JP2020082025A - 土壌の浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】土壌の浄化を効率よく行う。【解決手段】土壌の浄化方法は、上下の難透水層の間にある透水層を加圧し透水層の内圧を上昇させて透水層の上側の難透水層を押し上げて盤ぶくれさせ、透水層と上側の難透水層との間に液通路を形成する第1工程と、液通路を形成した後に、透水層の一方側から注入液を注入して透水層の他方側から注入液を揚水して透水層の浄化を行う第2工程と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、地下の土壌を浄化する土壌の浄化方法に関する。
汚染土壌を浄化するために、土壌の内部に注水を行い、土壌の汚染物質を浄化する方法がある(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2006−346567号公報 特開平7−82730号公報 特許5248423号公報
特許文献1には、汚染土壌に筒状体を介してパルス状の高圧ガスを注入し、汚染土壌の土壌粒子の再配列をすることで、汚染土壌中に浄化液を流すための均一な空隙を形成する方法が開示されている。
特許文献2には、注水孔から汚染土壌に水を注入し、揚水孔から地下水を揚水することで、汚染土壌の汚染物質を除去する汚染土壌の浄化方法が開示されている。
また、特許文献3には、汚染土壌層に複数の注入井と揚水井とを格子状に掘削し、注入井から汚染土壌層に注水を行い、揚水井から揚水した地下水に含まれる汚染物質を微生物で分解する方法が開示されている。
ところで、透水性が良好でない透水層に注入液を注入して汚染物質を浄化する場合、注入液は一般に、面的に広がり難い。
このため、注入液が均一に行き渡り難く、土壌の単位体積当たりに付与される注入液の量が少量となる部位では、汚染物質を除去し難く、汚染物質の除去にも時間もかかる。
特許文献1のように、筒状体を用いて汚染土壌にパルス状の高圧ガスを注入して、汚染土壌中に浄化剤を流すための空隙を形成する方法では、筒状体の周辺しか空隙を形成することができない。したがって、注水井から汚染土壌を通って揚水井へまでの水みちを形成するためには、注入井または揚水井の周辺の複数個所をボーリングして形成された穴に筒状体を挿入して汚染土壌に高圧ガスを注入しなければならない。このため、広範囲に渡って汚染土壌の浄化を行う場合には、ボーリング作業、及び高圧ガスの注入作業が極めて煩雑となる。
また、特許文献3のように、複数の注入井と揚水井とを格子状に配置することで、注入する水をある程度均一に行き渡らせることが可能であるが、複数の注入井と揚水井とを格子状に掘削する作業が極めて煩雑となる。
本発明は上記事実に鑑み、注入液が広がって行き渡り難い透水層であっても、土壌の浄化を効率よく行うことができる土壌の浄化方法を提供することが目的である。
請求項1に記載の土壌の浄化方法は、上下の難透水層の間にある透水層を加圧し前記透水層の内圧を上昇させて前記透水層の上側の前記難透水層を押し上げて盤ぶくれさせ、前記透水層と上側の前記難透水層との間に液通路を形成する第1工程と、前記液通路を形成した後に、前記透水層の一方側から注入液を注入して前記透水層の他方側から前記注入液を揚水して前記透水層の浄化を行う第2工程と、を有する。
請求項1に記載の土壌の浄化方法では、透水層を加圧し、その上の難透水層を押し上げることにより、上の難透水層に盤ぶくれを強制的に発生させ、透水層とその上の難透水層との境界部に、注入液が通る液通路を形成することができる。
この状態で、透水層に浄化液を注入すると、透水層とその上の難透水層との境界部に注入液が流れ、注入液が面的に広がりやすい状態となる。そして、広がった注入液が透水層に浸透することにより、短時間で効率の良い汚染物質の浄化が可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の土壌の浄化方法において、浄化すべき前記透水層の周囲を取り囲む遮水壁を設置する遮水壁設置工程を前記第1工程の前に有する。
第1工程の前に、透水層の周囲を遮水壁で取り囲むことで、透水層を効率良く加圧することができる。これにより、上側の難透水層に対して、効率的に盤ぶくれを生じさせることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の土壌の浄化方法において、前記第2工程において、前記透水層に注入液を注入する前に、前記液通路の内部に、前記注入液が通過可能なように粗粒材を充填する。
上側の難透水層に盤ぶくれを生じさせると、透水層と上側の難透水層との間に液をと通す液通路、言い換えれば隙間が形成される。
液通路の内部に、注入液が通過可能なように粗粒材を充填することで、粗粒材が上側の地盤の荷重を支持して液通路が潰れることが抑制される。このため、透水層への加圧を停止した後においても、液通路の形状を維持し、注入液を通過させることができる。
本発明の土壌の浄化方法によれば、土壌の浄化を効率よく行うことができる。
本発明の実施形態に係る汚染物質分解浄化システムを示す正面断面図である。 本発明の実施形態に係る汚染物質分解浄化システムを示す平面断面図である 加圧工程を行っている汚染物質分解浄化システムを示す正面断面図である。 フラッシング工程を行っている汚染物質分解浄化システムを示す正面断面図である。 汚染物質分解工程を行っている汚染物質分解浄化システムを示す正面断面図である。 他の実施形態に係る汚染物質分解浄化システムを示す平面断面図である 他の実施形態に係る汚染物質分解浄化システムの要部を示す正面断面図である。
[第1の実施形態]
図1乃至図4にしたがって、本発明の第1の実施形態に係る地下土壌浄化方法について説明する。
図1の正面断面図には、本実施形態の地下土壌浄化方法を行うための汚染物質分解浄化システム10が示されている。本実施形態の地下土壌浄化方法では、最初に遮水壁22を設置する遮水壁設置工程を行い、次に地盤14内で盤ぶくれを生じさせる加圧工程を行い、次にフラッシング工程を行い、最後に汚染物質分解工程を行う。ここで、本実施形態の加圧工程が本発明の第1工程に相当し、本実施形態のフラッシング工程、及び汚染物質分解工程が本発明の第2工程に相当する。
図1に示すように、汚染物質分解浄化システム10が浄化対象とする地盤14は、透水層16と、透水層16よりも透水性の低い難透水層20とが交互に重なった互層地盤である。
本実施形態で一例として上げる地盤14は、地表に最も近い難透水層20(以後、適宜難透水層20Aと呼ぶ)の下方に隣接する透水層16(以後、適宜透水層16Aと呼ぶ)に、汚染物質が含まれる汚染土壌18(網点部分)が存在しているものである。なお、汚染物質としては、一例として、有機化合物(例えば塗料、印刷インキ、接着剤、洗浄剤、ガソリン、シンナーなどに含まれるトルエン、キシレンや、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、クロロエチレン(すなわち塩化ビニルモノマー)などの揮発性有機化合物、又はベンゼン等)、重金属化合物、無機化合物、油類等が挙げられる。
汚染物質分解浄化システム10は、遮水壁22、注入井戸24、揚水井戸26、加圧ポンプ27、揚水ポンプ28、水処理装置30、及び調整槽32を有して構成されている。
図1、及び図2に示すように、遮水壁22は、汚染土壌18を取り囲むようにして地盤14中に設けられている。図2に示すように、本実施形態の遮水壁22は、平面視で矩形状であるが、矩形以外の形状であってもよい。
図1に示すように、遮水壁22の下端部は、汚染物質分解浄化対象とされる透水層16Aの下方に隣接する難透水層20Aに根入れされている。これにより、汚染土壌18は、遮水壁22と上下の難透水層20とで囲まれ閉鎖されている。
図1、及び図2に示すように、注入井戸24と揚水井戸26とは、遮水壁22で囲まれた地盤14中に、汚染土壌18が間に配置されるように間隔をあけて設けられている。本実施形態では、遮水壁22で囲まれた地盤14の水平方向の一方側(図面の矢印L方向側)に注入井戸24が一対配置され、該地盤14の水平方向の他方側(図面の矢印R方向側)に揚水井戸26が一対設けられている。
揚水井戸26、揚水ポンプ28、水処理装置30、調整槽32、加圧ポンプ27、及び注入井戸24は、送水管34A、34B、34C、34D、34Eを介してこの順に繋げられている。
調整槽32では、水処理装置30において水処理された処理水に界面活性剤を混合して洗浄液38を生成することができる。また、調整槽32は、調整槽32内に設けられたヒーター等によって常温の地下水温度よりも高温に加温した後に、この加温された洗浄液38を注入井戸24へ送り出すことができる。洗浄液38の加温は、常温の地下水温度よりも高い温度にすればよく、一例として、洗浄液38の温度を20〜80℃にするのが好ましく、25〜60℃にするのがより好ましい。
なお、洗浄液38は、汚染土壌18(地下土壌)の土粒子に固着している汚染土壌18(地下土壌)中の汚染物質を、汚染土壌18(地下土壌)から脱離できるものであればよい。処理水に混合されて洗浄液38を生成する界面活性剤としては、陰イオン(すなわちアニオン)界面活性剤や、HLB値7〜18の非イオン界面活性剤等を使用できる。
このうち、陰イオン界面活性剤としては、脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテル硫酸塩、モノグリセライド硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アシル化イセチオン酸塩、アシル化アミノ酸、アルキルリン酸塩又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩等を用いることができる。
また、非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル又はアルキルグリコシド等を用いることができる。
さらに、洗浄液38を生成するためには、界面活性剤に代えて、発泡性薬剤、混和剤又は乳化剤等を処理水に混合してもよい。
このうち、発泡性薬剤としては、水に溶解すると過酸化水素に解離し酸素を発生させる過酸化水素発生剤(例えば過炭酸塩、過硫酸塩、過硼酸塩、過酢酸塩、硫酸アルカリ金属塩過酸化水素付加物、硫酸アルカリ土類金属塩過酸化水素付加物、尿素過酸化水素付加物、メラニン過酸化水素付加物、アミノ酸過酸化水素付加物、過酸化アルカリ金属又は過酸化アルカリ土類金属等)や過酸化水素等を用いることができる。
また、混和剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール又はアセトン等を用いることができる。
また、乳化剤としてはステアロイル乳酸ナトリウム又はショ糖脂肪酸エステル等を用いることができる。
なお、処理水にこれらの界面活性剤、発泡性薬剤、混和剤又は乳化剤等を混合することは必須ではなく、洗浄液38は、処理水を常温の地下水温度より高温に加温した温水としてもよい。洗浄液38は、常温の地下水温度よりも高い温度に加温されることで、汚染土壌18(地下土壌)の土粒子に固着している汚染土壌18(地下土壌)中の汚染物質を、汚染土壌18(地下土壌)から脱離することができる。
水処理装置30では、揚水ポンプ28により揚水井戸26から揚水されて送り込まれた、汚染物質が溶解した洗浄液38を含む地下水から汚染物質を除去して水処理を行う。
なお、フラッシング工程では、調整槽32で生成され常温の地下水温度より高温に加温された洗浄液38を注入井戸24へ注入し、汚染土壌18(地下土壌)の土粒子に固着している汚染物質を、汚染土壌18(地下土壌)から脱離させる。
そして、汚染土壌18(地下土壌)から脱離された汚染物質が溶解した洗浄液38を含む地下水を、揚水井戸26から揚水する。
汚染土壌18は、フラッシング工程により土壌の浄化が進められた状態にはなるが、汚染土壌18(地下土壌)中には、まだ汚染物質が含まれている。そのため、フラッシング工程の後に、汚染物質分解工程を行う。
汚染物質分解工程では、調整槽32において、水処理装置30において水処理された処理水に活性剤を混合して活性液42を生成する。活性液42は、調整槽32内に設けられたヒーター等によって常温の地下水温度よりも高温に加温することができる。水処理装置30では、揚水ポンプ28により揚水井戸26から揚水されて送り込まれた地下水から汚染物質を除去して水処理を行う。
活性液42は、汚染土壌18(地下土壌)中に存在して汚染物質を分解する分解微生物の分解活動を活性化するものであればよい。例えば、処理水に混合されて活性液42を生成する活性剤として、水素徐放剤、有機物、PH調整剤、微量栄養素又は微量元素等を用いることができる。
このうち、有機物としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸若しくはクエン酸又はそれらのナトリウム塩、カリウム塩若しくはカルシウム塩、グルコース、フルクトース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ペプトン、トリプトン、酵母エキス、フミン酸又は植物油等を用いることができる。
また、PH調整剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等のナトリウム、カリウムの炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム又はリン酸三ナトリウム等を用いることができる。
また、微量栄養素としては、ビタミンB12、ビタミンB1、パントテン酸、ビオチン、葉酸等を用いることができる。
さらに、微量元素としては、Co、Zn、Fe、Mg、Ni、Mo、B等を用いることができる。
なお、活性液42は、活性剤として上記の有機物及び微量栄養素をそれぞれ少なくとも一種類含む配合を基本とするが、さらに他の公知の浄化剤を添加してもよい。この際の浄化剤の培養液中TOC濃度としては、50mg/L〜5000mg/Lが好ましく、100mg/L〜300mg/Lがさらに好ましい。但し、TOC濃度をこれらの値とすることは必須ではない。
また、活性液42の加温は、常温の地下水よりも高い温度にすればよく、活性液42の温度を20〜60℃にするのが好ましく、20〜35℃にするのがより好ましい。
汚染物質分解工程では、調整槽32で生成され常温の地下水温度より高温に加温された活性液42を注入井戸24へ注入し活性液42を地下土壌48中へ送出して、汚染土壌18(地下土壌)に存在する分解微生物を活性液42によって活性化する。そして活性液42により活性化された分解微生物によって、汚染土壌18(地下土壌)から脱離した汚染物質を分解する。
(作用、効果)
次に、本実施形態に係る地下土壌浄化方法の工程、及び作用、効果について説明する。
本実施形態に係る地下土壌浄化方法では、遮水壁設置工程で遮水壁22を設置した後、加圧工程を行う。
(加圧工程)
加圧工程では、調整槽32に、一例として水Wを入れ、調整槽32の水Wを加圧ポンプ27で加圧して注入井戸24に注入する。なお、水Wを注入する前に、予め揚水井戸26の開口部は閉塞しておく。
調整槽32の水Wを加圧ポンプ27で加圧して注入井戸24に注入すると、透水層16Aが水Wで満たされると共に汚染土壌18の含まれた透水層16Aの圧力が高まり、図3に示すように、加圧注入された水Wがその上の難透水層20Aを押し上げて盤ぶくれを生じさせ、該透水層16Aと難透水層20Aとの間に液通路(隙間)Sを形成する。
なお、透水層16Aの周囲は遮水壁22で取り囲まれているので、少ない箇所からの水Wの注入においても、遮水壁22で囲まれた透水層16A全体に加圧注入された水Wの圧力が加わるため、遮水壁22の内側の透水層16Aと、上側の難透水層20Aとの間の全体に渡って流体が通過可能な液通路Sを形成することができる。
(フラッシング工程)
次のフラッシング工程では、揚水井戸26を開放し、図4に示すように調整槽32に洗浄液38を入れ、加圧ポンプ27を駆動して注入井戸24へ洗浄液38を注入すると共に、揚水ポンプ28を駆動して揚水井戸26で揚水を行う。
これにより、洗浄液38は、透水層16Aと上側の難透水層20Aとの間の液通路Sを通過して液通路S全体に洗浄液38が行き渡り、液通路Sに注入された洗浄液38は、下方へ向けて浸透すると共に、揚水井戸26に向けて流れる。即ち、加圧工程において、予め透水層16Aと上側の難透水層20Aとの間に液通路Sを形成しているので、フラッシング工程においては、液通路Sを介して洗浄液38を透水層16Aの上面全体に迅速に行き渡らせ、その液通路Sの下方の透水層16Aに対して洗浄液38を迅速に浸透させ、浸透した洗浄液38を揚水井戸26に向けて流すことができる。
このようにして洗浄液38を透水層16Aに流すことにより、洗浄液38が汚染土壌18中に流れ、汚染土壌18(地下土壌)の土粒子に固着している汚染物質を汚染土壌18(地下土壌)から脱離させることができる。
そして、汚染土壌18(地下土壌)から脱離された汚染物質が溶解した洗浄液38を含む地下水を揚水井戸26から揚水することにより、脱離した汚染物質を汚染土壌18(地下土壌)から排出して汚染土壌18(地下土壌)を浄化することができる。
なお、洗浄液38を常温の地下水温度より高温に加温することにより、洗浄液38への汚染物質の溶解度を上げ、汚染土壌18(地下土壌)からの汚染物質の脱離を促進することができる。
これらにより、汚染土壌18(地下土壌)の浄化効率を向上させることができる。
さらに、本実施形態の汚染物質分解浄化システム10によるフラッシング工程では、洗浄液38を加温することにより、洗浄液38の粘性を低下させることができ、これによって、洗浄液38を汚染領域(すなわち汚染土壌18)の広い範囲に到達し易くすることができる。
(汚染物質分解工程)
フラッシング工程が終了した後に汚染物質分解工程を行う。
汚染物質分解工程では、図5に示すように、調整槽32に活性液42を入れ、調整槽32の活性液42を加圧ポンプ27で加圧して注入井戸24に注入すると共に、揚水ポンプ28を駆動して揚水井戸26で揚水を行う。
汚染物質分解工程では、フラッシング工程によって汚染土壌18(地下土壌)から脱離した汚染物質が、活性液42により活性化された分解微生物によって分解されることにより、汚染土壌18(地下土壌)を浄化することができる。
この汚染物質分解工程においても、透水層16Aと上側の難透水層20Aとの間の液通路Sを通過して液通路S全体に活性液42が行き渡り、液通路Sに注入された活性液42は、下方へ向けて浸透すると共に、揚水井戸26に向けて流れるため、その液通路Sの下方の透水層16Aに対して活性液42を迅速に浸透させ、浸透した活性液42を揚水井戸26に向けて流すことができる。
なお、常温の地下水温度より高温に加温された活性液42を注入井戸24へ注入することにより、常温の地下水温度以下の温度の活性液42を注入井戸24へ注入する場合と比べて分解微生物がより活性化され、汚染物質の分解を促進することができる。これらにより、汚染土壌18(地下土壌)の浄化効率を向上させることができる。
また、本実施形態の汚染物質分解工程では、活性液42を加温することにより、活性液42の粘性を低下させることができ、これによって、活性液42を汚染領域(すなわち汚染土壌18)の広い範囲に到達し易くすることができる。
本実施形態の地下土壌浄化方法では、フラッシング工程を行った後に、汚染物質分解工程を行うことにより、汚染物質分解工程による汚染土壌18(地下土壌)の浄化効率を向上させることができ、汚染土壌18(地下土壌)の浄化期間を短くすることができる。
また、フラッシング工程を行って汚染物質濃度を下げた後に汚染物質分解工程を行うことにより、汚染物質の毒性による分解微生物の作用阻害が起こりにくくなる。したがって、従来のバイオ浄化方法では土壌浄化が困難であった、高濃度の汚染土壌の浄化を行うことができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る地下土壌浄化方法を説明する。
本実施形態の汚染物質分解浄化方法では、加圧工程の後であって、フラッシング工程の前に、粗粒材充填工程を有している。
粗粒材充填工程では、図7に示すように、透水層16Aと上側の難透水層20Aとの間の液通路Sに、注入井戸24を介して粗粒材50を充填する。粗粒材としては、液通路Sに水Wを透過させる必要があるため、粒状の材料、例えば、砂、細かな砂利等が用いられる。
このように、液通路Sに粗粒材50を充填することで、液通路Sの上側からの圧力により、液通路Sが潰れて消滅することが抑制される。このため、加圧を停止した後においても、加圧工程で形成した液通路Sの形状を確実に維持することができ、透水層16Aに対して、フラッシング工程においては洗浄液38を、汚染物質分解工程においては活性液42を確実に流すことができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る地下土壌浄化方法を行う汚染物質分解浄化システム10を説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態の汚染物質分解浄化システム10では、遮水壁22で囲まれた地盤14の中央に注入井戸24が設けられ、地盤14の四隅に揚水井戸26が設けられており、注入井戸24に注入した洗浄液38、及び活性液42を、透水層16Aで放射状に拡散させた後、四隅の揚水井戸26から揚水することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
上記実施形態では、加圧工程において、透水層16Aに水Wを加圧注入して盤ぶくれを生じさせたが、透水層16Aに水W以外の、例えば、空気等の気体を加圧注入して盤ぶくれを生じさせることもできる。
上記実施形態における、注入井戸24、及び揚水井戸26の設置個数、及び配置位置は一例であり、本発明はこれに限らず、注入井戸24、及び揚水井戸26の設置個数、及び配置位置は、汚染土壌18の範囲等に応じて適宜変更可能である。
上記実施形態の汚染物質分解浄化システム10では、汚染土壌18を囲む遮水壁22を地盤14に設けたが、遮水壁22は必要に応じて設ければよく、場合によって遮水壁22は設けなくてもよい。
上記実施形態では、による汚染物質分解工程において、常温の地下水温度より高温に加温された活性液42を注入井戸24へ注入する例を示したが、調整槽32で、汚染土壌18(地下土壌)に含まれる汚染物質を分解する分解微生物を活性液42に混合するとともにこの活性液42を常温の地下水温度より高温に加温して、注入井戸24へ注入するようにしてもよい。すなわち、汚染土壌18(地下土壌)に含まれる汚染物質を分解する分解微生物を活性液42と共に注入井戸24へ注入してもよい。
このようにすれば、フラッシング工程によって汚染土壌18(地下土壌)から脱離した汚染物質が、活性液42に混合され活性液42により活性化された分解微生物によって分解されることにより、汚染土壌18(地下土壌)を浄化することができる。
また、注入井戸24から活性液42とともに分解微生物を注入することにより、汚染土壌18(地下土壌)中の分解微生物の数を増やして汚染物質の分解を促進することができる。例えば、フラッシング工程において、加温された洗浄液38の熱によって減少した汚染土壌18(地下土壌)中の分解微生物を補うことができる。
上記実施形態では、汚染物質分解浄化システム10による汚染物質分解工程において、常温の地下水温度より高温に加温された活性液42を注入井戸24へ注入する例を示したが、調整槽32において、水処理装置30で水処理された処理水に浄化剤を混合して浄化液を生成するとともに、この浄化液を調整槽32内に設けられたヒーター等によって常温の地下水温度よりも高温に加温した後に、この加温された浄化液を注入井戸24へ送り出すようにしてもよい。
すなわち、常温の地下水温度より高温に加温され、汚染土壌18(地下土壌)に含まれる汚染物質を分解する浄化液を注入井戸24へ注入してもよい。浄化液は、汚染土壌18(地下土壌)に含まれる汚染物質を分解できるものであればよく、処理水に混合されて浄化液を生成する浄化剤としては、過酸化水素水、鉄系スラリー等が挙げられる。
このようにすれば、フラッシング工程によって汚染土壌18(地下土壌)から脱離した汚染物質が、浄化液によって分解されることにより、汚染土壌18(地下土壌)を浄化することができる。
また、常温の地下水温度より高温に加温された浄化液を注入井戸24へ注入することにより、常温の地下水温度以下の温度の浄化液を注入井戸へ注入する場合と比べて浄化液中の浄化剤と汚染物質との反応速度を向上させ、汚染物質の分解を促進することができる。
さらに、本実施形態では、加圧工程の後に、フラッシング工程を行い、次に汚染物質分解工程を行う例を示したが、フラッシング工程のみによって、汚染土壌18(地下土壌)を浄化することができれば、汚染物質分解工程は行わなくてもよい。さらに、フラッシング工程と、汚染物質分解工程との浄化対象とする汚染物質は異なっていてもよい。
10 汚染物質分解浄化システム
16 透水層
20 難透水層
22 遮水壁
24 注入井戸
26 揚水井戸
38 洗浄液(注入液)
42 活性液(注入液)
S 液通路
50 粗粒材

Claims (3)

  1. 上下の難透水層の間にある透水層を加圧し前記透水層の内圧を上昇させて前記透水層の上側の前記難透水層を押し上げて盤ぶくれさせ、前記透水層と上側の前記難透水層との間に液通路を形成する第1工程と、
    前記液通路を形成した後に、前記透水層の一方側から注入液を注入して前記透水層の他方側から前記注入液を揚水して前記透水層の浄化を行う第2工程と、
    を有する、土壌の浄化方法。
  2. 浄化すべき前記透水層の周囲を取り囲む遮水壁を設置する遮水壁設置工程を前記第1工程の前に有する、請求項1に記載の土壌の浄化方法。
  3. 前記第2工程において、前記透水層に注入液を注入する前に、前記液通路の内部に、前記注入液が通過可能なように粗粒材を充填する、請求項1または請求項2に記載の土壌の浄化方法。
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