JP2020069951A - 車両の運転制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】浸水状態や運転状態に応じて的確に排気管内への水の浸入防止の制御を行う。【解決手段】車両1に搭載されるエンジンEと、エンジンEから引き出された排気管6内の排気圧の情報を取得する排気圧センサ33と、排気管6内への水の浸入の有無及びその浸入した水の水圧の情報を取得する水検知センサ30とを備え、排気管6内に水の浸入があった際に水圧の情報に基づいて排気管6内の排気圧を増大させ、排気管内への水の浸入増大を抑制する排気圧力増大制御を行う車両の運転制御装置とした。【選択図】図1
Description
この発明は、エンジンを搭載する車両の運転制御装置に関する。
エンジンを搭載する自動車において、水が滞留した悪路を走行したり、橋が架かっていない河川を横断するために水流の中を走行する場合がある。また、大雨時や水害時等に、意に反して浸水地域を走行せざるを得ない場合もある。このような場合、運転条件によっては、エンジンの排気管内に水が浸入することがある。
また、エンジンと走行用モータとを備えるハイブリッド自動車では、エンジンを稼働させずに走行用モータの駆動力のみで走行するエンジン非稼働運転モードで運転される場合がある。エンジン非稼働運転モードでは、排気管内の圧力が大気圧と同程度となるため、排気管内への水の浸入がより著しくなる傾向がある。
そこで、エンジンの排気管内への水の浸入を抑制する、あるいは、排気管内へ浸入した水を排出するための種々の技術が開示されている。
例えば、排気管内への水の浸入を防止する技術として、特許文献1に記載されたものがある。この技術では、排気管の先端部に、耐熱布等からなる水遮断機具を設置している。水遮断機具は、水浸状態で密着特性を有して外部からの水の浸入を遮断するとともに、エンジン稼働状態では、排気圧により開放されて排気作動を成すものとされている。
また、例えば、浸入した水を排出する技術として、特許文献2に記載されたものがある。この技術では、ハイブリッド自動車において、エンジンの吸気通路に電動式過給機が備えられ、また、吸気通路と排気通路との間には、排気ガスの一部を吸気に還流する排気ガス再循環装置が備えられている。エンジンの排気管内への浸水が検知された際に、エンジン非稼働運転モードであれば、電動過給機を駆動するとともに排気ガス再循環装置の通路を開放し、その排気ガス再循環装置の通路を通じて排気管内の圧力を高める制御を行っている。これにより、エンジン非稼働状態であっても排気管内の水を排気管外に排出できるとされている。
上記特許文献1に記載の技術によれば、排気管の先端部に設けた水遮断具によって、水の浸入をある程度防止することは可能である。しかし、排気管内への水の浸入を阻止するために排気管内の圧力を活用する点については、何ら記載されていない。
上記特許文献2に記載の技術によれば、エンジンの排気管内への浸水が検知された際に、エンジン非稼働状態であっても、電動式過給機によって排気管内の圧力を高める制御を行うことができる。しかし、エンジン稼働状態あるいはエンジン非稼働状態において、それぞれ排気管内への浸水が検知された際に排気管内の圧力をどのように制御するかについては、何ら記載されていない。すなわち、上記特許文献2には、どの程度の浸水に対応して排気管内の圧力をどの程度高めるのか、あるいは、その後の浸水状態や運転状態の変化に対応してどのような制御を行うのかについては、何ら記載されていない。
そこで、この発明の課題は、浸水状態や運転状態に応じて的確に排気管内への水の浸入防止の制御を行うことである。
上記の課題を解決するために、この発明は、車両に搭載されるエンジンと、前記エンジンから引き出された排気管内の排気圧の情報を取得する排気圧センサと、前記排気管内への水の浸入の有無及びその浸入した水の水圧の情報を取得する水検知センサと、を備え、前記水の浸入があった際に前記水圧の情報に基づいて前記排気管内の排気圧を増大させ、前記排気管内への前記水の浸入増大を抑制する排気圧力増大制御を行う車両の運転制御装置を採用した。
ここで、前記エンジンと前記車両の駆動輪との間に変速機を備え、前記排気圧力増大制御は、エンジン稼働状態で前記車両が走行中である場合には、前記変速機による変速比の調整により前記エンジンの回転数を上昇させる第1の排気圧力増大制御である構成を採用することができる。
また、前記排気圧力増大制御は、エンジン稼働状態で前記車両が停車中であって前記水圧が前記排気圧よりも大きい場合には、前記排気圧が前記水圧以上となるまで前記エンジンの回転数を上昇させる第2の排気圧力増大制御である構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記車両は、電力によって駆動力を発生させる走行用モータを備え、エンジン非稼働状態で前記車両が停車中であって前記水圧が前記排気圧よりも大きい場合に、前記エンジンの稼働が停止して再始動が出来ない際には、前記走行用モータのみによって駆動される電動走行モードへ切り替える制御を行う構成を採用することができる。
前記車両が停車した際に前記エンジンの稼働を自動的に停止するアイドルストップ機能を備え、エンジン稼働状態で前記車両が停車中であって前記排気圧が前記水圧以上の場合に、前記排気圧と前記水圧の差が閾値未満である際には、前記アイドルストップ機能を停止させるアイドルストップ禁止制御を行う構成を採用することができる。
また、前記排気圧力増大制御は、エンジン稼働状態で前記車両が停車中であって前記排気圧が前記水圧以上の場合に、前記排気圧と前記水圧の差が閾値未満である際には、前記エンジンの回転数を上昇させるアイドル時回転数増大制御である構成を採用することができる。
この発明は、排気管内への水の浸入があった際に、水圧の情報に基づいて排気管内の排気圧を増大させる制御を行うので、浸水状態や運転状態に応じて的確にそれ以上の排気管内への水の浸入を抑制するための制御を行うことができる。
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、この発明の車両の運転制御装置の構成を示す全体図である。ここでは、車両1として、駆動輪5への駆動力の供給源として、エンジンEと走行用モータMとを備えるハイブリッド自動車(Hybrid Electric Vehicle)を採用している。
エンジンEと走行用モータMの出力軸は、動力伝達経路Dを通じて駆動輪5に接続されている。エンジンEと駆動輪5との間の動力伝達経路には、エンジンEの出力軸側の回転数に対する駆動輪5側の回転数の比で表される変速比を可変とできる変速機Tを備えている。変速機Tは、例えば、連続可変トランスミッション(Continuously Variable Transmission/CVT)や、オートマチックトランスミッション(Automatic Transmission/AT)等とすることができる。
車両1の室内には運転席2が備えられ、運転者が行うステアリング3やアクセル4の操作によって、車両1が運転される。また、この車両1が備える電子制御ユニット(Electronic Control Unit)20は、運転者の操作に基づき、あるいは、運転状態の変化に対応して自動的に、エンジンEや走行用モータM、変速機T、その他各種機器の制御を行っている。
エンジンEの構成は、図2に示すように、ピストンPを収容したシリンダの燃焼室10内に通じ吸気を導入する吸気通路11、燃焼室10から引き出され排気を送り出す排気通路12を備えている。吸気通路11の燃焼室10への接続部である吸気ポート、及び、排気通路12の燃焼室10への接続部である排気ポートは、それぞれ吸気バルブ11a、排気バルブ12aによって開閉される。また、燃焼室10や吸気ポート11には、吸気に燃料を噴射する燃料噴射装置13が備えられる。
吸気通路11には、吸気ポートから上流側に向かって、吸気通路11の流路面積を調節
するスロットルバルブ14、吸気通路11を流れる吸気を冷却する吸気冷却装置(インタークーラ)、ターボチャージャ19のコンプレッサ、エアクリーナ17等が設けられる。
するスロットルバルブ14、吸気通路11を流れる吸気を冷却する吸気冷却装置(インタークーラ)、ターボチャージャ19のコンプレッサ、エアクリーナ17等が設けられる。
排気通路12には、排気ポートから下流側に向かって、ターボチャージャ19のタービン、排気ガス中の有害物質を除去する排気浄化部、マフラ7等が設けられる。また、排気通路12には、排気温度センサや空燃比センサ等が設けられるほか、排気管6内の圧力(排気圧)の情報を取得する排気圧センサ33が設けられている。
さらに、排気管6の出口部8、すなわち、マフラ7の大気開放側の出口部8には、その排気管6内への水の浸入の有無、及び、その浸入した水の水圧の情報を取得する水検知センサ30が設けられている。水検知センサ30は、出口部8の端縁付近に設けられることが望ましい。
この実施形態では、水検知センサ30は、図2及び図3に示すように、水の浸入の有無を検知する水没検知センサ31と、水圧を検知する水圧検知センサ32とを別々に設けているが、これらの機能を一つのセンサで供用するようにしてもよい。また、水検知センサ30は、この実施形態のように、排気管6内に配置してもよいし、排気管6の外面に沿って配置したり、あるいは、車両1の車体の下部等、排気管6以外の他の位置に設けてもよい。ただし、水検知センサ30は、排気管6の出口部8と同じ高さか、その高さに近い部分に配置することが望ましい。
ここで、水の浸入の有無を検知する機能については、排気中に含まれる水蒸気やその水蒸気が液化した水滴を検知せずに、排気管6の出口部8が水没した状態、すなわち、センサが水面下に存在することを検知する機能とする。水圧を検知する機能については、センサが水没した状態において、そのセンサ位置での水の圧力を数値でもって検出する機能とする。
吸気通路11と排気通路12との間には、その吸気通路11と排気通路12とを結ぶ排気還流通路を有し、その排気還流通路を通じて排気の一部を排気還流ガスとして吸気に導入する排気ガス再循環装置15、16が備えられている。この実施形態では、排気ガス再循環装置15、16として、比較的圧力が高い排気ガスを扱う高圧排気ガス再循環装置15と、比較的圧力が低い排気ガスを扱う低圧排気ガス再循環装置16の両方を備えている。排気ガス再循環装置15、16は、排気還流通路に設けたバルブの開閉と吸気通路11内の圧力状態に応じて、排気還流ガスを吸気通路11内の吸気に合流させる。なお、排気ガス再循環装置15、16として、高圧排気ガス再循環装置15のみを採用した構成、あるいは、低圧排気ガス再循環装置16のみを採用した構成とする場合もある。
排気通路12には、ターボチャージャ19のタービンを挟んで上流側と下流側とを結ぶウェイストゲート装置18が設けられている。ウェイストゲート装置18は、タービンの上流側の排気通路12と下流側の排気通路12とを結ぶ排気バイパス通路18bと、その
排気バイパス通路18bを開閉するウェイストゲートバルブ18aを備えている。
排気バイパス通路18bを開閉するウェイストゲートバルブ18aを備えている。
電子制御ユニット20は、エンジンEが備える回転センサ34によるクランクシャフトCの回転数の情報の他、吸入空気量の情報、排気温度、空燃比、排気圧等の各種情報を取得し、それらの情報を制御に活用する。
電子制御ユニット20は、スロットルバルブ14を動作させて、燃焼室10内への吸気の導入量を調整する出力制御手段21を備える。出力制御手段21は、例えば、運転者が行うアクセル4の操作に基づき、加速を指示する入力情報があった場合は、その指示された加速の度合いに応じて、燃焼室10内への吸入空気量を増大させる制御を行う。また、加速の指示の解除があれば、吸入空気量を減少させる制御を行う。この出力制御手段21は、燃料噴射装置13による燃料噴射の圧力、燃料噴射の時期を調整する制御、ターボチャージャ19やウェイストゲート装置18の制御、その他、運転状況に応じて必要な制御を行う。
ところで、例えば、大雨時や水害時等に、排気管6の出口部8が水に浸かる深い水溜りや、河川の中を走行するような状況が生じた場合、排気管6内に水が浸入してその水がマフラ7内に溜まり、エンジンEの稼働が停止(エンスト)してしまう場合がある。また、最悪の場合は、エンジンEの燃焼室10内に水が浸入してしまい、再始動が不可能な状態になる場合もある。
例えば、図1は、車両1が浸水した状態を示している。地盤G上を走行する車両1は、地盤G上に水位h1まで滞留する水Wの中を走行している。排気管6の出口部8は、地盤G上の高さh0(h0<h1)に位置し、出口部8は水面下にあって水没している。この状態においても、その排気管6内において、排気圧が水圧以上であれば、排気管6内への水の浸入は幾分あるものの、排気管6内の奥部への水の浸入は少ないので、車両1はそのままエンジン稼働状態で走行することができる。しかし、水圧が排気圧よりも大きければ、そのままでは排気管6内の奥部への水の浸入が懸念される。
そこで、この発明では、水検知センサ30によって、排気管6内への水の浸入が検知された際に、その浸入した水の水圧の情報に基づいて、排気管6内の排気圧を増大させる排気圧力増大制御を行うようにしている。排気圧力増大制御により、排気管6内の排気圧が高まれば、排気管内への水の浸入増大を抑制することができる。すなわち、排気管6内の奥部への水の浸入を防止することができる。排気圧力増大制御は、電子制御ユニット20が備える排気圧制御手段22が、水検知センサ30や排気圧センサ33からの情報に基づいて、出力制御手段21に対してその制御の指令を行う。
また、この車両1は、車両1が停車した際にエンジンEの稼働を自動的に停止するアイドルストップ機能を備えている。図1のように車両1が浸水した状態で停車すると、アイドルストップ機能によってエンジンEの稼働が自動的に停止してしまい、排気管6内への水の浸入を助長してしまうという問題がある。
そこで、この発明では、水検知センサ30によって、排気管6内への水の浸入が検知された際に、その浸入した水の水圧の情報に基づいて、アイドルストップ機能を停止させるアイドルストップ禁止制御を行うようにしている。アイドルストップ禁止制御は、電子制御ユニット20が備えるアイドルストップ制御手段23が、水検知センサ30や排気圧センサ33からの情報に基づいて、出力制御手段21に対してその制御の指令を行う。
この発明の制御について、図4のフロー図に基づいて説明する。
まず、ステップS1で制御を開始し、ステップS2では、排気管6内への水の浸入が検知されているかどうかが判別される。水の浸入が検知されていなければ、本制御の必要はないので、ステップS14へ移行し制御を終了する。水の浸入が検知されていれば、ステップS3へ移行する。
ステップS3では、車両1が走行中なのか、停車中なのかが判別される。車両1が走行中であればステップS8へ移行し、排気圧力増大制御として第1の排気圧力増大制御を行う。第1の排気圧力増大制御は、排気管6内への水の浸入の検知に対応して、エンジン稼働状態で且つ車両1が走行中である場合において、排気圧を上昇させる制御を行うものである。ここで、排気圧を上昇させるために、変速機による変速比(エンジンEの出力軸側の回転数に対する駆動輪5側の回転数の比)を上昇させて、エンジンEの回転数を上昇させる制御としている。車両1はエンジン稼働状態で走行中であるので、このような制御が有効である。すなわち、連続可変トランスミッション車なら変速比を深く、オートマチックトランスミッション車ならシフト段を下げて、それぞれエンジンEの回転数を上昇させて、水の浸入によるエンジンEの稼働停止を防止する。
このとき、エンジンEの回転数は、走行に支障がない限りできる限り上昇させて、それを継続させることが望ましい。あるいは、エンジンEの回転数は、排気圧が水圧以上となるまで上昇させて、それを継続させることが望ましい。これにより、エンジン稼働状態で走行中である場合に、排気管6内への水の浸入を防止することができる。
なお、ステップS8において、エンジン非稼働状態で且つ車両1が走行中である場合、例えば、電動走行モードでの走行中であったり、エンジン非稼働状態で惰性で走行中である場合等には、排気圧を上昇させるために、停止中のエンジンEを稼働させる制御を行うこととなる。このとき、エンジン稼働状態に移行した後のエンジンEの回転数は、上記と同様とできる。これにより、エンジン非稼働状態で走行中である場合にも、排気管6内への水の浸入を防止することができる。
一方、車両1が停車中であればステップS4へ移行する。ステップS4では、水圧と排気圧との比較が行われる。ステップS4において、水圧が排気圧よりも大きい場合は、ステップS9へ移行する。
ステップS9において、エンジン稼働状態であればステップS13へ移行し、排気圧力増大制御として第2の排気圧力増大制御を行う。第2の排気圧力増大制御は、排気管6内への水の浸入の検知及び水圧が排気圧よりも大きいことに対応して、停車中の車両1において、排気圧が水圧以上となるまでエンジンEの回転数を上昇させる制御である。これにより、エンジン稼働状態で停車中である場合に、排気管6内への水の浸入を防止することができる。
また、ステップS9において、エンジン非稼働状態、すなわち、エンジンEの稼働が停止中であれば、ステップS10へ移行する。ステップS10において、エンジンEの再始動を試みる。再始動が可能であれば、ステップS12での再始動を経て、その後、ステップS13における第2の排気圧力増大制御を行う。再始動が不可であれば、ステップS11へ移行し、走行用モータのみによって駆動される電動走行モードへの切替を行う。これにより、エンジンEの再始動が困難な状況であっても、水没エリアからの早期の脱出を図ることができる。
ステップS4において、排気圧が水圧以上である場合は、ステップS5へ移行する。ここでは、車両1は停車中であり、排気圧が水圧以上であるのでエンジン稼働状態である。また、排気圧が水圧以上であるので、排気管6内の奥部への水の浸入の危惧は比較的少ない。しかし、排気管6の出口部8が水没状態であるので、その後の水圧の変化や運転状況の変化には注意が必要な状態である。このため、排気圧と水圧との差(排気圧>水圧)との差に着目し、排気圧と水圧の差が閾値未満である際には、ステップS6において、アイドルストップ機能を停止させるアイドルストップ禁止制御を行う。排気圧と水圧との差が小さいので、車両1を停車させるとアイドルストップ機能によってエンジンEが停止して排気圧が早期に下降し、マフラ7内に水が滞留して、次の発進時にエンジンEの始動ができない可能性があるからである。また、排気圧と水圧との差が閾値以上である際には、ステップS8へ移行して、第1の排気圧力増大制御を行うこととなる。
そして、続いてステップS7では、排気圧力増大制御として、エンジンのアイドル回転数を上昇させるアイドル時回転数増大制御を行う。同じく、ここでは、車両1は停車中であり、排気圧が水圧以上であるのでエンジン稼働状態である。また、排気圧と水圧の差が閾値未満であり、排気圧と水圧との差が小さいので、その後の水圧の変化や運転状況の変化には注意が必要な状態である。このため、エンジンEのアイドル回転数を上昇させることで、不意の水圧の変化や排気圧の変化によって水が排気管6内に浸入する事態が生じないようにしている。
なお、閾値の数値は、エンジンEや車両1の仕様によって任意に設定してよいが、より過酷な運転状況が想定される場合は、閾値を大きく設定することが望ましい。また、その時点で検出された水圧の大小によって、例えば、水圧が大きいほど水没の状態が深刻であるので、水圧が大きいほど閾値を大きく設定してもよい。
上記の実施形態では、排気圧力増大制御として第1の排気圧力増大制御、第2の排気圧力増大制御、アイドル時回転数増大制御を採用し、それぞれ排気圧を増大させるために、エンジンEの回転数を上昇させる制御を採用し、特に、第1の排気圧力増大制御では、エンジンEの回転数を上昇させるために、変速機によって設定させる変速比を調整する手法を採用している。ここで、各制御において、排気圧を増大させる制御としては、上記以外にも他の手法を採用することができる。例えば、ウェイストゲートバルブ18aを開放することで、排気管6内の排気圧を高める手法や、あるいは、吸気通路11のコンプレッサの上流側に電動式過給機を配置し、その電動式過給機を駆動するとともに低圧排気ガス再循環装置16の排気還流通路を開放して、排気管6内の圧力を高めてもよい。
上記の実施形態では、車両1として、駆動輪5への駆動力の供給源として、エンジンEと走行用モータMとを備えるハイブリッド自動車を対象に、この発明の構成を説明した。ここで、排気圧力増大制御として第1の排気圧力増大制御、第2の排気圧力増大制御、アイドル時回転数増大制御と、その他の制御として、アイドルストップ禁止制御、電動走行モードへの切り替え制御を併用しているが、他の実施形態として、例えば、これらの複数の制御の中から選択される複数の又は単一の制御を備えた車両の運転制御装置としてもよい。このため、例えば、走行用モータを備えない車両1の場合は、電動走行モードへの切り替え制御を備えない車両の運転制御装置とすることができる。
1 車両
6 排気管
7 マフラ
8 出口部
10 燃焼室
11 吸気通路
12 排気通路
20 電子制御ユニット
21 出力制御手段
22 排気圧制御手段
23 アイドルストップ制御手段
30 水検知センサ
31 水没検知センサ
32 水圧検知センサ
33 排気圧センサ
6 排気管
7 マフラ
8 出口部
10 燃焼室
11 吸気通路
12 排気通路
20 電子制御ユニット
21 出力制御手段
22 排気圧制御手段
23 アイドルストップ制御手段
30 水検知センサ
31 水没検知センサ
32 水圧検知センサ
33 排気圧センサ
Claims (6)
- 車両に搭載されるエンジンと、
前記エンジンから引き出された排気管内の排気圧の情報を取得する排気圧センサと、
前記排気管内への水の浸入の有無及びその浸入した水の水圧の情報を取得する水検知センサと、
を備え、
前記水の浸入があった際に前記水圧の情報に基づいて前記排気管内の排気圧を増大させ、前記排気管内への前記水の浸入増大を抑制する排気圧力増大制御を行う車両の運転制御装置。 - 前記エンジンと前記車両の駆動輪との間に変速機を備え、
前記排気圧力増大制御は、
エンジン稼働状態で前記車両が走行中である場合には、前記変速機による変速比の調整により前記エンジンの回転数を上昇させる第1の排気圧力増大制御である請求項1に記載の車両の運転制御装置。 - 前記排気圧力増大制御は、
エンジン稼働状態で前記車両が停車中であって前記水圧が前記排気圧よりも大きい場合には、前記排気圧が前記水圧以上となるまで前記エンジンの回転数を上昇させる第2の排気圧力増大制御である請求項1又は2に記載の車両の運転制御装置。 - 前記車両は、電力によって駆動力を発生させる走行用モータを備え、
エンジン非稼働状態で前記車両が停車中であって前記水圧が前記排気圧よりも大きい場合に、前記エンジンの稼働が停止して再始動が出来ない際には、前記走行用モータのみによって駆動される電動走行モードへ切り替える制御を行う請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の運転制御装置。 - 前記車両が停車した際に前記エンジンの稼働を自動的に停止するアイドルストップ機能を備え、
エンジン稼働状態で前記車両が停車中であって前記排気圧が前記水圧以上の場合に、前記排気圧と前記水圧の差が閾値未満である際には、前記アイドルストップ機能を停止させるアイドルストップ禁止制御を行う請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の運転制御装置。 - 前記排気圧力増大制御は、
エンジン稼働状態で前記車両が停車中であって前記排気圧が前記水圧以上の場合に、前記排気圧と前記水圧の差が閾値未満である際には、前記エンジンの回転数を上昇させるアイドル時回転数増大制御である請求項1〜5の何れか1項に記載の車両の運転制御装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022039264A1 (ja) * | 2020-08-21 | 2022-02-24 | いすゞ自動車株式会社 | 車両の制御装置、車両、及び制御方法 |
-
2018
- 2018-11-01 JP JP2018206437A patent/JP2020069951A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022039264A1 (ja) * | 2020-08-21 | 2022-02-24 | いすゞ自動車株式会社 | 車両の制御装置、車両、及び制御方法 |
JP2022035677A (ja) * | 2020-08-21 | 2022-03-04 | いすゞ自動車株式会社 | 車両の制御装置、車両、及び制御方法 |
JP7392611B2 (ja) | 2020-08-21 | 2023-12-06 | いすゞ自動車株式会社 | 車両の制御装置、車両、及び制御方法 |
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