JP2020080043A - エネルギー売買装置、プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、非特許文献1に記載された「電気のお預かりサービス(仮称)」は、太陽光発電設備がある施設(例えば家)に蓄電池等の設備が無くても、余った電気をお預かりしたとみなし、その後に実際に使用する際に充当することができるサービスである。
また、近年、非化石価値取引市場が創設された。この非化石価値取引市場は、非化石価値を顕在化し、取引を可能とすることで、小売電気事業者の非化石電源調達目標の達成を後押しするとともに、需要家にとっての選択肢を拡大しつつ、FIT制度による国民負担の軽減に資する、新たな市場である。
また、非化石価値取引市場が創設されたように、非化石価値の電気を使いたいという需要家にとっての選択肢を拡大することが望まれている。
本発明は、発電設備を所有するが電力をあまり使用しない者も利益を享受することができるとともに、非化石価値の電力を使いたいという需要家の選択肢を拡大するシステムを実現することができるエネルギー売買装置を提供することを目的とする。
ここで、前記燃料量算出部が算出した前記燃料量の内の少なくとも一部であって、特定需要家へ供給した当該燃料量を当該特定需要家に通知する通知部をさらに備えても良い。
また、前記特定需要家は、供給された燃料を用いて発電する発電装置を有する者であっても良い。
また、前記特定需要家は、供給された燃料を用いて発電する発電装置が発電した電気を用いて走行する電気自動車、供給された燃料を用いて水素を製造するとともに製造した水素を用いて発電した電気で走行する燃料電池自動車、又は、供給された燃料を燃焼させることにより作動する内燃機関若しくは外燃機関を搭載した自動車を有する者であっても良い。
また、前記燃料量算出部が算出した前記燃料量の内の少なくとも一部を用いて発電した電力であって、特定需要家へ供給した電力量を当該特定需要家に通知する通知部をさらに備えても良い。
また、前記燃料量算出部が算出した前記燃料量の内の少なくとも一部の燃料を用いて発電する発電装置により発電された電力が前記特定需要家に供給されても良い。
また、前記売電者は、再生可能エネルギーを用いて発電し、前記特定需要家は、RE100を志向する需要家であっても良い。
また、かかる目的のもと完成させた本発明は、コンピュータに、発電設備を有して発電する売電者から購入した電力量である買電量を把握する機能と、前記買電量に応じたCO2排出権を算出する機能と、前記CO2排出権に対応する燃料量を算出する機能と、を実現させるプログラムである。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るエネルギー売買システム1の概略構成を例示した図である。
第1の実施形態に係るエネルギー売買システム1は、電力及びガスを供給する事業者(以下、「事業者B」と称する場合がある。)が、自ら発電した電力を売る者(以下、「売電者G」と称する場合がある。)から、電力を購入するとともに、売電者Gから購入した電力量に応じたCO2排出権に対応する燃料量の燃料を、特定の需要家である特定需要家Sに供給するシステムである。
また、事業者Bは、発電を行う発電設備11と、発電設備11に燃料を供給する燃料供給装置12とを所有している。
発電設備11は、燃料供給装置12から供給された燃料を使用して、火力発電により電力を生成する。発電設備11で発電された電力は、電力系統である電力グリッド60に供給される。電力グリッド60に供給された電力は、一般需要家Cに供給される。燃料は、都市ガス(主成分:メタンガス)、LPG、LNGであることを例示することができる。
燃料供給装置12は、配管ラインを介して発電設備11に燃料を供給する。また、燃料供給装置12は、例えばガス配管網を介して特定需要家Sに燃料を供給する。
売電者Gが行う再生可能エネルギーを用いた発電は、太陽光発電であることを例示することができる。また、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電でも良い。売電者Gが発電した電力は、電力グリッド60に供給される。
売電者Gは、再生可能エネルギーを用いて発電を行う発電設備21と、電力量を計測するとともにエネルギー売買装置100と通信する機能を有する公知の電力量計測機器22とを所有している。
電力量計測機器22は、発電設備21で発電した電力の内、電力グリッド60に供給(逆潮流)された電力の量(以下、「逆潮流電力量」と称する場合がある。)を計測する。そして、電力量計測機器22は、計測した逆潮流電力量を、売電者Gを識別する情報として売電者Gと関連付けて予め記憶されたIDとともにエネルギー売買装置100に送信する。また、電力量計測機器22は、売電者Gの電力使用量を計測し、計測した電力使用量を売電者GのIDとともにエネルギー売買装置100に送信する。
なお、売電者Gは、単数であっても良いし、複数であっても良い。
特定需要家Sは、事業者Bの燃料供給装置12から供給された燃料を用いて発電する発電装置31と、事業者Bから供給された燃料の量を計測するとともにエネルギー売買装置100と通信する機能を有する公知の燃料量計測機器32とを所有している。
特定需要家Sは、発電装置31にて生成された電力を消費する。発電装置31に供給される燃料量の内の少なくとも一部はCO2排出権に対応する燃料量であることから、発電装置31にて生成された電力は、CO2排出権が紐づいた電力である。特定需要家Sが発電装置31にて生成された電力を消費する態様は特に限定されない。例えば、特定需要家Sは、事業運営に必要な照明器具、空調設備、PC等を作動するために電力を消費しても良い。また、特定需要家Sは、電気自動車(EV)を有し、発電装置31にて生成された電力を蓄えるとともに、蓄えた電力を用いて走行しても良い。
このように、特定需要家Sは、事業者Bとの間で予め定められた分の燃料の供給を受ける点で一般需要家Cとは異なる。
なお、特定需要家Sは、単数であっても良いし、複数であっても良い。
図2は、エネルギー売買装置100のハードウェア構成を例示したブロック図である。
エネルギー売買装置100は、各種の情報処理を実行可能なコンピュータを有している。エネルギー売買装置100は、装置全体を制御する制御部101と、データ等の記憶に用いられる記憶部102と、操作受付画面や画像の表示に使用される表示部103と、ユーザの入力操作を受け付ける操作部104と、外部装置との通信に用いられる通信部105とを備えている。
表示部103は、静止画像や動画像等を表示するディスプレイ装置である。表示部103は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであることを例示することができる。
操作部104は、ユーザからの操作を受け付ける入力装置である。操作部104は、ボタン、スイッチ、タッチパネルであることを例示することができる。
エネルギー売買装置100は、通信部105を介して、売電者Gの電力量計測機器22や特定需要家Sの燃料量計測機器32から送られてきた情報等を受信する受信部110を備えている。
また、エネルギー売買装置100は、受信部110が受信した情報を基に、電力量計測機器22が計測した逆潮流電力量を把握する逆潮流量把握部120を備えている。逆潮流電力量は、事業者Bが売電者Gから購入した電力量である買電量である。それゆえ、逆潮流量把握部120は、売電者Gから購入した電力量である買電量を把握する買電量把握部として機能する。
また、エネルギー売買装置100は、排出権算出部130が算出したCO2排出権に対応する燃料量を算出する排出権対応燃料量算出部140を備えている。
また、エネルギー売買装置100は、燃料を特定需要家Sに供給するように燃料供給装置12に指示する供給指示部150を備えている。
また、エネルギー売買装置100は、受信部110が受信した情報を基に、特定需要家Sの燃料量計測機器32が計測した燃料量を把握する供給燃料量把握部160を備えている。
また、エネルギー売買装置100は、特定需要家Sに、燃料供給装置12により供給した燃料の量を通知する通知部170を備えている。
R=k×(1−x)×e・・・(1)
ここで、kは、発電設備21に対応するCO2削減定数であり、単位は、CO2-kg/kWhである。発電設備21が太陽電池である場合には、kは、電気事業者毎に毎年決められる値である。毎年、過去の実績より、公知の値に決められる数値である。発電設備21が太陽電池以外の発電機、例えば燃料電池の場合は以下の算出式(2)によりkを算出することを例示することができる。
k=(E1−E2)×C・・・(2)
ここで、E1は、燃料電池の発電効率、E2は、発電所の発電効率、Cは、大手電力会社の公表する二酸化炭素原単位である。なお、E1は、燃料電池の熱利用も含めた総合効率でも良い。
また、以下の算出式(3)によりkを算出しても良い。
k=E1×C1−E2×C2・・・(3)
ここで、C1は、燃料電池の二酸化炭素排出係数(CO2-kg/kWh)、C2は、大手電力会社が公表する二酸化炭素原単位である。
上記算出式(1)のeは、発電設備21が発電した電力量(kWh)である。
なお、算出式は一例であり、電力事業関係法令及びその実態に即す形に変化させることができる。
M=R×12/44×V×l・・・(4)
ここで、Vは、体積への換算係数であり、標準状態であれば、V=0.224(m3/mol)である。lは、ガス組成による補正係数である。例えばLPGで供給する場合には、都市ガスと組成が異なるために、補正係数を用いる。例えばlは1である。
また、上記(iii)の場合には、特定の売電者G(複数であっても良い)から購入した電力に応じたCO2排出権に対応する分だけの燃料を特定需要家Sに供給することから、その分の燃料量が、排出権対応燃料量及び供給燃料量となる。
S401にて、受信部110が逆潮流電力量を受信していない場合(S401でNo)、本処理を終了する。
エネルギー売買装置100は、受信部110が特定需要家Sの燃料量計測機器32から供給燃料量を受信したか否かを判断する(S501)。これは、供給燃料量把握部160が判断する処理である。そして、受信部110が供給燃料量を受信した場合(S501でYes)、供給燃料量把握部160は、特定需要家Sへの供給燃料量を把握するとともに、特定需要家SのIDに関連付けて供給燃料量を記憶部102に記憶する(S502)。
その後、通知部170が特定需要家Sに通知するべき上述した通知時刻になったか否かを判断する(S503)。そして、通知時刻になった場合(S503でYes)、エネルギー売買装置100は、供給燃料量及び排出権対応燃料量を特定需要家Sに通知する(S504)。他方、通知時刻になっていない場合(S503でNo)、本通知処理を終了する。
また、S501にて、受信部110が供給燃料量を受信していない場合(S501でNo)、S503の処理へ移行する。
なお、燃料量計測機器32が、特定需要家Sから事業者Bへ返還された燃料量をも計測する機能を有する機器である場合には、燃料量計測機器32にて計測した供給燃料量から、燃料量計測機器32にて計測した返還燃料量を減算することにより得た量を、最終的な供給燃料量として通知しても良い。あるいは、燃料量計測機器32とは別に、特定需要家Sから事業者Bへ返還された燃料量を計測する機器を有する場合には、その機器から受信した返還燃料量を、燃料量計測機器32にて計測した供給燃料量から減算することにより得た量を最終的な供給燃料量として通知しても良い。かかる場合には、例えば上述した通知時刻になったときに、一定期間(通知時刻が毎月の予め定められた日の予め定められた時刻に設定されている場合には1箇月間)の供給燃料量から、一定期間の返還燃料量を減算することにより得た量を、最終的な供給燃料量として通知しても良い。
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT制度)が終了した場合、例えば太陽光発電の余剰電力を蓄電池や水素貯蔵タンクに貯留し、自家消費することが考えられる。しかしながら、蓄電池や水素貯蔵タンクは高価であるため、蓄電池や水素貯蔵タンクの購入は、太陽光発電設備の所有者(例えば売電者G)には負担になる。また、例えば、蓄電池は10%程度の充放電ロスを伴うため、例えば余剰電力を蓄電池に充電した場合、太陽光発電設備の所有者(例えば売電者G)は余剰電力の90%の電力しか使用することができない。
これに対して、エネルギー売買システム1においては、事業者Bは、余剰電力に相当する燃料(例えば都市ガス)を供給することから、システム全体として、変換ロスを抑制することが可能となる。
エネルギー売買システム1においては、事業者Bが、FIT制度が終了した後においても余剰電力を購入することから、発電設備21で発電した電力を電力グリッド60に供給することが制限される可能性を低減することができる。それゆえ、売電者Gが太陽光発電の発電設備21を所有者するが電力をあまり使用しない者であっても利益を享受できる。また、事業者Bは、取引所での取引では(電源指定がないため)調達困難な「非化石価値」を調達することが可能になる。
また、通常、CO2フリーメタンを製造する場合には、余剰電力を用いて電解技術等によりH2を生成させ、CO2と反応させているが、変換効率が低い点が問題である。これに対して、エネルギー売買システム1によれば、実態として変換反応を介さない変換を実施しているため、変換効率は発電分と等価であるので、100%にすることができる。
図6は、第2の実施形態に係るエネルギー売買システム2の概略構成を例示した図である。
第2の実施形態に係るエネルギー売買システム2は、第1の実施形態に係るエネルギー売買システム1に対して、発電装置31の所有者が異なる。以下、第1の実施形態に係るエネルギー売買システム1と異なる点について説明する。第1の実施形態に係るエネルギー売買システム1と第2の実施形態に係るエネルギー売買システム2とで、同じ機能を有する物については同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
また、特定需要家Sは、燃料量計測機器32の代わりに、電力量を計測するとともにエネルギー売買装置100と通信する機能を有する公知の電力量計測機器33を所有している。
第2の実施形態に係るエネルギー売買装置200は、第1の実施形態に係るエネルギー売買装置100と同様に、受信部110と、逆潮流量把握部120、排出権算出部130、排出権対応燃料量算出部140とを備えている。
また、エネルギー売買装置200は、特定需要家Sに供給した電力の量を通知する通知部270を備えている。
また、上記(iii)の場合には、特定の売電者G(複数であっても良い)から購入した電力に応じたCO2排出権に対応する燃料を用いて発電された電力量を特定需要家Sに供給することから、その分の電力量が、排出権対応電力量及び供給電力量となる。
図8は、第3の実施形態に係るエネルギー売買システム3の概略構成を例示した図である。
第3の実施形態に係るエネルギー売買システム3は、第1の実施形態に係るエネルギー売買システム1に対して、特定需要家Sが水素ステーション34と、燃料電池自動車35とを有している点が異なる。以下、第1の実施形態に係るエネルギー売買システム1と異なる点について説明する。第1の実施形態に係るエネルギー売買システム1と第3の実施形態に係るエネルギー売買システム3とで、同じ機能を有する物については同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
燃料電池自動車35は、搭載した燃料電池で発電した電力でモータを駆動して走行する公知の燃料電池自動車である。
Claims (8)
- 発電設備を有して発電する売電者から購入した電力量である買電量を把握する買電量把握部と、
前記買電量把握部が把握した前記買電量に応じたCO2排出権を算出する排出権算出部と、
前記排出権算出部が算出した前記CO2排出権に対応する燃料量を算出する燃料量算出部と、
を備えるエネルギー売買装置。 - 前記燃料量算出部が算出した前記燃料量の内の少なくとも一部であって、特定需要家へ供給した当該燃料量を当該特定需要家に通知する通知部を
さらに備える請求項1に記載のエネルギー売買装置。 - 前記特定需要家は、供給された燃料を用いて発電する発電装置を有する者である
請求項2に記載のエネルギー売買装置。 - 前記特定需要家は、供給された燃料を用いて発電する発電装置が発電した電気を用いて走行する電気自動車、供給された燃料を用いて水素を製造するとともに製造した水素を用いて発電した電気で走行する燃料電池自動車、又は、供給された燃料を燃焼させることにより作動する内燃機関若しくは外燃機関を搭載した自動車を有する者である
請求項2に記載のエネルギー売買装置。 - 前記燃料量算出部が算出した前記燃料量の内の少なくとも一部を用いて発電した電力であって、特定需要家へ供給した電力量を当該特定需要家に通知する通知部を
さらに備える請求項1に記載のエネルギー売買装置。 - 前記燃料量算出部が算出した前記燃料量の内の少なくとも一部の燃料を用いて発電する発電装置により発電された電力が前記特定需要家に供給される
請求項5に記載のエネルギー売買装置。 - 前記売電者は、再生可能エネルギーを用いて発電し、
前記特定需要家は、RE100を志向する需要家である
請求項2から6のいずれか1項に記載のエネルギー売買装置。 - コンピュータに、
発電設備を有して発電する売電者から購入した電力量である買電量を把握する機能と、
前記買電量に応じたCO2排出権を算出する機能と、
前記CO2排出権に対応する燃料量を算出する機能と、
を実現させるプログラム。
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