以下、図面を参照しながら本開示の実施形態について詳しく説明する。なお、本開示の実施形態は、電子たばこやネブライザーを含むが、これらに限定されない。本開示の実施形態は、ユーザが吸引するエアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルを生成するための様々な吸引装置を含み得る。
図1Aは、本開示の一実施形態に係る吸引装置100Aの構成の概略的なブロック図である。図1Aは、吸引装置100Aが備える各コンポーネントを概略的且つ概念的に示すものであり、各コンポーネント及び吸引装置100Aの厳密な配置、形状、寸法、位置関係等を示すものではないことに留意されたい。
図1Aに示されるように、吸引装置100Aは、第1の部材102及び第2の部材104を備える。図示されるように、一例として、第1の部材102は、制御部106、通知部108、バッテリ110、センサ112及びメモリ114を含んでもよい。一例として、第2の部材104は、リザーバ116、霧化部118、空気取込流路120、エアロゾル流路121及び吸口部122を含んでもよい。第1の部材102内に含まれるコンポーネントの一部が第2の部材104内に含まれてもよい。第2の部材104内に含まれるコンポーネントの一部が第1の部材102内に含まれてもよい。第2の部材104は、第1の部材102に対して着脱可能に構成されてもよい。あるいは、第1の部材102及び第2の部材104内に含まれるすべてのコンポーネントが、第1の部材102及び第2の部材104に代えて、同一の筐体内に含まれてもよい。
リザーバ116は、エアロゾル源を保持する。例えば、リザーバ116は、繊維状又は多孔質性の素材から構成され、繊維間の隙間や多孔質材料の細孔に液体としてのエアロゾル源を保持する。前述した繊維状又は多孔質性の素材には、例えばコットンやガラス繊維、またはたばこ原料などを用いることができる。リザーバ116は、液体を収容するタンクとして構成されてもよい。エアロゾル源は、例えば、グリセリンやプロピレングリコールといった多価アルコール、水などの液体である。吸引装置100Aがネブライザー等の医療用吸入器である場合、エアロゾル源はまた、患者が吸入するための薬剤を含んでもよい。別の例として、エアロゾル源は、加熱することによって香喫味成分を放出するたばこ原料やたばこ原料由来の抽出物を含んでいてもよい。リザーバ116は、消費されたエアロゾル源を補充することができる構成を有してもよい。あるいは、リザーバ116は、エアロゾル源が消費された際にリザーバ116自体を交換することができるように構成されてもよい。また、エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体でも良い。エアロゾル源が固体の場合のリザーバ116は、例えば繊維状又は多孔質性の素材を用いない空洞の容器であっても良い。
霧化部118は、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成するように構成される。センサ112によって吸引動作が検知されると、霧化部118はエアロゾルを生成する。例えば、ウィック(図示せず)が、リザーバ116と霧化部118とを連結するように設けられてもよい。この場合、ウィックの一部はリザーバ116の内部に通じ、エアロゾル源と接触する。ウィックの他の一部は霧化部118へ延びる。エアロゾル源は、ウィックの毛細管効果によってリザーバ116から霧化部118へと運ばれる。一例として、霧化部118は、バッテリ110に電気的に接続されたヒータを備える。ヒータは、ウィックと接触又は近接するように配置される。吸引動作が検知されると、制御部106は、霧化部
118のヒータを制御し、ウィックを通じて運ばれたエアロゾル源を加熱することによって当該エアロゾル源を霧化する。霧化部118の別の例は、エアロゾル源を超音波振動によって霧化する超音波式霧化器であってもよい。霧化部118には空気取込流路120が接続され、空気取込流路120は吸引装置100の外部へ通じている。霧化部118において生成されたエアロゾルは、空気取込流路120を介して取り込まれた空気と混合される。エアロゾルと空気の混合流体は、矢印124で示されるように、エアロゾル流路121へと送り出される。エアロゾル流路121は、霧化部118において生成されたエアロゾルと空気との混合流体を吸口部122まで輸送するための管状構造を有する。
吸口部122は、エアロゾル流路121の終端に位置し、エアロゾル流路121を吸引装置100Aの外部に対して開放するように構成される。ユーザは、吸口部122を咥えて吸引することにより、エアロゾルを含んだ空気を口腔内へ取り込む。
通知部108は、LEDなどの発光素子、ディスプレイ、スピーカ、バイブレータなどを含んでもよい。通知部108は、必要に応じて、発光、表示、発声、振動などによって、ユーザに対して何らかの通知を行うように構成される。
バッテリ110は、通知部108、センサ112、メモリ114、霧化部118などの吸引装置100Aの各コンポーネントに電力を供給する。バッテリ110は、吸引装置100Aの所定のポート(図示せず)を介して外部電源に接続することにより充電することができてもよい。バッテリ110のみを第1の部材102又は吸引装置100Aから取り外すことができてもよく、新しいバッテリ110と交換することができてもよい。また、第1の部材102全体を新しい第1の部材102と交換することによってバッテリ110を新しいバッテリ110と交換することができてもよい。
センサ112は、空気取込流路120及び/又はエアロゾル流路121内の圧力の変動を検知する圧力センサ又は流量を検知する流量センサを含んでもよい。センサ112はまた、リザーバ116等のコンポーネントの重量を検知する重量センサを含んでもよい。センサ112はまた、吸引装置100Aを用いたユーザによるパフの回数を計数するように構成されてもよい。センサ112はまた、霧化部118への通電時間を積算するように構成されてもよい。センサ112はまた、リザーバ116内の液面の高さを検知するように構成されてもよい。センサ112はまた、バッテリ110のSOC(State of Charge,充電状態)、電流積算値、電圧などを検知するように構成されてもよい。電流積算値は、電流積算法やSOC−OCV(Open Circuit Voltage,開回路電圧)法等によって求められてもよい。センサ112はまた、ユーザが操作可能な操作ボタンなどであってもよい。
制御部106は、マイクロプロセッサ又はマイクロコンピュータとして構成された電子回路モジュールであってもよい。制御部106は、メモリ114に格納されたコンピュータ実行可能命令に従って吸引装置100Aの動作を制御するように構成されてもよい。メモリ114は、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの記憶媒体である。メモリ114には、上記のようなコンピュータ実行可能命令のほか、吸引装置100Aの制御に必要な設定データ等が格納されてもよい。例えば、メモリ114は、通知部108の制御方法(発光、発声、振動等の態様等)、センサ112により検知された値、霧化部118の加熱履歴等の様々なデータを格納してもよい。制御部106は、必要に応じてメモリ114からデータを読み出して吸引装置100Aの制御に利用し、必要に応じてデータをメモリ114に格納する。
図1Bは、本開示の一実施形態に係る吸引装置100Bの構成の概略的なブロック図である。
図示されるように、吸引装置100Bは、図1Aの吸引装置100Aが備える構成に加えて、第3の部材126を備える。第3の部材126は、香味源128を含んでもよい。一例として、吸引装置100Bが電子たばこである場合、香味源128は、たばこに含まれる香喫味成分を含んでもよい。図示されるように、エアロゾル流路121は、第2の部材104及び第3の部材126にわたって延在する。吸口部122は、第3の部材126に備えられる。
香味源128は、エアロゾルに香味を付与するためのコンポーネントである。香味源128は、エアロゾル流路121の途中に配置される。霧化部118によって生成されたエアロゾルと空気との混合流体(以下、混合流体を単にエアロゾルと呼称する場合もあることに留意されたい)は、エアロゾル流路121を通って吸口部122まで流れる。このように、香味源128は、エアロゾルの流れに関して霧化部118よりも下流に設けられている。換言すれば、霧化部118よりも香味源128の方が、エアロゾル流路121の中で吸口部122に近い側に位置する。したがって、霧化部118によって生成されたエアロゾルは、香味源128を通過してから吸口部122へ達する。エアロゾルが香味源128を通過する際、香味源128に含まれる香喫味成分がエアロゾルに付与される。一例として、吸引装置100Bが電子たばこである場合、香味源128は、刻みたばこ、又はたばこ原料を粒状、シート状もしくは粉末状に成形した加工物などの、たばこ由来のものであってもよい。香味源128はまた、たばこ以外の植物(例えばミントやハーブ等)から作られた非たばこ由来のものであってもよい。一例として、香味源128は、ニコチン成分を含む。香味源128は、メントールなどの香料成分を含有してもよい。香味源128に加えて、リザーバ116も香喫味成分を含んだ物質を有してもよい。例えば、吸引装置100Bは、香味源128にたばこ由来の香味物質を保持し、リザーバ116には非たばこ由来の香味物質を含むように構成されてもよい。
ユーザは、吸口部122を咥えて吸引することにより、香味が付与されたエアロゾルを含んだ空気を口腔内へ取り込むことができる。
制御部106は、本開示の実施形態に係る吸引装置100A及び100B(以下、まとめて「吸引装置100」と呼ぶことがある)を様々な方法で制御するように構成される。以下、各実施形態について詳しく説明する。
<第1の実施形態>
図2は、本開示の第1の実施形態による吸引装置100の基本的な動作を示すフローチャートである。以下では、制御部106が図2に示されるすべてのステップを実行するものとして説明を行う。しかし、図2の一部のステップが吸引装置100内の別のコンポーネントによって実行されてもよいことに留意されたい。
ステップ202において、制御部106は、吸引装置100の要素の容量を検知又は推定する。ここで、「要素」とは、蓄積した容量を消費することにより、エアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルの生成に寄与するように構成されるコンポーネントを意味する。一例として、図1Aに示される吸引装置100Aの構成を有する電子たばこの場合、第1の部材102はバッテリ110を含むバッテリ収容部とすることができ、第2の部材104はリザーバ116を含むカートリッジとすることができる。この場合、バッテリ収容部(又はバッテリ110)及びカートリッジ(又はリザーバ116)が上記「要素」に該当する。ここで、「容量」とは、バッテリ110の残量、リザーバ116に含まれるエアロゾル源の残量等を意味する。別の例として、図1Bに示される吸引装置100Bの構成を有する電子たばこの場合、第1の部材102はバッテリ110を含むバッテリ収容部とすることができ、第2の部材104はリザーバ116を含むカートリッジとすることがで
き、第3の部材126は香味源128を含むカプセルとすることができる。この場合、バッテリ収容部(又はバッテリ110)、カートリッジ(又はリザーバ116)及びカプセル(又は香味源128)が「要素」に該当する。ここで、「容量」とは、バッテリ110の残量、リザーバ116内のエアロゾル源の残量、香味源128に含まれる香喫味成分やエアロゾル源の残量等を意味する。香味源128やリザーバ116の体積、重量等は、吸引装置100の使用に伴って増加し得る。したがって、香味源128やリザーバ116の体積、重量等が必ずしも「容量」に相当しないことに留意されたい。
要素の容量は様々な方法で検知又は推定することができる。一例において、センサ112は、重量センサであってもよい。この場合、制御部106は、センサ112を用いて要素の重量(例えば、リザーバ116に含まれるエアロゾル源が液体やたばこである場合における、当該液体やたばこの重量)を検知し、検知された重量を当該要素の容量と判断してもよい。別の例において、センサ112は、(リザーバ116に含まれるエアロゾル源などの)液面の高さを検知することができてもよい。この場合、制御部106は、センサ112を用いて要素の液面の高さを検知し、検知された液面の高さに基づいて当該要素の容量を推定してもよい。別の例において、メモリ114は、霧化部118に対する通電時間の積算値を格納してもよい。この場合、制御部106は、メモリ114から取得された積算通電時間に基づいて、要素の容量(例えば、リザーバ116に含まれるエアロゾル源の残量、たばこの香喫味成分の残量、香味源128に含まれる香喫味成分の残量等)を推定してもよい。別の例において、メモリ114は、ユーザが吸引装置100に対して行った吸引(電子たばこの例においては「パフ」)の回数を格納してもよい。この場合、制御部106は、メモリ114から取得された吸引回数に基づいて、要素の容量を推定してもよい。別の例において、メモリ114は、霧化部118の加熱履歴に関するデータを格納してもよい。この場合、制御部106は、メモリ114から取得された当該データに基づいて、要素の容量を推定してもよい。別の例において、メモリ114は、バッテリ110のSOC(State of Charge,充電状態)、電流積算値及び/又は電圧に関するデータを格納してもよい。センサ112がこれらの値を検知してもよい。この場合、制御部106は、これらのデータに基づいて、要素(特に、バッテリ110)の容量を検知又は推定することができる。
ステップ204において、制御部106は、ステップ202において検知又は推定された要素の容量が閾値未満であるか否かを判定する。当該閾値はメモリ114に格納されていてもよく、制御部106は閾値をメモリ114から取得してもよい。容量が閾値未満でない場合(ステップ204の「No」)、処理はステップ202の前に戻る。容量が閾値未満である場合(ステップ204の「Yes」)、処理はステップ206に進む。
ステップ206において、制御部106は、既定の変数を検知する。一例において、センサ112が、空気取込流路120及び/又はエアロゾル流路121内の圧力を検知する圧力センサを含む場合、既定の変数は圧力であってもよい。別の例において、センサ112が、空気取込流路120及び/又はエアロゾル流路121内の圧力に代えて、流路内の流量を検知する流量センサを含む場合、既定の変数は流量であってもよい。別の例において、吸引装置100が駆動用のボタン(図示せず)を備えている場合、既定の変数は、当該ボタンが押されたことを示す、応力や電流値などであってもよい。
なお、センサ112は、複数のセンサを含んでいてもよく、当該複数のセンサのうちの少なくとも2つは、異なる物理量を検出してもよい。ステップ202において、制御部106は、吸引装置100の要素の容量を検知又は推定するために、複数のセンサのうち一部を用いてもよい。さらにステップ206において、制御部106は、既定の変数を検知するために、複数のセンサのうち異なる一部を用いてもよい。
ステップ208において、制御部106は、ステップ206において検知された変数が既定の条件を満たすか否かを判定する。ここで、既定の条件とは、吸引装置100においてエアロゾルの生成を要求するために必要な条件とすることができる。一例において、変数が圧力又は流量である場合、既定の条件は、既定の継続時間を超えて圧力又は流量が検知されることであってもよい。別の例において、変数が圧力又は流量である場合、既定の条件は、既定の値を超える絶対値を有する圧力又は流量が検知されることであってもよい。変数が圧力以外の他の値である実施形態においても、様々な条件を既定の条件として設定することが理解されよう。検知された変数が既定の条件を満たさない場合(ステップ208の「No」)、処理はステップ206の前に戻る。検知された変数が既定の条件を満たす場合(ステップ208の「Yes」)、処理はステップ210に進む。
ステップ210において、制御部106は、ユーザ(すなわち、吸引装置100の吸引者)に対して所定の通知を行う。例えば、制御部106は、通知部108を所定の態様を有する第1モードで機能させる。一例において、通知部108がLEDを含む場合、制御部106は、所定の態様(例えば、点滅)でLEDを動作させてもよい、別の例において、通知部108がディスプレイを含む場合、制御部106は、要素の交換、充填、充電等(以下、必要に応じて「交換等」と呼ぶ)が必要であることを示す所定の表示を行うよう、ディスプレイを動作させてもよい。別の例として、通知部108がスピーカを含む場合、制御部106は、所定の音声を出力するよう、スピーカを動作させてもよい。
図3は、本実施形態による吸引装置100の動作の例を詳細に示すフローチャートである。以下では、制御部106が図3に示されるすべてのステップを実行するものとして説明を行う。しかし、図3の一部のステップが吸引装置100内の別のコンポーネントによって実行されてもよいことに留意されたい。ここでは、吸引装置が図1Bに示す吸引装置100Bの構成を有し、吸引装置100Bの第3の部材126(香味源128を含む)が図2に関連して説明した「要素」であるものとして説明を行う。しかし、本開示の実施形態はこのような構成に限定されず、第1の部材102(又はバッテリ110)や第2の部材104(又はリザーバ116)が「要素」であってもよいことに留意されたい。
処理はステップ302において開始する。ステップ302において、制御部106は、ユーザによる吸引装置100のパフの開始を検知したか否かを判定する。一例として、センサ112が圧力センサ又は流量センサを含む場合、制御部106は、センサ112から取得された圧力又は流量が既定の値を超えたときに、パフが開始されたと判定してもよい。制御部106はまた、センサ112により圧力が検知される継続時間が既定の継続時間を超えるときに、パフが開始されたと判定してもよい。別の例において、制御部106は、吸引装置100が開始用のボタンを備えており、当該ボタンが押された場合に、パフが開始されたと判定してもよい。パフの開始が検知されない場合(ステップ302の「No」)、処理はステップ302の前に戻る。パフの開始が検知された場合(ステップ302の「Yes」)、処理はステップ304に進む。
ステップ304において、制御部106は、バッテリ110の電圧が放電終止電圧(例えば、3.2V)より大きいか否かを判定する。バッテリ110の電圧が放電終止電圧以下である場合(ステップ304の「No」)、処理はステップ306に進む。ステップ306において、制御部106は、通知部108を第3モードで機能させる。一例において、通知部108がLEDを含む場合、第3モードは、LEDを赤色で点滅させることを含んでもよい。他方、バッテリ110の電圧が放電終止電圧より大きい場合(ステップ304の「Yes」)、処理はステップ308に進む。
ステップ308において、制御部106は、バッテリ110の電圧が満充電電圧から所定値Δを差し引いた値以下であるか否かを判定する。バッテリ110の電圧が満充電電圧
−Δ以下でない場合(ステップ308の「No」)、満充電電圧−Δ<バッテリ電圧≦満充電電圧という関係になる。このとき、処理はステップ310に進む。ステップ310において、制御部106は、定電力制御によって霧化部118に通電する。例えば、制御部106は、バッテリ110から霧化部118に供給される電力に対してパルス幅変調(PWM)を行い、霧化部118に供給される電力値が一定になるように、バッテリ110の出力電圧の変化に応じて、パルス幅を調整してもよい。なお、制御部106はパルス幅変調(PWM)制御に代えて、パルス周波数変調(PFM)制御を行ってもよい。他方、バッテリ110の電圧が満充電電圧−Δ以下である場合(ステップ308の「Yes」)、処理はステップ312に進む。ステップ312において、制御部106は、バッテリ110からの電力に対してパルス幅変調を行わず、デューティ比=100%で霧化部118に通電する。
処理はステップ314に進み、制御部106は、通知部108を第2モードで機能させる。一例において、通知部108がLEDを含む場合、制御部106は、当該LEDを青色で点灯させてもよい。
処理はステップ316に進み、制御部106は、メモリ114や制御部106等に格納され得る吸引時間(TL)を0に設定する。
処理はステップ318に進み、制御部106は、所定の時間Δtが経過するまで待ち、TL=TL+Δtに設定する。
処理はステップ320に進み、制御部106は、パフの終了を検知したか否かを判定する。一例において、センサ112が圧力センサを含む場合、制御部106は、センサ112から取得された圧力が所定の値以下になったときに、パフが終了したと判定してもよい。パフの終了が検知された場合(ステップ320の「Yes」)、処理はステップ324に進む。パフの終了が検知されない場合(ステップ320の「No」)、処理はステップ322に進み、制御部106は、TLが所定の上限時間以上であるか否かを判定する。TLが所定の上限時間以上でない場合(ステップ322の「No」)、処理はステップ318の前に戻る。TLが所定の上限時間以上である場合(ステップ322の「Yes」)、処理はステップ324に進む。
ステップ324において、制御部106は、バッテリ110と霧化部118を結ぶ電気回路内に設けられたスイッチを制御するなどして、霧化部118への通電を停止する。
処理はステップ326に進み、制御部106は、通知部108の機能を停止する。一例において、制御部106は、青色で点灯していた通知部108のLEDをオフにする。
なお、パフの終了が検知されず(ステップ320の「No」)かつTLが所定の上限時間以上である(ステップ322「Yes」)場合、制御部106はステップ324において霧化部118への通電を停止した後、パフの終了を検知するまで、第2モード(例えば、通常の吸引時のモード)での通知部108の機能を継続してもよい。その後、ステップ326において、制御部106は通知部108の機能を停止する。パフが継続する限り通知部108が第2モードで機能し続けるため、エアロゾル生成を停止したうえで、ユーザが違和感を抱くようなユーザエクスペリエンスの低下を抑制できる。
処理はステップ328に進み、制御部106は、メモリ114や制御部106等に格納され得る積算時間TAをTA=TA+TLに設定する。
処理はステップ330に進む。ステップ330は、図2のステップ204の一例である
。ステップ330において、制御部106は、TAが所定の閾値時間より大きいか否かを判定する。当該閾値時間は、吸引装置100Bの要素(この例では、第3の部材126又は香味源128)の容量(この例では、香味源128に含まれる香喫味成分の残量)が、十分な香味が付与されたエアロゾルを生成するのに必要な値を下回ると推定される、吸引装置100Bに対する吸引の積算時間とすることができる。閾値時間は、予めメモリ114等に格納されていてもよい。
TAが閾値時間以下である場合(ステップ330の「No」)、処理はステップ302の前に戻る。TAが閾値時間より大きい場合(ステップ330の「Yes」)、処理はステップ332に進む。
ステップ332及び/又は334は、図2のステップ208の一例である。ステップ332において、制御部106は、パフの開始が検知されたか否かを判定する。一例において、センサ112が圧力センサ又は流量センサを含む場合、制御部106は、センサ112から取得された圧力又は流量が既定の値を超える絶対値を有するときに、パフが開始されたと判定してもよい。
パフの開始が検知されない場合(ステップ332の「No」)、処理はステップ332の前に戻る。すなわち、制御部106は、パフの開始が検知されるのを待つ。パフの開始が検知された場合(ステップ332の「Yes」)、処理はステップ334に進む。
ステップ334において、制御部106は、パフが所定の時間(例えば、1秒)にわたって継続したか否かを判定する。当該所定の時間はメモリ114に格納されていてもよい。パフが所定の時間にわたって継続しない場合(ステップ334の「No」)、処理はステップ332の前に戻る。パフが所定の時間にわたって継続した場合(ステップ334の「Yes」)、処理はステップ336に進む。ステップ334を実行することによって、バックグラウンドノイズの発生に起因してステップ332においてパフの開始が検知されたと誤って判定された場合でも、以降の処理が実行されるのを防ぐことができる。
ステップ332及び334の処理は、両方とも実行されてもよいし、一方のみが実行されてもよい。
制御部106は、ステップ332及び334を実行するように構成されるので、積算時間の超過のみならず、その後のパフ検知に基づいて、通知部108を第1モードで機能させることができる。したがって、ユーザが吸引装置100を用いた喫煙等をしようとしたタイミングで通知部108が第1モードで機能するので、ユーザは、容量が少なくなった要素を交換等しなければならないことに気付きやすくなる。
ステップ336において、制御部106は、霧化部118への通電を禁止する。なお、ステップ336の処理は、ステップ330とステップ332との間に行われてもよい。
処理はステップ338に進み、制御部106は、通知部108を第1モードで機能させる。制御部106は、通知部108を第1モードで機能させるとき、霧化部118への通電を禁止しているので、エアロゾルの生成を停止しておくことができる。エアロゾルの生成を停止するために、制御部106は、センサ112を不能化したり、霧化部118への給電回路を開放したりしてもよい。エアロゾルの生成を停止することにより、ユーザの注意が喚起されるので、ユーザは、要素の交換等が必要であることに一層気付きやすくなる。加えて、要素の容量が不足したときに不完全なエアロゾルが生成することを防ぐことができるので、ユーザの吸引体験が損なわれることを防止することができる。一例において、通知部108がLEDである場合、第1モードは、LEDを青色で点滅させることを含んでもよい。制御部106は、要素の容量が不足していることにユーザが気付くことがで
きるよう、通知部108をある程度長い時間(例えば、40秒)にわたって機能させてもよい。
ステップ338において通知部108を第1モードで機能させるための条件であるステップ332とステップ334の条件は、ステップ314において通知部108を第2モードで機能させるための条件であるステップ302の条件よりも厳しくてもよい。あるいは、ステップ332とステップ334の条件が満たされる可能性は、ステップ302の条件が満たされる可能性よりも低くてもよい。例えば、ステップ334の判定に用いられる上記の既定の値は、ステップ302の判定に用いられる既定の値よりも大きくてもよい。上記のステップ334を実行することで、ステップ332とステップ334を通し、少なくともステップ334の上記の所定の時間に亘るパフの継続が求められるため、ステップ338において通知部108を第1モードで機能させるための条件であるステップ332とステップ334におけるパフの判定に用いられる継続時間は、ステップ314において通知部108を第2モードで機能させるための条件であるステップ302の判定に用いられる継続時間より長くてもよい。これらの特徴により、通常の吸引時においては、ユーザのパフ動作に対するエアロゾル生成の応答を良くして、違和感がない吸引体験を提供することができる。また、通知部108が第1モードで機能しなければならないときに、バックグラウンドノイズに起因して吸引装置100が誤って通常動作をしてしまうことを防止できる。また、霧化部118への通電時と比べて長い時間パフを行ってもエアロゾルが生成されず、その後にステップ338で通知を行うため、ユーザが吸引装置100の動作に疑問を持った状態、換言すればユーザが吸引装置100に注意を向けている状態で、容量の回復が必要であることをユーザに気づかせることができる。
通知部108がLED等の発光素子を含む場合、ステップ338の第1モード及びステップ314の第2モードにおいて、発光素子の発光色は同一であってもよい。例えば、両方の発光色が青色であってもよい。このとき、第1モード及び第2モードにおいて、発光素子の発光態様は異なってもよい。例えば、発光素子は、第1モードにおいて点滅し、第2モードにおいて定常的に点灯してもよい。また、別の例において、第1モード及び第2モードにおいて発光素子の発光色が異なり、発光素子の発光態様が同一であってもよい。さらに別の例において、第1モード及び第2モードにおいて、発光素子の発光色及び発光態様の両方が異なってもよい。これらの特徴により、発光素子が通常とは異なる動作をしたときに、吸引に関する何らかの異常が生じたことをユーザが認識することができるので、要素の交換等をユーザに促しやすくなる。
処理はステップ340に進み、制御部106は、霧化部118への通電の禁止を解除する。このとき、制御部106は、要素の容量が所定の値(例えば、エアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルを生成するのに十分な値)に戻ったと推定してもよい。ユーザが見落としにくい通知が既に通知部108によって行われているので、第1モードでの通知部108の機能の完了後は、容量が不足していた要素が交換等されている蓋然性が高い。このため、要素の交換等が行われたか否かを検知する目的のためだけに用いられる、嵌合検知やスイッチのための制御ロジックや素子を使用する必要がなくなる。また、積算時間や交換回数のカウントの精度を向上させることができる。
処理はステップ342に進み、制御部106は、要素の容量が所定の値に戻った回数(N)を計数する。Nはメモリ114に格納されていてもよい。制御部106は、Nを1だけ増分してもよい。この特徴により、要素の交換等が行われたか否かを検知する目的のためだけに用いられる、嵌合検知やスイッチのための制御ロジックや素子を使用することなく、吸引装置100の製品寿命や他の要素の消耗度合などを推定するのに有用なパラメータである上記要素の交換回数を計数することができる。なお、Nは必ずしも整数である必要は無く、代わりに実数を用いてもよい。また、Nを特定の値と比較する場合は、Nの次
元はパーセント(%)でもよい。
処理はステップ344に進み、制御部106は、積算時間TAをリセット(0に設定)する。処理はステップ302の前に戻る。
図1A及び図1Bに関して述べたように、吸引装置100は、複数の要素を含んでもよい。例えば、吸引装置100Aは、第1の部材(例えば、バッテリ収容部)102(又はバッテリ110)及び第2の部材(例えば、カートリッジ)104(又はリザーバ116)を要素として含む。吸引装置100Bは、さらに第3の部材(例えば、カプセル)126(又は香味源128)を要素として含む。制御部106は、複数の要素のうち、エアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルを継続して生成するのに必要な容量を有する状態に戻すための作業が行われる頻度が最も高い要素のみに関して、図2に示す処理や、図3のステップ328から344の処理を実行してもよい。例えば、図1Aの例において、第2の部材104(又はリザーバ116)の交換頻度が第1の部材102内のバッテリ110の充電の頻度よりも高い場合、制御部106は、第2の部材104の容量が所定の閾値未満であり(ステップ204の「Yes」)、且つ、(センサ112によって検知された圧力又は流量などの)変数がエアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルの生成を要求するための既定の条件を満たす場合(ステップ208の「Yes」)にのみ、第1モードで通知部108を機能させるように構成されてもよい。同様に、図1Bの例において、第3の部材126(又は香味源128)を第1の部材102及び第2の部材104よりも頻繁に交換する必要がある場合、制御部106は、第3の部材126のみに関して、図2の処理を実行してもよい。この特徴により、通知部108が通常とは異なる動作をしたときに、吸引に関して最も交換頻度の高い要素に何らかの操作が必要なことをユーザが認識することができるので、ユーザに対して当該要素の交換等を促しやすくなる。
図3に関連して述べたように、制御部106は、第1モードを含む複数のモード(第1、第2及び第3モード)で通知部108を機能させるように構成されてもよい。この場合、制御部106は、これら複数のモードのうちの第1モードにおいて、通知部108を最も長い時間にわたって機能させてもよい。この特徴により、要素の交換等を要請するときの通知部108の動作時間が他の状況における通知部108の動作時間よりも長くなるので、要素の交換等が必要であることをユーザが見逃す可能性を低減できる。
吸引装置100が複数の要素を含む場合、制御部106は、吸引装置100から少なくとも1つの要素が取り外された場合に、通知部108の機能を中断するように構成されてもよい。例えば、吸引装置が図1Aに示す吸引装置100Aの構成を有し、第2の部材104が取り外し可能である場合、制御部106は、第2の部材104が取り外された場合に通知部108の機能を中断してもよい。同様に、吸引装置が図1Bに示す吸引装置100Bの構成を有し、第2の部材104及び第3の部材126が取り外し可能である場合、制御部106は、これらの部材のうち1つ又は両方が取り外された場合に通知部108の機能を中断してもよい。このような吸引装置100から少なくとも1つの要素が取り外された状態では、すでにユーザが通知部108の通知を認識した状態と見做せる。よって、通知部108の機能を中断すれば、バッテリ110の電力の浪費を回避できる。
なお、制御部106は図3に示されるステップの一部を省略しても良いし、また一部のステップの順序を入れ替えても良い。例えばステップ306において通知部を第3モードで機能させる前にステップ302においてパフの開始を検知したか否かを判定しなくても良い。換言すれば、ステップ304において制御部がバッテリ110の電圧が放電終止電圧以下か否かを判定した後に、制御部はステップ302を実行しても良い。本実施形態では、ステップ306においてバッテリ110に関して通知部108を第3モードで機能させるために満たされるべき条件は、バッテリ110の電圧が放電終止電圧以下であるとい
う1つの要件のみが含まれることが明確であろう。
または、制御部106はステップ302以降の処理で、常にステップ304の判定をし続けても良い。つまりステップ308から344を実行する過程で、制御部106が検知するバッテリ110の電圧が放電終止電圧以下になったら(ステップ304が「Yes」)、割り込み処理としてステップ306を実行し、制御部106は通知部108を第3モードで機能させる。本実施形態では、ステップ306においてバッテリ110に関して通知部108を第3モードで機能させるために満たされるべき条件に、ステップ302におけるパフの検知を開始したか否かという要件が含まれる。しかしこの要件はステップ302において「Yes」と判断された後のステップのいずれかでステップ304が満たされれば良いという比較的緩いものである。これに対し、ステップ338において通知部108を第1モードで機能させるために満たされるべき条件は、ステップ330において制御部106が、積算時間TAが所定の閾値時間より大きいと判定(ステップ330が「Yes」)した直後に、制御部106がステップ332とステップ334に関して「Yes」と判定したという比較的厳しい要件を含む。換言すれば、ステップ306はエアロゾル生成中にも実行され得る処理であるのに対して、ステップ338はエアロゾル生成中には満たされ得ない処理である。
上述の説明において、本開示の第1の実施形態は、図1A又は図1Bに示す構成を有する吸引装置及び図2又は図3に示す方法として説明された。しかし、本開示が、プロセッサにより実行されると、当該プロセッサに、図2もしくは図3に示す方法を実行させるプログラム、又は当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として実施され得ることが理解されよう。
<第2の実施形態>
図4は、本開示の第2の実施形態による吸引装置100の基本的な動作を示すフローチャートである。以下では、制御部106が図4に示されるすべてのステップを実行するものとして説明を行う。しかし、図4の一部のステップが吸引装置100内の別のコンポーネントによって実行されてもよいことに留意されたい。
処理はステップ402において開始し、制御部106は、吸引装置100の複数の要素のうちのそれぞれの要素について、容量を検知又は推定する。「要素」及び「容量」という用語の意味は、第1の実施形態に関連して既に説明された。本実施形態において、吸引装置100は、複数の要素を備える。例えば、図1Aに示す吸引装置100Aは、第1の部材(例えば、バッテリ収容部)102(又はバッテリ110)及び第2の部材(例えば、カートリッジ)104(又はリザーバ116)を要素として有する。図1Bに示す吸引装置100Bは、これら2つの要素に加えて、第3の部材(例えば、カプセル)126(又は香味源128)を要素として有する。第1の実施形態に関連して既に説明したように、要素の容量は様々な方法で検知又は推定することができる。複数の要素のうちの少なくとも1つの要素(例えば、第1の部材102のバッテリ110)の容量は、複数の要素のうちの少なくとも1つの別の要素(例えば、第3の部材(カプセル)126)の容量とは異なる方法で検知又は推定することができる。また、複数の要素のうちの少なくとも1つの要素の容量は、複数の要素のうちの少なくとも1つの別の要素の容量と同じ方法で検知又は推定することができる。例えば、カプセル126の容量及びカートリッジ104の容量の両方は、霧化部118への累積通電時間又は累積電力量に基づいて検知又は推定されてもよい。また、バッテリ110の容量及びカートリッジ104の容量の両方は、累積電流値に基づいて検知又は推定されてもよい。
処理はステップ404に進む。ステップ404において、制御部106は、ステップ402において検知又は推定された要素の容量が該要素について設定された閾値以下である
という要件を含む、該要素について設定された既定の条件が満たされるか否かを判定する。各要素について設定された閾値及び既定の条件は、当該要素と関連付けてメモリ114に格納されていてもよい。制御部106は当該閾値及び既定の条件をメモリ114から取得してもよい。複数の要素のうちの少なくとも1つの要素に関して、上記の既定の条件は、要素の容量が閾値以下であるという要件に加えて、他の要件を含んでもよい。例えば、少なくとも1つの要素に関して、既定の条件は、吸引装置100において検知された既定の変数が既定の要件を満たすという要件をさらに含んでもよい。一例において、センサ112が、空気取込流路120及び/又はエアロゾル流路121内の圧力を検知する圧力センサ又は流量を検知する流量センサである場合、既定の変数は圧力又は流量であってもよい。別の例において、吸引装置100が駆動用のボタン(図示せず)を備えている場合、既定の変数は、当該ボタンが押されたことを示す、応力や電流値などであってもよい。
既定の条件が満たされない場合(ステップ404の「No」)、処理はステップ402の前に戻る。既定の条件が満たされる場合(ステップ404の「Yes」)、処理はステップ406に進む。ステップ406において、制御部106は、ユーザ(すなわち、吸引装置100の吸引者)に対して所定の通知を行う。例えば、制御部106は、通知部108を所定の態様で機能させる。一例において、第1の部材102(又はバッテリ110)に設定された既定の条件が満たされる場合、制御部106は、通知部108を特定の態様で機能させてもよい。別の例において、第2の部材104(又はリザーバ116)に設定された既定の条件が満たされる場合、制御部106は、通知部108を別の態様で機能させてもよい。さらに別の例において、第3の部材126(又は香味源128)に設定された既定の条件が満たされる場合、制御部106は、通知部108をさらに別の態様で機能させてもよい。ステップ406の通知は、要素の交換、充填、充電等(以下、必要に応じて「交換等」と呼ぶ)が必要であることをユーザに伝えるために行われる。
ステップ402において判定される既定の条件は、吸引装置100が備える複数の要素のうち、エアロゾル又は香味が付与されたエアロゾル(以下、まとめて「エアロゾル」と呼ぶことがある)を継続して生成するのに必要な容量を有する状態に戻すための作業が行われる頻度が高いものほど厳しい。一例において、既定の条件は、複数の要素のうち、当該頻度が高いものほど、満たされる可能性が低い。別の例において、既定の条件は、複数の要素のうち、当該頻度が高いものほど、多くの要件を含む。例えば、吸引装置が図1Aに示す吸引装置100Aの構成を有し、第2の部材104(又はリザーバ116)の交換頻度が第1の部材102内のバッテリ110の充電の頻度よりも高い場合、第2の部材104に対して設定される既定の条件は、第1の部材102のバッテリ110に対して設定される既定の条件よりも厳しい。また、吸引装置が図1Bに示す吸引装置100Bの構成を有し、第3の部材126(又は香味源128)の交換頻度が最も高く、次いで第2の部材104の交換頻度が高く、第1の部材102のバッテリ110の充電頻度が最も低い場合、第3の部材126に対して設定される既定の条件が最も厳しく、次いで第2の部材104に対して設定される既定の条件が厳しく、第1の部材102のバッテリ110に対して設定される既定の条件が最も緩くてもよい。さらに、図1Bの構成において、第1の部材102のバッテリ110及び第3の部材126にのみ既定の条件が設定されており、第2の部材104については何らの条件も設定されていなくてもよい。この場合、ステップ402において、バッテリ110の容量及び第3の部材126の容量のみが検知又は推定され、ステップ404において、バッテリ110及び第3の部材126について設定された既定の条件のみが判定される。第3の部材126の交換頻度が第1の部材102のバッテリ110の充電頻度よりも高い場合、第3の部材126に設定される条件はバッテリ110に設定される条件よりも厳しい。
本実施形態において、吸引装置100は、複数の同じ要素又は複数の同種の要素を備えてもよい。例えば、図1Bに示す吸引装置100Bは、複数の第3の部材(例えば、第1
及び第2のカプセル)126(又は第1及び第2の香味源)を収容できるように構成されてもよい。この例において、第1及び第2のカプセルは、同じ最大容量を有する同じ種類の香味源を含んでもよいし、異なる最大容量を有する同じ種類の香味源を含んでもよいし、同じ最大容量を有する異なる種類の香味源を含んでもよいし、異なる最大容量を有する異なる種類の香味源を含んでもよい。この例では、ステップ402において、第1のカプセルの容量及び第2のカプセルの容量は、同じ方法で検知又は推定されてもよい。第1のカプセルの交換頻度が第2のカプセルの交換頻度よりも高い場合、ステップ404において判定される、第1のカプセルに設定される既定の条件は、第2のカプセルに設定される既定の条件よりも厳しい。吸引装置100が複数のバッテリ110及び/又は複数の第2の部材(例えば、カートリッジ)104(又はリザーバ116)を備える場合にも、図4の実施形態の処理を適用できることが理解されよう。
図5は、本開示の第2の実施形態による吸引装置100の別の基本的な動作を示すフローチャートである。
処理はステップ502において開始する。ステップ502の処理はステップ402の処理と同様である。
処理はステップ504に進み、制御部106は、ステップ502において検知又は推定された要素の容量が該要素について設定された閾値以下であるか否かを判定する。容量が閾値以下でない場合(ステップ504の「No」)、処理はステップ502の前に戻る。容量が閾値以下である場合(ステップ504の「Yes」)、処理はステップ506に進む。
ステップ506において、制御部106は、ステップ504において容量が閾値以下と判定された要素について設定された既定の条件が満たされるか否かを判定する。「既定の条件」については図4に関連して既に説明されたので、ここでは説明を省略する。既定の条件が満たされない場合(ステップ506の「No」)、処理はステップ506の前に戻る。既定の条件が満たされる場合(ステップ506の「Yes」)、処理はステップ508に進む。ステップ508の処理はステップ406の処理と同様である。
図5に示す実施形態においても、図4の場合と同様に、ステップ506において判定される既定の条件は、吸引装置100が備える複数の要素のうち、エアロゾルを継続して生成するのに必要な容量を有する状態に戻すための作業が行われる頻度が高いものほど厳しい。また、吸引装置100は、複数の同じ要素又は複数の同種の要素を備えてもよい。
図6は、本実施形態による吸引装置100の動作の例を詳細に示すフローチャートである。以下では、制御部106が図6に示されるすべてのステップを実行するものとして説明を行う。しかし、図6の一部のステップが吸引装置100内の別のコンポーネントによって実行されてもよいことに留意されたい。ここでは、吸引装置が図1Bに示す吸引装置100Bの構成を有し、吸引装置100Bの第1の部材(例えば、バッテリ収容部)102(又はバッテリ110)、第2の部材(例えば、カートリッジ)104(又はリザーバ116)及び第3の部材(例えば、カプセル)126(又は香味源128)が図4及び図5における「要素」であるものとして説明を行う。既に述べたように、複数の同じ要素や複数の同様の要素が存在してもよいことに留意されたい。なお、図6の実施形態では、第1の部材102(又はバッテリ110)及び第3の部材(カプセル)126(又は香味源128)のみについて、閾値や既定の条件に関する判定がなされ、第2の部材(カートリッジ)104(例えば、リザーバ116)についてはこうした判定がなされない。すなわち、図6の実施形態は、第2の部材104が閾値や既定の条件を満たさない場合、及び第2の部材104に対して閾値や既定の条件が設定されていない場合も含み得る。ここで、
吸引装置100Bの要素であるバッテリ110及びカプセル126のうち、エアロゾルを継続して生成するのに必要な容量を有する状態に戻すための作業が行われる頻度は、カプセル126の方が高いものとする。一例において、カプセル126が10回交換される間に、バッテリ110は1回充電されればよい。
処理はステップ602において開始する。ステップ602において、制御部106は、ユーザによる吸引装置100のパフの開始を検知したか否かを判定する。一例として、センサ112が圧力センサ又は流量センサを含む場合、制御部106は、センサ112から取得された圧力又は流量が既定の値を超えたときに、パフが開始されたと判定してもよい。制御部106はまた、センサ112により圧力又は流量が検知される継続時間が既定の継続時間を超えるときに、パフが開始されたと判定してもよい。別の例において、制御部106は、吸引装置100が開始用のボタンを備えており、当該ボタンが押された場合に、パフが開始されたと判定してもよい。パフの開始が検知されない場合(ステップ602の「No」)、処理はステップ602の前に戻る。パフの開始が検知された場合(ステップ602の「Yes」)、処理はステップ604に進む。
ステップ604は、吸引装置100Bの1つの要素としてのバッテリ110に関する図4のステップ404又は図5のステップ504(及びステップ506)の一例である。ステップ604において、制御部106は、バッテリ110の電圧が閾値(放電終止電圧(例えば、3.2V)等)より大きいか否かを判定する。バッテリ110の電圧が放電終止電圧以下である場合(ステップ604の「No」)、処理はステップ606に進む。ステップ606は、バッテリ110に関する図4のステップ406又は図5のステップ508の一例である。ステップ606において、制御部106は、通知部108を第1の態様で機能させる。一例において、通知部108がLEDを含む場合、第1の態様は、LEDを赤色で5.4秒間点滅させることを含んでもよい。その後、処理は終了する。他方、バッテリ110の電圧が放電終止電圧より大きい場合(ステップ604の「Yes」)、処理はステップ608に進む。
ステップ608から612の処理は図3のステップ308から312の処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。
処理はステップ614に進み、制御部106は、通知部108を第2の態様で機能させる。第2の態様は、ユーザが吸引装置100Bを用いて正常な吸引を行っているときの通知部108の動作態様である。一例において、通知部108がLEDを含む場合、ステップ614において、制御部106は、当該LEDを青色で定常的に点灯させてもよい。
ステップ616から628の処理は図3のステップ316から328の処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。
ステップ630から634は、吸引装置100Bの1つの要素としての第3の部材(カプセル)126に関する図4のステップ404又は図5のステップ504及び506の一例である。ステップ630において、制御部106は、積算時間TAが所定の閾値時間より大きいか否かを判定する。当該閾値時間は、カプセル126の容量(例えば、香味源128に含まれる香喫味成分の残量)が、十分な香味が付与されたエアロゾルを生成するのに必要な値を下回ると推定される、吸引装置100Bに対する吸引の積算時間とすることができる。閾値時間は、予めメモリ114等に格納されていてもよい。TAが閾値時間以下である場合(ステップ630の「No」)、カプセル126の容量がカプセル126について設定された閾値より大きいと判定されたことになり、処理はステップ602の前に戻る。TAが閾値時間より大きい場合(ステップ630の「Yes」)、カプセル126の容量がカプセル126について設定された閾値以下であると判定されたことになり、処
理はステップ632に進む。
ステップ632において、制御部106は、パフの開始が検知されたか否かを判定する。一例において、センサ112が圧力センサ又は流量センサを含む場合、制御部106は、センサ112から取得された圧力又は流量が既定の値を超える絶対値を有するときに、パフが開始されたと判定してもよい。
パフの開始が検知されない場合(ステップ632の「No」)、処理はステップ632の前に戻る。すなわち、制御部106は、パフの開始が検知されるのを待つ。パフの開始が検知された場合(ステップ632の「Yes」)、処理はステップ634に進む。
ステップ634において、制御部106は、パフが所定の時間(例えば、1.0秒)にわたって継続したか否かを判定する。当該所定の時間はメモリ114に格納されていてもよい。パフが所定の時間にわたって継続しない場合(ステップ634の「No」)、処理はステップ632の前に戻る。パフが所定の時間にわたって継続した場合(ステップ634の「Yes」)、処理はステップ636に進む。ステップ634を実行することによって、バックグラウンドノイズの発生に起因してステップ632においてパフの開始が検知されたと誤って判定された場合でも、以降の処理が実行されるのを防ぐことができる。
ステップ632及び634の処理は、両方とも実行されてもよいし、一方のみが実行されてもよい。
ステップ636において、制御部106は、霧化部118への通電を禁止する。なお、ステップ636の処理は、ステップ630とステップ632との間で行われてもよい。
処理はステップ638に進む。ステップ638は、カプセル126に関する図4のステップ406又は図5のステップ508の一例である。ステップ638において、制御部106は、通知部108を第3の態様で機能させる。一例において、通知部108がLEDを含む場合、第3の態様は、LEDを青色で点滅させることを含んでもよい。制御部106は、カプセル126の容量が不足していることにユーザが気付くことができるよう、通知部108をある程度長い時間(例えば、40秒)にわたって機能させてもよい。
ステップ640から644の処理は図3のステップ340から344の処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。
ステップ638においてカプセル126に関して通知部108を第3の態様で機能させるために満たされるべき条件は、ステップ606においてバッテリ110に関して通知部108を第1の態様で機能させるために満たされるべき条件よりも厳しい。交換等の頻度が高い要素ほど、通知部108が動作するための条件が厳しいので、通知部108の誤動作を防止しやすい。したがって、交換等の頻度が高い要素について交換を促す通知部108の動作をユーザが見逃す可能性を低減することができる。
ステップ606においてバッテリ110に関して通知部108を第1の態様で機能させるために満たされるべき条件は、バッテリ110の電圧が放電終止電圧以下であるという1つの要件を含む。これに対して、ステップ638においてカプセル126に関して通知部108を第3の態様で機能させるために満たされるべき条件は、(i)TAが閾値時間より大きい、及び(ii)パフの開始が検知されたという2つの要件を含み、さらに、(iii)パフが所定時間にわたって継続したというもう1つの要件を含んでもよい。すなわち、本実施形態において、図4又は図5の処理に関連してカプセル126に関して判定される条件は、当該処理に関連してバッテリ110に関して判定される条件よりも、多く
の要件を含む。換言すれば、上記条件は、吸引装置100Bの複数の要素のうち、エアロゾルを継続して生成するのに必要な容量を有する状態に戻すための作業が行われる頻度が高いものほど、多くの要件を含んでもよい。交換等の頻度が高い要素ほど、通知部108が動作するための条件が多くの要件を含むので、通知部108の誤動作を防止しやすい。したがって、交換等の頻度が高い要素について交換を促す通知部108の動作をユーザが見逃す可能性を低減することができる。
なお、制御部106は図6に示されるステップの一部を省略しても良いし、また一部のステップの順序を入れ替えても良い。例えばステップ606において通知部を第1の態様で機能させる前にステップ602においてパフの開始を検知したか否かを判定しなくても良い。換言すれば、ステップ604において制御部がバッテリ110の電圧が放電終止電圧以下か否かを判定した後に、制御部はステップ602を実行しても良い。本実施形態では、ステップ606においてバッテリ110に関して通知部108を第1の態様で機能させるために満たされるべき条件は、バッテリ110の電圧が放電終止電圧以下であるという1つの要件のみが含まれることが明確であろう。
また、制御部106は、ステップ602以降の処理で、常にステップ604の判定をし続けても良い。つまりステップ608から644を実行する過程で、制御部106が検知するバッテリ110の電圧が放電終止電圧以下になったら(ステップ604が「Yes」)、割り込み処理としてステップ606を実行し、制御部106は通知部108を第1の態様で機能させる。本実施形態では、ステップ606においてバッテリ110に関して通知部108を第1の態様で機能させるために満たされるべき条件に、ステップ602におけるパフの検知を開始したか否かという要件が含まれる。しかしこの要件はステップ602において「Yes」と判断された後のステップのいずれかでステップ604が満たされれば良いという比較的緩いものである。これに対し、ステップ638においてカプセル126に関して通知部108を第3の態様で機能させるために満たされるべき条件は、ステップ630において制御部106が、積算時間TAが所定の閾値時間より大きいと判定(ステップ630が「Yes」)した直後に、制御部106がステップ632とステップ634に関してYyes」と判定したという比較的厳しい要件を含む。換言すれば、ステップ606はエアロゾル生成中にも実行され得る処理であるのに対して、ステップ638はエアロゾル生成中には満たされ得ない処理である。
または、制御部106は、ステップ602が「Yes」と判定された直後のみ、ステップ604の判定を行っても良い。本実施形態ではステップ606においてバッテリ110に関して通知部108を第1の態様で機能させるために満たされるべき条件は、バッテリ110の電圧が放電終止電圧以下であるという要件に加え、パフの開始を検知したという要件を含む。しかし、ステップ606においてバッテリ110に関して通知部108を第1の態様で機能させるために満たされるべき条件は、ステップ638においてカプセル126に関して通知部108を第3の態様で機能させるために満たされるべき条件に含まれる(iii)パフが所定時間にわたって継続したという要件を含まない。よっていずれの実施形態においても、図4又は図5の処理に関連してカプセル126に関して判定される条件は、当該処理に関連してバッテリ110に関して判定される条件よりも、多くの要件を含む。
ステップ632に関連して、制御部106は、エアロゾルの生成に対する要求を取得するように構成される。例えば、制御部106は、センサ112が所定の値よりも大きい圧力を検知した場合に、エアロゾルの生成に対する要求がなされたと判断してもよい。別の例において、センサ112が、所定の値よりも大きい圧力を検知したことに応答して、エアロゾルの生成に対する要求を制御部106に送る場合、制御部106は、当該要求がなされたと判断してもよい。上記の要求の検知は、ステップ632におけるパフの開始の検
知に対応し得る。したがって、バッテリ110とカプセル126のうち、上述の頻度が最も高いカプセル126に関して判定されるべき条件は、上記の要求の検知を含み得る。この特徴により、交換等の頻度が最も高い要素は、通知部108を機能させるための条件としてパフ検知を含む。したがって、ユーザが吸引を行うことを明確に望んでいるときに通知部108が動作するので、ユーザが通知部108の動作を見逃す可能性を一層低減できる。
ステップ632においてパフの開始が検知されたと判定されるときの条件は、ステップ602においてパフの開始が検知されたと判定されるときの条件よりも厳しくてもよい。例えば、ステップ632の判定に用いられる既定の値は、ステップ602の判定に用いられる既定の値よりも大きくてもよい。また、ステップ632の判定に用いられる継続時間は、ステップ602の判定に用いられる継続時間より長くてもよい。
ステップ606及び638に関連して、制御部106は、複数の要素のうち、上述の頻度が高いものほど、当該要素に関する条件が満たされる場合に、通知部108をより長い時間機能させるように構成されてもよい。具体的には、カプセル126の方がバッテリ110よりも上記頻度が高いので、ステップ638において通知部108が機能する時間は、ステップ606において通知部108が機能する時間よりも長くてもよい。この特徴により、交換等の頻度が高い要素に関して、ユーザが通知部108の動作を見逃す可能性を一層低減できる。
通知部108がLED等の発光素子を含む場合、制御部106は、複数の要素のそれぞれに対して、異なる発光色を設定してもよい。例えば、制御部106は、バッテリ110に関する発光素子の発光色を赤色に設定し、カプセル126に関する発光素子の発光色を青色に設定してもよい。制御部106は、複数の要素のうちのそれぞれの要素に関連付けられる上述の頻度に基づいて、それぞれの要素に対して発光素子の発光色を設定してもよい。この特徴により、どの要素を交換等すべきかをユーザが認識しやすくなる。
例えば、制御部106は、複数の要素のうち、上記頻度が高いものほど、発光素子の発光色を寒色系寄りになるように設定してもよい。頻繁に点灯する色を寒色系に設定することにより、ユーザを過度に警戒させず、普段使いの感覚で交換作業をユーザに促すことができる。
また、制御部106は、複数の要素のうち、上記頻度が低いものほど、発光素子の発光色を暖色系寄りになるように設定してもよい。より広い概念では、制御部106は、複数の要素のうち、上記頻度が高いものほど、発光素子の発光色を波長の短い色に設定し、上記頻度が低いものほど、発光素子の発光色を波長の長い色に設定してもよい。交換等の頻度の低い要素に関して発光素子の発光色を暖色系にすることにより、稀に交換等が必要となる要素の交換タイミングが訪れたときにユーザの注意を強く引くことができる。
制御部106はまた、複数の要素のうち上記頻度が最も高い要素に関して条件が満たされる場合における発光素子の発光色と、エアロゾルの生成中の発光素子の発光色とが、同じになるように、発光素子を制御するように構成されてもよい。具体的には、図6の例において、制御部106は、ステップ614の通常動作における発光素子の発光色を青色に設定し、バッテリ110及びカプセル126のうち上記頻度が最も高いカプセル126に関連付けられる、ステップ638における発光素子の発光色も青色に設定してもよい。この特徴により、交換等の頻度(すなわち、ユーザに対する通知の頻度)が最も高い要素について交換等が必要な旨を、ユーザエクスペリエンスを損なうことなく、ユーザに理解させることができる。
制御部106は、複数の要素のうちの少なくとも1つの要素が取り外された場合に、通知部108の機能を中断するように構成されてもよい。図6の例では、第2の部材104及び第3の部材126が取り外し可能である場合、制御部106は、これらの部材のうち1つ又は両方が取り外された場合に通知部108の機能を中断してもよい。
図7は、本実施形態による吸引装置100の動作の例を詳細に示すフローチャートである。図6の場合と同様に、吸引装置が図1Bに示す吸引装置100Bの構成を有し、バッテリ収容部102(又はバッテリ110)、カートリッジ104(又はリザーバ116)及びカプセル126(又は香味源128)が図4及び図5における「要素」であるものとして説明を行う。なお、図7の実施形態では、バッテリ110、カートリッジ104及びカプセル126について、閾値や既定の条件に関する判定がなされるものとする。ここでは、吸引装置100Bの要素であるバッテリ110、カートリッジ104及びカプセル126のうち、エアロゾルを継続して生成するのに必要な容量を有する状態に戻すための作業が行われる頻度は、カプセル126が最も高く、次いでカートリッジ104が高く、バッテリ110が最も低いものとする。一例において、カプセルが10回交換される間に、カートリッジ104は2回交換されればよく、バッテリ110は1回充電されればよい。
処理はステップ702において開始する。ステップ702から728の処理は図6のステップ602から628の処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。図6のステップ606と同様に、ステップ706において、制御部106は、通知部108を第1の態様で機能させる。一例において、通知部108がLEDを含む場合、第1の態様は、LEDを赤色で5.4秒間点滅させることを含んでもよい。
ステップ729、746及び748は、吸引装置100Bの1つの要素としてのカートリッジ104に関する図4のステップ404又は図5のステップ504及び506の一例である。ステップ729から734は、吸引装置100Bの1つの要素としてのカプセル126に関する図4のステップ404又は図5のステップ504及び506の一例である。
ステップ729において、制御部106は、カートリッジ104の容量が所定の閾値容量より大きいか否かを判定する。カートリッジ104の容量が閾値容量より大きい場合(ステップ729の「Yes」)、処理はステップ730に進む。ステップ730から744の処理は図6のステップ630から644の処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。なお、ステップ734において、制御部106は、パフが第1の所定時間(例えば、1.0秒)にわたって継続したか否かを判定する。また、ステップ738において、制御部106は、通知部108を第3の態様で機能させる。一例において、通知部108がLEDを含む場合、第3の態様は、LEDを青色で点滅させることを含んでもよい。制御部106は、カプセル126の容量が不足していることにユーザが気付くことができるよう、通知部108をある程度長い時間(例えば、40秒)にわたって機能させてもよい。
ステップ729において、カートリッジ104の容量が閾値容量以下である場合(ステップ729の「No」)、処理はステップ746に進む。ステップ746において、制御部106は、パフの開始が検知されたか否かを判定する。一例において、センサ112が圧力センサ又は流量センサを含む場合、制御部106は、センサ112から取得された圧力又は流量が既定の値を超える絶対値を有するときに、パフが開始されたと判定してもよい。制御部106はまた、センサ112により圧力又は流量が検知される継続時間が既定の継続時間を超えるときに、パフが開始されたと判定してもよい。
パフの開始が検知されない場合(ステップ746の「No」)、処理はステップ746
の前に戻る。パフの開始が検知された場合(ステップ746の「Yes」)、処理はステップ748に進む。
ステップ748において、制御部106は、パフが第2の所定の時間(例えば、0.5秒)にわたって継続したか否かを判定する。当該第2の所定の時間はメモリ114に格納されていてもよい。パフが第2の所定の時間にわたって継続しない場合(ステップ748の「No」)、処理はステップ746の前に戻る。パフが第2の所定の時間にわたって継続した場合(ステップ748の「Yes」)、処理はステップ750に進む。ステップ746及び748の処理は、両方とも実行されてもよいし、一方のみが実行されてもよい。あるいは、ステップ746及び748の処理は省略されてもよい。
ステップ750において、制御部106は、霧化部118への通電を禁止する。なお、ステップ750の処理は、ステップ729とステップ746との間で行われてもよい。
処理はステップ752に進み、制御部106は、通知部108を第4の態様で機能させる。一例において、通知部108がLEDを含む場合、第3の態様は、LEDを緑色で点滅させることを含んでもよい。制御部106は、カートリッジ104の容量が不足していることにユーザが気付くことができるよう、通知部108をある程度長い時間(例えば、20秒)にわたって機能させてもよい。
ステップ706においてバッテリ110に関して通知部108を第1の態様で機能させるために満たされるべき条件は、バッテリ110の電圧が放電終止電圧以下であるという1つの要件を含む。これに対して、ステップ752においてカートリッジ104に関して通知部108を第4の態様で機能させるために満たされるべき条件は、(i)カートリッジ104の容量が閾値容量以下であること、及び(ii)パフの開始が検知されたことという2つの要件を含み、さらに、(iii)パフが所定時間にわたって継続したことというもう1つの要件を含んでもよい。また、ステップ738においてカプセル126に関して通知部108を第3の態様で機能させるために満たされるべき条件は、(i)カートリッジ104の容量が閾値容量より大きいこと、(ii)TAが閾値時間より大きいこと、及び(iii)パフの開始が検知されたことという3つの要件を含み、さらに、(iv)パフが所定時間にわたって継続したことというもう1つの要件を含んでもよい。すなわち、本実施形態において、図4又は図5の処理に関連してカプセル126に関して判定される条件は最も多くの要件を含み、当該処理に関連してカートリッジ104に関して判定される条件は次に多くの要件を含み、当該処理に関連してバッテリ110に関して判定される条件は最も少ない要件を含む。換言すれば、吸引装置100Bの複数の要素のうち、エアロゾルを継続して生成するのに必要な容量を有する状態に戻すための作業が行われる頻度が高い要素に設定された条件ほど、多くの要件を含んでもよい。
なお、制御部106は図7に示されるステップの一部を省略しても良いし、また一部のステップの順序を入れ替えても良い。例えばステップ706において通知部を第1の態様で機能させる前にステップ702においてパフの開始を検知したか否かを判定しなくても良い。換言すれば、ステップ704において制御部がバッテリ110の電圧が放電終止電圧以下か否かを判定した後に、制御部はステップ702を実行しても良い。本実施形態では、ステップ706においてバッテリ110に関して通知部108を第1の態様で機能させるために満たされるべき条件は、バッテリ110の電圧が放電終止電圧以下であるという1つの要件のみが含まれることが明確であろう。
また、制御部106はステップ702以降の処理で、常にステップ704の判定をし続けても良い。つまりステップ708から754を実行する過程で、制御部106が検知するバッテリ110の電圧が放電終止電圧以下になったら(ステップ704が「yes」)
、割り込み処理としてステップ706を実行し、制御部106は通知部108を第1の態様で機能させる。本実施形態では、ステップ706においてバッテリ110に関して通知部108を第1の態様で機能させるために満たされるべき条件に、ステップ702におけるパフの検知を開始したか否かという要件が含まれる。しかしこの要件はステップ702において「yes」と判断された後のステップのいずれかでステップ704が満たされれば良いという比較的緩いものである。これに対し、ステップ738においてカプセル126に関して通知部108を第3の態様で機能させるために満たされるべき条件は、ステップ730において制御部106が、積算時間TAが所定の閾値時間より大きいと判定(ステップ730が「yes」)した直後に、制御部106がステップ732とステップ734に関して「yes」と判定したという比較的厳しい要件を含む。同様に、ステップ752においてカートリッジ104に関して通知部108を第4の態様で機能させるために満たされるべき条件は、ステップ729において制御部106が、カートリッジ容量が所定の閾値容量未満と判定(ステップ729が「No」)した直後に、制御部106がステップ746とステップ748に関して「Yes」と判定したという比較的厳しい要件を含む。
換言すれば、ステップ706はエアロゾル生成中にも実行され得る処理であるのに対して、ステップ738とステップ752はエアロゾル生成中には満たされ得ない処理である。
また、制御部106はステップ704が「Yes」と判定された直後のみ、ステップ7
04の判定を行っても良い。本実施形態ではステップ706においてバッテリ110に関して通知部108を第1の態様で機能させるために満たされるべき条件は、バッテリ110の電圧が放電終止電圧以下であるという要件に加え、パフの開始を検知したという要件を含む。しかし、ステップ706においてバッテリ110に関して通知部108を第1の態様で機能させるために満たされるべき条件は、ステップ738においてカプセル126に関して通知部108を第3の態様で機能させるために満たされるべき条件、又はステップ752においてカートリッジ104に関して通知部を第4の態様で機能させるために満たされるべき条件に含まれる(iii)パフが所定時間にわたって継続したという要件を、を含まない。よっていずれの実施形態においても、カプセル126とカートリッジ104に関して判定される条件は、当該処理に関連してバッテリ110に関して判定される条件よりも、多くの要件を含む。
ステップ732においてパフの開始が検知されたと判定されるための要件は、ステップ746においてパフの開始が検知されたと判定されるための要件よりも厳しくてもよい。一例において、センサ112が圧力センサ又は流量センサを含む場合、ステップ732において、制御部106は、センサ112から取得された圧力が第1の所定の値を超える場合に、パフが開始されたと判定してもよい。他方、ステップ746において、制御部106は、センサ112から取得された圧力が第1の所定の値より小さい第2の所定の値を超える場合に、パフが開始されたと判定してもよい。また、ステップ734において判定に用いられる第1の所定時間(例えば、1.0秒)は、ステップ748において判定に用いられる第2の所定時間(例えば、0.5秒)より長い。すなわち、本実施形態において、図4又は図5の処理に関連してカプセル126に関して判定される条件は、当該処理に関連してカートリッジ104に関して判定される条件よりも、満たされる可能性が低い。換言すれば、吸引装置100Bの複数の要素のうち、エアロゾルを継続して生成するのに必要な容量を有する状態に戻すための作業が行われる頻度が高い要素に設定された条件ほど、満たされる可能性が低い。交換等の頻度が高い要素ほど、通知部108が動作するための条件が満たされる可能性が低いので、通知部108の誤動作を防止しやすい。したがって、交換等の頻度が高い要素について交換を促す通知部108の動作をユーザが見逃す可能性を低減することができる。
上述の説明において、本開示の第2の実施形態は、図1A又は図1Bに示す構成を有する吸引装置及び図4から図7のいずれかに示す方法として説明された。しかし、本開示が
、プロセッサにより実行されると、当該プロセッサに、図4から図7のいずれかに示す方法を実行させるプログラム、又は当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として実施され得ることが理解されよう。
<第3の実施形態>
図8は、本開示の第3の実施形態による吸引装置100の基本的な動作を示すフローチャートである。以下では、制御部106が図8に示されるすべてのステップを実行するものとして説明を行う。しかし、図8の一部のステップが吸引装置100内の別のコンポーネントによって実行されてもよいことに留意されたい。
処理はステップ802において開始し、制御部106は、吸引装置100の第1の要素の容量を検知又は推定する。「要素」及び「容量」という用語の意味は、第1の実施形態に関連して既に説明された。本実施形態において、吸引装置100は、複数の要素を備える。例えば、図1Aに示す吸引装置100Aは、第1の部材(例えば、バッテリ収容部)102(又はバッテリ110)及び第2の部材(例えば、カートリッジ)104(又はリザーバ116)を要素として有する。図1Bに示す吸引装置100Bは、これら2つの要素に加えて、第3の部材(例えば、カプセル)126(又は香味源128)を要素として有する。吸引装置100はまた、複数の同じ要素又は複数の同種の要素を備えてもよい。例えば、図1Bに示す吸引装置100Bは、複数の第3の部材(例えば、第1及び第2のカプセル)126を収容できるように構成されてもよい。この例において、第1及び第2のカプセルは、同じ最大容量を有する同じ種類の香味源を含んでもよいし、異なる最大容量を有する同じ種類の香味源を含んでもよいし、同じ最大容量を有する異なる種類の香味源を含んでもよいし、異なる最大容量を有する異なる種類の香味源を含んでもよい。同様に、吸引装置100は、複数のカートリッジ104や複数のバッテリ110を要素として含んでもよい。
以下では、吸引装置が図1Bの吸引装置100Bの構成を有し、バッテリ110、カートリッジ104及びカプセル126を要素として備える例について詳細に説明する。しかし、図1Aの吸引装置100Aなどの別の構成の吸引装置についても本実施形態を適用できることは当業者にとって明らかであろう。
要素の容量は様々な方法で検知又は推定することができる。一例において、センサ112は、重量センサであってもよい。この場合、制御部106は、センサ112を用いて要素の重量(例えば、カートリッジ104内のリザーバ116に含まれるエアロゾル源が液体やたばこである場合における、当該液体やたばこの重量)を検知し、検知された重量を当該要素の容量と判断してもよい。別の例において、センサ112は、(カートリッジ104内のリザーバ116に含まれるエアロゾル源などの)液面の高さを検知することができてもよい。この場合、制御部106は、センサ112を用いて要素の液面の高さを検知し、検知された液面の高さに基づいて当該要素の容量を推定してもよい。別の例において、メモリ114は、霧化部118に対する通電時間の積算値を格納してもよい。この場合、制御部106は、メモリ114から取得された積算通電時間に基づいて、要素の容量(例えば、カートリッジ104内のリザーバ116に含まれるエアロゾル源の残量、たばこの香喫味成分の残量、カプセル126内の香味源128に含まれる香喫味成分の残量等)を推定してもよい。別の例において、メモリ114は、ユーザが吸引装置100に対して行った吸引(電子たばこの例においては「パフ」)の回数を格納してもよい。この場合、制御部106は、メモリ114から取得された吸引回数に基づいて、要素の容量を推定してもよい。別の例において、メモリ114は、霧化部118の加熱履歴に関するデータを格納してもよい。この場合、制御部106は、メモリ114から取得された当該データに基づいて、要素の容量を推定してもよい。別の例において、メモリ114は、バッテリ110のSOC(State of Charge,充電状態)、電流積算値及び/又は電
圧に関するデータを格納してもよい。センサ112がこれらの値を検知してもよい。この場合、制御部106は、これらのデータに基づいて、要素(特に、バッテリ110)の容量を検知又は推定することができる。別の例において、センサ112は、カプセル126及び/又はカートリッジ104が取り外されたことを検知する嵌合検知機能(又は接続検知機能)を有してもよい。この例において、制御部106は、カプセル126が取り外されたことをセンサ112が検知した場合に、カプセル126の容量がゼロであると推定してもよい。制御部106はまた、カートリッジ104が取り外されたことをセンサ112が検知した場合に、カートリッジ104の容量がゼロであると推定してもよい。
複数の要素のうちの少なくとも1つの要素の容量は、複数の要素のうちの少なくとも1つの別の要素の容量とは異なる方法で検知又は推定することができる。また、複数の要素のうちの少なくとも1つの要素の容量は、複数の要素のうちの少なくとも1つの別の要素の容量と同じ方法で検知又は推定することができる。例えば、カプセル126の容量及びカートリッジ104の容量の両方は、霧化部118への累積通電時間又は累積電力量に基づいて検知又は推定されてもよい。また、バッテリ110の容量及びカートリッジ104の容量の両方は、累積電流値に基づいて検知又は推定されてもよい。
処理はステップ804に進む。ステップ804において、制御部106は、ステップ802において検知又は推定された第1の要素(例えば、カプセル126)の容量が第1閾値未満であるか否かを判定する。第1閾値は、第1の要素と関連付けてメモリ114に格納されてもよい。制御部106は第1閾値をメモリ114から取得してもよい。上述のように、第1の要素の容量は様々な方法で検知又は推定することができる。したがって、第1の要素の容量を検知又は推定するために使用される方法に応じて、第1閾値は様々な形式及び値を取り得ることが理解されよう。
第1の要素の容量が第1閾値未満でない場合(ステップ804の「No」)、処理はステップ802の前に戻る。第1の要素の容量が第1閾値未満である場合(ステップ804の「Yes」)、処理はステップ806に進む。ステップ806において、制御部106は、吸引装置100の第2の要素(例えば、カートリッジ104)の容量を検知又は推定する。
処理はステップ808に進む。ステップ808において、制御部106は、ステップ806において検知又は推定された第2の要素の容量が第2閾値未満であるか否かを判定する。上述のように、第2の要素の容量は様々な方法で検知又は推定することができる。したがって、第2の要素の容量を検知又は推定するために使用される方法に応じて、第2閾値は様々な形式及び値を取り得ることが理解されよう。
第2の要素の容量が第2閾値未満でない場合(ステップ808の「No」)、処理はステップ810に進む。ステップ810において、制御部106は、吸引装置100の吸引者(ユーザ)に対して第1モードで通知を行う。例えば、制御部106は、通知部108を第1モードで機能させる。通知部108は、LEDなどの発光素子、ディスプレイ、スピーカ、バイブレータなどを含んでもよい。通知部108は、必要に応じて、発光、表示、発声、振動などによって、ユーザに対して何らかの通知を行うように構成される。
ステップ808の「No」である場合、制御部106は、さらに、センサ112によって検知される既定の変数が、エアロゾルの生成を要求するための既定の条件を満たすか否かを判定してもよい。そして、当該既定の変数が当該既定の条件を満たす場合、制御部106は、ステップ810において、通知部108を第1モードで機能させてもよい。一例において、既定の変数は圧力又は流量であってもよく、既定の条件は、当該圧力又は当該流量がパフの開始が検知されるための所定の値以上であることを含んでもよい。別の例に
おいて、既定の条件は、圧力又は流量がパフの開始が検知されるための所定の時間にわたって継続することを含んでもよい。これらの特徴により、ステップ804及び808の判定結果に基づくだけでなく、ユーザが吸引装置100を用いて吸引をしようとしていることを検知することにも基づいて、通知部108が第1モードで機能することになる。したがって、ユーザは、第1の要素(例えば、カプセル126)を交換する必要があることに一層気付きやすくなる。
第2の要素の容量が第2閾値未満である場合(ステップ808の「Yes」)、処理はステップ812に進む。ステップ812において、制御部106は、ユーザに対して第2モードで通知を行う。例えば、制御部106は、通知部108を第2モードで機能させる。
図8に示す実施形態によれば、第1の要素(例えば、カプセル)の容量のみが不足している場合と、第1の要素及び第2の要素(例えば、カートリッジ)の両方の容量が不足している場合とで、通知部108を異なるモードで機能させることができる。したがって、ユーザは、第1の要素のみを交換すべきなのか、それとも第1の要素及び第2の要素の両方を交換すべきなのかを容易に理解することができる。
吸引装置100は、少なくとも第1及び第2の要素を含む、複数の要素を含んでもよい。この場合、上記既定の条件は、当該複数の要素のそれぞれに関して、検知又は推定された容量が当該要素について設定された閾値以下であるという要件を含んでもよい。制御部106は、このような既定の条件が満たされる場合に、通知部108を機能するように構成されてもよい。さらに、上記条件は、複数の要素のうち、エアロゾルの継続的な生成に必要な容量を有する状態に戻すための作業が行われる頻度が高いものほど、厳しくてもよい。換言すれば、上記条件は、複数の要素のうち、エアロゾルの継続的な生成に必要な容量を有する状態に戻すための作業が行われる頻度が低いものほど、緩くてもよい。また、上記条件は、複数の要素のうち、上記頻度が高いものほど、満たされる可能性が低くてもよい。あるいは、上記条件は、複数の要素のうち、上記頻度が高いものほど、多くの要件を含んでもよい。これらの特徴により、頻繁に交換等がなされる要素について通知部108が誤動作することを防止することができ、当該要素の交換を促す通知部108の動作をユーザが見逃す可能性を低減することができる。
制御部106は、エアロゾルの生成に対する要求を取得するように構成されてもよい。そして、複数の要素のうち、上記頻度が最も高い要素の上記条件は、この要求の検知を含んでもよい。この特徴により、交換等の頻度が最も高い要素は、通知部108を機能させるための条件としてパフ検知を含む。したがって、ユーザが吸引を行うことを明確に望んでいるときに通知部108が動作するので、ユーザが通知部108の動作を見逃す可能性を一層低減できる。
制御部106は、複数の要素のうち、上記頻度が高いものほど、上記条件が満たされる場合に通知部108をより長い時間機能させるように構成されてもよい。この特徴により、ユーザは、交換等の頻度が高い要素について、通知部108が動作していることを見逃しにくくなる。
通知部108が発光素子を備える場合、制御部106は、複数の要素のそれぞれについて、発光素子の発光色が異なるように設定してもよい。これにより、ユーザは、どの要素を交換等する必要があるのかを容易に理解することができる。制御部106はまた、複数の要素の上記頻度に基づいて、複数の要素のそれぞれについて、発光素子の発光色を設定するように構成されてもよい。この特徴により、どの要素を交換等すべきかをユーザが認識しやすくなる。制御部106はまた、複数の要素のうち、上記頻度が高いものほど、発
光素子の発光色を寒色系寄りに設定するように構成されてもよい。頻繁に点灯する色を寒色系に設定することにより、ユーザを過度に警戒させず、普段使いの感覚で交換作業をユーザに促すことができる。制御部106はまた、複数の要素のうち上記頻度が最も高い要素に関して、上記条件が満たされる場合における発光素子の発光色とエアロゾルの生成中の発光素子の発光色とが同じになるように、発光素子を制御するように構成されてもよい。この特徴により、交換等の頻度(すなわち、ユーザに対する通知の頻度)が最も高い要素について交換等が必要な旨を、ユーザエクスペリエンスを損なうことなく、ユーザに理解させることができる。制御部106はまた、複数の要素のうち、上記頻度が低いものほど、発光素子の発光色を暖色系寄りに設定するように構成されてもよい。交換等の頻度の低い要素に関して発光素子の発光色を暖色系にすることにより、稀に交換等が必要となる要素の交換タイミングが訪れたときにユーザの注意を強く引くことができる。
図8の処理において、第1の要素についてのエアロゾル又は香味が付与されたエアロゾル(以下、まとめて「エアロゾル」と呼ぶことがある)を継続して生成するのに必要な容量を有する状態に戻すための作業が行われる頻度は、第2の要素についての当該頻度よりも高い。一例において、第1の要素(カプセル126)が5回交換される間に、第2の要素(カートリッジ104)は1回交換されればよい。
図8の処理において、カプセル126が第1の要素であり、バッテリ110が第2の要素であってもよい。一例において、カプセル126が10回交換される間に、バッテリ110は1回充電されればよい。
図9は、本実施形態による吸引装置100の動作の例を詳細に示すフローチャートである。以下では、制御部106が図9に示されるすべてのステップを実行するものとして説明を行う。しかし、図9の一部のステップが吸引装置100内の別のコンポーネントによって実行されてもよいことに留意されたい。ここでは、吸引装置が図1Bに示す吸引装置100Bの構成を有し、吸引装置100Bがバッテリ110、カートリッジ104及びカプセル126を要素として有し、カプセル126が図8における第1の要素に該当し、カートリッジ104が第2の要素に該当するものとして説明を行う。また、カプセル126が5回交換される間に、カートリッジ104が1回交換されればよいと仮定する。
処理はステップ902において開始する。ステップ902において、制御部106は、ユーザによる吸引装置100のパフの開始を検知したか否かを判定する。一例として、センサ112が圧力センサ又は流量センサを含む場合、制御部106は、センサ112から取得された圧力又は流量が既定の値を超えたときに、パフが開始されたと判定してもよい。制御部106はまた、センサ112により圧力又は流量が検知される継続時間が既定の継続時間を超えるときに、パフが開始されたと判定してもよい。別の例において、吸引装置100は開始用のボタンを備えていてもよく、制御部106は、当該ボタンが押された場合に、パフが開始されたと判定してもよい。パフの開始が検知されない場合(ステップ902の「No」)、処理はステップ902の前に戻る。パフの開始が検知された場合(ステップ902の「Yes」)、処理はステップ904に進む。
ステップ904において、制御部106は、バッテリ110の電圧が閾値(放電終止電圧(例えば、3.2V)等)より大きいか否かを判定する。バッテリ110の電圧が放電終止電圧以下である場合(ステップ904の「No」)、処理はステップ906に進む。ステップ906において、制御部106は、通知部108を第4モードで機能させる。一例において、通知部108がLEDを含む場合、第4モードは、LEDを赤色で5.4秒間点滅させることを含んでもよい。別の例において、通知部108がバイブレータを含む場合、第4モードは、バイブレータを5.4秒間振動させることを含んでもよい。その後、処理は終了する。他方、バッテリ110の電圧が放電終止電圧より大きい場合(ステッ
プ904の「Yes」)、処理はステップ908に進む。
ステップ908から912の処理は図3のステップ308から312の処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。
処理はステップ914に進み、制御部106は、通知部108を第3モードで機能させる。第3モードは、ユーザが吸引装置100Bを用いて正常な吸引を行っているときの通知部108の動作態様である。一例において、通知部108がLEDを含む場合、ステップ914において、制御部106は、当該LEDを青色で定常的に点灯させてもよい。
ステップ916から928の処理は図3のステップ316から328の処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。
ステップ930は、吸引装置100Bの第1の要素としてのカプセル126に関する図8のステップ804の一例である。ステップ930において、制御部106は、積算時間TAが所定の閾値時間より大きいか否かを判定する。当該閾値時間は、カプセル126の容量(例えば、香味源128に含まれる香喫味成分の残量)が、十分な香味が付与されたエアロゾルを生成するのに必要な値を下回ると推定される、吸引装置100Bに対する吸引の積算時間とすることができる。閾値時間は、予めメモリ114等に格納されていてもよい。TAが閾値時間以下である場合(ステップ930の「No」)、カプセル126の容量が第1閾値以上であると判定されたことになり、処理はステップ902の前に戻る。TAが閾値時間より大きい場合(ステップ930の「Yes」)、カプセル126の容量が第1閾値未満であると判定されたことになり、処理はステップ932に進む。
ステップ932から936の処理は図3のステップ332から336の処理と同様である。ステップ932においてパフの開始が検知されたと判定されるときの条件は、ステップ902においてパフの開始が検知されたと判定されるときの条件よりも厳しくてもよい。あるいは、ステップ932においてパフの開始が検知されたと判定されるときの条件が満たされる可能性は、ステップ902においてパフの開始が検知されたと判定されるときの条件が満たされる可能性よりも低くてもよい。一例において、上記条件は、既定の値を超える絶対値を有する変数(例えば、圧力又は流量)の検知を含んでもよい。このとき、ステップ932の判定に用いられる既定の値は、ステップ902の判定に用いられる既定の値より大きくてもよい。パフの開始が検知されたと判定されるときの上記条件はまた、ステップ934において、パフが所定時間継続したことを含んでもよい。一例において、上記条件は、既定の継続時間を超える変数(例えば、圧力)の検知を含んでもよい。ステップ902においてもこのような継続時間を用いた判定が行われる場合には、ステップ934の判定に用いられる継続時間は、ステップ902の判定に用いられる継続時間より長くてもよい。これらの特徴により、通常の吸引時においては、ユーザのパフ動作に対するエアロゾル生成の応答を良くして、違和感がない吸引体験を提供することができる。加えて、カプセル126の容量が第1閾値未満であるときに、バックグラウンドノイズに起因して吸引装置100が誤って通常動作をしてしまうことを防止できる。
処理はステップ938に進む。ステップ938は、吸引装置100Bの第2の要素としてのカートリッジ104に関する図8のステップ808の一例である。ステップ938において、Nはカプセル126が交換された回数を示す。ステップ938において、「所定回数」とは、カートリッジ104が1回交換される間にカプセル126が交換されるべき回数を示す。上述のとおり、図9の例では、カートリッジ104が1回交換される間にカプセル126は5回交換されるので、ここでは所定回数は5である。したがって、N≧5である場合、カプセル126及びカートリッジ104の両方を交換する必要があり、Nが5より小さい場合、カプセル126のみを交換する必要があり、カートリッジ104を交
換する必要がない。
ステップ938において、制御部106は、Nが所定回数(ここでは、5)以上か否かを判定する。Nはメモリ114に格納されていてもよい。Nが所定の回数未満である場合(ステップ938の「No」)は、図8におけるステップ808における「No」に対応する。すなわち、このとき、第1の要素であるカプセル126の容量は第1閾値未満であるが、第2の要素であるカートリッジ104の容量は第2閾値以上である。この場合、処理はステップ940に進む。ステップ940においては、図8のステップ810と同様に、制御部106は、通知部108を第1モードで機能させる。一例において、通知部108がLED等の発光素子を含む場合、第1モードは、発光素子を青色で40秒間点滅させることを含んでもよい。別の例において、通知部108がバイブレータを含む場合、第1モードは、バイブレータを2秒間振動させることを含んでもよい。
通知部108を第1モードで機能させる場合、制御部106は、エアロゾルの生成を停止してもよい。これはステップ936の処理によって実現されてもよい。例えば、制御部106は、霧化部118への通電を禁止する。エアロゾルが生成されないので、ユーザの注意を喚起することができ、ユーザは、カプセル126を交換する必要があることに一層気付きやすくなる。加えて、カプセル126の残量が不足したときに不完全なエアロゾルが生成されることを防止することができるので、ユーザの吸引体験が損なわれることを防ぐことができる。
通知部108が発光素子を備える場合、ステップ940における第1モードとステップ914における第3モードにおいて、発光素子の発光色は同一であってもよく、発光素子の発光態様は異なってもよい。あるいは、第1モードと第3モードにおいて、発光素子の発光色は異なってもよく、発光素子の発光態様は同一であってもよい。あるいは、第1モードと第3モードにおいて、発光素子の発光色及び発光態様の両方が異なってもよい。これらの特徴により、カプセル126の容量が不足したとき、吸引に関連する何らかの異常が生じたことをユーザに認識させることができ、カプセル126の交換をユーザに促しやすくなる。
処理はステップ942に進み、制御部106は、霧化部118への通電の禁止を解除する。このとき、制御部106は、カプセル126の容量が所定の値(例えば、エアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルを生成するのに十分な値)に戻ったと推定してもよい。ユーザが見落としにくい通知が既に通知部108によって行われているので、第1モードでの通知部108の機能の完了後は、容量が不足していたカプセル126が交換等されている蓋然性が高い。上記の特徴によれば、カプセル126の交換等が行われたか否かを検知する目的のためだけに用いられる、嵌合検知やスイッチのための制御ロジックや素子を使用する必要がなくなる。また、積算時間や交換回数のカウントの精度を向上させることができる。
制御部106はまた、第1モードでの通知部108の機能が終了した後、カプセル126の容量が所定の値に戻った回数を計数してもよい。この特徴により、要素の交換等が行われたか否かを検知する目的のためだけに用いられる、嵌合検知やスイッチのための制御ロジックや素子を使用することなく、吸引装置100の製品寿命や他の要素の消耗度合などを推定するのに有用なパラメータである上記要素の交換回数を計数することができる。
処理はステップ944に進み、制御部106は、Nを1だけ増分する。これにより、カプセル126が交換された回数が1だけ増加する。ステップ946において、制御部106は、積算時間TAをリセットする(0に設定する)。
ステップ938においてNが所定回数である場合(ステップ「938」の「Yes」)は、図8におけるステップ808における「Yes」に対応する。すなわち、このとき、第1の要素であるカプセル126の容量は第1閾値未満であり、且つ、第2の要素であるカートリッジ104の容量は第2閾値未満である。したがって、カプセル126とカートリッジ104の両方を交換する必要がある。この場合、処理はステップ948に進む。ステップ948においては、図8のステップ812と同様に、制御部106は、通知部108を第2モードで機能させる。一例において、通知部108がLEDなどの発光素子を含む場合、第2モードは、発光素子を緑色で60秒間点滅させることを含んでもよい。このように、制御部106は、ステップ940における第1モードとステップ948における第2モードにおいて、通知部108の発光素子を異なる発光色で発光するように構成されてもよい。この特徴により、カプセル126のみを交換する必要があるときとカプセル126及びカートリッジ104の両方を交換する必要があるときとで、発光素子の発光色が変わるので、ユーザは、どの要素を交換等する必要があるのかを理解しやすい。
制御部106は、第1モードにおける発光素子の発光色を、第2モードにおける発光色と比較して寒色系寄りに設定するように構成されてもよい。これにより、カプセル126のみを交換する必要があるときには、発光素子は寒色系の色で発光する。したがって、定常的な交換作業が要求されていることをユーザが認識しやすくなり、カプセル126のみを交換する必要があるのか、それともカプセル126とカートリッジ104の両方を交換する必要があるのかが一層分かりやすくなる。
制御部106は、第1モードと第2モードとにおいて、通知部108を異なる長さの時間だけ機能させるように構成されてもよい。これにより、カプセル126のみを交換する必要があるのか、それともカプセル126とカートリッジ104の両方を交換する必要があるのかが一層分かりやすくなる。制御部106は、第1モードにおいて通知部108を機能させる時間を、第2モードにおいて通知部108を機能させる時間と比較して短くするように構成されてもよい。これにより、カプセル126のみを交換する必要がある場合、通知部108が機能する時間が短くなる。したがって、短時間で完了する作業が必要とされていることをユーザに認識させることが容易になる。また、カプセル126のみを交換する必要があるのか、それともカプセル126とカートリッジ104の両方を交換する必要があるのかが一層分かりやすくなる。
別の例において、通知部108がバイブレータを含む場合、第2モードは、バイブレータを60秒間振動させることを含んでもよい。
処理はステップ950に進み、制御部106は、霧化部118への通電の禁止を解除する。この処理はステップ942の処理と同様である。
処理はステップ952に進み、制御部106は、Nを1に設定する。これにより、カプセル126が交換された回数が1にリセットされる。その後、処理はステップ946に進む。
制御部106は、複数の要素のうちの少なくとも1つの要素が取り外された場合に、通知部108の機能を中断するように構成されてもよい。図9の例では、カートリッジ104及びカプセル126が取り外し可能である場合、制御部106は、これらのうち1つ又は両方が取り外された場合に通知部108の機能を中断してもよい。
上述の説明において、本開示の第3の実施形態は、図1A又は図1Bに示す構成を有する吸引装置及び図8又は図9に示す方法として説明された。しかし、本開示が、プロセッサにより実行されると、当該プロセッサに、図8もしくは図9に示す方法を実行させるプ
ログラム、又は当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として実施され得ることが理解されよう。
以上、本開示の実施形態が説明されたが、これらが例示にすぎず、本開示の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、実施形態の変更、追加、改良などを適宜行うことができることが理解されるべきである。本開示の範囲は、上述した実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定されるべきである。