JP2020083727A - セメント含有材料の水和自硬性再生方法 - Google Patents
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Abstract
Description
セメントの中で最も一般的なポルトランドセメントにはケイ酸三カルシウム(エーライト、3CaO・SiO2)、ケイ酸二カルシウム(ビーライト、2CaO・SiO2)、カルシウムアルミネート(アルミネート、3CaO・Al2O3)、カルシウムアルミノフェライト(フェライト、4CaO・Al2O3・Fe2O3)といった成分が含有され、これらの成分の配合比を変えることで普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントに分類される。窯業系サイディング(以下、サイディング)、モルタル、コンクリートといった用途で利用されている。
このうち、サイディングはセメントに繊維質原料、混和剤および水を添加し、任意の形状に成形したもので、主に住宅外壁材に利用されている。サイディングは硬質で密度が高く、耐震性や遮音性、防火性などに優れており、デザイン的な選択肢も多いため、近年特に需要が増えている。
また、モルタルはセメント、砂(細骨材)および水を練り混ぜて作る建築材料で、ペースト状で施工性が良く、仕上げ材や目地材、躯体の調整などに多く用いられる。
さらに、コンクリートは、セメント、水、砂、砕石・砂利を混合して作られる建築材料であり、鉄筋を入れたコンクリートはモルタルより強度が高く、大規模な構造物で使用される。
セメントの種類は普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントが好ましく、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントがより好ましく、普通ポルトランドセメントが最も好ましい。普通ポルトランドセメントは、セメントに占めるカルシウムの割合が高く、より効率よく水和自硬性を付与できるためである。
セメント含有材料のサイズは、JIS Z8801に規定されている目開き4mm、線径1.4mmのふるいを通過し、目開き250μm、線径160μmのふるいを通過しないサイズが好ましく、目開き2mm、線径0.9mmのふるいを通過し、目開き500μm、線径315μmのふるいを通過しないサイズがより好ましく、目開き1.4mm、線径0.71mmのふるいを通過し、目開き710μm、線径450μmのふるいを通過しないサイズが最も好ましい。目開き250μm、線径160μmのふるいを通過するサイズの場合、セメント含有材料が加熱空気により飛散し、筒状体内で滞留する懸念があり、一方、目開き4mm、線径1.4mmのふるいを通過しないサイズの場合には、セメント含有材料が十分に加熱されず、CSHおよび水酸化カルシウムの脱水や有機化合物の除去が不十分となる懸念があるためである。
CSH脱水工程において、熱処理温度は200℃以上350℃以下が好ましく250℃以上290℃以下がより好ましく、260℃以上280℃以下が最も好ましい。200℃未満ではCSHの脱水が不十分となる懸念があり、350℃より高い温度ではCSHの脱水程度に違いは見られず、さらに600℃より高い温度になるとCSHの分解が顕著になり、水和自硬性を付与できない懸念があるためである。
有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程では、熱処理温度は500℃以上600℃以下が好ましく510℃以上570℃以下がより好ましく、520℃以上540℃以下が最も好ましい。500℃未満では有機化合物の熱分解除去や水酸化カルシウムの脱水反応が不十分となる懸念があり、600℃より高い温度ではCSHの分解が急激に進行し、熱処理後のセメント含有材料の水和自硬性が不十分となる懸念があるためである。
有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程における空気供給量は、セメント含有材料の重量およびセメント含有材料に含有される有機炭素の重量割合、および有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程に要する時間により決定される。
冷却工程において、熱処理温度は200℃以上350℃以下が好ましく250℃以上320℃以下がより好ましく、270℃以上300℃以下が最も好ましい。200℃未満ではセメント含有材料の急激な温度低下によりCSHの分解が促進される懸念があり、350℃より高い温度では冷却工程後の自然冷却においてセメント含有材料の急激な温度低下によりCSHの分解が促進され、水和自硬性が不十分となる懸念があるためである。
セメント含有材料1を石英ガラス管2に入れ、コンプレッサー3より外径1/4インチ(内径4.57mm)のSUS316製配管4を通じて空気を所定の流量で供給しながら電気炉5により200℃以上350℃以下の温度域に加温してCSH脱水工程を行い、次に500℃以上600℃以下の温度域で有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を行い、さらに200℃以上350℃以下の温度域に加温して冷却工程を行う。
窯業系サイディング材の裁断加工で発生した粉末(JIS Z8801に規定されている目開き1.4mm、線径0.71mmのふるいを通過し、目開き710μm、線径450μmのふるいを通過しないサイズ)を使用し、これをセメント含有材料とした。
(セメント含有材料の熱重量曲線)
示差熱-熱重量同時測定装置(ブルカーAXS製、TG−DTA2000)を使用し、室温から600℃まで空気雰囲気下で昇温した。また、昇温速度は10℃/minとした。
(セメント含有材料の熱処理)
セメント含有材料を磁性るつぼに1g入れて電気炉(ヤマト製、FO300)内に設置し、530℃で2時間加熱した。なお、熱処理後のセメント含有材料を熱処理セメント含有材料とした。
セメント含有材料の発生ガス分析には熱分解装置(フロンティア・ラボ製、EGA/PY−3030D)およびガスクロマトグラフ質量分析装置(アジレント製ガスクロマトグラフ:7890B、四重極型質量分析計:5977A)(GC−MS)を使用した。セメント含有材料を0.2mg精秤し、熱分解装置により室温から昇温速度20℃/minで600℃まで昇温した。GC−MSの測定条件は注入温度300℃、注入口圧力16.1psiとし、カラムオーブン温度300℃、カラム流量1.0ml/min、スプリット比50:1に設定した。また、キャピラリーカラムは不活性キャピラリ管(フロンティア・ラボ製、Ultra Alloy DTM 2.5m, 0.15mm φi.d)を使用した。なお、キャリヤーガスはHeを用いた。MSではイオン過電圧70eV、質量範囲(m/z)は29〜550とした。また、発生ガスのサーモグラム(以下、EGAサーモグラム)で得られたピークのMSスペクトルからライブラリ(EGA−MS14B)検索により成分の同定を行った。
図1に示した熱処理装置のうち、セメント含有材料1を石英ガラス管2に15g入れ、セメント含有材料の飛散防止のため、セメント含有材料の下流側に石英ウール8を詰めた。コンプレッサー3(日立製 ベビコン0.2LE−8S)より外径1/4インチ(内径4.57mm)のSUS316製配管4を通じて空気を流量3.5L/minで供給しながら電気炉5(光洋製、KTF030N1)によりCSH脱水工程として280℃で10分保持した後、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程として570℃で12分保持し、さらに引き続いて冷却工程として280℃で6分保持した。また、水和自硬性再生処理中、石英ガラス管2は軸心まわりに2分ごとに1回転させた。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料10gに対し、蒸留水を10g添加し、40mm×40mm×3mmの大きさに成形し、室温にて72時間自然乾燥する硬化処理を行ったところ、硬化が確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料について、材料試験機(インストロン社製、型式5582)を用い、負荷速度1mm/minで3点曲げ強度を測定したところ4.0Nmm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
以上の結果から、本実施例で総合評価は適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を12.0L/min、CSH脱水工程を250℃で15分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を510℃で6分保持、冷却工程を300℃で10分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は3.3N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を5.2L/min、CSH脱水工程を270℃で12分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を530℃で10分保持、冷却工程を270℃で8分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は4.2N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を4.5L/min、CSH脱水工程を260℃で10分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を540℃で10分保持、冷却工程を260℃で10分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は4.3N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を3.1L/min、CSH脱水工程を290℃で5分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を600℃で10分保持、冷却工程を320℃で8分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は3.0N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を18.1L/min、CSH脱水工程を250℃で30分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を520℃で4分保持、冷却工程を250℃で4分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は3.4N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を46.6L/min、CSH脱水工程を200℃で3分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を500℃で2分保持、冷却工程を200℃で2分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は2.8N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を1.2L/min、CSH脱水工程を260℃で6分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を520℃で40分保持、冷却工程を290℃で20分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は3.6N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を5.0L/min、CSH脱水工程を280℃で3分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を550℃で4分保持、冷却工程を280℃で4分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は3.2N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を0.4L/min、CSH脱水工程を350℃で8分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を570℃で80分保持、冷却工程を350℃で30分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は3.1N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を3.5L/min、CSH脱水工程を350℃で60分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を500℃で3分保持、冷却工程を350℃で3分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は2.5N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を5.0L/min、CSH脱水工程を270℃で12分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を250℃で10分保持、冷却工程を270℃で8分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本比較例における再生処理セメント含有材料とした。
本比較例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は1.1N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は2だった。
以上の結果から、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程の温度が低すぎる場合にはセメント含有材料に含有される有機化合物を十分に除去できず、また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度も低く、さらに水和自硬性再生処理後は、タール分の付着により再生処理セメント含有材料や石英ガラス管2が著しく変色したことから、本比較例で総合評価は不適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を7.0L/min、CSH脱水工程を260℃で10分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を520℃で6分保持、冷却工程を530℃で10分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本比較例における再生処理セメント含有材料とした。
本比較例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は1.8N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
以上の結果から、冷却工程の温度が高すぎる場合には、硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度が低いため、本比較例で総合評価は不適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を6.5L/min、CSH脱水工程を270℃で12分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を650℃で8分保持、冷却工程を270℃で8分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本比較例における再生処理セメント含有材料とした。
本比較例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は0.2N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程の温度が高すぎる場合には、硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は著しく低下した。これは熱処理時のCSH分解が顕著となったためと推測された。以上の結果から、本比較例で総合評価は不適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を4.1L/min、CSH脱水工程を530℃で15分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を530℃で10分保持、冷却工程を270℃で8分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本比較例における再生処理セメント含有材料とした。
本比較例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は1.4N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
CSH脱水工程の温度が高すぎる場合には、硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度が低かったことから、本比較例で総合評価は不適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を4.0L/min、CSH脱水工程を100℃で12分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を540℃で12分保持、冷却工程を270℃で10分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本比較例における再生処理セメント含有材料とした。
本比較例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は1.2N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
以上の結果から、CSH脱水工程の温度が低すぎる場合には硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度が低く、本比較例で総合評価は不適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を5.0L/min、CSH脱水工程を270℃で10分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を540℃で10分保持、冷却工程を100℃で6分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本比較例における再生処理セメント含有材料とした。
本比較例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は1.5N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
以上の結果から、冷却工程の温度が低すぎる場合には硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度が低く、本比較例で総合評価は不適であった。
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
空気流量を0.01L/min、CSH脱水工程を280℃で12分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を530℃で10分保持、冷却工程を270℃で8分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本比較例における再生処理セメント含有材料とした。
本比較例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は0.9N/mm2だった。
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は1だった。
空気送り量が少なすぎる場合にはセメント含有材料に含有される有機化合物を十分に除去できず、また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度も低かった。さらに水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内ではタール分の付着により再生処理セメント含有材料や石英ガラス管2が著しく変色し、さらに再生処理セメント含有材料は凝固している様子が確認された。以上の結果から、本比較例で総合評価は不適であった。
2…石英ガラス管
3…コンプレッサー
4…配管
5…電気炉
6…熱電対温度計
7…温度表示器
8…石英ウール
9a〜9c…筒状体
10…ホッパー
11…セメント含有材料排出部
12a〜12c…加温装置
13…配管
14…配管
Claims (7)
- セメント含有材料に含有されるセメント水和物を脱水する工程に続き、セメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程が行われ、この後にセメント含有材料を冷却する工程と、が連続して行われることを特徴とするセメント含有材料の水和自硬性再生方法。
- セメント含有材料に含有されるセメント水和物を脱水する工程に続き、セメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程が行われ、この後にセメント含有材料を冷却する工程と、が連続して行われる際、これらの工程がロータリーキルンを用いて行われることを特徴とする請求項1に記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法。
- セメント含有材料に含有されるセメント水和物を脱水する工程において、セメント含有材料が200℃以上350℃以下の範囲で加温され、この工程に次いで行われるセメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程において、セメント含有材料が500℃以上600℃以下の範囲で加温され、さらに、この後に行われるセメント含有材料を冷却する工程において、セメント含有材料が200℃以上350℃以下範囲に保持されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法。
- セメント含有材料に含有されるセメント水和物を脱水する工程と、セメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程と、セメント含有材料を冷却する工程において、セメント含有材料に空気が供給されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法。
- セメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程において、空気送り量A(L/min)と、セメント含有材料の重量W(kg)およびセメント含有材料中に含有される有機炭素分の重量割合a(wt.%)と、および当該工程に要した時間T(分)とが式1の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法。
100aW/T≦A≦900aW/T・・・(式1)
- セメント含有材料に含有されるセメント水和物を脱水する工程と、セメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程と、セメント含有材料を冷却する工程において、セメント含有材料が撹拌されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法。
- セメント含有材料が普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントのうち、少なくとも1種類以上を含有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法。
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恩田絋樹: "「窒素系サイディング廃材の熱処理再生に関する検討」", 第28回廃棄物資源循環学会研究発表会 講演集, JPN6022033340, 8 September 2017 (2017-09-08), JP, pages 219 - 220, ISSN: 0004849268 * |
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