JP2020070991A - 消音換気構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】換気性能を損なわずに消音器内への水の浸入を抑制でき、風切り音の発生を抑制できる消音換気構造を提供することを課題とする。【解決手段】壁を貫通して設置された管状部材に、消音器が配置された消音換気構造であって、消音器は、管状部材の一方の開口部から管状部材内に挿入される取付部と、管状部材の軸方向に貫通する通気部と、通気部の外周部に配置される消音部と、を有し、消音部は、空洞部、および、空洞部と通気部とを連通する開口部、を有し、取付部の少なくとも一部は、取付部の内側の面が、取付部の先端側に向かうにしたがって管状部材側に傾斜している。【選択図】図1

Description

本発明は、消音換気構造に関する。
換気口、空調用ダクトなど、室内と室外とを隔てる壁に設けられた、室内と室外とを貫通する通気スリーブにおいて、室外からの騒音が室内に伝わるのを抑制するため、あるいは室内からの騒音が外部に伝わるのを抑制するために、通気スリーブ内にウレタン、ポリエチレン等からなる多孔質の吸音材を設置することが行なわれている。
しかしながら、ウレタンおよびポリエチレン等の多孔質吸音材を用いる場合には、800Hz以下の低周波音の吸収率が極端に低くなるため、吸収率を大きくするためには体積を大きくすることが必要であるが、通気スリーブ(換気口、空調用ダクトなど)の通気性を確保する必要があるため、多孔質吸音材の大きさには限度があり、高い通気性と防音性能とを両立することが難しいという問題があった。
これに対して、通気スリーブの通気性を確保しつつ、通気スリーブ内を伝わる騒音を抑制するために、通気スリーブの一方の端部(開口面)の通気スリーブの外周部に消音器を配置することが記載されている。
例えば、特許文献1には、両端が開放された筒状の挿入部と、挿入部の端面に配置される消音器とを有する消音装置が、挿入部を管状部材内に挿入することで取り付けられて管状部材の端部に配置された構成が記載されている。また、特許文献1には、消音器が空洞部と、この空洞部と管状部材内とを連通する開口部とを有し、空洞部内に多孔質吸音材を配置する構成が記載されている。
特許6377868号公報
ここで、本発明者らの検討によれば、上述のような、挿入部を管状部材内に挿入することで消音器を取り付ける構造では、屋外の風雨等の影響により、消音器の開口部から空洞部内に雨水が浸入する場合があることがわかった。空洞部に水が溜まると消音性能が低下するおそれがある。特に、空洞部に多孔質吸音材を配置している場合には、多孔質吸音材が水分を含むことで流れ抵抗が変化して消音性能が低下するおそれがある。
そのため、消音器内への水の浸入を防ぐことが好ましいが、水の浸入を防ぐために、挿入部の口径を狭くすると、狭くした部分を空気(風)が通過する際に風切り音が発生してしまうという問題があることがわかった。また、管状部材の消音器を配置していない側の端面に網状の部材等を配置することで雨水の浸入を抑制することが考えられるが、網状の部材等を配置した場合には、換気性能は低減しないものの、やはり風切り音が発生してしまうなどの課題があることがわかった。
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解消し、換気性能を損なわずに消音器内への水の浸入を抑制でき、風切り音の発生を抑制できる消音換気構造を提供することを課題とする。
この課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 壁を貫通して設置された管状部材に、消音器が配置された消音換気構造であって、
消音器は、管状部材の一方の開口部から管状部材内に挿入される取付部と、
管状部材の軸方向に貫通する通気部と、
通気部の外周部に配置される消音部と、を有し、
消音部は、空洞部、および、空洞部と通気部とを連通する開口部、を有し、
取付部の少なくとも一部は、取付部の内側の面が、取付部の先端側に向かうにしたがって管状部材側に傾斜している消音換気構造。
[2] 取付部の先端の曲率半径が0.5mm以上である[1]に記載の消音換気構造。
[3] 取付部は撥水処理されている[1]または[2]に記載の消音換気構造。
[4] 管状部材の中心軸に対する取付部の内側の面の角度は1°〜45°である[1]〜[3]のいずれかに記載の消音換気構造。
[5] 管状部材の軸方向における取付部の長さは5mm〜150mmである[1]〜[4]のいずれかに記載の消音換気構造。
[6] 取付部は、管状部材の内周面に沿った形状を有する[1]〜[5]のいずれかに記載の消音換気構造。
[7] 取付部は、外側の面が管状部材の内周面に接して配置されている[1]〜[6]のいずれかに記載の消音換気構造。
[8] 取付部は、外側の面が取付部の先端側に向かうにしたがって管状部材の中心側に傾斜している[1]〜[6]のいずれかに記載の消音換気構造。
[9] 空洞部内に配置される多孔質吸音体を有する[1]〜[8]のいずれかに記載の消音換気構造。
[10] 壁は室外と室内とを区切る壁であり、消音器は、壁と、壁の室内側に壁に平行に設けられた化粧板との間に配置されている[1]〜[9]のいずれかに記載の消音換気構造。
本発明によれば、換気性能を損なわずに消音器内への水の浸入を抑制でき、風切り音の発生を抑制できる消音換気構造を提供することができる。
本発明の消音換気構造の一例を模式的に示す断面図である。 図1の取付部を拡大した断面図である。 取付部の他の一例を模式的に示す断面図である。 取付部の他の一例を模式的に示す断面図である。 風切り音の測定方法を説明するための図である。 比較例の風切り音の測定方法を説明するための図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「直交」および「平行」とは、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、「直交」および「平行」とは、厳密な直交あるいは平行に対して±10°未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な直交あるいは平行に対しての誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
本明細書において、「同一」、「同じ」は、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。また、本明細書において、「全部」、「いずれも」または「全面」などというとき、100%である場合のほか、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含み、例えば99%以上、95%以上、または90%以上である場合を含むものとする。
[消音換気構造]
本発明の消音換気構造は、
壁を貫通して設置された管状部材に、消音器が配置された消音換気構造であって、
消音器は、管状部材の一方の開口部から管状部材内に挿入される取付部を有し、
取付部の少なくとも一部は、取付部の内側の面が、取付部の先端側に向かうにしたがって管状部材側に傾斜している消音換気構造である。
本発明の消音換気構造の構成について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の消音換気構造の好適な実施態様の一例を示す模式的な断面図である。図2は、図1の取付部付近を拡大した断面図である。
図1に示すように、消音換気構造10は、2つの空間を隔てる壁16を貫通して設けられる、筒状の管状部材(以下、通気スリーブともいう)12の一方の端部に消音器14が配置された構成を有する。
図1に示す例では、消音換気構造10は、壁16と、壁16から所定距離離間して、壁16に平行に設けられた化粧板40と、壁16および化粧板40を貫通する通気スリーブ12と、壁16と化粧板40の間の空間の通気スリーブ12の外周部に配置される消音器14と、化粧板40の壁16側とは反対側の面側から挿入して設置される風量調整部材20と、通気スリーブ12の、消音器14が配置される側とは反対側の開口面に設置されるカバー部材18と、を有する。
管状部材12は、例えば、換気口および空調用ダクト等の通気スリーブである。
なお、通気スリーブ12は、換気口および空調用ダクト等に限定はされず、各種機器に用いられる一般的なダクトであってもよい。
中でも、マンションのような住宅の壁は、例えば、コンクリート壁、石膏ボード、断熱材、化粧板、および、壁紙等を有して構成されており、これらを貫通して通気スリーブが設けられている。本発明の消音換気構造は、このような壁の通気スリーブに好適に適用することができる。図1に示す例では、本発明における壁16はコンクリート壁に相当する。
なお、通気スリーブの断面形状には限定はなく、円形状、四角形状、三角形状等の種々の形状とすることができる。
また、住宅用の通気スリーブの場合には、通気スリーブの直径(円相当直径)は70mm〜160mm程度である。
なお、通気スリーブの内径は、分解能を1mmとして測定する。スリーブの断面形状が、円形ではない場合は、その面積を円相当面積として直径に換算して内径を求める。1mm未満の凹凸等の微細構造を有する場合には、これを平均化する。
消音器14は、消音部22と、取付部26とを有する。
消音器14は、通気スリーブ12の軸方向に貫通する通気部15を有し、通気部15の外周部に消音部22および取付部26を有する。
軸方向において、通気部15は通気スリーブ12内と連通しており、一体的に通風路を形成している。
消音部22は、空洞部30、空洞部30と通気部15(通気スリーブ12)内とを連通する開口部32、および、空洞部30内に配置される多孔質吸音材24を備える。
空洞部30は、通気部15(通気スリーブ12)の外周部の周方向の全周に形成される。すなわち、空洞部30は、外形が通気スリーブ12の外形よりも大きい、円環状の空間である。
また、開口部32は、空洞部30と外部(通気部15、すなわち、通気スリーブ12内)とを連通するものであり、通気スリーブ12の外周部の周方向の全周に形成される。
すなわち、消音部22は、内部に空洞を有し、スリット状の開口を有する、外形が円環形状のケース部材によって、このような空洞部30および開口部32を形成している。
多孔質吸音材24は、空洞部30内の全体に配置されている。従って、多孔質吸音材24は、円環形状である。
周知のとおり、多孔質吸音材は、内部を通過する音の音エネルギーを熱エネルギーに変換することで吸音するものである。
多孔質吸音材24としては、特に限定はなく、従来公知の多孔質吸音材が適宜利用可能である。例えば、発泡ウレタン、軟質ウレタンフォーム、木材、セラミックス粒子焼結材、フェノールフォーム等の発泡材料および微小な空気を含む材料;グラスウール、ロックウール、マイクロファイバー(3M社製シンサレートなど)、フロアマット、絨毯、メルトブローン不織布、金属不織布、ポリエステル不織布、金属ウール、フェルト、インシュレーションボードおよびガラス不織布等のファイバーおよび不織布類材料;木毛セメント板;シリカナノファイバーなどのナノファイバー系材料;石膏ボード;種々の公知の吸音材が利用可能である。
なお、図1に示す例では、多孔質吸音材24は空洞部30内の全体に配置される構成としたが、これに限定はされず、空洞部30内の少なくとも一部に配置される構成とすればよい。
このような構成の消音部22は、その開口部32が通気部15、すなわち、通気スリーブ12内と連通することによって、通気スリーブ12内を伝わる音を、開口部32から空洞部30内に伝搬し、空洞部30内の多孔質吸音材24によって音エネルギーを熱エネルギーに変換することで吸音する。
取付部26は、両端が開放された筒状の部材で、一方の端面(開放面)に消音部22が接続されている。また、取付部26の外形状は、通気スリーブ12の内形状と略同じで、通気スリーブ12内に挿入可能である。すなわち、取付部26は、通気スリーブ12の内周面に沿った形状を有する。
消音器14は、取付部26の消音部22が配置されていない側から通気スリーブ12内に挿入されて、通気スリーブ12に取り付けられる。消音部22の外径は通気スリーブ12の内径よりも大きいため、取付部26は、消音部22が通気スリーブ12の端面に接する位置まで挿入される。これにより、消音部22は通気スリーブ12の開口端面近傍に配置される。
このように、取付部26を通気スリーブ12内に挿入して、消音部22を通気スリーブ12の端部の通気スリーブ12の外周部に取り付ける構成とすることで、消音部22で通気スリーブ12を塞ぐことがないので、すなわち、消音器14を配置することによる通気スリーブ12内の断面積の減少を抑制できるので、通気スリーブ12の通気性を確保しつつ、通気スリーブ12内を伝わる騒音を抑制することができる。
ここで、本発明においては、図2に示すように、取付部26はその内側の面が、取付部26の先端側に向かうにしたがって通気スリーブ12側、すなわち、外側に傾斜している。
前述のとおり、本発明者らの検討によれば、取付部を通気スリーブ内に挿入することで消音器を取り付ける構造では、屋外の風雨等の影響により、消音器の開口部から空洞部内に雨水が浸入する場合があることがわかった。空洞部に水が溜まると消音性能が低下するおそれがある。特に、空洞部に多孔質吸音材を配置している場合には、多孔質吸音材が水分を含むことで流れ抵抗が変化して消音性能が低下するおそれがある。
そのため、消音器(空洞部)内への水の浸入を防ぐことが好ましいが、水の浸入を防ぐために、挿入部の口径を狭くすると、狭くした部分を空気(風)が通過する際に風切り音が発生してしまうという問題があることがわかった。また、通気スリーブの消音器を配置していない側の端面に網状の部材等を配置することで雨水の浸入を抑制することが考えられるが、網状の部材等を配置した場合には、換気性能は低減しないものの、やはり風切り音が発生してしまうなどの課題があることがわかった。
これに対して、本発明の消音換気構造では、図2に示すように、取付部26の少なくとも一部において、取付部26の内側の面が、取付部26の先端側に向かうにしたがって通気スリーブ12側(通気スリーブ12の中心軸とは反対側)に傾斜している。
取付部26をこのような形状とすることで、取付部26に水滴Sが付着しても、傾斜によって水滴Sは消音部22とは反対側に落下していくため、水滴Sが開口部32から空洞部30内に浸入することを抑制することができる。
また、取付部26をこのような形状とすることで、通気スリーブ12および取付部26内を通る空気の流れが滑らかになるため、風切り音の発生を抑制することができる。
水の浸入を抑制する、風切り音の発生を抑制する等の観点から、通気スリーブ12の中心軸に対する、取付部26の内側の面の角度θ(図2参照)は、1°〜45°が好ましく、2°〜40°がより好ましく、3°〜35°がさらに好ましい。
水の浸入を抑制する、風切り音の発生を抑制する、消音器14を確実に取り付ける等の観点から、通気スリーブ12の中心軸の軸方向(以下、単に「軸方向」ともいう)における、取付部26の長さは、5mm〜150mmが好ましく、10mm〜75mmがより好ましく、15mm〜50mmがさらに好ましい。
水の浸入を抑制する、風切り音の発生を抑制する、消音器14を確実に取り付ける等の観点から、取付部26の根元部の肉厚、すなわち、消音部22側の厚みは、0.1mm〜15mmが好ましく、0.3mm〜10mmがより好ましく、0.5mm〜5mmがさらに好ましい。
図1に示す消音換気構造は、通気スリーブの消音器が配置されていない側の端面側に設置されるカバー部材18、および、化粧板40の消音器が配置されていない側の端面側に設置される風量調整部材20を有する。
カバー部材18は、換気口および空調用ダクト等に設置される従来公知の、ルーバー、ガラリ等である。
また、風量調整部材20は、換気口および空調用ダクト等に設置される従来公知のレジスター等である。
ここで、図2に示す例では、取付部26は、内側の面が、取付部26の先端側に向かうにしたがって通気スリーブ12側に傾斜しており、かつ、外側の面は通気スリーブ12の内周面に接している構成としたが、これに限定はされない。
例えば、図3に示すように、取付部26は、内側の面が、取付部26の先端側に向かうにしたがって通気スリーブ12側に傾斜しており、かつ、外側の面が取付部26の先端側に向かうにしたがって通気スリーブ12の中心側に傾斜している構成としてもよい。
取付部26の外側の面を取付部26の先端側に向かうにしたがって通気スリーブ12の中心側に傾斜している形状とすることで、取付部26を通気スリーブ12内に挿入しやすく、また、抜き取りやすくなるため、消音部22の取り付け取り外しが容易になる。
また、図4に示すように、取付部26は先端部がR形状とされるのが好ましく、その曲率半径Rは0.5mm以上であるのが好ましく、0.5mm〜10mmであるのがより好ましく、1mm〜5mmであるのがさらに好ましい。
取付部26の先端部をR形状とし、その曲率半径Rを0.5mm以上とすることで、先端部をぶつけても破損しにくくなり、また、取り付け取り外しの際に使用者がケガをするのを抑制できる点で好ましい。
また、取付部26は撥水処理されているのが好ましい。
取付部26が撥水処理されていることで、取付部26に付着した水滴Sが取付部26の傾斜によって消音部22とは反対側に落下しやすくなる。
撥水処理としては、ダイキン工業株式会社製オプツール等の撥水剤を塗布する等の、公知の撥水処理が挙げられる。
ここで、図1に示す例では、消音部22は通気スリーブ12の外周面の全周に沿った略環状としたが、これに限定はされず、空洞部および開口部を有する各種の立体形状であればよい。例えば、半環形状であってもよいし、直方体形状であってもよい。
また、消音器14は、1つの消音部22を有する構成に限定はされず、2以上の消音部22を有する構成としてもよい。
消音器14は、通気スリーブ12の外周面の周方向に複数の消音部22を配列した構成としてもよいし、あるいは、通気スリーブ12の軸方向に複数の消音部22を配列した構成としてもよい。
また、複数の消音部22を有する構成の場合には、各消音部22の開口部32および空洞部30等の寸法は同じであっても互いに異なっていてもよい。また、複数の消音部22を有する構成の場合に、空洞部30内に配置される多孔質吸音材24の種類および寸法等も同じであっても互いに異なっていてもよい。
また、図1等に示す例では、取付部26の内側の面は全周で、取付部26の先端側に向かうにしたがって管状部材12側に傾斜している構成としたが、これに限定はされず、少なくとも取付部26の一部で、内側の面が取付部26の先端側に向かうにしたがって管状部材12側に傾斜している構成としてもよい。
取付部26において、管状部材12側に傾斜している部分は、取付部26の周方向のどの部分であってもよいが、消音部22内への水分の浸入を抑制する観点から、管状部材12に設置した際に鉛直方向下側の部分が、先端側に向かうにしたがって管状部材12側に傾斜している構成とするのが好ましい。
消音部22内への水分の浸入を抑制する、風切り音の発生を抑制する観点から、取付部26の内側の面の全周で、取付部26の先端側に向かうにしたがって管状部材12側に傾斜している構成とするのが好ましい。
また、取付部26は、軸方向の全域で、管状部材12側に傾斜していてもよいし、先端側の一部が管状部材12側に傾斜する構成としてもよい。
また、図1に示す例では、消音部22は、空洞部30および開口部32を有するケース状の部材の中に多孔質吸音材が配置された構成としたが、これに限定はされず、消音部は、開口部および空洞部を有する構成であれば、ヘルムホルツ共鳴器、気柱共鳴器等の消音に用いられている従来公知の消音機構とすることができる。
周知のとおり、ヘルムホルツ共鳴器または気柱共鳴器は、その共鳴周波数を消音対象の音の周波数に合わせることで消音を行うものである。消音部がヘルムホルツ共鳴器または気柱共鳴器の場合に空洞部内に水が入ると、空洞部内の体積が変化して、共鳴周波数が変化する。そのため、消音対象の音の周波数とずれてしまい、消音対象の音を適切に消音できなくなってしまうという問題が生じる。これに対して、本発明では空洞部内に水が入るのを抑制できるため、消音部がヘルムホルツ共鳴器または気柱共鳴器の場合でも、消音性能が低下するのを抑制できる。
多孔質吸音材24の厚みは空洞部30内に配置可能であれば限定はない。吸音性能等の観点から、多孔質吸音材24の厚みは0.01mm〜500mmが好ましく、0.1mm〜100mmがより好ましい。
多孔質吸音材24は、単位厚さ当たりの流れ抵抗σ1[Pa・s/m2]が、0<log(σ1)<5.5を満たすことが好ましく、2<log(σ1)<5.2を満たすことがより好ましく、3<log(σ1)<5.0を満たすことがさらに好ましい。
なお、上記式において、logは自然対数である。多孔質吸音材の流れ抵抗は、1cm厚の多孔質吸音材の垂直入射吸音率を測定し、Mikiモデル(J. Acoust. Soc. Jpn., 11(1) pp.19−24 (1990))でフィッティングすることで評価することができる。または「ISO 9053」に従って評価してもよい。
また、多孔質吸音材24は、その形状が空洞部30の形状に合わせて成型されたものとするのが好ましい。多孔質吸音材24の形状を空洞部30の形状に合わせて成型されたものとすることで、多孔質吸音材24を空洞部30内に均一に充填するのが容易になり、コストダウンでき、メンテナンスを簡易化することが可能となる。
また、1つの空洞部30に複数の多孔質吸音材24を配置する構成としてもよい。
空洞部内に複数の多孔質吸音材24を配置する構成とすることで、製造の際に、多孔質吸音材24を開口部32から空洞部30内に充填しやすくなり、また、メンテナンスの際に、多孔質吸音材24を交換しやすくなる。
また、空洞部30の形状に合わせて成型された多孔質吸音材24が複数に分割されているのがより好ましい。
また、住宅用の壁は、全体の厚み(コンクリート壁と化粧板との合計厚み)は最大で400mmであり、コンクリート壁が少なくとも100mmであるため、消音部22の軸方向の幅は、住宅のコンクリート壁と化粧板との間の空間に配置可能な観点から、300mm以下であるのが好ましく、200mm以下であるのがより好ましく、120mm以下であるのがさらに好ましい。
一方、消音部22は径方向において住宅の柱と柱の間に配置される。住宅の柱と柱の間は最大で450mm程度であり、通気スリーブは少なくとも100mm程度である。従って、消音部22の外形寸法は、住宅の柱と柱の間の空間に配置可能な観点から、450mm以下であるのが好ましく、400mm以下であるのがより好ましく、300mm以下であるのがさらに好ましい。
また、消音器14は、通気スリーブ(壁)の室内側の端面、および、室外側の端面のどちらに設置してもよいが、室内側の端面、すなわち、コンクリート壁と化粧板との間に設置されるのが好ましい。
また、消音器がコンクリート壁と化粧板との間の空間に設置される場合には、消音器は化粧板側の端面が、化粧板の壁側の面よりも壁側に配置される構成としてもよい。あるいは、消音器は化粧板側の端面が、化粧板の、壁側とは反対側の面と面一に配置される構成としてもよい。すなわち、化粧板に形成される貫通孔を消音器の外径と略同じにして、化粧板の貫通孔に消音器を挿通させる構成としてもよい。なお、消音器は化粧板側の端面と、化粧板の壁とは反対側の面とが面一となる構成に限定はされず、消音器の一部が、化粧板がある平面上に存在する構成であってもよい。
化粧板の貫通孔に消音器を挿通させる構成とすることで、消音器の設置、交換等が容易になる。
また、消音器は分離可能に構成されていてもよい。消音器を分離可能とすることで、消音器の大きさおよび数等を変えた消音器の作製が容易となる。また、空洞部内への吸音材の設置および交換が容易となる。
例えば、コンクリート壁と化粧板との間の距離はさまざまで、同じマンションであっても場所によって異なったり、施工会社によって異なったりする。コンクリート壁と化粧板との間の距離に応じて、そのつど消音器を設計して作製するとコストがかかる。また全ての距離に適用できるよう消音器を薄く設計すると、防音性能が低くなってしまう。そこで、消音器をコンクリート壁と化粧板との間に設置する場合に、コンクリート壁と化粧板との間の距離に応じて分離された複数の消音器を適宜組み合わせて設置することで、低コストで防音性能を最大化することができる。
消音器の形成材料としては、金属材料、樹脂材料、強化プラスチック材料、および、カーボンファイバ等を挙げることができる。金属材料としては、例えば、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、鉄、スチール、クロム、クロムモリブデン、ニクロムモリブデン、および、これらの合金等の金属材料を挙げることができる。また、樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、および、トリアセチルセルロース等の樹脂材料を挙げることができる。また、強化プラスチック材料としては、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)、および、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)を挙げることができる。
ここで、消音器は、排気口等に利用可能な点から、難燃材料および耐熱性の高い材料からなることが好ましい。耐熱性は、例えば、建築基準法施行令の第百八条の二各号を満たす時間で定義することができる。建築基準法施行令の第百八条の二各号を満たす時間が5分間以上10分間未満の場合が難燃材料であり、10分間以上20分間未満の場合が準不燃材料であり、20分間以上の場合が不燃材料である。ただし耐熱性は各分野ごとで定義されることが多い。そのため、消音換気構造を利用する分野に合わせて、消音器を、その分野で定義される難燃性相当以上の耐熱性を有する材料からなるものとすればよい。
また、本発明の消音換気構造において、他の市販の防音部材を有していてもよい。
例えば、本発明における消音器以外に、通気スリーブの内部に設置する内挿型消音器を有していてもよいし、通気スリーブの端部に設置する野外設置型消音器を有していてもよい。
他の防音部材と組み合わせることで、より広い帯域で高い防音性能を得られる。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
消音換気構造を作製して防音性能を評価した結果について説明する。
[実施例1]
実施例1として、図5に示すように、壁16と化粧板40との間に消音器14を設置し、通気スリーブ12と接続して消音換気構造を構成した。
壁16は、コンクリート製で、厚みは17cmとした。
通気スリーブ12は、塩化ビニル製で、直径は10cmとした。
化粧板40は、石膏ボード製で、厚みは1cmとした。
壁16と化粧板40との間の距離は10cmとした。
消音器14の消音部22は、外形が円環形状で、空洞部30の外径が20cm、内径が10cmとし、開口部32の軸方向の長さが4cmとした。
取付部26は、通気スリーブ12の内周面に沿った円環形状で、軸方向の長さが3cm、厚み(肉厚)が1cmとした。また、取付部26の内側の面は、取付部26の、軸方向の全域で先端側に向かうにしたがって通気スリーブ12側に傾斜している形状とした。通気スリーブ12の中心軸に対する取付部の内側の面の傾斜角度は18.4°である。
消音部22(空洞部30)内には多孔質吸音材24が配置されるものとした。
多孔質吸音材24は、吸音フェルトを用いた。
また、化粧板40の消音器14側の面とは反対側の面側にはレジスター(ユニックス社製KRB100)を配置した。
[比較例1]
取付部126の内側の面が傾斜していない形状とした以外は実施例1と同様にした。
[実施例2]
取付部26の内側の面の傾斜角度を40.0°とした以外は実施例1と同様にした。
[評価]
<風切り音>
JIS規格のC9630:1988の8.8「風量試験」相当の測定が可能な設備にて、風を流しながら、レジスター外側での音圧を測定した。
具体的には、図5に示すように、チャンバーCの開口部に、通気スリーブ12の、消音器14が配置されていない側の端面(開口端)を配置して、チャンバーCと通気スリーブ12と連通させた。
計測用のマイクロフォンMP(株式会社アコー製Type4160N(1/4inch))を化粧板40から軸方向に30cm、通気スリーブ12の中心軸から径方向に30cm離間した位置に配置した。
レジスター20を全開にして、チャンバーCから、通気スリーブ12内に風を送り、マイクロフォンMPで音圧を測定した。この時、風圧は約30Paに相当する。
500Hzオクターブバンドにおいて比較例1の音圧レベルが実施例1および実施例2のいずれに対しても1dB以上大きいことがわかった。この500Hzオクターブバンドにおける音圧レベルの差分は風切り音に由来するものと考えられる。
<水の浸入抑制>
取付部26に5ccの水滴を付着し、チャンバーCから、通気スリーブ12内に風を送り、水滴が消音部22内に浸入するか否かを評価した。
取付部26についた水滴は、実施例1では傾斜によって水滴は動かなかった。実施例2においては、消音部22とは反対側に落下していき、消音部22内に浸入しなかった。一方、比較例1では風によって消音部22内に水滴が浸入することが確認された。
以上の結果より本発明の効果は明らかである。
10 消音換気構造
12 管状部材(通気スリーブ)
14 消音器
15 通気部
16 壁
18 カバー部材
20 風量調整部材
22 消音部
24 多孔質吸音材
26 取付部
30 空洞部
32 開口部
40 化粧板

Claims (10)

  1. 壁を貫通して設置された管状部材に、消音器が配置された消音換気構造であって、
    前記消音器は、前記管状部材の一方の開口部から前記管状部材内に挿入される取付部と、
    前記管状部材の軸方向に貫通する通気部と、
    前記通気部の外周部に配置される消音部と、を有し、
    前記消音部は、空洞部、および、前記空洞部と前記通気部とを連通する開口部、を有し、
    前記取付部の少なくとも一部は、前記取付部の内側の面が、前記取付部の先端側に向かうにしたがって前記管状部材側に傾斜している消音換気構造。
  2. 前記取付部の先端の曲率半径が0.5mm以上である請求項1に記載の消音換気構造。
  3. 前記取付部は撥水処理されている請求項1または2に記載の消音換気構造。
  4. 前記管状部材の中心軸に対する前記取付部の内側の面の角度は1°〜45°である請求項1〜3のいずれか一項に記載の消音換気構造。
  5. 前記管状部材の軸方向における前記取付部の長さは5mm〜150mmである請求項1〜4のいずれか一項に記載の消音換気構造。
  6. 前記取付部は、前記管状部材の内周面に沿った形状を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の消音換気構造。
  7. 前記取付部は、外側の面が前記管状部材の内周面に接して配置されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の消音換気構造。
  8. 前記取付部は、外側の面が前記取付部の先端側に向かうにしたがって前記管状部材の中心側に傾斜している請求項1〜6のいずれか一項に記載の消音換気構造。
  9. 前記空洞部内に配置される多孔質吸音体を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の消音換気構造。
  10. 前記壁は室外と室内とを区切る壁であり、前記消音器は、前記壁と、前記壁の室内側に前記壁に平行に設けられた化粧板との間に配置されている請求項1〜9のいずれか一項に記載の消音換気構造。
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