JP2020069507A - 冷間圧延に供する鋼帯の脱スケール方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性に優れたショットブラストを脱スケールに利用しつつ、冷間圧延において鋼帯の破断や欠陥の発生など効果的に抑制した、冷間圧延に供する鋼帯の脱スケール方法を提供する。【解決手段】冷間圧延に供する鋼帯の表層にショットブラスト処理する工程をそなえる脱スケール法において、該ショットブラスト処理の際、鋼帯中に導入される変形双晶の平均深さを該鋼帯の板厚の10%以下に抑制する。【選択図】図3

Description

本発明は、熱延鋼帯や熱延鋼帯を焼鈍して得られた熱延板焼鈍鋼帯など冷間圧延に供する鋼帯の脱スケール方法に関し、かかる脱スケールに際し従来懸念された板厚を貫通するクラックや鋼帯破断の発生を効果的に回避しようとするものである。
冷間圧延に供する鋼帯は、一般に熱間圧延、さらには熱間圧延した鋼帯を焼鈍することで製造される。このようにして製造された冷間圧延用鋼帯は、表層に鉄酸化物を主体とするスケールを有している。従って、このようなスケールが残留したままの鋼帯を冷間圧延に供すると、圧延負荷増大による破断やスケール押し込みによる表面欠陥などの問題が発生する。
鋼板表層に生成されたスケールを除去する方法として、例えば、特許文献1には、金属帯を焼鈍し、ショットブラストを施し、化学的脱スケール処理を施したのちに、冷間圧延を施すことで冷間圧延の効率を向上する技術が開示されている。
また、特許文献2には、ステンレス熱延鋼帯のスケール除去方法として、ショットブラストで使用するショット球の直径、さらには投射速度や投射密度を制御することで、鋼板表層の粗さを抑制しつつ、効率的にスケールを除去する方法が開示されている。
特開平8-24936号公報 特開2007-56358号公報
しかしながら、近年の鋼材の高強度化および薄肉化に伴い、冷間圧延における高負荷、高圧下が進むにつれて、ショットブラストを適用した鋼帯の冷間圧延中に、鋼帯が破断したり、板厚を貫通するクラックが生じるという問題が多発した。
この点、スケールブレーカーと酸洗を組み合わせた脱スケール方法など、ショットブラストを使用しない方法でスケールを除去した場合には、上記のような欠陥は発生しない。
しかしながら、ショットブラストを使用しない方法は脱スケール性に劣るため、製品に要求される表面品質を確保するためには長時間の酸洗が必要となり、生産性に劣るという問題があった。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、生産性に優れたショットブラストを脱スケールに利用しつつ、冷間圧延において鋼帯の破断や欠陥の発生などを効果的に抑制した、冷間圧延に供する鋼帯の脱スケール方法を提供することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく、脱スケール工程でショットブラストを適用した冷間圧延用鋼帯を冷間圧延に供した際に破断が発生する原因について鋭意調査を行った。
その結果、図1に示すように、ショットブラストを適用した際に鋼帯表層にかなりの厚み範囲にわたって変形双晶が導入され、かかる変形双晶を起点として冷間圧延時に破断が発生する場合があることを見出した。
図中、破線で囲った領域が変形双晶の形成領域である。かかる変形双晶は、鋼板表面の全面に均一に形成されるわけではなく、主にショット粒が衝突した位置の周辺に形成され、結晶粒内で直線状に伸びている領域が変形双晶領域である。
これに対し、図2に示すように、ショットブラストの条件を調整して、導入される変形双晶の平均深さを抑制することにより、冷間圧延中における鋼帯の破断を効果的に防止できることを見出した。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、その要旨は次のとおりである。
1.冷間圧延に供する鋼帯のスケールを連続的に除去する方法であって、該鋼帯の表層にショットブラスト処理する工程を有し、該ショットブラスト処理の際、鋼帯中に導入される変形双晶の平均深さを該鋼帯の板厚の10%以下に抑制することを特徴とする、鋼帯の脱スケール方法。
2.前記冷間圧延に供する鋼帯が、フェライト系ステンレス鋼であることを特徴とする前記1に記載の鋼帯の脱スケール方法。
3.前記冷間圧延に供する鋼帯が、珪素鋼であることを特徴とする前記1に記載の鋼帯の脱スケール方法。
本発明によれば、ショットブラストを脱スケールに活用しても、その後の冷間圧延における鋼帯の破断や欠陥の発生などを効果的に抑制することができる。
従来のショットブラスト後の鋼帯断面における変形双晶を示す図である。 本発明に従うショットブラスト後の鋼帯断面における変形双晶を示す図である。 ショットブラストで導入された変形双晶の平均深さ板厚比率と冷間圧延中の欠陥発生率を示す図である。
以下、本発明を着想するに至った実験について述べる。
質量%で、C:0.0020%、Si:0.70%、Mn:0.51%、Al:0.50%、Cu:0.10%およびCr:0.05%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる厚さ2.0mmの熱延焼鈍板に対し、ショット径:0.15〜1.00mm、投射速度:10〜50m/s、投射密度:12.5kg/m2(一定)の種々の条件でショットブラストを実施した。ここに、ショット径はショットブラストに用いるブラスト球の平均直径、投射速度はブラスト球の平均投射速度である。
ついで、ショットブラスト後、塩酸による酸洗を施したのち、圧下率85%で板厚0.30mmまで圧延した。
また、酸洗後の鋼板の板幅方向断面を切り出し、光学顕微鏡によるミクロ組織観察により変形双晶の平均深さを算出した。ここで、ミクロ組織観察では異なる10か所の平均双晶の板厚方向の深さを測定し、その平均値を変形双晶の平均深さとした。
測定した平均双晶深さの板厚比率と冷間圧延中の欠陥発生率の関係を図3に示す。ここで、冷間圧延中の欠陥は、冷間圧延中に破断するか、板厚を貫通するクラックが発生した割合を示す。
同図に示したとおり、平均双晶深さの板厚比率が小さくなるにしたがって冷間圧延中の欠陥発生率は減少し、特に平均双晶深さの板厚比を10%以下とすることで、欠陥発生率を5%以下まで低減することができた。
ショットブラストによる変形双晶深さを小さくすることで冷間圧延中の欠陥が減少する理由について、発明者らは以下のように考えている。
冷間圧延では転位の蓄積に伴う均一変形に加えて、剪断帯や変形帯による不均一変形も生じる。このとき、剪断帯や変形帯がショットブラストによって導入された変形双晶に衝突すると、衝突部分に転移の蓄積が促進され、その結果、変形双晶部分を起点として割れが生じ、破断やクラックにつながるものと考えられる。そのため、変形双晶の深さを抑制することで、剪断帯や変形帯と変形双晶の衝突確率が低減し、冷間圧延中の欠陥が抑制されたものと考えられる。
本発明の実施形態について述べる。
本発明で対象とする鋼帯は、熱延鋼帯または熱延鋼帯を焼鈍して得られた熱延板焼鈍鋼帯であり、脱スケール工程の後に冷間圧延工程に供する鋼帯を対象とする。
鋼種については特に限定するものではないが、低温で靱性が低下し、かつ冷間圧延で70%以上の圧下率で高圧下を施すフェライト系ステンレス鋼や珪素鋼への適用が特に有効である。
前記鋼帯は脱スケール工程においてショットブラスト処理を施したのち、必要に応じて酸洗処理やブラシ等による研磨工程を施してもよい。ショットブラスト処理の条件は脱スケール工程後の鋼帯表層において、変形双晶深さの板厚比率が10%以下になるようにすることが重要である。変形双晶深さの板厚比率が10%を超えると、冷間圧延中に破断あるいはクラックの欠陥が発生しやすくなる。好ましくは変形双晶深さの板厚比が5%以下である。
但し、変形双晶深さの板厚比率が0.1%を下回ると十分な脱スケールが望めなくなるので、変形双晶深さの板厚比率は0.1%以上とすることが好ましい。
ここで、変形双晶深さの板厚比率は脱スケール工程後の鋼帯断面のミクロ組織を光学顕微鏡観察することにより求められる。
すなわち、ショットブラスト処理後の鋼帯の表面近傍の断面を光学顕微鏡で観察すると、ショット粒が衝突した位置に変形双晶領域が観察されるが、かかる変形双晶領域内における変形双晶の最も深い位置を変形双晶深さとし、異なる位置に生じた変形双晶10個の板厚方向深さの平均値を求めて平均の変形双晶深さとし、これを板厚で除することで算出する。
なお、変形双晶深さの板厚比率を10%以下に抑制する手法としては、ショットブラストに用いるブラスト球の鋼板衝突時の運動エネルギーを低減する、すなわちブラスト球の径を小さくする、あるいは投射速度を低減する方法が有効である。また、ブラスト球の運動エネルギーを低減すると、変形双晶深さが低減する一方で、脱スケール性が低下するため、必要に応じて鋼板表面の単位面積あたりに対するブラスト球の投射密度を大きくするなどの対策が有効である。
ここに、好適なショットブラスト条件は次のとおりである。
・ショット径:0.1〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.4mm
・投射速度:10m/s以上45m/s未満、好ましくは20〜40m/s
・ショット球の投射密度:10〜100kg/m2、好ましくは10〜30kg/m2
ショットブラストの具体的な条件は、鋼帯表層に生成したスケールの特性に応じて異なる。従って、上記した好適ショットブラスト条件の範囲内で変形双晶深さが鋼帯の板厚の10%以下となるように適切な条件を選択することが重要である。
(実施例1)
質量%で、C:0.001%、Si:3.0%、Mn:0.1%およびAl:0.5%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる板厚2.0mmの熱延板焼鈍鋼帯に対し、表1に示す条件でショットブラストを施したのち、塩酸による酸洗を施した。その後、圧下率85%で板厚0.30mmまで圧延した。
酸洗後の変形双晶平均深さの板厚比率と冷間圧延中の欠陥発生率との関係について調べた結果を、表1に併記する。
表1に示したとおり、ショット径を大きくする、あるいは投射速度を大きくすると変形双晶平均深さの板厚比率が増大して欠陥発生率が増加するのに対し、板厚比率の値を本発明範囲とすることで、冷間圧延中の欠陥発生率が大幅に低減することがわかる。
(実施例2)
質量%で、C:0.10%、Si:0.60%、Mn:0.70%、P:0.01%、S:0.005%およびCr:17.0%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる板厚4mmの熱延板焼鈍鋼帯を、表2に示す条件でショットブラストしたのち、硫酸酸洗を施した。その後、板厚0.8mmまで冷間圧延した。
酸洗後の変形双晶平均深さの板厚比率と冷間圧延中の欠陥発生率との関係について調べた結果を、表2に併記する。
表2に示したとおり、ショット径を大きく、あるいは投射速度を大きくした場合には、変形双晶平均深さの板厚比率が増大し、欠陥発生率が増加するのに対し、板厚比率の値を本発明範囲とした場合には、冷間圧延中の欠陥発生率が著しく低減していることがわかる。

Claims (3)

  1. 冷間圧延に供する鋼帯のスケールを連続的に除去する方法であって、該鋼帯の表層にショットブラスト処理する工程を有し、該ショットブラスト処理の際、鋼帯中に導入される変形双晶の平均深さを該鋼帯の板厚の10%以下に抑制することを特徴とする、鋼帯の脱スケール方法。
  2. 前記冷間圧延に供する鋼帯が、フェライト系ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1に記載の鋼帯の脱スケール方法。
  3. 前記冷間圧延に供する鋼帯が、珪素鋼であることを特徴とする請求項1に記載の鋼帯の脱スケール方法。
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