JP2020083727A - セメント含有材料の水和自硬性再生方法 - Google Patents

セメント含有材料の水和自硬性再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】窯業系サイディング(以下、サイディング)、モルタル、コンクリートといったセメント含有材料には機械的強度や吸湿性付与のため、様々な有機化合物が混合されており、熱処理によりタール分が発生し、セメント含有材料を汚染する懸念がある。また燃焼により二酸化炭素が発生し、水酸化カルシウムや酸化カルシウムが炭酸カルシウムとなるため、水和自硬性が阻害される懸念がある。【解決手段】セメント含有材料に空気を接触し、撹拌しながら200℃以上350℃以下でセメント水和物を脱水する工程に続き、500℃以上600℃以下でセメント含有材料中の有機化合物の除去と水酸化カルシウムの脱水を同時に行う工程を行い、さらに200℃以上350℃以下でセメント含有材料を冷却する工程を行う事で、有機化合物を除去し、なおかつセメント含有材料に水和自硬性を付与する。【選択図】図1

Description

本発明は、サイディング、モルタル、コンクリートといったセメント含有材料の裁断や施工に伴って発生する端材や粉末の熱処理によりセメント含有材料に含有される有機化合物を除去するとともに、セメント水和物(以下、CSH)や水酸化カルシウムを脱水することによるセメント含有材料の水和自硬性再生方法に関する。
(ポルトランドセメントについて)
セメントの中で最も一般的なポルトランドセメントにはケイ酸三カルシウム(エーライト、3CaO・SiO)、ケイ酸二カルシウム(ビーライト、2CaO・SiO)、カルシウムアルミネート(アルミネート、3CaO・Al2O3)、カルシウムアルミノフェライト(フェライト、4CaO・Al・Fe)といった成分が含有され、これらの成分の配合比を変えることで普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントに分類される。窯業系サイディング(以下、サイディング)、モルタル、コンクリートといった用途で利用されている。
(サイディングについて)
このうち、サイディングはセメントに繊維質原料、混和剤および水を添加し、任意の形状に成形したもので、主に住宅外壁材に利用されている。サイディングは硬質で密度が高く、耐震性や遮音性、防火性などに優れており、デザイン的な選択肢も多いため、近年特に需要が増えている。
(モルタルについて)
また、モルタルはセメント、砂(細骨材)および水を練り混ぜて作る建築材料で、ペースト状で施工性が良く、仕上げ材や目地材、躯体の調整などに多く用いられる。
(コンクリートについて)
さらに、コンクリートは、セメント、水、砂、砕石・砂利を混合して作られる建築材料であり、鉄筋を入れたコンクリートはモルタルより強度が高く、大規模な構造物で使用される。
これらのセメント含有材料には、セメントの硬化に伴う収縮抑制や、接着強度、機械的強度の向上や吸湿性向上の目的で、セルロース材料をはじめとした様々な有機高分子材料を混入されている。
一方近年では、埋立地の確保難や、資源の有効活用と廃棄物の再利用の観点から、セメント含有材料の施工、加工および裁断といった工程で出る端材、粉末、さらには建築物の取り壊しなどにより出る使用済みセメント含有材料のような、セメント含有材料をリサイクルする技術の確立が急務となっている。
しかし、セメント含有材料は主成分がセメントの水和により生成するCSHや水酸化カルシウムであるため、水と接触した場合、水酸化カルシウムが溶解して高アルカリを呈し水質汚染の一因となること、また、セメント含有材料にはセメントの他に様々な有機高分子材料が混合されており、これらを分離あるいは除去するのは困難であることなどから、現状ではそのほとんどが産業廃棄物として処分されている。
そこで、これまでにセメント含有材料に含有される有機化合物を完全燃焼するのに十分な量の空気を導入しながら、セメント含有材料をまず200℃以上350℃以下の温度域で熱処理してCSHを脱水する工程(以下、CSH脱水工程)に続き、さらに500℃以上600℃以下の温度域で熱処理してセメント含有材料に含有される有機化合物の除去および水酸化カルシウムの脱水を同時に行う工程(以下、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程)を経ることで、タール分や揮発性有機化合物が発生することなく、有機高分子材料を除去でき、さらに水和自硬性が付与されることを見出した(特許文献1)。
特開2017−203283号
これにより、セメント含有材料に含有される有機化合物を除去でき、さらに水和自硬性も付与できる。
しかしながら、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程の後、室温にて自然冷却した場合には急激な温度低下によりCSHの分解が急激に進行し、熱処理後のセメント含有材料の水和自硬性も不十分となることが懸念される。
上記課題を鑑みて鋭意研究に取り組み、CSH脱水工程、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程に引き続き、200℃以上350℃以下の温度域でセメント含有材料を冷却する工程(以下、冷却工程)を行う事で、CSHの分解が抑制されることを見出した。
すなわち本発明は、(1)セメント含有材料に含有されるセメント水和物を脱水する工程に続き、セメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程が行われ、この後にセメント含有材料を冷却する工程と、が連続して行われることを特徴とするセメント含有材料の水和自硬性再生方法であり、(2)セメント含有材料に含有されるセメント水和物を脱水する工程に続き、セメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程が行われ、この後にセメント含有材料を冷却する工程と、が連続して行われる際、これらの工程がロータリーキルンを用いて行われることを特徴とする(1)に記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法であり、(3)セメント含有材料に含有されるセメント水和物を脱水する工程において、セメント含有材料が200℃以上350℃以下の範囲で加温され、この工程に次いで行われるセメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程において、セメント含有材料が500℃以上600℃以下の範囲で加温され、さらに、この後に行われるセメント含有材料を冷却する工程において、セメント含有材料が200℃以上350℃以下範囲に保持されることを特徴とする(1)又は(2)に記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法であり、(4)セメント含有材料に含有されるセメント水和物を脱水する工程と、セメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程と、セメント含有材料を冷却する工程において、セメント含有材料に空気が供給されることを特徴とする(1)又は(2)に記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法であり、(5)セメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程において、空気送り量A(L/min)と、セメント含有材料の重量W(kg)およびセメント含有材料中に含有される有機炭素分の重量割合a(wt.%)と、および当該工程に要した時間T(分)とが100aW/T≦A≦900aW/Tの関係を満たすことを特徴とする(1)又は(2)に記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法であり、(6)セメント含有材料に含有されるセメント水和物を脱水する工程と、セメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程と、セメント含有材料を冷却する工程において、セメント含有材料が撹拌されることを特徴とする(1)又は(2)に記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法であり、(7)セメント含有材料が普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントのうち、少なくとも1種類以上を含有することを特徴とする(1)から(6)のいずれか1つに記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法であることを特徴としている。
本発明によれば、これまで産業廃棄物として処分されてきた窯業系サイディングやコンクリート系材料を例えば建築資材やエクステリア用品として再利用できることが期待できる。
本発明における好適な実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。
(セメントの種類)
セメントの種類は普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントが好ましく、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントがより好ましく、普通ポルトランドセメントが最も好ましい。普通ポルトランドセメントは、セメントに占めるカルシウムの割合が高く、より効率よく水和自硬性を付与できるためである。
(セメント含有材料の好適なサイズ)
セメント含有材料のサイズは、JIS Z8801に規定されている目開き4mm、線径1.4mmのふるいを通過し、目開き250μm、線径160μmのふるいを通過しないサイズが好ましく、目開き2mm、線径0.9mmのふるいを通過し、目開き500μm、線径315μmのふるいを通過しないサイズがより好ましく、目開き1.4mm、線径0.71mmのふるいを通過し、目開き710μm、線径450μmのふるいを通過しないサイズが最も好ましい。目開き250μm、線径160μmのふるいを通過するサイズの場合、セメント含有材料が加熱空気により飛散し、筒状体内で滞留する懸念があり、一方、目開き4mm、線径1.4mmのふるいを通過しないサイズの場合には、セメント含有材料が十分に加熱されず、CSHおよび水酸化カルシウムの脱水や有機化合物の除去が不十分となる懸念があるためである。
(CSH脱水工程の熱処理温度)
CSH脱水工程において、熱処理温度は200℃以上350℃以下が好ましく250℃以上290℃以下がより好ましく、260℃以上280℃以下が最も好ましい。200℃未満ではCSHの脱水が不十分となる懸念があり、350℃より高い温度ではCSHの脱水程度に違いは見られず、さらに600℃より高い温度になるとCSHの分解が顕著になり、水和自硬性を付与できない懸念があるためである。
(有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程の熱処理温度)
有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程では、熱処理温度は500℃以上600℃以下が好ましく510℃以上570℃以下がより好ましく、520℃以上540℃以下が最も好ましい。500℃未満では有機化合物の熱分解除去や水酸化カルシウムの脱水反応が不十分となる懸念があり、600℃より高い温度ではCSHの分解が急激に進行し、熱処理後のセメント含有材料の水和自硬性が不十分となる懸念があるためである。
(有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程における空気供給量)
有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程における空気供給量は、セメント含有材料の重量およびセメント含有材料に含有される有機炭素の重量割合、および有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程に要する時間により決定される。
有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程において、空気の送り量は、以下の数1を満たすことが好ましい。なお、Aは支燃性ガス送り量(L/min)、Wは窯業系サイディングの重量(kg)、aはセメント含有材料に含有される有機炭素の重量割合(wt%)およびTは有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程に要した時間(分)をそれぞれ表す。
また、空気の送り量は300aW/T以上700aW/T以下がより好ましく、400aW/T以上500aW/T以下が最も好ましい。空気の送り量が100aW/Tより少ない場合には、有機化合物が完全燃焼せず、セメント含有材料から十分に除去されない懸念があり、一方900aW/Tより多い場合には、有機化合物の除去効果に変化が無いが、セメント含有材料や空気の加熱に必要なエネルギーが大きくなり、処理コストの増大に繋がる懸念があるためである。
(冷却工程の熱処理温度)
冷却工程において、熱処理温度は200℃以上350℃以下が好ましく250℃以上320℃以下がより好ましく、270℃以上300℃以下が最も好ましい。200℃未満ではセメント含有材料の急激な温度低下によりCSHの分解が促進される懸念があり、350℃より高い温度では冷却工程後の自然冷却においてセメント含有材料の急激な温度低下によりCSHの分解が促進され、水和自硬性が不十分となる懸念があるためである。
前述の通り、セメント含有材料の水和自硬性再生には、CSH脱水工程、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程および冷却工程の3つの工程よりなる。これらの工程を行うための装置の概要を図1に示し、重要部には符号を付けて本発明について説明する。なお、これは本発明の実施態様の一例を示すためのものであり、発明の範囲を限定的に捉えることを目的としていない。
(セメント含有材料の水和自硬性再生処理)
セメント含有材料1を石英ガラス管2に入れ、コンプレッサー3より外径1/4インチ(内径4.57mm)のSUS316製配管4を通じて空気を所定の流量で供給しながら電気炉5により200℃以上350℃以下の温度域に加温してCSH脱水工程を行い、次に500℃以上600℃以下の温度域で有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を行い、さらに200℃以上350℃以下の温度域に加温して冷却工程を行う。
なお、石英ガラス管内2内の温度は熱電対温度計6により計測され、温度表示器7により表示される。また、セメント含有材料の下流側に石英ウール8を詰めることにより、セメント含有材料が石英ガラス管2より飛散することを防止している。
CSH脱水工程、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程および冷却工程は、電気炉温度を変えることでこれらの工程を連続的に行う事が可能である。
かくして、水和自硬性再生処理によって得られた試料に、水を加え、充分混練後、図2に示す型(寸法40mm×40mm×3mm)に流し込み、72時間硬化させた結果、3点曲げ強度が2.5N/mm以上となり、再生セメント材料として利用できる強度を示すことが確認された。
以下に、好ましい再生セメント材料を得るための実施例を示し、より詳細に本発明のセメント含有材料の水和自硬性再生処理方法について説明する。なお、実施例は、発明を詳細に説明するためのものであり、本発明を限定的に捉えてはならない。
(セメント含有材料)
窯業系サイディング材の裁断加工で発生した粉末(JIS Z8801に規定されている目開き1.4mm、線径0.71mmのふるいを通過し、目開き710μm、線径450μmのふるいを通過しないサイズ)を使用し、これをセメント含有材料とした。
(セメント含有材料の特性評価)
(セメント含有材料の熱重量曲線)
示差熱-熱重量同時測定装置(ブルカーAXS製、TG−DTA2000)を使用し、室温から600℃まで空気雰囲気下で昇温した。また、昇温速度は10℃/minとした。
セメント含有材料の熱重量曲線を図3に示す。室温から250℃および250℃から530℃の温度域で重量減少が見られた。また、250℃、530℃および600℃における重量残存率はそれぞれ93.1%、80.9%および80.1%だった。室温から250℃の温度域で見られた重量減少はCSHの脱水、250℃から530℃の温度域で見られた重量減少は有機化合物の除去および水酸化カルシウムの脱水に由来するものと考えられた。
(セメント含有材料の有機炭素分測定)
(セメント含有材料の熱処理)
セメント含有材料を磁性るつぼに1g入れて電気炉(ヤマト製、FO300)内に設置し、530℃で2時間加熱した。なお、熱処理後のセメント含有材料を熱処理セメント含有材料とした。
セメント含有材料および熱処理セメント含有材料の炭素分の割合は元素分析装置(Elementar社製、UNICUBE)を用いて定量した。また燃焼管温度は1150℃、還元管温度は850℃とし、3回測定した平均値を測定値とした。また、セメント含有材料の炭素重量割合から熱処理セメント含有材料の炭素重量割合を差し引いた値を、セメント含有材料の有機炭素分の重量割合とした。
その結果、本実施例で使用したセメント含有材料および熱処理セメント含有材料の炭素重量割合はそれぞれ9.1wt.%および2.2wt.%だった。このことから、セメント含有材料に含有される有機物に由来する有機炭素分の重量割合は6.9wt.%だった。
(セメント含有材料の発生ガス分析)
セメント含有材料の発生ガス分析には熱分解装置(フロンティア・ラボ製、EGA/PY−3030D)およびガスクロマトグラフ質量分析装置(アジレント製ガスクロマトグラフ:7890B、四重極型質量分析計:5977A)(GC−MS)を使用した。セメント含有材料を0.2mg精秤し、熱分解装置により室温から昇温速度20℃/minで600℃まで昇温した。GC−MSの測定条件は注入温度300℃、注入口圧力16.1psiとし、カラムオーブン温度300℃、カラム流量1.0ml/min、スプリット比50:1に設定した。また、キャピラリーカラムは不活性キャピラリ管(フロンティア・ラボ製、Ultra Alloy DTM 2.5m, 0.15mm φi.d)を使用した。なお、キャリヤーガスはHeを用いた。MSではイオン過電圧70eV、質量範囲(m/z)は29〜550とした。また、発生ガスのサーモグラム(以下、EGAサーモグラム)で得られたピークのMSスペクトルからライブラリ(EGA−MS14B)検索により成分の同定を行った。
セメント含有材料のEGAサーモグラムを図4に示す。322℃でショルダーピークが見られ、また351℃および440℃にピークが見られた。これらのピークのMSスペクトルについて、ライブラリ検索を行ったところ、322℃および351℃のピークはセルロースに、440℃のピークはスチレン・ブタジエンゴムに由来するものと考えられた。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
図1に示した熱処理装置のうち、セメント含有材料1を石英ガラス管2に15g入れ、セメント含有材料の飛散防止のため、セメント含有材料の下流側に石英ウール8を詰めた。コンプレッサー3(日立製 ベビコン0.2LE−8S)より外径1/4インチ(内径4.57mm)のSUS316製配管4を通じて空気を流量3.5L/minで供給しながら電気炉5(光洋製、KTF030N1)によりCSH脱水工程として280℃で10分保持した後、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程として570℃で12分保持し、さらに引き続いて冷却工程として280℃で6分保持した。また、水和自硬性再生処理中、石英ガラス管2は軸心まわりに2分ごとに1回転させた。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度は熱電対温度計6および温度表示器7を用いて測定した。
このようにして得られた再生処理セメント含有材料について熱重量測定を行ったところ、図5に示すように600℃時点での重量残存率は99.1%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本実施例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物は除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料10gに対し、蒸留水を10g添加し、40mm×40mm×3mmの大きさに成形し、室温にて72時間自然乾燥する硬化処理を行ったところ、硬化が確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料について、材料試験機(インストロン社製、型式5582)を用い、負荷速度1mm/minで3点曲げ強度を測定したところ4.0Nmmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
以上の結果から、本実施例で総合評価は適であった。
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を12.0L/min、CSH脱水工程を250℃で15分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を510℃で6分保持、冷却工程を300℃で10分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図6に示すように600℃時点での重量残存率は98.1%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本実施例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は3.3N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を5.2L/min、CSH脱水工程を270℃で12分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を530℃で10分保持、冷却工程を270℃で8分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図7に示すように600℃時点での重量残存率は99.4%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本実施例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は4.2N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を4.5L/min、CSH脱水工程を260℃で10分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を540℃で10分保持、冷却工程を260℃で10分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図8に示すように600℃時点での重量残存率は99.5%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本実施例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は4.3N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を3.1L/min、CSH脱水工程を290℃で5分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を600℃で10分保持、冷却工程を320℃で8分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図9に示すように600℃時点での重量残存率は97.3%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本実施例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は3.0N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を18.1L/min、CSH脱水工程を250℃で30分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を520℃で4分保持、冷却工程を250℃で4分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図10に示すように600℃時点での重量残存率は98.5%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本実施例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は3.4N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を46.6L/min、CSH脱水工程を200℃で3分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を500℃で2分保持、冷却工程を200℃で2分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図11に示すように600℃時点での重量残存率は97.0%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本実施例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は2.8N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を1.2L/min、CSH脱水工程を260℃で6分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を520℃で40分保持、冷却工程を290℃で20分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図12に示すように600℃時点での重量残存率は98.7%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本実施例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は3.6N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を5.0L/min、CSH脱水工程を280℃で3分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を550℃で4分保持、冷却工程を280℃で4分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図13に示すように600℃時点での重量残存率は97.9%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本実施例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は3.2N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を0.4L/min、CSH脱水工程を350℃で8分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を570℃で80分保持、冷却工程を350℃で30分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図14に示すように600℃時点での重量残存率は97.8%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本実施例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は3.1N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を3.5L/min、CSH脱水工程を350℃で60分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を500℃で3分保持、冷却工程を350℃で3分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本実施例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図15に示すように600℃時点での重量残存率は99.2%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本実施例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本実施例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は2.5N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
以上の結果から、本実施例の総合評価は適であった。
比較例1
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を5.0L/min、CSH脱水工程を270℃で12分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を250℃で10分保持、冷却工程を270℃で8分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本比較例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図16に示すように600℃時点での重量残存率は88.4%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は5.4wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は3.2wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、図17に示すようにセルロースおよびスチレン・ブタジエンゴムに由来するピークが確認された。これらのことから本比較例の条件での熱処理では、セメント含有材料中の有機化合物除去は不十分と考えられた。
(水和自硬性評価)
本比較例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は1.1N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は2だった。
(総合評価)
以上の結果から、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程の温度が低すぎる場合にはセメント含有材料に含有される有機化合物を十分に除去できず、また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度も低く、さらに水和自硬性再生処理後は、タール分の付着により再生処理セメント含有材料や石英ガラス管2が著しく変色したことから、本比較例で総合評価は不適であった。
比較例2
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を7.0L/min、CSH脱水工程を260℃で10分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を520℃で6分保持、冷却工程を530℃で10分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本比較例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図18に示すように600℃時点での重量残存率は98.4%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本比較例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本比較例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は1.8N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
以上の結果から、冷却工程の温度が高すぎる場合には、硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度が低いため、本比較例で総合評価は不適であった。
比較例3
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を6.5L/min、CSH脱水工程を270℃で12分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を650℃で8分保持、冷却工程を270℃で8分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本比較例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図19に示すように600℃時点での重量残存率は99.0%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本比較例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本比較例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は0.2N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程の温度が高すぎる場合には、硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は著しく低下した。これは熱処理時のCSH分解が顕著となったためと推測された。以上の結果から、本比較例で総合評価は不適であった。
比較例4
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を4.1L/min、CSH脱水工程を530℃で15分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を530℃で10分保持、冷却工程を270℃で8分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本比較例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図20に示すように600℃時点での重量残存率は98.2%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本比較例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本比較例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は1.4N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
CSH脱水工程の温度が高すぎる場合には、硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度が低かったことから、本比較例で総合評価は不適であった。
比較例5
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を4.0L/min、CSH脱水工程を100℃で12分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を540℃で12分保持、冷却工程を270℃で10分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本比較例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図21に示すように600℃時点での重量残存率は98.7%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本比較例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本比較例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は1.2N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
以上の結果から、CSH脱水工程の温度が低すぎる場合には硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度が低く、本比較例で総合評価は不適であった。
比較例6
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を5.0L/min、CSH脱水工程を270℃で10分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を540℃で10分保持、冷却工程を100℃で6分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本比較例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図22に示すように600℃時点での重量残存率は98.5%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は2.2wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は0.0wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本比較例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。
(水和自硬性評価)
本比較例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は1.5N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は5だった。
(総合評価)
以上の結果から、冷却工程の温度が低すぎる場合には硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度が低く、本比較例で総合評価は不適であった。
比較例7
(セメント含有材料)
セメント含有材料および熱処理装置には実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
(熱処理装置を用いたセメント含有材料の水和自硬性再生処理)
空気流量を0.01L/min、CSH脱水工程を280℃で12分保持、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を530℃で10分保持、冷却工程を270℃で8分保持とした以外は実施例1に記載された方法と同様の方法でセメント含有材料の水和自硬性再生処理を行った。このようにして得られたセメント含有材料を本比較例における再生処理セメント含有材料とした。
なお、石英ガラス管2内の温度も実施例1に記載された方法と同様の方法で測定した。
得られた再生処理セメント含有材料について、熱重量測定を行ったところ、図23に示すように600℃時点での重量残存率は85.4%だった。
また、再生処理セメント含有材料について元素分析を行ったところ、炭素分の割合は6.4wt.%だった。実施例1で記載した通り、熱処理セメント含有材料の炭素重量割合は2.2wt.%であることから、再生処理セメント含有材料の有機炭素分の重量割合は4.2wt.%となる。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、有機化合物に由来するピークは確認されなかった。これらのことから、本比較例の条件で熱処理することにより、セメント含有材料中の有機化合物はほとんど除去されたものと考えられた。さらに再生処理セメント含有材料について発生ガス分析を行ったところ、図24に示すようにセルロースおよびスチレン・ブタジエンゴムに由来するピークが確認された。これらのことから本比較例の条件での熱処理では、セメント含有材料中の有機化合物除去は不十分と考えられた。
(水和自硬性評価)
本比較例により得られた再生処理セメント含有材料について、実施例1に記載した方法と同様の方法で硬化処理を行ったところ、硬化することが確認された。また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度は0.9N/mmだった。
(水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観)
水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内の外観について、目視により表1に示す様な5段階評価を行った。その結果、本実施例の条件で水和自硬性再生処理を行った後の石英ガラス管2内の外観評価は1だった。
(総合評価)
空気送り量が少なすぎる場合にはセメント含有材料に含有される有機化合物を十分に除去できず、また硬化した再生処理セメント含有材料の3点曲げ強度も低かった。さらに水和自硬性再生処理後の石英ガラス管2内ではタール分の付着により再生処理セメント含有材料や石英ガラス管2が著しく変色し、さらに再生処理セメント含有材料は凝固している様子が確認された。以上の結果から、本比較例で総合評価は不適であった。
実施例1〜11および比較例1〜7で行ったセメント含有材料の熱処理条件を表2に、また図1の熱処理装置により調製した再生処理セメント含有材料の性状評価結果および総合評価を表3にまとめて示す。
またこれまで述べてきた、本発明によるセメント含有材料の水和自硬性再生処理は、公知のロータリーキルン型装置を好ましく用いることができる。
例えば図25に示すように、傾斜を利用して、セメント含有材料1を高位置から低位置に移送する。また、高位置から低位置に向けて、CSH脱水工程を行う筒状体9a、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程を行う筒状体9b、および冷却工程を行う筒状体9cが連続的に配置されている。
筒状体9a、筒状体9bおよび筒状体9cは軸心まわりに回転することが可能であり、これによりホッパー10より導入されたセメント含有材料1は撹拌されながら高位置から低位置に向けて移送され、排出部11へと到達する。
なお、筒状体9a、筒状体9bおよび筒状体9c内にはその長手方向に沿って、例えば螺旋羽根といったセメント含有材料の移送を補助するための器具が設置されていても良く、また筒状体9a、筒状体9bおよび筒状体9cの内壁には、例えば螺旋溝といったセメント含有材料の微粉末が飛散することを防止するための加工が施されていても良い。
一方、CSH脱水工程、有機化合物除去・水酸化カルシウム脱水工程および冷却工程を行う筒状体9a、筒状体9bおよび筒状体9cはそれぞれ加温装置12a、加温装置12bおよび加温装置12cにより所定の温度に加熱される。
また、支燃性ガスである空気は配管13より導入され、セメント含有材料1の移送方向と同じ方向、つまり筒状体9a、筒状体9b、筒状体9cの順に流れ、配管14より排出されても良いし、配管14より導入され、セメント含有材料1の移送方向とは対向する方向、つまり筒状体9c、筒状体9b、筒状体9aの順に流れ、配管13より排出されても良い。
本発明のセメント含有材料の熱処理により、サイディング、モルタル、コンクリートといったセメント含有材料中に含有される有機化合物を除去するとともに、CSHや水酸化カルシウムを脱水することで水和自硬性を付与できる。これにより、セメント含有材料の加熱利用が可能となり、資源の有効利活用や廃棄物リサイクルによる環境負荷の低減に寄与できる。
本発明の熱処理装置を模式的に示した図である。 水和自硬性再生処理を行ったセメント含有材料に、水を加えて硬化する際に使用した型を模式的に示した図である。 セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 セメント含有材料のEGAサーモグラムを表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、実施例1に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、実施例2に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、実施例3に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、実施例4に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、実施例5に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、実施例6に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、実施例7に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、実施例8に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、実施例9に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、実施例10に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、実施例11に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、比較例1に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、比較例1に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料のEGAサーモグラムを表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、比較例2に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、比較例3に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、比較例4に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、比較例5に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、比較例6に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、比較例7に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料の熱重量曲線を表す図である。 図1に示した熱処理装置を用い、比較例7に記載の条件で熱処理することで得られた再生処理セメント含有材料のEGAサーモグラムを表す図である。 ロータリーキルンを用いた水和自硬性再生処理を行う場合のロータリーキルンを模式的に示した図である。
1…セメント含有材料
2…石英ガラス管
3…コンプレッサー
4…配管
5…電気炉
6…熱電対温度計
7…温度表示器
8…石英ウール
9a〜9c…筒状体
10…ホッパー
11…セメント含有材料排出部
12a〜12c…加温装置
13…配管
14…配管

Claims (7)

  1. セメント含有材料に含有されるセメント水和物を脱水する工程に続き、セメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程が行われ、この後にセメント含有材料を冷却する工程と、が連続して行われることを特徴とするセメント含有材料の水和自硬性再生方法。
  2. セメント含有材料に含有されるセメント水和物を脱水する工程に続き、セメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程が行われ、この後にセメント含有材料を冷却する工程と、が連続して行われる際、これらの工程がロータリーキルンを用いて行われることを特徴とする請求項1に記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法。
  3. セメント含有材料に含有されるセメント水和物を脱水する工程において、セメント含有材料が200℃以上350℃以下の範囲で加温され、この工程に次いで行われるセメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程において、セメント含有材料が500℃以上600℃以下の範囲で加温され、さらに、この後に行われるセメント含有材料を冷却する工程において、セメント含有材料が200℃以上350℃以下範囲に保持されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法。
  4. セメント含有材料に含有されるセメント水和物を脱水する工程と、セメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程と、セメント含有材料を冷却する工程において、セメント含有材料に空気が供給されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法。
  5. セメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程において、空気送り量A(L/min)と、セメント含有材料の重量W(kg)およびセメント含有材料中に含有される有機炭素分の重量割合a(wt.%)と、および当該工程に要した時間T(分)とが式1の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法。

    100aW/T≦A≦900aW/T・・・(式1)
  6. セメント含有材料に含有されるセメント水和物を脱水する工程と、セメント含有材料に含有される有機化合物を分解し、かつ水酸化カルシウムを脱水する工程と、セメント含有材料を冷却する工程において、セメント含有材料が撹拌されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法。
  7. セメント含有材料が普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントのうち、少なくとも1種類以上を含有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載のセメント含有材料の水和自硬性再生方法。
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恩田絋樹: "「窒素系サイディング廃材の熱処理再生に関する検討」", 第28回廃棄物資源循環学会研究発表会 講演集, JPN6022033340, 8 September 2017 (2017-09-08), JP, pages 219 - 220, ISSN: 0004849268 *

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