JP2020085698A - 範囲特定システム、および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】毛髪を採取する範囲を決定する場合における被採取者のストレスを低減できる範囲特定システムを実現する。【解決手段】範囲特定システム(1)であって、制御装置(20)は、被採取者(H2)の頭部における基準位置に基づいて毛髪を採取する範囲を決定する採取範囲決定部と、光照射装置(30)を制御することにより、前記範囲を示す光の像(L1)を前記頭部に投影する光照射制御部と、を備える。【選択図】図1
Description
本開示は、範囲特定システム、および制御方法に関する。
毛髪は、血液循環によって、体内の生理活性物質を取り込み、蓄積しながら成長する。このため、毛髪では、1本の毛髪の長さ方向に沿う場所により、生理活性物質の濃度が変化している。そこで、1本の毛髪の長さに応じて連続的に生理活性物質の濃度変化を観測することによって、経時的な生理活性物質の濃度変化を特定することが可能になる。上記濃度変化を正確に特定するためには、毛髪を規定の範囲から切断する必要がある。非特許文献1には、目測により毛髪の採取範囲を決定し、毛髪を採取する方法が開示されている。
V L Wester and E F C van Rossum,European Journal of Endocrinology,p.M1-M10,2015
しかしながら、非特許文献1の方法では、毛髪の採取範囲を客観的に特定することが困難である。また、採取範囲を特定するためにものさし等を用いる場合、被採取者の頭部に上記ものさし等が接触することは、被採取者にとってストレスとなる。
本開示の一態様は、毛髪の採取範囲を毛髪の採取範囲を決定する場合における被採取者のストレスを低減できる範囲特定システムなどを実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る範囲特定システムは、生体の頭部における毛髪を採取する範囲を特定して示す範囲特定システムであって、制御装置と、光照射装置と、を備え、前記制御装置は、前記生体の頭部における基準位置に基づいて、前記毛髪を採取する範囲を決定する採取範囲決定部と、前記光照射装置を制御し、前記採取範囲決定部が決定した前記範囲を示す光の像を前記頭部に投影する光照射制御部と、を備える。
本開示の一態様に係る範囲特定システムによれば、毛髪を採取する範囲を決定する場合における被採取者のストレスを低減できる。
〔実施形態1〕
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の記載は本開示の趣旨をより良く理解させるためのものであり、特に指定のない限り、本開示を限定するものではない。また、本出願における各図面に記載した構成の形状および寸法(長さ、奥行き、幅等)は、実際の形状および寸法を必ずしも反映させたものではなく、図面の明瞭化および簡略化のために適宜変更している。
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の記載は本開示の趣旨をより良く理解させるためのものであり、特に指定のない限り、本開示を限定するものではない。また、本出願における各図面に記載した構成の形状および寸法(長さ、奥行き、幅等)は、実際の形状および寸法を必ずしも反映させたものではなく、図面の明瞭化および簡略化のために適宜変更している。
(毛髪の範囲特定システム1)
図1は、範囲特定システム1の概要を示す模式図である。図2は、範囲特定システム1の概要を示す機能ブロック図である。図3は、範囲特定システム1による毛髪を採取する範囲の特定方法を示す模式図である。本実施形態に係る範囲特定システム1について、図1〜3を参照して以下に説明する。範囲特定システム1は、本実施形態に係る毛髪を採取する範囲の特定方法を実施するシステムである。図1および図2に示すように、範囲特定システム1は、制御装置20、ユーザ入力装置21、撮像装置23、出力装置24、および第1光照射装置(光照射装置)30を備える。
図1は、範囲特定システム1の概要を示す模式図である。図2は、範囲特定システム1の概要を示す機能ブロック図である。図3は、範囲特定システム1による毛髪を採取する範囲の特定方法を示す模式図である。本実施形態に係る範囲特定システム1について、図1〜3を参照して以下に説明する。範囲特定システム1は、本実施形態に係る毛髪を採取する範囲の特定方法を実施するシステムである。図1および図2に示すように、範囲特定システム1は、制御装置20、ユーザ入力装置21、撮像装置23、出力装置24、および第1光照射装置(光照射装置)30を備える。
制御装置20は、制御部10および記憶部22を備え、範囲特定システム1を構成する各部の動作等を統括的に制御する。制御部10は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部10は、基準位置検出部11、採取範囲決定部12、および光照射制御部13としての機能を備える。
図3に示すように、基準位置検出部11は、毛髪を採取する対象となる被採取者(生体)H2の頭部を撮像装置23により撮像し、当該画像から、基準位置を検出する。本実施形態では、基準位置検出部11は、左耳の上端Y1および右耳の上端Y2(これらを合わせ、両耳の上端Y1・Y2と称することがある)を基準位置として検出する。なお、基準位置検出部11は、左耳の上端Y1および右耳の上端Y2以外の、頭部における所定の2点を基準位置として検出してもよい。例えば、基準位置検出部11は、両目、鼻、または口等の、顔のパーツのいずれか2点を基準位置として検出してもよい。
採取範囲決定部12は、基準位置検出部11によって検出された基準位置を基準として、被採取者H2の頭部における毛髪を採取する範囲Pを決定する。本実施形態では、採取範囲決定部12は、範囲Pの中心として決定する座標を算出し、当該座標を中心とする所定の半径の略円形の範囲を範囲Pとして決定する。
採取範囲決定部12は、範囲Pを、例えば半径1cmの略円形としてもよい。範囲Pの半径は、1cmにすることが好ましいが、1cm〜3cmの範囲内であれば、1cmに限られず、別のいかなる長さとしてもよい。また、採取範囲決定部12は、上記半径を、ユーザにより設定された長さとしてもよい。この場合、ユーザは、後述するユーザ入力装置21により、任意の半径をパラメータとして範囲特定システム1に入力することができる。また、採取範囲決定部12は、範囲Pの形状を略円形に限らず、例えば、例えば略方形、略三角形など、略円形以外の形状としてもよい。記憶部22は、入力された上記パラメータを記憶する。
このとき、採取範囲決定部12は、例えば、撮像装置23により撮像された撮像画像を2次元的に認識した場合、被採取者H2の頭部における水平軸をx軸、垂直軸をy軸とし、左耳の上端Y1の座標を(Xl,Yl)、右耳の上端Y2の座標を(Xr,Yr)とすると、両耳の上端Y1・Y2を結びつけた線分B1の中点の座標を((Xl+Xr)/2,(Yl+Yr)/2)として算出する。
採取範囲決定部12は、例えば、両耳の上端Y1・Y2を結びつけた線分B1の垂直二等分線B2上における、線分B1から頭頂部側に所定の距離N1離隔した位置を範囲Pの中心としてもよい。この場合、採取範囲決定部12は、範囲Pの中心の座標を((Xl+Xr)/2+N1,(Yl+Yr)/2)として算出する。採取範囲決定部12は、所定の距離N1を、例えば、2cm以上かつ4cm以下とすることが好ましいが、これに限られない。
なお、採取範囲決定部12は、上記撮像画像を3次元的に認識した場合、上記x軸およびy軸の成分に加え、これらの軸に直交する奥行き方向のz軸成分を用いて、線分B1の中点の座標および範囲Pの中心の座標を算出する。採取範囲決定部12は、例えば、予め(i)被採取者H2の目尻の中間点の座標、および(ii)被採取者の頭頂部から頭の表面に沿って後頭部中央を通る曲線、を認識しておく。この場合、採取範囲決定部12は、例えば両耳の上端Y1・Y2および目尻の中間点を含む平面と、上記曲線と、の交点を範囲Pの中心としてよい。
また、採取範囲決定部12は、範囲Pの中心を垂直二等分線B2上に決定する必要はなく、垂直二等分線B2からの距離が所定の距離N2離隔した位置を範囲Pの中心に決定してもよい。採取範囲決定部12は、所定の距離N2を、例えば、1cm以内とすることが好ましいが、これに限られない。
ユーザは、上記所定の距離N1・N2について、範囲特定システム1にパラメータとして入力することができる。記憶部22は、ユーザによってユーザ入力装置21を介して入力された上記パラメータを記憶する。なお、記憶部22は、上記所定の距離N1・N2を初期パラメータとして記憶していてもよい。
光照射制御部13は、採取範囲決定部12によって決定された範囲Pに対して、第1光照射装置30を制御することにより、光の像L1を投影する。また、光照射制御部13は、光の像L1が範囲Pに投影されるように、第1光照射装置30の向きを制御する。第1光照射装置30は、光の像L1を、被採取者H2の頭部において、範囲Pを示す略円形として投影する。光照射制御部13は、光の像L1を、範囲P全体に投影される光の像としてもよく、範囲Pの円周部分のみに投影される光の像としてもよい。また、光照射制御部13は、光の像L1の他、光の像L1を指す矢印の形状を有する光の像などを投影してもよい。
また、本実施形態では光照射制御部13は、光の像L1を略円形を示すように投影する例を挙げたが、光照射制御部13は、範囲Pの形状に合わせて、例えば略方形、略三角形など、略円形以外の形状を示す光の像L1を投影してもよい。
なお、ユーザは、第1光照射装置30の向きを手動で調整することで、光の像L1の投影位置を微調整してもよい。
光照射制御部13は、光の像L1を形成する光を、白色光とすることが好ましい。このような色の光によれば、被採取者H2の毛髪が黒色である場合に、範囲Pをユーザが容易に判別できる。また、光照射制御部13は、光の像L1を形成する光の色を、ユーザが選択した色とすることがより好ましい。このような構成によれば、ユーザは、被採取者H2の毛髪の色に応じて、範囲Pを判別しやすい色を選択することができる。
なお、制御部10は上記CPUに加え、GPU(Graphics Processing Unit)を備えていてもよい。このような構成によれば、後述する、撮像装置23により撮像された画像の自動画像認識および当該画像の出力装置24への出力等の処理をGPUに行わせることで、制御部10の処理を高速化することができる。
ユーザ入力装置21は、ユーザによる各種入力を受け付けるインターフェースである。ユーザ入力装置21は、例えば、出力装置24に重畳されるタッチパッドであってもよく、出力装置24と組み合わせて使用されるマウスおよび/またはキーボードであってもよい。ユーザ入力装置21により入力された情報は、記憶部22に記憶される。
なお、範囲特定システム1のユーザとして、被採取者H2の毛髪を採取する採取者H1が想定される。しかし、採取者H1および被採取者H2以外の第三者(範囲Pの特定のみ行う者)が、ユーザとして範囲特定システム1を使用してもよい。なお、被採取者H2は、人に限られず、例えば犬等の動物であってもよい。
記憶部22は、制御部10が備える各部を動作させるためのコンピュータプログラム、ユーザ入力装置21からの入力情報、および後述する初期パラメータ等を記憶する。記憶部22は、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、範囲特定システム1は、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等をさらに備えていてもよい。
撮像装置23は、被採取者H2の頭部を撮像する装置である。撮像装置23は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を受光素子として備えるカメラである。撮像装置23は、単一のカメラであってもよく、ステレオカメラ等のように複数のカメラを備える3次元カメラであってもよい。
出力装置24は、撮像装置23により撮像された画像を表示するディスプレイである。出力装置24として、例えば、液晶表示パネル等の様々な表示装置を用いることが出来る。このような表示装置を用いることで、ユーザは、光の像L1が照射される範囲の位置および形状が所望の位置および形状となるように、範囲特定システム1を容易に制御する事ができる。
また、出力装置24に、ユーザ入力装置21としてのタッチパネルが重畳されていてもよい。また、出力装置24は、上記ディスプレイではなく、プリンタ等の出力装置であってもよい。
第1光照射装置30は、範囲特定システム1により決定された範囲Pに、毛髪を採取する際の目印となる光の像L1を投影する装置である。第1光照射装置30は、光源および光路制御部を備える。前記光路制御部によって、光の像L1が被採取者の頭部に投影されたときの形状を所定の形状とすることができる。前記光源は、例えばLED(Light Emitting Diode)である。
(毛髪を採取する範囲の特定方法)
図4は範囲特定システム1による毛髪を採取する範囲の特定方法を示すフローチャートである。本実施形態に係る毛髪を採取する範囲の特定方法(制御装置20の制御方法)の一例について、図4を参照して以下に説明する。
図4は範囲特定システム1による毛髪を採取する範囲の特定方法を示すフローチャートである。本実施形態に係る毛髪を採取する範囲の特定方法(制御装置20の制御方法)の一例について、図4を参照して以下に説明する。
最初に、基準位置検出部11は、被採取者H2の頭部を、範囲特定システム1が備える撮像装置23により撮像する(S1)。このとき、撮像装置23が上記3次元カメラである場合は、基準位置検出部11は、一度の撮像により得られた複数の撮像画像および視差データを記憶部22に記憶させる。また、撮像装置23が単一カメラである場合は、基準位置検出部11は、少なくとも被採取者H2の正面、背面、両側面および頭頂部の5面以上を撮像し、それぞれの撮像画像を記憶部22に記憶させる。なお、上記撮像画像は静止画であってもよく、当該静止画の連続である動画であってもよい。
次に、基準位置検出部11は、被採取者H2の頭部を撮像した画像から基準位置を検出する(S2、基準位置検出工程)。このとき、撮像装置23が上記3次元カメラである場合は、基準位置検出部11は、視差データを用いて被採取者H2の位置・形状を3次元的に認識する。さらに、基準位置検出部11は、上記基準位置を3次元座標化して、再び記憶部22へ記憶させる。なお、撮像装置23が上記単一カメラである場合、基準位置検出部11は、上記単一カメラで撮像した撮像画像を用いて、上記基準位置を2次元座標化してもよい。
基準位置検出部11は、記憶部22に格納されたコンピュータプログラムにより実行される画像認識方法によって上記の認識を行う。基準位置検出部11は、上記画像認識方法として、例えば、テンプレートマッチング、またはハフ変換(Hough Transform)など、一般的な画像認識技術を用いることができる。
なお、基準位置検出部11は、上記基準位置となる両耳の上端Y1・Y2について、上記画像認識方法ではなく、ユーザによる手動入力により検出してもよい。この場合、例えば、ユーザは出力装置24に表示された被採取者H2の撮像画像を見ながら、出力装置24に重畳されたユーザ入力装置21であるタッチパネルから、上記基準位置をタップ等することにより、上記基準位置を特定してもよい。
基準位置検出部11は、上記基準位置検出工程において特定された上記基準位置の情報を、採取範囲決定部12に送信する。
採取範囲決定部12は、線分B1の中点の座標を算出する(S3)。続けて、採取範囲決定部12は、範囲Pの中心の座標を、上記中点から線分B1の垂直二等分線B2の伸びる方向に、上述した所定の距離N1離れた位置として算出し、当該中心の座標に基づいて範囲Pを決定する(S4、採取範囲決定工程)。
採取範囲決定部12は、上記採取範囲決定工程において決定した範囲Pの位置の情報を、光照射制御部13に出力する。光照射制御部13は、第1光照射装置30を制御することにより、上記採取範囲決定工程によって決定された範囲Pに対して、光の像L1を投影する(光照射工程、S5)。
このように、範囲特定システム1が範囲Pに光の像L1を投影する態様によれば、被採取者H2の頭部における範囲Pの位置を特定するために、ものさし等を被採取者H2の頭部に接触させる必要がない。そのため、被採取者H2の頭部に接触することなく範囲Pの位置を特定することができ、被採取者H2の頭部への接触による被採取者H2のストレスを低減できる。また、採取者H1は、範囲Pを示す光の像L1の範囲内に生える毛髪を採取する。そのため、採取者H1は、被採取者H2の頭部における一定の範囲に生える毛髪を再現性良く採取することができる。
なお、同一人から毛髪を複数回採取し、経時的に生理活性物質量の比較を行う場合、または、任意の集団に属する複数人の毛髪に含まれる生理活性物質量の比較を行う場合等、一連の比較実験内においては、範囲Pは略同一となる範囲であることが好ましい。このように範囲Pを定めることにより、より正確な生理活性物質量の比較実験を行うことができる。
(範囲特定システム1の使用態様)
図6は、範囲特定システム1の使用態様を示す模式図であって、図6の(a)は独立タイプを示す図であり、図6の(b)は肩掛けタイプを示す図であり、図6の(c)は採取者側設置タイプを示す図である。
図6は、範囲特定システム1の使用態様を示す模式図であって、図6の(a)は独立タイプを示す図であり、図6の(b)は肩掛けタイプを示す図であり、図6の(c)は採取者側設置タイプを示す図である。
図6の(a)に示すように、範囲特定システム1は採取者H1および被採取者H2から独立に設置した状態により使用されてもよい。このような使用態様によれば、採取者H1は、範囲特定システム1を、例えば、机等に良好に固定された状態により使用することができる。そのため、撮像時および光照射時におけるブレ等が抑制される。
また、図6の(b)に示すように、範囲特定システム1は、被採取者H2の肩等に装着して使用されてもよい。このような使用態様によれば、範囲特定システム1は、被採取者H2の動作に連動して動く。そのため、範囲Pの位置を特定する時に、被採取者H2の動作による影響が低減される。
また、図6の(c)に示すように、範囲特定システム1は、採取者H1の頭部等に装着して使用されてもよい。このような使用態様によれば、範囲特定システム1と被採取者H2との間に、採取者H1の体等が介在しにくい。そのため、範囲Pの位置の特定をスムーズに行うことができる。
図7は、上記独立タイプの範囲特定システム1の使用態様の一例を示す模式図である。図7に示すように、採取者H1と被採取者H2との間にハーフミラー50が設置されており、範囲特定システム1は、採取者H1と被採取者H2との間に固定される必要がない。この場合、範囲特定システム1から照射される光の像L1は、ハーフミラー50に反射されて被採取者H2の頭部に投影される。
このような構成によれば、被採取者H2の位置は、採取者H1から見た場合に範囲特定システム1の陰となる位置にならない。そのため、採取者H1は、被採取者H2に照射される光の像L1を容易に視認できる。
ハーフミラー50は、例えば、採取者H1と被採取者H2との中間に設置されてもよい。この場合、範囲特定システム1は、例えば、天井および床に設置されてもよいし、採取者H1および被採取者H2の近傍に位置する机等に設置されてもよい。また、ハーフミラー50に対する光の像L1の入射角および反射角は、範囲特定システム1と被採取者H2との位置関係によって、適宜調整される。上記入射角および反射角は、例えば、それぞれ45°であってもよく、その他のいかなる角度であってもよい。
(範囲特定装置)
なお、本実施形態に係る毛髪を採取する範囲の特定方法は、単一の範囲特定システム1によって行われるものとして説明した。しかし、範囲特定システム1が備える各装置(制御装置20、撮像装置23、第1光照射装置30等)が、各装置の機能を備える部材として単一の装置に備えられる毛髪を採取する範囲の特定装置によって、上記毛髪を採取する範囲の特定方法が行われてもよい。
なお、本実施形態に係る毛髪を採取する範囲の特定方法は、単一の範囲特定システム1によって行われるものとして説明した。しかし、範囲特定システム1が備える各装置(制御装置20、撮像装置23、第1光照射装置30等)が、各装置の機能を備える部材として単一の装置に備えられる毛髪を採取する範囲の特定装置によって、上記毛髪を採取する範囲の特定方法が行われてもよい。
このような構成によれば、ユーザは、単一の範囲特定装置を用いることで上記毛髪を採取する範囲の特定方法を実施することが出来るため、装置の設置等が簡便になる。また、範囲特定装置の小型化が容易となり、省スペース、低消費電力および可搬性に優れた範囲特定装置が実現できる。
(変形例)
図5は、本実施形態に係る毛髪を採取する範囲の特定方法の変形例を示すフローチャートである。なお、図5のステップS1〜S5までは図4と同様の処理であるため、説明を省略する。
図5は、本実施形態に係る毛髪を採取する範囲の特定方法の変形例を示すフローチャートである。なお、図5のステップS1〜S5までは図4と同様の処理であるため、説明を省略する。
図5に示すように、採取範囲決定部12は、採取範囲決定工程を、所定の時間ごとに繰り返してもよい。この場合、制御部10は、光照射制御部13が光を照射(S5)した後、繰り返し回数iを加算(i+1)する(S6)。なお、制御部10は、繰り返し回数iの値を、一連の処理の開始前、すなわちステップS1の開始前にリセットする。次に、制御部10は、所定の時間経過するまで待機する(S7)。その後、制御部10は、ユーザによる停止信号の割り込みの有無を判定する(S8)。上記停止信号は、ユーザによってユーザ入力装置21を介して入力される。
上記所定の時間は、10ミリ秒以上200ミリ秒以下であることが好ましい。なお、上記所定の時間はこれに限られず、例えば、0.5秒程度であってもよく、1秒程度であってもよい。
上記停止信号の割り込みがあった場合(S8でYES)、光照射制御部13は光の像L1の投影を停止し、制御部10は一連の処理を終了する。一方、上記停止信号の割り込みが無かった場合(S8でNO)、制御部10は、設定された規定時間を超えて繰り返しが行われたか、または設定された規定繰り返し回数を超過したか、のいずれかの条件を満たすか否かを判定する(S9)。すなわち、制御部10は、繰り返しが行われた時間および回数を計測している。上記規定時間および規定繰り返し回数を超過していた場合(S9でYES)、光照射制御部13は光の像L1の投影を停止し、制御部10は一連の処理を終了する。
なお、上記規定時間は、3分以上10分以下であることが好ましい。上記規定時間が3分以上であれば、制御部10は、採取者H1による被採取者H2の毛髪を採取する作業の途中に、上記一連の処理を終了させてしまうことを抑制できる。また、上記規定時間が10分以下であれば、制御部10は、ユーザが範囲特定システム1の停止操作を忘れていた場合であっても、必要以上に上記一連の処理を継続することなく、上記一連の処理を終了できる。なお、上記規定時間はこれに限られず、いかなる時間であってもよい。
また、上記規定回数は、上記規定時間を上記所定の時間で除した回数であることが好ましい。例えば、上記規定時間が3分であり、上記所定の時間が10ミリ秒以上200ミリ秒以下であった場合、上記規定回数は900回以上18000回以下であることが好ましい。なお、上記規定回数はこれに限られず、いかなる回数が設定されてもよい。
一方、制御部10は、上記規定時間および規定繰り返し回数を超過していなかった場合(S9でNO)、ステップS1に処理を戻し、一連の処理を行う。これにより、採取範囲決定部12は所定の時間ごとに範囲Pの位置を更新することができるため、光照射制御部13は、第1光照射装置30に常に新たな範囲Pに光の像L1を投影させることができる。
なお、制御部10は、ステップS7における所定の時間を、例えば、10ミリ秒以上200ミリ秒以下として、略リアルタイムに範囲Pの位置を更新してもよい。このような構成によれば、範囲特定システム1は、被採取者H2の動きに応じて、範囲Pの位置をなめらかに追従して光の像L1を投影することができる。また、制御部10は、上記所定の時間を0.5秒または1秒等として、制御部10の負荷を軽減しながら、範囲Pの位置を更新してもよい。これにより、範囲特定システム1の消費電力を低減することができる。範囲特定システム1が蓄電池により電力が供給される形態をとる場合、消費電力を低減することが好ましいため、上記所定の時間が0.5秒または1秒となるような構成はより好ましい。
このような構成によれば、制御部10は範囲Pの位置の情報を一定時間ごとに更新することができるため、被採取者H2が動いても、第1光照射装置30に常に光の像L1を正確な範囲Pに投影させることができる。
また、本実施形態において、基準位置検出部11は、上記基準位置として、頭部における所定の2点を検出するものとして説明した。しかし、基準位置検出部11は、例えば、両目、鼻、または口等の、顔のパーツのいずれか、または頭頂部等の位置などを基準位置として検出するものであってもよい。また、採取範囲決定部12は、上記基準位置に代わって、頭部における輪郭等の形状等を基準として、範囲Pの位置を算出してもよい。
また、基準位置検出部11は、上記基準位置を決定するために、付箋またはイヤホン等の目印を使用してもよい。このような目印を用いる構成によれば、特に同一の被採取者H2から複数回毛髪を採取する際に、基準位置検出部11は、毎回同一の範囲Pの位置を容易に特定できる。また、上記目印が、被採取者H2の頭部の角度を示す情報を基準位置検出部11へ送信する角度センサを備えていてもよい。このような構成によれば、基準位置検出部11は、当該角度センサにより被採取者H2の頭部の角度を検出し、上記基準位置の補正を行うことができる。
また、採取範囲決定部12は、上記基準位置および/または範囲Pの位置の情報を、被採取者H2の情報と連動して、記憶部22に記憶させてもよい。このような構成によれば、採取範囲決定部12は、2回目以降の毛髪の採取時に、範囲Pを前回と同じ範囲として容易に特定できる。採取範囲決定部12は、上記保存を、ユーザによるユーザ入力装置21への上記基準位置等の情報の入力ごとに行ってもよく、予め決められた特定のタイミングで行ってもよい。採取範囲決定部12は、上記特定のタイミングを、例えば、範囲Pの位置が決定されるタイミングとしてよい。
〔実施形態2〕
本開示の他の実施形態について、図8〜図12を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
本開示の他の実施形態について、図8〜図12を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図8は、本実施形態に係る範囲特定システム101による毛髪を採取する範囲の特定方法を示す模式図である。図8に示すように、範囲特定システム101は、第1光照射装置30の代わりに第1光照射装置130を備える点で、範囲特定システム1と異なる。第1光照射装置130は、光の像L1の代わりに光の像L2を投影する点で第1光照射装置30と異なる。
光の像L2は、垂直二等分線B2を示す光のラインX2(第1の光のライン)および垂直二等分線B2と直交し範囲Pの中心を通過する光のラインX1(第2の光のライン)を含む、十字状の光の像である。光照射制御部13は、光のラインX1と光のラインX2との交点が範囲Pの中心を示すように、光の像L2を被採取者H2の頭部に投影する。
図9の(a)は、光照射制御部13が光のラインX1を投影している状態を模式的に示す模式図であり、図9の(b)は、光照射制御部13が光のラインX2を投影している状態を示す模式図である。図9の(a)および(b)に示すように、第1光照射装置130は、光源132aおよびスリット板133aを含む光学系134aと、光源132bおよびスリット板133bを含む光学系134bと、を備える。光照射制御部13は、光源132aから出射された光を、スリット板133aを通過させることで、光のラインX1を被採取者H2の頭部に投影する。また、光照射制御部13は、光源132bから出射された光を、スリット板133bを通過させることで、光のラインX2を被採取者H2の頭部に投影する。
スリット板133aには、被採取者H2の頭部に対して左右の耳を結ぶ方向に直線状のスリットが形成されている。そのため、光照射制御部13は、スリット板133aのスリットを通過した光のラインX1を、被採取者H2の頭部における左右の耳を結ぶ方向に延伸する直線を示すように投影できる。一方、スリット板133bには、被採取者H2の頭部に対して頭頂部から首への方向に直線状のスリットが形成されている。そのため、光照射制御部13は、スリット板133bのスリットを通過した光のラインX2を、被採取者H2の頭部に頭頂部から首への方向に延伸する直線を示すように投影できる。
図10の(a)は範囲特定システム101が備える光学系134aおよび134bにより光の像L2が投影される態様を示す模式図であり、図10の(b)は上記光学系の一部を示す模式図である。図10の(a)に示すように、第1光照射装置130が出射した光のラインX1の光路は、光学フィルタ135によって反射される。そのため、光照射制御部13は、光のラインX1・X2を、異なる位置にあるスリット板133a・133bを通過させ、被採取者H2の頭部において重なるように投影する。なお、光学フィルタ135は、光学系134a・134bの位置に応じて、光のラインX1ではなく、光のラインX2の光路を調整してもよく、光のラインX1・X2の両方の光路を調節してもよい。
また、図10の(b)に示すように、スリット板133aは、円周方向に回転可能に備えられる。スリット板133aが回転および移動することで、光照射制御部13は、光のラインX1が投影される傾きを調節することができる。スリット板133bについても、スリット板133aと同様に構成される。
このような構成によれば、光照射制御部13は、光のラインX1および光のラインX2のそれぞれを、被採取者H2の頭部における任意の位置に、任意の傾きにより投影することができる。そのため、光照射制御部13は、光のラインX1・X2を投影する位置および角度を容易に調整できる。また、採取者H1が範囲Pにおける毛髪を採取する際に、採取者H1の手が光の像L2の一部を遮る等により、第1光照射装置130により投影される範囲Pを示す光の像が隠れた場合でも、採取者H1は、範囲Pから上下左右に延伸する光のラインX1・X2によって、範囲Pを感覚的に補完することで認識できる。
なお、第1光照射装置130は、互いに異なる波長の光を照射する2以上の光源を備え、光のラインX1および光のラインX2の波長が互いに異なる波長である光を被採取者H2の頭部に投影してもよい。この場合、第1光照射装置130により投影される光のラインX1と光のラインX2は、その交点において、加法混色により、CIE(国際照明委員会)で規定された色度図(CIE1931)上において、上記異なる波長のそれぞれに対応する色の間を結んだ直線上の色を呈する。そのため、光照射制御部13は、上記交点が光のラインX1および光のラインX2の色とは異なる色に見えるように光の像L2を投影するため、範囲Pの中心が分かりやすい。
上記光照射制御部13は、上記交点の色が白色域となるように光の像L2を投影することが好ましい。上記交点がこのような色になる波長の組み合わせとして、例えば、460nmおよび560nmの組み合わせが挙げられる。
また、光照射制御部13は、垂直二等分線B2を示す光のラインX2を投影するものとして説明したが、垂直二等分線B2が範囲Pの中心を通過しない場合は、これに限られない。この場合、光照射制御部13は、垂直二等分線B2と平行であり、範囲Pの中心を通過する直線を、光のラインX2として投影する。
(変形例)
図11は、範囲特定システム101において、光学系134a・134bの変形例を示す模式図である。図12は、第1光照射装置130により照射される光の像L2の態様の変形例を示す模式図である。本実施形態の変形例について、図11および図12を参照して以下に説明する。
図11は、範囲特定システム101において、光学系134a・134bの変形例を示す模式図である。図12は、第1光照射装置130により照射される光の像L2の態様の変形例を示す模式図である。本実施形態の変形例について、図11および図12を参照して以下に説明する。
本実施形態において、光照射制御部13は、光の像L2に含まれる光のラインX1・X2のそれぞれについて、互いに異なる2つの光学系134a・134bにより照射させるものとして説明した。しかし、図11に示すように、光照射制御部13は、光のラインX1・X2を単一の光源132cおよび、十字状のスリットを備えるスリット板133cを含む光学系134cにより照射させてもよい。
このような構成によれば、光照射制御部13は、単一の光学系134cにより光のラインX1・X2を含む光の像L2を投影できる。そのため、第1光照射装置130が備える光学系の構成を単純化できる。また、スリット板133cは、円周方向に回転可能および光源132aに対して上下左右に移動可能に備えられる。そのため、光照射制御部13は、光のラインX1・X2が投影される位置および傾きを容易に調整できる。
また、光学系134aは、垂直二等分線B2の方向に直交する、等間隔に配された複数のスリットを備えるスリット板を含んでいてもよい。または、光学系134bは、垂直二等分線B2の方向に平行な、等間隔に配された複数のスリットを備えるスリット板を含んでいてもよい。さらに、光学系134aおよび134bの両方が、それぞれ上述したスリット板を含んでいてもよい。
光学系134aおよび134bの両方が、それぞれ上述したスリット板を含んでいる場合、図12に示すように、光学系134aは、光のラインX1として、垂直二等分線B2の方向に直交する、等間隔に配された複数の線状の光の像を形成する。また、光学系134bは、光のラインX2として、垂直二等分線B2の方向に平行な、等間隔に配された複数の線状の光の像を形成する。換言すれば、光照射制御部13は、光のラインX1・X2をそれぞれ、目盛が連なって形成される直線を示す光の像として投影してもよい。光照射制御部13は、上記目盛の間隔を、例えば、光のラインX1・X2の交点から、1cm間隔で形成されるように、光の像L2を投影してもよい。なお、光照射制御部13は、上記目盛の間隔をこれに限られず、いかなる間隔として形成してもよい。また、ユーザは、上記目盛の間隔を所望の値に設定してもよい。このような構成によれば、採取者H1は範囲Pを正確に把握することが出来る。
なお、光学系134aは、被採取者H2の頭部に対して左右の耳を結ぶ方向に直線状のスリットと、垂直二等分線B2の方向に直交する、等間隔に配された複数のスリットとを備えるスリット板を含んでいてもよい。また、光学系134bは、被採取者H2の頭部に対して頭頂部から首への方向に直線状のスリットと、垂直二等分線B2の方向に平行な、等間隔に配された複数のスリットとを備えるスリット板を含んでいてもよい。さらに、光学系134aおよび134bの両方が、それぞれ上述したスリット板を含んでいてもよい。
光学系134aおよび134bの両方が、それぞれ上述したスリット板を含んでいる場合、光学系134aが投影する光の像は、光のラインX1として、被採取者H2の頭部に対して左右の耳を結ぶ方向に直線を示す光の像、および、垂直二等分線B2の方向に直交する、等間隔に配された複数の線状の光の像を含んでいる。また、光学系134bが投影する光の像は、光のラインX2として、被採取者H2の頭部に対して頭頂部から首への方向に直線を示す光の像、および、垂直二等分線B2の方向に平行な、等間隔に配された複数の線状の光の像を含んでいる。
〔実施形態3〕
本開示の他の実施形態について、図13を参照して以下に説明する。
本開示の他の実施形態について、図13を参照して以下に説明する。
図13の(a)は範囲特定システム201が備える光学系234を示す模式図であり、図13の(b)は光学系234の変形例を示す模式図である。本実施形態に係る毛髪を採取する範囲の特定方法は、範囲特定システム201を用いて実行される。範囲特定システム201は、第1光照射装置130の代わりに第1光照射装置230を備える点で範囲特定システム101と相違する。また、図13の(a)に示すように、第1光照射装置230は、光学系134a・134bではなく、光学系234を備える点において、実施形態2に係る第1光照射装置130と異なる。光学系234は、光源232、液晶シャッタアレイ233および画像制御部236を含む。
光照射制御部13は、光源232から出射される光が液晶シャッタアレイ233を通過するように、光源232を制御する。画像制御部236は、液晶シャッタアレイ233を、十字状に上記光が通過するように制御する。これにより、光照射制御部13は、光学系234により、光のラインX1・X2を含む光の像L2を被採取者H2の頭部に投影する。
なお、液晶シャッタアレイ233は、カラーフィルタを備える構成であってもよい。このような構成によれば、光照射制御部13は、光のラインX1・X2のそれぞれの色が異なる光の像L2を、被採取者H2の頭部に投影することができる。また、液晶シャッタアレイ233は、光の透過箇所および透過強度を調整可能な、いかなる光シャッタアレイであってもよい。
また、図13の(b)に示すように、液晶シャッタアレイ233における光透過面となる被採取者H2側の面は、被採取者H2側に凹となる曲面状に形成されていてもよい。このような構成によれば、液晶シャッタアレイ233のサイズに対して、第1光照射装置230により光の像L2が投影される範囲を大きくすることができる。そのため、光照射制御部13は、小型の液晶シャッタアレイ233により、被採取者H2の頭部全体に光の像L2を容易に投影できる。また、液晶シャッタアレイ233における被採取者H2側の面が上記曲面に形成されることで、液晶シャッタアレイ233から出射される光は、上記曲面により形成される円弧の中心にめがけて直進する成分が多くなる。そのため、光照射制御部13は、光の像L2を、被採取者H2の頭部のみに効率よく投影できる。
〔実施形態4〕
本開示の他の実施形態について、図14を参照して以下に説明する。
本開示の他の実施形態について、図14を参照して以下に説明する。
図14の(a)〜(c)はそれぞれ、範囲特定システム301において、第1光照射装置330により光が照射される態様を示す模式図である。図14の(a)に示すように、第1光照射装置330は、レーザ素子(レーザ光源)332と、ミラー(反射鏡)335とを含む光学系334aを備える。光照射制御部13は、レーザ素子332に、ミラー335に対してレーザ光を出射させる。
ミラー335は、二軸走査可能なMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーである。そのため、光照射制御部13は、ミラー335により上記レーザ光を頭部に水平方向および垂直方向に走査させることで、被採取者H2の頭部に光のラインX1・X2を含む十字状の光の像L2を投影する。このような構成によれば、光照射制御部13は、光の像L2を範囲P以外の場所に投影することなく、より精密な光の像L2の投影位置の制御ができる。
また、図14の(b)に示すように、第1光照射装置330は、2つのレーザ素子332a・332bを含む光学系334bを備えていてもよい。このような構成によれば、光照射制御部13は、レーザ素子332aが出射するレーザ光の波長と、レーザ素子332bが出射するレーザ光の波長とを、互いに異なる波長とすることができる。そのため、採取者H1は、被採取者H2の頭部に投影される光のラインX1と光のラインX2とを識別することが容易になる。
また、図14の(c)に示すように、第1光照射装置330は、2つのレーザ素子332a・332bと、これらに対応する2つのミラー335a・335bとを含む光学系334cを備えていてもよい。
この場合、光照射制御部13は、ミラー335aに、レーザ素子332aから出射されたレーザ光を、光のラインX1として被採取者H2の頭部に水平方向に走査させる。また、光照射制御部13は、ミラー335bに、レーザ素子332bから出射されたレーザ光を、光のラインX2として被採取者H2の頭部に垂直方向に走査させる。光照射制御部13は、第1光照射装置330により、光のラインX1および光のラインX2を同時に被採取者H2の頭部に投影することで、光のラインX1・X2を含む十字状の光の像L2を被採取者H2の頭部に投影する。
このような構成によれば、ミラー335a・335bは、二軸走査可能である必要がなく、一軸走査タイプの安価なMEMSミラーを用いることができる。また、光照射制御部13は、光のラインX1・X2をそれぞれ異なる波長の光により、被採取者H2の頭部に投影することができる。
なお、本実施形態において、レーザ素子332は、半導体レーザ素子(LD:Laser Diode)であるが、これに限られず、レーザ光を出射するいかなるレーザ素子でもよい。また、ミラー335はMEMSミラーに限られず、例えば、ガルバノミラーまたはポリゴンミラー等であってもよい。
〔実施形態5〕
本開示の他の実施形態に係る範囲特定システム401について、図15〜図17を参照して以下に説明する。
本開示の他の実施形態に係る範囲特定システム401について、図15〜図17を参照して以下に説明する。
図15は、範囲特定システム401の概要を示す機能ブロック図である。図15に示すように、範囲特定システム401は、第2光照射装置431を備える点において、実施形態1に係る範囲特定システム1と異なる。
第2光照射装置431は、上記基準位置を示す光の像L3を投影するための部材である。第2光照射装置431は、光照射制御部413により制御される。
光照射制御部413は、被採取者H2の頭部に対して、頭頂部から首への方向に延伸する光のラインX2および光のラインX2に直交する光のラインX3(第3の光のライン)を含む光の像L3を、被採取者H2の頭部に投影する。
図16は、範囲特定システム401による毛髪を採取する範囲の特定方法において、範囲Pを示す模式図である。図17は範囲特定システム401による毛髪を採取する範囲の特定方法を示すフローチャートである。図16および図17に示すように、本実施形態に係る毛髪を採取する範囲の特定方法においては、まず、ユーザは、被採取者H2の頭部における毛髪を採取する範囲を決定するための基準となる位置を決定する(基準位置検出工程)。
最初に、基準位置検出部411は、撮像装置23により、被採取者H2の頭部を後ろから撮像する(S401)。ここで得られた複数の撮像画像および視差データ等により、基準位置検出部411は、被採取者H2と範囲特定システム401との位置関係を認識する。
次に、光照射制御部413は、第2光照射装置431を制御して被採取者H2の頭部に光の像L3を投影する(S402、S403)。なお、第2光照射装置431は、被採取者H2の頭部に光のラインX2・X3を含む十字状の光の像L3を投影するために、上述した光学系134a・134b、134c、234、334のいずれかを備えていてもよい。
次に、基準位置検出部411は、第2光照射装置431の向きが、光のラインX3が基準位置となる両耳の上端Y1・Y2を通過するようにユーザによって調整された状態における、第2光照射装置431の向きの情報を取得する(S404)。基準位置検出部411は、例えば第2光照射装置431の向きの調整が終了したことを示す、ユーザによる入力を受け付けた場合に、ステップS404を実行すればよい。
次に、採取範囲決定部412は、第2光照射装置431の向きおよび上記位置関係の情報から、光のラインX2・X3の交点の座標を算出し、当該交点の座標から範囲Pの中心の座標を算出する(S405)。なお、座標の算出方法は実施形態1において詳細に説明したため、ここでは省略する。
次に、光照射制御部413は、第1光照射装置30を制御することで、範囲Pに光の像L1を投影する(S406)。なお、範囲特定システム401においては、光照射制御部413は、上記のステップS405を省略し、上記交点から所定の方向に所定の距離離隔した位置(例えば、上記交点から頭頂部側に2cm離れた位置)に、第2光照射装置431により常に光の像L3を投影してもよい。上記所定の方向とは、例えば、上記交点から頭頂部へ向かう方向であってもよい。また、上記所定の距離とは、例えば2cm以上かつ4cm以下であってもよい。
このような構成によれば、ユーザが手動により、基準位置を特定することができる。そのため、自動画像認識による基準位置の特定が上手くいかなかったり、誤差が生じたりした場合であっても、ユーザは直感的に、簡便に基準位置の修正を行うことができる。
〔実施形態6〕
本開示の他の実施形態について、図18および図19を参照して以下に説明する。
本開示の他の実施形態について、図18および図19を参照して以下に説明する。
図18は、本実施形態に係る範囲特定システム501の概要を示す機能ブロック図である。図19の(a)は本実施形態に係る毛髪を採取する範囲の特定方法に使用される切断具540を示す模式図であり、図19の(b)は範囲特定システム501および切断具540の使用態様を示す模式図である。
図18、図19の(a)および(b)に示すように、範囲特定システム501は、撮像装置523が2つのカメラ523a・523bを含むステレオカメラ等の3次元カメラである点において、範囲特定システム1と異なる。また、範囲特定システム501は、切断具540と連動して使用される点、および報知装置550を備える点において、範囲特定システム1と異なる。また、範囲特定システム501は、制御装置520が、形状認識部514および切断具測位部515を含む制御部510を備える点において、範囲特定システム1と異なる。
形状認識部514は、撮像装置523によって撮像された被採取者H2の頭部の撮像画像および視差データを解析し、三角法に基づいて被採取者H2の頭部の形状を3次元的に把握する。
切断具540は、毛髪を切断するための切断具である。切断具540は、測位マーカ541を備える。切断具測位部515は、撮像装置523により撮像された撮像画像および視差データおよび形状認識部514により把握された被採取者H2の頭部の形状の情報から測位マーカ541を検出し、範囲特定システム501と切断具540との相対的な位置関係を3次元的に特定する。このとき、切断具測位部515は、カメラ523a・523b各々からの、切断具540が備える測位マーカ541までの距離をそれぞれ検出し、三角法に基づいて切断具540の空間的位置を測位する。
切断具測位部515は、測位マーカ541を検出することにより、切断具540を測位する。また、切断具測位部515は、採取範囲決定部12が特定した範囲Pまたはその近傍に測位マーカ541が検出された場合、報知装置550にユーザに通知(報知)を行わせる(採取範囲通知工程)。
報知装置550は、切断具540の位置が範囲Pを基準とした所定の範囲に含まれる場合に、その旨を報知する。報知装置550は、例えば、スピーカまたは発光装置等であってもよい。上記通知の態様として、例えば、報知装置550がスピーカである場合は、切断具測位部515が報知装置550から通知音を鳴らす態様が挙げられ、報知装置550が発光装置である場合は、切断具測位部515が報知装置550を発光させる態様が挙げられる。
このような構成によれば、採取者H1は切断具540が範囲Pまたはその近傍に位置していることを、上記通知により確認することができる。そのため、採取者H1が誤って範囲P以外の位置から毛髪を採取してしまう可能性を抑制できる。
〔付記事項〕
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1、101、201、301、401、501 範囲特定システム
10、410、510 制御部
11、411 基準位置検出部
12、412 採取範囲決定部
13、413 光照射制御部
20、420、520 制御装置
21 ユーザ入力装置
22 記憶部
23、523 撮像装置
24 出力装置
30、130、230、330 第1光照射装置
431 第2光照射装置
514 形状認識部
515 切断具測位部
540 切断具
550 報知装置
L1、L2、L3 光の像
P 範囲
Y1、Y2 耳の上端(基準位置)
H2 被採取者(生体)
10、410、510 制御部
11、411 基準位置検出部
12、412 採取範囲決定部
13、413 光照射制御部
20、420、520 制御装置
21 ユーザ入力装置
22 記憶部
23、523 撮像装置
24 出力装置
30、130、230、330 第1光照射装置
431 第2光照射装置
514 形状認識部
515 切断具測位部
540 切断具
550 報知装置
L1、L2、L3 光の像
P 範囲
Y1、Y2 耳の上端(基準位置)
H2 被採取者(生体)
Claims (16)
- 生体の頭部における毛髪を採取する範囲を特定して示す範囲特定システムであって、
制御装置と、
光照射装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記生体の頭部における基準位置に基づいて、前記毛髪を採取する範囲を決定する採取範囲決定部と、
前記光照射装置を制御し、前記採取範囲決定部が決定した前記範囲を示す光の像を前記頭部に投影する光照射制御部と、を備えることを特徴とする範囲特定システム。 - 前記範囲特定システムは、前記頭部を撮像する撮像装置をさらに含み、
前記制御装置は、前記頭部を撮像した画像から前記基準位置を検出する基準位置検出部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の範囲特定システム。 - 前記撮像装置は、3次元カメラであることを特徴とする、請求項2に記載の範囲特定システム。
- 前記採取範囲決定部は、前記範囲を決定する処理を所定の時間ごとに繰り返し、
前記光照射装置は、前記採取範囲決定部が前記範囲を決定し直すごとに、当該範囲を示す光の像を投影し直すことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の範囲特定システム。 - 前記基準位置は、前記頭部における所定の2点を含み、
前記範囲は、前記頭部において、前記所定の2点を結ぶ線分上または当該線分よりも前記生体の頭頂部側に位置し、かつ、当該線分の垂直二等分線からの距離が1cm以内に位置することを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の範囲特定システム。 - 前記光の像は、前記垂直二等分線を示す第1の光のラインと、前記垂直二等分線と直交し前記範囲を通過する第2の光のラインと、を含むことを特徴とする、請求項5に記載の範囲特定システム。
- 前記第1の光のラインと、前記第2の光のラインとが、それぞれ異なる波長の光により形成されることを特徴とする、請求項6に記載の範囲特定システム。
- 前記第1の光のラインは、前記垂直二等分線を示す光の像および/または前記垂直二等分線の方向に直交する、等間隔に配された複数の線状の光の像を含んでいるか、または
前記第2の光のラインは、前記垂直二等分線と直交し前記範囲の中心を通過する直線状の光の像および/または前記垂直二等分線の方向に平行な、等間隔に配された複数の線状の光の像を含んでいることを特徴とする、請求項6または7に記載の範囲特定システム。 - 前記光照射制御部は、前記垂直二等分線を示す第1の光のラインおよび前記線分を示す第3の光のラインをさらに照射することを特徴とする、請求項5〜8の何れか1項に記載の範囲特定システム。
- 前記第1の光のラインおよび前記第2の光のラインは、光源と、十字状に形成されるスリットとを含む光学系により出射される光によって形成されることを特徴とする、請求項6〜8の何れか1項に記載の範囲特定システム。
- 前記第1の光のラインおよび前記第2の光のラインは、光源と、直線状に形成されるスリットとを含む、複数の光学系により出射される光によって形成されることを特徴とする、請求項6〜8の何れか1項に記載の範囲特定システム。
- 前記第1の光のラインおよび前記第2の光のラインは、光源と、光シャッタアレイとを含む光学系により出射される光によって形成されることを特徴とする、請求項6〜8の何れか1項に記載の範囲特定システム。
- 前記光シャッタアレイは、光透過面が曲面状に形成されることを特徴とする、請求項12に記載の範囲特定システム。
- 前記第1の光のラインおよび前記第2の光のラインは、レーザ光源と、反射鏡とを含む光学系により出射されるレーザ光によって形成されることを特徴とする、請求項6〜8の何れか1項に記載の範囲特定システム。
- 前記制御装置は、
前記3次元カメラにより撮像された画像に基づいて頭部の形状を認識する形状認識部と、
切断具の位置を測位する切断具測位部と、
前記切断具の位置が前記範囲を基準とした所定の範囲に含まれる場合に、その旨を報知する報知装置とをさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の範囲特定システム。 - 請求項1から15のいずれか1項に記載の範囲特定システムが備える制御装置の制御方法であって、
毛髪を採取する対象となる生体の頭部における基準位置に基づいて、前記毛髪を採取する範囲を決定する採取範囲決定工程と、
前記採取範囲決定工程が決定した範囲を示す光の像を前記頭部に投影する光照射工程と、を含むことを特徴とする制御方法。
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JP2018221707A JP2020085698A (ja) | 2018-11-27 | 2018-11-27 | 範囲特定システム、および制御方法 |
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JP2018221707A JP2020085698A (ja) | 2018-11-27 | 2018-11-27 | 範囲特定システム、および制御方法 |
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2018
- 2018-11-27 JP JP2018221707A patent/JP2020085698A/ja active Pending
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