JP2020088729A - 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、及び電子機器 - Google Patents

固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、及び電子機器 Download PDF

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Masaki Odawara
正起 小田原
静徳 松本
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Abstract

【課題】画素信号を高速で読み出しながら、単位画素の転送期間を延ばすことができる、固体撮像装置及び電子装置を提供する。【解決手段】 画素アレイ部と、D/A変換部と、カラム処理部と、を備え、画素アレイ部が、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素を有し、カラム処理部が、前記列毎に対応するA/D変換部を有し、A/D変換部が、コンパレータを有し、単位画素が有するリセットレベルの電位を読み出すP相読み出し期間と、単位画素が出力する画素信号の電位を読み出すD相読み出し期間と、を有する1行毎に画素信号の信号成分を読み出す1水平期間内において、A/D変換部が、第1の行のリセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行の前記D相読み出し期間中に、第2の行の前記画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、第1の行の前記単位画素の信号電荷が転送される、固体撮像装置を提供する。【選択図】図1

Description

本技術は、固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、及び電子機器に関する。
近年、デジタルカメラの中心部品である固体撮像装置(イメージセンサ)の需要が、益々高まっている。例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサの固体撮像装置において、低消費電力化が検討されている。
また、固体撮像装置において、画素領域で生成される画素信号の読み出し動作をする際に、垂直信号線のレベルがリセットレベルに落ち着くまでのセトリング時間を短縮する技術も検討されている(特許文献1参照)。
国際公開第2016/098590号公報
ところで、固体撮像装置は、光電変換素子であるフォトダイオードが貯めることのできる最大の信号電荷(所謂、Qsとも呼ばれる。)の拡大に伴って、画素の転送期間を十分確保しなければ、転送できない信号電荷が生じることがある。
ここで、画素の転送期間を延ばした場合、複数の単位画素の各画素信号を一行単位で読み出す1水平期間も延びてしまい、単位画素の画素信号を高速で読み出しすることができなくなることが懸念されている。
そこで、本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、単位画素の画素信号を高速で読み出しながら、単位画素の転送期間を延ばすことができる、固体撮像装置及び電子装置を提供することを主目的とする。
本発明者らは、上述の目的を解決するために鋭意研究を行った結果、単位画素の画素信号を高速で読み出しながら、単位画素の転送期間を延ばすことに成功し、本技術を完成するに至った。
即ち、本技術では、まず、画素アレイ部と、
D/A変換部と、
カラム処理部と、を備え、
前記画素アレイ部が、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素を有し、
前記カラム処理部が、前記列毎に対応するA/D変換部を有し、
前記A/D変換部が、コンパレータを有し、
前記単位画素が有するリセットレベルの電位を読み出すP相読み出し期間と、前記単位画素が出力する画素信号の電位を読み出すD相読み出し期間と、を有する1行毎に前記画素信号の信号成分を読み出す1水平期間内において、
前記A/D変換部が、第1の行の前記リセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行の前記D相読み出し期間中に、第2の行の前記画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、前記第1の行の前記単位画素の信号電荷が転送される、固体撮像装置を提供する。
また、本技術に係る固体撮像装置において、前記第2の行が、前記第1の行に隣接し、当該第1の行よりも1つ前の行であってもよい。
また、本技術に係る固体撮像装置において、前記第1の行の前記単位画素の信号電荷を転送する期間が、当該第1の行の次の行が有する前記P相読み出し期間中まで拡大されるようにしてもよい。
また、本技術に係る固体撮像装置において、
前記A/D変換部が、第1の容量と、第2の容量とを備え、
前記第1の容量が、前記第1の行の前記リセットレベルの電位を蓄え、
前記第2の容量が、前記第2の行の前記リセットレベルの電位を蓄え、
前記カラム処理部が、前記第1の行の前記1水平期間内に、前記第2の行の前記A/D変換された前記画素信号の電位の値から、当該第2の行の前記A/D変換された前記リセットレベルの電位の値を減算処理するようにしてもよい。
また、本技術に係る固体撮像装置において、前記単位画素が、光電変換素子と、フローティングディフュージョンと、転送トランジスタと、増幅トランジスタと、選択トランジスタと、を備え、
前記光電変換素子が、前記単位画素で受光した光量に応じて信号電荷を生成し、
前記転送トランジスタが、前記信号電荷を前記フローティングディフュージョンに転送し、
前記フローティングディフュージョンが、前記信号電荷を蓄積して画素信号に変換し、
前記増幅トランジスタが、前記画素信号を増幅し、
前記選択トランジスタが、前記増幅された画素信号を選択して出力するようにしてもよい。
また、本技術に係る固体撮像装置において、前記第1の行の前記単位画素が有する前記転送トランジスタがオンのとき、当該第1の行の前記単位画素が有する前記選択トランジスタをオフにして、当該第1の行の前記信号電荷を前記フローティングディフュージョンに転送するとともに、
前記第2の行の前記単位画素が有する前記選択トランジスタをオンにして、前記第2の行の前記画素信号の電位を前記A/D変換するようにしてもよい。
また、本技術に係る固体撮像装置において、前記複数の単位画素が、前記フローティングディフュージョンを共有する画素群を形成し、
前記A/D変換部が、前記第1の行における前記画素群を形成する前記複数の単位画素のうち、第1の前記単位画素の前記リセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行における前記D相読み出し期間中に、前記第2の行における前記画素群を形成する前記複数の単位画素のうち、第2の前記単位画素の前記画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、前記第1の単位画素の信号電荷が転送されるようにしてもよい。
また、本技術に係る固体撮像装置において、少なくとも2つの垂直信号線と、
少なくとも2つの前記A/D変換部と、を有し、
前記列毎に前記2つの垂直信号線が設けられ、
前記列毎に前記2つの前記A/D変換部が設けられ、
前記2つの垂直信号線のそれぞれが、前記複数の単位画素が配列された行毎に、交互に接続され、
前記2つのA/D変換部のうち一方が、第1の前記垂直信号線に接続され、
前記2つのA/D変換部のうち他方が、第2の前記垂直信号線に接続され、
前記一方のA/D変換部が、前記第1の垂直信号線を介して、前記リセットレベルの電位と前記画素信号の電位を前記A/D変換するとともに、並列して、
前記他方のA/D変換部が、前記第2の垂直信号線を介して、前記リセットレベルの電位と前記画素信号の電位を前記A/D変換するようにしてもよい。
また、本技術では、画素アレイ部と、
D/A変換部と、
カラム処理部と、を備える固体撮像装置の駆動方法であって、
前記画素アレイ部が、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素を有し、
前記カラム処理部が、前記列毎に対応するA/D変換部を有し、
前記A/D変換部が、コンパレータを有し、
前記単位画素が有するリセットレベルの電位を読み出すP相読み出し期間と、前記単位画素が出力する画素信号の電位を読み出すD相読み出し期間と、を有する1行毎に前記画素信号の信号成分を読み出す1水平期間内において、
前記A/D変換部が、第1の行の前記リセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行の前記D相読み出し期間中に、第2の行の前記画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、前記第1の行の前記単位画素の信号電荷が転送される、固体撮像装置の駆動方法を提供する。
また、本技術では、固体撮像装置が搭載され、
前記固体撮像装置が、画素アレイ部と、
固体撮像装置が搭載され、
前記固体撮像装置が、
画素アレイ部と、
D/A変換部と、
カラム処理部と、を備え、
前記画素アレイ部が、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素を有し、
前記カラム処理部が、前記列毎に対応するA/D変換部を有し、
前記A/D変換部が、コンパレータを有し、
前記単位画素が有するリセットレベルの電位を読み出すP相読み出し期間と、前記単位画素が出力する画素信号の電位を読み出すD相読み出し期間と、を有する1行毎に前記画素信号の信号成分を読み出す1水平期間内において、
前記A/D変換部が、第1の行の前記リセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行の前記D相読み出し期間中に、第2の行の前記画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、前記第1の行の前記単位画素の信号電荷が転送される、電子機器を提供する。
本技術によれば、固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法及び電子装置は、単位画素の画素信号を高速で読み出しながら、単位画素の転送期間を延ばすことができる。なお、本技術の効果は、必ずしも上記の効果に限定されるものではなく、本技術に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態であるCMOSイメージセンサの構成例を示すブロック図である。 本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態であるCMOSイメージセンサの単位画素を構成する画素の構成例を示すブロック図である。 本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態であるCMOSイメージセンサの画素の転送期間を拡大するための構成を示したブロック図である。 本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置の単位画素が、行毎に、A/D変換されることを示したタイミングチャートである。 本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態であるCMOSイメージセンサの画素の転送期間を拡大するための構成を示したブロック図である。 本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置の単位画素が、行毎に、A/D変換されることを示したタイミングチャートである。 本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態であるCMOSイメージセンサの構成例を示すブロック図である。 本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置の単位画素が、行毎に、A/D変換されることを示したタイミングチャートである。 本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態であるCMOSイメージセンサの構成例を示すブロック図である。 本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置の3つの画素群が、行毎に、A/D変換されることを示したタイミングチャートである。 本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態であるCMOSイメージセンサの構成例を示すブロック図である。 本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置の6つの単位画素が、行毎に、並列してA/D変換されることを示したタイミングチャートである。 本技術を適用した第1乃至第3の実施形態の固体撮像装置の使用例を示す図である。 本技術を適用した電子装置の一例の機能ブロック図である。 手術室システムの全体構成を概略的に示す図である。 集中操作パネルにおける操作画面の表示例を示す図である。 手術室システムが適用された手術の様子の一例を示す図である。 図17に示すカメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。 車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。 従来の固体撮像装置における単位画素の画素回路の構成と、カラム処理部の構成とを示した説明図である。 従来の固体撮像装置において、3つの単位画素が、行毎に、A/D変換されることを示したタイミングチャートである。
以下、本技術を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.本技術の概要
2.第1の実施形態(固体撮像装置の例1)
3.第2の実施形態(固体撮像装置の例2)
4.第3の実施形態(固体撮像装置の例3)
5.第4の実施形態(固体撮像装置の例4)
6.第5の実施形態(固体撮像装置の例5)
7.電子機器に関する第6の実施形態
8.本技術を適用した固体撮像装置の使用例
9.手術システムへの応用例
10.移動体への応用例
<1.本技術の概要>
まず、本技術の概要について説明する。本技術は、固体撮像装置における単位画素の転送期間に関するものである。本技術によれば、単位画素の画素信号を高速で読み出しながら、単位画素の転送期間を延ばす(拡大)ことができる。
従来、固体撮像装置における単位画素の転送は、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素が配列された行毎に、1水平期間内に行われていた。1水平期間は、P相読み出し期間と、D相読み出し期間とを有し、単位画素の画素信号の信号成分を読み出す期間となっている。また、P相読み出し期間は、単位画素が有するリセットレベルの電位を読み出す期間であり、D相読み出し期間は、単位画素が出力する画素信号の電位を読み出す期間である。
図21に、従来の固体撮像装置における単位画素41a、単位画素41b及び単位画素41cの構成と、カラム処理部17pの構成とを示す。図21は、従来の固体撮像装置における単位画素41a、単位画素41b及び単位画素41cの構成と、カラム処理部の構成とを示した説明図である。
図21に示すように、固体撮像装置10pは、3つの単位画素(単位画素41a、単位画素41b、及び単位画素41c)と、垂直信号線13と、定電流源回路15と、D/A変換部16と、カラム処理部17pと、を備えて構成されている。
固体撮像装置10pは、複数の単位画素(単位画素41a、単位画素41b、及び単位画素41cを含む)が、行方向及び列方向に配列されている。また、複数の単位画素(単位画素41a、単位画素41b、及び単位画素41cを含む)に対応して、列毎に垂直信号線13が配されている。なお、図21では、3つの単位画素が列方向に配列されている。
単位画素41aは、フォトダイオードPD1と、フローティングディフュージョンFD1と、転送トランジスタ31aと、リセットトランジスタ32a、増幅トランジスタ33aと、選択トランジスタ34aと、を有している。
フォトダイードPD1は、単位画素41aで受光した光量に応じた信号電荷を生成する。転送トランジスタ31aは、信号電荷をフローティングディフュージョンFD1に転送する。フローティングディフュージョンFD1は、信号電荷を蓄積して画素信号に変換する。リセットトランジスタ32aは、フローティングディフュージョンFD1に蓄積された信号電荷をリセットする。増幅トランジスタ33aは、画素信号を増幅する。選択トランジスタ34aは、増幅された画素信号を選択して出力する。
単位画素41bは、フォトダイオードPD2と、フローティングディフュージョンFD2と、転送トランジスタ31bと、リセットトランジスタ32b、増幅トランジスタ33bと、選択トランジスタ34bと、を有している。
フォトダイードPD2は、単位画素41bで受光した光量に応じた信号電荷を生成する。転送トランジスタ31bは、信号電荷をフローティングディフュージョンFD2に転送する。フローティングディフュージョンFD2は、信号電荷を蓄積して画素信号に変換する。リセットトランジスタ32bは、フローティングディフュージョンFD2に蓄積された信号電荷をリセットする。増幅トランジスタ33bは、画素信号を増幅する。選択トランジスタ34bは、増幅された画素信号を選択して出力する。
単位画素41cは、フォトダイオードPD3と、フローティングディフュージョンFD3と、転送トランジスタ31cと、リセットトランジスタ32c、増幅トランジスタ33cと、選択トランジスタ34cと、を有している。
フォトダイードPD3は、単位画素41cで受光した光量に応じた信号電荷を生成する。転送トランジスタ31cは、信号電荷をフローティングディフュージョンFD3に転送する。フローティングディフュージョンFD3は、信号電荷を蓄積して画素信号に変換する。リセットトランジスタ32cは、フローティングディフュージョンFD3に蓄積された信号電荷をリセットする。増幅トランジスタ33cは、画素信号を増幅する。選択トランジスタ34cは、増幅された画素信号を選択して出力する。
定電流源回路15は、列毎に対応した負荷MOS回路を有している。垂直信号線13には、負荷MOS回路の負荷素子としての負荷MOSトランジスタが接続される。
D/A変換部16は、カラム処理部17pに所定のランプ信号を供給する。
カラム処理部17pは、列毎に対応したA/D(Analog To Digital)変換部38pを有している。A/D変換部38pは、コンパレータ33と、キャパシタCC1、キャパシタCC2とを有している。
コンパレータ33は、垂直信号線13に転送される画素信号の電位と、D/A変換部16から供給されるランプ信号のランプ電圧値とを比較する。
キャパシタCC1は、単位画素41a、単位画素41b、及び単位画素41cのそれぞれのP相読み出し期間(リセット期間)のリセットレベルの電位を蓄える。キャパシタCC2は、D/A変換部16におけるP相読み出し期間(リセット期間)のリセットレベルの電位を蓄える。
図22に、3つの単位画素(単位画素41a、単位画素41b、及び単位画素41c)が、行毎に、A/D変換される駆動方法を示す。図22は、3つの単位画素(単位画素41a、単位画素41b、及び単位画素41c)が、行毎に、A/D変換されることを示したタイミングチャートである。
図22に示すように、従来の固体撮像装置10pにおける単位画素の転送は、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素(単位画素41a、単位画素41b、単位画素41cの3つを含む)が配列された行毎に、1水平期間(1H期間)内に行われていた。
図22では、A/D変換部38pは、単位画素41aについて、1H期間内において、P相読み出し期間中に単位画素41aのリセットレベルの電位を読み出してA/D変換し、D相読み出し期間中に単位画素41aが出力する画素信号の電位を読み出してA/D変換する。そして、カラム処理部17pは、A/D変換された単位画素41aの画素信号の電位の値から、A/D変換されたリセットレベルの電位の値を減算処理することにより、単位画素41aの画素信号の信号成分を読み出していた。
また、A/D変換部38pは、単位画素41bについて、2H期間内において、P相読み出し期間中に単位画素41bのリセットレベルの電位を読み出してA/D変換し、D相読み出し期間中に単位画素41bが出力する画素信号の電位を読み出してA/D変換する。そして、カラム処理部17pは、A/D変換された単位画素41bの画素信号の電位の値から、A/D変換されたリセットレベルの電位の値を減算処理することにより、単位画素41bの画素信号の信号成分を読み出していた。
また、A/D変換部38pは、単位画素41cについて、3H期間内において、P相読み出し期間中に単位画素41cのリセットレベルの電位を読み出してA/D変換し、D相読み出し期間中に単位画素41cが出力する画素信号の電位を読み出してA/D変換する。そして、カラム処理部17pは、A/D変換された単位画素41cの画素信号の電位の値から、A/D変換されたリセットレベルの電位の値を減算処理することにより、単位画素41cの画素信号の画素信号を読み出していた。
ここで、近年、フォトダイオードが貯めることができる信号電荷が大きくなりつつあり、単位画素の信号電荷を確実にそれぞれのフローティングディフュージョンに転送するためには、画素の転送期間を確保する必要がある。
しかしながら、単位画素41a、単位画素41b、単位画素41cのそれぞれの転送期間を長くすると、画素の読み出し期間である1水平期間(1H期間)が長くなり、画素信号を高速で読み出すことができなくなることがある。
本技術によれば、単位画素の画素信号を高速で読み出しながら、単位画素の転送期間を延ばすことができる。
<2.第1の実施形態(固体撮像装置の例1)>
本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置は、画素アレイ部と、D/A変換部と、カラム処理部と、を備え、画素アレイ部が、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素を有し、カラム処理部が、列毎に対応するA/D変換部を有し、A/D変換部が、コンパレータを有し、単位画素が有するリセットレベルの電位を読み出すP相読み出し期間と、単位画素が出力する画素信号の電位を読み出すD相読み出し期間と、を有する1行毎に画素信号の信号成分を読み出す1水平期間内において、A/D変換部が、第1の行のリセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行のD相読み出し期間中に、第2の行の画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、第1の行の単位画素の信号電荷が転送される、固体撮像装置である。
本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置によれば、単位画素の画素信号を高速で読み出しながら、単位画素の転送期間を延ばすことができる。
[第1の実施形態の固体撮像装置の全体構成]
図1に、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置の一例である固体撮像装置10を示す。図1は、本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態であるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサの構成例を示すブロック図である。なお、特に断りがない限り、「上」とは、図1中の上方向を意味し、「右」とは、図1中の右方向を意味するものとする。また、従来の固体撮像装置と同一の部材については、同一の符号を付し、説明を適宜、省略する。
図1に示す固体撮像装置10は、被写体を撮像し、撮像画像のデジタルデータを得る撮像装置である。なお、本明細書においては、CMOSイメージセンサを例に説明する。
図1に示すように、固体撮像装置10は、画素アレイ部11、画素駆動線12、垂直信号線13、垂直駆動部14、定電流源回路15、D/A変換部16、カラム処理部17、水平駆動部18、システム制御部19、信号処理部20及びメモリ部21を備えている。
画素アレイ部11は、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素を有している。複数の単位画素のそれぞれは、例えば、フォトダイオードなどの光電変換素子を有し、光電変換素子が、単位画素に入射された光の光量に応じて信号電荷に変換する。また、画素アレイ部11には、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素が配列された行毎に画素駆動線12が形成され、複数の単位画素に対応して列毎に垂直信号線13が形成される。
垂直駆動部14は、シフトレジスタ及びアドレスデコーダなどによって構成される。垂直駆動部14は、画素アレイ部11が有する各単位画素を行単位で駆動する。垂直駆動部14が有する出力端には、画素駆動線12の一端が接続される。垂直駆動部14は、一般的には、読み出し走査系及び掃き出し走査系の2つの走査系を有し、ある行の単位画素の読み出し動作と、他の行の単位画素のリセット動作を行毎に順次走査する。
読み出し走査系は、各単位画素からの画素信号を行毎(行単位)で順に読み出すようになっている。まず、垂直駆動部14は、各行を順に選択する。そして、選択された行は、画素駆動線12と接続する出力端から、選択信号、転送信号等を出力する。これにより、読み出し走査系により選択された行の単位画素は、リセットレベル信号の読み出し、及び光電変換素子に蓄積された信号電荷を画素信号としての読み出しからなる読み出し動作を行う。読み出されたリセットレベル信号や画素信号は、垂直信号線13を介してカラム処理部17に供給される。
定電流源回路15は、列毎に対応した負荷MOS回路を有している。垂直信号線13には、負荷MOS回路の負荷素子としての負荷MOSトランジスタが接続される。負荷MOS回路は、画素アレイ部11の各画素の増幅トランジスタとソースフォロワ回路を構成する。
D/A変換部16は、カラム処理部17に所定のランプ信号を供給する。
カラム処理部17は、列毎に対応したA/D(Analog To Digital)変換部を有している。A/D変換部は、コンパレータ等を有している。カラム処理部17は、1水平期間に1行毎に画素信号の信号成分を読み出す。また、1水平期間は、P相読み出し期間と、D相読み出し期間とを有している。P相読み出し期間は、単位画素が有するリセットレベルの電位を読み出す期間である。D相読み出し期間は、単位画素が出力する画素信号の電位を読み出す期間である。
カラム処理部17は、第1の行のリセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行のD相読み出し期間中に、第2の行の画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、第1の行の単位画素の信号電荷が転送される。
水平駆動部18は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成される。水平駆動部18は、カラム処理部17が有するA/D変換部を順番に選択する。水平駆動部18による選択走査により、カラム処理部17が有する各A/D変換部で保持されている画素信号のデジタルデータが、順番に画素データとして信号処理部20に出力される。
システム制御部19は、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータなどによって構成される。システム制御部19は、タイミングジェネレータで生成された各種のタイミング信号を基に、垂直駆動部14、D/A変換部16、カラム処理部17、及び水平駆動部18を制御する。
信号処理部20は、少なくとも加算処理機能を有する。信号処理部20は、カラム処理部17から出力される画素データごとに、加算処理等の種々の信号処理を行う。このとき、信号処理部20は、必要に応じて、信号処理の途中結果などをメモリ部21に格納し、必要なタイミングで参照する。そして、信号処理部20は、信号処理後の画像データをメモリ部21や、固体撮像装置10の外部に出力する。なお、加算処理は、主としてノイズ除去の目的で実行される。また、加算処理以外の処理としては、黒レベルを調整したり列毎のバラつきを補正する処理がなされることもある。
メモリ部21は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などにより構成される。
[第1の実施形態の固体撮像装置における画素回路の構成例]
図2に、画素領域11の単位画素41を構成する画素回路の構成例を示す。図2は、本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態であるCMOSイメージセンサの単位画素41を構成する画素回路の構成例を示すブロック図である。なお、特に断りがない限り、「上」とは、図2中の上方向を意味し、「右」とは、図2中の右方向を意味するものとする。また、従来の単位画素と同一の部材については、同一の符号を付し、説明を適宜、省略する。
図2に示すように、単位画素41は、フォトダイオード42、転送トランジスタ43、リセットトランジスタ44、増幅トランジスタ45、及び選択トランジスタ46を有する。
フォトダイオード42は、単位画素41で受光した光量に応じた信号電荷を生成する。フォトダイオード42のアノード電極は、画素領域のグランド(画素グランド)に接続され、カソード電極は、転送トランジスタ43を介してフローティングディフュージョン(FD)に接続される。
転送トランジスタ43は、フォトダイオード42からの信号電荷の読み出し(転送)を制御する。転送トランジスタ43は、ドレイン電極がフローティングディフュージョン(FD)に接続され、ソース電極がフォトダイオード42のカソード電極に接続される。また、転送トランジスタ43のゲート電極には、垂直駆動部14から制御信号TRGが供給される。制御信号TRG(即ち、転送トランジスタ43のゲート電位)がオフ状態のとき、フォトダイオード42からの信号電荷の読み出しが行われない(フォトダイオード42において、信号電荷が蓄積される)。制御信号TRG(即ち、転送トランジスタ43のゲート電位)がオン状態のとき、フォトダイオード42に蓄積された信号電荷が読み出され、フローティングディフュージョン(FD)に供給される。
リセットトランジスタ44は、フローティングディフュージョン(FD)の電位をリセットする。リセットトランジスタ44は、ドレイン電極が電源電位に接続され、ソース電極がフローティングディフュージョン(FD)に接続される。また、リセットトランジスタ44のゲート電極には、垂直駆動部14から制御信号RSTが供給される。制御信号RST(即ち、リセットトランジスタ44のゲート電位)がオフ状態のとき、フローティングディフュージョン(FD)は、電源電位と切り離されている。制御信号RST(即ち、リセットトランジスタ44のゲート電位)がオン状態のとき、フローティングディフュージョン(FD)の電荷が電源電位に捨てられ、フローティングディフュージョン(FD)がリセットされる。なお、フローティングディフュージョン(FD)は、信号電荷を画素信号に変換する。
増幅トランジスタ45は、フローティングディフュージョン(FD)が有する画素信号を増幅し、電気信号(アナログ信号)として出力する。増幅トランジスタ45は、ゲート電極がフローティングディフュージョン(FD)に接続され、ドレイン電極が電源電位に接続され、ソース電極が選択トランジスタ46のドレイン電極に接続されている。例えば、増幅トランジスタ45は、リセットトランジスタ44によってリセットされたフローティングディフュージョン(FD)の電位をリセット信号(リセットレベル)として選択トランジスタ46に出力する。また、増幅トランジスタ164は、転送トランジスタ43によって信号電荷が転送されたフローティングディフュージョン(FD)の電位を光蓄積信号(信号レベル)として選択トランジスタ46に出力する。
また、増幅トランジスタ45は、列毎に対応する負荷MOS回路とソースフォロワ回路を構成する。
選択トランジスタ46は、増幅トランジスタ45から供給される電気信号の垂直信号線13への出力を制御する。選択トランジスタ46は、ドレイン電極が増幅トランジスタ45のソース電極に接続され、ソース電極が垂直信号線13に接続されている。また、選択トランジスタ46のゲート電極には、垂直駆動部14から制御信号SELが供給される。制御信号SEL(即ち、選択トランジスタ46のゲート電位)がオフ状態のとき、増幅トランジスタ45と垂直信号線13は電気的に切り離されている。
したがって、制御信号SELがオフ状態のとき、単位画素41から画素信号が出力されない。制御信号SEL(即ち、選択トランジスタ46のゲート電位)がオン状態のとき、単位画素41が選択状態となる。つまり、増幅トランジスタ45と垂直信号線13が電気的に接続され、増幅トランジスタ45から出力される画素信号が、単位画素41の画素信号として垂直信号線13に供給される。即ち、単位画素41から画素信号が読み出される。
なお、単位画素41の構成は任意であり、図2に限定されるものではない。例えば、転送トランジスタ43が省略されていてもよい。また、1単位画素当たりの画素数は任意であり、図2のように1画素であってもよいし、複数画素であってもよい。なお、本明細書では、フォトダイオード1つにつき1画素を構成し、これを単位画素とし、また、複数の単位画素を画素群とする。
[第1の実施形態の固体撮像装置の画素回路の駆動]
図3及び図4を用いて、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置10の画素回路の駆動について説明する。なお、上述した同一の部材には、同一の符号を付し、説明を適宜、省略する。
図3に、単位画素41a、単位画素41b及び単位画素41cの構成とカラム処理部17の構成とを示す。図3は、本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態であるCMOSイメージセンサの画素の転送期間を拡大するための構成を示したブロック図である。
図3に示すように、固体撮像装置10は、3つの単位画素(単位画素41a、単位画素41b及び単位画素41c)と、垂直信号線13と、定電流源回路15と、D/A変換部16と、カラム処理部17と、を備えて構成されている。
固体撮像装置10は、複数の単位画素(単位画素41a、単位画素41b、及び単位画素41cを含む)が、行方向(図3中の左右方向)及び列方向(図3中の上下方向)に配列されている。また、複数の単位画素(3つの単位画素41a、単位画素41b、及び単位画素41cを含む)に対応して、列毎に垂直信号線13が配されている。なお、図3では、3つの単位画素が列方向(図3中の上下方向)に配列されている。
カラム処理部17は、列毎に対応するA/D(Analog To Digital)変換部38を有している。A/D変換部38は、コンパレータ33と、第1の容量であるキャパシタCO1と、第2の容量であるキャパシタCE1と、第1の容量であるキャパシタCO2と、第2の容量であるキャパシタCE2とを有している。
コンパレータ33は、垂直信号線13に転送される画素信号の電位と、D/A変換部16から供給されるランプ信号のランプ電圧値とを比較する。
キャパシタCO1は、複数の単位画素41が配列された奇数行の単位画素41a、単位画素41cのそれぞれのリセットレベルの電位を蓄える。キャパシタCE1は、複数の単位画素41が配列された偶数行の単位画素41bのリセットレベルの電位を蓄える。
キャパシタCO2及びキャパシタCE2は、キャパシタCO1及びキャパシタCE1とのレイアウトの特性を揃えるために、それぞれ設けられる。
図4に、第1実施形態の固体撮像装置の3つの単位画素(単位画素41a、単位画素41b、及び単位画素41c)が、行毎に、A/D変換される駆動方法を示す。図4は、本技術に係る第1実施形態の固体撮像装置の3つの単位画素41(単位画素41a、単位画素41b、及び単位画素41c)が、行毎に、A/D変換されることを示したタイミングチャートである。
固体撮像装置10は、3つの単位画素41を、行毎にA/D変換するようになっており、1行ごとに画素信号の信号成分をA/D変換する。また、固体撮像装置10が、行毎に画素信号の信号成分をA/D変換する期間を1水平期間(1H期間)とする。
まず、固体撮像装置10は、1水平期間の順番に、1H期間、2H期間、3H期間・・・と、行毎に、単位画素41の画素信号の信号成分を読み出すようになっている。
ここで、従来は、1H期間において、第1の行の単位画素41aの画素信号の信号成分を読み出し、次に、2H期間において、第2の行の単位画素41bの画素信号の信号成分を読み出し、そして、3H期間において、第3の行の単位画素41cの画素信号の信号成分を読み出すようになっていた。
これに対し、本実施の形態に係る第1の実施形態では、1H期間中において、所定の行の単位画素41の信号電荷の転送と、他の行の単位画素41の画素信号の信号成分の読み出しとを、それぞれ行うようになっている。例えば、2H期間中において、先に転送された単位画素41aの画素信号の信号成分を読み出しながら、その2H期間中に対応する行の単位画素41bの信号電荷を転送する。
そして、次の3H期間中では、2H期間で転送した単位画素41bの画素信号の信号成分を読み出しながら、その3H期間に対応する行の単位画素41cの信号電荷を転送するようになっている。
なお、転送する信号電荷の単位画素41と、信号成分を読み出す単位画素41は、隣り合う必要はなく、所定の行の単位画素41の画素信号の信号成分を読み出しながら、異なる行の単位画素41の信号電荷を転送することができる。ここでは、一例として、画素信号の信号成分を読み出している行(第2の行)が、単位画素41の信号電荷を転送している行(第1の行)に隣接し、かつ、第1の行よりも1つ前の行として、説明する。
図4の1H期間中において、単位画素41aは、P相読み出し期間に制御信号SEL1がオンになるためリセットレベルの電位が読み出され、リセットレベルの電位がA/D変換される(PIX1_P)。そして、A/D変換されたリセットレベルのデジタル信号は、アナログ的なノイズ成分(例えば、kT/Cノイズ)とともに、カラム処理部17内のデジタルメモリ(図示せず)に蓄えられる。
そして、固体撮像装置10は、1H期間のD相読み出し期間になると、制御信号TRG1がオンになるとともに、制御信号SEL1がオフとなる。このため、単位画素41aは、単位画素41aの信号電荷がフローティングディフュージョンFD1に転送される。
図4の2H期間中において、単位画素41bは、P相読み出し期間に制御信号SEL2がオンになるためリセットレベルの電位が読み出され、リセットレベルの電位がA/D変換される(PIX2_P)。そして、A/D変換されたリセットレベルのデジタル信号は、アナログ的なノイズ成分(例えば、kT/Cノイズ)とともに、カラム処理部17内の、1H期間中に蓄えられるデジタルメモリとは別のデジタルメモリ(図示せず)に蓄えられる。
そして、固体撮像装置10は、2H期間のD相読み出し期間になると、制御信号TRG2がオンになるとともに、制御信号SEL2がオフとなる。このため、単位画素41bは、単位画素41bの信号電荷がフローティングディフュージョンFD2に転送される。また、制御信号SEL1がオンになるため、A/D変換部38は、単位画素41aの画素信号の電位を読み出してA/D変換する(PIX1_D)。
この場合、カラム処理部17は、2H期間のD相読み出し期間内に、単位画素41aの画素信号がA/D変換された値(PIX1_D)から、カラム処理部17内のデジタルメモリ(図示せず)に蓄えられた単位画素41aのA/D変換されたリセットレベルの値(PIX1_P)を減算処理(CDS:Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)する。
これにより、固体撮像装置10は、2H期間内において、単位画素41aの画素信号の信号成分を読み出すともに、単位画素41bの信号電荷の転送を行うことができるので、単位画素41aの画素信号の信号成分を高速で読み出しながら、単位画素41bの転送期間を延ばすことができる。
また、図4の3H期間中において、単位画素41cは、P相読み出し期間に制御信号SEL3がオンになるためリセットレベルの電位が読み出され、リセットレベルの電位がA/D変換される(PIX3_P)。そして、A/D変換されたリセットレベルのデジタル信号は、アナログ的なノイズ成分(例えば、kT/Cノイズ)とともに、カラム処理部17内のデジタルメモリ(図示せず)に蓄えられる。
そして、固体撮像装置10は、3H期間のD相読み出し期間になると、制御信号TRG3がオンになるとともに、制御信号SEL3がオフとなる。このため、単位画素41cは、単位画素41cの信号電荷がフローティングディフュージョンFD3に転送される。また、制御信号SEL2がオンになるため、A/D変換部38は、単位画素41bの画素信号の電位を読み出してA/D変換する(PIX2_D)。
この場合、カラム処理部17は、3H期間のD相読み出し期間内に、単位画素41bの画素信号がA/D変換された値(PIX2_D)から、カラム処理部17内のデジタルメモリ(図示せず)に蓄えられた単位画素41bのA/D変換されたリセットレベルの値(PIX2_P)を減算処理(CDS:Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)する。
これにより、固体撮像装置10は、3H期間内において、単位画素41bの画素信号の信号成分を読み出すともに、単位画素41cの信号電荷の転送を行うことができるので、単位画素41bの画素信号を高速で読み出しながら、単位画素41cの転送期間を延ばすことができる。
なお、A/D変換期間と単位画素41の信号電荷の転送期間は、制御信号SELで切り替えられているため、固体撮像装置10は、3H期間中のD相読み出し期間を単位画素41cの信号電荷を転送する期間とすることができる。これにより、単位画素41cの信号電荷を転送する期間を拡大することができる。
以上説明したように、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置10は、画素アレイ部11と、D/A変換部16と、カラム処理部17と、を備えている。画素アレイ部11が、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素41を有し、カラム処理部17が、列毎に対応したA/D変換部38を有し、A/D変換部38が、コンパレータ33を有している。
本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置10は、A/D変換部38が、第1の行のリセットレベルの電位(例えば、単位画素41b)を読み出してA/D変換した後、当該第1の行のD相読み出し期間中に、第2の行の画素信号の電位(例えば、単位画素41a)を読み出してA/D変換し、第1の行の単位画素の信号電荷(例えば、単位画素41b)を転送することができる。
これにより、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置10は、単位画素41の画素信号を高速で読み出しながら、単位画素の転送期間を延ばすことができる。
<3.第2の実施形態(固体撮像装置の例2)>
本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置は、第1の実施形態の固体撮像装置において、第1の行の単位画素の信号電荷を転送する期間が、当該第1の行の次の行が有するP相読み出し期間中まで拡大される、固体撮像装置である。
本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置によれば、第1の実施形態の固体撮像装置よりも更に、画素の転送期間を延ばすことができる。
図5を用いて、本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置10aの動作について説明する。
図5に、固体撮像装置10の構成要素を示したブロック図を示す。図5は、図3に示した本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態であるCMOSイメージセンサのブロック図と同一である。第2の実施形態の固体撮像装置が、第1の実施形態の固体撮像装置と異なる点は、制御信号TRGのタイミングである。よって、タイミングチャートを用いて説明する。
図6に、本技術を適用した第2実施形態の固体撮像装置の3つの単位画素(単位画素41a、単位画素41b、及び単位画素41c)が、行毎に、A/D変換される駆動方法を示す。図6は、本技術に係る第1実施形態の固体撮像装置の3つの単位画素41(単位画素41a、単位画素41b、及び単位画素41c)が、行毎に、A/D変換されることを示したタイミングチャートである。
図6に示す第2の実施形態の固体撮像装置のタイミングチャートが、図4に示す第1の実施形態の固体撮像装置のタイミングチャートと異なる点は、制御信号TRGの期間が拡大されている点である。
図6に示すように、単位画素41aでは、制御信号TRG1が、1H期間を超え、次の2H期間のP相読み出し期間の一部と重なっている。単位画素41bでは、制御信号TRG2が、2H期間を超え、次の3H期間のP相読み出し期間の一部と重なっている。単位画素41cでは、制御信号TRG3が、3H期間を超え、次の行のP相読み出し期間の一部と重なっている。
このように、本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置では、第1の行の単位画素41の信号電荷を転送する期間を当該第1の行の次の行が有するP相読み出し期間中まで拡大することができるので、単位画素の画素信号を高速で読み出しながら、画素の転送期間を延ばす(拡大する)ことができる。
<4.第3の実施形態(固体撮像装置の例3)>
本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置は、第1の実施形態の固体撮像装置において、第1の行の単位画素が有する転送トランジスタがオンのとき、当該第1の行の単位画素が有する選択トランジスタをオフにして、当該第1の行の信号電荷をフローティングディフュージョンに転送するとともに、第2の行の単位画素が有する選択トランジスタをオンにして、第2の行の画素信号の電位をA/D変換する、固体撮像装置である。
本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置によれば、単位画素41から垂直信号線13へ画素信号を読み出す際、垂直信号線13の電位のセトリング時間を短縮することができる。しかも、特に、定電流源回路15の電流量を増やさなくてもセトリング時間を短縮することができるため、読み出し速度の高速化を図ることができる。
また、セトリング時間を短縮することができるので、読み出し時間に余裕があるときは、定電流源回路15の電流量を減らすことができ、低消費電力化を図ることができる。
図7を用いて、第3の実施形態の固体撮像装置の動作について説明する。
図7に、本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置の一例である固体撮像装置10aを示す。図7は、本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態であるCMOSイメージセンサの構成例を示すブロック図である。なお、特に断りがない限り、「上」とは、図7中の上方向を意味し、「右」とは、図7中の右方向を意味するものとする。また、上述した固体撮像装置と同一の部材については、同一の符号を付し、説明を適宜、省略する。
第3の実施形態の固体撮像装置10aが、第1の実施形態の固体撮像装置10と異なる点は、A/D変換部38aが、キャパシタCO2、キャパシタCE2の代わりに、キャパシタC3を備えている点である。
キャパシタC3は、図7で示したキャパシタCC2と同一の機能を有している。即ち、キャパシタC3は、D/A変換部16におけるP相読み出し期間(リセット期間)のリセットレベルの電位を蓄える。
第1の実施形態では、固体撮像装置10は、垂直信号線13のキャパシタとD/A変換部16のキャパシタのそれぞれに対して、信号をサンプリングする際に発生するフィードスルーノイズを相殺するためには機能上は必要ではないが、レイアウトの特性を揃えるために、キャパシタCO2と、キャパシタCE2とを有している。
これに対し、第3の実施形態に係る固体撮像装置10aは、D/A変換部16にフィードスルーキャンセル機構を設けることにより、キャパシタCO2及びキャパシタCE2を不要としている。
なお、D/A変換部16は、例えば、ランプ信号のオフセット調整機能を設けることでもフィードスルーノイズをキャンセルし、キャパシタCO2及びキャパシタCE2を不要とすることができる。
図8に、本技術を適用した第3の実施形態の固体撮像装置の3つの単位画素(単位画素41a、単位画素41b、及び単位画素41c)が、行毎に、A/D変換される駆動方法を示す。
第3の実施形態に係る垂直信号線13の駆動方法について、図8のタイミングチャートと、図6を参照しながら説明する。
垂直駆動部14は、1H期間において、単位画素41aのD相読み出し期間内に制御信号SEL1を“L”にして、選択トランジスタ34aを“オフ状態”にする。これと同時に、転送トランジスタTRG1を“オン”にして、フォトダイードPD1の信号電荷をフローティングディフュージョンFD1に転送する。
このため、転送トランジスタTRG1が、“オン”によるD相読み出し期間であっても、フローティングディフュージョンFD1と垂直信号線13との間が、電気的に遮断されている。これにより、単位画素41aの画素信号の1H期間のD相読み出し期間であっても、フローティングディフュージョンFD1の電位が変動しても垂直信号線13の電位に影響を与えないため、図8に示すように、垂直信号線13の電位(信号電圧)を一定に保つことができる。
同様に、垂直駆動部14は、2H期間において、単位画素41bのD相読み出し期間内に制御信号SEL2を“L”にして、選択トランジスタ34bを“オフ状態”にする。これと同時に、転送トランジスタTRG2を“オン”にして、フォトダイードPD2の信号電荷をフローティングディフュージョンFD2に転送する。
このため、転送トランジスタTRG2が、“オン”によるD相読み出し期間であっても、フローティングディフュージョンFD2と垂直信号線13との間が、電気的に遮断されている。これにより、単位画素41bの画素信号の2H期間のD相読み出し期間であっても、フローティングディフュージョンFD2の電位が変動しても垂直信号線13の電位に影響を与えないため、図8に示すように、垂直信号線13の電位(信号電圧)を一定に保つことができる。
同様に、垂直駆動部14は、3H期間において、単位画素41cのD相読み出し期間内に制御信号SEL3を“L”にして、選択トランジスタ34cを“オフ状態”にする。これと同時に、転送トランジスタTRG3を“オン”にして、フォトダイードPD3の信号電荷をフローティングディフュージョンFD3に転送する。
このため、転送トランジスタTRG3が、“オン”によるD相読み出し期間であっても、フローティングディフュージョンFD3と垂直信号線13との間が、電気的に遮断されている。これにより、単位画素41cの画素信号の3H期間のD相読み出し期間であっても、フローティングディフュージョンFD3の電位が変動しても垂直信号線13の電位に影響を与えないため、図8に示すように、垂直信号線13の電位(信号電圧)を一定に保つことができる。
本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置によれば、単位画素41から垂直信号線13へ画素信号を読み出す際、垂直信号線13の電位のセトリング時間を短縮することができる。しかも、特に、定電流源回路15の電流量を増やさなくてもセトリング時間を短縮することができるため、読み出し速度の高速化を図ることができる。
<5.第4の実施形態(固体撮像装置の例4)>
本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置は、第1の実施形態の固体撮像装置において、複数の単位画素が、フローティングディフュージョンを共有する画素群を形成し、A/D変換部が、第1の行における画素群を形成する複数の単位画素のうち、第1の単位画素のリセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行におけるD相読み出し期間中に、第2の行における画素群を形成する複数の単位画素のうち、第2の単位画素の画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、第1の単位画素の信号電荷が転送される、固体撮像装置である。
本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置によれば、1つのフローティングディフュージョンに対して複数の単位画素を共有する画素群を形成する場合でも適用することができるので、画素群を形成する複数の単位画素のそれぞれの画素信号を高速で読み出しながら、単位画素の転送期間を延ばすことができる。
図9を用いて、本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置10bの構成について説明する。
図9に、本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置の一例である固体撮像装置10bを示す。図9は、本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態であるCMOSイメージセンサの構成例を示すブロック図である。なお、特に断りがない限り、「上」とは、図9中の上方向を意味し、「右」とは、図9中の右方向を意味するものとする。また、上述した固体撮像装置と同一の部材については、同一の符号を付し、説明を適宜、省略する。
第4の実施形態の固体撮像装置10bが、第1の実施形態の固体撮像装置10と異なる点は、複数の単位画素41が、フローティングディフュージョンFDを共有する画素群を形成している点である。一例として、画素群は、フローティングディフュージョンを共有する4つの単位画素41により形成されるものとする。
図9に示すように、固体撮像装置10bは、3つの画素群(画素群41aa、画素群41bb及び画素群41cc)と、垂直信号線13と、定電流源回路15と、D/A変換部16と、カラム処理部17と、を備えて構成されている。固体撮像装置10bは、複数の画素群(画素群41aa、画素群41bb、及び画素群41ccを含む)が、行方向(図9中の左右方向)及び列方向(図9中の上下方向)に配列されている。なお、図9では、3つの画素群が列方向(図9中の上下方向)に配列されている。
画素群41aaは、フォトダイオードPD11と、フォトダイオードPD12と、フォトダイオードPD13と、フォトダイオードPD14と、フローティングディフュージョンFD1と、転送トランジスタ31a1と、転送トランジスタ31a2と、転送トランジスタ31a3と、転送トランジスタ31a4と、リセットトランジスタ32a、増幅トランジスタ33aと、選択トランジスタ34aと、を有している。
フォトダイオードPD11と、フォトダイオードPD12と、フォトダイオードPD13と、フォトダイオードPD14のそれぞれは、受光した光量に応じた信号電荷を生成する単位画素を構成する。フォトダイオードPD11と、フォトダイオードPD12と、フォトダイオードPD13と、フォトダイオードPD14は、フローティングディフュージョンFD1を共有する。
転送トランジスタ31a1のゲート電極には、制御信号TRG11が供給される。転送トランジスタ31a2のゲート電極には、制御信号TRG12が供給される。転送トランジスタ31a3のゲート電極には、制御信号TRG13が供給される。転送トランジスタ31a4のゲート電極には、制御信号TRG14が供給される。
画素群41bbは、フォトダイオードPD21と、フォトダイオードPD22と、フォトダイオードPD23と、フォトダイオードPD24と、フローティングディフュージョンFD2と、転送トランジスタ31b1と、転送トランジスタ31b2と、転送トランジスタ31b3と、転送トランジスタ31b4と、リセットトランジスタ32b、増幅トランジスタ33bと、選択トランジスタ34bと、を有している。
フォトダイオードPD21と、フォトダイオードPD22と、フォトダイオードPD23と、フォトダイオードPD24のそれぞれは、受光した光量に応じた信号電荷を生成する単位画素を構成する。フォトダイオードPD21と、フォトダイオードPD22と、フォトダイオードPD23と、フォトダイオードPD24は、フローティングディフュージョンFD2を共有する。
転送トランジスタ31b1のゲート電極には、制御信号TRG21が供給される。転送トランジスタ31b2のゲート電極には、制御信号TRG22が供給される。転送トランジスタ31b3のゲート電極には、制御信号TRG23が供給される。転送トランジスタ31b4のゲート電極には、制御信号TRG24が供給される。
画素群41ccは、フォトダイオードPD31と、フォトダイオードPD32と、フォトダイオードPD33と、フォトダイオードPD34と、フローティングディフュージョンFD3と、転送トランジスタ31c1と、転送トランジスタ31c2と、転送トランジスタ31c3と、転送トランジスタ31c4と、リセットトランジスタ32c、増幅トランジスタ33cと、選択トランジスタ34cと、を有している。
フォトダイオードPD31と、フォトダイオードPD32と、フォトダイオードPD33と、フォトダイオードPD34のそれぞれは、受光した光量に応じた信号電荷を生成する単位画素を構成する。フォトダイオードPD31と、フォトダイオードPD32と、フォトダイオードPD33と、フォトダイオードPD34は、フローティングディフュージョンFD3を共有する。
転送トランジスタ31c1のゲート電極には、制御信号TRG31が供給される。転送トランジスタ31c2のゲート電極には、制御信号TRG32が供給される。転送トランジスタ31c3のゲート電極には、制御信号TRG33が供給される。転送トランジスタ31c4のゲート電極には、制御信号TRG34が供給される。
なお、フォトダイオードPD11〜PD14、フォトダイオードPD21〜24、フォトダイオードPD31〜34のそれぞれは、単位画素として1画素を構成するため、同一の符号を用いて画素を表示するものとする。
このような構成により、固体撮像装置10bは、A/D変換部38が、第1の行における画素群を形成する複数の単位画素のうち、第1の単位画素のリセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行におけるD相読み出し期間中に、第2の行における画素群を形成する複数の単位画素のうち、第2の単位画素の画素信号の電位を読み出してA/D変換し、第1の単位画素の信号電荷が転送されるようになっている。
図10に、本技術を適用した第4実施形態の固体撮像装置の3つの画素群(画素群41aa、画素群41bb、及び画素群41cc)が、行毎に、A/D変換される駆動方法を示す。図10は、本技術に係る第4実施形態の固体撮像装置の3つの画素群(画素群41aa、単位画素41bb、及び単位画素41cc)が、行毎に、A/D変換されることを示したタイミングチャートである。
図10に示す第4の実施形態の固体撮像装置10bのタイミングチャートが、図6に示す第2の実施形態の固体撮像装置10のタイミングチャートと異なる点は、画素群を形成する複数の単位画素のそれぞれの信号電荷を、1行毎に転送する点である。
図10に示すように、画素群41aaの単位画素を示す画素PD11は、制御信号TRG11が、1H期間を超え、次の2H期間のP相読み出し期間の一部と重なっている。画素群41bbの単位画素を示す画素PD21は、制御信号TRG21が、2H期間を超え、次の3H期間のP相読み出し期間の一部と重なっている。画素群41ccの単位画素を示す画素PD31は、制御信号TRG31が、3H期間を超え、次の行のP相読み出し期間の一部と重なっている。
ここで、図10の1H期間中において、画素群41aaの画素PD11は、P相読み出し期間に制御信号SEL1がオンになるためリセットレベルの電位が読み出され、リセットレベルの電位がA/D変換される(PIX11_P)。そして、A/D変換されたリセットレベルのデジタル信号は、アナログ的なノイズ成分(例えば、kT/Cノイズ)とともに、カラム処理部17内のデジタルメモリ(図示せず)に蓄えられる。
そして、固体撮像装置10bは、1H期間のD相読み出し期間になると、制御信号TRG11がオンになるとともに、制御信号SEL1がオフとなる。このため、画素PD11は、信号電荷がフローティングディフュージョンFD1に転送される。
図10の2H期間中において、画素群41bbの画素PD21は、P相読み出し期間に制御信号SEL2がオンになるためリセットレベルの電位が読み出され、リセットレベルの電位がA/D変換される(PIX21_P)。そして、A/D変換されたリセットレベルのデジタル信号は、アナログ的なノイズ成分(例えば、kT/Cノイズ)とともに、カラム処理部17内の、1H期間中に蓄えられるデジタルメモリとは別のデジタルメモリ(図示せず)に蓄えられる。
そして、固体撮像装置10bは、2H期間のD相読み出し期間になると、制御信号TRG21がオンになるとともに、制御信号SEL2がオフとなる。このため、画素PD21は、信号電荷がフローティングディフュージョンFD2に転送される。また、制御信号SEL1がオンになるため、A/D変換部38は、画素PD11の画素信号の電位を読み出してA/D変換する(PIX11_D)。
この場合、カラム処理部17は、2H期間のD相読み出し期間内に、画素PD11の画素信号がA/D変換された値(PIX11_D)から、カラム処理部17内のデジタルメモリ(図示せず)に蓄えられた画素PD11のA/D変換されたリセットレベルの値(PIX11_P)を減算処理(CDS:Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)する。
これにより、固体撮像装置10bは、2H期間内において、画素PD11の画素信号の信号成分を読み出すともに、画素PD21の信号電荷をフローティングディフュージョンFD2に転送することができるので、画素PD11の画素信号の信号成分を高速で読み出しながら、画素PD21の転送期間を延ばすことができる。
また、図10の3H期間中において、画素群41ccの画素PD31は、P相読み出し期間に制御信号SEL3がオンになるためリセットレベルの電位が読み出され、リセットレベルの電位がA/D変換される(PIX31_P)。そして、A/D変換されたリセットレベルのデジタル信号は、アナログ的なノイズ成分(例えば、kT/Cノイズ)とともに、カラム処理部17内のデジタルメモリ(図示せず)に蓄えられる。
そして、固体撮像装置10bは、3H期間のD相読み出し期間になると、制御信号TRG31がオンになるとともに、制御信号SEL3がオフとなる。このため、画素PD31は、信号電荷がフローティングディフュージョンFD3に転送される。また、制御信号SEL2がオンになるため、A/D変換部38は、画素PD21の画素信号の電位を読み出してA/D変換する(PIX21_D)。
この場合、カラム処理部17は、3H期間のD相読み出し期間内に、画素PD21の画素信号がA/D変換された値(PIX21_D)から、カラム処理部17内のデジタルメモリ(図示せず)に蓄えられた画素PD21のA/D変換されたリセットレベルの値(PIX21_P)を減算処理(CDS:Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)する。
これにより、固体撮像装置10bは、3H期間内において、画素PD21の画素信号の信号成分を読み出すともに、画素PD31の信号電荷をフローティングディフュージョンFD3に転送することができるので、画素PD21の画素信号を高速で読み出しながら、画素PD31の転送期間を延ばすことができる。
第4の実施形態の固体撮像装置10bは、このような処理を繰り返す。具体的には、次の1H期間内において、画素PD12のリセットレベルの電位と画素PD31の画素信号の電位を読み出してA/D変換し、そして、次の2H期間内において、画素PD22のリセットレベルの電位と画素PD12の画素信号の電位を読み出してA/D変換し、また、次の3H期間内において、画素PD32のリセットレベルの電位と画素PD22の画素信号の電位を読み出してA/D変換する。
なお、画素群(画素群41aa、画素群41bb、及び画素群41cc)が3つの場合について説明したが、3つに限定されるものではなく、固体撮像装置10bは、複数の画素群のそれぞれが共有する単位画素ごとに順次、繰り返すことができる。
以上説明したように、本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置10bは、複数の画素群(画素群41aa、画素群41bb、及び画素群41cc)のそれぞれが、フローティングディフュージョン(フローティングディフュージョンFD1、フローティングディフュージョンFD2、及びフローティングディフュージョンFD3)を共有する複数の単位画素(画素PD11〜PD14、画素PD21〜画素PD24、及び画素PD31〜画素PD34)を有している。
本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置10bは、A/D変換部38が、第1の行における画素群41bbを形成する複数の単位画素のうち、第1の単位画素(例えば、画素PD21)のリセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行におけるD相読み出し期間中に、第2の行における画素群41aaを形成する複数の単位画素のうち、第2の単位画素(例えば、画素PD11)の画素信号の電位を読み出してA/D変換し、第1の単位画素(例えば、画素PD21)の信号電荷をフローティングディフュージョンFD2に転送することができる。
これにより、本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置10bは、複数の画素群のそれぞれの形成する単位画素の画素信号を高速で読み出しながら、単位画素の転送期間を延ばすことができる。
<6.第5の実施形態(固体撮像装置の例5)>
本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置は、第1の実施形態の固体撮像装置において、少なくとも2つの垂直信号線と、少なくとも2つのA/D変換部と、を有し、列毎に2つの垂直信号線が設けられ、列毎に2つのA/D変換部が設けられ、2つの垂直信号線のそれぞれが、複数の単位画素が配列された行毎に、交互に接続され、2つのA/D変換部のうち一方が、第1の垂直信号線に接続され、2つのA/D変換部のうち他方が、第2の垂直信号線に接続され、一方のA/D変換部が、第1の垂直信号線を介して、リセットレベルの電位と画素信号の電位をA/D変換するとともに、並列して、他方のA/D変換部が、第2の垂直信号線を介して、リセットレベルの電位と画素信号の電位をA/D変換する、固体撮像装置である。
本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置によれば、A/D変換部を2つ配置するとともに、垂直信号線も2つ配置して、2つのA/D変換部を並列して読み出すことができ、単位画素の読み出しの高速化を図ることができる。
図11を用いて、本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置10cの構成について説明する。
図11に、本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置の一例である固体撮像装置10cを示す。図11は、本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態であるCMOSイメージセンサの構成例を示すブロック図である。なお、特に断りがない限り、「上」とは、図11中の上方向を意味し、「右」とは、図11中の右方向を意味するものとする。また、上述した固体撮像装置と同一の部材については、同一の符号を付し、説明を適宜、省略する。
図11に示すように、固体撮像装置10cは、6つの単位画素(単位画素41aN、単位画素41bN、単位画素41cN、単位画素41aS、単位画素41bS、単位画素41aS、及び単位画素41cS)、垂直信号線13N、垂直信号線13S、定電流源回路15N、定電流源回路15S、D/A変換部16、カラム処理部17N、及びカラム処理部17Sを備えて構成されている。なお、図11では、6つ単位画素が列方向(図11中の上下方向)に配列されている。
カラム処理部17Nは、A/D変換部38Nを有している。A/D変換部38Nは、コンパレータ33Nと、第1の容量であるキャパシタCO1Nと、第2の容量であるキャパシタCE1Nと、第1の容量であるキャパシタCO2Nと、第2の容量であるキャパシタCE2Nとを有している。
カラム処理部17Sは、A/D変換部38Sを有している。A/D変換部38Sは、コンパレータ33Sと、第1の容量であるキャパシタCO1Sと、第2の容量であるキャパシタCE1Sと、第1の容量であるキャパシタCO2Sと、第2の容量であるキャパシタCE2Sとを有している。
第5の実施形態の固体撮像装置10cが、第1の実施形態の固体撮像装置10と異なる点は、少なくとも2つの垂直信号線13と、少なくとも2つのA/D変換部38とを有している点である。2つの垂直信号線13のそれぞれが、複数の単位画素41(単位画素41aN、単位画素41bN、単位画素41cN、単位画素41aS、単位画素41bS、単位画素41cS)が配列された行毎に、交互に接続されている。また、2つのA/D変換部のうち一方(例えば、A/D変換部38N)が、第1の垂直信号線13Nに接続され、2つのA/D変換部のうち他方(例えば、A/D変換部38S)が、第2の垂直信号線13Sに接続されている。
なお、6つの単位画素41(単位画素41aN、単位画素41bN、単位画素41cN、単位画素41aS、単位画素41bS、単位画素41aS、及び単位画素41cS)のそれぞれの構成は、図2の単位画素41と同様である。
図12に、本技術を適用した第5実施形態の固体撮像装置10cの6つの単位画素41(単位画素41aN、単位画素41bN、単位画素41cN、単位画素41aS、単位画素41bS、単位画素41cS)が、行毎に、A/D変換される駆動方法を示す。図12は、本技術に係る第5実施形態の固体撮像装置の6つの単位画素41(単位画素41aN、単位画素41bN、単位画素41cN、単位画素41aS、単位画素41bS、単位画素41cS)が、行毎に、並列してA/D変換されることを示したタイミングチャートである。
固体撮像装置10cは、A/D変換部38Nが、第1の垂直信号線13Nを介して、リセットレベルの電位と画素信号の電位をA/D変換するとともに、並列して、A/D変換部38Sが、第2の垂直信号線13Sを介して、リセットレベルの電位と画素信号の電位をA/D変換するようになっている。
図12Aに示すように、A/D変換部38Nは、第1の垂直信号線13Nを介して、単位画素41aN、単位画素41bN、単位画素41cNのリセットレベルの電位と画素信号の電位を、第1の実施形態と同様にA/D変換する。
一方、A/D変換部38Sは、図12Bに示すように、第1の垂直信号線13Sを介して、単位画素41aS、単位画素41bS、単位画素41cSのリセットレベルの電位と画素信号の電位を、第1の実施形態と同様にA/D変換する。
具体的には、固体撮像装置10cは、1H期間中において、所定の行の単位画素41aNの信号電荷の転送と、他の行の単位画素41bNの画素信号の信号成分の読み出しを行うようになっている。また、2H期間中において、先に転送された単位画素41aNの画素信号の信号成分を読み出しながら、その2H期間中に対応する行の単位画素41bNの信号電荷を転送する。そして、次の3H期間中では、2H期間で転送された単位画素41bNの画素信号の信号成分を読み出しながら、その3H期間に対応する行の単位画素41cNの信号電荷を転送する。
これにより、A/D変換部38Nは、単位画素41aN、単位画素41bN、及び単位画素41cNに対して、A/D変換を行うようになっている。
また、固体撮像装置10cは、A/D変換部38Nと並列して、1H期間中において、所定の行の単位画素41aSの信号電荷の転送と、他の行の単位画素41bSの画素信号の信号成分の読み出しを行うようになっている。また、2H期間中において、先に転送された単位画素41aSの画素信号の信号成分を読み出しながら、その2H期間中に対応する行の単位画素41bSの信号電荷を転送する。そして、次の3H期間中では、2H期間で転送された単位画素41bSの画素信号の信号成分を読み出しながら、その3H期間に対応する行の単位画素41cSの信号電荷を転送する。
これにより、A/D変換部38Sは、単位画素41aS、単位画素41bS、及び単位画素41cSに対して、A/D変換を行うようになっている。
以上説明したように、本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置10cは、少なくとも2つの垂直信号線13(第1の垂直信号線13Nと第2の垂直信号線13S)と、少なくとも2つのA/D変換部38(A/D変換部38NとA/D変換部38S)とを有している。2つの垂直信号線13(第1の垂直信号線13Nと第2の垂直信号線13S)のそれぞれが、複数の単位画素41(単位画素41aN、単位画素41bN、単位画素41cN、単位画素41aS、単位画素41bS、単位画素41cS)が配列された行毎に、交互に接続され、2つのA/D変換部のうち一方(例えば、A/D変換部38N)が、第1の垂直信号線13Nに接続され、2つのA/D変換部のうち他方(例えば、A/D変換部38S)が、第2の垂直信号線13Sに接続される。
本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置10cは、A/D変換部38Nが、第1の垂直信号線13Nを介して、リセットレベルの電位と画素信号の電位をA/D変換するとともに、A/D変換部38Nに並列して、A/D変換部38Sが、第2の垂直信号線13Sを介して、リセットレベルの電位と画素信号の電位をA/D変換する。
このように、本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置10cによれば、A/D変換部38Nが単位画素41の信号成分を生成するとともに、並列して、A/D変換部38Sが単位画素41の信号成分を生成することができる。
<7.電子装置に関する第6の実施形態>
本技術に係る第6の実施形態の電子機器は、固体撮像装置が搭載され、固体撮像装置が搭載され、固体撮像装置が、画素アレイ部と、D/A変換部と、カラム処理部と、を備え、画素アレイ部が、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素を有し、カラム処理部が、列毎に対応するA/D変換部を有し、A/D変換部が、コンパレータを有し、単位画素が有するリセットレベルの電位を読み出すP相読み出し期間と、単位画素が出力する画素信号の電位を読み出すD相読み出し期間と、を有する1行毎に画素信号の信号成分を読み出す1水平期間内において、A/D変換部が、第1の行のリセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行のD相読み出し期間中に、第2の行の画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、第1の行の単位画素の信号電荷が転送される、電子機器である。また、本技術に係る第6の実施形態の電子機器は、本技術に係る第1乃至5の実施形態のいずれか1つの固体撮像装置が搭載された電子機器でもよい。
<8.本技術を適用した固体撮像装置の使用例>
図13は、イメージセンサとしての本技術に係る第1乃至第5の実施形態のいずれか1つの固体撮像装置の使用例を示す図である。
上述した第1乃至第5の実施形態の固体撮像装置は、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングするさまざまなケースに使用することができる。即ち、図13に示すように、例えば、鑑賞の用に供される画像を撮影する鑑賞の分野、交通の分野、家電の分野、医療・ヘルスケアの分野、セキュリティの分野、美容の分野、スポーツの分野、農業の分野等において用いられる装置(例えば、上述した第6の実施形態の電子装置)に、第1乃至第5の実施形態のいずれか1つの固体撮像装置を使用することができる。
具体的には、鑑賞の分野においては、例えば、デジタルカメラやスマートフォン、カメラ機能付きの携帯電話機等の、鑑賞の用に供される画像を撮影するための装置に、第1乃至第5の実施形態のいずれか1つの固体撮像装置を使用することができる。
交通の分野においては、例えば、自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置に、第1乃至第5の実施形態のいずれか1つの固体撮像装置を使用することができる。
家電の分野においては、例えば、ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、テレビ受像機や冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置で、第1乃至第5のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
医療・ヘルスケアの分野においては、例えば、内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置に、第1乃至第5の実施形態のいずれか1つの固体撮像装置を使用することができる。
セキュリティの分野においては、例えば、防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置に、第1乃至第5の実施形態のいずれか1つの固体撮像装置を使用することができる。
美容の分野においては、例えば、肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置に、第1乃至第5の実施形態のいずれか1つの固体撮像装置を使用することができる。
スポーツの分野において、例えば、スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラプルカメラ等の、スポーツの用に供される装置に、第1乃至第5の実施形態のいずれか1つの固体撮像装置を使用することができる。
農業の分野においては、例えば、畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置に、第1乃至第5の実施形態のいずれか1つの固体撮像装置を使用することができる。
次に、本技術に係る第1乃至第5の実施形態の固体撮像装置の使用例を具体的に説明する。例えば、上述で説明をした固体撮像装置は、例えばデジタルスチルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、撮像機能を有する携帯電話など、撮像機能を備えたあらゆるタイプの電子機器に適用することができる。図14に、その一例として、電子機器102(カメラ)の概略構成を示す。この電子機器102は、例えば静止画または動画を撮影可能なビデオカメラであり、固体撮像装置101と、光学系(光学レンズ)310と、シャッタ装置311と、固体撮像装置101およびシャッタ装置311を駆動する駆動部313と、信号処理部312とを有する。
光学系310は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置101の画素部101aへ導くものである。この光学系310は、複数の光学レンズから構成されていてもよい。シャッタ装置311は、固体撮像装置101への光照射期間および遮光期間を制御するものである。駆動部313は、固体撮像装置101の転送動作およびシャッタ装置311のシャッタ動作を制御するものである。信号処理部312は、固体撮像装置101から出力された信号に対し、各種の信号処理を行うものである。信号処理後の映像信号Doutは、メモリなどの記憶媒体に記憶されるか、あるいは、モニタ等に出力される。
<9.手術システムへの応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、手術室システムに適用することができる。
図15は、本開示に係る技術が適用され得る手術室システム5100の全体構成を概略的に示す図である。図15を参照すると、手術室システム5100は、手術室内に設置される装置群が視聴覚コントローラ(AV Controller)5107及び手術室制御装置5109を介して互いに連携可能に接続されることにより構成される。
手術室には、様々な装置が設置され得る。図15では、一例として、内視鏡下手術のための各種の装置群5101と、手術室の天井に設けられ術者の手元を撮像するシーリングカメラ5187と、手術室の天井に設けられ手術室全体の様子を撮像する術場カメラ5189と、複数の表示装置5103A〜5103Dと、レコーダ5105と、患者ベッド5183と、照明5191と、を図示している。
ここで、これらの装置のうち、装置群5101は、後述する内視鏡手術システム5113に属するものであり、内視鏡や当該内視鏡によって撮像された画像を表示する表示装置等からなる。内視鏡手術システム5113に属する各装置は医療用機器とも呼称される。一方、表示装置5103A〜5103D、レコーダ5105、患者ベッド5183及び照明5191は、内視鏡手術システム5113とは別個に、例えば手術室に備え付けられている装置である。これらの内視鏡手術システム5113に属さない各装置は非医療用機器とも呼称される。視聴覚コントローラ5107及び/又は手術室制御装置5109は、これら医療機器及び非医療機器の動作を互いに連携して制御する。
視聴覚コントローラ5107は、医療機器及び非医療機器における画像表示に関する処理を、統括的に制御する。具体的には、手術室システム5100が備える装置のうち、装置群5101、シーリングカメラ5187及び術場カメラ5189は、手術中に表示すべき情報(以下、表示情報ともいう)を発信する機能を有する装置(以下、発信元の装置とも呼称する)であり得る。また、表示装置5103A〜5103Dは、表示情報が出力される装置(以下、出力先の装置とも呼称する)であり得る。また、レコーダ5105は、発信元の装置及び出力先の装置の双方に該当する装置であり得る。視聴覚コントローラ5107は、発信元の装置及び出力先の装置の動作を制御し、発信元の装置から表示情報を取得するとともに、当該表示情報を出力先の装置に送信し、表示又は記録させる機能を有する。なお、表示情報とは、手術中に撮像された各種の画像や、手術に関する各種の情報(例えば、患者の身体情報や、過去の検査結果、術式についての情報等)等である。
具体的には、視聴覚コントローラ5107には、装置群5101から、表示情報として、内視鏡によって撮像された患者の体腔内の術部の画像についての情報が送信され得る。また、シーリングカメラ5187から、表示情報として、当該シーリングカメラ5187によって撮像された術者の手元の画像についての情報が送信され得る。また、術場カメラ5189から、表示情報として、当該術場カメラ5189によって撮像された手術室全体の様子を示す画像についての情報が送信され得る。なお、手術室システム5100に撮像機能を有する他の装置が存在する場合には、視聴覚コントローラ5107は、表示情報として、当該他の装置からも当該他の装置によって撮像された画像についての情報を取得してもよい。
あるいは、例えば、レコーダ5105には、過去に撮像されたこれらの画像についての情報が視聴覚コントローラ5107によって記録されている。視聴覚コントローラ5107は、表示情報として、レコーダ5105から当該過去に撮像された画像についての情報を取得することができる。なお、レコーダ5105には、手術に関する各種の情報も事前に記録されていてもよい。
視聴覚コントローラ5107は、出力先の装置である表示装置5103A〜5103Dの少なくともいずれかに、取得した表示情報(すなわち、手術中に撮影された画像や、手術に関する各種の情報)を表示させる。図示する例では、表示装置5103Aは手術室の天井から吊り下げられて設置される表示装置であり、表示装置5103Bは手術室の壁面に設置される表示装置であり、表示装置5103Cは手術室内の机上に設置される表示装置であり、表示装置5103Dは表示機能を有するモバイル機器(例えば、タブレットPC(Personal Computer))である。
また、図15では図示を省略しているが、手術室システム5100には、手術室の外部の装置が含まれてもよい。手術室の外部の装置は、例えば、病院内外に構築されたネットワークに接続されるサーバや、医療スタッフが用いるPC、病院の会議室に設置されるプロジェクタ等であり得る。このような外部装置が病院外にある場合には、視聴覚コントローラ5107は、遠隔医療のために、テレビ会議システム等を介して、他の病院の表示装置に表示情報を表示させることもできる。
手術室制御装置5109は、非医療機器における画像表示に関する処理以外の処理を、統括的に制御する。例えば、手術室制御装置5109は、患者ベッド5183、シーリングカメラ5187、術場カメラ5189及び照明5191の駆動を制御する。
手術室システム5100には、集中操作パネル5111が設けられており、ユーザは、当該集中操作パネル5111を介して、視聴覚コントローラ5107に対して画像表示についての指示を与えたり、手術室制御装置5109に対して非医療機器の動作についての指示を与えることができる。集中操作パネル5111は、表示装置の表示面上にタッチパネルが設けられて構成される。
図16は、集中操作パネル5111における操作画面の表示例を示す図である。図16では、一例として、手術室システム5100に、出力先の装置として、2つの表示装置が設けられている場合に対応する操作画面を示している。図16を参照すると、操作画面5193には、発信元選択領域5195と、プレビュー領域5197と、コントロール領域5201と、が設けられる。
発信元選択領域5195には、手術室システム5100に備えられる発信元装置と、当該発信元装置が有する表示情報を表すサムネイル画面と、が紐付けられて表示される。ユーザは、表示装置に表示させたい表示情報を、発信元選択領域5195に表示されているいずれかの発信元装置から選択することができる。
プレビュー領域5197には、出力先の装置である2つの表示装置(Monitor1、Monitor2)に表示される画面のプレビューが表示される。図示する例では、1つの表示装置において4つの画像がPinP表示されている。当該4つの画像は、発信元選択領域5195において選択された発信元装置から発信された表示情報に対応するものである。4つの画像のうち、1つはメイン画像として比較的大きく表示され、残りの3つはサブ画像として比較的小さく表示される。ユーザは、4つの画像が表示された領域を適宜選択することにより、メイン画像とサブ画像を入れ替えることができる。また、4つの画像が表示される領域の下部には、ステータス表示領域5199が設けられており、当該領域に手術に関するステータス(例えば、手術の経過時間や、患者の身体情報等)が適宜表示され得る。
コントロール領域5201には、発信元の装置に対して操作を行うためのGUI(Graphical User Interface)部品が表示される発信元操作領域5203と、出力先の装置に対して操作を行うためのGUI部品が表示される出力先操作領域5205と、が設けられる。図示する例では、発信元操作領域5203には、撮像機能を有する発信元の装置におけるカメラに対して各種の操作(パン、チルト及びズーム)を行うためのGUI部品が設けられている。ユーザは、これらのGUI部品を適宜選択することにより、発信元の装置におけるカメラの動作を操作することができる。なお、図示は省略しているが、発信元選択領域5195において選択されている発信元の装置がレコーダである場合(すなわち、プレビュー領域5197において、レコーダに過去に記録された画像が表示されている場合)には、発信元操作領域5203には、当該画像の再生、再生停止、巻き戻し、早送り等の操作を行うためのGUI部品が設けられ得る。
また、出力先操作領域5205には、出力先の装置である表示装置における表示に対する各種の操作(スワップ、フリップ、色調整、コントラスト調整、2D表示と3D表示の切り替え)を行うためのGUI部品が設けられている。ユーザは、これらのGUI部品を適宜選択することにより、表示装置における表示を操作することができる。
なお、集中操作パネル5111に表示される操作画面は図示する例に限定されず、ユーザは、集中操作パネル5111を介して、手術室システム5100に備えられる、視聴覚コントローラ5107及び手術室制御装置5109によって制御され得る各装置に対する操作入力が可能であってよい。
図17は、以上説明した手術室システムが適用された手術の様子の一例を示す図である。シーリングカメラ5187及び術場カメラ5189は、手術室の天井に設けられ、患者ベッド5183上の患者5185の患部に対して処置を行う術者(医者)5181の手元及び手術室全体の様子を撮影可能である。シーリングカメラ5187及び術場カメラ5189には、倍率調整機能、焦点距離調整機能、撮影方向調整機能等が設けられ得る。照明5191は、手術室の天井に設けられ、少なくとも術者5181の手元を照射する。照明5191は、その照射光量、照射光の波長(色)及び光の照射方向等を適宜調整可能であってよい。
内視鏡手術システム5113、患者ベッド5183、シーリングカメラ5187、術場カメラ5189及び照明5191は、図17に示すように、視聴覚コントローラ5107及び手術室制御装置5109(図17では図示せず)を介して互いに連携可能に接続されている。手術室内には、集中操作パネル5111が設けられており、上述したように、ユーザは、当該集中操作パネル5111を介して、手術室内に存在するこれらの装置を適宜操作することが可能である。
以下、内視鏡手術システム5113の構成について詳細に説明する。図示するように、内視鏡手術システム5113は、内視鏡5115と、その他の術具5131と、内視鏡5115を支持する支持アーム装置5141と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート5151と、から構成される。
内視鏡手術では、腹壁を切って開腹する代わりに、トロッカ5139a〜5139dと呼ばれる筒状の開孔器具が腹壁に複数穿刺される。そして、トロッカ5139a〜5139dから、内視鏡5115の鏡筒5117や、その他の術具5131が患者5185の体腔内に挿入される。図示する例では、その他の術具5131として、気腹チューブ5133、エネルギー処置具5135及び鉗子5137が、患者5185の体腔内に挿入されている。また、エネルギー処置具5135は、高周波電流や超音波振動により、組織の切開及び剥離、又は血管の封止等を行う処置具である。ただし、図示する術具5131はあくまで一例であり、術具5131としては、例えば攝子、レトラクタ等、一般的に内視鏡下手術において用いられる各種の術具が用いられてよい。
内視鏡5115によって撮影された患者5185の体腔内の術部の画像が、表示装置5155に表示される。術者5181は、表示装置5155に表示された術部の画像をリアルタイムで見ながら、エネルギー処置具5135や鉗子5137を用いて、例えば患部を切除する等の処置を行う。なお、図示は省略しているが、気腹チューブ5133、エネルギー処置具5135及び鉗子5137は、手術中に、術者5181又は助手等によって支持される。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5141は、ベース部5143から延伸するアーム部5145を備える。図示する例では、アーム部5145は、関節部5147a、5147b、5147c、及びリンク5149a、5149bから構成されており、アーム制御装置5159からの制御により駆動される。アーム部5145によって内視鏡5115が支持され、その位置及び姿勢が制御される。これにより、内視鏡5115の安定的な位置の固定が実現され得る。
(内視鏡)
内視鏡5115は、先端から所定の長さの領域が患者5185の体腔内に挿入される鏡筒5117と、鏡筒5117の基端に接続されるカメラヘッド5119と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒5117を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡5115を図示しているが、内視鏡5115は、軟性の鏡筒5117を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒5117の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡5115には光源装置5157が接続されており、当該光源装置5157によって生成された光が、鏡筒5117の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者5185の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡5115は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド5119の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU:Camera Control Unit)5153に送信される。なお、カメラヘッド5119には、その光学系を適宜駆動させることにより、倍率及び焦点距離を調整する機能が搭載される。
なお、例えば立体視(3D表示)等に対応するために、カメラヘッド5119には撮像素子が複数設けられてもよい。この場合、鏡筒5117の内部には、当該複数の撮像素子のそれぞれに観察光を導光するために、リレー光学系が複数系統設けられる。
(カートに搭載される各種の装置)
CCU5153は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡5115及び表示装置5155の動作を統括的に制御する。具体的には、CCU5153は、カメラヘッド5119から受け取った画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。CCU5153は、当該画像処理を施した画像信号を表示装置5155に提供する。また、CCU5153には、図15に示す視聴覚コントローラ5107が接続される。CCU5153は、画像処理を施した画像信号を視聴覚コントローラ5107にも提供する。また、CCU5153は、カメラヘッド5119に対して制御信号を送信し、その駆動を制御する。当該制御信号には、倍率や焦点距離等、撮像条件に関する情報が含まれ得る。当該撮像条件に関する情報は、入力装置5161を介して入力されてもよいし、上述した集中操作パネル5111を介して入力されてもよい。
表示装置5155は、CCU5153からの制御により、当該CCU5153によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。内視鏡5115が例えば4K(水平画素数3840×垂直画素数2160)又は8K(水平画素数7680×垂直画素数4320)等の高解像度の撮影に対応したものである場合、及び/又は3D表示に対応したものである場合には、表示装置5155としては、それぞれに対応して、高解像度の表示が可能なもの、及び/又は3D表示可能なものが用いられ得る。4K又は8K等の高解像度の撮影に対応したものである場合、表示装置5155として55インチ以上のサイズのものを用いることで一層の没入感が得られる。また、用途に応じて、解像度、サイズが異なる複数の表示装置5155が設けられてもよい。
光源装置5157は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、術部を撮影する際の照射光を内視鏡5115に供給する。
アーム制御装置5159は、例えばCPU等のプロセッサによって構成され、所定のプログラムに従って動作することにより、所定の制御方式に従って支持アーム装置5141のアーム部5145の駆動を制御する。
入力装置5161は、内視鏡手術システム5113に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置5161を介して、内視鏡手術システム5113に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、入力装置5161を介して、患者の身体情報や、手術の術式についての情報等、手術に関する各種の情報を入力する。また、例えば、ユーザは、入力装置5161を介して、アーム部5145を駆動させる旨の指示や、内視鏡5115による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示、エネルギー処置具5135を駆動させる旨の指示等を入力する。
入力装置5161の種類は限定されず、入力装置5161は各種の公知の入力装置であってよい。入力装置5161としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチ、フットスイッチ5171及び/又はレバー等が適用され得る。入力装置5161としてタッチパネルが用いられる場合には、当該タッチパネルは表示装置5155の表示面上に設けられてもよい。
あるいは、入力装置5161は、例えばメガネ型のウェアラブルデバイスやHMD(Head Mounted Display)等の、ユーザによって装着されるデバイスであり、これらのデバイスによって検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。また、入力装置5161は、ユーザの動きを検出可能なカメラを含み、当該カメラによって撮像された映像から検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。更に、入力装置5161は、ユーザの声を収音可能なマイクロフォンを含み、当該マイクロフォンを介して音声によって各種の入力が行われる。このように、入力装置5161が非接触で各種の情報を入力可能に構成されることにより、特に清潔域に属するユーザ(例えば術者5181)が、不潔域に属する機器を非接触で操作することが可能となる。また、ユーザは、所持している術具から手を離すことなく機器を操作することが可能となるため、ユーザの利便性が向上する。
処置具制御装置5163は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具5135の駆動を制御する。気腹装置5165は、内視鏡5115による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者5185の体腔を膨らめるために、気腹チューブ5133を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ5167は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ5169は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
以下、内視鏡手術システム5113において特に特徴的な構成について、更に詳細に説明する。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5141は、基台であるベース部5143と、ベース部5143から延伸するアーム部5145と、を備える。図示する例では、アーム部5145は、複数の関節部5147a、5147b、5147cと、関節部5147bによって連結される複数のリンク5149a、5149bと、から構成されているが、図17では、簡単のため、アーム部5145の構成を簡略化して図示している。実際には、アーム部5145が所望の自由度を有するように、関節部5147a〜5147c及びリンク5149a、5149bの形状、数及び配置、並びに関節部5147a〜5147cの回転軸の方向等が適宜設定され得る。例えば、アーム部5145は、好適に、6自由度以上の自由度を有するように構成され得る。これにより、アーム部5145の可動範囲内において内視鏡5115を自由に移動させることが可能になるため、所望の方向から内視鏡5115の鏡筒5117を患者5185の体腔内に挿入することが可能になる。
関節部5147a〜5147cにはアクチュエータが設けられており、関節部5147a〜5147cは当該アクチュエータの駆動により所定の回転軸まわりに回転可能に構成されている。当該アクチュエータの駆動がアーム制御装置5159によって制御されることにより、各関節部5147a〜5147cの回転角度が制御され、アーム部5145の駆動が制御される。これにより、内視鏡5115の位置及び姿勢の制御が実現され得る。この際、アーム制御装置5159は、力制御又は位置制御等、各種の公知の制御方式によってアーム部5145の駆動を制御することができる。
例えば、術者5181が、入力装置5161(フットスイッチ5171を含む)を介して適宜操作入力を行うことにより、当該操作入力に応じてアーム制御装置5159によってアーム部5145の駆動が適宜制御され、内視鏡5115の位置及び姿勢が制御されてよい。当該制御により、アーム部5145の先端の内視鏡5115を任意の位置から任意の位置まで移動させた後、その移動後の位置で固定的に支持することができる。なお、アーム部5145は、いわゆるマスタースレイブ方式で操作されてもよい。この場合、アーム部5145は、手術室から離れた場所に設置される入力装置5161を介してユーザによって遠隔操作され得る。
また、力制御が適用される場合には、アーム制御装置5159は、ユーザからの外力を受け、その外力にならってスムーズにアーム部5145が移動するように、各関節部5147a〜5147cのアクチュエータを駆動させる、いわゆるパワーアシスト制御を行ってもよい。これにより、ユーザが直接アーム部5145に触れながらアーム部5145を移動させる際に、比較的軽い力で当該アーム部5145を移動させることができる。従って、より直感的に、より簡易な操作で内視鏡5115を移動させることが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
ここで、一般的に、内視鏡下手術では、スコピストと呼ばれる医師によって内視鏡5115が支持されていた。これに対して、支持アーム装置5141を用いることにより、人手によらずに内視鏡5115の位置をより確実に固定することが可能になるため、術部の画像を安定的に得ることができ、手術を円滑に行うことが可能になる。
なお、アーム制御装置5159は必ずしもカート5151に設けられなくてもよい。また、アーム制御装置5159は必ずしも1つの装置でなくてもよい。例えば、アーム制御装置5159は、支持アーム装置5141のアーム部5145の各関節部5147a〜5147cにそれぞれ設けられてもよく、複数のアーム制御装置5159が互いに協働することにより、アーム部5145の駆動制御が実現されてもよい。
(光源装置)
光源装置5157は、内視鏡5115に術部を撮影する際の照射光を供給する。光源装置5157は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成される。このとき、RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置5157において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド5119の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置5157は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド5119の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置5157は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察するもの(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得るもの等が行われ得る。光源装置5157は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
(カメラヘッド及びCCU)
図18を参照して、内視鏡5115のカメラヘッド5119及びCCU5153の機能についてより詳細に説明する。図18は、図17に示すカメラヘッド5119及びCCU5153の機能構成の一例を示すブロック図である。
図18を参照すると、カメラヘッド5119は、その機能として、レンズユニット5121と、撮像部5123と、駆動部5125と、通信部5127と、カメラヘッド制御部5129と、を有する。また、CCU5153は、その機能として、通信部5173と、画像処理部5175と、制御部5177と、を有する。カメラヘッド5119とCCU5153とは、伝送ケーブル5179によって双方向に通信可能に接続されている。
まず、カメラヘッド5119の機能構成について説明する。レンズユニット5121は、鏡筒5117との接続部に設けられる光学系である。鏡筒5117の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド5119まで導光され、当該レンズユニット5121に入射する。レンズユニット5121は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。レンズユニット5121は、撮像部5123の撮像素子の受光面上に観察光を集光するように、その光学特性が調整されている。また、ズームレンズ及びフォーカスレンズは、撮像画像の倍率及び焦点の調整のため、その光軸上の位置が移動可能に構成される。
撮像部5123は撮像素子によって構成され、レンズユニット5121の後段に配置される。レンズユニット5121を通過した観察光は、当該撮像素子の受光面に集光され、光電変換によって、観察像に対応した画像信号が生成される。撮像部5123によって生成された画像信号は、通信部5127に提供される。
撮像部5123を構成する撮像素子としては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)タイプのイメージセンサであり、Bayer配列を有するカラー撮影可能なものが用いられる。なお、当該撮像素子としては、例えば4K以上の高解像度の画像の撮影に対応可能なものが用いられてもよい。術部の画像が高解像度で得られることにより、術者5181は、当該術部の様子をより詳細に把握することができ、手術をより円滑に進行することが可能となる。
また、撮像部5123を構成する撮像素子は、3D表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成される。3D表示が行われることにより、術者5181は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部5123が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット5121も複数系統設けられる。
また、撮像部5123は、必ずしもカメラヘッド5119に設けられなくてもよい。例えば、撮像部5123は、鏡筒5117の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部5125は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部5129からの制御により、レンズユニット5121のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部5123による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部5127は、CCU5153との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5127は、撮像部5123から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル5179を介してCCU5153に送信する。この際、術部の撮像画像を低レイテンシで表示するために、当該画像信号は光通信によって送信されることが好ましい。手術の際には、術者5181が撮像画像によって患部の状態を観察しながら手術を行うため、より安全で確実な手術のためには、術部の動画像が可能な限りリアルタイムに表示されることが求められるからである。光通信が行われる場合には、通信部5127には、電気信号を光信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。画像信号は当該光電変換モジュールによって光信号に変換された後、伝送ケーブル5179を介してCCU5153に送信される。
また、通信部5127は、CCU5153から、カメラヘッド5119の駆動を制御するための制御信号を受信する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。通信部5127は、受信した制御信号をカメラヘッド制御部5129に提供する。なお、CCU5153からの制御信号も、光通信によって伝送されてもよい。この場合、通信部5127には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられ、制御信号は当該光電変換モジュールによって電気信号に変換された後、カメラヘッド制御部5129に提供される。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、取得された画像信号に基づいてCCU5153の制御部5177によって自動的に設定される。つまり、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡5115に搭載される。
カメラヘッド制御部5129は、通信部5127を介して受信したCCU5153からの制御信号に基づいて、カメラヘッド5119の駆動を制御する。例えば、カメラヘッド制御部5129は、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報及び/又は撮像時の露光を指定する旨の情報に基づいて、撮像部5123の撮像素子の駆動を制御する。また、例えば、カメラヘッド制御部5129は、撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報に基づいて、駆動部5125を介してレンズユニット5121のズームレンズ及びフォーカスレンズを適宜移動させる。カメラヘッド制御部5129は、更に、鏡筒5117やカメラヘッド5119を識別するための情報を記憶する機能を備えてもよい。
なお、レンズユニット5121や撮像部5123等の構成を、気密性及び防水性が高い密閉構造内に配置することで、カメラヘッド5119について、オートクレーブ滅菌処理に対する耐性を持たせることができる。
次に、CCU5153の機能構成について説明する。通信部5173は、カメラヘッド5119との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5173は、カメラヘッド5119から、伝送ケーブル5179を介して送信される画像信号を受信する。この際、上記のように、当該画像信号は好適に光通信によって送信され得る。この場合、光通信に対応して、通信部5173には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。通信部5173は、電気信号に変換した画像信号を画像処理部5175に提供する。
また、通信部5173は、カメラヘッド5119に対して、カメラヘッド5119の駆動を制御するための制御信号を送信する。当該制御信号も光通信によって送信されてよい。
画像処理部5175は、カメラヘッド5119から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。当該画像処理としては、例えば現像処理、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理及び/又は手ブレ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の公知の信号処理が含まれる。また、画像処理部5175は、AE、AF及びAWBを行うための、画像信号に対する検波処理を行う。
画像処理部5175は、CPUやGPU等のプロセッサによって構成され、当該プロセッサが所定のプログラムに従って動作することにより、上述した画像処理や検波処理が行われ得る。なお、画像処理部5175が複数のGPUによって構成される場合には、画像処理部5175は、画像信号に係る情報を適宜分割し、これら複数のGPUによって並列的に画像処理を行う。
制御部5177は、内視鏡5115による術部の撮像、及びその撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部5177は、カメラヘッド5119の駆動を制御するための制御信号を生成する。この際、撮像条件がユーザによって入力されている場合には、制御部5177は、当該ユーザによる入力に基づいて制御信号を生成する。あるいは、内視鏡5115にAE機能、AF機能及びAWB機能が搭載されている場合には、制御部5177は、画像処理部5175による検波処理の結果に応じて、最適な露出値、焦点距離及びホワイトバランスを適宜算出し、制御信号を生成する。
また、制御部5177は、画像処理部5175によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部の画像を表示装置5155に表示させる。この際、制御部5177は、各種の画像認識技術を用いて術部画像内における各種の物体を認識する。例えば、制御部5177は、術部画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具5135使用時のミスト等を認識することができる。制御部5177は、表示装置5155に術部の画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させる。手術支援情報が重畳表示され、術者5181に提示されることにより、より安全かつ確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド5119及びCCU5153を接続する伝送ケーブル5179は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル5179を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド5119とCCU5153との間の通信は無線で行われてもよい。両者の間の通信が無線で行われる場合には、伝送ケーブル5179を手術室内に敷設する必要がなくなるため、手術室内における医療スタッフの移動が当該伝送ケーブル5179によって妨げられる事態が解消され得る。
以上、本開示に係る技術が適用され得る手術室システム5100の一例について説明した。なお、ここでは、一例として手術室システム5100が適用される医療用システムが内視鏡手術システム5113である場合について説明したが、手術室システム5100の構成はかかる例に限定されない。例えば、手術室システム5100は、内視鏡手術システム5113に代えて、検査用軟性内視鏡システムや顕微鏡手術システムに適用されてもよい。
本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、遠隔医療に好適に適用され得る。具体的には、単位画素の画素信号を高速で読み出しながら、画素の転送期間を延ばすことができるので、撮像された術部画像をより高速で、より高解像度で外部の表示装置に出力することができ、遠隔医療における診断の精度向上を図ることができ。
<10.移動体への応用例>
本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現され得る。
図19は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図19に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図19の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
図20は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
図20では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図20には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031(撮像部12101、12102、12103、12104及び12105)に適用され得る。具体的には、本技術に係る固体撮像素子は、撮像部12031(撮像部12101、12102、12103、12104及び12105)に適用することができる。撮像部12031(撮像部12101、12102、12103、12104及び12105)に、本開示に係る技術を適用することにより、より見やすい撮影画像を得ることができるため、ドライバの疲労を軽減することが可能になる。
なお、本技術に係る実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
また、本技術に係る第1乃至第6の実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
また、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
また、本技術は、以下のような構成を取ることができる。
(1)画素アレイ部と、
D/A変換部と、
カラム処理部と、を備え、
前記画素アレイ部が、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素を有し、
前記カラム処理部が、前記列毎に対応するA/D変換部を有し、
前記A/D変換部が、コンパレータを有し、
前記単位画素が有するリセットレベルの電位を読み出すP相読み出し期間と、前記単位画素が出力する画素信号の電位を読み出すD相読み出し期間と、を有する1行毎に前記画素信号の信号成分を読み出す1水平期間内において、
前記A/D変換部が、第1の行の前記リセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行の前記D相読み出し期間中に、第2の行の前記画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、前記第1の行の前記単位画素の信号電荷が転送される、固体撮像装置。
(2)前記第2の行が、前記第1の行に隣接し、当該第1の行よりも1つ前の行である、前記(1)に記載の固体撮像装置。
(3)前記第1の行の前記単位画素の信号電荷を転送する期間が、当該第1の行の次の行が有する前記P相読み出し期間中まで拡大される、前記(1)又は(2)に記載の固体撮像装置。
(4)前記A/D変換部が、第1の容量と、第2の容量とを備え、
前記第1の容量が、前記第1の行の前記リセットレベルの電位を蓄え、
前記第2の容量が、前記第2の行の前記リセットレベルの電位を蓄え、
前記カラム処理部が、前記第1の行の前記1水平期間内に、前記第2の行の前記A/D変換された前記画素信号の電位の値から、当該第2の行の前記A/D変換された前記リセットレベルの電位の値を減算処理する、前記(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(5)前記単位画素が、光電変換素子と、フローティングディフュージョンと、転送トランジスタと、増幅トランジスタと、選択トランジスタと、を備え、
前記光電変換素子が、前記単位画素で受光した光量に応じて信号電荷を生成し、
前記転送トランジスタが、前記信号電荷を前記フローティングディフュージョンに転送し、
前記フローティングディフュージョンが、前記信号電荷を蓄積して画素信号に変換し、
前記増幅トランジスタが、前記画素信号を増幅し、
前記選択トランジスタが、前記増幅された画素信号を選択して出力する、前記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(6)前記第1の行の前記単位画素が有する前記転送トランジスタがオンのとき、当該第1の行の前記単位画素が有する前記選択トランジスタをオフにして、当該第1の行の前記信号電荷を前記フローティングディフュージョンに転送するとともに、
前記第2の行の前記単位画素が有する前記選択トランジスタをオンにして、前記第2の行の前記画素信号の電位を前記A/D変換する、前記(5)に記載の固体撮像装置。
(7)前記複数の単位画素が、前記フローティングディフュージョンを共有する画素群を形成し、
前記A/D変換部が、前記第1の行における前記画素群を形成する前記複数の単位画素のうち、第1の前記単位画素の前記リセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行における前記D相読み出し期間中に、前記第2の行における前記画素群を形成する前記複数の単位画素のうち、第2の前記単位画素の前記画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、前記第1の単位画素の信号電荷が転送される、前記(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(8)少なくとも2つの垂直信号線と、
少なくとも2つの前記A/D変換部と、を有し、
前記列毎に前記2つの垂直信号線が設けられ、
前記列毎に前記2つの前記A/D変換部が設けられ、
前記2つの垂直信号線のそれぞれが、前記複数の単位画素が配列された行毎に、交互に接続され、
前記2つのA/D変換部のうち一方が、第1の前記垂直信号線に接続され、
前記2つのA/D変換部のうち他方が、第2の前記垂直信号線に接続され、
前記一方のA/D変換部が、前記第1の垂直信号線を介して、前記リセットレベルの電位と前記画素信号の電位を前記A/D変換するとともに、並列して、
前記他方のA/D変換部が、前記第2の垂直信号線を介して、前記リセットレベルの電位と前記画素信号の電位を前記A/D変換する、前記(1)乃至(7)のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(9)画素アレイ部と、
D/A変換部と、
カラム処理部と、を備える固体撮像装置の駆動方法であって、
前記画素アレイ部が、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素を有し、
前記カラム処理部が、前記列毎に対応するA/D変換部を有し、
前記A/D変換部が、コンパレータを有し、
前記単位画素が有するリセットレベルの電位を読み出すP相読み出し期間と、前記単位画素が出力する画素信号の電位を読み出すD相読み出し期間と、を有する1行毎に前記画素信号の信号成分を読み出す1水平期間内において、
前記A/D変換部が、第1の行の前記リセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行の前記D相読み出し期間中に、第2の行の前記画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、前記第1の行の前記単位画素の信号電荷が転送される、固体撮像装置の駆動方法。
(10)固体撮像装置が搭載され、
前記固体撮像装置が、
画素アレイ部と、
D/A変換部と、
カラム処理部と、を備え、
前記画素アレイ部が、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素を有し、
前記カラム処理部が、前記列毎に対応するA/D変換部を有し、
前記A/D変換部が、コンパレータを有し、
前記単位画素が有するリセットレベルの電位を読み出すP相読み出し期間と、前記単位画素が出力する画素信号の電位を読み出すD相読み出し期間と、を有する1行毎に前記画素信号の信号成分を読み出す1水平期間内において、
前記A/D変換部が、第1の行の前記リセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行の前記D相読み出し期間中に、第2の行の前記画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、前記第1の行の前記単位画素の信号電荷が転送される、電子機器。
11 画素アレイ部
16 D/A変換部
17 カラム処理部
33 コンパレータ
38 A/D変換部
41、41a、41b、41c 単位画素

Claims (10)

  1. 画素アレイ部と、
    D/A変換部と、
    カラム処理部と、を備え、
    前記画素アレイ部が、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素を有し、
    前記カラム処理部が、前記列毎に対応するA/D変換部を有し、
    前記A/D変換部が、コンパレータを有し、
    前記単位画素が有するリセットレベルの電位を読み出すP相読み出し期間と、前記単位画素が出力する画素信号の電位を読み出すD相読み出し期間と、を有する1行毎に前記画素信号の信号成分を読み出す1水平期間内において、
    前記A/D変換部が、第1の行の前記リセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行の前記D相読み出し期間中に、第2の行の前記画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、前記第1の行の前記単位画素の信号電荷が転送される、固体撮像装置。
  2. 前記第2の行が、前記第1の行に隣接し、当該第1の行よりも1つ前の行である、請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記第1の行の前記単位画素の信号電荷を転送する期間が、当該第1の行の次の行が有する前記P相読み出し期間中まで拡大される、請求項1に記載の固体撮像装置。
  4. 前記A/D変換部が、第1の容量と、第2の容量とを備え、
    前記第1の容量が、前記第1の行の前記リセットレベルの電位を蓄え、
    前記第2の容量が、前記第2の行の前記リセットレベルの電位を蓄え、
    前記カラム処理部が、前記第1の行の前記1水平期間内に、前記第2の行の前記A/D変換された前記画素信号の電位の値から、当該第2の行の前記A/D変換された前記リセットレベルの電位の値を減算処理する、請求項1に記載の固体撮像装置。
  5. 前記単位画素が、光電変換素子と、フローティングディフュージョンと、転送トランジスタと、増幅トランジスタと、選択トランジスタと、を備え、
    前記光電変換素子が、前記単位画素で受光した光量に応じて信号電荷を生成し、
    前記転送トランジスタが、前記信号電荷を前記フローティングディフュージョンに転送し、
    前記フローティングディフュージョンが、前記信号電荷を蓄積して画素信号に変換し、
    前記増幅トランジスタが、前記画素信号を増幅し、
    前記選択トランジスタが、前記増幅された画素信号を選択して出力する、請求項1に記載の固体撮像装置。
  6. 前記第1の行の前記単位画素が有する前記転送トランジスタがオンのとき、当該第1の行の前記単位画素が有する前記選択トランジスタをオフにして、当該第1の行の前記信号電荷を前記フローティングディフュージョンに転送するとともに、
    前記第2の行の前記単位画素が有する前記選択トランジスタをオンにして、前記第2の行の前記画素信号の電位を前記A/D変換する、請求項5に記載の固体撮像装置。
  7. 前記複数の単位画素が、前記フローティングディフュージョンを共有する画素群を形成し、
    前記A/D変換部が、前記第1の行における前記画素群を形成する前記複数の単位画素のうち、第1の前記単位画素の前記リセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行における前記D相読み出し期間中に、前記第2の行における前記画素群を形成する前記複数の単位画素のうち、第2の前記単位画素の前記画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、前記第1の単位画素の信号電荷が転送される、請求項5に記載の固体撮像装置。
  8. 少なくとも2つの垂直信号線と、
    少なくとも2つの前記A/D変換部と、を有し、
    前記列毎に前記2つの垂直信号線が設けられ、
    前記列毎に前記2つの前記A/D変換部が設けられ、
    前記2つの垂直信号線のそれぞれが、前記複数の単位画素が配列された行毎に、交互に接続され、
    前記2つのA/D変換部のうち一方が、第1の前記垂直信号線に接続され、
    前記2つのA/D変換部のうち他方が、第2の前記垂直信号線に接続され、
    前記一方のA/D変換部が、前記第1の垂直信号線を介して、前記リセットレベルの電位と前記画素信号の電位を前記A/D変換するとともに、並列して、
    前記他方のA/D変換部が、前記第2の垂直信号線を介して、前記リセットレベルの電位と前記画素信号の電位を前記A/D変換する、請求項1に記載の固体撮像装置。
  9. 画素アレイ部と、
    D/A変換部と、
    カラム処理部と、を備える固体撮像装置の駆動方法であって、
    前記画素アレイ部が、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素を有し、
    前記カラム処理部が、前記列毎に対応するA/D変換部を有し、
    前記A/D変換部が、コンパレータを有し、
    前記単位画素が有するリセットレベルの電位を読み出すP相読み出し期間と、前記単位画素が出力する画素信号の電位を読み出すD相読み出し期間と、を有する1行毎に前記画素信号の信号成分を読み出す1水平期間内において、
    前記A/D変換部が、第1の行の前記リセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行の前記D相読み出し期間中に、第2の行の前記画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、前記第1の行の前記単位画素の信号電荷が転送される、固体撮像装置の駆動方法。
  10. 固体撮像装置が搭載され、
    前記固体撮像装置が、
    画素アレイ部と、
    D/A変換部と、
    カラム処理部と、を備え、
    前記画素アレイ部が、行方向及び列方向に配列された複数の単位画素を有し、
    前記カラム処理部が、前記列毎に対応するA/D変換部を有し、
    前記A/D変換部が、コンパレータを有し、
    前記単位画素が有するリセットレベルの電位を読み出すP相読み出し期間と、前記単位画素が出力する画素信号の電位を読み出すD相読み出し期間と、を有する1行毎に前記画素信号の信号成分を読み出す1水平期間内において、
    前記A/D変換部が、第1の行の前記リセットレベルの電位を読み出してA/D変換した後、当該第1の行の前記D相読み出し期間中に、第2の行の前記画素信号の電位を読み出してA/D変換するとともに、前記第1の行の前記単位画素の信号電荷が転送される、電子機器。
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