JP2020078762A - 排ガスの有害物質除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排ガスに含まれる硫黄酸化物を効率的に除去することができるようにするとともに、また、水源がない場所においても利用できるようにした排ガスの有害物質除去装置を提供することを目的とする。【解決手段】ボイラー2の排ガスから窒素酸化物や煤塵を除去した後、その排ガスに水を噴霧し、その水の潜熱を利用して排ガスの温度を低くするとともに、飽和水蒸気量に達する温度を上げるようにする。そして、その水分供給装置5による水の潜熱で冷却された排ガスを熱交換器6に通し、さらに排ガスの温度を下げて結露(再凝集)させるとともに、熱交換器6で結露した液体を収集する。そして、その液体を再び水分供給装置5に循環させて噴霧させる。そして、この熱交換器6から排出された排ガスを第二フィルター42である電気集塵機に通してから排出する。【選択図】図1

Description

本発明は、ボイラーから排出される排ガスに含まれる硫黄酸化物などを除去できるようにした排ガスの有害物質除去装置に関するものである。
従来、ボイラーから排出される硫黄酸化物などの有害物質を除去できるようにした有害物質除去装置が各種提案されている。
例えば、下記の特許文献1には、図3に示すように、ボイラーから排出される排ガスから窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去装置91と、窒素酸化物の除去された高温の300℃前後の排ガスから熱を回収する熱交換器92と、熱交換器92によって低温となった排ガスから煤塵を収集する集塵機93と、煤塵収集後の排ガスに含まれる硫黄酸化物を除去する硫黄酸化物除去装置94とを備えた装置が提案されている。そして、このように排ガスから硫黄酸化物を除去する場合、熱交換器92で温度の下げられた排ガスと石灰スラリーとを混合させて中和させ、硫黄酸化物を取り除いた後に、その排ガスを煙突95から排出するようにしている。
特開2014―108376号公報
ところで、このように除去される硫黄酸化物は、その特性として、60℃を下回るにつれて急激に水に対する溶解度が高くなるため、低温になればなるほど、効率的に亜硫酸として回収することができることが知られている。しかるに、従来の方法では、熱交換器で排ガスの温度を下げる際、排ガスの結露による腐蝕を防止するために、300℃程度の排ガスを熱交換器で150℃程度にしか冷却させることができない。このため、熱交換器を通した後、排ガスから効率よく硫黄酸化物を除去すべく、大量の水を直接噴霧させて150℃から50℃近くまで温度を下げてから、石灰スラリーと中和させて硫黄酸化物を除去するようにしている。
また、このように硫黄酸化物を水に溶解させるために大量の水を用いる場合、水源がない場所では導入することができない。特に、船舶などにおいては、排ガスから硫黄酸化物を除去する場合、硫黄分の吸着剤として海水を利用しているが、排ガスを冷却させるためにも海水が必要となり、大量の海水を数十メートルも汲み上げる必要がある。そのため、ポンプ動力が大きくなり過ぎて、新たなエンジンを搭載する必要が生じ、そのための新たな燃料が必要となるとともに、多くの二酸化炭素などを排出してしまうといった課題がでてくる。
そこで、本発明は上記課題に着目してなされたもので、排ガスに含まれる硫黄酸化物を効率的に除去することができるようにするとともに、また、水源がない場所においても利用できるようにした排ガスの有害物質除去装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の有害物質除去装置は、上記課題を解決するために、排ガスに水分を供給する水分供給装置と、当該水分供給装置の水分による潜熱によって冷却された排ガスを再度凝縮させて潜熱を回収するための熱交換器とを備えるようにしたものである。
このようにすれば、熱交換器に入る上流側で排ガスに水分を供給させることで、その水の潜熱を利用して排ガスを冷却させ、排ガスに含まれる水分含有量を増やすことになり、その後、熱交換器で排ガスの温度を飽和温度以下に冷却させることで効率よく排ガスの熱エネルギーを回収することができるようになる。一般的に空気の熱伝達率は5〜50W/mKと低く、比重水と比べ小さいのに対して、排ガス温度を飽和温度以下の凝縮状態になると2,000〜50,000W/mKと100倍以上になる。また、高温の排ガスに水を供給し蒸発させることで、排ガスに含まれる重金属や硫黄酸化物が水分と吸着し粒子径が大きくなり、その後の熱交換器での結露(再凝集)の際に排ガスから出てくる水分と共に回収しやすくなる。また、この結露した液体を水分供給装置で利用すれば、別途新たな水を引き込む必要性をなくすだけでなく、排ガスに含まれる水分のほとんどを結露させて回収することで、煙突から排ガスを排出させる際に、白煙を生じさせないようにすることができる。
また、このような発明において、前記水分供給装置が、熱交換器に入る前の排ガスの温度を下げるとともに、水分含有量を多くして飽和水蒸気量に達するまでの温度を上昇させるようにする。
このように構成すれば、熱交換器に入る前の排ガス温度が低くなるとともに、熱交換器で排ガスの水分を結露させるための温度を上昇させることができ、排ガスの水分をいち早く結露させることができるようになる。これにより、その結露した液体によって熱交換効率を良くすることができるようになる。
また、前記水分供給装置で水分を供給する場合、水を噴霧させることで排ガス内に水分を供給させるようにする。
このようにすれば、噴霧された水の潜熱によって排ガスの温度を下げることができるようになり、同時に排ガスの水分含有量が増えて飽和温度を上げることができるようになる。
さらに、前記熱交換器を、耐腐食性の材料で構成するか、もしくは、耐酸性の防蝕塗料でコーティングしておく。
このようにすれば、水分含有量が多い排ガスを熱交換器に通す際、その熱交換器で多くの水滴を発生させて二酸化硫黄と反応させることができるが、その耐蝕性によって、熱交換器のフィンなどの腐蝕を防止することができるようになる。
加えて、前記熱交換器で結露した水を収集して、前記水分供給装置に循環させるようにする。
このようにすれば、熱交換器から生じた水を再利用することで、新たに水を引き込む必要がなくなり、あらゆる場所でも使用することができるようになり、船舶においては海水を汲み上げる量を大幅に減らすことが可能となる。
このとき、前記中和装置で中和された水を、前記水分供給装置に循環させるようにすることもできる。
このようにすれば、水分供給装置に水分を供給する場合、配管などの腐蝕を防止することができるようになる。
また、前記熱交換器の下流側に電気集塵装置を設けるようにしておく。
このようにすれば、熱交換器で結露する際に、水と一緒に粉塵が吸着し、電気集塵機の負担が大幅に削減できる。また、冷却された排ガスによって粉塵の見掛けの電気抵抗が下がり電気集塵機の性能を向上させることができるようになる。
本発明によれば、熱交換器に入る上流側で排ガスに水分を供給させることで、その水の潜熱を利用して排ガスを冷却させ、排ガスに含まれる水分含有量を増やすことになり、その後、熱交換器で排ガスの温度を飽和温度以下に冷却させることで効率よく排ガスの熱エネルギーを回収することができるようになる。また、高温の排ガスに水を供給し蒸発させることで、排ガスに含まれる重金属や硫黄酸化物が水分と吸着し粒子径が大きくなり、その後の熱交換器での結露(再凝集)の際に排ガスから出てくる水分と共に回収しやすくなる。また、この結露した液体を水分供給装置で利用すれば、途新たな水を引き込む必要性をなくすだけでなく、排ガスに含まれる水分のほとんどを結露させて回収することで、煙突から排ガスを排出させる際に、白煙を生じさせないようにすることができる。
本発明の一実施の形態における排ガスの有害物質除去装置を示す図 同形態における熱交換器のフィンの枚数を示す図 従来例における有害物質除去装置を示す図
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
この実施の形態における排ガスの有害物質除去装置1は、図1に示すように、ボイラー2から排出された排ガスから窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去装置3と、その窒素酸化物の除去された排ガスから大きな煤塵などを除去する第一フィルター41と、その排ガスに水分を供給する水分供給装置5と、その水分供給装置5の水分による潜熱によって冷却された排ガスを再度凝集区させて潜熱を回収するための熱交換器6と、その熱交換器6で結露した水と二酸化硫黄とを反応させて亜硫酸とし、それを中和させる中和装置8と、その中和装置8の下流側に設けられた電気集塵機などの第二フィルター42と、を備えて構成されている。以下、本実施の形態について詳細に説明する。
まず、窒素酸化物除去装置3は、ボイラー2から排出された排ガス中の窒素酸化物を除去するようにしたものであって、噴霧装置31やハニカム状の触媒などを有して構成されている。噴霧装置31は、触媒の上流側に設けられ、アンモニア、尿素、塩化アンモニウムなどの還元剤を噴霧する。その噴霧された排ガスは、ハニカム状の触媒に接触し、窒素ガスと水に分解される。
第一フィルター41は、この窒素酸化物の除去された排ガスから大きな煤塵を除去できるようにしたバグフィルターなどで構成されるものであって、比較的粗いメッシュ材料などに排ガスを通して大きな煤塵を除去する。このメッシュ材料としては、耐酸性のガラス織布やPTFEコーティングされたガラス織布などによって構成される。この第一フィルター41で大きな煤塵が除去された230℃から270℃の排ガスは、配管を通して水分供給装置5に供給される。
水分供給装置5は、この排ガスに水を噴霧して水分含有量を多くするとともに、熱交換器6に入る前の排ガスの温度を低下させるように構成される。この噴霧装置51で水分を噴霧させると、その水分が排ガスの温度によって一気に気化し、その潜熱によって排ガスの温度を50℃乃至100℃低下させることができるとともに、熱伝達率も大幅に向上させることができるようになる。このとき、噴霧装置51によって噴霧させる水としては、水道管から供給された中性の水であってもよく、もしくは、後述する熱交換器6から排出された酸性の水であってもよい。あるいは、その熱交換器6から排出されて中和装置8で中和された水であってもよい。このとき、熱交換器6で結露して排出された水を用いるようにすれば、別途新たに水道管を引き込む必要がなくなり、装置全体におけるコストを大幅に低減させることができるようになる。また、後述する中和装置8などで用いられるアルカリ性の水を噴霧させるようにしてもよい。このようにすれば、熱交換器6で低温になった排ガスに含まれる二酸化硫黄と水が反応して亜硫酸となった際、そのアルカリ性の水によって中和させることができるようになり、熱交換器6の酸による腐蝕を防止することができるようになる。また、このように水を噴霧させれば、排ガスに含まれる重金属なども水に吸着させて水の粒子径を大きくすることができ、その後、熱交換器6で結露(再凝集)させる際に、排ガスから出てくる水分とともに重金属なども回収することができるようになる。
このように水分供給装置5で水が供給された排ガスは、熱交換器6によって冷却される。この熱交換器6では、従来は、例えば、200℃の排ガスを50℃まで冷却させるようにしているが、この状態では、気体での状態の熱交換となるため、熱交換効率が悪くなる。そこで、この実施の形態では、水分供給装置5で150℃まで事前に冷却させるとともに水分含有量を多くし、これによって、飽和水蒸気量に達する温度である温度(例えば、70℃)を上げるようにして結露させる。これにより、排ガスの状態の時間を短くして、結露状態を長くして熱交換効率をよくする。この熱交換器6は、冷媒を通す配管61と複数枚のフィン62とを備えてなるものであって、その配管61に通される冷媒によって、フィン62の間を通過する排ガスとの間で熱交換を行えるようにしたものである。通常、このような熱交換器6で熱交換する場合、フィン62の隙間を狭くすればするほど、排ガスを低温にすることができる。しかし、フィンの枚数を多くすれば、図2に示すように、圧力損失が大きくなるとともに、煤塵の除去が困難になり、また、防食塗料の塗布が困難になる。そこで、この実施の形態では、事前に排ガスの水分含有量を多くして熱交換率を高くし、フィン62の隙間を大きくした場合であっても(フィンも枚数を少なくした場合であっても)、排ガスの温度を室温まで下げることができるようになる。しかも、このようにフィン62の隙間を大きくすることで、排ガスが熱交換器6を通過する際における圧力損失を小さくすることができるようになり、効率的に排ガスを通すことができるようになる。なお、この実施の形態では、熱交換器6のフィン62に防蝕塗料を塗布するようにしているが、これ以外に、熱交換器6自体を耐蝕性の材料で構成するようにしてもよい。
なお、このように熱交換器6で排ガスの温度を室温の範囲内まで低下させることができるようになると、重油や石炭の排ガスに含まれる20重量%の水分がフィン62の表面で結露し、その結露した水と二酸化硫黄が反応して亜硫酸になってしまう。この亜硫酸は、酸性であるため、フィン62や配管61などを腐蝕してしまうことになる。このため、従来では、排ガス温度を結露しない温度に維持していたが、この実施の形態では、熱交換器6のフィン62や配管61を耐酸性の防蝕塗料でコーティングさせるようにして積極的に結露させ、水分が持っている潜熱も回収できるようにしている。このような防蝕塗料としては、エンジニアリングプラスチックなどのように耐熱性が高く、酸に強い塗料などを用いることができる。また、このような樹脂だけでは熱伝導性が確保できない場合、炭素繊維などのように熱伝導性が高く、耐酸性の強い炭素繊維の粉体などを混ぜて使用することもできる。
このように防蝕塗料でコーティングされたフィン62の表面に結露した水は、下方のパン63に落下し、そこで収集される。この収集された水のうち、水分供給装置5に循環され、そこから噴霧装置51によって噴霧されて排ガスの水分含有量を多くさせる。また、収集された水の一部は、中和装置8に供給される。
中和装置8では、熱交換器6から排出された排ガスに含まれる残りの二酸化硫黄を亜硫酸にし、また、熱交換器6から排出された亜硫酸の水(水溶液)を中和する。この排ガスに含まれる残りの二酸化硫黄を除去する場合、熱交換器6から排出された水(亜硫酸)を噴霧器で噴霧させ、排ガスと混合させる。すると、その噴霧された水によって排ガスが冷却されるとともに、その水と反応して亜硫酸となって落下していく。そして、その落下した亜硫酸を収集し、中和剤で中和する。この中和剤としては、石灰石スラリーやアンモニアなどを用いることができる。この中和装置8を用いて中和された水は、水分供給装置5に循環させて噴霧装置51から噴霧させるようにしてもよく、あるいは、この中和装置8の噴霧装置81に循環させて、排ガスの二酸化硫黄と反応させるようにしてもよい。
そして、このように中和装置8で硫黄酸化物を除去した排ガスを、電気集塵機などの第二フィルター42を通し、小さな煤塵を除去した後、煙突9から排出させるようにする。このときの排ガスの温度としては、25℃から30℃となるようにし、白煙を生じないようにする。このとき、電気集塵機の上流側では、すでに熱交換器で結露する水と一緒に粉塵が吸着しており、電気集塵機の負担を大幅に削減できるとともに、冷却された排ガスによって粉塵の見掛けの電気抵抗が下がって電気集塵機の性能を向上させることができるようになる。
次に、このように構成された有害物質除去装置1の一連の作用について説明する。
まず、ボイラー2で石油燃料を燃やすと、その石油燃料に含まれる成分によって窒素酸化物や硫黄酸化物が排ガスに含まれるようになる。このような有害物質を含む排ガスは、ダクトを通して窒素酸化物除去装置3に排出される。
窒素酸化物除去装置3では、その排ガスに対してアンモニアなどの還元剤を噴霧し、その後、ハニカム状の触媒を通して窒素酸化物を除去する。
そして、その排ガスを、第一フィルター41に通して、比較的大きな煤塵を取り除くようにする。
次に、このように煤塵を取り除いた排ガスを、水分供給装置5に供給する。水分供給装置5では、その排ガスに水を噴霧させ、その潜熱によって排ガスの温度を50℃から100℃低下させるようにするとともに、その排ガスの水分含有量を多くさせる。そして、その状態で排ガスを熱交換器6に通す。
熱交換器6では、フィン62の間をその水分含有量の多い排ガスが通り、その際、フィン62との間で熱交換を行って冷却される。このとき、排ガスに含まれる水分によって、熱交換率を向上させることができ、排ガスを30℃から40℃まで冷却させることができるようになる。このとき、排ガスが冷却されると、その排ガスに含まれていた水分がフィン62の表面に結露し、そこからパン63に落下して収集される。この結露した水は、排ガスに含まれる二酸化硫黄と反応して、亜硫酸となるが、フィン62などが防蝕塗料でコーティングされているため、フィン62などの腐蝕を防止することができるようになる。
パン63に落下して収集された水は、水分供給装置5に供給され、そこから噴霧装置51によって噴霧される。また、一部の水は、中和装置8の噴霧装置81側に供給され、そこから排ガスに向けて噴霧される。
この中和装置8で水を噴霧させると、排ガスに含まれる残りの二酸化硫黄と反応して亜硫酸となり、中和剤であるアンモニアや石灰石スラリーなどと反応して中和される。このとき、水を噴霧させることで、排ガスの温度を更に低下させることができ、30℃前後の排ガスにすることができる。
そして、このように硫黄酸化物を除去した後、その排ガスを電気集塵装置などの第二フィルター42を通し、小さな煤塵を除去して煙突9から排出する。
このように上記実施の形態によれば、排ガスに水分を供給する水分供給装置5と、当該水分供給装置5の水分による潜熱によって冷却された排ガスを再度凝縮させて潜熱を回収するための熱交換器6とを備えるようにしたので、熱交換器6に入る上流側で排ガスに水分を供給させることで、その水の潜熱を利用して排ガスを冷却させ、排ガスに含まれる水分含有量を増やすことになり、その後、熱交換器6で排ガスの温度を飽和温度以下に冷却させることで効率よく排ガスの熱エネルギーを回収することができるようになる。また、高温の排ガスに水を供給し蒸発させることで、排ガスに含まれる重金属や硫黄酸化物が水分と吸着し粒子径が大きくなり、その後の熱交換器での結露(再凝集)の際に排ガスから出てくる水分と共に回収しやすくなる。また、この結露した液体を水分供給装置で利用すれば、途新たな水を引き込む必要性をなくすだけでなく、排ガスに含まれる水分のほとんどを結露させて回収することで、煙突8から排ガスを排出させる際に、白煙を生じさせないようにすることができる。
また、前記水分供給装置5で水分を供給する場合、水を噴霧させることで排ガス内に水分を供給させるようにしたので、噴霧された水の潜熱によって排ガスの温度を下げることができるようになる。
さらに、前記熱交換器6を、耐腐食性の材料で構成するか、もしくは、耐酸性の防蝕塗料でコーティングしておくようにしたので、水分含有量が多い排ガスを熱交換器6に通す際、その熱交換器6で多くの水滴を発生させて二酸化硫黄と反応させることができるが、その防蝕塗料によって、熱交換器6のフィン62などの腐蝕を防止することができるようになる。
加えて、前記熱交換器6で結露した水を収集して、前記水分供給装置5に循環させるようにした場合は、熱交換器6から生じた水を再利用することで、新たに水道管から水を引き込む必要がなくなり、どのような場所でも使用することができるようになる。
また、熱交換器6で結露した水を収集し、中和装置8で熱交換器6から排出された排ガスに噴霧させて中和させるようにしたので、熱交換器6から排出された排ガスに含まれる二酸化硫黄と水とを反応させて、より確実に二酸化硫黄の排出を抑えることができるようになる。
また、前記熱交換器6の下流側に電気集塵装置である第二フィルター42を設けるようにしたので、熱交換器6で結露する際に、水と一緒に粉塵が吸着し、電気集塵機(第二フィルター42)の負担が大幅に削減できる。また、冷却された排ガスによって粉塵の見掛けの電気抵抗が下がり電気集塵機(第二フィルター42)の性能を向上させることができるようになる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、上記実施の形態では、パン63で収集された水を水供給装置5に供給するようにしたが、中和装置8で中和された水を水分供給装置5に循環させるようにすることもできる。このようにすれば、水分供給装置5に水分を供給する場合、配管などの腐蝕を防止することができるようになる。
また、上記実施の形態では、水分供給装置5で水分を供給する場合、亜硫酸もしくは中和された水分を供給するようにしたが、アルカリ性の水分を供給するようにしてもよい。このようにすれば、熱交換器6で結露した水と二酸化硫黄とを反応させた際、アルカリ性の水分によって中性に近くすることができ、熱交換器6の腐蝕を防止することができるようになる。このとき、アルカリ性の水分としては、中和装置8で使用されるアルカリ性の水分を用いるとよい。
さらに、上記実施の形態では、パン63で収集された水を、水分供給装置5と中和装置8の両方に供給するようにしたが、水分供給装置5だけに供給してもよい。あるいは、中和装置8だけに供給するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、第一フィルター41の下流側に水分供給装置5を設けるようにしたが、第一フィルター41と水分供給装置5の順序を変えるようにしてもよく、あるいは、一体的に設けるようにしてもよい。あるいは、熱交換器6に水分供給装置5を設けるようにして、熱交換器6内で水を噴霧させるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、硫黄酸化物を除去する場合に、事前に排ガスの水分含有量を多くするようにしたが、他の有害物質を除去する場合にも、事前に水分含有量を多くして除去できるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、水分供給装置5の下流側に熱交換器6を設けるようにしたが、これらを一体化するようにしてもよい。
1・・・有害物質除去装置
2・・・ボイラー
3・・・窒素酸化物除去装置
31・・・噴霧装置
32・・・触媒
41・・・第一フィルター
42・・・第二フィルター
5・・・水分供給装置
51・・・噴霧装置
6・・・熱交換器
61・・・配管
62・・・フィン
63・・・パン
8・・・中和装置
81・・・噴霧装置
9・・・煙突

Claims (7)

  1. 排ガスに水分を供給する水分供給装置と、
    当該水分供給装置の水分による潜熱によって冷却された排ガスを再凝縮させて潜熱を回収するための熱交換器と、
    を設けた排ガスの有害物質除去装置。
  2. 前記水分供給装置が、熱交換器に入る前の排ガスの温度を下げるとともに、水分含有量を多くして飽和水蒸気量に達するまでの温度を上昇させるようにしたものである請求項1に記載の排ガスの有害物質除去装置。
  3. 前記水分供給装置が、水を噴霧させて排ガスに供給させるようにしたものである請求項1に記載の排ガスの有害物質除去装置。
  4. 前記熱交換器が、耐腐食性の材料で構成されたものであり、もしくは、耐酸性の防蝕塗料でコーティング耐酸性の防食塗料でコーティングされてなるものである請求項1に記載の排ガスの有害物質除去装置。
  5. 前記熱交換器で結露した水を収集して、前記水分供給装置に循環させるようにした請求項1に記載の排ガスの有害物質除去装置。
  6. 前記中和装置で中和された水を、前記水分供給装置に循環させるようにした請求項1に記載の排ガスの有害物質除去装置。
  7. 前記熱交換器の下流側に電気集塵装置を設けてなる請求項1に記載の排ガスの有害物質除去装置。
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