの温度情報と、動作情報取得部52により取得される電流値情報とに基づいて、チップ温度を更新する。チップ温度の更新方法は、任意であるが、本実施例では、一例として、以下のように更新される。
チップ温度Tch(k)=Tch(k−1)+ΔT(j) 式(1)
ここで、k、k−1は、更新周期を表し、kは1以上の自然数である。チップ温度の初期値であるTch(0)は、サーミスタ60からの温度情報に応じた値に設定される。本実施例では、一例として、Tch(0)は、そのときのサーミスタ60からの温度情報に等しい値に設定される。ΔT(j)は、更新周期(k−1)から更新周期(k)までのチップ72の温度変化量である。
温度変化量ΔT(j)は、動作情報取得部52により取得される電流値情報に応じて算出される。例えば、温度変化量ΔT(j)は、チップ72での消費電力に基づいて算出される。チップ72での消費電力は、動作情報取得部52により取得される電流値情報に応じて算出できる。例えば、チップ72での消費電力は、電流値情報とチップ72の消費電力特性とに基づいて算出できる。温度変化量ΔT(j)の算出方法の更なる一例は、図6を参照して後述する。
リセット部542は、チップ72での消費電力が比較的低い低消費電力状態に基づいて、チップ温度をサーミスタ60からの温度情報に応じた値にリセットする。低消費電力状態とは、チップ72での消費電力が、予め規定された基準よりも低い状態であり、例えば、電流値情報の電流値が閾値Th1(第1閾値の一例)以下である状態である。閾値Th1は、非常に小さい値であってよく、略0である。ただし、変形例では、閾値Th1は、チップ温度の減少が生じるような電流値の範囲の上限値に相当してもよい。この場合、チップ温度が減少するかどうかは、冷却水の温度のような他の因子に依存しうるので、閾値Th1は、可変とされてもよい。
“サーミスタ60からの温度情報に応じた値”とは、サーミスタ60からの温度情報に相関する値であり、例えばサーミスタ60からの温度情報の温度自体であってもよいし、当該温度を加工した値(例えば予め規定された変換式で変換した値)であってもよい。本実施例では、一例として、リセット部542は、チップ温度をサーミスタ60からの温度情報の温度にリセットする。
動作制限部56は、チップ温度が閾値Tth(第3閾値の一例)を超えた場合に、チップ72の動作を制限する。閾値Tthは、チップ72の過熱保護の観点から定まる閾値である。チップ72の動作の制限は、チップ72の消費電力が有意に小さくなる態様である限り任意であるが、例えば、チップ72に流す電流を0にすることにより実現されてよい。また、チップ72の動作の制限は、インバータ30の停止により実現されてもよい。
ここで、図5を参照して、チップ72の動作状態とチップ72の温度とサーミスタ60からの温度情報の温度との関係について説明するとともに、本実施例の効果について説明する。
図5は、チップ72の動作状態に応じたチップ72の温度とサーミスタ60からの温度情報の温度との関係を示す図である。図5には、横軸に時間を取り、縦軸に温度を取ったときの、チップ72の温度の変化を表す曲線550と、横軸に時間を取り、縦軸に温度を取ったときの、サーミスタ60からの温度情報の温度の変化を表す曲線552とが示される。また、図5には、横軸に時間を取り、縦軸に回転数を取ったときの、走行用モータ40の回転数の変化を表す曲線554が示される。図5では、曲線550は、チップ72近傍の熱電対(図示せず)を用いて得られた値に基づくものである。
図5では、時点t0から時点t1までの間、チップ72に流れる電流が発生し、電流値情報の電流値が閾値Th1を超える高消費電力状態に対応する。このような高消費電力状態では、チップ72の温度が曲線550で示すように時間とともに上昇し、かつ、サーミスタ60からの温度情報の温度も曲線552で示すように時間とともに上昇する。
ここで、図5に示すように、チップ72の温度及びサーミスタ60からの温度情報の温度は、高消費電力状態の開始時点t0では略同一であったものの、高消費電力状態が継続するにつれて、乖離していく。これは、サーミスタ60は、チップ72に内蔵されたセンサではなく、サーミスタ60の温度を直接的に測定するものでないためである。このように、サーミスタ60からの温度情報は、高消費電力状態が継続するにつれて、チップ72自体の温度から乖離していく。
このことから、高消費電力状態では、サーミスタ60からの温度情報の温度をそのままチップ72の温度と見なすことは、精度の観点から問題があることがわかる。
この点、本実施例では、上述のように、温度推定部54の積算推定部541は、サーミスタ60からの温度情報の温度=チップ温度とするのではなく、サーミスタ60からの温度情報の温度に応じた値を初期値として用いるものの、その後はチップ72での消費電力に応じてチップ温度を更新する。これにより、本実施例によれば、常にサーミスタ60からの温度情報の温度=チップ温度とする場合に比べて、チップ温度の精度(実際のチップ72の温度に対する精度)を高めることができる。
図5では、時点t1で、チップ72に流れる電流が0となる。チップ72に流れる電流が0となると、図5に示すように、チップ72の温度が曲線550で示すように時間とともに下降し、かつ、サーミスタ60からの温度情報の温度も曲線552で示すように時間とともに下降する。そして、チップ72に流れる電流が0となってから、時間ΔT1が経過した時点t2では、チップ72の温度及びサーミスタ60からの温度情報の温度が略一致する。
このように、チップ72に流れる電流が0となると、チップ72の発熱量(消費電力)が低下することで、チップ72の温度及びそれに伴いサーミスタ60からの温度情報の温度が低下していく。そして、最終的には、チップ72の温度及びサーミスタ60からの温度情報の温度が略一致する収束状態(図5のQ1内参照)となる。
ここで、上述のように、本実施例では、サーミスタ60からの温度情報の温度に応じた値を初期値として用い、その後はチップ72での消費電力に応じてチップ温度を更新する。かかる更新方法では、時間の経過とともに、誤差が累積して、チップ温度の精度(実際のチップ72の温度に対する精度)が徐々に悪くなる場合がある。すなわち、消費電力の算出誤差等に起因して、時間の経過とともに、チップ温度の精度が徐々に悪くなる場合がある。
この点、本実施例では、上述のように、温度推定部54のリセット部542は、チップ72での消費電力が比較的低い低消費電力状態に基づいて、チップ温度をサーミスタ60からの温度情報に応じた値にリセットする。従って、本実施例によれば、上述のような消費電力の算出誤差等に起因した誤差の累積をリセットすることが可能となるので、チップ温度の精度が時間の経過とともに悪化してしまう状況を抑制できる。
ここで、図5から分かるように、リセット部542によるリセットタイミングは、好ましくは、チップ72の温度及びサーミスタ60からの温度情報の温度が略一致する収束状態内のタイミングとなるように、適合される。この場合、チップ温度の初期値の精度が良好となるので、誤差の累積を略0にリセットでき、その後、更新されるチップ温度の精度を高めることができる。
例えば、リセット部542は、電流値情報の電流値が閾値Th1以下である状態の継続時間が閾値Th2(第2閾値の一例)を超えた場合に、チップ温度をリセットする。この場合、閾値Th2は、チップ72の温度及びサーミスタ60からの温度情報の温度が略一致する収束状態においてリセットタイミングが生じるように、適合される。
次に、図6を参照して、チップ温度の導出に用いることができる温度変化量ΔT(j)の算出方法の他の例について説明する。
図6は、チップ72に係る熱回路網モデルの概略図である。温度変化量ΔT(j)の算出には、図6に示すような熱回路網モデルを用いることができる。
熱回路網モデルでは、電気における抵抗、電流及び電圧の関係(V=R×I)が、以下の関係式に対応するものとして、モデル化される。
ΔT=R×Q
ここで、ΔTは、温度差に相当し、電気回路における電圧Vに対応し、Rは、熱抵抗に相当し、電気回路における抵抗Rに対応する。また、Qは、消費電力(熱量)に相当し、電気回路における電流Iに対応する。
図6において、入力される熱流は、電気回路における電流に相当し、チップ72を流れる電流に対応する。入力される熱量(チップ72での損失)Qin(j)は、チップ72の特性に応じて予めマップ等で用意されてよい。図6では、チップ72に対応する節点N1、ヒートスプレッダ70に対応する節点N2、及びフィン42(ヒートシンク)に対応する節点N3がモデル化されている。また、図6では、節点N4は、冷却水Wに対応する。
節点N1と節点N2との間には、チップ72とヒートスプレッダ70との間の伝熱経路の熱抵抗(半田71における熱抵抗)R(j−c)がモデル化され、節点N2と節点N3との間には、ヒートスプレッダ70とフィン42との間の伝熱経路の熱抵抗(絶縁層74における熱抵抗)R(c−f)がモデル化され、節点N3と節点N4との間には、フィン42と冷却水との間の熱抵抗R(f−w)がモデル化されている。また、図6において、C(j)は、チップ72の熱容量(コンデンサに対応)を表し、C(c)は、ヒートスプレッダ70の熱容量を表し、C(f)は、フィン42の熱容量を表す。各熱抵抗(R(j−c)等)や各熱容量(C(j)等)の値は、試験(実機データ)に基づいて適合される。
チップ72での熱量Qin(j)は、チップ72を流れる電流に応じた値(チップ72での損失)であり、上述のように、マップ等により規定される。このとき、t秒間でのチップ温度の温度変化量ΔT(j)は、以下の関係に基づいて導出される。
温度変化量ΔT(j)=(Qin(j)−Qout(j))/C(j)×t 式(2)
チップ72からのQout(j)は、ヒートスプレッダ70へのQin(c)に等しい。このとき、t秒間でのヒートスプレッダ70の温度変化量ΔT(c)は、以下の関係に基づいて導出される。
温度変化量ΔT(c)=(Qin(c)−Qout(c))/C(c)×t 式(3)
同様に、ヒートスプレッダ70からのQout(c)は、フィン42へのQin(f)に等しい。このとき、t秒間でのフィン42の温度変化量ΔT(f)は、以下の関係に基づいて導出される。
温度変化量ΔT(f)=(Qin(f)−Qout(f))/C(f)×t 式(4)
同様に、フィン42からのQout(f)は、冷却水WへのQin(w)(図示せず)に等しい。
また、チップ72とヒートスプレッダ70との間の温度差をΔT(j−c)とすると、
Qout(j)=ΔT(j−c)×1/R(j−c) 式(5)
同様に、ヒートスプレッダ70とフィン42との間の温度差をΔT(c−f)とすると、
Qout(c)=ΔT(c−f)×1/R(c−f) 式(6)
同様に、フィン42と冷却水Wとの間の温度差をΔT(f−w)とすると、
Qout(f)=ΔT(f−w)×1/R(f−w) 式(7)
なお、ΔT(f−w)は、冷却水の温度を固定値として算出されてもよいし、冷却水の温度を可変値として算出されてもよい。
ここで、チップ温度の初期値は、上述のようにサーミスタ60からの温度情報に応じた値を用いる。このとき、ヒートスプレッダ70の温度の初期値、及び、フィン42の温度の初期値は、上記の関係式から求まる。チップ温度の初期値、ヒートスプレッダ70の温度の初期値、及び、フィン42の温度の初期値が出揃うと、ΔT(j−c)、ΔT(c−f)、及びΔT(f−w)の各初期値が出揃うので、式(5)から式(7)に基づいて、今回周期(前回周期から時間t後)のQout(j)、Qout(c)、Qout(f)が導出できる。そして、Qout(j)=Qin(c)及びQout(c)=Qin(f)の関係と、式(2)から式(4)に基づいて、時間t後の温度変化量ΔT(j)、温度変化量ΔT(c)、及び温度変化量ΔT(f)が導出できる。なお、このとき、今回周期のQin(j)は、上述のように、今回周期で得られる電流値情報に応じた値である。そして、温度変化量ΔT(j)、温度変化量ΔT(c)、及び温度変化量ΔT(f)が導出されると、ΔT(j−c)、ΔT(c−f)、及びΔT(f−w)が導出可能となり、今回周期(前回周期から時間t後)のΔT(j−c)、ΔT(c−f)、及びΔT(f−w)の各値(時間t後の各値)が出揃う。以後、更新周期ごとに、繰り返す。
このようにして、時間tごとの周期で、(Qin(j)−Qout(j))を更新し、温度変化量ΔT(j)を算出することで、上記の式(1)からチップ温度Tch(k)を更新できる。そして、上述のように、チップ温度がリセットされるときは、再び、チップ温度の初期値は、上述のようにサーミスタ60からの温度情報に応じた値にリセットされる。このとき、ヒートスプレッダ70の温度の初期値、及び、フィン42の温度の初期値は、上記の関係式から求まる。チップ温度の初期値、ヒートスプレッダ70の温度の初期値、及び、フィン42の温度の初期値が出揃うと、ΔT(j−c)、ΔT(c−f)、及びΔT(f−w)の各初期値が出揃うので、式(5)から式(7)に基づいて、今回周期(前回周期から時間t後)のQout(j)、Qout(c)、Qout(f)が導出できる。そして、Qout(j)=Qin(c)及びQout(c)=Qin(f)の関係と、式(2)から式(4)に基づいて、時間t後の温度変化量ΔT(j)、温度変化量ΔT(c)、及び温度変化量ΔT(f)が導出できる。なお、このとき、今回周期のQin(j)は、上述のように、今回周期で得られる電流値情報に応じた値である。そして、温度変化量ΔT(j)、温度変化量ΔT(c)、及び温度変化量ΔT(f)が導出されると、ΔT(j−c)、ΔT(c−f)、及びΔT(f−w)が導出可能となり、今回周期(前回周期から時間t後)のΔT(j−c)、ΔT(c−f)、及びΔT(f−w)の各値(時間t後の各値)が出揃う。以後、更新周期ごとに、繰り返す。なお、図6に示す熱回路網モデルは、あくまで一例であり、多様な変更が可能である。例えば、バスバのような他の構成要素がモデル化されてもよい。
次に、図7を参照して、パワーモジュール3の過熱保護制御に関連したインバータ制御装置50の動作例について説明する。
図7は、パワーモジュール3の過熱保護制御に関連してインバータ制御装置50により実行される処理の一例を示す概略的なフローチャートである。図7に示す処理は、例えば車両の電源がオンである間、過熱保護制御が実行されていない状態において、所定周期ごとに繰り返し実行されてよい。
ステップS700では、インバータ制御装置50は、初回の処理か否か(すなわち初期化が必要か否か)を判定する。判定結果が“YES”の場合、ステップS720に進み、それ以外の場合は、ステップS701に進む。
ステップS701では、インバータ制御装置50は、電流値情報を取得する。
ステップS702では、インバータ制御装置50は、ステップS700で取得した電流値情報の電流値が閾値Th1以下であるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合、ステップS704に進み、それ以外の場合は、ステップS712に進む。
ステップS704では、インバータ制御装置50は、低消費電力状態フラグFが“0”であるか否かを判定する。低消費電力状態フラグFが“0”であることは、電流値情報の電流値が閾値Th1以下でない状態が前回周期で検出されていることを表す。低消費電力状態フラグFの初期値は“0”であってよい。判定結果が“YES”の場合、ステップS705に進み、それ以外の場合は、ステップS718に進む。
ステップS705では、インバータ制御装置50は、低消費電力状態フラグFを“1”にセットする。
ステップS706では、インバータ制御装置50は、閾値Th2に対応する時間が経過するとタイムアウトするタイマを起動する。
ステップS707では、インバータ制御装置50は、ステップS700で取得した電流値情報に基づいて、温度変化量ΔT(j)を算出する。温度変化量ΔT(j)の算出方法は上述のとおりである。
ステップS708では、インバータ制御装置50は、ステップS707で得た温度変化量ΔT(j)に基づいて、チップ温度を更新する。チップ温度の更新方法は、上述のとおりである。
ステップS709では、インバータ制御装置50は、ステップS708で得たチップ温度が閾値Tthを超えたか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合、ステップS710に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理はそのまま終了する(リターン)。
ステップS710では、インバータ制御装置50は、パワーモジュール3の過熱保護制御を実行する。この場合、図7に示す処理ルーチンを抜け、パワーモジュール3の過熱保護制御の処理ルーチン(図示せず)へと移行する。
ステップS712では、インバータ制御装置50は、低消費電力状態フラグFが“1”であるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合、ステップS714に進み、それ以外の場合は、ステップS707に進む。
ステップS714では、インバータ制御装置50は、低消費電力状態フラグFを“0”にリセットする。
ステップS716では、インバータ制御装置50は、タイマを停止する。
ステップS718では、インバータ制御装置50は、タイマがタイムアウトしたか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合、ステップS720に進み、それ以外の場合は、ステップS707に進む。
ステップS720では、インバータ制御装置50は、サーミスタ60から温度情報を取得する。
ステップS722では、インバータ制御装置50は、ステップS720で得た温度情報に基づいて、チップ温度をリセットする。
図7に示す処理によれば、電流値情報の電流値が閾値Th1以下である状態の継続時間が閾値Th2を超えた場合に、チップ温度をリセットできる。この結果、チップ温度が更新され続けることで蓄積されうる誤差をリセットでき、精度の高いチップ温度が得られる状態に復帰できる。
なお、図7に示す処理に関して、動作情報取得部52、温度推定部54、及び動作制限部56が、一のサーミスタ60によりカバーされる個数(本例では6個)のチップ72ごとに機能する変形例では、ステップS708等で推定されるチップ温度は、一のサーミスタ60によりカバーされる6個のチップ72のうちの任意の1つ(例えば温度環境が最も厳しいチップ72、温度環境の差異がない場合は、任意のチップ72)のチップ温度であってよく、ステップS710で実行される動作制限(過熱保護制御)は、すべてのチップ72に対して共通に実現されてよい。また、かかる変形例では、電流値情報は、一のサーミスタ60によりカバーされる6個のチップ72のうちの任意の1つに関するものであってよい。あるいは、かかる変形例では、一のサーミスタ60によりカバーされる6個のチップ72の平均値(チップ温度や電流値情報)が使用されてもよい。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
例えば、電力変換装置の一要素としてインバータ30を備えているが、電力変換装置の一要素としてDC−DCコンバータを備えてもよい。この場合、DC−DCコンバータのチップに対して同様の考え方が適用されてよい。
<付記>
以上の実施例に関し、更に以下を開示する。なお、以下で記載する効果のうちの、一の形態に対する追加的な各形態に係る効果は、当該追加的な各形態に起因した付加的な効果である。
一の形態は、動作時に熱を発生する発熱部品(72)と、
前記発熱部品(72)から離れた位置に温度検出手段(60)と、
前記発熱部品(72)の動作状態を表す動作情報を取得する動作情報取得部(52)と、
前記温度検出手段(60)からの温度情報と、前記動作情報とに基づいて、前記発熱部品(72)に関連する温度の推定値を更新する温度推定部(54)とを含み、
前記温度推定部(54)は、前記発熱部品(72)での消費電力が予め規定された基準よりも低い低消費電力状態に基づいて、前記推定値を前記温度情報に応じた値にリセットする、電力変換装置(30、50)である。
本形態によれば、低消費電力状態に基づいて、温度推定部(54)により更新される推定値に累積されやすい誤差の積算をリセットして、推定値の精度の高い状態に復帰させることが可能となる。従って、本形態によれば、発熱部品が温度検出手段を内蔵しない場合に、発熱部品に関連する温度の推定値を精度良く導出できる。なお、推定値の精度とは、発熱部品(72)に関連する温度に対する精度であり、推定値と発熱部品(72)に関連する温度との間の誤差が小さいほど精度が高い。
また、本形態においては、好ましくは、前記温度推定部(54)は、ある時点での前記温度情報に応じた初期値と、前記ある時点の後の前記動作情報に応じた温度変化量(ΔT(j))の算出値とに基づいて、前記推定値を更新する。
この場合、温度変化量(ΔT(j))の算出値を用いることで、初期値からの温度変化を精度良く推定でき、更新される推定値の精度を高めることができる。
また、本形態においては、好ましくは、前記温度推定部(54)は、前記低消費電力状態における前記温度情報に応じた値を初期値として、前記推定値をリセットする。
この場合、低消費電力状態においては温度情報と発熱部品(72)に関連する温度との相関性が高いため、この点を利用して、推定値を精度の高い値(初期値)にリセットできる。
また、本形態においては、好ましくは、前記温度推定部(54)は、前記発熱部品(72)を流れる電流が第1閾値(Th1)以下である場合に、前記低消費電力状態を検出する。
この場合、温度情報と発熱部品(72)に関連する温度との相関性が有意に高くなる低消費電力状態を検出でき、結果として、推定値を精度の高い値(初期値)にリセットできる。
また、本形態においては、好ましくは、前記温度推定部(54)は、前記低消費電力状態の継続時間が第2閾値(Th2)を超えた場合に、前記推定値をリセットする。
この場合、温度情報と発熱部品(72)に関連する温度との相関性が非常に高くなる低消費電力状態を検出でき、結果として、推定値を精度の高い値(初期値)にリセットできる。
また、本形態においては、好ましくは、前記発熱部品(72)を複数含み、
前記温度推定部(54)は、一の前記温度検出手段(60)からの前記温度情報に基づいて、複数の前記発熱部品(72)に関連する前記推定値を更新及びリセットする。
この場合、相対的に少ない数の温度検出手段(60)を利用して、相対的に多い数の発熱部品(72)に関連する推定値を更新及びリセットできる。
また、本形態においては、好ましくは、前記推定値が第3閾値(Tth)を超えた場合に、前記発熱部品(72)の動作を制限する動作制限部(56)を更に含む。
この場合、上述のように得られる精度の高い推定値に基づいて、発熱部品(72)の動作を制限できる。これにより、発熱部品(72)に係る過熱保護制御を適切に実現できる。
1 モータ駆動システム
2 ケース
3 パワーモジュール
10 高圧バッテリ
20 平滑コンデンサ
22 凹部
30 インバータ
40 走行用モータ
42 フィン
50 インバータ制御装置
52 動作情報取得部
54 温度推定部
541 積算推定部
542 リセット部
56 動作制限部
60 サーミスタ
70 ヒートスプレッダ
71 半田
72 チップ
74 絶縁層

Claims (7)

  1. 動作時に熱を発生する発熱部品と、
    前記発熱部品から離れた位置に温度検出手段と、
    前記発熱部品の動作状態を表す動作情報を取得する動作情報取得部と、
    前記温度検出手段からの温度情報と、前記動作情報とに基づいて、前記発熱部品に関連する温度の推定値を更新する温度推定部とを含み、
    前記温度推定部は、前記発熱部品での消費電力が予め規定された基準よりも低い低消費電力状態に基づいて、前記推定値を前記温度情報に応じた値にリセットする、電力変換装置。
  2. 前記温度推定部は、ある時点での前記温度情報に応じた初期値と、前記ある時点の後の前記動作情報に応じた温度変化量の算出値とに基づいて、前記推定値を更新する、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記温度推定部は、前記低消費電力状態における前記温度情報に応じた値を初期値として、前記推定値をリセットする、請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記温度推定部は、前記発熱部品を流れる電流が第1閾値以下である場合に、前記低消費電力状態を検出する、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 前記温度推定部は、前記低消費電力状態の継続時間が第2閾値を超えた場合に、前記推定値をリセットする、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記発熱部品を複数含み、
    前記温度推定部は、一の前記温度検出手段からの前記温度情報に基づいて、複数の前記発熱部品に関連する前記推定値を更新及びリセットする、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記推定値が第3閾値を超えた場合に、前記発熱部品の動作を制限する動作制限部を更に含む、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の電力変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022231399A1 (ko) * 2021-04-30 2022-11-03 삼성전자 주식회사 전자 장치에서 가상 센서를 구현하는 방법 및 장치

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