JP2020081712A - 歯列適合型歯ブラシの製造方法 - Google Patents

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【課題】磨き残しが少ない状態で多数本の歯を一度に磨くことのできる歯列適合型歯ブラシを容易に製造する。【解決手段】歯列適合型歯ブラシ10を、使用者の歯列20の三次元形状を取得する歯列形状取得工程と、内壁面αが使用者の歯列20の表面に倣った形状に形成された歯列挿入溝11aを有するブラシ台11を、歯列形状取得工程で取得された歯列20の三次元形状に基づいて成形するブラシ台成形工程と、ブラシ台成形工程で成形されたブラシ台11における歯列挿入溝11aの内壁面αに、長さが略等しい多数本の毛12を植え付ける植毛工程とを経ることによって製造する。【選択図】 図2

Description

本発明は、多数本の歯(歯列)を同時に磨くことができる歯列適合型歯ブラシを製造するための歯列適合型歯ブラシの製造方法に関する。
柄の先端部にブラシ(毛)が設けられた一般的な歯ブラシでは、全ての歯を磨き終えるのに時間を要する。また、丁寧に歯を磨いたつもりであっても、磨き残しが生じやすい。このような実状に鑑みてか、これまでには、マウスピース型歯ブラシ(例えば特許文献1〜5を参照)が提案されている。マウスピース型歯ブラシは、使用者の歯列を挿入するための歯列挿入溝が形成されたマウスピース状のブラシ台を有し、その歯列挿入溝の内面にブラシ(毛)を植え付けたものとなっている。マウスピース型歯ブラシでは、ブラシ台の歯列挿入溝に歯列を挿入することにより、一度に多数本の歯を磨くことが可能である。マウスピース型歯ブラシのなかには、加振装置により、ブラシ台を機械的に振動させることができるようにしたもの(例えば特許文献5の段落0050を参照)もある。
実開平02−088531号公報 特開2002−034658号公報 特開2003−180718号公報 特開2005−334104号公報 特表2016−537050号公報
しかし、歯列の三次元形状(歯並び)は、個人によって様々である。この点、従来提案されているマウスピース型歯ブラシはいずれも、特定の使用者のためにオーダーメイドされたものではなく、大量生産された汎用のものとなっていた。このため、マウスピース型歯ブラシを使用したとしても、使用者の歯並びや顎の大きさ等によっては、やはり磨き残しが生じてしまう。それどころか、場合によっては、歯列挿入溝に歯列を上手く入れること自体ができない虞もある。使用者の歯列に応じてマウスピース型歯ブラシをオーダーメイドすることができれば、上記のような問題を解決することができるものの、マウスピース型歯ブラシをオーダーメイドで提供することは必ずしも容易ではなかった。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、磨き残しが少ない状態で多数本の歯を一度に磨くことのできる歯列適合型歯ブラシ(上記のマウスピース型歯ブラシのように、歯列挿入溝に歯列を挿入して歯を磨くようにした歯ブラシのこと。以下同じ。)を容易に製造することを目的とするものである。
上記課題は、
使用者(歯列適合型歯ブラシの使用者。以下同じ。)の歯列の三次元形状を取得する歯列形状取得工程と、
内壁面が使用者の歯列の表面に倣った形状に形成された歯列挿入溝を有するブラシ台を、歯列形状取得工程で取得された歯列の三次元形状に基づいて成形するブラシ台成形工程と、
ブラシ台成形工程で成形されたブラシ台における歯列挿入溝の内壁面に、長さが略等しい多数本の毛を植え付ける植毛工程と
を経ることを特徴とする歯列適合型歯ブラシの製造方法
を提供することによって解決される。
このように、ブラシ台における歯列挿入溝の内壁面を、使用者の歯列の表面に倣った形状とし、その内壁面に長さが略等しい多数本の毛を植え付けて製造する歯列適合型歯ブラシを「第一実施態様の歯列適合型歯ブラシ」と呼ぶことがある。
第一実施態様の歯列適合型歯ブラシのように、使用者の歯列の三次元形状を取得することで、使用者の歯列の表面に倣った形状の内壁面を有する歯列挿入溝をブラシ台に容易に形成することができる。加えて、そのようにして形成された歯列挿入溝の内壁面に長さが略等しい多数本の毛を植え付けることにより、事後的に毛のカッティング等をしなくても、毛の先端の位置を、使用者の歯列の表面形状に応じたものとすることができる。例えば、歯の唇側面や舌側面の中央部付近を毛の先端はその箇所に丁度届く位置としながらも、歯と歯の隙間の奥まった箇所(歯の隣接面)を磨く毛の先端はその奥まった箇所に丁度届く位置とすることが可能になる。したがって、磨き残しが少ない状態で多数本の歯を一度に磨くことのできる歯列適合型歯ブラシを容易に製造(オーダーメイド)することが可能になる。
また、上記課題は、
使用者の歯列の三次元形状を取得する歯列形状取得工程と、
内側に歯列挿入溝を有し、外壁面が使用者の歯列の表面に倣った形状に形成されたブラシ台を、歯列形状取得工程で取得された歯列の三次元形状に基づいて成形するブラシ台成形工程と、
ブラシ台成形工程で成形されたブラシ台の外壁面側から歯列挿入溝に突出する状態で、長さが略等しい多数本の毛を植え付ける植毛工程と
を経ることを特徴とする歯列適合型歯ブラシの製造方法
を提供することによっても解決される。
このように、ブラシ台の外壁面を、使用者の歯列の表面に倣った形状とし、その外壁面側から歯列挿入溝に突出する状態で長さが略等しい多数本の毛を植え付けて製造する歯列適合型歯ブラシを「第二実施態様の歯列適合型歯ブラシ」と呼ぶことがある。
第二実施態様の歯列適合型歯ブラシのように、使用者の歯列の三次元形状を取得することで、使用者の歯列の表面に倣った形状の外壁面を有するブラシ台に容易に形成することができる。加えて、そのようにして形成されたブラシ台の外壁面側から歯列挿入溝に突出する状態で長さが略等しい多数本の毛を植え付けることにより、第一実施態様の歯列適合型歯ブラシと同様、事後的に毛のカッティング等をしなくても、毛の先端の位置を、使用者の歯列の表面形状に応じたものとすることができる。したがって、磨き残しが少ない状態で多数本の歯を一度に磨くことのできる歯列適合型歯ブラシを容易に製造(オーダーメイド)することが可能になる。
以上のように、本発明によって、磨き残しが少ない状態で多数本の歯を一度に磨くことのできる歯列適合型歯ブラシを容易に製造することが可能になる。
本発明の歯列適合型歯ブラシの製造方法のフローチャートである。 第一実施態様の歯列適合型歯ブラシにおける歯列挿入溝に歯列を挿入した状態を示した水平断面図である。 第一実施態様の歯列適合型歯ブラシにおける歯列挿入溝に歯列を挿入した状態を示した鉛直断面図である。 第二実施態様の歯列適合型歯ブラシにおける歯列挿入溝に歯列を挿入した状態を示した水平断面図である。 第二実施態様の歯列適合型歯ブラシにおける歯列挿入溝に歯列を挿入した状態を示した鉛直断面図である。
本発明の歯列適合型歯ブラシの製造方法について、図面を用いてより具体的に説明する。
1. 第一実施態様の歯列適合型歯ブラシ
まず、第一実施態様の歯列適合型歯ブラシの製造方法について説明する。図1は、本発明の歯列適合型歯ブラシ10の製造方法のフローチャートである。図2は、第一実施態様の歯列適合型歯ブラシ10における歯列挿入溝11aに歯列20を挿入した状態を示した水平断面図である。図3は、第一実施態様の歯列適合型歯ブラシ10における歯列挿入溝11aに歯列20を挿入した状態を示した鉛直断面図である。図2及び図3において、歯列20は破線で示している。
第一実施態様の歯列適合型歯ブラシの製造方法は、図1に示すように、歯列形状取得工程と、ブラシ台成形工程と、植毛工程とを経るものとなっている。
1.1 歯列形状取得工程
歯列形状取得工程は、使用者の歯列20の三次元形状を取得する工程である。使用者の歯列20の三次元形状を取得する方法としては、手作業で取得する方法と、電子データとして取得する方法とがある。使用者の歯列20の三次元形状を手作業により取得する方法としては、使用者の歯列20に印象材等を被せて、使用者の歯型模型を作製する方法等が例示される。一方、使用者の歯列20の三次元形状を電子データとして取得する方法としては、計測装置を用いて使用者の歯列20の三次元形状を取得する方法等が例示される。計測装置を用いて使用者の歯列20の三次元形状を取得する場合においては、使用者の歯列20を直接計測するようにしてもよいし、使用者の歯型模型を計測するようにしてもよい。
歯列20の三次元形状を電子データとして取得する手段(計測装置)としては、通常、三次元形状計測装置が用いられる。三次元形状計測装置としては、例えば、マイクロX線CT装置等のコンピュータ断層撮影装置や、口腔内カメラ等の表面撮影装置が例示される。しかし、コンピュータ断層撮影装置は、装置が大型で高価であることに加えて、マイクロX線CT装置等には、放射線被爆の危険性がある。これに対し、表面撮影装置は、コンピュータ断層撮影装置と比較して小型で安価であり、放射線被爆の危険性がないという利点を有している。
また、表層撮影装置等の三次元形状計測装置は、その計測原理によって、能動型のものと受動型のものとに大別される。能動型の三次元形状装置は、光や超音波等の計測媒体を計測対象(歯列20)に照射し、計測対象で反射して得られる計測媒体の情報から、計測対象の三次元形状を計測するものとなっている。一方、受動型の三次元形状計測装置は、計測媒体を装置から計測対象(歯列20)に照射することなく、計測対象から得られる情報から、計測対象の三次元形状を計測するものとなっている。
歯列形状取得工程では、上記の能動型の三次元形状計測装置と受動型の三次元形状計測装置とのいずれも使用することができる。ただし、能動型の三次元形状計測装置は、比較的複雑で大型であるものが多く、口腔内の歯列の計測には不便であることが多い。これに対し、受動型の三次元形状計測装置は、シンプルで小型のものが多く、口腔内の歯列の計測にも好適に用いることができる場合が多い。
受動型の三次元形状計測装置は、さらに、その計測原理として、レンズ焦点法を用いるものや、パッシブステレオ法を用いるもの等に分類される。例えば、レンズ焦点法は、レンズの焦点距離を変えながら得た複数の画像からピントが最も合っている画像(最適画像)を抽出し、最適画像を撮影したときの焦点距離から計測対象までの距離を求める方法である。レンズ焦点法は高分解能で計測が可能であるが、レンズの焦点距離を変化させることができるような特殊なカメラを必要とする。これに対して、パッシブステレオ法は2枚の画像から対応点を求め、三角測量の原理を用いて対応点までの距離を求める方法である。パッシブステレオ法は、2枚の画像さえあれば、三次元形状を計測できるという利点がある。
以上のことを考慮すると、歯列形状取得工程において、歯列20の三次元形状を電子データとして取得する手段(三次元形状計測装置)としては、パッシブステレオ法による口腔内カメラを用いることが好ましい。三次元形状計測装置で計測された歯列20の三次元形状の電子データは、コンピュータ(パソコン等)に保存される。歯列形状取得工程を終えると、続いて、ブラシ台成形工程が行われる。
1.2 ブラシ台成形工程
ブラシ台成形工程は、図2及び図3に示すように、内壁面αが使用者の歯列20の表面に倣った形状に形成された歯列挿入溝11aを有するブラシ台11を成形する工程である。このブラシ台成形工程において、歯列挿入溝11aの内壁面αは、歯列形状取得工程で取得された歯列20の三次元形状に基づいて成形される。
上記の歯列形状取得工程を終えた段階では、使用者の歯列20の三次元形状(歯の表面の三次元座標の集合)が取得できた状態にある。この点、ブラシ台成形工程は、例えば、歯列形状取得工程で取得した歯列20の表面形状を拡大した相似面が、歯列挿入溝11aの内壁面αとなるようにコンピュータ上で処理を行うことによって、その成形データを生成することができる。また、使用者の歯列30の三次元形状を手作業により取得した場合(歯型模型(石膏模型等)を手作業により作製した場合)における歯列挿入溝11aの内壁面αの特定は、歯型模型を上記の三次元形状計測装置等で計測して得た歯列20の表面形状をコンピュータ上で拡大する処理を行う方法や、その歯型模型の表面にワックス等の上塗り材を略均一な厚さで塗る方法等によって行うことができる。歯列20の表面と歯列挿入溝11aの内壁面αとの隙間の幅は、場所によらず略一定となるように調整される。この隙間の幅は、通常、0.5〜5mmの範囲とされ、好ましくは、1〜3mmとされる。
コンピュータや手作業によって、成形すべき歯列挿入溝11aの内壁面αの三次元形状が特定されると、各種の成形装置や加工装置等によって、所望の形状のブラシ台11を成形する。ブラシ台11の成形装置としては、三次元プリンタ等が例示される。また、ブラシ台11の加工装置としては、NC研削装置等が例示される。
ブラシ台11は、口腔内に入れることができ、使用者の歯列を挿入する歯列挿入溝11aを有するものであれば、その具体的な形態を限定されない。第一実施態様の歯列適合型歯ブラシにおいて、ブラシ台11は、マウスピース状(口腔内に入れることができ、歯で咥えることができる形状。通常、歯列20に応じた「U」字状を為す。)としている。この場合、ブラシ台11は、上顎側の歯列で咥える上顎用のものと、下顎側の歯列で咥える下顎用のものとを別体とすることもできるし、上顎用のものと下顎用のものとを一体とすることもできる。また、ブラシ台11は、歯列20の前面側(唇側)を覆う部分と背面側(舌側)を覆う部分とを別体とすることもできるし、唇側を覆う部分と舌側を覆う部分とを一体とすることもできる。第一実施態様の歯列適合型歯ブラシ10においては、図3に示すように、上顎用のブラシ台11と下顎用のブラシ台11とを一体で形成するとともに、唇側を覆う部分と舌側を覆う部分も一体で形成している。上顎の歯列20を挿入する歯列挿入溝11aは、ブラシ台11の上面側に歯列挿入口を有し、下顎の歯列20を挿入する歯列挿入溝11aは、ブラシ台11の下面側に歯列挿入口を有している。
1.3 植毛工程
植毛工程は、ブラシ台成形工程で成形されたブラシ台11における歯列挿入溝11aの内壁面αに、図2及び図3に示すように、長さが略等しい多数本の毛12を植え付ける工程である。
既に述べたように、第一実施態様の歯列適合型歯ブラシ10では、そのブラシ台11における歯列挿入溝11aの内壁面αが、歯列20の表面に倣った形状となっている。このため、歯列挿入溝11aの内壁面αに、長さが等しい毛12を植え付けていくだけで、事後的に毛12のカッティング等をしなくても、毛12の先端の位置を、使用者の歯列20の表面形状に応じたものとすることができる。
毛12は、歯列挿入溝11aの内壁面αの特定の領域にのみ植え付けてもよいが、歯列挿入溝11aの内壁面αの略全体に植え付けることが好ましい。これにより、歯列適合型歯ブラシ10を、多数本の歯を一度に磨くことができるだけでなく、磨き残しのないものとすることができる。毛12の植え付け密度は、歯列挿入溝11aの内壁面αの場所によらず一定としてもよいが、磨き残しが生じやすい部分(歯と歯の隙間等)を磨く毛12を植え付ける箇所の植え付け密度を多くすることもできる。磨き残しが生じやすい部分は、歯列挿入溝11aの内壁面αでは凸部として表れる。
毛12の植え付けは、従来の歯ブラシで用いられている各種方法を採用することができる。毛12は、1本ずつ植え付けてもよいし、複数本の束ごと植え付けてもよい。複数本の毛12の束を植え付けていく場合には、歯列挿入溝11aの内壁面αに多数の凹部を予め設けておき、それぞれの凹部に、毛12の束の付根部(結束部)を押し込むようにすることもできる。この場合、上記の凹部には、留め具(凹部の内側で広がって毛12の束の付根部が凹部から抜けないようにするための留め具)を毛12の束とともに押し込むようにするとよい。ブラシ台成形工程を終えると、歯列適合型歯ブラシ10の製造を完了する。
毛12は、その全てを歯列20の表面に略垂直となるように植え付けてもよいが、図3に示すように、歯頚部(歯と歯茎の境界部分)を磨く部分の毛12は、歯列20の表面に垂直な方向よりも傾斜させた状態で植え付けてもよい。これにより、歯頚部をより効果的に磨くことが可能になる。この場合、歯頚部を磨く部分の毛12の傾斜角度(歯列20の表面に垂直な方向からの傾斜角度)は、特に限定されないが、通常、10〜70°、好ましくは、30〜60°とされる。歯頚部を磨く部分の毛12は、傾斜させる分、他の部分を磨く毛12よりも長くする必要が生じる。このため、歯頚部を磨く部分の毛12は、他の部分を磨く毛12とは別の方法で植え付けるようにすることもできる。また、歯頚部を磨く部分の毛12を予め長くしておき、植え付けた後にその部分の毛12をカットすることもできる。歯頚部を磨く部分の毛12は、歯列挿入溝11aにおける比較的浅い部分に植え付けられるため、後からカットすることも比較的容易である。
1.4 その他
歯列適合型歯ブラシ10は、人手により動かすものとしてもよいが、加振装置により機械的に振動させるようにすることが好ましい。これにより、歯磨きに要する労力を軽減することが可能になる。加振装置としては、例えば、電動モーターを利用するもの等が挙げられる。加振装置の振動出力部(振動軸等)は、歯列適合型歯ブラシ10のブラシ台11に接続される。ブラシ台11におけるどの箇所に加振装置の振動出力部を接続するかは特に限定されないが、通常、ブラシ台11における左右方向中央部とされる。
2. 第二実施態様の歯列適合型歯ブラシ
続いて、第二実施態様の歯列適合型歯ブラシの製造方法について説明する。図4は、第二実施態様の歯列適合型歯ブラシ10における歯列挿入溝11aに歯列20を挿入した状態を示した水平断面図である。図5は、第二実施態様の歯列適合型歯ブラシ10における歯列挿入溝11aに歯列20を挿入した状態を示した鉛直断面図である。図4及び図5において、歯列20は破線で示している。
既に述べた第一実施態様の歯列適合型歯ブラシ10は、歯列形状取得工程と、ブラシ台成形工程と、植毛工程とを経て製造されるものとなっていたところ、歯列形状取得工程と、ブラシ台成形工程と、植毛工程とを経て製造することについては、第二実施態様の歯列適合型歯ブラシ10においても同様である。
以下においては、主に、第二実施態様の歯列適合型歯ブラシ10における、第一実施態様の歯列適合型歯ブラシ10と異なる部分について説明し、第一実施態様の歯列適合型歯ブラシ10と共通する部分の説明を割愛する。第二実施態様の歯列適合型歯ブラシ10で特に言及しない構成については、第一実施態様の歯列適合型歯ブラシ10と同様の構成を採用することができる。
第一実施態様の歯列適合型歯ブラシ10では、ブラシ台成形工程において、図2及び図3に示すように、ブラシ台11における歯列挿入溝11aの内壁面αを使用者の歯列20に倣った形状に形成した。これに対し、第二実施態様の歯列適合型歯ブラシ10では、ブラシ台成形工程において、図4及び図5に示すように、ブラシ台11における外壁面βを使用者の歯列20に倣った形状に形成している。
このような形態を有するブラシ台11の三次元形状は、コンピュータと手作業のいずれでも取得することができる。例えば、歯列形状取得工程で取得した歯列20の表面形状を拡大した相似面が、歯列挿入溝11aの外壁面βとなるようにコンピュータ上で処理を行うことによって、その成形データを取得することができる。一方、使用者の歯列30の三次元形状を手作業により取得した場合(歯型模型(石膏模型等)を手作業により作製した場合)における歯列挿入溝11aの外壁面βの特定は、歯型模型を上記の三次元形状計測装置等で計測して得た歯列20の表面形状をコンピュータ上で拡大する処理を行う方法や、その歯型模型の表面にワックス等の上塗り材を略均一な厚さで塗る方法等によって行うことができる
また、第一実施態様の歯列適合型歯ブラシ10では、植毛工程において、図2及び図3に示すように、長さが略等しい多数本の毛12を、ブラシ台11における歯列挿入溝11aの内壁面αに植え付けた。これに対し、第二実施態様の歯列適合型歯ブラシ10では、植毛工程において、長さが略等しい多数本の毛12を、ブラシ台11における外壁面β側から歯列挿入溝11aに突出する状態で植え付けている。ブラシ台11には、毛12を挿通するための多数の毛挿通孔11bを設けている。
第一実施態様の歯列適合型歯ブラシ10のように、使用者の歯列20に倣った形状を有する内壁面αを基準として毛12を植え付けるのではなく、第二実施態様の歯列適合型歯ブラシ10のように、使用者の歯列20に倣った形状を有する外壁面βを基準として毛12を植え付けても、毛12の先端の位置を、使用者の歯列20の表面形状に応じたものとすることができる。
第二実施態様の歯列適合型歯ブラシ10において、ブラシ台11における歯列挿入溝11aは、使用者の歯列20を挿入できるのであればその形態を特に限定されず、歯列挿入溝11aの内壁面αは、使用者の歯列20に倣った形状とする必要は特にない。しかし、歯列適合型歯ブラシ10の使用感を良好にするためには、歯列挿入溝11aの内壁面αも、使用者の歯列20に倣った形状とすることが好ましい。
ところで、第一実施態様の歯列適合型歯ブラシ10では、図3に示すように、上顎用のブラシ台11と下顎用のブラシ台11とを一体で形成した。しかし、ブラシ台11の外壁面の形状によって、毛12の歯列挿入溝11a内への突出長さを調整する第二実施態様の歯列適合型歯ブラシ10において、上顎用のブラシ台11と下顎用のブラシ台11とを一体で形成すると、上顎用のブラシ台11の下面と下顎用のブラシ台11の上面とが繋がった状態となるため、上顎の歯列20の下面(咬合面)を磨く箇所に設けた毛12(上向きの毛12)の歯列挿入溝11a内への突出長さや、下顎の歯列20の上面(咬合面)を磨く箇所に設けた毛12(下向きの毛12)の歯列挿入溝11a内への突出長さを調整することができなくなる。
この点、図5に示すように、上顎用のブラシ台11と下顎用のブラシ台11とを別体とすれば、第二実施態様の歯列適合型歯ブラシ10でも、全ての毛12の歯列挿入溝11a内への突出量を歯列20の表面形状に応じて調整することが可能になる。このように、上顎用のブラシ台11と下顎用のブラシ台11とを別体とするとともに、上記の「1.4 その他」で述べた加振装置を採用する場合には、上顎用のブラシ台11と下顎用のブラシ台11とを共通の加振装置(振動出力部)に接続するとよい。
10 歯列適合型歯ブラシ
11 ブラシ台
11a 歯列挿入溝
11b 毛挿通孔
12 毛
20 使用者の歯列
α 歯列挿入溝の内壁面
β ブラシ台の外壁面

Claims (2)

  1. 使用者の歯列の三次元形状を取得する歯列形状取得工程と、
    内壁面が使用者の歯列の表面に倣った形状に形成された歯列挿入溝を有するブラシ台を、歯列形状取得工程で取得された歯列の三次元形状に基づいて成形するブラシ台成形工程と、
    ブラシ台成形工程で成形されたブラシ台における歯列挿入溝の内壁面に、長さが略等しい多数本の毛を植え付ける植毛工程と
    を経ることを特徴とする歯列適合型歯ブラシの製造方法。
  2. 使用者の歯列の三次元形状を取得する歯列形状取得工程と、
    内側に歯列挿入溝を有し、外壁面が使用者の歯列の表面に倣った形状に形成されたブラシ台を、歯列形状取得工程で取得された歯列の三次元形状に基づいて成形するブラシ台成形工程と、
    ブラシ台成形工程で成形されたブラシ台の外壁面側から歯列挿入溝に突出する状態で、長さが略等しい多数本の毛を植え付ける植毛工程と
    を経ることを特徴とする歯列適合型歯ブラシの製造方法。
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