JP2020080738A - 田植方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】田植えの期間を短縮して作業者の負担を軽減することができる生産性に優れた田植方法を提供する。【解決手段】苗箱に籾種1を播いて発芽させる発芽工程と、発芽工程で発芽して芽4の長さL3が2〜6cmに伸びた状態の籾種1を田に投げ込んで植え付ける投げ込み植え工程と、を具備する。これにより、約3〜4日間の発芽工程のみで田への投げ込み植えを行うことができ、田植え期間を大幅に短縮することができる。苗種播きから田植えまでの1週間程度の作業を5月初めから6月末まで行うこととすれば、従来は1年に1回しかできなかった田植えを、1年に8回行うことができるようになる。よって、農地規模を拡大した大型農業も可能となり、中山間地における農地放棄の問題も解決される。そして、生産コスト低減により、米の販売価格を下げ、日本の米作りを立て直すことができる。【選択図】図3

Description

本発明は、田植方法に関する。
従来、一般的に行われている田植方法として、育苗箱に籾種を播いて発芽育成した水稲苗を、周知の乗用型田植機や歩行型田植機の苗載台に載せて、その田植機の苗植付機構で順次掻き取って水田に田植えする方法が知られている。
例えば、特許文献1には、自走車の後部に連結された苗植付装置を有する乗用型田植機が開示されている。同文献に開示された乗用型田植機では、苗植付装置を下降作業状態に下降させた状態で自走車を走行させることにより、苗植付装置によって5条植えの苗植作業を行なうことができる。
また例えば、特許文献2には、機体の後部に苗植付装置を備え、苗植付装置の後側に操縦ハンドルを備え、苗植付装置の前側に右及び左の車輪を備えた、歩行型田植機が開示されている。この種の歩行型田植機では、作業者は、苗植付装置の後側に立って操縦ハンドルを持ちながら歩いて機体を進行させる。そして、苗植付装置によって苗の植え付けが行われる。
また、従来、他の田植方法として、籾種を育苗箱等に播いて発芽育成することなく、発芽前の籾種を直接田面に播く直播方法が知られている。
例えば、特許文献3には、田面に溝を形成する作溝器と、溝に籾種を供給する播種装置と、籾種が供給された溝を埋め戻す覆土器と、を備えた水田直播機が開示されている。この種の水田直播機によれば、進行に伴って作溝器により田面に溝が形成されて、この溝に籾種が供給され、覆土器により溝が埋め戻されて籾種が田面に埋められる。
特開2018−117562号公報 特開2017−112879号公報 特開平11−127619号公報
しかしながら、上記した従来技術による田植方法では、好適な稲作を実現しつつ作業者の負担を軽減して作業効率を高めるために改善すべき点があった。
具体的には、苗を育成してから田植機を利用して田植えを行う従来技術の田植方法では、田植機による田植えが可能な長さまで苗を育成する必要があった。そのため、苗の育成期間が長く、育成期間を短縮することができなかった。即ち、従来、苗の長さが約15〜20cmになるまで苗育成を行う必要があり、これよりも短い苗を田植機の苗植付機構で掻き取って水田に植え込むことは難しい。
そのため、苗を育成してから田植機で田植えを行う田植方法では、苗の育成に約1箇月もの期間を要し、苗育成の作業が容易ではないという問題点があった。また、田植機による田植えが可能な長さまで育成された苗では、苗やその育成土が重たくなるため、育成苗を運搬する作業も容易ではなかった。苗の育成のために作業時間を要し、多くの作業員が必要であることから、農業人口が減少しつつある現状においては、広範囲の水田に対して田植えを行うことが難しくなっていた。
また、発芽前の籾種を直接田面に播く直播方法では、発芽条件を好適に調整することが難しく、発芽率が低かった。そのため、籾種播きを行っても発芽が認められず、籾種播き作業をやり直す必要が生ずることもあった。また、従来技術の直播方法では、籾種播き後に、雑草の生育が多く、そのための除草対策が難しい。また更に、直播方法では、カルガモ等の野鳥による被害をこうむることもあった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、田植えの期間を短縮して作業者の負担を軽減することができる生産性に優れた田植方法を提供することにある。
本発明の田植方法は、苗箱に籾種を播いて発芽させる発芽工程と、前記発芽工程で発芽して芽の長さが2〜6cmに伸びた状態の前記籾種を田に投げ込んで植え付ける投げ込み植え工程と、を具備することを特徴とする。
本発明の田植方法によれば、苗箱に播まかれて発芽した籾種を芽の長さが2〜6cmに伸びた状態で田に投げ込んで植え付ける投げ込み植え工程を具備する。これにより、田植えの期間を大幅に短縮して生産性を高めることができる。
具体的には、従来、田に苗を埋め込むまでに約1箇月の期間を要して約15〜20cmに育成していた苗の育成工程を省略して、約3〜4日間の発芽工程のみで田への投げ込み植えを行うことができる。よって、田植え期間を大幅に短縮することができる。
本発明によって田植え期間を短縮することにより、苗種播きから田植えまでの1週間程度の作業を5月初めから6月末まで行うこととすれば、従来は1年に1回しかできなかった田植えを、1年に8回行うことができるようになる。これにより、農地規模を拡大した大型農業も可能となり、中山間地における農地放棄の問題も解決される。そして、生産コストの低減により、米の販売価格を下げ、日本の米作りを立て直すことができる。
また、苗箱に播いて発芽した籾種を芽の長さが2〜6cmに伸びた状態で田への投げ込み植えが行われるので、発芽前の籾種を直接田面に播く従来技術の直播方法に比べて発芽率が高く、投げ込み植え後の苗の立ち上がりが良好で、育成率も高い。そのため、発芽不良や育成不良による田植え作業のやり直し等も必要ない。
また、芽の長さが2〜6cmに伸びた状態で籾種を田に投げ込んで植え付けるので、雑草の生育に対しても強く、除草対策が容易となる。また更に、野鳥等による被害をなくすこともできる。
また、本発明の田植方法によれば、投げ込み植え工程は、田に植代掻きが行われ田から排水された後に実行され、投げ込み植え工程が実行されてから3〜8日経過した後に田に入水する入水工程が実行されても良い。これにより、田に投げ込んで植え付けられた籾種の苗の育成状態を良好にすることができる。
また、本発明の田植方法によれば、苗箱の内部に籾種を播く工程において、苗箱に深さ5〜7mmとなるように下土が入れられ、下土の上に籾種が播かれた後、籾種に下土までの深さ3〜5mmとなるように上土が掛けられても良い。これにより、籾種を発芽させるための育成土を軽量化することができる。よって、投げ込み植え工程が実行される際に、発芽した植え込み用の籾種や育成土を田に輸送する作業を容易に行うことができ、籾種を田に投げ込む作業性を高めることができる。
本発明の実施形態に係る田植方法の概略工程を示すフロー図である。 本発明の実施形態に係る田植方法の発芽工程における苗箱付近の概略を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る田植方法の投げ込み植え工程おいて田に投げ込まれる籾種の概略を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る田植方法を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る田植方法の概略工程を示すフロー図である。図1に示すように、本実施形態に係る田植方法は、浸種工程S1、発芽工程S2、代掻き工程S3、排水工程S4、投げ込み植え工程S5及び入水工程S6を具備する。
浸種工程S1は、発芽した状態で田に投げ込まれる籾種1(図2参照)の発芽を促進するため、発芽前の籾種1を水に浸して水分を吸わせる工程である。
浸種工程S1では、苗箱10に播かれる籾種1が準備され、浸種を行うための容器に入れられる。その容器に水が供給されて籾種1が浸される。容器内で籾種1を浸す水の温度は、低くとも10℃以上に保たれ、籾種1を浸種する期間の平均水温は、約13℃、積算温度は、約100〜120℃日である。このように水の温度が調整され、約8〜9日間の浸種工程S1が行われる。
浸種工程S1において浸種される籾種1は、消毒種子であっても良いし、未消毒種子であっても良い。浸種される籾種1が消毒種子であるか未消毒種子であるかに係わらず上記の水温管理が行われる。
浸種される籾種1が未消毒である場合には、籾種1を消毒する工程が行われる。具体的には、開始時の浸種工程S1において、浸種を行う容器中に、例えば、イプコナゾール・銅水和剤(クミアイ化学工業株式会社テクリードC)の希釈倍数200倍の薬液が注入され、約24時間の浸種によって籾種1の消毒が行われる。なお、消毒の薬液としては、上記に限定されるものではなく、他の種類の薬液でも良い。
薬液による約24時間の消毒が行われた後、容器中の薬液が水に変えられて、浸種を行う容器に約3日間、浸種停滞水が入れておかれる。その後、酸素不足にならないように約2〜3日毎に水の交換が行われる。
浸種工程S1が実行されて籾種1が充分水に浸され鳩胸状態に芽出しされた後、田に植える籾種1を苗箱10の内部に播いて発芽させる発芽工程S2が行われる。
図2は、発芽工程S2において苗箱10に籾種1が播かれた状態を示す苗箱10付近の断面図である。
図1及び図2を参照して、発芽工程S2の籾種1を播く工程では、例えば、合成樹脂材等から形成された苗箱10の内部に、深さL1が約5〜7mmとなるように下土11が入れられる。
そして、苗箱10の下土11の上には、浸種工程S1で鳩胸状態に芽出しされた籾種1が播かれる。なお、この苗箱10内への籾種1の播き方は、手播きでも良いし、種播き機械を用いた方法でも良い。種播き機械によって籾種1が播かれる場合には、その種播き機械によって苗箱10に播かれる籾種1の量が調製されても良い。
次いで、籾種1が播かれた苗箱10の内部には、下土11までの深さL2が約3〜5mmとなるように、籾種1の上から上土12が掛けられる。
このように、苗箱10に深さL1が約5〜7mmとなるように下土11が入れられ、下土11に籾種1を播いた後、籾種1に下土11までの深さL2が約3〜5mmとなるように上土12を掛けることにより、籾種1を発芽させるための育成土を軽量化することができる。よって、投げ込み植え工程S5で投げ込み植えを行う際に、発芽した植え込み用の籾種1や育成土を田に輸送する作業を容易に行うことができ、籾種1を田に投げ込む作業性を高めることができる。
ここで、苗箱10の1枚当たりに播かれる籾種1の量は、苗箱10の大きさを、例えば、縦約280mm、横約580mm、深さ約28〜34mmとして、約100〜300g、好ましくは、約150〜250g、更に好ましくは、約180〜220gである。これにより、籾種1を好適な発芽状態に育成することができる。
また、田の面積10a当たりに用いられる苗箱10の数は、約10〜30枚、好ましくは、約15〜25枚、更に好ましくは、約18〜22枚である。最終的に田の面積10a当たりに使用される籾種1の重量は、約2〜6kg、好ましくは、約3〜5kgである。
田の面積10a当たりに使用される籾種1の重量が約2kgよりも少ないと、田における苗の育成数量が不足して収穫数が少なくなってしまう。これに対して、田の面積10a当たりに使用される籾種1の重量が約6kgよりも多いと、田において育成する苗が密集しすぎて育成不良が生じて収穫数が減少する。上述の好適な量の籾種1が使用されることにより、田における育成状態を好適にして生産数を高めることができる。
発芽工程S2において籾種1が播かれた苗箱10は、例えば、約25〜30段に重ねられて、室温約30℃の温室内に入れられる。これにより、苗箱10に播かれた籾種1が発芽する。
図3は、本実施形態に係る田植方法の投げ込み植え工程S5において田に投げ込まれる籾種1の概略を示す図である。
図1ないし図3を参照して、発芽工程S2において籾種1が播かれた苗箱10は、室温約30℃の温室内に約3〜4日間置かれる。これにより、苗箱10に播かれた籾種1は、発芽して種部分2から根3が延びて芽4が発生し、種部分2からの芽4が投げ込み植え工程S5における田への植え付けに好適な長さL3に伸びた状態となる。
具体的には、発芽工程S2において、芽4は、長さL3が約2〜6cmになるまで伸びる。発芽した籾種1の芽4の長さL3は、約2.5〜3cmが更に好ましい。このように発芽工程S2で籾種1の芽4が好適な長さL3に伸びた状態となることにより、投げ込み植え工程S5における作業が容易になると共に、投げ込み植え工程S5後の苗の育成が良好になる。
なお、苗箱10の深さは、温室への配置や輸送時の負担を軽くする観点から、約28〜34mmが望ましい。このように内部の深さが比較的浅い苗箱10を使用した場合、発芽して伸びた籾種1の芽4が苗箱10の天井に着くことがあるが問題ない。
発芽工程S2では、前述した苗箱10を温室に入れる方法に変えて、苗箱10を野外に置いて籾種1を発芽させても良い。野外に苗箱10を置いて籾種1を発芽させる方法では、太陽熱を利用して苗箱10内の温度を調整することができる。
具体的には、鳩胸状態に芽出しされた籾種1は、上述した温室における発芽工程S2と同様の方法で苗箱10に播かれ、その籾種1が播かれた苗箱10は、例えば、10段重ねられて野外に置かれる。
野外に重ねて置かれた苗箱10は、合成樹脂製のシート材で覆われ、苗箱10の内部は保温されると共に、シート材への日射によって加熱される。このように野外に置かれて太陽熱を利用する苗箱10は、内部の温度が変化し、それによって籾種1の発芽状態や芽4の育成状態が変化する。そのため、作業者は、籾種1の育成状態を確認する必要がある。
野外に苗箱10が置かれる方法においても、温室内に置かれる方法と同様に、籾種1の芽4が投げ込み植え工程S5における田への植え付けに好適な長さL3に伸びるまで育成される。即ち、前述のとおり、籾種1の芽4の長さL3は、約2〜6cm、好ましくは、約2.5〜3cmである。
代掻き工程S3では、籾種1が投げ込まれる田に対して、先ず、荒代掻き作業が行われる。荒代掻き作業は、田に入水して、例えば、縦横1回行われても良い。そして、荒代掻き作業の後、約4〜5日間、荒代掻き後の状態で放置されて田の土が寝かせられる。その後、1回目は少なめに2回目は多めに水を入れて縦横1回の中代掻きの作業が行われる。
次に、排水工程S4が実行される。排水工程S4は、代掻き工程S3が行われた直後に行われ、田の排水口が開けられ、田の水が排水される。
排水工程S4で排水して田面の土が見えるようになったら投げ込み植え工程S5が行われる。投げ込み植え工程S5では、発芽工程S2で発芽して芽4の長さL3が所定の値になっている籾種1が田に投げ込まれて植え付けられる。投げ込み植え工程S5では、田の排水口が開いた状態に維持されている。
投げ込み植え工程S5では、先ず、籾種1を苗箱10から取り出して別の大きな箱に入れ替える作業が行われる。投げ込み用の籾種1を入れる箱は、約2〜3枚の苗箱10内の籾種1を入れることが可能な大きさである。
籾種1の根3は、それぞれ絡んでいるので、籾種1を1本ずつについて丁寧にほぐす作業が必要である。作業者は、苗箱10の1枚ずつについて、籾種1を手でほぐして、投げ込み植え用の大きな箱に入れ替える。
そして、投げ込み植え用の箱を持って籾種1が運ばれ、箱に入れられた籾種1が田に投げ込まれる。籾種1の投げ込みは、作業者の手作業で行われる。即ち、作業者は、自分の手で籾種1を適量つかんで持ち上げ、田の目標に向かって投げ込む。田面の各位置において、投げ込まれる籾種1に多少の量的差異があっても問題ない。
作業者の手作業による投げ込み方法によって、半径約3mの範囲に効率良く籾種1を植え込むことができる。なお、籾種1が投げ込まれる位置は、作業の効率を踏まえて作業者が適宜設定し得る。例えば、後に田仕事を行うための歩道領域が残されても良い。
なお、排水工程S4の後にも水溜りが残っている場合があるが、その水溜りにも投げ込み植え工程S5によって籾種1の投げ込みが行われる。その後、約20日経過しても苗の根付けがない場合には、投げ込み植え工程S5と同様の籾種1が作業者の手作業によって植え込まれても良い。
投げ込み作業の際には、作業者は、従来技術の乗用型田植機のように乗用可能な機械を利用し、その機械に乗用しながら手動で籾種1を田に投げ込んでも良い。即ち、乗用型田植機の上に1〜2人の作業者が乗り、それぞれの目的地に向かって効率的に籾種1が投げ込まれる。また、発芽した籾種1を田に投げ込むことが可能な自動投げ込み機械が作成され利用されても良い。
上記の投げ込み植え工程S5において、移動手段として従来技術の乗用型田植機等を利用する場合には、その乗用型田植機を利用して、肥料、農薬を播く作業が籾種1の投げ込み作業と同時に行われても良い。
籾種1の投げ込み植え作業が完了した後、田に水を入れないように水管理が行われる。即ち、田の給水口は閉じた状態、田の排水口は開いた状態に維持される。これにより、降雨の際にも田から水が排水され、田に水が溜まることはない。また、田面が乾いて大小の地割れが発生することもあるが、投げ込み植え作業の後約3〜8日経過するまでは田に入水されることはなく、田の排水状態は維持される。
上述の如く、本実施形態に係る田植方法によれば、苗箱10に播いて発芽した籾種1を芽4の長さL3が約2〜6cmに伸びた状態で田に投げ込んで植え付ける投げ込み植え工程S5が行われる。これにより、田植えの期間を大幅に短縮して生産性を高めることができる。
具体的には、従来、田に苗を埋め込むまでに約1箇月の期間を要して約15〜20cmに育成していた苗の育成工程を省略して、約3〜4日間の発芽工程S2のみで田への投げ込み植えを行う投げ込み植え工程S5を開始することができる。よって、田植え期間を大幅に短縮することができる。
また、苗箱10に播いて発芽した籾種1を芽4の長さL3が約2〜6cmに伸びた状態で田への投げ込み植えが行われるので、発芽前の籾種を直接田面に播く従来技術の直播方法に比べて発芽率が高く、投げ込み植え後の苗の育成率も良い。そのため、発芽不良や育成不良による田植え作業のやり直し等も必要ない。
また、芽4の長さL3が約2〜6cmに伸びた状態で籾種1を田に投げ込んで植え付けるので、雑草の生育に対しても強く、除草対策が容易となる。また更に、野鳥等による被害をなくすこともできる。
次に、入水工程S6により、田の入水が行われる。具体的には、投げ込み植え工程S5において、投げ込み植え付けの作業から約3〜8日が経過すると、苗は大きく伸びて、傾いて投げ込まれていた苗も略垂直に立ち直る。苗の葉が生育し、苗の状態が、葉先が青くなった青葉の枚数が約2〜3枚である所謂三つ葉状態になったら、田に入水する入水工程S6が行われる。
入水工程S6における初回の入水は、苗の葉が水面から出ていて目視できる状態で入水が止められる。これにより、深水によって苗が腐ってしまうことを防止できる。
上述の如く、本実施形態に係る田植方法によれば、代掻き工程S3によって田に植代掻きが行われた後に、排水工程S4によって田から排水され、投げ込み植え工程S5によって投げ込み植えが行われ、投げ込み植えの後約3〜8日経過するまでは田に入水が行われない。これにより、田に投げ込んで植え付けられた籾種1の苗の育成状態を良好にすることができる。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下に挙げる実施例によって何ら限定されるものではない。以下の説明では、図1ないし図3を適宜参照するものとする。
本発明者らは、平成30年に栃木県佐野市内の広さ12aの田において本願発明の田植方法についての実証試験を行った。本発明の実施例として、その実証試験を説明する。
先ず、本発明者らは、平成30年6月11日に、品種コシヒカリの籾種1を水に浸して水分を吸わせる浸種工程S1を開始した。浸種工程S1において籾種1を浸種する平均水温を約13℃に調整し、6月19日まで籾種1を水に浸した状態にした。浸食積算温度は、約104℃日になる。なお、浸種工程S1では、既に説明した方法により、イプコナゾール・銅水和剤の希釈倍数200倍の薬液を使用して、籾種1を消毒する工程を行っている。
次に、6月19日に、苗箱10に籾種1を播く発芽工程S2を実行した。縦約280mm、横約580mm、深さ約30mmの合成樹脂製の21枚の苗箱10に、深さL1が約5〜7mmとなるように下土11を入れた。
そして、苗箱10内の下土11の上に、浸種工程S1の容器から取り出した籾種1を手巻きにより播いた。籾種1の量は、苗箱10の1枚当たり200gである。
次いで、籾種1が播かれた苗箱10の内部には、下土11までの深さL2が約3〜5mmとなるように、籾種1の上から上土12を播いた。
籾種1が播かれた苗箱10を10段程度に重ねて野外に置いて、合成樹脂製のシート材で覆って、籾種1を発芽させ、芽4の長さL3が約2.5〜3cmになるまで育成した。
代掻き工程S3については、他の田植え試験等を実施するため、5月初旬に荒代掻き及び中代掻き作業を行っていた。その後、田は、放置した状態であった。
6月25日、最終の代掻き工程S3を実行した後、田から排水する排水工程S4を行った。
そして、同日に投げ込み植え工程S5を実行した。発芽工程S2によって芽4の長さL3が約2.5〜3cmになった籾種1を苗箱10から取り出し、手で1本ずつ丁寧にほぐした後、投げ込み植え用の箱で輸送して、手でつかんで持ち上げて田に投げ込んだ。
4日後の6月29日に、田に入水する入水工程S6を行った。苗は大きく伸びて、葉が生育し、葉先が青くなった青葉の枚数が約2〜3枚になっていた。入水工程S6後の育成も良好であった。
投げ込み植え工程S5、入水工程Sの後、稲が成熟した10月22日に、稲刈りを行った。12aの田からの収穫量は、コシヒカリ560kgであった。このように、本実施例の田植方法では、十分な収穫量が得られた。
以上説明の如く、本実施形態の田植方法によれば、田植え作業の効率を向上させて作業時間を大幅に短縮するこができるので、農業作業者の減少に対応し、少人数の作業者であっても耕作面積を増やして生産量を増加させることができる。
詳しくは、従来は1年に1回しかできなかった田植えを、本実施形態の田植方法によれば、1年に8回行うことができるようになる。これにより、農地規模を拡大した大型農業も可能となり、中山間地における農地放棄の問題も解決される。そして、生産コストの低減により、米の販売米価を下げ、日本の米作りを立直らせることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
1 籾種
2 種部
3 根
4 芽
10 苗箱
11 下土
12 上土
S1 浸種工程
S2 発芽工程
S3 代掻き工程
S4 排水工程
S5 投げ込み植え工程
S6 入水工程

Claims (3)

  1. 苗箱に籾種を播いて発芽させる発芽工程と、
    前記発芽工程で発芽して芽の長さが2〜6cmに伸びた状態の前記籾種を田に投げ込んで植え付ける投げ込み植え工程と、を具備することを特徴とする田植方法。
  2. 前記投げ込み植え工程は、前記田に植代掻きが行われ前記田から排水された後に実行され、
    前記投げ込み植え工程が実行されてから3〜8日経過した後に前記田に入水する入水工程が実行されることを特徴とする請求項1に記載の田植方法。
  3. 前記苗箱の内部に前記籾種を播く工程において、前記苗箱に深さ5〜7mmとなるように下土が入れられ、前記下土に前記籾種が播かれた後、前記籾種に前記下土までの深さ3〜5mmとなるように上土が掛けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の田植方法。
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